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技術 ジオポリマー成型体の製造方法、および、ジオポリマー成型体製造システム

出願人 株式会社東芝東芝エネルギーシステムズ株式会社
発明者 並木千晶金子昌章中村秀樹岡部寛史湯原勝
出願日 2017年9月22日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2017-182011
公開日 2019年4月11日 (1年10ヶ月経過) 公開番号 2019-055904
状態 未査定
技術分野 セメント、コンクリート、人造石、その養生 プレス成形、コンベアを利用した成形
主要キーワード メタケイ酸ナトリウム五水和物 X線回折法 ジオポリマー ケイ酸ナトリウム水和物 加圧機 調製作業 熱圧縮処理 アルミン酸セシウム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年4月11日)のものです。
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課題

固化材アルカリ刺激剤とを混合可能な時間が長く、固化体を作製する際に必要なエネルギーが少なく、かつ、固化体を作製する際に要する時間が短い、ジオポリマー成型体の製造方法等を提供する。

解決手段

実施形態に係るジオポリマー成型体の製造方法は、混合工程と圧縮工程とを有する。混合工程では、固化材とアルカリ刺激剤とを混合することによって混合物を得る。圧縮工程では、混合物を圧縮して成型することによってジオポリマー成型体を形成する。ここでは、アルカリ刺激剤は、水和物を含む。そして、圧縮工程において混合物の圧縮が行われる際には、水和物から結晶水が脱離するように混合物が加熱され、固化材と前記アルカリ刺激剤との間の反応が進行する。

概要

背景

放射性廃棄物は、一般に、セメントガラスアスファルトエポキシ樹脂などの固化材を用いて固化される。

セメントは、安価であると共に、操作性に優れるため、多く使用されている。しかし、セメントは、水和鉱物を生成して硬化するので、固化体の構造中に水和物を有すると共に、調製時の水のうち余剰な水が固化体に存在する。このため、セメントは、高線量の放射線に曝された場合、放射線によって水が分解し、水素が発生する可能性がある。アスファルトおよびエポキシ樹脂は、有機物であるため、長期にわたって高線量の放射線に曝された場合、分解してガスが発生する可能性がある。そのため、高線量の放射線廃棄物の固化においては、無機材料であるガラスを固化材として用いて固化することが有力視されている。しかし、ガラスを用いた固化は、1000℃程度の温度で熱処理を行うことが必要になるため、費用がかかると共に、作業性が悪化する場合がある。

上記の固化材の代替材料として、ジオポリマーが注目されている(たとえば、特許文献1参照)。ジオポリマーとは、アルミニウム(Al)およびケイ素(Si)などを主成分とする非晶質材料重合体であって、セメントと同様に、無機材料である。ジオポリマーは、セメントと異なり、固化体の構造に水和物が存在しない。このため、ジオポリマーを用いた場合には、余剰な水を加熱による乾燥で除去した場合であっても、固化体の構造に対して影響が小さい。したがって、ジオポリマーを固化材として用いた場合には、水素の発生量を低減することができる。

概要

固化材とアルカリ刺激剤とを混合可能な時間が長く、固化体を作製する際に必要なエネルギーが少なく、かつ、固化体を作製する際に要する時間が短い、ジオポリマー成型体の製造方法等を提供する。実施形態に係るジオポリマー成型体の製造方法は、混合工程と圧縮工程とを有する。混合工程では、固化材とアルカリ刺激剤とを混合することによって混合物を得る。圧縮工程では、混合物を圧縮して成型することによってジオポリマー成型体を形成する。ここでは、アルカリ刺激剤は、水和物を含む。そして、圧縮工程において混合物の圧縮が行われる際には、水和物から結晶水が脱離するように混合物が加熱され、固化材と前記アルカリ刺激剤との間の反応が進行する。

目的

本発明が解決しようとする課題は、固化材とアルカリ刺激剤とを混合可能な時間が長く、固化体を作製する際に必要なエネルギーが少なく、かつ、固化体を作製する際に要する時間が短い、ジオポリマー成型体の製造方法、および、ジオポリマー成型体製造システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

