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図面 (9)

課題

長期間服用しても安全であり、飲食品として使用でき、優れたATPエネルギー産生促進作用をもつATP産生促進用剤を提供する。

解決手段

大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分を有効成分として含むATP産生促進用剤、該ATP産生促進用剤を含んでなる飲食品。かかるATP産生促進用剤や飲食品は、ATP産生促進作用を有するので、細胞の増殖、代謝、修復等の細胞機能活性化や抗老化アンチエイジング)等の効果、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)が期待される。

概要

背景

ATP(adenosine triphosphate;アデノシン三リン酸)は、全ての生体細胞に広く分布し、特に真核生物生体内反応のエネルギー源として、重要な役割を担っている。ATPは、例えば、糖代謝筋収縮能動輸送生合成等の諸種の生体内反応において、重要なエネルギー源として機能している。
したがって、運動時に限らず、安静時においても、ATPの産生を促進し、該ATPを細胞に補給することで、細胞の増殖、代謝、修復等の細胞機能活性化や抗老化アンチエイジング)の効果が期待できる。

このため、安全性が高く、長期間服用しても副作用がない天然物由来のATP産生促進作用を有する成分が着目され諸種の提案がなされている(例えば、特許文献1〜5参照)。しかしながら、より効果が高く、安全性が優れ、日常的に安心して服用可能な物質が期待されている。

一方、麦類若葉、特に大麦若葉は、抗潰瘍作用、抗高コレステロール作用、抗炎症作用血糖降下作用抗変異原作用抗血栓作用、血管保護作用脂肪細胞分化抑制作用メラミン合成阻害作用骨粗鬆症予防作用、活性酸素消去酵素(SOD遺伝子発現促進作用等の多彩生理作用を有することが報告されている(例えば、非特許文献1、特許文献6〜9参照)。また、その製造方法についても諸種の提案がなされている(例えば、特許文献10〜12参照)。しかしながら、大麦若葉が、ATP産生促進作用を有することについて、本発明者らの知る限り、報告はなされていない。

概要

長期間服用しても安全であり、飲食品として使用でき、優れたATP(エネルギー)産生促進作用をもつATP産生促進用剤を提供する。大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分を有効成分として含むATP産生促進用剤、該ATP産生促進用剤を含んでなる飲食品。かかるATP産生促進用剤や飲食品は、ATP産生促進作用を有するので、細胞の増殖、代謝、修復等の細胞機能の活性化や抗老化(アンチエイジング)等の効果、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)が期待される。なし

目的

本発明の課題は、安全性が高く、より高いATP産生促進効果を有し、長期間にわたって安心して服用できるATP産生促進剤や、該ATP産生促進剤を含む、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)用飲食品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

大麦若葉、又は大麦若葉に含まれる特定成分を有効成分として含む、ATP産生促進用剤。

請求項2

大麦若葉が、大麦若葉の搾汁粉末又は乾燥粉末である、請求項1に記載のATP産生促進用剤。

請求項3

大麦若葉に含まれる特定成分が、下記の化合物(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1又は2に記載のATP産生促進用剤。(a)組成式:C33H40O19、分子量:740、化合物名:ロビニン(b)組成式:C27H30O15、分子量:594、化合物名:サポナリン(c)組成式:C25H37O5N2、分子量:445(d)組成式:C21H20O10、分子量:432、化合物名:アフゼリン

請求項4

下記の化合物(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分として含む、ATP産生促進用剤。(a)組成式:C33H40O19、分子量:740、化合物名:ロビニン(b)組成式:C27H30O15、分子量:594、化合物名:サポナリン(c)大麦若葉に由来する組成式:C25H37O5N2、分子量:445の化合物(d)組成式:C21H20O10、分子量:432、化合物名:アフゼリン

請求項5

請求項1〜4の何れか1項に記載のATP産生促進用剤を含んでなる、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)用飲食品

