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技術 成形品セット、コンピュータカラーマッチングシステム、データベース、及び、成形品セットの製造方法

出願人 大日精化工業株式会社ダイキン工業株式会社ダイキンアメリカインコーポレイティッド
発明者 菊田郁夫相澤文也作田新吾荒島勇治坂井彩北川迪子三好夏枝岸根充西村啓
出願日 2017年10月13日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2017-199860
公開日 2019年5月16日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-073604
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 各種分光測定と色の測定
主要キーワード イヤーフック ウェアラブル機器 シリコーンゴム製シート 成形プレス機 水中マスク ダッシュボードパネル 磁気ネックレス ロッカーキー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月16日)のものです。
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図面 (1)

課題

組成の異なる成形品から構成されているにもかかわらず、各成形品の色が目視で高度に一致しており、かつ目視でメタメリズムが小さい成形品セットを提供する。

解決手段

組成の異なる2以上の着色成形品を備える成形品セットであって、1の着色成形品と他の少なくとも1の着色成形品との間の、下記方法により求めるCIEDE2000色差が1.0以下、条件等色指数が1.0以下である成形品セット。(CIEDE2000色差)着色成形品をJIS Z8722:2009に準じて測色し、JIS Z8781−4:2013及びJIS Z8781−6:2017に準じてF2光源、10°視野で求める。(条件等色指数)着色成形品をJIS Z8722:2009に準じて測色し、JIS Z8781−4:2013及びJIS Z8719−1996に準じてF2及びD65光源、10°視野、10nmの波長間隔で求める。

概要

背景

自動車内装材ウェアラブル機器等の意匠性が要求される物品において、各構成部材には、機能面での要求特性を確保しつつ、意匠性を高める着色を施すことが求められる。これらの構成部材は、使用箇所ごとの要求特性に応じて、各種樹脂、各種ゴム等の異なる素材により形成されることが通常である。

特定のゴム、特定の樹脂といった特定の素材からなる着色対象物の色をターゲット色目標色)と一致させるための方法としては、目視により色差を判定して調色する方法や、コンピュータカラーマッチング(CCM)を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。

概要

組成の異なる成形品から構成されているにもかかわらず、各成形品の色が目視で高度に一致しており、かつ目視でメタメリズムが小さい成形品セットを提供する。組成の異なる2以上の着色成形品を備える成形品セットであって、1の着色成形品と他の少なくとも1の着色成形品との間の、下記方法により求めるCIEDE2000色差が1.0以下、条件等色指数が1.0以下である成形品セット。(CIEDE2000色差)着色成形品をJIS Z8722:2009に準じて測色し、JIS Z8781−4:2013及びJIS Z8781−6:2017に準じてF2光源、10°視野で求める。(条件等色指数)着色成形品をJIS Z8722:2009に準じて測色し、JIS Z8781−4:2013及びJIS Z8719−1996に準じてF2及びD65光源、10°視野、10nmの波長間隔で求める。なし

目的

本発明は、上記現状に鑑み、組成の異なる成形品から構成されているにもかかわらず、各成形品の色が目視で高度に一致しており、かつ目視でメタメリズムが小さい成形品セットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

組成の異なる2以上の着色成形品を備える成形品セットであって、1の前記着色成形品と他の少なくとも1の前記着色成形品との間の、下記方法により求めるCIEDE2000色差が1.0以下、条件等色指数が1.0以下である成形品セット。(CIEDE2000色差)着色成形品をJISZ8722:2009に準じて測色し、JISZ8781−4:2013及びJISZ8781−6:2017に準じてF2光源、10°視野で求める。(条件等色指数)着色成形品をJISZ8722:2009に準じて測色し、JISZ8781−4:2013及びJISZ8719−1996に準じてF2及びD65光源、10°視野、10nmの波長間隔で求める。

請求項2

前記2以上の着色成形品は、互いに異なるポリマー及び/又は添加剤を含む請求項1記載の成形品セット。

請求項3

前記2以上の着色成形品は、互いに異なるポリマー及び/又は添加剤(但し、染顔料を除く)と、同じ染顔料とを含む請求項1又は2記載の成形品セット。

請求項4

請求項5

自動車内装又はウェアラブル用途に用いられる請求項1、2、3又は4記載の成形品セット。

請求項6

コントローラ及び記憶装置を備えたコンピュータカラーマッチングステムであって、前記コントローラが、所望のターゲット色に対応する表色値データの入力を受け付ける処理(1)と、前記入力された表色値データ及び前記記憶装置に格納された組成の異なる2以上の着色成形品に対応する色データに基づき、1の前記着色成形品と他の少なくとも1の前記着色成形品との間の、下記方法により求めるCIEDE2000色差を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を計算する処理(2)と、を実行するようにプログラムされている、組成の異なる2以上の着色成形品を備える成形品セットにおいて、各着色成形品を略同色に調整するコンピュータカラーマッチングシステム。(CIEDE2000色差)着色成形品をJISZ8722:2009に準じて測色し、JISZ8781−4:2013及びJISZ8781−6:2017に準じてF2光源、10°視野で求める。(条件等色指数)着色成形品をJISZ8722:2009に準じて測色し、JISZ8781−4:2013及びJISZ8719−1996に準じてF2及びD65光源、10°視野、10nmの波長間隔で求める。

請求項7

組成の異なる2以上の着色成形品に対応する色データを含み、コントローラが前記色データを読み出して、1の前記着色成形品と他の少なくとも1の前記着色成形品との間の、下記方法により求めるCIEDE2000色差を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を計算するために使用するデータベース。(CIEDE2000色差)着色成形品をJISZ8722:2009に準じて測色し、JISZ8781−4:2013及びJISZ8781−6:2017に準じてF2光源、10°視野で求める。(条件等色指数)着色成形品をJISZ8722:2009に準じて測色し、JISZ8781−4:2013及びJISZ8719−1996に準じてF2及びD65光源、10°視野、10nmの波長間隔で求める。

