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課題

以下、好ましくは1歳以下、より好ましくは9ヶ月以下又は更に6ヶ月以下の年齢を好ましくは示す新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける疾患の治療における使用のためのワクチンの提供。

解決手段

少なくとも1つの抗原をコードする少なくとも1つのmRNAを含むワクチンであって、前記治療が、新生児又は乳幼児のワクチン接種を含み、前記新生児又は乳幼児における免疫応答を誘発するワクチン。新生児又は乳幼児における逸疫応答の誘発が、Th1免疫応答を誘発することを含むワクチン。更に、そのようなワクチン及びその成分を含むキット及び部品のキット、並びにそのようなワクチン又はキットを適用する方法。

概要

背景

新生児及び乳幼児における感染症及びアレルギー診断、予防及び治療は、世界的に大きな関心を呼んでおり、ますます熱心に研究されているテーマである。これに関連して、新生児及び乳幼児の免疫系のメカニズムについての深い学識が非常に重要である。広く知られているように、免疫系の主な役割は、病原体に対して生命体防御することであるが、そのような病原体に対する免疫系の応答は、全生涯にわたって等しい訳ではない。免疫系の応答は加齢に伴う変化を受けることが、更に知られている。同様に、新生児及び乳幼児の免疫系の応答は、成人のものとは等しくない。特に、T細胞及びB細胞の応答は、多くの面で異なっており、実際、胎児の免疫系の出生前要件の必要性、及び出産時の外部条件への移行に寄与する。

よく知られているように、身体の全ての器官系は、保護された子宮内の生活から外界根本的に異なる環境への出産時の劇的な遷移を経る。この急性の移行の後、段階的な年齢依存の成熟が続く。非特許文献1により考察されているように、胎児及び新生児の免疫系は、通常、母体と胎児との接合部分におけるウイルス性及び細菌性の病原体を含む感染に対する防御、潜在的に有害な母親と胎児との間の同種免疫反応を誘導し得る炎症誘発/Tヘルパー1(Th1)細胞の極性化反応の回避、及び微生物による肌及び腸管への初期定着を含む通常は無菌である子宮内環境の外界の外来抗原に富んだ環境への移行の仲介の3部からなる、生理的な要求と関連する。子宮内での限定的な抗原への暴露、及びよく示されている新生児の適応免疫欠陥を考慮すると、新生児は、防御のためにかなりの程度まで自然免疫系に依存しなければならない。自然免疫系は、適応免疫応答を指示することができるので、Th1細胞極性サイトカインに対する偏りを含む新生児の自然免疫の特徴的な機能発現が、新生児の適応免疫応答の特徴的パターンに寄与する。山程の証拠が、腫瘍壊死因子(TNF)及びインターロイキン−1β(IL−1β)を含む感染により誘発される炎症誘発/Th1細胞極性化サイトカインの産生が早期分娩及び早産と関連することを示している。特に、TNFの産生は、胎盤及び胎児細胞におけるアポトーシスの誘導を介して中絶支援していると考えられる。自然流産を誘発する炎症性サイトカイン能力は、複数の哺乳動物種の母体及び胎児の免疫系のTH2細胞極性化サイトカインへの強い偏りの重要な理由のようである(上記の非特許文献2を参照)。

Th1細胞関連サイトカインのこの産生障害のため、当初は新生児の自然免疫系は一般的に損なわれるか又は弱められると考えられいたが、新生児の単球及び抗原提示細胞APC)による刺激により誘発される特定のサイトカイン(例えば、IL−6、IL−10及びIL−23)の生産は、実際には成人のそれを超えている(非特許文献3〜5を参照)。それにもかかわらず、Th1細胞極性化サイトカインに対する偏りが依然として現れ、これが新生児を微生物感染に対して影響を受け易いままにし、殆どのワクチンへの新生児の免疫応答機能障害に寄与し、これによって、この影響を受け易い集団を防御する取組みを妨げている。出生後、年齢依存の免疫応答の成熟がある。知られているように、自然免疫を活性化することができる出産前及び出産後環境微生物産物への暴露が、この成熟工程を加速させる可能性があり、暴露が時間をかけて繰り返し発生する場合は特に、TH2細胞の極性化の減少及びTH1細胞の極性化の増強の少なくともいずれかを行い、これによって衛生仮説に従って潜在的にアレルギー及びアトピーを減少させる(上記の非特許文献2を再度参照)。

若年期、特に新生児における、T細胞により仲介される免疫応答は、非特許文献6により考察されている。そこに述べられているように、循環性の新生児のTリンパ球は、成人のナイーブT細胞とは根本的に異なっており、胸腺移出細胞の特性を有する。それらは、細胞分裂時に複製されずに希釈されるTCRα鎖再構成エピソーマルDNA副産物である高濃度T細胞受容体切除サークル(TREC)を含んでいる。成人ナイーブ細胞のように、殆どの新生児のTリンパ球は、CD45 RA+アイソフォーム、並びに共刺激分子CD27及びCD28を発現する。成人ナイーブリンパ球とは対照的に、新生児のリンパ球は、CD38分子を発現する。加えて、高比率の循環性新生児T細胞は、循環しており、細胞の高代謝回転を示すアポトーシスに対する感受性の増加を示す。ナイーブTリンパ球の増殖はまた、胎児期においても検出することができ、5迄は持続し得る。若年期において観察される高い細胞代謝回転は、恐らくはT細胞レパートリー樹立において中心的な役割を果たしている。それらの高い代謝回転にもかかわらず、T細胞は、高い構成的テロメラーゼ活性を介して長いテロメア配列を保持する。新生児のTリンパ球のインビトロでのアポトーシスは、IL−2受容体γ鎖、即ちIL−2、IL−4、IL−7、及びIL−15を介したサイトカイン情報伝達によって妨げられ得る。これらのサイトカインの中でも、IL−7及びIL−15もまた、他の刺激がない場合は、新生児のTリンパ球の増殖を誘導する。IL−7は、T細胞受容体再構成に先立つ段階における胸腺細胞発生に関与する。IL−15は、CD4+ T細胞よりも優先的にCD8細胞の増殖を刺激する。IL−7とは対照的に、IL−15は、インビトロでCD8+ Tリンパ球の分化を誘導する(上記の非特許文献6を参照)。

幾つかのメカニズムが、若年期におけるTヘルパー1(Th1)型の応答を制限する。子宮内において、Th1応答は、胎盤に有毒であり、トロホブラスト由来のIL−10及びプロゲステロンによって阻害される。出生時、Th1応答は、生涯における後年よりも大きさがまだ小さい。インビトロでは、新生児のCD4+ T細胞は、成人のナイーブT細胞よりも低いレベルのIFNγを生産し、IFNγプロモーター内のCpG部位及び非CpG部位が高メチル化される。準最適なCD28の共刺激の存在下、IL−12は、新生児のCD4Tリンパ球によるIL−4及びIFNγの両方の産生を刺激するのに対して、成人の細胞は、同様の条件下でIL−4を産生しない。ポリクローナル又はスーパー抗原の活性化に応答して、出生後の胸腺細胞は、Th2サイトカイン産生CD4細胞へと成長する一方で、IFNγの産生を刺激するためにIL−12が必要である。対照的に、新生児のCD8+ T細胞は、同様のレベルのIFNγを産生し、ナイーブ成人細胞に匹敵するIFNγプロモーターのメチル化パターンを有する。加えて、新生児のCD8 Tリンパ球は、IL−4産生細胞へと分化するプライミング時のIL−4の存在に厳密に依存している。Bリンパ球及びCD8+ T細胞の補助において重要な役割を果たしている分子であるCD40リガンド(CD154)を発現する新生児のCD4 Tリンパ球の能力は、依然として議論の余地がある(上記の非特許文献6も参照)。

同時に、利用可能なデータは、ナイーブTリンパ球が、新生児におけるのと成人におけるのとでは異なってプログラムされていることを示す。要約すると、新生児のCD4+ T細胞のIFNγを産生する能力と新生児のDCのTh1応答を促進する能力とは、インビトロの研究においては成人と比べて低い。加えて、インビボでの多くのワクチン及び感染性病原体へのTh1応答は、若年の間は低い。しかしながら、成熟したTh1応答は、恐らくはより効率的なDCの活性化と関連して、新生児のBCGワクチン接種及び百日咳菌感染症等の特定の条件において発現し得る。従って、新生児が弱い又は寛容原性の応答しか発現しない無力なTリンパ球を有するという古典的なパラダイムは、再考する必要がある。成熟した細胞性免疫応答が若年期において発現され得るという所見は、適切な刺激条件下で新生児のTリンパ球が細胞内病原体戦うよう指示され得ることを示唆している(上記の非特許文献6も参照)。

細胞応答の違いだけでなく、B細胞応答の違いもまた、成人と比較して新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける免疫防御に深刻な影響を示すように見える。肺炎球菌インフルエンザ菌B(Hib)、及び髄膜炎菌等の被包性細菌に対する18ヶ月〜24ヶ月より若い年齢の小児脆弱性は、殆どの細菌性多糖類へのT細胞非依存B細胞応答の生成の一般的な機能不全を反映すると、長い間考えられてきた(非特許文献7を参照)。しかしながら、新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける免疫系の未成熟もまた、T細胞依存性タンパク質抗原に対する抗体応答の大きさに直接的影響を有する。若年期におけるB細胞応答を形成するメカニズムは、早い年齢で投与されるワクチンに対する免疫応答の主な制限を再現するために開発された、新生児マウス免疫化モデルを使用して研究が行われた(上記の非特許文献7を参照)。ヒトの末梢B細胞の比較では違いが少ないものの、新生児と成体マウスとの脾臓B細胞の間には多くの違いがある。具体的には、ヒト新生児B細胞は、共刺激分子CD40、CD80及びCD86を低レベルで発現し、これが、それらのT細胞により発現されるCD40リガンド(CD40L)及びインターロイキン−10(IL−10)への応答を減少させる。辺縁帯の乳幼児B細胞は、CD21を低レベルで発現し、これがそれらの多糖補体複合体に応答する能力を制限する。重要な共刺激受容体であるTACI(TNFRSF13Bとしても知られる、トランスメンブレンアクチベーター及びカルシウム調節サイクロフィリン配位子インタラクタ)の発現もまた、新生児マウス及び新生児ヒトB細胞の両方において、特に未熟児において減少している。加えて、若年期におけるB細胞応答は、多くの外部要因によって影響を受ける。母体起源の抗体は、エピトープ特異的にワクチン抗原に対して結合し、従って、乳幼児B細胞が免疫優勢ワクチンエピトープに接近するのを妨げる。更に、ヒト新生児及びマウス新生児は、低レベルの血清補体成分C3を有しており、これが抗原−C3d複合体へのそれらの応答を制限する。ヒトの脾臓は、新生児においては成人と比べて含まれる辺縁帯マクロファージ粒子状抗原捕捉を介する抗体応答の誘導に重要な役割を持っている)が少なく、細胞のサイトカインを産生する能力が異なっている。乳幼児マウスでは、B細胞応答は、B細胞介在リンホトキシン−αシグナル伝達に応答するFDC前駆体の機能不全に起因する濾胞樹状細胞(FDC)ネットワークの成熟の著しい遅延によって制限されている。抗原特異的B細胞を引き付けることによるFDCの核胚中心反応は、B細胞に対して高度に刺激性免疫複合体の形で抗原を保持し、体細胞超変異及びクラススイッチ組換えに繋がるシグナルを提供する。FDCネットワークの未成熟は、従って、成体様B細胞、T細胞及びDCの活性化パターンを誘導する強力なアジュバントを使用する場合であっても、胚中心反応の誘導を遅延させ、かつその大きさを制限する。抗体応答の出生後成熟に加えて、インビボでの抗体持続性が重要な効果を示す。短い半減期を有する特異的抗体の長期的な維持は、抗体産生B細胞の持続性を必要とし、これは記憶B細胞のプールから継続的に製造することができるか、又は長寿命形質細胞として持続することができる。形質細胞に影響を与えない、抗体が仲介する記憶B細胞の枯渇は、形質細胞段階は記憶B細胞のプールから独立していることを示している。また、インビボでの抗体の持続性は環境要因によって影響され得ることが示されている。これは、若年期における抗体応答の制限された持続性が環境抗原の大きな負荷への暴露に起因し、これが骨髄における制限された一連の形質細胞の生存の場への接近の競合をもたらすという仮説を支持している(上記の非特許文献7を参照)。

以前から知られているように、出生時のワクチンの単回投与は、特定の抗体を導き損ね兼ねないと同時に、その後の二次応答のプライミングを行い、これは新生児の分化経路が形質細胞よりむしろ記憶B細胞に向けて優先的であることを示す。幾つかの要因が、このB細胞分化パターンに貢献しているようである。抗原特異的なナイーブB細胞の運命、及びそれらの短寿命形質細胞、長命形質細胞又は記憶B細胞への分化は、初期B細胞の活性化シグナルによって制御される。中程度の親和性のB細胞は、二次リンパ器官において記憶B細胞として残るのに対して、高親和性のB細胞は、形質細胞のプールに積極的に補充される。従って、初期のB細胞受容体の親和性の減少、及び新生児ナイーブB細胞の親和性成熟の遅延の少なくともいずれかは、シグナルの強度を低下させて記憶B細胞の分化を支援している可能性がある。

乳幼児B細胞によるCD21の制限された発現はまた、記憶B細胞の生成を支援して形質細胞の分化を障害しており、これは、CD40介在シグナル伝達、IL−21等のサイトカイン、及びB細胞活性化因子(TNFSF13Bとしても知られるBAFF)、及びAPRIL等のリガンドとの相互作用から支持される。驚くべきことに、付加的な活性化シグナルがDC及びT細胞活性化を増強するために提供されない限り、これらの形質細胞支援因子は全て、若年期では低レベルで発現される。更に、若年期のB細胞は、胚中心内の限られた資源を獲得するために競合しなければならず、これが抗体応答を障害する。形質細胞の分化は、このようにして、付加的なDC活性化シグナルを提供することによって若年期において「強制」される。従って、因子の組合せは、一定のパターンで長寿命形質細胞の代わりに記憶B細胞へ向けた若年期B細胞の優先的分化をもたらすものと思われる。重要なのは、記憶B細胞のプールが若年期に形成可能であることが示されているが、これは、その大きさ又は持続性が免疫学的に成熟した宿主において誘発されるものと同様であることの証拠と考えるべきではないということである。乳幼児期においてB型肝炎ウイルスに対してプライミングされた青年期又は若年成人において追加免疫ワクチン記憶応答を誘発することができないという最近の所見は、乳幼児に誘発される記憶B細胞が一生に渡り続かないことを示唆している。これが乳幼児におけるより小さいB細胞のプール及び未だ未定義の恒常性因子の影響の少なくともいずれかを反映しているかどうかは、未だ決定されていない。要約すると、数多くのB細胞内因子及び外因性決定因子が、若年期における抗体を分泌する形質細胞の誘導及び持続性を制限するために協働していると同時に、記憶B細胞応答の優先的な誘導を支援していると思われる(上記の非特許文献7を参照)。

T細胞応答に加えてB細胞応答における変化は、上述のように、病原体に対する免疫防御だけでなく、感染症と戦う場合の新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおけるワクチン接種方法、場合によってはアレルギー、自己免疫疾患、又は更なる疾患にも顕著な効果を示す。上記の制限の少なくとも幾つかを克服することができる可能性がある効率的なワクチンを提供するための多くの試みが行われている。

ウイルス由来インフルエンザワクチンに関連して命題となる不備を克服する1つの以前の取組みは、新生児及び成体のマウスに予防接種することで防御免疫応答をプライミングするための、インフルエンザウイルス神経病原性株A/WSN/33に由来するヘマグルチニンHA)を発現するネイキッドDNAプラスミド(pHA)の投与に言及している(非特許文献8を参照)。非特許文献8によって示されているように、新生児のDNA免疫付与後の抗原の少量投与への継続的な暴露は、耐性誘導よりもむしろ特定のB細胞及びTh細胞のプライミングに繋がる可能性がある。しかしながら、成体マウスのpHA免疫付与は、強く偏ったTh1応答をプライミングするのみであったが、一方で新生児においてそれはTh1/Th2混合の応答を誘導した。同じ研究グループの更なる非常に類似した取組みの1つは、インフルエンザウイルスの核タンパク質(NP)又はヘマグルチニン(HA)を発現するプラスミド併用投与を対象としている。BALB/cマウスの新生児免疫付与に続いて、耐性よりもむしろB細胞、Th細胞、及びCTLのプライミングが行われる(非特許文献9を参照)。しかしながら、同種又は異種の菌株致死的曝露に対する生存の観点での防御が完全であることは報告されていない。更に、NPを発現するプラスミドの場合、新生児の免疫付与により誘発される防御免疫が発現するのに、成体の免疫付与と比較してより長い時間を必要とする。非特許文献8及び非特許文献9のいずれも、新生児における良好なTh1応答を示していない。更に、いずれの論文においても、DNAワクチンが、出生後の最も初期の段階でインフルエンザウイルスへの幅広体液性免疫応答及び細胞性免疫応答を生成するために効率的で安全な手段を表していることが強調されているが、その一方で、DNAは、ゲノムへの望まれない挿入に起因する危険を生じさせる。このようなDNA由来のワクチン接種は、機能遺伝子の妨害及び癌、又は抗DNA抗体の形成にすら繋がる可能性があり、それ故、今日では焦点がずれている。

更なる取組みは、若年期のワクチン応答を最適化する免疫刺激剤運搬システム及び管理の改善を対象としていた。非特許文8は、非常に若い時期の病原体に対するワクチン接種の試みから生じる問題、並びに、(i)迅速に適切なアイソタイプの強い抗体応答を誘導すること、(ii)乳幼児期を越えて延び持続された抗体応答を誘発すること、(iii)若年期の応答の優先的なTh2の極性化にもかかわらず、効率的なTh1応答及びCTL応答を誘導すること、(iv)母親由来抗体により介在されるワクチン応答の阻害を免れること、(v)若年期における許容可能な反応源性を示すこと、及び(vi)必要な注射回数を減らすために複数のワクチン抗原の単一製剤への取込み許容すること(非特許文8を参照)に使用され得る選択的アジュバントの役割に着目している。非特許文献10は、とりわけ、粒子状物質エマルジョンリポソームビロソームミクロスフェア生ワクチンベクター及びDNAワクチンの投与等の異なる抗原輸送システムだけでなく、MPL誘導体、QS21誘導体、MDP誘導体、サイトカイン、インターフェロン、及びオリゴデオキシヌクレオチド等の免疫刺激剤、並びに抗原提示ステムと免疫刺激剤との組合せの使用について議論している。しかしながら、非特許文献10に同様に示されているように、これらの組合せの多くは、仮定に基づくものであり、効率的なTh1応答すら提供しておらず、或いは望ましくない副作用にすら繋がる可能性がある。

同様に、非特許文献11は、未成熟な抗原提示細胞を活性化してDNAワクチンの新生児免疫原性を高めるための細菌のCpGモチーフの使用を示唆している。加えて、非特許文献11は、従来のワクチンを使用した後続追加免疫との組合せを示唆している。それにもかかわらず、この論文で概説されている方法は、確証的なTh1応答に繋がるものではない。更に、該方法は、DNAワクチンの使用に基づいているが、上記で概説したように潜在的に危険であると見なすことができる。

有望であるが非常に具体的な更なる方法は、特定の新規のアジュバントIC31の使用に依存している。当技術分野で知られているように、ヒトへの使用が承認されたアジュバントはごく僅かである。ヒトへの使用が承認された1つの主要なアジュバントは、例えば、アルミニウム塩由来のアジュバントであるミョウバンである。しかしながら、ヒトへの使用は承認されたものの、アルミニウム塩等は、他のワクチン接種方法においても同様に期待され得る効果である、初期のヒト臨床試験における季節性インフルエンザワクチンの免疫反応の十分な増強を提供できていない。更なるライセンスを取得したアジュバントのインフルエンザワクチンとしては、サブユニットワクチン製剤との組合せでMF59を含むFluad(登録商標)(Novartis Vaccines)、ビロソームワクチンInflexal(登録商標)V (Berna Biotech, a Crucell company)、及びInvivac(登録商標)(Solvay)が挙げられる。動物実験及びヒト臨床試験は、MF59アジュバントのインフルエンザワクチンとともに増加した抗体反応として定義するより高い免疫原性プロファイルを明らかにしたが、MF59は、1型によって引き起こされる細胞性免疫応答の誘導の強力なアジュバントではない。Fluad(登録商標)とは異なり、ビロソームワクチンは、リン脂質二重層中に機能性インフルエンザ表面タンパク質であるヘマグルチニン及びノイラミニダーゼを含む再構成されたインフルエンザウイルスエンベロープを表す。ビロソーム由来のインフルエンザワクチンの免疫原性及び局所寛容性は、幾つかの研究で示されている。しかしながら、ビロソーム製剤の開発は非常に複雑であり、物品コストが高い。

