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技術 ユーザー識別技術を備えた高速マルチタッチセンサー

出願人 タクチュアルラブズシーオー.
発明者 ウィグダー,ダニエル
出願日 2018年11月21日 (10ヶ月経過) 出願番号 2018-218628
公開日 2019年4月4日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-053759
状態 未査定
技術分野 位置入力装置
主要キーワード 干渉抵抗 非直線経路 スライダー制御 中間物体 線形センサー 無線周波干渉 擬似無作為 ラジオ回路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

複数の行導体と複数の列導体を含むタッチ感知式デバイス上で同時のタッチ事象ソースを区別する方法およびシステムを提供する。

解決手段

高速マルチタッチセンサー100において、行導体の各々の経路は列導体の各々の経路と交差している。複数の直交する行信号の各々は複数の行導体の少なくともいくつかのそれぞれ1つに同時に送信される。複数の列導体の各々に存在する直交する行信号の各々の量が検出され、タッチ事象は検出された量を用いて識別される。同時のタッチ事象の各々は、複数の直交する行信号の各々の検出された量に基づいて別々のソースに関連付けられる。

概要

背景

概要

複数の行導体と複数の列導体を含むタッチ感知式デバイス上で同時のタッチ事象ソースを区別する方法およびシステムを提供する。高速マルチタッチセンサー100において、行導体の各々の経路は列導体の各々の経路と交差している。複数の直交する行信号の各々は複数の行導体の少なくともいくつかのそれぞれ1つに同時に送信される。複数の列導体の各々に存在する直交する行信号の各々の量が検出され、タッチ事象は検出された量を用いて識別される。同時のタッチ事象の各々は、複数の直交する行信号の各々の検出された量に基づいて別々のソースに関連付けられる。

目的

<発明の分野>
開示されたシステムおよび方法は、概してユーザー入力の分野に、具体的には、高速マルチタッチセンサーにおけるユーザー識別および場所の識別を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の行導体と複数の列導体を含むタッチ感知式デバイス上で同時のタッチ事象ソースを区別する方法であって、行導体の各々の経路は列導体の各々の経路と交差し、該方法は、複数の行導体の少なくともいくつかのそれぞれ1つに複数の直交する行信号の各々を同時に送信する工程、複数の列導体の各々に存在する複数の直交する行信号の各々の量を検出する工程、複数の直交する行信号の各々の検出された量を用いて、タッチ感知式デバイス上でタッチ事象を識別する工程、および、複数の直交する行信号の各々の検出された量に基づいて、複数の同時のタッチ事象の各々を別々のソースに関連付ける工程、を含む、方法。

請求項2

複数の同時のタッチ事象の各々を別々のソースに関連付ける工程は、手の別の指、同じユーザーの別の手の指、異なるユーザーの手の指からの同時のタッチ事象を関連付けるために、複数の直交する行信号の各々の検出された量を用いる工程を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

列導体の少なくともいくつかのそれぞれ1つに複数の直交する列信号の各々を同時に送信する工程、および、複数の行導体の各々に存在する複数の直交する列信号の各々の量を検出する工程、をさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項4

複数の同時のタッチ事象の各々を別々のソースに関連付ける工程は、同じ手の指、同じユーザーの別の手の指、または、異なるユーザーの手の指からのタッチ感知式デバイス上でのタッチ事象を特定するために、複数の直交する列信号の各々の検出された量を用いる工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。

請求項5

タッチ事象を識別する工程は信号処理装置によって実行される、請求項1に記載の方法。

請求項6

タッチ事象を識別する工程は、ユーザーの指の第1の指によってタッチされる行または列と、ユーザーの指の第2の指によってタッチされる行または列との間の結合を検出する工程を含む、請求項1に記載の方法。

請求項7

タッチ事象を識別する工程は、ユーザーの身体の1つの部分によって引き起こされるタッチ事象に近接する行および列の間と、ユーザーの身体の別の部分によって引き起こされるタッチ事象に近接する行および列の間の結合を検出する工程を含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

ユーザーの身体の1つの部分は指であり、ユーザーの身体の別の部分はユーザーの手のひらを含む、請求項7に記載の方法。

請求項9

検出する工程は、同時のタッチ事象の発生に由来する複数の列導体の各々に存在する複数の直交する行信号の各々の量の変化を検出する工程を含む、請求項1に記載の方法。

請求項10

同時のタッチ事象の少なくとも1つは、複数の行導体と複数の列導体とともにユーザーの身体部分に近接することによるタッチ事象を含む、請求項9に記載の方法。

請求項11

同時のタッチ事象の少なくとも1つは、複数の行導体と複数の列導体とともにユーザーの身体の別の部分に近接することによるタッチ事象を含む、請求項10に記載の方法。

請求項12

複数の同時のタッチ事象の各々を別々のソースに関連付ける工程は、同時のタッチ事象の少なくとも1つをユーザーの身体部分に関連付け、同時のタッチ事象の少なくとも他の1つを物体に関連付けるために、複数の直交する行信号の各々の検出された量を用いる工程を含む、請求項1に記載の方法。

