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課題
解決手段
概要
背景
従来、非常用放送設備は、火災報知設備と連動し、火災が発生した場合に、火災の発生を知らせ、避難誘導放送を行う。
火災報知設備に設けた火災受信機は、警戒区域の火災を検知して発報した火災感知器からの発報信号を受信した場合に火災警報を出力すると共に、発報区域を示す発報区域識別信号としての階別信号を非常放送装置に送信し、これを受信した非常放送装置は火災発生階及び直上階に設置しているスピーカから感知器発報放送として「ただいま○○階の火災報知器が作動しました。確認しておりますので、次の放送にご注意ください。」を出力する。
この感知器発報に対し所定の時間が経過した場合、または防災センターの係員等が現場に出向いて火災を確認した場合には、例えば発信機の押し釦操作等の火災確認操作に基づき火災受信機から火災確認信号を非常放送装置へ送信し、それまでの感知器発報放送から火災放送に切替え、「火事です。火事です。○○階の火災が発生しました。落ち着いて避難してください。」を出力する。また火災放送から所定の設定時間が経過すると、非常放送装置は全館一斉放送に切替える。
一方、現場に出向いて非火災を確認した場合には、非常放送装置に設けた非火災放送スイッチの操作により、それまでの発報放送から非火災放送に切替え、「さきほどの火災感知器の作動は、確認の結果、異常がありませんでした。ご安心下さい。」を出力する。
概要
火災報知設備と非常放送設備との間の伝送化した場合の連動制御を確実に行って信頼性を向上する。火災受信機14と非常放送装置20を伝送路28により接続すると共に1回線の移報回線30により接続する。火災受信機14は階別信号及び火災確認信号を伝送路28により非常放送装置20に送信すると共に、階別信号の送信に連動して感知器発報を代表する発報代表信号を移報回線30を介して非常放送装置20に送信する。非常放送装置20は、階別信号と発報代表信号の両方の受信或いは少なくも何れか一方の受信に基づいて感知器発報放送を行うと共に、その後の火災確認信号の受信に基づいて火災放送を行う。
目的
本発明は、火災報知設備と非常放送設備との間を伝送化した場合の連動制御を確実に行って信頼性を向上する防災設備を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
火災報知設備に設けた火災受信機で、警戒区域の火災を検知して発報した火災感知器からの発報信号を受信して火災警報を出力した場合に、火災発報区域を示す発報区域識別信号を非常放送設備に設けた非常放送装置に送信して感知器発報放送を行わせ、前記発報信号を受信した後に火災確認を検出した場合に、火災確認信号を前記非常放送装置に送信して火災放送を行わせる防災設備に於いて、前記火災受信機は、前記発報区域識別信号及び前記火災確認信号を伝送路により前記非常放送装置に送信すると共に、前記発報区域識別信号の送信に連動して前記火災感知器の発報を代表する発報代表信号を移報回線により前記非常放送装置に送信し、前記非常放送装置は、少なくとも前記発報区域識別信号を受信した場合は、前記火災発報区域を含む所定の警戒区域で発報区域情報を含む所定の感知器発報放送を行い、前記発報区域識別信号を受信することなく前記発報代表信号を受信した場合は、全ての警戒区域で発報区域情報を含まない所定の感知器発報放送を行い、前記全ての警戒区域で発報区域情報を含まない感知器発報放送を行っている間に、前記発報区域識別信号を受信することなく前記発報代表信号を所定時間以上継続して受信した場合は、全ての警戒区域で発報区域情報を含まない所定の火災放送を行うことを特徴とする防災設備。
請求項2
請求項1記載の防災設備に於いて、前記火災受信機と前記非常放送装置は、単一の伝送路により接続されると共に、1回線の移報回線により接続されたことを特徴とする防災設備。
請求項3
請求項1記載の防災設備に於いて、前記非常放送装置は、前記発報区域識別信号及び前記発報代表信号の両方を受信した場合に、前記火災発報区域を含む所定の警戒区域で発報区域情報を含む所定の感知器発報放送を行うことを特徴とする防災設備。
請求項4
請求項1記載の防災設備に於いて、前記非常放送装置は、前記発報区域識別信号と前記発報代表信号の少なくとも何れか一方を受信した場合に、所定の感知器発報放送を行うことを特徴とする防災設備。
請求項5