請求項8

組成の異なる2以上の着色成形品を備える成形品セットの製造方法であって、1の前記着色成形品と他の少なくとも1の前記着色成形品との間の、下記方法により求めるCIEDE2000色差を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整する工程(1)を含む成形品セットの製造方法。(CIEDE2000色差)着色成形品をJISZ8722:2009に準じて測色し、JISZ8781−4:2013及びJISZ8781−6:2017に準じてF2光源、10°視野で求める。(条件等色指数)着色成形品をJISZ8722:2009に準じて測色し、JISZ8781−4:2013及びJISZ8719−1996に準じてF2及びD65光源、10°視野、10nmの波長間隔で求める。

技術分野

0001

本発明は、成形品セット、コンピュータカラーマッチングステムデータベース、及び、成形品セットの製造方法に関する。

背景技術

0002

自動車内装材ウェアラブル機器等の意匠性が要求される物品において、各構成部材には、機能面での要求特性を確保しつつ、意匠性を高める着色を施すことが求められる。これらの構成部材は、使用箇所ごとの要求特性に応じて、各種樹脂、各種ゴム等の異なる素材により形成されることが通常である。

0003

特定のゴム、特定の樹脂といった特定の素材からなる着色対象物の色をターゲット色目標色)と一致させるための方法としては、目視により色差を判定して調色する方法や、コンピュータカラーマッチング(CCM)を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開2002−90222号公報

発明が解決しようとする課題

0005

物品の各構成部材が互いに異なる素材から形成された無塗装の成形品である場合、個々の部材が同色系に着色されていたとしても、素材の相違に起因して、各部材の色が互いに異なって見え、意匠性が損なわれるという問題がある。また、ある光源下では各部材が完全に同色であるように見えても、素材の相違に起因して、別の光源下では各部材が互いに異なる色に見える(メタメリズム条件等色)が大きい)ことが少なくなく、これも意匠性が損なわれる一因となっている。
従来は、このような、素材が異なる成形品間の色を高度に一致させようとする検討はなされていなかった。

0006

本発明は、上記現状に鑑み、組成の異なる成形品から構成されているにもかかわらず、各成形品の色が目視で高度に一致しており、かつ目視でメタメリズムが小さい成形品セットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、組成の異なる2以上の着色成形品を備える成形品セットであって、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間の、後述の方法により求めるCIEDE2000色差が1.0以下、条件等色指数が1.0以下である成形品セットである。

0008

上記2以上の着色成形品は、互いに異なるポリマー及び/又は添加剤を含むことが好ましい。

0009

上記2以上の着色成形品は、互いに異なるポリマー及び/又は添加剤(但し、染顔料を除く)と、同じ染顔料とを含むことが好ましい。

0011

上記成形品セットは、自動車内装又はウェアラブル用途に用いられることが好ましい。

0012

本発明は、コントローラ及び記憶装置を備えたコンピュータカラーマッチングシステムであって、上記コントローラが、所望のターゲット色に対応する表色値データの入力を受け付ける処理(1)と、上記入力された表色値データ及び上記記憶装置に格納された組成の異なる2以上の着色成形品に対応する色データに基づき、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間の、後述の方法により求めるCIEDE2000色差を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を計算する処理(2)と、を実行するようにプログラムされている、組成の異なる2以上の着色成形品を備える成形品セットにおいて、各着色成形品を略同色に調整するコンピュータカラーマッチングシステムでもある。

0013

本発明は、組成の異なる2以上の着色成形品に対応する色データを含み、コントローラが上記色データを読み出して、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間の、後述の方法により求めるCIEDE2000色差を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を計算するために使用するデータベースでもある。

0014

本発明は、組成の異なる2以上の着色成形品を備える成形品セットの製造方法であって、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間の、後述の方法により求めるCIEDE2000色差を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整する工程(1)を含む成形品セットの製造方法でもある。

0015

上記各発明におけるCIEDE2000色差及び条件等色指数の測定方法は以下のとおりである。
(CIEDE2000色差)
着色成形品をJIS Z8722:2009に準じて測色し、JIS Z8781−4:2013及びJIS Z8781−6:2017に準じてF2光源、10°視野で求める。
(条件等色指数)
着色成形品をJIS Z8722:2009に準じて測色し、JIS Z8781−4:2013及びJIS Z8719−1996に準じてF2及びD65光源、10°視野、10nmの波長間隔で求める。

発明の効果

0016

本発明の成形品セットは、上記構成を有することから、組成の異なる成形品から構成されているにもかかわらず、各成形品の色が目視で高度に一致しており、かつ目視でメタメリズムが小さい。したがって、本発明の成形品セットは、極めて高い意匠性を有する。

図面の簡単な説明

0017

図1は、本発明の成形品セットを製造する手順の一例を示すフローチャートである。

0018

以下に本発明を詳細に説明する。

0019

本発明の成形品セットは、組成の異なる2以上の着色成形品を備える。

0020

本発明の成形品セットにおいて、上記2以上の着色成形品は、互いに接していてもよく、離れていてもよい。上記2以上の着色成形品が互いに接する場合は、物理的に接触しているだけでもよく、化学的接着していてもよく、また、上記2以上の着色成形品同士が直接接していてもよく、他の部材等を介して接していてもよい。本発明の成形品セットは、上記2以上の着色成形品が積層された積層体であってもよい。

0021

上記着色成形品は、染顔料等の着色成分を含む成形材料の成形品であることが好ましく、有色の塗料塗膜のような有色の被覆を設けることにより着色された物品は含まない。ただし、無色透明の塗膜のように、成形材料に由来する色に実質的な影響を及ぼさない被覆は上記成形品表面に存在していてもよい。
上記着色成形品は、素材そのものの表面機能質感が損なわれにくい点で、無塗装の着色成形品であることが好ましい。

0022

上記2以上の着色成形品は、互いに組成が異なる。組成が異なるとは、構成材料の種類及び配合割合の少なくとも一方が異なることを意味する。

0023

本発明の成形品セットは、組成の異なる着色成形品を2以上備えることが必要であるが、組成が同一である着色成形品の個数は1個でも複数個でもよい。組成の異なる着色成形品の個数は2以上であれば特に限定されないが、上限は、例えば10個であってよい。

