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技術 保護制御装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 斉藤往広田辺貴敏中根大祐橋本和久若林亜星天野皓太
出願日 2017年9月25日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2017-183864
公開日 2019年4月18日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2019-059276
状態 未査定
技術分野 乗員・歩行者の保護
主要キーワード 衝突負荷 圧電フィルムセンサ 保護領域内 動作装置 JIS規格 固定障害物 右ピラー 不揮発性RAM
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

二次衝突位置推定を確実に実行し、あるいは良好な精度で二次衝突位置を推定することで、より最適な保護動作を実現する。

解決手段

物体検知部(72)は、車両(1)の周辺に存在する物体を検知する。衝突センサ(71)は、物体とバンパ(3)との衝突により印加された衝撃に応じた出力を発生する。第一推定部(8321)は、一次衝突状況にて、物体検知部による検知結果に基づいて、歩行者又は二輪車の乗員である保護対象物体の二次衝突位置を推定する。第二推定部(8322)は、一次衝突状況にて、衝突センサの出力に基づいて、二次衝突位置を推定する。保護動作制御部(84)は、第一推定部及び第二推定部により推定された二次衝突位置に基づいて、保護装置(10)の動作を制御する。

概要

背景

この種の保護制御装置として、特許文献1に開示された装置が知られている。特許文献1に記載の保護制御装置は、二次衝突位置推定部と、動作装置選択部と、動作指示部とを備えている。二次衝突位置推定部は、車両と衝突した自転車相対速度と一次衝突位置とに基づいて、当該自転車の乗員の二次衝突位置を推定する。動作装置選択部は、二次衝突位置推定部が推定した二次衝突位置に基づいて、動作させるべき保護装置を選択する。動作指示部は、動作装置選択部によって選択された保護装置を動作させる。

概要

二次衝突位置の推定を確実に実行し、あるいは良好な精度で二次衝突位置を推定することで、より最適な保護動作を実現する。物体検知部(72)は、車両(1)の周辺に存在する物体を検知する。衝突センサ(71)は、物体とバンパ(3)との衝突により印加された衝撃に応じた出力を発生する。第一推定部(8321)は、一次衝突状況にて、物体検知部による検知結果に基づいて、歩行者又は二輪車の乗員である保護対象物体の二次衝突位置を推定する。第二推定部(8322)は、一次衝突状況にて、衝突センサの出力に基づいて、二次衝突位置を推定する。保護動作制御部(84)は、第一推定部及び第二推定部により推定された二次衝突位置に基づいて、保護装置(10)の動作を制御する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

車両(1)と衝突した人間を保護する保護装置(10)の動作を制御するように構成された、保護制御装置(80)であって、前記車両の周辺に存在する物体を検知するように設けられた物体検知部(72)による検知結果に基づいて、歩行者及び乗員付き二輪車を含む特定物体の前記車両との一次衝突が発生した又は発生した可能性が高い状況である一次衝突状況にて、前記歩行者又は前記乗員である保護対象物体二次衝突位置推定するように設けられた、第一推定部(8321)と、車体の一部を構成するバンパ(3)に設けられていて前記物体と前記バンパとの衝突により印加された衝撃に応じた出力を発生するように構成された衝突センサ(71)の出力に基づいて、前記一次衝突状況にて前記二次衝突位置を推定するように設けられた、第二推定部(8322)と、前記第一推定部及び前記第二推定部により推定された前記二次衝突位置に基づいて、前記保護装置の動作を制御するように設けられた、保護動作制御部(84)と、を備えた保護制御装置。

請求項2

前記第二推定部は、前記衝突センサの前記出力と、前記車両の挙動とに基づいて、前記二次衝突位置を推定するように構成された、請求項1に記載の保護制御装置。

請求項3

前記保護動作制御部は、前記第一推定部による前記二次衝突位置の推定結果が得られない場合、前記第二推定部による前記二次衝突位置の推定結果に基づいて、前記保護装置の動作を制御するように構成された、請求項1又は2に記載の保護制御装置。

請求項4

前記保護動作制御部は、前記第二推定部による前記二次衝突位置の推定結果が得られない場合、前記保護装置の動作を待機するように構成された、請求項1〜3のいずれか1つに記載の保護制御装置。

請求項5

前記保護動作制御部は、前記第一推定部により推定された前記二次衝突位置と前記第二推定部により推定された前記二次衝突位置とのうちの一方に基づいて他方を補正するように構成された、請求項1〜4のいずれか1つに記載の保護制御装置。

請求項6

前記保護装置は、前記車両の挙動を制御するように構成された、挙動制御装置(11)と、前記車体の一部を構成するフロントフード(4)を上昇させるように構成されたポップアップフード装置(12)と、前記車体上にて展開することで前記保護対象物体を保護するように構成された歩行者エアバッグ装置(13)とのうちの少なくともいずれか一方と、を有し、前記保護動作制御部は、前記挙動制御装置に、前記二次衝突位置が前記ポップアップフード装置又は前記歩行者エアバッグ装置の保護領域内となるように前記車両の挙動を制御する誘導制御を実行させるように構成された、請求項1〜5のいずれか1つに記載の保護制御装置。

請求項7

前記保護動作制御部は、前記第一推定部により推定された前記二次衝突位置と前記第二推定部により推定された前記二次衝突位置とが所定範囲内に存在する場合、前記第二推定部による前記二次衝突位置の推定結果に基づいて、前記保護装置の動作を制御するように構成された、請求項1〜6のいずれか1つに記載の保護制御装置。

請求項8

前記保護動作制御部は、前記第一推定部により推定された前記二次衝突位置と前記第二推定部により推定された前記二次衝突位置とが所定範囲内に存在しない場合、前記第二推定部による前記二次衝突位置の推定結果に基づいて、前記歩行者エアバッグ装置の動作を制御するように構成された、請求項6に記載の保護制御装置。

請求項9

前記保護動作制御部は、前記第一推定部により推定された前記二次衝突位置と前記第二推定部により推定された前記二次衝突位置とが所定範囲内に存在する場合、前記挙動制御装置による前記誘導制御を実行し、前記第一推定部により推定された前記二次衝突位置と前記第二推定部により推定された前記二次衝突位置とが前記所定範囲内に存在しない場合、前記挙動制御装置による前記誘導制御を禁止するように構成された、請求項6に記載の保護制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両と衝突した人間を保護する保護装置の動作を制御するように構成された、保護制御装置に関する。

背景技術

0002

この種の保護制御装置として、特許文献1に開示された装置が知られている。特許文献1に記載の保護制御装置は、二次衝突位置推定部と、動作装置選択部と、動作指示部とを備えている。二次衝突位置推定部は、車両と衝突した自転車相対速度と一次衝突位置とに基づいて、当該自転車の乗員の二次衝突位置を推定する。動作装置選択部は、二次衝突位置推定部が推定した二次衝突位置に基づいて、動作させるべき保護装置を選択する。動作指示部は、動作装置選択部によって選択された保護装置を動作させる。

先行技術

0003

特開2017−19378号公報

発明が解決しようとする課題

0004

この種の保護制御装置において、より最適な保護動作を実現するため、様々な研究がなされている。具体的には、例えば、二次衝突位置の推定に用いられる検知部の異常発生、あるいは当該検知部の動作に適さない車両走行環境の発生等によって、二次衝突位置の推定が良好になされない場合があり得る。歩行者又は自転車等と車両との一次衝突が不可避である状況下で、二次衝突位置の推定を確実に実行し、良好な精度で二次衝突位置を推定することは、最適な保護動作を実現するために重要である。本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。