技術分野

0001

本発明は、ATP産生促進用剤に関し、さらに詳しくは、大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分を有効成分として含むATP産生促進用剤、該ATP産生促進用剤を含んでなる、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)用飲食品に関する。

背景技術

0002

ATP(adenosine triphosphate;アデノシン三リン酸)は、全ての生体細胞に広く分布し、特に真核生物生体内反応のエネルギー源として、重要な役割を担っている。ATPは、例えば、糖代謝筋収縮能動輸送生合成等の諸種の生体内反応において、重要なエネルギー源として機能している。
したがって、運動時に限らず、安静時においても、ATPの産生を促進し、該ATPを細胞に補給することで、細胞の増殖、代謝、修復等の細胞機能活性化や抗老化アンチエイジング)の効果が期待できる。

0003

このため、安全性が高く、長期間服用しても副作用がない天然物由来のATP産生促進作用を有する成分が着目され諸種の提案がなされている(例えば、特許文献1〜5参照)。しかしながら、より効果が高く、安全性が優れ、日常的に安心して服用可能な物質が期待されている。

0004

一方、麦類若葉、特に大麦若葉は、抗潰瘍作用、抗高コレステロール作用、抗炎症作用血糖降下作用抗変異原作用抗血栓作用、血管保護作用脂肪細胞分化抑制作用メラミン合成阻害作用骨粗鬆症予防作用、活性酸素消去酵素(SOD遺伝子発現促進作用等の多彩生理作用を有することが報告されている(例えば、非特許文献1、特許文献6〜9参照)。また、その製造方法についても諸種の提案がなされている(例えば、特許文献10〜12参照)。しかしながら、大麦若葉が、ATP産生促進作用を有することについて、本発明者らの知る限り、報告はなされていない。

0005

特開2013−139394号公報
特開2011−184381号公報
特開2011−162504号公報
特開2010−120908号公報
特開2009−256272号公報
特開2008−56580号公報
特開2011−51948号公報
特開2013−63940号公報
特開2015−140338号公報
特開2009−148213号公報
特開2003−33151号公報
特開2002−65204号公報

先行技術

0006

萩原義秀、他「大麦若葉青汁粉末生理機能性物質」日本食品化学工学会誌 第48巻 第10号 第712〜725頁 2001年10月

発明が解決しようとする課題

0007

細胞内でATP産生を促進できれば、前記のとおり、細胞機能の活性化や抗老化(アンチエイジング)の効果が期待できる。そこで、本発明の課題は、安全性が高く、より高いATP産生促進効果を有し、長期間にわたって安心して服用できるATP産生促進剤や、該ATP産生促進剤を含む、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)用飲食品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、長期間服用しても安全である大麦若葉が、ATP産生の促進作用を有すること、また大麦若葉に含まれる特定の成分がATP産生の促進作用を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。

0009

(1)大麦若葉、又は大麦若葉に含まれる特定成分を有効成分として含む、ATP産生促進用剤。
(2)大麦若葉が、大麦若葉の搾汁粉末又は乾燥粉末である、(1)に記載のATP産生促進用剤。
(3)大麦若葉に含まれる特定成分が、下記の化合物(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、(1)又は(2)に記載のATP産生促進用剤。
(a)組成式:C33H40O19、分子量:740、化合物名:ロビニン
(b)組成式:C27H30O15、分子量:594、化合物名:サポナリン
(c)組成式:C25H37O5N2、分子量:445
(d)組成式:C21H20O10、分子量:432、化合物名:アフゼリン
(4)下記の化合物(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分として含む、ATP産生促進用剤。
(a)組成式:C33H40O19、分子量:740、化合物名:ロビニン
(b)組成式:C27H30O15、分子量:594、化合物名:サポナリン
(c)大麦若葉に由来する組成式:C25H37O5N2、分子量:445の化合物
(d)組成式:C21H20O10、分子量:432、化合物名:アフゼリン
(5)上記(1)〜(4)の何れかに記載のATP産生促進用剤を含んでなる、ATP産生の低下に起因する疾患もしくは状態(症状)の予防又は改善(治療)用飲食品。

