図面 (/)

技術 押罫部材

出願人 ダイペックス株式会社
発明者 竹内孝之
出願日 2017年9月25日 (3年1ヶ月経過) 出願番号 2017-183364
公開日 2019年4月18日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 2019-059033
状態 特許登録済
技術分野 紙容器等紙製品の製造 紙の機械的加工;段ボール製造機
主要キーワード 突出量α 仮想曲線 折曲位置 受ロール 交差溝 直立面 両側面間 輪郭形成
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年4月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

様々な性状段ボールシートに対して、高い精度で正確な位置に罫線を入れることができ、製造される段ボール箱不良率を低減できる押罫部材を提供する。

解決手段

段ボールシートに押圧により折曲用の罫線を入れる押罫部11の表面に、頂部凸条12、側部凸条13及び凹溝14が形成され、頂部凸条12の頂部が段ボールシートへの押圧方向に最も突出して、頂部凸条12と側部凸条13の頂部が押罫部11の全体として山形状の凸形を形成する押罫部材10において、側部凸条13は、複数本の内側部凸条13aと、その外側に配置された外側部凸条13bとから成り、複数本の内側部凸条13aの頂部は平坦配置部15aを形成し、外側部凸条13bの頂部は勾配を有する仮想線C1に接するように配置された傾斜配置部15bを形成しているものとする。

概要

背景

波状中芯紙の両側にライナー紙を貼り合わせた段ボールシートには、段状に形成された波の高さ、波の形状、厚さ、品質等が相違する中芯紙と、厚さ、品質等が相違するライナー紙との組み合わせによって様々な性状を有する数多くの種類が存在し、硬さが合紙程度に硬いものもある。

例えば、一般的な中芯紙の波形の高さは、Aフルートの場合5mm、Cフルートの場合4mm、Bフルートの場合3mm、Eフルートの場合1.5mm、Fフルートの場合0.6mm、Gフルートの場合0.5mmであり、一般的な波形のピッチは、Aフルートにおける約8.5mmからGフルートにおける約1.8mmの範囲である。

また、段ボールシートには、波形の中芯紙を一層とする両面段ボールシート、これらのいずれかを組み合わせて二層とする複両面段ボールシート、これらのいずれかを組み合わせて三層とする複々両面段ボールシート(トリプルウォールシート)等がある。このような段ボールシートの一般的な厚さは、使用される紙の品質によっても異なるが、中芯紙の波形の高さに複数枚のライナー紙の厚さを加えた約0.5mm〜15mmとなっている。

そして、段ボールシートは、厚くなるに従って、弾性剛性が大きくなる傾向にあるので、押圧による罫線を入れ難くなる。また、複両面段ボールシートや複々両面段ボールシートの場合、各層での空間部を有する中芯紙の波形状のどの部位が互いに合致して段ボールシートが形成されているのかは分からない。

このような多種類の段ボールシートを打ち抜くことによって、例えば、図7に示すような段ボール箱形成用のブランクA1を形成する場合、木製の基盤にブランクA1の輪郭形成用の外形打抜刃を取り付けると共に、その外形打抜刃の内側に、上記ブランクA1の縦罫線L1及び横罫線L2を罫入れする押罫部材を取り付けて抜型を形成し、その抜型によって段ボールシートに罫線を入れつつ打ち抜くようにしている。また、ロール状の罫入ロールを備えた罫線形成装置で罫線を形成する場合もある。

ここで、ブランクA1の縦罫線L1は、段ボールシートAの波形の段状に成形された中芯紙Sの段目Wに縦方向にほぼ平行し、一方、横罫線L2は上記中芯紙Sの段目Wと直交する横方向に延びている。

上記のような縦罫線L1及び横罫線L2を段ボールシートAに入れる押罫部材として、図8に示すようなものが一般的に使用されている。この押罫部材50は、金属製の帯板材の一方の端縁部を押罫部51とし、その押罫部51で段ボールシートAの一面を押し込むことにより、中芯紙Sの波形状部を押し潰して、溝状の縦罫線L1及び横罫線L2を形成するものである。

押罫部材50の帯板材は、通常、上下方向の高さ寸法が20数mm程度とされ、両側面間板厚である幅寸法については、段ボールシートの性状に応じて、0.5mm〜10mmのものが使い分けられる。

ところで、図8に示す押罫部材50は、押罫部51の表面が断面形状を凸形とする円弧状で全長にわたり凹凸のない滑らかな形状となっており、一方、段ボールシートAは、押圧力に抗して復元しようとする大きな弾性を有することから、押罫部材50の押罫部51により段ボールシートAの表面を厚さ方向に押し込んで罫線L1、L2を形成する際、段ボールシートAの表面に対する押罫部51の押圧力が分散し、段ボールシートAの反発に負けて、鮮明な罫線L1、L2を入れることができない場合が多い。

また、特に、中芯紙Sの段目Wに平行する縦罫線L1を形成する場合には、中芯紙Sの波形状のどの部位を押罫部51で押し潰すことになるのかは分からないために、押し潰される形状もまちまちであるので、形成される縦罫線L1の鮮明度が異なることとなり、段ボールシートAを高精度に折り曲げることができない場合がある。

さらに、押罫部51の表面が凹凸を有さない滑らかな形状であることに起因して、押罫部51で押し潰す中芯紙Sの部位によっては、押罫部51の表面が段ボールシートAの表面に食い込むに従い、段ボールシートAの表面が押罫部51の表面上で滑って、縦罫線L1に対し左右方向にずれ動くことがあるので、段ボールシートAの表面上の予定した正確な位置に罫線を形成することができなかったり、形成される罫線に蛇行が生じたりするという問題が発生する。

ここで、図7に示すブランクA1は、パネルP1とパネルP4とが、段目Wに平行する3本の縦罫線L1のうち、両側2本の縦罫線L1に沿って折り曲げられ、一側のパネルP1に連続して形成された継代片P5と他側のパネルP4の端縁部とが重ね合わされ、その重なり部が接着されることにより、偏平に折り畳まれた段ボール箱とされる。

