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技術 殺菌方法、殺菌装置

出願人 ウシオ電機株式会社
発明者 内藤敬祐
出願日 2017年9月28日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2017-188610
公開日 2019年4月25日 (2ヶ月経過) 公開番号 2019-062989
状態 特許登録済
技術分野 消毒殺菌装置 化粧料 放射線治療装置
主要キーワード 防護フード 防護手段 焼けた 病院関係者 手首付近 浸透成分 薬品臭 異臭発生
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年4月25日)のものです。
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図面 (3)

課題

紫外線照射して殺菌処理をする方法であって、人体への影響を抑制し、更には、紫外線照射後に生じる異臭をも抑制することを可能にする。

解決手段

この殺菌方法は、波長200nm以上230nm以下の紫外線を手指又は腕の皮膚に対して照射する工程(a)と、前記皮膚の前記紫外線が照射された領域に、以下のアミノ酸群Aから選択される少なくとも一つのアミノ酸又はアミノ酸誘導体を含有してなる皮膚外用剤化粧料、又は水溶液を塗布する工程(b)と、を有する。(アミノ酸群A:バリンロイシンイソロイシングルタミン酸アルギニンセリンアスパラギン酸プロリングリシン

概要

背景

従来、紫外線照射して殺菌する技術が知られている。例えば、DNAは波長260nm付近に最も高い吸収特性を示すことが知られている。そして、低圧水銀ランプは、波長254nm付近に高い発光スペクトルを示す。このため、低圧水銀ランプを用いて殺菌を行う技術が広く利用されている。

しかし、このような波長帯の紫外線を人体に照射すると、人体に影響を及ぼすリスクがあることが知られている。皮膚は、表面に近い部分から表皮真皮、その深部皮下組織の3つの部分に分けられ、表皮は、更に表面に近い部分から順に、角質層顆粒層有棘層基底層の4層に分けられる。波長254nmの紫外線が人体に照射されると、角質層を透過して、顆粒層や有棘層、場合によっては基底層に達し、これらの層内に存在する細胞のDNAに吸収される。この結果、皮膚がんのリスクが発生する。

このような課題に鑑み、下記特許文献1には、医療現場において波長207nm〜220nmの紫外線を用いることで、人体へのリスクを回避しながら殺菌処理を行う技術が開示されている。

概要

紫外線を照射して殺菌処理をする方法であって、人体への影響を抑制し、更には、紫外線照射後に生じる異臭をも抑制することを可能にする。この殺菌方法は、波長200nm以上230nm以下の紫外線を手指又は腕の皮膚に対して照射する工程(a)と、前記皮膚の前記紫外線が照射された領域に、以下のアミノ酸群Aから選択される少なくとも一つのアミノ酸又はアミノ酸誘導体を含有してなる皮膚外用剤化粧料、又は水溶液を塗布する工程(b)と、を有する。(アミノ酸群A:バリンロイシンイソロイシングルタミン酸アルギニンセリンアスパラギン酸プロリングリシン

目的

本発明は、上記の課題に鑑み、紫外線を照射して殺菌処理をする方法であって、人体への影響を抑制し、更には、紫外線照射後に生じる異臭をも抑制することを可能にする方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

波長200nm以上230nm以下の紫外線手指又は腕の皮膚に対して照射する工程(a)と、前記皮膚の前記紫外線が照射された領域に、以下のアミノ酸群Aから選択される少なくとも一つのアミノ酸又はアミノ酸誘導体を含有してなる皮膚外用剤化粧料、又は水溶液を塗布する工程(b)と、を有することを特徴とする殺菌方法。(アミノ酸群A:バリンロイシンイソロイシングルタミン酸アルギニンセリンアスパラギン酸プロリングリシン

請求項2

前記工程(b)において塗布される前記皮膚外用剤、化粧料、又は水溶液は、保湿成分又は密着浸透成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の殺菌方法。

請求項3

前記工程(a)は、KrCl、又はKrBrを発光ガスとするエキシマランプからの放射光を前記皮膚に照射する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の殺菌方法。

