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図面 (7)

課題

高温高湿下においてもタック性の上昇が少ない電子写真用部材の提供。

解決手段

該電子写真用部材は、導電性基体表面層とを有し、該表面層は、ウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂を含み、該樹脂は、分子内にカチオン性構造及びアニオン性構造を有し、かつ、特定の疎水性主鎖構造を有する。

概要

背景

電子写真画像形成装置において、帯電部材現像部材現像ブレードの如き電子写真用部材が使用されている。これらの電子写真用部材は、トナーと直接接するため、その表面の粘着性(以降、「タック性」ともいう)が低いことが求められる。特許文献1では、樹脂架橋密度を高めることにより、タック性を低減させることが開示されている。

概要

高温高湿下においてもタック性の上昇が少ない電子写真用部材の提供。該電子写真用部材は、導電性基体表面層とを有し、該表面層は、ウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂を含み、該樹脂は、分子内にカチオン性構造及びアニオン性構造を有し、かつ、特定の疎水性主鎖構造を有する。

目的

効果

実績

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請求項1

導電性基体表面層とを有する電子写真用部材であって、該表面層は、ウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂を含み、該樹脂は、分子内にカチオン性構造及びアニオン性構造を有し、かつ、(構造式1)〜(構造式4)で示される構造からなる群から選択される少なくとも1つの構造を有することを特徴とする電子写真用部材: (式中、R1は水素原子又はメチル基である。); (式中、R2は炭素数5以上14以下のアルキレン基である。); (式中、R3は炭素数5以上14以下のアルキレン基である。); (式中、R4は炭素数6以上14以下のアルキレン基である。)。

請求項2

前記表面層に含まれる前記樹脂の全質量に対して、前記(構造式1)〜(構造式4)で示される構造が占める比率が10質量%以上である請求項1に記載の電子写真用部材。

請求項3

前記樹脂に、共有結合により保持されている前記カチオン性構造及びアニオン性構造と、前記樹脂と共有結合していないカチオン及びアニオンとの合計のモル数に対して、前記樹脂と共有結合していないカチオン及びアニオンのモル数の比率が30モル%以下である請求項1又は2に記載の電子写真用部材。

請求項4

前記カチオン性構造が、含窒素芳香環を有する構造である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用部材。

請求項5

電子写真装置の本体に着脱自在に構成されているプロセスカートリッジであって、帯電部材現像部材トナー供給部材及びクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つの部材を有し、該部材が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用部材を有するプロセスカートリッジ。

請求項6

帯電部材、現像部材、トナー供給部材及びクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つの部材を有する電子写真装置であって、該部材が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用部材を有する電子写真装置。

技術分野

0001

本発明は電子写真装置に用いられる電子写真用部材、該電子写真用部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。

背景技術

0002

電子写真画像形成装置において、帯電部材現像部材現像ブレードの如き電子写真用部材が使用されている。これらの電子写真用部材は、トナーと直接接するため、その表面の粘着性(以降、「タック性」ともいう)が低いことが求められる。特許文献1では、樹脂架橋密度を高めることにより、タック性を低減させることが開示されている。

先行技術

0003

特開2006−133257号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の一態様は、低タック性と優れた柔軟性とを有し得る表面層を備えた電子写真用部材の提供に向けたものである。また本発明の別の態様は、高品位電子写真画像を安定して出力できる電子写真装置及び電子写真装置に用いられるプロセスカートリッジの提供に向けたものである。

課題を解決するための手段

0005

本発明の一様態によれば、当該電子写真用部材は、導電性基体と表面層とを有する電子写真用部材であって、該表面層はウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂を含み、該樹脂は、分子内にカチオン性構造及びアニオン性構造を有し、かつ、(構造式1)〜(構造式4)で示される構造からなる群から選択される少なくとも1つの構造を有する電子写真用部材が提供される:

0006

(式中、R1は水素原子又はメチル基である。);

0007

(式中、R2は炭素数5以上14以下のアルキレン基である。);

0008

(式中、R3は炭素数5以上14以下のアルキレン基である。);

0009

(式中、R4は炭素数6以上14以下のアルキレン基である。)。

0010

また、本発明の他の様態によれば、電子写真装置の本体に着脱自在に構成されているプロセスカートリッジであって、帯電部材、現像部材、トナー供給部材及びクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つの部材を有し、該部材が上記の電子写真用部材を有するプロセスカートリッジが提供される。

0011

さらに本発明の他の様態によれば、帯電部材、現像部材、トナー供給部材及びクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つの部材を有し、該部材が上記の電子写真用部材を有する電子写真装置が提供される。

発明の効果

0012

本発明によれば、低タック性と優れた柔軟性とを有し得る表面層を備えた電子写真用部材を得ることができる。また、本発明によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成することのできるプロセスカートリッジ及び電子写真装置が得られる。

図面の簡単な説明

0013

(1)は、本発明の一態様に係る電子写真用部材の概略断面図である。(2)は、本発明の他の態様に係る電子写真用部材の概略断面図である。
本発明の一態様に係る表面層に含有される樹脂の化学構造の一例である。
本発明の一態様に係る電子写真用部材の一例の概略断面図である。
本発明の一態様に係るプロセスカートリッジの一例の概略構成図である。
本発明の一態様に係る電子写真装置の一例の概略断面図である。
本発明の一態様に係る効果の発現の想定メカニズムの説明図である。

0014

特許文献1に係る技術によれば、確かに電子写真用部材の表面のタック性を低くし得るものの、硬度の上昇を伴う。トナーと直接接する電子写真用部材においては、トナー劣化を抑制する観点から、柔軟であることが好ましい。そのため、本発明者らは、硬度上昇を招来する高架橋密度化以外の方法で表面のタック性を低減させてなる電子写真用部材を得るための技術の開発が必要であるとの認識を得た。

0015

本発明者らは、低いタック性と優れた柔軟性とを兼ね備えた表面層を有する電子写真用部材を得るべく検討を重ねた。その結果、特定の疎水性主鎖構造を有するウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂中に、カチオン構造アニオン構造を持たせてイオン結合架橋を形成させた樹脂材料が、上記の如き特性を備えた電子写真用部材の実現に有効であることを見出した。

0016

以下、本発明の一態様に係る電子写真用部材について説明する。
電子写真用部材は、例えば、現像ローラトナー供給ローラ、現像ブレード、帯電ローラ、又はクリーニングブレードの如き、電子写真画像形成装置に用いられ、トナーと接し得る部材を指す。
なお、現像ローラとは、担持したトナーによって電子写真感光体潜像現像するための電子写真用部材である。トナー供給ローラとは、現像ローラにトナーを供給するための電子写真用部材である。現像ブレードとは、現像ローラ上のトナー層の厚みを規制するための電子写真用部材である。帯電ローラとは、電子写真感光体表面帯電するための電子写真用部材である。クリーニングブレードとは、電子写真感光体表面をクリーニングするための電子写真用部材である。

0017

(現像ローラ、トナー供給ローラ及び帯電ローラ)
本態様に係る電子写真用部材を現像ローラ、トナー供給ローラ、又は帯電ローラ(以降、これらを電子写真用ローラと称する)として用いる場合の一実施様態図1に示す。電子写真用ローラ1aは、図1(1)に示すように、導電性基体2aと、表面層3aとを有する。ここで、表面層3aは、樹脂を含む層である。また、電子写真用ローラ1aは、図1(2)に示すように、導電性基体2aと表面層3aとの間に、弾性層4を備えていても良い。また、弾性層4は、必要に応じて組成の異なる弾性層4を複数配置した多層構成としても良い。

0018

<導電性基体>
導電性基体2aは、表面層3a及び任意の弾性層4を支持するに足る強度と、電極と成り得る導電性を兼ね備える。これらの強度と導電性を有するものであれば、導電性基体2aとして使用することができる。その材料としては、例えばアルミニウム、銅、ステンレス鋼、鉄等の金属又は合金、あるいは導電性合成樹脂等を挙げることができる。これらの材料にクロムニッケル鍍金処理を施したものでもよい。なお、導電性基体2aとその外側に形成される表面層3a又は弾性層4とを接着させる目的で、プライマーを導電性基体2aに塗布してもよい。プライマーの例としては、例えばシランカップリング剤を含有するプライマー等が挙げられる。

0019

<弾性層>
弾性層4は、通常、ゴム材料成型体により形成されることが好ましい。ゴム材料の例としては、シリコーンゴムウレタンゴムフッ素ゴム天然ゴムブタジエンゴムイソプレンゴムクロロプレンゴムエピクロロヒドリンゴム等が挙げられる。これらのゴムは、単独、あるいは2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、圧縮永久歪が小さく、且つ柔軟性を有するシリコーンゴムが特に好ましい。

0020

弾性層4には、必要に応じて架橋剤、導電剤充填剤等の各種添加剤が配合される。架橋剤は、弾性層4のゴム種に応じて、架橋反応に必要な化合物が適宜選択される。導電剤としては、カーボンブラックイオン導電剤、アルミニウムや銅等の金属粉末導電性酸化スズ導電性酸化チタン等の金属酸化物粒子等を用いることができ、特に安価で分散も容易なカーボンブラックを使用することが好ましい。充填剤としては、シリカ石英粉末炭酸カルシウム等が挙げられる。

0021

弾性層4の成形方法としては、例えば液状材料を用いた金型成形混練ゴム材料を用いた押出し成形等が挙げられる。

0022

<表面層>
表面層3aは、ウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂を含む。該樹脂は、分子内にカチオン性構造及びアニオン性構造を有し、かつ、構造式1〜構造式4で示される構造からなる群から選択される少なくとも1つの構造を有する。

0023

(式中、R1は水素原子又はメチル基である。);

0024

(式中、R2は炭素数5以上14以下のアルキレン基である。);

0025

(式中、R3は炭素数5以上14以下のアルキレン基である。);

