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図面 (20)

課題

筋ジストロフィー、特にデュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)を治療するための方法および組成物の提供。

解決手段

DMDに関する少なくとも1つの症状または特徴が、強度、重症度、もしくは頻度において減少されるように、または遅延された発症を有するように、DMDを患っている個体またはDMDに罹患しやすい個体に、有効量の組換えフォリスタチンタンパク質投与する。組換えフォリスタチンタンパク質が、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む。組換えフォリスタチンタンパク質が、前記野生型ヒトフォリスタチンタンパク質と比較した場合に1つ以上の欠失突然変異、または挿入を含む。組換えフォリスタチンタンパク質がFcドメインに融合されている。

概要

背景

背景
デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)は、筋ジストロフィーX連鎖劣性遺伝型であり、結果として筋肉変性および最終的に死をもたらす。この障害は、細胞膜ジストログリカン複合体(DGC)に構造的定性を提供する筋組織内の重要な構造成分であるタンパク質ジストロフィンをコードする、ヒトX染色体上に位置するジストロフィン遺伝子における突然変異によって引き起こされる。ジストロフィンは、細胞質内部のアクチンフィラメントネットワークおよび細胞外マトリックスを連結し、筋線維物理的な強度を提供する。したがって、ジストロフィンの変化または不在は、異常な筋線維膜機能を結果としてもたらす。男性女性共に突然変異を保有し得るが、少年は典型的には、早期障害および死亡を伴う重症表現型を有し、これに対して突然変異を保有する女性は典型的には、はるかに軽度の表現型を呈する。

現在、DMDに対する既知治療法はない。遺伝子療法およびコルチコステロイドの様々な投与プロトコールを含む多くの治療的手段が検討されてきた。これらの治療法のいくつかは、ある特定の徴候および症状を遅延させ得るが、現在のところDMD患者にとって満足のいく治療選択肢は存在しない。

概要

筋ジストロフィー、特にデュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)を治療するための方法および組成物の提供。DMDに関する少なくとも1つの症状または特徴が、強度、重症度、もしくは頻度において減少されるように、または遅延された発症を有するように、DMDを患っている個体またはDMDに罹患しやすい個体に、有効量の組換えフォリスタチンタンパク質を投与する。組換えフォリスタチンタンパク質が、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む。組換えフォリスタチンタンパク質が、前記野生型ヒトフォリスタチンタンパク質と比較した場合に1つ以上の欠失、突然変異、または挿入を含む。組換えフォリスタチンタンパク質がFcドメインに融合されている。なし

目的

この障害は、細胞膜のジストログリカン複合体(DGC)に構造的安定性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)を治療する方法であって、DMDに関する少なくとも1つの症状または特徴が、強度、重症度、もしくは頻度において減少されるように、または遅延された発症を有するように、DMDを患っている個体またはDMDに罹患しやすい個体に有効量の組換えフォリスタチンタンパク質投与することを含む、方法。

請求項2

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、前記野生型ヒトフォリスタチンタンパク質SEQIDNO:1と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項4

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、前記野生型ヒトフォリスタチンタンパク質SEQIDNO:1と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、前記野生型ヒトフォリスタチンタンパク質SEQIDNO:1と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、前記野生型ヒトフォリスタチンタンパク質SEQIDNO:1と同一のアミノ酸配列を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、前記野生型ヒトフォリスタチンタンパク質と比較した場合に1つ以上の欠失突然変異、または挿入を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、SEQIDNO:1のアミノ酸残基212〜288の欠失を含む、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、SEQIDNO:2と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、SEQIDNO:2と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項9に記載の方法。

請求項12

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、SEQIDNO:2と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、請求項9に記載の方法。

請求項13

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、SEQIDNO:2と同一のアミノ酸配列を含む、請求項9に記載の方法。

請求項14

前記組換えフォリスタチンタンパク質がFcドメインに融合されている、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

前記Fcドメインが、と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、請求項15に記載の方法。

請求項16

前記Fcドメインが、ヒトIgG1のThr250、Met252、Ser254、Thr256、Thr307、Glu380、Met428、His433、および/またはAsn434に対応する1つ以上の位置において1つ以上の変異を含む、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、リンカーを介して前記Fcドメインに融合されている、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

前記リンカーが、3〜100個のアミノ酸を含むペプチドである、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記リンカーが、(GAGリンカー、SEQIDNO:5)と少なくとも80%同一の配列を含む、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記リンカーが、(GAG2リンカー、SEQIDNO:6)と少なくとも80%同一の配列を含む、請求項18に記載の方法。

請求項21

前記リンカーが、(GAG3リンカー、SEQIDNO:7)と少なくとも80%同一の配列を含む、請求項18に記載の方法。

請求項22

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、SEQIDNO:8と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項23

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、SEQIDNO:10と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

前記組換えフォリスタチンタンパク質が哺乳動物細胞から生成される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項25

前記哺乳動物細胞がヒト細胞である、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記哺乳動物細胞がHT1080細胞である、請求項24に記載の方法。

請求項27

前記組換えフォリスタチンタンパク質が全身投与される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項28

前記全身投与が、静脈内投与、皮内投与、吸入投与経皮局所)投与、眼内投与、皮下投与筋肉内投与経口投与、および/または経粘膜投与から選択される、請求項27に記載の方法。

請求項29

前記全身投与が静脈内投与である、請求項28に記載の方法。

請求項30

前記全身投与が皮下投与である、請求項28に記載の方法。

請求項31

前記全身投与が経口投与である、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。

請求項32

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、隔月、毎月、3週間毎、隔週、毎週毎日、または不定間隔で投与される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項33

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、表1から選択される1つ以上の骨格筋送達される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項34

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、横隔膜三頭筋ヒラメ筋前脛骨筋ひ腹筋長指伸筋腹直筋、および/または四頭筋から選択される1つ以上の標的組織に送達される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項35

前記組換えフォリスタチンタンパク質が心臓に送達される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項36

前記組換えフォリスタチンタンパク質が、1つ以上の標的組織に送達され、該標的組織が、心臓、ならびに、横隔膜、三頭筋、ヒラメ筋、前脛骨筋、ひ腹筋、長指伸筋、腹直筋、および/または四頭筋を含む骨格筋から選択される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項37

前記組換えフォリスタチンタンパク質の前記投与が、筋再生、筋強度の増加、柔軟性の増加、運動範囲の増加、体力の向上、易疲労感の減少、血流の増加、認知力の改善、肺機能の改善、炎症抑制、筋線維症の減少、および/または、筋壊死の減少をもたらす、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

前記組換えフォリスタチンタンパク質の前記投与が、筋線維症および/または壊死の減少をもたらす、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

前記DMDに関する少なくとも1つの症状または特徴が、筋消耗、筋衰弱、筋脆弱、筋壊死、筋線維症、関節拘縮骨格変形、心筋症嚥下障害、腸および膀胱機能障害、筋虚血認知機能障害行動機能障害、社会化機能障害、脊柱側弯症、ならびに呼吸機能障害からなる群から選択される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

フォリスタチンポリペプチドと、Fcドメインと、該フォリスタチンポリペプチドを該Fcドメインに結合させるリンカーとを含む組換えフォリスタチン融合タンパク質であって、該フォリスタチンポリペプチドが、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQIDNO:1)と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含み、さらに該組換えフォリスタチン融合タンパク質が、アクチビンミオスタチン、および/またはGDF−11に結合することができ、かつ、約0.5日〜10日間の範囲のインビボ半減期を有する、組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項41

前記フォリスタチンポリペプチドが、前記野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQIDNO:1)と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有する、請求項40に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項42

前記フォリスタチンポリペプチドが、前記野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQIDNO:1)と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有する、請求項40に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項43

前記フォリスタチンポリペプチドが、前記野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQIDNO:1)と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する、請求項40に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項44

前記フォリスタチンポリペプチドが、前記野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQIDNO:1)と同一のアミノ酸配列を有する、請求項40に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項45

前記フォリスタチンポリペプチドが、SEQIDNO:1のアミノ酸残基212〜288の欠失を含む、請求項40に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項46

フォリスタチンポリペプチドと、Fcドメインと、該フォリスタチンポリペプチドを該Fcドメインに結合させるリンカーとを含む組換えフォリスタチン融合タンパク質であって、該フォリスタチンポリペプチドが、と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含み、さらに、該組換えフォリスタチン融合タンパク質が、アクチビン、ミオスタチン、および/またはGDF−11に結合することができ、かつ約0.5日〜10日間の範囲のインビボ半減期を有する、組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項47

前記FcドメインがIgG1Fcドメインである、請求項40〜46のいずれか一項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項48

前記Fcドメインが、と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有する、請求項40〜46のいずれか一項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項49

前記Fcドメインが、ヒトIgG1のThr250、Met252、Ser254、Thr256、Thr307、Glu380、Met428、His433、および/またはAsn434に対応する1つ以上の位置において1つ以上の変異を含む、請求項48に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項50

前記リンカーが、3〜60個のアミノ酸を含むペプチドである、請求項40〜49のいずれか一項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項51

前記リンカーが、(GAGリンカー;SEQIDNO:5)と少なくとも80%同一の配列を含む、請求項50に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項52

前記リンカーが、(GAG2リンカー;SEQIDNO:6)と少なくとも80%同一の配列を含む、請求項50に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項53

前記リンカーが、(GAG3リンカー;SEQIDNO:7)と少なくとも80%同一の配列を含む、請求項50に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項54

SEQIDNO:8と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、請求項40〜53のいずれか一項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項55

SEQIDNO:10と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、請求項40〜53のいずれか一項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質。

請求項56

請求項40〜50のいずれか一項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸

請求項57

請求項56に記載の核酸を含む、細胞。

請求項58

請求項40〜55のいずれか一項に記載の組換えフォリスタチン融合タンパク質と、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、2013年1月25日に出願された米国仮特許出願第61/756,996号および2013年12月13日に出願された米国仮特許出願第61/915,733号からの優先権を主張するものであり、これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。

背景技術

0002

背景
デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)は、筋ジストロフィーX連鎖劣性遺伝型であり、結果として筋肉変性および最終的に死をもたらす。この障害は、細胞膜ジストログリカン複合体(DGC)に構造的定性を提供する筋組織内の重要な構造成分であるタンパク質ジストロフィンをコードする、ヒトX染色体上に位置するジストロフィン遺伝子における突然変異によって引き起こされる。ジストロフィンは、細胞質内部のアクチンフィラメントネットワークおよび細胞外マトリックスを連結し、筋線維物理的な強度を提供する。したがって、ジストロフィンの変化または不在は、異常な筋線維膜機能を結果としてもたらす。男性女性共に突然変異を保有し得るが、少年は典型的には、早期障害および死亡を伴う重症表現型を有し、これに対して突然変異を保有する女性は典型的には、はるかに軽度の表現型を呈する。

0003

現在、DMDに対する既知治療法はない。遺伝子療法およびコルチコステロイドの様々な投与プロトコールを含む多くの治療的手段が検討されてきた。これらの治療法のいくつかは、ある特定の徴候および症状を遅延させ得るが、現在のところDMD患者にとって満足のいく治療選択肢は存在しない。

0004

本発明はとりわけ、フォリスタチンタンパク質療法に基づいて、筋ジストロフィー、特にデュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)および/またはベッカー筋ジストロフィーを治療するための改善された方法および組成物を提供する。下記の実施例を含む本明細書に記載するように、本発明者らは、組換えフォリスタチンタンパク質(例えば、フォリスタチン−Fc組換え融合タンパク質)のDMD動物モデルへの全身投与が、全身にわたる様々な組織中で有効な筋成長を結果としてもたらし、DMDの特徴的な症状である筋線維症および/または壊死を減少させることを初めて立証した。加えて、本発明者らは、本発明によるフォリスタチン−Fc融合タンパク質が、最大約5日間の延長された血清半減期を有することも立証した。いかなる理論によっても拘束されることを望まないが、予期せぬ長い血清半減期は、優れたインビボ効性に寄与することができたと考えられる。実際、本発明の以前においては、フォリスタチンは、両者共に筋成長の重要な負の調節因子であるミオスタチンおよびアクチビン調節物質であることが知られていた。しかしながら、本発明の以前においては、フォリスタチンは特に短い血清半減期を有することが報告されていて、これがフォリスタチンをタンパク質治療薬として開発するための大きなハードルを構成していた。例えば、典型的な市販の野生型フォリスタチン(FS315)タンパク質は、約1時間の血清半減期を有する。Fc融合タンパク質は、血清半減期を延長するために使用されてきていた。しかしながら、Fcドメインの大きなサイズおよびフォリスタチンタンパク質の比較的小さいサイズのために、Fcドメインのフォリスタチンタンパク質への直接融合は、野生型フォリスタチンタンパク質の正常な構造および機能を妨げ得ると考えられた。報告されたフォリスタチンの良好でない薬物動態学的特性薬力学的特性(PK/PD)およびフォリスタチン−Fc融合タンパク質に関連する不確実性は、科学者および臨床医がフォリスタチンをDMDまたは他の筋ジストロフィーのためのタンパク質療法としてさらに開発することをはばんできた。実際、本発明の以前においては、遺伝子療法は、DMDのためのフォリスタチンをベースとした療法の焦点であった。本発明者らによって示されたこの予想外に優れたインビボ有効性および半減期は、フォリスタチンがDMDの治療のための有効なタンパク質治療薬であり得ることを初めて確立するものである。

0005

一態様では、本発明は、デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)の治療法を提供し、本方法は、DMDに関する少なくとも1つの症状または特徴が、強度、重症度、もしくは頻度において減少されるように、または遅延した発症を有するように、DMDを患っている個体またはDMDに罹患しやすい個体に、組換えフォリスタチンタンパク質の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、DMDに関する少なくとも1つの症状または特徴は、筋消耗、筋衰弱、筋脆弱関節拘縮骨格変形、筋肉の脂肪浸潤非収縮性組織による筋肉の置換え(例えば、筋線維症)、筋壊死心筋症嚥下障害、腸および膀胱機能障害、筋虚血認知機能障害(例えば、学習困難、神経行動学的異常の高いリスク認知障害)、行動機能障害、社会化機能障害、脊柱側弯症、ならびに呼吸機能障害から選択される。

0006

いくつかの実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質

と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を含む。

0007

いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質SEQID NO:1と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質 SEQ ID NO:1と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質 SEQ ID NO:1と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質 SEQ ID NO:1と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質 SEQ ID NO:1と同一のアミノ酸配列を含む。

0008

いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質と比較した場合に1つ以上の欠失、突然変異、または挿入を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、SEQID NO:1のアミノ酸残基212〜288(ドメイン3に対応する)の欠失を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、ヘパリン結合部位を含む。