固化材アルカリ刺激剤とを混合することによって混合物を得る混合工程と、前記混合物を圧縮して成型することによってジオポリマー成型体を形成する圧縮工程とを有し、前記アルカリ刺激剤は、水和物を含み、前記圧縮工程において前記混合物の圧縮が行われる際には、前記水和物から結晶水が脱離するように前記混合物が加熱され、前記固化材と前記アルカリ刺激剤との間の反応が進行する、ジオポリマー成型体の製造方法。

請求項2

前記圧縮工程においては、加熱機を用いて前記混合物の加熱が行われる、請求項1に記載のジオポリマー成型体の製造方法。

請求項3

前記混合工程においては、発熱物質が前記混合物に添加され、前記圧縮工程においては、前記発熱物質の発熱によって前記混合物が加熱される、請求項1または2に記載のジオポリマー成型体の製造方法。

請求項4

前記発熱物質は、鉄、亜鉛アルミニウムニッケル、ズズから選択される金属材料で形成された金属粉である、請求項3に記載のジオポリマー成型体の製造方法。

請求項5

前記アルカリ刺激剤は、融点が50℃以上100℃以下である、請求項1から4のいずれかに記載のジオポリマー成型体の製造方法。

請求項6

固化材とアルカリ刺激剤とを混合することによって混合物を得る混合部と、前記混合物を圧縮して成型することによってジオポリマー成型体を形成する圧縮成型部とを有し、前記アルカリ刺激剤は、水和物を含み、前記圧縮成型部において前記混合物の圧縮が行われる際には、前記水和物から結晶水が脱離するように前記混合物が加熱され、前記固化材と前記アルカリ刺激剤との間の反応が進行する、ジオポリマー成型体製造システム

技術分野

0001

本発明は、ジオポリマー成型体の製造方法、および、ジオポリマー成型体製造システムに関する。

背景技術

0002

放射性廃棄物は、一般に、セメントガラスアスファルトエポキシ樹脂などの固化材を用いて固化される。

0003

セメントは、安価であると共に、操作性に優れるため、多く使用されている。しかし、セメントは、水和鉱物を生成して硬化するので、固化体の構造中に水和物を有すると共に、調製時の水のうち余剰な水が固化体に存在する。このため、セメントは、高線量の放射線に曝された場合、放射線によって水が分解し、水素が発生する可能性がある。アスファルトおよびエポキシ樹脂は、有機物であるため、長期にわたって高線量の放射線に曝された場合、分解してガスが発生する可能性がある。そのため、高線量の放射線廃棄物の固化においては、無機材料であるガラスを固化材として用いて固化することが有力視されている。しかし、ガラスを用いた固化は、1000℃程度の温度で熱処理を行うことが必要になるため、費用がかかると共に、作業性が悪化する場合がある。

0004

上記の固化材の代替材料として、ジオポリマーが注目されている(たとえば、特許文献1参照)。ジオポリマーとは、アルミニウム(Al)およびケイ素(Si)などを主成分とする非晶質材料重合体であって、セメントと同様に、無機材料である。ジオポリマーは、セメントと異なり、固化体の構造に水和物が存在しない。このため、ジオポリマーを用いた場合には、余剰な水を加熱による乾燥で除去した場合であっても、固化体の構造に対して影響が小さい。したがって、ジオポリマーを固化材として用いた場合には、水素の発生量を低減することができる。

先行技術

0005

特開2014−35202号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ジオポリマーは、固化材(バインダ)とアルカリ刺激剤とが原料として用いられる。固化材は、たとえば、アルミニウム(Al)およびケイ素(Si)を含むアルミナシリカである。アルカリ刺激剤は、たとえば、アルカリ性水酸化物水酸化ナトリウムなど)、アルカリ性のケイ酸塩ケイ酸ナトリウムなど)である。ジオポリマーは、固化材とアルカリ刺激剤との間において縮重合反応が生じることによって固化体として形成される。

0007

ジオポリマーの固化体を作製する際には、固化材とアルカリ刺激剤との間の反応が短時間で起こり、固化材とアルカリ刺激剤とを含む混合物の粘度が上昇する。このため、混合可能な時間が短い。

