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図面 (17)

課題

シート振動への車体振動影響成分を適切に推定する。

解決手段

質量センサ12が、車体内のシート上の乗員の質量を検出し、車体振動センサ14が、車体の振動を検出し、推定部22が、質量センサにより検出された乗員の質量と、車体振動センサにより検出された車体の振動とに基づいて、シートの振動への車体の振動の影響成分を推定する。

概要

背景

従来、精度の高い生体情報を得るために、高検出能力を有するセンサを用いた場合にも、安定して呼吸等の乗員の生体情報を検出可能な生体情報検出装置が提案されている(特許文献1)。

また、より安定的に、移動体シート着座する乗員の生体情報を検出することのできる生体情報検出装置が提案されている(特許文献2)。特許文献2に記載の生体情報検出装置では、ECUに入力された生体センサセンサ出力が、増幅器により増幅され、A/D変換器においてデジタル化された後、生体情報検出部に入力される。また、ECUは、車両の走行状態に関する車両情報として車速V、及びカーナビゲーション装置が提供するカーナビ情報Invを取得する車両情報取得部を備え、ECUは、その車両情報に基づいて増幅前のセンサ出力の波高推定する波高推定部と、この波高推定部により推定されたセンサ出力の波高に基づいて増幅器のゲインを調整するゲイン調整部とを備える。

概要

シート振動への車体振動影響成分を適切に推定する。質量センサ12が、車体内のシート上の乗員の質量を検出し、車体振動センサ14が、車体の振動を検出し、推定部22が、質量センサにより検出された乗員の質量と、車体振動センサにより検出された車体の振動とに基づいて、シートの振動への車体の振動の影響成分を推定する。

目的

また、ECUは、車両の走行状態に関する車両情報として車速V、及びカーナビゲーション装置が提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

体内シート上の乗員の質量を検出又は推定することにより取得する質量取得手段と、前記車体の振動を検出する車体振動検出手段と、前記質量取得手段により取得された前記乗員の質量と、前記車体振動検出手段により検出された前記車体の振動とに基づいて、前記シートの振動への前記車体の振動の影響成分を推定する推定手段と、を含む影響推定装置。

請求項2

前記推定手段は、前記車体から前記シートへの振動の伝達を表し、かつ前記乗員の質量をパラメータに含む伝達関数により、前記影響成分を推定する請求項1に記載の影響推定装置。

請求項3

前記推定手段は、前記車体と、前記車体内のシートと、前記シート上の乗員との関係を、バネマスダンパ質点系近似した前記伝達関数により、前記影響成分を推定する請求項2に記載の影響推定装置。

請求項4

前記伝達関数は、ラプラス変換を用いた伝達関数であり、分母ラプラス演算子の2次の項の係数として、前記質量取得手段により取得された前記乗員の質量を用いる請求項3に記載の影響推定装置。

請求項5

前記シートの振動を検出するシート振動検出手段と、前記シート振動検出手段により検出された前記シートの振動から、前記推定手段により推定された前記影響成分を除外して、前記シートの振動を補正する補正手段と、をさらに含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の影響推定装置。

請求項6

前記質量取得手段は、前記シート振動検出手段により検出された前記シートの振動から、生体振動に関わる周波数成分を除外した振動と、前記車体振動検出手段により検出された前記車体の振動とに基づいて、前記乗員の質量を推定する請求項5に記載の影響推定装置。

請求項7

前記質量取得手段は、前記乗員の質量を、前記生体振動に関わる周波数成分を除外した振動の時系列データと、前記車体の振動と前記生体振動に関わる周波数成分を除外した振動との差分の時系列データとに基づいて、逐次推定する請求項6に記載の影響推定装置。

請求項8

コンピュータを、車体内のシート上の乗員の質量を検出又は推定することにより取得する質量取得手段により取得された前記乗員の質量と、前記車体の振動を検出する車体振動検出手段により検出された前記車体の振動とに基づいて、前記シートの振動への前記車体の振動の影響成分を推定する推定手段として機能させるための影響推定プログラム

技術分野

0001

本発明は、影響推定装置及びプログラム係り、特に、シート振動への車体振動影響成分推定する影響推定装置及びプログラムに関する。

背景技術

0002

従来、精度の高い生体情報を得るために、高検出能力を有するセンサを用いた場合にも、安定して呼吸等の乗員の生体情報を検出可能な生体情報検出装置が提案されている(特許文献1)。

