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図面 (13)

課題

一般的な車輪用軸受と同等の組み付け性を有し、車輪用軸受の車体への取付構造を大きく変えることなく、発電機の実装空間を大きく確保することができる車両用動力装置を提供する。

解決手段

この車両用動力装置は、車輪用軸受2と、電動発電機3とを備える。電動発電機3のステータ18およびロータ19が、ブレーキロータ12の外周部12bよりも小径であり、且つ、電動発電機3におけるハブフランジ7への取付部を除く全体が、ハブフランジ7と、ナックル8のアウトボード側面との間の軸方向範囲L1に位置する。外輪4に対する内輪5の回転角度あるいは回転速度を検出する回転検出器27を備え、この回転検出器27がステータ18の中空内部に位置する。

概要

背景

図10〜図12に示すように、インホイールモータを有しない一般的な車輪用軸受は、外輪60と一体に設けられた取付用フランジ60aを備え、この取付用フランジ60aがナックル61に取付けられる。前記取付用フランジ60aは、車体外側アウトボード側)からナックル61と当接し、前記ナックル61と車体内側インボード側)から挿通されたボルト62により締結される。車輪用軸受は、車両メーカにより取り付けられるため、組み付け性の良さが求められる。

一般的なナックルへの取付用フランジ構造を備えた車輪用軸受が開示されている(特許文献1)。この車輪用軸受では、ナックル面からボルトで締結し、車体より外側に車輪用軸受の取付用フランジを保持する。

車輪の中にモータを組み込むインホイールモータ構造(特許文献2,3)は、モータを動作させるインバータおよび電池を車体に搭載する必要があるものの、動力ユニットを車体内に搭載する必要がない。このため、車体容積占有することなく車両に動力を付与でき、車体設計の自由度も高い。しかしながら、モータ出力モータ体積と比例するため、大きな出力トルクを得るためにはモータを大きくするか、減速機構等が必要となる。モータ体積が大きいものまたは減速機構を有するインホイールモータはホイール内に収めることが難しく、従来と同様の車輪用軸受の懸架装置を使うことができず、車体の足回り構造変更が避けられない。

概要

一般的な車輪用軸受と同等の組み付け性を有し、車輪用軸受の車体への取付構造を大きく変えることなく、発電機の実装空間を大きく確保することができる車両用動力装置を提供する。この車両用動力装置は、車輪用軸受2と、電動発電機3とを備える。電動発電機3のステータ18およびロータ19が、ブレーキロータ12の外周部12bよりも小径であり、且つ、電動発電機3におけるハブフランジ7への取付部を除く全体が、ハブフランジ7と、ナックル8のアウトボード側面との間の軸方向範囲L1に位置する。外輪4に対する内輪5の回転角度あるいは回転速度を検出する回転検出器27を備え、この回転検出器27がステータ18の中空内部に位置する。

目的

この発明の目的は、一般的な車輪用軸受と同等の組み付け性を有し、車輪用軸受の車体への取付構造を大きく変えることなく、発電機の実装空間を大きく確保することができる車両用動力装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

固定輪、およびハブフランジを有し前記固定輪に転動体を介して回転自在に支持されて前記ハブフランジに車両の車輪およびブレーキロータ取付けられる回転輪を有する車輪用軸受と、この車輪用軸受の固定輪に取付けられたステータ、および前記車輪用軸受の回転輪に取付けられたロータを有する発電機と、を備えた車両用動力装置において、前記ステータおよび前記ロータの一部または全部が、前記ブレーキロータにおける、ブレーキキャリパ押し付けられる部分となる外周部よりも小径であり、且つ、前記発電機におけるハブフランジへの取付部を除く全体が、前記ハブフランジと、前記車両における足回りフレーム部品アウトボード側面との間の軸方向範囲に位置し、前記固定輪に対する前記回転輪の回転角度または回転速度を検出する回転検出器を備え、この回転検出器が前記ステータの中空内部に位置する車両用動力装置。

請求項2

請求項1に記載の車両用動力装置において、前記発電機は、前記車輪を回転駆動可能な電動発電機である車両用動力装置。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の車両用動力装置において、前記発電機は、前記ステータが前記車輪用軸受の外周に位置し、前記ロータが前記ステータの半径方向外方に位置するアウターロータ型である車両用動力装置。

請求項4

請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用動力装置において、前記車輪用軸受と前記足回りフレーム部品のアウトボード側面との間に、前記回転検出器が配置された車両用動力装置。

請求項5

請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用動力装置において、前記車輪用軸受は、軸方向に並ぶ二個の軸受部を備え、前記二個の軸受部の間に、前記回転検出器が配置された車両用動力装置。

請求項6

請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用動力装置において、前記回転検出器は、前記発電機の制御に使用されるものである車両用動力装置。

請求項7

請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用動力装置において、前記車両がアンチロックブレーキシステムを備え、前記回転検出器は、アンチロックブレーキシステムの制御に使用されるものである車両用動力装置。

技術分野

0001

この発明は、車両用動力装置に関し、車輪用軸受の車体への取付構造を大きく変えることなく、車輪用軸受内の発電機の実装空間を大きく確保することができる技術等に関する。

背景技術

0002

図10図12に示すように、インホイールモータを有しない一般的な車輪用軸受は、外輪60と一体に設けられた取付用フランジ60aを備え、この取付用フランジ60aがナックル61に取付けられる。前記取付用フランジ60aは、車体外側アウトボード側)からナックル61と当接し、前記ナックル61と車体内側インボード側)から挿通されたボルト62により締結される。車輪用軸受は、車両メーカにより取り付けられるため、組み付け性の良さが求められる。

