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技術 保護シートセット

出願人 日東シンコー株式会社
発明者 笠松丈一
出願日 2017年10月12日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2017-198511
公開日 2019年5月16日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-072856
状態 未査定
技術分野 積層体(2) 金属の防食及び鉱皮の抑制
主要キーワード コンパウンドシート 可とう電線管 鎖状シリコーンオイル 平均中心間距離 親水性フュームドシリカ 保護対象物 海岸沿い 耐火構造体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

コンパウンドシート硬化反応を制御し易い保護シートセットを提供すること。

解決手段

保護対象物を覆うためのコンパウンドシート21と、保護対象物をコンパウンドシートの外側からさらに覆うための被覆シート22とを備え、コンパウンドシート21が反応硬化性を有するコンパウンドを備え、被覆シート22が、不織布で構成され、不織布にはコンパウンドを硬化させるための液剤担持されている保護シートセット20。

概要

背景

従来、海辺建設されたプラントなどにおいて配管などの金属部材腐食から保護するための防食コンパウンドシートが広く用いられている。
この種の防食コンパウンドシートとしては、ペトロラタムを主成分として含有する防食コンパウンドを基材シート担持させたものが知られている。
防食コンパウンドシートは、防食テープ等と称される長尺帯状のものがロール状に巻き取られたものが広く用いられており、保護対象物である配管などに防食層を形成させるのに際しては、配管に対してハーフラップとなるように巻き付けられて用いられる。
配管に巻き付けた防食テープに対しては、配管から防食コンパウンドが落下することを防止する目的でさらに被覆シートによる被覆が施されたりしており、防食テープを覆うためにプラスチックシートなどが被覆シートとして利用されている(下記特許文献1参照)。

プラスチックシートなどの被覆シートと防食コンパウンドシートとを備えた保護シートセットとしては、近年、下記特許文献2に示されているようにエポキシ樹脂を含む反応硬化性コンパウンドシートで保護対象物である金属管の表面に防食層を形成させることが検討されている。
なお、このような反応硬化性を有するコンパウンドで保護対象物を保護するための保護層を形成させることは該保護層として防食層を形成させる場合だけでなく、耐火層などを形成するような場合にも採用されている。
このような点に関し、例えば、下記特許文献3には、エポキシ樹脂と、膨張黒鉛とを含む反応硬化性を有するコンパウンドを繊維シート含浸担持させたシートが耐火層の形成に用いられることが記載されている。

概要

コンパウンドシートの硬化反応を制御し易い保護シートセットを提供すること。保護対象物を覆うためのコンパウンドシート21と、保護対象物をコンパウンドシートの外側からさらに覆うための被覆シート22とを備え、コンパウンドシート21が反応硬化性を有するコンパウンドを備え、被覆シート22が、不織布で構成され、不織布にはコンパウンドを硬化させるための液剤が担持されている保護シートセット20。

目的

本発明は、上記のような問題に鑑み、コンパウンドシートでの硬化反応を制御し易い保護シートセットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

保護対象物を覆うためのコンパウンドシートと、保護対象物をコンパウンドシートの外側からさらに覆うための被覆シートとを備えた保護シートセットであって、前記コンパウンドシートが反応硬化性を有するコンパウンドを備え、前記被覆シートが、不織布で構成され、該不織布には前記コンパウンドを硬化させるための液剤担持されている保護シートセット。

請求項2

前記コンパウンドが、反応硬化性を有するシリコーン化合物を含み、前記シリコーン化合物は、反応基として、シラノール基か、加水分解によってシラノール基となるアルコキシシリル基かの何れかを備え、前記液剤には、前記シラノール基どうしを脱水縮合させるための触媒が含まれている請求項1記載の保護シートセット。

請求項3

前記保護対象物を覆う耐火層を形成すべく用いられ、前記コンパウンドシートは、前記コンパウンドを担持する基材シートを備え、該基材シートが繊維シートであり、該繊維シートを構成する繊維がポリアクリルニトリル耐炎化繊維である請求項1又は2記載の保護シートセット。

請求項4

前記被覆シートを構成する前記不織布は、ポリアクリルニトリル系耐炎化繊維を含む不織布である請求項1乃至3の何れか1項に記載の保護シートセット。

請求項5

前記保護対象物を覆う防食層を形成すべく用いられる請求項1又は2記載の保護シートセット。

請求項6

前記被覆シートを構成する前記不織布は、スパンレース不織布である請求項1乃至5の何れか1項に記載の保護シートセット。

請求項7

前記保護対象物には、前記コンパウンドシートが当接されるコルゲート管が備えられている請求項6記載の保護シートセット。

技術分野

0001

本発明は、保護対象物を保護するための保護シートセットに関し、より詳しくは、保護対象物を覆うためのコンパウンドシートと、保護対象物をコンパウンドシートの外側からさらに覆うための被覆シートとを備えた保護シートセットに関する。

背景技術

0002

従来、海辺建設されたプラントなどにおいて配管などの金属部材腐食から保護するための防食コンパウンドシートが広く用いられている。
この種の防食コンパウンドシートとしては、ペトロラタムを主成分として含有する防食コンパウンドを基材シート担持させたものが知られている。
防食コンパウンドシートは、防食テープ等と称される長尺帯状のものがロール状に巻き取られたものが広く用いられており、保護対象物である配管などに防食層を形成させるのに際しては、配管に対してハーフラップとなるように巻き付けられて用いられる。
配管に巻き付けた防食テープに対しては、配管から防食コンパウンドが落下することを防止する目的でさらに被覆シートによる被覆が施されたりしており、防食テープを覆うためにプラスチックシートなどが被覆シートとして利用されている(下記特許文献1参照)。

