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技術 グロメットの取付構造及び回転伝達装置

出願人 NTN株式会社
発明者 藤川雅道佐藤光司
出願日 2017年9月25日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2017-183547
公開日 2019年4月18日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-062597
状態 未査定
技術分野 屋内配線の据付 管の敷設 挿入ピン・リベット 油圧・電磁・流体クラッチ・流体継手 絶縁物体
主要キーワード 円錐台筒 直交断面形状 反発弾性力 改良構造 試験部品 弾性圧縮変形 圧縮弾性変形 開口部内周面
関連する未来課題
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図面 (6)

課題

グロメット機器ケースの開口部へ挿入する取付作業が簡単であり、しかも装着されたグロメットは、充分に抜け止めされていて使用耐久性の良好なグロメットの取付構造であり、このようなグロメットの取付構造により製造コストの低減を図ることのできる回転伝達装置とすることである。

解決手段

グロメット1の取付状態におけるケース2の開口部3の筒状本体1aと接触する内周面3aを、ケース2の外側に近い部分ほど大径Rであるように所定テーパ角度θテーパ面とし、さらに内周面3aが表面粗さRa6.3以上の粗面であることにより、挿入による取付作業が簡便であり、かつ充分に抜け止めされたグロメットの取付構造となる。開口部3からのグロメット1の抜け止め性を充分にするために、筒状本体1aの外径を内周面3aの径に対して15〜30%の径差だけ大きく拡径したグロメット1とする。

概要

背景

一般に、機器ケースの壁面等における貫通孔内で電線ケーブル等を保持するグロメットは、本体の内径面に保持される電線やケーブル等が貫通孔に直接触れないようにして、電線やケーブル等を保護すると共に、機器ケースの外部から貫通孔を通って異物侵入することを防止できるものである。

グロメットは、通常、ゴム等の弾性体からなるものが多く用いられ、工具を使わずに手で貫通孔に嵌める取付作業にも対応する。

グロメットの形状は、貫通孔に隙間無く嵌め入れる事のできるものであればよく、筒状であれば軸方向の長さは貫通孔の長さ程度あればよく、軸の直交断面形状を示せば、例えば真円やそれ以外の矩形形状(方形状)、楕円形状のものがよく知られている(特許文献1)。

また、このようなグロメットを取りつける対象となる装置や機器ケース(ケーシングまたはハウジングとも称される。)として、鋼やアルミニウム合金その他の金属製のものがあり、代表例としては機械的強度と複雑な形状に成形可能な鋳造品ケースが例示できる。

たとえば、特許文献1に記載された回転伝達装置およびそのケースは、2方向クラッチと、その2方向クラッチの係合解除を制御する電磁クラッチとを備えている(特許文献2)。

ここで図5を利用してグロメットと回転伝達装置の一般的な部分の構造を説明すると、回転伝達装置10の電磁クラッチ12の一対のリード線6は、鋳造された機器ケース2に形成された開口部3から図外の外部電源に接続される長さに延びており、開口部3にはグロメット1を嵌め入れ、その軸方向に貫通する保持孔7にリード線6を挿通させている。

回転伝達装置10の機器ケース2は、鋳物製品が多く採用されており、開口部3には、鋳造後の後加工によって研削加工が施され、グロメット1と接触する開口部3は、その挿入作業が容易であるようにできるだけ滑らかな面に形成されている。

グロメット1は、少なくともその挿入部分が、開口部3の内周面の最小径より10%程度大きい径差で形成されており、そのような径差を圧縮弾性変形させて開口部3に挿入している。グロメット1は、このような径差に応じた反発弾性力で開口部3との摩擦力を得ており、またグロメット1の先端部に設けた開口部3の内側の最小径より大径の先端部の係止力によって開口部3に抜け止めされている。

