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技術 成形品及び当該成形品を含む表示装置並びに成形品の製造方法

出願人 NISSHA株式会社
発明者 山崎成一
出願日 2017年10月16日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2017-200357
公開日 2019年5月16日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-072916
状態 未査定
技術分野 プラスチック等の成形用の型 プラスチック等の射出成形
主要キーワード 吸引用穴 プレフォーミング 光透過樹脂 照光スイッチ 透光部パターン シェード構造 ミラーインキ 熱可塑性ウレタン系樹脂
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

加飾シートタッチセンサシートとが一体的にモールドされてなる成形品からの光漏れを抑制する。

解決手段

成形品10は、光が透過可能な表示箇所41を有する。成形品10の成形体本体11は、表示箇所41に導く光を透過する光透過樹脂からなる第2成形部11b及び、第2成形部11bよりも光の透過率が低い不透明樹脂からなる第1成形部11aを有している。加飾シート40は、成形体本体11と一体的にモールドされており、表示箇所41を加飾する加飾部42を有する。タッチセンサシート50は、成形体本体11と一体的にモールドされており、表示箇所41を透過する光を通過させる光透過性を有している。成形体本体11は、加飾シート40の外周端40eの周囲の少なくとも一部に設けられ、光透過樹脂を透過する光を抑制するシェード構造12を当該成形体本体11の中に有する。

概要

背景

従来から、光が透過可能な表示箇所を有する成形品を含む表示装置が知られている。例えば特許文献1(特開2008−210528号公報)には、透光性材料からなる筐体と、透光部パターン及び遮光部パターンを表示する加飾層と、導電性薄膜からなる照光スイッチ付き筐体が開示されている。

概要

加飾シートタッチセンサシートとが一体的にモールドされてなる成形品からの光漏れを抑制する。成形品10は、光が透過可能な表示箇所41を有する。成形品10の成形体本体11は、表示箇所41に導く光を透過する光透過樹脂からなる第2成形部11b及び、第2成形部11bよりも光の透過率が低い不透明樹脂からなる第1成形部11aを有している。加飾シート40は、成形体本体11と一体的にモールドされており、表示箇所41を加飾する加飾部42を有する。タッチセンサシート50は、成形体本体11と一体的にモールドされており、表示箇所41を透過する光を通過させる光透過性を有している。成形体本体11は、加飾シート40の外周端40eの周囲の少なくとも一部に設けられ、光透過樹脂を透過する光を抑制するシェード構造12を当該成形体本体11の中に有する。

目的

本開示の課題は、加飾シートとタッチセンサシートとが一体的にモールドされてなる成形品からの光漏れを抑制することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

光が透過可能な表示箇所を有する成形品であって、第1成形部及び第2成形部を有し、前記第2成形部が前記表示箇所に導く光を透過する光透過樹脂からなり、前記第1成形部が前記第2成形部よりも光の透過率が低い不透明樹脂からなる成形体本体と、前記成形体本体と一体的にモールドされており、前記表示箇所を加飾する加飾部を有する加飾シートと、前記成形体本体と一体的にモールドされており、前記表示箇所を透過する光を通過させる光透過性タッチセンサシートとを備え、前記成形体本体は、前記加飾シートの外周端の周囲の少なくとも一部に設けられ、前記光透過樹脂を透過する光を抑制するシェード構造を当該成形体本体の中にさらに有する、成形品。

請求項2

前記シェード構造は、前記第2成形部のパーティングラインと前記加飾シートの前記外周端との間の間隙及び/またはその周囲に設けられている、請求項1に記載の成形品。

請求項3

前記成形体本体は、前記第2成形部が前記加飾シートと前記タッチセンサシートとに挟まれ、前記光透過樹脂で満たされている一部領域を含み、前記加飾シート及び前記タッチセンサシートのうちの少なくとも一方は、前記光透過樹脂によって前記一部領域に繋がる樹脂導入穴を有する、請求項1または請求項2に記載の成形品。

請求項4

前記シェード構造は、前記第1成形部の周縁部において前記加飾シートの前記外周端よりも高い位置まで立ち上がっているリブである、請求項1から3のいずれか一項に記載の成形品。

請求項5

前記リブは、前記隙間の在る方向に向って傾斜して前記隙間の周縁の前記加飾シートに接触している、請求項4に記載の成形品。

請求項6

前記シェード構造は、前記隙間及び/またはその周囲の前記光透過樹脂にインキが混じったものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の成形品。

請求項7

前記シェード構造は、前記第2成形部よりも光の透過率が低い不透明樹脂からなる、前記隙間に埋め込まれた帯状の前記第1成形部である、請求項1から6のいずれか一項に記載の成形品。

請求項8

請求項1から7のいずれかに記載の前記成形品と、前記タッチセンサシートに接続されている制御装置と、前記制御装置によって制御され、前記成形品に光を照射する発光素子とを含む、表示装置

請求項9

第1成形部及び第2成形部を有して前記第2成形部が光の透過可能な表示箇所に導く光を透過する光透過樹脂からなるとともに前記第1成形部が前記第2成形部よりも光の透過率が低い不透明樹脂からなる成形体本体と、前記表示箇所を加飾する加飾部を有する加飾シートと、前記表示箇所を透過する光を通過させる光透過性のタッチセンサシートとを一体的にモールドする成形品の製造方法であって、前記成形体本体と前記加飾シートのインサート成形の際に、前記光透過樹脂を透過する光を抑制するシェード構造を前記成形体本体の中の前記加飾シートの外周端の周囲の少なくとも一部に形成する、成形品の製造方法。

技術分野

0001

本開示は、加飾シートタッチセンサシートとが一体的にモールドされてなる成形品及び当該成形品を含む表示装置並びに成形品の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来から、光が透過可能な表示箇所を有する成形品を含む表示装置が知られている。例えば特許文献1(特開2008−210528号公報)には、透光性材料からなる筐体と、透光部パターン及び遮光部パターンを表示する加飾層と、導電性薄膜からなる照光スイッチ付き筐体が開示されている。

先行技術

0003

特開2008−210528号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、例えば射出成形により加飾シートとタッチセンサシートとを一体的にモールドして成形品を形成する場合、金型にセットされる加飾シートの位置合わせの誤差などにより、加飾シートの端部の近傍から成形品の外部に光が漏れることがある。