このとき、縦罫線L1での折曲精度が悪い場合、一側のパネルP1と他側のパネルP4に相対的な傾きが生じたり、対角位置の部をなす縦罫線L1の間の寸法に誤差が生じたりして、精度の高い段ボール箱を形成することができず、周壁角筒状に開箱した際、歪んだ形状の箱体となることがあり、このような段ボール箱は不良品となる。

そのような不都合を解消して精度の高い折り曲げが得られるようにするため、押罫部材として、下記特許文献1のFig20において下段右端に記載された図9に示すような罫入ロールを使用することが考えられる。

この押罫部材60としての罫入ロールは、段ボールシートに押し付けられて回転するものであり、段ボールシートに当接する全外周の押罫部61を、全体として外方向に向けて凸形をなす階段状になるように、表面に凹凸のない平坦な段部62を左右それぞれに二段備えた形状とし、中央寄りの左右両側に位置する段部62の間に外方向に向けて突出した頂部凸条63を形成したものとされている。この押罫部材60では、左右両側のそれぞれにおいて隣り合う段部62の境界部分は水平状の段部62に直交する直立面とされ、段部62の隅部は角張っている。

また、下記特許文献2の第5図においても、図10に示すように、押罫部材70としての罫入ロールの外周面に、全外周の押罫部71を、全体として外方向に向けて凸形をなす階段状になるように、表面に凹凸のない平坦な段部72を左右それぞれに二段備えた形状とし、中央寄りの左右両側に位置する段部72の間に頂部凸条73を形成したものが記載されている。この押罫部材70では、左右両側のそれぞれにおいて隣り合う段部72の境界部分は水平状の段部72に斜めに交わる傾斜面とされ、段部72の隅部は丸味を有するように面取りされている。

このような押罫部材60,70で罫線を入れる加工を行うと、押罫部61,71で押圧された段ボールシートの表面は、頂部凸条63,73の頂部により最初に押し込まれ、押し潰されて位置決めされながら、次第にその両側の段部62,72で押し潰されるため、段ボールシートが頂部凸条63,73の両側方向へずれ動く現象がある程度抑制され、罫線の位置精度がある程度改善されると考えられる。

また、本件特許出願と出願人及び発明者が同一である出願に係る下記特許文献3においては、図11に示すような押罫部材80が提案されている。この押罫部材80では、段ボールシートを押圧する押罫部81に、図示の方向において、幅方向の中央に位置し頂部が最も高くなっている1本の頂部凸条82aと、この頂部凸条82aを挟んで押罫部81の幅方向の両側にそれぞれ並行し頂部が押罫部81の側部へかけて漸次低くなっている複数本の側部凸条82bとが設けられて、押罫部81の表面が凹凸形状に形成されている。なお、頂部凸条82a及び側部凸条82bは、押罫部材80の幅方向の中心線l上の一点から放射状に突出している。

そして、押罫部81の全体は、頂部凸条82a及び側部凸条82bの頂部が前記中心線l上の一点を中心とし、外方向に向けて山形状をなす円弧状の仮想曲線Cに内側から接することによって、頂部凸条82aの頂部を押罫部81の頂部として外方向に向けた山形状の凸形に形成されている。また、頂部凸条82aとその両側の側部凸条82bの間、及び側部凸条82bの隣り合うもの同士の間には、高さ方向に窪んだ凹溝83が形成されて、頂部凸条82a及び側部凸条82bのそれぞれの頂部と凹溝83の底部との間の側面が傾斜面となっている。

なお、この押罫部材80の押罫部81における凹溝83の底部からの側部凸条82bの高さは0.05mm〜1.0mmの範囲であって、0.1mm程度が好適とされ、比較的低いものとなっている。また、下記特許文献3には、頂部凸条82aのみを仮想曲線Cから少し突出させた実施形態も記載されている。

このような押罫部材80で罫線を入れる加工を行うと、押罫部81で押圧された段ボールシートの表面は、頂部凸条82aの頂部により最初に押し込まれ、押し潰されながらその両側の傾斜面に沿ってスムーズに凹溝83に入り込み、さらにその両側の側部凸条82bに順次当接すると共に、各側部凸条82bの側面の傾斜面に沿いつつ、隣り合う側部凸条82bの間の凹溝83にスムーズに入り込んで、押罫部81の表面に波状に沿うことになる。このため、段ボールシートの表面が押罫部81の表面上で頂部凸条82aの両側方向へずれ動く現象がある程度効果的に抑制される。

また、本件特許出願と出願人及び発明者が同一である出願に係る下記特許文献4においては、図12に示すように、頂部凸条82aの両側のそれぞれに、頂部凸条82aに交差する方向に延びる複数の交差溝84が押罫部81の長さ方向に間隔をあけて設けられ、この交差溝84により、頂部凸条82aの両側に位置する側部凸条82bが分断された形状となっているものが記載されている。

このような交差溝84を設けておくと、押圧された段ボールシートの表面が交差溝84にも入り込むので、段ボールシートの表面が押罫部81の表面上で頂部凸条82aの長さ方向へずれる現象も抑制され、罫線の加工精度をさらに高めることができる。

概要

様々な性状の段ボールシートに対して、高い精度で正確な位置に罫線を入れることができ、製造される段ボール箱の不良率を低減できる押罫部材を提供する。段ボールシートに押圧により折曲用の罫線を入れる押罫部11の表面に、頂部凸条12、側部凸条13及び凹溝14が形成され、頂部凸条12の頂部が段ボールシートへの押圧方向に最も突出して、頂部凸条12と側部凸条13の頂部が押罫部11の全体として山形状の凸形を形成する押罫部材10において、側部凸条13は、複数本の内側部凸条13aと、その外側に配置された外側部凸条13bとから成り、複数本の内側部凸条13aの頂部は平坦配置部15aを形成し、外側部凸条13bの頂部は勾配を有する仮想線C1に接するように配置された傾斜配置部15bを形成しているものとする。

目的

この発明は、様々な性状の段ボールシートに対して、高い精度で正確な位置に明瞭かつきれいな直線状の罫線を入れることができ、段ボールシートを罫線の幅方向中央部で正確かつ容易に直線状に折り曲げられるようにして、製造される段ボール箱の不良率を低減できる押罫部材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

