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技術 ブシュレスローラチェーン及びタイミングチェーン伝動装置

出願人 大同工業株式会社
発明者 永江正博馬場智和
出願日 2017年9月22日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2017-182911
公開日 2019年4月18日 (2ヶ月経過) 公開番号 2019-060347
状態 未査定
技術分野 ベルト・チェーン 特殊用途機関の応用、補機、細部 巻き掛け伝動装置
主要キーワード ノコ刃状 伝動用チェーン 危険断面 クロマイジング処理 ガイド列 損失馬力 理論計算値 単位ピッチ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

ブシュレスローラチェーン諸元を適正に設定し、騒音及び動力損失を低減する。

解決手段

ピン12にローラ13を直接支持する。内リンクプレート17の挿通孔16にピン12を回転自在に支持する。チェーンピッチPに対して、ピン外径d及びローラ外径Dは、0.35P≦d≦0.45P、0.60P≦D≦0.70Pの範囲に設定される。これにより、4.5〜5.0[mm]の小チェーンピッチが可能となり、騒音及び動力損失の低減が図れる。

概要

背景

従来、1対の内リンクプレートの両端部をブシュで連結すると共に該ブシュにローラを回転自在に遊嵌した内リンクと、1対の外リンクプレートの両端部をピンにより連結した外リンクと、を前記ブシュにピンを嵌挿して交互にかつ無端状に連結したローラチェーンは、周知である。該ローラチェーンからブシュを省いて、外リンクのピンに内リンクプレートを回転自在に嵌挿し、かつ該ピンにローラを回転自在に遊嵌したブシュレスローラチェーンが案出されている(特許文献1参照)。

該ブシュレスローラチェーンは、上記ローラチェーンからローラを省いたブシュチェーンと同様にローラチェーンからブシュを省くことを基本としているため、ピッチ等の諸元がローラチェーンを基礎として設定されている。そのため、ローラがスプロケット歯と噛合いを開始する際に、大きな衝撃力がローラ及びピンに作用して、ローラやピンの耐久性が低下する課題がある。

上記特許文献1のものは、上記課題を解決するため、(連結)ピンと内リンクプレートの挿通孔との間に径方向所定隙間を形成し、該所定隙間及びピンとローラとの間に潤滑油を介在して、該油膜が奏する衝撃緩和機能により、ローラがスプロケット歯に噛合開始する際の衝撃を低減して、ブシュレスローラチェーンの耐久性の向上を図っている。

概要

ブシュレスローラチェーンの諸元を適正に設定し、騒音及び動力損失を低減する。ピン12にローラ13を直接支持する。内リンクプレート17の挿通孔16にピン12を回転自在に支持する。チェーンピッチPに対して、ピン外径d及びローラ外径Dは、0.35P≦d≦0.45P、0.60P≦D≦0.70Pの範囲に設定される。これにより、4.5〜5.0[mm]の小チェーンピッチが可能となり、騒音及び動力損失の低減がれる。

目的

本発明は、ブシュレスローラチェーンの構造に適合した諸元を設定し、もって騒音低減及び損失馬力低減を図ると共に、それを用いたタイミングチェーン伝動装置の動力損失を低減して、上述した課題を解決したブシュレスローラチェーン及びタイミングチェーン伝動装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

1対の外リンクプレートの両端部をピンにて連結し、該ピンにローラを回転自在に支持した外リンクと、両端部に前記ピンを回転自在に挿通する挿通孔を有する少なくとも2枚の内リンクプレートからなる内リンクと、を備え、前記外リンクプレートと前記ローラとの間に前記内リンクプレートを配置して前記挿通孔に前記ピンを挿通して、前記外リンクと前記内リンクとを交互にかつ無端状に連結したブシュレスローラチェーンにおいて、隣接する前記1対のピンの中心間距離であるチェーンピッチをPとし、前記ピンの外径をdとし、前記ローラの外径をDとして、0.35P≦d≦0.45P0.60P≦D≦0.70Pである、ことを特徴とするブシュレスローラチェーン。