請求項13

物体はスタイラスである、請求項12に記載の方法。

請求項14

タッチ事象はタッチ感知式デバイスの近接で生じるユーザーによる動作を含む、請求項1に記載の方法。

請求項15

複数の直交する行信号は、複数の直交する列信号と同じ時間に送信される、請求項3に記載の方法。

請求項16

複数の直交する行信号は、複数の直交する列信号と同じ時間には送信されない、請求項3に記載の方法。

請求項17

複数の行導体と複数の列導体を含むタッチ感知式デバイス上でまたはその近くで同時のタッチ事象のソースを区別する方法であって、行導体の各々の経路は列導体の各々の経路と交差し、該方法は、複数の行導体の各々に行信号を送信する工程、複数の列導体の各々に存在する複数の行導体の各々に関連付けられた送信された行信号の量を検出する工程、タッチ感知式デバイス上で複数のタッチ事象を識別するために、複数の行導体の各々に関連付けられた送信された行信号の検出された量を用いる工程、および、別々のソースからの複数の同時のタッチ事象の各々を関連付けるために、複数の行導体の各々に関連付けられた送信された行信号の検出された量を用いる工程、を含む、方法。

請求項18

同時のタッチ事象の別々のソースは、第1のユーザーからの少なくとも1つのタッチ事象と第2のユーザーからの少なくとも1つのタッチ事象を含む、請求項17に記載の方法。

請求項19

同時のタッチ事象の別々のソースは、1つの手からの2本の指を含む、請求項17に記載の方法。

請求項20

同時のタッチ事象の別々のソースは、一人のユーザーの1つの手からの1本の指と別の手からの1本の指を含む、請求項17に記載の方法。

請求項21

同時のタッチ事象の別々のソースは、第1のユーザーの1つの手からの1本の指と第2のユーザーの1つの手からの1本の指を含む、請求項17に記載の方法。

請求項22

同時のタッチ事象の別々のソースは、第1のユーザーの1つの手からの少なくとも1本の指と第2のユーザーの1つの手からの少なくとも1本の指を含む、請求項17に記載の方法。

請求項23

同時のタッチ事象の別々のソースは、第1のユーザーの両方の手の各々からの少なくとも1本の指と第2のユーザーの1つの手からの少なくとも1本の指を含む、請求項17に記載の方法。

請求項24

複数の同時のタッチ事象の各々を別々のソースに関連付ける工程は、その位置と方向を決定する際に助けとなる1つの物体上の複数の容量タッチ点を介して、あるいは、身体部分を用いて同時にディスプレイの別の領域にもタッチしているユーザーによって保持されたスタイラスを介して、複数のタッチ領域に関連する物体の一部からの同時のタッチ事象を関連付けるために、複数の直交する行信号の各々の検出された量を用いる工程を含む、請求項4に記載の方法。

請求項25

複数の同時のタッチ事象の各々を別々のソースに関連付ける工程は、その位置と方向を決定する際に助けとなる1つの物体上の複数の容量タッチ点を介して、あるいは、身体部分を用いて同時にディスプレイの別の領域にもタッチしているユーザーによって保持されたスタイラスを介して、複数のタッチ領域に関連する物体の一部からのタッチ感知式デバイス上のタッチ事象を識別するために、複数の直交する行信号の各々の検出された量を用いる工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。

請求項26

同時のタッチ事象の少なくとも他の1つは物体との事象であり、複数の同時のタッチ事象の各々を別々のソースに関連付ける工程は、ユーザーの手のひらのタッチ事象が誤ったタッチと登録されないようにユーザーの手のひらがどこにあるのかを検出するために用いられる、請求項12に記載の方法。

請求項27

複数の同時のタッチ事象の各々を別々のソースに関連付ける工程は、同時のタッチ事象の少なくとも1つをユーザーの身体部分に、同時のタッチ事象の少なくとも他の1つを物体に関連付けるために、複数の行信号の各々の検出された量を用いる工程を含む、請求項17に記載の方法。

請求項28

同時のタッチ事象の少なくとも1つは物体による事象であり、複数の同時のタッチ事象の各々を別々のソースに関連付ける工程は、ユーザーの手のひらのタッチ事象が誤ったタッチと登録されないようにユーザーの手のひらがどこにあるのかを検出するために用いられる、請求項27に記載の方法。

技術分野

0001

本出願は、2014年3月17日出願の米国特許出願第14/217,015号の優先権を主張する。本出願はまた、2013年3月15日出願の米国仮特許出願第61/799,035号、表題「Fast Multi−Touch Sensor With User−Identification Techniques」の優先権を主張する。本出願は、2013年3月15日出願の米国特許出願第13/841,436号、表題「Low−Latency Touch Sensitive Device」の一部継続出願である。本出願は、2013年7月12日出願の米国仮特許出願第61/845,892号の非仮出願(non−provisional)である、2013年11月1日出願の米国特許出願第14/069,609号、表題「Fast Multi−Touch Post Processing」の一部継続出願である。本出願は、著作権保護下にある題材を含む。特許情報開示が特許商標ファイルまたは記録で見られるので、版権所有者は、第三者による特許情報開示のファックスによる複製に異存は無いが、さもなければ所有者がそれ以外の方法で全ての著作権を保有するものとする。

0002

<発明の分野>
開示されたシステムおよび方法は、概してユーザー入力の分野に、具体的には、高速マルチタッチセンサーにおけるユーザー識別および場所の識別を提供する、ユーザー入力システムに関するものである。