0010

また、本発明の実施の他の形態として、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)を必要とする対象者に、大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分、あるいは上記化合物(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を投与する工程を備えた、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)を予防又は改善(治療)する方法や、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)剤として使用するための大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分、あるいは上記化合物(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物や、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)における使用のための大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分、あるいは上記化合物(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物や、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)剤を製造するための大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分、あるいは上記化合物(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の使用を挙げることができる。

発明の効果

0011

本発明によれば、有効成分である大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分、あるいは上記化合物(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が細胞内のATP産生促進作用、すなわちエネルギー産生促進作用を有するので、細胞の増殖、代謝、修復等の細胞機能の活性化や抗老化(アンチエイジング)等の効果が期待できる。また、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)を必要とする対象者に、副作用を伴うことなく、かかる疾患若しくは状態の予防又は改善(治療)が期待される。

0012

本発明に用いられる大麦若葉は、安全性には全く問題がなく飲食品又は医薬品の形態に自由に調製することができるため、健常者はもとより、老齢者病弱者、病後の人等も長期間に亘って摂取することができる。

図面の簡単な説明

0013

汁液分画フローを示す図である。
細胞毒性試験MTアッセイ)の結果を示す図である。
酢酸エチル分画BLE)、水層分画(BLW)のATP産生量を示す図である。
酢酸エチル分画(BLE)のHPLC分析によるクロマトグラムを示す図である。
HPLCにより得られた各画分のATP産生量を示す図である。
HPLC画分(BLE−5)のLC−MS/MSによる分析結果を示す図である。
HPLC画分(BLE−6)のLC−MS/MSによる分析結果を示す図である。
HPLC画分(BLE−8)のLC−MS/MSによる分析結果を示す図である。
HPLC画分(BLE−9)のLC−MS/MSによる分析結果を示す図である。

0014

以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明は、以下の記載内容に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。

0015

本発明の好ましい態様において、ATP産生促進用剤は、大麦若葉を有効成分として含むものであり、大麦若葉には、分けつ開始期から出穂開始前期(草丈が20〜40cm程度)に収穫された大麦の若葉(茎葉)が好適に用いられる。

0016

ここで、大麦としては、例えば、二条大麦、四条大麦、六条大麦、裸大麦等のHordeum vulgare種に属するものであれば、如何なる種でもよく、どの品種も用いることができるが、二条大麦、六条大麦、裸大麦が好ましく、六条大麦が特に好ましい。

0017

さらに具体的には、二条大麦(ビール大麦)の品種としては、例えば、あおみのり、あぐりもち、アサカゴルド、きぬゆたか、おうみゆたか、キリジョウ、はるな二条、あまぎ二条、ふじ二条、イシュクシラズ、ミサトゴールデンカワホナミ、カワミズキ、きぬか二条、こまき二条、さきたま二条、とね二条、サチホゴールデン、さつきばれ、しゅんれい、ミハルゴールドスカイゴールデン、タカチホゴールデン、つゆしらず、とね二条、なす二条、ニシノゴールド、ニシノチカラニシノホシ、はるか二条、にらさき二条、にら二条、はるしずく、さつき二条、ほうしゅん、ミカモゴールデン、ミホゴールデン、みょうぎ二条、ヤシオゴールデン、ヤチホゴールデン、育41号、彩の星、りょうふう等が挙げられる。

0018

六条大麦の品種としては、例えば、アサマムギ、カシマゴール、ミノリムギ、カトリムギ、ムサシノムギ、ドリルムギ、サナダムギ、はがねむぎ、さやかぜすずかぜ、シュンライシルキースノウ、シンジュボシ、すずかぜ、セツゲンモチ、ナトリオオムギ、ハマユタカ、ハヤミオオムギ、ファイバースノウ、倍取、ミユキオオムギ等が挙げられる。

