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技術 動力伝達装置

出願人 株式会社豊田中央研究所
発明者 吉住文太守屋一成菅井賢
出願日 2017年9月22日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2017-182593
公開日 2019年4月11日 (11ヶ月経過) 公開番号 2019-056467
状態 未査定
技術分野 変速機構成 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 切替要素 同一諸元 入力側歯車 接続クラッチ 出力側歯車 効率分布 出力ピニオン 各歯車対
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (19)

課題

2機の電動機を有する動力装置において、ワンウェイクラッチを介して動力伝達される一方の電動機について、より広い動作範囲で効率よく運転できるようにする。

解決手段

動力伝達装置10は、第1電動機M/G1に接続されている第1入力軸14と、第2電動機M/G2に接続されている第2入力軸16と、第1入力軸14からの動力と第2入力軸16からの動力が統合される中間軸30と、第1入力軸14から中間軸30へ、第1速度比で動力を伝達する第1伝達要素列と、第2入力軸16から中間軸30へ、第1速度比未満の第2速度比で動力を伝達する第2伝達要素列であって、第2入力軸側の速度が中間軸側の速度未満のときには第2入力軸16と中間軸30の結合を解除するワンウェイクラッチ22を有する、第2伝達要素列と、第2入力軸16から中間軸30へ、第2速度比を超える第3速度比で選択的に動力を伝達する第3伝達要素列と、を有する。

概要

背景

複数の原動機動力を選択して、また合流させて出力する動力伝達装置が知られている。下記特許文献1には、原動機として2機のモータジェネレータ(2,3)を備えた車両駆動装置(1)が開示されている。2機のモータジェネレータ(2,3)の動力は、第2シャフト(25)で統合される。第1モータジェネレータ(2)の動力は、速度比の異なる2つの経路のいずれかが選択されて第2シャフト(25)に伝達される。下記特許文献1の図6に示される実施例においては、第2モータジェネレータ(3)の動力を第2シャフト(25)に伝達する経路には、ワンウェイクラッチ(36)が設けられている。ワンウェイクラッチ(36)は、第2モータジェネレータ(3)側よりも第2シャフト(25)側の回転速度が高速のとき結合が解除される。よって、第2モータジェネレータ(3)は、主に低速走行時に第1モータジェネレータ(2)をアシストするために用いられる。

第1モータジェネレータ(2)の動力を高速側の伝達経路、すなわちドライブギア(22)とドリブンギア(27)を含む経路を介して伝達することで、第1モータジェネレータ(2)の速度を、ドライブギア(21)とドリブンギア(26)を含む低速側の伝達経路を用いる場合より低くすることができる。よって、高速走行時においても低速走行時と近い回転速度で第1モータジェネレータ(2)を運転することができ、より広い速度範囲で効率の高い運転が可能になる。一方、第2モータジェネレータ(3)の動力を伝達する経路は1つしかない。

なお、上記の( )内の符号は下記特許文献1で用いられている符号であり、本願の実施形態の説明で用いられる符号とは関連しない。

概要

2機の電動機を有する動力装置において、ワンウェイクラッチを介して動力伝達される一方の電動機について、より広い動作範囲で効率よく運転できるようにする。動力伝達装置10は、第1電動機M/G1に接続されている第1入力軸14と、第2電動機M/G2に接続されている第2入力軸16と、第1入力軸14からの動力と第2入力軸16からの動力が統合される中間軸30と、第1入力軸14から中間軸30へ、第1速度比で動力を伝達する第1伝達要素列と、第2入力軸16から中間軸30へ、第1速度比未満の第2速度比で動力を伝達する第2伝達要素列であって、第2入力軸側の速度が中間軸側の速度未満のときには第2入力軸16と中間軸30の結合を解除するワンウェイクラッチ22を有する、第2伝達要素列と、第2入力軸16から中間軸30へ、第2速度比を超える第3速度比で選択的に動力を伝達する第3伝達要素列と、を有する。