請求項2

前記ピンの外径dが、0.40P≦d≦0.45Pである、請求項1記載のブシュレスローラチェーン。

請求項3

前記チェーンピッチPが、4.0〜5.0[mm]の範囲にある、請求項1又は2記載のブシュレスローラチェーン。

請求項4

前記ピンの表面は、金属炭化物又はバナジウム炭窒化物からなる硬化層被覆されてなる、請求項1ないし3のいずれか1項記載のブシュレスローラチェーン。

請求項5

エンジンクランクシャフトに連結したクランクスプロケットと、前記エンジンのカムシャフトに連結したカムスプロケットと、前記クランクスプロケットと前記カムスプロケットとの間に巻掛けられた、請求項1ないし4のいずれか1項記載のブシュレスローラチェーンからなるタイミングチェーンと、前記タイミングチェーンに転接する回転体と該回転体に付勢力を付与する付勢手段とを有するテンショナと、回転自在に支持され、前記タイミングチェーンに転接して該タイミングチェーンをガイドするガイド回転体と、を備えたタイミングチェーン伝動装置

技術分野

0001

本発明は、潤滑環境下で比較的軽荷重でかつ高速回転での使用に好適な伝動用チェーン係り、詳しくはローラピン直接支持するブシュレスローラチェーン並びに該ブシュレスローラチェーンを用いたタイミングチェーン伝動装置に関する。

背景技術

0002

従来、1対の内リンクプレートの両端部をブシュで連結すると共に該ブシュにローラを回転自在に遊嵌した内リンクと、1対の外リンクプレートの両端部をピンにより連結した外リンクと、を前記ブシュにピンを嵌挿して交互にかつ無端状に連結したローラチェーンは、周知である。該ローラチェーンからブシュを省いて、外リンクのピンに内リンクプレートを回転自在に嵌挿し、かつ該ピンにローラを回転自在に遊嵌したブシュレスローラチェーンが案出されている(特許文献1参照)。

0003

該ブシュレスローラチェーンは、上記ローラチェーンからローラを省いたブシュチェーンと同様にローラチェーンからブシュを省くことを基本としているため、ピッチ等の諸元がローラチェーンを基礎として設定されている。そのため、ローラがスプロケット歯と噛合いを開始する際に、大きな衝撃力がローラ及びピンに作用して、ローラやピンの耐久性が低下する課題がある。

0004

上記特許文献1のものは、上記課題を解決するため、(連結)ピンと内リンクプレートの挿通孔との間に径方向所定隙間を形成し、該所定隙間及びピンとローラとの間に潤滑油を介在して、該油膜が奏する衝撃緩和機能により、ローラがスプロケット歯に噛合開始する際の衝撃を低減して、ブシュレスローラチェーンの耐久性の向上を図っている。

先行技術

0005

特開2013−44386号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上述したブシュレスローラチェーンは、ローラチェーンの諸元を基準としているため、チェーンピッチ(P)に対し、ピンの外径(d)及びローラの外径(D)が比較的小さく設定され、従って所定の伝達能力を備えるためにチェーンピッチ(P)を所定値(例えば6.35mm)以下にすることが困難である。該ブシュレスローラチェーンは、先行するピンと次のピンとの間隔であるチェーンピッチ(P)がローラチェーン及びブシュチェーンと同等であって、ピン外径(d)及びローラ外径(D)に対して比較的長い揺動半径でローラがスプロケット歯底に衝突するため、ピンと内リンクプレートの挿通孔との間及びピンとローラとの間に比較的大きな衝撃力が作用し、上述した油膜による衝撃緩和では充分に吸収することはできない。

0007

また、上述したブシュレスローラチェーンは、エンジン内に配置されるタイミングチェーン伝動装置に用いられている。該タイミングチェーン伝動装置は、該チェーンに沿って延びる弓形の長い形状のガイドレバーからなるチェーンテンショナ装置及び固定チェーンガイド装置を有しており、上記ブシュレスローラチェーンは、内リンクプレートの背面に円弧状に形成された接触部が上記ガイドレバーに摺接してガイドされる。このため、潤滑環境下にあっても、上記ブシュレスローラチェーンは、チェーンテンショナ装置及び固定チェーンガイド装置の長いガイドレバーに摺接してガイドされるため、その摩擦による動力損は大きい。

