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技術 コーヒー飲料の製造方法

出願人 株式会社伊藤園
発明者 荒井秀和品川宗一郎一谷正己
出願日 2017年9月22日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2017-182759
公開日 2019年4月11日 (5ヶ月経過) 公開番号 2019-054780
状態 特許登録済
技術分野 茶・コーヒー
主要キーワード 二次給水 給水速度 一次給水 ロールグラインダー 氷結点 給液流量 高温抽出 引き抜き量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年4月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

水出しであっても濁りなく、苦味が抑えられ甘味が豊かなコーヒー飲料の製造方法を提供する。

解決手段

焙煎コーヒー豆を40℃以下の水で抽出する抽出工程を備えるコーヒー飲料の製造方法であって、抽出工程の前に、焙煎コーヒー豆に55〜80℃の水を添加して焙煎コーヒー豆中のガス脱気する脱気工程をさらに備え、抽出工程において、焙煎コーヒー豆が静置されるように、40℃以下の水を加えることを特徴とするコーヒー飲料の製造方法。

概要

背景

コーヒーと並び、古来より多くの人々に飲されている代表的な嗜好性飲料である。
家庭飲食店等で直接提供される形態の他、小売店自動販売機容器詰コーヒー飲料の形態でも提供されている。
このような中、RTD(READY TO DRINK)タイプの容器詰コーヒー飲料は、いつでも手軽にコーヒーを楽しむことができるという利便性により、清涼飲料市場において最大の市場規模を有しており、夫々の製品に求められる消費者ニーズ多様化してきている。
近年、苦みを抑え甘味が強いコーヒーを得ることを目的として、抽出に高温の水ではなく室温以下の水を用いる水出しコーヒーまたはダッチコーヒーと呼ばれるコーヒーが知られている。抽出に室温以下の水を用いた場合、焙煎コーヒー豆に含まれる水溶性の低い成分、特に苦み成分抽出量が少なくなるため、苦味が少なく甘いコーヒーを得ることが出来る。

一方で、室温以下の水を用いると抽出効率が下がるため、焙煎コーヒー豆を細挽きにして一晩程度の長時間かけて抽出を行うことが行われている。また、常温の水を用いつつ短時間で効率よく抽出することを目的として、抽出容器中でコーヒー豆および抽出水撹拌させる方法も提案されている(例えば、特許文献1)。

概要

水出しであっても濁りなく、苦味が抑えられ甘味が豊かなコーヒー飲料の製造方法を提供する。 焙煎コーヒー豆を40℃以下の水で抽出する抽出工程を備えるコーヒー飲料の製造方法であって、抽出工程の前に、焙煎コーヒー豆に55〜80℃の水を添加して焙煎コーヒー豆中のガス脱気する脱気工程をさらに備え、抽出工程において、焙煎コーヒー豆が静置されるように、40℃以下の水を加えることを特徴とするコーヒー飲料の製造方法。なし

目的

本発明は、水出しであっても濁りなく、苦味が抑えられ甘味が豊かなコーヒー飲料の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

焙煎コーヒー豆を40℃以下の水で抽出する抽出工程を備えるコーヒー飲料の製造方法であって、前記抽出工程の前に、焙煎コーヒー豆に55〜80℃の水を添加して前記焙煎コーヒー豆中のガス脱気する脱気工程をさらに備え、前記抽出工程において、前記焙煎コーヒー豆が静置されるように、前記40℃以下の水を加えることを特徴とするコーヒー飲料の製造方法。

請求項2

前記抽出工程において、前記40℃以下の水を線速度0.5〜4m/時間で加えることを特徴とする請求項1に記載のコーヒー飲料の製造方法。

請求項3

前記抽出工程において、抽出槽中における水量が焙煎コーヒー豆の0.4〜5.5倍となるように、給水および引き抜きを調整することを特徴とする請求項1または2に記載のコーヒー飲料の製造方法。

請求項4

前記脱気工程において、添加する水量は焙煎コーヒー豆の0.4〜3倍量であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーヒー飲料の製造方法。

