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技術 動作検出装置および動作検出方法

出願人 日本電信電話株式会社学校法人早稲田大学
発明者 小笠原隆行倉沢央都甲浩芳中島寛深町花子青柳健隆岡浩一朗
出願日 2017年9月26日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2017-184516
公開日 2019年4月18日 (4ヶ月経過) 公開番号 2019-058305
状態 未査定
技術分野 訓練用具
主要キーワード パラメータさ 試行計算 初等関数 手ごたえ 動作検出装置 軸加速度データ 検出見逃し アーチェリー
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

スポーツ用具に装着したセンサによるセンサデータの特徴から競技者の動作を検出することが可能な動作検出装置を提供する。

解決手段

本願発明の動作検出装置では、スポーツ用具に装着されたセンサ端末によりスポーツ用具の姿勢変動に応じたセンサデータを検出し、このセンサデータを用いてスポーツ用具の斜傾データ、センサデータの時間差分データを算出して、これらの斜傾データ、時間差分データを用いて、スポーツ用具を使用する競技者の動作をイベントとして検出し、このイベントの発生に基づいて競技者の所定の動作の発生を検出する。

概要

背景

様々なスポーツ競技において、撮影した映像を用いたトレーニングが行われている。例えば、アーチェリー競技の場合には、図14のように、アーチェリー競技の競技者の近傍にビデオカメラを設置して競技者の動作を撮影し、撮影した映像データを分析することが行われている。(例えば、非特許文献1参照。)

概要

スポーツ用具に装着したセンサによるセンサデータの特徴から競技者の動作を検出することが可能な動作検出装置を提供する。本願発明の動作検出装置では、スポーツ用具に装着されたセンサ端末によりスポーツ用具の姿勢変動に応じたセンサデータを検出し、このセンサデータを用いてスポーツ用具の斜傾データ、センサデータの時間差分データを算出して、これらの斜傾データ、時間差分データを用いて、スポーツ用具を使用する競技者の動作をイベントとして検出し、このイベントの発生に基づいて競技者の所定の動作の発生を検出する。

目的

本発明は、以上のような問題を解消するためになされたものであり、スポーツ用具に装着したセンサによるセンサデータの特徴から競技者の動作を検出することが可能な動作検出装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

スポーツ用具に装着され、前記スポーツ用具の姿勢変動に応じたセンサデータを検出するセンサ端末と、前記センサデータを用いて前記スポーツ用具の斜傾データを算出する斜傾算出部と、前記センサデータを用いて前記センサデータの時間差分データを算出する差分算出部と、前記スポーツ用具を使用する競技者の動作をイベントとして検出するイベント検出部であって、前記斜傾データを用いて第1のイベントを検出し、前記時間差分データを用いて第2のイベントを検出するイベント検出部と、前記第1および第2のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出する動作検出部と、を備える動作検出装置

請求項2

前記イベント検出部は、前記斜傾データの時間変化に基づいて第3のイベントを検出し、前記動作検出部は、前記第1乃至前記第3のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出することを特徴とする請求項1記載の動作検出装置。

請求項3

前記イベント検出部は、所定の期間において抽出した前記時間差分データの最大値を用いて第4のイベントを検出し、前記動作検出部は、前記第1乃至前記第4のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出することを特徴とする請求項2記載の動作検出装置。

請求項4

前記スポーツ用具はアーチェリー競技用のであり、前記第1のイベントは、アンカリング動作の検出であり、前記第2のイベントは、リリース動作の検出であり、前記第3のイベントは、フォロースルー動作の検出であり、前記競技者の前記所定の動作は行射動作であることを特徴とする請求項3に記載の動作検出装置。

請求項5

スポーツ用具に装着されたセンサ端末を備えた動作検出装置における動作検出方法であって、前記センサ端末が、前記スポーツ用具の姿勢変動に応じたセンサデータを検出するステップと、前記センサデータを用いて前記スポーツ用具の斜傾データを算出するステップと、前記センサデータを用いて前記センサデータの時間差分データを算出するステップと、前記スポーツ用具を使用する競技者の動作をイベントとして検出するステップであって、前記斜傾データを用いて第1のイベントを検出し、前記時間差分データを用いて第2のイベントを検出するステップと、前記第1および第2のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出するステップと、を備える動作検出方法。