火災報知設備に設けた火災受信機で、警戒区域の火災を検知して発報した火災感知器からの発報信号を受信して火災警報を出力した場合に、火災発報区域を示す発報区域識別信号を非常放送設備に設けた非常放送装置に送信して感知器発報放送を行わせ、前記発報信号を受信した後に火災確認を検出した場合に、火災確認信号を前記非常放送装置に送信して火災放送を行わせる防災設備に於いて、前記火災受信機と前記非常放送装置は、単一の伝送路によりネットワーク接続されると共に、1回線の移報回線により信号線接続され、前記火災受信機は、前記発報区域識別信号及び前記火災確認信号を前記伝送路により前記非常放送装置に送信すると共に、前記発報区域識別信号の送信に連動して前記火災感知器の発報を代表する発報代表信号を前記移報回線により前記非常放送装置に送信し、前記非常放送装置は、前記発報区域識別信号と前記発報代表信号の少なくとも何れか一方を受信した場合に、所定の感知器発報放送を行い、その後、前記火災確認信号を受信した場合に、前記火災放送を行い、少なくとも前記発報区域識別信号を受信した場合は、前記火災発報区域を含む前記所定の警戒区域で発報区域情報を含む所定の感知器発報放送を行い、前記発報区域識別信号を受信することなく前記発報代表信号を受信した場合は、全ての警戒区域で発報区域情報を含まない所定の感知器発報放送を行い、前記全ての警戒区域で発報区域情報を含まない感知器発報放送を行っている間に、前記発報区域識別信号を受信することなく前記発報代表信号を所定時間以上継続して受信した場合は、全ての警戒区域で発報区域情報を含まない所定の火災放送を行うことを特徴とする防災設備。
請求項6
請求項2又は5記載の防災設備に於いて、前記火災受信機と非常放送装置は、前記単一の伝送路により接続されると共に、1回線が追加された2回線の移報回線により接続され、前記火災受信機は、前記伝送路による前記火災確認信号の送信に連動して前記追加された移報回線により前記火災確認信号を前記非常放送装置に送信し、前記非常放送装置は、前記伝送路と前記追加された移報回線の少なくとも何れか一方により前記火災確認信号を受信した場合に、前記所定の火災放送を行うことを特徴とする防災設備。
技術分野
背景技術
0003
火災報知設備に設けた火災受信機は、警戒区域の火災を検知して発報した火災感知器からの発報信号を受信した場合に火災警報を出力すると共に、発報区域を示す発報区域識別信号としての階別信号を非常放送装置に送信し、これを受信した非常放送装置は火災発生階及び直上階に設置しているスピーカから感知器発報放送として「ただいま○○階の火災報知器が作動しました。確認しておりますので、次の放送にご注意ください。」を出力する。
0004
この感知器発報に対し所定の時間が経過した場合、または防災センターの係員等が現場に出向いて火災を確認した場合には、例えば発信機の押し釦操作等の火災確認操作に基づき火災受信機から火災確認信号を非常放送装置へ送信し、それまでの感知器発報放送から火災放送に切替え、「火事です。火事です。○○階の火災が発生しました。落ち着いて避難してください。」を出力する。また火災放送から所定の設定時間が経過すると、非常放送装置は全館一斉放送に切替える。
0005
一方、現場に出向いて非火災を確認した場合には、非常放送装置に設けた非火災放送スイッチの操作により、それまでの発報放送から非火災放送に切替え、「さきほどの火災感知器の作動は、確認の結果、異常がありませんでした。ご安心下さい。」を出力する。
先行技術
0006
特開平05−233984号公報
特開平06−314385号公報
特開平08−016956号公報
特開平11−096473号公報
発明が解決しようとする課題
0007
ところで、従来の火災報知設備と非常放送設備との間は、火災受信機と非常放送装置の間で送受信する信号数に応じた多数の信号線で接続している。火災感知器と非常放送装置を接続する信号線の数は、設置対象とする建物が例えば30階(地下階を含む)であった場合、火災受信機から非常放送装置に信号を送る30本の階別信号線と一対の火災確認信号線、非常放送装置から火災受信機に信号を送る鳴動停止信号線、及び階別信号線と鳴動停止信号線に共通するコモン線の合計34本を必要とし、また消防法令に基づき耐熱配線を使用する。
0008
このため火災受信機と非常放送装置との間を多数の耐熱配線で接続する必要があり、特に階別信号線は対象建物の階数に応じて増加することとなり、これに応じた配線収納スペースを必要とし、配線の引き回しも大変になるという問題がある。
0011
このように伝送系統に障害や伝送エラーが発生していたとしても、火災が発生して火災受信機から階別信号や火災信号を伝送して発報放送や火災放送を行うことは、実際にはほとんど起こることがなく、伝送系統の障害や伝送エラーに気づくには時間がかかる場合があり、実際に火災が発生した場合に、火災報知に連動して非常放送が自動的に起動できない事態が起きることが懸念される。
0012
本発明は、火災報知設備と非常放送設備との間を伝送化した場合の連動制御を確実に行って信頼性を向上する防災設備を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0013
(防災設備1)
