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技術 停電後処理機能を有する車載電子制御装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 惣田崇志左山昌彦
出願日 2017年9月21日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2017-180858
公開日 2019年4月11日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-055667
状態 特許登録済
技術分野 車両用電気・流体回路 電源 マイクロコンピュータ 予備電源装置
主要キーワード ステップブロック 付勢素子 復帰移行 分割電源 補助給電 重度情報 チャッタリング 接点電流
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

電源喪失に対し、揮発性メモリ書込みされていた重要データを、不揮発性メモリ転送保存することができる停電後処理機能を有する車載電子制御装置を提供する。

解決手段

車載バッテリ101から主電源開閉素子103bと前段定電圧回路10A及び後段定電圧回路20を介して制御電圧Vccが給電される演算制御部120に対し、車載バッテリ101から第1逆流阻止ダイオード130a又は第2逆流阻止ダイオード130bを経て充電される停電補助コンデンサ131と退避電源開閉素子132を介して得られる退避電源電圧Vdを電源として、退避定電圧回路30Aを介して制御電圧Vccが給電され、電源線地絡異常が発生しても後段定電圧回路内20の出力トランジスタによって逆流阻止されて、停電補助コンデンサ131の逆流放電が防止される。

概要

背景

一般に、例えば車載エンジン制御装置変速機制御装置などの運転中において、これらの車載電子制御装置内の揮発性メモリ書込みされていた学習情報異常発生情報などの主要な経歴情報は、電源スイッチを開路した直後に不揮発性データメモリ転送保存されるようになっており、車載電子制御装置に印加されていた主電源電圧は転送保存が完了した時点で解除されるようになっている。しかし、車両事故の発生によって主電源電圧が喪失すると、この経歴情報はもとより、故障発生前後の時系列監視情報の転送保存も行えなくなることになる。

例えば、特許文献1に開示された従来の車両診断装置によれば、その図1に示されているように、車両100に搭載されたエンジン制御装置110、トランスミッション制御装置120、ブレーキ制御装置130などの車載電子制御装置は、通信バスBSを介して通信制御装置140に対してシリアル接続されていて、通信制御装置140は無線通信によって地上の管理センター200の記録装置201と交信するように構成されている。

そして、例えばエンジン制御装置110は、車載機器故障が検出されたときにその稼働状況を示すフリーズフレームデータ(Freeze frame data)が格納されている先入れ先出しデータテーブルを含むデータメモリ111を備えていて、ここに格納されたデータは地上局無線送信されて、適正通信がなされたことを確認してから消去されるようになっている。しかし、ここでは車両電源の喪失については考慮されていない。

一方、特許文献2に開示された従来の車載緊急通報装置によれば、その図1に示されているように、車両バッテリ28からの電力供給が断たれた場合であっても、緊急通報動作を行えるものとして、補助バッテリ29が併用され、電力供給部25は車両バッテリ28からダイオード24bを介して給電されるとともに、緊急時に閉路される切換スイッチ24aを介して補助バッテリ29からも給電されるようになっている。なお、切換スイッチ24aは、緊急通報ECU27が発生するエアバッグ展開信号に応動する緊急通信検出部23によって、誤認がないように複数回の検出確認を行ったうえで閉路駆動されるようになっている。

そして、電力供給部25は第1のコンデンサ32を含む第1の電力供給系統30によって制御部22と緊急通信検出部23とに給電するとともに、比較的大きな電力を必要とする無線通信部26に給電する第2の電力供給系統31に分割出力するようになっていて、車両バッテリ28からの給電が喪失してから、切換スイッチ24aが閉路するまでの無給電状態においては、第1のコンデンサ32によって制御部22と緊急通信検出部23との動作が維持されるように構成されている。

概要

電源喪失に対し、揮発性メモリに書込みされていた重要データを、不揮発性メモリに転送保存することができる停電後処理機能を有する車載電子制御装置を提供する。車載バッテリ101から主電源開閉素子103bと前段定電圧回路10A及び後段定電圧回路20を介して制御電圧Vccが給電される演算制御部120に対し、車載バッテリ101から第1逆流阻止ダイオード130a又は第2逆流阻止ダイオード130bを経て充電される停電補助コンデンサ131と退避電源開閉素子132を介して得られる退避電源電圧Vdを電源として、退避定電圧回路30Aを介して制御電圧Vccが給電され、電源線地絡異常が発生しても後段定電圧回路内20の出力トランジスタによって逆流阻止されて、停電補助コンデンサ131の逆流放電が防止される。

目的

この発明の目的は、運転中において車載バッテリからの給電が得られなくなった場合であっても、少なくとも揮発性メモリに書込みされていた学習情報、異常発生情報などの経歴情報を不揮発性のデータメモリに転送保存することができる、停電後処理機能を有する車載電子制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

入力センサ群動作状態応動して電気負荷群駆動制御するマイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリと、前記マイクロプロセッサと協働する演算処理用のRAMメモリと、データの格納を行う不揮発性データメモリとを有する演算制御部と、車両に搭載された車載バッテリから主電源開閉素子を介して主電源電圧受電する前段定電圧回路と、前記前段定電圧回路が発生する電圧に基づいて制御電圧を発生し、前記発生した制御電圧を前記演算制御部に供給する後段定電圧回路と、前記主電源開閉素子を介さずに前記車載バッテリが発生するバッテリ電圧を受電し、前記主電源開閉素子が開路されているときに、前記RAMメモリの記憶動作を保持する保持用電圧を前記RAMメモリに供給する保持電源回路と、を備えた車載電子制御装置であって、前記主電源開閉素子は、主電源閉路付勢素子により駆動されて閉路するように構成され、前記主電源閉路付勢素子は、主電源閉路指令素子直列接続され、前記主電源閉路指令素子は、前記車載バッテリに接続された電源スイッチが閉路されることにより閉路するとともに、前記マイクロプロセッサの正常動作中に発生する運転中信号により前記閉路を自己保持され、前記演算制御部は更に、前記主電源電圧の給電途絶えたときに、少なくとも前記主電源電圧によって予め充電されている停電補助コンデンサと、前記停電補助コンデンサの放電回路に設けられた退避電源開閉素子と、前記退避電源開閉素子の出力電圧である退避電源電圧印加されて前記制御電圧を発生する前記後段定電圧回路又は退避定電圧回路と、を介して給電駆動され、前記停電補助コンデンサは、第1逆流阻止ダイオードを介して前記主電源電圧から充電されるか、或いは第2逆流阻止ダイオード又は第3逆流阻止ダイオードを介して前記バッテリ電圧又は前記電源スイッチの出力側電圧から充電されていて、前記主電源開閉素子が開路されるか、或いは入力電源線断線又は地絡異常が発生したときに、前記マイクロプロセッサが入出力制御を停止して停電退避処理を行うための所定期間において、前記マイクロプロセッサの動作状態を維持する静電容量を備え、前記退避電源開閉素子は、前記運転中信号が発生している期間、又は少なくとも前記マイクロプロセッサが前記停電退避処理を行うための前記所定期間に閉路するように駆動され、前記停電退避処理は、前記電源スイッチが開路されたときに、前記RAMメモリに書込まれていた一部の主要データである経歴情報を前記データメモリに転送保存する処理を行う第1処理手段と、前記主電源電圧が所定の閾値以下に異常低下したときに、前記経歴情報を前記データメモリに転送保存する処理を行う第2処理手段とを備え、前記停電退避処理が完了したとき、前記マイクロプロセッサは動作を停止して前記運転中信号の発生を解除する停電後処理が行われる、ことを特徴とする停電後処理機能を有する車載電子制御装置。

請求項2

前記前段定電圧回路を構成する前段出力トランジスタと前記後段定電圧回路を構成する後段出力トランジスタとのうちの少なくとも一方は、バイポーラ型の出力トランジスタにより構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の停電後処理機能を有する車載電子制御装置。

請求項3

前記退避電源開閉素子は、前記マイクロプロセッサが前記運転中信号を発生しているときに閉路して前記退避電源電圧を前記退避定電圧回路に供給するように構成され、前記退避定電圧回路は、前記後段定電圧回路が発生する前記制御電圧よりも低い出力電圧を発生するように構成され、前記後段定電圧回路が前記制御電圧を発生しているときは、前記退避定電圧回路の出力トランジスタは開路状態となり、前記後段定電圧回路の出力電圧が異常低下するか又は前記出力電圧が停止したときは、前記退避定電圧回路の出力トランジスタは閉路状態となって、前記退避定電圧回路の出力電圧を前記演算制御部へ給電するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の停電後処理機能を有する車載電子制御装置。

請求項4

前記退避電源開閉素子は、前記主電源電圧が所定の閾値電圧以下であるときに前記マイクロプロセッサが発生する退避給電指令に基づいて閉路して発生した前記退避電源電圧を前記退避定電圧回路に供給するように構成され、前記退避定電圧回路の出力電圧は、前記後段定電圧回路が発生する前記制御電圧よりも低く設定され、前記後段定電圧回路が発生する前記制御電圧が異常低下するか、又は前記後段定電圧回路が前記制御電圧の発生を停止しているときは、前記退避定電圧回路により前記演算制御部に給電されるように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の停電後処理機能を有する車載電子制御装置。

請求項5

前記退避電源開閉素子は、前記主電源電圧が所定の閾値電圧以下であるときに、前記マイクロプロセッサが発生する退避給電指令に基づいて閉路して発生した退避電源電圧を、前記後段定電圧回路に供給するように構成され、前記前段定電圧回路における前記前段出力トランジスタは、バイポーラ型の出力トランジスタにより構成されているとともに、前記退避電源開閉素子が閉路されているときには出力停止回路により中間電圧の発生を停止し、前記前段出力トランジスタが前記中間電圧の発生を停止したときは、前記中間電圧に替えて前記退避電源電圧が前記後段定電圧回路の入力部に印加されるように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の停電後処理機能を有する車載電子制御装置。

請求項6

前記第1処理手段は、前記電源スイッチが閉路状態から開路状態に変化したことにより、処理が実行され、前記電源スイッチが閉路状態であった期間内で、前記RAMメモリに書込まれていた学習情報異常発生情報を含む前記経歴情報が不揮発性の前記データメモリに転送保存され、前記経歴情報は、さらに、定期的又は新規な前記学習情報、又は異常発生情報が発生しているときに書込まれる前記車両の走行距離情報包含し、前記走行距離情報は、走行距離計から入手するか、又は前記入力センサ群に含まれる車速センサ出力パルス計数加算した値を前記RAMメモリに更新保存したものである、ことを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の停電後処理機能を有する車載電子制御装置。

請求項7

前記マイクロプロセッサは、AD変換器を介して前記主電源電圧を分圧した分圧電圧が入力されるとともに、前記主電源電圧が異常低下したことを検出する電圧低下検出手段と、退避給電指令を発生する第1の緊急退避指令手段とを備え、前記第2処理手段は、前記車載バッテリからの電源配線の断線異常、又は前記電源配線が前記車両のグランド回路と混触する地絡異常が発生して、前記主電源電圧が異常低下したことによって処理が実行され、少なくとも前記経歴情報が前記データメモリに転送保存される、ことを特徴とする請求項6に記載の停電後処理機能を有する車載電子制御装置。

請求項8

前記マイクロプロセッサは、シリアルインタフェースを介して車両の異常監視装置から緊急異常通報を受信したときに実行される異常処理手段を備えるとともに、前記RAMメモリは、前記マイクロプロセッサによる複数の監視現在値が格納される現在値メモリと、前記監視現在値の瞬時値が順次格納される先入れ先出しテーブルである第1テーブル及び第2テーブルを備え、前記第1テーブルには、 第1テーブル生成手段により事故発生以前の前記瞬時値が所定期間ごとに順次格納され、前記第2テーブルには、第2テーブル生成手段により事故発生後の前記瞬時値が所定期間ごとに順次格納され、前記RAMメモリは更に、前記第1テーブルの中の事故発生時及び事故発生前の複数の時刻帯における代表値が格納され、事故記録情報として前記異常監視装置に送信される第1送信データメモリと、前記第2テーブルの中の事故発生後の一つ又は複数の時刻帯における代表値が格納され、事故記録情報として前記異常監視装置に送信される第2送信データメモリとを備え、前記異常処理手段は、前記異常監視装置が発生する事故記録情報の送信要求指令に基づいて、退避給電指令を発生する第2の緊急退避指令手段と、再送可否判定手段と、前記第1送信データメモリに格納される送信データ編集と送信の処理を行う第1送信データ編成・送信手段と、前記第1送信データ編成・送信手段に続いて実行される前記第2処理手段と、前記第2テーブルを生成する前記第2テーブル生成手段と、前記第2送信データメモリに格納される送信データの編集と送信の処理を行う第2送信データ編成・送信手段とを備え、前記再送可否判定手段は、前記第2の緊急退避指令手段による前記退避給電指令が発生してから所定時間を経過するか、又は前記異常監視装置が事故後の監視情報の送信要求を発生したことにより再送許可判定を行い、前記第2送信データ編成・送信手段は、前記再送可否判定手段が再送許可判定を行ったことにより前記処理が実行される、ことを特徴とする請求項1から7のうちのいずれか一項に記載の停電後処理機能を有する車載電子制御装置。