0003

プラスチックシートなどの被覆シートと防食コンパウンドシートとを備えた保護シートセットとしては、近年、下記特許文献2に示されているようにエポキシ樹脂を含む反応硬化性のコンパウンドシートで保護対象物である金属管の表面に防食層を形成させることが検討されている。
なお、このような反応硬化性を有するコンパウンドで保護対象物を保護するための保護層を形成させることは該保護層として防食層を形成させる場合だけでなく、耐火層などを形成するような場合にも採用されている。
このような点に関し、例えば、下記特許文献3には、エポキシ樹脂と、膨張黒鉛とを含む反応硬化性を有するコンパウンドを繊維シート含浸担持させたシートが耐火層の形成に用いられることが記載されている。

先行技術

0004

特開2017−101310号公報
特開2004−155003号公報
特開2016−151001号公報

発明が解決しようとする課題

0005

反応硬化性を有するコンパウンドで保護層を形成させると、比較的短時間にコンパウンドの硬化が可能になるために施工性を改善することができる。
しかしながら、保護対象物を覆うためのコンパウンドシートに備えさせるコンパウンドが反応硬化性を有すると使用前に硬化反応が進行するおそれを有する。
このようなことを防止すべくコンパウンドに硬化反応を生じさせるための触媒などの硬化剤成分を後から添加することが考えられる。
例えば、配管などの保護対象物質の表面にコンパウンドシートを巻き付けた後でコンパウンドシートの表面に触媒などを含む液剤を塗布するなどすればコンパウンドに硬化反応を生じさせるタイミングを任意にコントロールすることができる。
但し、この場合、コンパウンドシートの表面に一様に液剤を塗布することが難しく、重力によって液剤が垂れてしまったり、硬化反応が進み易い部位とそうでない部位とができてしまったりするおそれを有する。
そして、例えば、水平に配された配管の下側部分などの塗布作業が行い難い部分では、塗り残しが発生するおそれもある。
また、通常、液剤の粘度などにもよるが液剤の塗工厚さには限界があることから上記のような場合はコンパウンドシートに対して単位面積あたりに添加される触媒などの量が制限されることになる。

0006

そのようなことから、反応硬化性を有するコンパウンドを備えたコンパウンドシートで保護対象物を覆って防食層や耐火層といった保護層を形成させるのに際しては、コンパウンドの硬化反応を十分に制御し難いという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑み、コンパウンドシートでの硬化反応を制御し易い保護シートセットを提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記課題を解決すべく、保護対象物を覆うためのコンパウンドシートと、保護対象物をコンパウンドシートの外側からさらに覆うための被覆シートとを備えた保護シートセットであって、前記コンパウンドシートが反応硬化性を有するコンパウンドを備え、前記被覆シートが、不織布で構成され、該不織布には前記コンパウンドを硬化させるための液剤が担持されている保護シートセットを提供する。

発明の効果

0008

本発明によれば、コンパウンドシートを覆う被覆シートにコンパウンドを硬化反応させるための液剤を備えさせ、しかも、該被覆シートが不織布で構成されているため前記液剤がコンパウンドシート上で不均一な分布となることを抑制することができる。
さらに、本発明においては、不織布の目付けを調整するなどしてコンパウンドシートに対して単位面積あたりに添加される触媒等の量を調整できる。
従って、本発明によればコンパウンドシートでの硬化反応を制御し易い保護シートセットが提供され得る。

図面の簡単な説明

0009

防食構造体の一部を切り欠いて示した一部切欠断面図。
一実施形態に係る防食構造体を構成する際の保護シートセットの取り付け状況を示した概略斜視図。
耐火構造体の一部を切り欠いて示した一部切欠断面図。

0010

以下に本発明の第1の実施形態について説明する。
以下においては、海岸沿いに建設されたプラントなどといった金属製部材に腐食が生じ易い環境下において金属管を保護対象物とした事例を参照しつつ本発明の第1の実施形態について説明する。

0011

(第1実施形態:防食構造体)
本実施形態においては、金属管が腐食被害を受けることを抑制するための保護層として防食層が金属管上に形成される。
図1は、金属管と防食層とを備えた防食構造体を示した図である。
そして、図1は、金属管10の中心軸AXを含む平面で防食構造体1の一部を切断した様子を模擬的に示した概略断面図である。
前記金属管10は、該金属管10の外表面に接して該金属管10を外側から覆うための長尺帯状のコンパウンドシートと、該コンパウンドシートの外側から前記金属管10をさらに覆うための被覆シートとを備えた保護シートセット20によって腐食が生じるおそれのある周辺環境から保護されている。
即ち、本実施形態の防食構造体1は、金属管10の径方向(DR)外側に防食層が形成されている。

0012

金属管10の表面上に防食層を形成するための帯状のコンパウンドシート(以下「防食テープ21」ともいう)は、反応硬化性を有するコンパウンド(以下「防食コンパウンド」ともいう)を備えている。
該防食テープ21は、その長さ方向が金属管10の中心軸周り周回する方向DWとなるように金属管10に螺旋状に巻きつけられており、ハーフラップとなるように前記金属管10に巻きつけられている。
前記被覆シートは、前記金属管10にハーフラップさせて巻き付けられた防食テープ21に外側から接して、該防食テープ21を構成している防食コンパウンドに硬化反応を生じさせるべく該硬化反応を生じさせるための液剤が担持された長尺な帯状の不織布(以下「硬化用テープ22」ともいう)となっている。