目的

本発明は、ワンウェイクラッチが設けられた伝達経路を介して動力を出力する原動機を高速走行に用いるとき、当該原動機を効率の良い領域で運転できるようにすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

第1原動機に接続されている第1入力軸と、第2原動機に接続されている第2入力軸と、第1入力軸からの動力と第2入力軸からの動力が統合される統合軸と、第1入力軸から統合軸へ、第1速度比で動力を伝達する第1伝達要素列と、第2入力軸から統合軸へ、第1速度比未満の第2速度比で動力を伝達する第2伝達要素列であって、第2入力軸側の速度が統合軸側の速度未満のときには第2入力軸と統合軸の結合を解除するワンウェイクラッチを有する、第2伝達要素列と、第2入力軸から統合軸へ、第2速度比を超える第3速度比で選択的に動力を伝達する第3伝達要素列と、を有する、動力伝達装置

請求項2

請求項1に記載の動力伝達装置であって、第3速度比が第1速度比を超えている、動力伝達装置。

請求項3

請求項1または2に記載の動力伝達装置であって、第1伝達要素列は、選択的に動力を統合軸に伝達する、動力伝達装置。

請求項4

請求項1に記載の動力伝達装置であって、第1伝達要素列を構成する要素が、第3伝達要素列を構成する要素の一部の要素として動作する、動力伝達装置。

技術分野

0001

本発明は、原動機、特に複数の原動機の動力を伝達する動力伝達装置に関する。

背景技術

0002

複数の原動機の動力を選択して、また合流させて出力する動力伝達装置が知られている。下記特許文献1には、原動機として2機のモータジェネレータ(2,3)を備えた車両駆動装置(1)が開示されている。2機のモータジェネレータ(2,3)の動力は、第2シャフト(25)で統合される。第1モータジェネレータ(2)の動力は、速度比の異なる2つの経路のいずれかが選択されて第2シャフト(25)に伝達される。下記特許文献1の図6に示される実施例においては、第2モータジェネレータ(3)の動力を第2シャフト(25)に伝達する経路には、ワンウェイクラッチ(36)が設けられている。ワンウェイクラッチ(36)は、第2モータジェネレータ(3)側よりも第2シャフト(25)側の回転速度が高速のとき結合が解除される。よって、第2モータジェネレータ(3)は、主に低速走行時に第1モータジェネレータ(2)をアシストするために用いられる。

0003

第1モータジェネレータ(2)の動力を高速側の伝達経路、すなわちドライブギア(22)とドリブンギア(27)を含む経路を介して伝達することで、第1モータジェネレータ(2)の速度を、ドライブギア(21)とドリブンギア(26)を含む低速側の伝達経路を用いる場合より低くすることができる。よって、高速走行時においても低速走行時と近い回転速度で第1モータジェネレータ(2)を運転することができ、より広い速度範囲で効率の高い運転が可能になる。一方、第2モータジェネレータ(3)の動力を伝達する経路は1つしかない。

0004

なお、上記の( )内の符号は下記特許文献1で用いられている符号であり、本願の実施形態の説明で用いられる符号とは関連しない。

先行技術

0005

特開2013−108604号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記特許文献1において、高速走行時に、本来低速用の第2モータジェネレータの動力を利用しようとすると、回転速度を高めなければならず、効率が低下する場合がある。

0007

本発明は、ワンウェイクラッチが設けられた伝達経路を介して動力を出力する原動機を高速走行に用いるとき、当該原動機を効率の良い領域で運転できるようにすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明に係る動力伝達装置は、第1原動機に接続されている第1入力軸と、第2原動機に接続されている第2入力軸と、第1入力軸からの動力と第2入力軸からの動力が統合される統合軸と、第1入力軸から統合軸へ、第1速度比で動力を伝達する第1伝達要素列と、第2入力軸から統合軸へ、第1速度比未満の第2速度比で動力を伝達する第2伝達要素列であって、第2入力軸側の速度が統合軸側の速度未満のときには第2入力軸と統合軸の結合を解除するワンウェイクラッチを有する、第2伝達要素列と、第2入力軸から統合軸へ、第2速度比を超える第3速度比で選択的に動力を伝達する第3伝達要素列と、を有する。