図面の簡単な説明

0003

本開示の前述および他の物体、特徴、および利点は、添付図面に示されるような実施形態の、以下のより詳細な記載より明らかとなり、図中、参照文字は様々な視点を通じて同じ部分を指す。図面は、必ずしも正確な縮尺ではなく、その代わりに重点は、開示された実施形態の原理概説することに置かれている。
低レイテンシタッチセンサー装置の実施形態を示す、ハイレベルブロック図を提供する。
低レイテンシタッチセンサー装置の実施形態に使用され得る導電路を渡るためのレイアウトの実施形態を示す。
フィールド平坦化手順を示すブロック図を示す。
局大値(local maximum)の周囲にある4つの接続された近傍部を示す略図を示す。
局大値の周囲にある8つの接続された近傍部を示す略図を示す。
対称タッチ点に対する楕円の当てはめを示す幾何学的な図を示す。
ノイズ低減のために構成される低レイテンシタッチセンサー装置の実施形態を示す、ハイレベル・ブロック図を提供する。
信号の発生と送信のスキーム単純化された図表の実例である。
信号の発生と送信のスキームの単純化された図表の実例である。
信号の発生と送信のスキームの単純化された図表の実例である。
信号の発生と送信のスキームの単純化された図表の実例である。
信号の発生と送信のスキームの単純化された図表の実例である。
信号の発生と送信のスキームの単純化された図表の実例である。
開示されたシステムおよび方法の実施形態に係るユーザー識別技術を示す、側面図を示す。
開示されたシステムおよび方法の実施形態に係る、高速マルチタッチスタイラスを示す斜視図を示す。
開示されたシステムおよび方法の実施形態に係る、高速マルチタッチスタイラスを示す斜視図を示す。
センサーシートおよびアクティブ光スタイラスを示す、平面図を示す。
センサーシートおよびアクティブ光スタイラスを示す、側面図を示す。
開示されたアクティブ光スタイラスの実施形態に係る、センサーシートにおける内面反射を示す、側面図を示す。
開示されたアクティブ光スタイラスの実施形態に係る、角度フィルター(angular filter)の使用を示す、側面図を示す。
アクティブ光スタイラスによりセンサーシート上に放射されたパターンを示す、側面図を示す。
センサーシートの端に沿ってアクティブ光スタイラスによって放射されたスポットの幾何学的な投射を示す。
センサーシートの端に沿ってアクティブ光スタイラスによって放射されたスポットの幾何学的な投射を示す。
センサーシートの端に沿ってアクティブ光スタイラスによって放射されたスポットの幾何学的な投射を示す。
センサーシートの端に沿ってアクティブ光スタイラスによって放射されたスポットの幾何学的な投射を示す。

実施例

0004

本出願は、高速マルチタッチセンサー、および次のものに開示される他のインターフェースなどの、ユーザーインターフェースに関するものである:2013年3月15日出願の米国特許出願第13/841,436号の表題「Low−Latency Touch Sensitive Device」、2014年1月16日出願の米国仮特許出願第61/928,069号の表題「Fast Multi−Touch Update Rate Throttling」、2013年10月4日出願の米国特許出願第14/046,819号の表題「Hybrid Systems And MethodsFor Low−Latency User Input Processing And Feedback」、2013年3月15日出願の米国仮特許出願第61/798,948号の表題「Fast Multi−Touch Stylus」、2013年3月15日出願の米国仮特許出願第61/799,035号の表題「Fast Multi−Touch Sensor With User−Identification Techniques」、2013年3月15日出願の米国仮特許出願第61/798,828号の表題「Fast Multi−Touch Noise Reduction」、2013年3月15日出願の米国仮特許出願第61/798,708号の表題「Active Optical Stylus」、2012年10月5日出願の米国仮特許出願第61/710,256号の表題「Hybrid Systems And Methods For Low−Latency User Input Processing And Feedback」、2013年7月12日出願の米国仮特許出願第61/845,892号の表題「Fast Multi−Touch Post Processing」、2013年7月12日出願の米国仮特許出願第61/845,879号の表題「Reducing Control Response Latency With Defined Cross−Control Behavior」、2013年9月18日出願の米国仮特許出願第61/879,245号の表題「Systems And Methods For Providing Response To User Input Using Information About State Changes And Predicting Future User Input」、2013年9月21日出願の米国仮特許出願第61/880,887号の表題「Systems And Methods For Providing Response To User Input Using Information About State Changes And Predicting Future User Input」、2013年10月4日出願の米国特許出願第14/046,823号の表題「Hybrid Systems And Methods For Low−Latency User Input Processing And Feedback」、2013年11月1日出願の米国特許出願第14/069,609号の表題「Fast Multi−Touch Post Processing」、2013年10月7日出願の米国仮特許出願第61/887,615号の表題「Touch And Stylus Latency Testing Apparatus」、および2014年1月22日出願の米国仮特許出願第61/930,159号の表題「Dynamic Assignment Of Possible Channels In A Touch Sensor」、および2014年1月27日出願の米国仮特許出願第61/932,047号の表題「Decimation Strategies For Input Event Processing」。これら出願の全体の開示は、この参照によって本明細書に組み込まれる。

0005

本開示は、現在の事後処理が記載され得る、高速マルチタッチセンサーの操作について最初に記載する。しかし、現在開示されたシステムおよび方法は、下記の高速マルチタッチセンサーに関連する事後処理には限定されないが、むしろ、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他のセンサーに広く適用されることもある。