段ボールシート押圧により折曲用の罫線を入れる押罫部(11)の表面に、長さ方向に延びる頂部凸条(12)及びその両側に並行する複数本の側部凸条(13)が押罫部(11)の幅方向に並んで形成されると共に、これらの間に高さ方向に窪んだ凹溝(14)が形成され、前記頂部凸条(12)の頂部がその両側の側部凸条(13)の頂部に比較して段ボールシートへの押圧方向に最も突出して、前記頂部凸条(12)と側部凸条(13)の頂部が押罫部(11)の全体として山形状の凸形を形成する押罫部材(10)において、前記側部凸条(13)は、前記頂部凸条(12)の両側にそれぞれ近接する複数本の内側部凸条(13a)と、この内側部凸条(13a)の外側に配置された外側部凸条(13b)とから成り、前記複数本の内側部凸条(13a)の頂部は、段ボールシートへの押圧方向に直交する方向に並ぶように配置された平坦配置部(15a)を形成し、前記外側部凸条(13b)の頂部は、前記平坦配置部(15a)の両外側からそれぞれ段ボールシートへの押圧方向とは逆方向へ向かって外側へ傾斜した勾配を有する仮想線(C1)に接するように配置された傾斜配置部(15b)を形成していることを特徴とする押罫部材。

請求項2

前記頂部凸条(12)は、前記押罫部(11)の幅方向中央寄りに2本以上並行するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の押罫部材。

技術分野

0001

この発明は、段ボールシート折曲用の罫線を入れる押罫部材に関するものである。

背景技術

0002

波状中芯紙の両側にライナー紙を貼り合わせた段ボールシートには、段状に形成された波の高さ、波の形状、厚さ、品質等が相違する中芯紙と、厚さ、品質等が相違するライナー紙との組み合わせによって様々な性状を有する数多くの種類が存在し、硬さが合紙程度に硬いものもある。

0003

例えば、一般的な中芯紙の波形の高さは、Aフルートの場合5mm、Cフルートの場合4mm、Bフルートの場合3mm、Eフルートの場合1.5mm、Fフルートの場合0.6mm、Gフルートの場合0.5mmであり、一般的な波形のピッチは、Aフルートにおける約8.5mmからGフルートにおける約1.8mmの範囲である。

0004

また、段ボールシートには、波形の中芯紙を一層とする両面段ボールシート、これらのいずれかを組み合わせて二層とする複両面段ボールシート、これらのいずれかを組み合わせて三層とする複々両面段ボールシート(トリプルウォールシート)等がある。このような段ボールシートの一般的な厚さは、使用される紙の品質によっても異なるが、中芯紙の波形の高さに複数枚のライナー紙の厚さを加えた約0.5mm〜15mmとなっている。

0005

そして、段ボールシートは、厚くなるに従って、弾性剛性が大きくなる傾向にあるので、押圧による罫線を入れ難くなる。また、複両面段ボールシートや複々両面段ボールシートの場合、各層での空間部を有する中芯紙の波形状のどの部位が互いに合致して段ボールシートが形成されているのかは分からない。

0006

このような多種類の段ボールシートを打ち抜くことによって、例えば、図7に示すような段ボール箱形成用のブランクA1を形成する場合、木製の基盤にブランクA1の輪郭形成用の外形打抜刃を取り付けると共に、その外形打抜刃の内側に、上記ブランクA1の縦罫線L1及び横罫線L2を罫入れする押罫部材を取り付けて抜型を形成し、その抜型によって段ボールシートに罫線を入れつつ打ち抜くようにしている。また、ロール状の罫入ロールを備えた罫線形成装置で罫線を形成する場合もある。

0007

ここで、ブランクA1の縦罫線L1は、段ボールシートAの波形の段状に成形された中芯紙Sの段目Wに縦方向にほぼ平行し、一方、横罫線L2は上記中芯紙Sの段目Wと直交する横方向に延びている。

0008

上記のような縦罫線L1及び横罫線L2を段ボールシートAに入れる押罫部材として、図8に示すようなものが一般的に使用されている。この押罫部材50は、金属製の帯板材の一方の端縁部を押罫部51とし、その押罫部51で段ボールシートAの一面を押し込むことにより、中芯紙Sの波形状部を押し潰して、溝状の縦罫線L1及び横罫線L2を形成するものである。

0009

押罫部材50の帯板材は、通常、上下方向の高さ寸法が20数mm程度とされ、両側面間板厚である幅寸法については、段ボールシートの性状に応じて、0.5mm〜10mmのものが使い分けられる。

0010

ところで、図8に示す押罫部材50は、押罫部51の表面が断面形状を凸形とする円弧状で全長にわたり凹凸のない滑らかな形状となっており、一方、段ボールシートAは、押圧力に抗して復元しようとする大きな弾性を有することから、押罫部材50の押罫部51により段ボールシートAの表面を厚さ方向に押し込んで罫線L1、L2を形成する際、段ボールシートAの表面に対する押罫部51の押圧力が分散し、段ボールシートAの反発に負けて、鮮明な罫線L1、L2を入れることができない場合が多い。

0011

また、特に、中芯紙Sの段目Wに平行する縦罫線L1を形成する場合には、中芯紙Sの波形状のどの部位を押罫部51で押し潰すことになるのかは分からないために、押し潰される形状もまちまちであるので、形成される縦罫線L1の鮮明度が異なることとなり、段ボールシートAを高精度に折り曲げることができない場合がある。

0012

さらに、押罫部51の表面が凹凸を有さない滑らかな形状であることに起因して、押罫部51で押し潰す中芯紙Sの部位によっては、押罫部51の表面が段ボールシートAの表面に食い込むに従い、段ボールシートAの表面が押罫部51の表面上で滑って、縦罫線L1に対し左右方向にずれ動くことがあるので、段ボールシートAの表面上の予定した正確な位置に罫線を形成することができなかったり、形成される罫線に蛇行が生じたりするという問題が発生する。