請求項5

抽出槽がドリップ式であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコーヒー飲料の製造方法。

請求項6

焙煎コーヒー豆を40℃以下の水を用いて抽出して得られるコーヒー飲料の清澄化方法であって、前記抽出の前に、焙煎コーヒー豆に対し55〜80℃の水を添加して前記焙煎コーヒー豆中のガスを脱気し、前記抽出において、前記焙煎コーヒー豆が水中で静置されるように、前記40℃以下の水を加えることを特徴とするコーヒー飲料の清澄化方法。

技術分野

0001

本発明は、水出しであっても濁りなく、苦みが抑えられ甘味が豊かなコーヒー飲料の製造方法に関する。

背景技術

0002

コーヒーと並び、古来より多くの人々に飲されている代表的な嗜好性飲料である。
家庭飲食店等で直接提供される形態の他、小売店自動販売機容器詰コーヒー飲料の形態でも提供されている。
このような中、RTD(READY TO DRINK)タイプの容器詰コーヒー飲料は、いつでも手軽にコーヒーを楽しむことができるという利便性により、清涼飲料市場において最大の市場規模を有しており、夫々の製品に求められる消費者ニーズ多様化してきている。
近年、苦みを抑え甘味が強いコーヒーを得ることを目的として、抽出に高温の水ではなく室温以下の水を用いる水出しコーヒーまたはダッチコーヒーと呼ばれるコーヒーが知られている。抽出に室温以下の水を用いた場合、焙煎コーヒー豆に含まれる水溶性の低い成分、特に苦み成分抽出量が少なくなるため、苦味が少なく甘いコーヒーを得ることが出来る。

0003

一方で、室温以下の水を用いると抽出効率が下がるため、焙煎コーヒー豆を細挽きにして一晩程度の長時間かけて抽出を行うことが行われている。また、常温の水を用いつつ短時間で効率よく抽出することを目的として、抽出容器中でコーヒー豆および抽出水撹拌させる方法も提案されている(例えば、特許文献1)。

先行技術

0004

特開2008−000040号公報

発明が解決しようとする課題

0005

このように手間をかけて製造する水出しコーヒーは苦味が少なく甘みが多いという特徴的な香味を有するが、ガラス製のコップなどの透明な容器に入れて飲む場合、白濁が目立つという課題があった。かかる白濁は、高温の水を用いる一般的な方法で抽出されるコーヒーには見られないものであり、水出しコーヒーに特有現象である。
近年、コーヒー飲料はPETボトルなど透明の容器に充填して販売されており、水出しコーヒー特有の白濁は消費者の購買意欲を低下させる要因になる恐れがあった。

0006

そこで、本発明は、水出しであっても濁りなく、苦味が抑えられ甘味が豊かなコーヒー飲料の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、抽出工程の前に、焙煎コーヒー豆を55℃〜80℃の水で脱気し、かつ抽出工程において焙煎コーヒー豆が静置されるようにすることで、抽出に40℃以下の水を用いた場合であっても、上記の課題が解決されることを見出した。
より具体的には、本発明は以下のとおりである。

0008

(1)焙煎コーヒー豆を40℃以下の水で抽出する抽出工程を備えるコーヒー飲料の製造方法であって、前記抽出工程の前に、焙煎コーヒー豆に55〜80℃の水を添加して前記焙煎コーヒー豆中のガスを脱気する脱気工程をさらに備え、前記抽出工程において、前記焙煎コーヒー豆が静置されるように、前記40℃以下の水を加えることを特徴とするコーヒー飲料の製造方法。
(2)前記抽出工程において、前記40℃以下の水を線速度0.5〜4m/時間で加えることを特徴とする(1)に記載のコーヒー飲料の製造方法。
(3)前記抽出工程において、抽出槽中における水量が焙煎コーヒー豆の0.4〜5.5倍となるように、給水および引き抜きを調整することを特徴とする(1)(2)に記載のコーヒー飲料の製造方法。
(4)前記脱気工程において、添加する水量は焙煎コーヒー豆の0.4〜3倍量であることを特徴とする(1)〜(3)に記載のコーヒー飲料の製造方法。
(5)抽出槽がドリップ式であることを特徴とする(1)〜(4)に記載のコーヒー飲料の製造方法。
(6)焙煎コーヒー豆を40℃以下の水を用いて抽出して得られるコーヒー飲料の清澄化方法であって、前記抽出の前に、焙煎コーヒー豆に対し55〜80℃の水を添加して前記焙煎コーヒー豆中のガスを脱気し、前記抽出において、前記焙煎コーヒー豆が水中で静置されるように、前記40℃以下の水を加えることを特徴とするコーヒー飲料の清澄化方法。