請求項9

前記第1送信データメモリに格納される前記代表値、又は前記第2送信データメモリに格納される前記代表値は、前記第1テーブル又は前記第2テーブルにおける送信対象となった所定時刻及びその前後の隣接時刻における前記瞬時値の平均値又は中間瞬時値が適用されている、ことを特徴とする請求項8に記載の停電後処理機能を有する車載電子制御装置。

請求項10

前記異常監視装置は、複数の車載電子制御装置が発生する前記事故記録情報を集約して地上局に対して無線送信するか、又は補助電池を内蔵した耐熱容器に格納されており、前記異常処理手段は更に、第1送信データ転送・保存手段と第2送信データ転送・保存手段とを備え、前記第1送信データ転送・保存手段は、前記第1送信データメモリの内容を、不揮発性の前記データメモリに転送保存する処理を行う手段であって、前記第1送信データ編成・送信手段が行う処理の直前又は直後にその処理が実行され、前記第2送信データ転送・保存手段は、前記第2送信データメモリの内容を、不揮発性の前記データメモリに転送保存する処理を行う手段であって、前記第2送信データ編成・送信手段が行う処理の直前又は直後にその処理が実行され、前記第1送信データ編成・送信手段により前記異常監視装置に送信されるデータは、前記第1送信データメモリに格納された複数の前記代表値の一部又は全部であって、少なくとも前記車両の運転者が前記車両の運転操作を誤ったことによる車両事故に関連する情報を包含し、前記第2送信データ編成・送信手段により前記異常監視装置に送信されるデータは、前記第2送信データメモリに格納された複数の前記代表値の一部又は全部であって、少なくとも前記車両の運転者が前記車両の運転操作を誤ったことによる車両事故に関連する情報を包含する、ことを特徴とする請求項8又は9に記載の停電後処理機能を有する車載電子制御装置。

請求項11

前記マイクロプロセッサは、前記主電源閉路指令素子が閉路されたことにより制御動作を開始して前記運転中信号を発生し、前記第1処理手段又は前記第2処理手段が処理の実行を完了したことに伴って自己停止して前記運転中信号を停止するように構成され、前記主電源閉路指令素子は、前記電源スイッチの開閉動作に応動する電源投入検出回路、又は交番反転記憶回路を介して閉路するように駆動され、前記運転中信号によりその閉路が自己保持され、前記電源投入検出回路又は前記交番反転記憶回路は、前記第1処理手段又は前記第2処理手段が処理を完了したことにより、前記運転中信号が停止すると、前記電源スイッチを再閉路しなければ前記主電源閉路指令素子を再閉路しない継続動作禁止回路により構成されている、ことを特徴とする請求項1から10のうちのいずれか一項に記載の停電後処理機能を有する車載電子制御装置。

技術分野

0001

この発明は、車載電子制御装置揮発性メモリ書込みされている学習情報異常発生情報などの経歴情報、或いは故障発生前後の時系列監視情報転送保存、特には電源異常が発生又は併発しているときに転送保存ができるように改良された停電後処理機能を有する車載電子制御装置に関するものである。

背景技術

0002

一般に、例えば車載エンジン制御装置変速機制御装置などの運転中において、これらの車載電子制御装置内の揮発性メモリに書込みされていた学習情報、異常発生情報などの主要な経歴情報は、電源スイッチを開路した直後に不揮発性データメモリに転送保存されるようになっており、車載電子制御装置に印加されていた主電源電圧は転送保存が完了した時点で解除されるようになっている。しかし、車両事故の発生によって主電源電圧が喪失すると、この経歴情報はもとより、故障発生前後の時系列監視情報の転送保存も行えなくなることになる。

0003

例えば、特許文献1に開示された従来の車両診断装置によれば、その図1に示されているように、車両100に搭載されたエンジン制御装置110、トランスミッション制御装置120、ブレーキ制御装置130などの車載電子制御装置は、通信バスBSを介して通信制御装置140に対してシリアル接続されていて、通信制御装置140は無線通信によって地上の管理センター200の記録装置201と交信するように構成されている。

0004

そして、例えばエンジン制御装置110は、車載機器故障が検出されたときにその稼働状況を示すフリーズフレームデータ(Freeze frame data)が格納されている先入れ先出しデータテーブルを含むデータメモリ111を備えていて、ここに格納されたデータは地上局無線送信されて、適正通信がなされたことを確認してから消去されるようになっている。しかし、ここでは車両電源の喪失については考慮されていない。

0005

一方、特許文献2に開示された従来の車載緊急通報装置によれば、その図1に示されているように、車両バッテリ28からの電力供給が断たれた場合であっても、緊急通報動作を行えるものとして、補助バッテリ29が併用され、電力供給部25は車両バッテリ28からダイオード24bを介して給電されるとともに、緊急時に閉路される切換スイッチ24aを介して補助バッテリ29からも給電されるようになっている。なお、切換スイッチ24aは、緊急通報ECU27が発生するエアバッグ展開信号に応動する緊急通信検出部23によって、誤認がないように複数回の検出確認を行ったうえで閉路駆動されるようになっている。

0006

そして、電力供給部25は第1のコンデンサ32を含む第1の電力供給系統30によって制御部22と緊急通信検出部23とに給電するとともに、比較的大きな電力を必要とする無線通信部26に給電する第2の電力供給系統31に分割出力するようになっていて、車両バッテリ28からの給電が喪失してから、切換スイッチ24aが閉路するまでの無給電状態においては、第1のコンデンサ32によって制御部22と緊急通信検出部23との動作が維持されるように構成されている。

先行技術

0007

特開2007−106164号公報
特開2008−213714号公報

発明が解決しようとする課題

0008

(1)従来技術の課題の説明
前述の特許文献1に開示された従来の車両診断装置は、運転中に自己診断を行っている複数の車載電子制御装置のそれぞれが、異常を検出した時点の前後におけるフリーズフレームデータを適時に地上局に送信するものであって、電源電圧の喪失に関する異常については論究されていない。また、送信されるフリーズフレームデータも、異常発生前後のデータを一括して送信するようになっているので、電源電圧喪失異常が発生すると、その前後の全てのデータの送信が行えなくなるという課題がある。

0009

前述の特許文献2に開示された従来の車載緊急通報装置は、制御部22と緊急通信検出部23が単に緊急通報ECU27が発生するエアバッグ展開信号に応動する緊急通信検出部23によって、切換スイッチ24aを閉路駆動するだけの単純な制御を行っているため、その消費電力が小さくて小容量の第1コンデンサ32によって無給電状態の制御を維持することができるが、制御部22が例えば車載エンジン制御装置である場合には、多くの車載電気負荷高速駆動するために、高速大電力のマイクロプロセッサが使用されて、取り扱うデータ量も多いので、これに給電する定電圧電源回路の入力部のコンデンサ容量いくらか大きくする程度の対策では無給電状態に耐えることができないという課題がある。

0010

また、特許文献2に開示された従来の車載緊急通報装置は、第1コンデンサ32は低電圧回路に接続されているので、大きな静電エネルギー蓄積することができないという課題がある。さらに、補助バッテリ29は車両バッテリ28からの給電が得られないときに有効となるものであるが、車両バッテリ28からの給電が得られないときとは、電源線断線したとき、又は電源線がグランド回路に混触する地絡異常が発生したときとがあり、地絡異常が発生した場合には、ダイオード24bが無ければ補助バッテリ29が切換スイッチ24aを介して短絡されてしまう問題が発生し、ダイオード24bを設けておくと正常運転時においてダイオード24bの電圧降下の影響で、車両バッテリ28の全電圧を電力供給部25に印加することができなくなるという課題がある。

0011

(2)発明の目的の説明
この発明の目的は、運転中において車載バッテリからの給電が得られなくなった場合であっても、少なくとも揮発性メモリに書込みされていた学習情報、異常発生情報などの経歴情報を不揮発性のデータメモリに転送保存することができる、停電後処理機能を有する車載電子制御装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0012

この発明による停電後処理機能を有する車載電子制御装置は、
入力センサ群動作状態に応動して電気負荷群駆動制御するマイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリと、前記マイクロプロセッサと協働する演算処理用のRAMメモリと、データの格納を行う不揮発性のデータメモリとを有する演算制御部と、
車両に搭載された車載バッテリから主電源開閉素子を介して主電源電圧を受電する前段定電圧回路と、
前記前段定電圧回路が発生する電圧に基づいて制御電圧を発生し、前記発生した制御電圧を前記演算制御部に供給する後段定電圧回路と、
前記主電源開閉素子を介さずに前記車載バッテリが発生するバッテリ電圧を受電し、前記主電源開閉素子が開路されているときに、前記RAMメモリの記憶動作を保持する保持用電圧を前記RAMメモリに供給する保持電源回路と、
を備えた車載電子制御装置であって、
前記主電源開閉素子は、主電源閉路付勢素子により駆動されて閉路するように構成され、
前記主電源閉路付勢素子は、主電源閉路指令素子直列接続され、
前記主電源閉路指令素子は、前記車載バッテリに接続された電源スイッチが閉路されることにより閉路するとともに、前記マイクロプロセッサの正常動作中に発生する運転中信号により前記閉路を自己保持され、
前記演算制御部は更に、前記主電源電圧Vbの給電が途絶えたときに、少なくとも前記主電源電圧によって予め充電されている停電補助コンデンサと、この停電補助コンデンサの放電回路に設けられた退避電源開閉素子と、この退避電源開閉素子の出力電圧である退避電源電圧が印加されて、前記制御電圧を発生する前記後段定電圧回路又は退避定電圧回路を介して給電駆動されている。

0013

そして、前記停電補助コンデンサは、第1逆流阻止ダイオードを介して前記主電源電圧から充電されるか、或いは第2逆流阻止ダイオード又は第3逆流阻止ダイオードを介して前記バッテリ電圧又は前記電源スイッチの出力側電圧から充電されていて、前記主電源開閉素子が開路されるか、或いは入力電源線の断線又は地絡異常が発生したときに、前記マイクロプロセッサが入出力制御を停止して停電退避処理を行うための所定期間において、前記マイクロプロセッサの動作状態を維持する静電容量を備え、
前記退避電源開閉素子は、前記運転中信号が発生している期間、又は少なくとも前記マイクロプロセッサが前記停電退避処理を行うための前記所定期間に閉路するように駆動され、
前記停電退避処理は、前記電源スイッチが開路されたときに、前記RAMメモリに書込まれていた一部の主要データである経歴情報を前記データメモリに転送保存する処理を行う第1処理手段と、前記主電源電圧が所定の閾値以下に異常低下したときに、前記経歴情報を前記データメモリに転送保存する処理を行う第2処理手段とを備え、
前記停電退避処理が完了したとき、前記マイクロプロセッサは動作を停止して前記運転中信号の発生を解除する停電後処理が行われる、
ことを特徴とする。

発明の効果

0014

以上のとおり、この発明による車載電子制御装置は、車載バッテリから電源スイッチに応動する主電源開閉素子を介して主電源電圧Vbが印加されて、前段及び後段定電圧回路を介して制御電圧Vccが給電される演算制御部に対し、停電補助コンデンサから退避電源開閉素子を介して得られる退避電源電圧Vdを電源として、退避定電圧回路又は前記後段定電圧回路を介して制御電圧Vccが給電され、前記停電補助コンデンサは前記主電源電圧Vb、或いは車載バッテリに直接接続されたバッテリ電圧Vbb又は電源スイッチの出力側電圧から、第1或いは第2又は第3逆流阻止ダイオードを介して充電されていて、前記退避電源開閉素子は、電源スイッチが開路されたときの第1処理手段、又は主電源電圧Vbが異常低下したときの第2処理手段によって、RAMメモリに書込みされていた一部の主要データである経歴情報RCDを不揮発性のデータメモリDMEMに転送保存する実行期間において閉路駆動されるようになっている。
従って、電源スイッチが閉路状態であっても、電源線の断線又は地絡異常、又は車載バッテリの電源配線の断線又は地絡異常に伴う主電源電圧Vbの異常低下が発生したときに、停電補助コンデンサを用いてマイクロプロセッサの動作を暫時可能にして、この間に第1処理手段又は第2処理手段による停電退避処理を完了することができる効果がある。
また、停電補助コンデンサは主電源電圧又はバッテリ電圧から充電されるので、制御電圧から充電するものに比べて、同じ静電容量であっても大きな充電エネルギーを蓄積することができるとともに、この充電電荷入力センサに対するブリーダ電流として流出することがなく、その充電エネルギーを有効活用することができる効果がある。

図面の簡単な説明

0015

この発明の実施の形態1による停電後処理機能を有する車載電子制御装置の全体回路ブロック図である。
図1における前段定電圧回路の詳細回路図である。
図1における後段定電圧回路の詳細回路図である。
図1における退避定電圧回路の詳細回路図である。
この発明の演算制御部の動作を示すフローチャートである。
図3における第1テーブル生成手段の動作を説明するフローチャートである。
図3における異常処理手段の動作を説明するフローチャートである。
図3におけるデータメモリとデータテーブルの構成を示す説明図である。
この発明の実施の形態2による停電後処理機能を有する車載電子制御装置の全体回路ブロック図である。
図7における前段定電圧回路の詳細回路図である。
図7における退避定電圧回路の詳細回路図である。
この発明の実施の形態3による停電後処理機能を有する車載電子制御装置の全体回路ブロック図である。
図9における前段定電圧回路の詳細回路図である。