0013

ここで、図7に示すブランクA1は、パネルP1とパネルP4とが、段目Wに平行する3本の縦罫線L1のうち、両側2本の縦罫線L1に沿って折り曲げられ、一側のパネルP1に連続して形成された継代片P5と他側のパネルP4の端縁部とが重ね合わされ、その重なり部が接着されることにより、偏平に折り畳まれた段ボール箱とされる。

0014

このとき、縦罫線L1での折曲精度が悪い場合、一側のパネルP1と他側のパネルP4に相対的な傾きが生じたり、対角位置の部をなす縦罫線L1の間の寸法に誤差が生じたりして、精度の高い段ボール箱を形成することができず、周壁角筒状に開箱した際、歪んだ形状の箱体となることがあり、このような段ボール箱は不良品となる。

0015

そのような不都合を解消して精度の高い折り曲げが得られるようにするため、押罫部材として、下記特許文献1のFig20において下段右端に記載された図9に示すような罫入ロールを使用することが考えられる。

0016

この押罫部材60としての罫入ロールは、段ボールシートに押し付けられて回転するものであり、段ボールシートに当接する全外周の押罫部61を、全体として外方向に向けて凸形をなす階段状になるように、表面に凹凸のない平坦な段部62を左右それぞれに二段備えた形状とし、中央寄りの左右両側に位置する段部62の間に外方向に向けて突出した頂部凸条63を形成したものとされている。この押罫部材60では、左右両側のそれぞれにおいて隣り合う段部62の境界部分は水平状の段部62に直交する直立面とされ、段部62の隅部は角張っている。

0017

また、下記特許文献2の第5図においても、図10に示すように、押罫部材70としての罫入ロールの外周面に、全外周の押罫部71を、全体として外方向に向けて凸形をなす階段状になるように、表面に凹凸のない平坦な段部72を左右それぞれに二段備えた形状とし、中央寄りの左右両側に位置する段部72の間に頂部凸条73を形成したものが記載されている。この押罫部材70では、左右両側のそれぞれにおいて隣り合う段部72の境界部分は水平状の段部72に斜めに交わる傾斜面とされ、段部72の隅部は丸味を有するように面取りされている。

0018

このような押罫部材60,70で罫線を入れる加工を行うと、押罫部61,71で押圧された段ボールシートの表面は、頂部凸条63,73の頂部により最初に押し込まれ、押し潰されて位置決めされながら、次第にその両側の段部62,72で押し潰されるため、段ボールシートが頂部凸条63,73の両側方向へずれ動く現象がある程度抑制され、罫線の位置精度がある程度改善されると考えられる。

0019

また、本件特許出願と出願人及び発明者が同一である出願に係る下記特許文献3においては、図11に示すような押罫部材80が提案されている。この押罫部材80では、段ボールシートを押圧する押罫部81に、図示の方向において、幅方向の中央に位置し頂部が最も高くなっている1本の頂部凸条82aと、この頂部凸条82aを挟んで押罫部81の幅方向の両側にそれぞれ並行し頂部が押罫部81の側部へかけて漸次低くなっている複数本の側部凸条82bとが設けられて、押罫部81の表面が凹凸形状に形成されている。なお、頂部凸条82a及び側部凸条82bは、押罫部材80の幅方向の中心線l上の一点から放射状に突出している。

0020

そして、押罫部81の全体は、頂部凸条82a及び側部凸条82bの頂部が前記中心線l上の一点を中心とし、外方向に向けて山形状をなす円弧状の仮想曲線Cに内側から接することによって、頂部凸条82aの頂部を押罫部81の頂部として外方向に向けた山形状の凸形に形成されている。また、頂部凸条82aとその両側の側部凸条82bの間、及び側部凸条82bの隣り合うもの同士の間には、高さ方向に窪んだ凹溝83が形成されて、頂部凸条82a及び側部凸条82bのそれぞれの頂部と凹溝83の底部との間の側面が傾斜面となっている。

0021

なお、この押罫部材80の押罫部81における凹溝83の底部からの側部凸条82bの高さは0.05mm〜1.0mmの範囲であって、0.1mm程度が好適とされ、比較的低いものとなっている。また、下記特許文献3には、頂部凸条82aのみを仮想曲線Cから少し突出させた実施形態も記載されている。

0022

このような押罫部材80で罫線を入れる加工を行うと、押罫部81で押圧された段ボールシートの表面は、頂部凸条82aの頂部により最初に押し込まれ、押し潰されながらその両側の傾斜面に沿ってスムーズに凹溝83に入り込み、さらにその両側の側部凸条82bに順次当接すると共に、各側部凸条82bの側面の傾斜面に沿いつつ、隣り合う側部凸条82bの間の凹溝83にスムーズに入り込んで、押罫部81の表面に波状に沿うことになる。このため、段ボールシートの表面が押罫部81の表面上で頂部凸条82aの両側方向へずれ動く現象がある程度効果的に抑制される。

0023

また、本件特許出願と出願人及び発明者が同一である出願に係る下記特許文献4においては、図12に示すように、頂部凸条82aの両側のそれぞれに、頂部凸条82aに交差する方向に延びる複数の交差溝84が押罫部81の長さ方向に間隔をあけて設けられ、この交差溝84により、頂部凸条82aの両側に位置する側部凸条82bが分断された形状となっているものが記載されている。

0024

このような交差溝84を設けておくと、押圧された段ボールシートの表面が交差溝84にも入り込むので、段ボールシートの表面が押罫部81の表面上で頂部凸条82aの長さ方向へずれる現象も抑制され、罫線の加工精度をさらに高めることができる。

先行技術

0025

米国特許出願公開第2009/0203509号明細書
実公昭49−34406号公報
特許第5902353号公報
特許第5894343号公報

発明が解決しようとする課題

0026

しかしながら、図9及び図10に示すような押罫部材60,70では、頂部凸条63,73の左右両側の段部62,72の表面が幅方向に平坦であることから、頂部凸条63,73の頂部により段ボールシートを押し込んだ後、段ボールシートが段部62,72で押圧される際に、押罫部材60,70の幅方向にずれやすいという問題がある。

