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技術 植物油の臭い緩和方法

出願人 日本水産株式会社
発明者 坂本紘子
出願日 2017年10月13日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2017-199083
公開日 2019年5月16日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-071804
状態 未査定
技術分野 食用油脂 脂肪類、香料
主要キーワード 逆止機構 脱臭処理済 内層体 昇温ガス 水和物質 酸化促進物質 光反射剤 逆止弁付き
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

植物油特有の臭いを安定して低減可能な植物油の臭い緩和方法を提供する。

解決手段

植物油に、n−3系多価不飽和脂肪酸含有油を混合して充填用植物油を得ること、前記充填用植物油を、逆止弁付き容器充填すること、を含む、植物油の臭い緩和方法。

概要

背景

植物油の中には、ゴマ油オリーブ油エゴマ油アマニ油等のように、特有の強い臭いを有するものが知られている。また、光、熱等によって劣化し、特有の臭いに加えて、不快な臭いが生じることがある。このことから、植物油については、風味の点から、食用としての用途が制限されることがある。

このような植物油の原料由来する不快な臭いについては、例えば、特許文献1には、大豆油コーン油、エゴマ油等、更にはこれらのエステル交換油などの臭気を有する油脂を含有する油脂組成物中に、脱臭工程を経て製造された焙煎油を、芳香がしない程度の濃度で含有させることにより、臭気を有する油脂自体が有する臭気と焙煎油の風味を同時に抑制する方法などを開示している。

概要

植物油に特有の臭いを安定して低減可能な植物油の臭い緩和方法を提供する。植物油に、n−3系多価不飽和脂肪酸含有油を混合して充填用植物油を得ること、前記充填用植物油を、逆止弁付き容器充填すること、を含む、植物油の臭い緩和方法。

目的

従って、本開示の目的は、植物油に特有の臭いを安定して緩和可能な植物油の臭い緩和方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

植物油に、n−3系多価不飽和脂肪酸含有油を混合して充填用植物油を得ること、前記充填用植物油を、逆止弁付き容器充填すること、を含む、植物油の臭い緩和方法

請求項2

充填用植物油の溶存酸素量が11mg/L以下である請求項1記載の臭い緩和方法。

請求項3

n−3系多価不飽和脂肪酸含有油の過酸化物価(POV)が1.0meq/kg以下である請求項1又は請求項2記載の臭い緩和方法。

請求項4

逆止弁付き容器が遮光型容器である請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の臭い緩和方法。

請求項5

n−3系多価不飽和脂肪酸含有油が、脱臭処理済み油である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の臭い緩和方法。

請求項6

n−3系多価不飽和脂肪酸含有油が、魚油及び微生物油からなる群より選択される少なくとも1種の生物油由来する請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の臭い緩和方法。

請求項7

n−3系多価不飽和脂肪酸含有油における飽和脂肪酸含有率が、全脂肪酸全重量に対して30重量%以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の臭い緩和方法。

技術分野

0001

本開示は、植物油の臭い緩和方法に関する。

背景技術

0002

植物油の中には、ゴマ油オリーブ油エゴマ油アマニ油等のように、特有の強い臭いを有するものが知られている。また、光、熱等によって劣化し、特有の臭いに加えて、不快な臭いが生じることがある。このことから、植物油については、風味の点から、食用としての用途が制限されることがある。

0003

このような植物油の原料由来する不快な臭いについては、例えば、特許文献1には、大豆油コーン油、エゴマ油等、更にはこれらのエステル交換油などの臭気を有する油脂を含有する油脂組成物中に、脱臭工程を経て製造された焙煎油を、芳香がしない程度の濃度で含有させることにより、臭気を有する油脂自体が有する臭気と焙煎油の風味を同時に抑制する方法などを開示している。

先行技術

0004

国際公開第2009/028483号パンフレット

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、植物油には、大豆油等の不快な臭いを有する油脂以外にも、特有の臭いを有する油脂が存在し、そのような油脂の臭いを抑える方法はこれまで十分に検討されていなかった。
このため、植物油の臭い緩和としては、いまだ充分とはいえず、風味の点で消費者食用油に対する高い要求を満たすには改良の余地がある。

0006

従って、本開示の目的は、植物油に特有の臭いを安定して緩和可能な植物油の臭い緩和方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本開示は以下を含む。
[1]植物油に、n−3系多価不飽和脂肪酸含有油を混合して充填用植物油を得ること、前記充填用植物油を、逆止弁付き容器充填すること、を含む、植物油の臭い緩和方法。
[2] 充填用植物油の溶存酸素量が11mg/L以下である請求項1記載の臭い緩和方法。
[3] n−3系多価不飽和脂肪酸含有油の過酸化物価(POV)が1.0meq/kg以下である[1]又は[2]記載の臭い緩和方法。
[4] 逆止弁付き容器が遮光型容器である[1]〜[3]のいずれか1に記載の臭い緩和方法。
[5] n−3系多価不飽和脂肪酸含有油が、脱臭処理済み油である[1]〜[4]のいずれか1に記載の臭い緩和方法。
[6] n−3系多価不飽和脂肪酸含有油が、魚油及び微生物油からなる群より選択される少なくとも1種の生物油に由来する[1]〜[5]のいずれか1に記載の臭い緩和方法。
[7] n−3系多価不飽和脂肪酸含有油における飽和脂肪酸含有率が、全脂肪酸全重量に対して30重量%以下である[1]〜[6]のいずれか1に記載の臭い緩和方法。

発明の効果

0008

本開示によれば、植物油に特有の臭いを安定して緩和可能な植物油の臭い緩和方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

図1は、一実施形態に係る容器詰植物油の概略断面図であって、本体と内層体とが近接した状態から離間した状態を示す図である。

0010

本開示における植物油の臭い緩和方法は、植物油に、n−3系多価不飽和脂肪酸含有油を混合して充填用植物油を得ること、得られた充填用植物油を、逆止弁付き容器に充填することを含む、植物油の臭い緩和方法である。

0011

本開示の植物油の臭い緩和方法は、上記構成とすることにより、植物油に特有の臭いを安定して緩和することができる。
すなわち、本発明者は、植物油の臭いを保存期間にわたって安定して緩和するために、n−3系多価不飽和脂肪酸含有油と混合した後に逆止弁付き容器に充填することが意外にも有効であることを見出した。本開示の植物油の緩和方法は、この知見に基づくものである。
本明細書において、充填用植物油を逆止弁付き容器に充填して得られる製品を、「容器詰植物油」と称することがある。

