図面 (/)

技術 リチウムイオン二次電池

出願人 株式会社日立製作所
発明者 坪内繁貴野家明彦荒木千恵子西村悦子鈴木修一
出願日 2015年12月25日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2015-252802
公開日 2019年4月18日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-061734
状態 未査定
技術分野 電池の電極及び活物質
主要キーワード 積層粒子 初期エージング 直流抵抗測定 絶縁性シール材 オーム損失 発泡金属板 短冊状電極 ガラスハーメチックシール
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年4月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

本発明では、薄膜化した正極合剤において、低抵抗な正極合剤を提供することである。

解決手段

正極集電体と、前記正極集電体に設けられた正極合剤層を有し、前記正極合剤層は、正極活物質と、粒子状導電剤と、カーボンナノチューブを有し、前記正極活物質の平均粒径aと、前記粒子状の導電剤の平均粒径bの関係b/aは、b/a≦0.04の範囲であり、前記aと、前記正極合剤層の厚さLの関係L/aは、3≦L/a≦10の範囲であり、前記正極合剤層における前記カーボンナノチューブの重量割合(CNT)と、前記正極合剤層における前記粒子状の導電剤との重量割合(A)の関係A/CNTは、20≦A/CNT≦100の範囲であるリチウムイオン二次電池

概要

背景

ハイブリッド自動車へのリチウムイオン二次電池の適用に向けて、電池高出力化が求められており、そのためには、電池の抵抗を低減する必要がある。電池設計の観点において、電池缶内に収容される電極面積を広げる事により、低抵抗化が可能である。電極薄膜化によって、電極面積の拡張を実現できる。

従来、一般的な正極合剤には、ニッケルコバルトマンガン等を含むリチウム正極活物質と、アセチレンブラック等の導電材バインダ等が用いられている。

特許文献1、特許文献2には、正極活物質と導電助剤を含む正極合剤を集電体に塗布する技術が開示されている。導電性助剤としてカーボンナノチューブや導電材を用いる技術が開示されている。

概要

本発明では、薄膜化した正極合剤において、低抵抗な正極合剤を提供することである。正極集電体と、前記正極集電体に設けられた正極合剤層を有し、前記正極合剤層は、正極活物質と、粒子状導電剤と、カーボンナノチューブを有し、前記正極活物質の平均粒径aと、前記粒子状の導電剤の平均粒径bの関係b/aは、b/a≦0.04の範囲であり、前記aと、前記正極合剤層の厚さLの関係L/aは、3≦L/a≦10の範囲であり、前記正極合剤層における前記カーボンナノチューブの重量割合(CNT)と、前記正極合剤層における前記粒子状の導電剤との重量割合(A)の関係A/CNTは、20≦A/CNT≦100の範囲であるリチウムイオン二次電池。

目的

本発明では、薄膜化した正極合剤において、低抵抗な正極合剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

正極集電体と、前記正極集電体に設けられた正極合剤層を有し、前記正極合剤層は、正極活物質と、粒子状導電剤と、カーボンナノチューブを有し、前記正極活物質の平均粒径aと、前記粒子状の導電剤の平均粒径bの関係b/aは、b/a≦0.04の範囲であり、前記aと、前記正極合剤層の厚さLの関係L/aは、3≦L/a≦10の範囲であり、前記正極合剤層における前記カーボンナノチューブの重量割合(CNT)と、前記正極合剤層における前記粒子状の導電剤との重量割合(A)の関係A/CNTは、20≦A/CNT≦100の範囲であるリチウムイオン二次電池

請求項2

請求項1において、前記正極合剤層は、40μm以下であるリチウムイオン二次電池。

請求項3

請求項2において、前記粒子状の導電剤は、黒鉛非晶質炭素易黒鉛化炭素カーボンブラック活性炭アセチレンブラックのいずれか少なくとも一種であるリチウムイオン二次電池。

請求項4

前記正極活物質の平均粒径aと、前記粒子状の導電剤の平均粒径bの関係b/aは、b/a≦0.015の範囲であるリチウムイオン二次電池。

請求項5

請求項4において、前記正極活物質の平均粒径aは、0<a≦5μmの範囲であるリチウムイオン二次電池。

請求項6

請求項5において、前記正極合剤層の密度は2.5〜3.5gcm−3であるリチウムイオン二次電池。

請求項7

請求項6において、前記正極合剤層における前記カーボンナノチューブの重量割合(CNT)と、前記正極合剤層における前記粒子状の導電剤との重量割合(A)の関係A/CNTは、20≦A/CNT≦80の範囲であるリチウムイオン二次電池。