0003

また、より安定的に、移動体のシートに着座する乗員の生体情報を検出することのできる生体情報検出装置が提案されている(特許文献2)。特許文献2に記載の生体情報検出装置では、ECUに入力された生体センサセンサ出力が、増幅器により増幅され、A/D変換器においてデジタル化された後、生体情報検出部に入力される。また、ECUは、車両の走行状態に関する車両情報として車速V、及びカーナビゲーション装置が提供するカーナビ情報Invを取得する車両情報取得部を備え、ECUは、その車両情報に基づいて増幅前のセンサ出力の波高を推定する波高推定部と、この波高推定部により推定されたセンサ出力の波高に基づいて増幅器のゲインを調整するゲイン調整部とを備える。

先行技術

0004

特開2013−111113号公報
特開2017−63981号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、自動車にはエンジン回転振動走行時の路面振動などが生じるため、生体情報を検出するために乗員が着席する車体内のシートに設けられたセンサの検出値には、乗員の生体振動以外の様々な振動が重畳している。そのため、例えば上記特許文献のように、シートの振動から乗員の生体振動を取得する場合、ノイズとなる車体振動の影響成分が適切に推定されることが望ましい。

0006

特に路面振動は、生体振動に比較して大きな振幅を有するため、上記特許文献2に記載の発明では、カーナビゲーションなどから路面振動の大きさをあらかじめ推定し、ゲインを適切に設定することで、路面振動入力時にも精度よく生体振動を検出することを目的としている。しかしながら、適切なゲインの設定のみでは、信号の飽和という課題は解決されるものの、車体振動の影響成分を適切に推定することはできない。

0007

本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、シート振動への車体振動の影響成分を適切に推定することができる影響推定装置及びプログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記の目的を達成するために本発明に係る影響推定装置は、車体内のシート上の乗員の質量を検出又は推定することにより取得する質量取得手段と、前記車体の振動を検出する車体振動検出手段と、前記質量取得手段により取得された前記乗員の質量と、前記車体振動検出手段により検出された前記車体の振動とに基づいて、前記シートの振動への前記車体の振動の影響成分を推定する推定手段と、を含んで構成されている。

0009

また、本発明に係る影響推定プログラムは、コンピュータを、車体内のシート上の乗員の質量を検出又は推定することにより取得する質量取得手段により取得された前記乗員の質量と、前記車体の振動を検出する車体振動検出手段により検出された前記車体の振動とに基づいて、前記シートの振動への前記車体の振動の影響成分を推定する推定手段として機能させるためのプログラムである。

0010

本発明に係る影響推定装置及び影響推定プログラムによれば、推定手段が、車体内のシート上の乗員の質量を検出又は推定することにより取得する質量取得手段により取得された乗員の質量と、車体の振動を検出する車体振動検出手段により検出された車体の振動とに基づいて、シートの振動への車体の振動の影響成分を推定する。これにより、シート振動への車体振動の影響成分を適切に推定することができる。

0011

また、本発明に係る影響推定装置の前記推定手段は、前記車体から前記シートへの振動の伝達を表し、かつ前記乗員の質量をパラメータに含む伝達関数により、前記影響成分を推定することができる。具体的には、前記推定手段は、前記車体と、前記車体内のシートと、前記シート上の乗員との関係を、バネマスダンパ質点系近似した前記伝達関数により、前記影響成分を推定することができる。より具体的には、前記伝達関数は、ラプラス変換を用いた伝達関数であり、分母ラプラス演算子の2次の項の係数として、前記質量取得手段により取得された前記乗員の質量を用いる。上記のような伝達関数により影響成分を推定する際に、適切に検出又は推定された乗員の質量を用いることで、精度良く影響成分を推定することができる。

0012

また、本発明に係る影響推定装置は、前記シートの振動を検出するシート振動検出手段と、前記シート振動検出手段により検出された前記シートの振動から、前記推定手段により推定された前記影響成分を除外して、前記シートの振動を補正する補正手段と、をさらに含んで構成することができる。シート振動検出手段により検出されるシート振動には、脈拍体動、呼吸等の生体振動由来の振動成分と、エンジン振動や路面振動などの車体振動由来の振動成分とが重畳されているが、補正手段により補正されたシートの振動では、精度良く推定されたシート振動への車体振動の影響成分が除外されるため、精度良く生体