0012

本方法による植物油の臭いの緩和の機構については充分に解明されていない。本明細書では、保存後の容器詰植物油において、植物油に特有の臭いが認知されない程度であることを、「臭いを緩和する」と表現する。

0013

本開示における「植物油に特有の臭い」等との表現における「特有の臭い」とは、供給源の種類に依存した不快と感じる臭いを意味する。具体的には、ゴマ由来の特有の臭い又は焙煎臭、オリーブ由来の特有の臭い、エゴマアマニ由来の特有の青くさい臭いが挙げられる。

0014

用語「油」又は「油脂」とは、本明細書では、トリグリセリドのみを含む油と、トリグリセリドを主成分とし、ジグリセリドモノグリセリドリン脂質コレステロール遊離脂肪酸等の他の脂質が含まれている油も含む。「油」又は「油脂」は、これらの脂質を含む組成物を意味する。

0015

用語「脂肪酸」には、遊離飽和若しくは不飽和脂肪酸それら自体だけでなく、遊離の飽和若しくは不飽和脂肪酸、飽和若しくは不飽和脂肪酸アルキルエステル、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、リン脂質、ステリルエステル等中に含まれる構成単位としての脂肪酸も含まれ、構成脂肪酸とも言い換えられ得る。本明細書において、特に断らない限り、又は特に示さない限り、存在する若しくは使用する脂肪酸に関して言及する場合、如何なる形態の脂肪酸含有化合物の存在又は使用も含まれる。脂肪酸を含む化合物の形態としては、遊離脂肪酸形態、脂肪酸アルキルエステル形態、グリセリルエステル形態、リン脂質の形態、ステリルエステル形態等を挙げることができる。ある脂肪酸が特定された場合、ひとつの形態で存在してもよく、2つ以上の形態の混合物として存在してもよい。

0016

脂肪酸を表記する際に、炭素数二重結合の数及び二重結合の場所を、それぞれ数字アルファベットを用いて簡略的に表した表現を用いることがある。例えば、炭素数20の飽和脂肪酸は「C20:0」と表記され、炭素数18の一価不飽和脂肪酸は「C18:1」等と表記され、ドコサヘキサエン酸(DHA)は「C22:6,n−3」等と表記される。ここで、「n−3」はω−3としても表記されるが、これは、最後の炭素(ω)からカルボキシに向かって数えたときの最初の二重結合の結合位置が3番目であることを示す。この方法は当業者には周知であり、この方法に従って表記された脂肪酸については、当業者であれば容易に特定することができる。脂肪酸の炭素数は、構成脂肪酸の炭素数を意味する。

0017

本明細書において組成物中の脂肪酸の含有率は、特に断らない限り、脂肪酸組成に基づいて決定する。脂肪酸組成は、常法に従って求めることができる。具体的には、測定対象となる組成物中の脂肪酸が脂肪酸低級アルキルエステル以外の場合には、測定対象となる脂肪酸を、低級アルコール触媒を用いてエステル化して得た脂肪酸低級アルキルエステルを用いる。測定対象となる組成物中の脂肪酸が脂肪酸低級アルキルエステルの場合には、測定対象の脂肪酸をそのまま用いる。次いで、得られた脂肪酸低級アルキルエステルを試料として、ガスクロマトグラフィーを用いて分析する。得られたガスクロマトグラフィーのチャートにおいて各脂肪酸に相当するピークを同定し、Agilent ChemStation積分アルゴリズムリビジョンC.01.03[37]、Agilent Technologies)を用いて、各脂肪酸のピーク面積を求める。ピーク面積とは、各種脂肪酸を構成成分とする油脂をガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー水素炎イオン化検出器TLC/FID)等を用いて分析したチャートのそれぞれの成分のピーク面積の全ピーク面積に対する割合(面積%)であり、そのピークの成分の含有比率を示すものである。上述の測定方法により得られた面積%による値は、試料中の脂肪酸の合計重量に対する各脂肪酸の重量%による値と同一として互換可能に使用できる。日本油化学会(JOCS)制定 基準油脂分析試験法 2013版 2.4.2.1−2013 脂肪酸組成(FID恒温ガスクロマトグラフ法)及び、同2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)を参照のこと。本明細書では、便宜上「重量%」として表記する。

0018

本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また本明細書において数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。

0019

本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。本明細書において、パーセントに関して「以下」又は「未満」との用語は、下限値を特に記載しない限り、0%又は、現状の手段では検出不可の値を含む範囲を意味する。

0020

本開示に係る臭い緩和方法は、植物油に、n−3系多価不飽和脂肪酸含有油を混合して充填用植物油を得ること(以下、混合工程という)、前記充填用植物油を、逆止弁付き容器に充填すること(以下、充填工程という)を含み、必要に応じて他の工程を含む。

0021

混合工程では、植物油に、n−3系多価不飽和脂肪酸含有油を混合して、充填用植物油が得られる。すなわち、充填用植物油は、植物油と、n−3系多価不飽和脂肪酸含有油と、を含む。本開示では、n−3系多価不飽和脂肪酸含有油を、単に「(n−3)PUFA含有油」と称する場合がある。

0022

本明細書における植物油とは、起源を植物とするものであって、炭素数20以上の多価不飽和脂肪酸を含まないものを意味する。「炭素数20以上の多価不飽和脂肪酸を含まない」とは、植物油における炭素数20以上の不飽和脂肪酸の含有率が、例えば0.01重量%以下、又は測定機器測定限界以下であることを意味する。
植物油としては、具体的には、大豆油、菜種油綿実油サフラワー油ヒマワリ油米油、コーン油、落花生油紅花油、ヤシ油パーム油、オリーブ油、亜麻仁油ナッツ油、ココナッツ油カメリア油、エゴマ油、ゴマ油、太白ゴマ油からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。植物油の中でも、オリーブ油、ゴマ油、エゴマ油、太白ゴマ油等が好ましく、特有の臭いを強く発する傾向にあるオリーブ油、ゴマ油及び太白ゴマ油からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
植物油は、いずれの採取方法で得られた植物油であってもよい。