0013

本実施形態における硬化用テープ22は、防食テープ21と同様に防食テープ上に螺旋状に巻き付けられているが、該硬化用テープ22は、ハーフラップさせて二重に巻き付けられている防食テープ21とは違って、できるだけ一重になるように防食テープ上に巻き付けられている。

0014

本実施形態の防食テープ21の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、0.5mm〜2.0mmとされる。
本実施形態の硬化用テープ22の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、0.1mm〜0.5mmとされる。
本実施形態の防食層は、防食テープ21が二重構造となっており、通常、1.2〜3mmの厚さを有する。

0015

防食テープ21や硬化用テープ22は、上記のようなハーフラップの状態ではなく、所謂「縦添え」と呼ばれる状態で金属管10を覆ってもよく、長手方向が金属管10の中心軸AXの方向に沿った形で配され、幅方向両端を引き寄せあうようにして筒状にされて金属管10を覆ってもよい。
また、保護シートセット20によって金属管10を覆う手順は特に限定されず、金属管10を防食テープ21で覆った後に金属管10を覆っている防食テープ21を硬化用テープ22で覆うようにしても、防食テープ21と硬化用テープ22とを予め重ね合わせて防食テープ21と硬化用テープ22とで積層シートを構成させておいてから該積層シートで前記金属管10を覆ってもよい。

0016

防食テープ21が備える前記防食コンパウンドは、優れた防食効果を発揮する上でシリコーン化合物を含む反応硬化性の組成物であることが好ましい。
前記防食コンパウンドは、その反応硬化性が前記シリコーン化合物によって発揮されることが好ましく、反応硬化性を有するシリコーン化合物を含有することが好ましい。
前記防食テープ21は、シリコーン化合物を含む前記防食コンパウンドをシート状態に維持するための基材シートを備えていることが好ましい。
該基材シートは、防食コンパウンドを強固に保持させ易い点、及び、硬化用テープに担持された液剤の効果を防食テープの厚さ方向に行き渡らせ易い点において多孔質含浸性及び通水性に富んだものが好ましく、繊維シートであることが好ましい。

0017

該繊維シートを構成する繊維としては、例えば、ポリエチレン樹脂(PE)繊維、ポリプロピレン樹脂(PP)繊維、ポリビニルアルコール樹脂PVA)繊維、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)繊維、ポリアミド樹脂(PA)繊維、レーヨン繊維セルロース繊維などが挙げられる。
該繊維シートとしては、具体的には、ポリエステル不織布やポリアミド不織布などのような不織布が好適である。
該不織布としては、例えば、厚み0.4mm以上1.0mm以下、単位面積あたりの質量(目付)50g/m2以上200g/m2以下のポリエステル不織布やポリアミド不織布を採用することができる。

0018

該不織布としては、スパンボンドケミカルボンドニードルパンチステッチボンドなどの各種の方法で作製されたものを採用することができる。
なかでも基材シートの長手方向における強度を優れたものとし得る点において繊維の流れ方向が基材シートの長手方向となるように繊維が配向したスパンレース不織布が好ましい。

0019

本実施形態での前記防食テープ21は、屋外使用されるような場合においても紫外線劣化を原因としたひび割れなどが生じ難く、堅牢な保護層を金属管上に形成し得る点において、前記防食コンパウンドが、硬化反応を生じさせるための反応基を備えたシリコーン化合物と無機フィラーとを主成分として含むことが好ましい。
防食コンパウンドに含有させる前記無機フィラーとしては、平均粒子径が1μm以上15μm以下の大きさを有する水酸化アルミニウム粒子水酸化マグネシウム粒子といった無機水酸化物粒子が好ましく、平均粒子径が5μm以上10μm以下の大きさを有する水酸化アルミニウム粒子がより好ましい。
なお、前記無機フィラーなどでの平均粒子径は、例えば、レーザー回折散乱法でのメジアン径(D50)として求めることができる。
これら以外に前記防食コンパウンドに含有させ得る無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム粒子クレー粒子タルク粒子などが挙げられる。
これらの無機水酸化物粒子以外の無機フィラーは、平均粒子径(メジアン径)が0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。
なかでも平均粒子径が1μm以上5μm以下の大きさを有する炭酸カルシウム粒子を含有させることがより好ましい。
前記防食コンパウンドは、ガラスバルーンなどの無機中空粒子をさらに含有してもよい。
該無機中空粒子は、防食層の軽量化に有効である。
無機中空粒子の平均粒子径は、10μm以上500μm以下であることが好ましい。

0020

該無機フィラーとともに前記防食コンパウンドを構成する前記シリコーン化合物は、常温(例えば、23℃)においても良好な硬化反応を発揮する点において縮合反応によって硬化する物質であることが好ましく、前記反応基としてシラノール基か、加水分解によってシラノール基となるアルコキシシリル基かの何れかを備えていることが好ましい。
前記シリコーン化合物は、具体的には、複数の水酸基分子中に有する鎖状又は分岐構造を有するシリコーンオイルであることが好ましく、ポリジメチルシロキサンジオールのような両末端に水酸基を有する鎖状シリコーンオイルであることが特に好ましい。
前記シリコーンオイルはJIS K2283「原油及び石油製品動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」によって測定される25℃における動粘度が1000mm2/s以上5000mm2/s以下であることが好ましい。
また、前記シリコーンオイルと前記無機フィラーとは、質量比率が20:80〜40:60((シリコーンオイル):(無機フィラー))となるように防食コンパウンドに含有させることが好ましい。
前記シリコーンオイルと前記無機フィラーとの合計質量は、防食コンパウンドの50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。