0005

本開示の課題は、加飾シートとタッチセンサシートとが一体的にモールドされてなる成形品からの光漏れを抑制することである。

課題を解決するための手段

0006

以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本開示の一見地に係る成形品は、光が透過可能な表示箇所を有する成形品であって、第1成形部及び第2成形部を有し、第2成形部が表示箇所に導く光を透過する光透過樹脂からなり、第1成形部が第2成形部よりも光の透過率が低い不透明樹脂からなる成形体本体と、成形体本体と一体的にモールドされており、表示箇所を加飾する加飾部を有する加飾シートと、成形体本体と一体的にモールドされており、表示箇所を透過する光を通過させる光透過性のタッチセンサシートとを備え、成形体本体は、加飾シートの外周端の周囲の少なくとも一部に設けられ、光透過樹脂を透過する光を抑制するシェード構造を当該成形体本体の中にさらに有する。

0007

成形品は、シェード構造が、第2成形部のパーティングラインと加飾シートの外周端との間の間隙及び/またはその周囲に設けられてもよい。
成形品は、成形体本体が、第2成形部が加飾シートとタッチセンサシートとに挟まれ、光透過樹脂で満たされている一部領域を含み、加飾シート及びタッチセンサシートのうちの少なくとも一方は、光透過樹脂によって一部領域に繋がる樹脂導入穴を有する、ものであってもよい。
成形品は、シェード構造は、第1成形部の周縁部において加飾シートの外周端よりも高い位置まで立ち上がっているリブである、ものであってもよい。
成形品は、リブが、隙間の在る方向に向って傾斜して隙間の周縁の加飾シートに接触している、ものであってもよい。
成形品は、シェード構造が、隙間及び/またはその周囲の光透過樹脂にインキが混じったものである、ものであってもよい。
成形品は、シェード構造が、第2成形部よりも光の透過率が低い不透明樹脂からなる、隙間に埋め込まれた帯状の第1成形部である、ものであってもよい。

0008

本開示の一見地に係る表示装置は、上述の成形品と、タッチセンサシートに接続されている制御装置と、成形品に光を照射する発光素子とを含む、ものである。
本開示の一見地に係る成形品の製造方法は、第1成形部及び第2成形部を有して第2成形部が光の透過可能な表示箇所に導く光を透過する光透過樹脂からなるとともに第1成形部が第2成形部よりも光の透過率が低い不透明樹脂からなる成形体本体と、表示箇所を加飾する加飾部を有する加飾シートと、表示箇所を透過する光を通過させる光透過性のタッチセンサシートとを一体的にモールドする成形品の製造方法であって、成形体本体と加飾シートのインサート成形の際に、光透過樹脂を透過する光を抑制するシェード構造を成形体本体の中の加飾シートの外周端の周囲の少なくとも一部に形成する。

発明の効果

0009

本開示の成形品若しくは表示装置または成形品の製造方法によれば、加飾シートとタッチセンサシートとが一体的にモールドされてなる成形品からの光漏れを抑制することができる。

図面の簡単な説明

0010

本開示の表示装置の一例を示すブロック図。
第1実施形態に係る成形品とLEDの一例を示す断面図。
第1実施形態に係る成形品の一例を示す斜視図。
図3の成形品の部分断面拡大図。
図4Aに示された成形品の製造工程にある金型と第1成形部を示す部分拡大断面図。
第1実施形態の第1成形部の射出工程を示す断面図。
第1実施形態の第2成形部を製造するための型締め工程を示す断面図。
第1実施形態の第2成形部の射出工程を示す断面図。
第1実施形態の成形品の一例を示す断面図。
変形例1Aに係る成形品の製造工程にある金型と第1成形部を示す部分拡大断面図。
変形例1Aに係る成形品の部分断面拡大図。
変形例1Bに係る成形品の平面図。
変形例1Bに係る成形品のタッチセンサシートの平面図。
変形例1Bの第1成形部の平面図。
変形例1Bの成形品を示す断面図。
全周をリブで囲う場合の第1成形部の平面図。
2つの長辺にリブを配置する場合の第1成形部の平面図。
第2実施形態の成形品の一例を示す断面図。
第2実施形態の第1成形部の射出工程を示す断面図。
第2実施形態の第2成形部を製造するための型締め工程を示す断面図。
第2実施形態の第2成形部の射出工程を示す断面図。
変形例2Aに係る成形品の斜視図。
変形例2Aに係る成形品の部分破断斜視図。
変形例2Aに係る成形品の部分拡大断面図。
変形例2Aの第2成形部を製造するための型締め工程を示す断面図。
変形例2Aの第2成形部の射出工程を示す断面図。
変形例2Aの第1成形部の射出工程を示す断面図。
第3実施形態に係る成形品の断面図。
図10Aの成形品の製造に用いられる加飾シートの背面図。
第3実施形態の第1成形部の射出工程を示す断面図。
第3実施形態の第2成形部を製造するための型締め工程を示す断面図。
第3実施形態の第2成形部の射出工程を示す断面図。

実施例

0011

〈第1実施形態〉
(1)全体構成
以下、本開示の第1実施形態に係る表示装置について図を用いて説明する。図1には、表示装置1を構成している各構成要素がブロックで示されている。表示装置1は、成形品10と、LED(Light Emitting Diode)80と、ドライブ回路81と、コントローラ90とを備えている。成形品10は、成形体本体11と、加飾シート40と、タッチセンサシート50と、FPC(フレキシブルプリント配線基板)51とを備えている。ドライブ回路81は、LED80を発光させるための電気回路である。このドライブ回路81がコントローラ90によって制御されており、従ってLED80の発光は、コントローラ90によって制御される。
加飾シート40、タッチセンサシート50及びFPC51は、成形体本体11と一体的にモールドされている。加飾シート40、タッチセンサシート50及びFPC51は、例えば後述するように、加飾シート40、タッチセンサシート50及びFPC51を先に金型内にセットしてから後に溶融樹脂を金型内に射出するインサート成形(またはインモールド成形ともいう)によって、成形品10に取り付けられる。タッチセンサシート50は、FPC51によって外部の装置に電気的に接続される。図1に示されている表示装置1では、タッチセンサシート50は、FPC51によってコントローラ90に接続されている。従って、FPC51は、外部の装置に接続される接点部分が成形品10の外部に露出している。

