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技術 フランジに付加質量体を持つ超音波振動子

出願人 有限会社UWAVE
発明者 大西一正
出願日 2017年10月10日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2017-207615
公開日 2019年5月9日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2019-069432
状態 未査定
技術分野 機械的振動の発生装置
主要キーワード イモネジ コレットナット フランジ位置 材料物性値 振動変位量 リアマス 付加質量体 振動変化
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

従来の超音波振動子とその駆動方法に比較して、超音波振動子に工具などを取り付けても超音波振動子の発熱量を小さくでき、かつ共振周波数の変化の小さい支持方法及び駆動方法を提供すること。

解決手段

超音波振動子1と付加質量体フランジで接続し、そしてそのフランジをハウジングで支持する。超音波振動子の中のフランジの上下面で挟まれた金属部と付加質量体の外周が超音波振動子の中心軸に平行な方向に互いに逆方向に振動させることにより、フランジ付近のフランジ3、付加質量体(ナット9)、ハウジングに振動の節を生成する。この結果、ハウジングに伝播する振動は小さくなる。つまり、拘束しない超音波振動子1の振動特性に近い状態と、新たに生み出す振動の節が、フランジ附近であることから、従来のフランジを拘束する方法に比較して大きく、平坦アドミッタンス特性になる。

概要

背景

従来、超音波振動子は、振動体である超音波振動子の内部に振動の節部を持ち、その節部附近を支持するためのフランジを設け、そしてフランジを支持する構成であった。この構成については非特許文献1に詳しく記述されている。

概要

従来の超音波振動子とその駆動方法に比較して、超音波振動子に工具などを取り付けても超音波振動子の発熱量を小さくでき、かつ共振周波数の変化の小さい支持方法及び駆動方法を提供すること。 超音波振動子1と付加質量体をフランジで接続し、そしてそのフランジをハウジングで支持する。超音波振動子の中のフランジの上下面で挟まれた金属部と付加質量体の外周が超音波振動子の中心軸に平行な方向に互いに逆方向に振動させることにより、フランジ付近のフランジ3、付加質量体(ナット9)、ハウジングに振動の節を生成する。この結果、ハウジングに伝播する振動は小さくなる。つまり、拘束しない超音波振動子1の振動特性に近い状態と、新たに生み出す振動の節が、フランジ附近であることから、従来のフランジを拘束する方法に比較して大きく、平坦アドミッタンス特性になる。

目的

本発明は、上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

超音波振動子の中の金属部と付加質量体フランジにより接続し、フランジを支持部材で支持することにより、超音波振動子の中のフランジの上下面で挟まれた金属部と付加質量体の外周が超音波振動子中心軸にほぼ平行な方向において互いに逆に振動させることを特徴とする超音波振動子の駆動方法

請求項2

超音波振動子の中に振動の節を有し、かつフランジ付近のフランジ、付加質量体またはハウジングに振動の節を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子の駆動方法。

請求項3

超音波振動子の中に振動の節を持たず、フランジ付近のフランジ、付加質量体またはハウジングに振動の節を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子の駆動方法。

請求項4

超音波振動子の中の金属部と付加質量体をフランジにより接続し、フランジを支持部材で支持する支持方法において、付加質量体の質量が超音波振動子の1/5以上、5倍以下とすることを特徴とするものである。

請求項5

超音波振動子の中の金属部と付加質量体をフランジにより接続し、フランジを支持部材で支持する支持方法において、付加質量体の質量を装着することによる共振周波数の変化が、超音波振動子の共振周波数の1%以下であることを特徴とするものである。

請求項6

超音波振動子の中の金属部と付加質量体をフランジにより接続し、フランジを支持部材で支持する支持方法において、フランジの形状を、付加質量体と超音波振動子を接続する長さLがフランジの厚さtの2倍以下、ハウジングの厚さHtより大きくすることを特徴とするものである。

請求項7

超音波振動子の中の金属部と付加質量体をフランジにより接続し、フランジを支持部材で支持する支持方法において、フランジと接続する超音波振動子の金属部、フランジそして付加質量体が同じ金属材料とすることを特徴とするものである。