0019

裸大麦の品種としては、例えば、イチバンボシ、センボンハダカ、サヌキハダカ、キカイハダカ、サンシュウ、ナンプウハダカ、シラタマハダカ、ユウナギハダカ、ダイシモチ、トヨノカゼ、ハヤテハダカ、赤神力、一早生ビワイロハダカ、ユウナギハダカ、ベニハダカ、ハシリハダカ、マンネンボシ(旧マンテンボシ)、センボンハダカ等が挙げられる。

0020

これら品種は各農業試験場農業研究センター民間企業等により育成され、実や若葉等が食用(飲料を含む。)に利用されているものである。これら品種から、その栽培地域に適した品種を選択して育成し、若葉(茎葉)を収穫するのが好ましい。

0021

本発明における大麦若葉とは、上記のとおり、分けつ開始期から出穂開始前期までの背丈が20〜40cm程度に成長した若葉(茎葉)そのものやその処理物であれば如何なる形態のものであってもよい。

0022

若葉(茎葉)の処理物としては、例えば、その搾処理物、粉砕処理物細断処理物乾燥処理物、焙煎処理物、抽出処理物、粉末化処理物、凍結処理物の他、搾汁・乾燥粉末化処理物、乾燥処理物、粉砕濾過処理物(ピューレジュース)、細断熱湯抽出処理物等の処理物、これらの組み合わせ処理物等が挙げられる。

0023

これらの中で、通常用いられる形態としては、若葉(茎葉)の搾汁処理物(搾汁液)の粉末化処理物(以下「搾汁粉末」ということがある。)、若葉の乾燥処理物(以下「乾燥粉末」ということがある。)が好適である。

0024

ここで、搾汁粉末は、例えば、特許文献6〜10等に記載の方法に準じて、大麦の若葉を収穫した(刈り取った)後に、圧搾により搾り出した液を、必要に応じて適当な賦形剤と混合し、噴霧乾燥することにより調製することができる。この搾汁粉末は、そのままで、あるいは他の賦形剤等を配合して、本発明のATP産生促進用剤として好適に利用できる。

0025

また、乾燥粉末は、例えば、特許文献11、12等に記載の方法に準じて、大麦の若葉を収穫した(刈り取った)後に、細断し、乾燥処理及び粉砕処理、必要に応じてブランチング処理を組み合わせて調製することができる。この乾燥粉末は、そのままで、あるいは他の賦形剤等を配合して、本発明のATP産生促進用剤として好適に利用できる。

0026

本発明において、大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分は、後述する実施例において具体的に示す通り、細胞内のATP産生促進作用、すなわちエネルギー産生促進作用を有するので、本発明のATP産生促進用剤を用いることにより、細胞の増殖、代謝、修復等の細胞機能の活性化や抗老化(アンチエイジング)等の効果が期待できる。また、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)を必要とする対象者に、副作用を伴うことなく、かかる疾患若しくは状態の予防又は改善(治療)が期待される。かかるATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態としては、例えば、神経変性疾患アルツハイマー病パーキンソン病等)、慢性腎臓病糖尿病心疾患肝機能障害等が挙げられる(「新たなATP産生メカニズム解明とそのミトコンドリア病治療薬への応用‐治療薬候補MA−5はミトコンドリア機能を活性化する‐」東北大学 2017年プレスリリース(2017年6月1日)https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2017/06/press20170601-01.html参照)。

0027

大麦若葉には、既に諸種の生理活性成分の存在することが確認されている(例えば、非特許文献1参照)。本発明者らの検討によれば、少なくとも下記の化合物(a)〜(d)が、上記ATP産生促進作用の活性成分であることが推察された。
(a)組成式:C33H40O19、分子量:740、化合物名:ロビニン
(b)組成式:C27H30O15、分子量:594、化合物名:サポナリン
(c)組成式:C25H37O5N2、分子量:445
(d)組成式:C21H20O10、分子量:432、化合物名:アフゼリン
ただし、本発明におけるATP産生促進用剤の活性成分は、大麦若葉に由来するものであれば、これら4種の化合物に限定されるものではなく、如何なる成分であってもよい。