0009

また、第3速度比は、第1速度比を超えるものとすることができる。

0010

また、第1伝達要素列は、選択的に動力を統合軸に伝達するものとすることができる。

0011

また、第1伝達要素列を構成する要素が、第3伝達要素列を構成する要素の一部の要素として動作するようにできる。

発明の効果

0012

ワンウェイクラッチを有する第2伝達要素列と別に第2入力軸から統合軸に動力を伝達する第3伝達要素列を設け、統合軸が高速で回転しているとき、第2伝達要素列以上の速度比を有する第3伝達要素列を用いて動力伝達を行うことで、第2入力軸の回転速度を低くすることができる。

図面の簡単な説明

0013

本実施形態の動力伝達装置を備えた動力装置の構成を示す模式図である。
図1に示す動力装置の動作モードの例を示す図である。
図1に示す動力装置の動作モードの例を示す図である。
図1に示す動力装置の動作モードの例を示す図である。
図1に示す動力装置の動作モードの例を示す図である。
図1に示す動力装置の動作モードの例を示す図である。
図1に示す動力装置の効率分布を示す図である。
図1に示す動力装置の第1電動機のトルク分担割合を示す図である。
図1に示す動力装置の第2電動機のトルクの分担割合を示す図である。
電動機が1機の動力装置の効率分布を示す図である。
他の実施形態の動力伝達装置を備えた動力装置の構成を示す模式図である。
図11に示す動力装置の動作モードの例を示す図である。
図11に示す動力装置の動作モードの例を示す図である。
図11に示す動力装置の動作モードの例を示す図である。
図11に示す動力装置の動作モードの例を示す図である。
図11に示す動力装置の効率分布を示す図である。
図11に示す動力装置の第1電動機のトルクの分担割合を示す図である。
図11に示す動力装置の第2電動機のトルクの分担割合を示す図である。

実施例

0014

以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態の動力伝達装置10を含む車両の動力装置12の構成を示す模式図である。

0015

動力装置12は、車両駆動用の原動機として同一仕様の第1電動機M/G1と第2電動機M/G2の、2機の電動機を備える。第1および第2電動機M/G1,M/G2は、発電機としても動作可能な電動機であってよい。第1電動機M/G1のロータ軸は、動力伝達装置10の第1入力軸14と接続されている。第1電動機M/G1のロータ軸と第1入力軸14は、一体となっていてもよく、また歯車対などの伝達要素を介して接続されてもよい。第2電動機M/G2のロータ軸は、動力伝達装置10の第2入力軸16と接続されている。第2電動機M/G2のロータ軸と第2入力軸16は、一体となっていてもよく、また歯車対などの伝達要素を介して接続されてもよい。

0016

第1入力軸14上には、軸受を介して第1入力歯車18が回転可能に支持されている。さらに、第1入力軸14上には、第1入力軸14と第1入力歯車の接続と切断を制御する第1クラッチ20が配置されている。第1クラッチ20が結合状態のとき第1入力歯車18は第1入力軸14と一体となって回転し、第1クラッチ20が解放状態のとき第1入力歯車18は第1入力軸14と独立して回転可能である。

0017

第2入力軸16上には、ワンウェイクラッチ22を介して第2入力歯車24が支持されている。ワンウェイクラッチ22は、第2入力軸16と一体に回転するインナレースと、第2入力歯車24と一体に回転するアウタレースを有し、インナレースとアウタレースの間にこれらの相対回転の向きに応じて結合と解除が切り替えられる切替機構が設けられている。ワンウェイクラッチ22は、インナレースの回転速度つまり第2入力軸16の回転速度が、アウタレースの回転速度つまり第2入力歯車24の回転速度以上であるとき結合状態となり、第2入力軸16の回転が第2入力歯車24に伝達される。逆に、第2入力歯車24の回転速度が第2入力軸16の回転速度を上回るときには、ワンウェイクラッチ22は空転状態となる。

