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技術 熱処理方法

出願人 NTN株式会社
発明者 山原彩加山田昌弘大木力
出願日 2017年9月27日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2017-186928
公開日 2019年4月18日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2019-060001
状態 未査定
技術分野 非鉄金属または合金の熱処理 炉の廃ガス処理、炉の付属装置(炉一般4)
主要キーワード 処理対象材 硬度データ 同素変態 水冷処理 マルテンサイト層 Mf点 針状組織 均熱加熱
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年4月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

純チタンおよびチタン合金硬度を高めることが可能な熱処理方法を提供することである。

解決手段

純チタンまたはチタン合金からなる処理対象材が940℃以上980℃以下で溶体化処理される。溶体化処理する工程の後に、処理対象材を−75℃以上−60℃以下の冷却液に浸漬するサブゼロ処理が行なわれる。

概要

背景

純チタンおよびチタン合金は近年、航空機自動車部品などのあらゆる産業機器に使用されている。純チタンおよびチタン合金を用いた機械部品は高い強度が必要となるため、熱処理が施された上で部品として用いられる。純チタンおよびチタン合金の熱処理は、たとえば特開2001−303222号公報(特許文献1)および特開2000−80458号公報(特許文献2)に開示されるように、主に溶体化処理および時効処理からなる。

概要

純チタンおよびチタン合金の硬度を高めることが可能な熱処理方法を提供することである。純チタンまたはチタン合金からなる処理対象材が940℃以上980℃以下で溶体化処理される。溶体化処理する工程の後に、処理対象材を−75℃以上−60℃以下の冷却液に浸漬するサブゼロ処理が行なわれる。

目的

本発明の目的は、純チタンおよびチタン合金の硬度を高めることが可能な熱処理方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

純チタンまたはチタン合金からなる処理対象材を940℃以上980℃以下で溶体化処理する工程と、前記溶体化処理する工程の後に、前記処理対象材を−75℃以上−60℃以下の冷却液に浸漬するサブゼロ処理を行なう工程とを備える、熱処理方法

請求項2

前記溶体化処理する工程の後、前記溶体化処理する工程において熱処理炉から排出されるガス回収する工程と、前記ガスから不純物を除去する工程とを備え、前記不純物を除去する工程により不純物が除去された前記ガスは前記処理対象材の溶体化処理において再利用される、請求項1に記載の熱処理方法。

請求項3

前記サブゼロ処理を行なう工程において用いられる冷却液は、エタノールドライアイスを混合した液である、請求項1または2に記載の熱処理方法。

請求項4

前記処理対象材を構成する材料はTi−6Al−4V合金である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱処理方法。

技術分野

0001

本発明は熱処理方法に関し、特に、純チタンまたはチタン合金の熱処理方法に関するものである。

背景技術

0002

純チタンおよびチタン合金は近年、航空機自動車部品などのあらゆる産業機器に使用されている。純チタンおよびチタン合金を用いた機械部品は高い強度が必要となるため、熱処理が施された上で部品として用いられる。純チタンおよびチタン合金の熱処理は、たとえば特開2001−303222号公報(特許文献1)および特開2000−80458号公報(特許文献2)に開示されるように、主に溶体化処理および時効処理からなる。

先行技術

0003

特開2001−303222号公報
特開2000−80458号公報

発明が解決しようとする課題

0004

熱処理後のチタンなどを評価する際には、強度とともに、強度と関連のある硬度が測定される。しかし特開2001−303222号公報および特開2000−80458号公報に開示されるような通常の方法でチタンなどが熱処理された場合、当該熱処理後のチタンなどの所望の硬度が得られない。金属材料の硬度を上昇させる手段として、金属材料にマルテンサイトα’マルテンサイトおよびα”マルテンサイト)を多く生成させる方法が用いられる。鋼においては一般的に、サブゼロ処理によりこれをMf点以下まで冷却することにより、マルテンサイトを多く生成させることが行なわれている。なおここでサブゼロ処理とは処理対象材を0℃以下の温度に冷やす処理を意味する。またここでMs点とは金属材料の焼入れにおいてマルテンサイトが生成される冷却速度で冷却した際に、マルテンサイトが出現する温度を意味する。またここでMf点とは、上記の冷却速度で冷却した際にマルテンサイト変態が完了する温度を意味する。しかしチタンおよびチタン合金においてはMf点が室温以下であると考えられており、焼入れにおいて通常の水冷処理を行なってもその温度はMf点以下に到達しない。このため一部がマルテンサイト変態しないため、残留β相が多く生成されると考えられる。このため当該チタンおよびチタン合金の硬度が上昇しないという問題が生じ得る。

