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技術 電流センサ及びそれを用いた計測装置、計測方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 遠藤久
出願日 2015年12月28日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2015-255657
公開日 2019年4月18日 (5ヶ月経過) 公開番号 2019-060605
状態 未査定
技術分野 測定装置の細部とブリッジ、自動平衡装置
主要キーワード 内径領域 相電源ライン 機械運動 信号変換素子 アンペールの法則 複数センサ 通過距離 電流ライン
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図面 (19)

課題

センサ感度の調節が可能な光学式電流センサ及びそれを用いた計測装置を提供することを目的とする。

解決手段

本発明は、測定対象電流線磁性体コア44を作用させ、磁場分布に基づいて電流を検知する電流センサ40において、前記磁性体コア44による磁路に沿って磁束密度を変更する磁束密度変更手段と、前記磁性体コアに磁気光学素子41を挿入し、前記磁気光学素子に作用した光の偏光角に基づき電流を検出する光学式電流検出手段と、を具備したことを特徴とする。

概要

背景

電気機器電子機器の動作の把握には、各機能を構成する素子に関する電圧電流などの電気的な状態を観測する必要がある。例えば、電気エネルギー機械運動に変換する電気機器の一つである電気モータでは、発生トルクと電流とが密接に関係しており、このような電気機器の動作確認や制御を行うためには、電流計測が必要不可欠である。このような電気機器や電子機器の電気的な状態の評価方法としては、動作中の電圧・電流波形類似度振幅差異位相の差異、動作状態に対応する周波数分パターンを利用するものがある。

例えば、電流計測では、電気抵抗を利用する方式と、磁場を利用する方式が一般に広く知られている。電気抵抗を利用する方式では、抵抗値既知抵抗に電流を流した場合に両端に生じる電圧値を測定し、その電圧値からオームの法則に基づいて電流値を算出する。しかしながら、大電流を測定する場合には、電流の通電によって抵抗素子に生じるジュール熱が大きくなり、温度上昇による抵抗値の上昇も大きくなる。したがって、電流値が数アンペアになるような電気機器や、長時間動作している電子機器では、電圧値を電流値に換算する際の誤差が大きくなることが懸念される。一方で、磁場を利用する方式は、電流が生じたときに生成される磁場を測定し、アンペールの法則に基づいて電流に換算するものであり、電気抵抗を利用する方式のようなジュール熱による懸念は生じないという特徴がある。磁場の測定には、コイルホール素子などの磁気センサが一般的に用いられており、コイルは交流高周波磁場成分、ホール素子は直流低周波)磁場成分が主な適用範囲となっている。また、磁気光学効果と呼ばれる光と磁気相互作用を利用した磁場の測定は、直流磁場成分交流磁場成分の両方に適用することができる。

磁気光学効果は、磁性材料に光を照射した場合に、その磁性材料の磁化状態によって照射した光の偏光角が回転する現象であり、対象の磁化材料における反射光に関するものがカー効果、透過光に関するものがファラデー効果としてよく知られている。このうち、ファラデー効果を利用して磁場の強さを測定する方法としては、測定対象電流ラインにより生じる磁場を光ファイバに作用させ、光ファイバを通る光の偏向角の回転量を計測することによって磁場の強さを測定するものがある。

実際の電流計測では、センサ応答電気信号に変換し、この電気信号をデジタル信号化して通信し、設備監視や制御に利用される。このデジタル信号化では、数値範囲分解能アナログ−デジタル信号変換素子によって制限される。そのことから、用途に適した電流センサ感度を設定することが行われる。

このような実際の電流計測について、例えば、特許文献1では、光ファイバ式センサ解線し、巻数の異なるセンサに差し替えて感度を変更することが考えられる。

概要

センサ感度の調節が可能な光学式の電流センサ及びそれを用いた計測装置を提供することを目的とする。本発明は、測定対象の電流線磁性体コア44を作用させ、磁場分布に基づいて電流を検知する電流センサ40において、前記磁性体コア44による磁路に沿って磁束密度を変更する磁束密度変更手段と、前記磁性体コアに磁気光学素子41を挿入し、前記磁気光学素子に作用した光の偏光角に基づき電流を検出する光学式電流検出手段と、を具備したことを特徴とする。