0013

振動由来の振動成分を抽出することができる。

0014

また、本発明に係る影響推定装置の前記質量取得手段は、前記シート振動検出手段により検出された前記シートの振動から、生体振動に関わる周波数成分を除外した振動と、前記車体振動検出手段により検出された前記車体の振動とに基づいて、前記乗員の質量を推定することができる。具体的には、前記質量取得手段は、前記乗員の質量を、前記生体振動に関わる周波数成分を除外した振動の時系列データと、前記車体の振動と前記生体振動に関わる周波数成分を除外した振動との差分の時系列データとに基づいて、逐次推定することができる。これにより、乗員の質量を検出するための荷重センサ等を設けることなく、精度良く乗員の質量を推定することができ、推定された乗員の質量を用いて、精度良く影響成分を推定することができる。

発明の効果

0015

以上説明したように、本発明の影響推定装置及びプログラムによれば、シート振動への車体振動の影響成分を適切に推定することができる、という効果が得られる。

図面の簡単な説明

0016

第1の実施の形態に係る影響推定装置の概略構成を示すブロック図である。
影響成分推定のための伝達関数を表す概念図である。
m=80kg、40kgとした場合の伝達関数のボード線図である。
m=80kg、40kgとした場合のシート加速度及び影響成分加速度と補正値とを示すグラフである。
m=80kg、75kgとした場合の伝達関数のボード線図である。
m=80kg、75kgとした場合のシート加速度及び影響成分加速度と補正値とを示すグラフである。
第1の実施の形態における影響推定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
第2の実施の形態に係る影響推定装置の概略構成を示すブロック図である。
脈波のデータの一例を示すグラフである。
m=80kgとした場合の車体加速度及びシート加速度を示すグラフである。
脈波を重畳したシート加速度を示すグラフである。
フィルタ処理後のシート加速度を示すグラフである。
逐次推定された乗員の質量を示すグラフである。
脈波を除去して推定した影響成分としてのシート加速度、及び脈波を加えた影響成分としてのシート加速度と、脈波推定値とを示すグラフである。
図14の一部を拡大したグラフである。
第2の実施の形態における影響推定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。

実施例

0017

以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下の各実施の形態では、車体内のシートに着座した乗員の生体振動をシート振動から検出するために、シート振動への車体振動の影響成分を推定する影響推定装置について説明する。

0018

<第1の実施の形態>
図1に示すように、第1の実施の形態に係る影響推定装置10は、車体内のシートに着座した乗員の質量を検出する質量センサ12と、車体の振動を検出する車体振動センサ14と、シートの振動を検出するシート振動センサ16と、影響成分の推定処理を行うコンピュータ20とを備えている。

0019

質量センサ12としては、例えば、荷重センサを用いることができる。質量センサ12は、乗員の質量を検出可能な位置、例えば、シートの車体への取り付け点等に設けられる。質量センサ12は、定期的なタイミング、又はコンピュータ20から指示されたタイミングで、センサにかかる荷重を検出し、検出値をコンピュータ20に出力する。なお、質量センサ12は、本発明の質量取得手段の一例である。

0020

車体振動センサ14としては、例えば、加速度センサを用いることができる。車体振動センサ14は、エンジンの振動や路面振動などの車体振動に由来する振動成分を検出可能な位置、例えば、車体内のシートの取り付け点付近に設けられる。車体振動センサ14は、定期的なタイミング、又はコンピュータ20から指示されたタイミングで、センサ位置の加速度を検出し、検出値をコンピュータ20に出力する。なお、車体振動センサ14は、本発明の車体振動検出手段の一例である。

0021

シート振動センサ16としては、例えば、加速度センサを用いることができる。シート振動センサ16は、乗員の心拍、呼吸、体動などの乗員の生体振動に由来する振動成分を検出可能な位置、例えば、シートの背もたれ部分の表面又は内部などに設けられる。シート振動センサ16は、定期的なタイミング、又はコンピュータ20から指示されたタイミングで、センサ位置の加速度を検出し、検出値をコンピュータ20に出力する。なお、シート振動センサ16は、本発明のシート振動検出手段の一例である。

0022

コンピュータ20は、CPU、後述する影響推定処理ルーチンのプログラムを記憶したROM、データ等を記憶するRAM、及びこれらを接続するバスを含んで構成されている。このコンピュータ20をハードウエアソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図1に示すように、コンピュータ20は、質量センサ12により検出された乗員の質量と、車体振動センサ14により検出された加速度が示す車体振動とに基づいて、シート振動への車体振動の影響成分を推定する推定部22と、シート振動センサ16により検出された加速度が示すシート振動から、推定部22により推定された影響成分を除外して、シート振動を補正する補正部24とを備えている。