0027

また、図11及び図12に示すような押罫部材80では、例えば、Aフルートのように中芯紙の波形のピッチが大きい段ボールシートにおいて、ライナー紙や中芯紙の紙質が硬い場合や、中芯紙の段形状の両側面がその頂部と底部との間で急勾配となっている場合等においては、頂部凸条82aから両側方へ離れた部分に位置する側部凸条82bによる押潰力が弱くなり、十分な押潰作用が得られない恐れがある。特に、図7に示す縦罫線L1の場合、上記のような理由により十分な押潰作用が得られないと、段ボールシートを正確な位置において明瞭かつきれいな直線状に折り曲げられないという問題がある。

0028

そこで、この発明は、様々な性状の段ボールシートに対して、高い精度で正確な位置に明瞭かつきれいな直線状の罫線を入れることができ、段ボールシートを罫線の幅方向中央部で正確かつ容易に直線状に折り曲げられるようにして、製造される段ボール箱の不良率を低減できる押罫部材を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0029

上記のような課題を解決するため、この発明は、段ボールシートに押圧により折曲用の罫線を入れる押罫部の表面に、長さ方向に延びる頂部凸条及びその両側に並行する複数本の側部凸条が押罫部の幅方向に並んで形成されると共に、これらの間に高さ方向に窪んだ凹溝が形成され、
前記頂部凸条の頂部がその両側の側部凸条の頂部に比較して段ボールシートへの押圧方向に最も突出して、前記頂部凸条と側部凸条の頂部が押罫部の全体として山形状の凸形を形成する押罫部材において、
前記側部凸条は、前記頂部凸条の両側にそれぞれ近接する複数本の内側部凸条と、この内側部凸条の外側に配置された外側部凸条とから成り、
前記複数本の内側部凸条の頂部は、段ボールシートへの押圧方向に直交する方向に並ぶように配置された平坦配置部を形成し、
前記外側部凸条の頂部は、前記平坦配置部の両外側からそれぞれ段ボールシートへの押圧方向とは逆方向へ向かって外側へ傾斜した勾配を有する仮想線に接するように配置された傾斜配置部を形成しているものとしたのである。

0030

また、前記頂部凸条は、前記押罫部の幅方向中央寄りに2本以上並行するように設けられているものとしたのである。

発明の効果

0031

この発明に係る押罫部材では、押罫部で段ボールシートを押し込む際、頂部凸条が最初に罫線の幅方向中央部で段ボールシートを強く押し潰し、その後、頂部凸条の両側に形成された側部凸条のうち、平坦配置部にそれぞれ押罫部の幅方向に並ぶように複数本形成された内側部凸条の頂部により段ボールシートを押さえつつ、段ボールシートを頂部凸条よりも少し弱く押し潰し、さらに、その両外側の傾斜配置部にそれぞれ形成された外側部凸条で漸次弱くなるように押し潰すこととなる。

0032

これにより、段ボールシートが厚く中芯紙の波形のピッチが大きい場合や、紙質が硬い場合でも、罫入れ加工時における段ボールシートの横方向へのずれ動きが確実に防止されて、正確な位置で幅方向の中央部が最も強く押し潰された罫線が形成される。

0033

また、特に縦罫線を形成する際、平坦配置部の複数本の内側部凸条が中芯紙の段形状の側面を横切る方向である押罫部材の幅方向に並んで配置されているので、中芯紙の段形状の側面が急勾配で傾斜していても、平坦配置部のいずれかの内側部凸条が中芯紙の段形状の側面を強く押圧し、中芯紙の波形部が十分に押し潰される。

0034

このように、段ボールシートを、材料の紙質の強弱や中芯紙の波形の高さやピッチに関わらず、また両面段ボールシート、複両面段ボールシート又は複々両面段ボールシートといった構造や紙質の強弱に関らず、さらに縦罫線又は横罫線のいずれを形成するかに関わらず、表面に過剰な張力を作用させることなく十分に押し潰して、正確な位置に鮮明な罫線を入れることができる。

0035

そして、段ボールシートが罫線の幅方向中央部で正確かつ容易にきれいな直線状に折り曲げられるようになり、製造される段ボール箱の不良率を低減することができる。

0036

また、頂部凸条を2本並行するように設けると、段ボールシートが硬い紙を材料とする剛性の高いものである場合や、波状の中芯紙を3層とする複々両面段ボールシートのように相当厚いものである場合であっても、段ボールシートを、最初に2本の頂部凸条によりある程度の幅をもって強く押し潰し、次いで、平坦配置部の複数本の内側部凸条により押し潰し、その後、傾斜配置部の外側部凸条で押し潰すので、段ボールシートを破ることなく、鮮明かつ確実に罫線を入れることができ、罫線の幅方向の中央等の所定の位置で正確に折り曲げることができる。

図面の簡単な説明

0037

この発明に係る押罫部材を取り付けたプラテンダイカッタによる(1A)罫入前の状態を示す概略断面図、(1B)罫入状態を示す概略断面図
この発明の第1実施形態に係る押罫部材の押罫部の断面輪郭を示す図
この発明の第2実施形態に係る押罫部材の押罫部の断面輪郭を示す図
上記第1実施形態に交差溝が形成された第3実施形態の押罫部材の押罫部を模式的に示す(4A)平面図、(4B)(4A)のX−X線に沿った断面図
上記各実施形態に係る押罫部材のロータリーダイカッタへの適用例を示す装置概略側面図
上記各実施形態に係る押罫部材の罫入ユニットへの適用例を示す装置概略側面図
段ボール箱形成用のブランクを示す図
従来の一般的な押罫部材を示す斜視図
特許文献1に記載の押罫部材の押罫部の断面輪郭を示す図
特許文献2に記載の押罫部材の押罫部の断面輪郭を示す図
特許文献3に記載の押罫部材の押罫部の断面輪郭を示す図
特許文献4に記載の押罫部材の押罫部を模式的に示す平面図