0018

第2入力軸16上には、さらに、軸受を介して第3入力歯車26が回転可能に支持される。また、第2入力軸16上には、第2入力軸16と第3入力歯車26の接続と切断を制御する第2クラッチ28が配置されている。第2クラッチ28が結合状態のとき第3入力歯車26は第2入力軸16と一体となって回転し、第2クラッチ28が解放状態のとき第3入力歯車26は第2入力軸16と独立して回転可能である。

0019

第1、第2および第3入力歯車18,24,26はそれぞれ中間軸30上の第1中間歯車32、第2中間歯車34および第3中間歯車36と噛み合っている。第1,第2および第3中間歯車32,34,36は、中間軸30と一体に回転する。後述するように、中間軸30上で第1電動機M/G1と第2電動機M/G2の動力が統合され、中間軸30は2機の電動機の動力を統合する統合軸として機能する。

0020

第2入力歯車24と第2中間歯車34からなる第2歯車対(24,34)のギア比(=出力側歯車歯数入力側歯車の歯数)は、第1入力歯車18と第1中間歯車32からなる第1歯車対(18,32)のギア比よりも大きい。したがって、第2歯車対(24,34)の速度比(=出力側速度/入力側速度)は第1歯車対(18,32)の速度比未満である。

0021

第3入力歯車26と第3中間歯車36からなる第3歯車対(26,36)のギア比は、第2歯車対(24,34)のギア比よりも小さい。よって、第3歯車対(26,36)の速度比は第2歯車対(24,34)の速度比を超える。また、第3歯車対(26,36)のギア比は、第1歯車対(18,32)のギア比を未満とすることができ、この場合、第3歯車対の速度比は第1歯車対の速度比を超える。

0022

中間軸30には、さらに出力ピニオン38が設けられ、出力ピニオン38は出力軸40上のリング歯車42に噛み合っている。出力ピニオン38とリング歯車42は終減速歯車対を構成してよい。

0023

第1クラッチ20および第1歯車対(18,32)は、第1入力軸14から中間軸(統合軸)30に選択的に動力を伝達する要素であり、第1伝達要素列を構成する。第1クラッチ20が動力の伝達状態を選択する切替要素である。

0024

ワンウェイクラッチ22と第2歯車対(24,34)は、第2入力軸16から中間軸(統合軸)30に動力を伝達する要素であり、第2伝達要素列を構成する。ワンウェイクラッチ22は、第2入力軸16の速度が、中間軸30の速度を第2歯車対(24,34)の速度比で除算した値未満の場合に空転する。

0025

第2クラッチ28および第3歯車対(26,36)は、第2入力軸16から中間軸(統合軸)30に選択的に動力を伝達する要素であり、第3伝達要素列を構成する。第2クラッチ28が動力の伝達状態を選択する切替要素である。

0026

動力装置12は、動力伝達装置10の第1クラッチ20、第2クラッチ28の状態を変更することにより、5つの異なる動作状態で運転することができる。図2から図6は、動力装置12の5つの異なる動作状態(モードI〜V)を示す図である。

0027

図2は、第1電動機M/G1の動力により走行するモードIの状態を示す図である。第1クラッチ20が結合状態とされ、第2クラッチ28が解放状態とされる。第1電動機M/G1は運転され、第2電動機M/G2は停止される。

0028

第1クラッチ20が結合状態であるため、第1入力軸14と第1入力歯車18が一体に回転する。第1入力歯車18が、これと噛み合う第1中間歯車32を駆動し、これにより中間軸30が回転する。中間軸30の回転が、出力ピニオン38とリング歯車42を介して出力軸40に伝達される。一方、第2電動機M/G2は停止しており、ワンウェイクラッチ22は、空転状態になる。

0029

図2に示されるモードIは、例えば、街中の平坦道路を走行する車速が30〜50km/hの中速負荷時に使用される。

0030

図3は、第1および第2電動機M/G1,M/G2の動力により走行するモードIIの状態を示す図である。第1クラッチ20が結合状態とされ、第2クラッチ28が解放状態とされる。第1電動機M/G1および第2電動機M/G2は共に運転される。第2電動機M/G2の動力は、第2歯車対(24,34)を介して中間軸30に伝達される。