0023

推定部22は、車体からシートへの振動の伝達を表し、かつ乗員の質量をパラメータに含む伝達関数により、シート振動への車体振動の影響成分を推定する。具体的には、推定部22は、車体と、車体内のシートと、シート上の乗員との関係を、図2に示すような、バネ・マス・ダンパの質点系で近似した、下記(1)式に示す伝達関数を用いる。

0024

0025

(1)式の伝達関数は、ラプラス変換を用いた伝達関数であり、sは、ラプラス演算子である。また、a1は、シート振動への車体振動の影響成分の推定値であり、影響成分がシート振動センサ16で検出された場合に想定される加速度(以下、「影響成分加速度」という)である。a2は、車体振動センサ14で検出された車体振動を示す加速度(以下、「車体加速度」という)である。また、図2に示すバネ・マス・ダンパの質点系及び(1)式では、シートの剛性バネ定数kで表し、シートの粘性ダンピング定数cで表している。mは、質量センサ12で検出されたシートに着座した乗員の質量である。(1)式では、分母のラプラス演算子の2次の項の係数として、乗員の質量mが用いられる。

0026

ここで、シート振動への車体振動の影響成分を推定するための伝達関数のパラメータとして、検出又は推定した乗員の質量mを用いる理由について説明する。

0027

図3に、(1)式で示す伝達関数のボード線図を示す。実線で示す特性は、シート上の乗員の質量mが80kgの場合であり、破線で示す特性は、質量mが40kgの場合である。乗員の質量mが80kgの場合と40kgの場合とでは、図3に示すように、共振周波数が異なる。

0028

実際のシート上の乗員の質量mが80kgの場合に、シート振動への車体振動の影響成分を推定する際のパラメータの値として、m=40kgを用いた場合には、(1)式によって推定されるシート振動への車体振動の影響成分の推定値と、実際のシート振動との間には誤差が生じることになる。

0029

図4の上図は、1sから1.5sの間に、車体加速度として、1m/s2を矩形波的に印加した場合において、シート上の乗員の質量mを80kgとしてシミュレーションしたシート振動を示す加速度(以下、「シート加速度」という)(実線)と、シート上の乗員の質量mを40kgとして推定した影響成分加速度(破線)とを示している。実際のシート加速度には、乗員の生体振動を示す加速度も重畳されることになるが、ここでは生体振動は0とし、車体振動の影響成分のみを示している。また、図4下図は、シート加速度から影響成分加速度を減算した補正値を示している。ここでは、生体振動を0としていることから、補正値は相殺され0となることが望まれるが、シート上の乗員の質量mに適切な値が設定されていないため、補正の効果はほとんど表れず、補正前とほぼ同じ振幅の振動が現れている。

0030

図5に示すように、シート上の乗員の質量mがある程度の精度で推定又は検出できたことを仮定し、推定部22で推定する際に用いるパラメータmの値を75kgとした場合(破線)には、車体加速度からシート加速度までのボード線図は、m=80kgとした場合(実線)の特性に近づく。

0031

また、図6の上図は、1sから1.5sの間に、車体加速度として、1m/s2を矩形波的に印加した場合において、シート上の乗員の質量mを80kgとしてシミュレーションしたシート加速度(実線)と、シート上の乗員の質量mを75kgとして推定した影響成分加速度(破線)とを示している。図4と比較すると、乗員の質量mとして用いる値の精度を向上させることで、両者の波形は近づいていることが分かる。また、図6の下図は、シート加速度から影響成分加速度を減算した補正値を示している。乗員の質量mとして用いる値の精度を向上させることで、両者の一致度は向上し、補正値は小さくなっていることが分かる。

0032

このように、上記(1)式に示す伝達関数により、影響成分を推定する場合には、乗員の質量mに適切な値を用いることが重要である。

0033

なお、シート加速度から影響成分加速度を減算した補正値は、シート振動センサ16で検出される検出値に含まれる乗員の生体振動由来の振動成分と、車体振動由来の振動成分とを分離し、生体振動由来の振動成分を抽出した値に相当する。上記のシミュレーションでは、シート加速度に生体振動を示す加速度を重畳させていないために、この補正値は小さくなるが、実際に生体振動が付加された場合には、車体振動と生体振動とが重畳した状態から生体振動のみが選別されることになる。