0023

本明細書におけるn−3系多価不飽和脂肪酸とは、炭素数が20以上かつ二価以上のn−3系多価不飽和脂肪酸を意味する。(n−3)PUFA含有油に含まれるn−3系多価不飽和脂肪酸は、炭素数20以上かつ三価以上のn−3系多価不飽和脂肪酸を含むことができ、例えば、炭素数20以上22以下のn−3系多価不飽和脂肪酸を挙げることができる。n−3系多価不飽和脂肪酸としては、具体的には、エイコサテトラエン酸(ETA)(C20:4,n−3)、エイコサペンタエン酸(EPA)(C20:5,n−3)、ドコサペンタエン酸DPAn−3)(C22:5,n−3)、ドコサヘキサエン酸(DHA)(C22:6,n−3)等を挙げることができ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのn−3系多価不飽和脂肪酸は、機能性が高いだけでなく、植物油の臭い緩和効果持続性が高い。

0024

(n−3)PUFA含有油は、所望される機能性の点で、DHA、EPA又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。(n−3)PUFA含有油がDHA、EPA又はこれらの組み合わせを含む場合、(n−3)PUFA含有油は、他のn−3系多価不飽和脂肪酸及び他の多価不飽和脂肪酸からなる群より選択された少なくとも1種を更に含むものであってもよい。

0025

(n−3)PUFA含有油の起源には、植物油を含まない以外には特に制限はなく、魚類等の水産物原料油、微生物に由来する微生物油等の生物油であることができる。(n−3)PUFA含有油としては、n−3系多価不飽和脂肪酸を高含有率で含み得る魚油及び微生物油からなる群より選択される少なくとも1種の生物油に由来することが好ましい。生物油とは、バイオマスを起源として得られたもの意味する。水産物原料油とは、などを起源として得られた油を意味する。生物油は、遺伝子組換え体に由来する生物油であってもよい。「バイオマス」という用語は、所定の領域又は生態系で成長した所定の時点の個体、細胞集合物又は塊を指す。

0026

水産物原料油としては、魚類、甲殻類、又は海産動物に含まれる油脂、リン脂質、ワックスエステルなどを含む脂質が例示される。水産原料油としては、ニシン(herring)、イワシ(sardine)、カタクチイワシ(anchovy)、メンヘーデン(menhaden)、ピルチャード(pilchard)、サンマ(saury)、マグロ(tuna)、カツオ(bonito)、メルルーサ(hake)、ナマズ(catfish)、カラフトシシャモ(capelin)、タイセイヨウアカウオ(red fish)、ホワイトフィッシュ(white fish)、サバ(mackerel)、アジ(jack mackerel)、ブリ(yellowtail)、イカナゴ(sand eel)、ビブ(pout)、サケ(salmon)、ポラック(pollock)、タラ(cod)、オヒョウ(halibut)、マス(trout)、ブルーホワイトニング(blue whitening)、スプラットイワシ(sprat)、サメ(shark)、ドッグフィッシュ(dogfish)等の魚類由来の油、イカ(squid)、二枚貝(clam)、アワビ(abalone)等の軟体動物由来の油、オキアミ(krill)等の甲殻類由来の油、及びアシカ(seal)、アザラシ(sealion)、オットセイ(sea bear)、セイウチ(warlus)等の動物由来の油、並びにこれらの油の混合物である。

0027

微生物油としては、微生物に含まれる油脂、リン脂質、ワックスエステルなどを含む脂質が例示される。微生物としては、脂質生産微生物又は脂質生産可能微生物であればよく、藻類(algae)、真菌細菌類(bacteria)、菌類(fungi)及びストラメノパイルを挙げることができる。
藻類としては、ラビリンチュラ(Labyrinthulamycota)属、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)等を挙げることができる。
真菌としては、ヤロウィア属カンジダ属サッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、ピキア属等を挙げることができる。
細菌類としては、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、バチルス(Bacillus)、エスシェリキア(Escherichia)、シュードモナス(Pseudomonas)、放線菌(Actinomyces)等を挙げることができる。

0028

菌類としては、モルティエレラ(Mortierella)属、コニディボラス(Conidiobolus)属、フィチウム(Pythium)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリューム(Penicillium)属、クラドスポリューム(Cladosporium)属、ムコール(Mucor)属、フザリューム(Fusarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ロードトルラ(Rhodotorula)属、エントモフトラ(Entomophthora)属、エキノスポランジウム(Echinosporangium)属、及びサプロレグニア(Saprolegnia)属からなる群より選択される少なくとも1種を挙げることができる。なかでも、モルティエレラ(Mortierella)属に属する微生物が更に好ましい。モルティエレラ属に属する微生物としては、例えば、モルティエレラ・エロガタ(Mortierella elongata) 、モルティエレラ・エキシグア(Mortierella exigua)、モルティエレラ・ヒグロフィラ(Mortierella hygrophila) 、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)等のモルティエレラ亜属に属する微生物を挙げることができる。

0029

(n−3)PUFA含有油におけるn−3系多価不飽和脂肪酸は、遊離脂肪酸形態、脂肪酸エチルエステル脂肪酸メチルエステル等の脂肪酸アルキルエステル形態、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド等のグリセリルエステル形態、リン脂質の形態、ステリルエステル形態などとして、(n−3)PUFA含有油中に存在していてもよい。

0030

(n−3)PUFA含有油におけるn−3系多価不飽和脂肪酸の含有率は、n−3系多価不飽和脂肪酸が有する機能による利益を効率よく得る観点から、(n−3)PUFA含有油の全脂肪酸の全重量に対して、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、又は98重量%以上とすることができる。(n−3)PUFA含有油におけるn−3系多価不飽和脂肪酸の含有比率が高いほど、臭い緩和効果による利益が大きくなる。

0031

(n−3)PUFA含有油における飽和脂肪酸の含有率は、充填用植物油の製造工程及び流通時、保管時の沈殿物の発生抑制、充填用植物油のにごり防止等の観点から、(n−3)PUFA含有油における全脂肪酸の全重量に対して、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は2重量%以下とすることができる。(n−3)PUFA含有油における飽和脂肪酸の含有比率が低いほど、沈殿物の発生が抑制されるため、製品間における又は使用時におけるPUFA含有量のばらつきを少なくすることができ、また、充填用植物油のにごりが抑制されて良好な外観が維持できる。

