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技術 放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤、その製造方法及びその応用

出願人 行政院原子能委員會核能研究所
発明者 王美惠胡家宇翁茂ちぃ陳俊宏楊浚泓于鴻文
出願日 2017年10月27日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2017-208279
公開日 2019年5月16日 (4ヶ月経過) 公開番号 2019-073492
状態 特許登録済
技術分野 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード ターゲット性 リハビリ治療 化学的インジケータ ターゲット特性 放射性フッ素 モル濃度比 分類番号 診断用造影剤
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

小脳萎縮症を効果的に検出する放射性フッ素含有ヒドロキサム酸造影剤及びその製造方法の提供。

解決手段

下記一般式(III)で示す放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤。(式中、R1は放射性フッ素18(18F)または放射性フッ素19(19F)を示し、R2はアミドキシル(NH)OHを示す)

概要

背景

2000年8月《希少疾病医薬品法》が施行され、希少疾病に関する規定が制定された。2015年12月31日付け行政院衛生福利部国民健康署は205種の希少疾病を公告した。小脳萎縮症はその中の希少遺伝性疾患に含まれ、重大な傷病範囲の第07類に加えられ、希少疾病分類番号は334.3である。その有病率人種及び国家によって違いがあり、アメリカにおける推計発症率は10万人に約3-5人であり、台湾においては約1万人が罹患し、台湾における全ての希少疾病患者の中では最も数が多いグループとなっている。

従来、小脳萎縮症には有効な薬物治療法はなく、各種のリハビリ治療により症状を和らげ、病状の悪化を遅らせるしかない。このため、小脳萎縮症を治療できる薬物を開発する必要がある。特に、転写障害修正作用を有するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤は極めて大きな潜在力を有する。

ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の主な機能はタンパク質上のリシン脱アセチル化作用を施し、細胞内のタンパク質の機能に影響を与える。ヒストン脱アセチル化酵素の活性平衡を失うと、癌や神経変性疾患等の多くの疾病発症する。

ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は構造の違いにより、ヒドロキサム酸類、環状テトラペプチド類、ベンズアミド類、及び短鎖脂肪酸類の4種類に分けられる。ヒドロキサム酸類のSAHA(Vorinostat、ZolinzaTM、アメリカMerk)及びBelinostat(PXD101、スイスNovartis)はそれぞれ2006年及び2014年にアメリカFDAの認可を得てT細胞リンパ腫治療薬として発売された。また、正常な組織への傷害が極めて少ないという前提の下、多種類の癌の治療において高い治療効果を示している。更に文献では、ヒストン脱アセチル化酵素を目標として神経変性疾患を治療することにより疾病の症状が改善することが指摘されている。

ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤を使用して放射化学法により放射性同位体標示させ、非侵襲造影により生物体内における薬物の分布を追跡し、疾病の治療のターゲットを確認する。また、疾病の治療中に即時に治療効果の評価を行え、この種の阻害剤の新薬発展に寄与する。各種の放射性同位体において、フッ素18が核医学研究に最も広く応用され、臨床において使用されている。それは、適度な半減期(110分)を有し、上述の複雑な化学合成テップを十分な時間実行でき、解像度が極めて高い画像を得られるためである。これらの好ましい特性を有するため、理想的な非侵襲式造影核種と目されている。フッ素18-ヒドロキサム酸類化合物動物側脳室内に注射し、小脳萎縮症のHDAC過剰活性をターゲットとし、且つフッ素18の放射性同位体の特性を利用し、陽電子放出断層撮影画像を取得し、早期診断または疾病の治療中に即時の治療効果の評価に利用されている。

また、先行技術で使用されるフッ素18標識技術によりヒストン脱アセチル化酵素HDAC過剰活性を検出する研究において、2006年にUday氏等が(J.Label.Compd.Radiopharm;49:997-1006.)発表したヒストン脱アセチル化酵素造影剤-フッ素18-FAHA動物体内における癌細胞の非侵襲式造影技術に使用されている。

概要

小脳萎縮症を効果的に検出する放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤及びその製造方法の提供。下記一般式(III)で示す放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤。(式中、R1は放射性フッ素18(18F)または放射性フッ素19(19F)を示し、R2はアミドキシル(NH)OHを示す)なし

目的

本発明は、放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(III)で表される(式中、R1は放射性フッ素18(18F)または放射性フッ素19(19F)を示し、R2はアミドキシル(NH)OHを示す)構造の化合物を含む放射性フッ素含有ヒドロキサム酸造影剤