0005

本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、純チタンおよびチタン合金の硬度を高めることが可能な熱処理方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明の熱処理方法においては、まず純チタンまたはチタン合金からなる処理対象材が940℃以上980℃以下で溶体化処理される。溶体化処理する工程の後に、処理対象材を−75℃以上−60℃以下の冷却液に浸漬するサブゼロ処理が行なわれる。

発明の効果

0007

本発明によれば、純チタンおよびチタン合金に対してサブゼロ処理を行なうことにより、その硬度を高め、強度を高めることができる。

図面の簡単な説明

0008

本実施の形態に係る実施例の各工程を示すフローチャートである。
本実施の形態での熱処理工程における加熱方法の第1例を示すグラフである。
本実施の形態での熱処理工程における加熱方法の第2例を示すグラフである。
比較例での熱処理工程における加熱方法の第2例を示すグラフである。
図2および図3に示される、本実施の形態の第1例および第2例の加熱条件で熱処理がなされた64チタンのミクロ組織の態様を示す写真である。
図2および図3に示される、本実施の形態の第1例および第2例の加熱条件で熱処理がなされた64チタンの硬度を比較したグラフである。

0009

以下、本発明の実施の形態について、図に基づいて説明する。
本発明の実施の形態においては、純チタンおよびチタン合金を用いた機械部品の強度を高めるために、以下のように熱処理がなされる。すなわち、純チタンまたはチタン合金からなる処理対象材を940℃以上980℃以下で溶体化処理する工程と、溶体化処理する工程の後に、処理対象材を−75℃以上−60℃以下の冷却液に浸漬するサブゼロ処理を行なう工程とを備える。上記の処理対象材を構成する材料はたとえば64チタン(Ti−6Al−4V合金)であってもよい。以下、当該実施の形態の実施例について説明する。

0010

図1は当該実施例における各工程を示すフローチャートである。図1を参照して、本実施例においては、まずサンプルの準備がなされる(S01)。準備される処理対象材としてのサンプルは、純チタンまたはチタン合金であるが、ここでは最も一般的に用いられるTi−6Al−4V合金(以下、64チタン)が用いられた。ここで用いられた64チタンの化学成分は以下のとおりである。64チタンは、Alが5.50〜6.75質量%、Vが3.50〜4.50質量%、Feが0.40質量%以下、Cが0.08質量%以下、Nが0.050質量%以下、Hが0.0150質量%以下、Oが0.20質量%以下、残部がチタンである。64チタンの規格ASTMB348−13 GR.5に基づいている。サンプルはサイズがたとえば5mm×10mm×20mm角程度である。

0011

次に、上記の準備されたサンプルが熱処理される。具体的には、上記サンプルが熱処理炉内投入され、加熱処理がなされる工程である。本実施例においては、炉内は常圧下で不活性ガスとしてアルゴンガスが投入された状態で加熱処理がなされた。なお熱処理炉内の不活性ガスとして、アルゴンガスの代わりにヘリウムなどのガスが用いられてもよい。いずれにせよ、炉内は第18族元素のガスで充填された状態で加熱処理がなされる。

0012

図2および図3は本実施の形態での熱処理工程における加熱方法を示すグラフである。図2および図3において横軸は時間を示し、縦軸は熱温度を示す。なお図2および図3のグラフ中の温度のうち、Ms点およびMf点については上記のとおりである。また図2および図3のグラフ中の温度のうち、Tβ点はチタンの組織が(α+β)相から体心立方晶のβ相へ同素変態する温度であり、β変態点と呼ばれる。また図2および図3のグラフ中の温度のうち、RTは室温を意味する。