0028

ここで、ロビニン(robinin)、サポナリン(Saponarin)及びアフゼリン(Afzelin)は、何れも3−ヒドロキシフラボン(3−ヒドロキシ−2−フェニルクロメン−4−オン骨格を有するフラボノイドに糖がグリコシド結合により結合した化合物、即ちフラボノール配糖体(flavonol glycoside)である。したがって、本発明におけるATP産生促進用剤は、フラボノール配糖体が有効成分である可能性がある。

0029

フラボノール配糖体としては、上記3種の化合物に限定されず、単独又複数の種でATP産生促進作用を有するものであれば、如何なるフラボノール配糖体であってもよい。具体的は、例えば、上記3種の化合物の他に、アストラガリン(astragalin)、アザレイン(azalein)、ヒペロシド(hyperoside)、イソクェルシトリンイソクエルシトリンイソケルシトリン、isoquercitrin)、ケンペリトリン(kaempferitrin)、クェルシトリンクエルシトリンケルシトリン、quercitrin)、ルチン(rutin、ルトサイドクェルセチン−3−ルチノシド)、アムレンシン(amurensin)、イカリイン(icariin)等が挙げられる。

0030

よって、本発明のATP産生促進用剤は、上記(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる何れかの化合物を含み、ATP産生の促進作用を有するものであれば、上記化合物やフラボノール配糖体が大麦若葉に由来するものに限られず、如何なる植物に由来するものでもよい。また、本発明のATP産生促進用剤は、単離された化合物やフラボノール配糖体を有効成分として含むものでもよく、これら何れの剤も本発明に包含される。なお、本明細書において、上記化合物及び/又はフラボノール配糖体を「特定成分」と称することがある。

0031

また、本発明のATP産生促進用剤は、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)を必要とする対象者に、大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分を投与する工程を備えた、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)を予防又は改善(治療)する方法や、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)剤として使用するための大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分や、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)における使用のための大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分や、ATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)の予防又は改善(治療)剤を製造するための大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分の使用が期待される。

0032

なお、本明細書において、疾患若しくは状態の「予防又は改善」とは、疾患若しくは状態の、調節、進行の遅延緩和発症予防、再発予防、抑制等を包含する意味で使用される。

0033

本発明における大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分は、水との親和性が高く、溶解又は懸濁状態とすることができ、飲食品及び医薬品に通常添加され得る成分との混和性に優れている。また、大麦若葉は既に飲食品として長年にわたって用いられている成分であり、また特定成分は大麦若葉に含まれている成分であるため安全性に優れている。したがって、この大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分を有効成分とするATP産生促進用剤は、日常の食生活に適宜取り入れて無理なく安心して摂取することができる。

0034

本発明のATP産生促進用剤は、「ATP産生を促進するために用いる」という用途が限定された、細胞内のATP産生促進の有効成分として大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分を含有する剤であり、単独でも飲食品や医薬品(製剤)として使用することができる。また、飲食品や医薬品等の種々の組成物に、ATP産生促進の有効成分として含有させることができる。これにより、ATP産生促進用の飲食品組成物又は医薬品組成物を得ることができる。得られたATP産生促進用の飲食品組成物又は医薬品組成物は、上述のATP産生の低下に起因する疾患若しくは状態(症状)に有効に用いることができる。

0035

本発明におけるATP産生促進用剤は、溶液、懸濁液、乳濁液粉末固体成形物等、経口摂取可能な形態であればよく特に限定されない。具体的には、例えば、粉末剤カプセル剤錠剤顆粒剤散剤の他、飲料、食品等の通常の食品や医薬品で用いられる形態を挙げることができる。また、製剤の形態としては、摂取量を調節しやすい粉末剤やカプセル剤、錠剤、顆粒剤、ドリンク等を好適に例示することができる。