本発明は、火災報知設備に設けた火災受信機で、警戒区域の火災を検知して発報した火災感知器からの発報信号を受信して火災警報を出力した場合に、火災発報区域を示す発報区域識別信号を非常放送設備に設けた非常放送装置に送信して感知器発報放送を行わせ、発報信号を受信した後に火災確認を検出した場合に、火災確認信号を非常放送装置に送信して火災放送を行わせる防災設備に於いて、
火災受信機は、発報区域識別信号及び火災確認信号を伝送路により非常放送装置に送信すると共に、発報区域識別信号の送信に連動して火災感知器の発報を代表する発報代表信号を移報回線により非常放送装置に送信し、
非常放送装置は、
少なくとも発報区域識別信号を受信した場合は、火災発報区域を含む所定の警戒区域で発報区域情報を含む所定の感知器発報放送を行い、
発報区域識別信号を受信することなく発報代表信号を受信した場合は、全ての警戒区域で発報区域情報を含まない所定の感知器発報放送を行い、
全ての警戒区域で発報区域情報を含まない感知器発報放送を行っている間に、発報区域識別信号を受信することなく発報代表信号を所定時間以上継続して受信した場合は、全ての警戒区域で発報区域情報を含まない所定の火災放送を行うことを特徴とする。
0014
(伝送路と移報回線による二重化)
火災受信機と非常放送装置は、単一の伝送路により接続されると共に、1回線の移報回線により接続される。
0015
(信頼性モード:発報区域識別信号と発報代表信号のAND連動)
非常放送装置は、発報区域識別信号及び発報代表信号の両方を受信した場合に、火災発報区域を含む所定の警戒区域で発報区域情報を含む所定の感知器発報放送を行う。
0016
(フェイルセーフモード:発報区域識別信号と発報代表信号のOR連動)
非常放送装置は、発報区域識別信号と発報代表信号の少なくとも何れか一方を受信した場合に、所定の感知器発報放送を行う。
0017
(防災設備2)
本発明は、火災報知設備に設けた火災受信機で、警戒区域の火災を検知して発報した火災感知器からの発報信号を受信して火災警報を出力した場合に、火災発報区域を示す発報区域識別信号を非常放送設備に設けた非常放送装置に送信して感知器発報放送を行わせ、発報信号を受信した後に火災確認を検出した場合に、火災確認信号を非常放送装置に送信して火災放送を行わせる防災設備に於いて、
火災受信機と非常放送装置は、単一の伝送路によりネットワーク接続されると共に、1回線の移報回線により信号線接続され、
火災受信機は、発報区域識別信号及び火災確認信号を伝送路により非常放送装置に送信すると共に、発報区域識別信号の送信に連動して火災感知器の発報を代表する発報代表信号を移報回線により非常放送装置に送信し、
非常放送装置は、
発報区域識別信号と発報代表信号の少なくとも何れか一方を受信した場合に、所定の感知器発報放送を行い、その後、火災確認信号を受信した場合に、火災放送を行い、
少なくとも発報区域識別信号を受信した場合は、火災発報区域を含む所定の警戒区域で発報区域情報を含む所定の感知器発報放送を行い、
発報区域識別信号を受信することなく発報代表信号を受信した場合は、全ての警戒区域で発報区域情報を含まない所定の感知器発報放送を行い、
全ての警戒区域で発報区域情報を含まない感知器発報放送を行っている間に、発報区域識別信号を受信することなく発報代表信号を所定時間以上継続して受信した場合は、全ての警戒区域で発報区域情報を含まない所定の火災放送を行うことを特徴とする。
0018
(火災確認信号のフェイルセーフ)
火災受信機と非常放送装置は、単一の伝送路により接続されると共に、1回線が追加された2回線の移報回線により接続され、
火災受信機は、伝送路による火災確認信号の送信に連動して、追加された移報回線により火災確認信号を非常放送装置に送信し、
非常放送装置は、伝送路と追加された移報回線の少なくとも何れか一方により火災確認信号を受信した場合に、所定の火災放送を行う。
発明の効果
0019
(基本的な効果)
本発明は、火災報知設備に設けた火災受信機と非常放送設備に設けた非常放送装置で構成した防災設備に於いて、火災受信機と非常放送装置を伝送路により接続すると共に1回線の移報回線により接続し、火災受信機は発報区域識別信号(階別信号)及び火災確認信号を伝送路により非常放送装置に送信すると共に、発報区域識別信号の送信に連動して感知器発報を代表する発報代表信号を移報回線により非常放送装置に送信し、非常放送装置は、発報区域識別信号と発報代表信号の受信に基づいて感知器発報放送を行うと共に、その後の火災確認信号の受信に基づいて火災放送を行うようにしたため、火災受信機と非常放送装置の間は伝送路を構成する例えばLANケーブルと1回線の移報回線を構成する2本の耐熱配線とによる接続だけで済み、火災受信機と非常放送装置との間の配線収納スペースを低減し、配線の引き回しによる敷設作業も容易とする。