0034

そこで、補正部24は、シート振動センサ16で検出されたシート加速度から、推定部22により推定された影響成分加速度を減算してシート加速度を補正する。これは、乗員の生体振動由来の振動成分と車体振動由来の振動成分との総和から、シート振動への車体振動の影響成分を取り除くことに相当するため、補正後のシート加速度は、生体振動由来の振動成分の推定値を表す。補正部24は、補正後のシート加速度を、生体振動を示す加速度として出力する。

0035

次に、影響推定装置10の動作について説明する。質量センサ12、車体振動センサ14、及びシート振動センサ16の各々で検出値の各々の検出が開始されると、コンピュータ20において、図7に示す影響推定処理ルーチンが、所定時間間隔毎に実行される。

0036

まず、ステップS100で、推定部22が、質量センサ12から、乗員の質量mを取得する。次に、ステップS102で、推定部22が、車体振動センサ14から、車体振動を示す車体加速度を取得する。次に、ステップS104で、補正部24が、シート振動センサ16から、シート振動を示すシート加速度を取得する。

0037

次に、ステップS106で、推定部22が、例えば(1)式に示す伝達関数に、上記ステップS100で取得した乗員の質量、及び上記ステップS102で取得した車体振動(車体加速度)を代入して、シート振動への車体振動の影響成分(影響成分加速度)を推定する。

0038

次に、ステップS108で、補正部24が、上記ステップS104で取得したシート振動(シート加速度)から、上記ステップS106で推定部22により推定された影響成分(影響成分加速度)を除外して、シート振動(シート加速度)を補正する。

0039

次に、ステップS110で、補正部24が、補正後のシート振動(シート加速度)を、生体振動を示す加速度として出力し、影響推定処理ルーチンは終了する。

0040

出力された生体振動を示す加速度は、例えば、ネットワークを介して外部装置へ送信されてもよいし、車体内に設けられたカーナビゲーションシステム等のディスプレイに表示してもよい。また、出力された生体振動から乗員の状態を推定し、推定された乗員の状態に基づいて運転制御を行うなど、生体振動を各種制御に利用するようにしてもよい。

0041

以上説明したように、第1の実施の形態に係る影響推定装置によれば、乗員の質量を取得し、車体からシートへの振動の伝達を表し、かつ乗員の質量をパラメータに含む伝達関数により、シート振動への車体振動の影響成分を推定する。これにより、シート振動への車体振動の影響成分を適切に推定することができる。また、生体振動由来の振動成分と車体振動由来の振動成分とが重畳されて検出されるシート振動から、上記のように精度良く推定されたシート振動への車体振動の影響成分を除外することで、生体振動を精度良く抽出することができる。

0042

なお、上記第1の実施の形態では、乗員の質量を質量センサにより検出する場合について説明したが、乗員の質量として、推定値を用いてもよい。例えば、車体振動センサ14で検出された車体加速度(a2)と、シート振動センサ16で検出されたシート加速度又は1時刻前に推定されたシート振動への車体振動の影響成分(a1)とを用いて、上記(1)式に基づいて、未知パラメータmを同定し、これを乗員の質量の推定値として出力してもよい。

0043

また、上記第1の実施の形態では、シート振動センサ16から、シート振動を示す加速度が出力される場合について説明したが、シート振動センサ16から、加速度をフィルタ処理した成分が出力される場合には、そのフィルタ処理に相当する伝達関数G(s)を(1)式に掛け合わせ、下記(2)式から導出されるS1を、シート振動への車体振動の影響成分として推定してもよい。

0044

0045

また、上記第1の実施の形態では、シート振動から、推定したシート振動への車体振動の影響成分を除外して生体振動を取り出す場合について説明したが、これに限定されない。推定した影響成分を、そのまま出力してもよい。この場合、影響推定装置10において、シート振動センサ16、及びコンピュータ20の機能部である補正部24は省略することができる。出力されたシート振動への車体振動の影響成分は、例えば、シートの剛性や粘性等の設計のための参考情報としたり、何らかの運転制御の補正値として利用するなど、各種制御に利用したりすることができる。