0013

図2を参照して、本実施の形態の第1例での熱処理工程における対象物の加熱は、溶体化処理する工程と、時効処理する工程とを有している。図1に示す溶体化処理(S02)とは、Tβ付近の温度に材料を加熱することにより合金成分を材料中に溶け込ませ、その後冷却する処理を意味する。時効処理とは、溶体化処理する工程の後に材料を加熱することにより材料中に種々の析出相析出させ、それに基づいて、材料の諸性質を変化させる熱処理を意味する。図2に示すように、通常、溶体化処理の処理時間は時効処理の処理時間よりも短い。また、溶体化処理の加熱温度は時効処理の加熱温度よりも高い。

0014

図2に示す本実施の形態の第1例においては加熱条件として、64チタンのサンプルに対し、940℃で20分間の均熱がなされた。その後、室温である20℃前後の5%食塩水中にたとえば1分間、サンプルが浸漬されることにより、サンプルが室温になるまで水冷された。なお図2においては940℃で20分間の均熱がなされているが、940℃での均熱時間は10分以上60分以下であることが好ましい。

0015

水冷により64チタンのサンプルが常温になった後に、図1に示すようにサブゼロ処理(S03)がなされた。サブゼロ処理においては、−75℃の冷却液にサンプルを浸漬し、5分ほど保持した。その後にサンプルが冷却液より取り出され、当該サンプルの温度は室温に戻された。

0016

サブゼロ処理においては冷却液として、たとえばエタノールドライアイスを混合した液が用いられることが好ましい。これが用いられることにより、サンプルを0℃以下に冷却し、サブゼロ処理を行なうことが可能となる。上記の冷却液が用いられるため、サブゼロ処理においては、64チタンのサンプルが、−75℃以上−60℃以下の冷却液に浸漬される。

0017

サブゼロ処理においては、保温可能な一般公知容器内に上記のエタノールにドライアイスが混合された冷却液が収納され、その冷却液内にサンプルが投入されることによりサンプルが冷却される。

0018

サブゼロ処理後に当該サンプルは再度加熱され、時効処理がなされた。ここでは時効処理において、たとえば加熱温度を480℃以上590℃以下、加熱時間を240分以上480分以下とした条件で均熱処理がなされた。その後、サンプルが室温まで空冷により自然冷却された。

0019

本実施の形態においては、図1に示すように、溶体化処理する工程(S02)の後、溶体化処理する工程において熱処理炉から排出されるガスを回収する工程と、当該ガスから不純物を除去する工程(S04)とがなされることが好ましい。これらの工程は、サブゼロ処理を行なう工程の前にされることが好ましいが、それに限らず、サブゼロ処理を行なう工程の後にされてもよい。

0020

具体的には、ここで回収されるガスは、熱処理炉内に供給された第18族元素のガスである。このようなガスの回収および不純物除去を可能とするために、本実施の形態の熱処理炉は、希ガスの回収および不純物除去を可能とする機構(希ガス回収装置など)が含まれる構成であることが好ましい。不純物を除去する工程により不純物が除去されたガスは、それ以降に行なわれる処理対象物の溶体化処理において再利用されることが好ましい。このことは図1において(S04)の後に(S02)が再度なされ得るものとして示される。このようなガスの再利用を可能とするために、本実施の形態の熱処理炉は、希ガスの再利用を可能とする機構が含まれる構成であることが好ましい。以上のように溶体化処理する工程において熱処理炉から排出されるガスを回収し不純物除去したうえで処理対象物の溶体化処理において再利用することにより、第18族元素ガスを有効に再利用することができ、設備使用コストを削減することができる。

0021

図3を参照して、本実施の形態の第2例での熱処理工程における対象物の加熱は、図2の第1例と同様に、溶体化処理する工程と、時効処理する工程とを有している。このため図3の熱処理工程において図2の熱処理工程と重複する部分はその説明を繰り返さない。ただし図3の第2例においては図2の第1例と比較して、溶体化処理の温度が異なっている。

0022

図3に示す本実施の形態の第2例においては溶体化処理の加熱条件として、64チタンのサンプルに対し、加熱温度を980℃、均熱加熱時間を40分間とした条件を用いた。ただし980℃での均熱時間は10分以上60分以下であることが好ましい。その後、室温である20℃前後の5%食塩水中にたとえば1分間、サンプルが浸漬されることによりサンプルを水冷した。