概要

グロメットを機器ケースの開口部へ挿入する取付作業が簡単であり、しかも装着されたグロメットは、充分に抜け止めされていて使用耐久性の良好なグロメットの取付構造であり、このようなグロメットの取付構造により製造コストの低減をることのできる回転伝達装置とすることである。グロメット1の取付状態におけるケース2の開口部3の筒状本体1aと接触する内周面3aを、ケース2の外側に近い部分ほど大径Rであるように所定テーパ角度θテーパ面とし、さらに内周面3aが表面粗さRa6.3以上の粗面であることにより、挿入による取付作業が簡便であり、かつ充分に抜け止めされたグロメットの取付構造となる。開口部3からのグロメット1の抜け止め性を充分にするために、筒状本体1aの外径を内周面3aの径に対して15〜30%の径差だけ大きく拡径したグロメット1とする。

目的

この発明は、上記した問題点を解決して、グロメットを機器ケースの開口部へ挿入する取付作業が簡単であり、しかも装着されたグロメットは、充分に抜け止めされていて使用耐久性の良好なグロメットの取付構造であり、このようなグロメットの取付構造の採用により製造コストの低減を図れる回転伝達装置とすることである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

筒状本体の軸方向の両端にフランジ部を有するゴム状弾性素材からなるグロメットと、このグロメットの前記筒状本体および前記軸方向一端のフランジ部を弾性圧縮変形した状態で挿通して取付可能な開口部を有する機器ケースと、を備え、前記グロメットの取付状態における前記グロメットと前記開口部のいずれかまたは両方の接触面に、動摩擦力の低減および静止摩擦力の増高が可能な摩擦力調整構造を設けたことを特徴とするグロメットの取付構造

請求項2

前記摩擦力調整構造が、前記開口部の前記筒状本体と接触する内周面を、前記機器ケースの外側に近い部分ほど大径のテーパ面とし、かつ表面粗さRa6.3以上の粗面とした摩擦力調整構造である請求項1に記載のグロメットの取付構造。

請求項3

前記テーパ面が、テーパ角度1°以上のテーパ面である請求項2に記載のグロメットの取付構造。

請求項4

前記内周面が、表面粗さRa12.5以上の粗面である請求項2または3に記載のグロメットの取付構造。

請求項5

前記摩擦力調整構造が、前記グロメットの前記筒状本体の外径を、開口部の内周面の径に対し15〜30%の径差だけ大きな径とした摩擦力調整構造である請求項1または2に記載のグロメットの取付構造。

請求項6

前記軸方向一端のフランジ部が、前記筒状本体より大径の底部外周を有する錐台筒状のフランジ部である請求項1または5に記載のグロメットの取付構造。

請求項7

クラッチ係合および解除を制御する電磁クラッチを備えた回転伝達装置の機器ケースの開口部に、前記電磁クラッチに接続されているリード線がグロメットを介して挿通している回転伝達装置において、この回転伝達装置が、請求項1〜6のいずれかに記載のグロメットの取付構造を備えていることを特徴とする回転伝達装置。

技術分野

0001

この発明は、電線ケーブル等を壁面の貫通孔内で保持するグロメット取付構造及びこの構造を備えた回転伝達装置に関するものである。

背景技術

0002

一般に、機器ケースの壁面等における貫通孔内で電線やケーブル等を保持するグロメットは、本体の内径面に保持される電線やケーブル等が貫通孔に直接触れないようにして、電線やケーブル等を保護すると共に、機器ケースの外部から貫通孔を通って異物侵入することを防止できるものである。

0003

グロメットは、通常、ゴム等の弾性体からなるものが多く用いられ、工具を使わずに手で貫通孔に嵌める取付作業にも対応する。

0004

グロメットの形状は、貫通孔に隙間無く嵌め入れる事のできるものであればよく、筒状であれば軸方向の長さは貫通孔の長さ程度あればよく、軸の直交断面形状を示せば、例えば真円やそれ以外の矩形形状(方形状)、楕円形状のものがよく知られている(特許文献1)。

0005

また、このようなグロメットを取りつける対象となる装置や機器ケース(ケーシングまたはハウジングとも称される。)として、鋼やアルミニウム合金その他の金属製のものがあり、代表例としては機械的強度と複雑な形状に成形可能な鋳造品ケースが例示できる。