技術分野

0001

本発明は、超音波振動子を支持するためのフランジに接続する付加質量体に関する。

背景技術

0002

従来、超音波振動子は、振動体である超音波振動子の内部に振動の節部を持ち、その節部附近を支持するためのフランジを設け、そしてフランジを支持する構成であった。この構成については非特許文献1に詳しく記述されている。

先行技術

0003

実吉純一他、「超音波技術便覧」、日刊工業新聞、昭和60年12月、p1028「圧電セラミック振動子電気的試験方法」、社団法人電子情報技術産業協会、2010年9月、p1〜p11岩田佳雄他、「機械振動学」、株式会社数理工学社、2011年5月、p112〜p119

発明が解決しようとする課題

0004

通常、超音波振動子は振動の節部付近に設けたフランジを支持部材で保持する。超音波加工装置に用いる超音波振動子には、様々な形状の工具が取り付けられる。そして、超音波振動子に工具を取付けることにより、超音波振動子の振動の節位置が変化してフランジの支持位置は振動の節位置と一致しなくなってくる。

0005

その場合、フランジは振動の節ではないため、フランジを支持部材で固く保持すると支持抵抗が大きくなり、かつ超音波振動子の振動が支持部材などに伝播してしまう。このため同じ電力を与えても超音波振動子の振動の節がフランジ位置から離れるに従い超音波振動子の発熱量が増大し、損出が大きくなってしまう。

0006

本発明は、上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、超音波振動子に工具などを取り付けても超音波振動子の発熱量を小さくでき、かつ共振周波数の変化の小さい支持方法及び駆動方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、超音波振動子の中の金属部と付加質量体をフランジにより接続し、フランジを支持部材で支持することにより、超音波振動子の中のフランジの上下面挟まれた金属部と付加質量体の外周が超音波振動子中心軸に平行な方向において互いに逆に振動させるものである。

0008

本発明はまた、超音波振動子の中の金属部と付加質量体をフランジにより接続し、フランジを支持部材で支持することにより、超音波振動子の中のフランジの上下面挟まれた金属部と付加質量体の外周が超音波振動子中心軸に平行な方向において互いに逆に振動し、そして超音波振動子の中に振動の節を有し、かつフランジ付近のフランジ、付加質量体またはハウジングに振動の節を有するものである。

0009

本発明はまた、超音波振動子の中の金属部と付加質量体をフランジにより接続し、フランジを支持部材で支持することにより、超音波振動子の中のフランジの上下面挟まれた金属部と付加質量体の外周が超音波振動子中心軸に平行な方向において互いに逆に振動し、そして超音波振動子の中に振動の節を持たず、フランジ付近のフランジ、付加質量体またはハウジングに振動の節を有するものである。

0010

超音波振動子の中の金属部と付加質量体をフランジにより接続し、フランジを支持部材で支持する支持方法において、付加質量体の質量が超音波振動子の1/5以上、5倍以下とするものである。

0011

超音波振動子の中の金属部と付加質量体をフランジにより接続し、フランジを支持部材で支持する支持方法において、付加質量体の質量を装着することによる共振周波数の変化が、超音波振動子の共振周波数の1%以下とするものである。

0012

超音波振動子の中の金属部と付加質量体をフランジにより接続し、フランジを支持部材で支持する支持方法において、フランジの形状を、付加質量体と超音波振動子を接続する長さLがフランジの厚さtの2倍以下、ハウジングの厚さHtより大きくするものである。

0013

超音波振動子の中の金属部と付加質量体をフランジにより接続し、フランジを支持部材で支持する支持方法において、フランジと接続する超音波振動子の金属部、フランジそして付加質量体が同じ金属材料とするものである。

発明の効果

0014

本発明の超音波振動子の支持方法とその駆動方法により、共振周波数の変化の小さい、アドミッタンスが大きくかつ変化の小さい、振動変位量の変化の小さい縦1次振動モードを励起することができる。また、超音波振動子の中に振動の節を待たない振動モードを励起することができる。さらにフランジの厚さを大きくすることにより支持剛性を高めることができるので、精度の高い超音波加工ができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明に用いた超音波振動子を示す断面図である。図1の超音波振動子に工具などを装着した断面図である。ハウジングに図1の超音波振動子を支持する断面図である。フランジの形状を説明する概略図である。超音波振動子の中の振動の節とフランジまたはナットの中の振動の節を有限要素法により算出した説明図である。超音波振動子の中のフランジの上下面挟まれた金属部の振動方向と、付加質量体の外周の振動方向の関係を説明する図である。超音波振動子の中の振動の節を持たない、そしてフランジの中の振動の節を有限要素法により算出した説明図である。