課題を解決するための手段

0005

請求項1に記載の保護制御装置(80)は、車両(1)と衝突した人間を保護する保護装置(10)の動作を制御するように構成されている。
この保護制御装置は、
前記車両の周辺に存在する物体を検知するように設けられた物体検知部(72)による検知結果に基づいて、歩行者及び乗員付き二輪車を含む特定物体の前記車両との一次衝突が発生した又は発生した可能性が高い状況である一次衝突状況にて、前記歩行者又は前記乗員である保護対象物体の二次衝突位置を推定するように設けられた、第一推定部(8321)と、
車体の一部を構成するバンパ(3)に設けられていて前記物体と前記バンパとの衝突により印加された衝撃に応じた出力を発生するように構成された衝突センサ(71)出力に基づいて、前記一次衝突状況にて前記二次衝突位置を推定するように設けられた、第二推定部(8322)と、
前記第一推定部及び前記第二推定部により推定された前記二次衝突位置に基づいて、前記保護装置の動作を制御するように設けられた、保護動作制御部(84)と、
を備えている。

0006

上記構成において、前記バンパに設けられた前記衝突センサは、印加された衝撃に応じた前記出力を発生する。前記物体検知部は、前記車両の周辺に存在する前記物体を検知する。前記第一推定部は、前記一次衝突状況にて、前記物体検知部による検知結果に基づいて、前記二次衝突位置を推定する。前記第二推定部は、前記一次衝突状況にて、前記衝突センサの前記出力に基づいて、前記二次衝突位置を推定する。前記保護動作制御部は、前記第一推定部及び前記第二推定部により推定された前記二次衝突位置に基づいて、前記保護装置の動作を制御する。

0007

上記の通り、上記構成においては、前記二次衝突位置の推定が、前記第一推定部による推定即ち前記物体検知部による検知結果に基づく推定と、前記第二推定部による推定即ち前記衝突センサの前記出力に基づく推定とに冗長化されている。このため、上記構成によれば、前記第一推定部による前記二次衝突位置の推定結果と、前記第二推定部による前記二次衝突位置の推定結果とが取得され得る。

0008

したがって、例えば、状況に応じて前記第一推定部による前記二次衝突位置の推定結果と前記第二推定部による前記二次衝突位置の推定結果とのうちの一方を選択したり、一方に基づいて他方を補正したりすることで、前記二次衝突位置の推定精度の向上が図られ得る。あるいは、例えば、前記物体検知部の異常発生、あるいは当該物体検知部の動作に適さない車両走行環境の発生等によって、前記第一推定部による前記二次衝突位置の推定が良好になされない場合であっても、前記第二推定部により前記二次衝突位置の推定が行われ得る。このように、上記構成によれば、前記二次衝突位置の推定が確実に実行され、あるいは良好な精度で前記二次衝突位置が推定されることで、より最適な保護動作を実現することが可能となる。

0009

なお、上記及び特許請求の範囲の欄における、各手段に付された括弧付きの参照符号は、同手段と後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。よって、本発明の技術的範囲は、上記の参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。

図面の簡単な説明

0010

実施形態の保護制御装置を搭載した車両の概略構成を示す平面図である。
図1に示された保護制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図2に示された保護制御装置の一動作例を示すフローチャートである。
図3に示された二次衝突位置推定処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示された第一推定位置の推定処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示された第二推定位置の推定処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示された調整処理の一例を示すフローチャートである。
図2に示された保護制御装置の他の一動作例を示すフローチャートである。
図2に示された保護制御装置のさらに他の一動作例を示すフローチャートである。
図9に示された二次衝突位置推定処理の一例を示すフローチャートである。
図10に示された第一推定位置の推定処理の一例を示すフローチャートである。
図10に示された第二推定位置の推定処理の一例を示すフローチャートである。
図1に示された衝突センサの出力例を示すグラフである。
一変形例の保護制御装置を搭載した車両の概略構成を示す平面図である。
図14に示された衝突センサの出力例を示すグラフである。
図14に示された衝突センサの出力例を示すグラフである。

実施例

0011

(実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、一つの実施形態に対して適用可能な各種の変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中に挿入されると当該実施形態の理解が妨げられるおそれがあるため、当該実施形態の説明の後にまとめて記載する。

0012

(車両の概略構成)
図1を参照すると、車両1は、いわゆる自動車であって、箱状の車体2を有している。車両1及び車体2における、「前」、「後」、「左」、及び「右」の概念は、図1にて矢印で示した通りである。なお、前後方向を「車両全長方向」を称し、左右方向を「車幅方向」と称し、車両全長方向と直交し且つ車幅方向と直交する方向を「車高方向」と称することがある。

0013

車体2の前端には、フロントバンパ3が設けられている。また、車体2には、フロントフード4と、フロントウィンドゥ5と、フロントピラー6とが設けられている。

0014

車両1には、保護装置10が搭載されている。保護装置10は、車両1と衝突した人間を保護するように構成されている。

0015

「車両1と衝突した人間」には、例えば、車両1と直接的に衝突した歩行者の他に、車両1と衝突した二輪車、車椅子等の乗員が含まれる。二輪車には、自転車及び自動二輪車が含まれる。例えば、車両1と乗員付き二輪車との衝突においては、車両1と直接的に衝突した物体は、乗員ではなく二輪車である場合がある。但し、この場合であっても、二輪車の乗員は、車両1と「間接的」に衝突したということが可能である。車椅子等の乗員についても同様である。

0016

即ち、保護装置10は、車両1と特定物体とが衝突した場合に、車両1と直接的又は間接的に衝突した人間を保護するために動作するように構成されている。「特定物体」には、歩行者、乗員付き二輪車、乗員付き車椅子、等が含まれる。保護装置10により保護される、車両1と直接的又は間接的に衝突した人間、即ち歩行者又は二輪車等の乗員は、「交通弱者」あるいは「保護対象物体」とも称され得る。

0017

本実施形態においては、保護装置10は、挙動制御装置11と、ポップアップフード装置12と、歩行者エアバッグ装置13とを有している。

0018

挙動制御装置11は、車両1の挙動を制御するように設けられている。具体的には、いわゆるプリクラッシュセーフティシステムを構成する挙動制御装置11は、不図示のブレーキ制御装置及び操舵制御装置等を有していて、車両1の周辺の物体と車両1との位置関係に応じてブレーキ制御及び操舵制御等を実行するように構成されている。車両1の挙動を、以下「車両挙動」と略称する。

0019

交通弱者保護装置であるポップアップフード装置12及び歩行者エアバッグ装置13は、車両1と特定物体との一次衝突が発生した場合に、歩行者又は乗員である人間が車両1と二次衝突することによって受ける衝撃を軽減するように設けられている。具体的には、ポップアップフード装置12は、作動時にフロントフード4の後端部を上方に押し上げるように構成されている。歩行者エアバッグ装置13は、車体2上にて展開することで保護対象物体を保護するように構成されている。

0020

本実施形態においては、歩行者エアバッグ装置13は、右前方エアバッグ13aと、左前方エアバッグ13bと、右ピラーエアバッグ13cと、左ピラーエアバッグ13dとを有している。本実施形態においては、右前方エアバッグ13aと、左前方エアバッグ13bと、右ピラーエアバッグ13cと、左ピラーエアバッグ13dとは、それぞれ独立に展開可能に設けられている。

0021

右前方エアバッグ13a及び左前方エアバッグ13bは、フロントフード4とフロントウィンドゥ5とが車両全長方向について隣接する部分に対応して展開するように構成されている。右前方エアバッグ13aは、車幅方向における中央部から右端部に対応して設けられている。左前方エアバッグ13bは、車幅方向における中央部から左端部に対応して設けられている。右ピラーエアバッグ13cは、右側のフロントピラー6に対応して展開するように構成されている。左ピラーエアバッグ13dは、左側のフロントピラー6に対応して展開するように構成されている。

0022

(保護制御装置の構成)
車両1には、制御システム70が搭載されている。制御システム70は、フロントバンパ3に対して特定物体が衝突したか否かを検知して、特定物体の衝突を検知した場合に保護装置10を動作させるように構成されている。以下、制御システム70を構成する各部について説明する。