0006

たとえば、特許文献1に記載された回転伝達装置およびそのケースは、2方向クラッチと、その2方向クラッチの係合解除を制御する電磁クラッチとを備えている(特許文献2)。

0007

ここで図5を利用してグロメットと回転伝達装置の一般的な部分の構造を説明すると、回転伝達装置10の電磁クラッチ12の一対のリード線6は、鋳造された機器ケース2に形成された開口部3から図外の外部電源に接続される長さに延びており、開口部3にはグロメット1を嵌め入れ、その軸方向に貫通する保持孔7にリード線6を挿通させている。

0008

回転伝達装置10の機器ケース2は、鋳物製品が多く採用されており、開口部3には、鋳造後の後加工によって研削加工が施され、グロメット1と接触する開口部3は、その挿入作業が容易であるようにできるだけ滑らかな面に形成されている。

0009

グロメット1は、少なくともその挿入部分が、開口部3の内周面の最小径より10%程度大きい径差で形成されており、そのような径差を圧縮弾性変形させて開口部3に挿入している。グロメット1は、このような径差に応じた反発弾性力で開口部3との摩擦力を得ており、またグロメット1の先端部に設けた開口部3の内側の最小径より大径の先端部の係止力によって開口部3に抜け止めされている。

先行技術

0010

特開2009−189210号公報
特開2007−247713号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかし、上記した従来のグロメットの機器ケースの壁面に対する取付構造は、鋳造された機器ケースに形成された開口部が、通常、研削加工されて滑らかな内周面を有しており、この内周面にグロメットが挿入されている。

0012

そのため、グロメットは、開口部内への挿入は容易であるが、内周面との摩擦力があまり大きくないので、弾性力に応じた内周面との摩擦力が充分でなく、振動その他の外力によって、グロメットが開口部から抜け落ちやすいという問題点がある。

0013

また、単に抜け止め防止作用の増大を図るために、グロメットの挿入部分の径を開口部の内周面の径に比べて充分に大きくすると、グロメットを開口部に挿入し難くなり、その取り付け作業時に支障をきたすという問題点がある。

0014

特に、回転伝達装置は、グロメットの開口部への挿入の容易性を確保するための研削加工に手間がかかり、結果的に製造コストがその分だけ高くなる問題点もある。

0015

そこで、この発明は、上記した問題点を解決して、グロメットを機器ケースの開口部へ挿入する取付作業が簡単であり、しかも装着されたグロメットは、充分に抜け止めされていて使用耐久性の良好なグロメットの取付構造であり、このようなグロメットの取付構造の採用により製造コストの低減を図れる回転伝達装置とすることである。

課題を解決するための手段

0016

上記の課題を解決するために、この発明では、グロメットを、筒状本体の軸方向の両端にフランジ部を有するゴム状弾性素材からなるものとしている。

0017

このグロメットは、前記筒状本体および前記軸方向一端のフランジ部を弾性圧縮変形した状態で機器ケースの開口部に挿通して取付可能である。
そして、前記グロメットの取付状態における前記グロメットと前記開口部のいずれかまたは両方の接触面に、動摩擦力の低減および静止摩擦力の増高が可能な摩擦力調整構造を設けたのである。

0018

グロメットに対する前記摩擦力調整構造として、動摩擦力を低減させるために、前記グロメットの取付状態における前記開口部の前記筒状本体と接触する内周面が、前記機器ケースの外側に近い部分ほど大径のテーパ面とすることができる。

0019

さらに、上記構造と共に静止摩擦力の増高のために、前記開口部内周面が表面粗さRa6.3以上の粗面とし、これらによって摩擦力調整構造を設けたグロメットの取付構造としている。

0020

上記したように構成されるこの発明のグロメットの取付構造は、グロメットを機器ケースの開口部へ挿入する取付作業時に、軸方向一端のフランジ部を弾性圧縮変形した状態で挿通してグロメットを機器ケース貫通孔へ挿入する取付作業を行なう。

0021

このとき、前記開口部の内周面が算術平均粗さである表面粗さRa6.3以上の粗面であることにより、静止摩擦力によるグロメットの抜け止め力は充分に作用する。この作用は、前記内周面が、表面粗さRa12.5以上の粗面であればより充分に奏される。