請求項4

前記工程(a)及び(b)が、非医療現場で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の殺菌方法。

技術分野

0001

本発明は、殺菌方法に関し、特に人体手指又は腕の皮膚を殺菌する方法に関する。

背景技術

0002

従来、紫外線照射して殺菌する技術が知られている。例えば、DNAは波長260nm付近に最も高い吸収特性を示すことが知られている。そして、低圧水銀ランプは、波長254nm付近に高い発光スペクトルを示す。このため、低圧水銀ランプを用いて殺菌を行う技術が広く利用されている。

0003

しかし、このような波長帯の紫外線を人体に照射すると、人体に影響を及ぼすリスクがあることが知られている。皮膚は、表面に近い部分から表皮真皮、その深部皮下組織の3つの部分に分けられ、表皮は、更に表面に近い部分から順に、角質層顆粒層有棘層基底層の4層に分けられる。波長254nmの紫外線が人体に照射されると、角質層を透過して、顆粒層や有棘層、場合によっては基底層に達し、これらの層内に存在する細胞のDNAに吸収される。この結果、皮膚がんのリスクが発生する。

0004

このような課題に鑑み、下記特許文献1には、医療現場において波長207nm〜220nmの紫外線を用いることで、人体へのリスクを回避しながら殺菌処理を行う技術が開示されている。

先行技術

0005

特許第6025756号公報

発明が解決しようとする課題

0006

医療現場では、二次感染などを抑制する必要があるため、殺菌処理が不可欠である。上記特許文献1の技術によれば、防護服防護フード防護眼鏡などの防護手段を付けずに紫外線を照射することで患者病院関係者の人体への影響を抑制しながら殺菌処理が行えるという利点がある。

0007

ところで、殺菌処理は、医療現場に限られず、特に食品を扱う現場においても不可欠である。食品工場コンビニエンスストアでは、食品を扱う際にアルコール殺菌が義務付けられているところが一般的である。例えば、食品工場では、作業員工場ラインに入る前に石鹸で手指及び腕を事前洗浄した後、アルコールスプレー噴霧して殺菌洗浄が行われる。この作業は、ラインに入る都度、又は持ち場所を変更する都度行われることが多い。食品を扱う店舗においても、店舗スタッフが、石鹸での事前洗浄とアルコールスプレーを用いた殺菌洗浄とを、その都度行っている場合が少なくない。

0008

しかしながら、このように手指及び腕に対して石鹸及びアルコール洗浄を一日に複数回も行うことで、皮膚の油分が飛ばされて肌荒れを生じさせるリスクがある。また、このような洗浄処理を頻繁に行うことは、スタッフに対して多くの負担を課すことにもなる。

0009

本発明者は、このように食品などを扱う現場においても、人体に影響が少ないとされている波長230nm以下の紫外線を用いて殺菌処理を行うことで、スタッフに対する人体的及び作業的な負担を軽減させることができるのではないかと考え、実用的な課題が存在しないかにつき、鋭意研究を行った。その結果、波長222nmにピークを有するKrClエキシマランプからの放射光を人間の手指や腕に照射したところ、異臭が発生することを新たに発見した。より具体的には、毛が焼けたような臭いが発生することを確認した。なお、この異臭は、紫外線照射後に石鹸で洗浄しても取れないものであることを確認した。

0010

特許文献1に記載されているように、医療現場においてこのような波長帯の紫外線を人体に照射した場合、医療現場では独特薬品臭が存在することから、このような紫外線照射による特有の臭いは問題になりにくい。しかしながら、食品を扱う現場や店舗などにおいて、このような異臭が存在することは問題であり、紫外線照射によって殺菌処理を行うことの導入への妨げとなる。

0011

なお、食品を扱う現場や店舗などにおいて、この異臭を抑制するために、アルコールを含む消臭スプレーを噴霧するという方法も考えられるが、アルコール成分が揮発した後は再び異臭が発生してしまうため、効果的ではない。

0012

本発明は、上記の課題に鑑み、紫外線を照射して殺菌処理をする方法であって、人体への影響を抑制し、更には、紫外線照射後に生じる異臭をも抑制することを可能にする方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明に係る殺菌方法は、
波長200nm以上230nm以下の紫外線を手指又は腕の皮膚に対して照射する工程(a)と、
前記皮膚の前記紫外線が照射された領域に、以下のアミノ酸群Aから選択される少なくとも一つのアミノ酸又はアミノ酸誘導体を含有してなる皮膚外用剤化粧料、又は水溶液を塗布する工程(b)と、を有することを特徴とする。
(アミノ酸群A:バリンロイシンイソロイシングルタミン酸アルギニンセリンアスパラギン酸プロリングリシン