0046

また、上記第1の実施の形態では、生体振動を取り出す際に、シート振動から、推定したシート振動への車体振動の影響成分を減算する場合について説明したが、これに限定されない。シート振動を影響成分で除算したり、所定の係数を乗算した影響成分をシート振動から減算したり、所定の係数を乗算した影響成分でシート振動を除算したりするなど、センサで検出される値、推定される値、伝達関数等に応じて、適切に影響成分を除外する演算方法を用いればよい。

0047

<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、影響成分の推定に用いる乗員の質量を、質量センサで検出するのではなく、影響推定装置において推定する場合について説明する。なお、第2の実施の形態に係る影響推定装置において、第1の実施の形態に係る影響推定装置10と同様の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。

0048

図8に示すように、第2の実施の形態に係る影響推定装置210は、車体振動センサ14と、シート振動センサ16と、影響成分の推定処理を行うコンピュータ220とを備えている。

0049

コンピュータ220は、CPU、後述する影響推定処理ルーチンのプログラムを記憶したROM、データ等を記憶するRAM、及びこれらを接続するバスを含んで構成されている。このコンピュータ220をハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図8に示すように、コンピュータ220は、乗員の質量を推定する質量推定部26と、影響成分推定部222と、補正部24とを備えている。なお、質量推定部26は、本発明の質量取得手段の一例である。

0050

質量推定部26は、シート振動センサ16で検出されたシート振動から、生体振動に関わる周波数成分を除去し、除去後のシート振動と、車体振動センサ14で検出された車体振動とに基づいて、乗員の質量mを推定する。

0051

ここで、上記(1)式(又は(2)式)を離散化した式に基づき、車体加速度とシート加速度とに、オンラインの最小2乗法などを適用することによって、乗員の質量を推定する場合において、エンジン振動や路面振動など車体振動由来の振動成分の振幅が比較的小さい場合には、脈波などの生体振動の影響を受けて、正確に乗員の質量を推定できない場合がある。

0052

そこで、第2の実施の形態では、生体振動は特定の周波数成分を有する点に着眼し、シート振動から生体振動に関わる周波数成分を除去する。

0053

特定の周波数成分を有する生体振動の一例として、図9に、脈波のデータを示す。図9に示すように、脈波は、*印で示した心拍のタイミングの後、7Hz程度の減衰振動を伴っている。このような周波数成分を、ノッチフィルタによってシート振動から除去する。このように、シート振動から生体振動に関わる周波数成分を除去することで、生体振動の影響を受けることなく、正確な乗員の質量mの推定を行う。

0054

以下、上記(1)式に基づいた乗員の質量mの推定について説明する。まず、(1)式を離散化するために、下記(3)式に示す双一次変換を適用する。

0055

0056

ただし、Tsは、サンプリング時間、z−1は、1サンプルの時間遅れ要素を示している。(3)式を(1)式に代入し、整理すると、下記(4)式を得る。

0057

0058

さらに、(4)式から、乗員の質量mに関して整理すると、下記(5)式〜(7)式となる。

0059

0060

ここで、(5)式〜(7)式を、サンプリング毎信号値によって記述すると、下記(8)式〜(10)式となる。

0061

0062

これに逐次型最小2乗法を適用して、下記(11)式〜(13)式の漸化式を解くことによって、乗員の質量mを推定することができる。

0063

0064

ただし、λは、忘却係数である。

0065

上記の式からわかるように、φ[i]は、シート加速度の時系列データから、また、y[i]は、車体加速度とシート加速度との差の時系列データから演算することができる。しかし、このままでは、推定される乗員の質量mが、シート加速度に含まれる生体振動の影響を受けてしまう。

0066

そこで、質量推定部26は、シート加速度に対して、生体振動の特定の周波数成分を除去するフィルタ処理を前処理として施す。例えば、図9に示した脈波であれば、5〜15Hzの周波数帯域を抑制する4次のバタワス型バンドストップフィルタ処理を前処理として施すことができる。質量推定部26は、前処理を施したシート加速度について、上記(9)式〜(13)式のオンライン最小2乗法を適用する。これにより、路面振動が比較的小さな良路においても、生体振動の影響を受けることなく、乗員質量の正確な推定が可能となる。

0067

ここで、シート上の乗員の質量mを80kgとし、図10上図に示す車体加速度が重畳されたシート加速度をシミュレーションしたグラフを図10下図に示す。ここでは、図11に示すように、図10下図に示すシート加速度に、図9に示す脈波が重畳されたシート加速度が、シート振動センサ16で検出されると仮定する。そして、このシート加速度から、乗員の質量mを逐次推定すると共に、脈波の推定を行うものとする。