目的

本発明は上記に鑑みてなされたものであり、センサ感度の調節が可能な光学式の電流センサ及びそれを用いた計測装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

測定対象電流線磁性体コアを作用させ、磁場分布に基づいて電流を検知する電流センサにおいて、前記磁性体コアによる磁路に沿って磁束密度を変更する磁束密度変更手段と、前記磁性体コアに磁気光学素子を挿入し、前記磁気光学素子に作用した光の偏光角に基づき電流を検出する光学式電流検出手段と、を具備したことを特徴とする電流センサ。

請求項2

請求項1記載の電流センサにおいて、磁束密度変更手段は、環状の磁性体コアで、外径内径の中心位置が異なる構造と、磁場分布に応じた前記磁性体コアの位置に、前記磁気光学素子を挿入可能とする構造であることを特徴とする電流センサ。

請求項3

請求項1記載の電流センサにおいて、磁束密度変更手段は、磁性体コアの内部に空隙を有した構造と、磁場分布に応じた前記磁性体コアの位置に、前記磁気光学素子挿入可能とする構造であることを特徴とする電流センサ。

請求項4

請求項1記載の電流センサにおいて、磁束密度変更手段は、環状の磁性体コアで、厚み方向に異なる径となる構造と、磁場分布に応じた前記磁性体コアの位置に、前記磁気光学素子を挿入可能とする構造であることを特徴とする電流センサ。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電流センサにおいて、前記光学式電流検出手段は、前記磁気光学素子に光ファイバを接続し、前記磁性体コアに挿入し、前記磁気光学素子に作用した照射光の偏光角に基づき電流を検出することを特徴とする電流センサ。

請求項6

請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電流センサにおいて、前記光学式電流検出手段は、前記磁気光学素子を前記磁性体コアに挿入し、前記磁性体コアの外面から前記磁気光学素子に対して、外部から照射した照射光が到達する光路を有し、前記磁気光学素子に作用した照射光の偏光角に基づき電流を検出することを特徴とする電流センサ。

請求項7

測定対象の電流線に磁性体コアを作用させ、磁場分布に基づいて電流を検知する計測方法であって、前記磁性体コアを非対称とした構造と、磁場分布に応じた前記磁性体コアの位置に、前記磁気光学素子挿入可能とする構造と、で前記磁性体コアによる磁路に沿って磁束密度を変更させ、磁気光学素子を接続した光ファイバを前記磁性体コアに挿入し、前記磁気光学素子に作用した照射光の偏光角に基づき電流を検出することを特徴とする計測方法。

請求項8

モータ又はインバータの電流線に磁性体コアを作用させ、磁場分布に基づいて電流を検知する計測装置であって、前記磁性体コアを非対称とした構造と、磁場分布に応じた前記磁性体コアの位置に、磁気光学素子を挿入可能とする構造と、で前記磁性体コアによる磁路に沿って磁束密度を変更させる手段と、磁気光学素子を接続した光ファイバを前記磁性体コアに挿入可能とする構造と、前記磁気光学素子に作用した照射光の偏光角に基づき電流を検出し、モータ又はインバータの運転状態を評価する計算部からなることを特徴とする計測装置。

技術分野

0001

本発明は、電気機器電子機器に係る電流の評価に用いる電流センサ及びそれを用いた計測装置計測方法に関する。

背景技術

0002

電気機器や電子機器の動作の把握には、各機能を構成する素子に関する電圧や電流などの電気的な状態を観測する必要がある。例えば、電気エネルギー機械運動に変換する電気機器の一つである電気モータでは、発生トルクと電流とが密接に関係しており、このような電気機器の動作確認や制御を行うためには、電流計測が必要不可欠である。このような電気機器や電子機器の電気的な状態の評価方法としては、動作中の電圧・電流波形類似度振幅差異位相の差異、動作状態に対応する周波数分パターンを利用するものがある。