請求項6

前記斜傾データの時間変化に基づいて第3のイベントを検出するステップをさらに備え、前記第1乃至前記第3のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出することを特徴とする請求項5記載の動作検出方法。

請求項7

所定の期間において抽出した前記時間差分データの最大値を用いて第4のイベントを検出するステップをさらに備え、前記第1乃至前記第4のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出することを特徴とする請求項6記載の動作検出方法。

請求項8

前記スポーツ用具はアーチェリー競技用の弓であり、前記第1のイベントは、アンカリング動作の検出であり、前記第2のイベントは、リリース動作の検出であり、前記第3のイベントは、フォロースルー動作の検出であり、前記競技者の前記所定の動作は行射動作であることを特徴とする請求項7に記載の動作検出方法。

技術分野

0001

本発明は、センサを用いてスポーツ用具運動計測し、スポーツ用具を利用する競技者の動作を検出する動作検出装置および方法に関する。

背景技術

0002

様々なスポーツ競技において、撮影した映像を用いたトレーニングが行われている。例えば、アーチェリー競技の場合には、図14のように、アーチェリー競技の競技者の近傍にビデオカメラを設置して競技者の動作を撮影し、撮影した映像データを分析することが行われている。(例えば、非特許文献1参照。)

先行技術

0003

公益財団法人東京都スポーツ文化事業、「競技力向上テクカルサポート事業 No.94アーチェリー/トレーニングサポート」、2014年度記事(https://www.tef.or.jp/sports-science/support_detail.jsp?id=125907)
アナログデバイセズ株式会社、「AN-1057アプリケーションノート」、2010
山本博、「山本博のゼロから始めるアーチェリー」、実業之日本社、2010
MathWorks社、「バイナリ分類のサポートベクターマシン」(https://jp.mathworks.com/help/stats/support-vector-machines-for-binary-classification.html#bsr5o09)
前田英作、「痛快!サポートベクトルマシン-古くて新しいパターン認識手法-」、情報処理42(7), 676-683, 2001-07-15

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、ビデオカメラで競技者を撮影し、撮影した映像データを分析する場合には、撮影用のビデオカメラの設置場所の確保が必要となり、逆光等の影響から必ずしも良好な撮影環境を確保できない場合がある。

0005

また、アーチェリー競技の場合において、射撃時の映像のみを撮影しようとした場合には、競技者はと矢を保持した状態で、所定の立ち位置に立つ必要があるため、競技者が一人で撮影するには困難な場合が多く、競技者とは別にビデオカメラを操作する撮影者が必要となる。

0006

ここで、射撃時の映像のみを撮影するのではなく、ビデオカメラを録画状態のまま放置することもできるが、撮影した映像には射撃をしていない時間の映像も含まれるため、日々の練習を撮影した場合の映像のデータ量は膨大となり、膨大な映像データの中から所望の射撃時の映像データのみを検索する作業や、複数の映像データを照らし合わせて比較するための編集作業には、多くのコストと作業時間が必要になるという問題がある。

0007

本発明は、以上のような問題を解消するためになされたものであり、スポーツ用具に装着したセンサによるセンサデータの特徴から競技者の動作を検出することが可能な動作検出装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本願発明の動作検出装置では、スポーツ用具に装着され、前記スポーツ用具の姿勢変動に応じたセンサデータを検出するセンサ端末と、前記センサデータを用いて前記スポーツ用具の斜傾データを算出する斜傾算出部と、前記センサデータを用いて前記センサデータの時間差分データを算出する差分算出部と、前記スポーツ用具を使用する競技者の動作をイベントとして検出するイベント検出部であって、前記斜傾データを用いて第1のイベントを検出し、前記時間差分データを用いて第2のイベントを検出するイベント検出部と、前記第1および第2のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出する動作検出部と、を備える。

0009

また、前記イベント検出部は、前記斜傾データの時間変化に基づいて第3のイベントを検出し、前記動作検出部は、前記第1乃至前記第3のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出。

0010

また、前記イベント検出部は、所定の期間において抽出した前記時間差分データの最大値を用いて第4のイベントを検出し、前記動作検出部は、前記第1乃至前記第4のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出してもよい。