0020
また、伝送路による発報区域識別信号(階別信号)と移報回線による発報代表信号の送信により火災発報に対する信号送信を実質的に二重化し、火災検知に基づいて連動する非常放送の信頼性とフェイルセーフ性(障害耐久性)を向上可能とする。
0021
(信頼性モード:発報区域識別信号と発報代表信号のAND連動による効果)
また、非常放送装置は、発報区域識別信号及び発報代表信号の両方を受信した場合に、発報区域を含む所定の警戒区域で発報区域情報を含む所定の感知器発報放送を行うようにしたため、火災報知設備の点検に伴い伝送路又は移報回線から誤って発報区域識別信号又は発報代表信号が誤って送られても、両方の受信がないことから非常放送装置は発報放送
を行うことがなく、火災報知設備の点検中に起きる誤放送を確実に防止可能とする。
0022
(フェイルセーフモード:発報区域識別信号と発報代表信号のOR連動による効果)
また、非常放送装置は、発報区域識別信号と発報代表信号の少なくとも何れか一方を受信した場合に、所定の感知器発報放送を行うようにしたため、伝送路による伝送系統又は移報回線による移報系統の何れか一方で故障等の障害が発生したとしても、発報区域識別信号又は発報代表信号を確実に非常放送装置に送って発報放送を行うことを可能とし、障害発生に対し高いフェイルセーフ機能を発揮することを可能とする。
0023
また、非常放送装置は、少なくとも発報区域識別信号を受信した場合は、発報区域を含む所定の警戒区域で発報区域情報を含む所定の感知器発報放送を行い、一方、発報区域識別信号を受信することなく発報代表信号を受信した場合は、全ての警戒区域で発報区域情報を含まない所定の感知器発報放送を行うようにしたため、発報代表信号に連動した発報放送は火災発生階等の発報区域の情報を持たない放送内容となるが、全ての警戒区域を対象とした一斉放送とすることで、発報放送としての機能を十分に発揮することを可能とする。
0024
更に、非常放送装置は、全ての警戒区域で発報区域情報を含まない所定の感知器発報放送を行っている間に、発報区域識別信号を受信することなく発報代表信号を所定時間以上継続して受信した場合は、全ての警戒区域で発報区域情報を含まない所定の火災放送を行うようにしたため、発報代表信号が所定時間以上継続しているのは火災によるものと判断して所謂全館一斉火災放送を行うことで、火災の発生を知らせて速やかな避難誘導を可能とする。
0025
(火災確認信号のフェイルセーフによる効果)
また、火災受信機と非常放送装置を更に1回線を追加した2回線の移報回線により接続し、火災受信機は伝送路による火災確認信号の送信に連動して、追加した移報回線により火災確認信号を非常放送装置に送信し、非常放送装置は伝送路と追加した移報回線の少なくとも何れか一方により火災確認信号を受信した場合に火災放送を行うようにしたため、火災確認信号に連動する火災放送についても、火災確認信号の送信を二重化して障害発生に対し高いフェイルセーフ機能を発揮することを可能とする。
図面の簡単な説明
0026
火災報知設備と非常放送設備を伝送路と移報1回線により接続した防災設備の概要を示した説明図
火災受信機と非常放送装置の機能構成を示したブロック図
図2の火災受信機に設けた階別移報部の回路構成を示した回路ブロック図
火災報知設備と非常放送設備を伝送路と移報2回線により接続した場合の機能構成を示したブロック図
実施例
0027
[防災設備の概要]
図1は火災報知設備と非常放送設備を伝送路と移報1回線により接続した防災設備の概要を示した説明図である。
0028
図1に示すように、火災報知設備10は火災受信機14を備え、また非常放送設備12は非常放送装置20を備え、火災受信機14と非常放送装置20の間は伝送路28と1回線の移報回線30で接続し、火災受信機14の火災受信に連動して非常放送装置20で非常放送を行うようにしている。
0029
(火災報知設備の概要)
図1に示すように、火災報知設備10は火災受信機14を備え、火災受信機14から警戒区域毎に感知器回線L1〜Lnを引き出し、コモン線Cとの間に、感知器回線L1に代表して示すように、火災感知器16を接続している。
0030
火災感知器16は煙感知器又は熱感知器等であり、火災に伴う煙や熱等の物理現象の変化を検出して発報し、発報信号を火災受信機14に送信する。火災受信機14は火災感知器16からの発報信号を受信すると火災警報を出力する。
0031
また、感知器回線L1とコモン線Cの間には必要に応じて発信機18を接続しており、発信機18には更に火災受信機14から応答信号線Aを接続している。また発信機18は電話ジャックを設けていることから、火災受信機14から電話線Tを接続している。
0032