0026

(式中、R4は炭素数6以上14以下のアルキレン基である。)。

0027

一般的に、樹脂にカチオン性構造又はアニオン性構造等の極性の高い構造を導入すると、樹脂表面が高極性となり、タックが高くなる傾向がある。しかしながら、本態様に係る表面層においては、予想に反してタックが低減するという効果が見られた。
本発明の一態様においては、該ウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂が、分子内にカチオン性構造及びアニオン性構造を有し、かつ、構造式1〜構造式4で示される構造の少なくとも1つを有する。このことにより、本発明の一態様に係る効果が奏される理由について、本発明者らは、以下に述べる「親水性が高い構造の集合化」及び「イオン結合−水素結合ネットワークの形成」に因るものと推測している。

0028

表面層中の樹脂は、カチオン性構造、及びアニオン性構造を有している。該カチオン性構造と該アニオン性構造はイオン結合していると考えらえる。
また、当該樹脂中に含まれる構造式1〜構造式4で示される構造中には、疎水性の構造が含まれる。具体的には、構造式1中の炭素数4又は5の炭素鎖、構造式2及び構造式3中の炭素数5以上14以下のアルキレン基、又は構造式4中の炭素数6以上14以下のアルキレン基は、疎水性である。
一方、当該樹脂中に含まれるウレタン結合、アミド結合、カチオン性構造、及びアニオン性構造は、親水性である。そのため、これらの構造の極性差がドライビングフォースとなり、図6に示すように、疎水性の基が集合した部分5aと、親水性の構造が集合した部分5bとが形成される。
そして、親水性の構造が集合した部分5bにおいては、イオン結合−水素結合ネットワークが形成されると考えられる。すなわち、ウレタン結合やアミド結合に含まれる窒素原子と結合した水素原子は、水素結合供与体として働く。また、ウレタン結合やアミド結合に含まれる炭素結合二重結合を形成する酸素原子は、水素結合受容体として働く。
さらに、カチオン性構造は、正電荷を有するため水素結合供与体として働き、アニオン性構造は、負電荷を有するため水素結合受容体として働く。
親水性が高い構造の集合部分5bにおいては、水素結合供与体と水素結合受容体は互いに近接する。その結果、特に極性が高いカチオン性構造やアニオン性構造を中心として、水素結合ネットワーク503を形成する。水素結合ネットワーク503は、さらに、カチオン性構造とアニオン性構造との間のイオン結合501によって繋ぎとめられ、イオン結合−水素結合ネットワークを形成する。これらのネットワークが、樹脂の分子鎖を繋ぎとめることにより、分子鎖の自由度が制限されて、分子鎖どうしの絡まり合いに起因する分子間相互作用が低減される。その結果、硬度上昇を招来する架橋構造発達させることなしに、表面層の表面のタック低減効果が得られると考えられる。
すなわち、柔軟性と耐摩耗性、低タック性を兼ね備えるという本発明の効果を奏するためには、下記の要素1および要素2を有することが好ましい。
要素1.親水性構造(ウレタン結合、アミド結合、カチオン性構造及びアニオン性構造)の集合化のドライビングフォースとなるに足る、十分な疎水性を有する主鎖構造を有すること;
要素2.イオン結合−水素結合ネットワークの中心となるイオン結合を有すること。
図2に、本態様に係る表面層3aが有する樹脂の一例として、構造式2で示される構造を分子内に有し、かつ、カチオン性構造であるアンモニウム基及びアニオン性構造であるスルホン酸基を有しているウレタン樹脂を示す。なお、図2はあくまで構造の一例であり、本発明はこの構造に限定されるものではない。

0029

<ウレタン樹脂>
ウレタン樹脂は、分子内にウレタン結合を有する。
ウレタン樹脂は、例えば、下記(i)〜(iv)のポリオールからなる群から選ばれる一種又は複数種のポリオール成分と、イソシアネート成分とを反応させることにより得られる。
・(i)構造式1の構造を有するポリオレフィンポリオール
・(ii)構造式2の構造を有するポリエーテルポリオール
・(iii)構造式3の構造を有するポリエステルポリオール
・(iv)構造式4の構造を有するポリカーボネートポリオール

0030

構造式2又は構造式3において、R2又はR3で表される炭素数5以上14以下のアルキレン基は、直鎖構造でも分岐鎖を有する構造でもよい。アルキレン基の具体的な例としては、炭素数が5以上14以下である限り特に限定されるものではないが、n−ペンチレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、2、2’−ジメチルプロピレン基、n−ヘキシレン基、1−メチルペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、n−ヘプチレン基、1−メチルヘキシレン基、2−メチルヘキシレン基、3−メチルヘキシレン基、n−オクチレン基、1−メチルヘプチレン基、2−メチルヘプチレン基、3−メチルヘプチレン基、4−メチルヘプチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基、n−ウンデシレン基、n−ドデシレン基、n−トリデシレン基、n−テトラデシレン基等が挙げられる。R2又はR3で表されるアルキレン基は、好ましくは炭素数5以上8以下である。炭素数を5以上とすることにより、親水性構造(ウレタン結合、アミド結合、カチオン性構造及びアニオン性構造)の集合化のドライビングフォースとなるに足る、十分な疎水性を有することができ、タック低減効果が得られる。また、炭素数14以下とすることにより、部材として必要な耐摩耗性を維持することができる。

0031

また、構造式4において、R4で表される炭素数6以上14以下のアルキレン基は、直鎖構造でも分岐鎖を有する構造でもよい。アルキレン基の具体的な例としては、特に限定されるものではないが、n−ヘキシレン基、1−メチルペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、n−ヘプチレン基、1−メチルヘキシレン基、2−メチルヘキシレン基、3−メチルヘキシレン基、n−オクチレン基、1−メチルヘプチレン基、2−メチルヘプチレン基、3−メチルヘプチレン基、4−メチルヘプチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基、n−ウンデシレン基、n−ドデシレン基、n−トリデシレン基、n−テトラデシレン基等が挙げられる。R4で表されるアルキレン基は、好ましくは炭素数6以上8以下である。炭素数を6以上とすることにより、親水性構造(ウレタン結合、アミド結合、カチオン性構造及びアニオン性構造)の集合化のドライビングフォースとなるに足る、十分な疎水性を有することができ、タック低減効果が得られる。また、炭素数14以下とすることにより、部材として必要な耐摩耗性を維持することができる。

0032

ポリオール成分としては、構造式1〜構造式4の構造を有するもののほかに、構造式1〜構造式4の構造を有さない成分を併用しても良い。このとき、表面層中に含まれるウレタン樹脂の全質量に対して、構造式1〜構造式4で示される構造が占める比率を10質量%以上とすることが好ましい。構造式1〜構造式4で示される構造が占める比率が10質量%以上とすることにより、親水性構造(ウレタン結合、カチオン性構造及びアニオン性構造)の集合化のドライビングフォースがより大きくなるため、タック低減効果も得られやすくなる。

0033

構造式1〜構造式4の構造を有さないポリオール成分の具体的な例としては、例えばポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエチレンサクシネートジオールポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール等のポリエステルポリオール、ポリエチレンカーボネートジオール、ポリブチレンカーボネートジオール等のポリカーボネートポリオールが挙げられる。

0034

これらのポリオール成分と反応させるイソシアネート成分としては、特に限定されるものではないが、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネートイソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートMDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートキシリレンジイソシアネートナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート及びこれらの共重合物イソシアヌレート体、TMPアダクト体ビウレット体、そのブロック体を用いることができる。これらの中でもトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネートがより好適に用いられる。

0035

ポリオール成分と反応させるイソシアネート成分の混合比は、水酸基1.0に対してイソシアネート基の比率が1.1から1.8の範囲であることが、未反応成分の残存を抑制できるため好ましい。

0036

ウレタン結合の含有量は、ウレタン樹脂1gに対して、0.4mmol以上2.0mmol以下の含有量とすることが好ましい。ウレタン結合の含有量を0.4mmol以上とすることにより、イオン結合−水素結合ネットワークが安定して形成され、タック低減効果が得られやすくなる。また、含有量を2.0mmol以下とすることにより、表面層の柔軟性を維持しやすくなる。

0037

アミド樹脂
アミド結合を有する樹脂(アミド樹脂)としては、例えば、下記(i)〜(iv)の化合物群から選ばれる一種又は複数種の化合物を、ポリアミドと共重合させた共重合体が挙げられる。
・(i)構造式1の構造を有するポリオレフィン
・(ii)構造式2の構造を有するポリエーテル
・(iii)構造式3の構造を有するポリエステル
・(iv)構造式4の構造を有するポリカーボネート

0038

ポリアミド共重合体を合成する際に、構造式1〜構造式4の構造を有さない成分を共重合させても良い。このとき、表面層中に含まれるアミド樹脂の全質量に対して、構造式1〜構造式4で示される構造が占める比率を10質量%以上とすることが好ましい。構造式1〜構造式4で示される構造が占める比率を10質量%以上とすることにより、親水性構造(アミド結合、カチオン性構造及びアニオン性構造)の集合化のドライビングフォースがより大きくなるため、タック低減効果も得られやすくなる。

0039

構造式1〜構造式4の構造を有さない成分としては、上述した構造式1〜構造式4の構造を有さないポリオール成分のほか、構造式1〜構造式4の構造を有さないポリエチレン、ポリスチレンポリアリレート成分などが挙げられる。

0040

ポリアミド成分としては、ナイロン6ナイロン66ナイロン11ナイロン12等が挙げられる。
アミド結合の含有量は、アミド樹脂1gに対して、1.0mmol以上3.0mmol以下の含有量とすることが好ましい。アミド結合の含有量を1.0mmol以上とすることにより、イオン結合−水素結合ネットワークが安定して形成され、タック低減効果が得られやすくなる。また、含有量を3.0mmol以下とすることにより、表面層の柔軟性を維持しやすくなる。