0011

また、上記動作検出装置において、前記スポーツ用具はアーチェリー競技用の弓であり、前記第1のイベントは、アンカリング動作の検出であり、前記第2のイベントは、リリース動作の検出であり、前記第3のイベントは、フォロースルー動作の検出であり、前記競技者の前記所定の動作は行射動作であってもよい。

0012

上記課題を解決するために、本願発明の動作検出方法では、スポーツ用具に装着されたセンサ端末が、前記スポーツ用具の姿勢変動に応じたセンサデータを検出するステップと、前記センサデータを用いて前記スポーツ用具の斜傾データを算出するステップと、前記センサデータを用いて前記センサデータの時間差分データを算出するステップと、前記スポーツ用具を使用する競技者の動作をイベントとして検出するステップであって、前記斜傾データを用いて第1のイベントを検出し、前記時間差分データを用いて第2のイベントを検出するステップと、前記第1および第2のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出するステップと、を備える。

0013

また、前記斜傾データの時間変化に基づいて第3のイベントを検出するステップをさらに備え、前記第1乃至前記第3のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出してもよい。

0014

また、所定の期間において抽出した前記時間差分データの最大値を用いて第4のイベントを検出するステップをさらに備え、前記第1乃至前記第4のイベントの発生に基づいて、前記競技者の所定の動作の発生を検出してもよい。

0015

また、上記動作検出方法において、前記スポーツ用具はアーチェリー競技用の弓であり、前記第1のイベントは、アンカリング動作の検出であり、前記第2のイベントは、リリース動作の検出であり、前記第3のイベントは、フォロースルー動作の検出であり、前記競技者の前記所定の動作は行射動作であってもよい。

発明の効果

0016

本願発明によれば、スポーツ用具に装着されたセンサによるセンサデータの特徴から競技者の動作を検出することが可能となる。

図面の簡単な説明

0017

図1は、本願発明の実施の形態における動作検出装置の構成例である。
図2は、本願発明の実施の形態における動作検出装置の機能ブロック図の一例である。
図3は、アーチェリー競技の行射動作における一連の動作を表す図である。
図4は、本願発明の第1の実施の形態における動作検出処理フローである。
図5は、アーチェリー競技の行射動作における斜傾データθ、Φの算出例である。
図6は、3回の行射における斜傾データθの算出値を描画したものである。
図7は、本願発明の第2の実施の形態における動作検出処理フローである
図8は、本願発明の第3の実施の形態における動作検出処理フローである。
図9は、加速度データの時間差分データの最大値をプロットしたものである。
図10は、図9において、識別関数代用である2次関数Hを加えたものである。
図11は、第3の実施の形態における動作検出部における処理フローである。
図12は、第3の実施の形態における第4のイベントの検出条件実装に必要なパラメータの値である。
図13は、本願発明の各実施の形態における検出見逃し率、誤検出率を計算したものである。
図14は、ビデオカメラを設置してアーチェリー競技の競技者の動作を撮影する場合の構成例である。

実施例

0018

以下、本願発明の実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本願発明は、多くの異なる形態で実施することが可能であり、以下に説明する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。

0019

<第1の実施の形態>
本願発明の実施の形態における動作検出装置の構成例を図1に示す。図1では、センサ端末を装着するスポーツ用具として、アーチェリー競技用の弓を用いている。

0020

動作検出装置1は、アーチェリー競技用の弓10に装着されたセンサ端末20と、センサ端末20と通信を行う子端末30から構成される。子端末30としては、スマートフォンタブレットノートパソコン等を用いることができる。センサ端末20と子端末30間の通信は、無線通信有線通信のいずれを用いてもよい。

0021

センサ端末20は、装着したスポーツ用具の姿勢変動に応じたセンサデータを検出することができるものであり、例えば、3軸の加速度センサを備える。この場合、加速度センサの3軸は、例えば、図1に示すXYZ軸の向きにそれぞれ配置され、各軸における加速度データを出力する。θは重力加速度の方向に対する加速度センサのY軸の傾き、Φは鉛直方向に対する加速度センサのX軸の傾きである。尚、以下の説明では、センサ端末20に3軸加速度センサを備えた場合を説明するが、姿勢変動に応じたセンサデータを検出することができる角速度センサ等の他のセンサを備えてもよい。