0003

例えば、電流計測では、電気抵抗を利用する方式と、磁場を利用する方式が一般に広く知られている。電気抵抗を利用する方式では、抵抗値既知抵抗に電流を流した場合に両端に生じる電圧値を測定し、その電圧値からオームの法則に基づいて電流値を算出する。しかしながら、大電流を測定する場合には、電流の通電によって抵抗素子に生じるジュール熱が大きくなり、温度上昇による抵抗値の上昇も大きくなる。したがって、電流値が数アンペアになるような電気機器や、長時間動作している電子機器では、電圧値を電流値に換算する際の誤差が大きくなることが懸念される。一方で、磁場を利用する方式は、電流が生じたときに生成される磁場を測定し、アンペールの法則に基づいて電流に換算するものであり、電気抵抗を利用する方式のようなジュール熱による懸念は生じないという特徴がある。磁場の測定には、コイルホール素子などの磁気センサが一般的に用いられており、コイルは交流高周波磁場成分、ホール素子は直流低周波)磁場成分が主な適用範囲となっている。また、磁気光学効果と呼ばれる光と磁気相互作用を利用した磁場の測定は、直流磁場成分交流磁場成分の両方に適用することができる。

0004

磁気光学効果は、磁性材料に光を照射した場合に、その磁性材料の磁化状態によって照射した光の偏光角が回転する現象であり、対象の磁化材料における反射光に関するものがカー効果、透過光に関するものがファラデー効果としてよく知られている。このうち、ファラデー効果を利用して磁場の強さを測定する方法としては、測定対象電流ラインにより生じる磁場を光ファイバに作用させ、光ファイバを通る光の偏向角の回転量を計測することによって磁場の強さを測定するものがある。

0005

実際の電流計測では、センサ応答電気信号に変換し、この電気信号をデジタル信号化して通信し、設備監視や制御に利用される。このデジタル信号化では、数値範囲分解能アナログ−デジタル信号変換素子によって制限される。そのことから、用途に適した電流センサの感度を設定することが行われる。

0006

このような実際の電流計測について、例えば、特許文献1では、光ファイバ式センサ解線し、巻数の異なるセンサに差し替えて感度を変更することが考えられる。

先行技術

0007

特開2000−111586号公報

発明が解決しようとする課題

0008

上記特許文献1に記載の従来技術では、巻数の異なるセンサを多数用意する必要があり、センサの感度を調整することが困難である問題点がある。

0009

そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであり、センサ感度の調節が可能な光学式の電流センサ及びそれを用いた計測装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記目的を達成するために、本発明は、測定対象の電流線磁性体コアを作用させ、磁場分布に基づいて電流を検知する電流センサにおいて、前記磁性体コアによる磁路に沿って磁束密度を変更する磁束密度変更手段と、前記磁性体コアに磁気光学素子を挿入し、前記磁気光学素子に作用した光の偏光角に基づき電流を検出する光学式電流検出手段と、を具備したことを特徴とする。