これに関連して、非特許文献12は、Ag85b−ESAT−6融合タンパク質と組み合わせた特定のアジュバントIC31の、新生児マウス及び成体マウスへの免疫付与のための使用を報告している。ミョウバンとは逆に、IC31Hは、両方の年齢層において、IL−2及びTNFαをIFNγとともに或いはIFNγなしに発現する多機能T細胞によって特徴付けられる、強いTh1及びTh17の応答を誘発した。流入領域リンパ節では、同様に少数のDCが、新生児又は成体の免疫付与に続くアジュバント及び抗原の少なくともいずれかを含んでいた。CD40、CD80、CD86及びIL−12p40の産生の発現は、アジュバントを有するDCの集団に集中しており、ここで、DCの標的化/活性化は、成体及び新生児において同様であった。これらのDC/T細胞応答は、抗酸菌BCGの感染後の細菌増殖の減少と同等の減少をもたらし、一方でミョウバンをアジュバントとして用いた場合には防御が観察されなかった。しかしながら、この具体例の他のワクチンへの拡張を許容するそれ以上のアジュバントは、非特許文献12には示されていない。

上記を要約すると、存在する従来技術のワクチンのいずれも、新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける免疫応答を効果的に引き起こすことを許容せず、成人における免疫応答としても少なくとも類似した特徴を示す。特に、多くのワクチンは、新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける効率的なTh1免疫応答を提供することができない。従って、このような患者のためにワクチンを最適化するための差し迫った必要性が存在する。より正確には、従来技術に示される問題を有さず、又は少なくともかなりの程度までこれらの問題を軽減するワクチンが必要とされる。更に、新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおけるTh1免疫応答の誘導を許容し、好ましくは投与後にTh1免疫応答からTh2免疫応答へのシフトを招かないワクチンを提供することが大いに想定される。同様に、DNA由来のワクチンの投与は、起こり得るDNAのゲノムへの組込み、起こり得る遺伝子の妨害、及び抗DNA抗体の形成の理由で避けられるべきである。

概要

2歳以下、好ましくは1歳以下、より好ましくは9ヶ月以下又は更に6ヶ月以下の年齢を好ましくは示す新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける疾患の治療における使用のためのワクチンの提供。少なくとも1つの抗原をコードする少なくとも1つのmRNAを含むワクチンであって、前記治療が、新生児又は乳幼児のワクチン接種を含み、前記新生児又は乳幼児における免疫応答を誘発するワクチン。新生児又は乳幼児における逸疫応答の誘発が、Th1免疫応答を誘発することを含むワクチン。更に、そのようなワクチン及びその成分を含むキット及び部品のキット、並びにそのようなワクチン又はキットを適用する方法。なし

目的

広く知られているように、免疫系の主な役割は、病原体に対して生命体を防御することである

効果

実績

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請求項1

以下の年齢を示す新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける疾患の予防及び治療の少なくともいずれかにおける使用のための、少なくとも1つの抗原をコードする少なくとも1つのmRNAを含むワクチンであって、前記治療が、前記新生児又は乳幼児のワクチン接種を含み、前記新生児又は乳幼児における免疫応答を誘発することを特徴とするワクチン。

請求項2

患者における免疫応答の誘発が、Th1免疫応答を誘発することを含む請求項1に記載の使用のためのワクチン。

請求項3

新生児又は乳幼児が、1)男性又は女性哺乳動物、又はヒトである、又は、2)3歳以下、2歳以下、1.5歳以下、1歳(12ヶ月)以下、9ヶ月以下、6ヶ月以下又は3ヶ月以下の年齢を示す、或いは1)及び2)の両方である請求項1又は2に記載の使用のためのワクチン。

請求項4

疾患が、感染症ウイルス性感染症細菌性感染症又は原虫性感染症自己免疫疾患アレルギー又はアレルギー性疾患、又は癌又は腫瘍疾患から選択される請求項1から3のいずれかに記載の使用のためのワクチン。

請求項5

抗原が、タンパク質抗原及びペプチド抗原腫瘍抗原自己抗原(self−antigen)又は自己抗原(auto−antigen)、自己免疫自己抗原、病原性抗原、ウイルス抗原細菌抗原真菌抗原原生生物抗原、動物抗原、及びアレルギー抗原から選択される請求項1から4のいずれかに記載の使用のためのワクチン。

請求項6

ワクチンが、非経口で、経口で、経鼻で、経で、吸入で、局所的に、経直腸的に、口腔的に、経膣的に、又は埋込み型容器を介して投与される請求項1から5のいずれかに記載の使用のためのワクチン。

請求項7

少なくとも1つの抗原をコードする少なくとも1つのmRNAが、そのネイキッドの形態で投与されるか、又はカチオン性又はポリカチオン性化合物と伴うか又は複合体化される請求項1から6のいずれかに記載の使用のためのワクチン。

請求項8

少なくとも1つの抗原をコードする少なくとも1つのmRNAが、以下の合計式(I)を有する以下のオリゴペプチドから選択されるか、繰り返し単位として以下の下位式(Ia)を有するオリゴペプチドを含むジスルフィド架橋したカチオン成分から選択されるか、又は繰り返し単位として以下の下位式(Ib)を有するオリゴペプチドを含むジスルフィド架橋したカチオン成分から選択されるジスルフィド架橋したカチオン性成分によって形成されるポリマー担体複合体を形成しており、{(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x}式(I)ここで、l+m+n+o+x=3〜100であり、l、m、n又はoは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21〜30、31〜40、41〜50、51〜60、61〜70、71〜80、81〜90及び91〜100から選択される任意の数であり(但し、Arg(アルギニン)、Lys(リジン)、His(ヒスチジン)及びOrn(オルニチン)の総含有量が式(V)のオリゴペプチドの全アミノ酸の少なくとも10%を占める)、Xaaは、Arg、Lys、His又はOrnを除くネイティブの(天然の)又は非ネイティブのアミノ酸から選択され、xは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21〜30、31〜40、41〜50、51〜60、61〜70、71〜80及び81〜90から選択される任意の数であり(但し、Xaaの総含有量が式(I)のオリゴペプチドの全アミノ酸の90%を超えない)、{(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa’)x(Cys)y}式(Ia)ここで、(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;及びxは、好ましくは式(I)に対して上記で定義したものであり、Xaa’は、Arg、Lys、His、Orn又はCysを除くネイティブの(天然の)又は非ネイティブのアミノ酸から選択され、yは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21〜30、31〜40、41〜50、51〜60、61〜70、71〜80及び81〜90から選択される任意の数であり(但し、Arg(アルギニン)、Lys(リジン)、His(ヒスチジン)及びOrn(オルニチン)の総含有量がオリゴペプチドの全アミノ酸の少なくとも10%を占める)、Cys1{(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x}Cys2式(Ib)ここで、式(Ib)中の成分{(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x}(式(I))は、本明細書中で定義するものであり、下位式(Ib)の中核部を形成し、Cys1及びCys2は、(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xの近位又は末端にあるシステインである、請求項1から6のいずれかに記載の使用のためのワクチン。

請求項9

少なくとも1つの抗原をコードする少なくとも1つのmRNAが、一般式(VI)で表されるポリマー担体と複合体を形成しており、L−P1−S−[S−P2−S]n−S−P3−L一般式(VI)ここで、P1及びP3は、互いに異なるか又は同一であり、直鎖状又は分枝状の親水性ポリマー鎖を表し、各々のP1及びP3は、成分P2との縮合によりジスルフィド結合を形成可能な、少なくとも1つの−SH部分を提示し、前記直鎖状又は分枝状の親水性ポリマー鎖は、互いに独立して、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ−N−(2−ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリ−2−(メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリ(ヒドロキシアルキルL−アスパラギン)、ポリ(2−(メタクリロイルオキシ)エチルホスホリルコリン)、ヒドロキシエチルデンプン、又はポリ(ヒドロキシアルキルL−グルタミン)から選択され、ここで、前記親水性ポリマー鎖は、約1kDa〜約100kDaの分子量を示し、P2は、約3〜100アミノ酸長を有するカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質であるか、又は、P2は、約0.5kDa〜約30kDaの分子量を有するカチオン性又はポリカチオン性のポリマーであり、各P2は、更なる成分P2、又は成分P1及び成分P3の少なくともいずれかとの縮合によりジスルフィド結合を形成可能な少なくとも2つの−SH部分を提示し、−S−S−は、(可逆の)ジスルフィド結合であり、Lは、存在してもしなくてもよい任意的リガンドであり、互いに独立して、RGDトランスフェリン葉酸シグナルペプチド又はシグナル配列局在化シグナル又は局在化配列、核酸局在化シグナル又は核酸局在化配列(NLS)、抗体、細胞透過性ペプチドCPP)、TAT、KALA、受容体のリガンド、サイトカインホルモン成長因子、小分子、炭水化物マンノースガラクトース、合成リガンド、小分子アゴニスト、受容体の阻害剤又はアンタゴニスト、又はRGDペプチド模倣薬類似体から選択され、nは、約1〜50の範囲、好ましくは約1、2、3、4又は5〜10の範囲、より好ましくは約1、2、3又は4〜9の範囲から選択される整数である、請求項1から6のいずれかに記載の使用のためのワクチン。

請求項10

少なくとも1つの抗原をコードする少なくとも1つのmRNAが、式(VIa)で表されるポリマー担体と複合体を形成しており、L−P1−S−{[S−P2−S]a[S−(AA)x−S]b}−S−P3−L式(VIa)ここで、S、L、P1、P2及びP3は、好ましくは式(VI)に対して上記で定義したものであり、a及びbは、整数であり、ここで、a+b=nであり、nは式(VI)に対して上記で定義したものであり、xは、約1〜100の範囲から選択される整数であり、(AA)は、芳香族親水性親油性、又は弱塩基性のアミノ酸又はペプチドから選択されるか、シグナルペプチド又はシグナル配列、局在化シグナル又は局在化配列、核酸局在化シグナル又は核酸局在化配列(NLS)、抗体、又は細胞透過性ペプチド(CPP)であるか、抗原由来、腫瘍抗原由来、病原性抗原由来、動物抗原由来、ウイルス抗原由来、原生動物抗原由来、細菌抗原由来、アレルギー性抗原由来、自己免疫抗原由来、アレルゲン由来、抗体由来免疫刺激性のタンパク質又はペプチド由来、又は抗原特異的T細胞受容体由来の治療効果のあるタンパク質又はペプチドから選択される、請求項9に記載の使用のためのワクチン。

請求項11

ワクチンが、a)カチオン性又はポリカチオン性の化合物、及び請求項7又は8のいずれかに従って定義するポリマー担体の少なくともいずれかと複合体を形成した少なくとも1つの(m)RNAを含む、又はこれらからなる(アジュバント)成分と、b)請求項1及び5のいずれかに従って定義する抗原をコードする少なくとも1つの遊離mRNAと、を含むように製剤化される請求項1から10のいずれかに記載の使用のためのワクチン。

請求項12

(m)RNAが、請求項1から5のいずれかに従って定義するmRNA、免疫刺激性核酸、CpG核酸、CpG−RNA、CpG−DNA、又は免疫刺激性RNA(isRNA)である請求項11に記載の使用のためのワクチン。

請求項13

ワクチンが、薬学的に許容される担体及び賦形剤の少なくともいずれかを更に含む請求項1から12のいずれかに記載の使用のためのワクチン。

請求項14

ワクチンが、リポ多糖、TNF−α、CD40リガンド、又は、サイトカイン、モノカインリンホカインインターロイキン又はケモカインIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−30、IL−31、IL−32、IL−33、IFNα、IFNβ、IFNγ、GMCSF、G−CSF、M−CSF、LT−β、TNF−α、成長因子、及びhGH、ヒトのトール様受容体TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9又はTLR10のリガンド、マウスのトール様受容体TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11、TLR12又はTLR13のリガンド、NOD様受容体のリガンド、RIG−I様受容体のリガンド、免疫刺激性核酸、免疫刺激性RNA(isRNA)、CpG−DNA、抗菌剤、又は抗ウイルス剤から選択される補助物質又はアジュバントの少なくとも1種を更に含む請求項1から12のいずれかに記載の使用のためのワクチン。

請求項15

請求項1から14のいずれかに従って定義するワクチンを含むキットであって、少なくとも1つの抗原をコードする各mRNAが、キットの別の部分に設けられていることを特徴とするキット。

技術分野

0001

本発明は、2以下、好ましくは1歳以下、より好ましくは9ヶ月以下又は更に6ヶ月以下の年齢を好ましくは示す新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける疾患の治療における使用のための、少なくとも1つの抗原をコードする少なくとも1つのmRNAを含むワクチンであって、前記治療が、新生児又は乳幼児のワクチン接種を含み、前記新生児又は乳幼児における免疫応答を引き起こすワクチンに関する。本発明は、更に、そのようなワクチン及びその成分を含むキット及び部品のキット、並びにそのようなワクチン又はキットを適用する方法を対象とする。

背景技術

0002

新生児及び乳幼児における感染症及びアレルギー診断、予防及び治療は、世界的に大きな関心を呼んでおり、ますます熱心に研究されているテーマである。これに関連して、新生児及び乳幼児の免疫系のメカニズムについての深い学識が非常に重要である。広く知られているように、免疫系の主な役割は、病原体に対して生命体防御することであるが、そのような病原体に対する免疫系の応答は、全生涯にわたって等しい訳ではない。免疫系の応答は加齢に伴う変化を受けることが、更に知られている。同様に、新生児及び乳幼児の免疫系の応答は、成人のものとは等しくない。特に、T細胞及びB細胞の応答は、多くの面で異なっており、実際、胎児の免疫系の出生前要件の必要性、及び出産時の外部条件への移行に寄与する。

0003

よく知られているように、身体の全ての器官系は、保護された子宮内の生活から外界根本的に異なる環境への出産時の劇的な遷移を経る。この急性の移行の後、段階的な年齢依存の成熟が続く。非特許文献1により考察されているように、胎児及び新生児の免疫系は、通常、母体と胎児との接合部分におけるウイルス性及び細菌性の病原体を含む感染に対する防御、潜在的に有害な母親と胎児との間の同種免疫反応を誘導し得る炎症誘発/Tヘルパー1(Th1)細胞の極性化反応の回避、及び微生物による肌及び腸管への初期定着を含む通常は無菌である子宮内環境の外界の外来抗原に富んだ環境への移行の仲介の3部からなる、生理的な要求と関連する。子宮内での限定的な抗原への暴露、及びよく示されている新生児の適応免疫欠陥を考慮すると、新生児は、防御のためにかなりの程度まで自然免疫系に依存しなければならない。自然免疫系は、適応免疫応答を指示することができるので、Th1細胞極性サイトカインに対する偏りを含む新生児の自然免疫の特徴的な機能発現が、新生児の適応免疫応答の特徴的パターンに寄与する。山程の証拠が、腫瘍壊死因子(TNF)及びインターロイキン−1β(IL−1β)を含む感染により誘発される炎症誘発/Th1細胞極性化サイトカインの産生が早期分娩及び早産と関連することを示している。特に、TNFの産生は、胎盤及び胎児細胞におけるアポトーシスの誘導を介して中絶支援していると考えられる。自然流産を誘発する炎症性サイトカイン能力は、複数の哺乳動物種の母体及び胎児の免疫系のTH2細胞極性化サイトカインへの強い偏りの重要な理由のようである(上記の非特許文献2を参照)。

0004

Th1細胞関連サイトカインのこの産生障害のため、当初は新生児の自然免疫系は一般的に損なわれるか又は弱められると考えられいたが、新生児の単球及び抗原提示細胞APC)による刺激により誘発される特定のサイトカイン(例えば、IL−6、IL−10及びIL−23)の生産は、実際には成人のそれを超えている(非特許文献3〜5を参照)。それにもかかわらず、Th1細胞極性化サイトカインに対する偏りが依然として現れ、これが新生児を微生物感染に対して影響を受け易いままにし、殆どのワクチンへの新生児の免疫応答の機能障害に寄与し、これによって、この影響を受け易い集団を防御する取組みを妨げている。出生後、年齢依存の免疫応答の成熟がある。知られているように、自然免疫を活性化することができる出産前及び出産後環境微生物産物への暴露が、この成熟工程を加速させる可能性があり、暴露が時間をかけて繰り返し発生する場合は特に、TH2細胞の極性化の減少及びTH1細胞の極性化の増強の少なくともいずれかを行い、これによって衛生仮説に従って潜在的にアレルギー及びアトピーを減少させる(上記の非特許文献2を再度参照)。

0005

若年期、特に新生児における、T細胞により仲介される免疫応答は、非特許文献6により考察されている。そこに述べられているように、循環性の新生児のTリンパ球は、成人のナイーブT細胞とは根本的に異なっており、胸腺移出細胞の特性を有する。それらは、細胞分裂時に複製されずに希釈されるTCRα鎖再構成エピソーマルDNA副産物である高濃度T細胞受容体切除サークル(TREC)を含んでいる。成人ナイーブ細胞のように、殆どの新生児のTリンパ球は、CD45 RA+アイソフォーム、並びに共刺激分子CD27及びCD28を発現する。成人ナイーブリンパ球とは対照的に、新生児のリンパ球は、CD38分子を発現する。加えて、高比率の循環性新生児T細胞は、循環しており、細胞の高代謝回転を示すアポトーシスに対する感受性の増加を示す。ナイーブTリンパ球の増殖はまた、胎児期においても検出することができ、5歳迄は持続し得る。若年期において観察される高い細胞代謝回転は、恐らくはT細胞レパートリー樹立において中心的な役割を果たしている。それらの高い代謝回転にもかかわらず、T細胞は、高い構成的テロメラーゼ活性を介して長いテロメア配列を保持する。新生児のTリンパ球のインビトロでのアポトーシスは、IL−2受容体γ鎖、即ちIL−2、IL−4、IL−7、及びIL−15を介したサイトカイン情報伝達によって妨げられ得る。これらのサイトカインの中でも、IL−7及びIL−15もまた、他の刺激がない場合は、新生児のTリンパ球の増殖を誘導する。IL−7は、T細胞受容体再構成に先立つ段階における胸腺細胞発生に関与する。IL−15は、CD4+ T細胞よりも優先的にCD8細胞の増殖を刺激する。IL−7とは対照的に、IL−15は、インビトロでCD8+ Tリンパ球の分化を誘導する(上記の非特許文献6を参照)。

0006

幾つかのメカニズムが、若年期におけるTヘルパー1(Th1)型の応答を制限する。子宮内において、Th1応答は、胎盤に有毒であり、トロホブラスト由来のIL−10及びプロゲステロンによって阻害される。出生時、Th1応答は、生涯における後年よりも大きさがまだ小さい。インビトロでは、新生児のCD4+ T細胞は、成人のナイーブT細胞よりも低いレベルのIFNγを生産し、IFNγプロモーター内のCpG部位及び非CpG部位が高メチル化される。準最適なCD28の共刺激の存在下、IL−12は、新生児のCD4Tリンパ球によるIL−4及びIFNγの両方の産生を刺激するのに対して、成人の細胞は、同様の条件下でIL−4を産生しない。ポリクローナル又はスーパー抗原の活性化に応答して、出生後の胸腺細胞は、Th2サイトカイン産生CD4細胞へと成長する一方で、IFNγの産生を刺激するためにIL−12が必要である。対照的に、新生児のCD8+ T細胞は、同様のレベルのIFNγを産生し、ナイーブ成人細胞に匹敵するIFNγプロモーターのメチル化パターンを有する。加えて、新生児のCD8 Tリンパ球は、IL−4産生細胞へと分化するプライミング時のIL−4の存在に厳密に依存している。Bリンパ球及びCD8+ T細胞の補助において重要な役割を果たしている分子であるCD40リガンド(CD154)を発現する新生児のCD4 Tリンパ球の能力は、依然として議論の余地がある(上記の非特許文献6も参照)。