0022

図2は、本願発明の実施の形態における動作検出装置1の機能ブロック図の一例である。センサ端末20は、センサが検出したセンサデータを測定するセンサデータ測定部21、測定したセンサデータを格納するセンサデータ格納部22、センサデータを子端末に送信するセンサデータ送信部23を備える。

0023

センサ端末20においては、3軸加速度データ等のセンサデータを一定のサンプリングレート、例えば、25Hzで計測し、HDDメモリ等からなるセンサデータ格納部22へ格納したのち、センサデータ送信部23において、「BlueTooth(登録商標)」や「WiFi(登録商標)」、「LTE(登録商標)」などの無線通信規格より、子端末30へ送信する。尚、前述したように、センサ端末20と子端末30間の通信は、有線通信を用いてもよい。

0024

子端末30は、センサ端末20から受信したセンサデータを用いて競技者の動作を検出する。子端末30は、センサ端末20からセンサデータを受信するセンサデータ受信部35と、センサ端末を装着したスポーツ用具の斜傾データを算出する斜傾算出部31、センサデータの時間差分データを算出する差分算出部32、斜傾データ、時間差分データを用いて競技者の動作をイベントとして検出するイベント検出部33、イベントの発生に基づいて、競技者の所定の動作の発生を検出する動作検出部34を備え、受信したセンサデータを格納するセンサデータ格納部36、検出された競技者の動作を描画する描画部37を備える。

0025

アーチェリー競技の場合、図3に示すように、アーチェリー競技における行射動作は、A.ドローイング、B.アンカリング、C.リリース、D.フォロースルー動作という一連の流れで構成される(例えば、非特許文献3参照。)。アーチェリー競技用の弓にセンサ端末を装着し、センサ端末で測定されたセンサデータを用いてアーチェリーの弓の斜傾データ等を算出し、図3における各動作を検出する。

0026

アーチェリーの弓の斜傾は、次の式により求めることができる。これらの式は、非特許文献2に記載の式を改変したものである。

0027

0028

0029

ここで、θは重力加速度の方向に対する弓に取り付けられた加速度センサのY軸の傾き、Φは鉛直方向に対する加速度センサのX軸の傾きであり、単位は度[degree]である。Ax,out、Ay,out、Az,outは加速度センサの出力値である加速度データであり、単位は重力加速度G(1.0G≒9.8m/s2)である。式(1)と式(2−1)、式(2−2)では、加速度センサの出力値の合成ベクトルの大きさ(ノルム)に対する単軸計測値の比を求め、さらに余弦コサイン)の逆関数を求めることにより角度次元を持つ値を算出している。

0030

図4図5を用いて、本願発明の動作検出装置におけるイベント検出による動作検出動作を説明する。図4は、本願発明の第1の実施の形態における動作検出処理フローである。図5は、図3のA.ドローイング、B.アンカリング、C.リリース、D.フォロースルー動作におけるθ、Φの算出データの1例である。

0031

動作検出装置の子端末では、受信した加速度データを格納した(S1−1、S1−2)後、加速度データを用いて斜傾データ、時間差分データを算出し(S1−4、S1−6)、第1のイベント検出によりアンカリング動作を検出し(S1−5)、第2のイベント検出によりリリース動作を検出する(S1−7)。

0032

図5を用いて、第1のイベント検出で行われるアンカリング動作の検出について説明する。図5において、斜傾データθの値に着目すると、ドローイング動作中(A)では、θの値が+4度から−1度の範囲で変動しているが、アンカリング動作中(B)では、変動幅が+2度から0度の範囲内に低減しており、競技者が弓を動かさないようにしながら狙いを定めている状況がθの算出データに反映されていることがわかる。このように、弓の斜傾データを算出し、算出した斜傾データを定量化可視化することにより競技者の試技中のアンカリング動作を把握することが可能となる。