0008

そこで、本発明は、ブシュレスローラチェーンの構造に適合した諸元を設定し、もって騒音低減及び損失馬力低減を図ると共に、それを用いたタイミングチェーン伝動装置の動力損失を低減して、上述した課題を解決したブシュレスローラチェーン及びタイミングチェーン伝動装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、1対の外リンクプレート(11)の両端部をピン(12)にて連結し、該ピンにローラ(13)を回転自在に支持した外リンク(15)と、
両端部に前記ピン(12)を回転自在に挿通する挿通孔(16)を有する少なくとも2枚の内リンクプレート(17)からなる内リンク(19)と、を備え、
前記外リンクプレート(11)と前記ローラ(13)との間に前記内リンクプレートを配置して前記挿通孔(16)に前記ピン(12)を挿通して、前記外リンク(15)と前記内リンク(19)とを交互にかつ無端状に連結したブシュレスローラチェーン(5)において、
隣接する前記1対のピン(12)の中心間距離であるチェーンピッチをPとし、前記ピン(12)の外径をdとし、前記ローラ(13)の外径をDとして、
0.35P≦d≦0.45P
0.60P≦D≦0.70P である、
ことを特徴とするブシュレスローラチェーンにある。

0010

好ましくは、前記ピンの外径dが、0.40P≦d≦0.45P である。

0011

前記チェーンピッチPが、4.0〜5.0[mm]の範囲にある。

0012

前記ピン(12)の表面は、金属炭化物又はバナジウム炭窒化物からなる硬化層被覆されてなる。

0013

例えば図1を参照して、本発明は、エンジンのクランクシャフトに連結したクランクスプロケット(2)と、
前記エンジンのカムシャフトに連結したカムスプロケット(3)と、
前記クランクスプロケット(2)と前記カムスプロケット(3)との間に巻掛けられた前記ブシュレスローラチェーンからなるタイミングチェーン(5)と、
前記タイミングチェーンに転接する回転体(8)と該回転体に付勢力を付与する付勢手段とを有するテンショナ(6)と、
回転自在に支持され、前記タイミングチェーンに転接して該タイミングチェーンをガイドするガイド回転体(9)と、
を備えたタイミングチェーン伝動装置(1)にある。

0014

なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。

発明の効果

0015

請求項1に係る本ブシュレスローラチェーンは、ピンにローラを挿通し、かつチェーンピッチPに対してピン外径dが0.35P〜0.45Pの範囲にあり、かつローラ外径Dが0.60P〜0.70Pの範囲にあるので、適正にスプロケット歯の噛合を確保しつつ、チェーンピッチを小さく設定することができ、衝撃エネルギーを小さくして騒音レベルの低減を図ることができると共に、動力損失を低減することができる。上記小ピッチにあっても、内リンクプレートの挿通孔にピン12を直接支持するので、危険断面積を大きく取れると共に、ローラの肉厚を確保して衝撃疲労強度を保持して、所定の伝達トルク容量を確保することができる。更に、本ブシュレスローラチェーンは、部品数が少なくかつ組立も容易であり、高品質製品を低価格で提供することができる。

0016

請求項2に係る本発明によると、例えばチェーンピッチ4.76[mm]等の小ピッチが可能となり、例えば2輪車用エンジンのタイミングチェーンのように、比較的軽荷重でかつ高速回転の伝動チェーンに好適で、所定のトルク容量を低騒音、小動力損失で伝達することができる。

0017

請求項3に係る本発明によると、チェーンピッチPが4.0〜5.0[mm]の小ピッチに用いて、騒音の低減、動力損失の低減を図ることができる。

0018

請求項4に係る本発明によると、本ブシュレスローラチェーンは、内リンクプレートの挿通孔にピンが直接摺接するので、摺接面積が小さくなり、ピンの摩耗による伸びが生じる虞があるが、ピン表面を硬化層で被覆して、ピンの摩耗によるチェーンの伸びを抑制することができる。