発明の効果

0009

上記構成とすることにより、水出しであっても濁りなく、苦味が抑えられ甘味が豊かなコーヒー飲料の製造方法を提供することが可能となる。

0010

以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係るコーヒー飲料の製造方法は、焙煎コーヒー豆を40℃以下の水で抽出する抽出工程を備え、当該抽出工程の前に、水を添加して焙煎コーヒー豆中のガスを脱気する脱気工程をさらに備える。

0011

抽出工程において、40℃以下の水(以下「低温の水」ということがある)で抽出することにより、苦味が抑えられ甘味が豊かに感じられるといった、いわゆる水出しコーヒーの好ましい香味を得ることができる。一方で、抽出工程において低温の水を用いながら抽出効率を高めるためには、従来は抽出時間を長時間に設定していたが製造効率上で問題があった。また、コーヒー豆を攪拌させる方法も採用されていたが、水出しコーヒー特有の白濁が生じるものとなる。

0012

なお、緑茶紅茶等を熱水抽出した後に冷却すると、液温の低下によりタンニン等の様々な成分の溶解度が低下することで白濁する、いわゆる“クリームダウン”と呼ばれる現象が知られている。かかるクリームダウンによる白濁は再加温すると消えるものである。一方で、水出しコーヒーに特有の白濁は、再加温しても消えないことが本発明者らの検討で判明しており、クリームダウンとは異なる現象であると考えられる。

0013

本発明者らは、鋭意検討の結果、抽出工程においてコーヒー豆が抽出液中流動していることが、水出しコーヒー特有の白濁の原因であることを見出した。さらに検討を進めた結果、焙煎コーヒー豆にはガス(CO2を主成分とする)が含まれているところ、抽出工程に付されるコーヒー豆に前述のガスが多量に残存していると、抽出工程中にコーヒー豆が流動し、白濁が生じる原因となっていることを見出した。
さらに検討を進めた結果、抽出工程の前に、55℃以上の水を焙煎コーヒー豆に添加することで、焙煎コーヒー豆中のガスを脱気することができること(脱気工程)、さらに抽出工程において焙煎コーヒー豆が静置されるように低温の水を加えることで、水出しコーヒー特有の白濁が抑制されることを見出した。
一方で、脱気工程における水の温度が80℃超であると、コーヒー成分の中でも苦味成分が抽出され、苦味が感じられる一方で甘味が感じられにくくなり、水出しコーヒーの好ましい香味が損なわれてしまうことを見出した。

0014

上より、抽出工程の前に焙煎コーヒー豆中のガスを脱気する脱気工程を設け、脱気工程においては、焙煎コーヒー豆に、55〜80℃の水を添加すること、かつ、抽出工程においては、焙煎コーヒー豆が静置されるように40℃以下の水を加えることで、濁りなく、苦味が抑えられ甘味が豊かなコーヒー飲料が得られることを見出し、本実施形態の構成に至った。
以下、本実施形態の構成および各工程について詳述する。

0015

(焙煎コーヒー豆)
焙煎コーヒー豆は、コーヒーの生豆を適切な焙煎度まで焙煎したものである。コーヒー生豆の焙煎は、直火式、熱風式、または半熱風式などの方法によって行うことができる。焙煎方法、温度、および時間は、所望の焙煎度を達成するために適宜選択してよい。

0016

本実施形態において用いるコーヒー豆の種類は特に限定されない。コーヒー豆の品種としては、アラビカ種ロブスタ種等が挙げられ、コーヒー豆の産地としては、ブラジル、コロンビアタンニア、エチオピア等が挙げられる。コーヒー豆は、1種を用いても、2種以上をブレンドして用いてもよい。