請求項8

請求項1乃至請求項7のいずれかにおいて、前記正極活物質はLiMO2(MはNi、Co、Mnを含む)であるリチウムイオン二次電池。

請求項9

請求項8において、前記カーボンナノチューブの平均直径は、20nm以下であり、平均長さが10μm以上であるリチウムイオン二次電池。

技術分野

0001

本発明は、リチウムイオン二次電池用電解質液それを用いたリチウムイオン二次電池に関する。

背景技術

0002

ハイブリッド自動車へのリチウムイオン二次電池の適用に向けて、電池高出力化が求められており、そのためには、電池の抵抗を低減する必要がある。電池設計の観点において、電池缶内に収容される電極面積を広げる事により、低抵抗化が可能である。電極薄膜化によって、電極面積の拡張を実現できる。

0003

従来、一般的な正極合剤には、ニッケルコバルトマンガン等を含むリチウム正極活物質と、アセチレンブラック等の導電材バインダ等が用いられている。

0004

特許文献1、特許文献2には、正極活物質と導電助剤を含む正極合剤を集電体に塗布する技術が開示されている。導電性助剤としてカーボンナノチューブや導電材を用いる技術が開示されている。

先行技術

0005

WO2013/073562
WO14/157061

発明が解決しようとする課題

0006

従来の、正極合剤を薄膜化するには、箔上に塗布された合剤量を減らすか、合剤製造時の合剤層へのプレス圧を上げることにより、電極密度を更に上げる必要がある。前者の場合、薄膜化が可能であるが、実際には活物質量が低下し、反応面積が低下するため電極の抵抗は上昇し、期待する電池の高出力化が図れない。

0007

後者の場合、導電材としてアセチレンブラック等を用いた場合、これら導電材は嵩高いためプレス圧を上げても薄膜化に限界がある。

0008

この問題を解決するために、導電材を小粒子化する案があるが、導電材を小粒子化することで活物質同士の導電パス経路が減り抵抗が上昇する。

0009

特許文献1、2では、導電材にカーボンナノチューブや導電材を用いる技術が開示されているが、上記のように正極合剤層密度が高く、膜厚が薄い場合において、抵抗を下げる検討についてはなされていない。

0010

本発明では、薄膜化した正極合剤において、低抵抗な正極合剤を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決する手段は、例えば次の通りである。

0012

正極集電体と、前記正極集電体に設けられた正極合剤層を有し、前記正極合剤層は、正極活物質と、粒子状導電剤と、カーボンナノチューブを有し、前記正極活物質の平均粒径aと、前記粒子状の導電剤の平均粒径bの関係b/aは、b/a≦0.04の範囲であり、前記aと、前記正極合剤層の厚さLの関係L/aは、3≦L/a≦10の範囲であり、前記正極合剤層における前記カーボンナノチューブの重量割合(CNT)と、前記正極合剤層における前記粒子状の導電剤との重量割合(A)の関係A/CNTは、20≦A/CNT≦100の範囲であるリチウムイオン二次電池。

発明の効果

0013

本発明により、薄膜化した正極合剤において、低抵抗な正極合剤を提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

リチウムイオン二次電池101の内部構造を示す図
正極合剤が薄い場合(14μm)において正極活物質粒径aが抵抗に与える影響を調べた結果
活物質粒子径aに対する正極合剤層の膜厚(L/a)と抵抗値の関係
正極活物質の粒径aと粒子状の導電剤Aの粒径bとの比率(b/a)と抵抗の関係
正極合剤中のカーボンナノチューブに対する粒子状の導電材Aの重量割合と抵抗の関係