0023

フロントバンパ3には、衝突センサ71が設けられている。衝突センサ71は、物体とフロントバンパ3との衝突により印加された衝撃に応じた出力を発生するように構成されている。

0024

本実施形態においては、衝突センサ71は、車幅方向に沿った長手方向を有する長尺状に形成された圧力チューブセンサであって、フロントバンパ3内に収容されている。具体的には、衝突センサ71は、チューブ部材71aと、右側圧力センサ71bと、左側圧力センサ71cとを有している。

0025

チューブ部材71aは、車幅方向に沿って延設された管状部材であって、合成ゴム等の合成樹脂によって形成されている。チューブ部材71aの一端部は、右側圧力センサ71bに接続されている。チューブ部材71aの他端部は、左側圧力センサ71cに接続されている。右側圧力センサ71b及び左側圧力センサ71cは、チューブ部材71a内の圧力に対応する電気出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。このような、圧力チューブ式センサである衝突センサ71の具体的な構成及び配置については、本願の出願時点で既に公知あるいは周知であるので、これ以上の説明は省略する。

0026

物体検知部72は、車両1の周辺に存在する物体を検知するように設けられている。即ち、物体検知部72は、フロントバンパ3に対する物体の衝突前に、当該物体の種別を認識可能に検知するとともに、当該物体までの距離を取得するように構成されている。物体検知部72は、「予防センサ」とも称され得る。

0027

具体的には、例えば、物体検知部72は、二個のカメラセンサを備えた、いわゆるステレオカメラとして構成され得る。あるいは、物体検知部72は、カメラセンサとミリ波レーダセンサとを備えた、いわゆるフュージョンセンサとして構成され得る。このような物体検知部72の具体的な構成及び配置については、本願の出願時点で既に公知あるいは周知であるので、本明細書においてはこれ以上の説明は省略する。

0028

フロントバンパ3には、複数の測距センサ73が装着されている。具体的には、測距センサ73は、フロントバンパ3における右角部と左角部とにそれぞれ1個ずつ設けられるとともに、フロントバンパ3における前面部に2個設けられている。測距センサ73は、いわゆる超音波ソナーであって、超音波送受信により車両1の周辺に存在する物体との距離を取得する周知の構成を有している。

0029

制御システム70は、衝突センサ71と物体検知部72と測距センサ73とに加えて、車速センサ74と、操舵角センサ75と、ヨーレートセンサ76と、加速度センサ77と、保護制御装置80とを備えている。

0030

車速センサ74は、車両1の走行速度に対応する電気出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。車両1の走行速度を、以下単に「車速」と称する。

0031

操舵角センサ75は、車両1の操舵角に対応する電気出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。ヨーレートセンサ76は、車体2に作用するヨーレートに対応する電気出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。加速度センサ77は、車体2に作用する加速度に対応する電気出力(例えば電圧)を発生するように構成されている。

0032

保護制御装置80は、保護装置10の動作を制御するように構成されたECUであって、不図示のCPU、ROM、RAM、及び不揮発性RAMを備えている。ECUはElectronic Control Unitの略である。不揮発性RAMは、例えば、フラッシュROM等である。保護制御装置80のCPU、ROM、RAM及び不揮発性RAMを、以下単に「CPU」、「ROM」、「RAM」及び「不揮発性RAM」と略称する。

0033

保護制御装置80は、CPUがROM又は不揮発性RAMからプログラム読み出して実行することで、各種の制御動作を実現可能に構成されている。このプログラムには、後述の各ルーチンに対応するものが含まれている。また、ROM又は不揮発性RAMには、プログラムの実行の際に用いられる各種のデータが、あらかじめ格納されている。各種のデータには、例えば、初期値ルックアップテーブル、マップ、等が含まれている。

0034

保護装置10と保護制御装置80とは、車載通信回線を介して電気接続されている。また、衝突センサ71、物体検知部72、測距センサ73、車速センサ74、操舵角センサ75、ヨーレートセンサ76、及び加速度センサ77は、車載通信回線を介して、保護制御装置80に電気接続されている。

0035

操舵角センサ75、ヨーレートセンサ76、及び加速度センサ77は、これらの出力が車載通信回線を介して挙動制御装置11に送信されることで、挙動制御装置11における車両挙動の制御、即ち挙動制御装置11に含まれる不図示のブレーキ制御装置及び操舵制御装置におけるブレーキ制御及び操舵制御に供されるようになっている。また、保護制御装置80は、所定の場合に、車載通信回線を介して挙動制御装置11に挙動制御信号を送信することで、挙動制御装置11における車両挙動の制御に介入するようになっている。

0036

保護制御ECUの機能構成)
図2を参照すると、保護制御装置80は、CPUにて実現される機能上の構成として、物体認識部81と、距離取得部82と、衝突判定部83と、保護動作制御部84とを有している。

0037

物体認識部81は、物体検知部72の出力に基づいて、車両1の周辺に存在する物体の種別を認識するように設けられている。即ち、物体認識部81は、画像認識技術により、カメラセンサの視野内に存在する物体の種別を認識するようになっている。「種別」には、歩行者、自転車、自動二輪車、動物固定障害物、等が含まれる。「動物」は、例えば、鹿、熊等、保護装置10を動作させる必要がない動物である。「固定障害物」は、例えば、柱、壁、等である。

0038

距離取得部82は、物体認識部81により種別を認識した物体の、車両1からの距離を、物体検知部72の出力に基づいて取得するように設けられている。即ち、保護制御装置80は、物体検知部72の出力に基づいて、カメラセンサの視野内に存在する物体についての種別及び距離を取得するとともに、種別と距離とを対応付けてRAM又は不揮発性RAMに記憶するようになっている。距離取得部82による、種別と対応付けた距離の取得には、周知の技術、例えば、ステレオカメラ技術、センサフュージョン技術、SFM技術、等を用いることが可能である。SFMはStructure from Motionの略である。

0039

衝突判定部83は、衝突センサ71及び測距センサ73の出力と、物体認識部81による認識結果と、距離取得部82による距離取得結果とに基づいて、フロントバンパ3に対する特定物体の一次衝突の発生を検知するとともに保護対象物体の二次衝突位置を推定し、検知結果及び推定結果を保護動作制御部84に出力するように構成されている。「二次衝突位置」とは、特定物体の車両1との一次衝突発生後に、保護対象物体である歩行者又は乗員の頭部が衝突する、車体2上の位置である。

0040

具体的には、衝突判定部83は、CPUにて実現される機能上の構成として、一次衝突検知部831と、二次衝突位置推定部832とを有している。

0041

一次衝突検知部831は、衝突センサ71及び物体検知部72を含む各種センサの出力に基づいて、一次衝突状況が発生したか否かを検知するように構成されている。「一次衝突状況」とは、特定物体の車両1との一次衝突が発生した状況、又は、一次衝突が発生した可能性が高い状況である。

0042

具体的には、一次衝突検知部831は、車両1が特定物体に一次衝突するまでの余裕時間を示す衝突余裕時間TTCを算出するとともに、算出した衝突余裕時間TTCが所定値未満となったか否かを判定するようになっている。TTCはTime To Collisionの略である。衝突余裕時間TTCの算出方法は、本願の出願時点で既に公知あるいは周知である。即ち、衝突余裕時間TTCは、物体認識部81による認識結果と、距離取得部82による距離取得結果とに基づいて算出され得る。具体的には、衝突余裕時間TTCは、車両1から特定物体までの距離、特定物体と車両1との相対速度、及び車両挙動に基づいて算出可能である。

0043

また、一次衝突検知部831は、衝突センサ71の出力に基づいて、フロントバンパ3に対する特定物体の一次衝突の発生を検知するように設けられている。具体的には、一次衝突検知部831は、衝突センサ71の出力が所定の基準値を超えた場合に、物体認識部81による認識結果及び距離取得部82による距離取得結果に基づいて衝突物の種別を判定するとともに種別に応じた閾値を設定し、衝突センサ71の出力が設定した閾値を超えた場合にフロントバンパ3に対する特定物体の一次衝突の発生を検知するようになっている。衝突物の種別に応じた閾値設定及び一次衝突検知については、本願の出願時点で既に公知であるので、本明細書においてはこれ以上の詳細については説明を省略する(例えば特開2016−215786号公報参照)。