0036

本発明において、大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分は、そのまま用いてもよく、従来から知られている通常の方法で所望の製剤を製造して用いてもよい。例えば、製剤の製造上許可される諸種の添加剤と混合し、組成物として成型することができる。添加剤としては、本発明の効果を損なわない範囲において添加されるものであればよく、例えば、生薬ビタミンミネラル等の他に、賦形剤、界面活性剤被膜剤油脂類、安定剤、防腐剤湿潤剤乳化剤滑沢剤甘味料着色料香料緩衝剤酸化防止剤pH調整剤クエン酸リンゴ酸グルコン酸等の酸味料;等が挙げられる。

0037

上記賦形剤としては、例えば、乳糖デンプンセルロースマルチトールデキストリン等を挙げることができる。上記界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステル等を挙げることができる。上記被膜剤としては、例えば、ゼラチンプルランシェラックツェイン等を挙げることができる。上記油脂類としては、例えば、小麦胚芽油米胚芽油サフラワー油等を挙げることができる。上記ワックス類としては、例えば、ミツロウ米糠ロウカルナウバロウ等を挙げることができる。上記甘味料としては、ショ糖ブドウ糖果糖ステビアサッカリンスクラロース等を挙げることができる。

0038

上記生薬としては、例えば、高麗人参、アメリカ人参田七人参霊芝プロポリスアガリクスブルーベリーイチョウ葉及びその抽出物等を挙げることができる。上記ビタミンとしては、例えば、ビタミンD、K等の油溶性ビタミンビタミンB1、B2、B6、B12、C、ナイアシンパントテン酸葉酸ビオチン等の水溶性ビタミンを挙げることができる。

0039

また、本発明によれば、大麦若葉又は大麦若葉に含まれる特定成分を有効成分とするATP産生促進用剤を含んでなる飲食品又は医薬品が提供される。ここで「含んでなる」とは、所望する製品形態に応じた生理学的に許容されうる担体を含んでいてもよく、また併用可能な他の補助成分を含有する場合も意味する。

0040

本発明において、飲食品とは、医薬品以外のものであって、前記のとおり経口摂取可能な形態であればよく特に限定されない。具体的には、例えば、即席麺レトルト食品缶詰電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品等の即席食品類;清涼飲料果汁飲料野菜飲料豆乳飲料コーヒー飲料茶飲料粉末飲料濃縮飲料アルコール飲料等の飲料類パンパスタ、麺、ケーキミックス唐揚げ粉パン粉等の小麦粉製品;飴、キャラメルチューイングガムチョコレートクッキービスケット、ケーキ、パイスナッククラッカー和菓子デザート菓子等の菓子類ソーストマト加工調味料風味調味料調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレーシチューの素類等の調味料;加工油脂バターマーガリンマヨネーズ等の油脂類;乳飲料ヨーグルト類乳酸菌飲料アイスクリーム類クリーム類等の乳製品卵加工品魚肉ハムソーセージ水産練り製品等の水産加工品畜肉ハムやソーセージ等の畜産加工品;農産缶詰、ジャムマーマレード類、漬け物煮豆シリアル等の農産加工品;冷凍食品等が挙げられる。

0041

また飲食品には、健康食品(例えば、機能性食品栄養補助食品、健康補助食品栄養強化食品栄養調整食品サプリメント等)、保健機能食品(例えば、特定保健用食品栄養機能食品、機能性表示食品等)、特別用途食品(例えば、病者用食品、乳幼児用調整粉乳妊産婦又は授乳用粉乳等)等の他、脂質吸収の増加やATP産生の低下に起因する疾患又は状態(症状)のリスク低減、予防又は改善の表示を付した飲食品のような分類のものも包含される。

0042

本発明の別の態様によれば、ATP産生促進用剤を含んでなる飲食品であって、細胞内のATP産生促進により予防又は改善しうる疾患若しくは状態の予防、又は改善する機能が表示された飲食品が提供されうる。