0007

同時に、利用可能なデータは、ナイーブTリンパ球が、新生児におけるのと成人におけるのとでは異なってプログラムされていることを示す。要約すると、新生児のCD4+ T細胞のIFNγを産生する能力と新生児のDCのTh1応答を促進する能力とは、インビトロの研究においては成人と比べて低い。加えて、インビボでの多くのワクチン及び感染性病原体へのTh1応答は、若年の間は低い。しかしながら、成熟したTh1応答は、恐らくはより効率的なDCの活性化と関連して、新生児のBCGワクチン接種及び百日咳菌感染症等の特定の条件において発現し得る。従って、新生児が弱い又は寛容原性の応答しか発現しない無力なTリンパ球を有するという古典的なパラダイムは、再考する必要がある。成熟した細胞性免疫応答が若年期において発現され得るという所見は、適切な刺激条件下で新生児のTリンパ球が細胞内病原体戦うよう指示され得ることを示唆している(上記の非特許文献6も参照)。

0008

細胞応答の違いだけでなく、B細胞応答の違いもまた、成人と比較して新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける免疫防御に深刻な影響を示すように見える。肺炎球菌インフルエンザ菌B(Hib)、及び髄膜炎菌等の被包性細菌に対する18ヶ月〜24ヶ月より若い年齢の小児脆弱性は、殆どの細菌性多糖類へのT細胞非依存B細胞応答の生成の一般的な機能不全を反映すると、長い間考えられてきた(非特許文献7を参照)。しかしながら、新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける免疫系の未成熟もまた、T細胞依存性タンパク質抗原に対する抗体応答の大きさに直接的影響を有する。若年期におけるB細胞応答を形成するメカニズムは、早い年齢で投与されるワクチンに対する免疫応答の主な制限を再現するために開発された、新生児マウス免疫化モデルを使用して研究が行われた(上記の非特許文献7を参照)。ヒトの末梢B細胞の比較では違いが少ないものの、新生児と成体マウスとの脾臓B細胞の間には多くの違いがある。具体的には、ヒト新生児B細胞は、共刺激分子CD40、CD80及びCD86を低レベルで発現し、これが、それらのT細胞により発現されるCD40リガンド(CD40L)及びインターロイキン−10(IL−10)への応答を減少させる。辺縁帯の乳幼児B細胞は、CD21を低レベルで発現し、これがそれらの多糖補体複合体に応答する能力を制限する。重要な共刺激受容体であるTACI(TNFRSF13Bとしても知られる、トランスメンブレンアクチベーター及びカルシウム調節サイクロフィリン配位子インタラクタ)の発現もまた、新生児マウス及び新生児ヒトB細胞の両方において、特に未熟児において減少している。加えて、若年期におけるB細胞応答は、多くの外部要因によって影響を受ける。母体起源の抗体は、エピトープ特異的にワクチン抗原に対して結合し、従って、乳幼児B細胞が免疫優勢ワクチンエピトープに接近するのを妨げる。更に、ヒト新生児及びマウス新生児は、低レベルの血清補体成分C3を有しており、これが抗原−C3d複合体へのそれらの応答を制限する。ヒトの脾臓は、新生児においては成人と比べて含まれる辺縁帯マクロファージ粒子状抗原捕捉を介する抗体応答の誘導に重要な役割を持っている)が少なく、細胞のサイトカインを産生する能力が異なっている。乳幼児マウスでは、B細胞応答は、B細胞介在リンホトキシン−αシグナル伝達に応答するFDC前駆体の機能不全に起因する濾胞樹状細胞(FDC)ネットワークの成熟の著しい遅延によって制限されている。抗原特異的B細胞を引き付けることによるFDCの核胚中心反応は、B細胞に対して高度に刺激性免疫複合体の形で抗原を保持し、体細胞超変異及びクラススイッチ組換えに繋がるシグナルを提供する。FDCネットワークの未成熟は、従って、成体様B細胞、T細胞及びDCの活性化パターンを誘導する強力なアジュバントを使用する場合であっても、胚中心反応の誘導を遅延させ、かつその大きさを制限する。抗体応答の出生後成熟に加えて、インビボでの抗体持続性が重要な効果を示す。短い半減期を有する特異的抗体の長期的な維持は、抗体産生B細胞の持続性を必要とし、これは記憶B細胞のプールから継続的に製造することができるか、又は長寿命形質細胞として持続することができる。形質細胞に影響を与えない、抗体が仲介する記憶B細胞の枯渇は、形質細胞段階は記憶B細胞のプールから独立していることを示している。また、インビボでの抗体の持続性は環境要因によって影響され得ることが示されている。これは、若年期における抗体応答の制限された持続性が環境抗原の大きな負荷への暴露に起因し、これが骨髄における制限された一連の形質細胞の生存の場への接近の競合をもたらすという仮説を支持している(上記の非特許文献7を参照)。

0009

以前から知られているように、出生時のワクチンの単回投与は、特定の抗体を導き損ね兼ねないと同時に、その後の二次応答のプライミングを行い、これは新生児の分化経路が形質細胞よりむしろ記憶B細胞に向けて優先的であることを示す。幾つかの要因が、このB細胞分化パターンに貢献しているようである。抗原特異的なナイーブB細胞の運命、及びそれらの短寿命形質細胞、長命形質細胞又は記憶B細胞への分化は、初期B細胞の活性化シグナルによって制御される。中程度の親和性のB細胞は、二次リンパ器官において記憶B細胞として残るのに対して、高親和性のB細胞は、形質細胞のプールに積極的に補充される。従って、初期のB細胞受容体の親和性の減少、及び新生児ナイーブB細胞の親和性成熟の遅延の少なくともいずれかは、シグナルの強度を低下させて記憶B細胞の分化を支援している可能性がある。

0010

乳幼児B細胞によるCD21の制限された発現はまた、記憶B細胞の生成を支援して形質細胞の分化を障害しており、これは、CD40介在シグナル伝達、IL−21等のサイトカイン、及びB細胞活性化因子(TNFSF13Bとしても知られるBAFF)、及びAPRIL等のリガンドとの相互作用から支持される。驚くべきことに、付加的な活性化シグナルがDC及びT細胞活性化を増強するために提供されない限り、これらの形質細胞支援因子は全て、若年期では低レベルで発現される。更に、若年期のB細胞は、胚中心内の限られた資源を獲得するために競合しなければならず、これが抗体応答を障害する。形質細胞の分化は、このようにして、付加的なDC活性化シグナルを提供することによって若年期において「強制」される。従って、因子の組合せは、一定のパターンで長寿命形質細胞の代わりに記憶B細胞へ向けた若年期B細胞の優先的分化をもたらすものと思われる。重要なのは、記憶B細胞のプールが若年期に形成可能であることが示されているが、これは、その大きさ又は持続性が免疫学的に成熟した宿主において誘発されるものと同様であることの証拠と考えるべきではないということである。乳幼児期においてB型肝炎ウイルスに対してプライミングされた青年期又は若年成人において追加免疫ワクチン記憶応答を誘発することができないという最近の所見は、乳幼児に誘発される記憶B細胞が一生に渡り続かないことを示唆している。これが乳幼児におけるより小さいB細胞のプール及び未だ未定義の恒常性因子の影響の少なくともいずれかを反映しているかどうかは、未だ決定されていない。要約すると、数多くのB細胞内因子及び外因性決定因子が、若年期における抗体を分泌する形質細胞の誘導及び持続性を制限するために協働していると同時に、記憶B細胞応答の優先的な誘導を支援していると思われる(上記の非特許文献7を参照)。

0011

T細胞応答に加えてB細胞応答における変化は、上述のように、病原体に対する免疫防御だけでなく、感染症と戦う場合の新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおけるワクチン接種方法、場合によってはアレルギー、自己免疫疾患、又は更なる疾患にも顕著な効果を示す。上記の制限の少なくとも幾つかを克服することができる可能性がある効率的なワクチンを提供するための多くの試みが行われている。

0012

ウイルス由来インフルエンザワクチンに関連して命題となる不備を克服する1つの以前の取組みは、新生児及び成体のマウスに予防接種することで防御免疫応答をプライミングするための、インフルエンザウイルス神経病原性株A/WSN/33に由来するヘマグルチニンHA)を発現するネイキッドDNAプラスミド(pHA)の投与に言及している(非特許文献8を参照)。非特許文献8によって示されているように、新生児のDNA免疫付与後の抗原の少量投与への継続的な暴露は、耐性誘導よりもむしろ特定のB細胞及びTh細胞のプライミングに繋がる可能性がある。しかしながら、成体マウスのpHA免疫付与は、強く偏ったTh1応答をプライミングするのみであったが、一方で新生児においてそれはTh1/Th2混合の応答を誘導した。同じ研究グループの更なる非常に類似した取組みの1つは、インフルエンザウイルスの核タンパク質(NP)又はヘマグルチニン(HA)を発現するプラスミド併用投与を対象としている。BALB/cマウスの新生児免疫付与に続いて、耐性よりもむしろB細胞、Th細胞、及びCTLのプライミングが行われる(非特許文献9を参照)。しかしながら、同種又は異種の菌株致死的曝露に対する生存の観点での防御が完全であることは報告されていない。更に、NPを発現するプラスミドの場合、新生児の免疫付与により誘発される防御免疫が発現するのに、成体の免疫付与と比較してより長い時間を必要とする。非特許文献8及び非特許文献9のいずれも、新生児における良好なTh1応答を示していない。更に、いずれの論文においても、DNAワクチンが、出生後の最も初期の段階でインフルエンザウイルスへの幅広体液性免疫応答及び細胞性免疫応答を生成するために効率的で安全な手段を表していることが強調されているが、その一方で、DNAは、ゲノムへの望まれない挿入に起因する危険を生じさせる。このようなDNA由来のワクチン接種は、機能遺伝子の妨害及び癌、又は抗DNA抗体の形成にすら繋がる可能性があり、それ故、今日では焦点がずれている。

0013

更なる取組みは、若年期のワクチン応答を最適化する免疫刺激剤運搬システム及び管理の改善を対象としていた。非特許文8は、非常に若い時期の病原体に対するワクチン接種の試みから生じる問題、並びに、(i)迅速に適切なアイソタイプの強い抗体応答を誘導すること、(ii)乳幼児期を越えて延び持続された抗体応答を誘発すること、(iii)若年期の応答の優先的なTh2の極性化にもかかわらず、効率的なTh1応答及びCTL応答を誘導すること、(iv)母親由来抗体により介在されるワクチン応答の阻害を免れること、(v)若年期における許容可能な反応源性を示すこと、及び(vi)必要な注射回数を減らすために複数のワクチン抗原の単一製剤への取込み許容すること(非特許文8を参照)に使用され得る選択的アジュバントの役割に着目している。非特許文献10は、とりわけ、粒子状物質エマルジョンリポソームビロソームミクロスフェア生ワクチンベクター及びDNAワクチンの投与等の異なる抗原輸送システムだけでなく、MPL誘導体、QS21誘導体、MDP誘導体、サイトカイン、インターフェロン、及びオリゴデオキシヌクレオチド等の免疫刺激剤、並びに抗原提示ステムと免疫刺激剤との組合せの使用について議論している。しかしながら、非特許文献10に同様に示されているように、これらの組合せの多くは、仮定に基づくものであり、効率的なTh1応答すら提供しておらず、或いは望ましくない副作用にすら繋がる可能性がある。

0014

同様に、非特許文献11は、未成熟な抗原提示細胞を活性化してDNAワクチンの新生児免疫原性を高めるための細菌のCpGモチーフの使用を示唆している。加えて、非特許文献11は、従来のワクチンを使用した後続追加免疫との組合せを示唆している。それにもかかわらず、この論文で概説されている方法は、確証的なTh1応答に繋がるものではない。更に、該方法は、DNAワクチンの使用に基づいているが、上記で概説したように潜在的に危険であると見なすことができる。

0015

有望であるが非常に具体的な更なる方法は、特定の新規のアジュバントIC31の使用に依存している。当技術分野で知られているように、ヒトへの使用が承認されたアジュバントはごく僅かである。ヒトへの使用が承認された1つの主要なアジュバントは、例えば、アルミニウム塩由来のアジュバントであるミョウバンである。しかしながら、ヒトへの使用は承認されたものの、アルミニウム塩等は、他のワクチン接種方法においても同様に期待され得る効果である、初期のヒト臨床試験における季節性インフルエンザワクチンの免疫反応の十分な増強を提供できていない。更なるライセンスを取得したアジュバントのインフルエンザワクチンとしては、サブユニットワクチン製剤との組合せでMF59を含むFluad(登録商標)(Novartis Vaccines)、ビロソームワクチンInflexal(登録商標)V (Berna Biotech, a Crucell company)、及びInvivac(登録商標)(Solvay)が挙げられる。動物実験及びヒト臨床試験は、MF59アジュバントのインフルエンザワクチンとともに増加した抗体反応として定義するより高い免疫原性プロファイルを明らかにしたが、MF59は、1型によって引き起こされる細胞性免疫応答の誘導の強力なアジュバントではない。Fluad(登録商標)とは異なり、ビロソームワクチンは、リン脂質二重層中に機能性インフルエンザ表面タンパク質であるヘマグルチニン及びノイラミニダーゼを含む再構成されたインフルエンザウイルスエンベロープを表す。ビロソーム由来のインフルエンザワクチンの免疫原性及び局所寛容性は、幾つかの研究で示されている。しかしながら、ビロソーム製剤の開発は非常に複雑であり、物品コストが高い。

0016

これに関連して、非特許文献12は、Ag85b−ESAT−6融合タンパク質と組み合わせた特定のアジュバントIC31の、新生児マウス及び成体マウスへの免疫付与のための使用を報告している。ミョウバンとは逆に、IC31Hは、両方の年齢層において、IL−2及びTNFαをIFNγとともに或いはIFNγなしに発現する多機能T細胞によって特徴付けられる、強いTh1及びTh17の応答を誘発した。流入領域リンパ節では、同様に少数のDCが、新生児又は成体の免疫付与に続くアジュバント及び抗原の少なくともいずれかを含んでいた。CD40、CD80、CD86及びIL−12p40の産生の発現は、アジュバントを有するDCの集団に集中しており、ここで、DCの標的化/活性化は、成体及び新生児において同様であった。これらのDC/T細胞応答は、抗酸菌BCGの感染後の細菌増殖の減少と同等の減少をもたらし、一方でミョウバンをアジュバントとして用いた場合には防御が観察されなかった。しかしながら、この具体例の他のワクチンへの拡張を許容するそれ以上のアジュバントは、非特許文献12には示されていない。

0017

上記を要約すると、存在する従来技術のワクチンのいずれも、新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける免疫応答を効果的に引き起こすことを許容せず、成人における免疫応答としても少なくとも類似した特徴を示す。特に、多くのワクチンは、新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける効率的なTh1免疫応答を提供することができない。従って、このような患者のためにワクチンを最適化するための差し迫った必要性が存在する。より正確には、従来技術に示される問題を有さず、又は少なくともかなりの程度までこれらの問題を軽減するワクチンが必要とされる。更に、新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおけるTh1免疫応答の誘導を許容し、好ましくは投与後にTh1免疫応答からTh2免疫応答へのシフトを招かないワクチンを提供することが大いに想定される。同様に、DNA由来のワクチンの投与は、起こり得るDNAのゲノムへの組込み、起こり得る遺伝子の妨害、及び抗DNA抗体の形成の理由で避けられるべきである。

先行技術

0018

Ofer, NATURE REVIEWS |IMMUNOLOGY VOLUME 7 | MAY 2007 | 379
Levy,2007
Angelone, D. et al., Pediatr. Res. 60, 205−209 (2006)
Vanden Eijnden, S., Goriely, S., De Wit, D., Goldman, M. & Willems, F. Eur. J. Immunol. 36, 21−26, (2006)
Chelvarajan, R. L.等, J. Leukoc. Biol. 75, 982−994 (2004)
Marchant及びGoldmann, Clinical and Experimental Immunology, 2005, 14: 10−18
Claire−Anne Siegrist*及びRichard Aspinall, NATURE REVIEWS | IMMUNOLOGY VOLUME 9 | MARCH 2009 | 185
Bot等, 1997, International Immunology, Vol. 9, No. 11, pp. 1641−1650
Bot等, Vaccine, Vol. 16, No. 17, pp. 16751682, 1998
Jiri Kovarik及びClaire−Anne Siegrist, Immunology and Cell Biology (1998) 76, 222−236
Adrian Bot及びConstantin Bona, Microbes and Infection 4 (2002) 511−520
Kamath等, 2008,PLoS ONE 3(11): e3683. doi:10.1371/journal.pone.0003683

0019

本発明の根底にある目的は、より好ましくは以下に概説されるように、添付の請求項の主題によって解決される。

0020

第1の実施形態によれば、本発明の根底にある目的は、2歳以下、好ましくは1歳以下、より好ましくは9ヶ月以下又は6ヶ月以下の年齢を好ましくは示す新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける疾患の予防及び治療の少なくともいずれかにおける使用のための、少なくとも1つの抗原をコードする少なくとも1つのmRNAを含むワクチンであって、前記治療が、新生児又は早期の乳幼児のワクチン接種を含み、前記新生児又は乳幼児における免疫応答を誘発することを特徴とするワクチンによって解決される。

0021

理論に縛られることなく、RNAワクチンは、的確にアジュバント性と抗原の発現とを統合し、これによってウイルス感染の関連する側面を模倣する。これは、新生児又は乳幼児における高度なアジュバントの使用を必要とする他の不活性化された(死んだ)ワクチンと比較してそれらの効率を向上させ、取扱い性及び生産を簡素化する。RNAは、トール様受容体3、トール様受容体7、トール様受容体8、RIG−I、MDA5、PKR及び相乗的に作用して抗原特異的な適応できるB細胞応答及びT細胞応答の誘導を高める働きをし得る他のものなどの専用の免疫学的パターン認識受容体の範囲に対処することができる。重要なことには、トランスフェクトされた宿主細胞における抗原の合成により、mRNAワクチンは、宿主のMHCハプロタイプとは無関係に、直接的に抗原を細胞性抗原処理及び提示経路に導入し、MHC分子への接近を許可し、T細胞応答を誘発する。これは、B細胞を含む他の免疫応答と相乗的に作用し得るポリクローナルT細胞応答の誘導を可能にする。また、MHC結合エピトープの完全なスペクトルの提示は、新生児又は乳幼児における未成熟な免疫系による制限を回避し得る。また、抗原の内部生産は、積極的に免疫原性に影響を与える可能性がある正確な翻訳後修飾(例えば、タンパク質分解処理及びグリコシル化等)を確実にする。また、RNAワクチンは、それらを新生児及び乳幼児の少なくともいずれかにおける使用に優れるようにする安全機能を示す。例えば、増加した弱毒化生ワクチンの反応源性は、一般的に、この関連性の高い標的集団における使用を妨げる。しかしながら、ワクチンベクターの数日中の短い持続性及び痕跡のない減衰を考慮すると、観察される良好な免疫原性は、予期せぬものであり、抗原の持続的発現への有効性に様々に関連したプラスミドDNAワクチンの要求と対照をなす。

0022

少なくとも1つの抗原をコードする本発明の第1の実施形態で定義する本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAは、好ましくは患者における抗原特異的な免疫応答を誘発するのに好適な、当業者既知の任意の抗原から選択することができる。本発明によれば、「抗原」との用語は、免疫系によって認識され、例えば、適応免疫応答の一部としての抗体又は抗原特異的T細胞の形成により抗原特異的免疫応答を誘発することができる物質を指す。これに関連して、適応免疫応答の最初の工程は、ナイーブ抗原特異的T細胞、又は抗原提示細胞による抗原特異的免疫応答を誘導することができる異なる免疫細胞の活性化である。これは、ナイーブT細胞が継続的に通過するリンパ組織及び臓器で生じる。抗原提示細胞として機能することができる3種類の細胞は、樹状細胞、マクロファージ、及びB細胞である。これらの細胞の各々は、免疫応答を誘発する異なる機能を有する。組織の樹状細胞は、食作用及びマクロピノサイトーシスにより抗原を取り込み、例えば外来抗原との接触によって刺激されて局所リンパ組織へと移行し、成熟した樹状細胞に分化する。マクロファージは、細菌等の粒子状抗原を取り込み、感染因子又は他の適切な刺激によって誘導されてMHC分子を発現する。B細胞のそれらの受容体を介して可溶性タンパク質抗原と結合し吸収する特有の能力もまた、T細胞を誘導するために重要である。MHC分子上の抗原を提示することは、T細胞の活性化をもたらし、これがそれらの増殖及びアームエフェクターT細胞(armed effector T cell)への分化を誘導する。エフェクターT細胞の最も重要な機能は、協働して細胞により仲介される免疫を作り出す、CD8+細胞傷害性T細胞により感染した細胞の致死及びTh1細胞によるマクロファージの活性化、並びにTH2細胞及びTh1細胞の両方によりB細胞を活性化して異なるクラスの抗体を生成することであって、これによって体液性免疫応答を駆動することである。抗原を直接的に認識して結合するのではなく、その代わりに、他の細胞の表面上のMHC分子に結合している例えば病原体のタンパク質等の短いペプチド断片を認識するそれらのT細胞受容体によって、T細胞は抗原を認識する。