実施例

0015

以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。

0016

<リチウムイオン二次電池>
図1は、リチウムイオン二次電池101の内部構造を模式的に示している。リチウムイオン二次電池101とは、非水電解質中における電極へのイオン吸蔵・放出により、電気エネルギー貯蔵利用可能とする電気化学デバイスの総称である。本実施例では、リチウムイオン二次電池を代表例として説明する。

0017

図1のリチウムイオン二次電池101において、正極107、負極108、および両電極の間に挿入されたセパレータ109からなる電極群を、電池容器102に密閉状態にて収納されている。電池容器102の上部に蓋103があり、その蓋103に正極外部端子104、負極外部端子105、注液口106を有する。電池容器102に電極群を収納した後に、蓋103を電池容器102に被せ、蓋103の外周を溶接して電池容器102と一体になっている。

0018

正極107または負極108の少なくとも一個以上を交互に重ね合わせて、正極107と負極108の間にセパレータ109を挿入し、正極107と負極108の短絡を防止する。正極107、負極108、セパレータ109で電極群が構成される。ポリエチレンポリプロピレンなどからなるポリオレフィン系高分子シート、あるいはポリオレフィン系高分子と4フッ化ポリエチレンを代表とするフッ素系高分子シートを溶着させた多層構造のセパレータ109などを使用することが可能である。電池温度が高くなったときにセパレータ109が収縮しないように、セパレータ109の表面にセラミックスとバインダの混合物薄層状に形成しても良い。これらのセパレータ109は、リチウムイオン二次電池101の充放電時にリチウムイオンを透過させる必要があるため、一般に細孔径が0.01〜10μm、気孔率が40%以上であれば、リチウムイオン二次電池101に使用可能である。

0019

セパレータ109は、電極群の末端に配置されている電極と電池容器102の間にも挿入し、正極107と負極108が電池容器102を通じて短絡しないようにしている。セパレータ109と正極107、負極108の表面および細孔内部に、電解液113が保持されている。

0020

電極群の上部には、リード線を介して外部端子電気的に接続されている。正極107は正極リード線110を介して正極外部端子104に接続されている。負極108は負極リード線111を介して負極外部端子105に接続されている。なお、正極リード線110と負極リード線111は、ワイヤ状、板状などの任意の形状を採ることができる。電流を流したときにオーム損失を小さくすることのできる構造であり、かつ電解液113と反応しない材質であれば、正極リード線110、負極リード線111の形状、材質は任意である。

0021

正極外部端子104または負極外部端子105と、電池容器102の間には絶縁性シール材料112を挿入し、両端子が短絡しないようにしている。絶縁性シール材料112にはフッ素樹脂熱硬化性樹脂ガラスハーメチックシールなどから選択することができ、電解液113と反応せず、かつ気密性に優れた任意の材質を使用することができる。

0022

正極リード線110または負極リード線111の途中、あるいは正極リード線110と正極外部端子104の接続部、または負極リード線111と負極外部端子105の接続部に、正温度係数PTC;PoSitive temperature coefficient)抵抗素子を利用した電流遮断機構を設けると、電池内部の温度が高くなったときに、リチウムイオン二次電池101の充放電を停止させ、電池を保護することが可能となる。なお、正極リード線110、負極リード線111は箔状、板状など、任意の形状にすることができる。

0023

電極群の構造は、図1に示した短冊状電極の積層したもの、あるいは円筒状、扁平状などの任意の形状に捲回したものなど、種々の形状にすることができる。電池容器の形状は、電極群の形状に合わせ、円筒型偏平長円形状、角型などの形状を選択してもよい。

0024

電池容器102の材質は、アルミニウムステンレス鋼ニッケルメッキ鋼製など、非水電解質に対し耐食性のある材料から選択される。また、電池容器102を正極リード線110または負極リード線111に電気的に接続する場合は、非水電解質と接触している部分において、電池容器の腐食やリチウムイオンとの合金化による材料の変質が起こらないように、リード線の材料を選定する。