0012

(1−1)成形品10とLED80の関係
図2には、成形品10の断面構造とLED80が示されている。LED80は、リジッドプリント配線基板89に実装されている。このプリント配線基板89には、LED80を駆動するドライブ回路81が集積回路として実装されている。また、タッチセンサシート50から延びるFPC51と電気的に接続されるコネクタ91がプリント配線基板89に実装されている。図2には示されていないが、このコネクタ91がコントローラ90に接続されている。
加飾シート40は、成形体本体11の上面に配置されている。加飾シート40には、光の通過可能な表示箇所41が形成されている。他方、タッチセンサシート50は、成形体本体11の下面に配置されている。タッチセンサシート50においては、例えば、少なくともLED80の光を透過する箇所に透明電極が配置される。このような構造により、タッチセンサシート50は、光を透過するとともに、指などの接近による静電容量の変化によって情報の入力を行うことができる。
成形体本体11は、光透過樹脂からなる第2成形部11bと、不透明樹脂からなる第1成形部11aとを備えている。ここで光透過樹脂とは、透明樹脂及び半透明樹脂を含む概念である。また、ここで不透明樹脂とは、自身が色を有しているため不透明である樹脂も、顔料などで着色されて不透明である樹脂も含む概念である。さらに、ここで不透明樹脂とは、光透過樹脂よりもLED80から照射される光Liの透過率が低い樹脂であり、完全に光を遮断する機能を有していない樹脂も含む概念である。第2成形部11b及び第1成形部11aは、成形体本体11の形状を形づくる機能のほかに、LED80から照射される光に関する機能を持っている。図2において、一点鎖線で囲まれた部分がLED80から照射された光Liを示している。

0013

第2成形部11bは、LED80から照射された光Liを透過して加飾シート40の表示箇所41に導くことができるように配置されている。つまり、LED80の上に配置されているタッチセンサシート50の透明電極と表示箇所41の間を、第2成形部11bの光透過樹脂が埋めている。言い換えると、成形体本体11の表示箇所41の下の領域は、第2成形部11bが加飾シート40とタッチセンサシート50とに挟まれ、光透過樹脂で満たされている領域である。
他方、第1成形部11aは、LED80の光Liによる表示効果を高めるために、余分な光の漏洩を抑制するように配置される。そのために、第1成形部11aを構成している不透明樹脂は、遮光性を有することが好ましく、例えば黒色に着色されている。ただし、例えば、装飾効果を高めるために第2成形部11bよりも低い光度で光を漏れさせたい場合などには、第1成形部11aによって完全に遮光せずに、第1成形部11aの一部が半透明に着色されてもよい。つまり、第1成形部11aは、第2成形部よりも光の透過率が低くなっていればよい。
LED80から照射された光Liは、タッチセンサシート50を透過し、次に第2成形部11bを透過し、さらに加飾シート40の表示箇所41を透過して成形体本体11の上方に向かって放出される。表示箇所41の周囲が加飾シート40の図柄層などの加飾部42によって遮光されており、この成形品10は、表示箇所41以外の部分から余分な光が漏れない構成になっている。

0014

(1−2)光漏れに対する対策
第2成形部11bに入射した光Liの中には、第2成形部11bの内部で反射するなどして表示箇所41以外の方向に進むものもある。そこで、第2成形部11bの側面まで加飾シート40の加飾部42で覆われており、第2成形部11bの表面のうち第1成形部11aに接していない部分及びLED80から光Liを取り入れる部分以外は、加飾シート40で覆われている。図3には、成形品10を斜め上方から見た状態が示されている。
ここでは、第1成形部11aに接していない部分以外が全て加飾シート40で覆われている例について説明しているが、第1成形部11aに接していない部分以外が全て加飾シート40で覆われていなくてもよい。例えば、成形品10が他の部品と結合されて当該他の部品で遮光されるなどの場合には、他の部品で遮光される箇所まで加飾シート40で覆わなくてもよく、他の部品に当接する箇所に第2成形部11bの光透過樹脂が露出していてもよい。
後述するように、第2成形部11bと第1成形部11aは、例えば多色成形(または多材質射出成形ともいう)によって複数組の金型を用いて射出成形される。加飾シート40は、後から成形される第2成形部11bを成形するための金型(例えば図5Cに示されている第2固定型120)の中にセットされことになる。このような製造過程を経るため、第2成形部11bのパーティングラインPLと加飾シート40の外周端40eの間に隙間Inができる。このような隙間Inを設けないと、製造時の誤差によって、加飾シート40の外周端40eが第1成形部11aまたは金型のパーティング面に当接して加飾シート40に正しくセットできず、成形品10に一体化されている加飾シート40に皺が寄るなどの不具合が生じことになる。パーティングラインPLと加飾シート40の外周端40eの間の隙間Inは、例えば、0.05mm〜0.7mmである。

0015

良好な製造を行うために設けられる隙間Inは、成形品10から光Liが漏れる箇所になる可能性が高い。そこで、この隙間Inからの光漏れを抑制するために、成形体本体11の内部の隙間Inまたはその周囲にシェード構造12が配置されている。言い換えると、シェード構造12は、成形体本体11の中にあって、加飾シート40の外周端40eの周囲の少なくとも一部に設けられているということになる。第2成形部11bの中を通ってきた光Liは、シェード構造12によって弱められるかまたは完全に遮光される。従って、シェード構造12が設けられることによって、必要以上に強い光Liが隙間Inから成形品10の外部に漏れるのを防止することができる。シェード構造12が成形体本体11の中の構造の一部であることにより、光を抑制する機能が傷及び損壊によって低下するリスク下げることができる。

0016

(1−3)シェード構造12
図4Aに示されているように、第1実施形態のシェード構造12は、第1成形部11aの周縁部13に配置されて、上に向けて立ち上がっているリブ14である。ここでは、リブ14は、加飾シート40の外周端40eの全周囲に沿って設けられている。リブ14は、第1成形部11aを構成している不透明樹脂からなり、第2成形部11bのパーティングラインPLと加飾シート40との間の隙間Inを覆って、第2成形部11bから成形品10の外部に向う光Liを遮断する。
図4Bには、シェード構造12が形成される製造工程のうちの一工程が示されている。図4Bに示されている状態は、第2固定型120に可動型100が型締めされて第2固定型120によるキャビティ内に溶融樹脂が射出される前の状態である。可動型100には、既に第1成形部11aが形成されている。タッチセンサシート50は、第1成形部11aの成形時に第1成形部11aと一体化されている。第1成形部11aの周縁部13に形成されているリブ14は、加飾シート40の外周端40eよりも高い位置まで立ち上がっている。図4Bに示されている状態では、リブ14は、未だ第2成形部11bと加飾シート40の外周端40eとの隙間Inを塞いではいない。リブ14は、第2成形部11bを形成するために射出される溶融樹脂の熱と圧力によって変形して、図4Aに示されているような、光透過樹脂からなる第2成形部11bを透過する光Liを遮断することができるシェード構造になる。