0023

本発明に関連して、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる抗原は、典型的には、上記の定義に該当する任意の抗原、より好ましくはタンパク質及びペプチドの抗原を含む。本発明によれば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる抗原は、細胞外で生成される抗原、より典型的には、宿主生物(例えば、ヒト)自体に由来しない抗原(即ち、非自己抗原)、より正確に言えば、宿主生物の外部の宿主細胞に由来する抗原、例えば、病原性抗原、特にウイルス抗原細菌抗原真菌抗原原生生物抗原、動物抗原(好ましくは、本明細書に開示される動物又は生物から選択される)、及びアレルギー抗原等であってもよい。本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる抗原は、更には、例えばタンパク質の分泌、分解、及び代謝等によって、細胞、組織又は身体内で生成される抗原であってもよい。そのような抗原としては、宿主生物由来(例えば、ヒト)自体に由来する抗原、例えば、腫瘍抗原、及び自己免疫自己抗原等の自己抗原(self−antigen)又は自己抗原(auto−antigen)等だけでなく、元々宿主生物外の宿主細胞に由来するものの、身体、組織又は細胞内で例えば(プロテアーゼ)分解及び代謝等により断片化又は分解される上記の(非自己)抗原が挙げられる。

0024

病原性抗原としては特に、例えばインフルエンザ由来の抗原、好ましくは、インフルエンザA、インフルエンザB、インフルエンザC又はトゴトウイルス由来の抗原、好ましくは、インフルエンザ抗原のヘマグルチニン(HA)及びノイラミニダーゼ(NA)の少なくともいずれか、好ましくは、ヘマグルチニンのサブタイプH1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14又はH15由来のインフルエンザ抗原及びノイラミニダーゼのサブタイプN1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8又はN9由来のインフルエンザ抗原の少なくともいずれか、又は好ましくはインフルエンザAのサブタイプH1N1、H1N2、H2N2、H2N3、H3N1、H3N2、H3N3、H5N1、H5N2、H7N7又はH9N2、或いは任意の更なる組合せから選択されるもの、或いはマトリックスタンパク質1(M1)、イオンチャネルタンパク質M2(M2)や核タンパク質(NP)等から選択されるもの、或いは例えばFタンパク質Gタンパク質等を含む呼吸器合胞体ウイルス(RSV)由来の抗原が挙げられる。

0025

本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる抗原の1つの更なるクラスとしては、アレルギー抗原が挙げられる。アレルギー抗原は、典型的にはヒトにおいてアレルギーを引き起こす、ヒト又は他の供給源に由来し得る抗原である。このようなアレルギー抗原は、例えば、動物、植物、菌類及び細菌等の異なる供給源に由来する抗原から選択され得る。これに関連するアレルゲンとしては、例えば、草、花粉カビ、薬又は多数の環境要因等に由来する抗原も挙げられる。アレルギー抗原は、典型的には、タンパク質又はペプチド、及びそれらの断片、炭水化物多糖類、糖類、脂質及びリン脂質等の化合物の異なるクラスに属する。本発明に関連して特に興味深いのは、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAにコードされている抗原、即ち、タンパク質抗原又はペプチド抗原及びそれらの断片又はエピトープ或いは核酸及びその断片、特にそのようなタンパク質抗原又はタンパク質抗原及びそれらの断片又はエピトープをコードする核酸及びそれらの断片である。

0026

本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる特に好ましい動物由来の抗原としては、これらに限定されないが、ダニ(例えばイエダニ)、ハチ(例えばミツバチマルハナバチ)、ゴキブリマダニ、ガ(例えばカイコガ)、ミジ、バグ(bug)、ノミ、狩蜂、毛虫ミバエトノサマバッタバッタ(grasshopper)、アリ及びアブラムシ等の昆虫由来小エビ(shrimp)、カニオキアミロブスタークルマエビ(prawn)、ザリガニ及び大きいエビ(scampi)等の甲殻類由来、アヒルガチョウカモメ七面鳥ダチョウ及びニワトリ等の鳥類由来ウナギニシンコイ、タイ、タラオヒョウナマズ、ベルーガ、サケヒラメサバコウイカ及びパーチ等の魚類由来ホタテガイタコアワビカタツムリウェルク、イカハマグリ及びイガイ類等の軟体動物由来、クモ由来、雌ウシウサギヒツジライオンジャガーヒョウラットブタバッファローイヌロリスハムスターモルモットダマジカ、ウマネコ、マウス、オセロットサーバル等の哺乳動物由来、クモ又はシミ等の節足動物由来線虫等の蠕虫類由来、旋毛虫種又は回虫由来、カエル等の両生類由来、或いはホヤ等由来の抗原を含み得る。動物由来の抗原はまた、動物製品に含まれる抗原、好ましくは例えば牛乳及び肉等の上記で定義された動物由来の動物製品に含まれる抗原であるが、任意のこれらの動物由来の任意の種類の排泄物又は沈着物由来の抗原を含んでいてもよい。

0027

最も好ましくは、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる特に好ましい動物由来の抗原としては、本明細書で定義する疾患、好ましくは本明細書で定義する感染性疾患又は自己免疫疾患、或いは本明細書で定義する任意の更なる疾患を引き起こすそのような動物由来の抗原を含んでいてもよい。

0028

本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる植物由来の抗原としては、これらに限定されないが、キウイパイナップルジャックフルーツパパイヤレモン、オレンジマンリンメロンイチゴレイシリンゴチェリーパラダイスアップル(cherry paradise apple)、マンゴーパッションフルーツプラムアプリコットネクタリン西ナシ、パッションフルーツ、ラズベリー及びブドウ等の果物由来ニンニクタマネギリーキ大豆セロリカリフラワーカブパプリカヒヨコマメウイキョウズッキーニキュウリニンジンヤムマメエンドウ豆オリーブトマトジャガイモレンズマメレタスアボカドパセリ西洋わさびチリモヤビートカボチャ及びホウレンソウ等の野菜由来、カラシナコリアンダーサフランコショウ及びアニス等の香辛料由来、カラスムギソバオオムギ、イネ、コムギトウモロコシアブラナ及びゴマ等の作物由来カシュークルミバターナッツピスチオアーモンドハシバミの実、ピーナッツブラジルナッツ、ペカン及びクリ等のナッツ類由来、ハンノキ、シデ、シーダーカバノキ、ハシバミ、ブナ、トネリコ、イボタノキ、オークプラタナスヒノキ及びヤシ等の樹木由来、ブタクサカーネーションレンギョウヒマワリルピナスカモミールライラック及びトケイソウ等の花類由来、シバムギ、コモンベントブロムグラスバミューダグラスハルガヤ、ホソムギ等の草類由来、又はケシ、ピレトリウムオオバコタバコアスパラガスヨモギ及びコショウソウ等の他の植物由来等の抗原を含み得る。

0029

本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる菌類由来の抗原としては、これらに限定されないが、例えば、アルテルニア属(Alternia sp.)、アスペルギルス属(Aspergillus sp.)、ビューリア属(Beauveria sp.)、カンジダ属(Candida sp.)、クラドスポリウム属(Cladosporium sp.)、エンドチア属(Endothia sp.)、カルキュラリア属(Curcularia sp.)、エンベリシア属(Embellisia sp.)、エピコッカム属(Epicoccum sp.)、フザリウム属(Fusarium sp.)、マラセジア属(Malassezia sp.)、ペニシリウム属(Penicillum sp.)、プレオスポラ属(Pleospora sp.)及びサッカロマイセス属(Saccharomyces sp.)等に由来する抗原を含み得る。

0030

本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる細菌由来の抗原としては、これらに限定されないが、例えば、バチルス・テタニ(Bacillus tetani)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及びストレプトマイセスグリセウス(Streptomyces griseus)等由来の抗原を含み得る。

0031

本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる抗原の1つの更なるクラスとしては、腫瘍抗原が挙げられる。「腫瘍抗原」は、好ましくは、(腫瘍)細胞の表面上に位置付けられる。腫瘍抗原はまた、通常の細胞と比較して腫瘍細胞において過剰発現されるタンパク質から選択されてもよい。更に、腫瘍抗原はまた、変性した細胞自体ではない(ではなかった)(又は元々それ自体ではない)が、想定される腫瘍と関連する細胞内で発現された抗原を含む。腫瘍供給血管又はその(再)形成と関連する抗原、特にそれらの新血管形成と関連した抗原、例えば、VEGF及びbFGFの等の成長因子もまた、本明細書に含まれる。腫瘍に関連する抗原は更に、細胞又は組織由来の抗原、特に腫瘍を埋め込む細胞又は組織由来の抗原を含む。更に、何らかの物質(通常は、タンパク質又はペプチド)が、癌疾患を患った(告知された、又は告知されていない)患者において発現され、前記患者の体液中でのそれらの物質の濃度増加が起こる。これらの物質もまた、「腫瘍抗原」として言及されるが、免疫応答誘導物質厳格な意味における抗原ではない。腫瘍抗原のクラスは、更に腫瘍特異的抗原TSA)と腫瘍関連抗原(TAA)とに分けられる。TSAは、腫瘍細胞のみから提示され、通常の「健康な」細胞からは提示されない。それらは、典型的には腫瘍特異的な変異に由来する。より多く見られるTAAは、通常は腫瘍細胞と健康な細胞との両方に提示される。これらの抗原は認識され、抗原提示細胞は細胞傷害性T細胞によって破壊され得る。加えて、腫瘍抗原はまた、例えば変異した受容体の形態で腫瘍の表面に発生し得る。この場合、それらは抗体によって認識され得る。本発明によれば、「癌疾患」及び「腫瘍疾患」との用語は本明細書中では同義的に使用される。

0032

本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる腫瘍抗原の例としては、これらに限定されないが、例えば、5T4、707−AP(707アラニンプロリン)、9D7、AFPα−フェトプロテイン)、AlbZIP HPG1、α5β1インテグリン、α5β6−インテグリン、α−メチルアシルコエンザイムAラセマーゼART−4(T細胞4により認識される腺がん抗原)、B7H4、BAGE−1(B抗原)、BCL−2、BING−4、CA 15−3/CA 27−29、CA 19−9、CA 72−4、CA125、カルレティキュリンCAMEL(メラノーマのCTL−認識抗原)、CASP−8(カスパーゼ−8)、カテプシンBカテプシンL、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD40、CD52、CD55、CD56、CD80、CEAがん胎児性抗原)、CLCA2(カルシウム活性化塩素チャネル−2)、CML28、コアクトシン(coactosin)様タンパク質コラーゲンXXIII、COX−2、CT−9/BRD6(ブロモドメイン精巣特異的タンパク質)、Cten(C末端テンシン様タンパク質)、サイクリンB1、サイクリンD1、cyp−B(サイクロフィリンB)、CYPB1(シトクロムP450 1B1)、DAM−10/MAGE−B1(分化抗原メラノーマ10)、DAM−6/MAGE−B2(分化抗原メラノーマ6)、EGFR/Her1、EMMPRIN(腫瘍細胞結合型細胞外基質メタロプロテイナーゼ誘導因子/)、EpCam(上皮細胞接着分子)、EphA2(エフリンA型受容体2)、EphA3(エフリンA型受容体3)、ErbB3、EZH2(zesteホモログ2のエンハンサー)、FGF−5(線維芽細胞増殖因子−5)、FN(フィブロネクチン)、Fra−1(Fos関連抗原−1)、G250/CAIX(糖タンパク質250)、GAGE−1(G抗原1)、GAGE−2(G抗原2)、GAGE−3(G抗原3)、GAGE−4(G抗原4)、GAGE−5(G抗原5)、GAGE−6(G抗原6)、GAGE−7b(G抗原7b)、GAGE−8(G抗原8)、GDEP(前立腺に異なった形で発現する遺伝子)、GnT−V(N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV)、gp100(糖タンパク質100 kDa)、GPC3(グリピカン3)、HAGE(ヘリカーゼ抗原)、HAST−2(ヒト印環腫瘍−2)、ヘプシン、Her2/neu/ErbB2(ヒト上皮受容体−2/神経学的)、HERV−K−MEL、HNE(ヒト好中球エラスターゼ)、ホメオボックスNKX 3.1、HOM−TES−14/SCP−1、HOM−TES−85、HPV−E6、HPV−E7、HST−2、hTERT(ヒトテロメラーゼ逆転写酵素)、iCE (腸カルボキシルエステラーゼ)、IGF−1R、IL−13Ra2(インターロイキン13受容体α2鎖)、IL−2R、IL−5、未熟ラミニン受容体、カリクレイン2、カリクレイン4、Ki67、KIAA0205、KK−LC−1(九州肺癌抗原1)、KM−HN−1、LAGE−1(L抗原)、リビン(livin)、MAGE−A1(メラノーマ抗原−A1)、MAGE−A10(メラノーマ抗原−A10)、MAGE−A12(メラノーマ抗原−A12)、MAGE−A2(メラノーマ抗原−A2)、MAGE−A3(メラノーマ抗原−A3)、MAGE−A4(メラノーマ抗原−A4)、MAGE−A6(メラノーマ抗原−A6)、MAGE−A9(メラノーマ抗原−A9)、MAGE−B1(メラノーマ抗原−B1)、MAGE−B10(メラノーマ抗原−B10)、MAGE−B16(メラノーマ抗原−B16)、MAGE−B17(メラノーマ抗原−B17)、MAGE−B2(メラノーマ抗原−B2)、MAGE−B3(メラノーマ抗原−B3)、MAGE−B4(メラノーマ抗原−B4)、MAGE−B5(メラノーマ抗原−B5)、MAGE−B6(メラノーマ抗原−B6)、MAGE−C1(メラノーマ抗原−C1)、MAGE−C2(メラノーマ抗原−C2)、MAGE−C3(メラノーマ抗原−C3)、MAGE−D1(メラノーマ抗原−D1)、MAGE−D2(メラノーマ抗原−D2)、MAGE−D4(メラノーマ抗原−D4)、MAGE−E1(メラノーマ抗原−E1)、MAGE−E2(メラノーマ抗原−E2)、MAGE−F1(メラノーマ抗原−F1)、MAGE−H1(メラノーマ抗原−H1)、MAGEL2(MAGE−like 2)、マンマグロビンA、MART−1/Melan−A(T細胞−1によって認識されるメラノーマ抗原/メラノーマ抗原A)、MART−2(T細胞−2によって認識されるメラノーマ抗原)、基質タンパク質22、MC1R(メラノコルチン1受容体)、M−CSFマクロファージコロニー刺激因子遺伝子)、メソテリン、MG50/PXDN、MMP 11(M期リンタンパク質11)、MN/CA IX−抗原、MRP−3(多剤耐性関連タンパク質3)、MUC1(ムチン1)、MUC2(ムチン2)、NA88−A(患者M88のNAcDNAクローン)、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ−V、Neo−PAP(Neo−ポリ(A)ポリメラーゼ)、NGEP、NMP22、NPM/ALK(ヌクレオフォスミン/未分化リンパ腫キナーゼ融合タンパク質)、NSE(ニューロン特異的エノラーゼ)、NY−ESO−1(ニューヨーク食道癌(esophageous)1)、NY−ESO−B、OA1(眼白子症1型タンパク質)、OFA−iLRP(腫瘍胎児抗原−未熟ラミニン受容体)、OGT(O−結合型N−アセチルグルコサミントランスフェラーゼ)、OS−9、オステオカルシンオステオポンチン、p15(タンパク質15)、p15、p190マイナーbcr−abl、p53、PAGE−4(前立腺GAGE−様タンパク質−4)、PAI−1(プラスミノーゲン活性化因子阻害因子1)、PAI−2(プラスミノーゲン活性化因子阻害因子2)、PAP(前立腺acicホスファターゼ)、PART−1、PATE、PDEF、Pim−1−キナーゼ、Pin1(プロピルイソメラーゼ)、POTE、PRAME(メラノーマの選択的に発現した抗原)、プロステインプロテイナーゼ−3、PSA(前立腺特異的抗原)、PSCA、PSGR、PSM、PSMA(前立腺特異的膜抗原)、RAGE−1(腎性抗原)、RHAMM/CD168(ヒアルロン酸仲介運動性のための受容体)、RU1(腎臓ユビキタス(renal ubiquitous)1)、RU2(腎臓ユビキタス(renal ubiquitous)1)、S−100、SAGE肉腫抗原)、SART−1(扁平上皮抗原拒絶腫瘍1)、SART−2(扁平上皮抗原拒絶腫瘍1)、SART−3(扁平上皮抗原拒絶腫瘍1)、SCC(扁平上皮細胞癌抗原)、Sp17(精子タンパク質17)、SSX−1(滑膜肉腫切断点1)、SSX−2/HOM−MEL−40(滑膜肉腫X切断点)、SSX−4 (滑膜肉腫X切断点4)、STAMP−1、STEAP(前立腺の6膜貫通上皮抗原)、サバイビン(surviving)、サバイビン−2B(イントロン2−保持サバイビン)、TA−90、TAG−72、TARP、TGFb(TGFβ)、TGFbRII(TGFβ受容体II)、TGM−4(前立腺特異的トランスグルタミナーゼ)、TRAG−3(タキソール耐性関連タンパク質3)、TRG(テスティン(testin)関連遺伝子)、TRP−1(チロシン関連タンパク質1)、TRP−2/6b(TRP−2/新規エクソン6b)、TRP−2/INT2(TRP−2/イントロン2)、Trp−p8、チロシナーゼ、UPA(ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子)、VEGF(血管内皮成長因子)、VEGFR−2/FLK−1(血管内皮成長因子受容体−2)、及びWT1(ウィルムス(Wilm’)腫瘍遺伝子)、を含む群から選択される抗原を含んでいてもよく、又は、例えば、これらに限定されないが、α−アクチニン−4/m、ARTC1/m、bcr/abl(切断点クラスター領域−エーベルソン融合タンパク質)、β−カテニン/m(β−カテニン)、BRCA1/m、BRCA2/m、CASP−5/m、CASP−8/m、CDC27/m(細胞分裂周期27)、CDK4/m(サイクリン依存性キナーゼ4)、CDKN2A/m、CML66、COA−1/m、DEK−CAN(融合タンパク質)、EFTUD2/m、ELF2/m(延長因子2)、ETV6−AML1(Ets変異体遺伝子6/急性骨髄性白血病遺伝子融合タンパク質)、FN1/m(フィブロネクチン1)、GPNMB/m、HLA−A*0201−R170I(HLA−A2遺伝子のα2−ドメインα−ヘリックスの残基170においてアルギニンイソロイシン置換されたもの)、HLA−A11/m、HLA−A2/m、HSP70−2M(変異した熱ショックタンパク質70−2)、KIAA0205/m、K−Ras/m、LDLR−FUT(LDR−フコシルトランスフェラーゼ融合タンパク質)、MART2/m、ME1/m、MUM−1/m(メラノーマユビキタス変異1)、MUM−2/m(メラノーマユビキタス変異2)、MUM−3/m(メラノーマユビキタス変異3)、ミオシンクラスI/m、neo−PAP/m、NFYC/m、N−Ras/m、OGT/m、OS−9/m、p53/m、Pml/RARa(前骨髄球性白血病レチノイン酸受容体α)、PRDX5/m、PTPRK/m(受容体型タンパク質チロシンホスファターゼカッパ)、RBAF600/m、SIRT2/m、SYT−SSX−1(シナプトタグミンI/滑膜肉腫X融合タンパク質)、SYT−SSX−2(シナプトタグミンI/滑膜肉腫X融合タンパク質)、TEL−AML1(転座Ets−ファミリー白血病/急性骨髄性白血病1融合タンパク質)、TGFbRII(TGFβ受容体II)、及びTPI/m(トリオースリン酸イソメラーゼ)を含む群から選択される癌疾患において発現される変異抗原を含んでいてもよい。しかしながら、特定の態様によれば、gp100、MAGE−A1、MAGE−A3、MART−1/メラン−A、サバイビン及びチロシナーゼの少なくともいずれかの抗原をコードするmRNA、より好ましくは、gp100、MAGE−A1、MAGE−A3、MART−1/メラン−A、サバイビン、及びチロシナーゼの少なくともいずれかの抗原をコードするmRNAであって、プロタミンと複合体を形成するか又はプロタミンにより安定化するmRNA(例えば、約80μgのmRNA及び128μgのプロタミンの割合)は、本願発明の範囲から除外され得る。好ましい態様において、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる腫瘍抗原は、5T4、707−AP、9D7、AFP、AlbZIP HPG1、α−5−β−1−インテグリン、α−5−β−6−インテグリン、α−アクチニン−4/m、α−メチルアシル−コエンザイムAラセマーゼ、ART−4、ARTC1/m、B7H4、BAGE−1、BCL−2、bcr/abl、β−カテニン/m、BING−4、BRCA1/m、BRCA2/m、CA 15−3/CA 27−29、CA 19−9、CA72−4、
CA125、カルレティキュリン、CAMEL、CASP−8/m、カテプシンB、カテプシンL、CD19、CD20、CD22、CD25、CDE30、CD33、CD40、CD52、CD55、CD56、CD80、CDC27/m、CDK4/m、CDKN2A/m、CEA、CLCA2、CML28、CML66、COA−1/m、コアクトシン様タンパク質、コラーゲンXXIII、COX−2、CT−9/BRD6、Cten、サイクリンB1、サイクリンD1、cyp−B、CYPB1、DAM−10、DAM−6、DEK−CAN、EFTUD2/m、EGFR、ELF2/m、EMMPRIN、EpCam、EphA2、EphA3、ErbB3、ETV6−AML1、EZH2、FGF−5、FN、Frau−1、G250、GAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE7b、GAGE−8、GDEP、GnT−V、gp100、GPC3、GPNMB/m、HAGE、HAST−2、ヘプシン、Her2/neu、HERV−K−MEL、HLA−A*0201−R17I、HLA−A11/m、HLA−A2/m、HNE、ホメオボックスNKX3.1、HOM−TES−14/SCP−1、HOM−TES−85、HPV−E6、HPV−E7、HSP70−2M、HST−2、hTERT、iCE、IGF−1R、IL−13Ra2、IL−2R、IL−5、未熟ラミニン受容体、カリクレイン−2、カリクレイン−4、Ki67、KIAA0205、KIAA0205/m、KK−LC−1、K−Ras/m、LAGE−A1、LDLR−FUT、MAGE−A1、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A6、MAGE−A9、MAGE−A10、MAGE−A12、MAGE−B1、MAGE−B2、MAGE−B3、MAGE−B4、MAGE−B5、MAGE−B6、MAGE−B10、MAGE−B16、MAGE−B17、MAGE−C1、MAGE−C2、MAGE−C3、MAGE−D1、MAGE−D2、MAGE−D4、MAGE−E1、MAGE−E2、MAGE−F1、MAGE−H1、MAGEL2、マンマグロビンA、MART−1/メラン−A、MART−2、MART−2/m、基質タンパク質22、MC1R、M−CSF、ME1/m、メソテリン、MG50/PXDN、MMP11、MN/CA IX−抗原、MRP−3、MUC−1、MUC−2、MUM−1/m、MUM−2/m、MUM−3/m、ミオシンクラスI/m、NA88−A、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ−V、Neo−PAP、Neo−PAP/m、NFYC/m、NGEP、NMP22、NPM/ALK、N−Ras/m、NSE、NY−ESO−1、NY−ESO−B、OA1、OFA−iLRP、OGT、OGT/m、OS−9、OS−9/m、オステオカルシン、オステオポンチン、p15、p190マイナーbcr−abl、p53、p53/m、PAGE−4、PAI−1、PAI−2、PART−1、PATE、PDEF、Pim−1−キナーゼ、Pin−1、Pml/PARα、POTE、PRAME、PRDX5/m、プロステイン、プロテイナーゼ−3、PSA、PSCA、PSGR、PSM、PSMA、PTPRK/m、RAGE−1、RBAF600/m、RHAMM/CD168、RU1、RU2、S−100、SAGE、SART−1、SART−2、SART−3、SCC、SIRT2/m、Sp17、SSX−1、SSX−2/HOM−MEL−40、SSX−4、STAMP−1、STEAP、サバイビン、サバイビン−2B、SYT−SSX−1、SYT−SSX−2、TA−90、TAG−72、TARP、TEL−AML1、TGFβ、TGFβRII、TGM−4、TPI/m、TRAG−3、TRG、TRP−1、TRP−2/6b、TRP/INT2、TRP−p8、チロシナーゼ、UPA、VEGF、VEGFR−2/FLK−1、及びWT1からなる群から選択される。