実施例

0038

以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。

0039

図1に示すように、この発明に係る押罫部材10を使用するプラテンダイカッタは、波形状の中芯紙Sを一層とする両面の段ボールシートAを支持するステンレス製カッティングプレート1と、その上方に対向する罫入れ型2とが接離するものである。罫入れ型2は、木製の合板から成る基盤3にレーザー加工等によって溝状のスリット4を形成し、このスリット4に段ボール箱のブランクの輪郭を打ち抜く切刃(図示省略)と共に、押罫部材10を圧入したものとなっている。この押罫部材10により、図7に示すように、段目Wに並行する方向の縦罫線L1や、段目Wに直交する方向の横罫線L2等の罫線を段ボールシートAに形成することになる。なお、上述のように、波形状の中芯紙Sには種々の寸法のものがあり、また、波形状は、その頂部と底部との間の側面が緩やかな傾斜のものもあれば、急な傾斜のものもあり、様々な形状がある。

0040

押罫部材10は、上下方向の高さ寸法が20数mm程度、幅方向の寸法である両側面間の厚さが0.5mm〜10mmとされ、長さが適宜寸法とされた金属製の帯板材を素材としており、その帯板材の上下方向の一端部が押罫部11とされている。そして、多様な段ボールシートAの性状に応じて、適宜寸法に製作された押罫部材10が使用される。

0041

図2に押罫部11が上方へ向いた状態で示すように、この発明の第1実施形態である押罫部材10の押罫部11の表面には、幅方向の中央部に頂部凸条12が、その両側に複数本の側部凸条13が、それぞれ押罫部11の高さ方向の外側(図示の方向で上方)へ向けて相反する方向に傾斜した両側の傾斜面によって先細状に突出する状態で長さ方向に延びるように幅方向に並んで形成され、これらの間に相反する方向に傾斜した両側の傾斜面によって高さ方向に窪んだ凹溝14が形成されている。このような構成により、縦罫線L1(図7参照)を形成する際、頂部凸条12と側部凸条13が中芯紙Sの波形状の傾斜した側面を横切るように並んだ配置となる。

0042

そして、頂部凸条12の頂部がその両側の側部凸条13の頂部に比較して、押罫部材10の高さ方向、すなわち段ボールシートAへの押圧方向に最も突出し、後述の罫入れ加工時に、頂部凸条12の頂部が段ボールシートAに最初に当接するようになっている。

0043

側部凸条13は、頂部凸条12の両側にそれぞれ近接し、平坦配置部15aを形成する複数本(図示のものでは2本)の内側部凸条13aと、それぞれの平坦配置部15aの両外側において傾斜配置部15bを形成する1本以上(図示のものでは2本)の外側部凸条13bとから成る。

0044

内側部凸条13aの頂部は、段ボールシートAへの押圧方向に直交する方向、すなわち押罫部材10の側面に直交する方向に平坦状に並ぶように配置されている。また、外側部凸条13bの頂部は、段ボールシートAへの押圧方向とは逆方向(図2に示す方向では下方)へ向かって押罫部材10の側面方向である外側へ傾斜した勾配を有する円弧状の仮想線C1に内側から接して傾斜状に並ぶように配置されている。そして、外側部凸条13bの頂部は、内側部凸条13aの頂部より外側へ向かうに従って漸次低くなっている。

0045

上記のような構成により、頂部凸条12及び側部凸条13の頂部は、押罫部11の全体が頂部凸条12の頂部を押罫部11の頂部として外方向、すなわち段ボールシートAへの押圧方向へ向けて山形状の凸形をなすような配置となっている。

0046

頂部凸条12のその両側の凹溝14に対する突出量αは、側部凸条13(内側部凸条13a)の側方の凹溝14の底部からの突出量βよりも大きくなっている。なお、側部凸条13の突出量βは、0.05mm〜1.0mmの範囲が好ましく、突出量αは、突出量βよりも大きければよい。突出量α、βの実際の寸法は、段ボールシートAの性状、押罫部材10の幅寸法や形状によって適宜決めればよい。

0047

また、左右の平坦配置部15aにおける内側部凸条13aの頂部は、それぞれ同じ高さとなっているが、その高さを左右で異なるものとして、これに続くように、傾斜配置部15bの外側部凸条13bを並べて形成してもよい。

0048

また、平坦配置部15aにおける内側部凸条13aは、押罫部材10の高さ方向の中心軸線に平行するように段ボールシートAへの押圧方向へ突出し、傾斜配置部15bの外側部凸条13bは、押罫部材10の高さ方向の中心軸線のある点から段ボールシートAへの押圧方向へ放射状に突出しているが、頂部凸条12、内側部凸条13a及び外側部凸条13bの頂部の高さの関係を上述のように維持しつつ、内側部凸条13aを押罫部材10の高さ方向の中心軸線のある点から段ボールシートAへの押圧方向へ放射状に突出させてもよく、外側部凸条13bを押罫部材10の高さ方向の中心軸線に平行するように段ボールシートAへの押圧方向へ突出させてもよい。

0049

なお、全ての側部凸条13の突出量βやその頂部の高さ及び凹溝14の深さは、同一に揃えるのが好ましいが、厳密に揃える必要はなく、例えば、±0.5mm程度のずれは実質的に同一であると見なすことができるので、作用効果上の問題はない。このため、製造に際し、過剰な高精度を追求する必要がなく、コストを抑制することができる。

0050

また、両側のそれぞれの傾斜配置部15bの仮想線C1は、図示の方向において、押罫部11の外側に至るに従って漸次低くなるものであればよく、上述した円弧状のほか、例えば、曲率が変化するような曲線や、直線状であってもよい。

0051

また、図示のものでは、両側のそれぞれの傾斜配置部15bにおいて、仮想線C1に頂部が内側から接する外側部凸条13bを2本ずつ並べたものとなっているが、外側部凸条13bは、3本以上並べるようにしてもよく、外側部凸条13bによる段ボールシートAへの押圧力は弱いので、1本のみとしてもよい。

0052

そのほか、頂部凸条12及び側部凸条13の各頂部は、後述のように段ボールシートAに罫線Lを入れる際に、段ボールシートAの破損を防止するため、それぞれ丸味を有するように面取りされ、それらの間の凹溝14の底部も丸味を有するように面取りされた形状とされている。また、頂部凸条12及び側部凸条13の側面は、それらの頂部から凹溝14の底部へ続く傾斜面とされ、押罫部11の表面は滑らかな波状になっている。