0022

取り付けられるグロメットは、開口部の筒状本体と接触する内周面が、前記機器ケースの外側に近い部分ほど大径のテーパ面に形成されていることにより、静止摩擦力が大きくても挿入作業の容易性が確保される。この作用は、前記テーパ面が、テーパ角度1°以上のテーパ面であればより充分に奏される。

0023

したがって、グロメットを機器ケース貫通孔へ挿入する取付作業が簡単であり、しかも装着されたグロメットは、充分に抜け止めされていて使用耐久性の良好なグロメットの取付構造になる。

0024

また、開口部に対する前記摩擦力調整構造としては、グロメットの取付状態における前記開口部の前記筒状本体と接触する内周面における接触面圧が充分に高められるように、前記グロメットの前記筒状本体の外径が、開口部内周面の径に対し15〜30%の径差だけ大きな径である構造を採用できる。

0025

この構造により、筒状本体と接触する内周面における接触面圧が充分に高められ、グロメットの取付後には静止摩擦力が高いので、グロメットは、充分に抜け止めされていて使用耐久性の良好なグロメットの取付構造になる。
グロメットを開口部に挿入する取付時には、静止摩擦力よりも小さな動摩擦力のみが作用するように、挿入作業を一気に行えばよい。

0026

このような取付作業上の許容可能な動摩擦力と、抜け止めのための静止摩擦力が得られるように、上述したようにグロメットの筒状本体の外径が、開口部内周面の径に対し所定範囲の径差だけ大きな径である構造を採用している。

0027

以上のようにグロメットと開口部のいずれか一方に摩擦力調整構造を設ける態様の他、上記の態様のような摩擦力調整構造を、グロメットと開口部の両方の接触面に設けてもよい。

0028

また、前記軸方向一端のフランジ部が、前記筒状本体より大径の底部外周を有する錐台筒状のフランジ部であるものでは、錐台筒状の先端部から開口部に容易に挿入される。
このときグロメットは、円錐台筒状部のテーパ面に案内されながら、徐々に弾性圧縮変形の程度を増しながら開口部の内周面に挿通できるので、グロメットを機器ケースの開口部へ挿入する取付作業がより容易に行なえる。

0029

このようなグロメットの取付構造を利用し、クラッチの係合および解除を制御する電磁クラッチを備えた回転伝達装置の機器ケースを貫通する開口部に、前記電磁クラッチに接続されているリード線がグロメットを介して挿通している回転伝達装置において、この回転伝達装置が、上記した比較的簡単な構造のグロメットの取付構造によって充分な作用効果を発揮させることができるので、これにより、製造コストの低減を図ることのできる回転伝達装置になる。

発明の効果

0030

この発明は、グロメットの取付状態における前記グロメットと前記開口部のいずれかまたは両方の接触面に、動摩擦力の低減および静止摩擦力の増高が可能な摩擦力調整構造を設けたので、グロメットを機器ケースの開口部へ挿入する取付作業が簡単であり、しかも装着されたグロメットは、充分に抜け止めされていて使用耐久性の良好なグロメットの取付構造であり、またこのようなグロメットの取付構造により製造コストの低減を図ることのできる回転伝達装置となる利点がある。

図面の簡単な説明

0031

グロメットの取付構造の実施形態を示す回転伝達装置の要部断面図
実施形態のグロメットと開口部の取付状態を部品分解して示す説明図
実施形態のグロメットの正面図
図3のIV-IV線断面図
実施形態の回転伝達装置を示す断面図

0032

この発明の実施形態を以下に添付図面に基づいて説明する。
図1〜4に示すように、実施形態のグロメットの取付構造は、グロメット1を、筒状本体1aの軸方向の一端に設けた筒状本体1aより大径の底部外周を有する円錐台筒状の先端部(第1のフランジ部)1bと、軸方向の他端に設けた(第2の)フランジ部1cとを有する弾性素材で構成している。グロメット1は、ケース2の開口部3に挿通して取付可能な大きさで設けられている。