0006

一実施形態において、本明細書に開示される事後処理の技術を用いる、高速マルチタッチセンサーは、二次元多様体に対するヒトの指(または他の物体)によるタッチ事象(または他のジェスチャ)の検出を提供し、且つ、互いに検出され且つ区別される、タッチ事象または複数の同時のタッチ事象の性能を持つ。(本明細書で使用されるように、「タッチ事象」および用語「タッチ」は、名詞として使用される場合、近くのタッチ、および近くのタッチ事象、またはセンサーを使用して識別され得る他のジェスチャを含む。)一実施形態に従い、タッチ事象は、非常に低いレイテンシ(例えば、約10ミリセカンド以下、または約1ミリセカンド未満)を備えたダウンストリーム計算プロセスに検出され、処理され、供給されることもある。

0007

一実施形態において、開示された高速マルチタッチセンサーは、タッチ事象の高い更新率および低レイテンシが増強された、突出した(projected)容量方式を利用する。この技術は、上記の利点を得るためにハードウェアおよびより高周波数波形を平行して使用することができる。また、感度が良くてロバストな測定を行なうための方法も開示され、該方法は、透明なディスプレイ表面上で使用されてもよく、且つ、この技術を使用する製品の安価な製造を可能にすることもある。この点において、本明細書に使用されるような「容量性の物体」は、指、人体の他の部分、スタイラス、または、センサーの感度がよい任意の物体であり得る。本明細書に開示されたセンサーおよび方法は、静電容量に依存する必要はない。以下に開示される光学センサーの実施形態に関して、このような実施形態は、タッチ事象を感知するために光トンネリングおよび光漏出(photon tunneling and leaking)を利用し、本明細書に使用されるような「容量性の物体」は、そのような感知に適合可能な、スタイラスまたは指等の任意の物体を含む。同様に、本明細書に使用されるような「タッチ位置」および「タッチ感知式デバイス」は、容量性の物体と開示されたセンサーとの間に実際のタッチ接触を必要としない。

0008

図1は、一実施形態に係る高速マルチタッチセンサー100の特定の原理を示す。参照番号200では、異なる信号が表面の行の各々に送信される。信号は、「直交」(即ち、互いに分離可能且つ区別可能)となるように設計される。参照番号300では、受信機は各列に付けられている。受信機は、送信信号、またはそれらの恣意的な組み合わせを受信するように、および、列に存在する直交の送信信号の各々の量を個々に測定するように、設計される。センサーのタッチ表面400は、一連の行と列(全て図示されず)を含み、それに沿って直交信号伝搬することができる。一実施形態において、行と列は、それらがタッチ事象に曝されると、より少量のまたは些細な(negligible)量の信号がその間で繋がり、一方で、行と列がタッチ事象にさらされると、より多量のまたは些細でない量の信号がその間で繋がるように、設計される。(一実施形態において、その反対も可能である。より少量の信号がタッチ事象を表わし、より多量の信号がタッチの不足を表わす。)上記で議論されたように、タッチ、またはタッチ事象は、物理的なタッチではなく、むしろ、繋がれた信号のレベルに影響を及ぼす事象を必要とする。

0009

図1を引き続き参照すると、一実施形態において、概略的に、行と列の両方の近接したタッチ事象の容量性の結果は、列の上に存在する些細な量の信号を行に繋げることもある。更に概略的に、タッチ事象は、列の上で受信信号を引き起こし、および故にそれに対応する。行の上の信号が直交であるので、多数の行信号は列に繋がれ、受信機によって区別され得る。同様に、各行の上の信号は多数の列に繋がれ得る。与えられた行に繋がれた各行について、列に見出される信号は、どの行が列と同時にタッチしているかを示す情報を包含している。受信された各信号の量は一般的に、対応する信号を運ぶ列と行の間の結合の量に関係し、および故に、表面までのタッチ物体の距離、タッチおよび/またはタッチの圧力によって覆われる表面の領域を示すこともある。

0010

行と列が同時にタッチすると、行の上に存在する信号の幾つかが、対応する列に繋がれる。(上記で議論したように、用語「タッチ」または「タッチした」は、実際の物理的な接触ではなく、相対的な接近を要求する。)実際に、タッチ装置の様々な実施において、行および/または列と、指または他のタッチの物体との間に保護壁があるため、行および/または列との物理的な接触は、起こりそうもない。更に、一般的に、行と列自体は互いにタッチしておらず、むしろ、その間に繋がれる些細な量の信号よりも多くを保護するように近接して配される。一般的に、行と列の結合は、その間での実際の接触によるものでも、指または他のタッチの物体からの実際の接触によるものではなく、むしろ、指(または他の物体)を接近させることによる容量性の効果によってもたらされるものであり、容量性の効果をもたらす近接は、タッチとして本明細書で言及される。

0011

行と列の性質は恣意的であり、特定の配向は関連性がない。実際、用語「行」と「列」は、正方形グリッド(grid)よりもむしろ、信号が送信される導体のセット(行)、および、信号が繋がれ得る導体のセット(列)を指すように意図される。行と列がグリッド中にある必要は全くない。タッチ事象が「行」の一部および「列」の一部にタッチする限り、他の形状が可能であり、且つ結合の幾つかの形態を生じさせる。例えば、「行」は同心円にあり、「列」は中心から外に放射するスポーク(spokes)であり得る。更に、信号の伝搬チャネルが2種類のみである必要はない:行と列の代わりに、一実施形態において、チャネル「A」、「B」、および「C」を設けてもよく、そこでは、「A」に送信された信号は「B」および「C」で受信され、または、一実施形態において、「A」および「B」に送信された信号は「C」で受信され得る。信号の伝搬チャネルが機能を交互に行い、時に送信機支援し且つ時に受信機を支援し得ることも、可能である。多くの代替的な実施形態が可能であり、本開示を考慮した後、当業者に明白となるであろう。