0017

(2)各部の構成
(2−1)第1成形部11a及び第2成形部11b
第1成形部11a及び第2成形部11bを構成する樹脂は、例えば、ポリカーボネート樹脂ABS樹脂アクリル樹脂ポリアミド樹脂ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリプロピレン樹脂ポリエステル樹脂ポリエステルエラストマー、若しくはポリウレタンエラストマー、並びにこれらを用いた異材質樹脂の組合せである。
第1成形部11aは、第2成形部11bの成形時に形状を全く維持できないほど溶け出してしまわないように構成されている。従って、第1成形部11aを構成する樹脂は、第2成形部11bを構成する樹脂と同等または高い軟化温度を有することが好ましい。また、第1成形部11aには、流動性を調整するために、フィラーが配合されてもよい。第1成形部11aに配合されるフィラーとしては例えばガラス繊維及びカーボンがある。
第2成形部11bの光透過樹脂の射出時にリブ14を変形させて光漏れのないように隙間Inを塞ぐには、第1成形部11aの不透明樹脂と同等の軟化温度かまたは近い軟化温度を有することが好ましい。一般的な二色成形においては、第1成形部11aの樹脂は、第2成形部11bの樹脂により流れでないように、同等或いは若干高い軟化温度を有しているが、本開示のリブ14のように薄片状になっている場合は容易に軟化する。
第1成形部11aに用いられる不透明樹脂は、例えば、樹脂自身が色を有するものであってもよく、顔料によって着色されたものであってもよい。第1成形部11aは、シェード構造12に遮光させる場合には、黒色に着色されることが好ましい。

0018

(2−2)加飾シート40
加飾シート40は、ベースフィルムと図柄層とを備えている。ベースフィルムには透明な樹脂が使用される。ベースフィルムの材料は、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、スチレン樹脂若しくはABS樹脂からなる樹脂フィルム、アクリル樹脂とABS樹脂の多層フィルム、又はアクリル樹脂とポリカーボネート樹脂の多層フィルムから選択される。ベースフィルムの厚さは、例えば30μm〜500μmの範囲から選択されるのが一般的である。
図柄層は、図柄などの意匠表現するための層である。図柄層は、例えばグラビア印刷法又はスクリーン印刷法によって、ベースフィルムに形成される。図柄層を構成する材料は、例えば、アクリル系樹脂塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂熱可塑性ウレタン系樹脂ポリエステル系樹脂などの樹脂と、樹脂に添加される顔料又は染料を含むものである。また、図柄層は、例えば絶縁処理されたアルミペースト又はミラーインキを使用して金属調意匠が施されたものであってもよい。
加飾シート40には、表面強度を向上させて耐擦傷性を付与するためのハードコート層が形成されてもよい。また、加飾シート40には、成形体本体11との間の接着性を向上させるための接着層が形成されてもよい。
加飾シート40の表示箇所41の部分は、図柄層が透明になっている。従って、加飾シート40の表示箇所41では、LED80から照射された光Liがベースフィルム及び図柄層を透過して外部に放出される。

0019

(2−3)タッチセンサシート50
タッチセンサシート50は、例えば静電容量式タッチセンサを構成するための電気回路が形成されているシートである。タッチセンサシート50は、人体指先)による情報の入力を静電容量の変化として検知するために、電極を有している。LED80の照射する光Liを透過させる箇所に配置される電極には、透明電極が用いられる。タッチセンサシート50の透明電極は、例えば、金属酸化物透明導電性ポリマー又は透明導電インキで形成される。金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)及び酸化インジウム亜鉛(IZO)が挙げられる。透明導電性ポリマーとしては、例えば、PEDOT/PSS(poly−3,4−エチレンジオキシチオフェンポリスフォン酸)が挙げられる。また、透明導電インキとしては、例えば、カーボンナノチューブ又は銀ナノファイバーバインダー中に含むものが挙げられる。さらに、透明電極に代えて、非導電性光透過部の周囲に非透光性の導電インキ(例えは銀ペーストまたは導電性カーボンインキ)を印刷しても容易にタッチセンサー機能を実現することができる。

0020

(2−4)FPC51
FPC51は、フィルム基材と、フィルム基材の上に形成された導体回路とを有している。導体回路は、フィルム基材の端部において露出されている。フィルム基材としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の可撓性を有する絶縁フィルムを用いることができる。フィルム基材は、例えば25μm〜75μmである。導体回路はフィルム基材にラミネートされた銅箔フォトエッチングで形成後、同質のフィルム基材をラミネートして回路層を保護したものである。また、FPC51は、銀ペースト、銅ペーストカーボンペーストなどを使用してスクリーン印刷等の手段で回路層を形成し保護のためにオーバーコート層を印刷したものであってもよい。なお、FPC51には、接着剤付きカバーフィルムが貼られていてもよい。FPC51とタッチセンサシート50とは、異方性導電膜によって電気的に接続される。そして、タッチセンサシート50は、成形品外の装置であるコントローラ90に接続されるFPC51の一部が第1成形部11aにより覆われている。このFPC51は、タッチセンサシート50の複数の引出配線のみが延びている引出配線部とみなすことができる。

0021

(3)成形品10の製造方法
図5Aから図5Dを用いて、成形品10の製造方法について説明する。図5Aには、第1固定型110に可動型100が型締めされて第1成形部11aが形成された状態が示されている。第1固定型110に可動型100が型締めされる前に、FPC51が取り付けられたタッチセンサシート50が可動型100にセットされる。可動型100と第1固定型110の間のキャビティには、スプルー111を通って溶融樹脂が射出される。そして、可動型100と第1固定型110の間のキャビティの中で溶融樹脂が冷却されて固化し、第1成形部11aが形成される。なお、可動型100には、エジェクタピン101とスライドコア102とFPC収納用のスライドコア103が設けられている。
第1成形部11aの成形が終了すると、図5Aに示された状態から型開きが行われるが、第1成形部11aは、可動型100に固定された状態を維持する。その後、可動型100が例えば回転して第2固定型120の前に移動する。
図5Bには、第2固定型120に可動型100が型締めされた状態が示されている。第2固定型120には、加飾シート40がセットされている。加飾シート40は、例えば吸引用穴123を用いてエアによって吸引されて第2固定型120の内面吸着される。この第1実施形態では、加飾シート40がプレフォーミングされていない場合について説明したが、加飾シート40は、第2固定型120のキャビティの内面に沿うようにプレフォーミングされていてもよい。