0033

競技者が大地正立している場合には、加速度センサの出力であるAx,out、Ay,outともに0Gとなるので、θ、Φは共に0度である。アンカリング動作では、弓および弓に装着された加速度センサが大地に対してほぼ正立したままの状態となるため、センサデータによる正立の判定によりアンカリング動作の検出が可能となる。例えば、θとΦがそれぞれ(−10≦θ≦10)、(−10≦Φ≦30)の値をとり、この範囲から1度も逸脱することなく1.5秒間経過する場合にはアンカリング動作が発生したと判定することができる。このように、算出した射傾データを用いてアンカリング動作を検出することで、競技中の所定の動作を選手が意識することなくアンカリング動作を検出することが可能となる。

0034

次に、第2のイベント検出で行われるリリース動作(C)の検出について説明する。リリース動作時(C)には、引かれた弦から手が離れることにより瞬時的な反動による鋭敏加速度運動が発生するため、第2のイベント検出の前段で加速度データの時間差分データを算出する。時間差分データは、Ax,outを例にとると、計測開始からi番目のAx,outからi−1番目のAx,outの値を差し引くことで求めることができる(iは2以上の整数)。Ay,out、Az,outの時間差分データについても同様に求めることができる。

0035

本実施の形態および以下の実施の形態では、得られた時間差分データをそれぞれΔAx、ΔAy、ΔAzと表記する。これらの時間差分データは正負どちらの値もとるため、簡単のためにそれらの絶対値である、|ΔAx|、 |ΔAy|、 |ΔAz|を用いる。これらの|ΔAx|、|ΔAy|、 |ΔAz|は、時系列データであり、センサのサンプリング毎更新される。

0036

第2のイベント検出では、時間差分データ|ΔAx|、 |ΔAy|、 |ΔAz|を時系列に監視し、|ΔAx|≧α、または|ΔAy|≧α、または|ΔAz|≧αを満たすか否かを逐次判定し、この条件が満たされた場合にリリース動作が発生したと判定する。ここで、αの値は、適宜設定可能で任意の値をとり得る。例えば、競技者13名による計950射の実測した加速度データを用い、前記950射を漏れなく検出できる下限値は0.66であるので、マージンを考慮して0.4とすることができる。センサのサンプリングレートや帯域幅等のセンサの仕様が差分データに影響するため、αの値は必ずしも0.4に囚われず、用いるセンサの仕様に合わせ、上述のように実測データを参照のうえ、適宜設定されることが望ましい。また、時間差分データのノルム、すなわち、(|ΔAx|2+|ΔAy|2+|ΔAz|2)1/2 がαよりも大きいことを逐次判定することで、リリース動作が発生したと判定してもよい。

0037

また、弦が一定期間振動を継続した場合には、第2のイベント検出の条件を満たす場合が瞬時的に複数回発生する場合がある。このため、第2のイベント検出では、イベント検出条件の発生判定がなされた際に、例えば、直近の2秒間において同様の判定が無いかを探索し、無い場合にリリース動作が発生したと判定する。直近の2秒間において同様の判定があった場合には、リリース動作の発生があったと判定しない。

0038

動作検出では、第1のイベントの検出条件および第2のイベントの検出条件が満たされた時刻に基づいて、行射の動作が発生したことを検出する(S1−8)。例えば、第2のイベントの検出条件が満たされた時刻より前の所定の時間において、第1のイベントの検出の条件が満たされていれば、行射動作が行われたと判定する。例えば、第2のイベントの検出の条件が満たされた時刻、すなわちリリース発生時刻をT[s]とすると、T−2.0[s]からT−0.5[s]の1.5秒間に第1のイベントの検出条件が満たされた時刻、すなわちアンカリング動作が生じたと思われる時刻が含まれていれば、行射動作が行われたと判定する。

0039

図6は、本実施の形態の動作検出により、3回の行射によるθの算出値を、第2のイベントの検出条件が満たされた時刻を0秒として揃えて描画したものである。ビデオカメラで撮影した映像データでは、自動的に行射を検出することや、複数回の行射時の動作を重ねて描画することは困難であるが、本実施の形態によれば、各回の行射における斜傾データや、アンカリング期間の長さを容易に比較することができるため、競技者の動作を確認して改善を促すことが容易に実現可能となる。また、図6のように定量化されたデータを提示することにより、目標と現状の差を数値として把握することも容易である。