0025

その後、蓋103を電池容器102に密着させ、電池全体密閉する。電池を密閉する方法には、溶接、かしめなど公知の技術がある。

0026

<正極>
正極107は、正極合剤層、正極集電体から構成される。正極合剤層は、正極活物質、導電剤、必要に応じてバインダから構成される。その正極活物質の種類を例示すると、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4が代表例である。他に、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2、Li4Mn5O12、LiMn2−xMxO2(ただし、M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn、Taであって、x=0.01〜0.2)、Li2Mn3MO8(ただし、M=Fe、Co、Ni、Cu、Zn)、Li1−xAxMn2O4(ただし、A=Mg、Ba、B、Al、Fe、Co、Ni、Cr、Zn、Caであって、x=0.01〜0.1)、LiNi1−xMxO2(ただし、M=Co、Fe、Ga、x=0.01〜0.2)、LiFeO2、Fe2(SO4)3、LiCo1−xMxO2(ただし、M=Ni、Fe、Mnであって、x=0.01〜0.2)、LiNi1−xMxO2(ただし、M=Mn、Fe、Co、Al、Ga、Ca、Mgであって、x=0.01〜0.2)、Fe(MoO4)3、FeF3、LiFePO4、LiMnPO4などを列挙することができる。正極活物質としては、上記いずれの正極活物質も任意に用いることができる。

0027

正極合剤層は、上記の正極活物質、導電材、バインダを液体に混合させて、これを集電体に塗布し、プレス、乾燥させることにより作製することができる。正極合剤層は、薄くすることにより、集電体から正極合剤の表面までの距離(正極合剤層の厚さ)を小さくすることができ、抵抗が低いリチウムイオン二次電池とすることができる。この観点から正極合剤層の厚さは、40μm以下、特に25μm以下、されには12〜14μm以下が好ましく、また、正極合剤層の密度は、2.5〜3.5gcm−3が好ましい。しかし、正極合剤に含まれる正極活物質の粒径との関係から、正極活物質粒径に対して正極合剤が薄すぎる場合逆に抵抗が上がる可能性もある。したがって、正極合剤層の厚みLは、電極の膜厚方向電子伝導パスを確保するために、活物質粒子径aに対してL/aが0<L/a≦10である必要がある。好ましくは、3<L/a≦10、より好ましくは、3≦L/a≦6である。

0028

具体的には、正極合剤層の膜厚は12〜25μm、正極活物質の粒径aは、0<a≦5μmの範囲が好ましい。ここで、粒径は、平均粒径を示し、光散乱測定から得られる、粒度分布から算出したメディアン径D50の値とする。

0029

上記のように、正極合剤層は薄くすることにより抵抗を下げることができるが、導電材としてアセチレンブラック等を用いた場合、これら導電材は嵩高いためプレス圧を上げても薄膜化に限界がある。この問題を解決するために、導電材を小粒子化する案があるが、導電材を小粒子化することで活物質同士の導電パスの経路が減り抵抗が上昇する。

0030

したがって、導電材としては、粒子状の導電材Aと、カーボンナノチューブ(CNT)を併用することが好ましい。導電材Aを小粒子化し、繊維状の導電材Bを用いることで、導電材Aの小粒子化による導電パス経路の低減を補うことができる。

0031

本発明において、粒子状の導電材Aとしては、黒鉛非晶質炭素易黒鉛化炭素デンカブラックなどのカーボンブラック活性炭、アセチレンブラックなどの公知の導電性の材料を用いることができる。本発明の効果を出す、活物質と導電材Aの構成は、電子伝導パスの最適形成の点で、活物質の粒子径aに対する、導電材Aの粒子径bの値で表わされるb/aが、0<b/a≦0.04が望ましい。より望ましくは0<b/a≦0.015である。

0032

逆にb/aは、0.005以上が好ましく、b/aが小さすぎる(活物質が大きすぎる、もしくは導電材Aが小さすぎる)場合、活物質への電子導電パスの形成が難しくなる可能性がある。粒子状の導電剤のアスペクト比は1〜20、好ましくは1〜5の物を用いることができる。

0033

粒子状の導電材Aと併用するカーボンナノチューブ(CNT)は、気相成長炭素、またはピッチ石油石炭コールタールなどの副生成物)を原料高温炭化して製造した繊維、アクリル繊維(Polyacrylonitrile)から製造した炭素繊維などを用いることができる。製造方法としては、その他溶融法化学気相成長法など既存の製法を利用することができる。CNTの平均直径dは、好ましくは5<d≦20nmである。CNTの平均長さは1μ以上が望ましい。特に、活物質間の電子伝導パスを確保するために、CNTの平均長さは2a以上がより望ましい。