0003

一般的なナックルへの取付用フランジ構造を備えた車輪用軸受が開示されている(特許文献1)。この車輪用軸受では、ナックル面からボルトで締結し、車体より外側に車輪用軸受の取付用フランジを保持する。

0004

車輪の中にモータを組み込むインホイールモータ構造(特許文献2,3)は、モータを動作させるインバータおよび電池を車体に搭載する必要があるものの、動力ユニットを車体内に搭載する必要がない。このため、車体容積占有することなく車両に動力を付与でき、車体設計の自由度も高い。しかしながら、モータ出力モータ体積と比例するため、大きな出力トルクを得るためにはモータを大きくするか、減速機構等が必要となる。モータ体積が大きいものまたは減速機構を有するインホイールモータはホイール内に収めることが難しく、従来と同様の車輪用軸受の懸架装置を使うことができず、車体の足回り構造変更が避けられない。

先行技術

0005

特許第4306903号公報
特許第4694147号公報
特許第4724075号公報

発明が解決しようとする課題

0006

車輪用軸受とブレーキロータ内に収まるインホイールモータのみで車体の動力を賄うにはモータ体積が小さい。このため、出力トルクを増大するために減速機構を備える必要またはモータサイズを大きくする必要がある。しかし、大きなモータをホイール内に収めることは難しく、特にモータを軸方向に大きくした場合、一般的な車輪用軸受の固定方法のようなナックル面とフランジ面をボルトで締結する方法を用いることができず、車体の足回りの構造変更が避けられない(特許文献2,3)。

0007

一方、内燃機関等の他の動力機構主動力手段とするハイブリッドシステム動力補助システムとしてインホイールモータを搭載することが考えられる。この場合、インホイールモータのみで車体の動力を賄う必要はなく、車両の走行状態または主動力手段の状態に合わせてインホイールモータを駆動、回生制動充電することで、省燃費化および車両の動力性能の向上を図ることができる。その際、下記の課題が挙げられる。

0008

・制限された空間における出力トルクの高出力化
・一般的な車輪用軸受と同等の実装
・一般的な車輪用軸受とナックル周辺の設計の共通化

0009

この発明の目的は、一般的な車輪用軸受と同等の組み付け性を有し、車輪用軸受の車体への取付構造を大きく変えることなく、発電機の実装空間を大きく確保することができる車両用動力装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

この発明の車両用動力装置は、固定輪、およびハブフランジを有し前記固定輪に転動体を介して回転自在に支持されて前記ハブフランジに車両の車輪およびブレーキロータが取付けられる回転輪を有する車輪用軸受と、
この車輪用軸受の固定輪に取付けられたステータ、および前記車輪用軸受の回転輪に取付けられたロータを有する発電機と、を備えた車両用動力装置において、
前記ステータおよび前記ロータの一部または全部が、前記ブレーキロータにおける、ブレーキキャリパ押し付けられる部分となる外周部よりも小径であり、且つ、前記発電機におけるハブフランジへの取付部を除く全体が、前記ハブフランジと、前記車両における足回りフレーム部品アウトボード側面との間の軸方向範囲に位置し、
前記固定輪に対する前記回転輪の回転角度または回転速度を検出する回転検出器を備え、この回転検出器が前記ステータの中空内部に位置する。

0011

この構成によると、発電機のロータが、車輪用軸受の回転輪に取付けられたダイレクトドライブ形式であるため、車両用動力装置全体の部品点数が少なく構成が簡易省スペースで済み、車両重量の増加も抑えられる。

0012

ステータおよびロータの一部または全部が、ブレーキロータの外周部よりも小径であり、且つ、発電機におけるハブフランジへの取付部を除く全体が、ハブフランジと、足回りフレーム部品のアウトボード側面との間の軸方向範囲に位置する。このため、ブレーキロータ内に発電機を設置するスペースを確保してこの発電機をコンパクトに収めることができる。

0013

さらに、回転輪の回転角度または回転速度を検出する回転検出器がステータの中空内部に位置するため、ステータの軸方向端側に回転検出器を設ける構成等に比べて、所望の発電機の出力を確保しつつ装置全体を軸方向にコンパクト化することができる。また、車両用動力装置内において、発電機を収容すべき許容される空間内でステータとロータの軸方向長さを最大限に大きくし、ロータとステータとが対向する面積を増やすことで、発電機の出力の最大化を図ることができる。これにより、この車両用動力装置の足回りフレーム部品への固定方法として、一般的な車輪用軸受と同様にボルトで固定するような設計が可能となり、車両側の足回りフレーム部品のアウトボード側面の設計が、発電機を持たない車両と同様にすることができる。

0014

前記発電機は、前記車輪を回転駆動可能な電動発電機であってもよい。従来の内燃機関等を搭載した車両に、前記電動発電機を備えた車両用動力装置を搭載する場合、電動発電機による動力アシストにより燃費低減することができる。

0015

前記発電機は、前記ステータが前記車輪用軸受の外周に位置し、前記ロータが前記ステータの半径方向外方に位置するアウターロータ型であってもよい。この場合、インナーロータ型よりもロータとステータとが対向する面積を増やすことができる。これにより、限られた空間内で出力トルクを最大化することが可能となる。