0021

該シリコーン化合物を硬化させるための成分としては一般的な架橋剤や触媒が採用できる。
本実施形態においては前記架橋剤及び前記触媒の内、該触媒の一部又は全部を前記硬化用テープ22の液剤に含有させることが好ましい。

0022

前記架橋剤としては、ポリジメチルシロキサンジオールなどと脱アルコールによって縮合するシリコーン化合物を挙げることができ、1以上のアルコキシ基を有するシリコーン化合物が好適である。
鎖状シリコーンオイルの架橋に用いる前記架橋剤としては、下記の一般式(1)で表されるポリアルコキシポリシロキサンを採用することが好ましい。
なかでも、架橋剤としては、エチルシリケートが特に好ましい。




(なお、式中のRは、同一又は異なる炭素数アルキル基であり、nは1〜100の整数である)

0023

前記架橋剤の具体名をさらに挙げると、例えば、メチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシランエチルトリメトキシシランエチルトリエトキシシランブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシランビニルトリメトキシシランフェニルトリメトキシシラン等の3官能性アルコキシシランテトラメトキシシランテトラエトキシシランテトラプロポキシシラン等の4官能性アルコキシシラン;メチルトリプロペノキシシラン、メチルトリアセトキシシランビニルトリアセトキシシラン、メチルトリ(ブタノキシム)シラン、ビニルトリ(ブタノキシム)シラン、フェニルトリ(ブタノキシム)シラン、プロピルトリ(ブタノキシム)シラン、テトラ(ブタノキシム)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリ(ブタノキシム)シラン、3−クロロプロピルトリ(ブタノキシム)シラン、メチルトリ(プロパノシム)シラン、メチルトリ(ペンタノキシム)シラン、メチルトリ(イソペンタノキシム)シラン、ビニルトリ(シクロペンタノキシム)シラン、メチルトリ(シクロヘキサノキシム)シランなどが挙げられる。
前記架橋剤は、メチルポリシロキサンエチルポリシロキサンなどのアルキルポリシロキサンであってもよい。

0024

前記架橋剤としてはシランカップリング剤を採用してもよく、アミノ基を有するシランカップリング剤を好適な架橋剤として採用することができる。
該シランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデンプロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。

0025

前記架橋剤のアルコキシ基(−OR)と、前記シリコーンオイルの水酸基(−OH)などとのモル比は、通常、1:100〜100:10(−OR:−OH)とすればよく、1:10〜10:1の範囲内とされることが好ましい。

0026

前記架橋剤は、前記防食テープ21(防食コンパウンド)と前記硬化用テープ22(液剤)との内、防食テープ21の側に90質量%以上含有されていることが好ましく、95質量%以上含有されていることがより好ましく、実質的に防食テープ側にのみ含有されていることが特に好ましい。

0027

前記架橋剤とともに防食コンパウンドに硬化反応を生じさせるための前記触媒としては、例えば、前記シリコーン化合物どうしや前記シリコーン化合物と架橋剤との脱水縮合を促進する触媒能を有するものが挙げられる。
該触媒としては、例えば、チタニウムテトライソプロポキシドチタニウムテトラノルマルブトキシドブチルチタネートダイマーチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート等の有機チタン化合物アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等の有機アルミニウム化合物ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシジアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムアシレート、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムオクトエートジルコニル(2−エチルヘキサノエート)、ジルコニウム(2−エチルヘキソエート)等の有機ジルコニウム化合物ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジ(2−エチルヘキサノエート)等の有機スズ化合物ナフテン酸スズ、オレイン酸スズ、ブチル酸スズ、ナフテン酸コバルトステアリン酸亜鉛等の有機カルボン酸金属塩ヘキシルアミン燐酸ドデシルアミン等のアミン化合物、及びその塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の4級アンモニウム塩酢酸カリウム硝酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩;ジメチルヒドロキシルアミンジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミングアニジル基含有有機珪素化合物等が挙げられる。
これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。

0028

前記触媒は、前記防食テープ21(防食コンパウンド)と前記硬化用テープ22(液剤)との内、硬化用テープ22の側に90質量%以上含有されていることが好ましく、95質量%以上含有されていることがより好ましく、実質的に硬化用テープにのみ含有されていることが特に好ましい。

0029

前記防食コンパウンドには、上記以外に防錆剤、耐候剤、難燃剤防カビ剤防鼠剤抗菌剤などの機能性薬品や、増粘剤粘着付与剤顔料などの各種添加剤を含有させることができる。
なかでも前記防食コンパウンドには、防錆剤を含有させることが好ましい。
該防錆剤としては、特に限定されるものではないが、リン酸亜鉛系防錆剤、リン酸鉄系防錆剤、リン酸アルミニウム系防錆剤などのリン酸塩系防錆剤又はイオン交換系防錆剤が好ましく、中でもリン酸アルミニウム(オルトリン酸アルミニウム)やポリリン酸アルミニウムメタリン酸アルミニウム)などのリン酸アルミニウム系防錆剤か、カルシウムイオン交換シリカマグネシウムイオン交換シリカストロンチウムイオン交換シリカなどのイオン交換系防錆剤かの何れかを採用することが好ましく、ポリリン酸アルミニウムが特に好ましい。
また、前記増粘剤としては、例えば、BET法による比表面積が50〜200m2/gの親水性フュームドシリカを採用することができる。
前記顔料としては、酸化亜鉛酸化チタンなどの白色顔料カーボンブラックなどの黒色顔料の他に、酸化鉄ベンガラ)などの赤色顔料クロム酸亜鉛などの黄色顔料フェロシアン化鉄カリウムなどの青色顔料を採用することができる。