0031

第1クラッチ20が結合状態であるため、モードIと同様に、第1電動機M/G1の動力が第1歯車対(18,32)を介して中間軸30に伝達される。一方、第2電動機M/G2は、ワンウェイクラッチ22が結合状態となる速度で運転され、第2電動機M/G2の動力が第2歯車対(24,34)を介して中間軸30に伝達される。第1電動機M/G1および第2電動機M/G2の動力は、中間軸30上で統合され、終減速歯車対(38,42)を介して出力軸40に伝達される。

0032

図3に示されるモードIIは、例えば、発進時や登坂路のような低速高負荷時に使用される。

0033

図4は、第2電動機M/G2の動力により走行するモードIIIの状態を示す図である。第1クラッチ20が解放状態とされ、第2クラッチ28が結合状態とされる。第1電動機M/G1は停止され、第2電動機M/G2は運転される。第2電動機M/G2の動力は、第3歯車対(26,36)を介して中間軸30に伝達される。

0034

第2クラッチ28が結合状態であるため、第2入力軸16と第3入力歯車26が一体に回転する。第3入力歯車26が、これと噛み合う第3中間歯車36を駆動し、これにより中間軸30が回転する。中間軸30の回転に伴い第2中間歯車34を介して第2入力歯車24も回転するが、第3歯車対(26,36)の速度比が第2歯車対(24,34)の速度比を超えているため、ワンウェイクラッチ22は空転状態となる。中間軸30の回転が、終減速歯車対(38,42)を介して出力軸40に伝達される。一方、第1クラッチ20は解放され、中間軸30の回転は第1入力軸14には伝達されない。よって、第1電動機M/G1のロータは停止する。

0035

図4に示されるモードIIIは、例えば、平坦な幹線道路高速道路を走行する高速低負荷時に使用される。

0036

図5は、第2電動機M/G2の動力により走行するモードIVの状態を示す図である。第1クラッチ20および第2クラッチ28は、共に解放状態とされる。第1電動機M/G1は停止され、第2電動機M/G2は運転される。第2電動機M/G2の動力は、第2歯車対(24,34)を介して中間軸30に伝達され、さらに終減速歯車対(38,42)を介して出力軸40に伝達される。一方、第1入力クラッチ20は解放されており、中間軸30の回転は第1入力軸14には伝達されず、第1電動機M/G1のロータは停止する。

0037

図5に示されるモードIVは、例えば、路地渋滞路を走行する低速低負荷時に使用される。

0038

図6は、第1および第2電動機M/G1,M/G2の動力により走行するモードVの状態を示す図である。第1クラッチ20および第2クラッチ28は、共に結合状態とされる。第1電動機M/G1および第2電動機M/G2は共に運転される。第2電動機M/G2の動力は、第3歯車対(26,36)を介して中間軸30に伝達される。

0039

第1クラッチ20が結合状態であるため、モードIと同様に、第1電動機M/G1の動力は第1歯車対(18,32)を介して中間軸30に伝達される。一方、第2クラッチ28が結合状態であるため、第2電動機M/G2の動力は、モードIIIと同様に第3歯車対(26,36)を介して中間軸30に伝達される。第1電動機M/G1および第2電動機M/G2の動力は、中間軸30上で統合され、終減速歯車対(38,42)を介して出力軸40に伝達される。

0040

図6に示されるモードVは、例えば、上り勾配のある幹線道路や高速道路を走行する高速高負荷時に使用される。また、長い下り坂を走行する際、発電ブレーキを効かせるために使用されてもよい。