発明の効果

0011

本発明によれば、絶縁性の高い光学式の電流センサにおいて、電流計測範囲を容易に変更することができる。

図面の簡単な説明

0012

計測装置の全体構成を模式的に示す機能ブロック図である。
電流センサの光軸を通る平面における断面図(a)と磁束密度分布の図(b)である。
電流センサの光軸を通る平面における断面図(a)と磁束密度分布の図(b)である。
電流センサの磁気光学素子に磁場が作用して透過する光の偏向角が変化する様子を模式的に示す図である。
電流が作る磁場が磁気光学素子に作用する様子を模式的に示す図である。
磁性体(磁気光学素子)の磁場強度と偏光角の関係を示す図である。
磁性体(磁気光学素子)の光軸方向の厚みと偏光角の関係を示す図である。
電流センサにおける光の偏光角の回転量と、検知部に作用する磁場強度の関係を示す図である。
電流の時間変化に対して,本実施例に示す電流センサにおける光の偏光角の時間変化を示す図である。
発光部と受光部の構成を模式的に示す機能ブロック図の一例である。
他の発光部と受光部の構造を模式的に示す機能ブロック図の一例である。
三相電動機と計測装置の配置を概略的に示す図である。
三相電動機の電流波形を3箇所の電流センサで測定した電流波形の一例を示す図である。
三相電動機のV相電源ラインの電流に異常が生じたときの出力例を示す図である。
他の電流センサの光軸を通る平面における断面図。
他の実施例である電流センサの光軸を通る平面における断面図。
他の実施例である電流センサの光軸を通る平面における断面図。
他の実施例である電流センサの光軸を通る平面における断面図。

0013

以下、図面を用いて、本発明を実施する上で好適となる実施例を説明する。尚、下記はあくまでも実施の例に過ぎず、発明の内容が下記具体的態様に限定されるものではない。本発明は、下記態様を含めて種々の態様に変形することが無論可能である。

0014

実施例1を図1図10を参照しつつ説明する。

0015

図1は、実施例1に係る計測装置の全体構成を模式的に示す機能ブロック図である。

0016

図1において、計測装置100は、測定に用いる光の送受信及び測定値計算処理を行う測定部1と、測定部1への各種設定値指令信号の入力を行う入力部2と、測定部1での計算処理の結果である測定値を表示する表示部3と、測定部1からの送信光1aを透過して受信光1bとして測定部1に送る電流センサ40とから概略構成されている。

0017

測定部1は、測定に用いる光(送信光1a)を生成し、コネクタ19を介して電流センサ40に送信する光源部10と、電流センサ40からの光(受信光1b)をコネクタ29を介して受信する受光部20と、受光部20で受信した受信光1bに基づいて計算処理を行う計算部30とを備えている。

0018

光源部10は、入力部2からの指令信号に基づいて測定に用いる光を生成する発光部11と、発光部11で生成された光の波長の調整や直線偏波への変換を行い、コネクタ19を介して電流センサ40に送信する送信光調整部12とを備えている。発光部11は、可視光を発する白色光源を備えている。また、送信光調整部12は、発光部11で生成された光から一定の波長を抽出する分光器干渉フィルタなどの波長選択部や、直線偏波への変換部などを有しており、少なくとも1種類の波長の光を生成することができる。なお、発光部11には、生成する光の仕様によって、発光ダイオードレーザダイオードを用いることができる。

0019

受光部20は、電流センサ40からの受信光1bをコネクタ29を介して受信し、受信光1bを波長や偏光角に応じて選択や調整する受信光調整部23と、受信光調整部23からの光を受光して電気信号に変換する受光素子22と、受光素子22で得られた電気信号を受信データに変換するデータ変換部21とを備えている。

0020

受信光調整部23は、受信光1bから一定の波長を抽出する分光器や干渉フィルタなどの波長選択部を有している。受光素子22には、例えば、フォトダイオードアバランシェダイオードなどが用いられる。データ変換部21は、受光素子22からの電気信号を受信データに変換して計算部30に送信する。

0021

なお、図10には上述した発光部と受光部の構成を模式的に示す機能ブロック図の一例を示した。送信光調整部12として偏光子12Aを採用した光源部10Aと、受信光調整部23として検光子23Aを採用した受光部20Aより構成されている。更に、図11には他の発光部と受光部の構造を模式的に示す機能ブロック図の一例を示した。送信光調整部12として送信光調整部12Bを採用した光源部10Bと、受信光調整部23として受信光調整部23Bを採用した受光部20Bより構成されている。送信光調整部12Bは位相調整部12aと1/4波長板12bより構成され波長の調整や直線偏波への変換を行う。受信光調整部23Bはカプラ23a、カプラ23cと偏光子23bと1/4波長板23dから構成され受信光1bを波長や偏光角に応じて選択や調整する。