0009

いくつかの実施形態では、本発明は、デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)の治療法を提供し、本方法は、DMDに関する少なくとも1つの症状または特徴が、強度、重症度、もしくは頻度において減少されるように、または遅延した発症を有するように、DMDを患っている個体またはDMDに罹患しやすい個体に、組換えフォリスタチンタンパク質の有効量を投与することを含み、この組換えフォリスタチンタンパク質は、

と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を含む。

0010

いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、SEQID NO:2と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、SEQ ID NO:2と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、SEQ ID NO:2と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、SEQ ID NO:2と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、SEQ ID NO:2と同一のアミノ酸配列を含む。

0011

いくつかの実施形態では、DMDに関する少なくとも1つの症状または特徴は、筋消耗、筋衰弱、筋脆弱、筋肥大、筋偽肥大、関節拘縮、骨格変形、心筋症、嚥下障害、腸および膀胱の機能障害、筋虚血、認知機能障害、行動機能障害、社会化機能障害、脊柱側弯症、ならびに呼吸機能障害からなる群から選択される。

0012

いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、Fcドメインに融合されている。いくつかの実施形態では、本発明に好適なFcドメインは、

と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を含む。

0013

いくつかの実施形態では、Fcドメインは、SEQID NO:3、4、または14と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、SEQ ID NO:3、4、または14と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、SEQ ID NO:3、4、または14と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む。

0014

いくつかの実施形態では、好適なFcドメインは、FcドメインとFcRn受容体との間の結合を改善し、長期の血清半減期を結果として生じる1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態では、好適なFcドメインは、ヒトIgG1のThr 250、Met 252、Ser 254、Thr 256、Thr 307、Glu 380、Met 428、His 433、および/またはAsn 434に対応する1つ以上の位置において1つ以上の変異を含む。特定の実施形態では、好適なFcドメインは、変異H433K(His433Lys)および/またはN434F(Asn434Phe)を含有する。特定の実施形態では、好適なFcドメインは、H433K(His433Lys)およびN434F(Asn434Phe)の変異を組み込んでいる以下に示す配列を含む:

0015

いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、リンカーを介してFcドメインに融合される。いくつかの実施形態では、リンカーは3〜100個のアミノ酸を含むペプチドである。いくつかの実施形態では、リンカーは、ALEVLFQGPからなるリンカーではない。いくつかの実施形態では、リンカーは、10〜100個、10〜90個、10〜80個、10〜70個、10〜60個、10〜50個、10〜40個、10〜30個、10〜20個、10〜15個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、

(GAGリンカー、SEQID NO:5)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、

(GAG2リンカー、SEQ ID NO:6)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、

(GAG3リンカー、SEQ ID NO:7)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、またはSEQ ID NO:7と同一の配列を含む。

0016

いくつかの実施形態では、本発明は、フォリスタチンポリペプチド、Fcドメイン、およびフォリスタチンポリペプチドをFcドメインに結合する、少なくとも10個(例えば、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95個)のアミノ酸の長さを有するリンカーを含む、組換えフォリスタチン融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、フォリスタチンポリペプチド、Fcドメイン、およびフォリスタチンポリペプチドをFcドメインに結合するリンカーを含む、組換えフォリスタチン融合タンパク質を提供し、このリンカーは、ALEVLFQGPからなるリンカーではない。いくつかの実施形態では、好適なフォリスタチンポリペプチドは、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQID NO:1)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質は、アクチビン、ミオスタチン、および/またはGDF−11に結合することができ、かつ約0.5日〜10日間のインビボ半減期を有する。

0017

特定の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、
SEQID NO:8

と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を含む。

0018

特定の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、
SEQID NO:10

と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を含む。

0019

特定の実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、

と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を含む。

0020

いくつかの実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、哺乳動物細胞から生成される。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはHT1080細胞である。

0021

本発明の実施形態は、様々な経路送達され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、全身投与される。いくつかの実施形態では、全身投与は、静脈内投与、皮内投与、吸入投与経皮局所)投与、眼内投与、筋肉内投与皮下投与、筋肉内投与、経口投与、および/または経粘膜投与から選択される。

0022

実施形態は、多数の投与レジメンによって投与されてもよい。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、隔月、毎月、3週間毎、隔週、毎週毎日、または不定間隔で投与される。

0023

いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、横紋筋(例えば、骨格筋心筋)から選択される1つ以上の標的組織に送達される。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、心臓に送達される。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、骨格筋に送達される。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、表1から選択される1つ以上の骨格筋に送達される。いくつかの実施形態では、横紋筋(例えば、骨格筋)は、三頭筋前脛骨筋ヒラメ筋ひ腹筋二頭筋僧帽筋三角筋四頭筋、および横隔膜からなる群から選択される。

0024

いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質の投与は、筋再生線維症縮小、筋強度の増加、柔軟性の向上、運動範囲の増加、体力の向上、易疲労感の減少、血流の増加、認知力の改善、肺機能の改善、炎症抑制、筋線維症、および/または、壊死の減少をもたらす。

0025

別の態様では、本発明は、本明細書で記載される様々な方法で使用される組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、フォリスタチンポリペプチド、Fcドメイン、およびフォリスタチンポリペプチドをFcドメインに結合させるリンカーを含む、組換えフォリスタチン融合タンパク質を提供し、このフォリスタチンポリペプチドは、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQID NO:1)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質は、アクチビン、ミオスタチン、および/またはGDF−11に結合することができる。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質は、約2日間を超える(例えば、約2.5日間を超える、約3日間を超える、約3.5日間を超える、約4日間を超える、約4.5日間を超える、約5日間を超える、約5.5日間を超える、約6日間を超える)インビボ半減期を有する。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質は、約2〜10日間の範囲(例えば、約2.5〜10日間、約3〜10日間、約3.5〜10日間、約4〜10日間、約4.5〜10日間、約5〜10日間、約3〜8日間、約3.5〜8日間、約4〜8日間、約4.5〜8日間、約5〜8日間、約3〜6日間、約3.5〜6日間、約4〜6日間、約4.5〜6日間、約5〜6日間の範囲)のインビボ半減期を有する。いくつかの実施形態では、インビボ半減期は、マウスラット非ヒト霊長類、および/またはヒトのうちの1つ以上で測定される。いくつかの実施形態では、フォリスタチンポリペプチドは、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQ ID NO:1)と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、フォリスタチンポリペプチドは、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQ ID NO:1)と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、フォリスタチンポリペプチドは、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQ ID NO:1)と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、フォリスタチンポリペプチドは、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQ ID NO:1)と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、フォリスタチンポリペプチドは、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質(SEQ ID NO:1)と同一のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、フォリスタチンポリペプチドは、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基212〜288(ドメイン3に対応する)の欠失を含有する。種々の実施形態では、フォリスタチンポリペプチドは、硫酸ヘパリン結合部位を含有する。

0026

いくつかの実施形態では、本発明は、フォリスタチンポリペプチド、Fcドメイン、およびフォリスタチンポリペプチドをFcドメインに結合させるリンカーを含む、組換えフォリスタチン融合タンパク質を提供し、このフォリスタチンポリペプチドは、

と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を含む。

0027

いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質は、アクチビン、ミオスタチン、および/またはGDF−11に結合することができる。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質は、約2日間を超える(例えば、約2.5日間を超える、約3日間を超える、約3.5日間を超える、約4日間を超える、約4.5日間を超える、約5日間を超える、約5.5日間を超える、約6日間を超える)インビボ半減期を有する。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチン融合タンパク質は、約2〜10日間の範囲(例えば、約2.5〜10日間、約3〜10日間、約3.5〜10日間、約4〜10日間、約4.5〜10日間、約5〜10日間、約3〜8日間、約3.5〜8日間、約4〜8日間、約4.5〜8日間、約5〜8日間、約3〜6日間、約3.5〜6日間、約4〜6日間、約4.5〜6日間、約5〜6日間の範囲)のインビボ半減期を有する。いくつかの実施形態では、インビボ半減期は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、および/またはヒトのうちの1つ以上で測定される。

0028

いくつかの実施形態では、Fcドメインは、IgG1 Fcドメインである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、

と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有する。

0029

いくつかの実施形態では、好適なFcドメインは、FcドメインとFcRn受容体との間の結合を改善し、長期の半減期を結果としてもたらす1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG1のThr 250、Met 252、Ser 254、Thr 256、Thr 307、Glu 380、Met 428、His 433、および/またはAsn 434に対応する1つ以上の位置において1つ以上の変異を含む。特定の実施形態では、好適なFcドメインは、変異H433K(His433Lys)および/またはN434F(Asn434Phe)を含有する。特定の実施形態では、好適なFcドメインは、H433K(His433Lys)およびN434F(Asn434Phe)の変異を組み込んでいる以下に示す配列を含む:

0030

いくつかの実施形態では、本発明による組換えフォリスタチン融合タンパク質は、リンカーを介するFc融合が、ヘパリンへの結合の欠如を維持することを含めて、フォリスタチンの同族リガンドへの結合特性を実質的に変更しないように、リンカーを含む。いくつかの実施形態では、好適なリンカーは、3〜60個のアミノ酸を含むペプチドである。いくつかの実施形態では、好適なリンカーは、少なくとも10個(例えば、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95個)のアミノ酸を含むペプチドである。いくつかの実施形態では、好適なリンカーは、

(GAGリンカー、SEQID NO:5)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、好適なリンカーは、

(GAG2リンカー、SEQ ID NO:6)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、好適なリンカーは、

(GAG3リンカー、SEQ ID NO:7)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一の配列を含む。

0031

特定の実施形態では、本発明により提供される組換えフォリスタチン融合タンパク質は、SEQID NO:8、9、10、11、16、または17と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を含む。

0032

いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載される組換えフォリスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載される組換えフォリスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含む細胞を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載される組換えフォリスタチン融合タンパク質および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物を提供する。

0033

本願で使用される、用語「約(about)」および「およそ(approximately)」は、等価なものとして使用される。約/およそが付いているまたは付いていない、本願で使用されるいかなる数字も、関連技術分野における当業者によって理解される任意の通常の変動を包含することが意図される。

0034

本発明の他の特徴、目的、および利点は、以下に続く詳細な説明において明らかである。しかしながら、詳細な説明は、本発明の実施形態を示してはいるが、例示として提供されているにすぎず、限定するものではない。本発明の範囲内に入る種々の変更および修正は、詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0035

図面は、例示目的のためのものにすぎず、限定目的のものではない。
FS315−Fcが、市販の可溶性アクチビン受容体(sActRIIB)と比較して、Smad 1/5/8経路を通るBMP−9またはBMP−10シグナル伝達阻害しないことを図示する例示的結果を示す。図1Aは、BMP−9阻害アッセイ法の例示的結果を示し、図1Bは、BMP−10阻害アッセイ法の例示的結果を示す。
FS315−Fcが、ミオスタチン媒介性およびアクチビン媒介性Smad 2/3シグナル伝達を阻害することを図示する例示的結果を示す。図2Aは、ミオスタチン阻害アッセイ法の例示的結果を示し、図2Bは、アクチビンA阻害アッセイ法の例示的結果を示す。
組織全体にわたるPKプロファイルを図示する例示的結果を示す。例示的なフォリスタチン−Fcタンパク質は、マウス血清中で約5日間の血清半減期(図3A)、および2〜5日間の組織半減期(図3B)を有する。
1mg/kgのFS315−mFcへの4週間および10週間の曝露後ならびに8mg/kgのFS315−mFcへの6週間の曝露後の、四頭筋(図4A)、ひ腹筋(図4B)、前脛骨筋(図4C)、および三頭筋(図4D)の筋肉重量に及ぼす例示的フォリスタチン−Fcタンパク質の効果を図示する例示的結果を示す。筋肉重量は、ベースラインの体重に修正されている。
経時的な血清フォリスタチンレベルに及ぼす例示的フォリスタチン−Fcタンパク質の効果を図示する例示的結果を示す。図5Aは、1mg/kgのFS315−mFcで10週間にわたって処置した後の血清中のレベルを示し、図5Bは、8mg/kgのFS315−mFcで6週間にわたって処置した後の血清中のレベルを示す。
FS315−mFc、sActRIIB−mFc、またはPBS対照への曝露後のひ腹筋の筋肉重量に及ぼす例示的フォリスタチン−Fcタンパク質の効果を図示する例示的結果を示す。
体重に及ぼすフォリスタチン野生型および変異体の効果を図示する例示的結果を示す。パネルAは、経時的な各群中の動物の例示的平均体重を示し、パネルBは、注射後6週目における各群中の動物の例示的平均体重を示す。
注射後2週目における注射された筋肉の重量に及ぼすフォリスタチン変異体の効果を図示する例示的結果を示す。パネルAは、注射されたひ腹筋の質量を示し、一方パネルBは、注射された四頭筋の質量を示す。
注射後2週目の注射された筋肉および注射部位から離れた筋肉に及ぼすドメイン3欠失の効果を図示する例示的結果を示す。左側四頭筋は注射の部位であり、一方、右側四頭筋は、反対側の動物内部の対照筋である。
注射後4週目の注射部位中および注射部位から遠位にある特定の筋肉の重量に及ぼすフォリスタチン変異体の効果を図示する例示的結果を示す。パネルA(ひ腹筋)およびパネルB(四頭筋)は、注射された筋肉である。パネルC(前脛骨筋)、パネルD(三頭筋)、およびパネルE(横隔膜)は、注射部位から遠位にある筋肉である。
注射後4週目の注射された筋肉および注射部位から離れた筋肉に及ぼすドメイン3欠失の効果を図示する例示的結果を示す。左側四頭筋は、注射の部位であり、一方、右側四頭筋は、反対側の動物内部の対照筋である。
注射後2週目における(A)四頭筋、(B)ひ腹筋、(C)前脛骨筋、(D)三頭筋、および(E)横隔膜中の注射された筋肉および遠位筋肉の双方の線維サイズに及ぼすフォリスタチン変異体の効果を図示する例示的結果を示す。
注射後4週目における(A)四頭筋、(B)ひ腹筋、(C)前脛骨筋、(D)三頭筋、および(E)横隔膜中の注射された筋肉および遠位筋肉の双方の線維サイズに及ぼすフォリスタチン変異体の効果を図示する例示的結果を示す。
注射後6週目における(A)四頭筋、(B)ひ腹筋、(C)前脛骨筋、(D)三頭筋、および(E)横隔膜中の注射された筋肉および遠位筋肉の双方の線維サイズに及ぼすフォリスタチン変異体の効果を図示する例示的結果を示す。
4週間の曝露後の(A)C57マウスおよび(B)mdxマウスのひ腹筋中の筋線維の直径に及ぼす例示的フォリスタチン−Fcタンパク質の効果を立証する例示的結果を示す。
ビヒクル対照動物と比較した、2、4、6、または8週間の曝露後の処置されたC57マウスの体重に及ぼす例示的フォリスタチン−Fcタンパク質の効果を立証する例示的結果を示す。
4および8週間の曝露後のビヒクル対照動物を超える増加パーセントとしての処置動物の三頭筋および四頭筋の重量に及ぼす例示的フォリスタチン−Fcタンパク質の効果を立証する例示的結果を示す。
4および8週間の曝露後のビヒクル対照動物を超える増加パーセントとしての処置動物の三頭筋および四頭筋の筋線維の直径に及ぼす例示的フォリスタチン−Fcタンパク質の効果を立証する例示的結果を示す。
1、3、4、6、または8週間の曝露後の、週2回の皮下注射によって融合タンパク質を投与された動物の血清中のフォリスタチン−Fcタンパク質の例示的なレベルを示す。パネル(A)は、4週間の曝露後に安楽死させた動物からの結果を示し、パネル(B)は、8週間の曝露後に安楽死させた動物からの結果を示す。
6または12週間の曝露後の、ビヒクル対照動物と比較した、処置動物の四頭筋中の線維症の3つのマーカー:α−平滑筋アクチンコラーゲン三重リックスリピート含有1タンパク質(cthrc1)、およびI型コラーゲンのmRNA発現に及ぼすフォリスタチン−Fcタンパク質の効果を立証する例示的結果を示す。
ビヒクルまたはフォリスタチン−Fcタンパク質で6週間処置されたmdxマウスの四頭筋および三頭筋組織の例示的なHE染色切片を示す。C57対照マウスの四頭筋および三頭筋からの例示的なHE染色も示されている。
ビヒクルまたはフォリスタチン−Fcタンパク質で12週間処置されたmdxマウスの四頭筋、三頭筋、および横隔膜組織の例示的なI型コラーゲン染色切片を示す。C57対照マウスの四頭筋、三頭筋、および横隔膜からの例示的なI型コラーゲン染色も示されている。
対側性ビヒクル対照筋肉と比較した、4週間処置されたC57BL/10マウスの筋肉重量に及ぼす、2つのフォリスタチン変異体、FS315−mFc融合タンパク質およびdFSD3−mFc変異体融合タンパク質のうちの1つの週2回の筋肉内注射の効果を立証する例示的結果を示す。
FS315−GAG3−mFcおよびFS315−GAG3−hFc融合タンパク質が、CAGA−ルシフェラーゼアッセイ法において(A)ミオスタチンおよび(B)アクチビンシグナル伝達を未変性FS315と同程度まで阻害することを立証する例示的結果を示す。これと比較して、9個のアミノ酸のリンカーを含有するSino Biological FS315−hFc(Sino Biological Inc.により製造、カタログ番号10685−H02H)は、強力さが非常に劣っている。
10mg/kgのタンパク質を単回皮下(SC)注射で投与されたラットの血清中のFS315−GAG3−hFcタンパク質のレベルを示す。算出された血清半減期は、3.5日間であった。