0041

<カチオン性構造>
カチオン性構造とは、表面層において、ウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂中に、好ましくは樹脂の主鎖中に共有結合で保持されており、樹脂構造中に含有されるカチオン性基を有する構造をいう。したがって、表面層において、樹脂構造中に含まれるが、該樹脂と共有結合していないカチオンは、カチオン性構造に含まれない。
具体的にはアンモニウム基、スルホニウム基ホスホニウム基、ピペリジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基、オキサゾリウム基、含窒素芳香環基を有する構造が挙げられる。含窒素芳香環基としては、ピリジニウム基ピリミジニウム基、ピラジニウム基、ピリダジニウム基、イミダゾリウム基ピラゾリウム基、トリアゾリウム基、及びこれらの水素化物誘導体が挙げられる。
これらの中でも、含窒素芳香環基を有するカチオン性構造が、共役系をもつために正電荷の非局在化により安定な構造となるため、より安定なイオン結合−水素結合ネットワークを形成可能であり特に好ましい。

0042

<アニオン性構造>
アニオン性構造とは、表面層において、ウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂中に、好ましくは樹脂の主鎖中に共有結合で保持されており、樹脂構造中に含有されるアニオン性基を有する構造をいう。したがって、表面層において、樹脂構造中に含まれるが、該樹脂と共有結合していないアニオンは、アニオン性構造には含まれない。
具体的には、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフェン酸基、スルフィン酸基リン酸基ホスホン酸基ホスフィン酸基過塩素酸基、アルコキシドアニオン基を含む構造等が挙げられる。これらの中でも、カルボン酸基、スルホン酸基が、化学的に安定であり、樹脂の主鎖中に共有結合で保持させやすいため好ましい。

0043

本発明に係るカチオン性構造及びアニオン性構造は、共有結合を介してウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂と結合していると、イオン結合−水素結合ネットワークの形成により樹脂の分子鎖を繋ぎとめる効果を発揮することができる。

0044

上記カチオン性構造とアニオン性構造を、ウレタン樹脂と共有結合させるための方法としては、これらカチオン性構造又はアニオン性構造を含む化合物に、予めイソシアネート基と反応可能な反応性官能基を導入しておく方法が挙げられる。導入する反応性官能基の例としては、例えば水酸基、グリシジル基等が挙げられる。これらの反応性官能基を持つ塩を、本発明に係るウレタン樹脂を構成するイソシアネート化合物及びポリオール化合物と反応させることにより、樹脂構造にカチオン性構造及びアニオン性構造が共有結合したウレタン樹脂を得ることができる。

0045

上記カチオン性構造とアニオン性構造を、アミド樹脂と共有結合させるための方法としては、例えば以下のような方法が挙げられる。
カチオン性構造及びアニオン性構造を含む化合物に、予めカルボキシ基と反応可能な反応性官能基を導入しておく。導入するカルボキシ基と反応可能な反応性官能基の例としては、例えば水酸基、グリシジル基、カルボジイミド基等が挙げられる。これらの反応性官能基を持つ化合物を過剰のカルボン酸化合物と反応させることによって、カチオン性構造及びアニオン性構造を有するカルボキシ基末端ポリエステルを合成する。このカルボキシ末端ポリエステルとジアミン化合物とを反応させることにより、樹脂構造にカチオン性構造及びアニオン性構造が共有結合したアミド樹脂を得ることができる。

0046

また、上記カチオン性構造とアニオン性構造を、アミド樹脂と共有結合させるための他の方法としては、以下のような方法が挙げられる。
ジアミン化合物に対して過剰のジカルボン酸化合物を反応させ、カルボキシ末端ポリアミド化合物を合成する。一方で、カチオン性構造及びアニオン性構造を含む化合物に、予めカルボキシル基と反応可能な反応性官能基を導入しておく。導入するカルボキシ基と反応可能な反応性官能基の例としては、例えば水酸基、グリシジル基、カルボジイミド基等が挙げられる。これらの化合物を、先に合成したカルボキシ末端ポリアミド化合物と反応させることにより、樹脂構造にカチオン性構造及びアニオン性構造が共有結合したアミド樹脂を得ることができる。

0047

さらには、カチオン性構造又はアニオン性構造が、樹脂との間に複数の共有結合を形成していることが好ましい。具体的には、カチオン性構造又はアニオン性構造に、複数の反応性官能基を持たせておき、これらを樹脂と反応させることにより、カチオン性構造又はアニオン性構造と樹脂との間に複数の化学結合を形成することができる。複数の化学結合を形成することによって、樹脂の分子鎖を繋ぎとめる効果が増すため、より一層のタック低減効果が期待できる。これらの、複数の反応性官能基を有するカチオン性構造の例としては、特に限定されるものではないが、例えばビスヒドロキシアルキル)アンモニウム基、ビス(ヒドロキシアルキル)ピリジニウム基、ビス(ヒドロキシアルキル)イミダゾリウム基等の2個の水酸基を有する構造や、トリス(ヒドロキシアルキル)アンモニウム基、トリス(ヒドロキシアルキル)ピリジニウム基、トリス(ヒドロキシアルキル)イミダゾリウム基等の3個の水酸基を有する構造等が挙げられる。また、複数の反応性官能基を有するアニオン性構造の例としては、特に限定されるものではないが、例えばジヒドロキシアルカンスルホン酸ジヒドロキシカルボン酸リン酸ジヒドロキシアルキルエステル等の2個の水酸基を有する構造や、トリヒドロキシアルカンスルホン酸やトリヒドロキシカルボン酸リン酸トリヒドロキシアルキルエステル等の3個の水酸基を有する構造等が挙げられる。

0048

表面層において、該カチオン性構造及び該アニオン性構造を合計した含有量は、表面層中に含まれるウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂1gに対して、0.01mmol以上含有することが好ましい。その理由は、安定したタック低減効果が得られるからである。また、該カチオン性構造及びアニオン性構造とカチオン及びアニオンとの合計のモル数に対して、カチオン及びアニオンが占めるモル数の比率は、同様の観点から、30モル%以下が好ましい。特に10モル%以下であることが好ましい。なお、カチオン性構造及びアニオン性構造は、ウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂と共有結合している構造とし、カチオン及びアニオンは、ウレタン結合及びアミド結合の少なくとも一方を有する樹脂と共有結合していないものとする。

0049

該カチオン性構造及び該アニオン性構造は、ウレタン樹脂又はアミド樹脂と共有結合しているために、表面層3aの導電性には寄与しない。一方、ウレタン樹脂又はアミド樹脂と共有結合していないカチオン及びアニオンは、表面層3aの導電性に寄与する。しかし、表面層3aの抵抗の調整、特に抵抗を下げるために、該カチオン及びアニオンの比率を上げることはタック低減効果の観点から好ましくない。そのため、表面層3aの抵抗を調整するためには、必要に応じて導電剤を添加する必要がある。導電剤は、カーボンブラック、樹脂と共有結合しないイオン導電剤、アルミニウムや銅等の金属粉末、導電性酸化スズや導電性酸化チタン等の金属酸化物粒子等を用いることができ、特に安価で分散も容易なカーボンブラックを使用することが好ましい。

0050

さらに、表面層3aには、必要に応じて充填剤、粗さ制御用微粒子等の各種添加剤を配合してもよい。充填剤の例としては、シリカ、石英粉末、炭酸カルシウム等が挙げられる。粗さ制御用微粒子の例としては、ポリウレタン樹脂ポリエステル樹脂ポリエーテル樹脂ポリアミド樹脂アクリル樹脂フェノール樹脂の微粒子等が挙げられる。
樹脂表面層3aの形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えばスプレー塗工、浸漬塗工、又はロールコートが挙げられる。

0051

(現像ブレード及びクリーニングブレード)
本発明に係る電子写真用部材を現像ブレード又はクリーニングブレード(以降、これらを電子写真用ブレードと称する)として用いる場合の一実施様態を図3に示す。この例において、電子写真用ブレード1bの導電性基体は、支持部材2b−1と撓み部材2b−2からなる。支持部材2b−1は、電子写真用ブレード1bを当接部材(現像ブレードとして使用する場合は現像ローラ、クリーニングブレードとして使用する場合は電子写真感光体)と当接して支持し、装置に固定するに足る剛性を有する。また、撓み部材2b−2は、電子写真用ブレード1bを当接部材に対して適度な圧力で当接させるために必要な弾性を有する。支持部材2b−1、及び撓み部材2b−2の材質としては、必要な導電性や剛性、弾性を有するものであれば、上記した電子写真用ローラで使用する導電性基体2aと同様の材質を使用することができる。表面層3bは本発明に係る樹脂から成る層であり、上記した電子写真用ローラ1aで使用する樹脂表面層3aと同様の樹脂を使用することができる。表面層3bの形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば押出成形や、注型成形、スプレー塗工、浸漬塗工、ロールコートといった方法が挙げられる。

0052

上記した本発明の電子写真用部材は、電子写真装置、特に電子写真装置本体に対し着脱自在に構成されるプロセスカートリッジにおける帯電部材、現像部材、トナー供給部材、及びクリーニング部材として好適に用いることができる。特に、現像ローラ、トナー供給ローラ、現像ブレード、帯電ローラ、又はクリーニングブレードとして好適に用いることができる。

0053

(プロセスカートリッジ)
次に、本発明の電子写真用部材を用いたプロセスカートリッジについて説明する。
本発明のプロセスカートリッジは、帯電部材、現像部材、トナー供給部材、及びクリーニング部材から選択される少なくとも一つの部材を有しており、該部材のうち、少なくとも一つが、本願発明の電子写真用部材である。
図4は、本発明の一態様に係るプロセスカートリッジの一例の概略断面図である。
図4に示したプロセスカートリッジ100は、電子写真装置の本体に着脱自在に構成されている。プロセスカートリッジ100は、電子写真感光体101に対向する部分に開口部を有する現像室102を備えており、この現像室102の背面には、トナー103を収容するトナー容器104が配される。トナー容器104には必要に応じて、トナー103を現像室102に搬送するための搬送部材107が配置される。現像室102と前記トナー容器104とを連通する開口部は、シール部材105で仕切られ、このシール部材105は、プロセスカートリッジ100の使用開始時に除去される。また、現像室102には現像ローラ106、トナー供給ローラ108、現像ブレード109、トナー吹き出し防止シート110が設けられている。
トナー103はトナー供給ローラ108によって現像ローラ106に塗布される。現像ローラ106は図中矢印で示す方向に回転され、この現像ローラ106に担持されているトナー103は、現像ブレード109により所定の層厚に規制された後、電子写真感光体101と対向する現像領域に送られる。
プロセスカートリッジ100は、上記構成に加えて、帯電ローラ111、クリーニングブレード112、廃トナー容器119を備えている。
プロセスカートリッジ100では、現像ローラ106、トナー供給ローラ108、現像ブレード109、帯電ローラ111及びクリーニングブレード112のうち、少なくとも一つが、本願発明の電子写真用部材である。