0024

本発明の成形品セットは、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間のCIEDE2000色差(以下、ΔE00とも表記する)が1.0以下、条件等色指数が1.0以下であることを特徴とする。ΔE00及び条件等色指数が上記範囲内にあることにより、本発明の成形品セットは、組成の異なる成形品から構成されているにもかかわらず、各成形品の色が目視(人間の視覚)で高度に一致しており、かつ目視でメタメリズムが小さい。したがって、本発明の成形品セットは、極めて高い意匠性を有する。また、各成形品(成形品セットの構成部品又は構成部位)の要求特性を得るために互いに異なる組成を採用しても、各成形品の色が高度に一致していることによる統一感を実現でき、各成形品に求められる特性と、成形品セット全体としての極めて高い意匠性とを両立させることができる。

0025

上記ΔE00及び条件等色指数は、本発明の成形品セットを構成する1の上記着色成形品と、当該着色成形品と組成の異なる他の少なくとも1の上記着色成形品との間で満たされている必要がある。
上記ΔE00及び条件等色指数は、本発明の成形品セットを構成する1の着色成形品と、当該着色成形品と組成の異なる全ての着色成形品との間で満たされていることが好ましく、全ての上記着色成形品間、すなわち、本発明の成形品セットを構成する着色成形品から選択される2つの組み合わせ全てにおいて満たされていることがより好ましい。
本明細書において、上記ΔE00は、着色成形品をJIS Z8722:2009に準じて測色し、JIS Z8781−4:2013及びJIS Z8781−6:2017に準じてF2光源、10°視野で求める値である。
本明細書において、上記条件等色指数は、着色成形品をJIS Z8722:2009に準じて測色し、JIS Z8781−4:2013及びJIS Z8719−1996に準じてF2及びD65光源、10°視野、10nmの波長間隔で求める値である。

0026

上記ΔE00は、0.80以下が好ましく、0.70以下がより好ましく、0.60以下が更に好ましく、0.50以下が特に好ましい。上記ΔE00の下限は特に限定されないが、0.0であってよい。
上記条件等色指数は、0.80以下が好ましく、0.70以下がより好ましく、0.60以下が更に好ましく、0.50以下が特に好ましい。上記条件等色指数の下限は特に限定されないが、0.0であってよい。
上記ΔE00及び条件等色指数がこれらの範囲内にあると、各上記着色成形品の色が目視で一層高度に一致し、かつ目視でメタメリズムが一層小さい成形品セットが得られる。

0027

上記ΔE00及び条件等色指数は、45/0方式の測色光学系により測定される値であることが好ましい。これにより、色の一致や、メタメリズムの抑制が、人間の視覚(目視)に一層近い感覚で達成される。

0028

上記2以上の着色成形品は、同色系に着色されたものであることが好ましい。同色系とは、離間比較した場合にほぼ同一と認められる色を意味する。

0029

上記2以上の着色成形品は、マンセル表色系における明度Vが8.8以下であるか、又は、彩度Cが1.0以上であることが好ましい。明度V又は彩度Cが上記範囲内にある着色成形品は、通常、メタメリズムが大きくなる傾向にある。驚くべきことに、本発明の成形品セットは、明度V又は彩度Cが上記範囲内にある着色成形品から構成される場合であっても、各上記着色成形品の色が目視で高度に一致し、かつ目視でメタメリズムが小さい。

0030

上記着色成形品の構成材料としては、特に限定されないが、ポリマー及び添加剤を含むことが好ましい。この場合、上記添加剤としては、染顔料等の着色成分を少なくとも含む必要がある。

0031

上記ポリマーとしては、成形材料として使用可能なポリマーであれば限定されないが、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン等が例示できる。なかでも、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル及びナイロンからなる群より選択される少なくとも2種が好ましく、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンエラストマー、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニルからなる群より選択される少なくとも2種がより好ましく、フッ素ゴム、シリコーンゴム及びポリウレタンエラストマーからなる群より選択される少なくとも2種が更に好ましい。

0032

上記染顔料としては、無機顔料有機顔料染料等が挙げられ、単独であるいは2種類以上混合して用いることができる。なかでも無機顔料及び有機顔料が好ましい。
無機顔料としては、クレーバライト雲母タルク等の天然物紺青等のフェロシアン化物硫化亜鉛等の硫化物硫酸バリウム等の硫酸塩、酸化クロム亜鉛華酸化チタン酸化鉄等の酸化物水酸化アルミニウム等の水酸化物珪酸カルシウム群青等のケイ酸塩炭酸カルシウム炭酸マグネシウム等の炭酸塩カーボンブラックグラファイト等の炭素アルミニウム粉ブロンズ粉亜鉛粉等の金属粉、その他焼成顔料等が挙げられる。なかでも、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックが、幅広いポリマーに共通して使用できることから好ましい。
有機顔料としては、モノアゾ、縮合アゾ等のアゾ系顔料アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系等のスレン系、フタロシアニンブルーフタロシアニングリーン等のフタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、ピロロピロール系、アニリンブラック有機蛍光顔料等が挙げられる。なかでも、アゾ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、ピロロピロール系が、幅広いポリマーに共通して使用できることから好ましい。
染料としては、アントラキノン系、複素環系メチン系、ペリノン系、ペリレン系等が挙げられる。

0033

上記染顔料としては、後述の表1中のC.I.Pigment欄に記載された、Y−138以外の16種(W−6〜V−37)からなる群より選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。

0035

上記2以上の着色成形品は、構成材料の種類のみが異なっていてもよく、構成材料の配合割合のみが異なっていてもよく、構成材料の種類及び配合割合の両方が異なっていてもよいが、少なくとも構成材料の種類が異なっていることが好ましい。