実施例

0016

実施の形態1.
(1)構成の詳細な説明
以下、この発明の実施の形態1による停電後処理機能を有する車載電子制御装置100Aの構成を詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1による停電後処理機能を有する車載電子制御装置の全体回路ブロック図である。図1において、例えばエンジン制御装置として構成された車載電子制御装置100Aは、演算制御部120を主体として動作し、車載バッテリ101のバッテリ電圧Vbbが直接印加されているとともに、車載バッテリ101から主電源開閉素子103bを介して主電源電圧Vbが印加される。

0017

主電源開閉素子103bは、例えば電磁継電器励磁コイルである主電源閉路付勢素子103aに通電されたときに駆動されて閉路する。また、車載バッテリ101と車載電子制御装置100Aとの間には手動操作されるロータリ式の電源スイッチ102aが接続されており、この電源スイッチ102aが閉路されたとき主電源閉路付勢素子103aに通電されることで、主電源開閉素子103bが駆動されて閉路する。

0018

車載電子制御装置100Aに接続された電気負荷群105は、主電源開閉素子103b、又は図示していない負荷電源リレーを介して電源線に接続されており、入力センサ群104の動作状態に応動して演算制御部120により駆動制御される。また、一種ドライブレコーダとなる異常監視装置106は、例えば図示していないエアバッグ展開信号に応動して、エンジン制御装置、変速機制御装置、ブレーキ制御装置などの複数の車載電子制御装置から事故発生前後における事故記録情報(Event Record Data)を収集して、事故発生原因の究明に役立てることができるように構成されている。前述の異常監視装置106は、複数の車載電子制御装置が発生する事故記録情報を集約して地上局に対して無線送信するか、又は補助電池を内蔵した耐熱容器に格納されている。

0019

なお、異常監視装置106に収集される事故記録情報としては、運転操作誤りがなかったかどうかを判断するための、車速エンジン回転速度、アクセルペダル踏込度合ブレーキペダルの踏込度合、変速機選択位置などがあり、これらの情報はこの情報を活用しているどれかの車載電子制御装置から入手すればよいが、複数の車載電子制御装置が共通の情報を活用している場合には、それぞれが共通の情報を送信することによって、相互に矛盾のない同じ値の情報で制御されていたものであるかどうかのシステム異常の有無を判定することができる。

0020

点線で図示されている補助電池107は、異常監視装置106に内蔵されていて、事故発生時に閉路される補助給電開閉素子108と逆流阻止ダイオード109を介して車載電子制御装置100Aに接続されている。従って、事故発生に伴うバッテリ電圧Vbbの喪失(電源線の断線又は地絡異常などによる)が発生しても、補助電池107により異常監視装置106は各車載電子制御装置との間で暫時の通信を行なうことができ、事故発生後の事故記録情報の収集を行うことができる。

0021

即ち、例えば、エンジン制御装置である車載電子制御装置100Aは、その内部に、主電源閉路付勢素子103aと直列接続されている主電源閉路指令素子110を備えている。主電源閉路指令素子110はトランジスタにより構成されており、ロータリ式の電源スイッチ102aが手動で閉路されたときに、パルス出力信号を所定時間発生する電源投入検出回路111と、第1ベース抵抗112aと、第1ダイオード113aを介してベース電流が供給されて閉路する。トランジスタである主電源閉路指令素子110は、後述する運転中信号RUNにより、第2ベース抵抗112bと第2ダイオード113bを介して閉路状態で自己保持される。

0022

スイッチングレギュレータである前段定電圧回路10Aは、例えばDC8[V]〜DC14[V]に変動する主電源電圧Vbを入力電圧とし、安定化されたDC7.5[V]の中間電圧Vaを発生するものであり、その詳細は図2Aに基づいて後述する。シリーズレギュレータである後段定電圧回路20は、中間電圧Vaを入力電圧として、DC5[V]の安定化された制御電圧Vccを発生して演算制御部120に給電するように構成されており、その詳細は図2Bに基づいて後述する。

0023

演算制御部120は、マイクロプロセッサCPUと協働する例えば不揮発性フラッシュメモリであるプログラムメモリPMEMと、このプログラムメモリPMEMの一部領域であるか、又は電気的に読書きが行える不揮発性のデータメモリDMEMと、揮発性のRAMメモリRMEMと、バッテリ電圧Vbbの分圧電圧や主電源電圧Vbの分圧電圧、或いは入力センサ群104の中のアナログセンサ出力信号が入力される多チャンネルAD変換器ADC包含している。

0024

ウォッチドッグタイマ121は、マイクロプロセッサCPUが発生するパルス列信号であるウォッチドッグ信号WDSのパルス幅監視して、このパルス幅が過大であるとリセット信号RSTを発生してマイクロプロセッサCPUを初期化して再起動し、パルス幅が所定値未満であれば運転中信号RUNを発生して主電源閉路指令素子110を閉路するように駆動する。主電源閉路指令素子110がウォッチドッグタイマ121からの運転中信号RUNにより閉路すると、電源スイッチ102aが開路されるか又は電源投入検出回路111の出力パルス消滅しても、主電源閉路指令素子110の閉路状態は自己保持により維持されるが、マイクロプロセッサCPUがその制御動作自己停止すれば、主電源閉路指令素子110の自己保持状態が解除されるように構成されている。

0025

なお、電源スイッチ102aの開閉状態は、レベル変換回路122を介して電源スイッチ信号IGSとしてマイクロプロセッサCPUに入力されているとともに、入力センサ群104が発生するオンオフ信号、又はアナログ信号は、入力インタフェース124を介してマイクロプロセッサCPUの入力ポートに接続されている。マイクロプロセッサCPUの出力ポートは、出力インタフェース125を介して電気負荷群105に接続されている。

0026

入力センサ群104のうちの何れかの入力センサが接点を有するセンサであり、その信号が接点の開閉信号である場合には、その入力センサの接点の接触不良を防止するために、主電源電圧Vbから図示しないブリーダ抵抗を介してそのセンサの接点に接点電流が供給され、この接点の両端電圧が入力インタフェース124に入力される。入力インタフェース124に入力された接点の両端電圧は、電圧レベルの変換と接点のチャッタリングノイズを除去するフィルタ回路を介してマイクロプロセッサCPUの入力ポートに接続されるようになっている。

0027

また、異常監視装置106は、例えばCAN(Controller Area Network)通信を行うシリアルインタフェース126を介してマイクロプロセッサCPUに接続されている。

0028

停電補助コンデンサ131は、主電源電圧Vbから第1逆流阻止ダイオード130aを介して充電されるとともに、バッテリ電圧Vbbから第2逆流阻止ダイオード130bを介して充電されている。停電補助コンデンサ131の充電電圧は、退避電源開閉素子132を介して退避電源電圧Vdを発生し、図2Cで後述する退避定電圧回路30Aを介して制御電圧Vccを発生して、演算制御部120に給電されるように構成されている。そして、退避電源開閉素子132は、第1ベース抵抗133と給電指令開閉素子134を介して閉路するように駆動されるトランジスタである。給電指令開閉素子134は、第2ベース抵抗135を介して運転中信号RUNによって駆動されるトランジスタである。

0029

保持電源回路40は、バッテリ電圧Vbbから第2逆流阻止ダイオード130bを介して給電されて、RAMメモリRMEMの記憶状態を停電保持するための定電圧を発生する。また、分割電源回路50は、制御電圧Vccを電源電圧として動作して、DC3.3[V]、或いはDC1.7[V]などの低電圧を発生してマイクロプロセッサCPUや各メモリに給電するように構成されており、通常は演算制御部120に内蔵されている。

0030

次に、前述の図1における前段定電圧回路10Aの構成を詳細に説明する。図2Aは、図1における前段定電圧回路の詳細回路図である。図2Aにおいて、前段定電圧回路10Aは、Pチャネル型電界効果型トランジスタである前段出力トランジスタ11Aを主体として構成されている。この前段出力トランジスタ11Aのソース端子は、主電源電圧端子Tbに接続されており、主電源電圧Vbが印加されている。そして前段出力トランジスタ11Aのドレーン端子は、平滑用リアクトルである誘導素子12bを介して中間電圧端子Taに接続され、中間電圧端子Taに中間電圧Vaを発生させる。

0031

転流ダイオード12aは、前段出力トランジスタ11Aと誘導素子12bとの接続点とグランド回路との間に接続され、出力コンデンサ13は、誘導素子12bとグランド回路との間に接続されており、断続制御される前段出力トランジスタ11Aが開路したときに、誘導素子12bに流れていた出力電流が転流ダイオード12aと出力コンデンサ13に還流するように構成されている。

0032

比較回路14aの正端子には、基準電圧14bとして、7.5/3=2.5[V]が印加されている。出力コンデンサ13には、その両端電圧を検出するための3個の分圧抵抗15の直列回路並列接続されており、下流位置にある分圧抵抗15の両端電圧が比較回路14aの負端子に印加されている。

0033

デューティ制御回路19は、比較回路14aの出力電圧に応動して、中間電圧Vaが目標とする7.5[V]未満であるときには前段出力トランジスタ11Aのオン期間とオン・オフ周期との比率である通電デューティを高め、中間電圧Vaが7.5[V]を超過すると通電デューティをゼロにする負帰還制御を行うように構成されている。

0034

なお、前述の前段出力トランジスタ11Aを構成する電界効果型トランジスタは、閉路時のソース端子とドレーン端子間の電圧降下が小さくて低損失であるが、主電源電圧端子Tbに至る電源配線がグランド回路に混触する地絡異常が発生すると、ソース端子とドレーン端子間に並列接続されている寄生ダイオードにより中間電圧Vaはグランド回路に接続されることになる。

0035

次に、前述の図1における後段定電圧回路20の構成を詳細に説明する。図2Bは、図1における後段定電圧回路の詳細回路図である。図2Bにおいて、後段定電圧回路20は、NPN接合型バイポーラ型トランジスタである後段出力トランジスタ21を主体として構成されている。この後段出力トランジスタ21のコレクタ端子は、中間電圧端子Taに接続されて中間電圧Vaが印加され、ベース端子ベース給電抵抗26aを介して主電源電圧端子Tbに接続されて主電源電圧Vbが印加される。そして後段出力トランジスタ21のエミッタ端子は、出力コンデンサ23が接続されて制御電圧Vccを発生する制御電圧端子Tccとなっている。

0036

比較回路24aの負端子には、基準電圧24bとして5/2=2.5[V]が印加されている。出力コンデンサ23には、その両端電圧を検出するための2個の分圧抵抗25の直列回路が並列接続されており、下流位置にある分圧抵抗25の両端電圧は、比較回路24aの正端子に印加されている。比較回路24aの出力電圧に応動する電圧制御開閉素子26cは、ベース遮断抵抗26bを介して後段出力トランジスタ21のベース端子に接続されており、制御電圧Vccが目標とする5.0[V]を超過すると、電圧制御開閉素子26cが閉路するように駆動されて後段出力トランジスタ21のベース電流を減少させ、制御電圧Vccが目標とする5.0[V]未満になると、電圧制御開閉素子26cが開路されて後段出力トランジスタ21のベース電流を増加させるように負帰還制御を行うように構成されている。

0037

次に、前述の図1における退避定電圧回路30Aの構成を詳細に説明する。図2Cは、図1における退避定電圧回路の詳細回路図である。図2Cにおいて、退避定電圧回路30Aは、図2Bの後段定電圧回路20と同様に構成されており、図2Bにおける各部分の20番台の符号を30番台に置きかえて図2Cに示している。しかし、基準電圧34bbは4.8/2=2.4[V]となっているので、この退避定電圧回路30Aの目標とする制御電圧Vccはその2倍である4.8[V]となっている。従って、図2Bによる後段定電圧回路20の目標とする制御電圧Vccを例えば5.0[V]±1[%]とし、図2Cによる退避定電圧回路30Aの目標とする制御電圧Vccを例えば4.8[V]±2[%]とした場合、図1で示すように後段定電圧回路20と退避定電圧回路30Aとの並列出力回路が構成されていても、後段定電圧回路20の出力電圧が正常であれば、退避定電圧回路30Aの出力トランジスタ31は開路され、ここから負荷電流が流出することはない。

0038

そして、主電源電圧Vbが異常低下して後、後段定電圧回路20の出力電圧が異常低下すると、これに代わって退避定電圧回路30Aの出力電圧が有効となるものであって、退避定電圧回路30Aには異常発生時の短時間に負荷電流が流れるので、出力トランジスタ31は、温度上昇が少なく、短時間定格小形小容量のものが使用されている。