0054

(電子写真装置)
次に、本発明の電子写真用部材を用いた電子写真装置について説明する。
本発明の電子写真装置は、帯電部材、現像部材、トナー供給部材及びクリーニング部材からなる群より選択される少なくとも1つの部材を有し、該部材のうち少なくとも1つが本発明の電子写真用部材を有する。
図5は、本発明の一態様に係る電子写真装置の一例の概略断面図である。この電子写真装置は、図4に示したプロセスカートリッジ100を装着して使用する。
以下、電子写真装置のプリント動作を説明する。電子写真感光体101は、バイアス電源(不図示)に接続された帯電ローラ111によって一様に帯電される。次に、電子写真感光体101は、静電潜像を書き込むための露光光113により、その表面に静電潜像が形成される。露光光113としては、LED光レーザー光のいずれも使用することができる。

0055

次に、電子写真装置本体に対し着脱可能に構成されているプロセスカートリッジ100に内蔵された現像ローラ106によって負極性に帯電したトナーが静電潜像に付与(現像)される。次に電子写真感光体101上にトナー像が形成され、静電潜像が可視像に変換される。このとき、現像ローラ106にはバイアス電源(不図示)によって電圧印加される。
電子写真感光体101上で現像されたトナー像は、中間転写ベルト114に1次転写される。中間転写ベルト114の裏面には1次転写部材115が当接しており、1次転写部材115に電圧を印加することで、負極性のトナー像を電子写真感光体101から中間転写ベルト114に1次転写する。1次転写部材115はローラ形状であってもブレード形状であってもよい。

0056

図5に示す電子写真装置では、イエロー色シアン色、マゼンタ色、ブラック色の各色のトナーを内蔵したプロセスカートリッジ100が各1個、合計4個、電子写真装置本体に対して着脱可能な状態で装着されている。そして、上記の帯電、露光、現像、1次転写の各工程は、所定の時間差をもって順次実行され、中間転写ベルト114上に、フルカラー画像を表現するための4色のトナー像が重ね合わせた状態が作り出される。
中間転写ベルト114上のトナー像は、中間転写ベルト114の回転に伴って、2次転写部材116と対向する位置に搬送される。このとき、中間転写ベルト114と2次転写部材116との間には、所定のタイミングで記録用紙搬送ルート117に沿って転写材である記録用紙が搬送されてきている。そして、2次転写部材116に2次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト114上のトナー像を記録用紙に転写する。2次転写部材116によってトナー像が転写された記録用紙は、定着装置118に搬送され、記録用紙上のトナー像を溶融させて記録用紙上に定着させた後、記録用紙を電子写真装置の外に排出することで、プリント動作が終了する。なお、電子写真感光体101から中間転写ベルト114に転写されることなく電子写真感光体101上に残存したトナー像は、クリーニングブレード112により掻き取られ、廃トナー収容容器119に収納される。

0057

以下に、本発明に係る電子写真用部材の具体的な実施例及び比較例を示す。
<ポリオール化合物>
(ポリエーテルポリオールP−1の合成)
本化合物は、酸触媒下におけるアルコール同士の脱水縮合反応によってエーテルを合成する公知の方法(*1)によって合成した。
即ち、反応容器中で、1,8−オクタンジオール438.7g(3モル)(東京化成工業社製)と濃硫酸29.4g(0.3モル)を混合し、窒素雰囲気下で130℃、12時間加熱した。この反応液を室温に冷却後、氷冷した4質量%水酸化ナトリウム水溶液300g中に少量ずつ注ぎ、撹拌して十分に中和を行った。静置後に、沈殿した白色ワックス状固体採取し、水200gを用いて3回洗った後、減圧下で残留する水及び未反応成分を除去し、構造式5で示されるポリエーテルポリオールP−1を得た。得られたポリオールの数平均分子量は2500であった。
*1:モリソン・ボイド著、中平靖弘、黒野昌庸、中西香爾訳「有機化学上 第6版」310〜311頁(東京化学同人:1994年発行)等参照。

0058

0059

(ポリエーテルポリオールP−2の合成)
本化合物は、ポリエーテルポリオールを合成する際の定法(例えば、特開昭63−235320に開示された方法)に従って合成した。即ち、反応容器中で、良く乾燥した3−メチルテトラヒドロフラン430.6g(5モル)を15℃に保持した。この溶液に、70%過塩素酸16.4g、及び無水酢酸120gを加え、5時間反応を行った。次に得られた反応混合物を20%水酸化ナトリウム水溶液600g中に注ぎ、精製を行った。さらに減圧下残留する水及び溶媒成分を除去し、構造式6で示されるポリエーテルポリオールP−2を得た。得られたポリオールの数平均分子量は2000であった。

0060

0061

(ポリエーテルポリオールP−3の合成)
1,8−オクタンジオール438.7g(3モル)を1,14−テトラデカンジオール691.2g(3モル)(和光純薬工業社製)に変更した以外はP−1の合成と同様にして、構造式7で示されるポリエーテルポリオールP−3を得た。得られたポリオールの数平均分子量は2500であった。

0062

0063

(ポリエーテルポリオールP−4の合成)
1,8−オクタンジオール438.7g(3モル)を2,5−ヘキサンジオール354.5g(3モル)(東京化成工業社製)に変更した以外はP−1の合成と同様にして、構造式8で示されるポリエーテルポリオールP−4を得た。得られたポリオールの数平均分子量は2500であった。

0064

0065

(ポリエーテルポリオールP−5の合成)
1,8−オクタンジオール438.7g(3モル)を2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール438.7g(3モル)(東京化成工業社製)に変更した以外はP−1の合成と同様にして、構造式9で示されるポリエーテルポリオールP−5を得た。得られたポリオールの数平均分子量は2500であった。

0066

0067

(ポリエーテルポリオールP−6の合成)
1,8−オクタンジオール438.7g(3モル)を2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール480.8g(3モル)(東京化成工業社製)に変更した以外はP−1の合成と同様にして、構造式10で示されるポリエーテルポリオールP−6を得た。得られたポリオールの数平均分子量は2500であった。

0068

0069

(ポリエステルポリオールP−7)
ポリエステルポリオールP−7として、3−メチル1,5−ペンタンジオールアジピン酸から成るポリエステルポリオール(商品名;クラレポリオールP−2010;クラレ社製)を使用した。

0070

(ポリカーボネートポリオールP−8)
ポリカーボネートポリオールP−8として、3−メチル1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから成るポリカーボネートポリオール(商品名;クラレポリオールC−1090;クラレ社製)を使用した。

0071

ポリブタジエンジオールP−9)
ポリブタジエンジオールP−9として、水酸基末端液状ポリブタジエン(商品名;Poly bd R−45HT出光興産社製)を使用した。

0072

ポリイソプレンジオールP−10)
ポリイソプレンジオールP−10として、水酸基末端液状ポリイソプレン(商品名;Poly ip;出光興産社製)を使用した。

0073

(ポリエステルポリオールP−11)
ポリエステルポリオールP−11として、3−メチル1,5−ペンタンジオールとアジピン酸から成るポリエステルポリオール(商品名;クラレポリオールP−510;クラレ社製)を使用した。

0074

(ポリエステルポリオールP−12)
ポリエステルポリオールP−12として、3−メチル1,5−ペンタンジオールとアジピン酸から成るポリエステルポリオール(商品名;クラレポリオールP−5010;クラレ社製)を使用した。

0075

(ポリエーテルポリオールP−13)
ポリエーテルポリオールP−13として、『ポリプロピレングリコール,ジオール型,2,000』(和光純薬社製)を使用した。

0076

(ポリエーテルポリオールP−14)
ポリエーテルポリオールP−14として、『PTMG2000』(三菱化学社製)を使用した。

0077

0078

イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー
ウレタンプレポリマーU−1の合成)
窒素雰囲気下、反応容器中でポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR−200;東ソー社製)100質量部に対し、ポリオール化合物P−1 300質量部を反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で1.5時間反応させ、メチルエチルケトン80.0質量部を加えた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量5.4質量%のウレタンプレポリマーU−1を得た。

0079

(ウレタンプレポリマーU−2〜U−14の合成)
ポリオール化合物の種類、及び配合量を表2のように変更した以外は、ウレタンプレポリマーU−1の合成と同様の手順で、ウレタンプレポリマーU−2〜U−14を得た。

0080

0081

<カチオン性構造を有する化合物>
カチオン性構造を有するイオン化合物CT−1〜CT−4、及びCT−6〜CT−8は、メンシュトキン反応等の、公知の求核置換反応によって合成を行った。即ち、求核剤として求核性ヘテロ原子をもつ化合物を使用し、求電子剤としてブロモアルキルアルコールを使用することにより、カチオン性構造と水酸基とを有する化合物を合成した。以下、具体的に説明する。

0082

(イオン化合物CT−1の合成)
窒素雰囲気下、イミダゾール(日本合成化学社製)15.0g(0.22モル)及び水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)9.2gをテトラヒドロフラン60.0gに溶解させた。そこへ、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させた2−ブロモエタノール(東京化成工業社製)60.0g(0.48モル)を室温で30分かけて滴下し、85℃で12時間加熱還流した。その後、反応溶液に水100mlを加えて、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール200mlを加え、室温で撹拌して、不溶物セライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去して、イオン化合物CT−1を得た。イオン化合物CT−1は、下記構造式11で表される化合物である。