0022

第2成形部11bの成形前において、パーティングラインPLからのリブ14の高さd1(図4B参照)は、加飾シート40の外周端40eと第1成形部11aのパーティングラインPLとの隙間Inの高さd5(図4B参照)より高いことが必要であり、例えば、d5+0.3mm<d1<d2であれば良い。例えばd5=0.2mm、d2=2.0mmの場合であれば、0.5mm<d1<1.5mm程度が良く、d5=1mm、d2=2.0mmの場合であれば、1.3mm<d1<1.8mm程度とするのが良い。
リブ14を変形し易くするにはリブ14の厚みd3(図4B参照)が薄い方が好ましいが、第2成形部11bの溶融樹脂が射出されるまでは形状を保つために厚い方が好ましい。リブ14の厚みd3は、根元で0.2mm以上1.0mm以下、先端14aで0.02mm以上0.7mm以下であることが好ましく、根元で0.3mm以上0.7mm以下、先端14aで0.1mm以上0.4mm以下であることが好ましい。また、リブ14の外面から加飾シート40の内面までの距離d4は、リブ14の根元で0.2mm以上0.5mm以下、先端14aで0.5mm以上1.0mm以下に設定するのが好ましい。

0023

図5Cには、第2成形部11bを成形するための溶融樹脂220が射出されている状態が示されている。可動型100と第2固定型120の間のキャビティには、スプルー121及びランナー122を通って溶融樹脂220が射出される。リブ14は、溶融樹脂220の熱によって軟化し、溶融樹脂220の圧力によって変形して、加飾シート40と第1成形部11aの隙間Inを埋める。
溶融樹脂220が冷えて固化し、第2成形部11bが形成されると、スライドコア102,103がスライドして第1成形部11aから抜き取られて、第2固定型120と可動型100の型開きが行われる。そして、エジェクタピン101によって可動型100から取り出された成形品10が図5Dに示されている。図5Dに示されているように、タッチセンサシート50には、上述の溶融樹脂220を射出するための樹脂導入穴52が形成されている。溶融樹脂220の熱と圧力によって、加飾シート40の外面と第1成形部11aの外面は、隙間なく、面一になっている。この変形したリブ14がシェード構造12である。このシェード構造12によって、LED80(図2参照)から照射されて光透過樹脂からなる第2成形部11bの中を透過する光Liが屈折や反射などにより加飾シート40の外周端40eの近傍、特に外周端40eと第1成形部11aのパーティングラインPLとの隙間Inから外部に漏れるのを防止することができる。

0024

(4)変形例
(4−1)変形例1A
上記第1実施形態では、シェード構造12のリブ14が立っていて加飾シート40の外周端40eの上に出ている場合について説明した。しかし、リブ14は、図6Bに示すように倒れていてもよい。図6Aに示されているように、隙間Inは、パーティングラインPLから加飾シート40の外周端40eまでの距離d5が例えば0.05mm以上0.7mm以下であるから、リブ14の高さh1が低く、リブ14と加飾シート40の距離d4が離れている場合に、リブ14が倒れても、隙間Inを塞ぐことができる場合がある。このように、倒れたリブ14をシェード構造12として用いてもよい。

0025

(4−2)変形例1B
上記代1実施形態では、シェード構造12が成形品10の全周を覆う場合について説明した。成形品は、シェード構造が成形品の全周を覆わないように構成されてもよい。図3に示されている成形品10は形が複雑であるため、図7Aから図7Dに示されている成形品10Aを用いてシェード構造が成形品の全周を覆わない構成について説明する。図7Aに示されているように、成形品10Aは、上方から見ると略長方形の形状を呈する。成形品10Aの上面は、加飾シート40で覆われている。加飾シート40には、矢印とA,B,Cの文字の描かれた表示箇所41があり、この表示箇所41を光が透過する。図7Aにおいて破線で示されているのは、FPC51である。
図7Bには、タッチセンサシート50Aを上から見た状態が示されている。タッチセンサシート50Aには円形正方形の透明電極53がそれぞれ3つずつ形成されている。円形の透明電極53が矢印の表示箇所41と重なり、正方形の透明電極53がA,B,Cの文字の表示箇所41と重なる。透明電極53とFPC51の間は引き回し配線54で電気的に接続されている。タッチセンサシート50Aの全面のうちのこの引き回し配線54が形成されている領域は、光が透過する必要はないので、遮光されていてもよい。また、タッチセンサシート50Aには、第2成形部11bの形成のために射出される溶融樹脂が通る樹脂導入穴52が形成されている。

0026

図7Cには、第1成形部11aを上から見た状態が示されている。図7Dには、成形品10Aの断面形状が示されている。第1成形部11aには、長方形と円形の開口部15がそれぞれ3つずつ形成されている。長方形の開口部15が矢印の表示箇所41と重なり、円形の開口部15がA,B,Cの文字の表示箇所41と重なる。また、第1成形部11aには、第2成形部11bの形成のために射出される溶融樹脂が通る樹脂導入穴16が形成されている。さらに、FPC51が配置される開口部17が形成されている。図7Cにおいて2点差線L1で囲まれた領域にタッチセンサシート50Aが設置される。
リブ14Aは、上面視において、略長方形状の成形品10Aの2つの長辺と1つの短辺に沿っての形成されており、他の1つの短辺に沿っては形成されていない。リブ14Aは、第1成形部11aの周縁部11aaの全周を囲ってはいない。例えばFPC51が配置される側を後側とすると、図7Aに示されている成形品10Aは、前後左右のうち右側がリブ14Aによっては囲われていない。
成形品10Aの全周がリブ14Aによって囲われる場合に、第1成形部11aは、図7Eに示されている形状になる。また、図7Fに示されているように、リブ14Aが成形品10Aの長辺に沿って2辺だけを遮光するように構成されてもよい。

0027

(4−3)変形例1C
上記第1実施形態では、表示箇所41が加飾シート40の図柄層を透明にして形成する場合について説明したが、図柄層を半透明にして形成してもよく、また加飾シート40に開口部を設けることによって表示箇所41を形成してもよい。なお、この点に関しては、以下に説明する第2実施形態及び第3実施形態についても同様である。
(4−4)変形例1D
上記第1実施形態では、表示装置1が備える発光素子がLED80である場合について説明したが、発光素子はLED以外のものであってもよい。表示装置1が備える発光素子は、例えば、蛍光灯白熱灯またはエレクトロルミネッセンス素子であってもよい。なお、この点に関しては、以下に説明する第2実施形態及び第3実施形態についても同様である。
(4−5)変形例1E
上記第1実施形態では、タッチセンサシート50と成形品10の外部に在る装置(例えばコントローラ90など)とを接続するためにFPC51を用いる場合について説明したが、タッチセンサシート50自身が成形品10の外部にまで延びる接続回路を有していてもよい。つまり、タッチセンサシートは、第1実施形態のタッチセンサシート50とFPC51が一体化されたような構成を有していてもよい。なお、この点に関しては、以下に説明する第2実施形態及び第3実施形態についても同様である。
(4−6)変形例1F
上記第1実施形態では、2色成形によって第1成形部11aと第2成形部11bを形成する場合について説明したが、成形体本体11はさらに他の成形部を有していてもよく、3つ以上の異なる色の樹脂または3つ以上の異なる材質の樹脂を用いた多色成形(または多材質射出成形)に本開示の技術を適用することも可能である。なお、この点に関しては、以下に説明する第2実施形態及び第3実施形態についても同様である。