0016

前記車輪用軸受と前記足回りフレーム部品のアウトボード側面との間に、前記回転検出器が配置されてもよい。この場合、回転検出器が車両用動力装置全体のインボード側に位置することから、この車両用動力装置を足回りフレーム部品から取り外した状態で、回転検出器を着脱自在にすることが容易である。また回転検出器が例えばハブフランジ近傍に設置される構造等よりも、回転検出器からインボード側に延びる配線の長さを短くすることができる。これによりコスト低減を図れる。

0017

前記車輪用軸受は、軸方向に並ぶ二個の軸受部を備え、前記二個の軸受部の間に、前記回転検出器が配置されてもよい。この場合、二個の軸受部の間の空間を活用して回転検出器を配置することができる。また回転検出器を車輪用軸受に直接設置することが可能となるため、回転検出器を保持する部品等を低減することが可能となる。したがって、構造を簡略化でき、製造コストの低減を図れる。

0018

前記回転検出器は、前記発電機の制御に使用されるものであってもよい。この場合、回転検出器で検出される回転輪の回転速度に応じて、従動輪動力補助または回生制動を行うことにより、車両の走行性能制動性能燃料消費量等の車両性能を向上させることが可能となる。

0019

前記車両がアンチロックブレーキシステムを備え、前記回転検出器は、アンチロックブレーキシステムの制御に使用されるものであってもよい。

発明の効果

0020

この発明の車両用動力装置は、固定輪、およびハブフランジを有し前記固定輪に転動体を介して回転自在に支持されて前記ハブフランジに車両の車輪およびブレーキロータが取付けられる回転輪を有する車輪用軸受と、この車輪用軸受の固定輪に取付けられたステータ、および前記車輪用軸受の回転輪に取付けられたロータを有する発電機と、を備えた車両用動力装置において、前記ステータおよび前記ロータの一部または全部が、前記ブレーキロータにおける、ブレーキキャリパが押し付けられる部分となる外周部よりも小径であり、且つ、前記発電機におけるハブフランジへの取付部を除く全体が、前記ハブフランジと、前記車両における足回りフレーム部品のアウトボード側面との間の軸方向範囲に位置し、前記固定輪に対する前記回転輪の回転角度または回転速度を検出する回転検出器を備え、この回転検出器が前記ステータの中空内部に位置する。このため、一般的な車輪用軸受と同等の組み付け性を有し、車輪用軸受の車体への取付構造を大きく変えることなく、発電機の実装空間を大きく確保することができる。

図面の簡単な説明

0021

この発明の実施形態に係る車両用動力装置の断面図である。
同車両用動力装置の側面図である。
同車両用動力装置の正面図である。
図1のIV-IV線断面図である。
同車両用動力装置の中間部材をナックル側から見た斜視図である。
この発明の他の実施形態に係る車両用動力装置の断面図である。
同車両用動力装置の正面図である。
いずれかの車両用動力装置を備えた車両の車両用システム概念構成を示すブロック図である。
同車両用システムを搭載した車両の一例となる電源系統図である。
従来例の車輪用軸受等の断面図である。
同車輪用軸受とブレーキロータとナックルを分解した側面図である。
同車輪用軸受とブレーキロータとナックルを分解した斜視図である。

実施例

0022

この発明の実施形態に係る車両用動力装置を図1ないし図5と共に説明する。図1に示すように、この車両用動力装置1は、車輪用軸受2と、電動機を兼用する発電機である電動発電機3とを備える。

0023

<車輪用軸受2について>
車輪用軸受2は、固定輪である外輪4と、複列の転動体6と、回転輪である内輪5とを有する。外輪4に複列の転動体6を介して内輪5が回転自在に支持されている。外輪4と内輪5との間の軸受空間には、グリース封入されている。内輪5は、ハブ輪5aと、このハブ輪5aのインボード側の外周面に嵌合された部分内輪5bとを有する。ハブ輪5aは、外輪4よりも軸方向のアウトボード側に突出した箇所にハブフランジ7を有する。

0024

ハブフランジ7のアウトボード側の側面には、車輪のリム(図示せず)とブレーキロータ12とケース底部11(後述する)とが軸方向に重なった状態で、ハブボルト13により取り付けられている。前記リムの外周に図示外のタイヤが取付けられている。
なおこの明細書において、車両用動力装置が車両に搭載された状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の車幅方向の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。

0025

ブレーキについて>
図2および図3に示すように、ブレーキは、ディスク式のブレーキロータ12と、ブレーキキャリパKpとを備える摩擦ブレーキである。図1は、図3のI-I線断面図である。
図1に示すように、ブレーキロータ12は、平板状部12aと、外周部12bとを有する。平板状部12aは、ハブフランジ7にケース底部11を介して重なる環状で且つ平板状の部材である。外周部12bは、平板状部12aから外輪4の外周側へ延びる。外周部12bは、平板状部12aの外周縁部からインボード側に円筒状に延びる円筒状部12baと、この円筒状部12baのインボード側端から外径側に平板状に延びる平板部12bbとを有する。

0026

ブレーキキャリパKpは、ブレーキロータ12の平板部12bbを挟み付ける摩擦パッドを有する。ブレーキキャリパKpは、車両における足回りフレーム部品であるナックル8に取付けられている。ブレーキキャリパKpは、油圧式および機械式のいずれであってもよく、また電動モータ式であってもよい。