0083

0084

(イオン化合物CT−2の合成)
4−Pyridin−4−yl−butan−1−ol(シグマアルドリッチ社製)15.1g(0.10モル)をアセトニトリル45.0gに溶解し、室温で4−ブロモ−1−ブタノール(東京化成工業社製)16.8g(0.11モル)を30分かけて滴下した後、90℃で12時間加熱還流した。次に、反応溶液を室温まで冷却し、減圧下でアセトニトリルを留去した。得られた濃縮物ジエチルエーテル30.0gにて洗浄し、上澄み液を分液により除去した。洗浄及び分液操作を3回繰り返し、得られた残留物を減圧下乾燥し、イオン化合物CT−2を得た。イオン化合物CT−2は、下記構造式12で表される化合物である。

0085

0086

(イオン化合物CT−3の合成)
2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピロリジン(東京化成工業社製)15.5g(0.12モル)、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)13.5gを、テトラヒドロフラン65.0gに溶解させた。次に、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。続いて、テトラヒドロフラン40.0gに溶解させた2−ブロモエタノール(東京化成工業社製)16.2g(0.13モル)を30分かけて滴下した。反応溶液を12時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール80mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去して、イオン化合物CT−3を得た。イオン化合物CT−3は、下記構造式13で表される化合物である。

0087

0088

(イオン化合物CT−4の合成)
ナスフラスコジムロートを取り付け、ピペリジン(東京化成工業社製)14.5g(0.17モル)、2−ブロモエタノール(東京化成工業社製)45.0g(0.36モル)をアセトニトリル200mlに溶解させ、炭酸カリウム69gを添加する。90℃で一晩沸点還流し、反応液を酢酸エチル/水で分液し、有機層回収し、溶媒を減圧留去し白色固体としてCT−4を得た。イオン化合物CT−4は、下記構造式14で表される化合物である。

0089

0090

(イオン化合物CT−5)
イオン化合物CT−5として下記構造式15で表される、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業社製)を使用した。

0091

0092

(イオン化合物CT−6の合成)
求核剤である2,2’−チオジエタノール(東京化成工業社製)24.4g(0.20モル)をアセトニトリル50mlに溶解し、室温で4−ブロモ−1−ブタノール(東京化成工業社製)36.7g(0.24モル)を加えた後、90℃で72時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。洗浄とデカンテーションの操作を3回繰り返し、CT−6を得た。イオン化合物CT−6は、下記構造式16で表される化合物である。

0093

0094

(イオン化合物CT−7の合成)
2−ヒドロキシエチル−ジメチルホスフィン(Chem Space社製)21.2g(0.20モル)をアセトニトリル50mlに溶解し、室温で2−ブロモエタノール(東京化成工業社製)30.0g(0.24モル)を加えた後、90℃で72時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテルにて洗浄し、上澄み液をデカンテーションにて除去した。洗浄とデカンテーションの操作を3回繰り返し、CT−7を得た。イオン化合物CT−7は、下記構造式17で表される化合物である。

0095

0096

(イオン化合物CT−8の合成)
2−(2−Methyl−1H−imidazol−1−yl)ethanol(シグマ・アルドリッチ社製)15.1g(0.12モル)、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)9.2gをテトラヒドロフラン80.0gに溶解させた。そこへ、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させた臭化エチル(昭和化学社製)14.2g(0.13モル)を室温で30分かけて滴下し、85℃で12時間加熱還流した。次に、反応溶液に水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール200mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去して、イオン化合物CT−8を得た。イオン化合物CT−8は、下記構造式18で表される化合物である。

0097

0098

0099

<アニオン性構造を有する化合物>
(イオン化合物原料AN−1)
イオン化合物原料AN−1として下記構造式19で表される、2−sulfo−1,4−butanediol(APAC Pharmaceutical社製)を使用した。

0100

0101

(イオン化合物原料AN−2)
イオン化合物原料 AN−2として下記構造式20で表される、Butanoic acid, 4−hydroxy−2−(2−hydroxyethyl)(AuroraFineChemicals社製)を使用した。

0102

0103

(イオン化合物原料AN−3の合成)
イオン化合物原料 AN−3は、リン酸エステル変性アクリレート水酸基含有アクリレート、及びアルキル変性アクリレートを共重合させることにより合成した。即ち、撹拌装置温度計還流管滴下装置及び窒素ガス導入管を取り付けた反応容器に乾燥メチルエチルケトン300.0質量部を仕込み窒素ガス気流下で温度87℃に昇温し、加熱還流した。次にライトエステルP−1M(共栄社化学社製) 29.4質量部(0.14モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業社製) 15.6質量部(0.12モル)、(東京化成工業社製)、n−ブチルメタクリレート(東京化成工業社製) 65.4質量部(0.46モル)、及び開始剤(商品名、カヤエステルO;化薬アクゾ社製)0.2質量部の混合物を1時間かけて徐々に滴下し、温度を87℃に保ったままさらに3時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下メチルエチルケトン200.0質量部を留去した。放冷して温度を室温まで下げ、下記構造式21で表される樹脂AN−3を得た。構造式21中、l=1、m=1、及びn=4である。

0104

0105

(イオン化合物原料AN−4)
イオン化合物原料AN−4として下記構造式22で表される、3−hydroxypropane sulfonic acid(東京化成工業社製)を使用した。

0106

0107

0108

<イオン化合物IP−1〜IP−12>
イオン化合物IP−1〜IP−12は、公知のイオン交換反応を行うことによって合成した。即ち、所望のカチオン性構造を有するイオン化合物(CT1〜CT8のいずれか)と、所望のアニオン性構造を有するイオン化合物(AN−1〜AN−4のいずれか)とを有機溶剤中に当モルで溶解する。その後、イオン交換水にて不要なハロゲン化水素化合物を洗浄除去するという方法である。

0109

(イオン化合物IP−1の合成)
イオン化合物原料CT−1 11.9g(0.05モル)、イオン化合物原料AN−1(2−sulfo−1,4−butanediol(APAC Pharmaceutical社製)4.5g(0.05モル)を、アセトニトリル10.0gに溶解させた。その後、温度60℃で12時間攪拌した。得られた溶液に、酢酸エチル20gを加えた後、イオン交換水8.0gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下で酢酸エチルを留去し、イオン化合物IP−1を得た。イオン化合物IP−1は、下記構造式23で表される化合物である。

0110

0111

(イオン化合物IP−2及びIP−3の合成)
イオン化合物原料AN−1を、AN−2又はAN−3に変更し、配合量を表5のように変更した以外はIP−1と同様にして、イオン化合物IP−2及びIP−3を得た。IP−2及びIP−3は、それぞれ下記構造式24及び構造式25で表される化合物である。構造式25中、l=1、m=1、及びn=4である。

0112

0113

0114

(イオン化合物IP−4の合成)
イオン化合物原料CT−2 15.2g(0.05モル)及びイオン化合物原料AN−1(2−sulfo−1,4−butanediol(APAC Pharmaceutical社製)4.5g(0.05モル)をアセトニトリル10.0gに溶解させた後、60℃で12時間攪拌した。得られた溶液に酢酸エチル20gを加えた後、イオン交換水8.0gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下で酢酸エチルを留去し、イオン化合物IP−4を得た。イオン化合物IP−4は、下記構造式26で表される化合物である。

0115

0116

(イオン化合物IP−5及びIP−6の合成)
イオン化合物原料AN−1を、AN−2又はAN−3に変更し、配合量を表5のように変更した以外はIP−4と同様にして、イオン化合物IP−5及びIP−6を得た。IP−5及びIP−6は、それぞれ下記構造式27及び構造式28で表される化合物である。構造式28中、l=1、m=1、及びn=4である。

0117

0118

0119

(イオン化合物IP−7〜IP−11の合成)
イオン化合物原料CT−1を、CT−3〜CT−7に変更し、配合量を表5のように変更した以外はIP−1と同様にして、イオン化合物IP−7〜IP−11を得た。IP−7〜IP−11は、それぞれ下記構造式29〜33で表される化合物である。

0120

0121

0122

0123

0124

0125

(イオン化合物IP−12の合成)
イオン化合物原料CT−1をCT−8に、イオン化合物原料AN−1をAN−4に変更し、配合量を表5のように変更した以外はIP−1と同様にして、イオン化合物IP−12を得た。IP−12は、下記構造式34で表される化合物である。

0126

0127

(イオン化合物IP−13)
イオン化合物IP−13として下記構造式35で表される、メタンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業社製)を使用した。

0128

0129

0130

<実施例1>
(導電性基体2aの用意)
導電性基体2aとして、ステンレス鋼(SUS304)製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名「DY39−012」;東レ・ダウコーニング社製)を塗布、焼付けしたものを用意した。

0131

弾性ローラの作製)
上記で用意した基体2aを金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物金型内に形成されたキャビティ注入した。
液状シリコーンゴム材料
(商品名「SE6905A/B」;東レ・ダウコーニング社製) 100.0質量部
・カーボンブラック(商品名「デンカブラック粉状品」;デンカ社製)5.0質量部

0132

続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを温度130℃で5分間加硫して硬化させた。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された基体2aを金型から脱型した後、当該芯金を、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。こうして、基体2の外周に直径12mmのシリコーンゴム弾性層4が形成された弾性ローラD−1を作製した。

0133

表面層形成用塗料の調製)
ポリウレタンプレポリマーU−1 49.1質量部、ポリオール化合物P−1 50.9質量部、イオン化合物IP−1 0.25質量部、カーボンブラック(商品名「トーカブラック#4300」;東海カーボン社製)15.0質量部、及びウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400;根上工業社製)15.3質量部を混合し、次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。ついで、更に、メチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して表面層形成用塗料を調製した。

0134

(表面層の形成)
先に作製した弾性ローラD−1を、表面層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラD−1の弾性層の表面に当該塗料塗膜を形成し、乾燥させた。
さらに温度150℃にて1時間加熱処理することで弾性ローラ外周に膜厚約15μmの表面層を設け、実施例1に係る電子写真用ローラを作製した。得られた電子写真用ローラについて、GCMS分析及び1H−NMR分析を行うことにより、ポリオール化合物P−1に由来するn−オクチレン構造と、イオン化合物IP−1に由来するイミダゾリウム基及びスルホン酸基を有することを確認した。