実施例

0016

以下、本発明に関わる超音波振動子を、図1(A)の平面図とその切断線A−Aで切断した断面で示す図1(B)を用いて説明する。

0017

非特許文献1に記述する超音波振動子は、超音波振動子の振動の節部附近に設けたフランジを支持部材により支持することにより、超音波振動子の振動に与える影響を小さくして超音波振動子を固定するものである。

0018

本発明は、超音波振動子にフランジを設け、そのフランジに付加質量体(ナット)を接続し、超音波振動子と付加質量体(ナット)の間のフランジを支持部材に固定することにより超音波振動子をフランジ面に直交する振動する振動モードを励起することである。また、付加質量体の質量は、超音波振動子の1/5以上、5倍以下にするのが望ましい。
付加質量体の質量が10倍以上になると超音波振動子を支持する支持体に近い状態になる。また、付加質量体の質量が1/10倍以下では、超音波振動子に対して振動体として作用するには小さすぎる。付加質量体と超音波振動子がフランジを伝播し、超音波振動子の中心軸と平行方向に互いに逆方向に振動するには超音波振動子の1/5以上、5倍以下にするのが望ましい。

0019

まず、フランジを接続した超音波振動子だけを製作し、そのインピーダンス特性と縦1次振動モードの共振周波数での超音波振動子の振動特性を測定する。また、有限要素法を用いて超音波振動子の振動モードなどを解析する。

0020

(超音波振動子の構成)
実際に試作した超音波振動子について図1を用いて説明する。まず、超音波振動子1は、前方側金属部2、フランジ3、リン青銅製電極板4、圧電素子5、イモネジ6そして後方側金属部7から構成されている。

0021

前方側金属部2の後方にはフランジ3が一体で製作され、そして中心軸を通るメネジも設けられている。このメネジにイモネジ6をねじ込む。圧電素子4と接する部分にイモネジ6に絶縁テープを巻く。

0022

次にイモネジ6にリン青銅製の電極板4、圧電素子5の順序偶数回繰り返し挿入する。最後にリン青銅製の電極板4を挿入し、中心部にメネジを持つ後方金属部7をイモネジ6に締め込み超音波振動子1を製作する。なお、圧電素子と電極の外側に絶縁テープを巻く。製作した超音波振動子1の寸法は図1に示す。

0023

(超音波振動子の縦1次振動のインピーダンス特性)
図2(A)の平面図とその切断線A−Aで切断した断面で示す図2(B)に示すように、超硬製の直径4mmの丸棒コレットコレットナットにより締付け、超音波振動子に装着する。そして、超硬の丸棒の長さとインピーダンスアナライザーにより測定した共振周波数、その共振周波数でのアドミッタンスの関係を表1に示す。

0024

0025

表1に示す共振周波数は、インピーダンスアナライザーで測定した最大アドミッタンス周波数であり、測定が容易であることから共振周波数の代わりに近似的に用いられる。最大アドミッタンス周波数と共振周波数の関係は、非特許文献2に記述されている。なお、発泡スチロールの上で超音波振動子のどこも拘束しない状態でインピーダンス特性を測定している。

0026

表3に示しているが、上記の測定条件で超硬製の棒の長さ30mmを装着した超音波振動子が圧電素子に最も近い振動の節を持つ。そして棒の長さが大きくなるのに従い圧電素子から振動の節が離れていく。そのため圧電素子の歪も棒が長くなるのに従い小さくなり、結果としてアドミッタンスも小さくなる。