請求項2

診断用造影剤とすることを特徴とする請求項1に記載の放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤。

請求項3

前記診断用造影剤は小脳萎縮症の診断用造影剤であることを特徴とする請求項2に記載の放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤。

請求項4

請求項1に記載の放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤の前駆体であって、下記一般式(I)で表される(式中、R1はニトロを示し、R2はメトキシルを示す)構造の化合物を含む前駆体。

請求項5

4-ニトロ-2-メキノール、4-ブロモ酪酸メチル、及び炭酸カリウムがN,N-ジメチルホルムアミド中に溶かされ、60〜90℃で12〜36時間反応させ、次いで酢酸エチルが添加され、且つ重炭酸ナトリウム飽和水溶液塩酸水溶液、及び飽和食塩水により抽出が行われ、有機層収集されて除水減圧濃縮、及び濾過のステップが順に実行され、最後にシリコーンカラムクロマトグラフィーによる純化が行われ、請求項4に記載の前駆体となる黄色の固体が得られる前記前駆体の製造のステップ1と、製造された前記前駆体が弗化反応を経て中間生成物が形成されるステップ2と、次いで、前記中間生成物がヒドロキサム酸化反応を経て最終生成物が形成されるステップ3とを含むことを特徴とする放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤の製造方法。

請求項6

前記4-ニトロ-2-メキノール、前記4-ブロモ酪酸メチル、及び前記炭酸カリウムのモル濃度比は8.2:11:20であることを特徴とする請求項5に記載の放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤の製造方法。

請求項7

前記弗化反応はフッ素同位体18またはフッ素同位体19の化学的インジケーターであることを特徴とする請求項5に記載の放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤の製造方法。

請求項8

前記弗化反応は、無水フッ素18及び前記前駆体を摂氏100〜120℃で10〜30分間反応させることを特徴とする請求項5に記載の放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤の製造方法。

請求項9

前記中間生成物は下記一般式(II)で表される(式中、R1は放射性フッ素18(18F)または放射性フッ素19(19F)を示し、R2はメトキシルを示す)構造の化合物であることを特徴とする請求項5に記載の放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤の製造方法。

請求項10

前記ヒドロキサム酸化反応は、前記中間生成物、ヒドロキシルアミン、及び水酸化ナトリウムを摂氏30〜50℃で5〜20分間反応させることを特徴とする請求項5に記載の放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、放射性フッ素含有ヒドロキサム酸造影剤(Hydroxamic acid type contrast agent containing radioisotope fluoride)に関し、より詳しくは、小脳萎縮症の診断が可能な造影剤に関する。

背景技術

0002

2000年8月《希少疾病医薬品法》が施行され、希少疾病に関する規定が制定された。2015年12月31日付け行政院衛生福利部国民健康署は205種の希少疾病を公告した。小脳萎縮症はその中の希少遺伝性疾患に含まれ、重大な傷病範囲の第07類に加えられ、希少疾病分類番号は334.3である。その有病率人種及び国家によって違いがあり、アメリカにおける推計発症率は10万人に約3-5人であり、台湾においては約1万人が罹患し、台湾における全ての希少疾病患者の中では最も数が多いグループとなっている。

0003

従来、小脳萎縮症には有効な薬物治療法はなく、各種のリハビリ治療により症状を和らげ、病状の悪化を遅らせるしかない。このため、小脳萎縮症を治療できる薬物を開発する必要がある。特に、転写障害修正作用を有するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤は極めて大きな潜在力を有する。

0004

ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の主な機能はタンパク質上のリシン脱アセチル化作用を施し、細胞内のタンパク質の機能に影響を与える。ヒストン脱アセチル化酵素の活性平衡を失うと、癌や神経変性疾患等の多くの疾病発症する。

0005

ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は構造の違いにより、ヒドロキサム酸類、環状テトラペプチド類、ベンズアミド類、及び短鎖脂肪酸類の4種類に分けられる。ヒドロキサム酸類のSAHA(Vorinostat、ZolinzaTM、アメリカMerk)及びBelinostat(PXD101、スイスNovartis)はそれぞれ2006年及び2014年にアメリカFDAの認可を得てT細胞リンパ腫治療薬として発売された。また、正常な組織への傷害が極めて少ないという前提の下、多種類の癌の治療において高い治療効果を示している。更に文献では、ヒストン脱アセチル化酵素を目標として神経変性疾患を治療することにより疾病の症状が改善することが指摘されている。