0028

〈第2実施形態〉
(5)全体構成
上記第1実施形態では、リブ14が加飾シート40の外周端40eよりも内側に配置されている場合について説明したが、図8Aに示されている第2実施形態に係る成形品10Bでは、リブ14Bが加飾シート40の外周端40eの外側に配置されている。第2実施形態の成形品10Bが第1実施形態の成形品10と異なる主な点は、シェード構造12であるので、その他の同一構造の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図8Aに示されているように、第2実施形態のシェード構造12は、第1成形部11aの周縁部13に配置されて、上に向けて立ち上がっているリブ14Bである。ここでは、リブ14Bは、加飾シート40の外周端40eの全周囲にわたって設けられている。リブ14Bは、第1成形部11aを構成している不透明樹脂からなり、第2成形部11bのパーティングラインPLと加飾シート40との間の隙間Inを覆って、第2成形部11bから成形品10Bの外部に向う光Liを遮断する。

0029

(6)成形品10Bの製造方法
図8Bから図8Dを用いて、成形品10Bの製造方法について説明する。図8Bには、第1固定型110Bに可動型100が型締めされて第1成形部11aが形成された状態が示されている。第1実施形態の第1固定型110と第2実施形態の第1固定型110Bの相違点は、リブ14,14Bを形成するための構造である。第1固定型110Bに可動型100が型締めされる前に、FPC51が取り付けられたタッチセンサシート50が可動型100にセットされる。可動型100と第1固定型110Bの間のキャビティには、スプルー111を通って溶融樹脂が射出される。そして、可動型100と第1固定型110Bの間のキャビティの中で溶融樹脂が冷却されて固化し、第1成形部11aが形成される。
第1成形部11aの成形が終了すると、図8Bに示された状態から型開きが行われるが、第1成形部11aは、可動型100に固定された状態を維持する。その後、可動型100が例えば回転して第2固定型120の前に移動する。

0030

図8Cには、第2固定型120に可動型100が型締めされた状態が示されている。第2固定型120には、加飾シート40がセットされている。加飾シート40は、第2固定型120のキャビティの内面に沿うようにプレフォーミングされているが、加飾シート40の外周端40eがリブ14Bの内側に入るようにプレフォーミングされている。フォーミングされた加飾シート40は、例えば吸引用穴123を用いてエアによって吸引されて第2固定型120の内面に吸着される。
パーティングラインPLからのリブ14Bの高さd1は、パーティングラインPLと加飾シート40の外周端40eとの隙間Inの高さd6より高いことが必要であり、d6+0.3mm<d1<d2であれば良い。例えば、d6=0.2mm、d2=2.0mmの場合であれば、0.7mm<d1<1.5mm程度とし、d6=1mm、d2=2.0mmの場合であれば、1.3mm<d1<1.8mm程度とするのが良い。

0031

図8Dには、第2成形部11bを成形するための溶融樹脂220が射出されている状態が示されている。可動型100と第2固定型120の間のキャビティには、スプルー121及びランナー122を通って溶融樹脂220が射出される。加飾シート40は、溶融樹脂220の熱によって軟化し、溶融樹脂220の圧力によって変形して、リブ14Aの内側に隙間なく当接させられる。成形後のリブ14Aの内周面と加飾シート40の外周端40e近傍の外周面との接合を強固にするために、加飾シート40の外周端40e近傍の外周面には接着剤が塗布されていてもよい。外周端40e近傍の外周面に塗布される接着剤は、溶融樹脂220によって接着が行われるように、例えば感圧性及び/または感熱性の接着剤である。
溶融樹脂220が冷えて固化し、第2成形部11bが形成されると、スライドコア102,103がスライドして第1成形部11aから抜き取られて、第2固定型120と可動型1100の型開きが行われる。そして、エジェクタピン101によって可動型100から取り出された成形品10Bが図8Aに示されている。図8Aに示されているように、タッチセンサシート50には、上述の溶融樹脂220を射出するための樹脂導入穴52が形成されている。溶融樹脂220の熱と圧力によって、加飾シート40の外面と第1成形部11aの外面は、隙間なく、面一に成形されている。この変形したリブ14がシェード構造12である。このシェード構造12によって、LED80(図2参照)から照射されて光透過樹脂からなる第2成形部11bの中を透過する光Liが屈折や反射などにより加飾シート40の外周端40eの近傍、特に外周端40eと第1成形部11aのパーティングラインPLとの隙間から外部に漏れるのを防止することができる。

0032

(7)変形例2A
第2実施形態では、リブ14Bにより、加飾シート40の外周端40eの周囲である外周部にシェード構造12を形成する場合について説明した。しかし、シェード構造12を外周端40eの外周に形成する方法は、第2実施形態のリブ14Bに限られない。シェード構造12を外周端40eの外周に形成する他の製造方法について、図9A乃至図9Fを用いて説明する。図9Aには、成形品10Cを斜め上から見た状態が示されている。また、図9Bには、成形品10Cの一部を破断して、成形品10Cの断面とともに成形品10Cの一部を斜め上方から見た状態が示されている。さらに、図9Cには、変形例2Aに係る成形品10Cの断面の一部が示されている。
成形品10Cにおいては、成形品10Cの主要な形状は、第2成形部11cにより構成されている。第1成形部11dは、主にシェード構造12を構成している。そのために、第1成形部11dは、加飾シート40の外周端40eの外周を取り巻くように帯状に形成されている。この第1成形部11dも第2成形部11c及び加飾シート40と一体的に成形されている。成形後の第1成形部11dの内周面と加飾シート40の外周端40e近傍の外周面との接合を強固にするために、加飾シート40の外周端40e近傍の外周面には接着剤が塗布されてあってもよい。外周端40e近傍の外周面に塗布される接着剤は、第2成形部11cを成形するための溶融樹脂によって接着が行われるように、例えば感圧性及び/または感熱性の接着剤である。