0044

二次衝突位置推定部832は、一次衝突状況にて、二次衝突位置を推定するように設けられている。具体的には、二次衝突位置推定部832は、第一推定部8321と、第二推定部8322と、調整部8323とを有している。

0045

第一推定部8321は、一次衝突状況にて、物体検知部72による検知結果に基づいて、二次衝突位置を推定するように設けられている。具体的には、第一推定部8321は、一次衝突検知部831がフロントバンパ3に対する特定物体の一次衝突の発生を検知した時点の、物体認識部81による認識結果及び距離取得部82による距離取得結果に基づいて、一次衝突位置を取得するようになっている。「一次衝突位置」とは、フロントバンパ3における、特定物体の一次衝突が発生した、車幅方向位置である。

0046

また、第一推定部8321は、取得した一次衝突位置と、車両挙動と、物体認識部81による認識結果及び距離取得部82による距離取得結果に基づいて算出した車両1と特定物体との相対速度とに基づいて、二次衝突位置を推定するようになっている。車両挙動は、具体的には、車速センサ74、操舵角センサ75、ヨーレートセンサ76、加速度センサ77等の出力に基づいて取得される、車両1の運動状態を含む。第一推定部8321による二次衝突位置推定動作の詳細な内容については後述する。

0047

第二推定部8322は、一次衝突状況にて、衝突センサ71の出力に基づいて、二次衝突位置を推定するように設けられている。具体的には、第二推定部8322は、一次衝突検知部831がフロントバンパ3に対する特定物体の一次衝突の発生を検知した時点の、衝突センサ71の出力に基づいて、一次衝突位置を推定するようになっている。また、第二推定部8322は、推定した一次衝突位置と、複数の測距センサ73の出力によって取得された車両1と特定物体との相対位置の時間変化と、車両挙動とに基づいて、二次衝突位置を推定するようになっている。第二推定部8322による二次衝突位置推定動作の詳細な内容については後述する。

0048

調整部8323は、第一推定部8321による二次衝突位置の推定結果と、第二推定部8322による二次衝突位置の推定結果とに基づいて、保護装置10の動作制御に用いられる二次衝突位置の最終推定結果を取得するように設けられている。調整部8323による最終推定結果の取得動作の詳細な内容については後述する。また、調整部8323は、取得した最終推定結果を、保護動作制御部84に出力するようになっている。

0049

保護動作制御部84は、衝突判定部83による検知結果及び推定結果に基づいて、保護装置10の動作を制御するように設けられている。即ち、保護動作制御部84は、一次衝突検知部831による一次衝突の検知結果と、二次衝突位置推定部832により推定された二次衝突位置とに基づいて、保護装置10の動作を制御するようになっている。具体的には、保護動作制御部84は、一次衝突検知部831がフロントバンパ3に対する特定物体の一次衝突の発生を検知した場合に、第一推定部8321及び/又は第二推定部8322の推定結果に基づいて、挙動制御装置11と、ポップアップフード装置12と、歩行者エアバッグ装置13とを、適宜のタイミングで起動するようになっている。

0050

(動作例)
以下、上記構成による動作例について、フローチャートを用いて説明する。なお、図面及び明細書中の以下の説明において、「ステップ」を単に「S」と略記する。保護制御装置80のCPUは、図3に示された保護装置制御ルーチンを、所定時間(例えば10msec)毎に繰り返し起動する。

0051

図3に示された保護装置制御ルーチンが起動されると、まず、S301にて、CPUは、物体検知部72により特定物体が検知されているか否かを判定する。即ち、S301にて、CPUは、物体検知部72に備えられたカメラセンサの視野内に特定物体が存在するか否かを判定する。S301の処理は、物体認識部81の動作に対応する。

0052

特定物体が検知されている場合(即ちS301=YES)、CPUは、処理をS302に進行させる。一方、特定物体が検知されていない場合(即ちS301=NO)、CPUは、S302以降の処理をすべてスキップして、本ルーチンを終了する。よって、以下、特定物体が検知されているものとして(即ちS301=YES)、本ルーチンの説明を続行する。

0053

S302にて、CPUは、検知した特定物体との衝突可能性があるか否かを判定する。具体的には、S302にて、CPUは、衝突余裕時間TTCが所定値TTC0未満となったか否かを判定する。S302の処理は、一次衝突検知部831の動作に対応する。

0054

検知した特定物体との衝突可能性がある場合(即ちS302=YES)、CPUは、処理をS310に進行させる。一方、検知した特定物体との衝突可能性がない場合(即ちS302=NO)、CPUは、S310以降の処理をすべてスキップして、本ルーチンを終了する。よって、以下、検知した特定物体との衝突可能性があるものとして(即ちS302=YES)、本ルーチンの説明を続行する。

0055

S310にて、CPUは、特定物体と車両1との一次衝突が、プリクラッシュセーフティシステムを用いた自動制動制御によって回避可能であるか否かを判定する。制動回避可能である場合(即ちS310=YES)、CPUは、S311の処理を実行した後、本ルーチンを終了する。一方、制動回避不可能である場合(即ちS310=NO)、CPUは、処理をS312に進行させる。S310の処理は、一次衝突検知部831の動作に対応する。

0056

S311にて、CPUは、挙動制御装置11に、自動制動制御による衝突回避を実行させる。自動制動制御による衝突回避については、本願の出願時点で既に公知あるいは周知である。よって、本明細書においては、自動制動制御による衝突回避の詳細については説明を省略する(例えば特開2004−189075号公報及びその対応米国出願に係る米国特許第6,922,624号明細書等参照)。S311の処理は、保護動作制御部84の動作に対応する。

0057

以下、特定物体と車両1との一次衝突が、自動制動制御によっては回避不可能であるものとして(即ちS310=NO)、本ルーチンの説明を続行する。

0058

S312にて、CPUは、特定物体と車両1との一次衝突が、プリクラッシュセーフティシステムを用いた自動操舵制御によって回避可能であるか否かを判定する。操舵回避可能である場合(即ちS312=YES)、CPUは、S313の処理を実行した後、本ルーチンを終了する。操舵回避不可能である場合(即ちS312=NO)、CPUは、処理をS314に進行させる。S312の処理は、一次衝突検知部831の動作に対応する。

0059

S313にて、CPUは、挙動制御装置11に、自動操舵制御による衝突回避を実行させる。自動操舵制御による衝突回避については、本願の出願時点で既に公知あるいは周知である。よって、本明細書においては、自動操舵制御による衝突回避の詳細については説明を省略する(例えば特開2015−99496号公報及びその対応米国出願に係る米国特許第9,540,002号明細書、特開2015−232825号公報及びその対応米国出願に係る米国特許出願公開第2015/0353133号明細書、等参照。)。S313の処理は、保護動作制御部84の動作に対応する。

0060

以下、特定物体と車両1との一次衝突が、自動操舵制御によっては回避不可能であるものとして(即ちS312=NO)、本ルーチンの説明を続行する。

0061

S314にて、CPUは、特定物体と車両1との一次衝突が、プリクラッシュセーフティシステムを用いた自動制動制御と自動操舵制御との組み合わせによって回避可能であるか否かを判定する。回避可能である場合(即ちS314=YES)、CPUは、S315の処理を実行した後、本ルーチンを終了する。一方、回避不可能である場合(即ちS314=NO)、CPUは、処理をS320に進行させる。S314の処理は、一次衝突検知部831の動作に対応する。