0019

請求項5に係る本発明によると、本ブシュレスローラチェーンをタイミングチェーン伝動装置に用いて、上記小ピッチ化による騒音及び動力損失の低減等に加えて、テンショナ及びガイドを回転体としたので、摩擦損失を低減して、タイミングチェーン伝動装置としての動力損失を低減することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明に係るブシュレスローラチェーンを適用したタイミングチェーン伝動装置を示す分解斜視図。
本発明に係るブシュレスローラチェーンを示す一部断面した平面図。
本発明に係るブシュレスローラチェーンを示す正面図。
比較例としてのブシュチェーンを示す図で、(a)は一部断面した平面図、(b)は正面図。
比較例としてのサイレントチェーンを示す図で、(a)は一部断面した平面図、(b)は正面図。
各チェーンの主要諸元及び基本性能を示す図。
各チェーンの単体騒音レベル比較例を示す図。
チェーンシステムチェーン伝動装置)の損失馬力を示す図。

0021

以下、図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。本発明を適用し得る2輪車用エンジンのタイミングチェーン伝動装置1は、図1に示すように、クランクシャフトに連結されるクランクスプロケット2と、カムシャフトに連結されるカムスプロケット3と、これら両スプロケット2,3に巻掛けられているブシュレスローラチェーン5と、を有する。該ブシュレスローラチェーン5におけるクランクスプロケット2近傍の緩み側の外側にテンショナ6が配置されており、また両スプロケット2,3の中間部分内側にはガイドローラ9が配置されている。

0022

テンショナ6は、エンジンボディに設けた支持軸4により回転自在に支持されるアーム10を有しており、該アームの先端にテンションスプロケット8が回転自在に支持されている。上記アームの他端には、突部10aが突出しており、該突部10aにスプリング油圧等の付勢手段が当接して、テンションスプロケット8をブシュレスローラチェーン5のA部分に付勢している。従って、上記テンショナ6は、テンションスプロケット8をブシュレスローラチェーン5のその緩み側を外側から内側に向けて所定付勢力により当接して、該チェーンの緩みを除去する。なお、テンショナ6は、ノコ刃状爪、チェックバルブネジ結合等により、緩み除去側の移動を許容すると共に反対方向の移動を規制するようにしてもよい。上記ガイドローラ9は、ブシュレスローラチェーン5の張り側の内側に当接して、該チェーンが安定して走行するようにガイドする。なお、上記テンションスプロケット8はローラでもよく、また上記ガイドローラ9はスプロケットでもよく、両者とも、チェーンに当接して回転する回転体であればよい。

0023

本発明の実施の形態に係るブシュレスローラチェーン5は、図2及び図3に示すように、1対の外リンクプレート11,11の両端部分にピン12,12を連結し、該ピン12にローラ13を遊嵌した外リンク15と、両端部に上記ピン12を挿通する挿通孔16,16を有する1対の内リンクプレート17,17からなる内リンク19とを備える。前記ローラ13を間にして、内リンクプレート17,17をその両側に挟んで、更にその両側に外リンクプレート11を揃えた状態で、直線状にある1対の外リンクプレート11の嵌合孔20、1対の内リンクプレート17の挿通孔16及びローラ13の遊合孔21に前記ピン12を貫通して、該ピンの両端部をカシメ等で抜止めすることにより、上記外リンク15と内リンク19とを交互にかつ無端状に連結して上記ブシュレスローラチェーン5が組立てられる。

0024

上記ブシュレスローラチェーン5のピン12は、その表面にクロム(Cr)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)等の金属炭化物の少なくとも1つからなる硬化層が被覆されている。例えばCrC又はVCからなる硬化層が形成されており、該金属炭化物は、クロマイジング処理、バナイジング処理等の拡散浸透処理により形成される。好ましくは、クロムを0.6%以上含有するピン母材をバナジウムを有する気体雰囲気中にて拡散浸透処理を行い、バナジウム炭化物からなる表面層とバナジウム及びクロムの複合炭化物からなる境界部とを備え、クロム炭化物含有量がピン母材との境界面で最大で、表面に向って徐々に減少してなる。

0025

又は、上記ブシュレスローラチェーン5のピン12は、その表面にバナジウム(V)、炭素(C)及び窒素(N)からなるバナジウム炭窒化物(VCN)からなる硬化層が被覆されている。該VCNは、ピン母材を、バナジウムを有する気体雰囲気中にて拡散浸透処理を行い、更に1000℃以上の温度の窒素雰囲気中で窒化処理して形成される。