0017

焙煎コーヒー豆は、粉砕された後に本実施形態の製造方法に供される。粉砕は、ロールグラインダータイプやフラットカッタータイプおよびコニカルカッタータイプ等いずれのタイプの粉砕機を用いて実施してもよい。
コーヒー豆の粉砕粒度(通常、粗挽き、中挽き、細挽きなどに分類される)についても特に限定されず、各種の粒度分布の粉砕豆を用いることができるが、抽出効率を高める観点からは、細挽きとすることが好ましい。ただし、水出しコーヒー特有の白濁については、粉砕粒度に影響されないことが本発明者らの検討で判明している。

0018

(脱気工程)
脱気工程は、水を添加することにより、焙煎コーヒー豆中のガスを脱気する脱気工程である。
かかる脱気工程は、通常、後述する抽出工程に用いられる抽出槽等に焙煎コーヒー豆を充填し、水を添加することにより行われる。かかる方法によれば、脱気工程に付した後そのまま抽出工程に付すことができ、本実施形態の方法を実施するにあたり特別な装置等を必要とせず、従来の抽出装置等をそのまま使用することができる。ただし、焙煎コーヒー豆を脱気工程に付した後に抽出槽等に充填して抽出工程に付してもよい。

0019

本実施形態において、脱気工程で添加される水の温度は、55〜80℃であり、57〜75℃であることが好ましく、60〜70℃であることが特に好ましい。
脱気工程の水の温度が上記下限値以上であると、焙煎コーヒー豆中のガスを効率よく脱気することができる。ガスが十分に脱気されることで、抽出工程において焙煎コーヒー豆を静置状態に保つことが容易となり、水出しコーヒー特有の白濁を抑制することができる。なお、ガスが十分に脱気されることで、抽出効率も顕著に改善され、短時間で抽出することができるという効果も奏する。
一方、脱気工程の水の温度が上記上限値以下であると、苦味成分の抽出が抑制され、甘味が豊かに感じられるものとなり、いわゆる水出しコーヒー特有の好ましい香味、特に甘味を有するコーヒー飲料を得ることができる。80℃を超えると、苦味成分が抽出され、一般的な高温抽出されたコーヒーと同様となり、水出しコーヒー特有の好ましい甘味が得られ難いものとなる。

0020

また、脱気工程で添加される水の量は、焙煎コーヒー豆に対し質量換算で0.4〜3倍であることが好ましく、0.5〜2倍であることがさらに好ましく、0.5〜1.5倍であることが特に好ましい。なお、本明細書において水の質量は密度1kg/Lとして換算される。
脱気工程で添加される水量が上記下限値以上であると、焙煎コーヒー豆中のガスを効率よく脱気することができ、水出しコーヒー特有の白濁を抑制することができるとともに、抽出効率に優れたコーヒー飲料を得ることができる。
一方、脱気工程の水量が上記上限値以下であると、脱気工程においても焙煎コーヒー豆の流動が効果的に抑制され、水出しコーヒー特有の白濁を抑制することができる。ここで、脱気工程では焙煎コーヒー豆は質量換算で2倍程度まで水を吸収して膨潤することができるところ、脱気工程で添加される水量が上記上限値以下であれば、脱気工程時に水の添加によっても焙煎コーヒー豆が流動せずに静置状態を保つことが容易となり、コーヒー飲料の白濁を抑制することができる。

0021

脱気工程における給水の速度は、焙煎コーヒー豆が充填される抽出槽等の大きさや形状等により適宜設定することができる。また、脱気工程の水は焙煎コーヒー豆に概ね吸収され、焙煎コーヒー豆の流動に寄与しないため、給水の速度は特に制限されない。
ただし、脱気工程の水量が比較的多め(例えば、焙煎コーヒー豆の2倍超)である場合は、例えば、焙煎コーヒー豆に接触するときの線速度が4m/時間以下となるように給水することができ、3m/時間以下とすることができる。上記上限値以下であると、脱気工程の給水量を比較的多めにしても焙煎コーヒー豆の流動がより効果的に抑制される。
一方、線速度の下限値は特に制限されないが、例えば0.5m/時間以上とすることができ、さらには1m/時間以上とすることができる。

0022

脱気工程における水の保持時間は、下限値が1分以上であることが好ましく、2分以上であることが特に好ましい。保持時間がかかる下限値以上であると、ガスが十分に脱気され、水出しコーヒー特有の白濁をより効果的に抑制することができる。一方、保持時間の上限値は特に制限されない。脱気工程で添加する水の温度が前述した範囲内であれば、保持時間が長くても白濁が生じないが、例えば10分以下とすることができ、さらには5分以下とすることができ、かかる範囲であってもガスを十分に脱気することができる。