0034

本発明のリチウムイオン二次電池正極合剤の直流抵抗比(Ω/Ω)は、1.0以下が好ましく、これを考慮すると、正極合剤中のカーボンナノチューブに対する粒子状の導電材Aの重量割合は、20wt%以上100%以下であることが好ましく、より好ましくは、20wt%以上80wt%以下、さらに好ましくは、30wt%以上60wt%以下が好ましい(後述する図5より)。
カーボンナノチューブは、嵩密度が小さく、アスペクト比が大きい為、正極合剤が高密度であっても、空孔入り込むことができる為、導電性を上げることができる。アスペクト比としては、例えば100以上、1000以上のものを用いることができる
粒子状の導電材Aの割合が多い場合、正極活物質同士の導電パスの経路が少なくなる為、抵抗が上昇する。CNTの割合が多い場合、CNT同士の凝集が進むため、抵抗が大きくなる虞がある。

0035

また、正極合剤に対する、導電材(粒子状の導電剤A+CNT)の総比率は、導電性の観点から、2.5〜6wt%の範囲が好ましい。

0036

正極集電体には、厚さが10〜100μmのアルミニウム箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmのアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル発泡金属板などが用いられ、材質もアルミニウムの他に、ステンレス鋼、チタンなども適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。

0037

正極107の塗布には、ドクターブレード法ディッピング法スプレー法などの既知の製法を採ることができ、手段に制限はない。また、スラリを集電体へ付着させた後、有機溶媒を乾燥し、ロールプレスによって正極を加圧成形することにより、正極107を作製することができる。また、塗布から乾燥までを複数回おこなうことにより、複数の合剤層を集電体に積層化させることも可能である。

0038

<負極>
負極108は、負極合剤層負極集電体から構成される。負極合剤層は、主に負極活物質とバインダから構成され、必要に応じて導電剤が添加される場合がある。負極の作製方法を説明する。

0039

負極活物質は、グラフェン構造を有する炭素材料と、場合によってはSiと酸化Si材料もしくはSi合金材料との複合材料から構成されてもよい。グラフェン構造を有する炭素材料は、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能な天然黒鉛人造黒鉛メソフェ−ズ炭素膨張黒鉛、炭素繊維、気相成長法炭素繊維ピッチ系炭素質材料ニードルコークス石油コークスポリアクリロニトリル系炭素繊維、カーボンブラックのなどの炭素質材料、あるいは5員環または6員環の環式炭化水素または環式含酸素有機化合物熱分解によって合成した非晶質炭素材料、などが利用可能である。 また、ポリアセンポリパラフェニレンポリアニリンポリアセチレンからなる導電性高分子材料も、負極108に用いることができる。これらの材料と黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素等のグラフェン構造を有する炭素材料と組み合わせることができる。黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素等の材料の混合材料であっても、本発明を実施する上で障害はない。本発明では負極活物質の炭素材料に特に制限がなく、上述の材料以外でも利用可能である。

0040

負極活物質の粒径は、負極合剤層の厚さ以下になるように規定される。活物質の粒径は1μm以上5μm以下である。本発明の電解液量にて効果を表す活物質のBET比表面積は3.5m2/g以上であり。好ましくは3.5m2/g以上8m2/g以下である。

0041

上述で作製した負極活物質と本発明の一実施形態に係るバインダからなる混合物に溶媒を添加し、十分に混練または分散させて、スラリを調製する。溶媒は、有機溶媒、水などであって、本発明のバインダを変質させないものであれば、任意に選択することができる。

0042

負極活物質とバインダの混合比は、重量比率で80:20〜99:1の範囲が好適である。導電性を十分に発揮させ、大電流の充放電を可能にするために、上記重量組成は99:1に対し負極活物質比率の小さい値になるようにすることが望ましい。逆に、電池のエネルギー密度を高めるために、90:10よりも大きな負極活物質比率になるように、配合することが好適である。