0039

ここで、主電源電圧Vbの電源線に地絡異常が発生して、前段定電圧回路10Aの前段出力トランジスタ11Aに含まれる寄生ダイオードによって中間電圧Vaが異常低下しても、後段定電圧回路20の後段出力トランジスタ21によって逆流が阻止されているので、退避定電圧回路30Aは正常に制御電圧Vccを発生できるように構成されている。

0040

(2)作用・動作の詳細な説明
次に、この発明の実施の形態1による停電後処理機能を有する車載電子制御装置の作用・動作について説明する。まず、図1において、電源スイッチ102aが閉路されると、電源投入検出回路111が閉路検出パルスを発生して主電源閉路指令素子110が閉路する。これにより、主電源閉路付勢素子103aが付勢され、主電源開閉素子103bを閉路するように駆動する。その結果、前段定電圧回路10Aは、主電源開閉素子103bを介して主電源電圧Vbが印加され、中間電圧Vaを発生して後段定電圧回路20に印加する。中間電圧Vaが印加された後段定電圧回路20は、制御電圧Vccを発生する。

0041

これによって、演算制御部120内のマイクロプロセッサCPUが制御動作を開始して、ウォッチドッグ信号WDSを発生し、このウォッチドッグ信号WDSを監視するウォッチドッグタイマ121が運転中信号RUNを発生し、主電源閉路指令素子110が自己保持されて、電源投入検出回路111が発生する閉路検出パルスが消滅しても主電源閉路指令素子110の動作状態は維持されることになる。ただし、マイクロプロセッサCPUのノイズによる誤動作などにより一時的にウォッチドッグ信号WDSが異常となった場合には、複数回の初期化再起動が行われ、それでも正常化しないときは、運転中信号RUNが停止して、主電源閉路付勢素子103aが消勢されて主電源開閉素子103bが開路することになる。

0042

なお、電源投入検出回路111を廃止して、電源スイッチ102aから第1ベース抵抗112aと第1ダイオード113aを介して主電源閉路指令素子110を直接駆動するようにした場合には、電源スイッチ102aを開路しない限りマイクロプロセッサCPUの制御動作は維持されていることになる。

0043

制御電圧Vccが印加されたマイクロプロセッサCPUは、入力センサ群104の動作状態と、プログラムメモリPMEM内の入出力制御プログラムの内容に応動して電気負荷群105を駆動制御する。すなわち、例えば、マイクロプロセッサCPUは、アクセルポジションセンサによるアクセルペダルの踏込度合と、スロットルポジションセンサによるスロットル弁開度の状態を監視しながら、吸気スロットル弁開度制御モータを駆動し、吸気量センサによる検出吸気量排気ガスセンサによる排気酸素濃度を監視しながら、所定の空燃比となるように燃料噴射弁開度を制御し、更に、クランク角センサノックセンサに応動して燃料噴射時期点火時期ガソリンエンジンの場合)の制御を行なう。

0044

マイクロプロセッサCPUは、更に、入力センサ群104から入力される信号に基づいて、各種センサ検出特性個体バラツキ変動や経年変化に注目して、制御定数を適正化する学習機能を備え、更には、各種センサや電気負荷の断線・短絡異常の有無を検出し、異常発生時には異常報知を行うとともに異常発生情報を保存しておくように構成されている。

0045

前述の学習情報や異常発生情報は、一旦はRAMメモリRMEMに書込み保存され、電源スイッチ102aが開路されたときに走行距離情報とともに経歴情報RCDとして不揮発性のデータメモリDMEMに転送保存され、転送保存が完了したことによってマイクロプロセッサCPUは自己停止する。これにより、運転中信号RUNが停止して主電源閉路付勢素子103aが消勢され、主電源開閉素子103bが開路することになる。

0046

なお、RAMメモリRMEMは、主電源開閉素子103bが開路しても保持電源回路40により停電保持されているが、車載バッテリ101の電源端子が誤って開路された場合や、バッテリ電圧Vbbの電源端子の接触不良などの異常発生を想定して、RAMメモリRMEMに記憶されている一部の主要データは、データメモリDMEMに転送保存されるように構成されている。

0047

また、演算制御部120が事故記録情報ERD(Event Record Data)を送信するための、フリーズフレームデータ(Freeze frame data)を有する場合には、前述した運転誤操作関連情報やシステム異常関連情報に加えて、各種車載電子制御装置の装置単位での個別詳細情報がRAMメモリRMEMからデータメモリDMEMに転送保存される。

0048

しかし、事故発生に伴って主電源電圧Vbやバッテリ電圧Vbbが喪失した場合には、前段定電圧回路10Aや後段定電圧回路20の出力電圧は停止するが、停電補助コンデンサ131、退避電源開閉素子132、退避定電圧回路30Aが暫時の制御電圧Vccを発生して、この間にRAMメモリRMEMからデータメモリDMEMに転送保存が行われる。なお、異常監視装置106が補助電池107を有する場合であっても、事故発生から補助給電開閉素子108が閉路するまでの確認遅延時間の間は停電補助コンデンサ131が有効である。

0049

次に、演算制御部120の動作について、フローチャートを用いて説明する。図3は、この発明の演算制御部の動作を示すフローチャートである。

0050

図3において、予備ステップ301は、電源スイッチ102aが閉路されて、例えば電源リレー出力接点である主電源開閉素子103bが閉路し、前段定電圧回路10Aと後段定電圧回路20によって制御電圧Vccが演算制御部120に印加されるステップである。続く動作開始ステップ302aは、マイクロプロセッサCPUが起動され、後述の動作終了ステップ302bに至る一連の制御動作を繰り返し実行する動作開始ステップである。

0051

続くステップ303aは、異常監視装置106から事故記録情報ERDの送信要求信号を受信したかどうかを判定し、送信要求があればYESの判定を行ってステップブロック310へ移行し、送信要求がなければNOの判定を行ってステップブロック304へ移行する判定ステップである。ステップブロック304は、入力センサ群104の動作状態に応動して電気負荷群105の駆動制御を行う入出力制御ステップであり、適時に制御動作を中断して続くステップブロック305aへ移行するように構成されている。

0052

ステップブロック305aは、図4により後述する第1テーブル生成手段となる制御ブロックであり、ここでは、事故発生以前における事故関連情報が先入れ先出しされるFIFOテーブルに順次格納されてからステップ306aへ移行するようになっている。ステップ306aは、主電源電圧Vbの分圧電圧を多チャンネルAD変換器ADCによってデジタル変換して、その値が所定値未満となったかどうかを判定し、異常低下しておればYESの判定を行ってステップ306bへ移行し、正常範囲であればNOの判定を行ってステップ307へ移行する電圧低下検出手段となる判定ステップである。

0053

ステップ307は、学習情報や異常監視情報を適時のRAMメモリRMEMに書込み保存してステップ308へ移行するステップである。ステップ308は、電源スイッチ102aが閉路されているかどうかを電源スイッチ信号IGSによって確認し、電源スイッチ102aが閉路されておればYESの判定を行って動作終了ステップ302bへ移行し、電源スイッチ102aが開路されておればNOの判定を行ってステップ303bへ移行する判定ステップである。

0054

動作終了ステップ302bでは他の制御プログラムが実行され、少なくとも5[msec]以内には動作開始ステップ302aへ復帰移行するようになっている。ステップ306bは、主電源電圧Vbが異常低下したことに伴って、退避給電指令DPCを発生してステップ303bへ移行する第1の緊急退避指令手段となるステップである。ステップ303bは、異常監視装置106から事故記録情報ERDの送信要求信号を受信したかどうかを判定し、送信要求があればYESの判定を行ってステップブロック310へ移行し、送信要求がなければNOの判定を行ってステップ309aへ移行する判定ステップである。

0055

ステップ309aは、RAMメモリRMEMに対して新たな学習情報或いは異常発生情報が書込まれているときに、走行距離情報とともに経歴情報RCDとしてデータメモリDMEMに転送してステップ311へ移行する第1処理手段となるステップである。ステップ311は、ステップ306b又は後述のステップ502で発生した退避給電指令DPC及びウォッチドッグ信号WDSの発生を停止し、その結果として演算制御部120に対する給電が停止されるステップである。

0056

ステップブロック310は、図5により後述する異常処理手段となる制御ブロックであり、ここでは事故発生前後の事故記録情報ERDの編成・送信と内部転送保存、及び第2処理手段となる経歴情報RCDの内部転送保存が実行されてステップ311へ移行するようになっている。

0057

次に、図3における第1テーブル生成手段の動作を説明する。図4は、図3における第1テーブル生成手段の動作を説明するフローチャートであって、図3における第1テーブル生成手段となるステップブロック305aの動作を示している。図4において、ステップ401aは、図3のステップブロック305aの動作を開始させる動作開始ステップである。続くステップ402は、例えば100[msec]毎に60「msec」の期間だけYESの判定を行ってステップ403へ移行し、残りの40[msec]はNOの判定を行って動作終了ステップ401bを経て図3のステップ306aへ移行する判定ステップである。

0058

ステップ403は、図5で後述する第1テーブル61iの番号iの更新設定が完了したかどうかを判定し、更新未完了であればNOの判定を行ってステップ404へ移行し、更新完了であればYESの判定を行って動作終了ステップ401bを経て図3のステップ306aへ移行する判定ステップである。ステップ404は、図5で後述する第1テーブル61iの番号iの一つだけ変更してステップ405へ移行して、ステップ405において該当番号の第1テーブル61iの先頭メモリにデータ監視現在値Diが入力され、過去の入力データは次段のメモリに順次シフト移動されてから動作終了ステップ401bを経て図3のステップ306aへ移行するようになっている。

0059

なお、ステップ404におけるテーブル番号は、図3における動作開始ステップ302aから動作終了ステップ302bに至る1演算周期ごとに1回の更新が行われるので、例えば図6における第1テーブル61iのテーブル数が10個であって、演算周期が5[msec]であれば、ステップ402がYESの判定を行っている60[msec]の期間内には全ての第1テーブル611〜61nに対する監視現在値D1〜Dnの書込みとシフト動作が完了していることになる。そして、次回の書込み・シフト動作は100[msec]周期で順次実行されることになる。

0060

次に、図3における異常処理手段の動作を説明する。図5は、この発明の実施の形態1による停電後処理機能を有する車載電子制御装置の演算制御部における、異常処理手段の動作を説明するフローチャートであって、図3における異常処理手段となる制御ブロック310の動作を示している。図6は、この発明の実施の形態1による停電後処理機能を有する車載電子制御装置の演算制御部における、データメモリとデータテーブルの構成を示す説明図であって、現在値メモリ601、602、・・・60n、第1テーブル611、612、・・・61n、第2テーブル621、622、・・・62n、第1送信データメモリ631、632、・・・63n、第2送信データメモリ641、642、・・・64nを示している。なお、図6における「n」は、「1」、「2」以外の正の整数であって、それぞれの構成要素が設けられている数に相当する。

0061

ただし、図6において、現在値メモリ601、602、・・・60nは、現在値メモリ60i(i=1、2、・・・n)」で表示することができ、以下の説明では単に「現在値メモリ60i」と称することがある。第1テーブル611、612、・・・61nは、第1テーブル61i(i=1、2、・・・n)で表示することができ、以下の説明では単に「第1テーブル61i」と称することがある。また、第2テーブル621、622、・・・62nは、第2テーブル62i(i=1、2、・・・n)」で表示することができ、以下の説明では単に「第2テーブル62i」と称することがある。第1送信データメモリ631、632、・・・63nは、第1送信データメモリ63i(i=1、2、・・・n)で表すことができ、以下の説明では単に「第1送信データメモリ63i」と称することがある。更に、第2送信データメモリ641、642、・・・64nは、第2送信データメモリ64i(i=1、2、・・・n)で表示することができ、以下の説明では単に「第2送信データメモリ64i」と称することがある。

0062

図5において、ステップ501aは、図3のステップブロック310の動作を開始する動作開始ステップである。続くステップ502は、図3のステップ303a又はステップ303bによって、異常監視装置106から事故記録情報ERDの送信要求信号を受信したことに応動して、退避給電指令DPCを発生する第2の緊急退避指令手段となるステップであり、図6の中で模擬スイッチPSW1、PSW2、・・・PSWnとして示されている。

0063

続くステップ503は、ステップ502で退避給電指令DPCが発生してから所定時間を経過するか、又は異常監視装置106が事故後の監視情報の送信要求を発生したことによって再送許可判定を行い、まだ再送時期に至らずに再送不許可であればNOの判定を行ってステップ504へ移行し、再送許可であればYESの判定を行ってステップ505bへ移行する再送許可判定手段となる判定ステップである。

0064

ステップ504は、図6における監視現在値Diの書込み先を第1テーブル61iから第2テーブル62iに切換えるテーブル変更ステップであり、テーブル変更前には第1テーブル61iには事故発生以前の監視現在値Diの瞬時値Dij(Freeze frame data)が、図3のステップブロック305aによって順次書込みされており、テーブル変更によって第2テーブル62iには事故発生後の監視現在値Diの瞬時値Dik(Freeze frame data)が、後述のステップブロック305bによって順次書込みされる。