0135

物性測定樹脂シートの作製)
表面層形成用塗料を、膜厚200μmになるようにアルミ型にキャストし、サンフラワー架台(商品名:ワンダシェーカーNA−4X(日伸理化社製))に載せて流動性が無くなるまで乾燥させた。その後水平台に載せ、気温23℃で24時間乾燥後、温度140℃で2時間加熱硬化し、室温まで冷却後、硬化物をアルミ型から剥離し、厚さ200μmの樹脂シートを作製した。

0136

<物性測定用樹脂シートの評価>
タック試験
物性測定用樹脂シートを温度40℃、湿度95RH%の環境下に1週間放置した。その後、同環境で物性測定用樹脂シートの最外層表面の粘着強度タッキング試験機TAC−II(レスカ社製)を用いて測定した。測定は、プリロード400gf、押し込み速度30mm/min、押し込み荷重400gf、押し込み時間5秒及び引上げ速度600mm/minの条件にて、円柱形φ5.1mm、ステンレス製プローブを用いた。粘着強度は、5回の測定値ピーク値)の平均値とした。

0137

(引張強さ)
引張強さをJIS−K6251に記載された方法に準じて測定した。測定には、万能引張試験機テンシロンRTC−1250A」(商品名、株式会社エー・アンド・デイ製)を使用した。また測定環境は、温度23℃、湿度55%RHとした。予め、温度23℃、湿度55%RHに24時間以上置いた物性測定用樹脂シートから、JIS−K6251に記載のダンベル状2号形の試験片切り出した。厚みゲージにて試験片の中央平行部分の厚みを3点測定し、その中央値を試験片の厚みとした。
また、試験片の中央平行部分の幅を3点測定し、その平均値を試験片の幅とした。得られた試験片の厚みと試験片の幅から、下記式により試験片の断面積を算出した。
試験片の断面積=試験片の厚み×試験片の幅
この試験片の両端各10mmを万能引張試験機のチャックに取り付け、チャックの移動速度500mm/minで引張試験を行った。試験片を切断するまで引張り、記録される最大の引張力を試験片の断面積で除した値を、当該試験片の引張強さとした。測定は、一つの樹脂シートから5本の試験片を切り出して5回繰り返し行い、その中央値を測定結果とした。

0138

ウレタン結合濃度
得られた物性測定用樹脂シートを、冷凍粉砕機「JFC−300」(商品名、日本分析工業社製)を用いて、液体窒素冷却下で10分間粉砕し、微粉末状試料を得た。この試料を固体1H−NMR分析し、ウレタン結合に由来するプロトンピーク積分値より、ウレタン結合濃度の定量を行った。

0139

<現像ローラとしての評価>
得られた電子写真用ローラについて、現像ローラとして以下の項目の評価を行った。
イオン固定化率
表面層において、ウレタン樹脂に結合したカチオン性構造及び該アニオン性構造と、ウレタン樹脂に結合していないカチオン及びアニオンとの比率を求めるために、以下の分析を行った。
電子写真用ローラをメチルエチルケトン(MEK)に浸漬し、ローラ全体が浸るように注意しながら3日間放置した。3日放置後に、得られた浸漬液乾固し、抽出物を得た。この抽出物を重クロロホルムに溶かし、1H−NMR分析を行った。1H−NMRでは、シリコーン弾性層由来のシロキサンピークと、ウレタン樹脂由来のピーク、そしてウレタン樹脂に結合していないカチオン及びアニオンに由来するピークが観測された。それらのピークの積分値を比較することにより、抽出物中に含まれる、ウレタン樹脂に結合していないカチオン及びアニオンのモル数を算出した(以下、このモル数をAとする)。
また一方で、以下に定義されるモル数Bは、表面層の質量及び表6に示されたイオン化合物の配合比から算出可能である。
モル数B=表面層に含まれるウレタン樹脂に結合したカチオン性構造及び該アニオン性構造と、ウレタン樹脂に結合していないカチオン及びアニオンとの合計
このようにして求めたモル数A及びBから、以下の式によりイオン固定化率を算出した。
イオン固定化率 = (B−A)/B×100 (%)

0140

(MD−1硬度)
温度23℃、湿度50%RHの環境に設置したマイクロゴム硬度計MD−1型高分子計器株式会社製)を用いて、マイクロゴム硬度を、電子写真用ローラの中央位置及び両端部から30mm位置の計3点で測定した。それらの3点の平均値を求めて、電子写真用ローラのMD−1硬度とした。

0141

トナー固着スジの評価)
現像ローラ表面のタック性が高いと、使用条件によっては現像ローラ表面にトナーが固着する場合がある。トナーの固着が発生した個所局所的にトナーの搬送性が異なるため、カートリッジ使用初期の画像上にトナー固着スジと称する縦方向黒スジが発生する。現像ローラ表面のトナー固着は、現像ブレードやトナー供給ローラとの摩擦によって徐々に掻きとられ、減少していく場合もある。この場合は、印刷枚数を重ねることによって画像上のトナー固着スジは消失する。
以上の点を踏まえ、トナー固着スジの評価を以下の手順で行った。
レーザプリンタ(商品名:LBP5300;キヤノン社製)用のブラックトナーカートリッジに作製した電子写真用ローラを現像ローラとして装着した。このブラックトナーカートリッジを上記レーザプリンタに装填した。そして、このレーザプリンタを用いて白ベタ画像出力動作を行って、現像ローラの表面にブラックトナーが接する状態とした。このトナーカートリッジを、気温40℃、相対湿度95%RHの環境下で、60日間放置した後、温度25℃、相対湿度45%の環境に12時間静置した。
このトナーカートリッジから現像ローラを取り出し、新品のブラックトナーカートリッジに装填して、A4紙にて画像全域で濃度が均一なハーフトーン画像連続印刷した。この画像について、トナー固着スジが消失する枚数を確認した。なお、1枚目からトナー固着スジが発生しない場合は、消失枚数0と評価付けした。

0142

フィルミング及びトナー漏れ評価)
現像ローラの柔軟性が不十分だと、現像ローラと接するトナーは摺擦負荷によるダメージ蓄積しやすくなるため、使用条件によってはトナーフィルミングが発生する場合がある。また、耐摩耗性が不十分だと、長期間の使用によって現像ローラ表面が摩耗してしまい、現像ブレードとの当接によるトナー規制力が低下し、トナー漏れを引き起こす原因となる。
以上の点を踏まえ、フィルミング及びトナー漏れ評価を行うために、以下の検討を行った。気温0℃の環境下、レーザプリンタ(商品名:LBP5300;キヤノン社製)用のブラックトナーカートリッジに作製した電子写真用ローラを現像ローラとして装填し、印字率1%にて10000枚連続印刷した。その後、画像全域で濃度が均一なハーフトーン画像を出力し、フィルミングに起因する濃度ムラの評価を行った。濃度ムラはまず目視同一画像内の近傍における濃度ムラの有無を評価し、その後、濃度ムラ部の近傍内の濃度差最大値を、反射濃度計(商品名:GreatagMacbeth RD918、マクベス社製)を用いて測定した。
その後、0℃の環境下で印字率1%の連続印刷を再開した。1000枚印刷ごとにトナーカートリッジを取り出し、現像ローラと現像ブレードの当接部を観察し、トナー漏れが確認された時点での枚数をトナー漏れ発生枚数とした。なお、10000枚以下の印刷枚数でトナー漏れが発生した場合は、その時点での枚数をトナー漏れ発生枚数とし、フィルミング評価は実施しなかった。

0143

<実施例2〜38>
ウレタンプレポリマー、ポリオール化合物、及びイオン化合物の種類と配合量を表6に記載の通り変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜38に係る現像ローラ、及び物性測定用樹脂シートを作製し、実施例1と同様の評価を行った。

0144

<比較例1〜4>
ウレタンプレポリマー、ポリオール化合物、及びイオン化合物の種類と配合量を表6に記載の通り変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1〜4に係る現像ローラ、及び物性測定用樹脂シートを作製し、実施例1と同様の評価を行った。

0145

0146

<比較例5>
樹脂構造中にアミノ基及びカルボン酸基を有する樹脂として、「RAMレジン−1000」(商品名;大阪有機化学工業社製、重量平均分子量Mw=80,000)を使用した。「RAMレジン−1000」は下記構造式36で表されるアクリル樹脂組成物である。なお、構造式36中、l=1及びm=1である。

0147

0148

「RAMレジン−1000」 100質量部(ただし固形分として)、カーボンブラック(商品名「トーカブラック#4300」;東海カーボン社製)15.0質量部、及びウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400;根上工業社製)15.3質量部を混合し、次に、総固形分比が30質量%となるようにエタノールを加えた後、サンドミルにて混合した。ついで、更に、エタノールで粘度10〜12cpsに調整して表面層形成用塗料を調製した。
この表面層形成用塗料を用いて、実施例1と同様の手順で、比較例5に係る現像ローラ、及び物性測定用樹脂シートを作製し、実施例1と同様の評価を行った。
上記評価試験により得られた実施例及び比較例の結果を表7−1〜表7−3に示す。