0027

<電動発電機3について>
この例の電動発電機3は、車輪の回転で発電を行い、給電されることによって車輪を回転駆動可能な走行補助用の電動発電機である。電動発電機3は、回転ケース15と、ステータ18と、ロータ19とを有する。回転ケース15は、ハブフランジ7に取付けられ、ロータ19およびステータ18を覆う。電動発電機3は、ロータ19がステータ18の半径方向外方に位置するアウターロータ型である。

0028

この電動発電機3は、ステータ18およびロータ19の全部がブレーキロータ12の外周部12bよりも小径である。さらに電動発電機3におけるハブフランジ7への取付部を除く全体が、ハブフランジ7と、ナックル8のアウトボード側面8aとの間の軸方向範囲L1に位置する。
電動発電機3は、アウターロータ型のIPM(Interior Permanent Magnet)同期モータ(もしくはIPMSM(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)と標記)である。その他、電動発電機3は、スイッチトリラクタンスモータ(Switched reluctance motor;略称SRモータ)、インダクションモータ(Induction Motor;略称:IM)等各種形式が採用できる。各モータ形式において、ステータ18の巻き線形式として分布巻集中巻の各形式が採用できる。

0029

回転ケース15は、有底円筒状のケース本体16から成り、ケース本体16は、ケース底部11と、ケース円筒状部25とを有する。これらケース底部11と、ケース円筒状部25とは一体もしくは別体で形成されている。ケース底部11は、ブレーキロータ12の平板状部12aと、ハブフランジ7との間に挟まれる平板状で且つ環状の部材である。このケース底部11の外周縁部からインボード側にケース円筒状部25が円筒状に延びる。

0030

ケース円筒状部25の内周面には、アウトボード側からインボード側に順次、小径部、中径部および大径部が設けられている。図4に示すように、ロータ19は、ケース円筒状部25の前記中径部に圧入などにより設けられる磁性体19aと、この磁性体19aに内蔵される複数の永久磁石19bとを備える。
図1に示すように、ケース円筒状部25のうち、前記小径部と前記中径部とを繋ぐ段差部に、ロータ19のアウトボード側端が当接することで、回転ケース15に対しロータ19が軸方向に位置決めされる。

0031

ステータ18は、外輪4の外周面にステータ保持部材24を介して取付けられている。図1および図4に示すように、ステータ18は、コア18aと、このコア18aの各ティース巻回されたコイル18bとを有する。コイル18bは配線17(図1)に接続されている。
図1に示すように、ステータ保持部材24は、ステータ18の内周面およびアウトボード側端面に接してこのステータ18を保持する。ステータ18は、例えば、ステータ保持部材24に対し、圧入またはボルト締結などにより回転方向および径方向に固定されている。さらにステータ保持部材24は、外輪4の外周面に圧入またはボルト締結などにより固定されている。

0032

ステータ保持部材24とナックル8はボルト20により締結される。ステータ保持部材24のインボード側端面とナックル8のアウトボード側面との間に、ユニットカバー22のカバー立板部22aが介在されている。
図5に示すように、中間部材であるステータ保持部材24のうち、インボード側(ナックル面側)の端面には、コイル18b(図1)の結線を、このステータ保持部材24の外径側から内径側へ通す連通孔24cが円周方向に複数(この例では六つ)設けられている。例えば、ステータ保持部材24におけるインボード側の端面に、円周等配の切欠きを設けることで、複数の連通孔24cが形成される。なお複数の連通孔24cは、円周等配である必要なく、また一般的にU相,V相,W相の三線から成る配線17(図1)を通す連通孔であればよい。図1に示すように、ナックル8には、ユニットカバー22における円筒部22bの外周面の挿入を許す貫通孔8bが形成され、この貫通孔8bの周囲に、複数のボルト20の挿通孔(図示せず)が形成されている。

0033

図1および図5に示すように、ステータ保持部材24には、軸方向に延びる雌ねじ24dが円周等配に複数(この例では6つ)形成されている。カバー立板部22aには、前記各雌ねじ24dと同位相の貫通孔(図示せず)が形成されている。各ボルト20は、ナックル8のインボード側から同ナックル8の前記挿通孔に挿通され、カバー立板部22aの貫通孔を通して、ステータ保持部材24の各雌ねじ24dに螺合されている。

0034

シール構造について>
図1に示すように、回転ケース15とナックル8のアウトボード側面との間には、電動発電機3および車輪用軸受2内部への水および異物侵入を防ぐシール部材23が配置されている。シール部材23は、互いに対向する環状のシール板23aおよび弾性シール部材23bを有する。回転ケース15のケース円筒状部25における前記大径部およびこの端面に、環状のロータ端リング部材26がボルトにより固定されている。ロータ端リング部材26と、ナックル8のアウトボード側面8aとの間には、アキシアルすきまが形成されている。

0035

ロータ端リング部材26のインボード側の内周面に、半径方向外方に凹む環状凹みが形成され、この環状凹みにシール部材23の弾性シール部材23bが圧入嵌合されている。カバー立板部22aの外周面に、シール部材23のシール板23aが圧入嵌合されている。シール板23aは、カバー立板部22aの外周面に嵌合する円筒部と、この円筒部のインボード側の端部から半径方向外方に立ち上がる立板部とを含む断面L字状の金属製とされる。

0036

なおロータ端リング部材26の外周面に環状溝が形成され、この環状溝にOリングが設けられている。このOリングにより、回転ケース15の端部内周面とロータ端リング部材26との接触面を密封している。このロータ端リング部材26は、磁性体19a(図4)に内蔵される永久磁石19b(図4)の軸方向についての位置決め部材を兼ねる。