0027

超硬製の棒の長さが70mm以上のアドミッタンスの減少が大きいが、これは振動の節の位置と圧電素子の距離が急激に大きくなることによる。

0028

(超音波振動子の縦1次振動)の駆動特性
次に超硬製の棒を装着した超音波振動子に共振周波数附近で駆動電圧位相電流位相同相であるサイン波電圧40Vp−pを、電極板を通して圧電素子に印加する。棒の長さが大きくなるのに従い、棒の先端の振動振幅は大きくなる。これは、棒の片側を拘束した共振周波数と駆動周波数が棒の長さが長くなるほど接近するためと考えられる。そして、駆動周波数は小さくなる。

0029

0030

表2の中で棒の先端とは、超硬製の棒の先端面であり、レーザードップラー振動計により先端面の振動速度計測した。またリアマスとは超音波振動子の後方側金属部であり、その後端面の振動速度を測定した。

0031

0032

振動の節を検出することは困難であるので、振動の節位置については有限要素法を用いて計算し、その結果を表3に示す。超硬の棒はコレットの中に約22.2mm収容されている。実際に製作した超音波振動子1より共振周波数は材料物性、メシュの形状などの影響により高い結果になっている。また、超硬製の棒の長さは70mm以上において共振周波数、アドミッタンスの変化が大きく、そしてフランジ3から振動の節までの距離も大きくなっている。これは、フランジ3を他の支持部材で支持したとき、共振周波数の変化は大きく、アドミッタンスは小さくなることを示す。

0033

表3中の振動の節の位置は、超音波振動子の中心軸方向の振動変位量がゼロの位置からフランジの直径の大きい方の底面まで距離で、圧電素子側をプラス、前方側金属部側をマイナスとした。
(超音波振動子をハウジングで支持)

0034

超音波振動子1を支持するハウジング8について図3(A)の平面図とその切断線A−Aで切断した断面で示す図3(B)を用いて説明する。ハウジング8をベアリングで回転自在に支持する。そしてベアリング8をケースに収容する。図面を簡略化するためにケース、ベアリングは省略する。

0035

ハウジング8に超音波振動子1を挿入して、超音波振動子1のフランジ3をハウジング8の外側のオネジ外径43mmのナット9のメネジで締付けることにより超音波振動子をハウジング8に支持する。

0036

ここで、超音波振動子1の振動モードを説明する。フランジ3をナット9とハウジング8で締付け、超音波振動子の縦1次振動モードを励起する。例えば、超音波振動子1の先端部に金属製の棒を装着する。金属製の棒の長さにより超音波振動子1の節の位置は変化する。しかしフランジ3位置は一定であるので、フランジ3は振動の節の位置にない場合があり、その場合、フランジが振動の抵抗となるが、フランジ3が振動してハウジング8に振動が伝播してしまい、超音波振動子1の振動が熱などにより消耗してしまう。このため、超音波振動子1の振動は小さくなってしまう。

0037

フランジ3を締め付けるため外径36mmのナット9を使用し、ナット9を振動させないため前方側金属部2側を直径27mm以上、後方側金属部側を,直径33mm以上を万力により締付け拘束した。そのインピーダンス特性を表4に示す。

0038

0039

表1に示した超音波振動子1のインピーダンス特性と表4を比較すると、アドミッタンスにおいて、自由振動に近い表1では最大値は、棒の長さ30mmにあり、ナットを拘束した状態では棒の長さが50mmにある。これは、表3で超音波振動子の振動の節がフランジの中心面に最も近いのは棒の長さが50mmであることに原因すると考えられる。したがって、ナット、フランジを拘束した状態に近くすると、フランジ、ナットから振動の節が離れた条件では、大きく影響を受けることがわかる。

0040

(超音波振動子の縦1次振動+フランジ・ナット振動)
そこで、本発明者が考案した「フランジ3が振動の節附近の位置にない場合でも、超音波振動子の振動が振動の節位置の影響を小さくする手段」について説明する。まず超音波振動子の振動の節がフランジにないときは、フランジを拘束すると超音波振動子の振動は小さくなってしまう。したがって、新たな手段で超音波振動子を支持部材に拘束する必要がある。