0030

前記防食コンパウンドに硬化反応を生じさせるための前記硬化用テープ22は、前記のように不織布と、該不織布に担持された液剤とを備えている。
該液剤は、前記触媒が常温(23℃)で液状であれば、その原液とすることができる。
前記液剤は、該触媒が固体粘稠液体であれば、これらを適当な有機溶媒に溶解させた溶液などとすることができる。

0031

前記硬化用テープ22を構成する不織布は、防食テープの基材シートと同じものであっても異なるものであってもよい。
該硬化用テープ22は、防食コンパウンドに触媒作用を働かせる上において防食テープに対して密着状態になって防食層を構成することが好ましい。
その場合、前記不織布が柔軟性に優れている方が有利となる。
このような理由から、前記不織布は、熱融着結着剤バインダー)によって繊維どうし結着されているようなものではなく、繊維が単に交絡しているだけのものが好ましい。
従って、前記不織布は、スパンレース不織布などであることが好ましい。

0032

スパンレース不織布は、繊維密度が相対的に高い部分が互いに並行する複数の線状となってこれらの間に繊維密度が相対的に低い部分が存在するストライプタイプや、繊維密度が相対的に高い部分がハニカム状格子状となってその間の繊維密度が相対的に低い部分が存在するメッシュタイプのものであってもよい。
メッシュタイプのスパンレース不織布は、繊維密度が相対的に低い部分に貫通孔が形成されていてもよい。
このようなメッシュタイプのスパンレース不織布は、複数の貫通孔を有しながらも繊維密度が高い部分が縦横に連続することで強度と柔軟性とに優れている。
メッシュタイプのスパンレース不織布としては、隣接する貫通孔の平均中心間距離が1mm〜5mmのものが好適である。
なお、前記貫通孔の平均中心間距離は、隣接する2つの貫通孔を10〜20組無作為に選択して中心間距離を測定した値を算術平均して求めることができる。

0033

優れた柔軟性を発揮させ易いという点において、硬化用テープ22を構成する不織布は、防食テープの基材シートを構成する不織布などよりも目付けが小さいことが好ましい。
硬化用テープ22を構成する不織布の目付けは、10g/m2以上100g/m2以下であることが好ましく、20g/m2以上80g/m2以下であることがより好ましく、25g/m2以上60g/m2以下であることが特に好ましい。

0034

該不織布に対する前記液剤の担持量は、過度に少ないとムラになり易く、過度に多いと重力による偏りが生じたり、乾燥までに長時間を要したりするため、50g/m2以上500g/m2以下であることが好ましく、100g/m2以上350g/m2以下であることがより好ましい。

0035

該硬化用テープ22及び前記防食テープ21を組み合わせた保護シートセット20によって金属管10の外周に防食層を形成させる場合、防食テープ21は、金属管10に対してハーフラップの状態で巻き付けられるため、図1、2に示すように幅方向約半分が金属管10に直接接する接触領域21aとなり、残りの半分が一周前の接触領域上に巻き重ねられて金属管10には直に接触しない非接触領域21bとなる。
この接触領域21aと非接触領域21bとの境界部21cは、一周前のテープエッジによって段差が生じている箇所に当接される。
そのようなことから防食コンパウンドが一定以上の塑性変形性を示さないとこの境界部では防食テープ21と金属管10との間に隙間が形成され易くなり、十分な防食性が発揮されないおそれがある。
しかしながら本実施形態の防食コンパウンドは、硬化用テープ22によって触媒などを後から添加することができるため意図しない形で硬化反応が進んで防食コンパウンドの塑性変形性が損なわれてしまうことが抑制される。
即ち、本実施形態においては、例えば、境界部21cを外側から指先で押すなどして防食テープ21と金属管10との間の隙間を埋めることが可能となり、防食層の信頼性を向上させることができる。

0036

本実施形態においては、防食テープ21と金属管10との間に隙間が形成されることをより確実に抑制させるべく、防食コンパウンドと同じような、或いは、防食コンパウンドを低粘度化させたペーストのような下塗り剤を調製し、防食テープ21を金属管10に巻き付ける前に前記下塗り剤を金属管10の表面に塗布するようにしてもよい。

0037

本実施形態の防食構造体では、硬化用テープ22が液剤を担持した不織布であるため、該液剤が毛細管現象によって全体に均一に行き亘るため防食コンパウンドの硬化ムラが生じることを抑制することができる。
前記のように下塗りを施す場合、要すれば、前記ペーストにも触媒を含有させ、金属管10に巻き付けた防食テープの内外両方から触媒作用を働かせて防食コンパウンドを硬化させるようにしてもよい。
なお、一度の硬化によって防食コンパウンドが十分に硬化しない場合、例えば、液剤が消費されて乾燥状態となった硬化用テープの不織布に対し、再び液剤を塗布するようにしてもよい。
この場合も、液剤が不織布を伝って全体に広がるため、液剤の偏りが生じることを抑制することができる。

0038

このように本実施形態においては、防食コンパウンドの硬化反応を制御し易くなるため、防食性に優れた防食層を複雑な手間を要することなく形成することができる。
なお、本実施形態における前記硬化用テープは、防食コンパウンドが十分硬化した後はそのまま残存させてもよい。
例えば、トップコートとして耐候性塗料などを塗布しなければならない際に硬化用テープを残していると、その上から塗料を塗布することで塗膜厚を確保しやすくなり、しかも、塗料の垂れ落ちを防止することができる。