0008

その他、ジオポリマーの固化体を作製する際に、乾燥処理熱養生処理を行う場合には、その処理に多くのエネルギーが必要であると共に、処理の実行のために長い時間が必要になる。

0009

したがって、本発明が解決しようとする課題は、固化材とアルカリ刺激剤とを混合可能な時間が長く、固化体を作製する際に必要なエネルギーが少なく、かつ、固化体を作製する際に要する時間が短い、ジオポリマー成型体の製造方法、および、ジオポリマー成型体製造システムを提供することである。

課題を解決するための手段

0010

実施形態に係るジオポリマー成型体の製造方法は、混合工程と圧縮工程とを有する。混合工程では、固化材とアルカリ刺激剤とを混合することによって混合物を得る。圧縮工程では、混合物を圧縮して成型することによってジオポリマー成型体を形成する。ここでは、アルカリ刺激剤は、水和物を含む。そして、圧縮工程において混合物の圧縮が行われる際には、水和物から結晶水が脱離するように混合物が加熱され、固化材と前記アルカリ刺激剤との間の反応が進行する。

発明の効果

0011

本発明によれば、固化材とアルカリ刺激剤とを混合可能な時間が長く、固化体を作製する際に必要なエネルギーが少なく、かつ、固化体を作製する際に要する時間が短い、ジオポリマー成型体の製造方法、および、ジオポリマー成型体製造システムを提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

図1は、第1実施形態において、ジオポリマー成型体の製造方法を示すフロー図である。
図2は、第1実施形態において、ジオポリマー成型体製造システムを模式的に示すブロック図である。
図3は、実施例のサンプル、比較例の各サンプル、固化材、アルカリ刺激剤、および、固化材とアルカリ刺激剤との混合物について、X線構造解析を行った結果を示す図である。

0013

<第1実施形態>
[A]ジオポリマー成型体の製造方法
図1は、第1実施形態において、ジオポリマー成型体の製造方法を示すフロー図である。

0014

本実施形態においては、図1に示すように、混合工程ST10と圧縮工程ST20とを順次行うことによって、ジオポリマー成型体を作製する。各工程の詳細について順次説明する。

0015

[A−1]混合工程ST10
混合工程ST10においては、ジオポリマーの原料として、少なくとも固化材とアルカリ刺激剤とを混合することによって、混合物を得る。

0016

[A−1−1]固化材
固化材は、たとえば、アルミニウム(Al)およびケイ素(Si)を含むアルミナシリカである。アルミナシリカは、たとえば、メタカオリン高炉スラグ焼却灰飛灰フライアッシュを含む)、ゼオライトモルデナイトシリカフューム、非晶質の二酸化ケイ素酸化アルミニウム水酸化アルミニウムである。ここでは、飛灰は、フライアッシュを含む。フライアッシュは、微粉砕した石炭燃焼した後に捕集された飛灰であり、製品として管理されるものである。

0017

[A−1−2]アルカリ刺激剤
アルカリ刺激剤は、たとえば、アルカリ性の水酸化物、アルカリ性のケイ酸塩である。アルカリ性の水酸化物は、たとえば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム水酸化ルビジウム水酸化セシウムである。アルカリ性のケイ酸塩は、たとえば、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムケイ酸ルビジウム、ケイ酸セシウムである。ケイ酸塩としては、オルトケイ酸塩メタケイ酸塩など、さまざまな形態のものを用いることができる。また、上記と共に、アルミン酸塩をアルカリ刺激剤として添加してもよい。

0018

本実施形態において、アルカリ刺激剤は、水和物を含む。たとえば、ケイ酸塩の水和物、アルミン酸塩の水和物がアルカリ刺激剤として用いられる。水和物は、結晶水(水和水)を含有する物質であって、ジオポリマーの原料において水分提供材として作用する。つまり、水和物であるアルカリ刺激剤は、アルカリ刺激剤として作用すると共に、水分提供材としても作用する。ケイ酸塩の水和物は、たとえば、ケイ酸リチウム水和物、ケイ酸ナトリウム水和物メタケイ酸ナトリウム九水和物(Na2SiO3・9H2O)など)、ケイ酸カリウム水和物(四ケイ酸カリウム一水和物など)、ケイ酸ルビジウム水和物、ケイ酸セシウム水和物である。アルミン酸塩水和物は、たとえば、アルミン酸リチウム水和物、アルミン酸ナトリウム水和物、アルミン酸カリウム水和物(アルミン酸カリウム三水和物など)、アルミン酸ルビジウム水和物、アルミン酸セシウム水和物である。