0036

上記2以上の着色成形品は、互いに異なるポリマー及び/又は添加剤を含むこと、すなわち、構成するポリマー及び/又は添加剤の種類が互いに異なることが好ましい。

0037

上記2以上の着色成形品は、互いに異なるポリマー及び/又は添加剤(但し、染顔料を除く)と、同じ染顔料とを含むこと、すなわち、構成するポリマー及び/又は添加剤(但し、染顔料を除く)の種類が互いに異なり、かつ構成する染顔料の種類が同じであることがより好ましい。

0038

上記着色成形品は、例えば、上記ポリマー及び上記染顔料を少なくとも含む組成物成形することにより製造することができる。上記染顔料を着色成分としてそのまま添加してもよいし、上記染顔料をビヒクルに分散又は溶解させた着色用組成物を添加してもよい。また、上記染顔料又は上記着色用組成物を上記ポリマーに分散させた着色用マスターバッチを添加してもよい。上記組成物を成形する方法は特に限定されず、圧縮成形押出し成形トランスファー成形射出成形等の公知の方法を採用してよい。上記ポリマーがゴムである場合は、上記成形の後に、又は、上記成形と同時に、架橋を行ってもよい。架橋の方法は特に限定されず、公知の方法を採用してよい。

0039

本発明は、組成の異なる2以上の着色成形品を備える成形品セットの製造方法であって、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間のCIEDE2000色差(ΔE00)を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整する工程(1)を含む成形品セットの製造方法でもある。本発明の製造方法によれば、上述した本発明の成形品セットを好適に製造することができる。

0040

工程(1)は、1の上記着色成形品と、当該着色成形品と組成の異なる他の少なくとも1の上記着色成形品との間のΔE00を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整することにより実施できる。工程(1)においては、1の上記着色成形品と、組成の異なる他の全ての上記着色成形品との間でΔE00が1.0以下、条件等色指数が1.0以下となるように調整することが好ましく、全ての上記着色成形品間でΔE00が1.0以下、条件等色指数が1.0以下となるように調整することがより好ましい。
工程(1)は、構成材料の種類や割合の相違を考慮して、ΔE00及び条件等色指数が所定の範囲内となるように組成の異なる2以上の着色成形品の色を調整する工程であり、従来は検討されてこなかった新規な工程である。
工程(1)においては、例えば、下記工程(1−1)〜(1−7)を実施することが好ましい。
工程(1−1):所望のターゲット色(目標色)に基づいて、各着色成形品を調色するための着色材配合を求める。
工程(1−2):工程(1−1)で求めた着色材配合に基づいて各着色成形品のサンプルを作製する。
工程(1−3):工程(1−2)で作製したサンプルを用いてΔE00及び条件等色指数を測定し、上記範囲内に入っているか否かを判定する。
工程(1−4):工程(1−3)で測定したΔE00及び条件等色指数が上記範囲内にない場合に、上記各着色成形品を調色するための着色材配合を修正する。
工程(1−5):工程(1−4)で修正した着色材配合に基づいて各着色成形品のサンプルを作製する。
工程(1−6):工程(1−5)で作製したサンプルを用いてΔE00及び条件等色指数を測定し、上記範囲内に入っているか否かを判定する。
工程(1−7):サンプル間のΔE00及び条件等色指数が上記範囲内に入るまで、工程(1−4)〜(1−6)を繰り返す。

0041

工程(1−1)においては、上記ターゲット色を目標に、各着色成形品に使用する材料(例えば、ポリマー及び/又は添加剤(但し、染顔料を除く))の種類や配合割合を考慮して、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間のΔE00が1.0以下、条件等色指数が1.0以下になると予想される着色材(染顔料、着色用組成物又は着色用マスターバッチ)の配合を求める。上記ターゲット色は、例えば、上記成形品セットの用途に応じて決定される色である。
工程(1−1)は、構成材料の種類や割合の相違を考慮して、ΔE00及び条件等色指数が所定の範囲内となるように組成の異なる2以上の着色成形品の着色材配合を求める工程であり、従来は検討されてこなかった新規な工程である。
工程(1−1)における着色材配合は、当業者が種々の知見に基づいて求めることもできるし、コンピュータカラーマッチング(CCM)を用いて求めることもできる。試行錯誤を少なくすることができる点で、CCMを用いることが好ましい。

0042

工程(1−1)は、所望のターゲット色(目標色)に基づいて1の着色成形品を調色する工程(1−1−a)、及び、調色された1の着色成形品の色に基づいて、他の着色成形品を調色するための着色材配合を求める工程(1−1−b)を含む工程であってもよい。この態様では、まず1の着色成形品を調色した後、少なくとも1の他の着色成形品の色を上記1の着色成形品に合わせることにより、成形品間の色を合わせる。この態様においては、工程(1−1−b)及びその後の工程は、上記他の着色成形品の1個ずつについて順に行ってもよいし、複数個あるいは全ての上記他の着色成形品について同時に行ってもよい。

0043

工程(1−1−a)における調色の方法としては、当業者が目視で調色する方法や、CCMを用いて調色する方法が挙げられ、公知の方法を採用することができる。試行錯誤を少なくすることができる点で、CCMを用いることが好ましい。

0044

工程(1−1−b)においては、工程(1−1−a)で調色された1の着色成形品の色を目標に、他の着色成形品に使用する材料(例えば、ポリマー及び/又は添加剤(但し、染顔料を除く))の種類や配合割合を考慮して、上記1の着色成形品と少なくとも1の上記他の着色成形品との間のΔE00が1.0以下、条件等色指数が1.0以下になると予想される着色材の配合を求める。
工程(1−1−b)は、ある組成の着色成形品の色を目標に、構成材料の種類や割合の相違を考慮して、ΔE00及び条件等色指数が所定の範囲内となるように異なる組成の着色成形品の着色材配合を求める工程であり、従来は検討されてこなかった新規な工程である。