0043

導電剤は必要に応じて負極に添加される。例えば、大電流の充電または放電を行う場合に、少量の導電剤を添加して、負極の抵抗を下げることが望ましい。導電剤には、黒鉛、非晶質炭素、易黒鉛化炭素、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、カーボンナノチューブなどの公知の材料を用いることができる。導電性繊維は、気相成長炭素、またはピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に高温で炭化して製造した繊維、アクリル繊維(Polyacrylonitrile)から製造した炭素繊維などがある。

0044

上述のスラリは、負極集電体に塗布し、溶媒を蒸発させて乾燥することによって、負極108を製造する。負極集電体には、厚さが10〜100μmの銅箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmの銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられ、材質も銅の他に、ステンレス鋼、チタンなども適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。

0045

負極108の塗布には、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法などの既知の製法を採ることができ、手段に制限はない。また、負極スラリを集電体へ付着させた後、溶媒を乾燥し、ロールプレスによって負極を加圧成形することにより、負極108を作製することができる。また、塗布から乾燥までを複数回おこなうことにより、複数の負極合剤層を集電体に積層化させることも可能である。

0046

<電解液>
本発明の一実施形態における電解液には、有機溶媒、電解質、添加剤が含まれる。

0047

<有機溶媒>
有機溶媒が混合溶液の形態で使用される場合、1種以上のさらなる有機溶媒としては、当該技術分野で通常使用される環状カーボネート、例えば、エチレンカーボネート(EC)若しくはプロピレンカーボネート鎖状(直鎖状若しくは分岐鎖状)カーボネート、例えば、ジメチルカーボネートエチルメチルカーボネートEMC)若しくはジエチルカーボネート環状エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン;鎖状(直鎖状若しくは分岐鎖状)エーテル、例えば、ジメトキシエタン環状エステル、例えば、γ−ブチロラクトン;及び、鎖状(直鎖状若しくは分岐鎖状)エステル、例えば、メチルアセテート若しくはエチルアセテート等を挙げることができる。1種以上のさらなる有機溶媒は、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びプロピレンカーボネートからなる群より選択されることが好ましい。1種以上のさらなる有機溶媒を用いることにより、有機溶媒に対する電解質の溶解度を向上させることができる。

0048

<電解質>
本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電解液において、電解質は、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(SO2F)2、LiClO4、LiCF3CO2、LiAsF6及びLiSbF6からなる群より選択される1種以上のリチウム塩であることが望ましい。電解質は、LiPF6であることが好ましい。LiPF6は、イオン伝導度が高く、且つ上記の有機溶媒に対する溶解度が高い。それ故、電解質としてLiPF6を用いることにより、結果として得られるリチウムイオン二次電池の電池特性(例えば、充放電特性)を向上させることができる。

0049

本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電解液において、電解質は、少なくとも0.5mol/L(mol/dm−3)の濃度で含有されることが好ましい。濃度は、電解液の総体積に対するモル濃度である。電解質の濃度は、0.5〜2mol/Lの範囲であることが好ましく、0.5〜1.5mol/Lの範囲であることがより好ましく、0.5〜1mol/Lの範囲であることが特に好ましい。濃度で電解質を含有させることにより、結果として得られるリチウムイオン二次電池の電池特性(例えば、充放電特性)を向上させることができる。

0050

<添加剤>
前期電解質に加えて、添加剤を含有することができる。前記添加剤は、例えば、ビニレンカーボネートビニルエチレンカーボネートフルオロエチレンカーボネートのような環状カーボネートが挙げられる。その中でも負極界面の安定化の観点からビニレンカーボネートが望ましい。

0051

本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電解液において、添加剤は、少なくとも電解液の総重量に対して、0.1〜5wt%の濃度で含有されることが好ましい。より好ましく、0.1〜3wt%の範囲であることが特に好ましい。先に記載した範囲の濃度で添加剤を含有させることにより、電極界面での溶媒の分解を実質的に抑制して、リチウムイオン二次電池の電池特性(例えば、充放電特性)を向上させることができる。