0032

(n−3)PUFA含有油における炭素数18以下の飽和又は不飽和脂肪酸の含有率は、沈殿物の発生抑制、にごりの抑制等の観点から、(n−3)PUFA含有油における全脂肪酸の全重量に対して、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は2重量%以下とすることができる。(n−3)PUFA含有油における飽和脂肪酸の含有比率が低いほど、沈殿物の発生が抑制されて製品間における又は使用時におけるPUFA含有量のばらつきを少なくすることができ、また、充填用植物油のにごりが抑制されて良好な外観が維持できる。

0033

(n−3)PUFA含有油の過酸化物価(POV)は、1.0meq/kg以下であってもよい。POVが1.0meq/kg以下の低POV−PUFA含有油とすることによって、植物油に特有の臭いをより安定して緩和することができ、不快な臭いの発生をより抑えることができる。(n−3)PUFA含有油のPOVは、臭い緩和効果の持続性の観点から、0.8meq/kg以下であることが好ましく、0.5meq/kg以下であることがより好ましい。POVは、日本油化学会(JOCS)制定 基準油脂分析試験法 2013版 2.5.2.1に従って決定する。POVが1.0meq/kg以下である(n−3)PUFA含有油は、少なくとも脱臭処理を含む所定の精製処理によって得ることができる。これについては、後述する。

0034

(n−3)PUFA含有油は、臭い緩和効果の持続性の点で、脱臭処理済み油であることが好ましい。脱臭処理済み油であることは、官能評価によって臭いが抑制されていることが確認できる。

0035

(n−3)PUFA含有油は、n−3系多価不飽和脂肪酸を含む生物油に由来する未精製油を用意すること(以下、「未精製油用意工程」という)、用意された未精製油に対して、少なくとも脱臭処理を含む精製処理を行うこと(以下、「精製工程」という)によって、得ることができる。

0036

未精製油を用意する工程において用意される未精製油は、少なくとも1種のn−3系多価不飽和脂肪酸を含む生物油に由来する未精製油であれば、別途入手した未精製油であってもよく、本工程に用いるために原材料から直接製造したものであってもよい。未精製油は、トリグリセリド形態のn−3系多価不飽和脂肪酸を含有するものであってよく、脂肪酸アルキルエステル形態のn−3系多価不飽和脂肪酸を含有するものであってもよい。また、未精製油は、生物油から抽出した後に精製処理を行っていない粗油であってもよく、一部のみ精製処理を行ったものであってもよい。生物油については、前述した事項をそのまま適用できる。生物油としては、好ましくは魚油及び微生物油からなる群より選択される少なくとも1種の生物油を用いることができる。

0037

精製工程では、未精製油に対して、少なくとも脱臭処理を含む精製処理を行い、(n−3)PUFA含有油を得る。脱臭処理を行う脱臭工程は、精製処理の最終段階で通常行われる。精製処理では、一般に、脱ガム工程、脱酸工程、及び脱色工程をこの順で含み、脱色後工程の後に脱臭工程が実施される。なお、精製工程では、水洗工程を含んでもよい。

0038

脱ガム工程では、リン酸クエン酸等の有機酸又は熱水などを用いて、リン脂質を主体とするガム質及び水和物質微量金属等を除去する。脱酸工程では、水酸化ナトリウム等のアルカリを用いて、油中の遊離脂肪酸等を除去する。脱色工程では、活性白土等を用いて着色物質酸化物質酸化促進物質等を吸着させて除去する。これらの工程における処理は、それぞれ、当該技術分野において通常用いられる方法により行うことができる。

0039

脱臭工程では、高温高真空下で揮発性物質を除去する。脱臭方法としては、分子蒸留短行程蒸留水蒸気蒸留等がある。これらの脱臭工程を行うことによって、n−3系多価不飽和脂肪酸含有油のPOVを低下させた低POV−(n−3)PUFA含有油を得ることができる。なかでも、原料中の臭気成分を効率よく除去できる点で、脱臭処理は、水蒸気蒸留で行うことが好ましい。所望のPOVのn−3系多価不飽和脂肪酸含有油を確実にかつ効率よく得る観点から、水蒸気蒸留は、常圧又は100mmHg以下の減圧下において、120〜200℃の温度及び圧力条件で、水蒸気を吹き込みながら行うことが好ましい。水蒸気蒸留によって脱臭処理を行うことにより、植物油に由来する臭いを長期安定して緩和することができる。

0040

精製工程では、更に、アルキルエステル化工程を含むものであってもよい。アルキルエステル化工程では、処理対象の未精製油又は精製油を、低級アルコールを用いたアルコール分解により、低級アルキルエステルに分解する。低級アルコールとしては、脂肪酸のアルキルエステル化に一般的に用いられるもの、例えば、炭素数1〜3の低級アルコールが挙げられる。アルコール分解は原料油に、低級アルコール例えばエタノールと触媒又は酵素を加えて反応させ、グリセリンに結合した脂肪酸からエチルエステルを生成させるものである。触媒としては、アルカリ触媒酸触媒などを用いる。酵素としてはリパーゼが用いられる。

0041

精製工程は、更に濃縮処理を含むことができる。濃縮処理を行うことにより、より高い濃度でn−3系多価不飽和脂肪酸を含有する(n−3)PUFA含有油を得ることができる。濃縮処理としては、ウィンタリング処理、酵素処理等を挙げることができる。

0042

更に、n−3系多価不飽和脂肪酸が脂肪酸アルキルエステル形態である場合には、濃縮処理として、蒸留精留カラムクロマトグラフィー低温結晶化法、尿素包接法、液々向流分配クロマトグラフィー等を、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。蒸留又は精留とカラムクロマトグラフィー又は液々向流分配クロマトグラフィーとの組み合わせが好ましい。

0043

例えば、精留を用いる場合、精留工程としては、蒸留塔塔頂部の圧力を10mmHg(1333Pa)以下の減圧とし、塔底温度を165℃〜210℃、好ましくは170℃〜195℃とする条件で蒸留することが、熱による脂肪酸の変性を抑え、精留効率を高める点で好ましい。蒸留塔の塔頂部の圧力は、低いほどよく、0.1mmHg(13.33Pa)以下であることがより好ましい。塔頂部の温度については特に制限はなく、例えば、160℃以下とすることができる。