0045

工程(1−4)においては、測定したΔE00及び条件等色指数の目標値とのずれを考慮し、ΔE00及び条件等色指数を一層目標値に近づけるための修正された着色材配合を求める。
工程(1−4)は、構成材料の種類や割合の相違を考慮して、ΔE00及び条件等色指数が所定の範囲内となるように組成の異なる2以上の着色成形品の着色材配合を修正する工程であり、従来は検討されてこなかった新規な工程である。
工程(1−4)における着色材配合は、当業者が種々の知見に基づいて求めることもできるし、CCMを用いて求めることもできる。試行錯誤を少なくすることができる点で、CCMを用いることが好ましい。

0046

工程(1−2)及び(1−5)におけるサンプルの作製は、例えば、上述した着色成形品の製造方法により実施することができる。
工程(1−3)及び(1−6)におけるΔE00及び条件等色指数の測定方法は、上述したとおりである。

0047

本発明の製造方法は、組成の異なる2以上の上記着色成形品において使用可能な染顔料を選択する工程(2)を更に含んでもよい。工程(2)においては、上記成形品セットを構成する各着色成形品に使用する材料(例えば、ポリマー及び/又は添加剤(但し、染顔料を除く))の種類や配合割合を考慮し、ΔE00を1.0以下、条件等色指数を1.0以下とすべき全ての着色成形品の上記材料に共通して添加可能な染顔料を選択する。上記染顔料は、所望のターゲット色を実現し得る色の染顔料(又はその組み合わせ)であることはもちろん、各着色成形品の加工条件(例えば成形条件や架橋条件)において熱安定性を有することや、架橋工程がある場合には架橋反応阻害しないこと等も必要である。
工程(2)を含む場合は、工程(2)を実施した後に、工程(1)を実施することが好ましい。

0048

本発明の製造方法は、上記成形品セットを構成する各着色成形品に対応する色データを含むデータベースを準備する工程(3)を更に含んでもよい。工程(3)を含む場合は、工程(3)を実施した後に、工程(1)を実施することが好ましい。工程(1)の調整を、上記データベースを使用したCCMシステムを用いて行うことができる。工程(2)及び(3)を含む場合は、工程(2)、(3)、(1)の順に実施することが好ましい。上記色データは、工程(2)で選択した染顔料に基づくものであることが好ましい。

0049

本発明は、コントローラ及び記憶装置を備えたコンピュータカラーマッチング(CCM)システムであって、上記コントローラが、所望のターゲット色に対応する表色値データの入力を受け付ける処理(1)と、上記入力された表色値データ及び上記記憶装置に格納された組成の異なる2以上の着色成形品に対応する色データに基づき、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間のCIEDE2000色差(ΔE00)を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を計算する処理(2)と、を実行するようにプログラムされている、組成の異なる2以上の着色成形品を備える成形品セットにおいて、各着色成形品を略同色に調整するCCMシステムでもある。本発明のCCMシステムは、例えば、上述した製造方法における工程(1)、特に工程(1−1)及び(1−4)を実施するために好適に使用することができる。

0050

本発明のCCMシステムは、コントローラ及び記憶装置を備える。上記コントローラは各種の演算を行う装置であり、例えばコンピュータのCPUが該当する。上記記憶装置は、少なくとも上記演算に用いるデータ及びプログラムを格納可能な装置である。上記CCMシステムは、スタンドアロン型であってもよく、インターネットに接続されたものであってもよい。インターネットに接続されている場合、上記記憶装置は、ウェブサーバに備えられていてもよい。

0051

上記コントローラは、所望のターゲット色(目標色)に対応する表色値データの入力を受け付ける処理(1)を実行するようにプログラムされている。上記表色値データは、上記ターゲット色を、表色系(マンセル表色系等)に応じて数値化したデータである。上記表色値データは、色見本等から得られるものであってもよいし、任意のサンプル(例えば、所望の色に調色した1の着色成形品のサンプル)を測色して得られたものであってもよい。上記表色値データの入力は、直接数値を入力することにより行われてもよいし、色見本の色票番号等、表色値データに対応するデータを入力することにより行われてもよい。

0052

処理(1)においては、更に、上記ターゲット色に対応する分光反射率の入力を受け付けてもよい。この態様は、例えば、任意のサンプルを測色し、その色を上記ターゲット色に指定する場合のように、上記ターゲット色に対応する分光反射率のデータが予め蓄積されていない場合に有効である。

0053

上記コントローラは、更に、上記入力された表色値データ及び上記記憶装置に格納された組成の異なる2以上の着色成形品に対応する色データに基づき、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間のCIEDE2000色差(ΔE00)を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を計算する処理(2)を実行するようにプログラムされている。
上記色データは、例えば、目的の成形品セットを構成する各着色成形品に対応する、構成材料(例えば、ポリマー及び/又は添加剤(但し、染顔料を除く))の種類や配合割合の異なる成形品のそれぞれについて、着色材(染顔料、着色用組成物又は着色用マスターバッチ)の配合を変えて着色した複数種類登録用成形物を作製し、それらを測色して得られたデータである。上記色データは、例えば、上記登録用成形物の分光反射率や、当該分光反射率からクベルカ−ムンクの混色理論式ダンカンの混色理論式等の理論式によって算出した各種係数吸収係数散乱係数等)のデータを含む。