0033

このグロメット1は、筒状本体1aおよび先端部1bを図示した回転伝達装置のケース2の開口部3に対し、図2の矢印方向から挿入し、筒状本体1aおよび先端部1bを弾性圧縮変形した状態で取付可能なゴム状弾性素材で形成している。

0034

図3、4に示すように、グロメット1は筒状本体1aに軸方向に貫通するリード線6の保持孔7を有する。このような保持孔7は、必要に応じて1本または複数本形成することができる。

0035

グロメット1の筒状本体1aの外周面には、軸方向に間隔をあけて周方向に延びる複数の環状突部5を形成している。このように環状突部5を形成することにより、開口部3に挿し込む際に、内周面3aと筒状本体1aとの接触面積を減少させて、挿し込み作業の容易性を高めることができる。このような環状突部5は、周方向に連続させて設けたものを示したが、不連続状に形成してもよい。

0036

図示した円錐台筒状の先端部1bは、グロメット1を開口部3へ挿入する取付作業がより容易に行なえるように、筒状本体1aより大径の底部外周を有する円錐台筒状とし、先端の径をできるだけ小さく形成している。図示した筒状本体1aより大径の底部外周を有する円錐台筒状の他、Oリング状、その他のリング状の他、挿入の容易性を向上できるように周知形状を採用できる。

0037

グロメット1の筒状本体1aに設けたフランジ部1cは、開口部3の外側に係止できる大きさの外径に形成された部分であればよく、連続した環状のものの他、不連続な形状であってもよい。

0038

グロメット1は、主としてゴムまたはエラストマー樹脂)であるゴム状弾性素材からなる。前記ゴムとしては、通常、合成ゴムであり、例えばグロメットの他、ガスケット、Oリングの素材としても汎用されているエチレンプロピレンゴム(EPDM)またはクロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。グロメットは、その全体または所要部分がゴム状弾性素材からなり、その他には金属やプラスチック芯材補強されていてもよく、また繊維で補強された複合材料であってもよい。

0039

このようなゴムの硬度(JIS A)デュロメーター硬さは、30〜100の範囲で取付対象に応じて選択できるが、手で取り付けやすい素材であるように、ゴムの硬度(JIS A)45〜80、より好ましくは同50〜70の範囲の硬度を選択的に採用することが好ましい。

0040

図2に示すように、グロメット1の取付状態におけるケース2の開口部3の筒状本体1aと接触する内周面3aは、前記ケース2の外側に近い部分ほど大径Rであって、所定テーパ角度θのテーパ面であり、さらに内周面3aが表面粗さ(算術平均粗さ)Ra6.3以上の粗面であることにより、挿入による取付作業が簡便であり、かつ充分に抜け止めされたグロメットの取付構造となっている。
なお、実施形態の開口部3は、その開口端縁が急な角度で円錐状に外向きに広げられ、座繰り穴4を形成したものを示したが、これを省略した開口部3であってもよい。

0041

前記のように例示されるゴム硬度のグロメット1の筒状本体1aは、開口部3からその内周面3aに挿入されるとき、弾性圧縮変形した状態になって取付けられる。そのような状態で内周面3aに密着し、かつ抜け止め性が確保されるように、筒状本体1aの外径は、弾性圧縮変形していない状態で、内周面3aの径(テーパ面の場合は、好ましくは最小径)に対して15〜30%の径差だけ大きく形成されている。

0042

これは、筒状本体1aと接触する内周面3aにおける接触面圧が充分に高められるようにするためであり、上記数値範囲の下限値の15%径差未満では、グロメット1の弾性変形量に応じて生じる上記の接触面圧が充分に高まらず、グロメット1の抜け止めに不充分な引き抜き抵抗力になる場合が多い。また上記数値範囲の上限値である30%を超えると、グロメット1をケースの開口部3へ挿入する取付作業が、容易でなくなる場合がある。