0019

水和物であるアルカリ刺激剤は、融点が100℃以下であるものが好ましく、たとえば、メタケイ酸ナトリウム九水和物(Na2SiO3・9H2O;融点48℃)、メタケイ酸ナトリウム五水和物(Na2SiO3・5H2O;融点72℃)が好適に使用される。これと共に、水和物であるアルカリ刺激剤は、混合物の調製作業を行う作業場の温度よりも融点が高く、混合物の調製時に融解しないものが、さらに好ましい。具体的には、水和物であるアルカリ刺激剤は、融点が50℃以上100℃以下であることが好ましい。

0020

[A−1−3]その他
上記の他に、水を浄化するために用いられた放射性核種吸着剤などの放射性廃棄物を被固化物としてジオポリマーの原料に混合してもよい。また、他の粉砕可能な固体の廃棄物を被固化物としてジオポリマーの原料に混合してもよい。

0021

また、ジオポリマー成型体を固化体として作製するために、必要であれば、適宜、水を添加してもよい。具体的には、混合物中の固形物の総重量に対して、水の重量が、たとえば、20分の1以下になるように、水の添加を行ってもよい。

0022

[A−1−5]混合
上記した各原料は、たとえば、容器投入された後、撹拌機を用いて混合される。その結果、混合工程ST10では、混合物が得られる。

0023

[A−2]圧縮工程ST20
つぎに、図1に示すように、混合工程ST10の実行後には、圧縮工程ST20を行う。

0024

圧縮工程ST20では、混合工程ST10で得た混合物を圧縮して成型することによって、ジオポリマー成型体を形成する。本実施形態の圧縮工程ST20においては、混合物を圧縮する際に、その混合物を加熱する。つまり、本実施形態の圧縮工程ST20は、熱圧縮処理を行う。ここでは、圧縮成型機を用いて混合物の圧縮成型を行う際に、たとえば、ヒータを用いて混合物を外部から加熱する。

0025

その結果、本実施形態では、圧縮によって固化材とアルカリ刺激剤とが密着すると共に、加熱によって固化材およびアルカリ刺激剤の温度が上昇する。本実施形態においては、アルカリ刺激剤が水和物を含む。このため、圧縮時の加熱によって水和物から結晶水(水和水)が脱離し、その脱離で生じた水分が反応場として機能する。その結果、本実施形態においては、固化材とアルカリ刺激剤との間の反応が効果的に進行し、ジオポリマーが形成される。

0026

圧縮工程ST20において、混合物に印加される圧力は、たとえば、1メガパスカル[MPa]以上であることが好ましい。これにより、ジオポリマー成型体の密度が高くなり、ジオポリマー成型体の形状が安定化する。

0027

また、圧縮工程ST20において、混合物の温度は、アルカリ刺激剤である水和物が融解する温度であり、たとえば、48℃以上、100℃以下の範囲であることが好ましい。上記温度範囲の下限値よりも温度が低い場合には、固化反応に必要な水が生成しないため、固化反応が進まない問題が生ずる場合がある。これに対して、上記温度範囲の上限値よりも温度が高い場合には、固化反応に必要な水が蒸発し、固化反応が進まなくなる問題が生ずる場合がある。

0028

[A−3]その他の工程
図示を省略しているが、圧縮工程ST20の実行後には、必要に応じて、養生工程と乾燥工程とを実行してもよい。

0029

養生工程では、圧縮工程ST20で得たジオポリマー成型体を養生することによって、反応を更に進行させる。ここでは、ジオポリマー成型体に含まれる水が反応場として機能し、反応が更に進行する。