0006

ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤を使用して放射化学法により放射性同位体標示させ、非侵襲造影により生物体内における薬物の分布を追跡し、疾病の治療のターゲットを確認する。また、疾病の治療中に即時に治療効果の評価を行え、この種の阻害剤の新薬発展に寄与する。各種の放射性同位体において、フッ素18が核医学研究に最も広く応用され、臨床において使用されている。それは、適度な半減期(110分)を有し、上述の複雑な化学合成テップを十分な時間実行でき、解像度が極めて高い画像を得られるためである。これらの好ましい特性を有するため、理想的な非侵襲式造影核種と目されている。フッ素18-ヒドロキサム酸類化合物動物側脳室内に注射し、小脳萎縮症のHDAC過剰活性をターゲットとし、且つフッ素18の放射性同位体の特性を利用し、陽電子放出断層撮影画像を取得し、早期診断または疾病の治療中に即時の治療効果の評価に利用されている。

0007

また、先行技術で使用されるフッ素18標識技術によりヒストン脱アセチル化酵素HDAC過剰活性を検出する研究において、2006年にUday氏等が(J.Label.Compd.Radiopharm;49:997-1006.)発表したヒストン脱アセチル化酵素造影剤-フッ素18-FAHA動物体内における癌細胞の非侵襲式造影技術に使用されている。

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、フッ素18-FAHAは体内においてフッ素18-fluoroacetate(FAC)に高速に代謝されるという欠点を有し、この代謝生成物グリア細胞または周囲の組織に容易に吸収されるため、造影結果に影響を及ぼした。画像から検出された放射性フッ素同位体がフッ素18-FAHAであるか判別不能になったり、或いはフッ素18-FACの分布を判別不能になった。また、フッ素18-FAHAはアセチルヒドロキシルアミン官能基を有せず、ヒストン脱アセチル化酵素の基質としかできず、阻害剤とはならない。

0009

2011年にJ. Adam Hendricks氏等はフッ素18-SAHA(J Med Chem.11; 54(15): 5576-5582.)の製造方法を発表し、フッ素18-SAHAがヒストン脱アセチル化酵素阻害機能を有することを確定したほか、腫瘍動物モデルに対するターゲット効果も証明した。もっとも、フッ素18-SAHAには制限が存在する。SAHAは広域阻害剤であるため、全てのアイソフォームのヒストン脱アセチル化酵素に対して均しく阻害効果を有し、個別のアイソフォームが疾病に対して発揮する役割を区別することが難しかった。また、フッ素18標識方法アニリン弗素化スベリン酸ジメチルとの結合、ヒドロキサム酸化の3つのステップにより合成及び純化が行われるため、操作のステップが煩雑であり、人員放射能被曝に見舞われる危険性が高く、放射性標識生成率も極めて低かった。

0010

そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤により、上記目的を達成できることを見出した。

0011

かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤を提供することを目的とする。下記一般式(III)で(式中、R1は放射性フッ素18(18F)または放射性フッ素19(19F)を示し、R2はアミドキシル(NH)OHを示す)表される構造の化合物を含む。
一般式(III)

0012

本発明の他の目的は、請求項1に記載の放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤の前駆体を提供することにあり、下記一般式(I)で(式中、R1はニトロを示し、R2はメトキシルを示す)表される構造の化合物を含む。
一般式(I)

0013

本発明のさらなる他の目的は、放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤の製造方法を提供することにあり、前記前駆体は請求項2に記載の前駆体であり、4-ニトロ-2-メキノール、4-ブロモ酪酸メチル、及び炭酸カリウムがN,N-ジメチルホルムアミド中に溶かされ、60〜90℃で12〜36時間反応させ、次いで酢酸エチルが添加され、且つ重炭酸ナトリウム飽和水溶液塩酸水溶液、及び飽和食塩水により抽出が行われ、有機層収集されて除水減圧濃縮、及び濾過のステップが順に実行され、最後にシリコーンカラムクロマトグラフィーによる純化が行われ、前記前駆体となる黄色の固体が得られる前駆体の製造のステップ1と、製造された前記前駆体が弗素化反応を経て中間生成物が形成されるステップ2と、次いで、前記中間生成物がヒドロキサム酸化反応を経て最終生成物が形成されるステップ3とを含む。

発明の効果

0014

従来の技術と比較し、本発明の有益な効果は主に、1.本発明に係る放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤はヒストン脱アセチル化酵素のアイソフォーム8/6/3を選択的に阻害可能であり、且つ弗素化後の薬物は少なくとも6時間は分解しないという安定性を達成させる。2.本発明に係る放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤は、小脳萎縮症の原因となるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)過剰活性に対して特異的に蓄積し、ターゲット性を有する。3.製造が簡単であり、危険性が低く、HDACを標的とする治療及び小脳萎縮症の診断に用いられる新薬の開発に貢献する。