0041

図7は、動力装置12の車両の走行速度(車速)と出力軸40のトルク(ファイナルトルク)に対する2機の電動機の総合効率を示す図である。2機の電動機M/G1,M/G2は同一諸元の電動機であり、第1歯車対(18,32)の速度比が1、第2歯車対(24,34)の速度比が0.5、第3歯車対の速度比が1.5の場合を示している。図中にプロットされた点群は、ある走行モードにおいて出現する車速とファイナルトルクの組を示している。2機の電動機M/G1,M/G2の総合効率は、第1電動機M/G1のトルクをTMG1、第2電動機M/G2のトルクをTMG2、第1電動機M/G1の効率をηMG1、第2電動機M/G2の効率をηMG2としたとき、次の式(1)で表される。
(ηMG1×TMG1+ηMG2×TMG2)/(TMG1+TMG2) ・・・(1)
式(1)を最大にするように第1電動機M/G1と第2電動機M/G2のトルクの配分が定められ、その結果が図7に示されている。

0042

図8および図9は、図7に示す総合効率を得たときの第1電動機M/G1と第2電動機M/G2のトルクの分担割合を示す図である。図中に示される数字が分担割合を示す。例えば、図8において、「0.2−0.4」は、これが記載された細線で囲まれる領域における第1電動機M/G1のトルクの分担が0.2から0.4の範囲であることが示される。このとき、第2電動機M/G2のトルク分担は0.8から0.6の範囲であり、これが図9に「0.6−0.8」として示されている。また、図8,9において、太い実線はモードI〜Vの境界を示している。動力装置12においては、第2クラッチ28を結合または解放動作する際、第1電動機M/G1の動力伝達を維持できるため、変速動作時のトルク抜けを抑制できる。

0043

図10は、第1および第2電動機M/G1,M/G2の合計出力出力可能な単一の電動機で動力装置を構成した場合の効率を示す図である。この比較例の動力装置は、変速機は使用せず、本実施形態の動力装置12と等しい速度比の終減速歯車対を介して車両を駆動する。

0044

図10にプロットされた点群は、図7と同じ走行モードにおいて出現する車速とファイナルトルクの組を示している。図7図10を比較すると、図7の方が、運転領域のより広い範囲で効率が高いことが理解できる。

0045

図11は、本実施形態の他の動力伝達装置50を含む車両の動力装置52の構成を示す模式図である。

0046

動力装置52は、車両駆動用の原動機として同一仕様の第1電動機M/G1と第2電動機M/G2の、2機の電動機を備える。第1および第2電動機M/G1,M/G2は、発電機としても動作可能な電動機であってよい。第1電動機M/G1のロータ軸は、動力伝達装置50の第1入力軸54と接続されている。第1電動機M/G1のロータ軸と第1入力軸54は、一体となっていてもよく、また歯車対などの伝達要素を介して接続されてもよい。第2電動機M/G2のロータ軸は、動力伝達装置50の第2入力軸56と接続されている。第2電動機M/G2のロータ軸と第2入力軸56は、一体となっていてもよく、また歯車対などの伝達要素を介して接続されてもよい。

0047

第1入力軸54上には、第1入力軸54と一体に回転する第1入力歯車58が設けられている。また、第1入力軸54と第2入力軸56同士の接続と切断を制御する入力軸接続クラッチ60が設けられている。入力軸接続クラッチ60が結合状態のとき、第1入力軸54と第2入力軸56は一体となって回転し、入力軸接続クラッチ60が解放状態のとき、第1入力軸54と第2入力軸56は独立して回転可能である。

0048

第2入力軸56上には、ワンウェイクラッチ62を介して第2入力歯車64が支持されている。ワンウェイクラッチ62は、第2入力軸56と一体に回転するインナレースと、第2入力歯車64と一体に回転するアウタレースを有し、インナレースとアウタレースの間にこれらの相対回転の向きに応じて結合と解除が切り替えられる切替機構が設けられている。ワンウェイクラッチ62は、インナレースの回転速度つまり第2入力軸56の回転速度が、アウタレースの回転速度つまり第2入力歯車64の回転速度以上であるとき結合状態となり、第2入力軸56の回転が第2入力歯車64に伝達される。逆に、第2入力歯車64の回転速度が第2入力軸56の回転速度を上回るときには、ワンウェイクラッチ62は空転状態となる。