0012

上記で注目されるように、一実施形態において、タッチ表面400は、一連の行と列とで構成され、信号はそれに沿って伝搬され得る。上記で議論されるように、行と列は、接触させられない場合に、些細な量の信号がその間で繋がれるように設計される。更に、異なる信号が行の各々に送信される。一実施形態において、これら異なる信号の各々は、互いに直交している(即ち、分離可能且つ区別可能である)。行と列が同時にタッチされると、行の上にある些細でない量の信号が、対応する列に繋がれる。列に繋がれる信号の量は、接触の圧力または領域に関係する場合もある。

0013

受信機300が各列に付けられる。受信機は、些細でない量の直交信号の何れか、または直交信号の恣意的な組み合わせを受信するように、且つ、些細でない量の信号を提供する列を識別するように設計される。一実施形態において、受信機は、その列にある直交の送信信号の各々の量を測定する場合もある。このように、各列にタッチした行の識別に加えて、受信機は、接触に関する付加的な(例えば、質的な)情報を提供することができる。概して、タッチ事象は、列の上で受信信号に対応する場合もある。各列について、その上で受信された異なる信号は、どの対応する行が、その列と同時に接触させられるのかを示す。一実施形態において、受信された各信号の些細でない量は、対応する行と列の間に繋がれる量に関係し、且つ、接触によって覆われる表面の領域、接触の圧力などを示すこともある。

0014

<単純なシヌソイドの実施形態>
一実施形態において、行に送信される直交信号は、未変調のシヌソイドであり得、その各々が異なる周波数を有しており、該周波数は、それらが受信機中で互いに容易に区別され得るように選択される。一実施形態において、周波数は、それらが受信機中で互いに容易に区別され得るように、間に十分な間隔を設けるように選択される。一実施形態において、単純な調波関係は、選択された周波数間には存在しない。単純な調波関係の欠如は、1つの信号に別の信号を模倣させ得る、非線形アーチファクト(non−linear artifacts)を緩和し得る。

0015

一般的に、隣接周波数間の間隔が一定であり、且つ最も高い周波数が最小のものの2倍未満である、周波数の「コム(comb)」は、周波数間の間隔、Δfが、測定期間τの少なくとも逆数である場合に、これらの基準を満たすことになる。例えば、どの行信号が1ミリセカンド(τ)につき1回存在するかを定めるために、(例えば、列からの)信号の組み合わせを測定することが好ましい場合、その後、周波数間隔(Δf)は1キロヘルツより大きく(即ち、Δf>1/τ)なくてはならない。この計算に従い、わずか10行しかない例の場合において、以下の周波数を使用することが可能である:

0016

0017

周波数間隔が、ロバストな設計を可能にするためにこの最小よりも十分に大きくてもよいことが、当業者に明白となるであろう。一例として、0.5cmの行/列の間隔を持つ20cm×20cmのタッチ表面は、40の行と40の列を必要とし、40の異なる周波数でシヌソイドを必要とする。一方、1ミリセカンドにつき1の分析速度は、1kHzの間隔しか必要とせず、恣意的に大きな間隔は、より多くのロバストな実施のために利用される。恣意的に大きな間隔は、最高周波数が最小のものよりも2倍より大きくてはならない(即ち、fmax<2(fmin))という制約に従う。この例において、5MHzで設定される最小周波数を持つ100kHzの周波数間隔が使用されてもよく、これにより、5.0MHz、5.1MHz、5.2MHzなどの、8.9MHzまでの周波数リストを得る。

0018

一実施形態において、リスト上のシヌソイドの各々は、信号発生器によって生成され、送信機によって別個の行の上に送信されてもよい。同時にタッチさせられる行と列を識別するために、受信機は、列に存在する任意の信号を受信し、信号プロセッサーは、もしあれば、リスト上にどの周波数が現れるかを定めるために信号を分析する。一実施形態において、識別は、周波数分析技術(例えば、フーリエ変換)により、またはフィルターバンクの使用により支援され得る。

0019

一実施形態において、各列の信号から、受信機は、その列の上の信号に見出される周波数のリストから各周波数の強度を定めることができる。周波数の強度が幾つかの閾値よりも大きい実施形態において、信号プロセッサーは、列と、その周波数に対応する行との間にタッチ事象が存在することを識別する。一実施形態において、行/列の交点からのタッチの距離、タッチ物体の大きさ、物体が押し下がる圧力、接触される行/列の交点の画分等を含む、様々な物理現象に対応し得る信号強度情報が、タッチ事象の領域を局在化するための支援として使用され得る。