0149

0150

0151

0152

実施例1〜38は、表面層を形成するウレタン樹脂が本発明に係る構造式1〜構造式4で示される構造を有し、さらにウレタン樹脂に共有結合したカチオン性構造及びアニオン性構造を持つ。そのため、実施例1〜38は、柔軟性と耐摩耗性、低タック性を兼ね備えており、トナー固着量が少なく、フィルミングも抑制されており、トナー漏れが発生するまでの印刷枚数も多くなった。
それらの中でも、以下の実施例は、トナー漏れが発生するまでの印刷枚数が14000枚以上となり、特に高い耐摩耗性を示した。
・炭素数が8以下のエーテル鎖、エステル鎖又はカーボネート鎖を持つポリオールを使用した実施例1〜8、11〜17、19〜22及び25〜37
・ポリオレフィンポリオールを使用した実施例23及び24
また、非芳香族系のカチオン構造を含有する実施例27〜31と比較して、芳香族系のカチオン構造を含有する実施例1〜6はより高いレベルでトナー固着が抑制される結果となった。また、樹脂表面層に含まれるカチオン性構造やアニオン性構造の量が少ない実施例35と比較して、カチオン性構造やアニオン性構造の含有量が多い実施例36はより高いレベルでトナー固着が抑制されていた。
それに対し、以下の比較例は、樹脂のタックが高くなり、トナー固着量を抑制できない結果となった。
・表面層を形成するウレタン樹脂が、イオン化合物を含有しない比較例1
・疎水性の低い主鎖構造でウレタン樹脂が構成されている比較例2及び3
・カチオン性構造及びアニオン性構造がウレタン樹脂に結合していない比較例4
また、カチオン性構造及びアニオン性構造がアクリル樹脂に結合している比較例5は、引張強度やMD−1硬度が低く、印刷枚数50枚でトナー漏れが発生し、フィルミング性能を評価できない結果となった。

0153

<実施例39>
ポリエステルポリアミドAM−1の合成)
反応容器中で、1,8−オクタンジオール292.5g(2モル)(東京化成工業社製)、アジピン酸438.4g(3モル)(東京化成工業社製)及びイオン化合物IP−124.6g(0.1モル)を混合し、窒素雰囲気下で200℃、4時間反応を行った。この反応物に、1,6−ヘキサメチレンジアミン232.4g(2モル)(東京化成工業社製)とアジピン酸146.1g(1モル)を加え、窒素雰囲気下で240℃、4時間反応を行った。室温冷却後に、得られた樹脂をメタノールすすぎ、さらに10Lのメタノールに3日間浸漬して未反応成分を溶出させた。その後、減圧下で残留する水及び溶媒成分を除去し、下記構造式37で示されるポリエステルポリアミド樹脂AM−1を得た。

0154

0155

ポリエステルポリアミド樹脂AM−1 100質量部及びカーボンブラック(商品名「トーカブラック#4300」;東海カーボン社製)15.0質量部をニーダー内投入し、160℃で20分間混練して、熱可塑性エラストマー組成物を得た。次に、この熱可塑性エラストマー組成物を1軸押出機に投入し、温度160〜200℃で溶融し、押出機の先端のノズルから溶融ストランド状物押出し、冷却、切断を行い、ペレットを得た。
この熱可塑エラストマ組成物のペレットを温度200℃で溶融し、支持部材である、厚さ0.08mmのSUS板上に、熱可塑性エラストマー組成物を押出成形することにより、電子写真用ブレードを作製した。

0156

(物性測定用樹脂シートの作製)
ポリエステルポリアミド樹脂AM−1を厚さ2.0mmのシート金型に入れ、200℃に加熱した熱プレスにて10分間加硫した後、室温まで冷却し、物性測定用樹脂シートを作製した。

0157

<物性測定用樹脂シートの評価>
(タック試験)
作製した物性測定用樹脂シートを温度40℃、湿度95RH%の環境下に1週間放置した。その後、物性測定用樹脂シートを温度25℃、相対湿度45%の環境にて1時間放置し、同環境でこれらの現像ブレード表面の粘着強度を、タッキング試験機TAC−II(レスカ社製)を用いて測定した。測定は、プリロード400gf、押し込み速度30mm/min、押し込み荷重400gf、押し込み時間5秒、引上げ速度600mm/minの条件にて、円柱形φ5.1mm、ステンレス製のプローブを用いた。粘着強度は、5回の測定値(ピーク値)の平均値とした。

0158

(引張強さ)
引張強さを、日本工業規格(JIS)K6251:2017に記載された方法に準じて測定した。測定には、万能引張試験機(商品名:テンシロンRTC−1250A;株式会社エー・アンド・デイ製)を使用した。また測定環境は、温度23℃、湿度55%RHとした。予め、温度23℃、湿度55%RHに24時間以上置いた物性測定用樹脂シートから、JIS K6251:2017に記載のダンベル状2号形の試験片を切り出した。厚みゲージにて試験片の中央平行部分の厚みを3点測定し、その中央値を試験片の厚みとした。また、試験片の中央平行部分の幅を3点測定し、その平均値を試験片の幅とした。得られた試験片の厚みと試験片の幅から、下記式により試験片の断面積を算出した。
試験片の断面積=試験片の厚み×試験片の幅
この試験片の両端各10mmを万能引張試験機のチャックに取り付け、チャックの移動速度500mm/minで引張試験を行った。試験片を切断するまで引張り、記録される最大の引張力を試験片の断面積で除した値を、当該試験片の引張強さとした。測定は、一つの樹脂シートから5本の試験片を切り出して5回繰り返し行い、その中央値を測定結果とした。

0159

(アミド結合濃度及びカチオン構造/アニオン構造含有量)
得られた物性測定用樹脂シートを、冷凍粉砕機「JFC−300」(商品名、日本分析工業社製)を用いて、液体窒素冷却下で10分間粉砕し、微粉末状の試料を得た。この試料を固体1H−NMR分析し、アミド結合に由来するプロトンピークの積分値より、アミド結合濃度の定量を行った。また、カチオン構造とアニオン構造に由来するプロトンピークの積分値より、カチオン構造及びアニオン構造の含有量を算出した。

0160

<現像ブレードとしての評価>
得られた電子写真用ブレードについて、現像ブレードとして以下の項目の評価を行った。
(イオン固定化率)
表面層において、アミド樹脂に結合したカチオン性構造及びアニオン性構造と、アミド樹脂に結合していないカチオン及びアニオンとの比率を求めるために、以下の分析を行った。
現像ブレードをMEKに浸漬し、ブレード全体が浸るように注意しながら25℃で3日間放置した。3日放置後に、得られた浸漬液を乾固し、抽出物を得た。この抽出物を重クロロホルムに溶かし、1H−NMR分析を行った。1H−NMRでは、アミド樹脂由来のピーク、そしてアミド樹脂に結合していないカチオン及びアニオンに由来するピークが観測された。それらのピークの積分値を比較することにより、抽出物中に含まれる、アミド樹脂に結合していないカチオン及びアニオンのモル数を算出した。(以下、このモル数をAとする)
また一方で、以下に定義されるモル数Bは、表面層の質量、及び固体1H−NMR分析で求めたカチオン構造及びアニオン構造の含有量から算出可能である。
・モル数B=表面層に含まれるアミド樹脂に結合したカチオン性構造及び該アニオン性構造と、アミド樹脂に結合していないカチオン及びアニオンとの合計のモル数
このようにして求めたモル数A及びBから、以下の式により固定化率を算出した。
イオン固定化率 = (B−A)/B×100 (%)

0161

(トナー固着スジの評価)
現像ブレード表面のタック性が高いと、使用条件によっては現像ブレード表面にトナーが固着する場合がある。トナーの固着が発生した個所は局所的にトナーの搬送性が異なるため、カートリッジ使用初期の画像上にトナー固着スジと称する縦方向の黒スジが発生する。現像ブレード表面のトナー固着は、現像ローラとの摩擦によって徐々に掻きとられ、減少していく場合もある。この場合は、印刷枚数を重ねることによって画像上のトナー固着スジは消失する。
以上の点を踏まえ、トナー固着スジの評価を以下の手順で行った。
レーザプリンタ(商品名:LBP5300;キヤノン社製)用のブラックトナーカートリッジに作製した電子写真用ブレードを現像ブレードとして装着した。このブラックトナーカートリッジを上記レーザプリンタに装填した。そして、このレーザプリンタを用いて白ベタ画像の出力動作を行って、現像ブレードの表面にブラックトナーが接する状態とした。このトナーカートリッジを、気温40℃、相対湿度95%RHの環境下で、60日間放置した後、温度25℃、相対湿度45%の環境に12時間静置した。
このトナーカートリッジから現像ブレードを取り出し、新品のブラックトナーカートリッジに装填して、A4紙にて画像全域で濃度が均一なハーフトーン画像を連続印刷した。この画像について、トナー固着スジが消失する枚数を確認した。なお、1枚目からトナー固着スジが発生しない場合は、消失枚数0と評価付けした。

0162

現像スジ及びトナー漏れ評価)
現像ブレードの柔軟性が不十分だと、現像ブレードと接するトナーは摺擦負荷によるダメージを蓄積しやすくなるため、使用条件によっては劣化したトナーがブレード上に融着して現像スジと呼ばれる縦筋状画像弊害を生じる場合がある。また、耐摩耗性が不十分だと、長期間の使用によって現像ブレード表面が摩耗してしまい、現像ローラとの当接によるトナー規制力が低下し、トナー漏れを引き起こす原因となる。
以上の点を踏まえ、現像スジ及びトナー漏れ評価を行うために、以下の検討を行った。気温0℃の環境下、レーザプリンタ(商品名:LBP5300;キヤノン社製)用のブラックトナーカートリッジに作製した現像ブレードを装填した。印字率1%にて10000枚連続印刷後、現像ブレードを取り出し、表面のトナーを除去した。その後、A4の紙でベタ黒画像を出力し、その画像について幅0.2mm以上の現像スジ(縦スジ状の白抜け)の発生本数を確認した。

0163

<実施例40〜45>
(ポリエステルポリアミドAM−2の合成)
イオン化合物IP−1 24.6g(0.1モル)をイオン化合物IP−2 30.4g(0.1モル)に変更した以外は、AM−1の合成と同様の手順で、ポリエステルポリアミド樹脂AM−2を得た。AM−2は、下記平均構造式38で表される化合物である。

0164

0165

ポリエーテルポリアミドAM−3の合成)
反応容器中で、3−メチル−1,5−ペンタンジオール236.4g(2モル)(東京化成工業社製)、アジピン酸438.4g(3モル)(東京化成工業社製)及びイオン化合物IP−1 24.6g(0.1モル)を混合し、窒素雰囲気下で200℃、4時間反応を行った。この反応物に、1,6−ヘキサメチレンジアミン464.8g(4モル)(東京化成工業社製)とアジピン酸438.4g(3モル)を加え、窒素雰囲気下で240℃、4時間反応を行った。室温冷却後に、得られた樹脂をメタノールですすぎ、さらに10Lのメタノールに3日間浸漬して未反応成分を溶出させた。その後、減圧下で残留する水及び溶媒成分を除去し、下記平均構造式39で示されるポリエステルポリアミド樹脂AM−3を得た。