0044

カラムクロマトグラフィーとしては逆相分配系のカラムクロマトグラフィーが好ましい。逆相カラムクロマトグラフィーとしては、当業界で公知の逆相カラムクロマトグラフィーを挙げることができ、特にオクタデシルシリル基ODS)で修飾された基材固定相とした高速液体クロマトグラフィーHPLC)が好ましく挙げられる。

0045

混合工程では、用意された(n−3)PUFA含有油と、植物油とを混合して、充填用植物油を得る。混合方法は、特に制限はないが、蓋付撹拌タンク等を用いて各配合成分が均一になるまで混合することが好ましい。混合は、一度に行ってもよく、連続的に行ってもよい。なお、各成分の混合比率又は配合比率油組成物中の含有比率とは、ほぼ同視することができる。

0046

充填用植物油における、(n−3)PUFA含有油と植物油との含有比率は、重量比で1:99〜80:20であることが好ましく、5:95〜65:35であることがより好ましく、10:90〜50:50であることが更に好ましい。n−3系多価不飽和脂肪酸含有油と植物油との含有比率がこの範囲内であれば、臭いの緩和効果を安定して持続させることができる。

0047

混合工程中又は混合工程後では、充填用植物油の溶存酸素量を低減させるために、窒素供給を行うことが好ましく、各配合成分を混合しながら供給を行うことが好ましい。これにより、油中の溶存酸素量を迅速かつ均一に低減することができる。窒素供給の供給速度は、2L/分〜20L/分であることが好ましく、5L/分〜15L/分であることがより好ましい。この範囲とすることにより、後述する所望の範囲の溶存酸素量の充填用植物油を効率よく得ることができる。

0048

充填用植物油における(n−3)PUFA含有油の含有率は、植物油の臭いを低減し、保存期間中も安定して臭いを抑える点で、充填用植物油の全重量に対して0.5重量%以上、1重量%以上、5重量%以上、又は10重量%以上であることが好ましい。また、(n−3)PUFA含有油の含有率の上限値は、99重量%以下、95重量%以下、又は90重量%以下とすることができる。油組成物における(n−3)PUFA含有油の含有率は、脂肪酸組成に基づいて、又は製品説明書中の配合量等に基づいて確認することができる。

0049

充填用植物油におけるn−3系多価不飽和脂肪酸の含有率は、植物油の臭い緩和効果の観点及びn−3系多価不飽和脂肪酸に期待される機能性の発揮の観点から、充填用植物油の全重量に対する下限値として0.5重量%以上、1重量%以上、5重量%以上とすることができ、一方、充填用植物油の全重量に対する上限値として99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、35重量%以下とすることができる。これらの上限値及び下限値は、(n−3)PUFA含有油中に含まれるn−3系多価不飽和脂肪酸の種類及び配合比等に基づいて、上述した範囲で適宜組み合わせることができる。

0050

例えば、(n−3)PUFA含有油に含まれるn−3系多価不飽和脂肪酸として、DHA、EPA又はこれらの組み合わせを用いる場合、DHA及びEPAの合計は、充填用植物油全重量に対して、0.5重量%〜50重量%、1重量%〜40重量%、又は5重量%〜35重量%とすることができる。

0051

充填用植物油における植物油の含有率は、充填用植物油の全重量に対する下限値として1重量%以上、5重量%以上、又は10重量%以上とすることができ、一方、充填用植物油の全重量に対する上限値として99.5重量%以下、99重量%以下、95重量%以下、又は90重量%以下とすることができる。これらの上限値及び下限値は、低POV−(n−3)PUFA含有油中に含まれるn−3系多価不飽和脂肪酸の種類及び配合比等に基づいて、上述した範囲で適宜組み合わせることができる。

0052

充填用植物油の溶存酸素量は、臭い抑制効果の持続性の点で、11mg/L以下であることが好ましく、10mg/L以下であることがより好ましく、9mg/L以下であることがより好ましい。溶存酸素量は、ポータブルマルチメーター「HQ40d」(HACH社製)を用い、品温25℃で測定した値とする。

0053

充填用植物油は、追加の配合成分として香料を含むことができる。例えば、植物油としてゴマ油を使用し、逆止弁付き容器として非遮光型容器を用いる場合に、供給源に由来する臭いの低減効果の持続性の点で、充填用植物油にゴマ油を含む容器詰植物油が特に好ましい。
充填用植物油に添加可能な香料には、バジルローズマリー、ディル、タイムセージクミンキャラウェイオレガノラベンダー等のハーブレモン等の柑橘類ニンニクネギシソショウガトウガラシ胡椒ナツメグ等の香辛料抽出物又は香料などを挙げることができる。

0054

充填用植物油中の香料の含有率は、特に制限はなく、所望の香りづけの観点から適宜設定することができ、例えば、充填用植物油中の香料の含有率は、充填用植物油の全重量に対して0.1重量%以上、0.5重量%以上、又は1.0重量%以上とすることができる。
特有の香りを有する植物油、例えばゴマ油等を用いる場合には、植物油と組み合わせる香料の含有率を適宜変更することができる。例えば、植物油としてゴマ油のみを用いる場合には、ゴマ油由来の香りが付与されるため、香料を特に含まなくてもよく、含む場合には、(n−3)PUFA含有油と香料との含有比率、すなわち(n−3)PUFA含有油:香料として、重量比で10:0.002〜10:0.3とすることができる。植物油としてゴマ油とゴマ油以外の植物油とを混合したゴマ油の含有率が例えば50質量%までの混合植物油の場合、又はゴマ油以外の植物油のみを用いる場合には、(n−3)PUFA含有油:香料は、重量比で10:0.1〜10:0.5であることが好ましい。(n−3)PUFA含有油と香料との含有比率がこの範囲内であれば、香料特有の味又は香りを適度に付与して、植物油特有のにおいを更に低減させ、かつ、食味を向上させるという利点が得られ得る。