0065

続くステップ505aは、図6における第1送信データメモリ63iに対して事故記録情報ERDの編集書込みを行って、異常監視装置106へ送信する第1送信データ編成・送信手段となるステップである。続くステップ506aは、図6における第1送信データメモリ63iに対して事故記録情報ERDの編集書込みを行って、データメモリDMEMに書込みする第1送信データ転送・保存手段となるステップである。

0066

なお、図6の第1送信データメモリ63iには、事故発生時刻(送信要求信号受信時)に直近の3点の瞬時値の平均値、又は大側瞬時値と小側瞬時値を除外した中間瞬時値である第1代表値Ti0(i=1、2、・・・n)と、事故発生2秒前の3点の瞬時値の代表値である第2代表値Ti1(i=1、2、・・・n)と、事故発生6秒前の3点の瞬時値の代表値である第3代表値Ti2(i=1、2、・・・n)と、テーブル番号63i(i=1、2、・・・n)とが書込まれている。

0067

続くステップ309bは、RAMメモリRMEMに対して新たな学習情報或いは異常発生情報が書込まれているときに、走行距離情報とともに経歴情報RCDとしてデータメモリDMEMに転送してステップ305bへ移行する第2処理手段となるステップである。続くステップブロック305bは、図4により前述した第1テーブル生成手段305aと同様の第2テーブル生成手段となる制御ブロックであり、ここでは、事故発生後における事故関連情報が、図6の先入れ先出しされるFIFOテーブルである第2テーブル62iに格納されてから、順次、ステップ503へ復帰移行する第2テーブル生成手段となっている。

0068

前述のステップ503において再送許可でありYESの判定をしたことによって実行されるステップ505bは、図6における第2送信データメモリ64iに対して事故記録情報ERDの編集書込みを行って、異常監視装置106へ送信する第2送信データ編成・送信手段となるステップである。続くステップ506bは、図6における第2送信データメモリ64iに対して事故記録情報ERDの編集書込みを行って、データメモリDMEMに書込みする第2送信データ転送・保存手段となるステップであり、このステップ506bは動作終了ステップ501bを経て図3のステップ311へ移行するようになっている。

0069

なお、図6の第2送信データメモリ64iには、事故発生の1秒後に直近の3点の瞬時値の代表値である第4代表値Ti3(i=1、2、・・・n)と、事故発生2秒後の3点の瞬時値の代表値である第5代表値Ti4(i=1、2、・・・n)と、テーブル番号64i(i=1、2、・・・n)とが書込まれている。

0070

図6において、ここで使用された現在値メモリ60i、第1テーブル61i、第2テーブル62i、第1送信データメモリ63i、第2送信データメモリ64iは、RAMメモリRMEMの一部領域が使用され、現在値メモリ60iには、例えばアクセルペダルの踏込度合、スロットル弁開度、変速機のシフトレバーの選択位置、車速、エンジン回転速度などの監視現在値Di(i=1、2、・・・n)が更新書込みされている。

0071

ここで、現在値メモリ60iの個数を例えば8点(I=1.2・・8)とし、現在値メモリ601〜608に対して監視現在値Di=D1〜8が定期的に書換え入力されているものとして以下の説明を行う。第1テーブル61iは、例えば60個のシフトレジスタによって構成された先入れ先出しのデータメモリで構成され、例えば100[msec]ごとの周期で現在値メモリ60iから監視現在値Diが入力されている。従って、第1テーブル61iの最上段メモリには監視現在値Diの最新データが入力され、最下段メモリには、現在よりも6秒前(60段×100[msec])の監視現在値Diが格納されており、中段メモリには3秒前の監視現在値Diが格納されていることになる。

0072

但し、第1テーブル611〜618に対しては、同時に監視現在値D1〜D8が入力されるわけではなく、図4のステップ404において説明したとおりマイクロプロセッサCPUの1演算周期(例えば最大5[msec])ごとにどれか一つの第1テーブル61iに監視現在値Diが入力され、8回の演算周期によって全ての第1テーブル611〜618に対する入力が完了し、このような時分割書込みを100[msec]毎に繰返していることになる。

0073

図3のステップ306b又は図5のステップ502によって、主電源電圧Vbの異常低下又は異常監視装置106からのエアバッグ展開信号によって緊急退避給電指令DPCが発生すると、図5のステップ505aによって第1送信データの編成と送信が行われることになる。図6の第1送信データメモリ63i(631〜638)には、緊急退避給電指令DPC発生時点時刻0)の第1代表値Ti0と、事故発生2秒前の第2代表値Ti1と、事故発生6秒前の第3代表値Ti2とテーブル番号63iとが書込まれる。

0074

なお、ここでいう代表値Tij(j=0、1、2)は第1テーブル61iに書込みされている監視現在値Diの隣接3点の瞬時値Diの平均値又は中間値となっている。図5のステップ505a、506a、309bによって、第1送信データの編成と送信、及びデータメモリDMEMへの転送書込み、及び経歴情報RCDのデータメモリDMEMへの転送書込みが行われると、続くステップブロック305bでは、第2テーブル62iの生成が行われる。

0075

第2テーブル62iは、例えば20個のシフトレジスタによって構成された先入れ先出しのデータメモリで構成され、緊急退避給電指令DPCの発生後において例えば100[msec]ごとの周期で現在値メモリ60iから監視現在値Diが入力されている。従って、第2テーブル62iの最上段メモリには事故発生2秒後の監視現在値Diの最新データが入力され、最下段メモリには、事故発生時点の監視現在値Diが格納されており、中段メモリには1秒後の監視現在値Diが格納されていることになる。

0076

但し、第1テーブル611〜618に対しては、同時に監視現在値D1〜D8が入力されるわけではなく、図4のステップ404において説明したとおりマイクロプロセッサCPUの1演算周期(例えば最大5[msec])ごとにどれか一つの第1テーブル61iに監視現在値Diが入力され、8回の演算周期によって全ての第2テーブル621〜628に対する入力が完了し、このような時分割書込みを100[msec]毎に繰返していることになる。

0077

図3のステップ306b又は図5のステップ502によって、主電源電圧Vbの異常低下又は異常監視装置106からのエアバッグ展開信号によって緊急退避給電指令DPCが発生して、図5のステップ503によって再送許可が行われると、ステップ505bによって第2送信データの編成と送信が行われることになる。図6の第2送信データメモリ64i(641〜648)には、緊急退避給電指令DPCの発生時点(時刻0)の第1代表値Ti0と、事故発生1秒後の第4代表値Ti3と、事故発生2秒後の第5代表値Ti4とテーブル番号64iとが書込まれる。

0078

なお、ここでいう代表値Tik(k=3、4)は第2テーブル62iに書込みされている監視現在値Diの隣接3点の瞬時値Diの平均値又は中間値となっている。図5のステップ505b、506bによって、第2送信データの編成と送信、及びデータメモリDMEMへの転送書込みが行われると、図3のステップ311へ移行して緊急退避給電指令DPCの解除、ウォッチドッグ信号WDSの停止が行われ、その結果として演算制御部120に対する給電が停止されることになる。

0079

(3)実施の形態1の要点と特徴
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施の形態1による停電後処理機能を有する車載電子制御装置100Aは、車載バッテリ101から主電源開閉素子103bを介して主電源電圧Vbを受電し、この受電した主電源電圧Vbに基づいて前段定電圧回路10Aと後段定電圧回路20を介して安定化した制御電圧Vccを生成し、この生成した制御電圧Vccによって演算制御部120を動作させる。演算制御部120は、入力センサ群104の動作状態に応動して電気負荷群105を駆動制御するためのマイクロプロセッサCPUと、プログラムメモリPMEMと、演算処理用のRAMメモリRMEMと、不揮発性のデータメモリDMEMとを備える。

0080

また、この発明の実施の形態1による停電後処理機能を有する車載電子制御装置100Aは、主電源開閉素子103bを介さずに前述の車載バッテリ101が発生するバッテリ電圧Vbbが直接印加される保持電源回路40を備えており、この保持電源回路40は、主電源開閉素子103bが開路されているときに、演算制御部120におけるRAMメモリRMEMに対する記憶動作の保持用電圧を供給するように構成されている。

0081

更に、この発明の実施の形態1による停電後処理機能を有する車載電子制御装置100Aは、主電源開閉素子103bを閉路するように駆動する主電源閉路付勢素子103aを備えており、この主電源閉路付勢素子103aは、主電源閉路指令素子110に直列接続されている。主電源閉路指令素子110は、手動で操作される電源スイッチ102aが閉路されることにより閉路されるとともに、演算制御部120のマイクロプロセッサCPUの正常動作中に発生する運転中信号RUNによってその閉路状態が自己保持されるように構成されている。

0082

前述の演算制御部120は更に、前述の主電源電圧Vbの給電が途絶えたときに、少なくとも前述の主電源電圧Vbによって予め充電されている停電補助コンデンサ131と、この停電補助コンデンサ131の放電回路に設けられた退避電源開閉素子132と、この退避電源開閉素子132の出力電圧である退避電源電圧Vdが印加されて、前述の制御電圧Vccを発生する退避定電圧回路30Aを介して給電駆動されている。

0083

そして、前述の停電補助コンデンサ131は、第1逆流阻止ダイオード130aを介して前述の主電源電圧Vbから充電されるか、或いは第2逆流阻止ダイオード130bを介して前述のバッテリ電圧Vbbから充電されていて、前述の主電源開閉素子103bが開路されるか、或いは入力電源線の断線又は地絡異常が発生したときに、前述のマイクロプロセッサCPUが入出力制御を停止して停電退避処理を行うための所定期間において、マイクロプロセッサCPUの動作状態を維持する静電容量を備えている。

0084

前述の退避電源開閉素子132は、運転中信号RUNが発生している期間において閉路するように駆動されている。前述の停電退避処理は、電源スイッチ102aが開路操作されたときに、前述のRAMメモリRMEMに書込みされていた一部の主要データである経歴情報RCDを前述のデータメモリDMEMに転送保存する正常時の第1処理手段309aと、前述の主電源電圧Vbが所定の閾値以下に異常低下したときに、前述の経歴情報RCDをデータメモリDMEMに転送保存する第2処理手段309bとを備え、前述の停電退避処理が完了すると、マイクロプロセッサCPUはその動作を停止して、前述の運転中信号RUNを解除する停電後処理が行われるようになっている。

0085

前述の前段定電圧回路10Aを構成する前段出力トランジスタ11Aと後段定電圧回路20を構成する後段出力トランジスタ21のうちの少なくとも一方は、バイポーラ型の出力トランジスタが使用されている。

0086

以上のとおり、請求項2に記載の発明に関連し、前段定電圧回路と後段定電圧回路のうちの少なくとも一方には、バイポーラ型の出力トランジスタが使用されている。従って、電源線の断線又は地絡異常によって主電源電圧Vbが異常低下したときに、停電補助コンデンサの充電電荷が逆流放出されるのを防止することができる特徴がある。

0087

なお、出力トランジスタとして電界効果型トランジスタが使用されていると、その寄生ダイオードによる逆流回路が発生するが、NPN接合型のバイポーラ型トランジスタを用いるとこの逆導通が防止されるものである。また、電界効果型トランジスタを使用して、逆流防止ダイオードを直列接続することもできるが、この場合には、車載エンジン寒冷始動時などにおいて車載バッテリの電源電圧が低下すると、逆流防止ダイオードによる電圧降下によって演算制御部の動作状態を維持することができなくなる課題が発生するものであり、これを排除することによって、演算制御部が動作可能な車載バッテリの電源電圧の下限値をより小さくすることができる特徴がある。これは、後述する実施の形態2と実施の形態3についても同様である。

0088

前述の退避電源開閉素子132は、マイクロプロセッサCPUが運転中信号RUNを発生しているときに閉路駆動されて退避電源電圧Vdを退避定電圧回路30Aに供給するように構成されている。退避定電圧回路30Aは、後段定電圧回路20の出力電圧である制御電圧Vccよりも実質的に低い出力電圧を発生するように設定されていて、後段定電圧回路20が制御電圧Vccを発生しているときには、前述の退避定電圧回路30Aの出力トランジスタ31は開路状態となり、後段定電圧回路20の出力電圧が異常低下するか、又は出力停止したことによって前述の演算制御部120への給電するように構成されている。

0089

以上のとおり、請求項3に記載の発明に関連し、退避電源開閉素子はマイクロプロセッサの運転中には常時閉路駆動されているが、退避定電圧回路は後段定電圧回路が出力停止又は出力低下したときに演算制御部に給電するようになっている。従って、退避電源開閉素子は、主電源閉路付勢素子に対する自己保持給電を行うための運転中信号をそのまま用いて手軽に閉路駆動することができるとともに、後段定電圧回路の正常動作中は退避定電圧回路の出力電流は発生しないので、退避定電圧回路は停電退避処理時の短時間定格のものとなって発熱が抑制される特徴がある。また、停電退避処理時に演算制御部に印加される電圧を通常運転時よりも低下させておくと、停電補助コンデンサの放電電流が抑制される特徴がある。