0166

0167

(ポリエステルポリアミドAM−4の合成)
反応容器中で、3−メチル−1,5−ペンタンジオール236.4g(2モル)(東京化成工業社製)、アジピン酸438.4g(3モル)(東京化成工業社製)及びイオン化合物IP−2 30.4g(0.1モル)を混合し、窒素雰囲気下で200℃、4時間反応を行った。この反応物に、1,6−ヘキサメチレンジアミン93.0g(0.8モル)(東京化成工業社製)を加え、窒素雰囲気下で240℃、4時間反応を行った。
室温冷却後に、得られた樹脂をメタノールですすぎ、さらに10Lのメタノールに3日間浸漬して未反応成分を溶出させた。その後、減圧下で残留する水及び溶媒成分を除去し、下記平均構造式40で示されるポリエステルポリアミド樹脂AM−4を得た。

0168

0169

(ポリエステルポリアミドAM−5の合成)
イオン化合物IP−1 24.6g(0.1モル)をイオン化合物IP−9 22.4g(0.1モル)に変更した以外は、AM−3の合成と同様の手順で、ポリエステルポリアミド樹脂AM−5を得た。AM−5は、下記平均構造式41で表される化合物である。

0170

0171

(ポリエステルポリアミドAM−6の合成)
反応容器中で、1,8−オクタンジオール73.1g(0.5モル)(東京化成工業社製)、アジピン酸116.9g(0.8モル)(東京化成工業社製)及びイオン化合物IP−1 24.6g(0.1モル)を混合し、窒素雰囲気下で200℃、4時間反応を行った。この反応物に、1,6−ヘキサメチレンジアミン1162.0g(10モル)(東京化成工業社製)とアジピン酸1315.3g(9モル)を加え、窒素雰囲気下で240℃、4時間反応を行った。室温冷却後に、得られた樹脂をメタノールですすぎ、さらに20Lのメタノールに3日間浸漬して未反応成分を溶出させた。その後、減圧下で残留する水及び溶媒成分を除去し、下記平均構造式42で示されるポリエステルポリアミド樹脂AM−6を得た。

0172

0173

(ポリエステルポリアミドAM−7の合成)
反応容器中で、1,8−オクタンジオール292.5g(2モル)(東京化成工業社製)、アジピン酸438.4g(3モル)(東京化成工業社製)及びイオン化合物IP−124.6g(0.1モル)を混合し、窒素雰囲気下で200℃、4時間反応を行った。この反応物に、1,6−ヘキサメチレンジアミン58.1g(0.5モル)(東京化成工業社製)を加え、窒素雰囲気下で240℃、4時間反応を行った。室温冷却後に、得られた樹脂をメタノールですすぎ、さらに10Lのメタノールに3日間浸漬して未反応成分を溶出させた。その後、減圧下で残留する水及び溶媒成分を除去し、下記平均構造式43で示されるポリエステルポリアミド樹脂AM−7を得た。

0174

0175

ポリエステルポリアミド樹脂AM−1をAM−2〜7に変更した以外は実施例39と同様にして、実施例40〜45に係る現像ブレードを作製し、実施例39と同様の評価を行った。

0176

<比較例6>
(ポリエステルポリアミドAM−8の合成)
反応容器中で、1,4−ブタンジオール180.2g(2モル)(東京化成工業社製)、コハク酸354.3g(3モル)(東京化成工業社製)及びイオン化合物IP−1 24.6g(0.1モル)を混合し、窒素雰囲気下で200℃、4時間反応を行った。この反応物に、1,6−ヘキサメチレンジアミン232.4g(2モル)(東京化成工業社製)とコハク酸118.1g(1モル)を加え、窒素雰囲気下で240℃、4時間反応を行った。室温冷却後に、得られた樹脂をメタノールですすぎ、さらに10Lのメタノールに3日間浸漬して未反応成分を溶出させた。その後、減圧下で残留する水及び溶媒成分を除去し、下記平均構造式44で示されるポリエステルポリアミド樹脂AM−8を得た。

0177

0178

ポリエステルポリアミド樹脂AM−1をAM−8に変更した以外は実施例39と同様にして、比較例6に係る現像ブレードを作製し、実施例39と同様の評価を行った。
上記評価試験により得られた実施例及び比較例の結果を表8に示す。

0179

0180

実施例39〜45は、表面層を形成するアミド樹脂が本発明に係る構造式1〜構造式4で示される構造を有し、さらにアミド樹脂に共有結合したカチオン性構造及びアニオン性構造を持つため、タックが低くなり、トナー固着を抑制することができた。
その中でも、特に芳香族系のカチオン構造を含有する実施例39〜42、及び樹脂中にアミド結合を多く含む実施例44はより高いレベルでトナー固着が抑制される結果となった。それに対し、構造式1〜構造式4で示される構造を有しない比較例6は、樹脂のタックが高くなり、トナー固着を抑制できない結果となった。

0181

<実施例46>
(弾性ローラの作製)
下記に示す種類と量の各材料を加圧式ニーダーで混合してA練りゴム組成物を得た。
・NBRゴム
(商品名:Nipol DN219;日本ゼオン社製) 100.0質量部
・カーボンブラック
(商品名:トーカブラック#4300;東海カーボン社製) 40.0質量部
・炭酸カルシウム
(商品名:ナノクス#30;丸尾カルシウム社製) 20.0質量部
ステアリン酸(商品名:ステアリン酸S;花王社製) 1.0質量部

0182

さらに、前記A練りゴム組成物166.0質量部と下記に示す種類と量の各材料をオープンロールにて混合し未加硫ゴム組成物を調製した。
硫黄(商品名:Sulfax 200S;鶴見化学工業社製) 1.2質量部
テトラベンジルチウラムジスルフィド
(商品名:TBZTD;三新化学工業社製) 4.5質量部

0183

導電性基体の供給機構未加硫ゴムローラ排出機構を有するクロスヘッド押出機を用意し、クロスヘッドには内径16.5mmのダイス取付け、押出機とクロスヘッドを80℃に、導電性基体の搬送速度を60mm/secに調整した。この条件で、押出機より未加硫ゴム組成物を供給して、クロスヘッド内にて導電性基体に未加硫ゴム組成物を弾性層として被覆し、未加硫ゴムローラを得た。次に、170℃の熱風加硫炉中に前記未加硫ゴムローラを投入し、60分間加熱することで未研磨導電性ローラを得た。その後弾性層の端部を切除、除去し、弾性層の表面を回転砥石で研磨した。これにより、中央部から両端部側へ各90mmの位置における各直径が8.4mm、中央部直径が8.5mmの弾性ローラD−2を作製した。

0184

(表面層の形成)
弾性ローラD−2を、実施例1で調整した表面層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラD−2の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。以下実施例1と同様にして実施例46に係る電子写真用ローラを作製した。得られた電子写真用ローラについて、GC−MS分析、及び1H−NMR分析を行うことにより、ポリオール化合物P−1に由来するn−テトラデシレン構造と、イオン化合物IP−1に由来するイミダゾリウム基、及びスルホン酸基を有することを確認した。

0185

帯電ローラ汚れ評価)
帯電ローラ表面のタック性が高いと、使用条件によっては帯電ローラ表面に汚れが付着する場合がある。このような場合、電子写真感光体を帯電する際に、汚れ付着部が局所的に帯電不良となり、画像上に白ポチと称する画像不良(ドット上の白抜け)が発生する。
以上の点を踏まえ、帯電ローラ汚れの評価を以下の手順で行った。
電子写真装置として、電子写真方式のレーザプリンタ(商品名:Laserjet CP4525dn、HP社製)を用意した。次に、当該レーザプリンタ専用のトナーカートリッジに、得られた電子写真用ローラを帯電ローラとして装着した。このトナーカートリッジを上記のレーザプリンタに装填し、温度30℃、相対湿度80%の環境下で耐久試験を行った。耐久試験は、2枚の画像を出力した後、感光ドラムの回転を完全に約3秒間停止させ、画像出力を再開するという間欠的な画像形成動作を繰り返して80000枚の電子写真画像を出力するものである。この際の出力画像は、サイズが4ポイントアルファベットの「E」の文字が、A4紙の面積に対し被覆率が1%となるように印字されるような画像とした。耐久後、A4紙でハーフトーン画像(感光体の回転方向垂直方向に幅1ドットの横線が、当該回転方向に2ドットの間隔で描かれた画像)を出力し、得られた画像について、直径0.2mm以上の白ポチの発生数を確認した。

0186

<実施例47〜50>
表面層形成用塗料を、各々、実施例2、7、8または29で調整したものに変更した以外は実施例46と同様にして、実施例47〜50に係る電子写真用ローラを作製した。得られた電子写真用ローラを、実施例46と同様の評価に供した。

0187

<比較例7>
表面層形成用塗料を、比較例3で調整したものに変更した以外は実施例46と同様にして、比較例7に係る電子写真用ローラを作製し、実施例46と同様の評価を行った。
上記評価試験により得られた実施例及び比較例の結果を表9に示す。

0188

実施例

0189

実施例46〜50は、表面層を形成するウレタン樹脂が本発明に係る構造式1〜構造式4で示される構造を有する。さらに実施例46〜50は、ウレタン樹脂に共有結合したカチオン性構造及びアニオン性構造を持つ。このため、実施例46〜50は、タックが低くなり、帯電ローラ汚れを抑制することができた。
それらの中でも、特に芳香族系のカチオン構造を含有する実施例46〜49はより高いレベルで帯電ローラ汚れが抑制される結果となった。
それに対し、構造式1〜構造式4で示される構造を有しない比較例7は、樹脂のタックが高くなり、帯電ローラ汚れを抑制できない結果となった。

0190

1a電子写真用ローラ
2a導電性基体
3a表面層
4 弾性体

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