0023

脱気工程で添加した水はそのまま保持され、後述する抽出工程における抽出水の一部として使用することができる。ここで、後述する抽出工程においては40℃以下の水を用いるが、脱気工程で添加された55〜80℃の水は焙煎コーヒー豆と接触して温度が低下するため、そのまま抽出水として用いても、苦味が抑えられ甘味の豊かな水出しコーヒー特有の好ましい香味を得ることができる。

0024

(抽出工程)
本実施形態においては、抽出工程は脱気工程の後に行われ、抽出工程においては、焙煎コーヒー豆が静置されるように40℃以下の水を加える。

0025

抽出は、バッチ式半バッチ式連続式の何れの様式で行ってもよいが、生産効率の観点から連続式であることが好ましい。本実施形態の製造方法は、連続式にも効果的に適用できる。また、抽出方法は、浸漬式、ドリップ式(ペーパーネルなど)等の方法で行うことができるが、特にドリップ抽出が好ましい。

0026

本実施形態の抽出工程においては、40℃以下の水を用いて抽出する。抽出水の水温は、30℃以下であることが好ましく、25℃以下であることが特に好ましい。
抽出工程における水の温度が上記上限値以下であると、苦味成分の抽出が抑制され、甘味が豊かに感じられるものとなり、いわゆる水出しコーヒー特有の好ましい香味を有するコーヒー飲料を得ることができる。
なお、水出しコーヒー特有の好ましい香味として、とろりとした口当たりによる適度な濃度感を感じることができるが、本実施形態では40℃以下の水を用いて抽出するため、かかる濃度感にも優れたものとなる。
一方、抽出水の水温の下限値は特に限定されず、例えば氷結点以上であればよいが、2℃以上であってよく、さらには5℃以上であってよい。

0027

本実施形態の抽出工程において、焙煎コーヒー豆が静置されるとは、抽出液中で焙煎コーヒー豆が舞わないように、焙煎コーヒー豆の流動が抑制された状態に保つことをいう。
焙煎コーヒー豆を静置するには、後述するように添加する水量を調整する方法の他、焙煎コーヒー豆を袋状の構造体に充填する方法や、抽出槽における焙煎コーヒー豆の充填部分金属メッシュ等で保持する方法などが挙げられる。

0028

焙煎コーヒー豆を静置状態に保つ方法として、抽出槽中における水量が焙煎コーヒー豆の質量換算で0.4〜5.5倍となるように、給水および引き抜きを調整する方法は、本実施形態の特に好ましい態様の一つである。ここで、上記脱気工程において添加した水を抽出工程における抽出水の一部として使用する場合は、抽出槽中における水量とは、脱気工程で添加した水と抽出工程で添加した水との合計量である。
かかる一態様において、抽出槽中における水量の上限値は、5.5倍以下であることが好ましいが、5.0倍以下であることがさらに好ましく、4.5倍以下であることが特に好ましい。ここで、焙煎コーヒー豆は脱気工程で添加された水を吸収して膨潤しており、焙煎コーヒー豆が水に浮遊し難くなっている。そのため、抽出工程において抽出槽中における水量が上記上限値以下であれば、抽出工程の間に焙煎コーヒー豆が流動することを抑制し静置状態を保つことが容易となり、コーヒー飲料の白濁をより効果的に抑制することができる。特に、抽出工程において抽出槽中における水量が4.5倍以下であれば、膨潤した焙煎コーヒー豆の上面と抽出槽中の水の水面とが略一致するため流動が生じず、静置状態を保つことがより容易となる。
一方、抽出槽中における水量の下限値は、0.4倍以上であることが好ましいが、1倍以上であることがさらに好ましく、2倍以上であることが特に好ましい。抽出槽中の水量が上記下限値以上であると、抽出効率がより優れたものとなり、水出しコーヒーに特徴的な甘味や濃度感を備えた好ましい抽出液を、短時間で効率よく得ることができる。