0052

(実施例)
以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的に示す。以下の実施例では、正極として、活物質にはLiNi0.33Co0.33Mn0.33O2および、導電材Aにはアセチレンブラック、バインダにはポリビニリデンフルオライド、平均直径が10nm、平均長さが10μmのカーボンナノチューブ(CNT)を用い、表1〜5の構成からなる正極をそれぞれ作製した。上記各正極と、活物質が、平均粒径が4μm、比表面積が3.7m2/gのグラファイトおよび、バインダがポリビニリデンフルオライドからなる負極、ポリオレフィンからなるセパレータからなる電池を作成した。電解液には1.0mol/dm−3のLiPF6を溶解させたEC、EMC、DMCからなる体積比にて25:30:45の混合溶媒に1wt%のVCを加えた溶液を用いた。

0053

この電池構成において、初期エージングの処理を行った。まず、開回路の状態から充電を開始した。電流は2.5Aとし、4.2Vに到達した時点でその電圧を維持し、8時間の定電圧充電を継続した。その後30分の休止時間を設けて、2.5Aにて放電を始めた。電池電圧が2.8Vに達したときに放電を停止させ、30分の休止を行った。同じように、充電と放電を2回繰り返して、電池の初期エージングの処理を終了させた。

0054

その後、電池を3.7Vまで充電させた後、電池を−40℃で3時間放置した後の直流抵抗を測定した。直流抵抗測定は初期エージングの3サイクル目の放電容量に対する電流値を1C電流値とし、1C、2C、5C、10C、20C、30Cにおける3.7Vからの10秒後の電圧降下値を抽出し、電流値とその電圧降下値との関係性を示した直線の傾きから直流抵抗値(Ω)を算出した。直流抵抗比(Ω/Ω)は、実施低1との直流抵抗値の比を表わす。

0055

0056

(実施例1)
活物質の平均粒子径が4.7μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.6wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、得た抵抗値を基準とし、各条件における抵抗値と比較した。

0057

(比較例1)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が10μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が2.4wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表1に示す。

0058

(比較例2)
活物質の平均粒子径が5.1μm、導電材Aの平均粒子径が10μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が2.4wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表1に示す。

0059

(比較例3)
活物質の平均粒子径が9.6μm、導電材Aの平均粒子径が10μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が2.4wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表1に示す。

0060

表1の結果から、比較例1〜3の構成において、電極の薄膜化が可能であるが、本発明の構成条件を満たさない場合、セルの抵抗を低減できない事がわかる。

0061

表2〜5および図2〜5では、正極合剤の抵抗に影響を与える要因についてさらに詳細を調べた結果を示す。

0062

表2および図2は、正極合剤が薄い場合(14μm)において正極活物質粒径aが抵抗に与える影響を調べた結果である。

0063

0064

(実施例2)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.6wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表2および図2に示す。

0065

(実施例3)
活物質の平均粒子径が3.7μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.6wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表2および図2に示す。

0066

(比較例4)
活物質の平均粒子径が5.1μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.6wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表2および図2に示す。

0067

(比較例5)
活物質の平均粒子径が9.6μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.6wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表2および図2に示す。

0068

表2および図2の結果から、薄膜電極(14μm)において活物質の平均粒子径aが5μmよりも大きい場合、セルの抵抗を低減できなく、活物質粒子径aに対する正極合剤層の膜厚(L/a)は、3以上が好ましいことが分かる。この一つの理由としては、正極合剤中の正極活物質の充填密が低下する事に起因すると考えられる。

0069

表3は、図3は活物質粒子径aに対する正極合剤層の膜厚(L/a)の上限を調べた結果である。

0070

0071

(実施例4)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが12μm、導電材Aの合剤中の重量割合が2.8wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表3および図3に示す。

0072

(実施例5)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが19μm、導電材Aの合剤中の重量割合が2.8wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表3および図3に示す。

0073

(実施例6)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが25μm、導電材Aの合剤中の重量割合が2.8wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表3および図3に示す。

0074

(比較例6)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが35μm、導電材Aの合剤中の重量割合が2.8wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表3および図3に示す。