0033

図9Dには、可動型130に第1固定型140が型締めされた状態が示されている。第1固定型140には、加飾シート40がセットされている。加飾シート40は、例えば吸引用穴142を用いてエアによって吸引されて第1固定型140の内面に吸着されている。第1固定型140には、加飾シート40の外周端40eをキャビティの内側に向って押しやるスライドコア141が設けられている。キャビティ内に侵入しているスライドコア141の領域が、後に第1成形部11dの形成領域になる。また、型締めされた可動型130には、タッチセンサシート50及びFPC51もセットされている。可動型130には、エジェクタピン131とスライドコア132とFPC収納用のスライドコア133が設けられている。
図9Eには、第2成形部11cを成形するための溶融樹脂230が射出されている状態が示されている。可動型130と第1固定型140の間のキャビティには、スプルー143及びランナー144を通って溶融樹脂230が射出される。加飾シート40は、溶融樹脂230の熱によって軟化し、溶融樹脂230の圧力によって変形して、スライドコア132の形状に沿う。
溶融樹脂230が冷えて固化し、第2成形部11cが形成されると、スライドコア132,141がスライドして可動型130と第1固定型140から抜き取られ、可動型130と第1固定型140の型開きが行われる。次に、可動型130が回転移動して第2固定型150のところに移動し、可動型130と第2固定型150の型締めが行われる。

0034

図9Fには、型締めされた可動型130と第2固定型150のキャビティ内に溶融樹脂240が射出されている状態が示されている。可動型130と第2固定型150の間のキャビティには、スプルー151及びランナー152を通って溶融樹脂240が射出される。溶融樹脂240が冷えて固化することにより、第1成形部11dによりシェード構造12(図9C参照)が形成される。このシェード構造12により、加飾シート40の外周端40eの周囲から光が漏れるのを防止することができる。なお、シェード構造12の下の成形品10Cの側面には第2成形部11cが露出している。そのため、この露出した第2成形部11cからは光が漏れる。しかし、この成形品10Cは、シェード構造12の一部及び露出した第2成形部11cが機器内部に収納されて第2成形部11cの露出部分から漏れる光が機器外部に漏れない構造になっている。従って、シェード構造12の箇所まで光が漏れなければ、光漏れの問題は解消される。
なお、図9Aから図9Fにはシェード構造12を構成している第1成形部11dのみが示されているが、第1成形部はシェード構造12以外の成形体本体11の構造を構成してもよく、また他の固定型を用いてさらに他の成形部を形成してもよい。

0035

〈第3実施形態〉
(8)全体構成
上記第1実施形態及び第2実施形態では、リブ14,14Bが加飾シート40の外周端40eの周囲に配置されている場合について説明したが、図10Aに示されている第3実施形態に係る成形品10Dでは、リブ14,14Bに代えてインキにより光透過樹脂に着色された着色領域20が加飾シート40Aの外周端40eの周囲に配置されている。第3実施形態の成形品10Dが第1実施形態及び第2実施形態の成形品10,10Bと異なる主な点は、シェード構造12であるので、その他の同一構造の部分には同一の符号を付して説明を省略する。

0036

図10Aに示されているように、第3実施形態のシェード構造12は、第1成形部11aのパーティングラインPLと加飾シート40Aの外周端40eの間に配置されている着色領域20である。ここでは、着色領域20は、加飾シート40Aの外周端40eの全周囲に沿って設けられている。図10Bには、裏から見た加飾シート40Aが示されている。外周端40eの全周に沿って、着色領域20を形成するためのインキ43が印刷されている。このインキ43は、射出成形によっては溶け出さない絵柄層に用いられているインキとは異なり、射出成形の溶融樹脂によって溶け出し易いものである。インキ43は、例えば、絵柄層に用いられているインキよりも融点の低い樹脂をインキのバインダー樹脂として用いることで得ることができる。インキ43は、例えばスクリーン印刷によって重ねて印刷されて厚く印刷されることが好ましい。インキ43の厚みは、例えば、5μm以上30μm以下であり、好ましくは7μm以上20μm以下である。着色領域20は、第2成形部11bを構成している光透過樹脂の中に溶け出したインキ43が交じり合っている領域である。この着色領域20が第2成形部11bのパーティングラインPLと加飾シート40Aとの間の隙間In(図10D参照)に存在して及び/または隙間Inを覆って、第2成形部11bから成形品10Dの外部に向う光Liを遮断する。

0037

(9)成形品10Dの製造方法
図10Cから図10Eを用いて、成形品10Dの製造方法について説明する。図10Cには、第1固定型110Dに可動型100が型締めされて第1成形部11aが形成された状態が示されている。第1実施形態及び第2実施形態の第1固定型110,110Dと第3実施形態の第1固定型110Dの相違点は、リブ14,14Bを形成するための構造の有無である。すなわち、第3実施形態の第1固定型110にはリブを形成するための構造が存在していない。金型の構造が異なるだけで、その他の製造工程は第1実施形態などと同じようにして、可動型100と第1固定型110Dの間のキャビティの中で溶融樹脂が冷却されて固化し、第1成形部11aが形成される。
第1成形部11aの成形が終了すると、図10Cに示された状態から型開きが行われるが、第1成形部11aは、可動型100に固定された状態を維持する。その後、可動型100が例えば回転して第2固定型120の前に移動する。

0038

図10Dには、第2固定型120に可動型100が型締めされた状態が示されている。第2固定型120には、加飾シート40Aがセットされている。フォーミングされた加飾シート40Aは、例えば吸引用穴123を用いてエアによって吸引されて第2固定型120の内面に吸着される。
図10Eには、第2成形部11bを成形するための溶融樹脂220が射出されている状態が示されている。可動型100と第2固定型120の間のキャビティには、スプルー121及びランナー122を通って溶融樹脂220が射出される。加飾シート40Aのインキ43は、溶融樹脂220の熱によって溶融し、溶融樹脂220の流れによって溶融樹脂と混じることで、着色領域20を形成する。この着色領域20がシェード構造12である。このシェード構造12によって、LED80(図2参照)から照射されて光透過樹脂からなる第2成形部11bの中を透過する光Liが屈折や反射などにより加飾シート40Aの外周端40eの近傍、特に外周端40eと第1成形部11aのパーティングラインPLとの隙間から外部に漏れるのを抑制することができる。
溶融樹脂220が冷えて固化し、第2成形部11bが形成されると、スライドコア102,103がスライドして第1成形部11aから抜き取られて、第2固定型120と可動型1100の型開きが行われる。エジェクタピン101によって可動型100から取り出された成形品10Dが図10Aに示されている。図10Aに示されているように、タッチセンサシート50には、上述の溶融樹脂220を射出するための樹脂導入穴52が形成されている。