0036

定義
本発明をより容易に理解するために、ある特定の用語が、まず初めに以下に定義される。以下の用語および他の用語についての追加の定義は、明細書全体を通して記載されている。

0037

動物:本明細書で使用される用語「動物」は、動物界の任意のメンバーを指す。いくつかの実施形態では、「動物」は、発達の任意の段階におけるヒトを指す。いくつかの実施形態では、「動物」は、発達の任意の段階における非ヒト動物を指す。ある特定の実施形態では、非ヒト動物は哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギサルイヌネコヒツジウシ霊長類、および/またはブタ)である。いくつかの実施形態では、動物には、哺乳類鳥類爬虫類両生類魚類昆虫類、および/または寄生虫類が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、動物は、形質転換動物遺伝子操作された動物、および/またはクローンであってもよい。

0038

およそまたは約:本明細書で使用される、1つ以上の目的とする値に適用される「およそ」または「約」は、記載された参照値に類似する値を指す。ある特定の実施形態では、用語「およそ」または「約」は、特に明記しない限りまたは文脈から明白でない限り、記載された参照値のいずれかの方向(超えるまたは未満)において、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満内に入る値の範囲を指す(このような数値が可能性のある値の100%を超える場合を除く)。

0039

生物学的利用能:本明細書で使用される用語「生物学的利用能」は、一般的には、対象の血流に到達する投与された用量の百分率を指す。

0040

生物学的に活性:本明細書で使用される「生物学的に活性」は、生物システムにおいて、特に生物体において活性を有する任意の作用物質の特性を指す。例えば、生物体に投与される場合にこの生物体に及ぼす生物学的効果を有する作用物質は、生物学的に活性とみなされる。ペプチドが生物学的に活性である特定の実施形態では、ペプチドの生物学的活性の少なくとも1つを共有するそのペプチドの一部は、典型的には「生物学的に活性な」部分と呼ばれる。

0041

心筋:本明細書で使用される用語「心筋」は、心臓の壁で見られる一種不随意横紋筋、特に心筋層を指す。

0042

担体または希釈剤:本明細書で使用される用語「担体」および「希釈剤」は、薬学的製剤調製用に有用な薬学的に許容される(例えば、ヒトへの投与のために安全でかつ非毒性)担体または希釈物質を指す。例示的な希釈剤としては、滅菌水注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、滅菌生理食塩水リンゲル溶液、またはデキストロース溶液が挙げられる。

0043

フォリスタチンまたは組換えフォリスタチン:本明細書で使用される用語「フォリスタチン(FS)」または「組換えフォリスタチン」は、特に断らない限り、実質的なフォリスタチン生物学的活性を保持する任意の野生型および修飾フォリスタチンタンパク質(例えば、アミノ酸突然変異、欠失、挿入を含むフォリスタチンタンパク質、および/または融合タンパク質)を指す。欠失の非限定的例は、ドメイン3欠失(ΔD3またはdFSD3)である。融合タンパク質の非限定的な例は、Fc融合タンパク質である。

0044

機能的等価物または誘導体:本明細書で使用される用語「機能的等価物」または「機能的誘導体」は、アミノ酸配列の機能的誘導体の文脈の中では、元の配列のものに実質的に類似する生物学的活性(機能または構造のいずれかの)を保持する分子を意味する。機能的誘導体または等価物は、天然の誘導体であってもよいか、または合成して調製される。例示の機能的誘導体は、タンパク質の生物学的活性が保存されている限り、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、または付加を有するアミノ酸配列を含む。置換するアミノ酸は、望ましくは、置換されたアミノ酸のものに類似する化学的物理的特性を有する。望ましい類似する化学的物理的特性としては、電荷、嵩高さ、疎水性親水性等における類似性が挙げられる。

0045

融合タンパク質:本明細書で使用される用語「融合タンパク質」または「キメラタンパク質」は、2つ以上の本来別個のタンパク質の結合によって、またはそれらの部分の結合によって生成されたタンパク質を指す。いくつかの実施形態では、リンカーまたはスペーサーが各タンパク質の間に存在するであろう。

0046

半減期:本明細書で使用される用語「半減期」は、タンパク質濃度または活性などの量が、期間の開始時に測定されたその値の半分まで低下するのに必要とされる時間である。

0047

肥大:本明細書で使用される用語「肥大」は、器官または組織の構成細胞の拡大に起因する器官または組織の体積における増加を指す。

0048

改善する、増加させる、または減少させる:本明細書で使用される「改善する」、「増加させる」、もしくは「減少させる」、または文法的等価物は、本明細書に記載される治療の開始よりも前の同一の個体における測定値、または本明細書に記載される治療の不在下の1人の対照対象(または複数の対照対象)における測定値などのベースライン測定値に対する値を示す。「対照対象」は、処置されている対象と同一の型の疾患に罹患した対象であり、処置されている対象とほぼ同一の年齢である。

0049

インビトロ:本明細書で使用される用語「インビトロ」は、多細胞生物内でよりはむしろ人工的な環境、例えば、試験管内または反応容器内、細胞培養中等で起こる事象を指す。

0050

インビボ:本明細書で使用される用語「インビボ」は、ヒトおよび非ヒト動物などの多細胞生物内で発生する事象を指す。細胞に基づく系に関しては、この用語は、生細胞内で(例えば、インビトロ系とは対照的に)発生する事象を指すよう使用されてもよい。

0051

リンカー:本明細書で使用される用語「リンカー」は、融合タンパク質においては、天然タンパク質中の特定の位置において出現するもの以外のアミノ酸配列を指し、通常、2つのタンパク質部分間で柔軟であるように、またはα−へリックスなどの構造を挿置するように設計される。リンカーは、スペーサーとも呼ばれる。リンカーまたはスペーサーは、典型的には、それ自体で生物学的機能を有することはない。

0052

ポリペプチド:本明細書で使用される用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合を介して一緒に結合されたアミノ酸の連続的な鎖を指す。この用語は、任意の長さのアミノ酸鎖を指すよう使用されるが、当業者であれば、この用語が長大な鎖に限定されるものではなく、ペプチド結合を介して一緒に結合される2つのアミノ酸を含む最小の鎖を指すこともできることを理解するであろう。当業者には既知であるように、ポリペプチドは、加工処理および/または修飾されてもよい。本明細書で使用される用語「ポリペプチド」および「ペプチド」は互換的に使用される。

0053

予防する:本明細書で使用される用語「予防する」または「予防」は、疾患、障害、および/または状態の発生に関連して使用される場合、疾患、障害、および/または状態を発症するリスクを減少させることを指す。「リスク」の定義を参照されたい。

0054

タンパク質:本明細書で使用される用語「タンパク質」は、別個の単位として機能する1つ以上のポリペプチドを指す。単一のポリペプチドが、別個に機能する単位であり、別個の機能する単位を形成するために、他のポリペプチドとの永久的または一時的な物理的結合を必要としないならば、用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、互換的に使用されてもよい。別個の機能的単位が、互いに物理的に結合する2つ以上のポリペプチドから構成されているならば、用語「タンパク質」は、物理的に結合され、別個の単位として一緒に機能する複数のポリペプチドを指す。

0055

リスク:文脈から理解されるように、疾患、障害、および/または状態の「リスク」は、特定の個体が疾患、障害、および/または状態(例えば、筋ジストロフィー)を発症する可能性を含む。いくつかの実施形態では、リスクは百分率として表される。いくつかの実施形態では、リスクは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90%から最大100%である。いくつかの実施形態では、リスクは、基準試料または基準試料の群に関連するリスクに対するリスクとして表される。いくつかの実施形態では、基準試料または基準試料の群は、疾患、障害、状態、および/または事象(例えば、筋ジストロフィー)の既知のリスクを有する。いくつかの実施形態では、基準試料または基準試料の群は、特定の個体と比較できる個体から得られる。いくつかの実施形態では、相対的リスクは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上である。

0056

横紋筋:本明細書で使用される用語「横紋筋」は、顕微鏡を用いると横紋状の外観をもたらす筋組織の細胞内収縮性単位、サルコメア規則的配列を有する多核性筋組織で、随意制御下にあるものを指す。典型的には、横紋筋は、心筋、骨格筋、および鰓弓筋であり得る。

0057

平滑筋:本明細書で使用される用語「平滑筋」は、単元性および多元性筋を含む不随意的に制御される、非横紋筋を指す。

0058

対象:本明細書で使用される用語「対象」は、ヒトまたは任意の非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、または霊長類)を指す。ヒトは、出産前および出産後の形態を含む。多くの実施形態において、対象はヒトである。対象は患者でもあり得、患者は診断および疾患の治療を求めて医薬提供者の元を訪れるヒトを指す。用語「対象」は、「個体」または「患者」と互換的に使用される。対象は、疾患もしくは障害に罹患し得るかまたは疾患もしくは障害に罹患しやすいが、疾患または障害の症状を示してもまたは示さなくともよい。

0059

実質的に:本明細書で使用される用語「実質的に」は、関心の特徴または特性の全体的なもしくはほぼ全体的な範囲または程度を示している質的な条件を指す。生物学的分野における当業者であれば、生物学的および化学的現象は、完結することならびに/もしくは完結まで進むことがあるにしてもごくまれであること、または絶対的結果を成し遂げるかもしくは回避することがあるとしてもごくまれであることを理解するであろう。したがって用語「実質的に」は、多くの生物学的および化学的現象において固有の潜在的な完結性の欠如をとらえるために本明細書で使用される。

0060

実質的に相同性:句「実質的に相同性」は、本明細書ではアミノ酸または核酸配列間の比較を指すために使用される。当業者であれば理解されるように、2つの配列は、それらが対応する位置において相同の残基を含有するならば、一般的に「実質的に相同性」であるとみなされる。相同の残基は、同一の残基であってもよい。あるいは、相同の残基は、適切に類似した構造的および/または機能的特徴を有するならば、同一でなくともよい。例えば、当業者には周知であるように、ある特定のアミノ酸は、典型的には「疎水性」もしくは「親水性」アミノ酸として、および/または「極性」もしくは「非極性」側鎖を有するものとして分類される。同一のタイプの別のものに対する1つのアミノ酸の置換は、多くの場合「相同な」置換とみなされてもよい。

0061

当該技術分野において周知であるように、アミノ酸または核酸配列は、ヌクレオチド配列についてはBLASTN、およびアミノ酸配列についてはBLASTP、gapped BLAST、ならびにPSI−BLASTなどの市販のコンピュータプログラム中で利用可能なものを含む種々のアルゴリズムのいずれかを用いて比較されてもよい。例示のこのようなプログラムは、Altschul,et al.,Basic local alignment search tool,J.Mol.Biol.,215(3):403−410,1990;Altschul,et al.,Methodsin Enzymology;Altschul,et al.,"Gapped BLAST and PSI−BLAST:a new generation of protein database search programs",Nucleic Acids Res.25:3389−3402,1997;Baxevanis,et al.,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;およびMisener,et al.,(eds.),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999に記載されている。相同な配列を同定することに加えて、上述のプログラムは、典型的には、相同性の程度の指示を提供する。いくつかの実施形態では、それらの対応する残基の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上が、残基の関連のあるストレッチにわたって相同であるならば、2つの配列は実質的に相同であるとみなされる。いくつかの実施形態では、関連のあるストレッチは、完全配列である。いくつかの実施形態では、関連のあるストレッチは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500個、またはそれ以上の残基である。

0062

実質的に同一性:句「実質的に同一性」は、アミノ酸または核酸配列間の比較を指すために本明細書で使用される。当業者であれば理解されるように、2つの配列は、それらが対応する位置において同一の残基を含有するならば、一般的に「実質的に同一性」であるとみなされる。当該技術分野において周知であるように、アミノ酸または核酸配列は、ヌクレオチド配列についてはBLASTN、およびアミノ酸配列についてはBLASTP、gapped BLAST、ならびにPSI−BLASTなどのコンピュータプログラム中で利用可能なものを含む種々のアルゴリズムのいずれかを用いて比較されてもよい。例示のこのようなプログラムは、Altschul,et al.,Basic local alignment search tool,J.Mol.Biol.,215(3):403−410,1990;Altschul,et al.,Methodsin Enzymology;Altschul,et al.,Nucleic Acids Res.25:3389−3402,1997;Baxevanis,et al.,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;およびMisener,et al.,(eds.),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999に記載されている。同一の配列を同定することに加えて、上述のプログラムは、典型的には、同一性の程度の指示を提供する。いくつかの実施形態では、それらの対応する残基の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上が、残基の関連のあるストレッチにわたって同一であるならば、2つの配列は実質的に同一であるとみなされる。いくつかの実施形態では、関連のあるストレッチは、完全配列である。いくつかの実施形態では、関連のあるストレッチは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500個、またはそれ以上の残基である。