0062

S315にて、CPUは、挙動制御装置11に、自動制動制御と自動操舵制御との組み合わせによる衝突回避を実行させる。なお、自動制動制御と自動操舵制御との組み合わせによる衝突回避については、本願の出願時点で既に公知あるいは周知である。よって、本明細書においては、自動制動制御と自動操舵制御との組み合わせによる衝突回避の詳細については説明を省略する(例えば特開2015−232825号公報及びその対応米国出願に係る米国特許出願公開第2015/0353133号明細書等参照)。S315の処理は、保護動作制御部84の動作に対応する。

0063

以下、特定物体と車両1との一次衝突が、自動制動制御と自動操舵制御との組み合わせによっては回避不可能であるものとして(即ちS314=NO)、本ルーチンの説明を続行する。

0064

S320にて、CPUは、一次衝突状況が発生したか否かを判定する。具体的には、本具体例においては、S320にて、CPUは、衝突余裕時間TTCが所定値TTC1未満となったか否かを判定する。所定値TTC1は上記の所定値TTC0よりも小さな値である。即ち、S320における一次衝突状況は、「一次衝突が発生した可能性が高い状況」に相当する。S320の処理は、一次衝突検知部831の動作に対応する。

0065

CPUは、一次衝突状況が発生するまで、S330への処理の進行を待機する。一次衝突状況が発生すると、CPUは、処理をS330に進行させる。

0066

S330にて、CPUは、自動制動制御による制動量BAと、自動操舵制御による操舵量SAとを、それぞれ0と仮定する。続いて、CPUは、処理をS340に進行させる。S340にて、CPUは、S330にて仮定された制動量BA及び操舵量SAを前提として、二次衝突位置P2を推定する。S340における二次衝突位置P2の推定処理については後述する。S330及びS340の処理は、二次衝突位置推定部832の動作に対応する。その後、CPUは、処理をS350に進行させる。

0067

S350にて、CPUは、S340にて推定された二次衝突位置P2が保護領域内であるか否かを判定する。「保護領域」とは、ポップアップフード装置12及び歩行者エアバッグ装置13によって二次衝突時の保護対象物体の頭部への衝撃が良好に緩和される、車体2上の領域である。具体的には、保護領域は、フロントフード4における中央部と、右前方エアバッグ13a、左前方エアバッグ13b、右ピラーエアバッグ13c、及び左ピラーエアバッグ13dの展開領域である。S350の処理は、保護動作制御部84の動作に対応する。

0068

S340にて推定された二次衝突位置P2が保護領域内である場合(即ちS350=YES)、CPUは、S351及びS352の処理を実行後、本ルーチンを終了する。S351及びS352の処理は、保護動作制御部84の動作に対応する。

0069

S351にて、CPUは、ポップアップフード装置12及び歩行者エアバッグ装置13の作動タイミング到来したか否かを判定する。CPUは、作動タイミングが到来するまで、S352への処理の進行を待機する。作動タイミングが到来すると、CPUは、処理をS352に進行させる。

0070

S352にて、CPUは、ポップアップフード装置12及び歩行者エアバッグ装置13を作動させる。具体的には、本実施形態の構成においては、CPUは、右前方エアバッグ13aと、左前方エアバッグ13bと、右ピラーエアバッグ13cと、左ピラーエアバッグ13dとのうちの、S340にて推定された二次衝突位置P2に対応するものを展開する。

0071

一方、S340にて推定された二次衝突位置P2が保護領域外である場合(即ちS350=NO)、CPUは、S351及びS352の処理実行に先立ち、処理をS361以降に進行させる。

0072

S361にて、CPUは、S340にて推定された二次衝突位置P2から最も近い保護領域Rを特定する。次に、S362にて、CPUは、S361にて特定した保護領域Rに二次衝突位置P2を近接させるために必要な、自動制動制御による制動量BA及び自動操舵制御による操舵量SAを算出する。S361及びS362の処理は、二次衝突位置推定部832の動作に対応する。

0073

続いて、CPUは、処理をS370に進行させる。S370にて、CPUは、S362にて算出された制動量BA及び操舵量SAを前提として、二次衝突位置P2を推定する。S370における二次衝突位置P2の推定処理については後述する。その後、CPUは、処理をS380に進行させる。S380にて、CPUは、S370にて推定された二次衝突位置P2が保護領域内であるか否かを判定する。

0074

S370にて推定された二次衝突位置P2が保護領域内である場合(即ちS380=YES)、CPUは、処理をS381に進行させる。S381にて、CPUは、挙動制御装置11に、S362にて算出された制動量BA及び操舵量SAによる車両制御を実行させる。即ち、保護制御装置80から挙動制御装置11に挙動制御信号が送信されることで、誘導制御が実行される。誘導制御とは、保護領域Rに二次衝突位置P2を近接させるために、車両挙動を制御することをいう。S381の処理は、保護動作制御部84の動作に対応する。

0075

具体的には、「S380=YES」の処理に伴ってS381の処理が実行される場合、二次衝突位置P2が、歩行者エアバッグ装置13の展開領域内、又は、ポップアップフード装置12の作動時におけるフロントフード4における中央部となるように、誘導制御が実行される。

0076

S381の処理を実行した後、CPUは、S351及びS352の処理を実行後、本ルーチンを終了する。即ち、CPUは、作動タイミングが到来した時点で、ポップアップフード装置12及び歩行者エアバッグ装置13を作動させる。

0077

一方、S370にて推定された二次衝突位置P2が保護領域外である場合(即ちS380=NO)、CPUは、二次衝突時の保護対象物体の頭部への衝撃を最小化するための車両挙動制御量を算出するためのS382〜S385の処理を実行した後、処理をS381に進行させる。S382〜S385の処理は、保護動作制御部84の動作に対応する。

0078

具体的には、まず、S382にて、CPUは、二次衝突可能範囲を算出する。「二次衝突可能範囲」とは、車両挙動制御可能な限度内で、二次衝突位置P2が位置し得ると推定される範囲である。次に、S383にて、CPUは、衝撃推定値マップを算出する。「衝撃推定値マップ」とは、二次衝突可能範囲に含まれる各位置にて、二次衝突時の保護対象物体の頭部への衝撃値を算出した結果を、マップ化したものである。

0079

続いて、S384にて、CPUは、衝撃推定値マップにて衝撃推定値が最小となる、二次衝突位置P2を特定する。最後に、S385にて、CPUは、S384にて特定された二次衝突位置P2に対応するように、S362にて算出された制動量BA及び操舵量SAを補正する。これにより、S381にて、補正後の制動量BA及び操舵量SAを用いて、二次衝突位置P2が、衝撃推定値マップにて衝撃推定値が最小となる位置に誘導される。

0080

図4は、S340及びS370に対応する、二次衝突位置P2の推定処理のサブルーチンを示す。S340とS370とでは、前提となる制動量BA及び操舵量SAが異なるのみで、他は同様である。よって、S340の場合とS370の場合とを一括して、図4を用いて説明する。

0081

まず、CPUは、S410にて、第一推定位置P21を推定する。第一推定位置P21は、第一推定部8321による二次衝突位置P2の推定結果である。S410の処理は、第一推定部8321の動作に対応する。次に、CPUは、S420にて、第二推定位置P22を推定する。第二推定位置P22は、第二推定部8322による二次衝突位置P2の推定結果である。S420の処理は、第二推定部8322の動作に対応する。最後に、CPUは、S430にて、調整処理を実行する。S430の処理は、調整部8323の動作に対応する。

0082

図5は、S410に対応する、第一推定位置P21の推定処理のサブルーチンを示す。以下図5を参照すると、まず、S510にて、CPUは、一次衝突状況が発生した時刻T1における画像情報を取得する。即ち、S510にて、CPUは、時刻T1にて物体検知部72により取得された画像情報を、RAM又は不揮発性RAMから読み出す。時刻T1は、図3のルーチンにおけるS320にて、衝突余裕時間TTCが所定値TTC1未満となったと判定された時刻に対応する。