0043

また、鋳造されたケース2の開口部3の内周面3aは、研削加工を施す以前からケース2の外側に近い部分ほど大径のテーパ面に形成されている。所定テーパ角度θのテーパ面を形成していることにより、挿入時のグロメット1と内周面3aとの接触面圧は、挿入の深さが増すほど連続的に徐々に高まるので、挿入作業を容易に行なうことができ、また内周面3aの表面粗さをある程度大きくしても、比較的容易に取り付け作業を行なうことができる。

0044

上記の作用は、テーパ角度が0゜を超えれば生じるが、テーパ角度1°以上のテーパ面とすればグロメット1の挿入作業の容易性は充分である。なお、あまり過剰に大きなテーパ角度にすると、開口部3の内周面3aの表面粗さをある程度大きくしていてもグロメット1が開口部3から抜けやすくなるので、好ましくない。
このような傾向から、内周面3aは、テーパ角度1°以上かつ5°以下のテーパ面であることが好ましい。

0045

なお、上述したように鋳造されるケース2においては、鋳造後の開口部3にはテーパ角度1°程度の鋳造肌鋳肌とも称される。)が形成されているので、研削加工せずにそのままテーパを残して利用できる。

0046

また、内周面3aは、表面粗さRa6.3以上の粗面に形成されていることが、グロメット1の抜け止め力を効果的に高めるために好ましい。このように抜け止め力を高めるための表面粗さは、できるだけ大きな表面粗さを採用することが好ましく、より好ましい内周面3aの表面粗さは、Ra12.5以上である。

0047

しかし、あまり表面粗さを大きくすると、グロメット1をケース2の開口部3へ挿入する取付作業が容易でなくなるので、内周面3aの表面粗さは、Ra6.3〜20程度にすることが適切である。

0048

なお、鋳造されるケース2においては、開口部3の内周面3aは鋳造後にRa12.5以上、例えばRa12.5〜15程度の表面粗さの鋳造肌となるので、そのまま研削加工せずに利用することができる。

0049

鋳造による鋳造肌の表面粗さは、周知技術によって調整することができる。例えば鋳型が砂で作られている場合には、砂の粒の大きさにより、凹凸の程度が異なり、また砂粒の間を埋める粘土ベントナイト等の配合によって、ある程度、調整することができる。

0050

以上のようなグロメットの取付構造を備えている回転伝達装置の実施形態について、以下に説明する。
図1および図5に示すように、回転伝達装置10は、2方向クラッチ11と、その2方向クラッチ11の係合、解除を制御する電磁クラッチ12とを備えたものである。

0051

2方向クラッチ11は、外輪13の内側に内輪14を組込み、その内輪14の外周に、外輪13の内周に形成された円筒面15との間で周方向の両端部に向けて狭小となるくさび空間を形成する複数のカム面16を形成し、各カム面16と円筒面15間にローラ係合子)17を組込み、ローラ17を保持器18で保持している。

0052

また、保持器18と内輪14の間にスイッチばね19を組み込み、そのスイッチばね19の弾性により、ローラ17が円筒面15およびカム面16に対して係合解除された中立位置に保持器18を保持している。

0053

一方、電磁クラッチ12は、外輪13の開口端に対向してアーマチュア20を設け、上記外輪13に接続されたロータ21をアーマチュア20に対向し、そのロータ21に対向して電磁石22を設け、電磁石22に対する通電によりロータ21にアーマチュア20を吸着して保持器18を外輪13に接続し、その保持器18と内輪14の相対回転により、ローラ17を外輪13の円筒面15および内輪14のカム面16に係合させて、内輪14と外輪13相互間において回転トルクを伝達している。

0054

このような回転伝達装置10は、電磁クラッチ12の一対のリード線6が、鋳造されたケース2の開口部3から図外の外部電源に接続される長さに延びており、開口部3にはグロメット1を嵌め入れ、軸方向に貫通する保持孔7にリード線6を挿通させて保持している。

0055

このとき、開口部3は、グロメット1によりリード線6が直接触れないようにしており、リード線6を保護すると共に、ケース2の外部から開口部3を通って異物が侵入することを防止している。