0063

患っている:疾患、障害、および/または状態を「患っている」個体は、疾患、障害、および/または状態と診断されているか、または疾患、障害、および/または状態の1つ以上の症状を示す。

0064

罹患しやすい:疾患、障害、および/または状態に「罹患しやすい」個体は、疾患、障害、および/または状態と診断されてはいない。いくつかの実施形態では、疾患、障害、および/または状態に罹患しやすい個体は、疾患、障害、および/または状態の症状を示していなくともよい。いくつかの実施形態では、疾患、障害、状態、または事象(例えば、DMD)に罹患しやすい個体は、以下のうちの1つ以上によって特徴付けられてもよい:(1)疾患、障害、および/または状態の発症に関連する遺伝子突然変異、(2)疾患、障害、および/または状態の発症に関連する遺伝子多型、(3)疾患、障害、および/または状態に関連するタンパク質の発現および/または活性の増加および/または減少、(4)疾患、障害、状態および/または事象の発症に関連する習慣および/または生活様式、(5)移植を行ったことがあること、移植を行う予定があること、または移植を必要としていること。いくつかの実施形態では、疾患、障害、および/または状態に罹患しやすい個体は、疾患、障害、および/または状態を発症するであろう。いくつかの実施形態では、疾患、障害、および/または状態に罹患しやすい個体は、疾患、障害、および/または状態を発症しないと考えられる。

0065

標的組織:本明細書で使用される「標的組織」は、デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)などの処置されることになる疾患に罹患している任意の組織を指す。いくつかの実施形態では、標的組織は、筋消耗、骨格変形、心筋症、および呼吸機能障害を含めるがこれらに限定されない疾患に関連する病変、症状、または特徴を表すこれらの組織を含む。

0066

治療的有効量:本明細書で使用される、治療薬の用語「治療的有効量」は、疾患、障害、および/もしくは状態を患っている対象または、疾患、障害、および/もしくは状態に罹患しやすい対象に投与されるとき、疾患、障害、および/または状態の症状の発症を治療、診断、予防、および/または遅延するのに十分な量を意味する。治療的有効量は、典型的には、少なくとも1つの単位用量を含む投与レジメンによって投与されることを当業者であれば理解するであろう。

0067

治療:本明細書で使用される用語「治療する(treat)」、「治療(treatment)」、または「治療(treating)」は、特定の疾患、障害、および/もしくは状態の1つ以上の症状もしくは特徴を部分的にもしくは完全に緩和し、改善し、軽減し、抑制し、予防し、該症状もしくは該特徴の発症を遅延し、該症状もしくは該特徴の重篤度を減少させ、かつ/または該症状もしくは該特徴の発症率を減少させるために用いられる任意の方法を指す。治療は、疾患に関連する病理所見を示すリスクを減少させる目的で、疾患の徴候を示さない対象および/または疾患の初期徴候のみを示す対象に投与されてもよい。

0068

特定の実施形態の詳細な説明
本発明はとりわけ、タンパク質治療薬としてのフォリスタチンに基づいて、デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)および/またはベッカー筋ジストロフィーを含む筋ジストロフィーを治療するための方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、DMDに関する少なくとも1つの症状または特徴が、強度、重症度、もしくは頻度において減少されるように、または遅延された発症を有するように、有効量の組換えフォリスタチンタンパク質を、DMDを患っている個体またはDMDに罹患しやすい個体に投与することを含む、DMDの治療法を提供する。

0069

本発明の種々の態様が、以下のセクションで詳細に記載されている。セクションの用途は、本発明を限定することを意味するものではない。各セクションは、本発明のいかなる態様にも適用することができる。本願では、別途記載がない限り、「または」の使用は、「および/または」を意味する。

0070

デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)
DMDは、体全体にわたる筋肉の進行性変質および筋肉関連機能喪失によって特徴付けられる疾患である。本発明は、筋肉を再生し、線維症、炎症ならびにDMDに関連する他の症状もしくは特徴および種々の筋組織における他の筋ジストロフィーを治療するための方法および組成物を提供することが企図される。いくつかの実施形態では、対象の提供された方法および組成物の使用は、その対象の線維症および/または壊死の減少をもたらす。

0071

筋組織
動物では、2つの主要なタイプの筋組織の横紋筋および平滑筋が存在する。本明細書で使用される用語「横紋筋」は、反復するサルコメアを含有する筋組織を指す。横紋筋は、随意制御下にあり、骨格に付着する傾向があるが、心筋などの一部の例外があり、心筋は、横紋筋のいくつかの特性を有するが、随意制御下にはない。一般的に、横紋筋は身体の随意運動を可能にし、四頭筋、ひ腹筋、二頭筋、三頭筋、僧帽筋、三角筋、および他多数を含める主要筋肉群を含む。横紋筋は、非常に長い傾向があり、多くの横紋筋は、独立して機能することができる。しかしながら、一部の横紋筋は、口、肛門、心臓、および食道の上部にあるものを含めて、骨格に付着しない。

0072

一方平滑筋は、非常に異なる構造を有する。別個の骨格付着部分を有する一連の長い筋肉というよりはむしろ、平滑筋は平滑筋細胞間の機械的結合を有する連続シート編成される傾向にある。平滑筋は、多くの場合、中空器官の壁内に位置し、通常、随意制御下にはない。特定の器官の内側を覆っている平滑筋は、同一の荷重を支持し、同時に収縮せねばならない。平滑筋は、少なくともある程度は、運動および/または位置もしくは圧力の変化によって引き起こされる中空器官上の荷重における変化を処理するよう機能する。この二重の役割は、平滑筋が横紋筋のように収縮することが可能であるべきのみならず、持続する荷重に対して器官の寸法を維持するために、平滑筋が持続して収縮せねばならないことを意味する。平滑筋の例は、血管、膀胱、直腸などの胃腸管の内側を覆っているものである。

0073

筋肉の強度は、筋肉の細胞の数ならびにサイズおよびそれらの解剖学的配置に依存する。既存の筋原線維のサイズの増加(肥大)および/またはより多くの筋細胞の形成(過形成)のいずれかによる筋線維の直径の増加は、筋肉の力発生能力を増加させるであろう。

0074

筋肉は、位置または機能によって分類されてもよい。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、1つ以上の顔の筋肉、1つ以上の咀嚼のための筋肉、1つ以上のおよび頚部の筋肉、1つ以上の胸部の筋肉、1つ以上の胸帯ならびに腕部の筋肉、1つ以上の腕ならびに肩の筋肉、1つ以上の腹側および背側前腕の筋肉、1つ以上の手の筋肉、1つ以上の脊柱起立筋、1つ以上の骨盤帯および脚部の筋肉、ならびに/または1つ以上の前脚および足の筋肉を標的とする。

0075

いくつかの実施形態では、顔の筋肉としては、毛様体筋瞳孔散大筋虹彩括約筋などの内眼筋耳介側頭頭頂筋アブミ骨筋、鼓膜張筋などの耳筋鼻根筋鼻筋鼻孔開大筋鼻中隔下制筋眼角筋などの鼻筋;口角挙筋口角下制筋口輪筋頬筋大頬骨筋および小頬骨筋、広頬筋、上唇挙筋下唇下制筋笑筋オトガイ筋、ならびに/または皺眉筋などの口の筋肉が挙げられるが、これらに限定されない。

0076

いくつかの実施形態では、咀嚼の筋肉としては、咬筋側頭筋内側翼突筋外側翼突筋が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、舌およびの筋肉としては、オトガイ舌筋茎突舌筋口蓋舌筋舌骨舌筋顎二腹筋茎突舌骨筋顎舌骨筋オトガイ舌骨筋肩甲舌骨筋胸骨舌骨筋胸骨甲状筋甲状舌骨筋胸鎖乳突筋前斜角筋中斜角筋、および/または後斜角筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0077

いくつかの実施形態では、胸部、胸帯および腕部の筋肉としては、鎖骨下筋大胸筋小胸筋腹直筋外腹斜筋内腹斜筋腹横筋、横隔膜、外肋間筋内肋間筋前鋸筋、僧帽筋、肩甲挙筋大菱形筋小菱形筋広背筋、三角筋、肩甲下筋棘上筋棘下筋大円筋小円筋、および/または烏口腕筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0078

いくつかの実施形態では、腕および肩の筋肉としては、上腕二頭筋長頭、上腕二頭筋短頭上腕三頭筋長頭上腕三頭筋外側頭、上腕三頭筋内側頭肘筋円回内筋回外筋、および/または上腕筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0079

いくつかの実施形態では、腹側および背側前腕筋としては、腕撓骨筋、橈側手根屈筋尺側手根屈筋長掌筋尺側手根伸筋長橈側手根伸筋短橈側手根伸筋指伸筋小指伸筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0080

いくつかの実施形態では、手の筋肉としては、母指球筋、短母指外転筋短母指屈筋母指対立筋小指球筋、小指外転筋短小指屈筋小指対立筋掌側骨間筋、背側骨間筋、および/または中様筋などの手の内筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0081

いくつかの実施形態では、脊柱起立筋としては、頚部筋肉(cervicalis)、棘筋最長筋、および/または腸肋筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0082

いくつかの実施形態では、骨盤帯および脚部の筋肉としては、大腰筋腸骨筋大腿方形筋長内転筋短内転筋大内転筋薄筋縫工筋大腿直筋外側広筋内側広筋中間広筋などの大腿四頭筋、ひ腹筋、長側(腓骨)筋、ヒラメ筋、大臀筋中臀筋、小臀筋膝屈曲筋大腿二頭筋長頭、膝屈曲筋:大腿二頭筋短頭、屈折筋:半腱様筋、膝屈曲筋:半膜様筋大腿筋膜張筋恥骨筋、および/または前脛骨筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0083

いくつかの実施形態では、前脚および足の筋肉としては、長指伸筋長母指伸筋短腓骨筋足底筋後脛骨筋長母指屈筋短指伸筋短母指伸筋母指外転筋、短母指屈筋、小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋、短指伸筋、足の中様筋、足底方形筋もしくは副屈筋短指屈筋、背側骨間筋、および/または底側骨間筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0084

例示的な筋肉標的を表1にまとめる。

0085

(表1)

0086

筋ジストロフィー
筋ジストロフィーは、虚弱かつ障害性の運動に至る筋肉の変性を引き起こす一群遺伝性障害である。全ての筋ジストロフィーの主要な特徴は、これらが本質的に進行性であることである。筋ジストロフィーとしては、デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー筋ジストロフィー、エメリードライフス筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕筋ジストロフィー肢帯筋ジストロフィー、ならびに、筋強直性ジストロフィー1型先天的な型を含む筋強直性ジストロフィー1型および2型が挙げられるが、これらに限定されない。一部の筋肉または全ての筋肉が罹患している筋ジストロフィーのタイプによって症状は異なり得る。筋ジストロフィーの例示的な症状としては、運動機能の発達の遅延、1つ以上の筋群の使用の困難、嚥下発語もしくは飲食の困難、よだれ落ち眼瞼下垂、頻繁な転倒、筋もしくは筋群の成人としての強度の低下、筋サイズの低下、身体の虚弱もしくは変更された生体工学に起因する歩行障害、筋肥大、筋偽肥大、筋肉の脂肪浸潤、非収縮性組織による筋肉の置換え(例えば、筋線維症)、筋壊死、および/または認知機能障害もしくは行動障害精神障害が挙げられる。

0087

筋ジストロフィーのための既知の治療法はないが、対症療法および疾患修飾法の両方を含むいくつかの支持療法が使用されている。コルチコステロイド、理学療法、装着装具車椅子、またはADLならびに肺機能のための他の補助医療装置が、筋ジストロフィーにおいて通常使用される。筋強直性ジストロフィーでは、不整脈からの突然死を予防するために、心臓ペースメーカーが使用される。筋強直症弛緩不能)の症状を改善する抗筋強直剤は、メキシリチンを含み、場合によってはフェニトインプロカインアミド、およびキニーネを含む。

0088

デュシェンヌ筋ジストロフィー
デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)は、筋変性および最終的に死をもたらす筋ジストロフィーのX連鎖劣性遺伝型である。DMDは、近位筋力の低下、異常歩行ひ腹下腿)筋の偽肥大、およびクレアチンキナーゼCK)の上昇によって特徴付けられる。多くのDMD患者は、5に診断され、この時点で症状/徴候が典型的にはより明白になる。罹患した個体は、典型的には、10〜13歳頃に歩行できなくなり、心呼吸障害のために、20代の半ばから後半にまたはその前に死亡する。

0089

疾患DMDは、細胞膜のジストログリカン複合体(DGC)に構造的安定性を提供する筋組織内の重要な構造成分であるタンパク質ジストロフィンをコードする、ヒトX染色体上に位置するジストロフィン遺伝子における、突然変異によって引き起こされる。ジストロフィンは、細胞質内部のアクチンフィラメントネットワークおよび細胞外マトリックスを連結し、筋線維に物理的な強度を提供する。したがって、ジストロフィンの変更または不在は、異常な筋線維膜の引裂きおよび筋線維の壊死をもたらす。共に突然変異を保有し得るが、女性が、疾患の重度の徴候を呈することは稀である。

0090

DMDの主な症状は、典型的には、随意筋が最初に冒されることを伴い、特に股、骨盤領域大腿、肩の筋肉、下腿筋を冒す、筋消耗に関連する筋力低下である。筋力低下はまた、腕、頸部、および他の領域でも生じる。下腿は多くの場合腫大する。徴候および症状は、通常6歳前に現れ、幼児期という早期に現れる場合もある。他の身体的症状としては、自分自身で歩行するための能力の遅延、歩行、足踏み、または走ることの進行性の困難、ならびに歩行する能力の最終的な喪失(通常、15歳まで)、頻繁な転倒、易疲労感、運動機能(走ること、ホッピングジャンプ)の困難、臀部屈筋の短縮に至る腰椎前弯の増加、筋線維の短縮と線維症とが結合組織で生じることによるアキレス腱拘縮および膝屈曲筋機能障害、筋線維変形、脂肪および結合組織による筋線維の置換えによって引き起こされる舌筋および下腿筋の偽肥大(腫大)、神経行動障害(例えば、ADHD)、学習障害失読症)、ならびに特定の認知機能(特に、短期言語性記憶)における非進行性の低下のより高いリスク、骨格変形(場合によっては脊柱側弯症を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。