0055

充填用植物油は、(n−3)PUFA含有油及び植物油の機能又は本開示に係る充填用植物油の機能を損わない範囲で、追加の配合成分を含むことができる。追加可能な他の配合成分としては、アスコルビン酸パルミテート、ゴマ油残渣抽出物等の酸化防止剤甘味料pH調整剤増粘剤乳化剤醤油味噌等の各種調味料香味食材又は各種野菜のおろし、ペースト状物裁断物等の具材粉砕物などを挙げることができる。

0056

充填工程では、充填用植物油が、逆止弁付き容器に充填される。充填方法は特に制限はなく、通常用いられる自動充填機を用いて行うことができる。充填後は、逆止弁付き容器を密封する。これにより、本開示に係る植物油の臭い緩和方法を実現可能な容器詰植物油が得られる。

0057

本方法に適用可能な逆止弁付き容器を、充填後の容器詰植物油を示す図1を用いて説明する。図1には、一実施形態に係る容器詰植物油10の、本体14と内層体16とが近接した状態から離間した状態が示されている。容器詰植物油10は、逆止弁付き容器12と、逆止弁付き容器12の内部の内層体16に収容された充填用植物油26とを有している。

0058

逆止弁付き容器12は、略有底円筒状の本体14と、本体14の内部に収容された内層体16とを備えている。本体14及び内層体16の材質については、特に制限はなく、通常、この用途に用いられる材質、構造等を備えているものであればよい。例えば、本体14は、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂で構成され、内層体16は、本体14に対して相溶性のないポリアミド系樹脂又はエチレンビニルアルコール共重合体で構成されている。

0059

本体14は、いわゆるデラミボトルであり、内層体16を収容した二重構造となっている。
本体14は、内層体16の内部の収容空間18に充填用植物油26を充填するための、又は収容空間18に充填された充填用植物油26を排出するための開口部15を備えており、開口部15の周辺で本体14と内層体16の開口部20とが一体化されている。本体14の開口部15には、蓋部22が、ネジ構造によって着脱自在に装着されている。

0060

蓋部22は、開口部20に装着されたときに、内層体16の開口部20を封止可能な位置に逆止弁24を備えている。逆止弁24の一端は、内部の圧力に応じて開閉可能な状態で蓋部22に設けられている。逆止弁24は、本体14内部から外側へ開放して充填用植物油26を排出可能とし、その際に、外側から空気等の侵入を抑止する逆止機構となっている。逆止弁24は、内層体16の内側から開口部20を介して外側へ圧力が付加されていないときは、開口部20を閉止状態に維持する。

0061

内層体16は、本体14と同様に、全体が有底円筒状を有し、本体14とほぼ同じ大きさのボトル形状から構成されている。内層体16は、充填用植物油26が満充填された状態であって、蓋部22の逆止弁24によって空気が侵入しない状態が維持されている。このように充填用植物油26が満充填しているときは、逆止弁付き容器12内の収容空間18において、本体14と内層体16とが接触した状態となる(実線で示す)。

0062

収容空間18内の充填用植物油26を排出するときに本体14が押圧されると、本体14と共に内層体16が押しつぶされる(図1、矢印方向)。内層体16が押しつぶされることによって、収容空間18内の充填用植物油26が、逆止弁24を内側から押し開け、開口部20から外側へ排出される。本体14へ付加された圧力が解除されると、開口部20からの充填用植物油26の排出が停止し、これに伴い逆止弁24が閉止状態となる。このとき空気が侵入しないため、内層体16が押しつぶされた状態のまま、排出後の残された充填用植物油26が満たされた状態となる(破線で示す)。本体14は、圧力の解除と共に元の形状に復帰することに伴い、内層体16は本体14から更に離間し、内層体16と本体14との間の空間が生じる。

0063

逆止弁付き容器12の形状については、充填用植物油26を収容し、開口部20から排出が可能であれば特に制限はない。逆止弁24は、充填用植物油26を排出するときに開口部20を開放状態とし、また、非排出時には閉止状態とすることができれば、形状、材質等に特に制限はない。逆止弁付き容器12は、開口部20に逆止弁24を有することにより、開口部20から収容空間18に空気等が侵入することを抑制することができる。

0064

逆止弁付き容器12は、遮光型容器であってよい。遮光型容器とすることによって、収容空間18内における充填用植物油26の光劣化を抑制することができる。遮光型容器は、紫外光可視光赤外光などの光が収容空間18内に透過することを抑制可能であればよい。例えば、本体14の周囲に遮光フィルムを有する遮光フィルム付き容器、本体14及び内層体16の少なくとも一方が光反射剤又は光吸収剤を含む遮光容器、本体14及び内層体16の少なくとも一方が着色されている着色容器等を挙げることができる。なお、遮光フィルム又は遮光容器は、着色フィルム又は着色遮光容器であってもよい。

0065

充填用植物油26は、風味の観点から、例えば、以下の配合成分の組み合わせを含むことができる:
(i)EPA及びDHAの少なくとも一方を含む(n−3)PUFA含有油と、オリーブ油;
(ii)EPA及びDHAの少なくとも一方を含む(n−3)PUFA含有油と、ゴマ油;
(iii)EPA及びDHAの少なくとも一方を含む(n−3)PUFA含有油と、オリーブ油及びゴマ油;
(iv)EPA及びDHAの少なくとも一方を含む(n−3)PUFA含有油と、オリーブ油と、香料;
(v)EPA及びDHAの少なくとも一方を含む(n−3)PUFA含有油と、ゴマ油と、香料;又は、
(vi)EPA及びDHAの少なくとも一方を含む(n−3)PUFA含有油と、オリーブ油及びゴマ油と、香料。

0066

充填用植物油26を逆止弁付き容器12に充填した後に得られる容器詰植物油10としては、風味の観点から、例えば、以下の組み合わせとすることが好ましい:
(I)上記(i)、(iii)〜(vi)のいずれかの充填用植物油と、非遮光型容器;
(II)上記(i)〜(vi)のいずれかの充填用植物油と、遮光フィルム付き容器;
(III)上記(i)〜(vi)のいずれかの充填用植物油と、遮光容器;又は、
(IV)上記(i)〜(vi)のいずれかの充填用植物油と、着色容器。
なかでも、(II)〜(IV)の容器詰植物油であることが好ましい。

0067

本方法が適用された容器詰植物油は、植物油の臭い緩和効果を持続可能な成分として、機能性に富むn−3系多価不飽和脂肪酸を含むため、n−3系多価不飽和脂肪酸の機能性を備えた機能性容器詰植物油として好ましく用いることができる。