0020

一旦信号の強度が(行に対応する)少なくとも2つの周波数、または少なくとも2つの列について計算されると、二次元マップが生成され得、信号強度は、その行/列の交点でのマップの値である。一実施形態において、信号の強度は、各列の上にある各周波数について計算される。一旦信号強度が計算されると、二次元マップが生成され得る。一実施形態において、信号強度は、その行/列の交点でのマップの値である。一実施形態において、異なる周波数でのタッチ表面の物理的相違により、信号強度は、与えられた接触のために正規化、或いは較正される必要がある。同様に、一実施形態において、タッチ表面を渡るまたは交点間にある物理的相違により、信号強度は、与えられたタッチのために正規化、或いは較正される必要がある。

0021

一実施形態において、二次元マップのデータは、タッチ事象をより良く識別、測定、または分離するために閾値処理(thresholded)され得る。一実施形態において、二次元マップのデータは、表面にタッチする物体の形状や配向などに関する情報を推測するために使用されてもよい。

0022

行に送信される信号の議論に戻り、シヌソイドは、上述の構成において使用され得る唯一の直交信号ではない。実際に、上記で議論されるように、互いに区別され得る信号の任意のセットが、機能することになる。それにもかかわらず、シヌソイドは、より単純な工学技術、および、この技術を使用する装置の更にコスト効率の良い製造を可能にし得る、幾つかの都合のよい特性を有し得る。例えば、シヌソイドは、(定義による)非常に狭い周波数特性を有しており、DCの付近低周波に下に拡大する(extend down)必要はない。更に、シヌソイドは、1/fのノイズによる影響を比較的受けず、このノイズは、より低い周波数にまで及ぶ、より広い信号に影響を及ぼし得る。

0023

一実施形態において、シヌソイドはフィルターバンクによって検出されてもよい。一実施形態において、シヌソイドは周波数分析技術(例えばフーリエ変換)によって検出されてもよい。周波数分析技術は比較的効率的な方式で実施されてもよく、および、優れたダイナミックレンジの特徴を有する傾向があり、それらが大多数の同時のシヌソイド間で検出および区別することを可能にする。広い信号処理期間において、受信機の複数のシヌソイドのデコーディングは、周波数分割多重化の形態として考慮されてもよい。一実施形態において、時分割および符号分割多重化などの他の調節技術も使用され得る。時分割多重化は、優れたダイナミックレンジの特徴を有しているが、限定された時間がタッチ表面への送信(または、そこからの受信信号の分析)に費やされることを典型的には必要とする。符号分割多重化は、周波数分割多重化と同様の同時の性質を有しているが、ダイナミックレンジの問題に遭遇することもあり、且つ容易に複数の同時信号の間で区別されないこともある。

0024

<変調されたシヌソイドの実施形態>
一実施形態において、変調されたシヌソイドは、上述のシヌソイドの実施形態の代わりとして、それと組み合わせて、および/または、それを改良したものとして(as an enhancement of)、使用され得る。未変調のシヌソイドの使用は、タッチ表面付近の他の装置に無線周波干渉を引き起こし、故に、それらを使用する装置は、規定上の試験(例えばFCC、CE)を通過するという問題に遭遇することもある。加えて、未変調のシヌソイドの使用は、精密な(deliberate)送信機または他の干渉装置(恐らく、別の同一のタッチ表面)の何れかから、環境における他のシヌソイドからの干渉を受けやすい場合もある。一実施形態において、そのような干渉は、記載の装置において、誤ったまたは劣化したタッチ測定を引き起こし得る。

0025

一実施形態において、干渉を回避するために、シヌソイドは、信号が受信機に達すると復調され得る(撹拌されない(unstirred))方式で、送信機によって送信される前に変調されるか、または「撹拌され(stirred)」得る。一実施形態において、可逆的な変換(または、ほぼ可逆的な変換)は、変換が補われ、且つ信号が受信機に達すると実質的に回復され得るように、信号を変調するために使用され得る。当業者にも明白となるように、本明細書に記載されるようなタッチ装置において変調技術を使用して放出または受信される信号は、他のものとはあまり関連付けられず、故に、環境中にある他の信号に類似する、および/または他の信号からの干渉に曝されるように思われるよりは、むしろ単なるノイズのように作用する。

0026

一実施形態において、利用される変調技術は、装置操作の環境において、送信されたデータに、かなり無作為にまたは少なくとも異常に姿を現わさせる。2つの変調スキーム周波数変調および直接シーケンススペクトラム拡散変調が議論される。

0027

<周波数変調>
シヌソイドの全体のセットの周波数変調は、「それらを不鮮明にする(smearing them out)」ことにより同じ周波数でそれらが現われることを回避する。規定上の試験は通常、固定周波数に関係があるので、変調された周波数である送信されたシヌソイドは低い振幅で現われ、故に、懸念の対象であるようには思われない。受信機がそれに対する任意のシヌソイド入力を「不鮮明にしない(un−smear)」ので、等しい且つ対称的な様式において、精密に変調され送信されたシヌソイドは、復調され得、その後、それらが変調前に行われるように実質的に現れる。しかし、環境から進入する(例えば、干渉する)任意の固定周波数シヌソイドは、「不鮮明にしない」操作によって「不鮮明にされ」、故に、意図した信号に対する減少したまたは排除された効果を持つ。従って、さもなければセンサーに引き起こされ得る干渉は、例えば、一実施形態においてタッチセンサーに使用される周波数のコムに対し、周波数変調を使用することにより和らげられる。