0091

組換えフォリスタチンタンパク質
本明細書で使用される、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、任意の野生型および実質的なフォリスタチンの生物学的活性を保持する修飾フォリスタチンタンパク質(例えば、アミノ酸突然変異、欠失、挿入を有するフォリスタチンタンパク質、および/または融合タンパク質)を含む。典型的には、組換えフォリスタチンタンパク質は、組換え技術を用いて生成される。しかしながら、天然資源から精製されるまたは化学的に合成されるフォリスタチンタンパク質(野生型または修飾型)が、本発明によって使用することができる。典型的には、好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、約12時間、18時間、24時間、36時間、2日間、2.5日間、3日間、3.5日間、4日間、4.5日間、5日間、5.5日間、6日間、6.5日間、7日間、7.5日間、8日間、8.5日間、9日間、9.5日間、もしくは10日間のまたはこれらよりも長いインビボ半減期を有する。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、0.5日〜10日間、1日〜10日間、1日〜9日間、1日〜8日間、1日〜7日間、1日〜6日間、1日〜5日間、1日〜4日間、1日〜3日間、2日間〜10日間、2日間〜9日間、2日間〜8日間、2日間〜7日間、2日間〜6日間、2日間〜5日間、2日間〜4日間、2日間〜3日間、2.5日間〜10日間、2.5日間〜9日間、2.5日間〜8日間、2.5日間〜7日間、2.5日間〜6日間、2.5日間〜5日間、2.5日間〜4日間、3日間〜10日間、3日間〜9日間、3日間〜8日間、3日間〜7日間、3日間〜6日間、3日間〜5日間、3日間〜4日間、3.5日間〜10日間、3.5日間〜9日間、3.5日間〜8日間、3.5日間〜7日間、3.5日間〜6日間、3.5日間〜5日間、3.5日間〜4日間、4日間〜10日間、4日間〜9日間、4日間〜8日間、4日間〜7日間、4日間〜6日間、4日間〜5日間、4.5日間〜10日間、4.5日間〜9日間、4.5日間〜8日間、4.5日間〜7日間、4.5日間〜6日間、4.5日間〜5日間、5日間〜10日間、5日間〜9日間、5日間〜8日間、5日間〜7日間、5日間〜6日間、5.5日間〜10日間、5.5日間〜9日間、5.5日間〜8日間、5.5日間〜7日間、5.5日間〜6日間、6日間〜10日間、7日間〜10日間、8日間〜10日間、9日間〜10日間のインビボ半減期を有する。

0092

フォリスタチン(FS)は、下垂体細胞卵胞刺激ホルモンFSH)の分泌を抑制することができるタンパク質因子として、濾胞液から最初に単離された。FSは、少なくとも一部分はアクチビンの結合および中性化によって、FSH全体にその影響を及ぼす。

0093

C末端における選択的スプライシングによって生成された、FSに関する少なくとも2つのイソ型:FS288およびFS315が存在する。288個のアミノ酸のイソ型は、それぞれ約73〜75個のアミノ酸の3つの10システインFSドメインを含むタンパク質の主要な部分(残基64〜288)を伴い、アクチビン結合に重要な疎水性残基を含有する63個のアミノ酸N末端領域から構成される特徴的な構造を有する。N末端からC末端までのこれらの10システインドメインは、それぞれドメイン1、ドメイン2、およびドメイン3と呼ばれる。FS315イソ型は、余分なエクソンによってコードされるC末端の酸性伸長を通して生成される。FS288は、ヘパリン結合ドメインの存在のために、組織定着の傾向があるが、FS315は、潜在的にヘパリン結合ドメインが伸長したC末端によって覆われているために、循環形態の傾向がある。

0094

FSは、インビトロでミオスタチンおよびアクチビンの両方を阻害すること、ならびにこの阻害はマウスではインビボで肥大をもたらし得ることが示されている(Lee et al.,Regulation of Muscle Mass by Follistatin and Activins,(2010),MOL.ENDORINOL.,24(10):1998−2008;Gilson,et al.,Follistatin Induces Muscle Hypertrophy Through Satellite Cell Proliferation and Inhibition of Both Myostatin and Activin,(2009),J.PHYSIOL.ENDOCRINOL.,297(1):E157−E164)。特定の理論にとらわれることを望むものではないが、この観察された効果は、少なくとも一部分は、FSがミオスタチンおよびアクチビンによるSmad2/3経路の活性化を防止することに起因し得る。Smad2/3経路の活性化は、筋成長の負の調節をもたらすことが示されている(Zhu et al.,Follistatin Improves Skeletal Muscle Healing After Injury and Disease Through an Interaction with Muscle Regeneration,Angiogenesis,and Fibrosis,(2011),MUSCULOSKLETAL PATHOLOGY,179(2):915−930)。

0095

典型的な野生型または天然起源のヒトFS315およびFS288タンパク質のアミノ酸配列を表2に示す。

0096

(表2)例示的なヒトフォリスタチンイソ型

0097

したがって、いくつかの実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS315(SEQID NO:1)である。本明細書に開示されるように、SEQ ID NO:1は、ヒトフォリスタチンタンパク質についての正規アミノ酸配列を表している。いくつかの実施形態では、フォリスタチンタンパク質は、FS288(SEQ ID NO:12)などのスプライスイソ型であってもよい。いくつかの実施形態では、好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型または天然起源のタンパク質の相同体または類似体であってもよい。例えば、ヒト野生型または天然起源のフォリスタチンタンパク質の相同体または類似体は、実質的なフォリスタチンタンパク質活性を保持しながら、野生型または天然起源のフォリスタチンタンパク質(例えば、SEQ ID NO:1)と比較した場合に1つ以上のアミノ酸またはドメイン置換、欠失、および/または挿入を含有してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS315フォリスタチンタンパク質(SEQ ID NO:1)と実質的に相同である。いくつかの実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、SEQ ID NO:1と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同である。いくつかの実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ヒトFS315フォリスタチンタンパク質(SEQ ID NO:1)と実質的に同一である。いくつかの実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、SEQ ID NO:1と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一のアミノ酸配列を有する。

0098

ヒトフォリスタチンタンパク質の相同体または類似体は、当業者に既知のポリペプチド配列を変更するための方法、例えばこのような方法を編集している参考文献中に見出されるものに従って調製することができる。当業者であれば理解されるように、2つの配列は、それらが対応する位置において相同な残基を含有するならば、一般的に「実質的に相同」とみなされる。相同の残基は、同一の残基であってもよい。あるいは、相同の残基は、非同一の残基であってもよく、これはほぼ類似した構造および/または機能的特性を有するであろう。例えば、当業者に周知であるように、ある特定のアミノ酸は、典型的には、「疎水性」もしくは「親水性」アミノ酸として、および/または「極性」もしくは「非極性」側鎖を有するものとして分類される。1つのアミノ酸の同一タイプの別のものへの置換は、多くの場合、「相同」置換とみなされてもよい。いくつかの実施形態では、アミノ酸の保存的置換は、次の群内のアミノ酸で行われた置換を含む:(a)M、I、L、V;(b)F、Y、W;(c)K、R、H;(d)A、G;(e)S、T;(f)Q、N;および(g)E、D。いくつかの実施形態では、「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸置換が行われるタンパク質の相対的な電荷またはサイズ特性改変することがないアミノ酸置換を指す。

0099

当該技術分野において周知であるように、アミノ酸配列または核酸配列は、ヌクレオチド配列についてはBLASTN、およびアミノ酸配列についてはBLASTP、gapped BLAST、ならびにPSI−BLASTなどの市販のコンピュータプログラム中で利用可能なものを含む種々のアルゴリズムのいずれかを用いて比較されてもよい。例示のこのようなプログラムは、Altschul,et al.,Basic local alignment search tool,J.Mol.Biol.,215(3):403−410,1990;Altschul,et al.,Methodsin Enzymology;Altschul,et al.,"Gapped BLAST and PSI−BLAST:a new generation of protein database search programs",Nucleic Acids Res.25:3389−3402,1997;Baxevanis,et al.,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;およびMisener,et al.,(eds.),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999に記載されている。相同の配列を同定することに加えて、上述のプログラムは、典型的には、相同性の程度の指示を提供する。

0100

いくつかの実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質と比較した場合に1つ以上のアミノ酸欠失、挿入、または置換えを含有する。例えば、好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、SEQID NO:1のY185および/またはL191に対応する位置においてアミノ酸置換を含有してもよい。

0101

ドメイン欠失変異体
いくつかの実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、野生型ヒトフォリスタチンタンパク質と比較した場合に1つ以上のドメイン欠失、挿入、または置換え(例えば、ドメインスワッピング)を含有する。例えば、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、ドメイン1、2、および/または3に対応するアミノ酸配列の欠失、挿入、および/または置換えを含有してもよい。ある特定の実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、以下に示す、SEQID NO:1アミノ酸残基212〜288(ドメイン3に対応する)の欠失を含む:

0102

好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、実質的なフォリスタチンタンパク質活性を保持しながら、好適なフォリスタチンドメイン欠失変異体(例えば、SEQID NO:2)と比較した場合に1つ以上のアミノ酸置換、欠失、および/または挿入を含有する好適なドメイン欠失変異体の相同体または類似体であってもよいことが企図される。したがって、いくつかの実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、SEQ ID NO:2と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同または同一のアミノ酸配列を有する。

0103

フォリスタチン融合タンパク質
好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、融合タンパク質形状であり得ることが企図される。例えば、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、フォリスタチンドメインと、例えば、フォリスタチンタンパク質の安定性、効力、および/または送達を向上するかもしくは増加させることによって、または免疫原性クリアランス、もしくは毒性を減少させるかもしくは排除することによって、フォリスタチンの治療的効果を典型的に促進することができる別のドメインまたは部分との間の融合タンパク質であってもよい。このようなフォリスタチン融合タンパク質に好適なドメインまたは部分としては、Fcドメイン、XTENドメインが挙げられるが、これらに限定されない。

0104

Fcドメイン
いくつかの実施形態では、好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、FcRn受容体に結合するFcドメインまたはその一部分を含有する。非限定的な例として、好適なFcドメインは、IgGなどの免疫グロブリンサブクラス由来であってもよい。いくつかの実施形態では、好適なFcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4由来である。いくつかの実施形態では、好適なFcドメインは、IgMIgAIgD、またはIgE由来である。特に好適なFcドメインは、ヒトまたはヒト化抗体由来であるものを含む。いくつかの実施形態では、好適なFcドメインは、修飾ヒトFc部分などの修飾Fc部分である。

0105

いくつかの実施形態では、好適なFcドメインは、以下に示すアミノ酸配列を含む:

0106

いくつかの実施形態では、好適なFcドメインは、SEQID NO:3、SEQ ID NO:4、またはSEQ ID NO:14と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同または同一のアミノ酸配列を有する。

0107

FcドメインとFcRn受容体との間の改善された結合は、長期の血清半減期をもたらすことが企図される。したがって、いくつかの実施形態では、好適なFcドメインは、FcRnへの結合の改善に導く1つ以上のアミノ酸突然変異を含む。FcRnへの結合の改善をもたらすFcドメイン内の種々の突然変異が当該技術分野において既知であり、本発明の実施に適応することができる。いくつかの実施形態では、好適なFcドメインは、ヒトIgG1のThr 250、Met 252、Ser 254、Thr 256、Thr 307、Glu 380、Met 428、His 433、および/またはAsn 434に対応する1つ以上の位置において1つ以上の変異を含む。

0108

例えば、好適なFcドメインは、H433K(His433Lys)および/またはN434F(Asn434Phe)の突然変異を含有してもよい。非限定的な例として、好適なFcドメインは、突然変異H433K(His433Lys)およびN434F(Asn434Phe)を含有してもよい。突然変異を組み込んでいる例示的なFcドメイン配列を、以下に示す:

0109

Fcドメイン中に含まれ得る追加のアミノ酸置換としては、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,277,375号、同第8,012,476号、および同第8,163,881号に記載されているものを含む。

0110

リンカーまたはスペーサー
フォリスタチンドメインは、Fcドメインに直接的にまたは間接的に連結してもよい。いくつかの実施形態では、好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、フォリスタチンドメインとFcドメインとを結合するリンカーまたはスペーサーを含有する。アミノ酸リンカーまたはスペーサーは、一般的に、2つのタンパク質部分間で柔軟であるように、またはα−へリックスなどの構造を挿置するように設計される。リンカーまたはスペーサーは、比較的短いこともあるか、または長いこともある。典型的には、リンカーまたはスペーサーは、例えば、長さが3〜100個(例えば、5〜100、10〜100、20〜100、30〜100、40〜100、50〜100、60〜100、70〜100、80〜100、90〜100、5〜55、10〜50、10〜45、10〜40、10〜35、10〜30、10〜25、10〜20個)のアミノ酸を含有する。いくつかの実施形態では、リンカーまたはスペーサーは、長さが2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100個のアミノ酸と等しいかまたはこれらよりも長い。典型的には、より長いリンカーは、立体障害を減少させることができる。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリシンセリン残基の混合物を含有するであろう。いくつかの実施形態では、リンカーは、スレオニンプロリン、および/またはアラニン残基をさらに含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、リンカーは、10〜100個、10〜90個、10〜80個、10〜70個、10〜60個、10〜50個、10〜40個、10〜30個、10〜20個、10〜15個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、ALEVLFQGPからなるリンカーではない。

0111

非限定的な例として、本発明に好適なリンカーまたはスペーサーとしては、

が挙げられるが、これらに限定されない。

0112

好適なリンカーまたはスペーサーはまた、上記の例示的なリンカー、例えばGAGリンカー(SEQID NO:5)、GAG2リンカー(SEQ ID NO:6)、またはGAG3リンカー(SEQ ID NO:7)と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同または同一のアミノ酸配列を有するものも含む。いくつかの実施形態による使用に好適な追加のリンカーは、2012年3月2日に出願されその開示が全体として参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第20120232021号で見ることができる。

0113

いくつかの実施形態では、フォリスタチンポリペプチドのその同族のリガンド(例えば、アクチビン、ミオスタチン、ヘパリン等)のいずれかに結合する能力に実質的に影響を及ぼすことなく、フォリスタチンポリペプチドをFcドメインに結合させるリンカーが提供される。いくつかの実施形態では、リンカーは、ヘパリンへのフォリスタチンペプチドの結合が、フォリスタチンポリペプチド単独と比較した場合に変更されていないように提供される。例えば、いくつかの実施形態では、フォリスタチンポリペプチドはFS315ポリペプチドであり、これは、フォリスタチンポリペプチドがアクチビンと結合しない限り、通常ヘパリンとは結合しない。いくつかのこのような実施形態では、リンカーは、FS315ポリペプチド単独と比較して増加した、FS315ポリペプチドのヘパリン結合をもたらさないように提供される。