0037

弾性シール部材23bは、例えば、環状の芯金弾性体を固着したものである。前記芯金は、ロータ端リング部材26の環状凹みに嵌合する円筒部と、この円筒部のアウトボード側の端部から半径方向内方に立ち下がる立板部とを有し、前記シール板23aと軸方向に対向する断面逆L字状とされている。前記弾性体は、前記芯金の内側を覆って設けられたものであり、複数のサイドリップと、複数のラジアルリップとを有する。各サイドリップは、前記芯金の立板部から斜め外径側へ延びて、一部のサイドリップの先端がシール板23aの立板部に接する。各ラジアルリップは、芯金の立板部の先端から斜め内径側へ延びて、先端がシール板23aの円筒部に接する。

0038

<回転検出器等について>
この車両用動力装置1には、回転検出器27が設けられている。この回転検出器27は、ステータ18の中空内部に位置する。この回転検出器27は、走行補助用の電動発電機3の回転を制御するために、外輪4に連結しているステータ18に対する内輪5に連結しているロータ19の回転角度を検出する。回転検出器27は、後述する被検出部保持部材28等に取付けられた被検出部27aと、ステータ保持部材24の内周面に取付けられて前記被検出部27aを検出するセンサ部27bとを有する。この回転検出器27として例えばレゾルバが適用される。なお回転検出器27としては、レゾルバに限定されるものではなく、例えば、エンコーダパルサーリングあるいはホールセンサなど形式を問わず採用可能である。回転角度からは容易に回転速度を算出することができ、算出した回転速度は電動発電機3の制御やアンチロックブレーキシステム(図示せず)に使用してもよい。なおシステムの構成により、回転速度または回転角度のいずれか一方または両方が必要となる。例えば、電動発電機3のトルク制御電流制御)を行う場合は回転角度と回転速度の両方が必要となり、消費電力回生電力を算出するにはトルクと回転速度が必要である。アンチロックブレーキシステムは回転速度が必要である。

0039

ステータ保持部材24の内周面には、外輪4のインボード側端が当接する段差が形成されている。このステータ保持部材24の内周面には、前記段差がある箇所から半径方向内方に所定小距離突出するフランジ部が設けられている。センサ部27bは、ステータ保持部材24の内周面にセンサ部固定部材29を介して取付けられている。センサ部固定部材29は、センサ部固定用リング、センサ部保持部および複数(この例では4本)のボルト63を備える。

0040

前記センサ部固定用リングは、センサ部27bを軸方向に位置決めするリング状部材であり、ステータ保持部材24の内周面に嵌合され、且つ、前記フランジ部のインボード側面に当接するように配置される。前記センサ部固定用リングの内周面には、センサ部27bの外周面から半径方向外方に突出する突出部を嵌合固定する環状凹みが形成されている。センサ部固定用リングにおける、環状凹みを成す段差に、前記突出部のアウトボード側端が当接することで、ステータ保持部材24に対しセンサ部27bが軸方向に位置決めされる。センサ部27bの配線27baは、センサコネクタ64に接続されている。

0041

前記センサ部保持部は、センサ部27bを軸方向に保持する環状部材であり、円筒部と、この円筒部のアウトボード側の端部から半径方向外方に立ち上がる立板部とで断面L字状に形成されている。センサ部27bの突出部におけるインボード側端を前記立板部に当接し、ボルト63を前記立板部およびセンサ部固定用リングを通して前記フランジ部の雌ねじに螺合することで、センサ部27bがステータ保持部材24に固定される。

0042

すなわち前記センサ部固定用リングおよび前記センサ部保持部の立板部には、ボルト挿通孔が円周方向一定間隔おきに形成されている。ステータ保持部材24のフランジ部には、各ボルト挿通孔と同位相に前記雌ねじが形成されている。各ボルト63は、インボード側から前記立板部および前記センサ部固定用リングの各ボルト挿通孔に挿通され、前記フランジ部の雌ねじに螺合されている。なおステータ保持部材24の内周面に、センサ部27bを直接圧入等により固定してもよい。

0043

被検出部保持部材28は、ハブ輪5aのインボード側端にこのハブ輪5aに同軸に螺合されている。被検出部保持部材28の軸方向中間付近部には、部分内輪5bのインボード側端に当接するフランジ部が設けられている。被検出部保持部材28のアウトボード側に位置する雄ねじを、ハブ輪5aの雌ねじに螺合することで、部分内輪5bのインボード側端に前記フランジ部が当接し、ハブ輪5aに部分内輪5bが強固に固定される。

0044

被検出部保持部材28の外周面のうち、前記フランジ部よりもインボード側に、大径部と小径部が設けられている。被検出部保持部材28のインボード側端に前記雌ねじと同軸に雌ねじが形成されている。被検出部保持部材28の小径部に、被検出部27aの内周面が嵌合されると共に、被検出部保持部材28の段差部に被検出部27aのアウトボード側端が当接するようになっている。被検出部保持部材28の雌ねじに被検出部固定用リング65が螺合され、この被検出部固定用リング65のフランジ部を被検出部27aのインボード側端に当接することで、被検出部27aが被検出部保持部材28に保持され固定される。なお被検出部保持部材28に被検出部27aを圧入嵌合して固定してもよい。