0022

計算部30は、受光部20からの受信データを電流値や磁場の強さに換算する換算部31と、換算部31で用いる換算値を格納するメモリ32とを備えている。換算部31には、受信データと電流、受信データと磁場の関係などが実験シミュレーション等の結果から予め経験的に求められ換算値として格納されている。換算部31は、メモリ32に格納された換算値に基づいて受信データを電流値や磁場の強さなどに換算し、測定値として表示部3に送る。

0023

電流を検知する部分は、磁気光学素子に光を照射する光学式電流検出手段と、磁性体コアによって、計測対象電流より発生する磁束の密度を空隙で調整し、磁気光学素子に磁場を作用させる磁束密度変更手段で構成される。

0024

図2及び図3は、電流センサの光軸を通る平面における断面図であり、電流センサを構成する磁性体コアの中に分布する磁束線を表示した図である。図2のように環状の磁性体コアで、外径内径の中心位置が同じ位置となる構造をとると、内径領域に挿入された測定対象の電流線によって生じる磁場分布には傾斜が生じず均一の磁場分布をとる。図3のように環状の磁性体コアで、外径と内径の中心位置が異なる構造をとると、内径領域に挿入された測定対象の電流線によって生じる磁場分布は、磁性体コアの断面積に応じて、磁束密度の傾斜が生じる。そこで、前記磁気光学素子を挿入可能とする構造をとり、所望のセンサ感度に応じた前記磁性体コアの位置に磁気光学素子を設置することで、電流計測範囲の変更を可能とする。これが本実施例にて提供するセンサである。

0025

図1及び図2において、電流センサ40は、光ファイバに磁気光学素子を接続したものである。光ファイバ41,46は、石英ガラス、鉛入りの石英ガラスなどで形成されている。磁性体コア44は、透明性を有するガーネットと呼ばれる金属を用いることができ、Biを添加したイットリウム・鉄・ガーネットや、後述するガドリウム・鉄・ガーネットなどで形成されている。

0026

ここで、電流センサ40における磁場検知の原理について図4図9を参照しつつ説明する。

0027

図4は磁性体に作用する磁場と磁性体を透過する光の偏向角の関係を模式的に示す図であり、図5は電流センサに電流に起因する磁場が作用して透過する光の偏向角が変化する様子を模式的に示す図である。

0028

図4に示すように、磁性体202を直線偏光された光が通過するとき、磁気光学効果により、磁性体202の磁化状態に依存して偏光角が回転し変化する。これをファラデー効果という。すなわち、磁性体202に磁場(磁束)が作用することによって磁化状態が変化する場合、光源200aで生成されて磁性体202に入射する入射光200に対する透過光201の偏向角の回転量を検出することにより、磁性体202の磁化状態を検知することができ、磁性体202に作用する磁場の強さを検知することが可能である。

0029

図5に示すように、本実施例においては、電流センサ40を測定対象の電流が流れる電流ライン110の近傍に配置した状態で、光源部10で生成した直線偏波を送信光1aとして電流センサ40に入射し、電流ライン110を流れる電流に起因する磁場(アンペールの法則に従って生じる磁場)の作用によって検知部42で生じる偏光角の回転を受信光1bから検出することにより、検知部42の磁性体コア44の磁化状態、すなわち、磁性体コア44に作用する磁場の強さを検知することができる。

0030

図6は、磁性体コアを透過する光の偏光角の回転量と磁性体202に作用する磁場強度の関係を示す図であり、縦軸に偏光角(度)を、横軸に磁場強度(A/m)をそれぞれ示している。

0031

図6に示すように、ファラデー効果を呈する磁性体(磁性薄膜など)202においては、磁場強度に比例して偏光角が変わる。また、磁場強度と電流量の間にも比例関係があるため、図6のように磁場強度と偏光角との関係を予め取得しておくことによって、偏光角の情報から電流を計測することができる。