0026

上記ブシュレスローラチェーン5は、従来のローラチェーン、ブシュチェーンに比して、ブシュが存在せず、隣接する1対のピンの中心距離であるチェーンピッチPに対してピン径が大径となっており、ピンの外径dは、0.35・P〜0.45・Pであり(0.35P≦d≦0.45P)、好ましくは0.40・P〜0.45・Pである(0.40P≦d≦0.45P)。内リンクプレート17のピン挿通孔16の直径は、ピン外径dに比して僅かに大きく、滑潤環境下においてピン12に対して回動揺動)自在となっているが、チェーンに張力が作用している状態にあっても、内リンク19におけるピッチPiと外リンクにおけるピッチPoとは実質的に等しい。該チェーンピッチPは、6.00mm未満であり、好ましくは4.0〜5.0mmである。本ブシュレスローラチェーン5の外径Dは、ピッチPに対して0.60・P〜0.70・Pである(0.60P≦D≦0.70P)。

0027

前記タイミングチェーン伝動装置1は、クランクシャフトに連結しているクランクスプロケット2の回転をブシュレスローラチェーン5からなるタイミングチェーンを介してカムスプロケット3に伝達され、カムシャフトを1/2に減速して回転する。上記伝動中、ブシュレスローラチェーン5は、ピン12と内リンクプレート17の挿通孔16とが潤滑油を介在した状態で相対回転して、内リンク19と外リンク15が屈曲しつつ走行する。上記ブシュレスローラチェーン5は、その緩み側の外側にテンションスプロケット8が転接して所定張力を付与されると共に、その内側にガイドローラ9が転接してガイドされ、チェーンの噛合い外れ等のない所定の走行姿勢を安定して保持される。

0028

上記テンションスプロケット8及びガイドローラ9は、上記チェーン5に転接して遊転するので、後述するサイレントチェーンのようにテンショナレバー及び固定ガイドに摺接するものと比して少ない摩擦損失となる。従って、本ブシュレスローラチェーン5によるタイミングチェーン伝動装置1は、システム駆動損失馬力を低減することができる。

0029

上記ブシュレスローラチェーン5は、ピン外径dに対するピッチPが従来のローラチェーン、ブシュチェーン、サイレントチェーン及びブシュレスローラチェーンより小さく、ローラ13がスプロケット歯に噛合う際の衝撃エネルギーが小さい。即ち、チェーンの上記噛合う際の衝撃エネルギーEは、
E=Co・m・P2・R2・cos2θ…(1)
となる。ここで、Co;常数、m;単位ピッチ当りの質量、P;チェーンピッチ、R;スプロケット回転数、θ;衝突入射角である。

0030

該衝撃エネルギーEがこの種のチェーンの騒音の発生原因となり、チェーン仕様違いによる衝撃エネルギーE/Eoと騒音レベル差Iとの間には、下記の関係がある。

0031

I[dB]=10・log10(E/Eo)…(2)
従って、衝突入射角θが同じ形態であるローラチェーン、ブシュチェーン、ブシュレスローラチェーンにあっては、チェーンピッチPは、騒音の発生に大きく影響し、同等の強度及び伝動トルク容量にあって、上述した0.35P≦d≦0.45P、0.60P≦D≦0.70Pとした本ブシュレスローラチェーン5は、騒音レベルを大幅に低く抑えることができる。サイレントチェーンは、前記式(1)における衝突入射角θが大きいため、衝撃エネルギーEが小さくなり、従って騒音の低減が図られているが、本ブシュレスローラチェーン5は、上記チェーンピッチP及び単位ピッチ当りの質量mを小さくでき、同等の強度、伝達トルク容量のサイレントチェーンと同等又は高回転数域ではサイレントチェーンより低騒音とすることができる。

0032

なお、ピン外径dが0.35Pより小さいと、ピンの強度が不足して所定のトルク容量を確保できず、0.45Pより大きいと、チェーンピッチPの短縮が図れず、いずれも所望の小チェーンピッチが得られずに、所定の騒音レベルの低減を図れない。また、ローラ外径Dが0.60Pより小さいと、ローラの衝撃疲労強度が得られず、チェーンの所定の耐久性が得られず、0.70P以上であると所定のチェーンピッチPが得られず、いずれも所望の小チェーンピッチが得られずに、所定の騒音レベルの低減を図れない。