発信機18は火災発見者等の押し釦操作によるスイッチ作動で発信信号を火災受信機14に送信し、この発信信号を受信した火災受信機14は火災確認を検出して火災警報を出力すると共に応答信号線Aに応答信号を送信して発信機18に設けた応答表示灯を点灯して火災受信を行ったことを知らせる。
0033
火災受信機14の火災警報動作は、火災感知器16からの発報信号を受信した場合は、火災代表灯を点灯又は点滅して火災警報音を出力すると共に火災発報のあった感知器回線に対応した地区表示灯を点灯又は点滅して火災発生区域を示す。この火災警報に対し防災センターの係員等は火災発報のあった現場に出向き、火災を確認した場合には、防災センターに連絡することで火災受信機14に設けた火災確認スイッチを操作させるか、或いは火災現場の近くに設置している発信機18を操作して発信信号を送信することで、火災受信機14で火災確認を検出し、地区音響警報の出力制御等を行う。
0034
また、火災受信機14は火災発報及び火災確認を検出すると、非常放送設備12を含む外部装置に連動信号を出力する移報動作を行う。火災受信機14が非常放送設備12に出力する連動信号としては、発報区域識別信号、発報代表信号及び火災確認信号がある。
0035
発報区域識別信号は、火災感知器16が発報した感知器回線L1〜Lnに対応した発報区域を示す信号であり、例えば非常放送設備12の設置が義務付けられた地上11階以上の建物であれば火災発報階を示す階別信号を伝送路28により非常放送装置20に送信する。なお、以下の説明では、発報区域識別信号を、階別信号として説明する。
0036
発報代表信号は、火災受信機14が火災感知器16から発報信号を受信したことを代表して示す信号であり、伝送路28による階別信号の送信に連動して移報回線30により非常放送装置20に送信し、発報階が分からない点で階別信号とは異なる。
0037
火災確認信号は、火災受信機14が発報後に火災の確認を検出した場合に伝送路28により非常放送装置20に送信する信号である。
0039
(非常放送設備の概要)
図1に示すように、非常放送設備12は非常放送装置20を備え、外部機器として例えば一般業務放送に使用する卓上マイク装置22、バックグランドミュージック(BGM)、チャイム等の一般業務放送の音源となる音声ファイル、ラジオチューナ、CDプレーヤ等を含む音源装置24、緊急地震速報装置25などを必要に応じて接続している。
0040
また、非常放送装置20からはスピーカ回線SLを引き出しており、スピーカ回線SLは例えば建物の階別等の放送区域毎に分けて複数回線を引き出し、各回線に複数のスピーカ26を接続している。スピーカ26は居室、非居室、廊下、階段といった設置場所に応じて消防法令で決められた出力音圧のものを設置している。また、1つのスピーカ回線SLは、ノーマル放送線N、非常放送線R及びコモン線Cの3本の信号線を使用している。ノーマル放送線Rにはスピーカ分岐側に音量調整用のアッテネータ(減衰器)を設ける場合がある。
0041
非常放送装置20は、連動信号による基本的な放送制御として、火災報知設備10の火災受信機14から階別信号を伝送路28により受信した場合に、火災発生階及び直上階のスピーカ回線を選択してスピーカから所定の感知器発報放送を出力させる。なお、火災発生階が1階の場合は地下階を含む。
0042
また、非常放送装置20は、感知器発報放送を行った後に火災受信機14から火災確認信号を伝送路28により受信した場合、火災発生階及び直上階のスピーカから所定の火災放送を出力させる。更に、火災放送から予め設定した一定時間を経過した場合に、全階のスピーカから火災放送を出力させる一斉放送に切替える。
0043
これに加え本実施形態の非常放送装置20にあっては、伝送路28による階別信号の受信に加え、移報回線30による発報代表信号との受信を組み合わせた放送制御を行う。
0044
また、非常放送装置20は、非火災を現場確認して非火災放送スイッチを操作した場合に、火災発生階及び直上階のスピーカから所定の非火災放送を出力させる。
0046
図2に示すように、火災受信機14は受信制御部32を備え、受信制御部32は例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
0047
受信制御部32に対しては発報受信部34、表示部36、操作部38、警報部40、伝送部42及び発報代表移報部44を設けている。
0048
発報受信部34は、感知器回線L1〜Lnに対応して設け、火災感知器16からの発報信号を受信して出力し、また、図1に示した発信機18からの発信信号を受信して出力する。ここで、図1に示した同じ感知回線L1に接続している火災感知器16から発報信号とは発信機18からの発信信号の区別は、それぞれの抵抗値を変えることで、発報信号の信号電流と発信信号の信号電流を異ならせており、発報受信部34に設けた受信側抵抗に流れる信号電流による受信電圧の相違から、発報信号か発信信号かを受信制御部32で区別して検出することを可能としている。