0043

本発明において、医薬品とは、製剤化のために許容されうる添加剤を併用して、常法に従い、経口製剤又は非経口製剤として調製したものである。経口製剤の場合には、前記のとおり、経口摂取可能な形態であれば特に限定されない。また、非経口製剤の場合には、注射剤や座剤の形態をとることができる。簡易性の点からは、経口製剤であることが好ましい。製剤化のために許容されうる添加剤としては、前記と同様のものが挙げられる。

0044

本発明において、ATP産生促進用剤中の有効成分の含有量は、製剤の種類、形態や、予防又は改善の目的等により一律に規定は難しいが、例えば、成人(体重60kg)1日あたり、大麦若葉の搾汁粉末として、通常15mg〜15g程度、好ましくは50mg〜9g程度、また、大麦若葉の乾燥粉末として、通常50mg〜15g程度、好ましくは100mg〜9g程度である。さらに、必要な1日あたりの有効成分の摂取量を摂取(服用)できるように、1日あたりの摂取量を考慮し、製剤中の含有量を適宜設定すればよい。また、特定成分の含有量は、上記大麦若葉の搾汁粉末又は乾燥粉末に含まれる程度の量であればよい。

0045

以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。

0046

[実施例1]大麦若葉搾汁液の製造
特開2009−148213号公報(特許文献10)に記載の方法に準じて、刈り取った大麦の若葉(茎葉)10kgを圧搾し、搾汁液を8kg得た。

0047

[実施例2]大麦若葉搾汁液の機能性評価
2−1.序論
長鎖脂肪酸骨格筋収縮時のエネルギー産生のための重要な燃料である。パルミチン酸飽和すると筋細胞中のATP減少のような脂肪毒性が誘導されることがわかっている。オレイン酸のような不飽和脂肪酸は、脂肪滴中のパルミチン酸を変換することによってパルミチン酸に誘導される脂肪毒性を無毒化し、ミトコンドリア脂肪酸酸化が増加することが報告されている(参考文献[1]、[2]参照)。

0048

筋細胞中の脂質代謝やミトコンドリアの機能を評価するために、ラットL6筋管におけるパルミチン酸で誘導されるATPの減少を天然物(大麦若葉)からの抽出成分を対象とした機能性スクリーニングインビトロモデルとして実施した。

0049

参考文献
[1] Yuzefovych L.; Wilson G.; Rachek L. Different effects of oleate vs. palmitate on mitochondrial function, apoptosis, and insulin signaling in L6 skeletal muscle cells: role of oxidative stress. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2010, 299, E1096-1105.
[2] Henique C.; Mansouri A.; Fumey G.; Lenoir V.; Girard J.; Bouillaud F.; Prip-Buus C.; Cohen I. Increased mitochondrial fatty acid oxidation is sufficient to protect skeletal muscle cells from palmitate-induced apoptosis. J Biol Chem. 2010, 285, 36818-36827.

0050

2−2.筋芽細胞の培養
ラットL6筋芽細胞培養は10%FBSを含むハイグルコースDMEM(Dulbecco's modified Eagle medium)にて手順どおりに培養した。筋管への分化のために、筋芽細胞がコンフルエントに達すると分化用の培地(3%馬血清と50ng/ml濃度のインシュリンを含むハイグルコースDMEM)で培養した。分化用の培地は頻繁に交換を行った。筋管は6日間から8日間分化させた後、様々な検討に使用した。

0051

2−3.細胞毒性試験(MTTアッセイ)
細胞毒性試験として、MTTアッセイを行った。MTT溶液を分化用培地に0.5mg/ml加え、30分間インキュベートした。変換されたフォルマザンブルー結晶酸性イソプロパノール(0.04Mの塩酸を含んだイソプロパノール)で溶解し、570nmの吸光度を測定した。