0033

本ブシュレスローラチェーン5は、ローラチェーン及びブシュチェーンのように内リンクプレートに圧入されるブシュがないため、内リンクプレート17の挿通孔16は、ピン12を挿通すればよく、ブシュ嵌合孔より小径で足りる。従って、チェーンの引張り強度に直接関与する危険断面積S=(H−d)・Tを大きく設定することが可能となる。ここで、H;内リンクプレート17の幅(図3参照)、d;内リンクプレート17の厚さ(図2参照)。これにより、内リンクプレート17の板厚Tをピッチの大きい従来のタイミングチェーンと同等とすることが可能となり、ピッチ当りの質量を小さく抑えることが可能となると共にローラ13の肉厚を比較的大きく設定でき、ローラの衝撃疲労強度も確保される。

0034

本ブシュレスローラチェーン5は、内リンク19がピン12と摺接する部分は、内リンクプレート17の挿通孔16だけとなり、従来のブシュを有するチェーンに比して小面積となる。このため、チェーンの高回転連続運転でピンの摩耗によるチェーン伸びが発生する虞があるが、本ブシュレスローラチェーン5にあっては、ピン12の表面をクロム、バナジウム等の金属炭化物又はバナジウム炭窒化物からなる硬化層で被覆しているため、上記小面積による摩耗を防止することができる。

0035

なお、本ブシュレスローラチェーンは、2輪車用エンジンのタイミングチェーン伝動装置に用いて好適であるが、これに限らず、4輪車用エンジンのタイミングチェーン伝動装置に適用してもよく、またバランサー駆動用オイルポンプ駆動用等の他のエンジン内チェーン伝動装置に適用してもよく、更に産業用等の他のチェーン伝動装置にも同様に適用可能である。

0036

まず、図2図3に示す本ブシュレスローラチェーン5と比較するため、従来2輪車用エンジンのタイミングチェーンとして用いられブシュチェーン及びサイレントチェーンについて説明する。ブシュチェーン30は、図4(a),(b)に示すように、1対の外リンクプレート31,31の両端部をピン32,32で連結した外リンク35と、1対の内リンクプレート37,37の両端部をブシュ38,38で連結した内リンク39とを有し、ピン32を前記ブシュ38を貫通して上記外リンク35と内リンク39と交互にかつ無端状に連結される。本ブシュチェーン30は、タイミングチェーン伝動装置に用いられ、クランクスプロケットの回転をカムスプロケットに伝達する。この際、スプロケット歯は、潤滑環境下でブシュ38に噛合い、ピン32とブシュ38との間で相対回転して屈曲する。

0037

サイレントチェーン40は、図5(a),(b)に示すように、ピン41によりリンクプレート42が交互に連結されて無端状構成され、これらリンクプレート42の軸方向最外側にガイドリンクプレート43が配置されている。上記ピン41は、左右ガイドリンクプレート43にカシメ等にて固定されると共に、リンクプレート42の両端部に形成されたピン孔45に摺動自在に嵌合している。ガイドリンクプレート43と幅方向整列するガイド列Gは、ピン41に対してリンクプレート43を含めて相対回転せず、該ガイド列Gに隣接するノンガイド列Nのリンクプレート43がピン41に対して相対回転して、サイレントチェーン40は自由に屈曲し得る。

0038

上記リンクプレート43は、左右1対のピン孔45の中心を結ぶ線(ピッチライン)の内側に1対の歯46,46を有し、これら歯がスプロケット歯に噛合して動力伝達する。上記ガイドリンクプレート43は、スプロケットの歯側面に接触して、リンクプレート43がスプロケットから外れることを防止する。ガイドリンクプレート43は、その背面にはクロッチ47が形成されると共に、リンクプレート42の板厚より薄く形成され、ガイド列Gがノンガイド列Nに比してリンクプレートの枚数が1枚多いことによる荷重配合の不均等を低減する。

0039

図2図5において、dはピンの外径寸法、Eはピンの長さ、Dはスプロケットと噛合するローラ(図2図3)又はブシュ(図4)の外径寸法、Pはチェーンピッチ、Wはスプロケットと噛合する内リンクプレートと幅寸法図2図4)又はリンクプレートの幅寸法(図5)である。