図面の簡単な説明

0015

本発明の一般式(I)で表されるフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物の前駆体の合成反応フローチャートである。
本発明の一般式(I)で表されるフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物の前駆体が弗素化及びヒドロキサム酸化を経る反応フローチャートである。
本発明の一般式(II)で表されるフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物の中間生成物を示すTLC分析図である。
本発明の一般式(III)で表されるフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物示すHPLC分析図である。
本発明の一般式(III)で表されるフッ素19−ヒドロキサム酸系化合物がヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)に対して試験を行う結果図である。
本発明の一般式(III)で表されるフッ素18−ヒドロキサム酸系化合物を正常マウス及び疾患マウス(小脳萎縮症)の側脳室に注射した後、陽電子放出断層撮影画像を行う分布図である。
本発明に使用される6週齢および8週齢の正常マウス及び疾患マウスを示す核磁気共鳴画像MRI)である。

実施例

0016

以下に図面を参照して、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。

0017

本発明に係る放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤は、下記一般式(III)で(式中、R1は放射性フッ素18(18F)または放射性フッ素19(19F)を示し、R2はアミドキシル(NH)OHを示す)表される構造の化合物を含む。
一般式(III)

0018

R1が放射性フッ素18(18F)である場合、前記化合物はフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物であり、放射性を有する。R1が放射性フッ素19(19F)である場合、前記化合物は放射性を有しないフッ素19-ヒドロキサム酸類化合物である。

0019

上述のように、本発明に係る放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤が含有するフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物またはフッ素19-ヒドロキサム酸類化合物は、下記一般式(I)で(式中、R1はニトロを示し、R2はメトキシルを示す)表される構造の化合物に弗素化及びヒドロキサム酸化の2つのステップを実行することにより得られる。
一般式(I)

0020

換言すれば、上述の一般式(I)で表される構造の化合物は放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤の前駆体である。

0021

以下では放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤の製造方法及びその前駆体の製造方法について更に説明する。放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤はフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物を例として説明する。
−実施形態−

0022

<実施形態1-一般式(I)で表される構造の化合物の製造>
図1は本発明の一般式(I)で表されるフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物の前駆体の合成反応フローチャートである。4-ニトロ-2-メキノール(1.53g、8.2mmol、1.0eq)、4-ブロモ酪酸メチル(1.98g、11.0mmol、1.3eq)、及び炭酸カリウム(2.76g、20.0mmol、2.4eq)がN,N-ジメチルホルムアミド(25mL)中に溶かされ、80℃で一晩撹拌反応させる。酢酸エチル(100mL)が添加され、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(100mL)、1Nの塩酸水溶液(100mL)、及び飽和食塩水(100mL)により抽出が行われ、有機層が収集される。硫酸マグネシウムにより除水が行われた後、減圧濃縮、濾過が実行され、最後にシリコーンカラムクロマトグラフィーによる純化が行われ、フッ素18-ヒドロキサム酸類化合物の前駆体(2.26 g)となる黄色の固体が得られる。その生成率は96%に達する。酢酸エチル/n-ヘキサン(30:70)は移動相となる。また、1H NMR(300MHz, D2O, δ): 8.10-8.03 (m, 2H)、6.86-6.83 (d, J= 8.7 Hz, 1H)、4.15-4.11 (t, J= 6.3 Hz, 2H)、3.70 (s, 3H)、2.59-2.55 (t, J= 7.2 Hz, 2H)、2.27 (s, 3H)、2.22-2.17 (m, 2H)である。

0023

<実施形態2-一般式(III)で表される構造の化合物の製造>
一般式(III)で表される構造の化合物は一般式(I)で表される構造の化合物が弗素化及びヒドロキサム酸化の2つのステップを経た後に得られる。図2は本発明の一般式(I)で表されるフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物の前駆体が弗素化及びヒドロキサム酸化を経る反応フローチャートである。