0028

一実施形態において、シヌソイドの全体のセットは、それ自体が変調される単一基準周波数から全てを生成することにより、変調された周波数であり得る。例えば、100kHzの間隔を持つ1セットのシヌソイドは、同じ100kHzの基準周波数に異なる整数掛けることにより生成され得る。一実施形態において、この技術は位相ロックループを使用して遂行することができる。最初の5.0MHzのシヌソイドを生成するために、基準に50を掛ける、5.1MHzのシヌソイドを生成するために、基準に51を掛けるといったことが可能である。受信機は、検出と復調の機能を行なうために、同じ変調された基準を使用することができる。

0029

<直接シーケンス・スペクトラム拡散変調>
一実施形態において、シヌソイドは、送信機と受信機の両方に既知である、ランダムな(または真のランダムな)スケジュール上で定期的にそれらを反転することにより、復調され得る。故に、一実施形態において、各シヌソイドがその対応する行に送信される前に、各シヌソイドは、選択可能な反転回路を通過し、その出力は、「反転選択」入力の状態に依存して、+1または1を掛けた受信信号である。一実施形態において、これら「反転選択」入力は全て、同じ信号から駆動され、それにより、各行のシヌソイドは全て、同時に+1または1を掛けられる。一実施形態において、「反転選択」入力を駆動する信号は、任意の信号から独立した疑似ランダム機能、または、環境に存在し得る機能であってもよい。シヌソイドの擬似ランダムな反転は、周波数においてそれらを広げて、それらが接触し得る任意の装置を無視できるほどにしか干渉しないように、ランダムノイズのように見えるようになる。

0030

受信機側で、列からの信号は、行の上の信号と同じ擬似ランダム信号によって駆動される、選択可能な反転回路を通過し得る。結果は、たとえ送信信号が周波数において拡散されたとしても、送信信号は+1または1を2回掛けられ、それらを未修正状態にし、またはその状態に戻すので、送信信号は受信機の前に逆拡散される(despread)、ことである。直接シーケンス・スペクトラム拡散変調の適用により、列の上にある任意の妨害信号が拡散され得、それにより、妨害信号はノイズとしてのみ作用し、故意のシヌソイドのセットの何れかを模倣することはない。

0031

一実施形態において、選択可能なインバーターは、少数の単純な構成要素から作られ得、および/または、VLSIプロセスにおける送信機によって実施され得る。

0032

多くの変調技術が互いから独立しているので、一実施形態において、複数の変調技術(例えば、周波数変調、およびシヌソイドセットの直接シーケンス・スペクトラム拡散変調)が同時に利用され得る。潜在的に実施するのは更に複雑であるが、そのような複数の変調された実施は、より優れた干渉抵抗性を達成し得る。

0033

環境中で特定の疑似ランダム変調に遭遇することは非常に稀であるので、本明細書に記載されるマルチタッチセンサーは、真のランダム変調スケジュールを必要としない可能性がある。1つの例外は、同じ実施による1より多くのタッチ表面が、同じ人物によってタッチされているということもある。そのような場合において、表面が、非常に複雑な疑似ランダムスケジュールを使用しても、互いに干渉することが、可能な場合もある。故に、一実施形態において、不一致(conflict)が起こりそうにない疑似ランダムスケジュールを設計することに、注意払う。一実施形態において、真のランダムの中には、変調スケジュールに導入されるものもある。一実施形態において、ランダムは、真のランダムソースから疑似ランダム発生器を取り除くこと(seeding)により、および、(繰り返しの前に)ランダムが十分に長い出力を持つことを確実にすることにより、導入される。そのような実施形態は、2つのタッチ表面が同時にシーケンスの同じ部分を使用しているということが、あまりないようにする。一実施形態において、ランダムは、真のランダムシーケンス擬似無作為シーケンスを排他的論理和する(XOR)ことにより、導入される。XOR機能は、その出力のエントロピーが何れかの入力よりも決して少なくならないように、その入力のエントロピーを組み合わせる。

0034

低コストの実施の実施形態>
前述の技術を使用するタッチ表面は、他の方法と比較して、シヌソイドの生成および検出にかかるコストが比較的高い場合がある。以下に、よりコスト効率が良く、および/または、大量生産により適した、シヌソイドの生成および検出の方法を議論する。

0035

<シヌソイド検出>
一実施形態において、シヌソイドは、フーリエ変換検出スキームを備える完全な無線受信機を使用して、受信機において検出され得る。そのような検出は、高速RF波形デジタル化し、その後にデジタル信号処理を行なうことを必要とする場合がある。別々のデジタル化および信号処理は、表面の全ての列について実施されてもよい。これにより、信号プロセッサーが、どの行の信号が列とタッチ状態にあるのかを発見することを可能にする。上述の例において、タッチ表面に40の行と40の列を備えさせるには、この信号チェーンの40のコピーを必要とする。今日、デジタル化とデジタル信号処理は、ハードウェア、コスト、および電力に関して、比較的高価な操作である。シヌソイドを検出する、よりコスト効率の良い方法、特に、容易に複製することができ且つ電力をほとんど必要としないものを利用することが、有用である。