0040

図13は、本願発明の実施の形態における検出見逃し率、誤検出率を計算したものであり、本実施の形態において、競技者13名の計950射を含む練習時の加速度の実測データを解析したものである。発明の効果を判断するための指標として、以下の検出見逃し率、誤検出率を用いた。総行射回数は、本発明の効果を判断するためにビデオカメラで練習中の競技者を撮影し、練習後に回収した映像データをもとに算出した値である。行射が行われたのに検出されなかった回数は、映像データにおいて行射が確認されたのに、本発明で行射として検出されなかった見逃しの回数である。行射をしていない期間に行射と判定された回数は、映像データにおいて行射が確認されていないのに、本発明により行射として判定されてしまった誤検出の回数である。
検出見逃し率(%)=100×(行射が行われたのに検出されなかった回数)/(総行射回数)
誤検出率(%)=100×(行射をしていない期間に行射と判定された回数)/(総検出回数

0041

図13によれば、第1の実施の形態における検出見逃し率は0%である。これは、上述したように、全行射が計測された後に、全行射を検出できるようαを設定し、これと同じデータ群を用いて検出見逃し率を算出したためである。しかし、αの設定にあたっては、競技者13名の計950射の実測データを用いており、汎用性を得るにふさわしい規模のデータ群を用いているので、未知のデータに対する検出精度もほぼ同等であると推察される。さらに、第1の実施の形態における誤検出率は5%であり、95%は行射と判定することができているので、このデータによれば、本実施の形態の動作検出により、行射動作を高精度に、かつ簡便に自動検出できることが確認できる。

0042

<第2の実施の形態>
図7は、本願発明の第2の実施の形態における動作検出処理フローである。第2の実施の形態では、第1の実施の形態における第1のイベント検出(S2−4)、第2のイベント検出(S2−6)に加えて、算出された斜傾データを用いて第3のイベントであるフォロースルー動作の検出を行う(S2−7)。

0043

第3のイベントであるフォロースルー動作の検出には、算出された斜傾データΦの時間変化を用いる。図5によれば、フォロースルー動作(D)では、弓のX軸方向への回転により、Φの値が0度程度から−90度程度にまで変化することが確認できる。この特徴を利用することにより、Φの値の時間変化を用いてフォロースルー動作(D)を検出することができる。例えば、−10度より大きな値をとっていたΦの値が−10度以下に減少し、この変化が発生したのち1秒以内に−60度以下となることをもってフォロースルー動作(D)があったと判定することができる。

0044

動作検出では、第2のイベントを検出した時刻から2秒以内に、上記第3のイベントの検出条件が満たされた場合に行射があったと判定する(S2−8)。第1の実施の形態における、第1のイベントおよび第2のイベントの検出に加えて、第3のイベントであるフォロースルー動作の検出を併用して行射の発生を判断することにより、行射の誤検出を減らし、検出精度を高めることが可能となる。

0045

本実施の形態の効果を、図13を用いて説明する。第3のイベントの検出により、フォロースルー動作を検出するため、第1の実施の形態と比較して誤検出率が0%と劇的に改善した。これは、誤検出が生じる主要因が、弓の弾き戻し動作、すなわちアンカリング動作に入ったがリリース動作を取りやめ、弓から手を離さずに引いた弦をいったん戻す動作に起因するためである。弦を戻す場合にはフォロースルー動作は行われないので、第3のイベントの検出を行うことにより行射の誤検出率の低減が可能となる。

0046

一方で、第1の実施の形態と比較して、検出見逃し率が増加した。これは、行射が行われた場合でもリリースした際の手ごたえが悪かった場合には、フォロースルー動作が行われないことが多いので、その場合には、行射がされなかったと判定されるためである。しかし、本実施の形態における検出見逃し率は1割程度であるため、依然として高精度であるといえる。トレーニング中におけるすべての行射の検出を必要としない場合には、行射の誤検出に煩わされなくて済む本実施の形態の効果は極めて大きいと言える。

0047

<第3の実施の形態>
図8は、本願発明の第3の実施の形態における動作検出処理フローである。第3の実施の形態では、第2の実施の形態における第1のイベント検出(S3−5)、第2のイベント検出(S3−7)および第3のイベント検出(S3−8)に加えて、時間差分データに基づく第4のイベント検出(S3−9)を行う。