0024

まず、200mCiのフッ素18水溶液がQMAイオン交換樹脂により処理され、1ミリリットルのKrytofix2.2.2/炭酸カリウム(アセトニトリル/水:85:15)が再度QMAにより処理された後、Krytofix2.2.2[K18F]溶液が反応びん中に収集されると共に密封され、且つ摂氏110度で窒素が加えられて蒸発乾燥される。次いで、2.4ミリリットルの無水アセトニトリルが3回に分けて反応びん中にゆっくりと加えられ、蒸発乾燥される。前述の一般式(I)で製造されたフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物の前駆体(一般式(I)で表される構造の化合物)が1ミリリットルの無水アセトニトリルに溶かされ、且つ反応びん中に添加されて摂氏110度で20分間反応し、中間生成物が得られる。前記中間生成物は下記一般式(II)で(式中、R1は放射性フッ素18(18F)または放射性フッ素19(19F)を示し、R2はメトキシルを示す)表される構造の化合物であり、フッ素18粗生成物という。
一般式(II)

0025

フッ素18粗生成物が室温まで冷却された後、薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いた分析が行われ、展開相は酢酸エチル/hexane=2/4(v/v)であり、Rf値は0.7である(図3参照)。

0026

続いて、フッ素18粗生成物(一般式(II)で表される構造の化合物)が蒸発乾燥された後に250マイクロリットル(mL)の4.0Mのヒドロキシルアミン(in MeOH)及び750マイクロリットル(mL)の1.0Mの水酸化ナトリウム(in MeOH)が添加され、摂氏40度で10分間反応させてヒドロキサム酸化させ、最終生成物フッ素18-ヒドロキサム酸類化合物が得られる。

0027

フッ素18-ヒドロキサム酸類化合物は1.0Mの塩酸により中和され、C18 cartridgeにより純化された後にradio-HPLCの分析が行われる。HPLCの流速は毎分2ミリリットルに設定され、80%の水(0.1%のtrifluoroacetic acidを含む)及び20%のアセトニトリルを条件とした実験の結果、フッ素18-ヒドロキサム酸類化合物が約16.6分間出現した(図4に示す)。

0028

<実施形態3-ヒストン脱アセチル化酵素阻害性分析>
フッ素18-ヒドロキサム酸類化合物がヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤となりうるか否かを更に確かめるため、フッ素19-ヒドロキサム酸類化合物を選択してヒストン脱アセチル化酵素の阻害性の分析が行われた。フッ素18-ヒドロキサム酸類化合物及びフッ素19-ヒドロキサム酸類化合物の化性は同じであり、差異はフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物が放射性を有し、フッ素19-ヒドロキサム酸類化合物が放射性を有しない点のみである。

0029

フッ素19-ヒドロキサム酸類化合物がジメチルスルホキシド(DMSO)により4種類の異なる濃度に希釈され、HDAC蛍光アッセイキット(Enzolifesciencesから購入)により各種のアイソフォームのヒストン脱アセチル化酵素酵素活性の分析が行われた。先ず、白色不透明な96孔盤中に10mLのフッ素19-ヒドロキサム酸類化合物及び15mLの酵素が添加され、次いで25mLの基質(substrate)が添加されて室温下で30分間培養された。培養後、96孔盤がマイクロプレート分光計中に設置され、Excitation 355nm、 Emission 460nmにより蛍光値が測定され、且つ測定された蛍光値はGraph Pad Prism 6によりIC50の計算が行われた(図5参照)。

0030

図5に示されるように、フッ素19-ヒドロキサム酸類化合物のIC50はHDAC8、 HDAC6、及びHDAC3を選択的に阻害していることが分かる。

0031

<実施形態4-小脳萎縮症の動物モデルの非侵襲式造影>
小脳萎縮症の動物モデルのマウス(SCA17)をガス麻酔させた後、定位固定装置により0.75MBq(20μCi)のフッ素18-ヒドロキサム酸類化合物(放射性薬物)を2mLマウスの側脳室に注射し、高解像度小動物の陽電子放出断層撮影(PET/CT)を利用してマウスの放射性薬物の分布のスキャンを行った。撮影時間は1時間であり、脳内における薬物の分布表現が観察された。CT及びPET画像の再編及び融合(fusion)が行われた後、PmodのソフトウェアROIを選択し、結果は薬物が小脳萎縮症のマウスの小脳部位に蓄積したことを示し、好ましいターゲット特性を有することを証明した(図6に示す)。但し、MRIの結果は正常なマウス及び疾病を患ったマウスの小脳の画像には明確な差異が無いことを示す(図7に示す)。TGは疾病を患ったマウスを示し、WTは正常なマウスを示す。

0032

上述の実験結果を総合すると、本発明に係る放射性フッ素含有ヒドロキサム酸型造影剤は診断用造影剤とすることが可能である。前記診断用造影剤は小脳萎縮症の診断用造影剤である。

0033

以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。

0034

なし

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