0039

本実施形態において保護対象物となっている前記金属管10は、その材質を特に限定するものではなく、鉄、アルミニウム、銅などの一般的な金属やその合金の他に、マグネシウムマグネシウム合金ニッケルニッケル合金純チタンチタン合金などで形成されたものを本実施形態の防食構造体の構成部材として採用することができる。
なお、本実施形態においては、便宜上、保護対象物とする金属製部材として金属管という管材を例示しているが、本実施形態の保護シートセットで保護する金属製部材は、線材板材中空又は中実筐体球体などその形状や大きさが特に限定されるものではない。

0040

(第2実施形態:耐火構造体)
本発明の保護シートセットは、金属管などに対して防食層を形成させる場合においてのみ効果が発揮されるものではない。
次に、第1実施形態とは別の事例として保護シートセットが耐火層の形成に利用される場合を例にして、第2の実施形態について説明する。
図3は、電線11xを収容した可とう電線管10xを保護対象物とした耐火構造体1xを示した図である。
本実施形態の耐火構造体は、可とう電線管10xの外表面に接して可とう電線管10xを外側から覆うための長尺な帯状のコンパウンドシート(以下「耐火テープ21x」ともいう)と、該コンパウンドシートの外側から前記金属管10をさらに覆うための長尺な帯状の被覆シート(以下「硬化用テープ22x」ともいう)とを備えた保護シートセット20xによって前記可とう電線管10xが保護されている。

0041

本実施形態の耐火テープ21xの厚さは、特に限定されるものではないが、通常、0.5mm〜2.0mmとされる。
本実施形態の硬化用テープ22xの厚さは、特に限定されるものではないが、通常、0.1mm〜0.5mmとされる。
本実施形態の耐火層の厚さは、防食層と同様とされ得る。

0042

耐火テープ21xや硬化用テープ22xは、第1実施形態と同様にハーフラップの状態だけでなく「縦添え」と呼ばれる状態で耐火層を形成してもよい。

0043

本実施形態の耐火テープ21xを構成する反応硬化性を有するコンパウンド(以下「耐火コンパウンド」ともいう)は、第1実施形態と同様にシリコーン化合物をベースにしていることが好ましく、無機フィラーなどについても防食コンパウンドと同様のものを同様の質量割合で含有し得る。
具体的には、耐火コンパウンドは、前記シリコーンオイルと前記無機フィラーとを、質量比率が20:80〜40:60((シリコーンオイル):(無機フィラー))となるように含有していることが好ましい。
前記シリコーンオイルと前記無機フィラーとの合計質量は、耐火コンパウンドの50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。

0044

前記無機フィラーの内、無機水酸化物フィラーは、熱分解して脱水するため難燃剤として機能する。
従って、無機水酸化物フィラー以外の無機フィラーは、形成する耐火層の難燃性を考慮すると耐火コンパウンドに過度な割合で含有させることは好ましいことではない。
耐火コンパウンドにおける無機水酸化物フィラー100質量部に対する無機水酸化物フィラー以外の無機フィラーの質量割合は、耐火層に対して優れた難燃性を発揮させることを優先する場合、50質量部以下であることが好ましく、25質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましく、5質量部以下であることが特に好ましい。
耐火コンパウンドは、無機水酸化物フィラー以外の無機フィラーを含まないことがとりわけ好ましい。

0045

一方で、耐火コンパウンドに適度な粘性を発揮させるために必要な量の無機フィラーを全て無機水酸化物フィラーとしても単に過剰な難燃性が発揮されることになるおそれがあるばかりでなく、耐火コンパウンドに1種類の無機フィラーだけを含有させると当該耐火コンパウンドに優れた展延性を発揮させることが難しくなる場合がある。
例えば、耐火コンパウンドが含む無機フィラーを全て平均粒子径が5μm以上10μm以下の大きさを有する水酸化アルミニウム粒子とすると耐火コンパウンドは、変形が加えられた際に表面にひび割れ等を生じやすくなる。
このため、耐火コンパウンドは、難燃性と展延性とのバランスを考慮すると、水酸化アルミニウム粒子よりも平均粒子径が小さな他の無機フィラーを水酸化アルミニウム粒子100質量部に対して200質量部以上600質量部以下の質量割合で含有することが好ましい。
より具体的には、耐火コンパウンドは、平均粒子径が1μm以上5μm以下の大きさを有する炭酸カルシウム粒子などの無機水酸化物フィラー以外の無機フィラーを水酸化アルミニウム粒子100質量部に対して300質量部以上500質量部以下の質量割合で含有することが好ましい。

0046

前記耐火コンパウンドは、前記可とう電線管10xが金属製ではなく合成樹脂製で可燃性を有するものである場合、接炎時に高い断熱性を発揮させるべく熱分解性発泡剤熱膨張性無機フィラーなど含有していてもよい。

0047

前記発泡剤としては、例えば、アゾ化合物含有発泡剤、ニトロソ化合物含有発泡剤、スルホニルヒドラジド含有発泡剤、重炭酸塩含有発泡剤等が挙げられる。
また、前記発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、p−トルエン・スルホニルセミカルバジドマイクロカプセル化発泡剤などが挙げられる。

0048

前記シリコーン化合物の含有量を100質量部とした際の耐火コンパウンドにおける発泡剤の含有量は、例えば、0.1質量部以上20質量部以下とすることができ、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。