0041

そこで、フランジ附近に新たな振動の節を生み出し、その振動の節の部分を支持部材(ハウジング)で支持する超音波振動子の振動モードを案出した。

0042

その考案した内容は、「超音波振動子1と付加質量体をフランジで接続し、そして、フランジ3に接続した位置の超音波振動子の金属部の部分をその中心軸方向の振動方向と付加質量体の外周の振動方向が互いに逆方向に振動させることにより、フランジ3、付加質量体9(ナット)附近に振動の節を生成させ、フランジ3をハウジング8で支持する。つまりハウジングの振動を付加質量体が肩代わりし、ハウジングの支持の影響を小さくする。この作用を動吸振器とも呼ばれ、非特許文献3に記述されている。このことによりハウジング8に伝播する振動が小さくなる。つまり、拘束しない超音波振動子1の振動特性に近い状態と、新たに生み出す振動の節が、フランジ附近であることから、従来のフランジを拘束する方法に比較して大きく、平坦アドミッタンス特性になる。

0043

上記の「超音波振動子1と付加質量体をフランジ3で接続し、そして、フランジ3に接続した位置の超音波振動子1のフランジの上下面挟まれた金属部と付加質量体が互いに逆方向に振動させることにより、フランジ3、ナット9、ハウジング8が接触する付近のフランジ3、ナット9、ハウジング8に振動の節を生成させ、フランジ3をハウジング8で支持する。」について説明する。

0044

図3に示すナットのメネジとハウジングのオネジにより超音波振動子のフランジを締付けることにより支持した。図3からわかるように、フランジは直径の大きい方の面を支持している。

0045

外径43mmのナットを選択した理由は、ナットを装着したことによる超音波振動子の共振周波数の変化が小さいことによる。つまり、ナットが超音波振動子の振動に影響を与えることができるだけ少ない条件を選択した。

0046

また、図3には示していないがハウジングは、ケースにベアリング3個を用いて回転自在に固定される。実際に図3に示す構成を製作し、そのインピーダンス特性をインピーダンスアナライザーにより測定した。その結果を表5に示す。

0047

0048

表5の棒の長さが60mmのアドミッタンスの値が小さくなっているが、振動のピーク割れているため小さな値になっている。後に述べるが、棒の長さが60mmを装着した超音波振動子を実際に40Vの電圧で駆動したとき電流値は棒の長さが50mmを装着した装着した超音波振動子とほぼ同じである。これからアドミッタンスピークの割れがないときは、約8mSだと推定できる。

0049

また、フランジをハウジングで支持することによりナットが振動し、その結果共振周波数の変化が小さくなり、そしてアドミッタンスの変化も小さくなることがわかる。これは、フランジ、ナット、ハウジング附近に生じた振動の節の位置が棒の長さが変化しても、変化が小さく、その結果、圧電素子の歪の変化が小さくなることに原因するものと考えられる。

0050

ナット外周の振動方向がフランジを接続する超音波振動子の金属部の部分の振動方向と逆にすることにより、はじめてハウジングで支持したフランジ、ナット、ハウジング附近に振動の節が生じる。このように超音波振動子に接続するフランジ、ナット、ハウジング附近に振動の節を生成させるためには、ナット(付加質量体)の振動が必要である。また、フランジと圧電素子は、圧電素子をフランジ、ナット附近に生じる振動の節との距離を出来るだけ小さくするためにフランジ附近に位置させることが必要である。

0051

フランジ形状及び材料)
(超音波振動子の縦1次振動+フランジ・ナット振動)を励起するためのフランジの形状と材料について図4の断面図を用いて説明する。図4においては、図を簡略化するために超音波振動子のイモネジ、電極板を省略した。また、フランジの形状は外周が点線で示すテーパー状になることもあるが、その場合は半径の小さい面の寸法を採用する。

0052

超音波振動子のフランジの上下面挟まれた金属部の振動と付加質量体の外周の振動を超音波振動子の中心軸に平行な方向に沿って互いに逆方向に振動させるためには、フランジは、超音波振動子の振動を付加質量体に伝播する必要がある。また、フランジには、不要な振動を発生させない必要もある。そのためのフランジ形状は、フランジの長さLをフランジの厚さtの2倍以下、ハウジングの厚さHtより大きくすることである。

0053

また、フランジは超音波振動子の振動を付加質量体の振動に可能な限り損失を小さく伝播する必要があるので、部品間で音響インピーダンスが同じであることが最善である。したがって、超音波振動子のフランジと接続する部品、フランジそして付加質量体が同じ金属材料であることが望ましい。