0053

なお、頂部凸条12、側部凸条13の頂部及び凹溝14の面取り形状は、多角形状であってもよい。また、段ボールシートAへの押圧方向へ最も突出している頂部凸条12は、段ボールシートAを最も強く押圧して破損させやすいので、その頂部を面取りしておくことが好ましいが、側部凸条13は、頂部凸条12ほどは段ボールシートAを強く押し込まないので、必ずしも面取りしておく必要はない。

0054

上記のような押罫部材10により、図1に示すようなプラテンダイカッタで段ボールシートAに罫線Lを入れる際には、図1(1A)に示すように、押罫部材10の押罫部11が下向きになるように罫入れ型2をプラテンダイカッタに装着して、罫入れ型2をカッティングプレート1へ接近させる。

0055

この加工において、図1(1B)に示すように、押罫部11で段ボールシートAを押し込む際、段ボールシートAは、横方向へのずれ動きが確実に防止されるように、最も突出した頂部を有する頂部凸条12により、最初に罫線Lの中央位置で強く押し潰される。

0056

その後まず、頂部凸条12の両側の平坦配置部15aにそれぞれ複数本形成された内側部凸条13aの突出量が少し小さい頂部により押さえられつつ、頂部凸条12よりも少し弱く押し潰され、さらに続いて、その両外側の傾斜配置部15bの押圧方向とは逆方向へ向かって外側へ傾斜した仮想線C1に頂部が接する外側部凸条13bの各頂部により、漸次弱くなるように押し潰される。

0057

これにより、段ボールシートAが厚く中芯紙の波形のピッチが大きい場合や、紙質が硬い場合でも、罫入れ加工時における段ボールシートAの横方向へのずれ動きが確実に防止されて、正確な位置で幅方向の中央部が最も強く押し潰され、その両側に近接する部分が少し弱く押し潰され、さらにその外側の部分が漸次弱く押し潰された縦罫線L1や横罫線L2(図7参照)等の罫線Lが形成される。

0058

特に、縦罫線L1を形成する際に、平坦配置部15aの複数本の内側部凸条13aが中芯紙Sの段形状の側面を横切る方向に並んで配置されているので、中芯紙Sの段形状の側面が急勾配で傾斜していても、各平坦配置部15aのそれぞれにおいて、いずれかの内側部凸条13aが中芯紙Sの段形状の側面を強く押圧することになり、中芯紙Sの波形部が十分に押し潰される。

0059

このように、段ボールシートAを、材料の紙質の強弱や中芯紙Sの波形の高さやピッチに関わらず、また両面段ボールシート、複両面段ボールシート又は複々両面段ボールシートといった構造や紙質の強弱に関らず、さらに、形成する罫線Lが縦罫線L1であるか横罫線L2(図7参照)であるかに関らず、表面に過剰な張力を作用させることなく十分に押し潰して、正確な位置に鮮明な罫線Lを入れることができる。

0060

そして、段ボールシートAが罫線Lの幅方向中央部で正確かつ容易に直線状に折り曲げられるようになり、製造される段ボール箱の不良率を低減することができる。

0061

なお、図示のものでは、押罫部11の表面において、幅方向の中央に頂部凸条12が位置しているが、罫線の中央の位置で折り曲げる必要のない場合には、頂部凸条12は、所定の折曲位置に対応させて左右いずれかの方向へずれていてもよく、頂部凸条12を挟んだ左右が非対称の幅となっていてもよい。

0062

また、頂部凸条12を挟んだ左右の平坦配置部15a及び傾斜配置部15bのそれぞれの内側部凸条13a及び外側部凸条13bの本数が揃っているものを例示しているが、頂部凸条12及び側部凸条13の頂部が押罫部11の全体として山形状の凸形をなすような配置となっておれば、これらの左右の本数がそれぞれ異なっていてもよい。

0063

特に、段ボールシートAの折り曲げに際し、罫線Lの一側部を固定し、他側部を揺動させる場合や、両端部を異なる折曲速度で折り曲げる場合には、段ボールシートAが罫線Lに沿って均等に折れ曲がるように、左右の内側部凸条13a及び外側部凸条13bの本数を変えておくとよい。

0064

これらの本数を決める際、内側部凸条13a及び外側部凸条13bの本数が多い程、内側部凸条13a及び外側部凸条13bとこれに続く凹溝14による凹凸部への段ボールシートAの接触面積が大きくなるので、罫線形成時に押罫部11の幅方向への段ボールシートAの横ずれをより確実に防止することができるが、小さな幅寸法の押罫部材10に多数本の内側部凸条13a及び外側部凸条13bを形成することになり、押罫部材10の製造に手間がかかり、コストが上昇することになる。また、内側部凸条13a及び外側部凸条13bの本数が多すぎると、段ボールシートAの硬くて強い表面が上記凹凸部に沿い難くなって、正常な形状の罫線が形成されなくなる恐れがある。

0065

従って、内側部凸条13a及び外側部凸条13bの本数は、押罫部材10の幅寸法、また段ボールシートAの性状等によって、適宜決めればよい。

0066

また、図3に示す第2実施形態のように、頂部凸条12は、押罫部11の幅方向中央寄りに頂部が同じ高さとなるように2本並行して設け、頂部凸条12の間に凹溝14が形成されるようにしてもよい。

0067

このように、頂部凸条12を2本並行するように設けると、段ボールシートAが硬い紙を材料とする剛性の高いものである場合や、波状の中芯紙Sを3層とする複々両面段ボールシートのように相当厚いものである場合であっても、段ボールシートAを、最初に2本の頂部凸条12によりある程度の幅をもって強く押し潰し、次いでそれぞれ突出量が小さく低い頂部を有する内側部凸条13a及び外側部凸条13bにより順次押し潰すので、段ボールシートAを破ることなく、鮮明かつ確実に罫線Lを入れることができ、罫線Lの幅方向の中央部で正確に折り曲げることができる。仮に、このような条件の段ボールシートAを頂部凸条12が1本の押罫部材10で押圧すると、段ボールシートAが破れてしまう恐れがある。