0049

本実施形態においては、さらに発泡助剤を併用することもできる。
前記発泡助剤としては有機アミン、ジ−n−ブチルアミン硫酸アルミニウムジエタノールアミン尿素尿素化合物サリチル酸無水フタル酸安息香酸ジエチレングリコールなどが挙げられる。

0050

前記シリコーン化合物100質量部に対する発泡助剤の質量割合は、例えば、0.01質量部以上10質量部以下とすることができる。

0051

前記熱膨張性無機フィラーとしては、バーミキュライト熱膨張性黒鉛が挙げられる。
なかでも熱膨張性黒鉛は熱膨張性無機フィラーとして好適である。

0052

耐火コンパウンドは、シリコーンオイル以外のオイルを含有していてもよい。
但し、シリコーンオイルが接炎時においても燃焼しにくくガラス化して耐火性に優れた被膜を耐火層に形成させるのに有効であるのに対して、シリコーンオイル以外のオイルでは一般的に燃焼性が発揮されることになる。
そのため、優れた耐火性を発揮させる上において、耐火コンパウンドに含有される全てのオイルの合計質量を100質量%としたときのシリコーンオイルの質量割合は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることがさらに好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
耐火コンパウンドは、シリコーンオイル以外のオイルを含まないことがとりわけ好ましい。

0053

耐火コンパウンドは、より難燃性を向上させる目的で一般的な難燃剤を含有してもよい。
該難燃剤としては、例えば、ポリ燐酸アンモンや赤燐といったリン系難燃剤や、デカブロモジフェニル化合物といったハロゲン系難燃剤が挙げられる。
しかし、これらは、耐火層が炎に晒されるなどした際にホスフィン系のガスハロゲン化水素を発生させる原因ともなるので本実施形態の耐火コンパウンドには過度に含有させないことが好ましい。

0054

より具体的には、耐火コンパウンドにおけるリン系難燃剤の含有量は、1質量%以下とされることが好ましく、0.5質量%以下とされることがより好ましい。
耐火コンパウンドはリン系難燃剤を含まないことがとりわけ好ましい。
耐火コンパウンドにおけるハロゲン系難燃剤の含有量は、1質量%以下とされることが好ましく、0.5質量%以下とされることがより好ましい。
耐火コンパウンドはハロゲン系難燃剤を含まないことがとりわけ好ましい。

0055

本実施形態の保護シートセット20xでは、耐火テープ21xにおいて耐火コンパウンドを担持させるべく用いられる基材シートと、前記硬化用テープ22xを構成する不織布との内の何れか一方、好ましくは両方が難燃性に優れた繊維で構成されていることが好ましい。
耐火テープ21xの基材シートは、金属繊維ロックウールガラス繊維などの無機繊維であってもよいが、当該耐火テープに優れた柔軟性を発揮させる上において有機繊維であることが好ましい。
有機繊維のなかでは、ポリアクリルニトリル耐炎化繊維が好適である。
ポリアクリルニトリル系耐炎化繊維としては、例えば、ポリアクリルニトリル繊維を酸化雰囲気中で200℃〜350℃程度の温度に加熱することによってニトリル基閉環させるとともにポリマー中酸素原子を取り込ませて高温下でも安定な状態になるように耐炎化処理させたものが好ましい。
前記基材シートは、ポリアクリルニトリル系耐炎化繊維製の織布や不織布が好ましい。

0056

前記耐火テープを構成する前記基材シートは、例えば、厚さ0.1mm以上1.0mm以下、単位面積あたりの質量(目付)が25g/m2以上200g/m2以下であることが好ましく、40g/m2以上100g/m2以下であることがより好ましい。
一方で、前記硬化用テープ22xを構成する不織布は第1実施形態と同様にスパンレース不織布などであることが好ましく、ポリアクリルニトリル系耐炎化繊維製のスパンレース不織布であることがより好ましい。
スパンレース不織布がストライプタイプのものであってもメッシュタイプのものであっても良い点は、第1実施形態と同じである。
硬化用テープ22xを構成する不織布の目付けは、10g/m2以上100g/m2以下であることが好ましく、20g/m2以上80g/m2以下であることがより好ましく、25g/m2以上60g/m2以下であることが特に好ましい。

0057

本実施形態においては可とう電線管10xが保護対象物に含まれている。
該可とう電線管10xは、通常、管壁凹凸が中心軸AXの方向に交互に繰り返されるコルゲート管であり、複数の凹部101xと複数の凸部102xとが個別にリング状となっているリングコルゲート管か、凹部と凸部とが中心軸周りを旋回しながら中心軸AXに沿って進行するように設けられたスパイラルコルゲート管かの何れかである。
本実施形態においては、硬化用テープ22xが上記のようなスパンレース不織布を用いて構成されていることで、良好な伸縮性を示しコルゲート管の凹凸にも良好な追従性を示して先にコルゲート管に巻き付けられている耐火テープ21xの外表面に良好な密着性を示す。
そのため、耐火テープ21xは、硬化用テープ22xとの間に隙間ができて硬化不足となることが抑制され得る。
しかも、本実施形態の耐火構造体でも防食構造体と同様に硬化用テープ22xが液剤を担持した不織布であるため、該液剤が毛細管現象によって全体に均一に行き亘り耐火コンパウンドの硬化ムラが生じることを抑制することができる。
このように第2実施形態においても、耐火コンパウンドの硬化反応を制御し易くなるため、耐火性に優れた耐火層を複雑な手間を要することなく形成することができる。