0030

乾燥工程では、たとえば、養生工程が実行されたジオポリマー成型体に存在する水分を蒸発させて除去する。乾燥工程では、自然乾燥によって乾燥を実行してもよく、乾燥機を用いた乾燥を実行してもよい。

0031

[B]ジオポリマー成型体製造システム
図2は、第1実施形態において、ジオポリマー成型体製造システムを模式的に示すブロック図である。

0032

図2に示すように、本実施形態のジオポリマー成型体製造システムは、少なくとも、混合部10と圧縮成型部20とを備える。本実施形態のジオポリマー成型体製造システムを構成する各部の詳細について順次説明する。

0033

[B−1]混合部10
混合部10は、たとえば、容器11と撹拌機12とを含み、上記した混合工程ST10を実行する。つまり、混合部10では、ジオポリマーの原料として、固化材とアルカリ刺激剤とを混合することによって、混合物を得る。

0034

具体的には、混合部10では、たとえば、容器11に上記した各原料が投入された後に、撹拌機12を用いて各原料が混合される。

0035

[B−2]圧縮成型部20
圧縮成型部20は、たとえば、型枠21と加圧機22と加熱機23とを含み、上記した圧縮工程ST20を実行する。つまり、混合部10で得た混合物を圧縮して成型することによって、ジオポリマー成型体を形成する。本実施形態の圧縮成型部20においては、混合物を圧縮する際に、その混合物を加熱する。

0036

具体的には、圧縮成型部20においては、混合部10で得た混合物が型枠21に導入され、その型枠21に導入された混合物に加圧機22が圧力を加えて圧縮する。このとき、加熱機23が、その型枠21に導入された混合物を型枠21の外部から加熱する。

0037

[B−3]その他
なお、図示を省略しているが、ジオポリマー成型体製造システムは、上記した養生工程を行う養生部と、上記した乾燥工程を行う乾燥部とを備えていてもよい。養生部は、たとえば、養生室温湿度を調節する空調機を備えている。乾燥部は、たとえば、乾燥室の温湿度を調節する空調機を備えている。

0038

[C]まとめ
以上のように、本実施形態では、固化材とアルカリ刺激剤との混合物を圧縮して成型する際に、加熱機を用いて混合物を加熱する。本実施形態においては、アルカリ刺激剤が水和物を含む。このため、本実施形態では、上述したように、圧縮成型時の加熱によって水和物から結晶水(水和水)が脱離し、その脱離で生じた水分が反応場として機能する。つまり、本実施形態では、圧縮時の加熱によって水和物から結晶水(水和水)が脱離する前は、固化材とアルカリ刺激剤との間の反応が進行しにくい。したがって、本実施形態では、混合工程ST10において、固化材とアルカリ刺激剤の混合可能な時間を長くすることができる。

0039

また、本実施形態では、上述したように、圧縮成型時の加熱によって水和物から結晶水(水和水)を脱離させることによって固化材とアルカリ刺激剤との間の反応が効果的に進行するので、養生工程の実行および乾燥工程の実行が不要である。仮に、養生工程や乾燥工程の実行を行う場合であっても、その工程を実行する時間を短くすることができる。したがって、本実施形態においては、固化体を作製する際に必要なエネルギーが少なく、かつ、固化体を作製する際に要する時間を短くすることができる。

0040

<第2実施形態>
[A]ジオポリマー成型体の製造方法
本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、混合工程ST10と圧縮工程ST20とを順次行うことによって、ジオポリマー成型体を作製する。しかし、本実施形態の混合工程ST10では、第1実施形態の場合と異なり、発熱物質を更に混合することによって混合物を得る。発熱物質は、鉄、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、ズズから選択される金属材料で形成された金属粉であって、酸化反応によって発熱する。このため、本実施形態の圧縮工程ST20では、第1実施形態の場合と異なり、発熱物質の発熱によって混合物が加熱される。つまり、混合物は、型枠21の内部において、発熱物質により生じた熱で加熱される。