0114

例示的なフォリスタチン融合タンパク質
特定の実施形態では、好適な組換えフォリスタチン融合タンパク質は、フォリスタチンポリペプチド、Fcドメイン、およびフォリスタチンポリペプチドをFcドメインと結合させるリンカーを含み、このフォリスタチンポリペプチドは、野生型ヒトFS315タンパク質(SEQID NO:1)またはドメイン3欠失FS315タンパク質(SEQ ID NO:2)と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む。典型的には、好適な組換えフォリスタチン融合タンパク質は、アクチビンおよびミオスタチンに結合することができる。いくつかの実施形態では、好適な組換えフォリスタチン融合タンパク質は、約0.5日〜6日間(例えば、約0.5日〜5.5日間、約0.5日〜5日間、約1日〜5日間、約1.5〜5日間、約1.5〜4.5日間、約1.5〜4.0日間、約1.5〜3.5日間、約1.5〜3日間、約1.5〜2.5日間、約2〜6日間、約2〜5.5日間、約2〜5日間、約2〜4.5日間、約2〜4日間、約2〜3.5日間、約2〜3日間)の範囲のインビボ半減期を有する。いくつかの実施形態では、好適な組換えフォリスタチン融合タンパク質は、約2〜10日間の範囲(例えば、約2.5〜10日間、約3〜10日間、約3.5〜10日間、約4〜10日間、約4.5〜10日間、約5〜10日間、約3〜8日間、約3.5〜8日間、約4〜8日間、約4.5〜8日間、約5〜8日間、約3〜6日間、約3.5〜6日間、約4〜6日間、約4.5〜6日間、約5〜6日間の範囲)のインビボ半減期を有する。

0115

非限定的な例として、好適なフォリスタチンFc融合タンパク質は、以下に示すアミノ酸配列を有してもよい:

0116

他の非限定的な例として、好適なフォリスタチンFc融合タンパク質は、以下に示すアミノ酸配列を有してもよい:

0117

さらに他の非限定的な例として、好適なフォリスタチンFc融合タンパク質は、以下に示すアミノ酸配列を有してもよい:

0118

いくつかの実施形態では、好適な組換えフォリスタチンFc融合タンパク質は、SEQID NO:8、9、10、11、16、または17と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上相同または同一のアミノ酸配列を有する。

0119

フォリスタチン−Fc融合タンパク質は、ホモダイマーまたはモノマー形態を含む種々の形態で提供されてもよいことが企図される。例えば、好適なホモダイマー形態は、両方のFcポリペプチド鎖のN末端に取り付けた融合パートナー(例えば、フォリスタチンポリペプチドプラスリンカー)のC末端を有するように設計されてもよい。好適なモノマー形態は、1つのFcダイマーに融合された融合パートナー(例えば、フォリスタチンポリペプチドプラスリンカー)のC末端を有するよう設計されてもよい。モノマー形態は、立体障害を減少する場合がある。

0120

本明細書で使用される、本明細書で同定された基準タンパク質配列(例えば、基準フォリスタチンタンパク質配列)に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列を整列させ、必要であればギャップを導入して最大の配列同一性パーセントを達成した後に、かつ、いずれの保存的置換も配列同一性の一部としては考慮せずに、基準配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基の百分率と定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のための整列は、例えば、BLAST、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当該技術分野における熟練の範囲内の種々の方法で達成することができる。当業者であれば、比較される配列の全長にわたって最大の整列を達成することが必要とされる任意のアルゴリズムを含む、整列を測定するための適切なパラメータを決定することができる。好ましくは、WU−BLAST−2ソフトウェアが、アミノ酸配列同一性を決定するために使用される(Altschul et al.,Methodsin Enzymology 266,460−480(1996);http://blast.wustl/edu/blast/README.html)。WU−BLAST−2は、いくつかの検索パラメータを使用し、その大部分は、デフォルト値に設定されている。調整可能なパラメータは、次の値で設定される:重複スパン=1、重複フラクション=0.125、ワールド閾値(T)=11。HSPスコア(S)およびHSP S2パラメータは動的値であり、特定の配列の組成に応じて、プログラムそれ自体により確立されているが、最小値は調整されてもよく、上記のように設定される。

0121

組換えフォリスタチンタンパク質の産生
本発明の好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、任意の利用可能な方法によって産生されることができる。例えば、組換えフォリスタチンタンパク質は、組換えフォリスタチンタンパク質をコードする核酸を発現するよう操作された宿主細胞系を利用することによって組換え的に産生されてもよい。これに代えてまたはさらに、組換えフォリスタチンタンパク質は、内因性遺伝子を活性化することによって産生されてもよい。これに代えてまたはさらに、組換えフォリスタチンタンパク質は、化学合成によって部分的または完全に調製されてもよい。

0122

タンパク質が組換え的に産生される場合、任意の発現系を使用することができる。少しではあるが例を挙げれば、既知の発現系は、例えば、大腸菌(E.coli)、卵子バキュロウイルス、植物、酵母、または哺乳動物細胞を含む。

0123

いくつかの実施形態では、本発明に好適な組換えフォリスタチンタンパク質は、哺乳動物細胞中で産生される。本発明により使用され得る哺乳動物細胞の非限定的な例として、BALB/cマウス骨髄腫細胞系(NSO/l、ECACC番号85110503)、ヒト網膜芽細胞(PER.C6,CruCell,Leiden,The Netherlands)、SV40により形質転換されたサル腎臓CV1細胞系(COS−7、ATCCCRL 1651)、ヒト胚腎臓細胞系(懸濁培養物中の増殖用にサブクローン化されたHEK293または293細胞、Graham et al.,J.Gen Virol.,36:59,1977)、ヒト線維肉腫細胞系(例えば、HT1080)、ベビーハムスター腎細胞(BHK21、ATCC CCL 10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞+/−DHFR(CHO、UrlaubおよびChasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216,1980)、マウスセリトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod.,23:243−251,1980)、サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎細胞(VERO−76、ATCC CRL−1 587)、ヒト子宮頚癌細胞(HeLa、ATCC CCL 2)、イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝細胞BRL3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳房腫瘍(MMT060562、ATCC CCL51)、TRI細胞(Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.,383:44−68,1982)、MRC 5細胞、FS4細胞、およびヒト肝細胞癌系(Hep G2)が挙げられる。

0124

いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト細胞から産生される組換えフォリスタチンタンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、CHO細胞またはHT1080細胞から産生される組換えフォリスタチンタンパク質を提供する。

0125

典型的には、組換えフォリスタチンタンパク質を発現するよう操作された細胞は、本明細書に記載される組換えフォリスタチンタンパク質をコードする導入遺伝子を含むことができる。組換えフォリスタチンタンパク質をコードする核酸は、調節配列、遺伝子制御配列プロモーター、非コード配列、および/または組換えフォリスタチンタンパク質を発現するための他の適切な配列を含有することができることを理解するべきである。典型的には、コード領域は、これらの核酸成分の1つ以上と作動可能に結合している。

0126

導入遺伝子のコード領域は、特別な細胞型のためのコドン使用を最適化するために、1つ以上のサイレント突然変異を含んでもよい。例えば、フォリスタチン導入遺伝子のコドンは、脊椎動物細胞中の発現用に最適化されてもよい。いくつかの実施形態では、フォリスタチン導入遺伝子のコドンは、哺乳動物細胞中の発現用に最適化されてもよい。いくつかの実施形態では、フォリスタチン導入遺伝子のコドンは、ヒト細胞中の発現用に最適化されてもよい。

0127

薬学的組成物および投与
本発明は、本明細書に記載される組換えフォリスタチンタンパク質および生理学的に許容される担体もしくは賦形剤を含有する薬学的組成物をさらに提供する。

0128

好適な薬学的に許容される担体としては、水、塩溶液(例えば、NaCl)、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、アルコールグリセロールエタノールアラビアゴム植物油ベンジルアルコールポリエチレングリコールゼラチン乳糖アミロースもしくはデンプンなどの炭水化物マンニトールスクロース、もしくは他のもの、デキストロースなどの糖類、ステアリン酸マグネシウムタルクケイ酸粘性パラフィン香料油、脂肪酸エステルヒドロキシメチルセルロースポリビニルピロリドン等、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。所望される場合、薬学的調製物は、活性化合物と有害に反応しないまたはそれらの活性を妨げない補助剤(例えば、滑沢剤防腐剤、安定剤、湿潤剤乳化剤浸透圧に影響を及ぼす塩、緩衝液着色剤風味剤、および/または芳香剤等)と混合させることができる。好ましい実施形態では、静脈内投与に好適な水溶性担体が使用される。

0129

好適な薬学的組成物または医薬は、必要に応じて、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含有することもできる。組成物は、液体溶液、懸濁液、乳化剤、錠剤ピルカプセル徐放性製剤、または粉剤であり得る。組成物は、従来の結合剤およびトリグリセリドなどの担体を有する坐剤として製剤化することもできる。経口製剤は、例えば、薬学的グレードのマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、サッカリンナトリウムセルロース炭酸マグネシウム等の標準的担体を含むことができる。

0130

薬学的組成物または医薬は、ヒトへの投与に適合した薬学的組成物としてルーチン的な手順に従って製剤化され得る。例えば、いくつかの実施形態では、静脈投与用の組成物は、典型的には、無菌等張水性緩衝液中の溶液である。必要な場合には、この組成物は、可溶化剤、および注射部位の痛みを和らげるための局所麻酔剤を含むこともできる。一般的に、成分は個別にあるいは一緒に混合された単一用量形態として、例えば活性剤の量を示すアンプルまたは小容器のような気密封入容器内で凍結乾燥粉もしくは無水濃縮物として供給される。この組成物を輸注によって投与する場合には、それを無菌薬学的グレードの水、生理食塩水、またはデキストロース/水を含有する輸注ビン調剤してもよい。この組成物が注射によって投与される場合には、成分が投与前に混合され得るように、注射用の無菌水または生理食塩水のアンプルが提供され得る。

0131

本明細書に記載される組換えフォリスタチンタンパク質は、中性形態または塩形態として製剤化されてもよい。薬学的に許容される塩としては、塩酸リン酸酢酸シュウ酸酒石酸等由来であるものなどの遊離アミノ酸で形成されたもの、およびナトリウムカリウムアンモニウムカルシウム水酸化第二鉄イソプロピルアミントリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジンプロカイン等由来であるものなどの遊離カルボキシル基で形成されたものを含む。

0132

投与の経路
本明細書に記載される組換えフォリスタチンタンパク質(または本明細書に記載される組換えフォリスタチンタンパク質を含有する組成物もしくは医薬)は、任意の適切な経路によって投与される。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質またはこれを含有する薬学的組成物は、全身投与される。全身投与は、静脈内投与、皮内投与、吸入投与、経皮(局所)投与、眼内投与、筋肉内投与、皮下投与、筋肉内投与、経口投与、および/または経粘膜投与から選択される。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質またはそれを含有する薬学的組成物は、皮下投与される。本明細書で使用される「皮下組織」は、皮膚のすぐ下の疎な不規則的な結合組織の層として定義される。例えば、皮下投与は、限定されるものではないが大腿部腹部、臀部、または肩甲骨部を含む領域に組成物を注射することによって行うことができる。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質またはそれを含有する薬学的組成物は、静脈内投与される。いくつかの実施形態では組換えフォリスタチンタンパク質またはそれを含有する薬学的組成物は、経口投与される。所望される場合、2つ以上の経路が同時に使用されてもよい。

0133

いくつかの実施形態では、投与は、個体において局所的効果のみをもたらすが、一方他の実施形態では、個体の複数の部分にわたる効果、例えば全身的効果をもたらす。典型的には、投与は組換えフォリスタチンタンパク質の1つ以上の標的組織への送達をもたらす。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、心臓、脳、脊髄、横紋筋(例えば、骨格筋)、平滑筋、腎臓、肝臓、および/または脾臓を含むがこれらに限定されない1つ以上の標的組織に送達される。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は心臓に送達される。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、横紋筋、特に骨格筋に送達される。いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、三頭筋、前脛骨筋、ヒラメ筋、ひ腹筋、二頭筋、僧帽筋、三角筋、四頭筋、および/または横隔膜に送達される。

0134

投与形態および投与レジメン
いくつかの実施形態では、組成物は、特定の所望の転帰に関連付けられている(例えば、デュシェンヌ筋ジストロフィーなどの筋ジストロフィーを治療するまたはそのリスクを減少させることに関連付けられている)治療的有効量で、および/または投与レジメンに従って投与される。

0135

本発明による投与されることになる特定の用量または量は、例えば、所望される転帰の性状および/もしくは程度に、投与の経路および/もしくはタイミングの特徴に、ならびに/または1つ以上の特性(例えば、体重、年齢、既往歴遺伝的特徴生活習慣パラメータ、心欠損の重症度および/もしくは心欠損のリスクのレベル等、またはこれらの組み合わせ)に依存して変化してもよい。このような用量または量は、当業者によって決定されることができる。いくつかの実施形態では、適切な用量または量は、標準的診断技術に従って決定される。これに代えてまたはさらに、いくつかの実施形態では、適切な用量または量は、投与されることになる望ましいまたは最適な用量範囲または量を特定する助けとなるために、1つ以上のインビボまたはインビトロアッセイ法の使用を通して決定される。

0136

様々な実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、治療的有効量で投与される。一般的に、治療的有効量は、対象に対して有意な利益を達成する(例えば、基礎疾患または状態を治療、調節、治癒、予防、および/または軽減する)のに十分なものである。いくつかの特定の実施形態では、投与されることになる適切な用量または量は、インビトロまたは動物モデル試験システム由来の用量反応曲線から推定されてもよい。

0137

いくつかの実施形態では、提供される組成物は、薬学的製剤として提供される。いくつかの実施形態では、薬学的製剤は、デュシェンヌ筋ジストロフィーなどの筋ジストロフィーの発生率またはリスクの低下の達成に関連付けた投与レジメンに従う投与のための単位用量の量であるかまたは該単位用量の量を含む。

0138

いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換えフォリスタチンタンパク質を含む製剤は、単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換えフォリスタチンタンパク質を含む製剤は、規則的な間隔で投与される。本明細書で使用される「間隔」での投与は、治療的有効量が定期的に(1回投与とは区別されて)投与されることを示す。間隔は、標準的な診療技術によって決定され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換えフォリスタチンタンパク質を含む製剤は、隔月、毎月、月2回、3週間毎、隔週、毎週、週2回、週3回、毎日、1日2回、または6時間毎に投与される。1つの個体に対する投与間隔は、一定間隔である必要はないが、個体の要求に応じて経時的に適宜変化してもよい。

0139

本明細書で使用される用語「隔月」は、2ヶ月につき1回(すなわち、2ヶ月毎に1回)を意味し、用語「毎月」は、1ヶ月につき1回の投与を意味し、用語「3週間毎」は、3週につき1回(すなわち、3週間毎に1回)の投与を意味し、用語「週2回」は、2週につき1回(すなわち、2週間毎に1回)投与を意味し、用語「毎週」は、1週につき1回の投与を意味し、用語「毎日」は、1日につき1回の投与を意味する。