0068

例えば、n−3系多価不飽和脂肪酸としてEPA及びDHAの少なくとも一方を含む場合、抗炎症末梢への酸素運搬機能回復血小板凝集作用の減弱による抗凝固能;eNOSを介した血管拡張作用血管内皮機能改善;心拍出量増加;不整脈抑制(抗不整脈);心筋細胞Naチャネル抑制若しくはNa/Ca交換機構の抑制;酸素利用効率エクササイズエコノミー)の向上;認知機能向上基礎代謝向上及び内臓脂肪低下;血中中性脂肪値低下作用抗酸化能アテローム性動脈硬化症進展抑制若しくは動脈硬化プラークの安定化作用:インスリン抵抗性改善作用血圧低下作用;精神的安定化作用;小児の眼、脳若しくは神経機能発達促進作用病気の予防若しくは改善作用イヌ又はネコの眼、脳若しくは神経機能の発達促進作用などの機能の発揮が期待される。予防若しくは改善作用の対象となり得る疾病には、ドライアイ黄斑変性うつ病ADHD、統合失調症若しくは境界人格障害認知症性乾癬潰瘍性大腸炎クローン病慢性腎臓病がん関節リウマチ関節痛アレルギー性疾患血中脂質異常;心臓病高血圧症糖尿病月経痛の改善などが挙げられる。予防若しくは改善作用の対象となり得るイヌ又はネコの疾病には、血中脂質異常;肥満症;認知症;腎臓病;心臓病;アトピー性皮膚炎皮膚疾患動脈硬化症;不整脈;関節炎慢性炎症性疾患などが挙げられる。中でも、中性脂肪値の低減機能認知機能の一部である記憶力注意力判断力、空間認識力の維持等の認知機能の維持機能;スポーツ時の疲労感を感じ難くする機能、筋肉痛改善機能、筋肉負荷をかけた場合の痛みを感じ難くする機能、睡眠の質の改善機能、目覚め改善機能基礎代謝の亢進機能などを備えた、又はこれらの機能が期待される機能性容器詰植物油又は特定保健用食品として用いることができる。

0069

本開示が適用された機能性容器詰植物油を摂取させることにより、中性脂肪値の低減方法;認知機能の一部である記憶力、注意力、判断力、空間認識力の維持等の認知機能の低下抑制方法;スポーツ時の疲労感を感じ難くする方法、筋肉痛改善方法、筋肉に負荷をかけた場合の痛みを感じ難くする方法、睡眠の質の改善方法、目覚め改善方法;基礎代謝の亢進方法を提供することができる。

0070

これらの機能性容器詰植物油として用いる場合、有効成分であるn−3系多価不飽和脂肪酸を有効量で含有する充填用植物油と逆止弁付き容器とを備えた機能性容器詰植物油とすることができる。機能性容器詰植物油を機能発揮の目的で用いる場合には、期待される機能を発揮可能な量で食品に添加して摂取することができる。摂取量は、対象となる個体の改善目的の状態の程度、投与対象年齢、体重及び健康状態などの条件に応じて、適宜設定される。例えば、成人であれば成人一人あたり一日100mg〜3800mg、好ましくは260〜1300mgを、1日1回若しくは2〜4回、又はそれ以上に分割して、適宜間隔をあけて投与することができる。

0071

以下、本開示を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本開示はそれらに何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は質量(重量)基準である。
[実施例1]
(容器詰植物油1〜4)
精製魚油として、イワシ油を原料とし、脱ガム、脱酸、脱色を行い、リパーゼ(酵素)を用いた酵素処理で濃縮した後に、分子蒸留を行い、次いで、水蒸気蒸留による脱臭処理を行った精製魚油「DDオイルタイプ2B−S」(日本水産株式会社製)のうち、POVが0.1meq/kg〜0.3meq/kgのものを、精製魚油として用意した。精製魚油Aは、飽和脂肪酸20重量%以下、EPA28重量%以上、DHA12重量%以上、n−3系多価不飽和脂肪酸50重量%以上の組成比で、これらの各成分を含んでいた。

0072

精製魚油と、表1に示す各配合成分を表中に記載の含有率となる量で各原材料を蓋付き撹拌タンク(400kg)に投入に、窒素を15L/分の速度で供給しながら、溶存酸素が9.0mg/L以下になるまで15〜60rpmの速度で撹拌して混合し、各充填用植物油A〜Dをそれぞれ得た。溶存酸素量は、溶存酸素量はHACH製ポータブルマルチメーターHQ40dを用い、品温25℃で測定した。9mg/L以下になった時点で、窒素を5L/分で供給して上部を窒素シールした供給ホッパーに移した。

0073

表1中の各配合成分としては、以下を使用した。
オリーブ油:エクストラバージンオリーブ油(S)、原産国スペイン、カネダ株式会社
ごま油胡麻油228、本油脂株式会社
バジル:バジルフレーバーNHS−1677、長谷川香料株式会社
ニンニク:ガーリックフレーバー RSA68244、長岡香料株式会社
レモン:レモンオイルJL53631、小川香料株式会社
アスコルビン酸パルミテート:エアコート(登録商標)C、三菱化学フーズ株式会社
ゴマ油残渣抽出物:ゴマ油残渣抽出物PD1363S、長岡香料株式会社

0074

次いで、自動充填機(株式会社シバエンジニアリング製、MS−GS4)を用いて、遮光フィルム(株式会社フジシール製、乳白ベル遮光率99%以上)で本体全体を覆った逆止弁付き容器(100mL容、キョーラク株式会社製、ハクリボトル)に、充填用植物油A〜Dを100mLの量で充填し、密封し、容器詰植物油1〜4を得た。

0075

(容器詰植物油5〜6)
充填用植物油C又はDをそれぞれ、遮光フィルムを有しない逆止弁付き容器(100mL容、キョーラク株式会社製、ハクリボトル)に充填した以外は、容器詰植物油1と同様に行い、容器詰植物油5及び6を得た。

0076

(容器詰植物油7〜8)
充填用植物油C又はDをそれぞれ、遮光フィルム(株式会社フジシール製、乳白ラベル、遮光率99%以上)で本体全体を覆った逆止弁を有しないバイアル瓶(100mL容、日電理科硝子株式会社製、SV−100)に充填した以外は、容器詰植物油1と同様に行い、容器詰植物油7及び8を得た。