0048

第3の実施の形態では、第1のイベントの検出条件および第2のイベントの検出条件が満たされ、かつ第3のイベントの検出条件が満たされなかった場合に、第4のイベントの検出により捕捉の判定を行う。行射動作が行われた場合には、アンカリング動作とリリース動作は必ず発生するのに対して、フォロースルー動作は必ずしも発生しない事があるため、捕捉判定によって、フォロースルー動作のない行射動作を検出することにより検出見逃し率を改善することができる。

0049

第4のイベントの検出においては、第2の実施の形態で用いた|ΔAx|、 |ΔAy|、|ΔAz|を用いる。第2のイベントの検出条件が満たされた時刻の近傍において|ΔAx|、 |ΔAy|、 |ΔAz|の最大値を抽出し、これら3つの値、もしくはいずれか2つの値を選び3次元もしくは2次元座標上にプロットすることにより、第4のイベントの検出の判定を行う。

0050

一例として第2のイベントの検出条件(リリース動作)が満たされた時刻の前後0.2秒間における|ΔAx|と|ΔAz|の最大値をプロットしたものを図9に示す。図9は、第1のイベントの検出条件および第2のイベント検出条件を満たす1000個の実測データから作成したものである。○が行射時のプロットであり、+が行射以外、すなわちノイズである。第3の実施の形態ではこれらの行射とノイズを識別するために識別関数を用いる。この識別関数は、行射とノイズとを識別する任意の関数でよいが、図9のように行射とノイズの分布は部分的に重なっているため、最適な識別方法を検討したうえで識別関数が設計されることが望ましい。

0051

識別関数の一例として、非特許文献4における「SV分類器の学習と交差検定」の章に示される手法によって識別関数を作成することができる。非特許文献4では分布の重なる2群のデータ計200個を用いて、これら2群のデータを識別する最適な識別関数を作成するため、zパラメータと呼ばれる変数に着目し、20回の試行計算を経て最適なzパラメータ値を探索することで最適な識別関数を作成している。

0052

これを応用して、図9に示す|ΔAx|と|ΔAz|の最大値の実測データからなる計1000組の実測データを用いて、非特許文献4に示される20回の学習を行うことで、1.6566というRBFカーネル分散パラメータと共に、0.2389というコストパラメータを得ることができた。また、SVM(サポートベクトルマシン)による閾値関数は、学習後に得られたパラメータさえあれば、学習後の識別関数の実装および利用が可能である。SVMの識別関数fは、非特許文献5の式(37)に示されるように、下記のシグナム関数で定義され、1か−1のどちらかの値を算出する。

0053

0054

上記式におけるコストパラメータと分散パラメータは、非特許文献4における2つのZパラメータと同じものであり、たとえばそれぞれ0.2389と1.6566とする。サポートベクトルは、非特許文献5における式(7)から(12)に記載されるように、式(3−1)のシグナム関数の引数ラグランジュ未定計数法によって解くことで求められる。結果、上述する計1000組の|ΔAx|と|ΔAz|の最大値の実測データを用いた場合、これら|ΔAx|と|ΔAz|の最大値の一部がサポートベクトルとして選択される。定数項は、非特許文献5における非線形計画法における相補性条件、すなわち式(14)により求まり、たとえば0.686106とする。被識別ベクトルは、学習で得られた識別関数によって判定を行う対象である未判定の入力データであり、本実施の形態では、|ΔAx|と|ΔAz|の最大値を成分に持つ2成分のベクトルである。

0055

本実施の形態では、|ΔAx|と|ΔAz|の最大値を入力とし、識別関数fが1となった時に行射として判定し、−1となった時は行射ではないと判定する。この判定条件を第4のイベントの検出条件とする。第4のイベントの検出条件を用いることにより、フォロースルーの有無とは異なった尺度により行射の有無が判定可能となる。