0140

いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換えフォリスタチンタンパク質を含む製剤は、規則的な間隔で無期限に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換えフォリスタチンタンパク質を含む製剤は、規則的な間隔で所定の期間にわたって投与される。

0141

併用療法
いくつかの実施形態では、組換えフォリスタチンタンパク質は、筋ジストロフィーの治療用に現在使用されている1つ以上の既知の治療薬(例えば、コルチコステロイド)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、既知の治療薬は、その標準的なまたは承認された投与レジメンおよび/またはスケジュールに従って投与される。いくつかの実施形態では、既知の治療薬は、その標準的なまたは承認された投与レジメンおよび/またはスケジュールと比較した場合に変更されているレジメンに従って投与される。いくつかの実施形態では、このような変更されたレジメンは、1つ以上の単位用量が量で変更されている(例えば、減少または増加されている)という点で、および/または投与が頻度で変更されている点で(例えば、単位用量間の1つ以上の間隔が広げられ、結果的により低い頻度をもたらすか、または間隔が狭められ、結果的により高い頻度をもたらすという点で)、標準的なまたは承認された投与レジメンとは異なる。

0142

実施例1.フォリスタチンはミオスタチンおよびアクチビンを特異的に標的化する
この実施例は、DMDを治療するためのタンパク質治療薬としてのフォリスタチンの安全性を評価するために、標的および非標的リガンドへのフォリスタチン結合を例示説明する。理論に拘束されることを望むものではないが、ミオスタチンおよびアクチビンによるSmad2/3経路の活性化は、筋原性タンパク質発現の阻害をもたらすことが企図される。その結果として、筋芽細胞は筋肉に分化することができない。したがって、ミオスタチンおよびアクチビンは、筋再生のための有望な標的と考えられる。しかしながら、可溶性アクチビン受容体IIB型(sActRIIB)などの多くのミオスタチンおよびアクチビン拮抗物質もまた、ある特定の構造的類似性のために、骨形態発生タンパク質(BMP)に結合する。BMP、特にBMP−9およびBMP−10は、身体全体にわたって組織構造構築する中心的形態発生シグナルと考えられている。このようなBMPの阻害は、望ましくない病理学的状態に導く場合がある。以下に詳細に記載されるように、この実施例で記載される実験データは、フォリスタチンが、ミオスタチンおよびアクチビンを高い親和性で特異的に標的化し、非標的BMPには有意な親和性では結合しないことを裏付けている。したがって、この実施例は、フォリスタチンが、sActRIIBなどの他のミオスタチン調節物質と比較して望ましくない的外れの効果が少ない安全なタンパク質治療薬であり得ることを立証している。

0143

具体的には、市販のフォリスタチン(R&D Systemsにより製造されたFS315、ならびにSino Biologicalにより製造されたフォリスタチン−FcヒトキメラFS315−hFc)、およびFS315−GAG3−mFc融合タンパク質を使用して、Biacoreアッセイ法を用いてアクチビン、ミオスタチン、ならびにBMPに対する結合親和性および動態を評価した。簡単に言うと、FS315を、CM5チップに固定し、ヒトまたはマウス抗体捕捉キット(GE Healthcare)を用いて、フォリスタチン−Fc融合タンパク質が捕捉された。アミンカップリングの後に、アクチビン、ミオスタチン、またはBMP(例えば、BMP−2、−4、−6、−7、−9、−10、およびGDF−11)の一連の濃度を、25℃で可溶性分析物として添加した。sActRIIB−hFcを対照として使用した。結合親和性(Kd)および動態を、標準的な方法を用いて決定した。例示的な結果を表3に示す。

0144

(表3)例示的な結合親和性および動態データ

NM=良好でないカーブフィッティングまたは基準チップへの高い結合性のために測定不能

0145

表3に示すように、フォリスタチン(例えば、FS315またはFS315−Fc)は、標的のミオスタチンおよびアクチビンと高い親和性で結合するが、BMP−9および−10には結合せず(Kdが測定不能であるかまたは10−7Mを超える)、一方sActRIIB−Fcは、ミオスタチン、アクチビン、およびBMPに同様な親和性で結合する。驚くべきことにかつ重要なことに、Fc融合体は、フォリスタチンの主要な標的のミオスタチンへの親和性を少なくとも10倍まで増加させる。

0146

加えて、ルシフェラーゼレポーターアッセイ法を用いて、フォリスタチンがミオスタチンおよびアクチビンシグナル伝達(Smad2/3経路)を特異的に阻害するが、BMPシグナル伝達(Smad1/5/8経路)を阻害しないかどうかをさらに決定した。具体的には、BMP応答要素(BRE)−ルシフェラーゼアッセイ法を用いて、ルシフェラーゼシグナルの減少を測定することによって、フォリスタチンがSmad1/5/8経路を阻害することができるかどうかを決定した(Korchynskyi et al.,Identification and Functional Characterization of Distinct Critically Important Bone Morphogenetic Protein−specific Response Elements in the Id1 Promoter,(2002),J BIOL CHEM.,277(7):4883−4891)。CAGA−ルシフェラーゼアッセイ法を用いて、ルシフェラーゼシグナルの減少を測定することによって、フォリスタチンがSmad2/3経路を阻害することができるかどうかを決定した(Dennler et al.,Direct binding of Smad3 and Smad4 to critical TGFβ−inducible elements in the promoter of human plasminogen activator inhibitor−type 1 gene,(1998),EMBO J,17(11):3091−3100)。簡単に言うと、HEK293細胞を、BRE(BRE−Idl−luc)もしくはCAGA−ルシフェラーゼ(p(CAGA)12−MLP−lucベクター構築物およびウミシイタケルシフェラーゼ構築物(Promega pGL4.74[hRluc/TK])のいずれかで一晩同時導入した。翌日に、細胞を、フォリスタチンの一連の濃度の有無で、ミオスタチンならびにアクチビンで(Smad2/3経路誘導用、CAGA−ルシフェラーゼレポーター)、またはBMP−9ならびにBMP−10で(Smad1/5/8経路誘導用、BRE−ルシフェラーゼレポーター)処置した。一晩のインキュベーションの後に、ウミシイタケ対照に正規化された値で、Promega Dual−Glo Assayキットを使用して、ルシフェラーゼシグナルを決定した。この実験では、天然フォリスタチン(R&D Systems)およびフォリスタチンFc融合タンパク質(Sino BiologicalFS315−hFc、FS315−GAG3−mFc)を試験した。FS315−GAG3−mFcを以下に示す。

0147

BRE−ルシフェラーゼアッセイ法の例示的な結果を図1に示す。FS315−Fcは、Smad1/5/8経路を通るBMP−9または−10シグナル伝達を阻害しない。

0148

CAGA−ルシフェラーゼアッセイ法の例示的な結果を図2に示す。FS315およびFS315−GAG3−mFcの両方共に、Smad2/3の活性化物質として知られる生理学的に適切なレベルのミオスタチン(1.2nM)およびアクチビン(0.4nM)の投与後に観察されたSmad2/3誘導の量と比較して、0.1nM以上の用量においてSmad2/3シグナル伝達の強力な阻害を示した。これらの結果は、フォリスタチンが、ミオスタチンおよびアクチビン活性の強力かつ特異的な阻害物質であることを示している。Fc融合体の存在は、天然FS315分子とFS315−GAG3−mFc融合タンパク質との間の類似の阻害曲線によって示されるように、フォリスタチンの効力に悪影響を及ぼさなかった。予想外かつ重要なことに、本発明によるFc融合タンパク質は、フォリスタチンの主要な標的ミオスタチンへの結合親和性を著しく増加させる(例えば、表3に示すように、少なくとも10倍)。

0149

実施例2.フォリスタチン融合タンパク質FS315−GAG3−mFcは延長された血清半減期を有する
本発明者らの発明の以前には、フォリスタチンをタンパク質治療薬として開発する上での懸念材料である、フォリスタチンが短い血清半減期を有することが報告されていた。例えば、典型的な市販のFS315タンパク質は、約1時間の血清半減期を有する。この実施例では、FS315−GAG3−mFc融合タンパク質のインビボ半減期を決定し、これは著しく延長された血清半減期を有する。

0150

具体的には、刷り込み制御配列(ICR)マウスをモデルとして選択し、I125標識FS315−GAG3−mFcを、1.0mg/kg(約2μCi/動物)で皮下投与した。投与後に、注射後10日間まで、血清および組織の試料採取した。試料採取された組織は、甲状腺、肝臓、腎臓、肺、脾臓、横隔膜、心臓、四頭筋、および三頭筋であった。血清試料の例示的な結果を図3Aに示す。見られるように、FS315−GAG3−mFcの血清半減期は、約5日間であり、これは、当該技術分野において知られている短いフォリスタチン血清半減期(約1時間)と比較した場合、驚くほど長い。種々の組織に対するPKプロファイルの例示的な結果を図3Bおよび表4に示す。フォリスタチン−Fcの半減期は、甲状腺を除いて、全組織で2〜5日間であった。さらにまた、延長された組織半減期プロファイルは予想外である。

0151

延長されたインビボ半減期のデータは、フォリスタチンがDMDの治療のために有効なタンパク質治療薬であり得ることをさらに裏付けている。

0152

(表4)例示的なFS315−GAG3−mFcのインビボPKデータ

0153

実施例3.FS315−GAG3−mFcのインビボ有効性
この実施例は、フォリスタチン(例えば、FS315−GAG3−mFc)のデュシェンヌ筋ジストロフィーのmdxマウスモデルへの投与が、1mg/kgの低用量でも筋肉量の増加の傾向をもたらすことを立証する。この実施例では、用語「FS315−GAG3−mFc」、「FS315−Fc」、および「FS315−mFc」が互換的に使用されている。

0154

具体的には、本試験では、45匹のmdxマウスを、空ビヒクル、0mg/kg、1.0mg/kg、または8mg/kgのFS315−GAG3−mFcで処置した。ビヒクル群中または処置群中の動物は、試験継続期間中に1週間毎に2回の皮下(肩甲骨間)注射を受け、フォリスタチン融合タンパク質レベルを、後眼窩試料採取を通して評価した。

0155

ビヒクル処置された対照動物半数を、1mg/kgのFS315−Fc群と共に屠殺し、未処置対照動物と一緒にビヒクル処置された残りの動物は、8mg/kg処置群と共に屠殺した。例示的な処置スケジュールを表5AおよびBに示す。

0156

(表5)mdxマウスにおける例示的な注射および試料採取スケジュール
5A:1mg/kgのFS315−GAG3−mFc処置過程

5B:8mg/kgのFS315−GAG3−mFc処置過程

0157

1mg/kgのFS315−Fc群に対するビヒクル処置における筋肉重量に関する例示的なデータを図4に示す。具体的には、図4は、1mg/kgによる処置の4週後ならびに10週後、および8mg/kgによる処置の6週後の四頭筋(図4A)、ひ腹筋(図4B)、前脛骨筋(図4C)、および三頭筋(図4D)についてのグラム単位での筋肉重量を示す。筋肉重量データは、ベースラインの体重で調整されている。

0158

投与後のフォリスタチンの循環レベルの例示的なデータを図5に示す。具体的には、図5Aは、1mg/kgの週2回注射で処置された動物の血清中のFS315−mFcのレベルを示し、図5Bは、8mg/kgで週2回処置された動物の血清中のFS315−mFcのレベルを示す。

0159

図4〜5に示すように、FS315−FcがDMDの動物モデルにおいて筋肉量を増加させることを明確に示唆している。

0160

実施例4.組換えフォリスタチン−Fc融合タンパク質のインビボ有効性
この実施例は、フォリスタチン−Fc融合タンパク質の投与が、インビボで筋肥大(例えば、筋肉量および筋線維の直径の増加)をもたらすことを立証する。

0161

本試験では、C57BL/10マウスおよびmdxマウスの両方が、FS315−GAG3−mFcをひ腹筋に注射された(筋肉内注射、IM)。具体的には、各マウスは、週2回、両側に1本ずつ2本の注射を受けた。左側ひ腹筋は、合計で注射当たり20μgのタンパク質となるようにFS315−GAG3−mFcの1mg/mL溶液20μLを受けた。右側ひ腹筋は、20μLのPBSを受けた(ビヒクル対照)。注射は週2回、合計で4週間行われた。最終の注射から24時間後に、マウスを屠殺し、ひ腹筋を注意深く切除し、量した。可溶性アクチビンIIB型受容体−Fcマウスキメラ(sActRIIB−mFc、R&D Systems)を同一用量で投与した群が、陽性対照として含まれた。加えて、未処置マウスが、陰性対照として含まれた。

0162

図6は、20μgのFS315−mFcまたはsActRIIB−mFcで週2回処置された後の、C57対照マウスおよびmdxマウスの双方における筋肉量の大幅な増加を示している。図6で示された試験設計および数値データを以下の表6に示す。

0163

(表6)筋肉重量

*本実施例で使用されたすべてのフォリスタチン構築物はGAG3リンカーを含有する。
**P値は、対応t検定から得て、ボンフェローニ補正を行う(6つの統計的試験について補正する)。

0164

筋線維の直径を、注射したひ腹筋のディジタルスライドスキャンを通して決定した。試料を10%の中性緩衝化生理食塩水中で固定し、加工処理してパラフィンに埋め込み、5μm切片に切断し、筋肉の細胞膜を染色する方法であるAlexa fluor 488結合麦芽凝集素(WGA)で染色した。走査画像画像解析ソフトウェア(ImageScopeおよびImagePro Plus)を使用して解析した。各筋線維については、筋線維の重心を通過する筋線維の断面長さを2度の間隔で測定することによって、平均直径を決定した。

0165

図6によると、図15は、FS315−mFcで処置されたひ腹筋の筋線維直径における増加を立証している。この増加は、C57(野生型(WT)、図15A)およびmdxマウス(図15B)の両方で生じた。より大きな直径への移行の立証は、筋肉重量の増加が筋肥大の結果であることを示唆している。表7は、例示的な平均直径変化および対応する統計的分析概要である。

0166

(表7)

0167

使用された統計的モデルは、各動物において行われた複数の測定を説明することができる階層的線形モデル(HLM)であった。各系統および処置群内の未処置と処置脚部との間の差は非常に有意である(p<0.0001、これが筋肉重量データを確証する)。

0168

これらのデータは、フォリスタチン、特にフォリスタチン−Fc融合タンパク質が、筋成長を誘導でき、DMDに関連する筋委縮を治療できることを立証している。

0169

実施例5.例示的なフォリスタチン変異体のインビボ有効性
実施例2〜4に示した野生型フォリスタチンFS315タンパク質に基づくインビボ半減期および有効性のデータは、フォリスタチンがDMDのための有効なタンパク質療法として使用することができることを立証している。この実施例は、タンパク質治療薬がフォリスタチン変異体に基づいて開発することできることも立証する。