0045

配線類等>
ユニットカバー22の円筒部22bのインボード側端には、このインボード側端を覆うコネクタカバー66が複数のボルトにより着脱自在に取付けられている。このコネクタカバー66に、いわゆるパネルマウント型のパワー線コネクタ67を介して、この電動発電機3の配線17が支持されている。コネクタカバー66には、パネルマウント型のセンサコネクタ64も支持されている。

0046

作用効果
以上説明した車両用動力装置1によれば、車輪用軸受2が、車両の主駆動源機械的に非連結である従動輪を支持する軸受であるため、電動発電機3が簡易で省スペースで済むことから、車体の足回りの構造等を変更することなく、この電動発電機3を従動輪に簡単に設置し得る。
電動発電機3のロータ19が、車輪用軸受2の内輪5に取付けられたダイレクトドライブ形式であるため、電動発電機3の部品点数が少なく構成が簡易で省スペースで済み、車両重量の増加も抑えられる。

0047

ステータ18およびロータ19の全部がブレーキロータ12の外周部12bよりも小径で、且つ、電動発電機3におけるハブフランジ7への取付部を除く全体が、ハブフランジ7と、ナックル8のアウトボード側面8aとの間の軸方向範囲L1に位置する。このため、ブレーキロータ12内に電動発電機3を設置するスペースを確保してこの電動発電機3をコンパクトに収めることができる。

0048

さらに回転検出器27がステータ18の中空内部に位置するため、ステータの軸方向端側に回転検出器を設ける構成等に比べて、所望の電動発電機3の出力を確保しつつ装置全体を軸方向にコンパクト化することができる。また、車両用動力装置内において、電動発電機3を収容すべき許容される空間内でステータ18とロータ19の軸方向長さを最大限に大きくし、ロータ19とステータ18とが対向する面積を増やすことで、電動発電機3の出力の最大化を図ることができる。これにより、この車両用動力装置1のナックル8への固定方法として、一般的な車輪用軸受と同様にボルトで固定するような設計が可能となり、車両側のナックル8のアウトボード側面8aの設計が、電動発電機を持たない車両と同様にすることができる。

0049

また、車輪用軸受2とナックル8のアウトボード側面8aとの間に、回転検出器27が配置されている。この場合、回転検出器27が車輪用軸受装置全体のインボード側に位置することから、この車両用動力装置1をナックル8から取り外した状態で、回転検出器27を着脱自在にすることが容易である。また回転検出器27が例えばハブフランジ近傍に設置される構造等よりも、回転検出器27からインボード側に延びる配線27baの長さを短くすることができる。これによりコスト低減を図れる。

0050

電動発電機3はロータ19がステータ18の半径方向外方に位置するアウターロータ型であるため、インナーロータ型よりもロータ19とステータ18とが対向する面積を増やすことができる。これにより、限られた空間内で出力トルクを最大化することが可能となる。

0051

<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。

0052

図6は、他の実施形態に係る車両用動力装置1Aの断面図(図7のVI-VI線断面図)である。図7は同車両用動力装置1Aの正面図である。図6では、ブレーキロータ、ブレーキキャリパ、ナックル、コネクタカバーおよびコネクタを省略しているが、前述の図1に示す実施形態と同一構成である。図1図6とを比較すると回転検出器の配置だけが異なるため、その部分のみ説明する。

0053

図6に示すように、車輪用軸受2における軸方向に並ぶ二個の軸受部2A,2Aの間の空間に、回転検出器27が配置されている。センサ部27bは、外輪4とステータ保持部材24を径方向に貫通する貫通孔に設置されている。被検出部27aは、ハブ輪5aの外周面に圧入嵌合され、且つ、このハブ輪5aの段差部と部分内輪5bのアウトボード側端との間に挟み込まれて軸方向位置が規制されている。この回転検出器27の図示外の配線は、センサ部27bよりステータ保持部材24の貫通孔等を通り、コネクタカバー66(図1参照)に支持されたセンサコネクタ64(図1参照)に配線されている。

0054

この構成によると、二個の軸受部2A,2Aの間の空間を活用して回転検出器27を配置することができる。また回転検出器27を車輪用軸受2に直接設置することが可能となるため、回転検出器27を保持する部品等を低減することが可能となる。したがって、構造を簡略化でき、製造コストの低減を図れる。その他前述の同様の作用効果を奏する。

0055

この例の電動発電機3は、ステータ18およびロータ19の全部がブレーキロータ12の外周部12bよりも小径であるが、この例に限定されるものではない。例えば、ステータ18およびロータ19の一部がブレーキロータ12の外周部12bよりも小径であってもよい。

0056

<車両用システムについて>
図8は、いずれかの実施形態に係る車両用動力装置1,(1A)を用いた車両用システムの概念構成を示すブロック図である。この車両用システムにおいて、車両用動力装置1,(1A)は、主駆動源と機械的に非連結である従動輪10Bを持つ車両において、従動輪10Bに対して搭載される。車両用動力装置1,(1A)における車輪用軸受2(図1図6)は、従動輪10Bを支持する軸受である。

0057

主駆動源35は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等の内燃機関、または電動発電機(電動モータ)、または両者を組み合わせたハイブリッド型駆動源である。前記「電動発電機」は、回転付与による発電が可能な電動モータを称す。図示の例では、車両30は、前輪駆動輪10A、後輪が従動輪10Bとなる前輪駆動車であって、主駆動源35が内燃機関35aと駆動輪側の電動発電機35bとを有するハイブッリド車(以下、「HEV」と称することがある)である。