0039

(10)特徴
(10−1)
上記第1実施形態乃至第3実施形態の成形品10,10A〜10Dにおいては、加飾シート40,40Aとタッチセンサシート50,50Aは、インサート成形によって、成形体本体11と一体的にモールドされている。図2に示されたLED80から照射される光Liが漏れてはいけない加飾シート40,40Aの外周端40eの周囲では、光透過樹脂からなる第2成形部11b,11cの中を透過する光Liがシェード構造12によって抑制され、光Liの漏れが抑制されている。その結果、表示箇所41から射出される光Liによって加飾シート40,40Aの図柄の表示を顕著に際立たせることができる。
(10−2)
シェード構造12が第2成形部11b,11cのパーティングラインPLと加飾シート40,40Aの外周端40eとの間の隙間Inまたは隙間Inの周囲に設けられると、この隙間Inによって加飾シート40,40Aの外周端40eが金型のパーティング面に当接して加飾シート40,40Aが皺になるなど不具合を避けることができ、加飾シート40,40Aの外観を美しく仕上げることができる。

0040

(10−3)
成形体本体11は、表示箇所41の下方の第2成形部11b,11cが加飾シート40,40Aとタッチセンサシート50,50Aとに挟まれて光透過樹脂で満たされている。つまり、表示箇所41の下方の第2成形部11b,11cが光透過樹脂で満たされている一部領域である。タッチセンサシート50,50Aの樹脂導入穴52は、この一部領域に繋がっている。このような構造を有するため、LED80から照射される光Liの光路をタッチセンサシート50,50Aと光透過樹脂で表示箇所41まで隙間なく繋げることができるので、効率良く表示箇所41から光を放出させることができる。
なお、第1実施形態乃至第3実施形態では、樹脂導入穴52がタッチセンサシート50,50Aに設けられる場合について説明したが、樹脂導入穴が加飾シート40,40Aに設けられてもよく、その場合にも同様の効果を奏する。
(10−4)
第1実施形態及び第2実施形態のシェード構造12において、第1成形部11aの周縁部13において加飾シート40,40Aの外周端40eよりも高い位置まで立ち上がっているリブ14,14A,14Bの説明を行った。これらのリブ14,14A,14Bは、シェード構造12となった場合に、第2成形部11bの中を透過する光Liを抑制することができる。そして、リブ14,14A,14Bが遮光性を有していれば、シェード構造12に遮光性を付与することができる。

0041

(10−5)
第1実施形態において、隙間Inがある方向に向って傾斜して隙間Inの周縁の加飾シート40,40Aに接触しているリブ14,14Aの説明を行った。加飾シート40,40Aとリブ14,14Aの接触している場所からはシェード構造12において光Liが漏れ難くなっており、加飾シート40,40Aとリブ14の接触によって、シェード構造12による光の漏れの十分な抑制効果を実現することができている。
(10−6)
第3実施形態において、シェード構造12は、隙間Inまたは隙間Inの周囲の光透過樹脂にインキが混じったことで形成された着色領域20である。この着色領域20は、図10Bに示されているように、加飾シート40の外周端40eに印刷されたインキ43によって形成されている。インサート成形の方法は従来と同様に行うことができる。この着色領域20では、完全に遮光できない場合もある。しかしながら、元々LED80から遠い外周端40eで漏れる光Liは弱いので、漏れる光を抑制すればよい場合には、着色領域20をシェード構造12として用いる方法は、安価で簡便な方法として有効である。

0042

(10−7)
シェード構造12は、第2実施形態の変形例2Aで説明した帯状の第1成形部11dであってもよい。この帯状の第1成形部11dは、光透過樹脂からなる第2成形部11cよりも透過率が低い不透明樹脂からなり、パーティングラインPLと加飾シート40の外周端40eとの間の隙間に埋め込まれている。従って、LED80から照射されて光透過樹脂からなる第2成形部11cを透過してきた光Liは、透過率が低い不透明樹脂からなる帯状の第1成形部11dで減衰する。第1成形部11dが遮光性を備えていれば、シェード構造12は、この光Liを遮光することができる。

0043

(11)他の実施形態
以上、本開示の第1実施形態乃至第3実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(11−1)
例えば、1次成形で加飾シートをインサート成形して、加飾シートの外周端が一次成形品からはみ出た中間成形品を形成する。その後、2次成形において、1次成形で形成された中間成形品の樹脂成形部と加飾シートの外周端部を内側から覆うように不透明樹脂を射出する。なお、タッチスイッチは、2次成形においてインサート成形する。このような成形品の製造方法も考えられる。

0044

(12)備考
(12−1)
上記実施形態では、次のような成形品の製造方法について説明した。
つまり、第1成形部及び第2成形部を有して前記第2成形部が光の透過可能な表示箇所に導く光を透過する光透過樹脂からなるとともに前記第1成形部が前記第2成形部よりも光の透過率が低い不透明樹脂からなる成形体本体と、前記表示箇所を加飾する加飾部を有する加飾シートと、前記表示箇所を透過する光を通過させる光透過性のタッチセンサシートとを一体的にモールドする成形品の製造方法であって、
前記成形体本体と前記加飾シートのインサート成形の際に、前記光透過樹脂を透過する光を抑制するシェード構造を前記成形体本体の中の前記加飾シートの外周端の周囲の少なくとも一部に形成する、という成形品の製造方法である。
(12−2)
さらに詳細には、次のような成形品の製造方法が説明されている。
つまり、上述の(12−1)の成形品の製造方法において、前記インサート成形の前に、前記第1成形部の周縁部において前記加飾シートの前記外周端よりも高い位置まで立ち上がるリブを形成し、
前記インサート成形において前記リブを溶融樹脂で前記加飾シートに接触させて前記シェード構造を形成する、という成形品の製造方法である。
(12−3)
上述の(12−1)の成形品の製造方法において、前記インサート成形の前に、前記加飾シートの前記外周端の近傍にインキが印刷された前記加飾シートを準備し、
前記インサート成形において前記インキを前記第2成形部の前記光透過樹脂に混ぜることによって前記シェード構造として着色領域を形成する、という成形品の製造方法も説明されている。
(12−4)
上述の(12−1)の成形品の製造方法において、前記インサート成形時に前記加飾シートの前記外周端の近傍にスライドコアによって帯状のキャビティを形成し、
前記インサート成形の後に、前記キャビティに不透明樹脂を射出して帯状の前記第1成形部を形成する、という成形品の製造方法も説明されている。

0045

1表示装置
10,10A〜10D成形品
11成形体本体
11a,11d 第1成形部
11b,11c 第2成形部
12シェード構造
14,14A,14Bリブ
20着色領域
40,40A加飾シート
40e外周端
41表示箇所
42加飾部
43インキ
50,50Aタッチセンサシート
51FPC

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