0054

以上、ハウジングで支持したフランジの一方に接続した超音波振動子のフランジの上下面挟まれた金属部の振動方向と、フランジの他方に接続したナット(付加質量体)の外周の振動方向が超音波振動子の中心軸方向に関して逆である。振動の節はフランジ、ナット(付加質量体)またはハウジングの中にも生じる。この振動の節位置と圧電素子との距離は、棒の長さが変化しても、その変化は超音波振動子の中の振動の節位置と圧電素子との距離変化に比較して小さい。

0055

先に述べた市販の有限要素法に基づく計算ソフトであるANSYS(販売元アンシス・ジャパン株式会社)を用い、超音波振動子とフランジとナットの中の振動の節の位置を算出した。その結果を表5に示す。また、表5に示す超音波振動子の中の節の位置と、フランジ、ナットの中の振動の節を図5の概略図に示す。図5は、振動の節を明瞭にするために断面を示す斜線を省略した。また、同じく図面を簡略にするため超音波振動子の断面の半分を示した。

0056

図5中に示す直線で示した数字は棒の長さであり、超音波振動子1の中の節と、フランジと接触するハウジング、ナット付近のナット9またはフランジ3の中の節の位置を示す。超音波振動子1の中の節は円で、ナット9またはフランジ3の中の節は正方形で示す。そして同じ棒の長さの超音波振動子1の中の節とナット9またはフランジ3の中の節は点線で結んだ。

0057

さらに、説明例として棒の長さ70mmについて説明する。棒の長さが70mmの超音波振動子の振動方向を細線の矢印の実線で示す。超音波振動子の中の振動は矢印で示すように中心軸に沿って直線状に振動する。ナット9の外周の振動方向を円弧状の細線の矢印の実線で示す。これは、節を中心として円弧状に振動することを示す。他の棒の長さもナットまたはフランジの振動の節を中心として円弧状に振動する。ただし、棒の長さ60mmにおいては、超音波振動子の中心軸を含むフランジ面がほとんど振動の節になっていた。

0058

ここで超音波振動子の中の節の位置とナット9の振動方向の関係を、図6を用いて説明する。図6(A)で示す振動の節が超音波振動子1のフランジの上下面挟まれた金属部より前方側金属部側に存在するときは、超音波振動子が図の矢印で示す縦方向伸びる振動の周期の時、図で示すフランジ付近の節を中心としてナット9は円弧状に下方向に振動する。その時フランジの上下面で挟まれ金属部(黒塗部)は点線で示す上方向に撓む。そして、振動の逆位相のときは、ナット9は円弧状に上方向に振動する。ここでフランジの上下面挟まれた金属部を黒塗で示す。

0059

図6(B)で示す振動の節が超音波振動子1のフランジの上下面挟まれた金属部より後方側金属部側に存在するときは、超音波振動子が図の矢印で示す縦方向に伸びる振動の周期の時、図で示すフランジ付近の節を中心としてナット9は円弧状に上方向に振動する。その時フランジの上下面で挟まれ金属部(黒塗部)は点線で示す下方向に撓む。そして、振動の逆位相のときは、ナット9は円弧状に下方向に振動する。ここでフランジの上下面挟まれた金属部を黒塗で示す。

0060

図6(A)、図6(B)をまとめると、超音波振動子1のフランジの上下面挟まれた金属部が超音波振動子の中心軸沿って上に振動する時、ナットの外周は下方向に振動する。振動の逆位相の時は、超音波振動子の中心軸沿って下に振動する時、ナットの外周は上方向に振動する

0061

超音波振動子の中心軸方向においてフランジより圧電素子側を上方向と定めると、フランジまたはナットの節位置が超音波振動子の節位置が同じあるとナットは、ほとんど振動しない。そして、フランジまたはナットの節位置はフランジ及びナットの面状に分布する。したがって、ナットはほとんど振動しない。

0062

表6に示す棒の長さと超音波振動子の中の節位置とナットまたはフランジの振動の節位置の関係は、超音波振動子の中の節は、棒の長さが長くなるほど先端に移動する。またナットまたはフランジの振動の節は、棒の長さが長くなるほど超音波振動子の中心軸方向に移動する。