0056

第4のイベントの検出条件の実装に必要なパラメータの値を図12に示す。図12に記載の値を導出するためには、用いられた計1000組の|ΔAx|と|ΔAz|の最大値の実測データ値を用いてラグランジュの未定計数法と非線形計画法における相補性条件の計算が必要となるが、図12に示すパラメータ値はその計算結果であり、第4のイベントの検出条件の実装には、この値を用いさえすればよい。図12に記載の値を用いることで一般的な計算ソフトウェア(「MATLAB」(登録商標)、 「Mathematica」(登録商標)等)はもちろん表計算ソフトウェア(「Excel」(登録商標)等)により、識別関数を実装して、容易に第4のイベントの検出条件の判定を行うことができる。もし図12に記載の計算結果ではなく、新たなデータを用いたい場合は、|ΔAx|と|ΔAz|の最大値の代わりに任意の値を用いて非特許文献4における最適なzパラメータ値の探索と、非特許文献5におけるラグランジュの未定計数法と非線形計画法における相補性条件の計算を行い、式(3−1)に示す識別関数を新たに決定すればよい。

0057

上述した識別関数の計算には、自然対数や数列の和を用いたり、図12の内容を子端末に格納する等の処理が必要となるが、子端末への第4のイベントの検出の実装を容易にするために、識別関数を初等関数で代用しても良い。例えば、図9の識別関数の代用として、次に示す2次関数を用いてもよい。

H = -0.2323×(|ΔAz|の最大値)^2 - 0.0748×(|ΔAz|の最大値) + 1.0369
・・・(4)

0058

この2次関数においては、ある計測値|ΔAx'|,|ΔAz'|が検出された際に、|ΔAz'|の検出時刻近傍における最大値を上記2次関数における(|ΔAz|の最大値)に代入し、(|ΔAx'|の最大値)≧Hであれば行射と判定し、(|ΔAx'|の最大値)<Hであれば行射ではないと判定する。

0059

図10は、図9の一部を拡大し、識別関数の代用である2次関数Hを加えたものである。2次関数Hは、x軸、z軸に近づくにつれて識別関数とのかい離が大きくなるが、他の領域においては良好に重なっているため最適な識別関数として機能することが分かる。このような2次関数Hを用いる方法であれば、簡単な四則計算大小比較のみで識別関数の代用となる2次関数を生成できるので、子端末への第4のイベントの検出の実装が容易となる。

0060

このように、識別関数もしくはそれと同等の性能を有する関数を用いることにより、フォロースルー動作がなされなかった行射動作を検出することが可能となり、より高精度な検出が可能となる。

0061

第3の実施の形態における動作検出部における処理フローを図11に示す。

0062

動作検出部では、第1から第3のイベント検出により、アンカリング動作およびリリース動作有りと判定し(S4−3、S4−4)、フォロースルー動作が無かったと判定した場合(S4−5)に、加速度データの時間差分データの最大値と識別関数を用いて第4のイベントを検出することにより行射動作の有無を判定する(S4−6)。これにより、フォロースルー動作のない行射動作を検出して検出見逃し率を改善することができる。

0063

本実施の形態の効果を、図13を用いて説明する。第2の実施の形態では、フォロースルー動作がなされなかった行射動作は見逃されてしまうのに対し、本実施の形態では、識別関数によって捕捉の判定がなされるので、検出見逃し率が改善される。一方、第2の実施の形態と比較して、誤検出率はわずかに増加している。これは、フォロースルー動作がなされず行射も無かった場合の一部において、捕捉の判定がなされることにより、行射があったと誤って判定される可能性があるためである。

0064

このように、第3の実施の形態においては、検出見逃し率と誤検出率がともに1%程度となった。アーチェリー競技のリカー部門、50mラウンドの場合を例にとると、試合時の行射回数は36回であり、検出見逃し率と誤検出率がともに1%程度というのは、この36回の行射の間に検出見逃しと誤検出のどちらも一度も生じない可能性が十分にあると言えるので、非常に高い検出精度であると言うことができる。

0065

1…動作検出装置、10…弓、20…センサ端末、21…センサデータ測定部、22…センサデータ格納部、23…センサデータ送信部、30…子端末、31…斜傾算出部、32…差分算出部、33…イベント検出部、34…動作検出部、35…センサデータ受信部、36…センサデータ格納部、37…描画部、100…競技者、200…ビデオカメラ。

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