0054

処理(2)においては、1の上記着色成形品と、当該着色成形品と組成の異なる他の少なくとも1の上記着色成形品との間のΔE00を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を計算する。処理(2)においては、1の上記着色成形品と、組成の異なる他の全ての上記着色成形品との間でΔE00を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を計算することが好ましく、全ての上記着色成形品間でΔE00を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を計算することがより好ましい。
処理(2)において、上記コントローラは、例えば、上記色データに基づいて各着色成形品に対応する着色材配合のシミュレーションを行い、以下の条件(i)及び(ii)を充足する各着色成形品のシミュレーション配合を求める。
(i)各着色成形品のシミュレーション配合に基づいて算出される、上記着色成形品間のΔE00の予測値が1.0以下、条件等色指数の予測値が1.0以下となる。
(ii)各着色成形品のシミュレーション配合から算出される三刺激値と、上記表色値データに基づいて算出された上記ターゲット色に対応する三刺激値との差が所定の範囲内となる。
条件(i)におけるΔE00及び条件等色指数の予測値は、例えば、シミュレーション配合に使用する着色材のK/S値(Kは対象物の吸収係数、Sは散乱係数)と配合割合とから求めたシミュレーション配合に対応する着色成形品のK/S値を用いて算出することができる。
条件(ii)は、各着色成形品の色を上記ターゲット色に一致させるための条件である。上記ターゲット色として、所望の色に調色した着色成形品の色を指定する場合は、条件(ii)は不要である。
処理(2)は、構成材料の種類や割合の相違を考慮して、ΔE00及び条件等色指数が所定の範囲内となるように組成の異なる2以上の着色成形品の着色材配合を算出する処理であり、従来は検討されてこなかった新規な処理である。
処理(2)においては、求めた着色材配合を、推奨配合として表示装置等に出力してもよい。

0055

上記コントローラは、更に、処理(2)で算出した着色材配合に基づいて作製した各着色成形品のサンプルを用いて測定したΔE00及び条件等色指数の測定値の入力を受け付ける処理(3)、並びに、入力された上記測定値に基づいて、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間のΔE00を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を修正する処理(4)、を実行するようにプログラムされていることが好ましい。

0056

処理(4)においては、例えば、処理(3)で入力されたサンプルのΔE00及び条件等色指数の測定値と、処理(2)で算出された着色材配合に対応するΔE00及び条件等色指数の予測値との差に基づき、ΔE00及び条件等色指数を一層目標値に近づけるためのシミュレーションを行い、修正された着色材配合を算出する。
処理(4)は、構成材料の種類や割合の相違を考慮して、ΔE00及び条件等色指数が所定の範囲内となるように組成の異なる2以上の着色成形品の着色材配合を修正する処理であり、従来は検討されてこなかった新規な処理である。

0057

処理(3)及び(4)は、必要に応じて(サンプルのΔE00及び条件等色指数の測定値が目標の範囲内となるまで)複数回繰り返してもよい。

0058

本発明は、組成の異なる2以上の着色成形品に対応する色データを含み、コントローラが上記色データを読み出して、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間のCIEDE2000色差を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を計算するために使用するデータベースでもある。本発明のデータベースは、例えば、上述した製造方法における工程(3)、上述したCCMシステムにおける処理(2)及び(4)において好適に使用することができる。

0059

本発明のデータベースに含まれる上記色データは、例えば、目的の成形品セットを構成する各着色成形品に対応する、構成材料(例えば、ポリマー及び/又は添加剤(但し、染顔料を除く))の種類や配合割合の異なる成形品のそれぞれについて、着色材(染顔料、着色用組成物又は着色用マスターバッチ)の配合を変えて着色した複数種類の登録用成形物を作製し、それらを測色して得られたデータである。上記色データは、例えば、上記登録用成形物の分光反射率や、当該分光反射率からクベルカ−ムンクの混色理論式、ダンカンの混色理論式等の理論式によって算出した各種係数(吸収係数、散乱係数等)のデータを含む。

0060

上記コントローラとしては、上述した本発明のCCMシステムについて説明したものが例示できる。上記コントローラが上記色データを読み出して、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間のCIEDE2000色差を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整するための着色材配合を計算する処理としては、上述した本発明のCCMシステムについて説明した処理(2)及び(4)と同様の処理が挙げられる。

0061

本発明のデータベースは、構成材料(例えば、ポリマー及び/又は添加剤(但し、染顔料を除く))の種類や配合割合の異なる成形品を調色するための色データを含んでおり、当該色データは、構成材料の種類や割合の相違を考慮して、ΔE00及び条件等色指数が所定の範囲内となるように組成の異なる2以上の着色成形品の着色材配合を計算するために用いられる。このようなデータベースは従来構築されたことがなく、本発明のデータベースは新規なデータベースである。

0062

本発明の成形品セットを製造する手順の一例を、図1に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、図1のステップS1において、目的の成形品セットを構成する着色成形品のうち、ΔE00を1.0以下、条件等色指数を1.0以下に調整すべき全ての着色成形品において使用可能な染顔料を選定する。ステップS1は、例えば上述した工程(2)に相当する。

0063

次に、ステップS2において、ステップS1で選定した染顔料に基づいて、各着色成形品に対応する色データを含むデータベースを準備(必要に応じてCCMシステムに登録)する。ステップS2は、例えば上述した工程(3)に相当する。また、上記データベースは、例えば、上述した本発明のデータベースに相当する。

0064

次に、ステップS3において、所望のターゲット色及び上記色データに基づいて、1の上記着色成形品と他の少なくとも1の上記着色成形品との間のΔE00が1.0以下、条件等色指数が1.0以下になると予想される各着色成形品の着色材配合を計算する。ステップS3は、例えば上述した工程(1−1)及び処理(2)に相当する。

0065

次に、ステップS4において、ステップS3で算出された着色材配合に基づいて各着色成形品のサンプルを作製する。この場合のステップS4は、例えば上述した工程(1−2)に相当する。

0066

次に、ステップS5において、ステップS4で作製したサンプルを用いてΔE00及び条件等色指数を測定し、ΔE00が1.0以下、条件等色指数が1.0以下となっているか否かを判定する。この場合のステップS5は、例えば上述した工程(1−3)に相当する。
ステップS5において、ΔE00及び条件等色指数の測定値が上記範囲内にあると判定された場合は(YES)、手順を終了する。

0067

ステップS5において、ΔE00及び条件等色指数の測定値の少なくとも一方が上記範囲内にないと判定された場合は(NO)、ステップS6において、ΔE00及び条件等色指数の測定値の目標値とのずれを考慮し、ΔE00及び条件等色指数を一層目標値に近づけるために着色材配合を修正する。ステップS6は、例えば上述した工程(1−4)及び処理(4)に相当する。