0032

図7は、磁性体202の光軸方向の厚みと偏光角の関係を示す図であり、縦軸に偏光角(度)を、横軸に磁性体コアの厚さ(mm)をそれぞれ示している。図7に示すように、ファラデー効果を呈する磁性体202においては、その光軸方向の厚み(すなわち磁性体コア中の光路光路長)に比例して大きくなる。

0033

図8に示すように、透過光の偏光角の回転量と検知部に作用する磁場強度の関係を予め取得し、メモリ32に格納しておくことにより、磁場と電流の間に比例関係があることを利用して、換算部31において偏光角の情報から電流を計測することができる。表示部3では、図9に示すように、換算部で算出した電流の波形が表示される。

0034

以上のように構成した本実施例の動作を説明する。

0035

本実施例の計測装置100では、まず、電流センサ40の検知部42を、測定対象の電流が流れる電流ライン110の近傍に配置する。続いて、入力部2から計測の指示がなされると、光源部10から直線偏波の光が送信光1aとして生成され、コネクタ19を介して電流センサの光ファイバ41に入射され、光ファイバ41を介して検知部42に入射される。このとき、電流ライン110を流れる電流によって生じる磁場による磁性体コア44の磁化状態により、光の偏光角が回転される。

0036

受光部20では、送信光1aと受信光1bから得られる偏光角の変化量などのデータが取得されて計算部30に送られる。計算部30においては、送信光1aと受信光1bから得られる偏光角の変化量と、予めメモリ32に格納した換算値とに基づいて電流ライン110を流れる電流値が算出され、算出結果が表示部3に表示される。

0037

以上のように構成した本実施例における効果を説明する。

0038

測定対象の電流ラインにより生じる磁場を光ファイバに作用させ、光ファイバを通る光の偏向角の回転量を計測することによって磁場の強さ及び電流量を測定する場合、磁場に対する偏向角の回転量、すなわち、磁場に対する感度は、光の磁化材料に対する通過距離ベルデ定数などによって定まる。しかしながら、従来技術のように、ベルデ定数の高い磁性体コアを光ファイバに拡散させて、磁場の強さに対する偏光角、すなわち磁場に対する感度を変更しようとする場合には、感度の異なるセンサに変更するため、感度に応じたセンサを用意する必要があった。このため、複数センサの設置でセンサ設置領域が大きくなったり、適切な感度で計測できず、計測が精度よく実施できないという問題点がある。

0039

これに対して、本実施例においては、磁性体コア44の形状と、磁性体コア44に感度に応じた空隙を設けることで、磁気光検出素子を挿入する場所によって、感度を変更できる。
本実施例を三相電動機に適用した例を図12図14を参照しつつ説明する。

0040

本実施の形態は、電流センサの数を3つとし、三相電動機300に供給される各相の電流を同時に測定する場合を示すものである。図中、同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。

0041

図12において、三相電動機300には、電源端子ボックス301から引き出されているU相電源ライン302、V相電源ライン303、W相電源ライン304により図示しない三相電源からの電力が供給されているU相電源ライン302、V相電源ライン303、W相電源ライン304にはそれぞれ電流センサ40、50、60が設置されており、計測装置100に接続されている。なお、電流センサ50、60は、電流センサ40と同様の構成を有している。

0042

図13は、図12で示した三相電動機の電流波形を3箇所の電流センサ40,50,60で、測定した電流波形の一例を示す図である。 三相電動機300の場合、相間の位相差は120度あり、動作状態を監視することができる。

0043

図14は、三相電動機のV相電源ラインの電流に異常が生じたときの出力例を示す図である。このような異常が生じた場合には、振幅のバランスの異常を測定結果から感知するよう設定して異常アラーム等を発信するよう構成することができ、設備の異常を知らせたり、停止させたりするのに利用できる。

0044

以上、本実施例によれば、絶縁性の高い光学式の電流センサにおいて、電流計測範囲を容易に変更することができる。

0045

図15及び図16を用いて実施例2について説明する。

0046

図15及び図16は、電流センサの光軸を通る平面における断面図であり、電流センサを構成する磁性体コアの中に分布する磁束線を表示した図である。実施例1との違いは形状が丸ではなく、四角とした点である。