0041

[B]まとめ
以上のように、本実施形態では、混合工程ST10において発熱物質を更に混合することによって混合物を得るので、圧縮工程ST20においては発熱物質の発熱によって混合物が加熱される。したがって、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、固化材とアルカリ刺激剤とを混合可能な時間を長くすることができる。また、本実施形態においては、第1実施形態の場合と同様に、固化体を作製する際に必要なエネルギーが少なく、かつ、固化体を作製する際に要する時間を短くすることができる。

0042

なお、発熱物質の添加と共に、活性炭などの成分を適宜添加してもよい。活性炭を添加した場合には、活性炭の孔に空気が取り込まれるため、発熱物質の酸化反応に必要な酸素の供給が促進される。

0043

下より、実施例などに関して、表1を用いて説明する。なお、表1において、実施例1(実施例1−1〜1−3)は、上記した第1実施形態の場合に相当する。実施例2は、上記した第2実施形態の場合に相当する。

0044

0045

[1]サンプルの作製
(実施例1−1)
実施例1−1では、表1に示すように、下記に示すジオポリマーの原料を混合する混合工程ST10を行うことによって、混合物を得た。

0046

・固化材:メタカオリン・・・17.1g
・アルカリ刺激剤:メタケイ酸ナトリウム九水和物・・・34g

0047

つぎに、表1に示すように、上記の混合物を圧縮して成型する圧縮工程ST20を実行することによって、ジオポリマー成型体を形成した。

0048

具体的には、混合物として得た20gの混合粉体を直径が30mmである型枠に入れた。そして、圧力が20.0MPaであって、圧縮時間が10分間である圧縮成型条件で、圧縮成型を行った。この圧縮成型を行う際には、混合物の中心温度が50℃になるように、加熱機を用いて混合物を外部から加熱した。その後、型枠から圧縮された混合物をジオポリマー成型体として取り出した。

0049

(実施例1−2)
実施例1−2では、表1に示すように、圧縮工程ST20において、圧縮時間が30minである点を除き、実施例1−1の場合と同様な条件で、ジオポリマー成型体の作製を行った。

0050

(実施例1−3)
実施例1−3では、表1に示すように、圧縮工程ST20において、混合物の中心温度が85℃である点を除き、実施例1−1の場合と同様な条件で、ジオポリマー成型体の作製を行った。

0051

(実施例2)
実施例2では、表1に示すように、混合工程ST10では、実施例1−1の場合と異なり、発熱物質として10gの鉄粉を添加した。また、実施例2では、圧縮工程ST20において外部からの加熱を行なわず、発熱物質の発熱によって混合物の加熱を行った。つまり、内部からの加熱を行った。これらの点を除き、実施例2では、実施例1−1の場合と同様な条件で、ジオポリマー成型体の作製を行った。

0052

(比較例1)
比較例1では、表1に示すように、圧縮工程ST20を実行する際には、実施例1−1の場合と異なり、混合物の加熱を実行しなかった。そして、圧縮工程ST20の実行後には、実施例1−1の場合と異なり、養生工程ST30を行った。養生工程ST30では、表1に示す養生条件で養生を実行することによって、ジオポリマー成型体を作製した。

0053

(比較例2)
実施例2は、表1に示すように、圧縮工程ST20において、混合物の中心温度が30℃である点を除き、実施例1−1の場合と同様な条件で、ジオポリマー成型体の作製を行った。

0054

[2]試験内容
上記のように作製した各例のサンプルについて、表1に示すように、一軸圧縮強度、固化体平均高さ、および、固化体平均直径計測を行った。これと共に、各例のサンプルについて、水和物のピーク有無の確認を行った。

0055

[2−1]一軸圧縮強度の計測法
一軸圧縮強度の計測は、以下のように実行した。まず、径が3cmである円筒状の供試体試験機装填した。そして試験機において、供試体に圧力を加え、供試体が破壊したときの圧力値を測定した。そして、その測定した圧力値を単位面積当たり換算することで、一軸圧縮強度を算出した。

0056

[2−2]固化体平均高さ、固化体平均直径、および、密度の計測法
固化体平均高さ、固化体平均直径、および、密度の計測は、以下のように実行した。固化体平均高さ、固化体平均直径は、ノギスを用いて固化体の高さと直径を、2点以上、測定して平均値として求めた。また、密度は、重量計測定値と、平均高さ及び平均直径から算出した体積から算出した。