0063

棒の長さに対して共振周波数と、超音波振動子の中の節位置とナットまたはフランジの中の節の位置を作成した有限要素法のモデル位置数値で示す。例えば、棒の長さ30mmのモデルでは、縦1次振動モードの共振周波数は約31.10KHzであり、超音波振動子の中心軸にある縦振動の節とナットまたはフランジの中に振動の節の位置は、超音波振動子の振動の節はZ方向の移動だけであるのでZ位置25.1mm、ナットまたはフランジ位置にある振動の節はX軸方向とZ軸方向により定まり、X位置12.3mm、Z位置20.5mmである。

0064

棒の長さ30mmから80mmまでを取付けた超音波振動子とナット、フランジの節位置で最も長い移動距離を算出した。超音波振動子の中の移動距離は約31.1mm、ナット及びフランジの中の移動距離は約4.5mmであり、超音波振動子の移動距離は、ナット及びフランジの中の移動距離の約7倍である。

0065

0066

つまり、フランジまたはナットの中の節位置の変化が小さいことによる影響により、超音波振動子の縦1次振動モードの共振周波数、アドミッタンスの変化が小さくなる。

0067

実際にハウジングに超音波振動子を挿入して、超音波振動子のフランジをハウジングの外側のオネジとナットのメネジで締付けることにより超音波振動子をハウジングに支持する。そして超音波振動子の前方側金属部にコレット、コレットナットを接続し、これに超硬製の棒を装着した。

0068

超音波振動子の圧電素子に縦1次振動モードの共振周波数付近で電圧と電流の位相が同相であるサイン波電圧40Vp−pで駆動する。そして、駆動電流電流センサ、振動変位量をレーザードップラー振動計で測定した。振動変位量の左の−は、棒の振動に対して180度位相が異なることを示す。測定結果を表7にまとめる。

0069

ナットの変位の位相は、棒の長さが30mm、40mm、50mmが棒の変位に対して逆であり、長さが60mm、70mm、80mmの棒は、棒とナットの変位の位相が同じになる。棒の長さが60mmについては一致しないが他は有限要素法で計算した計算結果と一致する。棒の長さが60mmについて一致しないのは、モデルと実際に材料との材料物性値誤差、モデルと実際の構造との差、有限要素法のメッシュの形状などの影響によるものと考えられる。

0070

以上に説明した「超音波振動子の縦1次振動+フランジ・ナット振動」は、超音波振動子の縦1次振動モードに比較して以下の特徴がある。
1)共振周波数の変化が小さい。
2)アドミッタンスが大きい。
3)アドミッタンスの変化が小さい。
4)振動変位量が大きい。
5)フランジの厚さが大きいため、超音波振動子を剛性高く支持できる。
以上のようにフランジの振動の節附近の部分を支持部材(ハウジング)で支持することにより、フランジ、付加質量体そして超音波振動子がフランジ附近の新たな振動の節を持つ振動モードは、従来の問題点を大きく改善している。

0071

0072

往復振動+ナット振動)
ナットと超音波振動子をフランジにより接続し、そのフランジをハウジングで支持した状態でナットを振動させることにより、はじめて超音波振動子を往復振動させる振動モードを励起させることができる。この振動モードにおいて、超音波振動子の中に振動の節を持たず、フランジ附近にだけ振動の節を持つ。

0073

まず有限要素法に基づく計算ソフトであるANSYS(販売元:アンシス・ジャパン株式会社)を用い、フランジの中の振動の節の位置を算出した。その結果を表8に示す。また、表8に示すフランジの中の振動の節を図7の概略図に示す。

0074

0075

図7中に示す数字は棒の長さであり、フランジの中の節の位置を示す。フランジの中の節は6角形で示す。

0076

さらに、説明例として棒の長さ60mmについて説明する。棒の長さが60mmの超音波振動子の振動方向を細線の矢印の実線で示す。超音波振動子の中の振動は矢印で示すように中心軸に沿って直線状に振動する。ナットの外側の振動方向を円弧状の細線の矢印の実線で示す。これは、フランジの中の節を中心として円弧状に振動することを示す。他の棒の長さもフランジの振動の節を中心として円弧状に振動する。ただし、棒の長さ70mm、80mmにおいては、フランジの中の節を持つ往復振動は現れなかった。