0090

前述の第1処理手段309aは、電源スイッチ102aが閉路状態から開路状態に変化したことによって実行され、電源スイッチ102aが閉路状態であった期間内で、前述のRAMメモリRMEMに書込みされていた学習情報、異常発生情報を含む前述の経歴情報RCDが、不揮発性の前述のデータメモリDMEMに転送保存されている。前述の経歴情報RCDは、更に、定期的又は新規な前述の学習情報又は異常発生情報が発生しているときに書込みされる車両の走行距離情報を包含している。この走行距離情報は、走行距離計から入手するか、又は入力センサ群104に含まれる車速センサの出力パルスを計数加算した値を前述のRAMメモリRMEMに更新保存したものとなっている。

0091

以上のとおり、請求項6に記載の発明に関連し、正常運転・停止に伴う第1処理手段は、学習情報や異常監視情報に加えて車両の走行距離情報を包含している。従って、様々な学習情報や異常発生情報の発生時期に関する経歴を把握することができるとともに、走行距離を車速センサを用いて算出した場合であっても、RAMメモリは電源保持回路によって停電保持されており、万一車バッテリの電源端子が開放されて、この走行距離情報が消失しても、定期的に走行距離情報をデータメモリに転送保存しておくようにしておけば実害は発生しない特徴がある。これは、後述の実施の形態2と実施の形態3についても同様である。

0092

前述の主電源電圧Vbによる分圧電圧は、多チャンネルAD変換器ADCを介してマイクロプロセッサCPUに入力されている。マイクロプロセッサCPUは、主電源電圧Vbが異常低下したことを検出する電圧低下検出手段306aと、退避給電指令DPCを発生する第1の緊急退避指令手段306bとを備えている。前述の第2処理手段309bは、車載バッテリ101からの電源配線の断線異常、又は電源配線が車体グランド回路と混触する地絡異常が発生して、主電源電圧Vbが異常低下したことによって実行され、少なくとも前述の経歴情報RCDがデータメモリDMEMに転送保存されるようになっている。

0093

以上のとおり、請求項7に記載の発明に関連し、主電源電圧の異常に伴う第2処理手段は、電源スイッチが開路されていなくても実行されて、少なくとも学習情報や異常監視情報がデータメモリに転送保存されるようになっている。従って、車載バッテリの端子外れなどによって主電源電圧の異常低下が検出された場合にあっては、保持電源回路によるRAMメモリの停電保持も不可能な状態になるが、停電補助コンデンサによって不揮発性のデータメモリに転送保存しておくことができる特徴がある。これは、後述する実施の形態2と実施の形態3についても同様である。

0094

前述のマイクロプロセッサCPUは、シリアルインタフェース126を介して車両の異常監視装置108から緊急異常通報を受信したときに実行される異常処理手段310を備えるとともに、前述のRAMメモリRMEMは、マイクロプロセッサCPUによる複数の監視現在値データD1、D2、・・・Dn(以下、Diと称する)が格納される現在値メモリ601、602、・・・60n(以下、60iと称する)と、監視現在値Diの瞬時値Dij、Dik(Freeze frame data)が順次格納される先入れ先出しのFIFOテーブルである第1テーブル611、612、・・・61n(以下61iと称する)、及び第2テーブル621、622、・・・62n(以下62iと称する)を備えている。第1テーブル61iには、 第1テーブル生成手段305aによって事故発生以前の前述の瞬時値Dijが所定期間ごとに順次格納されるとともに、前述の第2テーブル62iには、第2テーブル生成手段305bによって事故発生後の前述の瞬時値Dikが所定期間ごとに順次格納される。

0095

前述のRAMメモリRMEMは、更に、第1送信データメモリ631、632、・・・63n(以下、63iと称する)と、第2送信データメモリ641、642、・・・64n(以下、64iと称する)とを備えている。第1送信データメモリ63iには、第1テーブル61iの中の事故発生時及び事故発生前の複数の時刻帯における代表値Ti0、Ti1、Ti2(以下、Tijと称する)が格納され、この格納された代表値Tijは、事故記録情報(Event Record Data)として前述の異常監視装置106に送信される。第2送信データメモリ64iには、第2テーブル62iの中の事故発生後の一つ又は複数の時刻帯における代表値Ti3、Ti4(以下、Tikと称する)が格納され、この格納された代表値Tikは、事故記録情報(Event Record Data)として前述の異常監視装置106に送信される。

0096

前述の異常処理手段310は、異常監視装置106が発生する事故記録情報の送信要求指令に基づいて、退避給電指令DPCを発生する第2の緊急退避指令手段502と、再送可否判定手段503と、第1送信データメモリ63iに格納される送信データの編集と送信を行う第1送信データ編成・送信手段505aと、この第1送信データ編成・送信手段505aに続いて実行される第2処理手段309bと、第2テーブル62iを生成する第2テーブル生成手段305bと、第2送信データメモリ64iに格納される送信データの編集と送信を行う第2送信データ編成・送信手段505bとを備えている。

0097

前述の再送可否判定手段503は、第2の緊急退避指令手段502による退避給電指令DPCが発生してから所定時間を経過するか、又は前述の異常監視装置106が事故後の監視情報の送信要求を発生したことによって再送許可判定を行い、第2送信データ編成・送信手段505bは、再送可否判定手段503が再送許可判定を行ったことによって実行されるように構成されている。

0098

以上のとおり、請求項8に記載の発明に関連し、車両事故発生前に第1テーブルに書込みされた事故分析のための監視情報のフリーズデータは、事故発生にともなう送信要求が発生したことによって集約されて、異常監視装置に送信され、事故発生後に第2テーブルに書込みされたフリーズデータは、事故発生の所定時間後において集約されて異常監視装置に分割送信されるように構成されている。従って、事故発生に伴って電源異常が発生していないときには、第1送信データと第2送信データを送信することができるとともに、事故発生に伴って電源喪失が発生した場合であっても第1送信データだけは送信可能とすることで、停電補助コンデンサの静電容量を過度に大きくする必要がない特徴がある。これは、後述の実施の形態2と実施の形態3についても同様である。

0099

前述の第1送信データメモリ63iに格納される代表値Tij、又は第2送信データメモリ64iに格納される前述の代表値Tikは、第1テーブル61i又は第2テーブル62iにおける送信対象となった所定時刻及びその前後の隣接時刻における前述の瞬時値Dij、Dikの平均値又は中間瞬時値が適用されている。

0100

以上のとおり、請求項9に記載の発明に関連し、異常監視装置に送信される車両事故前後の第1送信データと第2送信データは、高頻度瞬時値データが順次格納されている第1テーブル又は第2テーブルの中の複数の時刻帯における瞬時値の平均値又は中間瞬時値となっている。従って、瞬時値データの一つにノイズが含まれていた場合に、これが緩和されて精度の悪化が防止されるので、数点の少ない送信データであっても、送信データの直線補間を行って、事故前後の状態変化を正確に捕捉することができる特徴がある。なお、送信データ数を多くして、直線補間時にノイズ成分を除去することもできるが、この場合には送信所要時間が延長されるので、停電補助コンデンサの静電容量を大きくする必要がある。これは、後述の実施の形態2と実施の形態3についても同様である。

0101

前述の異常監視装置106は、複数の車載電子制御装置が発生する事故記録情報ERDを集約して地上局に対して無線送信するか、補助電池107を内蔵した耐熱容器に格納されている。異常処理手段310は、更に、第1送信データ転送・保存手段506aと第2送信データ転送・保存手段506bとを備えている。第1送信データ転送・保存手段506aは、第1送信データメモリ63iの内容を、不揮発性の前述のデータメモリDMEMに転送保存する手段であって、第1送信データ編成・送信手段505aの直前又は直後にその処理動作が実行される。第2送信データ転送・保存手段506bは、第2送信データメモリ64iの内容を、不揮発性の前述のデータメモリDMEMに転送保存する手段であって、第2送信データ編成・送信手段505bの直前又は直後にその処理動作が実行される。

0102

前述の第1送信データ編成・送信手段505aによって異常監視装置106に送信されるデータは、第1送信データメモリ63iに格納された複数の前述の代表値Tijの一部又は全部であって、少なくとも運転操作を誤ったことによる車両事故に関連する情報を包含する。第2送信データ編成・送信手段505bによって異常監視装置106に送信されるデータは、第2送信データメモリ64iに格納された複数の前述の代表値Tikの一部又は全部であって、少なくとも運転操作を誤ったことによる車両事故に関連する情報を包含している。

0103

以上のとおり、請求項10に記載の発明に関連し、第1又は第2送信データ編成・送信手段によって異常監視装置に送信されるデータは、第1又は第2送信データメモリに格納された複数の代表値の一部又は全部であって、少なくとも運転操作を誤ったことによる車両事故に関連する情報を包含する。第1又は第2送信データ転送・保存手段は、第1又は第2送信データメモリの全ての内容を、不揮発性のデータメモリに転送保存する手段であって、第1又は第2送信データ編成・送信手段の直前又は直後にその処理が実行されるようになっている。

0104

従って、事故記録情報が異常監視装置と車載電子制御装置の双方に分散記憶される特徴があるとともに、異常監視装置は少なくとも運転操作を誤ったことによる車両事故に関連する情報を包含し、不揮発性のデータメモリは車載電子制御装置側における詳細な事故記録情報及びが付加されて、異常発生要因の詳細分析が行えるようになる特徴がある。なお、異常監視装置が補助電池を内蔵している場合であっても、事故記録情報は事故発生前後に分割して送信しておいたほうが無難であり、これは車載電子制御装置内部に補助電池を設けた場合であっても同様である。これは、後述する実施の形態2と実施の形態3についても同様である。

0105

前述のマイクロプロセッサCPUは、主電源閉路指令素子110が閉路駆動されたことによって制御動作を開始して運転中信号RUNを発生し、第1処理手段309a又は前述の第2処理手段309bが動作を完了したことに伴って自己停止して前述の運転中信号RUNも停止するように構成されている。更に、前述の主電源閉路指令素子110は、電源スイッチ102aの開閉動作に応動する電源投入検出回路111を介して閉路するように駆動されるとともに運転中信号RUNによってその閉路状態が自己保持される。

0106

前述の電源投入検出回路111は、第1処理手段309a又は前述の第2処理手段309bが動作完了したことにより、運転中信号RUNが停止すると、電源スイッチ102aを再閉路しなければ主電源閉路指令素子110を再閉路しない継続動作禁止回路となっている。

0107

以上のとおり、請求項11に記載の発明に関連し、電源スイッチの閉路動作に伴う主電源開閉素子の直接閉路駆動には、電源投入検出回路による継続動作禁止回路が設けられている。従って、電源スイッチの閉路状態において第1処理手段又は第2処理手段が実行完了した場合に、電源スイッチを再閉路しなければマイクロプロセッサは制御動作を再開することがなく、運転手が意図しないで停止中のマイクロプロセッサが再起動されることがない特徴がある。

0108

実施の形態2.
(1)構成と作用の詳細な説明
以下、この発明の実施の形態2による停電後処理機能を有する車載電子制御装置100Bの構成を詳細に説明する。図7は、この発明の実施の形態2による停電後処理機能を有する車載電子制御装置の全体回路ブロック図である。以下の説明では、前述の図1との相違点を中心にして、その構成と作用を詳細に説明する。なお、図7に示す車載電子制御装置と、図1に示す車載電子制御装置との主な相違点は、図1におけるロータリ式の電源スイッチ102aに代えて図7では押しボタン式の電源スイッチ102bが使用されていること、図1における電源投入検出回路111に代えて図7では交番反転記憶回路114が使用されていること、及び、図1では退避電源開閉素子132が運転中信号RUNにより閉路するように駆動されるのに代えて、図7では退避電源開閉素子132は退避給電指令DPCにより閉路するように駆動されることである。そして、図7では退避電源開閉素子132は退避給電指令DPCにより閉路するように駆動される結果、図1における退避定電圧回路30Aに代えて図7では退避定電圧回路30Bが使用されている。

0109

図1の前段定電圧回路10Aと図7の前段定電圧回路10Bは、相互に入れ換えて使用することができるので、図1では「前段定電圧回路10A(10B)」と記載し、図7では「前段定電圧回路10B(10A)」と記載しているが、発明の詳細な説明における図1の説明では「前段定電圧回路10A」とし、図7の説明では「前段定電圧回路10B」として説明している。

0110

各図において同一符号は同一又は相当部分を示している。図1では車載電子制御装置を100Aで示すが、図7では車載電子制御装置を100Bで示している。なお、符号末尾大文字英字によって実施の形態の区分を示している。

0111

図7において、車載電子制御装置100Bの外部には、図1に示す車載電子制御装置100Aの場合と同様に、車載バッテリ101、主電源閉路付勢素子103a、主電源開閉素子103b、入力センサ群104、電気負荷群105、異常監視装置106が接続されている。車載電子制御装置100Bは、主電源電圧Vbとバッテリ電圧Vbbが供給される。異常監視装置106は、補助電池107を含んでいてもよい。

0112

車載電子制御装置100Bの内部に設けられた交番反転記憶回路114は、瞬時接触型の押しボタンスイッチである電源スイッチ102bが閉路されるとセットされ、再度閉路されるとリセットされるフリップフロップ回路によって構成されており、この交番反転記憶回路114の初期状態リセット状態であるとともに、マイクロプロセッサCPUが発生する退避給電指令DPCによってもリセットされるように構成されている。