0029

かかる好ましい一態様においては、抽出槽中における水量が上記範囲内となるよう、給水および引き抜きが調整される。例えば、所定の給水速度で水を供給し、水量が上記範囲内の所望の値となったら、給水速度および引き抜き速度が等しくなるように引き抜きを開始すればよい。かかる方法であれば、抽出槽中の水量を上記範囲内のまま一定に維持することができ、焙煎コーヒー豆を静置状態に保つことがより容易となる。なお、抽出槽中の水量は必ずしも一定に維持する必要はないが、抽出槽中における水量が上記範囲内となるよう、給水および引き抜きが調整されることが好ましい。
上記脱気工程において添加した水を抽出工程における抽出水の一部として使用する場合は、抽出槽中における合計水量が上記範囲内となるよう、給水速度、引き抜き速度および引き抜き開始のタイミング等を調整すればよい。例えば、脱気工程で添加した水量を、抽出工程においても抽出槽中における合計水量として維持する場合は、脱気工程を終えた後、給水速度および引き抜き速度が等しくなるように給水および引き抜きを同時に開始すればよい。
以上の一態様によれば、抽出槽中における水量が所定の範囲内となるよう給水および引き抜きを調整するだけでよく、特別な設備を必要とせずに焙煎コーヒー豆を静置状態に保つことができるため、特に好ましい。

0030

抽出工程における給水の速度は、抽出槽等の大きさや形状等により適宜設定することができるが、例えば、焙煎コーヒー豆に接触するときの線速度が4m/時間以下であることが好ましく、3m/時間以下であることが特に好ましい。上記上限値以下であると、抽出工程の給水においても焙煎コーヒー豆の流動がより効果的に抑制される。一方、線速度の下限値は特に制限されないが、例えば0.5m/時間以上とすることができ、さらには1m/時間以上とすることができる。

0031

(コーヒー飲料)
以上の脱気工程および抽出工程を経て得られたコーヒー抽出液は、本実施形態におけるコーヒー飲料の原料の一つとして用いられる。得られたコーヒー抽出液は、本実施形態による効果を阻害しない限りにおいて、乳、ショ糖グルコースフルクトースキシロース果糖ブドウ糖液糖アルコール等の糖分の他、抗酸化剤pH調整剤乳化剤香料コーヒーエキス酵素等の添加物を添加することができる。

0032

(抗酸化剤)
本実施形態のコーヒー飲料に添加する添加物のうち、抗酸化剤としては、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩等が挙げられるが、このうちアスコルビン酸またはその塩等が特に好ましい。

0033

(乳化剤)
上記乳化剤としては、公知の乳化剤を使用することが可能であり、ショ糖脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルレシチン類ソルビタン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステル等一般的な乳化剤をいずれも本願発明の範囲を逸脱しない範囲で選択することができる。

0034

(pH調整剤)
上記pH調整剤としては公知のものを適宜選択できるが、劣化酸味の抑制に対しては、炭酸水素ナトリウム重曹)が好ましい。重曹の添加量は、飲料液に対して、0.01〜0.15質量%程度が好ましい。

0035

(容器)
本実施形態で製造されるコーヒー飲料は、通常、容器に充填された状態で提供される。かかる容器としては、PETボトル、アルミニウムスチール)、紙、プラスチックレトルトパウチ、瓶(ガラス)等が挙げられるが、レトルト殺菌処理への耐熱性や、加温販売などを考慮する必要がある場合には、缶(アルミニウム、スチール)、若しくは強化層酸素吸収層などを有する強化プラスチック容器を用いることが好ましい。

0036

(殺菌)
本実施形態で製造されるコーヒー飲料は、容器に充填された容器詰コーヒー飲料とされる場合、通常、殺菌処理に付される。かかる殺菌処理は、食品衛生法に定められた殺菌条件で行われる。殺菌方法としては、UHT殺菌レトルト殺菌等が挙げられ、例えばUHT殺菌の場合、133℃、40秒で行うことができる。

0037

本実施形態で製造されるコーヒー飲料は、透過度Tが25%以上であることが好ましく、さらには27%以上であることが好ましく、特に30%以上であることが好ましい。透過度Tがかかる範囲であれば、一般的な高温抽出のコーヒーと同等以上といえる程度に濁りの少ないものとなる。ここで、透過度Tは、汎用分光光度計により測定することができる。
本実施形態に係る製造方法は上記脱気工程および抽出工程を備えているため、得られるコーヒー飲料は、かかる透過度Tの要件を容易に満たすことができる。