0068

なお、頂部凸条12の本数が多すぎると、罫線Lの折り曲げの中心部が太くなってぼけてしまい、却って正確な位置での折り曲げができなくなるので、頂部凸条12の本数は、複数本とする場合でも、2本程度が好ましいが、段ボールシートAが非常に厚いものである場合等においては、3本以上としてもよく、段ボールシートAの性状に応じて、適宜決定すればよい。

0069

また、頂部凸条12及び側部凸条13の頂部のそれぞれの表面を滑らかな凹凸状に形成することによって、罫線形成時の段ボールシートAの破れや横方向へのずれを防止するようにしてもよい。

0070

さらに、上記第1実施形態を基本とした図4に示す第3実施形態のように、押罫部11は、頂部凸条12の両側のそれぞれに、頂部凸条12に交差する方向に延びる複数の交差溝16が押罫部11の長さ方向に間隔をあけて設けられ、交差溝16により頂部凸条12の両側の側部凸条13が分断された形状となるようにしてもよい。

0071

このような交差溝16を設けておくと、段ボールシートAを押圧する際、段ボールシートAの表面が交差溝16へ入り込むために、押罫部11と段ボールシートAの接触面が大きくなって、押罫部材10の長さ方向への段ボールシートAのずれ動きが防止されると共に、段ボールシートAの表面が頂部凸条12に接近する方向へ寄せられて、頂部凸条12により強く押し潰される。

0072

このため、段ボールシートAを折り曲げて段ボール箱を製造する場合、罫線Lにおける折曲位置の精度がさらに向上し、製造時の不良発生率を著しく低減することができる。また、短い交差溝16によって、側部凸条13の少なくとも1本を分断するようにしても、同様の作用効果が得られる。

0073

なお、押罫部11の頂部凸条12を挟んだ両側の交差溝16は、頂部凸条12の長さ方向における位置が揃っている必要はなく、千鳥状にずれていてもよい。また、交差溝16が頂部凸条12に対して傾斜したものを例示しているが、交差溝16は、頂部凸条12に対して直交する方向に延びるものであってもよい。

0074

そのほか、上記第1実施形態乃至第3実施形態においては、加工対象の段ボールシートAの厚さが厚い程、押罫部11の幅方向の寸法を大きく設定すると共に、平坦配置部15aの幅方向の寸法も大きく設定して、平坦配置部15aに多数本の内側部凸条13aを備えたものとすることが好ましい。

0075

ところで、上記各実施形態では、プラテンダイカッタに装着される罫入れ型の押罫部材10について例示したが、上記各実施形態のような押罫部11は、図5に示すように、ロータリーダイカッタに装着される罫入れ型の幅が大きくてロール状の押罫部材10に適用してもよい。

0076

ロータリーダイカッタは、アンビルロール20に対向配置されたダイロール21の外周に沿って半円弧状で幅の大きい罫入れ型22を装着し、罫入れ型22の円弧状に湾曲した木製の幅広の基盤23に切刃24と上記第1乃至第3実施形態と同様の幅寸法(0.5mm〜10mm)を有する所定長さの円弧状の押罫部材10とを固設しておき、アンビルロール20とダイロール21の間に段ボールシートAを送り込んで切刃24により所定形状に打ち抜くと共に、押罫部材10の押罫部11により段ボールシートAに罫入加工を施すものである。

0077

また、例えば、フォルダグルアに使用される図6に示すような罫入ユニットの罫入ロールを、上記各実施形態のような幅寸法(0.5mm〜10mm)を有する押罫部11を備えた押罫部材10としてもよい。

0078

この罫入ユニットは、段ボールシートAを矢印方向に送る上下一対搬送ローラ30の下流側に、互いに逆方向に回転する一対の回転軸31、32を上下に配置し、上側の回転軸31に罫入ロールとして押罫部材10を取り付け、下側の回転軸32に凹凸のない滑らかな表面を有する受ロール33を取り付け、押罫部材10と受ロール33の間に送り込まれた段ボールシートAに罫入加工を施すものである。

0079

このように、段ボールシートAを送りつつ、回転に伴い段ボールシートAに罫入加工を施す押罫部材10においても、押罫部11を上記各実施形態のような形状とすることにより、正確な位置に鮮明な罫線を入れることができ、製造される段ボール箱の不良率を低減することができる。

0080

A段ボールシート
A1ブランク
L罫線
L1縦罫線
L2横罫線
S中芯紙
W段目
1カッティングプレート
2罫入れ型
3基盤
4スリット
10押罫部材
11押罫部
12 頂部凸条
13 側部凸条
13a 内側部凸条
13b 外側部凸条
14凹溝
15a平坦配置部
15b傾斜配置部
16交差溝
20アンビルロール
21ダイロール
22 罫入れ型
23 基盤
24切刃
30搬送ローラ
31,32回転軸
33 受ロール

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 三菱重工業株式会社の「 ダブルフェーサ」が 公開されました。( 2020/08/31)

    【課題】簡便な構成を有しながら、高い精度で運転することが可能なダブルフェーサを提供する。【解決手段】ダブルフェーサ90は、帯状の片面段ボール紙P1とライナ紙P2とを走行方向に送りながら加熱する上面を有... 詳細

  • 株式会社TANAーXの「 蛇腹状段ボールシート積層体及び連続段ボールシートの製造方法」が 公開されました。( 2020/08/31)

    【課題】段ボール箱製造装置を停止させることなく補充することができる蛇腹状段ボールシート積層体を提供する。【解決手段】本発明に係る蛇腹状段ボールシート積層体11は、長尺段ボールシート12が所定の長さ毎に... 詳細

  • 株式会社川島製作所の「 横型製袋充填包装機」が 公開されました。( 2020/08/31)

    【課題】包装材にエンドシールを施す上側および下側のエンドシーラのうち、特に下側のエンドシーラのシーラ面である上面の清掃が容易にできるようになる横型製袋充填包装機を提供する。【解決手段】横型製袋充填包装... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