0014

前記工程(b)において塗布される前記皮膚外用剤、化粧料、又は水溶液は、保湿成分又は密着浸透成分を含むものとすることができる。

0015

前記工程(a)は、KrCl、又はKrBrを発光ガスとするエキシマランプからの放射光を前記皮膚に照射する工程であるものとすることができる。

0016

前記工程(a)及び(b)が、非医療現場で行われるものとすることができる。

発明の効果

0017

本発明によれば、殺菌処理目的で紫外線を照射しながらも、人体への影響及び処理後に生じる異臭の発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0018

紫外線照射装置の構成を模式的に示す図面である。
紫外線照射装置の別の構成を模式的に示す図面である。

実施例

0019

本発明に係る方法は、以下の2つの工程を含んで構成される。当該2つの工程は、波長200nm以上230nm以下の紫外線を手指又は腕の皮膚に対して照射する工程(a)と、皮膚の紫外線が照射された領域に、以下のアミノ酸群Aから選択される少なくとも一つのアミノ酸又はアミノ酸誘導体を含有してなる皮膚外用剤、化粧料、又は水溶液を塗布する工程(b)である。なお、工程(b)にいう「アミノ酸群A」とは、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、アスパラギン酸、プロリン、グリシンを含む群である。

0020

<工程(a):紫外線照射工程>
波長200nm以上230nm以下の紫外線は、手指又は腕の皮膚に照射しても、人体への影響が小さい。これは、当該波長帯の紫外線を人体に照射しても、皮膚の角質層で吸収され、それよりも内側(基底層側)には進行しないためである。角質層に含まれる角質細胞細胞核を有しない細胞であるため、例えば有棘細胞のようにDNAが存在しない。このため、波長250nm程度の紫外線を照射する場合のように、細胞に吸収されてDNAが破壊されるというリスクがほとんど存在しない。このため、求められる殺菌性能に応じて紫外線の強度や照射時間を調整することも可能である。

0021

人体の細胞核(DNA)への影響を抑制するという観点からは、紫外線の波長は短い方が好ましい。しかし、波長200nm未満の紫外線を照射したとしても、当該波長帯の光は空気(空気中の酸素)に吸収されるため、手指又は腕の皮膚に到達する光量が大幅に減少してしまう。この結果、殺菌効果担保できない。

0022

波長200nm以上230nm以下の紫外線として利用される光源としては、KrCl、又はKrBrを含む発光ガスとするエキシマランプが利用可能である。なお、この光源において、230nmより長波長の光をカットするフィルタを内蔵するのが好ましい。

0023

例えば、図1に示すような紫外線照射装置1を利用することができる。紫外線照射装置1は、波長200nm以上230nm以下の紫外線を照射可能な光源2と、手、手首、腕などの紫外線照射対象領域を装置1内に挿入するための挿入口3を備える。なお、必要に応じて、図1に示すように、台座4を備えるものとすることができる。台座4は、光源2と照射対象物(手首、手のひらなど)との離間距離を調整するために設けられている。この紫外線照射装置1を利用する際には、挿入口3から手や手首を挿入し、光源2から紫外線L1を手や手首、腕に照射させる。なお、紫外線照射装置1は、所定のセンサ(不図示)を内蔵しており、手や手首を挿入口3から挿入したことを検知すると、自動的に光源2に対して電力が供給されて、紫外線L1が所定の時間だけ照射される構成としても構わない。

0024

波長200nm以上230nm以下の紫外線を手指や腕に照射すると、毛の焼けたような臭い(異臭)が生じた。この臭いは石鹸洗浄でも取れないものであった。詳細は検証例を参照して後述する。