0083

次に、S520にて、CPUは、S510にて取得した画像情報に基づいて、一次衝突位置P11を取得する。一次衝突位置P11は、周知の画像処理技術を用いて取得可能である。続いて、S530にて、CPUは、S510にて取得した画像情報に基づいて、一次衝突位置P11に対応する頭部位置H11を取得する。頭部位置H11は、時刻T1における、保護対象物体の頭部の位置であって、周知の画像処理技術を用いて取得可能である。

0084

続いて、S540にて、CPUは、車両挙動情報を取得する。車両挙動情報には、車速、操舵角、ヨーレート、加速度等の、車両1の運動状態に加えて、上記の制動量BA及び操舵量SAが含まれる。さらに、S550にて、CPUは、S540にて取得した車両挙動情報と、物体認識部81による認識結果と、距離取得部82による距離取得結果とに基づいて、車両1と保護対象物体との相対速度を取得する。最後に、S560にて、CPUは、S520〜S550における取得結果に基づいて、第一推定位置P21を推定する。

0085

図6は、S420に対応する、第二推定位置P22の推定処理のサブルーチンを示す。以下図6を参照すると、まず、S610にて、CPUは、衝突センサ71の出力に基づいて、一次衝突位置P12を推定する。具体的には、圧力検出値時間経過を示す、右側圧力センサ71bの出力波形及び左側圧力センサ71cの出力波形を解析することで、一次衝突位置P12を推定することが可能である。衝突センサ71の出力に基づく一次衝突位置P12の推定方法については、本願の出願時点で既に公知例がいくつか存在し、かかる公知例が本実施形態に対して適宜適用可能であるので、本実施形態においてはこれ以上の詳細については説明を省略する(例えば、特開2016−88456号公報、特開2016−210346号公報等参照。)。

0086

次に、S620にて、CPUは、一次衝突位置P12に対応する頭部位置H12を取得する。頭部位置H12は、衝突センサ71の出力が衝突物の種別に応じた閾値を超えた時点における、保護対象物体の頭部の位置である。

0087

例えば、特定物体が歩行者である場合、頭部位置H12は、フロントバンパ3における車幅方向位置である一次衝突位置P12から所定距離(例えば50cm)上方の位置に推定され得る。

0088

特定物体が乗員付き自転車である場合、一次衝突時点での自転車の向きは、測距センサ73による測距結果の履歴に基づいて推定され得る。そこで、この場合、頭部位置H12は、測距センサ73による測距結果の履歴と、平均的な自転車寸法と、車両1の走行地域における平均的な人間の身長及び座高とに基づいて算出され得る。平均的な自転車寸法は、例えば、交通法規又は工業規格に基づいて設定され得る。具体的には、日本の場合、JIS規格に規定された大人用自転車の最大寸法である、全長1900mm、全幅600mm、サドル高さ1100mmのそれぞれに対して所定係数(例えば0.8)を乗じた値が、平均的な自転車寸法として採用され得る。

0089

続いて、S630にて、CPUは、S540と同様に、車両挙動情報を取得する。また、S640にて、CPUは、車両1と保護対象物体との相対速度を、S630にて取得した車両挙動情報と、測距センサ73による測距結果の履歴とに基づいて推定する。最後に、S650にて、CPUは、S610〜S640における取得結果に基づいて、第二推定位置P22を推定する。

0090

図7は、S430に対応する、調整処理のサブルーチンを示す。以下図7を参照すると、まず、S710にて、CPUは、S410の処理により第一推定位置P21が推定されたか否かを判定する。

0091

上記の通り、第一推定位置P21は、カメラセンサを備えた物体検知部72による物体検知結果に基づいて推定される。このため、例えば、逆光等の悪条件の発生、あるいはセンサ故障等により、物体検知部72による物体検知が不可能となる場合がある。このような場合、S410の処理による第一推定位置P21の推定はなされない。これに対し、第二推定位置P22は、実際の一次衝突により発生する衝突センサ71の出力に基づいて推定される。このため、第二推定位置P22は、実際に一次衝突が発生すれば、確実に推定され得る。

0092

第一推定位置P21が推定された場合(即ちS710=YES)、CPUは、処理をS720に進行させる。S720にて、CPUは、第一推定位置P21と第二推定位置P22とが所定範囲内に存在するか否かを判定する。「第一推定位置P21と第二推定位置P22とが所定範囲内に存在する」とは、具体的には、例えば、第一推定位置P21と第二推定位置P22との水平距離が所定値未満であることである。即ち、S720の処理は、第一推定位置P21の推定結果と第二推定位置P22の推定結果との間の誤差が小さいか否かの判定を意味する。

0093

第一推定位置P21と第二推定位置P22とが所定範囲内に存在する場合(即ちS720=YES)、CPUは、S730の処理を実行した後、本ルーチンを終了する。S730にて、CPUは、第一推定位置P21と第二推定位置P22とに基づいて、二次衝突位置P2を推定する。

0094

例えば、S730にて、第一推定位置P21と第二推定位置P22とのうちのいずれか一方が、二次衝突位置P2として選択され得る。具体的には、例えば、実際の一次衝突の発生にかかわらず物体検知部72により取得された画像情報を処理することで取得された一次衝突位置P11よりも、実際の一次衝突により発生する衝突センサ71の出力に基づく一次衝突位置P12の推定の方が、精度が高い可能性が高い。そこで、第一推定位置P21の推定結果と第二推定位置P22の推定結果との間の誤差が小さい場合、一次衝突位置P12に基づいて推定された第二推定位置P22が、二次衝突位置P2として選択され得る。

0095

あるいは、例えば、S730にて、第一推定位置P21と第二推定位置P22とのうちの一方に基づいて他方を補正することで、二次衝突位置P2が推定され得る。具体的には、例えば、上記と同様の理由から、第一推定位置P21に基づいて第二推定位置P22を補正することで、二次衝突位置P2が推定され得る。より詳細には、例えば、平面視にて第一推定位置P21と第二推定位置P22とを結ぶ線分を1:Nに内分する位置を、二次衝突位置P2として推定することが可能である。Nは2以上の自然数である。

0096

第一推定位置P21と第二推定位置P22とが所定範囲内に存在しない場合(即ちS720=NO)、CPUは、処理をS740に進行させる。

0097

例えば、雨天又は濃霧等の悪天候時、あるいは夜間等において、物体検知部72による画像情報の取得が困難となり、このために、第一推定位置P21の推定誤差が大きくなる場合があり得る。そこで、S740にて、CPUは、車両1の走行環境悪天候又は夜間であるか否かを判定する。S740の判定は、例えば、車両1に備えられた不図示のワイパヘッドライト、及びフォグランプ動作状況に基づいて行うことが可能である。

0098

第一推定位置P21の推定結果と第二推定位置P22の推定結果との間の誤差が大きく(即ちS720=NO)、且つ、車両1の走行環境が悪天候又は夜間である場合(即ちS740=YES)、第一推定位置P21の信頼度は低い。そこで、この場合、CPUは、S750の処理を実行した後、本ルーチンを終了する。S750にて、CPUは、第二推定位置P22を、二次衝突位置P2として選択する。

0099

上記の通り、逆光等の悪条件の発生等により物体検知部72による物体検知が不可能となることで、第一推定位置P21が推定されなかった場合であっても(即ちS710=NO)、第二推定位置P22は推定されている。そこで、この場合も、CPUは、処理をS750に進行させる。即ち、CPUは、第二推定位置P22を、二次衝突位置P2として選択する。

0100

近年のフュージョンセンサ及びステレオカメラによる物体検知精度は、カメラセンサによる撮影環境が良好であれば、非常に高精度である。一方、衝突センサ71の出力に基づく第二推定位置P22の推定の基礎となる頭部位置H12は、推定値であって測定値ではない。

0101

このため、第一推定位置P21の推定結果と第二推定位置P22の推定結果との間の誤差が大きく(即ちS720=NO)、且つ、車両1の走行環境が悪天候又は夜間ではない場合(即ちS740=NO)、むしろ第一推定位置P21の信頼度の方が高い可能性がある。そこで、この場合、CPUは、S760の処理を実行した後、本ルーチンを終了する。S760にて、CPUは、第一推定位置P21を、二次衝突位置P2として選択する。