0033

特に好ましい態様によれば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる腫瘍抗原は、MAGE−A1(例えば、アクセッション番号M77481のMAGE−A1)、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A6(例えば、アクセッション番号NM_005363のMAGE−A6)、MAGE−C1、MAGE−C2、メラン−A(例えば、アクセッション番号NM_005511のメラン−A)、GP100(例えば、アクセッション番号M77348のGP100)、チロシナーゼ(例えば、例えば、アクセッション番号NM_000372のチロシナーゼ)、サバイビン(例えば、アクセッション番号AF077350のサバイビン)、CEA(例えば、アクセッション番号NM_004363のCEA)、Her−2/neu(例えば、アクセッション番号M11730のHer−2/neu)、WT1(例えば、アクセッション番号NM_000378のWT1)、PRAME(例えば、アクセッション番号NM_006115のPRAME)、EGFRI(上皮成長因子受容体1)(例えば、アクセッション番号AF288738のEGFRI(上皮成長因子受容体1))、MUC1、ムチン−1(例えば、アクセッション番号NM_002456のムチン−1)、SEC61G(例えば、アクセッション番号NM_014302のSEC61G)、hTERT(例えば、アクセッション番号NM_198253のhTERT)、5T4(例えば、アクセッション番号NM_006670の5T4)、NY−Eso−1(例えば、アクセッション番号NM_001327のNY−Eso1)、TRP−2(例えば、アクセッション番号NM_001922のTRP−2)、STEAP、PCA、PSA、及びPSMA等からなる群から選択される。

0034

特に好ましくは、抗原は、インフルエンザAウイルス(HA抗原、NA抗原、NP抗原、M2抗原、M1抗原)、インフルエンザBウイルス(HA抗原、NA抗原)、呼吸器合胞体ウイルス(F抗原、G抗原、M抗原、SH抗原)、パラインフルエンザウイルス(糖タンパク質抗原)、肺炎連鎖球菌(pPht抗原、PcsB抗原、StkP抗原)、ジフテリア菌破傷風菌麻疹おたふく風邪風疹狂犬病ウイルス(G抗原、N抗原)、黄色ブドウ球菌(毒素抗原)、クロストリジウムディフィシレ(毒素抗原)、ヒト型結核菌(急性抗原及び不活性抗原)、カンジダアルビカンス、インフルエンザ菌B(HiB)、ポリオウイルス肝炎Bウイルス表面抗原及びコア抗原)、ヒトパピローマウイルス(L1、L2、E6、E7)、ヒト免疫不全ウイルス(gp120抗原、gag抗原、env抗原)、SARS CoV(スパイクタンパク質)、黄色ブドウ球菌(IsdA抗原、IsdB抗原、毒素抗原)、百日咳毒素、ポリオウイルス(VP1−4)、マラリア原虫(NANP抗原、CSPタンパク質抗原、ssp2抗原、ama1抗原、msp142抗原)、黄色ブドウ球菌(IsdA、IsdB、及び毒素)、百日咳菌(毒素)、ポリオウイルスVP1−4、マラリア原虫(NANP抗原、CSPタンパク質抗原、ssp2抗原、ama1抗原、msp142抗原)から選択される。

0035

本明細書で述べた本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる抗原は、本明細書に述べたような抗原、特にタンパク質抗原又はペプチド抗原の断片を更に含んでいてもよい。本発明に関連したそのような抗原の断片は、好ましくは約6〜約20の長さ、又はそれ以上の長さのアミノ酸を有する断片、例えば、好ましくは約8〜約10、例えば8、9又は10(又は、11又は12の長さのアミノ酸)の長さのアミノ酸を有するMHCクラスI分子により処理され提示された断片、或いは、好ましくは約13以上の長さのアミノ酸、例えば13、14、15、16、17、18、19又は20、又はそれ以上の長さのアミノ酸をを有するMHCクラスII分子により処理され提示された断片を含んでいてもよく、これらの断片は、アミノ酸配列の任意の部分から選択されてもよい。それら断片は、典型的には、ペプチド断片及びMHC分子からなる複合体の形態でT細胞によって認識される。つまり、上記断片は、それらの生来の形態では認識されない。

0036

本明細書で定義する抗原の断片はまた、それらの抗原のエピトープを含んでいてもよい。エピトープ(「抗原決定基」とも呼ばれる)は、典型的には、本明細書で定義する(生来の)タンパク質抗原又はペプチド抗原の該表面上に位置し、好ましくは5〜15アミノ酸、より好ましくは5〜12アミノ酸、更により好ましくは6〜9アミノ酸を有する、抗体によって(即ちそれらの生来の形態で)認識され得る断片である。

0037

更に特に好ましい態様によれば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる腫瘍抗原は、抗原の混合物、例えば、好ましくは本明細書で定義する疾患又は障害の治療のための(適応)免疫応答を誘発するための、活性(免疫刺激性組成物又は部品のキット(好ましくは、キットの一部に各抗原が含まれている)を形成してもよい。この目的のために、本発明のワクチンは、各mRNAが本明細書に述べたような少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つ、4つ又はそれを超える(好ましくは異なる)抗原をコードし得る、少なくとも1つのmRNAを含んでいてもよい。或いは、本発明のワクチンは、各mRNAが本明細書に述べたような少なくとも1つの抗原をコードする、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ又はそれを超える(好ましくは異なる)mRNAを含んでいてもよい。

0038

そのような本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる抗原の混合物は、例えば、例えば前立腺癌(PCa)の治療において、好ましくはネオアジュバント及びホルモン抵抗性前立腺癌の少なくともいずれか、及びそれらに関連する疾患又は障害の治療において使用されてもよい。この目的のために、本発明のワクチンは、各mRNAが本明細書に述べたような少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つ、4つ又はそれを超える(好ましくは異なる)抗原をコードし得る、少なくとも1つのmRNAを含んでいてもよい。或いは、本発明のワクチンは、各mRNAが本明細書に述べたような少なくとも1つの抗原をコードする、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ又はそれを超える(好ましくは異なる)mRNAを含んでいてもよい。好ましくは、抗原は、PSA(前立腺特異的抗原)=KLK3(カリクレイン−3)、PSMA(前立腺特異的膜抗原)、PSCA(前立腺幹細胞抗原)、及びSTEAP(前立腺の6膜貫通上皮抗原)の少なくともいずれかから選択される。

0039

更に、そのような本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAによってコードされる抗原の混合物は、例えば、好ましくは、扁平上皮癌腺癌、及び大細胞肺癌の3種の主なサブタイプから選択される非小細胞肺癌(NSCLC)、又はそれらに関連する障害の治療に使用されてもよい。この目的のために、本発明のワクチンは、各mRNAが本明細書に述べたような少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11又は12の(好ましくは異なる)抗原をコードし得る、少なくとも1つのmRNAを含んでいてもよい。或いは、本発明のワクチンは、各mRNAが本明細書に述べたような少なくとも1つの抗原をコードする、少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11又は12の(好ましくは異なる)mRNAを含んでいてもよい。好ましくは、そのような抗原は、hTERT、WT1、MAGE−A2、5T4、MAGE−A3、MUC1、Her−2/neu、NY−ESO−1、CEA、サバイビン、MAGE−C1、及びMAGE−C2の少なくともいずれかから選択される。

0040

上記態様においては、各々の上記で定義した抗原は、1つの(モノシストロン性)mRNAによってコードされ得る。換言すれば、この場合、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAは、少なくとも2つ(3つ及び4つ等)の(モノシストロン性)mRNAであって、ここで、これらの少なくとも2つ(3つ及び4つ等)の(モノシストロン性)mRNAの各々が、例えば、ただ1つの(好ましくは異なる)抗原、好ましくは上記抗原の組合せの1つから選択されるmRNAを含み得る。

0041

特に好ましい態様によれば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAは、(少なくとも)1つの2シストロン性又はマルチシストロン性のmRNA、好ましくは、mRNA、即ち、例えば好ましくは上記の抗原の組合せの1つから選択される少なくとも2つの(好ましくは異なる)抗原の、2つ又はそれを超えるコード遺伝子担持する(少なくとも)1つのmRNAを含んでいてもよい。例えば、(少なくとも)1つの2シストロン性又はマルチシストロン性のmRNAの少なくとも2つの(好ましくは異なる)抗原の、そのようなコード配列は、以下に定義するような少なくとも1つのIRES(内部リボソーム侵入部位)によって分離されていてもよい。よって、「少なくとも2つの(好ましくは異なる)抗原をコードする」との用語は、それに限定はされないが、(少なくとも)1つの(2シストロン性又はマルチシストロン性の)mRNAが、例えば、上記の群の抗原の少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11又は12、或いはそれを超える(好ましくは異なる)抗原、又はそれらの断片、或いは変異体をコードし得ることを意味し得る。これに関連して、本明細書で定義する、所謂IRES(内部リボソーム侵入部位)配列は、単一のリボソーム結合部位として機能することができるが、それはまた、お互いに独立してリボソームによって翻訳される複数のタンパク質をコードする、本明細書で定義する2シストロン性又はマルチシストロン性のRNAを提供する働きをし得る。本発明に従って使用することができるIRES配列の例としては、ピコルナウイルス(例えばFMDV)、ペスチウイルス(CFFV)、ポリオウイルス(PV)、脳心筋炎ウイルス(ECMV)、口蹄疫ウイルス(FMDV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ブタコレラウイルス(CSFV)、マウス白血病ウイルス(MLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、又はコオロギ麻痺ウイルス(CrPV)由来のものである、

0042

更に特に好ましい態様によれば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAは、本明細書で定義する少なくとも1つのモノシストロン性mRNA、及び本明細書で定義する少なくとも1つの2シストロン性又はマルチシストロン性のRNA、好ましくはmRNAの混合物を含んでいてもよい。少なくとも1つのモノシストロン性RNA、及び少なくとも1つの2シストロン性又はマルチシストロン性のRNAの少なくともいずれかは、好ましくは異なる抗原、又はそれらの断片、或いは変異体をコードしており、該抗原は、好ましくは上記抗原の1つから選択され、より好ましくは上記組合せの1つである。しかしながら、少なくとも1つのモノシストロン性RNA、及び少なくとも1つの2シストロン性又はマルチシストロン性のRNAはまた、好ましくは、上記抗原の1つから選択される、好ましくは上記の組合せでの(部分的に)同一の抗原をコードし得る(但し、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAは、全体として少なくとも2つの(好ましくは異なる)本明細書に定義する抗原を提供する)。そのような態様は、それを必要とする患者への、例えば交互の、例えば時間依存の、1つ又は幾つかの本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAの投与に有利となり得る。そのようなワクチンの成分は、組成物の部分の(異なる部分の)キットに含まれ得るか、又は、例えば本発明に係り定義する同一の本発明のワクチンの組成物として別々に投与され得る。

0043

更に好ましい態様において、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA(又は本明細書で定義する任意の更なる核酸)はまた、修飾された核酸の形態で生じ得る。

0044

第1の態様によれば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA(又は本明細書で定義する任意の更なる核酸)は、インビボでの分解(例えば、エキソヌクレアーゼ又はエンドヌクレアーゼ)に実質的に耐性がある「安定化された核酸」として提供されてもよい。

0045

これに関連して、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA(又は本明細書で定義する任意の更なる核酸)は、バックボーン修飾、糖修飾又は塩基修飾を含んでいてもよい。本発明に関連したバックボーン修飾は、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA(又は本明細書で定義する任意の更なる核酸)に含まれるヌクレオチド骨格リン酸塩化学的に修飾された修飾である。本発明との関連した糖修飾は、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA(又は本明細書で定義する任意の更なる核酸)のヌクレオチドの糖の化学的修飾である。更に、本発明に関連した塩基修飾は、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA(又は本明細書で定義する任意の更なる核酸)のヌクレオチドの塩基部分の化学的修飾である。

0046

更なる態様によれば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA(又は本明細書で定義する任意の更なる核酸)は、脂質修飾を含むことができる。そのような脂質修飾核酸は、典型的には、本明細書で定義する核酸、例えばmRNA又は任意の更なる核酸を含む。そのような本発明のワクチンの脂質修飾mRNA(又は本明細書で定義する任意の更なる脂質修飾核酸)は、典型的には、更に核酸分子共有結合した少なくとも1つのリンカー、及び各リンカーと共有結合した少なくとも1つの脂質を含む。或いは、本発明のワクチンの脂質修飾mRNA(又は本明細書で定義する任意の更なる脂質修飾核酸)は、本明細書で定義する少なくとも1つの核酸分子、例えば、mRNA、又は任意の更なる核酸、及び核酸分子と(リンカーなしで)共有結合した少なくとも1つの(二官能性)脂質を含む。第3の代替例によれば、本発明のワクチンの脂質修飾mRNA(又は本明細書で定義する任意の更なる脂質修飾核酸)は、本明細書で定義する核酸分子、例えば、mRNA、又は任意の更なる核酸、該核酸分子と共有結合した少なくとも1つのリンカー、及び該各リンカーと共有結合した少なくとも1つの脂質、そして更に該核酸分子と(リンカーなしで)共有結合した少なくとも1つの(二官能性)脂質を含む。

0047

本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA(又は本明細書で定義する任意の更なる核酸)は、mRNA(又は任意の更なる核酸分子)の分解を防止するために、様々な手法により同様に安定化させてもよい。当技術分野において、一般的なRNAの不安定性及び(高速)分解は、RNA由来の組成物の適用に深刻な問題を示すことが知られている。このRNAの不安定性は、典型的には、RNA分解酵素「RNAase」(リボヌクレアーゼ)によるものであり、そのようなリボヌクレアーゼとの組合せは、時として溶液中のRNAを完全に分解する。従って、細胞の細胞質におけるRNAの自然分解は、非常に精密に制御されており、RNase混入は、一般的に、前記組成物を使用する前に特別な処理、特にピロ炭酸ジエチル(DEPC)によって除去され得る。自然分解の多くのメカニズムが、これに関連して従来技術において知られており、同様に使用され得る。例えば、末端構造は、特にmRNAにおいては典型的に極めて重要である。一例として、天然のmRNAの5’末端には、通常所謂「キャップ構造」(修飾グアノシンヌクレオチド)があり、3’末端には、典型的には最大で200のアデノシンヌクレオチド(所謂ポリAテイル)の配列がある。

0048

別の態様によれば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAは、修飾されていてもよく、従って、mRNA、好ましくはそのコード領域のG/C含有量を修飾することによって安定化される。

0049

本発明の特に好ましい態様において、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAのコード領域のG/C含有量は、特定の野生型のコード配列、即ち未修飾mRNAのコード領域のG/C含有量と比較して修飾されており、特に増加させられている。mRNAのコードされたアミノ酸配列は、好ましくは、特定の野生型mRNAのコードされたアミノ酸配列と比較して修飾されていない。

0050

本発明のワクチンのうちの少なくとも1つのmRNAのG/C含有量の修飾は、翻訳される任意のmRNA領域の配列がそのmRNAの効率的な翻訳に重要であるという事実に基づいている。よって、組成物及び種々のヌクレオチドの配列が重要である。具体的には、増加したG(グアノシン)/C(シトシン)含有量を有する配列が、増加した(アデノシン)/U(ウラシル)含有量を有する配列よりも安定である。本発明によれば、コード配列又はmRNAのコドンは、それ故、翻訳されるアミノ酸配列は維持しながら、それらが増加したG/Cヌクレオチドの量を含むようにその野生型のコード配列又はmRNAと比較して変化させられる。幾つかのコドンが1つの同じアミノ酸をコードするという事実(所謂遺伝コード縮重)に関して、安定性に最も有利なコドンを決定することができる(所謂代替コドンの使用)。

0051

好ましくは、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAのコード領域のG/C含有量は、野生型mRNAのコード領域のG/Cに比べて、少なくとも7%、より好ましくは少なくとも15%、特に好ましくは少なくとも20%増加している。特定の態様によれば、本明細書で定義するタンパク質又はペプチド又はそのフラグメント、或いはその変異体、又は野生型mRNA配列、又はコード配列をコードする領域における、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%、95%、又は100%の置換可能なコドンが置換され、これによって前記配列のG/C含有量が増加する。

0052

これに関連して、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAの、特にタンパク質をコードする領域におけるG/C含有量を、野生型配列と比較して最大限(即ち、置換可能なコドンの100%)に増加させることが特に好ましい。