0040

図6は、図2図3に示す本発明に係るブシュレスローラチェーン5、図4に示す従来のブシュチェーン30及び図5に示す従来のサイレントチェーン40の主要諸元及び基本性能を示す図である。各チェーンは、2輪車用エンジンのタイミングチェーンとして用いられ、同等の引張り強度、伝達トルク容量である。本ブシュレスローラチェーン5のチェーンピッチP(4.76mm)は、ブシュチェーン30のチェーンピッチ(6.35mm)及びサイレントチェーン40のチェーンピッチ(6.35mm)に対して小さく設定される。これは、ピンにローラを直接支持するブシュレスローラチェーンに対応して、チェーンピッチPに対するピン外径dの比率[(d/P)=0.42]及びローラ外径Dの比率[(D/P)=0.69]をスプロケット歯との噛合が適正となる範囲とした状態で、前記危険断面積Sを確保すると共に、ローラ肉厚を大きく取ってローラの衝撃疲労強度を確保することにより可能となる。

0041

また、本ブシュレスローラチェーンのメートル当りの質量w[0.153(kg/m)]は、ブシュチェーン[0.163(kg/m)]、サイレントチェーン[0.172(Kg/m)]に比して軽くなり、従ってピッチPが小さくなると共に単位ピッチ当りの質量mも小さくなって、前述した衝撃エネルギーEは、ブシュチェーン及びサイレントチェーンに比して大幅に小さくなる。図7は専用試験機にて騒音比較試験を行なった結果の事例であり、本ブシュレスローラチェーン5の騒音レベルIは、従来のブシュチェーン30及びサイレントチェーン40に比して、小さくなる。特に、騒音レベルは、同じ噛合機構のブシュチェーンに対して全回転数領域において大幅に小さくなり、サイレントチェーンに対しては高回転数領域において小さくなっている。

0042

また、本ブシュレスローラチェーン5の損失馬力は、図8に示すように、従来のブシュチェーン30、及びサイレントチェーン40を用いたタイミングシステム伝動装置)に比して小さくなる。損失馬力は、特にサイレントチェーンに対して全回転数領域で大幅に小さくなり、ブシュチェーンに対しても、高回転数領域にあって小さくなる。

実施例

0043

2輪車用エンジンのタイミングチェーン伝動装置に適用して、従来用いられているブシュチェーン及びサイレントチェーンを用いたタイミングシステムに比較して、本ブシュレスローラチェーンを用いたタイミングシステムは、上述したように、騒音レベルが低減して、2輪車の品質を向上すると共に、損失馬力を低減して、2輪車の燃費を向上することができる。なお、図6図7図8に示す騒音レベル、チェーンシステムの損失馬力は、専用試験機による実測例であるが、理論計算値に近い値となった。また、特許文献1(特開2013−44386号公報)のブシュレスローラチェーンは、諸元が上記ブシュチェーンと実質的に同等であって、基本性能もブシュチェーンと実質的に同等である。

0044

1タイミングチェーン伝動装置
2クランクスプロケット
3カムスプロケット
5ブシュレスローラチェーン(タイミングチェーン)
6テンショナ
8回転体(スプロケット)
9ガイド回転体(ローラ)
11外リンクプレート
12ピン
13 ローラ
15外リンク
16挿通孔
17内リンクプレート
19内リンク
Pチェーンピッチ
dピン外径
D ローラ外径

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    【課題】鋼線の端末を引留めるためのくさびクランプに関し、使用時の作業性のさらなる向上が図られたくさびクランプの提供。【解決手段】鋼線を保持するためのくさびクランプ1であって、くさび形状を有する第1の部... 詳細

  • 株式会社国盛化学の「 ケーブルチェーン」が 公開されました。( 2019/05/16)

    【課題】長さを容易に調節でき、組み立てが容易な上に、ケーブル類が内部空間の外にはみ出して損傷を受けることを抑止可能なケーブルチェーンを提供する。【解決手段】単位部材10(10A,10B)は、右壁11R... 詳細

  • 株式会社椿本チエインの「 テンショナ」が 公開されました。( 2019/05/09)

    【課題】簡素な構成で、高精度なシール機構を必要とすることなく、テンショナ内におけるオイルの再循環効率の向上、オイルポンプ等から供給されるオイルへの依存度を低減するテンショナを提供すること。【解決手段】... 詳細

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