0102

(効果)
以上詳細に説明したように、本実施形態の構成においては、フロントバンパ3に設けられた衝突センサ71は、印加された衝撃に応じた出力を発生する。物体検知部72は、車両1の周辺に存在する物体を検知する。第一推定部8321は、一次衝突状況にて、物体検知部72による検知結果に基づいて、第一推定位置P21を推定する。第二推定部8322は、一次衝突状況にて、衝突センサ71の出力に基づいて、第二推定位置P22を推定する。保護動作制御部84は、第一推定部8321及び第二推定部8322により推定された二次衝突位置P2に基づいて、保護装置10の動作を制御する。

0103

上記の通り、上記構成においては、二次衝突位置P2の推定が、第一推定部8321による推定即ち物体検知部72による検知結果に基づく推定と、第二推定部8322による推定即ち衝突センサ71の出力に基づく推定とに冗長化されている。このため、上記構成によれば、第一推定部8321による二次衝突位置P2の推定結果である第一推定位置P21と、第二推定部8322による二次衝突位置P2の推定結果である第二推定位置P22とが取得され得る。

0104

したがって、例えば、状況に応じて第一推定位置P21と第二推定位置P22とのうちの一方を選択したり、一方に基づいて他方を補正したりすることで、二次衝突位置P2の推定精度の向上が図られ得る。また、例えば、物体検知部72の異常発生、あるいは物体検知部72の動作に適さない車両1の走行環境の発生等によって、第一推定部8321による第一推定位置P21の推定が良好になされない場合であっても、第二推定部8322により第二推定位置P22の推定が行われ得る。このように、上記構成によれば、二次衝突位置P2の推定が確実に実行され、あるいは良好な精度で二次衝突位置P2が推定されることで、より最適な保護動作を実現することが可能となる。

0105

本実施形態の構成においては、保護制御装置80は、二次衝突位置P2が、歩行者エアバッグ装置13の展開領域内、又は、ポップアップフード装置12の作動時におけるフロントフード4における中央部となるように、挙動制御装置11を用いて車両挙動を制御する。したがって、かかる構成によれば、特定物体との一次衝突が不可避の場合における、保護対象物体の保護が、良好に行われ得る。

0106

(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。故に、上記実施形態に対しては、適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態との相違点を主として説明する。また、上記実施形態と変形例とにおいて、互いに同一又は均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾又は特段の追加説明なき限り、上記実施形態における説明が適宜援用され得る。

0107

本発明は、上記実施形態にて示された具体的な装置構成に限定されない。具体的には、例えば、上記実施形態においては、歩行者エアバッグ装置13は、右前方エアバッグ13aと、左前方エアバッグ13bと、右ピラーエアバッグ13cと、左ピラーエアバッグ13dとを有していた。しかしながら、本発明は、かかる構成に限定されない。即ち、歩行者エアバッグ装置13は、他のエアバッグを備えていてもよい。

0108

上記実施形態においては、歩行者エアバッグ装置13は、複数領域にてそれぞれ独立に展開可能に分割されていた。しかしながら、本発明は、かかる構成に限定されない。即ち、例えば、右前方エアバッグ13aと、左前方エアバッグ13bと、右ピラーエアバッグ13cと、左ピラーエアバッグ13dとは、一体的に膨張するように構成されていてもよい。

0109

衝突センサ71の構成は、上記の具体例に限定されない。即ち、例えば、衝突センサ71は、圧力チャンバ式センサであってもよいし、光ファイバ式センサであってもよいし、圧電性高分子フィルム素子によって形成された圧電フィルムセンサであってもよい。衝突センサ71は、車幅方向について複数に分割されていてもよい。

0110

車幅方向における一次衝突位置を検出可能な構成として、例えば特開2016−203775号公報に開示されたものが知られている。また、圧電フィルムセンサにおいても、一次衝突時に発生する出力電圧特性に基づいて、車幅方向における一次衝突位置を推定することが可能である。

0111

物体検知部72の構成は、上記の具体例に限定されない。即ち、物体検知部72は、カメラセンサ、レーザレーダセンサ、ミリ波レーダセンサ、及び超音波センサ等の中から選択される周知のセンサを、一種以上又は一個以上備えることで構成され得る。

0112

本発明は、上記実施形態にて示された具体的な動作例及び処理態様に限定されない。具体的には、第一推定部8321は、衝突余裕時間TTCが所定値TTC1未満となった時点で、一次衝突位置及び二次衝突位置を推定してもよい。

0113

例えば、第二推定部8322による二次衝突位置推定は、複数の測距センサ73の出力を利用したものに限定されない。即ち、複数の測距センサ73の出力に代えて、あるいはこれとともに、クルーズコントロール用の1個の測距センサ(例えばレーザレーダセンサ又はミリ波レーダセンサ)の出力が、第二推定部8322による二次衝突位置推定に用いられ得る。あるいは、物体検知部72におけるカメラセンサ以外のセンサであって測距センサとして利用可能なもの(例えばミリ波レーダセンサ等)の出力が、第二推定部8322による二次衝突位置推定に用いられ得る。

0114

例えば、S330の処理において、自動制動制御による制動量BAと、自動操舵制御による操舵量SAとを、それぞれ0と仮定していた。これは、便宜上、実施形態の説明を単純化したものである。したがって、S330の処理において、自動制動制御による制動量BAと、自動操舵制御による操舵量SAとのうちの、少なくともいずれか一方は、0ではない所定値であってもよい。特に、一次衝突時の衝撃値を可及的に軽減する観点から、自動制動制御による制動量BAは、0ではない所定値であることが好適である。

0115

例えば、S370に先立つS340の処理において、一次衝突位置P11及びP12は取得済みであり、一次衝突位置P11及びP12のそれぞれに対応する頭部位置H11及びH12も取得済みである。このため、S370に対応する二次衝突位置P2の推定処理においては、S510〜S530の処理、並びに、S610及びS620の処理は、省略され得る。

0116

S720における、第一推定位置P21と第二推定位置P22とが所定範囲内に存在するか否かを判定する処理は、例えば、平面視にて、第一推定位置P21が、第二推定位置P22を中心とした直径D0の円内に含まれるか否かを判定する処理であってもよい。あるいは、S720における判定処理は、第二推定位置P22が、第一推定位置P21を中心とした直径D1の円内に含まれるか否かを判定する処理であってもよい。直径D0と直径D1とは同一であってもよいし異なっていてもよい。あるいは、S720における判定処理は、第一推定位置P21と第二推定位置P22とが同一の保護領域(例えば左前方エアバッグ13bの展開領域)内に含まれるか否かを判定する処理であってもよい。

0117

例えば、図7のルーチンにおいて、S740及びS760の処理は省略され得る。即ち、第一推定位置P21と第二推定位置P22とが所定範囲内に存在しない場合(即ちS720=NO)、CPUは、処理をS750に進行させて、第二推定位置P22を二次衝突位置P2として選択してもよい。

0118

例えば、特定物体が乗員付き自転車であって、乗員が衝突直前急ブレーキをかけて急制動又は急停止する場合があり得る。この場合、物体検知部72による物体検知結果に基づいて推定された第一推定位置P21に、大きな誤差が生じる可能性がある。

0119

具体的には、乗員付き自転車が車両1の左方から急に飛び出してきて、乗員が衝突直前に急ブレーキをかけて急制動又は急停止した場合を想定する。この場合、物体検知部72による物体検知結果に基づいて取得された一次衝突位置P11がフロントバンパ3の車幅方向略中央部であっても、上記の急制動又は急停止により、実際の一次衝突位置はフロントバンパ3の左角部となり、衝突センサ71の出力に基づいて推定された一次衝突位置P12とほぼ一致する。この場合、第二推定位置P22の方が、第一推定位置P21よりも、精度が高くなる。そこで、この場合、第二推定位置P22を二次衝突位置P2として選択することで、適切な保護動作の実現が可能となる。