0058

本実施形態の耐火構造体において一度の硬化によって耐火コンパウンドが十分に硬化しない場合、硬化用テープの不織布に対して液剤を複数回塗布してもよい点については防食構造体と同様である。
また、用済み後の硬化用テープをそのまま利用してもよい点に関しても防食構造体と同じである。
さらに、本実施形態においては、電線を収容した可とう電線管を保護対象物としているが、本実施形態の保護対象物はその材質などに特に限定が加えられるものではない。

0059

なお、第1実施形態、及び、第2実施形態においてはシリコーン化合物としてシラノール基やアルコキシシリル基などを有するものを主として例示しているが、シリコーン化合物は上記例示のものに限定されるものではない。
さらに、第1実施形態、及び、第2実施形態においては反応硬化性を有するコンパウンドとしてシリコーン化合物を主たる成分としたものを例示しているが前記コンパウンドは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂不飽和ポリエステル樹脂ポリウレタン樹脂などを主たる成分としたものであってもよい。
即ち、本発明は上記例示に何等限定されるものではない。

0060

次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0061

<耐火テープの調製>
70g/m2の目付を有するポリアクリルニトリル系耐炎化繊維製の不織布を基材シートとして用意した。
両末端に水酸基を有する鎖状シリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンジオール)と、平均粒子径約2μmの炭酸カルシウム粒子と、平均粒子径約8μmの水酸化アルミニウム粒子と、架橋剤(ポリアルコキシシロキサン)とを含む反応硬化性を有する耐火コンパウンドを調製した(シリコーンオイル:無機フィラー≒3:7(炭酸カルシウム粒子:水酸化アルミニウム粒子≒4:1))。
前記基材シートに耐火コンパウンドを含浸担持させたものを2枚重ねにして幅100mmの耐火テープを作製した。

0062

<硬化用テープの調製>
下記の表に示す6種類の不織布に耐火コンパウンドを硬化させるための液剤としてジブチルスズジラウレートを含侵担持させて硬化用テープを調製した。
ジブチルスズジラウレートを含侵させる前の不織布の目付(g/m2)と、単位面積当たりのジブチルスズジラウレートの担持量(触媒担持量:g/m2)は、表に示した通りとした。

0063

試験体の作製>
該耐火テープをコルゲート管の外周にハーフラップで巻き付けた。
該コルゲート管としては、凹部における内径が66mmで、凸部における外径が85mmで隣合う凸部の中心間距離(ピッチ)が21mmのコルゲート管を用いた。
耐火テープを巻き付けた状態において耐火テープの外周面には、コルゲート管の形状に対応した凹凸が生じていた。
この外側に硬化用テープをさらに巻き付けて試験体を作製した。
なお、硬化用テープのサイズは、幅100mm×長さ300mmとし、試験体は、コルゲート管に巻き付けられた耐火テープの外側から硬化用テープを1周巻き付けて作製した。

0064

<評価>
(1)追従性
耐火テープの表面に対する硬化用テープの追従性について以下の基準で判定した。
判定基準
A:優れた追従性を示した。
B:追従性は良好であるが微かなシワが見られる状況であった。
C:追従性は良好であるが明瞭なシワが見られる状況であった。
D:追従性が十分ではなく耐火テープとの間に空隙が生じた。
(2)表面乾燥性
試験体を作製後、24時間経過時点で硬化用テープの外表面の乾燥度について以下の基準で判定した。
(判定基準:指頭での指触による乾燥性
A:指頭に液剤が付着せず、十分乾燥した状態であった。
B:指頭の一部に液剤が薄く付着し、僅かに乾燥が不十分であった。
C:指頭全体に液剤が付着し、明らかに乾燥が不十分であった。
(3)コンパウンド硬化性
試験体を作製後、24時間経過時点でコルゲート管との接触界面での耐火テープの硬化反応の進行度について以下の基準で判定した。
(判定基準)
A:コルゲート管と耐火層との界面で剥離する状態にまで硬化されており、優れた硬化性が発揮されていた。
B:コルゲート管にコンパウンドの一部が付着する状態となっており、硬化反応が十分進行していない状況であった。

0065

0066

硬化用テープに不織布#1、#2、#4を採用したものについては、ジブチルスズジラウレートの担持量が過剰であったとみられ、24時間では十分な乾燥性が見られなかった。
硬化用テープに不織布#6を採用したものについては、PEフィルムの外側のPET不織布に含侵されたジブチルスズジラウレートが消費されずに24時間では十分な乾燥性が見られなかった。
そのため、これらの硬化用テープでは、耐火層を形成する際の作業性をより一層改善させる上で触媒の担持量の適正化を図ることが有効であることが確認できた。
さらに硬化用テープに不織布#6を採用したものについては、不織布(複合品)のコシが強くコルゲート管の凹部に相当する箇所で耐火テープと硬化用テープとの間に大きな隙間ができたため、耐火コンパウンドの硬化に十分な量の触媒(液剤)が硬化用テープから耐火テープに供給されなかったとみられる。
そのため、コルゲート管などの表面が平坦ではない保護対象物にこのような硬化用テープで耐火層を形成する際には、作業性をより一層改善させる上において、より柔軟性に優れた不織布を採用することが有効であることが確認できた。

実施例

0067

上記のように本発明では、コンパウンドシートでの硬化反応を制御し易い保護シートセットを提供できることがわかる。

0068

1:防食構造体、1x:耐火構造体、10:金属管、10x:可とう電線管、20,20x:保護シートセット、21:防食テープ(コンパウンドシート)、21x:耐火テープ(コンパウンドシート)、22,22x:硬化用テープ(被覆シート)

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