0077

棒の長さ60mmの振動モードについて説明する。超音波振動子の振動が、細線の矢印で示す方向に振動する時、ナットは、円弧状の細線の矢印の実線で示す振動をする。また振動の逆位相のときは、超音波振動子の振動、ナットは逆方向に振動する。

0078

棒の長さとフランジの振動の節位置の関係は、振動の節は、半径方向では棒の長さが長くなるほど超音波振動子の中心軸方向に移動する。そして、超音波振動子の軸方向では、棒の長さが長くなるほど圧電素子方向に近づく。

0079

実際に製作した超音波振動子にコレットとコレットナットにより締付け超硬製の直径4mmの丸棒を装着する。そして、インピーダンスアナライザーにより測定した超硬の丸棒の長さと超音波振動子を往復振動させる振動モードの共振周波数、その共振周波数でのアドミッタンスの関係を表9に示す。

0080

0081

表9に示す共振周波数は、インピーダンスアナライザーで測定した最大アドミッタンス周波数であり、測定が容易であることから共振周波数の代わりに近似的に用いられる。最大アドミッタンス周波数と共振周波数の関係は、非特許文献2に記述されている。なお、超音波振動子は、超音波振動子を拘束しない状態でインピーダンス特性を測定している。

0082

超硬製の棒の長さが80mmでは、超音波振動子を往復振動させる振動モードは出現しなかった。

0083

超音波振動子の圧電素子に往復振動モードの共振周波数付近で電圧と電流の位相が同相であるサイン波電圧40Vp−pで駆動する。そして、駆動電流を電流センサ、振動変位量をレーザードップラー振動計で測定した。振動変位量の左の−は、棒の振動に対して180度位相が異なることを示す。測定結果を表10にまとめる。

0084

棒の長さが30mm、40mm、50mm,60mm、70mmの先端面の振動変位位相とナットの棒側の面、後方側金属部後端の変位の位相は逆である。80mmの棒では、往復振動モードは現れなかった。これは、有限要素法により計算した結果と、棒の長さが70mmについては一致しないが他は要現要素法で計算した計算結果と一致する。棒の長さが70mmについて一致しないのは、モデルと実際に材料との材料物性値の誤差、モデルと実際の構造との差、有限要素法のメッシュの形状などの影響によるものと考えられる。

0085

ナットと超音波振動子をフランジにより接続し、そのフランジをハウジングで支持した状態でナットを振動させることにより、はじめて超音波振動子を往復振動させる振動モードを励起させることができる。この振動モードにおいては、超音波振動子の中に振動の節を持たず、フランジ附近にだけ振動の節を持つ。

0086

0087

往復振動モード+ナット振動の共振周波数変化は、棒の長さが30mmから70mmの範囲で約3パーセントであるのに対して、超音波振動子の縦1次振動+ナット振動の共振周波数変化は、棒の長さが30mmから70mmの範囲で約10パーセントである。つまり、往復振動モード+ナット振動の共振周波数変化は小さく共振周波数の追尾が容易になる。

0088

また、往復振動+ナット振動モードは超音波振動子、及び装着した工具に振動の節を持たないため振動の節による工具先端振動変化がない、そして超音波振動子、工具の歪が小さいため発熱、構成部品間摩擦が小さくなる。構成部品とは工具、コレット、コレットナット、前方側金属部などである。

0089

以上の説明では、フランジを前方側金属部と一体で製作したが、フランジと前方側金属部が一体で振動すれば別々に制作してもよい。

0090

本発明の超音波振動子の支持方法とその駆動方法により、超音波振動子を支持するフランジの位置に係わらず、超音波振動子の振動性能を保つことが出来る。このため、例えば長さが変化する工具を装着する超音波加工装置に用いられる超音波振動子に好適である。

0091

1超音波振動子
2前方側金属部
3フランジ
4電極板
5圧電素子
6イモネジ
7後方側金属部
8ハウジング
9ナット(付加質量体)
10コレット
11コレットナット
12 棒(工具)

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