0057

[2−3]水和物のピーク有無の確認
水和物のピーク有無の確認は、X線構造解析の結果を用いて行った。X線構造解析は、各例のサンプルを粉砕した粉砕物に関してX線回折法で実行した。水和物のピーク有無は、各例について求めたX線回折スペクトルにおいて、入射ビーム入射角回折角度2θ)が31°付近である部分に水和物に起因するピークが有るか否かに応じて判断した。ここでは、参考のために、固化材、アルカリ刺激剤、および、固化材とアルカリ刺激剤との混合物のそれぞれに関しても、X線構造解析を実行した。

0058

図3は、実施例のサンプル、比較例の各サンプル、固化材、アルカリ刺激剤、および、固化材とアルカリ刺激剤との混合物について、X線構造解析を行った結果を示す図である。図3において、(1)は、固化材として用いたメタカオリンに関するX線回折スペクトルである。(2)は、アルカリ刺激剤として用いたメタケイ酸ナトリウム九水和物に関するX線回折スペクトルである。(3)は、メタカオリンとメタケイ酸ナトリウム九水和物との混合物(圧縮前)に関するX線回折スペクトルである。(4)は、比較例1のサンプルに関するX線回折スペクトルである。(5)は、比較例2のサンプルに関するX線回折スペクトルである。(6)は、実施例1−1のサンプルに関するX線回折スペクトルである。(7)は、実施例1−3のサンプルに関するX線回折スペクトルである。図3において、横軸は、回折角度2θであり、縦軸は、最大値に応じて正規化された回折強度である。なお、実施例1−2および実施例2に関するX線回折スペクトルは、実施例1−1の場合とほぼ同様であるため、図示を省略する。

0059

[3]試験結果
上記のように行った各例の試験結果について順次説明する。

0060

[3−1]一軸圧縮強度について
表1に示すように、一軸圧縮強度は、実施例1−1、実施例1−2、実施例1−3、および、実施例2の方が、比較例1および比較例2よりも、十分に大きい。つまり、圧縮工程ST20において混合物の圧縮が行われる際に水和物から結晶水が脱離するように混合物を加熱し、固化材とアルカリ刺激剤との間の反応を進行させることによって、養生工程を実行しなくても、一軸圧縮強度が十分に大きいジオポリマー成型体を作製することができる。

0061

各実施例の結果と比較例2の結果とを比較して判るように、混合物の圧縮が行われる際に混合物の内部温度を50℃以上にすることで、十分に一軸圧縮強度が大きいジオポリマー成型体が作製された。実施例1−1の結果と実施例1−3の結果とを比較して判るように、混合物の内部温度を高くすることによって、ジオポリマー成型体の一軸圧縮強度を大きくすることができる。さらに、実施例1−1の結果と実施例1−2の結果とを比較して判るように、圧縮時間を長くすることによって、ジオポリマー成型体の一軸圧縮強度を大きくすることができる。

0062

また、実施例1−1の結果と実施例2の結果とを比較して判るように、発熱物質の発熱によって混合物の加熱を行った場合も同様に、ジオポリマー成型体の一軸圧縮強度を十分に大きくすることができる。

0063

[3−2]水和物のピーク有無
表1に示すように、水和物のピークは、比較例2の場合に存在していたが、他の各例では、存在していなかった。この結果から、比較例2の場合においては、アルカリ刺激剤である水和物が残存しているので、固化材とアルカリ刺激剤との間の反応が十分に進行していないことが判る。これに対して、他の各例においては、アルカリ刺激剤である水和物が残存していないので、固化材とアルカリ刺激剤との間の反応が十分に進行していることが判る。その結果、実施例1−1、実施例1−2、実施例1−3、および、実施例2の方が、比較例1および比較例2よりも、一軸圧縮強度が十分に大きくなったと考えられる。

実施例

0064

なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することができる。本発明は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0065

10…混合部、11…容器、12…撹拌機、20…圧縮成型部、21…型枠、22…加圧機、23…加熱機。

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