0068

まず、図11に示すシート加速度に対し、5〜15Hzの周波数帯域を抑制する4次のバタワス型バンドストップフィルタ処理を前処理として施すことにより、図12に示す信号が得られる。

0069

図10上図に示す車体加速度、及び図12に示すフィルタ処理後のシート加速度を用いて、(9)式〜(13)式に基づき、乗員の質量mを推定する。図13に、乗員の質量mの初期値を40kg、最小2乗法のサンプリングを0.01s、忘却係数を0,995として推定した結果を示す。図13に示すように、車体加速度とシート加速度との関係から、10s程度で真値である80kgに近い値が推定ができていることがわかる。

0070

影響成分推定部222は、質量推定部26で推定された乗員の質量mと、車体振動センサ14で検出された車体加速度とから、下記(14)式に示す漸化式によって、影響成分加速度ahを推定する。

0071

0072

(14)式に含まれる乗員の質量mを推定する際には、脈波の周波数成分が除去されている。すなわち、影響成分加速度ahには、脈波の成分が重畳していない。図14上図に、(14)式に基づいて推定された、脈波の重畳していない影響成分加速度ahを、脈波を含んだシート加速度a1と比較して示す。また、図14下図は、ahとa1との差を脈波推定値として示している。また、図15上図は、図14において乗員の質量mが正しく推定された後の12s以降のah及びa1を拡大して示しており、図15下図は、同様に、脈波の推定値を拡大して示している。なお、図15下図には、比較のために、図9に示した脈波の真値も点線で示しており、第2の実施の形態における乗員の質量mの推定結果を用いることで、精度良く脈波が推定できていることがわかる。すなわち、影響成分加速度ahから脈波の成分が精度良く除外されていることが分かる。

0073

次に、影響推定装置210の動作について説明する。車体振動センサ14及びシート振動センサ16の各々で検出値の各々の検出が開始されると、コンピュータ220において、図16に示す影響推定処理ルーチンが、サンプリング時間Ts毎に実行される。なお、第2の実施の形態における影響推定処理ルーチンにおいて、第1の実施の形態における影響推定処理ルーチン(図7)と同様の処理については、同一のステップ番号を付与して、詳細な説明を省略する。

0074

まず、質量推定部26が、ステップS102で、車体振動センサ14から、車体振動を示す車体加速度を取得し、ステップS104で、シート振動センサ16から、シート振動を示すシート加速度を取得する。

0075

次に、ステップS200で、質量推定部26が、上記ステップS104で取得したシート振動(シート加速度)から、生体振動に関わる周波数成分をフィルタ処理により除去する。次に、ステップS202で、質量推定部26が、生体振動に関わる周波数成分除去後のシート振動(シート加速度)をa1、車体振動センサ14の検出値をa2として、上記(9)式〜(13)式に代入し、乗員の質量mを推定する。

0076

次に、ステップS206で、影響成分推定部222が、上記ステップS202で推定された乗員の質量m、及び上記ステップS102で取得された車体振動(車体加速度)を上記(14)式に代入して、シート振動への車体振動の影響成分(影響成分加速度)を推定する。

0077

以下、第1の実施の形態と同様に、上記ステップS104で取得されたシート振動(シート加速度)から、上記ステップS206で推定された影響成分(影響成分加速度)を除外して、シート振動(シート加速度)を補正し、補正後のシート振動(シート加速度)を、生体振動を示す加速度として出力し、影響推定処理ルーチンは終了する。

0078

以上説明したように、第2の実施の形態に係る影響推定装置によれば、シート振動センサの検出値から生体振動に関わる周波数成分を除去したシート振動を用いて、乗員の質量を推定する。これにより、精度良く乗員の質量を推定することができる。第1の実施の形態で説明したように、適切な乗員の質量を用いることにより、影響成分を精度良く推定することができ、結果として、生体振動を精度良く抽出することができる。第2の実施の形態では、上記のように推定した乗員の質量を用いることで、乗員の質量を検出するためのセンサを設けることなく、生体振動を精度良く抽出することができる。

0079

10、210影響推定装置
12質量センサ
14車体振動センサ
16シート振動センサ
20、220コンピュータ
22推定部
24補正部
26質量推定部
222影響成分推定部

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