0053

本発明によれば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAの更に好ましい修飾は、特に核酸がmRNAであるか又はmRNAをコードするものの形態である場合には、翻訳効率は、細胞内のtRNA出現の異なる頻度によっても決定されるという知見に基づいている。よって、所謂「希少コドン」が本発明のワクチンの少なくとも一つのmRNAにおいて増加した範囲に存在する場合、比較的「頻繁な」tRNAをコードするコドンが存在する場合よりも、対応する修飾mRNAは著しく乏しい程度にしか翻訳されない。

0054

好ましくは、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAのコード領域は、細胞内において比較的希少なtRNAをコードする野生型配列の少なくとも1つのコドンが、細胞内において比較的頻繁であり前記比較的希少なtRNAと同じアミノ酸を担持するtRNAをコードするコドンと交換されるように、野生型のmRNA又はコード配列の対応する領域と比較して修飾されている。この修飾によって、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAの配列は、特に核酸がmRNAであるか又はmRNAをコードするものの形態である場合には、頻繁に発生するtRNAが得られるコドンが挿入されるように修飾されている。言い換えると、本発明によれば、この修飾によって、細胞内において比較的希少なtRNAをコードする野生型配列の全てのコドンは、いずれの場合も、細胞内において比較的頻繁なtRNAをコードするコドンと交換することができ、いずれの場合も、前記比較的希少なtRNAと同じアミノ酸を担持する。

0055

どのtRNAが細胞内において比較的頻繁に発生するか、及び対照的にどのtRNAが細胞内において比較的希少に発生するかは、当業者に既知である(例えば、Akashi, Curr. Opin. Genet. Dev. 2001, 11(6): 660−666を参照)。特定のアミノ酸に対して最も頻繁に発生するtRNAを使用するコドン、例えば、(ヒト)細胞において最も頻繁に発生するtRNAを使用するGlyコドンが特に好ましい。

0056

本発明によれば、本発明のワクチンの修飾された少なくとも1つのmRNAにおける、増加した、特に最大化した配列G/C含有量を、前記mRNAのコード領域によりコードされるアミノ酸配列を修飾することなく、「頻繁な」コドンと接続することが特に好ましい。この好ましい態様は、本発明のワクチンの、特に効率的に翻訳されて安定化された(修飾された)少なくとも1つのmRNAの提供を許容する。

0057

本発明の更に好ましい態様によれば、本明細書で定義する本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA、又は本明細書で定義する任意の更なる核酸分子は、好ましくは、5’及び3’の少なくともいずれかの安定化配列を有する。5’及び3’の少なくともいずれかの非翻訳領域におけるこれらの安定化配列は、細胞質ゾル中での核酸の半減期を増加させる効果を有する。これらの安定化配列は、ウイルス、細菌及び真核生物で天然に生じる配列と100%の配列同一性を有することができるが、部分的に又は完全に合成することもできる。例えば、ホモサピエンス又はアフリカツメガエル由来の(α−)グロビン遺伝子非翻訳配列(UTR)が、本発明において核酸を安定化するために使用することができる安定化配列の例として挙げられ得る。安定化配列の他の例は、(α−)グロビン、(I)型コラーゲン、15−リポキシゲナーゼ又はチロシンヒドロキシラーゼをコードする非常に安定なRNAの3’UTRに含まれる(Holcik等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1997, 94: 2410〜2414を参照)、一般式(C/U)CCANxCCC(U/A)PyxUC(C/U)CC(配列番号:383)を有する。そのような安定化配列は、勿論、単独で、又はもう1つの安定化配列との組合せで、或いは当業者にとって既知の安定化配列との組合せでも使用することができる。

0058

それにもかかわらず、本明細書で定義する本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA又は任意の更なる核酸分子を用いて、置換、付加又は削除が好ましくは行われ、特に核酸がmRNAの形態である場合には、周知の部位特異的な突然変異誘発又はオリゴヌクレオチドライゲーション法で核酸分子の製造のためのDNAマトリックスを使用して行われる(例えば、Maniatis等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 3rd ed., Cold Spring Harbor, NY, 2001を参照)。このような工程において、本明細書で定義する本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAの調製のために、対応するDNA分子がインビトロで転写されてもよい。このDNAマトリックスは、好ましくは、調製される前記少なくとも1つのmRNAの所望の核酸配列が後に続くインビトロ転写のための好適なプロモーター、例えばT7プロモーター又はSP6プロモーター、及びインビトロ転写のための終結シグナルを含む。関心の少なくとも1つのmRNAのマトリックスを形成するDNA分子は、発酵性の増殖、及びその後の細菌中で複製可能なプラスミドの一部としての単離によって調製されてもよい。本発明に好適であるとして挙げられるプラスミドは、例えば、プラスミドpT7Ts(GenBankアクセッション番号U26404; Lai等, Development 1995, 121: 2349〜2360)、pGEM(商標登録シリーズ、例えばpGEM(商標登録)−1(GenBankアクセッション番号X65300; Promegaより)及びpSP64(GenBankアクセッション番号X65327)である(Griffin及びGriffin (ed.),PCRTechnology: Current Innovation,CRCPress, Boca Raton,FL, 2001の中の、Mezei及びStorts, Purification of PCR Productsも参照)。

0059

本発明に係り使用される、本明細書で定義する核酸分子、例えば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA、又は本明細書で定義する任意の更なる核酸分子は、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAに対して上記概説したように修飾されてもよい。

0060

加えて、本発明に係り使用される、本明細書で定義する核酸分子、例えば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNA、又は本明細書で定義する任意の更なる核酸分子は、例えば、固相合成だけでなく、インビトロ転写反応等のインビトロの方法等の合成方法を含む当技術分野で既知の任意の方法を使用して調製されてもよい。

0061

本発明の1つの好ましい態様によれば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAは、少なくとも1つのmRNAのトランスフェクション効率を高めるための任意の更なる賦形剤トランスフェクション剤、又は複合体形成剤と伴うことなく、で投与されてもよい。

0062

本発明の更に好ましい態様において、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAは、少なくとも1つのmRNAのトランスフェクション効率を高めるための任意の更なる賦形剤、トランスフェクション剤、又は複合体形成剤を伴う。トランスフェクション効率を増大させるのに好適な、これに関連した特に好ましい薬剤は、プロタミン、ヌクレオリン(nucleoline)、スペルミン又はスペルミジンを含むカチオン性又はポリカチオン性の化合物、或いは、ポリ−L−リジン(PLL)、ポリアルギニン塩基性ポリペプチドHIV結合ペプチド、HIV−1 Tat(HIV)、Tat由来ペプチドペネトラチン、VP22由来又は類似のペプチド、ペストウイルスのErns、HSV、VP22(単純ヘルペス)、MAP、KALA又はタンパク質形質導入ドメイン(PTD)、PpT620、プロリンに富むペプチド、アルギニンに富むペプチド、リジンに富むペプチド、MPGペプチド、Pep−1、L−オリゴマーカルシトニンペプチドアンテナペディア由来ペプチド(特にショウジョウバエアンテナペディア由来)、pAntp、pIsl、FGF、ラクトフェリントランスポータン、ブフォリン2、Bac715−24、SynB、SynB(1)、pVEC、hCT由来ペプチド、SAP、又はヒストンを含む細胞透過性ペプチドCPP)等の他のカチオン性のペプチド又はタンパク質である。加えて、好ましいカチオン性又はポリカチオン性のタンパク質又はペプチドは、以下の合計式を有する以下のタンパク質又はペプチドから選択されてもよい。
(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x
ここで、l+m+n+o+x=8〜15であり、l、m、n又はoは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15から選択される任意の数であり(但し、Arg、Lys、His及びOrnがオリゴペプチドの全アミノ酸の少なくとも50%を表す)、Xaaは、Arg、Lys、His又はOrnを除くネイティブの(=天然に存在する)又は非ネイティブのアミノ酸から選択される任意のアミノ酸であってもよく、xは、0、1、2、3又は4から選択される任意の数であってもよい(但し、Xaaの総含有量がオリゴペプチドの全アミノ酸の50%を超えない)。
これに関連して特に好ましいカチオン性ペプチドは、例えば、Arg7、Arg8、Arg9、H3R9、R9H3、H3R9H3、YSSR9SSY、(RKH)4、及びY(RKH)2R等である。トランスフェクション剤として使用することができる更に好ましいカチオン性又はポリカチオン性の化合物としては、例えばキトサン及びポリブレン等のカチオン性多糖類、例えばポリエチレンイミン(PEI)等のカチオン性ポリマー、例えばDOTMA([1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド)、DMRIE、ジC14−アミジン、DOTIM、SAINT、DC−Chol、BGTC、CTAP、DOPC、DODAP、DOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)、DOSPA、DODAB、DOIC、DMEPC、DOGS(ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン)、DIMRI(Dジミリスト−オキシプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロマイド)、DOTAP(ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニオプロパン、DC−6−14(O,O−ジテトラデカノイル−N−(α−トリメチルアンモニオアセチル)ジエタノールアミンクロリド)、CLIP1(RAC−[(2,3−ジオクタデシルオキシプロピル)(2−ヒドロキシエチル)]−ジメチルアンモニウムクロリド)、CLIP6(rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピル−オキシメチルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム)、CLIP9(rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピル−オキシスクシニルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウム及びオリゴフェクタミン等のカチオン性脂質、或いは、例えば、β−アミノ酸ポリマー又は逆向きポリアミド等の修飾ポリアミノ酸、PVP(ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジニウムブロミド))等の修飾ポリエチレン、pDMAEMA(ポリ(ジメチルアミノエチルメチルアクリレート))等の修飾アクリレート、pAMAM(ポリ(アミドアミン))等の修飾アミドアミン、ジアミン末端修飾1,4−ブタンジオールジアクリレート−co−5−アミノ−1−ペンタノールポリマー等の修飾ポリβ−アミノエステル(PBAE)、ポリプピルアミンデンドリマー又はpAMAM系デンドリマー等のデンドリマー、PEI(ポリ(エチレンイミン))及びポリ(プロピレンイミン)等のポリイミンポリアリルアミンシクロデキストリン系ポリマー、デキストラン系ポリマー及びキトサン等の糖骨格系ポリマー、PMOXA−PDMS共重合体等のシラン骨格系ポリマー、1以上のカチオン性ブロック(例えば、上述のカチオン性ポリマーから選択される)の組合せからなるブロックポリマー、及び1以上の親水性ブロック又は疎水性ブロック(例えば、ポリエチレングリコール)の組合せからなるブロックポリマー等のカチオン性又はポリカチオン性のポリマー等が挙げられ得る。

0063

少なくとも1つの抗原をコードする本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAはまた、ジスルフィド架橋したカチオン性成分によって形成されたポリマー担体と複合体を形成してもよい。「カチオン性成分」との用語は、典型的には、約1〜9、好ましくは9以下の、8以下、7以下のpH値、最も好ましくは例えば7.3〜7.4の生理学的pH値の正電荷を有する荷電分子カチオン)を指す。従って、本発明に係るカチオン性のペプチド、タンパク質又はポリマーは、生理学的条件下、好ましくは特にインビボの細胞の生理食塩条件下で正電荷を有する。「カチオン性」の定義は、「ポリカチオン性」成分にも言及され得る。

0064

これに関連して、ジスルフィド架橋によって本発明のワクチンのポリマー担体の基礎を形成するカチオン性成分は、典型的には、この目的のための任意の好適なカチオン性又はポリカチオン性のペプチド、タンパク質又はポリマー、本発明に係り定義する核酸を複合体化可能であり、これによって好ましくは核酸を凝縮させる特定の任意のカチオン性又はポリカチオン性のペプチド、タンパク質又はポリマーから選択される。カチオン性又はポリカチオン性のペプチド、タンパク質又はポリマーは、好ましくは直鎖状分子であるが、分岐状のカチオン性又はポリカチオン性のペプチド、タンパク質又はポリマーを使用してもよい。

0065

本発明の少なくとも1つのmRNAを複合体化するために使用され得る、ポリマー担体の各々のカチオン性又はポリカチオン性のタンパク質、ペプチド又はポリマーは、少なくとも1つの−SH部分、最も好ましくは少なくとも1つのシステイン残基、又は本明細書で言及するポリマー担体のカチオン性成分としての少なくとも1つの更なるカチオン性又はポリカチオン性のタンパク質、ペプチド又はポリマーとの縮合によってジスルフィド結合を形成可能な−SH部分を提示する任意の更なる化学基を含む。

0066

本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAを複合体化するために用いられ得る、各々のカチオン性又はポリカチオン性のタンパク質、ペプチド又はポリマー、或いは任意の他のポリマー担体の成分は、好ましくはその隣接する成分(カチオン性のタンパク質、ペプチド、ポリマー又は他の成分)にジスルフィド架橋を介して連結される。好ましくは、ジスルフィド架橋は、少なくとも1つのカチオン性又はポリカチオン性のタンパク質、ペプチド又はポリマーと、少なくとも1つの更なるカチオン性又はポリカチオン性のタンパク質、ペプチド又はポリマー、或いはポリマー担体の他の成分との間の(可逆の)ジスルフィド結合(−S−S−)である。ジスルフィド架橋は、典型的には、特にカチオン性成分のポリマー担体の成分の−SH部分の縮合によって形成される。そのような−SH部分は、ジスルフィド架橋をする前のカチオン性又はポリカチオン性のタンパク質、ペプチド又はポリマー、或いは任意の他のポリマー担体の成分の構造の一部であってもよく、又はジスルフィド架橋の前に以下に定義する修飾によって追加されてもよい。これに関連して、ジスルフィド結合を提供するために必要なポリマー担体の1つの成分に隣接する硫黄は、成分そのものによって、例えば本明細書で定義する−SH部分によって提供されてもよく、又は成分を修飾して−SH部分を提示することによって提供されてもよい。これらの−SH基は、典型的には、例えば、システイン、又は−SH部分を担持する成分の任意の更なる(修飾された)アミノ酸を介して各々の成分によって提供される。カチオン性成分又はポリマー担体の任意の更なる成分がペプチド又はタンパク質である場合には、−SH部分は、少なくとも1つのシステイン残基によって提供されることが好ましい。或いは、各々のポリマー担体の成分が少なくとも1つのそのような−SH部分を担持するように、ポリマー担体の成分が、好ましくは−SH部分を担持する化合物との化学反応を介して−SH部分によって修飾されていてもよい。そのような−SH部分を担持する化合物は、例えば、(追加の)システイン、又は任意の更なる(修飾)アミノ酸又は−SH部分を担持するポリマー担体の成分の化合物であってもよい。そのような化合物はまた、本明細書で定義する成分に−SH部分を導入することを許容する任意の非アミノ化合物又は部分であってもよい。そのような非アミノ化合物は、例えば、3−チオプロピオン酸又は2−イミノチオラントラウト試薬)の結合により、アミド生成(例えば、カルボン酸スルホン酸、アミン等)により、マイケル付加(例えば、マレインイミド部分、α,β−不飽和カルボニル等)により、クリック化学(例えば、アジド又はアルキン)により、アルケン/アルキンメタセシス(例えば、アルケン又はアルキン)、イミン又はヒドラゾン形成(アルデヒド又はケトンヒドラジンヒドロキシルアミン、アミン)、複合体形成反応(アビジンビオチンプロテインG)、又はSn型置換反応を許容する化合物(例えば、ハロゲン化アルカンチオールアルコール、アミン、ヒドラジドスルホン酸エステル、オキシホスホニウム塩)又は更なる成分の連結に利用できる他の化学的部分による化合物の化学反応又は結合を介して、本発明に係るポリマー担体の成分に連結されていてもよい。場合によっては、−SH部分は、成分への化学結合の間は保護基によって覆われていてもよい。そのような保護基は、当技術分野において既知であり、化学的結合の後に除去されてもよい。いずれの場合も、例えば、システイン、又は任意の更なる(修飾された)アミノ酸又は化合物の−SH部分は、ポリマー担体の成分の任意の位置において末端又は内部に存在していてもよい。本明細書で定義するように、ポリマー担体の各々の成分は、典型的には、少なくとも1つの−SH基を提示するが、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の−SH部分を含んでいてもよい。カチオン性成分の結合に加え、−SH部分は、本明細書で定義する本発明のワクチンのポリマー担体の更なる成分、特にアミノ酸成分、例えば、抗原エピトープ、抗原、抗体、細胞透過性ペプチド(例えば、TAT)、及びリガンド等を連結するのに使用されてもよい。

0067

上記で定義するように、本発明のワクチンの複合少なくとも1つのmRNAを複合体化するのに使用され得るポリマー担体は、ジスルフィド架橋したカチオン性(又はポリカチオン性)成分により形成されてもよい。

0068

1つの第1の代替例によれば、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAを複合体化するために使用され得るポリマー担体の少なくとも1つのカチオン性(又はポリカチオン性)成分は、カチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質から選択され得る。そのようなカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質は、好ましくは、約3〜100のアミノ酸長、好ましくは約3〜50のアミノ酸長、より好ましくは約3〜25、例えば、約3〜10、5〜15、10〜20、又は15〜25のアミノ酸長である。代替的に又は付加的に、そのようなカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質は、約0.5kDa〜約100kDa、好ましくは約10kDa〜約50kDa、更により好ましくは約10kDa〜約30kDaの分子量を含む、約0.01kDa〜100kDaの分子量を提示してもよい。

0069

本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAを複合体化するために使用され得るポリマー担体のカチオン性成分が、カチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質を含む特定の場合には、ポリマー担体が完全にカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質からなる場合は、カチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質、或いは全てのポリマー担体のカチオン特性は、そのカチオン性アミノ酸の含有量により決定され得る。好ましくは、カチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質、及びポリマー担体の少なくともいずれか中のカチオン性アミノ酸の含有量は、少なくとも10%、20%又は30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、60%又は70%であるが、少なくとも80%、90%、或いは更に95%、96%、97%、98%、99%又は100%もまた好ましく、最も好ましくは、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%であり、又は、約10%〜90%の範囲であってもよく、より好ましくは約15%〜75%の範囲、更により好ましくは20%〜50%の範囲、例えば、20%、30%、40%又は50%、又は、任意の2種の前述の値によって形成される範囲である(但し、カチオン性又はカチオン性のペプチド又はタンパク質中、或いは全てのポリマー担体中の、全アミノ酸、例えばカチオン性アミノ酸、親油性アミノ酸、親水性アミノ酸芳香族性アミノ酸、及び更なるアミノ酸の含有量は、ポリマー担体がカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質である場合には、100%とする)。

0070

好ましくは、少なくとも1つの−SH部分を含むか、又は少なくとも1つの−SH部分を含むように追加修飾された、ポリマー担体のそのようなカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質は、これらに限定はされないが、プロタミン、ヌクレオリン、スペルミン又はスペルミジン、オリゴ−又はポリ−L−リジン(PLL)、塩基性ポリペプチド、オリゴ又はポリアルギニン等のカチオン性のペプチド又はタンパク質、細胞透過性ペプチド(CPP)、トランスポータン又はMPGペプチド等のキメラCPP、HIV結合ペプチド、Tat、HIV−1 Tat(HIV)、Tat由来ペプチド、例えばペネトラチン、アンテナペディア由来ペプチド(特にショウジョウバエアンテナペディア由来)、pAntp及びpIsl等のペネトラチンファミリーのメンバー、並びに、例えばブフォリン2、Bac715−24、SynB、SynB(1)、pVEC、hCT由来ペプチド、SAP、MAP、PpTG20、ロリゴマー、FGF、ラクトフェリン、ヒストン、VP22由来又は類似のペプチド、ペストウイルスのErns、HSV、VP22(単純ヘルペス)、MAP、KALA又はタンパク質形質導入ドメイン(PTD)、PpT620、プロリンに富むペプチド、アルギニンに富むペプチド、リジンに富むペプチド、Pep−1、L−オリゴマー、及びカルシトニンペプチド等の抗菌剤由来のCPPから選択される。

0071

代替的に又は付加的に、少なくとも1つの−SH基を含むか、又は少なくとも1つの−SH部分を含むように追加修飾された、ポリマー担体のそのようなカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質は、これらに限定はされないが、以下の合計式(I)を有する以下のカチオン性ペプチドから選択される。