0113

従って、電源スイッチ102bを一度閉路すると、交番反転記憶回路114はセットされ、このセット出力によって主電源閉路指令素子110が閉路するように駆動されて、主電源閉路付勢素子103aを介して主電源開閉素子103bが閉路し、演算制御部120に制御電圧Vccが印加されてマイクロプロセッサCPUが制御動作を開始する。

0114

また、交番反転記憶回路114のセット出力によって電源スイッチ信号IGSがマイクロプロセッサCPUに入力されていて、マイクロプロセッサCPUの正常動作に伴って発生する運転中信号RUNによって、主電源閉路指令素子110における閉路状態の自己保持が行われる。ここで、電源スイッチ102bを再度閉路すると交番反転記憶回路114はリセットされ、電源スイッチ信号IGSが解除されることによってマイクロプロセッサCPUは第1処理手段による停電退避処理を行って自己停止し、その結果、運転中信号RUNが停止して自己保持回路が解除されて主電源開閉素子103bが開路する。

0115

しかし、交番反転記憶回路114がセット出力を発生していて、電源スイッチ103bを再閉路する操作を行っていない運転状態において、主電源電圧Vbの異常低下が発生すると、マイクロプロセッサCPUは退避給電指令DPCを発生して交番反転記憶回路114をリセットするとともに、緊急退避処理を行ってから自己停止して運転中信号RUNが解除され、これによって主電源開閉素子103bが開路する。これは、異常監視装置106による事故記録情報の送信要求が発生した場合も同様であり、このような緊急退避処理が行われた後は、電源スイッチ102bを再閉路しなければ運転開始することができないようになっている。

0116

次に、図7に示す車載電子制御装置100Bにおける前段定電圧回路10Bと、退避定電圧回路30Bの構成を詳細に説明する。図8Aは、図7における前段定電圧回路の詳細回路図、図8Bは、図7における退避定電圧回路の詳細回路図である。

0117

図8Aにおいて、前段定電圧回路10Bは、PNP接合型のバイポーラ型トランジスタである前段出力トランジスタ11Bを主体として構成され、そのエミッタ端子は主電源電圧端子Tbに接続されて主電源電圧Vbが印加され、コレクタ端子は平滑用リアクトルである誘導素子12bを介して中間電圧端子Taに接続されており、この中間電圧端子Taに中間電圧Vaを発生させるようになっている。

0118

転流ダイオード12aは、前段出力トランジスタ11Bと誘導素子12bとの接続点とグランド回路との間に接続され、出力コンデンサ13は誘導素子12bとグランド回路との間に接続されていて、断続制御される前段出力トランジスタ11Bが開路したときに、誘導素子12bに流れていた出力電流が転流ダイオード12aと出力コンデンサ13に還流するように構成されている。

0119

比較回路14aの正端子には、基準電圧14bとして7.5/3=2.5[V]が印加されている。出力コンデンサ13には、その両端電圧を検出するための3個の分圧抵抗15の直列回路が並列接続されており、下流位置の分圧抵抗15の両端電圧は比較回路14aの負端子に接続されている。デューティ制御回路19は、比較回路14aの出力電圧に応動して、中間電圧Vaが目標とする7.5[V]未満であるときには、前段出力トランジスタ11Bのオン期間とオン・オフ周期との比率である通電デューティを高め、7.5[V]を超過すると通電デューティをゼロにする負帰還制御を行うように構成されている。

0120

なお、バイポーラ型のトランジスタは電界効果型トランジスのような内部寄生ダイオードが存在しないので、主電源電圧端子Tbに至る電源配線がグランド回路に混触する地絡異常が発生しても、中間電圧Vaはグランド回路に逆流接続されることはない。しかし、この実施の形態2の場合は、実施の形態1の場合と同様に、後段定電圧回路20にバイポーラ型トランジスタが使用されているので、前段定電圧回路10Bは、図1における前段定電圧回路10Aと同じ電界効果型のものを使用することができる。

0121

次に、図8Bにおいて、退避定電圧回路30Bは、実施の形態1による図2Cの退避定電圧回路30Aと同様に構成されており、図2Cにおける20番台の符号を、図8Bでは30番台に変えて表示している。しかし、図2Cの基準電圧34bbに代わる図8Bの基準電圧34bは、5/2=2.5[V]となっているので、この退避定電圧回路30Bの目標とする制御電圧Vccはその2倍となる5.0[V]となっている。

0122

従って、図2Bによる後段定電圧回路20の目標とする制御電圧Vccを、例えば5.0[V]±1[%]とし、図8Bによる退避定電圧回路30Bの目標とする制御電圧Vccを、例えば5.0[V]±2[%]とした場合、図7で示すように後段定電圧回路20と退避定電圧回路30Bとの並列出力回路が構成されていると、主電源電圧Vbが有効である場合には制御電圧Vccが大きい方の定電圧回路の出力電流が多くなるが、退避定電圧回路30Bが作動するのは退避給電指令DPCが作動している短時間であるため、退避定電圧回路30Bには温度上昇が少なく、短時間定格で小形小容量のものが使用されている。

0123

但し、後段定電圧回路20と退避定電圧回路30Bとの協働期間における電圧制御の安定性を考慮すると、図2Cの場合と同様に退避定電圧回路30B側の出力電圧を小さい目にしておくのが望ましい。
実施の形態2におけるマイクロプロセッサCPUの制御動作は、図3図6で説明したとおりである。但し、実施の形態1では、退避電源開閉素子132が運転中信号RUNによって駆動されているので、図3のステップ306bによる退避給電指令DPCは使用されておらず、図5のステップ502による退避給電指令DPCはステップ504において使用されて、図6における模擬スイッチPSW1、PSW2、・・・PSWnに相当する制御を行っている。これに対し、実施の形態2では、図3のステップ306bによる退避給電指令DPC及び図5のステップ502による退避給電指令DPCによって退避電源開閉素子132が閉路するように駆動される。

0124

(2)実施の形態2の要点と特徴
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施の形態2による停電後処理機能を有する車載電子制御装置100Bは、車載バッテリ101から主電源開閉素子103bを介して主電源電圧Vbを受電して、前段定電圧回路10Bと後段定電圧回路20を介して安定化された制御電圧Vccが生成され、この制御電圧Vccによって演算制御部120は動作する。この演算制御部120は、入力センサ群104の動作状態に応動して電気負荷群105を駆動制御するためのマイクロプロセッサCPUと、プログラムメモリPMEMと、演算処理用のRAMメモリRMEMと、不揮発性のデータメモリDMEMとを備える。

0125

また、この発明の実施の形態2による停電後処理機能を有する車載電子制御装置100Bは、主電源開閉素子103bを介さずに前述の車載バッテリ101が発生するバッテリ電圧Vbbが直接印加される保持電源回路40を備えており、この保持電源回路40は、主電源開閉素子103bが開路されているときに、演算制御部120におけるRAMメモリRMEMに対する記憶動作の保持用電圧を供給するように構成されている。

0126

更に、この発明の実施の形態2による停電後処理機能を有する車載電子制御装置100Bは、主電源開閉素子103bを閉路するように駆動する主電源閉路付勢素子103aを備えており、この主電源閉路付勢素子103aは、主電源閉路指令素子110に直列接続されている。主電源閉路指令素子110は、手動で操作される電源スイッチ102bが閉路されることにより閉路されるとともに、演算制御部120のマイクロプロセッサCPUの正常動作中に発生する運転中信号RUNによってその閉路状態が自己保持されるように構成されている。

0127

前述の演算制御部120は、更に、前述の主電源電圧Vbの給電が途絶えたときに、少なくとも前述の主電源電圧Vbによって予め充電されている停電補助コンデンサ131と、この停電補助コンデンサ131の放電回路に設けられた退避電源開閉素子132と、この退避電源開閉素子132の出力電圧である退避電源電圧Vdが印加されて、前述の制御電圧Vccを発生する退避定電圧回路30Bを介して給電されて駆動される。

0128

そして、前述の停電補助コンデンサ131は、第1逆流阻止ダイオード130aを介して前述の主電源電圧Vbから充電されるか、或いは第2逆流阻止ダイオード130bを介して前述のバッテリ電圧Vbbから充電されていて、前述の主電源開閉素子103bが開路されるか、或いは入力電源線の断線又は地絡異常が発生したときに、前述のマイクロプロセッサCPUが入出力制御を停止して停電退避処理を行うための所定期間において、前述のマイクロプロセッサCPUの動作状態を維持する静電容量を備えている。

0129

前述の退避電源開閉素子132は、マイクロプロセッサCPUが停電退避処理を行うための前述の所定期間において閉路するように駆動されている。停電退避処理は、電源スイッチ102bが開路操作されたときに、前述のRAMメモリに書込みされていた一部の主要データである経歴情報RCDを前述のデータメモリDMEMに転送保存する第1処理手段309aと、前述の主電源電圧Vbが所定の閾値以下に異常低下したときに、前述の経歴情報RCDを前述のデータメモリDMEMに転送保存する第2処理手段309bとを備えている。前述の停電退避処理が完了したとき、前述のマイクロプロセッサCPUはその動作を停止して、前述の運転中信号RUNの発生を解除する停電後処理が行われるようになっている。

0130

前述の退避電源開閉素子132は、前述の主電源電圧Vbが所定の閾値電圧以下であるときに、前述のマイクロプロセッサCPUが発生する退避給電指令DPCによって閉路するように駆動され、退避電源電圧Vdを発生して前述の退避定電圧回路30Bに供給する。退避電源電圧Vdが供給された前述の退避定電圧回路30Bの出力電圧は、前述の後段定電圧回路20の出力電圧である前述の制御電圧Vccよりも低く設定され、前述の後段定電圧回路20の出力電圧が異常低下するか、又は出力停止しているときには、前述の退避定電圧回路30Bによって演算制御部120に給電されるように構成されている。

0131

以上のとおり、請求項4に記載の発明に関連し、退避電源開閉素子は、マイクロプロセッサの停電退避処理中には暫時閉路駆動されているが、退避定電圧回路は後段定電圧回路が出力停止又は出力低下したときに演算制御部に給電するようになっている。また、停電退避処理中に後段定電圧回路が制御電圧Vccを発生しているときには、演算制御部は退避定電圧回路又は後段定電圧回路の両方から分担給電されるようになっている。従って、マイクロプロセッサが入出力制御を行う通常運転時は、退避電源開閉素子が開路しているので、退避定電圧回路の出力電流は発生せず、退避定電圧回路は停電退避処理時の短時間定格のものとなって発熱が抑制される特徴がある。

0132

なお、退避定電圧回路の出力電圧を後段定電圧回路の出力電圧である制御電圧Vcc未満の値にして、停電退避処理時に演算制御部に印加される電圧を通常運転時よりも低下させておくと、停電補助コンデンサの放電電流が抑制される特徴がある。

0133

前述のマイクロプロセッサCPUは、主電源閉路指令素子110が閉路するように駆動されたことによって制御動作を開始して運転中信号RUNを発生し、前述の第1処理手段309a又は前述の第2処理手段309bが実行完了したことに伴って自己停止して前述の運転中信号RUNも停止させる。主電源閉路指令素子110は、電源スイッチ102bの開閉動作に応動する交番反転記憶回路114を介して閉路するように駆動され、その閉路状態が運転中信号RUNによって自己保持される。

0134

前述の交番反転記憶回路114は、前述の第1処理手段309a又は前述の第2処理手段309bが動作完了したことにより、前述の運転中信号RUNが停止すると、電源スイッチ102bを再閉路しなければ、主電源閉路指令素子110を再閉路しない継続動作禁止回路となっている。

0135

以上のとおり、請求項11に記載の発明に関連し、電源スイッチの閉路動作に伴う主電源開閉素子の直接閉路駆動には、交番反転記憶回路による継続動作禁止回路が設けられている。従って、電源スイッチの閉路状態において第1処理手段又は第2処理手段が実行を完了した場合に、電源スイッチを再閉路しなければマイクロプロセッサは制御動作を再開することがなく、運転手が意図しないで停止中のマイクロプロセッサが再起動されることがない特徴がある。

0136

実施の形態3.
(1)構成と作用の詳細な説明
以下、この発明の実施の形態3による停電後処理機能を有する車載電子制御装置の構成を詳細に説明する。図9は、この発明の実施の形態3による停電後処理機能を有する車載電子制御装置の全体回路ブロック図である。以下の説明では、図1の車載電子制御装置との相違点を中心にして、その構成と作用を詳細に説明する。なお、図9の車載電子制御装置と図1の車載電子制御装置との主な相違点は、図9の車載電子制御装置では電源スイッチ102aの閉路動作に応動する電源投入検出回路111が使用されておらず、電源スイッチ102aが閉路しているときにはいつでも主電源閉路指令素子110が閉路するように駆動されるように構成されている点である。

0137

また、図9に示す実施の形態3による車載電子制御装置では、退避電源開閉素子132は、運転中信号RUNに代わって退避給電指令DPCによって閉路するように駆動されるとともに、前段定電圧回路10Aに代わって前段定電圧回路10Cが使用され、更に、退避定電圧回路30Aに代わって後段定電圧回路20が使用されている。また、停電補助コンデンサ131は、電源スイッチ102aから第3逆流阻止ダイオード130cを介して充電され、第2逆流阻止ダイオード130bからの充電回路は削除されている。