0170

具体的には、例示的なフォリスタチンドメインの欠失または点突然変異を、以下の表8に記載されるように生成し、変異体と野生型フォリスタチンとの間の比較を容易にするために、十分に確立されたIM/AAV送達系を使用して、それらの筋再生効力について試験した。

0171

本試験では、合計で35匹の3〜4週齢のC57マウスを全体で7つの群で使用した。5つのフォリスタチン変異体が試験され(表8)、野生型FS315および空ベクターを対照として使用して、7つの群がそれぞれ5匹のマウスから形成された。FS315をコードする遺伝子は、細胞からの分泌の際に切断されるシグナルペプチドを表す追加の29個のアミノ酸を有する。したがって、FS315およびFS344は、同一の野生型構築物を指し、以下の実施例では互換的に使用される。

0172

(表8)例示的なフォリスタチン変異体の有効性スクリーニング

0173

フォリスタチン変異体を、動物1体当たり約1×1011のウイルス粒子の用量でAAV9ベクターを用いて、単回の片側の注射によって、左側四頭筋および左側ひ腹筋に投与した。注射後2、4、および6週間で、次のエンドポイントを試験した:血清中および尿中のフォリスタチンレベル、マウスの体重、個々の筋肉の重量(注射した筋肉および遠位筋群)、ならびに組織学的検査(例えば、線維の数、サイズ、およびタイプ等)。反対側の筋肉は、本試験についての動物内コンパレータとして役立った。

0174

図7に示すように、野生型FS315およびドメイン3欠失変異体の両方が、空ベクター対照と比較して、体重を有意に増加させた。特に、試験されたドメイン3欠失フォリスタチン変異体は、注射後早くも3週間で体重を増加させた。

0175

図8は、注射後2週間の同側および反対側の双方の(A)ひ腹筋および(B)四頭筋の例示的な平均筋肉重量を示している。示した野生型FS315およびドメイン3欠失フォリスタチン変異体の両方は、注射後2週までに同側の筋肉量を有意に増加させた(図8)。特に、FS315およびdFSD3で注射した筋肉は、空ベクターと比べて重量で60%〜70%大きかった(図8)。dFSD3で注射した、切り取った四頭筋は、2週目で反対側の未処置の筋肉よりも顕著に大きかった(図9)。

0176

4週目には、ドメイン3が欠失されたフォリスタチンおよび野生型フォリスタチンは、注射された筋肉および遠位の筋肉の両方で筋肉量を増加させた。図10を参照されたい。2週目で観察されたように、dFSD3は、未処置側と比べて注射された筋肉において著しく大きな筋肉量を伴い、4週目に有意な肥大効果を引き起こした(図11)。ELISAにより決定された血清中のフォリスタチンレベルは、野生型およびdFSD3処置マウスのものと同様であり、2、4、および6週間で平均して30ng/mLであった(データ図示せず)。

0177

筋線維サイズもまた、標準的な組織学的および免疫組織化学的方法を使用して、注射後2、4、および6週目で注射された筋肉と遠位筋肉の両方で決定した。例示的な2、4、および6週目の結果をそれぞれ図12、13、および14に示す。全ての統計は、グラフパッドプリズムにおいてDunnettの多重比較検定を用いる一元配置分散分析を使用して行った。誤差棒はSEMを表す。

0178

図12に示すように、注射された筋肉では2週目に、筋線維肥大が、FS344(23%)、dFSD3(30%)、Y185A、およびL191D群においては四頭筋で、ならびにFS344(17%)およびdFSD3(25%)群においてはひ腹筋で観察された。遠位筋群では、筋線維肥大は、dFSD2(12%)群においては前脛骨筋(TA)で観察された。三頭筋または横隔膜では、肥大は観察されなかった。

0179

図13に示すように、注射された筋肉では4週目に、筋線維肥大が、FS344(41%)、dFSD3(50%)、dFSD113、およびL191D群においては四頭筋で、ならびにFS344(42%)、dFSD2、dFSD3(73%)、dFSD113、Y185A、およびL191D群においてはひ腹筋で観察された。遠位筋群では、筋線維肥大は、dFSD3(10%)群においては前脛骨筋で、ならびにFS344(23%)およびdFSD2(29%)群においては横隔膜で観察された。三頭筋では、肥大は観察されなかった。

0180

図14に示すように、注射された筋肉では6週目に、筋線維肥大が、FS344(41%)、dFSD3(30%)、Y185A群においては四頭筋で、およびFS344(90%)、dFSD3(49%)、Y185A、L191D群においてはひ腹筋で観察された。遠位筋群では、筋線維肥大は、FS344(26%)、dFSD3(41%)、dFSD113、Y185A、およびL191D群においては前脛骨筋で観察され、ならびにdFSD3(35%)群においては横隔膜で観察された。最小の肥大が三頭筋で観察された。

0181

まとめると、これらの結果は、タンパク質治療薬がフォリスタチン変異体に基づいて開発され得ることを示している。例えば、フォリスタチンドメインの欠失または点突然変異は、筋再生有効性を保持または向上させることができる。上記のように、ドメイン3の欠失は、DMDを治療するために特に有用なフォリスタチン変異体であり得る。

0182

実施例6.FS315−GAG3−mFcの全身的有効性
実施例4に示したように、FS315−mFcのひ腹筋への注射は、対照筋肉に対比して筋肉量の増加をもたらした。この実施例は、FS315−mFcの全身的注射もまた、注射の部位から遠位の種々の部位において筋成長を誘導することができることを示す。この実施例で使用された全てのフォリスタチン構築物は、GAG3リンカーを含有する。

0183

動物の数の半分が、PBSの皮下(肩甲骨間)注射を1週間に2回、8週にわたって受け(対照)、他の半分の数の動物が、10mg/kgのFS315−mFcの皮下(肩甲骨間)注射を1週間に2回、8週間にわたって受けて、合計で20匹のC57BL/6マウスを本試験で使用した。最後の注射後24時間で動物を屠殺し、左側ならびに右側の四頭筋、ひ腹筋、前脛骨筋、および三頭筋の重量を測定し、同時に動物の全体重も測定した。以下の表9は、この実施例についての実験計画をまとめている。

0184

(表9)実験計画

0185

図16は、試験の8週間の過程を通しての例示的な体重データを示す。見ることができるように、FS315−mFc処置動物についての体重は、ビヒクル処置対照動物よりも有意に大きく、これは2週目から始まり、8週間の試験全体を通して継続した。図17は、例示的な筋肉重量データを表す。FS315−mFcで処置されたマウスからの三頭筋は、早くも4週目にビヒクル対照と比べて重量が有意に大きかった。8週間の処置後に、三頭筋および四頭筋群の両方は、ビヒクルと比べて重量の有意な増加を示した(図17)。筋線維サイズを、実施例4に記載される方法によって決定した。図18は、4週目および8週目の三頭筋および四頭筋群についての筋線維直径におけるパーセント増加を示している。両方の筋群は、4週目および8週目の双方で、FS315−mFcによる処置後により大きな筋線維サイズに向かう移行を立証した。

0186

加えて、血清フォリスタチンレベルが、皮下注射後に増加した。例えば、処置された(週2回の皮下注射によって)マウスの血清中のFS315−mFcレベルを図19に示す。FS315−mFcレベルは、FS315−mFc注射から血清採集までの時間(24時間)に一致する4週目および8週目の屠殺時点で採集された血清において最も高かった。これらの時点では、FS315−pmFcの血清レベルは、約200ng/mLの平均値となった。FS315−mFc注射後3日目に、隔週で後眼窩出血を採集し、FS315−mFcの血清レベルは、約30〜50ng/mLの平均値となった。

0187

これらのデータは、FS315−mFcの全身的注射(例えば、皮下注射)が体全体にわたる種々の筋肉において筋成長を効果的に誘導できることを立証している。

0188

実施例7.DMDマウスモデルにおけるフォリスタチン−Fc融合タンパク質の全身的有効性
この実施例は、DMD疾患モデルにおける全身的有効性を更に立証する。特に、以下に示すように、FS315−mFcの全身的注射は、筋壊死および/または線維症などの種々の特徴的なDMD症状の進行を効果的に低下させた。この実施例で使用される全てのフォリスタチン構築物は、GAG3リンカーを含有する。

0189

mdxマウスモデルは、DMDのための候補療法の概念立証を裏付けるための前臨床モデルとして広範囲に使用されている。mdxマウスの下肢筋群および横隔膜の両方が、年齢とともに増加する傾向がある広汎性病変を示している。このような病変は、筋肉中の炎症性浸潤、壊死、および線維症の領域によって特徴付けられる。FS315−mFcが、筋肉中の線維症の進行に及ぼすその効果を評価するために、このモデルにおいて試験された。週2回、12週間にわたって、20匹の動物がPBSの皮下注射を受け、30匹の動物が10mg/kgのFS315−mFcの皮下注射を受けて、合計で50匹のmdxマウスをこの実施例で使用した(表10参照)。最後の注射後24時間で動物を屠殺し、壊死および線維症の分析用に組織を採集した(表11を参照)。

0190

(表10)実験計画

0191

(表11)組織採集および加工処理

0192

図20は、RNAレベルにおける線維性タンパク質発現に及ぼすFS315−mFcの例示的な効果を示している。具体的には、コラーゲンI型、α−平滑筋アクチン、およびコラーゲン三重へリックスリピート含有1タンパク質のRTPCRは、週2回の皮下処置後に早くも6週間で、これらの線維症関連タンパク質の発現において有意な減少を立証した。

0193

表12および13は、筋肉組織切片における壊死の組織病理学的評価(HE染色切片の評価によって決定される)および線維症の組織病理学的評価(FS315−mFc処置mdxマウスの筋肉中のI型コラーゲン染色筋肉切片の評価によって決定される)を要約する。FS315−mFcおよびビヒクル処置群については、それぞれ群当たり15匹および10匹の総数の動物がいた。表12に示すように、FS315−mFc処置は、下肢筋肉中の壊死の発生率を週2回の注射の開始から早くも6週間で有意に減少させた。この壊死の減少は、四頭筋および三頭筋を通るHE切片の画像で図示されている(図21)。筋肉組織切片のI型コラーゲン染色によって裏付けられる線維症の発生率は、FS315−mFc処置の12週間後に有意に減少した(表13も参照)。このコラーゲン沈着における減少は、I型コラーゲン染色筋肉切片の画像で図示されている(図22)。

0194

本試験の結果は、FS315−mFcが、限定されるものではないが、筋壊死および/または線維症を含むDMDマウスモデルにおける異常のある筋肉病変の進行を効果的に減少させることによってDMDを有効に治療できることを立証している。

0195

(表12)FS315−mFc処置mdxマウス筋肉中の壊死の発生率(p値は、フィッシャー直接確率法を用いてビヒクルとFS315−mFcとの間の有意性の程度を示す)

調べた筋総面積において、最小:<5%;中程度:<30%;顕著:>30%

0196

(表13)線維症の発生率(p値は、フィッシャー直接確率法を用いてビヒクルとFS315−mFcとの間の有意性の程度を示す)

調べられた筋総面積おいて、最小:約1%;中程度:<5%;顕著:>5%

0197

実施例8.組換えフォリスタチンドメイン3欠失Fc融合タンパク質のインビボ有効性
この実施例は、フォリスタチンドメイン3欠失(dFSD3)Fc融合タンパク質が、野生型フォリスタチン−Fc融合タンパク質と同様にインビボの筋成長を効果的に誘導したことを立証する。この実施例で使用される全てのフォリスタチン構築物は、GAG3リンカーを含有する。

0198

具体的には、実施例5に記載されるドメイン3が欠失された構築物を、FS315−mFcに使用されたものと同一のmFcに融合させた。加えて、同一のGAG3リンカー配列を、dFSD3をmFcに融合させるために使用した。実施例4に記載される通りに、C57BL/10マウスは、ひ腹筋に直接、両方の融合タンパク質を注射された。20μgの融合タンパク質の週2回の4週間にわたる注射後にマウスを屠殺し、反対側のひ腹筋は同一容量のPBSを受けた。最終の注射後24時間で、処置マウスを屠殺し、注射されたひ腹筋を注意深く注射し、秤量した。図23に示したように、dFSD3−GAG3−mFc融合タンパク質は、ビヒクル対照を超える筋肉量における有意な増加に導き、この増加は、FS315−mFcで観察されたものと同様であった。この実施例は、フォリスタチンドメイン3欠失Fc融合タンパク質(例えば、dFSD3−GAG3−mFc)が、インビボで活性であり、DMD治療のための別の有望な治療薬候補物質であることを示している。

0199

実施例9.フォリスタチン機能に及ぼすより長いリンカーの利点
この実施例は、より長いリンカー、特に少なくとも10個のアミノ酸を含有するリンカーが、フォリスタチン機能に予期せぬ地点を提供することを立証する。具体的には、この実施例は、57個のアミノ酸のリンカーを含有するFS315−GAG3−Fc融合タンパク質(ネズミおよび/またはヒトFc)が、9個のアミノ酸のリンカーALEVLFQGPを含有する、Sino Biological(Sino Biological Inc.カタログ番号10685−H02H)から得た市販のFS315−hFc融合タンパク質と比べて、ミオスタチンおよびアクチビンを阻害するその能力においてより強力であることを示している。シグナル伝達アッセイ法に使用されたミオスタチンおよびアクチビンの濃度は、1.2nMであった。図24および表14に示すように、FS315−GAG3−mFcおよびFS315−GAG3−hFc融合タンパク質は、CAGA−ルシフェラーゼアッセイ法においてミオスタチンおよびアクチビンシグナル伝達を天然FS315と同程度まで阻害する。これと比較して、市販のFS315−hFc融合タンパク質(Sino Biological)は、非常に強力さが劣っている。計算されたIC50値は以下の通りである。

0200

(表14)Smad2/3シグナル伝達についてのCAGA−ルシフェラーゼレポーターアッセイ法におけるミオスタチンおよびアクチビンのフォリスタチン阻害に関する例示的なIC50値

0201

特定の理論にとらわれることを望むものではないが、FS315タンパク質とFc領域との間のより長いリンカー(例えば、この特定の構築物FS315−GAG3−Fc中の57個のアミノ酸のリンカー)は、非常に短いリンカー(例えば、9個のアミノ酸)を有する融合タンパク質と比べて、FS315のより天然に近い構造を可能にすることができ、標的リガンドへの結合およびシグナル伝達の阻害を天然のFS315で観察されたものと同程度まで可能にする。これと比較して、市販のFS315−hFcタンパク質は、FcとFS315タンパク質との間のはるかに少ない分離を伴う、9個のアミノ酸の非常に短いリンカーを有し、FS315構造および生理学的活性に及ぼす有害な影響を潜在的に引き起こす。

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