0072

{(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x}

0073

ここで、l+m+n+o+x=3〜100であり、l、m、n又はoは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21〜30、31〜40、41〜50、51〜60、61〜70、71〜80、81〜90及び91〜100から選択される任意の数であり(但し、Arg(アルギニン)、Lys(リジン)、His(ヒスチジン)及びOrn(オルニチン)の総含有量がオリゴペプチドの全アミノ酸の少なくとも10%を占める)、Xaaは、Arg、Lys、His又はOrnを除くネイティブの(天然の)又は非ネイティブのアミノ酸から選択され、xは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21〜30、31〜40、41〜50、51〜60、61〜70、71〜80及び81〜90から選択される任意の数である(但し、Xaaの総含有量がオリゴペプチドの全アミノ酸の90%を超えない)。Arg、Lys、His、Orn 及びXaaのいずれのアミノ酸がペプチドのどの場所に配置されてもよい。これに関連して、7アミノ酸〜30アミノ酸の範囲のカチオン性のペプチド又はタンパク質が特に好ましい。この式の更に好ましいペプチドは、例えば、Arg7、Arg8、Arg9、Arg12、His3Arg9、Arg9His3、His3Arg9His3、His6Arg9His6、His3Arg4His3、His6Arg4His6、TyrSer2Arg9Ser2Tyr、(ArgLysHis)4及びTyr(ArgLysHis)2Arg等のオリゴアルギニンである。

0074

特定の好ましい実施形態によれば、上記の実験的合計式(I)を有するポリマー担体のカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質は、これらに限定はされないが、以下の式の下位群の少なくとも1つを含む。

0075

Arg7、Arg8、Arg9、Arg10、Arg11、Arg12、Arg13、Arg14、Arg15−30、Lys7、Lys8、Lys9、Lys10、Lys11、Lys12、Lys13、Lys14、Lys15−30、His7、His8、His9、His10、His11、His12、His13、His14、His15−30、Orn7、Orn8、Orn9、Orn10、Orn11、Orn12、Orn13、Orn14、Orn15−30

0076

更なる特に好ましい実施形態では、上記の実験的合計式(I)を有し、少なくとも1つの−SH部分を含むか、又は少なくとも1つの−SH部分を含むように追加修飾された、ポリマー担体のカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質は、これらに限定はされないが、以下の式の下位群の少なくとも1つを含む。以下の式は(実験式(I)と同様に)、何らのアミノ酸順序を規定していないが、各々のペプチドの成分としてのアミノ酸(の数)を排他的に規定することによって、実験式を反映するように意図されている。従って、一例として、実験式Arg(7−29)Lys1は、この式に該当するペプチドが7〜19のアルギニン残基、及び1つのLys残基を如何なる順序あれ含むことを意味することを意図している。ペプチドが7つArg残基と1つのLys残基とを含む場合は、7つのArg残基と1つのLys残基とを有する全て変異型包含される。Lys残基はそれ故、例えば7つのArg及び1つのLys残基からなる8アミノ酸長の配列のどこにでも配置することができる。下位群は、好ましくは以下を含む。

0077

Arg(4−29)Lys1、Arg(4−29)His1、Arg(4−29Orn1、Lys(4−29)His1、Lys(4−29)Orn1、His(4−29)Orn1、Arg(3−28)Lys2、Arg(3−28)His2、Arg(3−28)Orn2、Lys(3−28)His2、Lys(3−28)Orn2、His(3−28)Orn2、Arg(2−27)Lys3、Arg(2−27)His3、Arg(2−27)Orn3、Lys(2−27)His3、Lys(2−27)Orn3、His(2−27)Orn3、Arg(1−26)Lys4、Arg(1−26)His4、Arg(1−26)Orn4、Lys(1−26)His4、Lys(1−26)Orn4、His(1−26)Orn4、

0078

Arg(3−28)Lys1His1、Arg(3−28)Lys1Orn1、Arg(3−28)His1Orn1、Arg1Lys(3−28)His1、Arg1Lys(3−28)Orn1、Lys(3−28)His1Orn1、Arg1Lys1His(3−28)、Arg1His(3−28)Orn1、Lys1His(3−28)Orn1、

0079

Arg(2−27)Lys2His1、Arg(2−27)Lys1His2、Arg(2−27)Lys2Orn1、Arg(2−27)Lys1Orn2、Arg(2−27)His2Orn1、Arg(2−27)His1Orn2、Arg2Lys(2−27)His1、Arg1Lys(2−27)His2、Arg2Lys(2−27)Orn1、Arg1Lys(2−27)Orn2、Lys(2−27)His2Orn1、Lys(2−27)His1Orn2、Arg2Lys1His(2−27)、Arg1Lys2His(2−27)、Arg2His(2−27)Orn1、Arg1His(2−27)Orn2、Lys2His(2−27)Orn1、Lys1His(2−27)Orn2、

0080

Arg(1−26)Lys3His1、Arg(1−26)Lys2His2、Arg(1−26)Lys1His3、Arg(1−26)Lys3Orn1、Arg(1−26)Lys2Orn2、Arg(1−26)Lys1Orn3、Arg(1−26)His3Orn1、Arg(1−26)His2Orn2、Arg(1−26)His1Orn3、Arg3Lys(1−26)His1、Arg2Lys(1−26)His2、Arg1Lys(1−26)His3、Arg3Lys(1−26)Orn1、Arg2Lys(1−26)Orn2、Arg1Lys(1−26)Orn3、Lys(1−26)His3Orn1、Lys(1−26)His2Orn2、Lys(1−26)His1Orn3、Arg3Lys1His(1−26)、Arg2Lys2His(1−26)、Arg1Lys3His(1−26)、Arg3His(1−26)Orn1、Arg2His(1−26)Orn2、Arg1His(1−26)Orn3、Lys3His(1−26)Orn1、Lys2His(1−26)Orn2、Lys1His(1−26)Orn3、

0081

Arg(2−27)Lys1His1Orn1、Arg1Lys(2−27)His1Orn1、Arg1Lys1His(2−27)Orn1、Arg1Lys1His1Orn(2−27) 、

0082

Arg(1−26)Lys2His1Orn1、Arg(1−26)Lys1His2Orn1、Arg(1−26)Lys1His1Orn2、Arg2Lys(1−26)His1Orn1、Arg1Lys(1−26)His2Orn1、Arg1Lys(1−26)His1Orn2、Arg2Lys1His(1−26)Orn1、Arg1Lys2His(1−26)Orn1、Arg1Lys1His(1−26)Orn2、Arg2Lys1His1Orn(1−26)、Arg1Lys2His1Orn(1−26)、Arg1Lys1His2Orn(1−26)

0083

更なる特定の好ましい実施形態では、上記の実験的合計式(I)を有し、少なくとも1つの−SH部分を含むか、又は少なくとも1つの−SH部分を含むように追加修飾された、ポリマー担体のカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質は、これらに限定はされないが、一般式Arg7(R7とも称する)、Arg9(R9とも称する)、及びArg12(R12とも称する)からなる下位群から選択される。

0084

1つの更なる特定の好ましい実施形態では、ポリマー担体のカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質は、上記の式{(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x}(式(I))に従って定義され、少なくとも1つの−SH部分を含むか、又は少なくとも1つの−SH部分を含むように追加修飾されている場合には、これらに限定はされないが、次の下位式(Ia)から選択される。

0085

{(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa’)x (Cys)y} 式(Ia)

0086

ここで、(Arg)l、(Lys)m、(His)n、(Orn)o及びxは、本明細書に定義するものであり、Xaa’は、Arg、Lys、His、Orn又はCysを除くネイティブの(天然の)又は非ネイティブのアミノ酸から選択され、yは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21〜30、31〜40、41〜50、51〜60、61〜70、71〜80及び81〜90から選択される任意の数である(但し、Arg(アルギニン)、Lys(リジン)、His(ヒスチジン)及びOrn(オルニチン)の総含有量がオリゴペプチドの全アミノ酸の少なくとも10%を占める)。

0087

この実施形態は、例えば上記の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x(式(I))に従って定義する場合に、ポリマー担体のカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質が、カチオン性成分としてのカチオン性又はポリカチオン性のペプチドがポリマー担体の他の成分とジスルフィド結合を形成可能な少なくとも1つのシステインを担持するように、上記の意味における−SH部分として、少なくとも1つのシステインを含むか、又は少なくとも1つのシステインで修飾されていることを特徴とする状況に適用され得る。

0088

別の特定の好ましい実施形態では、ポリマー担体のカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質は、上記の式{(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x}(式(I))に従って定義する場合には、これらに限定はされないが、次の下位式(Ib)から選択される。

0089

Cys1 {(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x} Cys2 式(Ib)

0090

ここで、実験式{(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x}(式(I))は、本明細書で定義するものであり、(半経験的な実験)式(I)に従ったアミノ酸配列の中核部を形成し、Cys1及びCys2は、(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xの近位又は末端にあるシステインである。例示的な実施例は、2つのCysが隣接して配置された上記のいずれかの配列、及び以下の配列を含むことができる。

0091

CysArg7Cys Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:1)
CysArg8Cys Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:2)
CysArg9Cys: Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:3)
CysArg10Cys Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:4)
CysArg11Cys Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:5)
CysArg12Cys: Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:6)
CysArg13Cys: Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:7)
CysArg14Cys: Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:8)
CysArg15Cys: Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:9)
CysArg16Cys: Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:10)
CysArg17Cys: Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:11)
CysArg18Cys: Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:12)
CysArg19Cys: Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Cys (配列番号:13)
CysArg20Cys: Cys−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg Cys (配列番号:14)

0092

この実施形態は、例えば上記の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x(式(I))に従って定義する場合に、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAを複合体化するために使用され得るポリマー担体のカチオン性又はポリカチオン性のペプチド又はタンパク質が、本発明のポリマー担体のカチオン性又はポリカチオン性のペプチドがポリマー担体の他の成分とジスルフィド結合を形成可能な少なくとも2つの(末端の)システインを担持するように、上記の意味における−SH部分としての少なくとも2つのシステインで修飾されていることを特徴とする状況に適用され得る。

0093

第2の代替例によれば、ポリマー担体の少なくとも1つのカチオン性(又はポリカチオン性)成分は、例えば、これに関連して好適な任意の(非ペプチド性の)カチオン性又はポリカチオン性のポリマーから選択され得る(但し、この(非ペプチド性の)カチオン性又はポリカチオン性のポリマーは、カチオン性又はポリカチオン性のポリマーと本明細書に定義するポリマー担体の他の成分とのジスルフィド結合を提供する、少なくとも1つの−SH部分を提示するか、又はそれを提示するように修飾されている)。従って、同様に本明細書で定義するように、ポリマー担体は、同一又は異なるカチオン性又はポリカチオン性のポリマーを含んでいてもよい。

0094

ポリマー担体のカチオン性成分が(非ペプチド性の)カチオン性又はポリカチオン性のポリマーを含む特定の場合には、(非ペプチド性の)カチオン性又はポリカチオン性のポリマーのカチオン特性は、カチオン性ポリマーの成分の全体の電荷と比較した場合のカチオン性の電荷量により決定され得る。好ましくは、(生理学的)pHでのカチオン性ポリマーにおけるカチオン性の電荷量は、少なくとも10%、20%又は30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、60%又は70%であるが、少なくとも80%、90%、或いは更に95%、96%、97%、98%、99%又は100%もまた好ましく、最も好ましくは、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%であり、又は、約10%〜90%の範囲であってもよく、より好ましくは約30%〜100%の範囲、更に好ましくは50%〜100%の範囲、例えば、50%、60%、70%、80%、90%又は100%、又は、任意の2種の前述の値によって形成される範囲である(但し、全ての電荷量、例えば、全体のカチオン性ポリマーにおける本明細書で定義する(生理学的)pHでの正及び負の電荷を100%とする)。

0095

好ましくは、ポリマー担体の(非ペプチド性)カチオン性成分は、典型的には0.1kDa又は0.5kDaの分子量、好ましくは約1kDa〜約75kDa、より好ましくは約5kDa〜約50kDa、更により好ましくは約5kDa〜約30kDaの分子量、又は、約10kDa〜約50kDa、更により好ましくは約10kDa〜約0kDaの分子量を示すカチオン性又はポリカチオン性のポリマーを表す。加えて、(非ペプチド性)のカチオン性又はポリカチオン性のポリマーは、典型的には、本明細書に定義するポリマー担体の他のカチオン性成分又は他の成分との縮合によってジスルフィド結合を形成可能な少なくとも1つの−SH部分を提示する。

0096

上記に関連して、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAを複合体化するために使用され得るポリマー担体の(非ペプチド性の)カチオン性成分は、アクリレート、pDMAEMA(ポリ(ジメチルアミノエチルメチルアクリレート))等の修飾アクリレート、キトサン、アジリジン、又は2−エチル−2−オキサゾリンオリゴエチレンイミン又は修飾オリゴエチレンイミンを形成する)、ビスアクリレートとオリゴβアミノエステル又はポリアミドアミンを形成するアミンとの反応により得られるポリマー、或いは、ポリエステル及びポリカーボネート等の他のポリマーから選択され得る。これらの(非ペプチド性の)カチオン性又はポリカチオン性のポリマーの各分子は、典型的には、少なくとも1つの−SH部分を提示してもよく、ここで、これらの少なくとも−SHは、例えば、イミノチオラン、3−チオプロピオン酸、或いは、システイン又は任意の更なる(修飾)アミノ酸等の−SH部分含有アミノ酸の導入等の化学修飾によって、前記(非ペプチド性の)カチオン性又はポリカチオン性のポリマーに導入されてもよい。そのような−SH部分は、好ましくは上記で既に定義したものである。

0097

ポリマー担体に関連して、ジスルフィド架橋により本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAを複合体化するために使用され得るポリマー担体の基礎を形成するカチオン性成分は、互いに同一であっても異なっていてもよい。本発明のポリマー担体が、カチオン性のペプチド、タンパク質又はポリマーと、任意に、本明細書に記載するようにジスルフィド結合によって架橋された本明細書で定義するような更なる成分との混合物を含むことも特に好ましい。

0098

これに関連して、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAを複合体化するために使用され得る本発明のポリマー担体は、異なる(短い)カチオン性又はポリカチオン性のペプチド、タンパク質又はポリマー、或いは他の成分の所望の特性を組み合わせることを許容する。ポリマー担体は、例えば、アジュバント治療のための核酸の効率的なトランスフェクションの目的のため、遺伝子ノックダウンのための遺伝子治療の目的のため、又は他の方法のために、特にインビトロにおける異なる細胞株への核酸の効率的なトランスフェクションのみならず、特にインビボにおけるトランスフェクションを示すために、活性を失うことなく、核酸を効率的に凝縮することを許容する。ポリマー担体は、更に細胞への毒性がなく、その核酸カーゴ(cargo)の効率的な放出を提供し、凍結乾燥の間安定であり、免疫刺激剤又はアジュバントとして適用可能である。これに関連して、本発明のポリマー担体の成分は、誘導されたサイトカインパターンを決定することができるような方法で変化させることができる。

0099

具体的には、ジスルフィド結合したカチオン性成分によって形成されたポリマー担体は、例えば、ポリマー担体に、同一又は異なるカチオン性のペプチド又はポリマーをカチオン性成分として導入し、及び任意に他の成分を追加することによって、そのペプチド又はポリマー含有量を大幅に変化させ、これによってその生物物理学的生化学的特性、特に、ポリマー担体のカチオン特性を、極めて簡単かつ迅速に調節することを許容する。非常に小さい非毒性のモノマー単位からなるにもかかわらず、ポリマー担体は、核酸カーゴ及び複合体の安定性として、mRNAの強い縮合を提供する長いカチオン性結合配列を形成する。細胞質ゾルの還元条件下(例えば細胞質GSH)では、複合体は、急速にその(カチオン性)成分へと分解され、これは更に分解される(例えばオリゴペプチド)。これは、細胞質ゾル中の核酸カーゴの熟議を支持する。より高分子のオリゴペプチド又はポリマー、例えば高分子ポリアルギニンで知られているように、細胞質ゾルにおける小さなオリゴペプチド又はポリマーへの分解に起因する毒性は観察されない。

0100

従って、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAを複合体化するために使用され得るポリマー担体は、任意に本明細書で定義する更なる成分とともに、上記のカチオン性又はポリカチオン性のペプチド、タンパク質又は(非ペプチド性の)ポリマーから選択される異なる(短い)カチオン性又はポリカチオン性のペプチド、タンパク質又はポリマーを含んでいてもよい。

0101

加えて、本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAを複合体化するために使用され得るポリマー担体、より好ましくは、ジスルフィド架橋を介してポリマー担体の基礎を形成する少なくとも1つの異なる(短い)カチオン性又はポリカチオン性のペプチド又は(非ペプチド性の)ポリマーは、好ましくは、ジスルフィド架橋の前に少なくとも1つの更なる成分によって修飾されていてもよい。或いは、そのようなポリマー担体は、少なくとも1つの更なる成分によって修飾されていてもよい。それはまた、典型的には、ジスルフィド架橋を介して上記で定義した他の(短い)カチオン性又はポリカチオン性のペプチドとともにポリマー担体のジスルフィドを形成する、少なくとも1つの更なる成分を任意的に含んでいてもよい。

0102

上記で定義するカチオン性又はポリカチオン性のペプチド或いは(非ペプチド性の)ポリマーの修飾を許容するために、ポリマー担体の各成分はまた、(好ましくは既にジスルフィド架橋の前に)少なくとも1つの更なる官能基を含んでいてもよく、これは本明細書で定義するような更なる成分の連結を許容する。そのような官能基は、例えば、アミド生成(例えば、カルボン酸、スルホン酸、アミン等)により、マイケル付加(例えば、マレインイミド部分、α,β−不飽和カルボニル等)により、クリック化学(例えば、アジド又はアルキン)により、アルケン/アルキンメタセシス(例えば、アルケン又はアルキン)、イミン又はヒドラゾン形成(アルデヒド又はケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミン)、複合体形成反応(アビジン、ビオチン、プロテインG)、又はSn型置換反応を許容する化合物(例えば、ハロゲン化アルカン、チオール、アルコール、アミン、ヒドラジド、スルホン酸エステル、オキシホスホニウム塩)又は更なる成分の連結に利用できる他の化学的部分により、例えば本明細書で定義する官能基等の更なる成分の連結を許容する官能基から選択され得る。

0103

特に好ましい実施形態では、ポリマー担体に含まれ得る、及び本発明のワクチンの少なくとも1つのワクチンを複合体化するために使用され得るか又は異なる(短い)カチオン性又はポリカチオン性のペプチド又は(非ペプチド性の)ポリマーを修飾するために使用され得る、ポリマー担体の基礎又は本明細書で定義するポリマー担体の生物物理学的/生化学的特性を形成する更なる成分は、アミノ酸成分(AA)である。本発明によれば、アミノ酸成分(AA)は、好ましくは、約1〜100の範囲、好ましくは約1〜50の範囲、より好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15〜20を含む数から選択される数のアミノ酸を含むか、又は、任意の2種の前述の値によって形成される範囲から選択され得る。これに関連して、アミノ酸成分(AA)のアミノ酸は、互いに独立して選択することができる。例えば、ポリマー担体中に2つ以上の(AA)成分が存在する場合、それらは互いに同一であってもよく、又は互いに異なっていてもよい。

0104

アミノ酸成分(AA)は、ジスルフィド結合を介してこの成分(AA)を本明細書で定義するポリマー担体に導入することを許容する、−SH含有部分を含んでいてもよく、又は−SH含有部分が(例えば、末端に)隣接して配置されていてもよい。−SH含有部分がシステインを表す場合には、アミノ酸成分(AA)はまた、−Cys−(AA)−Cys−として解されてもよく、ここで、Cysはシステインを表し、ジスルフィド結合のために必要な−SH部分を提供する。−SH含有部分はまた、上記のようなカチオン性成分又はいずれかのその成分のためのいずれかの修飾又は反応を使用して、アミノ酸成分(AA)に導入してもよい。

0105

更に、例えば、アミノ酸成分(AA)が2つの更なる成分の間のリンカーとして(例えば、2つのカチオン性ポリマーのリンカーとして)使用される場合には、アミノ酸成分(AA)は、ジスルフィド結合を介して2つの官能基を結合することを許容するために、例えば、式HS−(AA)−SHで表される形態で2つの−SH基(又はそれ以上)によって提供されてもよい。この場合、1つの−SH部分は、好ましくは最初の工程において当技術分野で既知の保護基を用いて保護され、式HS−(AA)−S−保護基のアミノ酸成分(AA)を導く。次いで、アミノ酸成分(AA)は、保護されていない−SH部分を介して第1のジスルフィド結合を形成するために、ポリマー担体の更なる成分に結合されてもよい。保護された−SH部分が、次いで、典型的に脱保護され、ポリマー担体の更なる成分の更なる遊離−SH部分に結合されて第2のジスルフィド結合を形成する。