0138

各図において同一符号は同一又は相当部分を示している。図1では車載電子制御装置を100Aで示すが、図9では車載電子制御装置を100Cで示している。なお、符号末尾の大文字の英字によって実施の形態の区分を示している。

0139

図9において、車載電子制御装置100Cの外部には、車載電子制御装置100Aの場合と同様に、車載バッテリ101、電源スイッチ102a、主電源閉路付勢素子103a、主電源開閉素子103b、入力センサ群104、電気負荷群105、異常監視装置106が接続されている。車載電子制御装置100Cには、主電源電圧Vbとバッテリ電圧Vbbが供給される。異常監視装置106は、補助電池107を含んでいてもよい。

0140

車載電子制御装置100Cの内部において、主電源閉路指令素子110は、電源スイッチ102aによって直接閉路駆動されていて、電源スイッチ102aを開路しなければ常に主電源開閉素子103bが閉路されている。しかし、退避電源開閉素子132は、主電源電圧Vbが異常低下したときに図3のステップ306bで発生する退避給電指令DPC、又は異常監視装置106から事故記録情報ERDの送信要求信号を受信したときに、図5のステップ502で発生する退避給電指令DPCによって閉路するように駆動され、退避電源開閉素子132が閉路されているときは、前段定電圧回路10Cの出力トランジスタが開路するように構成されている。

0141

また、微小電力の保持電源回路40は、バッテリ電圧Vbbから第2逆流阻止ダイオード130bを介して直接給電されているが、停電補助コンデンサ131は電源スイッチ102aから第3逆流阻止ダイオード130cを介して充電されるようになっているので、駐車中漏電回路減殺されている。そして、電源スイッチ102aと主電源開閉素子103bのいずれかが閉路しておれば停電補助コンデンサ131の充電が行われており、電源スイッチ102aが開路されても運転中信号RUNによって自己保持動作が行われている通常の退避運転では、退避動作が完了するまでは主電源開閉素子103bが閉路しているので、停電補助コンデンサ131が放電することはない。

0142

更に、電源スイッチ102aが閉路しているときに、主電源電圧Vbの電源配線異常や配線コネクタの接触不良が発生したり、主電源開閉素子103bの接触不良が発生した場合の退避運転では、電源スイッチ102aから停電補助コンデンサ131の充電が持続している。従って、停電補助コンデンサ131が有効となるのは、車載バッテリ101の主幹電源配線の断線・地絡異常の発生によってバッテリ電圧Vbb、主電源電圧Vbが得られなくなった場合となっている。

0143

次に、図9に示す車載電子制御装置における前段定電圧回路の構成を詳細に説明する。図10は、この発明の実施の形態3による停電後処理機能を有する車載電子制御装置における、前段定電圧回路の詳細回路図である。図10において、前段定電圧回路10Cは、PNP接合型のバイポーラ型トランジスタである前段出力トランジスタ11Cを主体として構成され、そのエミッタ端子は主電源電圧端子Tbに接続されて主電源電圧Vbが印加され、コレクタ端子は平滑用リアクトルである誘導素子12bを介して中間電圧端子Taに接続され、この中間電圧端子Taから中間電圧Vaを発生させるように構成されている。

0144

転流ダイオード12aは、前段出力トランジスタ11Cと誘導素子12bとの接続点とグランド回路との間に接続され、出力コンデンサ13は、誘導素子12bとグランド回路との間に接続されていて、断続制御される前段出力トランジスタ11Cが開路したときに、誘導素子12bに流れていた出力電流は転流ダイオード12aと出力コンデンサ13に還流するようになっている。

0145

比較回路14aの正端子には基準電圧14bとして7.5/3=2.5[V]が印加され、出力コンデンサ13にはその両端電圧を検出するための3個の分圧抵抗15の直列回路が並列接続されている。下流位置の分圧抵抗15の両端電圧は、比較回路14aの負端子に接続されている。デューティ制御回路19は、比較回路14aの出力電圧に応動して、中間電圧Vaが目標とする7.5[V]未満であるときには前段出力トランジスタ11Cのオン期間とオン・オフ周期との比率である通電デューティを高め、7.5[V]を超過すると通電デューティをゼロにする負帰還制御を行うようになっている。

0146

但し、デューティ制御回路19には、出力停止トランジスタ18aとベース抵抗18bと出力反転素子18cによって構成された出力停止回路18が接続されていて、退避給電指令DPCが発生してその論理レベルが「H」であるときには、出力停止トランジスタ18aが開路して前段出力トランジスタ11Cの出力発生禁止するようになっている。

0147

なお、バイポーラ型のトランジスタは、電界効果型トランジスのような内部寄生ダイオードが存在しないので、主電源電圧端子Tbに至る電源配線がグランド回路に混触する地絡異常が発生しても、中間電圧Vaはグランド回路に接続されることはない。

0148

実施の形態3におけるマイクロプロセッサCPUの制御動作は、図3図6で説明したとおりである。但し、実施の形態1では、退避電源開閉素子132は運転中信号RUNによって駆動されているので、図3のステップ306bによる退避給電指令DPCは使用されておらず、図5のステップ502による退避給電指令DPCはステップ504において使用されて、図6における模擬スイッチに相当する制御を行っている。これに対して、実施の形態3では、図3のステップ306bによる退避給電指令DPC及び図5のステップ502による退避給電指令DPCによって退避電源開閉素子132が閉路駆動され、このとき前段定電圧回路10Cの前段出力トランジスタ11Cが開路されるようになっている。

0149

以上の説明では、演算制御部120に対する分割電源回路50について細部の説明を省略したが、マイクロプロセッサCPUや各メモリの高速動作を行うためにはその駆動電圧はなるべく小さくするとともに、通信回路や入力インタフェース124、出力インタフェース125、多チャンネルAD変換器ADCの入力回路部などはDC5[V]が使用されている。従って、入出力制御を行わない停電退避処理中にあっては、入力インタフェース124と出力インタフェース125に対する電源回路を遮断しておくと、停電補助コンデンサ131の静電容量を小さくするよう改善することができる。

0150

また、図3のステップ309aにおける第1処理手段や、図5のステップ309bにおける第2処理手段において、転送保存するべき経歴情報RCDの重要度軽重の区分を行い、主電源電圧Vbが異常低下しているときには重度情報のみをデータメモリDMEMに転送保存するような差別化を行ってもよい。

0151

また、図5のステップ505bやステップ506bでは、事故発生後の複数回の事故記録情報ERDを一括して送信・転送しているが、所定時間毎の事故記録情報ERDが得られた都度に送信・転送するようにしてもよい。これは、実施の形態1、実施の形態2についても同様である。

0152

(2)実施の形態3の要点と特徴
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施の形態3による停電後処理機能を有する車載電子制御装置100Cは、車載バッテリ101から主電源開閉素子103bを介して主電源電圧Vbを受電し、前段定電圧回路10Cと後段定電圧回路20を介して安定化された制御電圧Vccを生成する。演算制御部120は、この制御電圧Vccによって動作する。演算制御部120は、入力センサ群104の動作状態に応動して電気負荷群105を駆動制御するためのマイクロプロセッサCPUと、プログラムメモリPMEMと、演算処理用のRAMメモリRMEMと、不揮発性のデータメモリDMEMとを備える。

0153

前述の車載バッテリ101が発生するバッテリ電圧Vbbは、開閉素子を介さずに保持電源回路40に直接印加され、主電源開閉素子103bが開路されているときに、RAMメモリRMEMに対する記憶動作の保持用電圧を供給する。主電源開閉素子103bを閉路するように駆動する主電源閉路付勢素子103aには、主電源閉路指令素子110が直列接続されている。この主電源閉路指令素子110は、電源スイッチ102aが閉路されたことによって閉路されるとともに、マイクロプロセッサCPUの正常動作中に発生する運転中信号RUNによって閉路状態が自己保持される。

0154

前述の演算制御部120は、更に、前述の電源電圧Vbの給電が途絶えたときに、少なくとも前述の主電源電圧Vbによって予め充電されている停電補助コンデンサ131と、この停電補助コンデンサ131の放電回路に設けられた退避電源開閉素子132と、この退避電源開閉素子132の出力電圧である退避電源電圧Vdが印加されて、前述の制御電圧Vccを発生する前述の後段定電圧回路20を介して給電駆動される。

0155

そして、停電補助コンデンサ131は、第1逆流阻止ダイオード130aを介して主電源電圧Vbから充電されるか、或いは第3逆流阻止ダイオード130cを介して電源スイッチ102aの出力側電圧から充電されていて、主電源開閉素子103bが開路されるか、或いは入力電源線の断線又は地絡異常が発生したときに、マイクロプロセッサCPUが入出力制御を停止して停電退避処理を行うための所定期間において、マイクロプロセッサCPUの動作状態を維持する静電容量を備えている。

0156

前述の退避電源開閉素子132は、前述のマイクロプロセッサCPUが前述の停電退避処理を行うための前述の所定期間において閉路するように駆動されている。前述の停電退避処理は、前述の電源スイッチ102aが開路操作されたときに、前述のRAMメモリに書込みされていた一部の主要データである経歴情報RCDを前述のデータメモリDMEMに転送保存する第1処理手段309aと、前述の主電源電圧Vbが所定の閾値以下に異常低下したときに、前述の経歴情報RCDを前述のデータメモリDMEMに転送保存する第2処理手段309bとを備え、前述の停電退避処理が完了したとき、前述のマイクロプロセッサCPUはその動作を停止して前述の運転中信号RUNの発生を解除する停電後処理が行われるように構成されている。

0157

前述の退避電源開閉素子132は、前述の主電源電圧Vbが所定の閾値電圧以下であるときに、前述のマイクロプロセッサCPUが発生する退避給電指令DPCによって閉路駆動されて退避電源電圧Vdを発生して前述の後段定電圧回路20に供給する。前述の前段定電圧回路10Cにおける前段出力トランジスタ11Cは、バイポーラ型のものが使用されているとともに、前述の退避電源開閉素子132が閉路されているときには出力停止回路18によってその出力電圧である中間電圧Vaの発生を停止し、前述の退避電源電圧Vdが前述の中間電圧Vaに替わって前述の後段定電圧回路20の入力部に印加される。

0158

以上のとおり、請求項5に記載の発明に関連し、前段定電圧回路は、バイポーラ型の出力トランジスタが使用されていて、退避電源開閉素子は、マイクロプロセッサの停電退避処理中には暫時閉路駆動されて後段定電圧回路に給電するとともに、前段定電圧回路は中間電圧の出力発生を停止するようになっている。従って、停電補助コンデンサの充電電荷は、前段定電圧回路内の出力トランジスタによって電源側への逆流が阻止されていて、その充電電圧が後段定電圧回路に印加されることによって演算制御部に対する制御電圧Vccを得ることができるので、退避定電圧回路が不要となって、全体構成が簡素化される特徴がある。

0159

尚、この発明は、前述の実施の形態1から実施の形態3による停電後処理機能を有する車載電子制御装置に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態1から実施の形態3の構成を適宜組み合わせたり、その構成に一部変形を加えたり、構成を一部省略することが可能である。

0160

10A、10B、10C前段定電圧回路、11A、11B、11C前段出力トランジスタ、18出力停止回路、20後段定電圧回路、21 後段出力トランジスタ、30A、30B退避定電圧回路、31 出力トランジスタ、40保持電源回路、100A、100B、100C車載電子制御装置、101車載バッテリ、102a、102b電源スイッチ、103a主電源閉路付勢素子、103b 主電源開閉素子、104入力センサ群、105電気負荷群、106異常監視装置、107補助電池、110 主電源閉路指令素子、111電源投入検出回路、114交番反転記憶回路、120演算制御部、130a 第1逆流阻止ダイオード、130b 第2逆流阻止ダイオード、130c 第3逆流阻止ダイオード、131停電補助コンデンサ、132 退避電源開閉素子、305a 第1テーブル生成手段、305b 第2テーブル生成手段、306a電圧低下検出手段、306b 緊急退避指令手段、309a 第1処理手段、309b 第2処理手段、310 異常処理手段、502 緊急退避指令手段、503再送可否判定手段、505a 第1送信データ編成・送信手段、505b 第2送信データ編成・送信手段、506a 第1送信データ転送・保存手段、506b 第2送信データ転送・保存手段、601〜60n現在値メモリ、611〜61n 第1テーブル、621〜62n 第2テーブル、631〜63n 第1送信データメモリ、641〜64n 第2送信データメモリ、ADC多チャンネルAD変換器、CPUマイクロプロセッサ、Di監視現在値、Dij、Dik瞬時値(FFD)、DMEMデータメモリ、DPC 退避給電指令、PMEMプログラムメモリ、RMEMRAMメモリ、RUN運転中信号、Tij、Tik代表値、Va中間電圧、Vb主電源電圧、Vbbバッテリ電圧、Vcc制御電圧、Vd 退避電源電圧。

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