0068

次に、ステップS4において、ステップS6で修正された着色材配合に基づいて再度各着色成形品のサンプルを作製する。この場合のステップS4は、例えば上述した工程(1−5)に相当する。

0069

次に、ステップS5において、ステップS6で作製したサンプルを用いてΔE00及び条件等色指数を測定し、ΔE00が1.0以下、条件等色指数が1.0以下となっているか否かを判定する。この場合のステップS5は、例えば上述した工程(1−6)に相当する。
以下、ΔE00及び条件等色指数が目標の範囲内となるまでステップS6、S4及びS5を繰り返す。

0070

本発明の成形品セットは、例えば、自動車(二輪含む)、スポーツ家電文具雑貨家具衣料園芸建材分野で使用され得る。

0071

本発明の成形品セットは、上述のように、組成の異なる成形品から構成されているにもかかわらず、各成形品の色が目視で高度に一致しており、かつ目視でメタメリズムが小さいため、極めて高い意匠性を有する。また、各成形品(成形品セットの構成部品又は構成部位)に求められる特性と、成形品セット全体としての極めて高い意匠性とを両立させることができる。したがって、組成の異なる2以上の部材(成形品)を備え、かつ意匠性が要求される多様な物品として好適に使用することができる。
例えば、自動車シート用保護カバー自転車サドル用保護カバー、自動車内装部品、家具用保護シートキッチンウェア時計用ベルト、物品(但し時計を除く)を身体に保持させるためのベルト、ポータブル電子デバイスハウジング又はポータブル電子デバイス用保護カバーに特に好適に使用できる。

0072

本発明の成形品セットは、また、次の用途にも使用できる。

0074

ウェアラブル
スマートウォッチ、スマートバンド、スマートグラスVR(VirtualReality)機器、身体貼り付け型、その他(衣服取り付け型指輪型)、それらを保護又は収納するためのカバーケース

0075

眼鏡
ノーズパット、蔓等

0077

携帯用電子機器
スマートフォンタブレットキーボード、それらを保護又は収納するためのカバーやケース等

0085

本発明の成形品セットは、上記で例示した個々の物品として使用することもできるし、成形品セットを構成する各着色成形品を上記の個々の物品として使用し、本発明の成形品セットをそれらの組み合わせとして使用することもできる。
前者の例としては、柔軟性を発揮させるための層(着色成形品)と硬度・強度を発揮させるための層(着色成形品)とが積層又は連結された物品(成形品セット)等が挙げられる。
後者の例としては、ハンドル(着色成形品)と、インストルメントパネル(着色成形品)と、ドアカバー(着色成形品)とを備える自動車内装部品セット(成形品セット)や、スマートフォン等の携帯用電子機器(着色成形品)と、その保護カバー又は収納ケース(着色成形品)とを備えるセット(成形品セット)等が挙げられる。

0086

次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。

0087

(調色素材
フッ素ゴム(FKM)は市販のパーオキサイド加硫系フッ素含有量70.5wt%でヨウ素を含有するものを使用し、加硫剤加硫助剤の他にフィラーとして市販の硫酸バリウム、2酸化ケイ素をそれぞれ25phr、5phr含むものを調色素材として用い、着色剤と混合して使用した。
シリコーンゴム(VMQ)は市販のパーオキサイド加硫タイプの一般押出し用グレード密度が1.14のものをそのまま調色素材として着色剤と混合して使用した。
ポリウレタンエラストマー(TPU)としては市販のカーボネート系で硬度83のカレンダー加工用グレードを調色素材として着色剤と混合して使用した。
ポリ塩化ビニル(PVC)は平均重合度1030でフタル酸系可塑剤比率が8.7wt%のグレードをそのまま調色素材として着色剤と混合して使用した。
ポリプロピレン(PP)はランダムタイプMFRが20のグレードをそのまま調色素材として着色剤と混合して使用した。

0088

(顔料の選定)
高温で成形する樹脂や加硫反応を伴うゴムの成形にて問題なく使用できる顔料16種を表1のC.I.Pigment欄(W−6〜V−37)に記載の通りに選定した。

0089

(着色剤の調整)
着色剤については調色する各種対象材料に対して事前に同じ材料にて所定の比率で分散させたカラーマスターバッチを作製しこれを用いた。それぞれの材料とそれに用いた顔料及びその含有比率は表1に示したとおりである。
全ての素材においてカラーマスターバッチはロールにて室温、又は必要に応じて加温状態で混合を行った。

0090

成形方法
フッ素ゴムはゴムロールを用いて原料を十分に混合し、得られたコンパウンド成形プレス機にてシート形状の金型を用いて圧縮成形した後、電気炉で2次加硫を行った。得られた成形シートを冷却した後に測定に用いた。
シリコーンゴムも同様に成形した。
TPUは熱可塑性エラストマーであることから以下のように成形した。すなわち、150℃に昇温したロールに原料及び顔料のペレット巻き付け一旦溶融させて均一としたものを分出しして得られたシートを、高温に加熱したシート金型に仕込み圧力下に成形を行った。所定の時間が経過した後に金型ごと冷却し、その後成形シートを取り出し使用した。
熱可塑性樹脂であるPVCとPPは以下のように成形した。すなわち、PVCは170℃、PPは160℃に昇温したロールに原料及び顔料のペレットを巻き付け一旦溶融させて均一としたものを分出しして得られたシートを、高温に加熱したシート金型に仕込み圧力下に成形を行った。所定の時間が経過した後に金型ごと冷却し、その後成形シートを取り出し使用した。

0091

色評価方法
分光光度計はx−rite社製i1Pro(45/0方式)を用いた。
CIEDE2000色差(ΔE00)は、サンプルをJIS Z8722:2009に準じて測色し、JIS Z8781−4:2013及びJIS Z8781−6:2017に準じてF2又はD65光源、10°視野で求めた。
条件等色指数は、サンプルをJIS Z8722:2009に準じて測色し、JIS Z8781−4:2013及びJIS Z8719−1996に準じてF2及びD65光源、10°視野、10nmの波長間隔で求めた。
目視による色の一致評価においては、蛍光灯下でサンプル間の色が高度に一致している場合を「〇」、色に相違が見られる場合を「×」で評価した。
目視によるメタメリズムの評価においては、蛍光灯及び太陽光の両方の下でサンプル間の色が高度に一致している場合を「〇」、両光源下でサンプル間の色に相違が見られる場合を「×」で評価した。