0023

水冷により64チタンのサンプルが常温になった後に、図1に示すように、サブゼロ処理(S03)がなされた。サブゼロ処理においては、−75℃の冷却液にサンプルを浸漬し、5分ほど保持した。その後、サンプルが冷却液から取り出され、室温に戻された。図3の第2例においても、サブゼロ処理においては、当該サンプルが、−75℃以上−60℃以下の冷却液に浸漬されることが好ましい。

0024

次に、図4図6を参照しながら、本実施の形態の作用効果を説明する。
図4は比較例での熱処理工程における加熱方法を示すグラフである。図4において、縦軸は温度を示し、横軸は時間を示す。図4を参照して、比較例での熱処理工程における対象物の加熱は、図2の第1例と同様に、溶体化処理する工程と、時効処理する工程とを有している。このため図4の熱処理工程において図2の熱処理工程と重複する部分はその説明を繰り返さない。ただし図4の比較例においては図2の第1例と比較して、溶体化処理する工程の後にサブゼロ処理が行なわれることなく時効処理が行なわれる点において異なっている。

0025

図4のようにサブゼロ処理を行なわず、溶体化処理後の食塩水による水冷のみを行なった場合には、冷却時に、(α+β)相に含まれるβ組織がマルテンサイト変態しにくくなり、残留β組織が生成される。マルテンサイトを多く生成させることにより硬度が上昇するため、残留β組織が残ることにより、硬度の上昇が妨げられる。

0026

一方、本実施例においては、処理対象材としてのチタン合金(64チタン)に対し、鋼において一般的に行なわれるサブゼロ処理と同様の処理が行なわれた。これにより、マルテンサイトの生成が促進され、サブゼロ処理後に残留β組織の量が減少する。これにより、当該チタン材料の硬度を上昇させることができる。また硬度上昇に伴い、当該チタン材料の機械強度を上昇させることもできる。

0027

図5図2の第1例および図3の第2例の加熱条件で熱処理がなされた64チタンからなるサンプルのミクロ組織の態様を示す写真である。具体的には、図5(A)は第1例のように溶体化処理がなされた後でありサブゼロ処理がなされる前の組織態様を示している。図5(B)は第1例のように溶体化処理およびサブゼロ処理がなされた後の組織態様を示している。図5(C)は第2例のように溶体化処理がなされた後でありサブゼロ処理がなされる前の組織態様を示している。図5(D)は第2例のように溶体化処理およびサブゼロ処理がなされた後の組織態様を示している。

0028

図5(A),(B)を比較参照して、図5(B)のサブゼロ処理後の方が、図5(A)のサブゼロ処理前に比べて針状組織であるマルテンサイト層が多く生成されていた。同様に、図5(C),(D)を比較参照して、図5(D)のサブゼロ処理後の方が、図5(C)のサブゼロ処理前に比べて針状組織であるマルテンサイト層が多く生成されていた。

0029

また図5(A),(B)と図5(C),(D)を比較参照して、図5(A),(B)の940℃で溶体化されたサンプルの方が、図5(C),(D)の980℃で溶体化されたサンプルよりもサブゼロ処理によるマルテンサイト相の増加量が多くなった。

0030

次に、図6は、図5(A)〜(D)に示す各サンプル、および熱処理がまったくなされていない生素材の状態での各サンプルの硬度を比較した結果を示している。図6の縦軸は、ビッカース硬さを示している。図6を参照して、グラフの左側半分図2の第1例のように加熱されたサンプルの硬度を、グラフの右側半分は図3の第2例のように加熱されたサンプルの硬度を、それぞれ示している。また各グラフは左側から右側へ、生素材(加熱前)、溶体化処理後(サブゼロ処理前)、サブゼロ処理後のサンプルの硬度データを示している。

0031

図6を参照して、生素材よりも溶体化処理後のサンプルの方が硬度が高く、また溶体化処理後の中でもサブゼロ処理前よりもサブゼロ処理後のサンプルの方が硬度が高いことがわかる。また980℃で溶体化処理されたサンプルの方が940℃で溶体化処理されたサンプルよりも硬度が高いことがわかる。この結果より、サブゼロ処理によりマルテンサイト相の生成が促進され、チタン材料の硬度が上昇したと考えられる。

0032

以上に述べた各特徴を、技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせるように適用してもよい。

実施例

0033

今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

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