0025

<工程(b):アミノ酸塗布工程>
バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、アスパラギン酸、プロリン、グリシンを含むアミノ酸群Aから選択される少なくとも一つのアミノ酸又はアミノ酸誘導体を含有する皮膚外用剤、化粧料、又は水溶液を、工程(a)で紫外線を照射した領域に塗布する。これにより、上述した異臭が除去されることが確認された。なお、以下では、「アミノ酸群Aから選択される少なくとも一つのアミノ酸又はアミノ酸誘導体を含有する皮膚外用剤、化粧料、又は水溶液」を、「特定溶媒B」と称する。

0026

本発明者は、工程(a)の実行後に発生する異臭の原因として、紫外線が照射されることで角層細胞に含まれるケラチン(表皮ケラチン)に含まれるアミノ酸の一部が破壊されてアミノ酸とは異なる別の物質が生成された結果、当該物質由来の臭いが発生したものと考察した。このため、工程(b)において、特定溶媒Bを紫外線が照射された領域の皮膚に塗布することで、破壊されたアミノ酸が補修されてアルデヒドが減少し、この結果、異臭が除去されたものと推察される。詳細については、検証例を参照して後述される。

0027

なお、波長250nm程度の紫外線を手指又は腕に照射した場合には、異臭が存在するか否かという問題以前に、上述したように、そもそも人体への影響が大きいため異臭の問題は顕在化しにくい。更にいえば、仮に波長250nm程度の紫外線を手指又は腕に照射すると、その光は角質層を通過して、顆粒層や有棘層、場合によっては基底層に達することから、角質細胞に吸収される光量は、波長200nm以上230nm以下の紫外線を照射する場合よりも低下する。このため、波長250nm程度の紫外線を照射する場合には、表皮ケラチンに含まれるアミノ酸の一部が破壊されたことに起因する異臭の問題は、波長200nm以上230nm以下の紫外線を照射する場合よりは、顕在化しにくいと考えられる。

0028

特定溶媒Bの剤形は任意であり、液状、エマルションジェル状スプレー状ムース状等のものとして調製される。また、特定溶媒Bは、アミノ酸群Aから選択される少なくとも一つのアミノ酸又はアミノ酸誘導体を含有していればよく、通常、医薬品、医薬部外品化粧品等に配合される他の成分、例えば、陰イオン性界面活性剤両性界面活性剤非イオン性界面活性剤増粘剤油剤防腐剤香料保湿剤生理活性成分酸化防止剤金属イオン封鎖剤pH調整剤、水、アルコール類色素、香料等の成分を適宜配合することができる。

0029

なお、工程(a)で破壊された表皮ケラチンに含まれるアミノ酸を補修するという観点からは、特定溶媒Bには、保湿及び密着/浸透の機能を有する成分が含有されているのがより好ましい。保湿機能を有する成分としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウムピロリドンカルボン酸ナトリウム水溶液(PCA−Na)、ブチレングリコールグリセリンなどが利用可能である。また、密着/浸透機能を有する成分としては、ジメチコンカルボマーカルボキシビニルポリマー)などが利用可能である。

0030

以下、検証例を参照しながら本発明を詳細に説明する。

0031

[検証例1]
図1に示す紫外線照射装置1を用いて、検証員M1、M2、M3、M4、M5、M6の6名に対して、右手の手のひらに、波長222nmにピークを有する紫外線を、照度3.8mW/cm2、照射時間30秒間で照射した。手のひらと光源の離間距離は8cmである。紫外線照射装置1は、KrClを発光ガスとするエキシマランプを光源2とする装置である。なお、紫外線照射箇所と光源との離間距離は、台座4によって調整した。以下の検証例においても同様である。

0032

そして、(1−1)照射直後、(1−2)照射後1分経過後、(1−3)照射後1分経過した後にアルカリ石鹸を用いて手指及び腕を洗浄後、のそれぞれの時点における臭いの有無を判定した。判定結果を表1に示す。

0033

0034

表1に示すように、6名全員から、(1−1)照射直後、(1−2)照射後1分経過後、(1−3)照射後1分経過した後に石鹸を用いて手指及び腕を洗浄後、のいずれの場合についても異臭が発生した。