0106

或いは、アミノ酸成分(AA)は、ポリマー担体の他の成分について既に上述した他の官能基に備えられていてもよく、これは、ポリマー担体の任意の成分へのアミノ酸成分(AA)の結合を許容する。

0107

よって、本発明によれば、アミノ酸成分(AA)は、ジスルフィド結合を用いて又は用いずに本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAを複合体化するために使用され得るポリマー担体の更なる成分に結合されてもよい。ジスルフィド結合を用いることのない結合は、上記のいずれかの反応によって、好ましくはアミノ酸成分(AA)を本明細書で定義するアミド化学を使用してポリマー担体の他の成分へと結合することによって行われてもよい。要望又は必要に応じて、アミノ酸成分(AA)の他方の末端、例えばN末端又はC末端は、他の成分、例えばリガンドLを連結するために使用されてもよい。この目的のために、アミノ酸成分(AA)の他の末端は、好ましくは、例えばクリック化学を介して他の成分を付加するために使用され得る例えばアルキン種(上記参照)等の更なる官能基を含むか又はそれを含むように修飾されている。リガンドが酸に不安定な結合を介して結合されている場合、該結合は好ましくはエンドソーム内で切断され、ポリマー担体がその表面にアミノ酸成分(AA)を提示する。

0108

アミノ酸成分(AA)は、例えば、全てが好ましくは本明細書で定義するカチオン性成分の間のリンカーとして、例えば、1つのカチオン性ペプチドと更なるカチオン性ペプチドとの間のリンカーとして、1つのカチオン性ポリマーと更なるカチオン性ポリマーとの間のリンカーとして、上記で定義する本発明のワクチンの少なくとも1つのmRNAを複合体化するために使用され得るポリマー担体の更なる成分として存在してもよく、又は、例えば、アミノ酸成分(AA)をポリマー担体又はその成分に例えば側鎖やSH部分を介して、又は本明細書で定義する更なる部分を介して結合することによる、ポリマー担体の追加の成分として存在してもよく、ここで、アミノ酸成分(AA)は、好ましくはそれに応じて修飾されている。

0109

更なる特に好ましい代替例によれば、アミノ酸成分(AA)は、ポリマー担体、特に上記で定義するポリマー担体中のカチオン性成分の含有量を修飾するために使用されてもよい。

0110

これに関連して、好ましくは、ポリマー担体中のカチオン性成分の含有量は、少なくとも10%、20%又は30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、60%又は70%であるが、少なくとも80%、90%、或いは更に95%、96%、97%、98%、99%又は100%もまた好ましく、最も好ましくは、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%であり、又は、約30%〜100%の範囲であってもよく、より好ましくは約50%〜100%の範囲、更により好ましくは70%〜100%の範囲、例えば、70%、80%、90%又は100%、又は、任意の2種の前述の値によって形成される範囲である(但し、全アミノ酸の含有量を100%とする)。

0111

本発明に関連して、アミノ酸成分(AA)は、次の選択肢から選択され得る。

0112

第1の代替例によれば、アミノ酸成分(AA)は、芳香族アミノ酸成分(AA)であってもよい。芳香族アミノ酸、又はアミノ酸の芳香族酸成分(AA)としての配列の、本発明のポリマー担体への組込みは、ポリマー担体分子のカチオン性帯電配列によるそのリン酸骨格への結合とは対照的に、芳香族アミノ酸の核酸カーゴの塩基との相互作用による、ポリマー担体の核酸への異なる(第2の)結合を可能にする。この相互作用は、例えば、インターカレーションにより、又は副溝(minor groove)結合又は主溝(major groove)結合により生じ得る。この種の相互作用は、インビボの細胞外マトリックスにおいて主に見られるアニオン性複合体化パートナー(例えば、ヘパリン、ヒアルロン酸)によって脱圧密化する傾向はなく、また塩の影響も受けにくい。

0113

この目的のために、芳香族アミノ酸成分(AA)中のアミノ酸は、例えばTrp、Tyr、又はPheから選択される同一又は異なる芳香族アミノ酸から選択され得る。或いは、アミノ酸(又は全芳香族アミノ酸成分(AA))は、以下のペプチドの組合せTrp−Tyr、Tyr−Trp、Trp−Trp、Tyr−Tyr、Trp−Tyr−Trp、Tyr−Trp−Tyr、Trp−Trp−Trp、Tyr−Tyr−Tyr、Trp−Tyr−Trp−Tyr、Tyr−Trp−Tyr−Trp、Trp−Trp−Trp−Trp、Phe−Tyr、Tyr−Phe、Phe−Phe、Phe−Tyr−Phe、Tyr−Phe−Tyr、Phe−Phe−Phe、Phe−Tyr−Phe−Tyr、Tyr−Phe−Tyr−Phe、Phe−Phe−Phe−Phe、Phe−Trp、Trp−Phe、Phe−Phe、Phe−Trp−Phe、Trp−Phe−Trp、Phe−Trp−Phe−Trp、Trp−Phe−Trp−Phe、又はTyr−Tyr−Tyr−Tyr等(配列番号:15〜42)から選択され得る。そのようなペプチドの組合せは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又はそれ以上の回数繰り返してもよい。これらのペプチドの組合せはまた、適切に互いに組み合わせてもよい。

0114

加えて、芳香族アミノ酸成分(AA)は、−SH含有部分を含んでもよく、又は−SH含有部分が隣接して配置されてもよく、これが、ジスルフィド結合を介して、この成分を上記で定義するポリマー担体の更なる部分、例えばリンカーとして導入するこを許容する。そのような−SH含有部分は、本明細書で定義する1つの成分を本明細書で定義する更なる成分に連結するのに好適な、本明細書で定義する任意の部分であってもよい。一例として、そのような−SH含有部分は、システインであってもよい。そして、例えば、芳香族アミノ酸成分(AA)は、例えばペプチドの組合せCys−Tyr−Cys、Cys−Trp−Cys、Cys−Trp−Tyr−Cys、Cys−Tyr−Trp−Cys、Cys−Trp−Trp−Cys、Cys−Tyr−Tyr−Cys、Cys−Trp−Tyr−Trp−Cys、Cys−Tyr−Trp−Tyr−Cys、Cys−Trp−Trp−Trp−Cys、Cys−Tyr−Tyr−Tyr−Cys、Cys−Trp−Tyr−Trp−Tyr−Cys、Cys−Tyr−Trp−Tyr−Trp−Cys、Cys−Trp−Trp−Trp−Trp−Cys、Cys−Tyr−Tyr−Tyr−Tyr−Cys、Cys−Phe−Cys、Cys−Phe−Tyr−Cys、Cys−Tyr−Phe−Cys、Cys−Phe−Phe−Cys、Cys−Tyr−Tyr−Cys、Cys−Phe−Tyr−Phe−Cys、Cys−Tyr−Phe−Tyr−Cys、Cys−Phe−Phe−Phe−Cys、Cys−Tyr−Tyr−Tyr−Cys、Cys−Phe−Tyr−Phe−Tyr−Cys、Cys−Tyr−Phe−Tyr−Phe−Cys、又はCys−Phe−Phe−Phe−Phe−Cys、Cys−Phe−Trp−Cys、Cys−Trp−Phe−Cys、Cys−Phe−Phe−Cys、Cys−Phe−Trp−Phe−Cys、Cys−Trp−Phe−Trp−Cys、Cys−Phe−Trp−Phe−Trp−Cys、Cys−Trp−Phe−Trp−Phe−Cys等から選択され得る。上記の各Cysはまた、本明細書で定義する遊離−SH部分を担持する任意の修飾されたペプチド又は化合物によって置き換えられてもよい(配列番号:43〜75)。そのようなペプチドの組合せは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又はそれ以上の回数繰り返してもよい。これらのペプチドの組合せはまた、適切に互いに組み合わせてもよい。

0115

加えて、芳香族アミノ酸成分(AA)は、芳香族アミノ酸成分(AA)中のTrp、Tyr及びPheの長い配列の構造ブレーカーとして機能し得る、少なくとも1つのプロリン、好ましくは2つ、3つ又はそれを超えるプロリンを含むか、又は表してもよい。

0116

第2の代替例によれば、アミノ酸成分(AA)は、親水性(及び好ましくは非荷電極性)アミノ酸成分(AA)であってもよい。親水性(及び好ましくは非荷電極性)アミノ酸、又はアミノ親水性(及び好ましくは非荷電極性)酸成分(AA)としての配列の、本発明のポリマー担体への組込みは、核酸カーゴへのより柔軟性のある結合を可能にする。これは、核酸カーゴのより効果的な圧密化をもたらし、よってヌクレアーゼ及び望まれない脱圧密化に対するより良好な保護をもたらす。それはまた、要望又は必要に応じて、全担体を通して減少したカチオン電荷を示する(長い)ポリマー担体の提供を許容し、これに関連して調節された結合特性を向上させる。

0117

この目的のために、親水性(及び好ましくは非荷電極性)アミノ酸成分(AA)中のアミノ酸は、例えばThr、Ser、Asn又はGlnから選択される同一又は異なる親水性(及び好ましくは非荷電極性)アミノ酸から選択され得る。或いは、アミノ酸(又は全親水性(及び好ましくは非荷電極性)アミノ酸(AA))は、以下のペプチドの組合せSer−Thr、Thr−Ser、Ser−Ser、Thr−Thr、Ser−Thr−Ser、Thr−Ser−Thr、Ser−Ser−Ser、Thr−Thr−Thr、Ser−Thr−Ser−Thr、Thr−Ser−Thr−Ser、Ser−Ser−Ser−Ser、Thr−Thr−Thr−Thr、Gln−Asn、Asn−Gln、Gln−Gln、Asn−Asn、Gln−Asn−Gln、Asn−Gln−Asn、Gln−Gln−Gln、Asn−Asn−Asn、Gln−Asn−Gln−Asn、Asn−Gln−Asn−Gln、Gln−Gln−Gln−Gln、Asn−Asn−Asn−Asn、Ser−Asn、Asn−Ser、Ser−Ser、Asn−Asn、Ser−Asn−Ser、Asn−Ser−Asn、Ser−Ser−Ser、Asn−Asn−Asn、Ser−Asn−Ser−Asn、Asn−Ser−Asn−Ser、Ser−Ser−Ser−Ser、又はAsn−Asn−Asn−Asn等(配列番号:76〜111)から選択され得る。そのようなペプチドの組合せは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又はそれ以上の回数繰り返してもよい。これらのペプチドの組合せはまた、適切に互いに組み合わせてもよい。

0118

加えて、親水性(及び好ましくは非荷電極性)アミノ酸成分(AA)は、−SH含有部分を含んでもよく、又は−SH含有部分が隣接して配置されてもよく、これが、ジスルフィド結合を介して、この成分を上記で定義するポリマー担体の更なる部分、例えばリンカーとして導入するこを許容する。そのような−SH含有部分は、本明細書で定義する1つの成分を本明細書で定義する更なる成分に連結するのに好適な、本明細書で定義する任意の部分であってもよい。一例として、そのような−SH含有部分は、システインであってもよい。そして、例えば、親水性(及び好ましくは非荷電極性)アミノ酸成分(AA)は、例えばペプチドの組合せCys−Thr−Cys、Cys−Ser−Cys、Cys−Ser−Thr−Cys、Cys−Thr−Ser−Cys、Cys−Ser−Ser−Cys、Cys−Thr−Thr−Cys、Cys−Ser−Thr−Ser−Cys、Cys−Thr−Ser−Thr−Cys、Cys−Ser−Ser−Ser−Cys、Cys−Thr−Thr−Thr−Cys、Cys−Ser−Thr−Ser−Thr−Cys、Cys−Thr−Ser−Thr−Ser−Cys、Cys−Ser−Ser−Ser−Ser−Cys、Cys−Thr−Thr−Thr−Thr−Cys、Cys−Asn−Cys、Cys−Gln−Cys、Cys−Gln−Asn−Cys、Cys−Asn−Gln−Cys、Cys−Gln−Gln−Cys、Cys−Asn−Asn−Cys、Cys−Gln−Asn−Gln−Cys、Cys−Asn−Gln−Asn−Cys、Cys−Gln−Gln−Gln−Cys、Cys−Asn−Asn−Asn−Cys、Cys−Gln−Asn−Gln−Asn−Cys、Cys−Asn−Gln−Asn−Gln−Cys、Cys−Gln−Gln−Gln−Gln−Cys、Cys−Asn−Asn−Asn−Asn−Cys、Cys−Asn−Cys、Cys−Ser−Cys、Cys−Ser−Asn−Cys、Cys−Asn−Ser−Cys、Cys−Ser−Ser−Cys、Cys−Asn−Asn−Cys、Cys−Ser−Asn−Ser−Cys、Cys−Asn−Ser−Asn−Cys、Cys−Ser−Ser−Ser−Cys、Cys−Asn−Asn−Asn−Cys、Cys−Ser−Asn−Ser−Asn−Cys、Cys−Asn−Ser−Asn−Ser−Cys、Cys−Ser−Ser−Ser−Ser−Cys、又はCys−Asn−Asn−Asn−Asn−Cys等から選択され得る。上記の各Cysはまた、本明細書で定義する遊離−SH部分を担持する任意の修飾されたペプチド又は化合物によって置き換えられてもよい。(配列番号:112〜153)そのようなペプチドの組合せは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15又はそれ以上の回数繰り返してもよい。これらのペプチドの組合せはまた、適切に互いに組み合わせてもよい。

0119

加えて、親水性(及び好ましくは非荷電極性)アミノ酸成分(AA)は、親水性(及び好ましくは非荷電極性)アミノ酸成分(AA)中のSer、Thr及びAsnの長い配列の構造ブレーカーとして機能し得る、少なくとも1つのプロリン、好ましくは2つ、3つ又はそれを超えるプロリンを含んでもよい。

0120

第3の代替例によれば、アミノ酸成分(AA)は、親油性アミノ酸成分(AA)であってもよい。親油性アミノ酸、又はアミノ親油性酸成分(AA)としての配列の、本発明のポリマー担体への組込みは、複合体を形成する際の核酸カーゴ及びポリマー担体の少なくともいずれか、及びその核酸カーゴのより強い圧密化を可能にする。これは、特にポリマー担体の1以上のポリマー鎖、特に親油性アミノ酸成分(AA)及び核酸カーゴの親油性部分の相互作用に起因する。この相互作用は、好ましくは、ポリマー担体とその核酸カーゴとの間の複合体に付加的な安定性を追加する。この安定化は、異なるポリマー鎖の間の一種非共有結合とは何等かの形で比較され得る。特に水性環境では、この相互作用は典型的に強く、顕著な効果を提供する。

0121

この目的のために、親油性アミノ酸成分(AA)中のアミノ酸は、例えばLeu、Val、Ile、Ala、及びMetから選択される同一又は異なる親油性アミノ酸から選択され得る。或いは、アミノ酸(又は全親油性アミノ酸成分(AA))は、以下のペプチドの組合せLeu−Val、Val−Leu、Leu−Leu、Val−Val、Leu−Val−Leu、Val−Leu−Val、Leu−Leu−Leu、Val−Val−Val、Leu−Val−Leu−Val、Val−Leu−Val−Leu、Leu−Leu−Leu−Leu、Val−Val−Val−Val、Ile−Ala、Ala−Ile、Ile−Ile、Ala−Ala、Ile−Ala−Ile、Ala−Ile−Ala、Ile−Ile−Ile、Ala−Ala−Ala、Ile−Ala−Ile−Ala、Ala−Ile−Ala−Ile、Ile−Ile−Ile−Ile、Ala−Ala−Ala−Ala、Met−Ala、Ala−Met、Met−Met、Ala−Ala、Met−Ala−Met、Ala−Met−Ala、Met−Met−Met、Ala−Ala−Ala、Met−Ala−Met−Ala、Ala−Met−Ala−Met、又はMet−Met−Met−Met等(配列番号:154〜188)から選択され得る。そのようなペプチドの組合せは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15又はそれ以上の回数繰り返してもよい。これらのペプチドの組合せはまた、適切に互いに組み合わせてもよい。

0122

加えて、親油性アミノ酸成分(AA)は、−SH含有部分を含んでもよく、又は−SH含有部分が隣接して配置されてもよく、これが、ジスルフィド結合を介して、この成分を上記で定義するポリマー担体の更なる部分、例えばリンカーとして導入するこを許容する。そのような−SH含有部分は、本明細書で定義する1つの成分を本明細書で定義する更なる成分に連結するのに好適な、本明細書で定義する任意の部分であってもよい。一例として、そのような−SH含有部分は、システインであってもよい。そして、例えば、親油性アミノ酸成分(AA)は、例えばペプチドの組合せCys−Val−Cys、Cys−Leu−Cys、Cys−Leu−Val−Cys、Cys−Val−Leu−Cys、Cys−Leu−Leu−Cys、Cys−Val−Val−Cys、Cys−Leu−Val−Leu−Cys、Cys−Val−Leu−Val−Cys、Cys−Leu−Leu−Leu−Cys、Cys−Val−Val−Val−Cys、Cys−Leu−Val−Leu−Val−Cys、Cys−Val−Leu−Val−Leu−Cys、Cys−Leu−Leu−Leu−Leu−Cys、Cys−Val−Val−Val−Val−Cys、Cys−Ala−Cys、Cys−Ile−Cys、Cys−Ile−Ala−Cys、Cys−Ala−Ile−Cys、Cys−Ile−Ile−Cys、Cys−Ala−Ala−Cys、Cys−Ile−Ala−Ile−Cys、Cys−Ala−Ile−Ala−Cys、Cys−Ile−Ile−Ile−Cys、Cys−Ala−Ala−Ala−Cys、Cys−Ile−Ala−Ile−Ala−Cys、Cys−Ala−Ile−Ala−Ile−Cys、Cys−Ile−Ile−Ile−Ile−Cys、又はCys−Ala−Ala−Ala−Ala−Cys、Cys−Met−Cys、Cys−Met−Ala−Cys、Cys−Ala−Met−Cys、Cys−Met−Met−Cys、Cys−Ala−Ala−Cys、Cys−Met−Ala−Met−Cys、Cys−Ala−Met−Ala−Cys、Cys−Met−Met−Met−Cys、Cys−Ala−Ala−Ala−Cys、Cys−Met−Ala−Met−Ala−Cys、Cys−Ala−Met−Ala−Met−Cys、Cys−Met−Met−Met−Met−Cys、又はCys−Ala−Ala−Ala−Ala−Cys等から選択され得る。上記の各Cysはまた、本明細書で定義する遊離−SH部分を担持する任意の修飾されたペプチド又は化合物によって置き換えられてもよい(配列番号:189〜229)。そのようなペプチドの組合せは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15又はそれ以上の回数繰り返してもよい。これらのペプチドの組合せはまた、適切に互いに組み合わせてもよい。

0123

加えて、親油性アミノ酸成分(AA)は、親油性アミノ酸成分(AA)中のLeu、Val、Ile、Ala及びMetの長い配列の構造ブレーカーとして機能し得る、少なくとも1つのプロリン、好ましくは2つ、3つ又はそれを超えるプロリンを含んでもよい。

0124

最後に、第4の代替例によれば、アミノ酸成分(AA)は、弱塩基性アミノ酸成分(AA)であってもよい。弱塩基性アミノ酸、又は弱塩基性アミノ酸成分(AA)としての配列の、本発明のポリマー担体への組込みは、プロトンスポンジとして機能し、エンドソームエスケープ(エンドソーム放出とも呼ばれる)を促進し得る(プロトンスポンジ効果)。そのような弱塩基性アミノ酸成分(AA)の取込みは、好ましくはトランスフェクション効率を向上させる。

0125

この目的のために、弱塩基性アミノ酸成分(AA)中のアミノ酸は、例えばヒスチジン又はアスパラギン酸塩アスパラギン酸)から選択される同一又は異なる弱いアミノ酸から選択され得る。或いは、弱塩基性アミノ酸(又は全弱塩基性アミノ酸成分(AA))は、以下のペプチドの組合せAsp−His、His−Asp、Asp−Asp、His−His、Asp−His−Asp、His−Asp−His、Asp−Asp−Asp、His−His−His、Asp−His−Asp−His、His−Asp−His−Asp、Asp−Asp−Asp−Asp、又はHis−His−His−His等(配列番号:230〜241)から選択され得る。そのようなペプチドの組合せは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15又はそれ以上の回数繰り返してもよい。これらのペプチドの組合せはまた、適切に互いに組み合わせてもよい。

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