0038

以上の方法により製造されたコーヒー飲料は、低温の水で抽出されるため、苦味が抑えられ甘味が豊かな、いわゆる水出しコーヒーの好ましい香味を得ることができるとともに、抽出工程の前にガスが脱気され、かつ脱気工程から抽出工程にかけて焙煎コーヒー豆が静置されるため、水出しコーヒー特有の濁りが生じ難いものとなる(本発明に係るコーヒー飲料の清澄化方法に該当)。

0039

以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。

0040

以下、実施例、試験例等を示すことにより本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の試験例等に何ら限定されるものではない。

0041

<実施例1>
容器詰コーヒー飲料を以下の方法より製造した。
工程1:ブラジル産コーヒー豆(アラビカ種)を焙煎・粉砕し、焙煎コーヒー豆を得た。粉砕L値は、18であった。
工程2:焙煎コーヒー豆5kgをドリップ式抽出器(抽出槽の断面積:314cm2)に充填。
工程3:表1に示すように、55℃の水を5L(質量換算で焙煎コーヒー豆の1倍量)加えて、ガスを脱気。
工程4:表1に示すように、20℃の水を20L(質量換算で焙煎コーヒー豆の4倍量)加え、その後、抽出槽中の水量(工程3と工程4で加えた水量)が焙煎コーヒー豆の5.0倍量(質量換算)に維持されるように同量の給水および引き抜き(流速:1L/分,線速度1.91m/時間)を行い、引き抜き量が焙煎コーヒー豆の7倍量となるように抽出。
工程5:遠心分離機ウェストファリアセパレータ社製,SC35−06−177)を用いて、7,200rpm、給液流量8,000L/hで遠心分離処理
工程6:UHT殺菌(133℃、40秒)後、容器に充填。

0042

<実施例2〜6,比較例1〜3>
工程3(一次給水)の温度および水量、工程4(二次給水)の水量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法により、容器詰コーヒー飲料を製造した。

0043

得られた実施例および比較例の容器詰コーヒー飲料について、液色および苦味を評価した。
液色および苦味の比較対象として、工程3の脱気を行わず、工程4の水温を表1に示すように変更し、一般的な水出しコーヒーに対応する参考例1と、一般的な高温抽出のコーヒーに対応する参考例2とを製造した。これら参考例1および参考例2を液色および苦味の基準として、上記実施例および比較例の容器詰コーヒー飲料の液色および苦味がどちらの参考例に近いかを評価した。

0044

0045

表1に示すとおり、本発明の要件を満たす実施例は、液色が参考例2に近く透明でありながら、苦味が参考例1に近く苦味が少ないものであった。また、苦味が少ないため甘味を豊かに感じることができ、またとろりとした適度な濃度感を有しており、水出しコーヒー特有の好ましい香味を有しながら濁りの少ないコーヒー飲料であった。

0046

<実施例7〜9,比較例4〜5,参考例3〜4>
表2に示すように、工程2における豆の量および抽出機を変更し(参考例3および比較例4〜5,参考例4および実施例7〜8は、それぞれ同じ抽出機を使用)、工程3(一次給水)の温度および水量、ならびに工程4(二次給水)の温度および水量を変更し、工程5、工程6は実施例1と同様にして、容器詰コーヒー飲料を製造した。

0047

得られた実施例、比較例および参考例の容器詰コーヒー飲料について、液色を評価した。かかる評価は、前述した評価方法に加えて、分光光度計(島津製作所社製,UV−1800)を用いて透過度T(%)を測定した。

0048

実施例

0049

表2に示すとおり、本発明の要件を満たす実施例は、液色が透明であった。また、実施例7〜9(および比較例4〜5)は、苦味が少なく甘味を豊かに感じることができ、また適度な濃度感を有し、水出しコーヒー特有の好ましい香味を有するコーヒー飲料であった。

0050

本発明は、苦味が少なく甘味が豊かであり水出しコーヒー特有の好ましい香味を有しながら、水出しコーヒー特有の白濁が抑制されたコーヒー飲料を得るための製造方法として好適である。

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