0035

更に、紫外線を照射する前に、手指及び腕をアルコール殺菌した後で、検証例1と同様に、検証員M1、M2、M3、M4、M5、M6の6名に対して手指及び手首付近の腕に対して、紫外線を照射した。この場合も、検証例1と同様に、6名全員から、(1−1)照射直後、(1−2)照射後1分経過後、(1−3)照射後1分経過した後に石鹸を用いて手指及び腕を洗浄後、のいずれの場合にも異臭が発生した。

0036

[検証例2]
ジャパンティッシュエンジニアリング社製の人工皮膚に対して、紫外線照射装置1と同じ光源を用いて、波長222nmにピークを有する紫外線を照射した。その結果、検証例1と同様の異臭が発生した。

0037

人工皮膚は無菌状態で作製されているところ、検証例1及び検証例2の結果から、この異臭は菌由来の臭いではなく、タンパク質に由来した臭いであると考えられる。

0038

[検証例3]
表皮に含まれるタンパク質の構成材であるアミノ酸に照準を当て、以下の18種類のアミノ酸に対し、波長222nmにピークを有する紫外線の照射前後での臭いの変化を検証した。具体的には、φ40シャーレに各アミノ酸の水溶液3mLを投入し、紫外線照射装置1と同じ光源を用いて、照度3.8mW/cm2、照射時間30秒間で紫外線を照射した。シャーレと光源の離間距離は8cmである。18種類のアミノ酸は、シスチン、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン、セリン、トレオニン(「スレオニン」とも称される。)、アスパラギン酸、プロリン、グリシン、バリン、アラニンフェニルアラニン、イソロイシン、チロシンリジンヒスチジンメチオニントリプトファンである。これらの18種類のアミノ酸は、いずれも表皮に含まれるタンパク質を構成する材料として知られている。

0039

判定結果を表2に示す。なお、表2には、紫外線照射前の臭い、紫外線照射後の臭い、紫外線照射後における検証例1での臭いとの対比について記載している。なお、検証例1における臭いとの対比は、検証員M1、M2、M3、M4、M5、M6の6名による官能評価で行われた。

0040

0041

表2に示すように、ロイシン、バリン、イソロイシン、メチオニンの各アミノ酸においては、波長222nmの紫外線を照射後に、人間の手指又は腕への照射後とほぼ同じ臭いが発生していることが確認された。この検証結果から、波長222nmの紫外線を手指又は腕に照射したときに発生した異臭の原因は、皮膚を構成するアミノ酸のうち、ロイシン、バリン、イソロイシン、メチオニンのいずれかが分解されたことに起因して生じたものであると考えられる。

0042

[検証例4]
検証例1と同様の方法で、図1に示す紫外線照射装置1を用いて、各検証員M1、M2、M3、M4、M5、M6の6名に対して右手の手のひらに、波長222nmにピークを有する紫外線を、照度3.8mW/cm2、照射時間30秒間で照射した。

0043

その後、検証例3で利用された18種類のアミノ酸(シスチン、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、プロリン、グリシン、バリン、アラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、チロシン、リジン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン)の各水溶液モル濃度:1mM)を紫外線が照射された領域に塗布した。具体的には、各水溶液をスプレー噴霧した後、手のひらで揉み込むようにして塗布した。そして、各水溶液の塗布の前後における臭いの変化を検証した。

0044

判定結果を表3に示す。なお、表3には、検証員M1に対する結果のみを示しているが、他の5名についても全く同じ結果が得られた。

0045

0046

表3の結果から、検証例3において異臭の発生原因であると推察された、ロイシン、バリン、イソロイシン、又はメチオニンの水溶液を、紫外線照射後に塗布すると、異臭が確認されなくなることが分かる。また、ロイシン、バリン、イソロイシン、メチオニンとは別に、グルタミン酸、アルギニン、セリン、アスパラギン酸、プロリン、又はグリシンの水溶液を、紫外線照射後に塗布した場合でも、異臭が確認されなくなることが分かる。

0047

検証例3及び検証例4の結果から、波長222nmの紫外線が皮膚に対して照射されることで、アミノ酸の一部が破壊されて異臭が発生するが、その後に、特定のアミノ酸を紫外線照射後の皮膚に塗布することで、破壊されたアミノ酸の一部又は全部が修復され、異臭発生要因消失し、異臭が発生しなくなることが結論付けられる。