0050
操作部38には、主音響停止スイッチ、地区音響停止スイッチ等の火災監視に必要な各種のスイッチを設けている。
0052
伝送部42は、受信制御部32の指示に基づきヘッダ部とデータ部でなるパケット形式の階別信号又は火災確認信号を、伝送路28を構成するLANケーブルを介して非常放送装置20に送信し、また伝送路28を介して非常放送装置20からパケット形式の鳴動停止信号を受信する。
0054
イーサネット(登録商標)としては例えば1000BASE−Tを使用する。1000BASE−TではLANケーブルとして耐熱仕様のカテゴリー5E(エンハンスドカテゴリー5)以上を使用する。カテゴリー5EのLANケーブルは4対の撚り線(ツイスト線)を1本にまとめた8芯のケーブルであり、1000BASE−Tでは8芯4対を全て使用して1000Mbpsの伝送速度を100メートル以内の伝送距離で実現可能とする。
0055
このため伝送路28として、両端に伝送コネクタのプラグを接続したカテゴリー5E対応のLANケーブルを使用すればよく、火災受信機14と非常放送装置20は同じ防災センターの室内に隣接又は近接して設置していることから、火災受信機14と非常放送装置20を接続するLANケーブルは例えば数メートル程度で済み、伝送距離が長くなる問題はない。
0056
発報代表移報部44は、受信制御部32が伝送部42に指示して階別信号を伝送路28により送信する制御に連動して動作され、火災感知器16から発報信号を受信したことを代表して示す発報代表信号を、移報回線30を構成する信号線ELとコモン線Cにより非常放送装置20に送信する。
0057
ここで、発報代表移報部44は、図3に示すように、受信制御部32により作動するリレー100を備え、リレー100の常開リレー接点102に移報回線30の信号線ELとコモン線Cを接続しており、発報代表信号を所謂無電圧接点信号として出力する。
0058
受信制御部32は、感知器回線L1〜Lnに対応した発報受信部34の何れかによる発報信号の受信出力から火災発報を検出した場合、表示部36及び警報部40に指示して代表火災表示や火災地区表示を行うと共に火災警報音を出力させる制御を行う。
0059
また、受信制御部32は、火災発報を検出した場合、発報階を示す階別情報を含む階別信号を生成し、伝送部42に指示してパケット形式の階別信号に変換して伝送路28により非常放送装置20へ送信する制御を行う。
0060
また、受信制御部32は、伝送部42による階別信号の送信に連動して発報代表移報部44に設けたリレーを作動し、そのリレー接点を閉じて発報代表信号を移報回線30により非常放送装置20に送信する制御を行う。
0061
また、受信制御部32は、火災発報を検出した後に、発信信号の受信又は火災断定スイッチの操作等から火災確認を検出した場合、火災確認情報を含む火災確認信号を生成し、伝送部42に指示してパケット形式の火災確認信号に変換して伝送路28により非常放送装置20へ送信する制御を行う。
0062
また、受信制御部32は地区ベル鳴動中に、伝送部42により非常放送装置20からの鳴動停止信号の受信を検出している間、地区ベル鳴動を停止する制御を行う。
0063
[非常放送装置の機能構成]
図2に示すように、非常放送装置20は制御部48を備え、制御部48は例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
0064
制御部48に対しては、伝送部50、発報代表受信部52、表示部54、操作部56、放送音源部58、マイクスイッチ(図示せず)を備えたマイク60、放送入力選択部62及び放送出力選択部64を設けている。
0065
伝送部50は、火災受信機14の伝送部42と同様であり、LANのプロトコルとして知られた物理的な規格であるイーサネット(登録商標)とTCP/IPプロトコル(IP層とTCP層の規格)の組合せによる伝送制御を行い、パケット形式の階別信号又は火災確認信号を伝送路28を介して火災受信機14から受信し、また制御部48の指示によりパケット形式の鳴動停止信号を伝送路28を介して火災受信機14に送信する。
0066
発報代表受信部52は、移報回線30の信号線ELとコモン線Cを介して火災受信機14の発報代表移報部44のリレー接点間に所定の電圧を印加しており、発報代表移報部44のリレーの作動でリレー接点が閉じると信号電流が流れ、これによる信号線間の受信電圧を制御部48に出力して発報代表信号の受信を検出させる。
0068
放送音源部58には感知器発報放送、火災放送、非火災放送、地震や盗難等の緊急放送、訓練放送等の放送メッセージ情報を記憶しており、制御部48から指示を受けた放送メッセージ情報を読み出しアナログ放送信号に変換して出力する。ここで、放送音源部58は感知器発報放送として、火災発生階を示す情報を含む感知器発報放送と、火災発生階を示す情報を含まない感知器発報放送に対応した2種類の放送メッセージ情報を記憶している。