0092

(実施例1)
調色の目標とする色を青として、DIC−579を目標色と決めた。用いる素材としてはフッ素ゴム、シリコーンゴム、TPU、PVC及びPPの5素材を選定した。
まずフッ素ゴムでの調色を実施した。目視にて目標とする色を発色すると推定される配合にて実際にコンパウンドを作成し、このコンパウンドを圧縮成形し、更に電気炉で2次加硫を行いフッ素ゴム成形シートを得た。このシートの光沢のある面を分光光度計で測定した。目視で目標色(DIC−579)と成形シートの間に色の違いが確認される場合には更に配合を微修正して同様に成形した後、目視で色が合うところまで繰り返し調色を完了させた。
結果、表2の実施例1のフッ素ゴム(FKM)欄に示す配合により目視で目標色と非常に近い色となることが確認できた。

0093

次に上記で作製したフッ素ゴム製シートの光沢面に合わせてシリコーンゴムでの調色を実施した。
シリコーンゴムの調色には、フッ素ゴムの調色時に使用したものと全く同じ顔料を使用して作製したマスターバッチを使用した。フッ素ゴムの場合と同様に目視にてフッ素ゴムの結果を参考にして配合を選定し、必要に応じて配合を微調整しながら、上記フッ素ゴム製シートとシリコーンゴム製シートとの光沢面のΔE00が1.0以下、条件等色指数が1.0以下となるように調色を行った。なお、フッ素ゴムの場合と同様に圧縮成形を行ったが2次加硫は行わなかった。配合を表2に示す。
上記フッ素ゴム製シート及びシリコーンゴム製シートの光沢面を目視で観察したところ、両者の色が蛍光灯下で高度に一致していることと、蛍光灯下のみならず太陽光下でも両者の色が大きく異なることがない(メタメリズムがない)ことが確認された。

0094

更にTPU、PVC、PPについても同様の方法で成形シートを作製した。ただしTPUは熱可塑性エラストマー、PVC、PPは熱可塑性樹脂であることから高温にした金型内に調色されたコンパウンドを仕込み、一定時間経過後に金型を冷却することによって成形シートを得た。表2に記載の配合により、上記フッ素ゴム製シートと各成形シートとの光沢面のΔE00が1.0以下、条件等色指数が1.0以下となるように調色した。
上記フッ素ゴム製シート及び各成形シートの光沢面を目視で観察したところ、両者の色が蛍光灯下で高度に一致していることと、蛍光灯下のみならず太陽光下でも両者の色が大きく異なることがない(メタメリズムがない)ことが確認された。
結果を表3に示す。

0095

(実施例2)
調色の目標とする色を緑として、DIC−171を目標色と決めた以外は実施例1と同様の方法で、フッ素ゴム、TPU、シリコーンゴムの3素材で調色を進めた。配合及び評価結果を表2及び3に示す。

0096

(実施例3)
調色の目標とする色を赤として、DIC−197を目標色と決めた以外は実施例1と同様の方法でフッ素ゴム、TPUの2素材で調色を進めた。配合及び評価結果を表2及び3に示す。

0097

(比較例1)
実施例1で得られた目標色に調色されたフッ素ゴム製シートと同じ色にPVCを合わせるために、R−122(Red)の代わりにY−138(Yellow)を用いること以外は実施例1のPVCの場合と同様にして調色を進めた。調色は、表2に示す配合で行った。上記フッ素ゴム製シートとPVC製シートとの光沢面のΔE00は1.0以下、条件等色指数は4.23であった。
上記フッ素ゴム製シート及びPVC製シートの光沢面を目視で観察したところ、両者の色は蛍光灯下では高度に一致しているが、太陽光下では両者の色が大きく異なる(メタメリズムが大きい)ことが確認された。結果を表3に示す。

0098

(実施例4)
コンピュータカラーマッチング(CCM)システムを用いて、異なる素材をメタメリズムなしに同じ色に調色した。まず同色に調色する素材としてTPU及びフッ素ゴムを選定した。
(1)顔料の選定
始めに選定した2素材に共通して使用できる顔料を選定した。顔料はそれぞれの加工条件での熱安定性が必要であり、更に硬化に架橋反応を使用する場合にはこの反応を阻害しないこと、等が必要である。また広範囲の目標色を調色するには種々の色調の顔料が必要となる。これらの点を考慮し、表1に示す16種類(W−6〜V−37)の顔料を選定した。
(2)CCMシステムの構築
上記(1)にて選定した顔料を用いて各素材毎に個々の色のカラーマスターバッチを作製し、当該カラーマスターバッチを用いて作製した各素材の登録用成形物を45/0法で測定した色データを、CCMシステム(大日精化工業製カラコムシステム)に登録し、データベースを構築した。
(3)CCMシステムを用いた調色
目標色とそれに対して上記CCMシステムにより提案された推奨配合から実際に上記3素材のサンプルを作製・検証した。
実施例1にて青の目標色(DIC−579)に調色されたTPU成形品に対してフッ素ゴムでの調色を検討した。
表4に示す通り、1回目サイクルでサンプル間のΔE00が1.0以下、条件等色指数が1.0以下に収まることを確認した。更に、2回目のサイクルを経た後にはΔE00が0.24、条件等色指数が0.25と向上することを確認した。
また、1回目及び2回目のサイクルで作製したフッ素ゴム製シート及び上記TPU製シートの光沢面を目視で観察したところ、いずれのサイクルについても、蛍光灯下で両者の色が高度に一致していること、及び、太陽光下でも両者が同じ色でありメタメリズムがないことが確認された。

0099

0100

0101

実施例

0102

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