0056

この場合に採用されるグロメット1の開口部3への取付構造は、前述の実施形態の構造を採用しており、上述したように、グロメット1の取付状態におけるケース2の開口部3の筒状本体1a(図1〜4)と接触する内周面3aは、ケース2の外側に近い部分ほど大径のテーパ面(例えばテーパ角度1゜)であり、かつ内周面3aが表面粗さRa6.3以上の粗面に形成されている。

0057

上記のように構成されるグロメット1の取付構造およびこの構造を有する回転伝達装置10としたので、グロメット1をケース2の開口部3へ挿入する取付作業が簡単であり、しかも装着されたグロメット1は、充分に抜け止めされていて使用耐久性の良好なグロメットの取付構造であり、またこのようなグロメット1の取付構造により回転伝達装置10の製造コストの低減を図ることができる。

0058

[実施例1〜3]
表1に示す条件でグロメットの取付構造を作製した。すなわち、上記実施形態で説明した構造の回転伝達装置の鋳造ケースの開口部の内周面について、鋳造肌を研削加工せずに表面粗さRa 6.3とし、テーパ角度1゜である試験部品(実施例1,3用)、実施例1において研削加工によりRa 3.2とし、テーパ角度0゜である試験部品(実施例2用)を作製した。

0059

さらに試験部品のグロメットについては、クロロプレンゴム(CR)製で、ゴムの硬度(JIS A)デュロメーター硬さ60の素材を採用し、筒状本体の外径が開口部の内周面の径(テーパ面の最小径)に対し10%の径差だけ大きな径である試験部品(実施例1用)、または筒状本体の外径が開口部の内周面の径(テーパ面のものは最小径)に対する径差(所定径差)が15%大きな径である試験部品(実施例2、3用)を作製した。
得られた試験部品を組み合わせて実施例1〜3のグロメットの取付構造を作製した。

0060

[比較例1、2]
表1に示すように、実施例に用いたものと同じ構造の回転伝達装置の鋳造ケースの開口部の内周面について、鋳造後の研削加工によって表面粗さRa 3.2のものとし、テーパ角度のない内周面の試験部品(比較例1、2用)を得た。グロメットは、実施例と同様のゴム素材を用い、筒状本体の外径が開口部のテーパのない内周面の径に対して径差(所定径差)10%または32%だけ大きな径である試験部品(比較例1、2用)を作製した。
得られた試験部品を組み合わせて比較例1、2のグロメットの取付構造を作製した。

0061

上記のようにして得られた実施例1〜3と比較例1、2について、グロメットの引き抜き荷重を測定する試験を行ない、この結果を表1中に併記した。
その評価の基準は、比較例1の引き抜き荷重:約50Nを基準として、各例について、グロメットの引き抜き荷重がどの程度の割合で増減しているか、表2に示した評価基準で3段階に評価した。

0062

0063

0064

表1の結果からも明らかなように、比較例1では、開口部の内周面に所定角度のテーパ面および所定表面粗さの粗面がなく、またグロメットも所定径差に拡径されていないため、グロメットは、充分に抜け止めされていなかった。
また、グロメットを所定径差を超えて拡径した比較例2では、取付作業時のグロメットの挿入が手で容易に行なえなかった。

実施例

0065

一方、開口部の内周面に所定角度のテーパ面および所定表面粗さの粗面を形成した実施例1、またはグロメットを所定径差に拡径した実施例2は、グロメットの引き抜き荷重が比較例1の20%(表1では10%以上40%未満)の割合まで増加した。さらに実施例1の開口部の内周面の改良構造と実施例2のグロメットの改良構造を併有する実施例3では、グロメットの引き抜き荷重が比較例1の50%(表1では40%超)まで増加した。

0066

1グロメット
1a 筒状本体
1b 先端部
1cフランジ部
2ケース
3 開口部
3a内周面
4座繰り穴
5 環状突部
6リード線
7保持孔
10回転伝達装置
11 2方向クラッチ
12電磁クラッチ
13外輪
14内輪
15円筒面
16カム面
17ローラ
18保持器
19スイッチばね
20アーマチュア
21ロータ
22 電磁石

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