0048

なお、上記検証例は、波長222nmの紫外線を用いて行われたが、波長222nmの近傍、並びに波長222nmより短波長の光においても、同様の原理により工程(a)において異臭が発生し、工程(b)において発生した異臭が抑制されることが結論付けられる。

0049

また、上記検証例3及び4の結果から、波長222nmの紫外線を照射後に、特定のアミノ酸を塗布することで異臭が発生しなくなることが確認されたが、同様の理由により、この特定のアミノ酸を含む材料や、この特定のアミノ酸の誘導体を含む材料を塗布することでも異臭の発生が抑制できることが分かる。

0050

[検証例5]
検証例4と同様に、図1に示す紫外線照射装置1を用いて、各検証員M1、M2、M3、M4、M5、M6の6名に対して、右手の手のひらに、波長222nmにピークを有する紫外線を、照度3.8mW/cm2、照射時間30秒間で照射した。

0051

その後、下記4例の市販品を紫外線が照射された領域に塗布した。

0052

(市販品A)樹脂株式会社製、アミノ酸浸透ジェル
含有保湿成分:ヒアルロン酸Na、PCA−Na、ブチレングリコール、乳酸Na
含有アミノ酸:プロリン、グリシン、アルギニン、ベタイン
含有密着/浸透成分:カルボマー(カルボキシビニルポリマー)

0053

(市販品B)ニベア花王株式会社製、アトリックスハンドジェル
含有保湿成分:ヒアルロン酸Na、PCA−Na、ブチレングリコール、グリセリン
含有アミノ酸:プロリン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ラウロイルグルタミン酸
含有密着/浸透成分:ジメチコン、カルボマー(カルボキシビニルポリマー)

0054

(市販品C)資生堂株式会社製、メンズデオドラントスプレー
含有保湿成分:なし
含有アミノ酸:なし
含有密着/浸透成分:なし
その他成分:殺菌剤IPMP(イソプロピルメチルフェノール)、酸化亜鉛)、消臭剤みょうばん

0055

(市販品D)大正製薬株式会社製、日焼け止めクリーム
含有保湿成分:グリセリン、ブチレングリコール
含有アミノ酸:なし
含有密着/浸透成分:ジメチコン
その他成分:UV吸収剤メトキシケイヒ酸エチルヘキシルジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)、油脂類ツヤ出し、肌保護等)

0056

判定結果を表4に示す。なお、表4には、検証員M1に対する結果のみを示しているが、他の5名についても全く同じ結果が得られた。

0057

0058

表4の結果から、密着、浸透、消臭などの機能目的の薬剤を塗布しただけでは、必ずしも紫外線照射後の異臭は除去されないことが確認された。この表4の結果からも、検証例1〜4で検証した結果に基づいて得られた考察が正しいことが示されている。すなわち、波長222nmの紫外線が皮膚に対して照射されることで、アミノ酸の一部が破壊されて異臭が発生するが、その後に、特定のアミノ酸(検証例5では、プロリン、グリシン、アルギニン)を紫外線照射後の皮膚に塗布することで、破壊されたアミノ酸の一部又は全部が修復されて異臭発生要因が消失し、異臭が発生しなくなることが確認される。

0059

[別実施形態]
図2に示すように、紫外線照射装置1が、特定溶媒B、すなわちバリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、アスパラギン酸、プロリン、グリシンから選択される少なくとも一つのアミノ酸又はアミノ酸誘導体を含有する皮膚外用剤、化粧料、又は水溶液を、紫外線照射箇所に噴霧する噴霧口5を備えるものとすることができる。これにより、作業者は、自らの手指や腕を装置1内に挿入することで、自動的に所定時間にわたって、波長200nm以上230nm以下の紫外線が照射された後、引き続き特定溶媒Bが照射領域に噴霧される。よって、作業員は、その後に自らの手指や腕を装置1の外へ出して、手で特定溶媒Bを揉み込むのみで、異臭の発生を抑制しながらも、殺菌処理を行うことができる。

0060

1 :紫外線照射装置
2 :光源
3 : 挿入口
4 :台座
5 :噴霧口
L1 :紫外線
B : 特定溶媒

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