0058

具体的には、駆動輪側の電動発電機35bが48V等の中電圧で駆動されるマイルドハイブリッド形式である。ハイブリッドはストロングハイブリッドとマイルドハイブリッドとに大別されるが、マイルドハイブリッドは、主要駆動源が内燃機関であって、発進時や加速時等にモータで走行補助を主に行う形式を言い、EV電気自動車)モードでは通常の走行を暫くは行えても長時間行うことができないことでストロングハイブリッドと区別される。同図の例の内燃機関35aは、クラッチ36および減速機37を介して駆動輪10Aのドライブシャフトに接続され、減速機37に駆動輪側の電動発電機35bが接続されている。

0059

この車両用システムは、従動輪10Bの回転駆動を行う走行補助用の発電機である電動発電機3と、この電動発電機3の制御を行う個別制御手段39と、上位ECU40に設けられて前記個別制御手段39に駆動および回生の制御を行わせる指令を出力する個別電動発電機指令手段45とを備える。電動発電機3は、蓄電手段に接続されている。この蓄電手段は、バッテリー蓄電池)またはキャパシタコンデンサ等を用いることができ、その形式や車両30への搭載位置は問わないが、この実施形態では、車両30に搭載された低電圧バッテリー50および中電圧バッテリー49のうちの中電圧バッテリー49とされている。

0060

従動輪用の電動発電機3は、変速機を用いないダイレクトドライブモータである。電動発電機3は、電力を供給することで電動機として作用し、また車両30の運動エネルギーを電力に変換する発電機としても作用する。
電動発電機3は、内輪5(図1)にロータ19(図1)が取付けられているため、電動発電機3に車両の進行方向と同じ方向にトルクを発生するように電流印加すると内輪5(図1)が回転駆動され、逆方向にトルクを発生するように電流を印加することで回生電力が得られる。

0061

<車両30の制御系について>
上位ECU40は、車両30の統合制御を行う手段であり、トルク指令生成手段43を備える。このトルク指令生成手段43は、アクセルペダル等のアクセル操作手段56およびブレーキペダル等のブレーキ操作手段57からそれぞれ入力される操作量の信号に従ってトルク指令を生成する。この車両30は、主駆動源35として内燃機関35aおよび駆動輪側の電動発電機35bを備え、また二つの従動輪10B,10Bをそれぞれ駆動する二つの電動発電機3,3を備えるため、前記トルク指令を各駆動源35a,35b,3,3に定められた規則によって分配するトルク指令分配手段44が上位ECU40に設けられている。

0062

内燃機関35aに対するトルク指令は内燃機関制御手段47に伝達され、内燃機関制御手段47によるバルブ開度制御等に用いられる。駆動輪側の発電電動機35bに対するトルク指令は、駆動輪側電動発電機制御手段48に伝達されて実行される。従動輪側の電動発電機3,3に対するトルク指令は、個別制御手段39,39に伝達される。前記トルク指令分配手段44のうち、個別制御手段39,39へ出力する部分を個別電動発電機指令手段45と称している。この個別電動発電機指令手段45は、ブレーキ操作手段57の操作量の信号に対して、電動発電機3が回生制動により制動分担する制動力の指令となるトルク指令を個別制御手段39へ与える機能も備える。

0063

個別制御手段39はインバータ装置であり、中電圧バッテリー49の直流電力三相交流電圧に変換するインバータ41と、前記トルク指令等によりインバータ41の出力をPWM制御等で制御する制御部42とを有する。インバータ41は、半導体スイッチング素子等によるブリッジ回路(図示せず)等を備える。

0064

制御部42は、例えば、個別電動発電機指令手段45より与えられるトルク指令に対して、発生するトルクが一致するように電動発電機3を追従制御する。すなわち制御部42は、指令トルクと、回転検出器27(図1)で検出される回転速度(回転角度センサの場合、容易に算出可能)と、試験結果から電動発電機3に印加する電流を算出する。さらに算出した電流と回転角度と図示外の電流センサの値から電動発電機3に印加する電圧を算出する。算出した電圧を電動発電機3に印加し、指令トルクと一致するトルクを発生する。なお個別制御手段39は、二つの電動発電機3,3に対して個別に設けられるが、一つの筐体内に収められ、制御部42を両個別制御手段39,39で共有する構成であってもよい。

0065

図9は、図8に示した車両用システムを搭載した車両の一例となる電源系統図である。同図の例では、バッテリーとして低電圧バッテリー50と中電力バッテリー49とが設けられ、両バッテリー49,50は、DC/DCコンバータ51を介して接続されている。電動発電機3は二つあるが、代表して一つで図示している。図8の駆動輪側の電動発電機35bは、図9では図示を省略しているが、従動輪側の電動発電機3と並列に中電力系統に接続されている。低電圧系統には低電圧負荷52が接続され、中電圧系統には中電圧負荷53が接続される。低電圧負荷52および中電圧負荷53は、それぞれ複数あるが、代表して一つで示している。

0066

低電圧バッテリー50は、制御系等の電源として各種の自動車一般に用いられているバッテリーであり、例えば12Vまたは24Vとされる。低電圧負荷52としては、内燃機関35aのスタータモータ灯火類、上位ECU40およびその他のECU(図示せず)等の基幹部品がある。低電圧バッテリー50は電装補機類用補助バッテリーと称し、中電圧バッテリー49は電動システム用補助バッテリー等と称しても良い。