0077

(容器詰植物油9〜10)
表2に記載の配合に従って、精製魚油を含まない充填用植物油E〜Fを得た。充填用植物油E〜Fを、容器詰植物油1で用いた遮光型逆止弁付き容器に充填した以外は、容器詰植物油1と同様にして、容器詰植物油9〜10を得た。

0078

(容器詰植物油11〜12)
表2に記載の配合に従って、精製魚油を含まない充填用植物油E〜Fを得た。充填用植物油E〜Fをそれぞれ、遮光フィルム(株式会社フジシール製、乳白ラベル、遮光率99%以上)で本体全体を覆った逆止弁を有しないバイアル瓶(100mL容、日電理科硝子株式会社製、SV−100)に充填した以外は、容器詰植物油1と同様に行い、容器詰植物油11及び12を得た。

0079

<評価1:官能評価>
容器詰植物油1〜12を、製造直後に45℃の恒温槽暗所)に1週間保存した。この保存条件は、常温3ヵ月の保存に相当する。
製造直後と、1週間保存後にそれぞれ、においに関して、以下のように官能評価を行った。

0080

官能評価を行うパネリストには、特別に訓練され、植物油特有のにおい及び植物油のにおいの強弱を正しく識別でき、表現でき、かつ嗅覚に異常がないパネリスト4人を選抜した。選抜したパネリストに対しては、最初に、オリーブ油又はゴマ油特有のにおいについて、パネリスト間の評価が一致するよう事前に訓練を行った。
事前訓練は、オリーブ油としては、エクストラバージンオリーブ油(S)、原産国スペイン、カネダ株式会社を使用し、ごま油としては、胡麻油228、竹本油脂株式会社を使用し、精製魚油としては、DDオイルタイプ2B−S、日本水産株式会社を使用した。これらのオリーブ油及びごま油を用いて、植物油のにおい、テクスチャー及びコクに関する事前訓練を行った。事前訓練の評価基準の決定は以下のようにして決定した。

0081

(1)植物油のにおい
オリーブ油とごま油のそれぞれについて、以下の評価基準で官能評価を行った。評価は、以下の5段階評価とし、植物油特有のにおいについて、開封直後のオリーブ油又はごま油単体の評価を1点、オリーブ油又はごま油と精製魚油とを、98:2で混合した直後の評価を2点、95:5で混合した直後の評価を3点、85:15で混合した直後の評価を4点、65:35で混合した直後の評価を5点とし、この評価を、評価基準とした。混合比は、重量比である(以下、省略)。
5:特有の臭いが抑制されていることがはっきりとわかる
4:特有の臭いが抑制されていることがわかる
3:特有の臭いが感じられるが、不快ではない
2:特有の臭いが強い。
1:特有の臭いが非常に強い

0082

(2)テクスチャー
オリーブ油とごま油のそれぞれについて、口に含みに乗せた時に感じるテクスチャーを、以下の評価基準で評価を行った。舌にまとわりつくような濃厚感を感じるテクスチャーを「ベタつき」と表現した。評価は、以下の5段階評価とし、開封直後のオリーブ油又はごま油単体の評価を1点、オリーブ油又はごま油と精製魚油とを、98:2で混合した直後の評価を2点、95:5で混合した直後の評価を3点、85:15で混合した直後の評価を4点、65:35で混合した直後の評価を5点とし、この評価を、評価基準とした。
5:ベタつきが抑制されている
4:若干ベタつく
3:べたつくが、問題なく喫食できる。
2:ベタつきが強い。
1:ベタつきが非常に強い

0083

(3)コク
オリーブ油とごま油のそれぞれについて、口に含んだ後飲み込むまでの過程の中間から後半に、口の中全体や舌の上で感じられるコクを評価した。口の中全体や舌の上で感じられる味の複雑さ、奥行、厚みの組み合わせを「コク」と表現した。評価は、以下の5段階評価とし、開封直後のオリーブ油又はごま油単体の評価を1点、オリーブ油又はごま油と精製魚油とを、98:2で混合した直後の評価を2点、95:5で混合した直後の評価を3点、85:15で混合した直後の評価を4点、65:35で混合した直後の評価を5点とし、この評価を、評価基準とした。
5:喫食したときのコクがある
4:喫食したときのコクが若干弱い
3:喫食したときのコクがわずかに感じられる
2:喫食したときのコクがほとんど感じられない
1:喫食したときのコクがない

0084

次いで、容器詰植物油1〜12の評価を行った。容器詰植物油1〜12の評価は、食用油の配合や製法等の情報をパネリストに知らせず、絶対評価で評価を行った。評価項目は上記の5段階評価とした。結果を表1〜2に示す。

0085

0086

0087

表1及び表2に示されるように、植物油に特有のにおいは、精製魚油と組み合わせた充填用植物油とし、逆止弁付き容器に充填することによって、製造から1週間後であっても安定して緩和できることが示された(容器詰植物油1〜6)。この結果、容器詰植物油は、植物油に特有のにおいが低減されると共に、テクスチャー及びコクも良好な容器詰植物油であった。

0088

これに対して、植物油に対して精製魚油を組み合わせても、逆止弁付き容器に充填しなければ、ベタつきがなく、コクが感じられても、製造から1週間で既に植物油に特有のにおいが強く感じられた(容器詰植物油7〜8)。
また、植物油に対して精製魚油を組み合わせなかった充填用植物油では、逆止弁付き容器への充填の有無に拘わらず、べたつきが非常に強く、コクがなく、製造から1週間で既に植物油に特有のにおいが非常に強く感じられた(容器詰植物油9〜12)。

実施例

0089

このように本実施例に係る容器詰植物油は、保存後においても植物油のにおいを安定して緩和することができる。
本実施例に係る容器詰植物油はDHA及びEPAを含有しているので、保存後でも風味が良好な容器詰植物油の一成分として、DHA及びEPAを効果的に摂取することができ、DHA及びEPAによる各種機能の高い発揮が期待される。

0090

10容器詰植物油
12逆止弁付き容器
14 本体
16内層体
18 収容空間
20 開口部
22 蓋部
24逆止弁
26充填用植物油

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