0047

図15のように四角形状の磁性体コア44aで、外径と内径の中心位置が同じ位置となる構造をとると、内径領域に挿入された測定対象の電流線によって生じる磁場分布には傾斜が生じず均一の磁場分布をとる。図16のように四角形状の磁性体コア44bで、外径と内径の中心位置が異なる構造をとると、内径領域に挿入された測定対象の電流線によって生じる磁場分布は、磁性体コアの断面積に応じて、磁束密度の傾斜が生じる。そこで、前記磁気光学素子を挿入可能とする構造をとり、所望のセンサ感度に応じた前記磁性体コア44bの位置に磁気光学素子を設置することで、電流計測範囲の変更を可能とする。

0048

以上、本実施例によれば、絶縁性の高い光学式の電流センサにおいて、電流計測範囲を容易に変更することができ、また四角形状のため配置の効率的化が図れる。

0049

図17を用いて実施例3について説明する。

0050

図17は、電流センサの光軸を通る平面における断面図であり、電流センサを構成する磁性体コアの中に分布する磁束線を表示した図である。実施例1との違いは空隙もしくは異なる透磁率の材料で磁性体コア44cを構成した点である。

0051

図17のように環状の磁性体コア44cで、外径と内径の中心位置が異なる構造をとり、さらに磁性体コア44cの一部に空隙もしくは異なる透磁率の材料を設けている。内径領域に挿入された測定対象の電流線によって生じる磁場分布は、磁性体コアの断面積に応じて、磁束密度の傾斜が生じるが、空隙もしくは異なる透磁率の材料45により磁束勾配をさらに変更できる。その上で、磁性体コア44cに磁気光学素子を挿入可能とする構造をとり、所望のセンサ感度に応じた前記磁性体コアの位置に磁気光学素子を設置することで、電流計測範囲の変更を可能とする。

0052

以上、本実施例によれば、絶縁性の高い光学式の電流センサにおいて、電流計測範囲をより任意に容易に変更することができる。

0053

図18を用いて実施例4について説明する。

0054

図14は、電流センサの光軸を通る平面における断面図である。実施例1との磁性体コアの厚み方向(画面垂直方向)に異なる径の磁性体コアで構成する点である。

0055

図18のように環状の磁性体コア44dで、厚み方向(画面に垂直方向)に異なる径の磁性体コア44dで構成し、厚み方向で、異なる位置にファイバセンサを挿入する空隙を設けることで、感度範囲バリエーションを増やすことができる。所望のセンサ感度に応じた前記磁性体コアの位置に磁気光学素子を設置することで、電流計測範囲の変更を可能とする。

0056

以上、本実施例によれば、絶縁性の高い光学式の電流センサにおいて、電流計測範囲をより任意に容易に変更することができる。

実施例

0057

また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

0058

1:測定部
1a:送信光
1b:受信光
2:入力部
3:表示部
10:光源部
10A:光源部
10B:光源部
11:発光部
12:送信光調整部
12A:偏光子
12B:送信光調整部
12a:位相調整部
12b:1/4波長板
19:コネクタ
20:受光部
20A:受光部
20B:受光部
21:データ変換部
22:受光素子
23:受信光調整部
23A:検光子
23B:受信光調整部
23a:カプラ
23b:偏光子
23c:カプラ
23d:1/4波長板
29:コネクタ
30:計算部
31:換算部
32:メモリ
40:電流センサ
41:光ファイバ
42:検知部
44:磁性体コア
44a:磁性体コア
44b:磁性体コア
44c:磁性体コア
44d:磁性体コア
50:電流センサ
100:計測装置
110:電流ライン
200:入射光
200a:光源
201:透過光
202:磁性体
300:三相電動機
301:電源端子ボックス
302:相電源ライン
303:相電源ライン
304:相電源ライン

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