0067

中電圧バッテリー49は、低電圧バッテリー50よりも電圧が高く、かつストロングハイブリッド車等に用いられる高圧バッテリー(100V以上、例えば200〜400V程度)よりも低く、かつ作業時に感電による人体への影響が問題とならない程度の電圧であり、近年マイルドハイブリッドに用いられている48Vバッテリーが好ましい。48Vバッテリー等の中電圧バッテリー49は、従来の内燃機関を搭載した車両に比較的容易に搭載することができ、マイルドハイブリッドとして電力による動力アシストや回生により、燃費低減することができる。

0068

前記48V系統の中電圧負荷53は前記アクセサリー部品であり、前記駆動輪側の電動発電機35bである動力アシストモータ、電動ポンプ電動パワーステアリングスーパーチャージャ、およびエアーコンプレッサなどである。アクセサリーによる負荷を48V系統で構成することで、高電圧(100V以上のストロングハイブリッド車など)よりも動力アシストの出力が低くなるものの、乗員やメンテナンス作業者への感電の危険性を低くすることができる。電線絶縁被膜を薄くすることができるので、電線の重量や体積を減らすことができる。また、12Vよりも小さな電流量で大きな電力量を入出力することができるため、電動機または発電機の体積を小さくすることができる。これらのことから、車両の燃費低減効果に寄与する。

0069

この車両用システムは、こうしたマイルドハイブリッド車のアクセサリー部品に好適であり、動力アシストおよび電力回生部品として適用される。なお、従来よりマイルドハイブリッド車において、CMG、GMG、ベルト駆動式スタータモータ(いずれも図示せず)などが採用されることがあるが、これらはいずれも、内燃機関または動力装置に対して動力アシストまたは回生するため、伝達装置および減速機などの効率の影響を受ける。

0070

これに対してこの実施形態の車両用システムは従動輪10Bに対して搭載されるため、内燃機関35aおよび電動モータ(図示せず)等の主駆動源とは切り離されており、電力回生の際には車体の運動エネルギーを直接利用することができる。また、CMG、GMG、ベルト駆動式スタータモータなどを搭載する際には、車両30の設計段階から考慮して組み込む必要があり、後付けすることが難しい。

0071

これに対して、従動輪10B内に収まるこの車両用システムの電動発電機3は、完成車であっても部品交換と同等の工数で取り付けることができ、内燃機関35aのみの完成車に対しても48Vのシステムを構成することができる。内燃機関35aのみ備えた既存の車両に、いずれかの実施形態に係る車両用動力装置1,(1A)と、電動発電機用のバッテリーとして前記中電圧バッテリー49とを搭載することで、車両の大幅な改造をすることなく、マイルドハイブリッド車両にすることができる。この実施形態の車両用システムを搭載した車両に、図8の例のように別の補助駆動用の電動発電機35bが搭載されていても構わない。その際は車両30に対する動力アシスト量や回生電力量を増加させることができ、さらに燃費低減に寄与する。

0072

図示しないが、いずれかの実施形態に係る車両用動力装置を駆動輪に適用してもよい。車両用動力装置を駆動輪および従動輪にそれぞれ適用することも可能である。

0073

図8に示す車両用システムは、発電を行う機能を有するが、給電による回転駆動をしないシステムとしてもよい。この場合、電動発電機3が発電した回生電力を中電圧バッテリー49に蓄えることにより、制動力を発生させることができる。機械式のブレーキ操作手段57と併用や使い分けで、制動性能も向上させることができる。このように発電を行う機能に限定した場合、個別制御手段39はインバータ装置ではなく、AC/DCコンバータ装置(図示せず)として構成することができる。前記AC/DCコンバータ装置は、3相交流電圧を直流電圧に変換することで、電動発電機3の回生電力を中電圧バッテリー49に充電する機能を備え、インバータと比較すると制御方法が容易であり、小型化が可能となる。

0074

車両がアンチロックブレーキシステム(略称ABS)を備える場合、回転検出器27は、アンチロックブレーキシステムの制御に用いられるものであってもよい。この制御において、回転検出器27から算出された車輪速車体速から接地面に対する車輪の滑り状態推定し、この滑り状態を解消するように制御し得る。
車両に回転検出器27を複数配置し、いずれかの回転検出器27を電動発電機3の制御に使用し、他のいずれかの回転検出器27をABSの制御に使用してもよい。

0075

加えて、本願における車両用動力装置1は、回転輪として、一つの部分内輪が嵌合されたハブ輪を備え、固定輪である外輪と、ハブ輪および部分内輪の嵌合体で構成された第3世代構造としているが、これに限定するものではない。
ハブフランジを有するハブと、転動体の軌道面を有する部材とを合わせた構造体が請求項でいう回転輪となる。例えば、主に固定輪である外輪と、ハブフランジを有するハブの外周面に嵌合された内輪とを備えた第1世代構造であってもよい。固定輪である外輪と、ハブフランジを有するハブの外周面に嵌合された内輪とを備えた内輪回転形式の第2世代構造であってもよい。これらの例では、前記ハブと前記内輪とが組み合わさったものが請求項でいう「回転輪」に相当する。ハブフランジを有する回転輪である外輪と、固定輪である内輪とを備えた外輪回転形式の第2世代構造であってもよい。

0076

以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0077

1,1A…車両用動力装置
2…車輪用軸受
3…電動発電機(発電機)
4…外輪(固定輪)
5…内輪(回転輪)
7…ハブフランジ
8…ナックル(足回りフレーム部品)
12…ブレーキロータ
18…ステータ
19…ロータ
27…回転検出器

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