0049

第1および第2入力歯車58,64はそれぞれ中間軸70上の第1中間歯車72および第2中間歯車74と噛み合っている。第1および第2中間歯車72,74は、中間軸70と一体に回転する。後述するように、中間軸70上で第1電動機M/G1と第2電動機M/G2の動力が統合され、中間軸70は2機の電動機の動力を統合する統合軸として機能する。

0050

第2入力歯車64と第2中間歯車74からなる第2歯車対(64,74)のギア比(=出力側歯車の歯数/入力側歯車の歯数)は、第1入力歯車58と第1中間歯車72からなる第1歯車対(58,72)のギア比よりも大きい。したがって、第2歯車対(64,74)の速度比(=出力側速度/入力側速度)は第1歯車対(58,72)の速度比未満である。

0051

中間軸70には、さらに出力ピニオン78が設けられ、出力ピニオン78は出力軸80上のリング歯車82に噛み合っている。出力ピニオン78とリング歯車82は終減速歯車対を構成してよい。

0052

第1歯車対(58,72)は、第1入力軸54から中間軸(統合軸)70に動力を伝達する要素であり、第1伝達要素列を構成する。

0053

ワンウェイクラッチ62と第2歯車対(64,74)は、第2入力軸56から中間軸(統合軸)70に動力を伝達する要素であり、第2伝達要素列を構成する。ワンウェイクラッチ62は、第2入力軸56の速度が、中間軸70の速度を第2歯車対(64,74)の速度比で除算した値未満の場合に空転する。

0054

入力軸接続クラッチ60および第1歯車対(58,72)は、第2入力軸56から中間軸(統合軸)70に選択的に動力を伝達する要素であり、第3伝達要素列を構成する。入力軸接続クラッチ60が動力の伝達状態を選択する切替要素である。第1伝達要素列の構成要素である第1歯車対(58,72)は、第3伝達要素列の構成要素の一部として機能する。第1伝達要素列と第3伝達要素列の速度比を決定している要素は、いずれも第1歯車対(58,72)であるので、第1伝達要素列と第3伝達要素列の速度比は同一となる。

0055

動力装置52は、動力伝達装置50の入力軸接続クラッチ60の状態を変更することにより、4つの異なる動作状態で運転することができる。図12から図15は、動力装置52の4つの異なる動作状態(モードI,II,IV,V)を示す図である。動力装置52の4つのモードは、前述の動力装置12の各モードに対応したモード番号を付して説明する。動力装置52においては、動力装置12のモードIIIに対応するモードがない。

0056

図12は、第1電動機M/G1の動力により走行するモードIの状態を示す図である。入力軸接続クラッチ60が解放状態とされる。第1電動機M/G1は運転され、第2電動機M/G2は停止される。

0057

第1入力軸54が回転すると、これと一体の第1入力歯車58が回転し、更に第1入力歯車58と噛み合う第1中間歯車72が回転する。これにより中間軸70が回転する。中間軸70の回転が、出力ピニオン78とリング歯車82を介して出力軸80に伝達される。一方、第2電動機M/G2は停止しており、ワンウェイクラッチ62は、空転状態になる。

0058

図13は、第1および第2電動機M/G1,M/G2の動力により走行するモードIIの状態を示す図である。入力軸接続クラッチ60が解放状態とされる。第1電動機M/G1および第2電動機M/G2は共に運転される。第2電動機M/G2の動力は、第2歯車対(644,74)を介して中間軸70に伝達される。

0059

第1入力軸54が回転すると、モードIと同様に、第1電動機M/G1の動力が第1歯車対(58,72)を介して中間軸70に伝達される。一方、第2電動機M/G2は、ワンウェイクラッチ62が結合状態となる速度で運転され、第2電動機M/G2の動力が第2歯車対(64,74)を介して中間軸70に伝達される。第1電動機M/G1および第2電動機M/G2の動力は、中間軸70上で統合され、終減速歯車対(78,82)を介して出力軸80に伝達される。