0052

2−4.ATPアッセイ
ATPアッセイは、モレキュラープローブ社のATP検出キットもしくはこれの同等品を用いて測定を行った。まず筋管を0.5mlの氷冷していたPBS洗浄した。次に0.5mlの氷冷していた細胞溶解液(0.5% NP−40)で細胞を溶解させた。12,000g、4℃、10分間の遠心分離を行い、不溶性物質沈殿させた後、5μlずつ分注し、反応液を50μl加え、室温で20分間インキュベートした。生物発光発光強度を測定し、ATP標準液検量線より定量した。全ての測定は少なくとも2回繰り返し行った。

0053

2−5.大麦若葉抽出液(搾汁液)の分画
大麦若葉抽出液(搾汁液)3.5リットル吸引ろ過でろ過し、そのろ液酢酸エチル同量加え、液液分配した。酢酸エチル層(以下「BLE」という。)から10.4g、水層(以下「BLW」という。)から39.4g、中間層(以下「BLG」という。)から16.3gの固形物回収した(図1)。

0054

2−6.MTTアッセイ結果
BLE及びBLWの細胞毒性をMTTアッセイで測定した結果を図2図2(A)、図2(B))に示す。いずれの分画にも細胞毒性は見られなかった。なお、図2の結果は2例の平均値である。

0055

2−7.ATP産生量
BLE及びBLWのATPアッセイ結果を図3図3(A)、図3(B))に示す。図3から明らかなとおり、BLE及びBLWのATP産生量は濃度依存的な増加を示した。なお、図3の結果は4例の平均値である。また、図3中、「*」及び「**」は、それぞれ、スチューデントt検定(Student's t-test)における「p<0.05」及び「p<0.01」を示す。

0056

2−8.BLEのHPLC分析
まず、下記の条件で、BLEから分画を進めHPLCにて26の画分に分画した。その結果を図4に示す。
HPLC条件
カラムCAPCELLPAK C18, 250mm×10mm, 5μm
グラジエント:0〜3分、メタノール:水=35:65
30分までにメタノール100%後、15分間保持
5分間メタノール:水=35:65でコンディショニング
検出波長:210nm
流速:4ml/min

0057

2−9.HPLC画分のATP産生量
得られた26画分の内、3〜20画分までのATP産生量の評価を行った。その結果を図5に示す。図5中のBLEはその他画分として図4で分画した画分以外の部分をまとめたものである。図5から明らかなとおり、BLE−3、5、6、8、9、10、11、12、13、14、15画分で有意にATP産生量の増加が確認された。特にBLE−5、6、13、14、15は50%以上の増加量を示した。

0058

なお、図5(A)〜(D)の画分の成分濃度(μg/ml)、例数(n)は次のとおりである。
(A)25μg/ml、n=3
(B)25μg/ml、n=4
(C)25μg/ml、n=4
(D)20μg/ml、n=4
また、図5中、「*」及び「**」は、それぞれ、スチューデントt検定(Student's t-test)における有意差、「p<0.05」及び「p<0.01」を示す。

0059

[実施例3]活性成分の分析
3−1.BLE−5のLC−MS/MS分析
BLE−5について、LC−MS/MSによる分析を行った結果、得られた分子量及びフラグメントイオンからロビニン(robinin;kaempferol-3-O-robinoside-7-O-rhamnoside)であることが推定された。分析結果を図6に示す。

0060

3−2.BLE−6のLC−MS/MS分析
BLE−6について、LC−MS/MSによる分析を行った結果、得られた分子量及びフラグメントイオンからサポナリン(saponarin)であることが推定された。分析結果を図7に示す。

0061

3−3.BLE−8のLC−MS/MS分析
BLE−8について、LC−MS/MSによる分析を行ったが、得られた分子量及びフラグメントイオンでは成分の化学構造を推定することができなかった。分析結果を図8に示す。

実施例

0062

3−4.BLE−9のLC−MS/MS分析
BLE−9について、LC−MS/MSによる分析を行った結果、得られた分子量及びフラグメントイオンからアフゼリン(afzelin;kaempferol 3-rhamnoside)であることが推定された。分析結果を図9に示す。

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