0120

上記の通り、様々な理由で、第一推定位置P21の推定結果と第二推定位置P22の推定結果との間に、比較的大きな誤差が生じ得る。特に、第一推定位置P21の推定結果と第二推定位置P22の推定結果とのうちのいずれの精度が高いかが判然としない場合があり得る。

0121

そこで、第一推定位置P21と第二推定位置P22とが所定範囲内に存在しない場合、上記の誘導制御が禁止されてもよい。図8のフローチャートは、かかる変形例に対応して、図3のフローチャートを変形したものである。図8におけるS801〜S870は、図3におけるS301〜S370と同一の処理である。同様に、図8におけるS880〜S885は、図3におけるS380〜S385と同一の処理である。

0122

本変形例においては、S870の直後に、S875の処理が実行される。S875にて、CPUは、第一推定位置P21と第二推定位置P22とが所定範囲内に存在するか否かを判定する。第一推定位置P21と第二推定位置P22とが所定範囲内に存在する場合(即ちS875=YES)、CPUは、処理をS880に進行させる。

0123

一方、第一推定位置P21と第二推定位置P22とが所定範囲内に存在しない場合(即ちS875=NO)、CPUは、S880以降の処理をすべてスキップして、本ルーチンを終了する。即ち、この場合、S881の車両制御処理がスキップされる。これにより、上記の誘導制御が禁止される。

0124

保護動作制御部84は、第二推定部8322による二次衝突位置P2の推定結果である第二推定位置P22が得られない場合、保護装置10の動作を待機してもよい。図9図12は、かかる変形例に対応して、図3図6のフローチャートを変形したものである。

0125

図9におけるS901〜S915は、図3におけるS301〜S315と同一の処理である。同様に、図9におけるS930以降は、図3におけるS330以降と同一の処理である。即ち、図9のフローチャートは、図3のフローチャートにおけるS320の処理を省略したものに相当する。

0126

図10は、S940及びS970に対応する、二次衝突位置P2の推定処理のサブルーチンを示す。図10を参照すると、本サブルーチンにおいて、まず、CPUは、S1010にて、第一推定位置P21を推定する。次に、CPUは、S1020にて、第二推定位置P22を推定する。その後、CPUは、処理をS1025に進行させる。

0127

S1025にて、CPUは、S1020にて第二推定位置P22が推定されたか否かを判定する。S1020にて第二推定位置P22が推定された場合(即ちS1025=YES)、CPUは、処理をS1030に進行させる。一方、S1020にて第二推定位置P22が推定されなかった場合(即ちS1025=NO)、CPUは、処理をS1020に戻す。即ち、CPUは、S1020にて第二推定位置P22の推定値が取得されるまで、S1030への処理進行を待機する。

0128

最後に、CPUは、S1030にて、調整処理を実行する。S1030の処理は、S430の処理、即ち図7のサブルーチンの処理と同様である。

0129

図11は、S1010に対応する、第一推定位置P21の推定処理のサブルーチンを示す。以下図11を参照すると、まず、S1100にて、CPUは、衝突余裕時間TTCが所定値TTC0未満となったか否かを判定する。

0130

衝突余裕時間TTCが所定値TTC0以上である場合(即ちS1100=NO)、CPUは、S1110以降の処理をすべてスキップして、本ルーチンを一旦終了する。一方、衝突余裕時間TTCが所定値TTC0未満となった場合(即ちS1100=YES)、CPUは、S1110〜S1160の処理を実行した後、本ルーチンを一旦終了する。S1110〜S1160は、図5におけるS510〜S560と同様の処理である。

0131

図12は、S1020に対応する、第二推定位置P22の推定処理のサブルーチンを示す。以下図12を参照すると、まず、S1200にて、CPUは、衝突センサ71の出力PRが衝突物の種別に応じた閾値PRthを超えたか否かを判定する。

0132

衝突センサ71の出力PRが閾値PRth以下である場合(即ち1200=NO)、CPUは、S1210以降の処理をすべてスキップして、本ルーチンを一旦終了する。一方、衝突センサ71の出力PRが閾値PRthを超えた場合(即ち1200=YES)、CPUは、S1210〜S1250の処理を実行した後、本ルーチンを一旦終了する。S1210〜S1250は、図6におけるS610〜S650と同様の処理である。

0133

第二推定部8322による第二推定位置P22の推定方法は、上記各例に限定されない。以下、第二推定部8322による第二推定位置P22の推定方法に関する、いくつかの変形例について説明する。

0134

図13は、図1に示された圧力チューブ式の衝突センサ71の出力例を示すグラフである。図13中、縦軸PRは衝突センサ71の出力を示し、横軸は時刻Tを示す。時刻Tは、フロントバンパ3に特定物体が接触した時点を基準時(即ちT=0)とした、基準時からの経過時間を示す。

0135

図13における実線は、一次衝突位置P1が車幅方向における中央部である場合を示す。一方、破線は、一次衝突位置P1が車幅方向における端部である場合を示す。図1に示されているように、チューブ部材71aは、車幅方向における端部にて湾曲している。このため、図13に示されているように、端部衝突の場合、衝突負荷逃げるため、出力値が低くなる。

0136

即ち、中央部衝突の場合、時刻T1にて、ピーク値PR1が発生する。一方、端部衝突の場合、時刻T1よりも前の時刻T2にて、PR1よりも低いピーク値PR2が発生する。このような出力特性を利用して、一次衝突位置P1を推定することが可能である。推定パラメータとして、出力PRのピーク値、T、PR/T等を用いることが可能である。

0137

このようにして推定した一次衝突位置P1に対応して、第二推定部8322による二次衝突位置P2の推定結果である第二推定位置P22は、下記のように簡易に推定され得る。具体的には、例えば、一次衝突位置P1が車幅方向における中央部である場合、第二推定位置P22は、フロントフード4における中央部であるものと推定される。一方、例えば、一次衝突位置P1が車幅方向における端部である場合、第二推定位置P22は、フロントフード4における外縁部、又はフロントピラー6であるものと推定される。

0138

図14は、圧電フィルム式の衝突センサ71を用いた構成を示す。図15Aは、一次衝突位置P1が車幅方向における中央部である場合の、衝突センサ71の出力PRの空間分布を示す。図15Bは、一次衝突位置P1が車幅方向における端部である場合の、衝突センサ71の出力PRの空間分布を示す。

0139

図15Aに示されているように、一次衝突位置P1が車幅方向における中央部である場合、高出力を示す位置が広範囲分布する。これに対し、図15Bに示されているように、一次衝突位置P1が車幅方向における端部である場合、高出力を示す位置の分布が狭くなったり、高出力を示す位置が出現しなかったりする。このような出力特性を利用して、一次衝突位置P1を推定することが可能である。

0140

このようにして推定した一次衝突位置P1に対応して、第二推定部8322による二次衝突位置P2の推定結果である第二推定位置P22が推定される。具体的には、例えば、一次衝突位置P1が車幅方向における中央部である場合、第二推定位置P22は、フロントフード4における中央部であるものと推定される。一方、例えば、一次衝突位置P1が車幅方向における端部である場合、第二推定位置P22は、フロントフード4における外縁部、又はフロントピラー6であるものと推定される。

0141

なお、図13図15A、及び図15Bに示された一次衝突位置P1の推定方法が、上記実施形態に適用され得ることは、いうまでもない。

0142

変形例も、上記の例示に限定されない。また、複数の変形例が、互いに組み合わされ得る。さらに、上記実施形態の全部又は一部と、変形例の全部又は一部とが、互いに組み合わされ得る。

0143

1 車両
2 車体
3フロントバンパ
10保護装置
71衝突センサ
72物体検知部
80保護制御装置
8321 第一推定部
8322 第二推定部
84保護動作制御部

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