0075

表4および図4の結果から、活物質粒子径aに対する、合剤層厚みLの値であるL/aが10を超える場合、セルの抵抗は1.0(直流抵抗比(Ω/Ω))を越えることが分かった。これは、厚膜方向への積層粒子数が増えると、厚膜方向への電子伝導パスが確保できない事に起因する。表2および、表3を考慮すると、活物質粒子径aに対する、合剤層厚みLの値であるL/aは3≦L/a≦10の範囲であることが好ましいことが分かる。

0076

表4は、図4は正極活物質の粒径aと粒子状の導電剤Aの粒径bとの比率(b/a)と抵抗の関係を調べた結果である。

0077

0078

(実施例7)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.03μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.6wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表4および図4に示す。

0079

(比較例7)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.15μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.6wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表4および図4に示す。

0080

(比較例8)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が10μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.6wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表4および図4に示す。

0081

表4および図4の結果から、正極活物質の粒子径aに対する、粒子状の導電材Aの粒子径bの値で表わされるb/aが、0.04以上であると、リチウムイオン二次電池の抵抗は1.0(直流抵抗比(Ω/Ω))を越えることが分かった。これは、薄膜電極に対して嵩高い導電材Aがあると、合剤中の活物質の充填密度が低下し、それに伴い反応抵抗が低下する事に起因する。

0082

なお、比較例7,8では、合剤層の厚みが14μmとなるよう、正極活物質の量を減らしている。正極活物質の量を減らさない場合、粒子状の導電剤Aの嵩高さにより合剤層の厚みを14μmに調節することが難しい。

0083

表5、図5は、正極合剤中のカーボンナノチューブに対する粒子状の導電材Aの重量割合の影響を調べた結果である。

0084

0085

(実施例8)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が4.2wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表5および図5に示す。

0086

(実施例9)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が2.8wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表5および図5に示す。

0087

(実施例10)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.5wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.2wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表5および図5に示す。

0088

(比較例9)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、CNTの合剤中の重量割合が0.1wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表5および図5に示す。

0089

(比較例10)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.6wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.05wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表5および図5に示す。

0090

(比較例11)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.2wt%、CNTの合剤中の重量割合が0.5wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表5および図5に示す。

0091

(比較例12)
活物質の平均粒子径が3.3μm、導電材Aの平均粒子径が0.05μm、電極の合剤層の厚みが14μm、導電材Aの合剤中の重量割合が5.7wt%の正極において、上記の直流抵抗測定を行い、実施例1の電池で求めた直流抵抗値に対する抵抗比を表5および図5に示す。

0092

表5および図5の結果から、導電材Aの合剤中の重量割合に対する、CNTの合剤中の重量割合20以下か、もしくは100以上の場合、抵抗は1.0(直流抵抗比(Ω/Ω))を越えることが分かった。これは、薄膜電極においては、粒子状の導電材A単独でも、CNT単独でも、最適な導電ネットワークを形成する事ができず、それぞれを併用で用いることが重要ないことを示している。粒子状の導電材Aを単独で用いた場合、その嵩高さにより膜厚を薄くすることができず、導電パスを形成することが難しい。

0093

粒子状の導電材AとCNTを合剤中に共存させたとしても、ある割合の条件においてのみ、最適なネットワークを形成することを示している。これは、CNTが少なすぎると、最適な導電パスを形成できず、逆にCNTが多すぎると、凝集による活物質の充填性の低下、および電子導電パスの低下をもたらす事に起因する。この結果から正極合剤中のカーボンナノチューブに対する粒子状の導電材Aの重量割合は、20wt%以上100%以下であることが好ましいことが分かった。

0094

以上の結果から、電極の薄膜化においては、活物質の粒子径、粒子状の導電材Aの粒子径の関係が重要であり、さらにこのような薄膜電極においては、正極活物質粒子と膜厚との関係、および導電材AおよびCNTの組成が重要であることがわかった。

0095

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。特に正極の構成として本発明の実施形態で示される構成であれば、正極活物質の種類、負極活物質の種類、セパレータ、電池構造は限定されるものではない。

0096

リチウムイオン二次電池101
正極107
負極108
セパレータ109
電池容器102
蓋103
正極外部端子104
負極外部端子105
注液口106
電解液113
正極リード線110
負極リード線111
絶縁性シール材料112

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