0069
マイク60は非常放送装置20の操作パネルに設けており、必要に応じて防災センターの係員が避難誘導などを指示する放送入力を行うことを可能とする。また、係員がマイク60を操作パネルからピックアップするとマイクスイッチがオンし、マイク使用を示す検出信号を制御部48に出力し、鳴動停止信号を伝送路28により火災受信機14に送信させる。
0070
放送入力選択部62は放送音源部58、マイク60、外部に設けた卓上マイク装置22、音源装置24及び緊急地震速報装置25を入力接続し、制御部48の指示により特定の放送入力を選択して放送出力選択部64に出力する。
0071
放送出力選択部64は放送入力選択部62から入力した放送信号を、制御部48の指示によりスピーカ回線SL1〜SLnの中から選択した回線に出力してスピーカから放送出力させる。また、放送出力選択部64にはパワーアンプを設けており、必要とするスピーカの音圧出力を可能とする。パワーアンプはスピーカ回線単位に設けても良いし、所定数のスピーカ回線をグループ化し、グループ単位に設けても良い。
0072
[放送制御装置の連動放送制御]
非常放送装置20に設けた制御部48は、伝送部50による階別信号と発報代表受信部52による発報代表信号の受信に基づいて感知器発報放送を制御すると共に、その後の伝送部50による火災確認信号の受信に基づいて火災放送を制御する。
0074
(信頼性モード)
所定の操作により信頼性モードを設定した場合、制御部48は、伝送部50による階別信号の受信と発報代表受信部52による発報代表信号の受信の両方を検出した場合に、火災発生階及び直上階のスピーカ回線を放送出力選択部64に指示して選択し、また、放送音源部58に指示して発報階を示す情報を含む感知器発報放送信号を再生出力させ、放送入力選択部62に指示して放送音源部58からの感知器発報放送信号を選択させ、火災発生階及び直上階のスピーカから感知器発報放送を出力させる制御を行う。
0075
この場合の感知器発報放送は、例えば「ただいま○○階の火災報知器が作動しました。確認しておりますので、次の放送にご注意ください。」であり、「○○階の」といった火災発生階の情報を含んでいる。その後に伝送部50による火災確認信号の受信した場合にも、例えば「火事です。火事です。○○階の火災が発生しました。落ち着いて避難してください。」と「○○階の」といった火災発生階の情報を含んだ火災放送の出力させる制御を行う。
0076
この信頼性モードによる放送制御にあっては、火災報知設備10の点検に伴い伝送路28又は移報回線30から発報区域識別信号又は発報代表信号がノイズなどにより誤って送られても、両方の受信がない場合には非常放送装置20は感知器発報放送を行うことがなく、火災報知設備10の点検中に起きる誤放送を確実に防止可能とする。
0077
(フェイルセーフモード)
所定の操作によりフェイルモードを設定した場合、制御部48は、伝送部50による階別信号の受信と発報代表受信部52による発報代表信号の受信の少なくとも何れか一方を検出した場合に、感知器発報放送を出力する制御を行う。
0078
この感知器発報放送制御は、階別信号の受信を検出した場合と発報代表信号の受信を検出した場合とで放送内容及び放送区域が異なる。
0079
制御部48は、伝送部50による階別信号の受信を検出した場合、放送音源部58、放送入力選択部62及び放送出力選択部64に指示して、火災発生階及び直上階のスピーカから、例えば「ただいま○○階の火災報知器が作動しました。確認しておりますので、次の放送にご注意ください。」とする、「○○階の」といった火災発生階の情報を含んだ感知器発報放送を出力させる制御を行う。
0080
これに対し制御部48は、発報代表受信部52による発報代表信号の受信を検出し、伝送による階別信号を受信しなかった場合、放送音源部58、放送入力選択部62及び放送出力選択部64に指示して、この場合は火災発生階が不明であることから、全ての階のスピーカから、例えば「ただいま火災報知器が作動しました。確認しておりますので、次の放送にご注意ください。」とする、「○○階の」といった火災発生階の情報を含まない感知器発報放送、所謂全館一斉発報放送を出力させる制御を行う。
0081
このフェイルセーフモードによる放送制御によれば、伝送路28による伝送系統又は移報回線30による移報系統の何れか一方で故障等の障害が発生したとしても、火災受信機14から発報区域識別信号又は発報代表信号を確実に非常放送装置20に送って感知器発報放送を行うようにしたため、障害発生に対し高いフェイルセーフ機能を発揮することを可能とする。
0082