0060

図14は、第2電動機M/G2の動力により走行するモードIVの状態を示す図である。入力軸接続クラッチ60は解放状態とされる。第1電動機M/G1は空転し、第2電動機M/G2は運転される。第2電動機M/G2の動力は、第2歯車対(64,74)を介して中間軸70に伝達され、さらに終減速歯車対(78,82)を介して出力軸80に伝達される。一方、中間軸70の回転が第1入力軸54に伝達され、第1電動機M/G1のロータが空転する。ただし、モードIVは低速域に対応したモードであり、空転の回転速度が低いため第1電動機M/G1の引きずり損失は大きな問題とならない。

0061

図15は、第1および第2電動機M/G1,M/G2の動力により走行するモードVの状態を示す図である。入力軸接続クラッチ60は結合状態とされる。第1電動機M/G1および第2電動機M/G2は共に運転される。第2電動機M/G2の動力は、第1歯車対(58,72)を介して中間軸70に伝達される。

0062

第1入力軸54が回転すると、モードIと同様に、第1電動機M/G1の動力は第1歯車対(58,72)を介して中間軸70に伝達される。一方、入力軸接続クラッチ60が結合状態であるため、第2電動機M/G2の動力は、第1入力軸54に入力し、第1歯車対(58,72)を介して中間軸70に伝達される。第1電動機M/G1および第2電動機M/G2の動力は、中間軸70上に伝達され、終減速歯車対(78,82)を介して出力軸80に伝達される。

0063

図16は、動力装置52の車両の走行速度(車速)と出力軸80のトルク(ファイナルトルク)に対する2機の電動機の総合効率を示す図である。2機の電動機M/G1,M/G2は同一諸元の電動機であり、第1歯車対(58,72)の速度比が1.5、第2歯車対(64,74)の速度比が0.67の場合を示している。図中にプロットされた点群は、図7の場合と同じ走行モードにおいて出現する車速とファイナルトルクの組を示している。前述の式(1)を最大にするように第1電動機M/G1と第2電動機M/G2のトルクの配分が定められ、その結果が図16に示されている。

0064

図17および図18は、図16に示す総合効率を得たときの第1電動機M/G1と第2電動機M/G2のトルクの分担割合を示す図である。図8,9と同様、図中に示される数字が分担割合を示し、太い実線がモードI,II,IV,Vの境界を示している。

0065

動力装置52においては、入力軸接続クラッチ60を結合または解放動作する際、第1電動機M/G1の動力伝達を維持できるため、変速動作時のトルク抜けを抑制できる。

0066

上述の実施形態における第1および第2クラッチ、入力軸接続クラッチは、様々な形式のクラッチを採用することができる。例えば、入力側と出力側の部材間摩擦により動力伝達を行う摩擦クラッチ、入力側と出力側に設けられた歯を噛み合わせて動力伝達を行うドグクラッチを採用することができる。また、動力伝達装置10において、第1クラッチ20および第2クラッチ28に替えて、中間軸30に設けられたクラッチを採用してもよい。この場合、第1入力歯車18および第3入力歯車26はそれぞれ第1入力軸14および第2入力軸16と一体にされ、第1中間歯車32と第3中間歯車36が中間軸30に回転可能に支持される。中間軸30上に設けられたクラッチにて中間軸30と第1および第3中間歯車32,36の結合と解放状態が切り替えられる。

0067

また、上述の各歯車対は、他の伝達要素、例えばチェーンスプロケットベルトプーリなどを採用することもできる。さらに、2機の電動機は、異なる仕様のものを採用することもできる。

0068

10,50動力伝達装置、12,52動力装置、14,54 第1入力軸、16,56 第2入力軸、18,58 第1入力歯車、20 第1クラッチ、22,62ワンウェイクラッチ、24,64 第2入力歯車、26 第3入力歯車、28 第2クラッチ、30,70中間軸(統合軸)、32,72 第1中間歯車、34,74 第2中間歯車、36 第3中間歯車、38出力ピニオン、40出力軸、42リング歯車、60 入力軸接続クラッチ。

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