また、火災発生階が不明な発報代表信号の受信を検出した場合は、全ての警戒区域で一斉報放送を行うようにしたため、火災発生階を含まない放送内容であっても、火災の発生を知らせる感知器発報放送としての機能を十分に発揮することを可能とする。
0083
また制御部48は、発報代表信号を受信して火災発生階の情報を含まない全館一斉発報放送を行っている間に、伝送による階別信号を受信することなく発報代表信号を所定の時間以上継続した場合には、「火事です。火事です。火災が発生しました。落ち着いて避難してください。」とする、「○○階の」といった火災発生階の情報を含まない火災発報放送、所謂全館一斉火災放送を出力させる制御を行う。
0084
[火災確認信号の二重化]
図4は火災報知設備と非常放送設備を伝送路と移報2回線により接続した場合の機能構成を示したブロック図であり、火災確認信号の送信についても二重化したことを特徴とする。
0085
図4に示すように、火災受信機14は、受信制御部32、表示部36、操作部38、警報部40、伝送部42及び発報代表移報部44を設け、この点は図2の実施形態と同じであるが、更に、受信制御部32に対し火災確認移報部70を設け、火災確認信号線EFとコモン線Cによる移報回線を追加して2回線としている。
0086
火災確認移報部70は図3に示した発報代表移報部44と同様にリレーの作動によりリレー接点を閉じて無電圧接点信号として火災確認信号を出力する。
0087
受信制御部32は、伝送部42による火災確認信号の送信に連動して、火災確認移報部70のリレーを作動してそのリレー接点の閉成により火災確認信号を非常放送装置20に送信する制御を行う。これ以外の受信制御部32の制御は図2の場合と同じになる。
0088
一方、非常放送装置20は、制御部48、伝送部50、発報代表受信部52、表示部54、操作部56、放送音源部58、マイク60、放送入力選択部62及び放送出力選択部64を設け、この点は図2の実施形態と同じであるが、更に、火災確認受信部72を設け、火災受信機14の火災確認移報部70からの火災信号を受信して制御部48に出力するようにしている。
0089
このように火災確認信号の送信についても二重化したため、フェイルセーフモードでは、伝送路28による伝送系統又は移報回線による回線系統に故障等の障害発生した場合、確実に火災確認信号を送信して火災放送を行うことで、障害発生に対し高いフェイルセーフ機能を発揮することを可能とする。
0090
また、火災確認信号の送信についても二重化したため、信頼性モードでは、伝送部50による火災確認信号の受信と火災確認受信部72による火災確認信号の受信の両方を検出した場合に火災放送を行うことで、火災報知設備の点検等に伴い伝送路又は移報回線から火災確認信号が誤って送られても、両方の受信がないことから非常放送装置は火災放送を行うことがなく、火災報知設備の点検中に起きる誤放送を確実に防止可能とする。
0091
[本発明の変形例]
(伝送方式)
上記の実施形態は、火災受信機と非常放送装置との間をイーサネット(登録商標)とTCP/IPの組合せにより8芯の信号線を含むLANケーブルを伝送路としてパラレル伝送する場合を例にとっているが、一対の上り回線と一対の下り回線からなる4芯2組の信号線を含むLANケーブルを伝送路としてシリアル伝送とする様にしても良い。また火災受信機と非常放送装置との間の伝送は、必要に応じて適宜のプロトコルを適用することを可能とする。
0092
(無線伝送)
上記の実施形態は、火災受信機と非常放送装置との間をLANケーブル等の伝送路で接続した有線伝送としているが、無線伝送としても良い。この無線伝送としては、例えば400MHz帯の特定小電力無線、5GHz帯や2.4GHz帯を使用した特定小電力無線、920MHz帯を使用した特定小電力無線、或いはイーサネット(登録商標)による無線ネットワークをベースにしたIEEE802.11に準拠したWiFi等の無線LANとすれば良い。
0093
(火災受信機)
上記の実施形態は、回線単位に火災を検知して警報するP型受信機を例にとるものであったが、火災感知器や発信機等にアドレスを設定して感知器単位及び発信機単位に火災を検知して警報するR型受信機についても同様に適用できる。
0094
(その他)
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
0095
10:火災報知設備
12:非常放送設備
14:火災受信機
16:火災感知器
18:発信機
20:非常放送装置
22:卓上マイク装置
24:音源装置
25:緊急地震速報装置
26:スピーカ
28:伝送路
30:移報回線
32:受信制御部
34:発報受信部
42,50:伝送部
44:発報代表移報部
52:発報代表受信部
58:放送音源部
62:放送入力選択部
64:放送出力選択部
70:火災確認移報部
72:火災確認受信部