0036

一実施形態において、シヌソイドはフィルターバンクを使用して検出され得る。フィルターバンクは、入力信号取り上げ、それを各フィルターに関連した周波数構成要素に分割することができる、バンドパスフィルターアレイを含む。離散フーリエ変換DFT、そのFFTは効率的な実施である)は、周波数分析に共通して使用される、均一に間隔を置いたバンドパスフィルターを備えるフィルターバンクの形態である。DFTはデジタルで実施され得るが、デジタル化工程は高価な場合がある。パッシブなLC(インダクタコンデンサ)またはRCアクティブフィルターなどの個々のフィルターから、フィルターバンクを実施することが可能である。インダクタはVLSIプロセス上で十分に実施するのが難しく、個別のインダクタは大きく且つ高価なものであり、そのため、フィルターバンクにおいてインダクタを使用することはコスト効率が良くないこともある。

0037

より低い周波数(約10MHz、およびそれ未満)にて、VLSI上でRCアクティブフィルターのバンクを作ることが可能である。そのようなアクティブフィルターは十分に動作するが、多くのダイスペース(die space)を取り上げ、必要とされるよりも多くの電力を必要とすることもある。

0038

より高い周波数にて、表面超音波SAW)フィルター技術によりフィルターバンクを作ることが可能である。これにより、ほぼ恣意的なFIRフィルター形状を可能にする。SAWフィルター技術は、直線のCMOSVLSIよりも高価な圧電材料を必要とする。更に、SAWフィルター技術は、単一のパッケージに十分多くのフィルターを統合し、それにより製造原価を上げるほど十分な同時のタップを可能にしないこともある。

0039

一実施形態において、シヌソイドは、FFTのような「バタフライトポロジー(“butterfly” topology)を利用する標準CMOSVLSIプロセス上でスイッチキャパシター技術により実施されるアナログフィルターバンクを使用して、検出され得る。そのような実施に必要なダイ領域は典型的にチャネルの数の二乗の機能であり、これは、同じ技術を使用する64のチャネルのフィルターバンクが1024のチャネル版のダイ領域の1/256のみを必要とすることを意味する。一実施形態において、低レイテンシタッチセンサーのための完全な受信システムは、フィルターバンクおよび適切な増幅器、スイッチ、エネルギー検出器等の適切なセットを含む、複数のVLSIダイの上で実施される。一実施形態において、低レイテンシタッチセンサーのための完全な受信システムは、フィルターバンクおよび適切な増幅器、スイッチ、エネルギー検出器等の適切なセットを含む、単一のVLSIダイの上で実施される。一実施形態において、低レイテンシタッチセンサーのための完全な受信システムは、n−チャネルのフィルターバンクのn個の例を含み、且つ、適切な増幅器、スイッチ、エネルギー検出器等のための空間を残す、単一のVLSIダイの上で実施される。

0040

<シヌソイド生成>
主に、各々の行が1つの信号の生成を必要とする一方で、列の受信機は多くの信号間で検出し且つ区別しなければならないので、低レイテンシタッチセンサーにおける送信信号(例えばシヌソイド)の生成は通常、検出よりもあまり複雑ではない。一実施形態において、シヌソイドは、一連の位相ロックループ(PLL)により生成することができ、その各々は共通の基準周波数に異なる倍数を掛ける。

0041

一実施形態において、低レイテンシタッチセンサーの設計は、送信されたシヌソイドが非常に高品質であることを必要としないが、むしろ、より多くの位相ノイズ周波数変動(経時的、温度等)、高調波歪、およびラジオ回路において通常は可能であるかまたは望ましい他の欠点を持つ、送信されたシヌソイドを収容する。一実施形態において、大多数の周波数はデジタル手段によって生成され、その後、比較的粗いアナログ−デジタル変換プロセスを使用し得る。上記で議論されるように、一実施形態において、生成された行の周波数は、互いとの単純な調和の関係がなく、記載された生成プロセスにおける任意の非線形性は、セットにおける1つの信号に「エイリアスを生じさせ(alias)」ないかまたは別のものを模倣させない。

0042

一実施形態において、周波数コムは、フィルターバンクによってフィルター処理される、連続した狭いパルスを持つことによって生成され、バンク中の各フィルターは、行の上の送信のために信号を出力する。周波数「コム」は、受信機によって使用され得るフィルターバンクと同一かもしれないフィルターバンクによって作られる。一例として、一実施形態において、100kHzの比率で反復される10ナノ秒のパルスが、5MHzで開始する周波数構成要素のコムを分離するように設計されるフィルターバンクに通され、そして100kHzごとに分離される。定義されるようなパルス列は、100kHzから何十MHzまでの周波数構成要素を有し、故に、送信機において全ての行のための信号を有する。故に、パルス列が同一のフィルターバンクを通って上述したものへと進み、それにより受信した列の信号のシヌソイドを検出する場合、フィルターバンク出力はそれぞれ、その後、行の上に送信され得る1つのシヌソイドを包含する。

0043

<透明なディスプレイ表面>
タッチ表面がコンピューターディスプレイに統合され、それにより個人コンピュータグラフィックスと画像(imagery)を相互に作用させることができることが、望ましい場合もある。正面投影が不透明なタッチ表面に使用され、背面投影が透明のものに使用され得る一方で、現代平面パネルディスプレイ(LCD、プラズマ、OLED等)は一般的に、タッチ表面が透明であることを必要とする。一実施形態において、現在の技術の行および列(信号がそれらに沿って伝搬することを可能にするもの)は、それらの信号に対して伝導性である必要がある。一実施形態において、現在の技術の行および列(無線周波数信号がそれらに沿って伝搬することを可能にするもの)は、電気的に伝導性である必要がある。

0044

行と列が不十分な伝導性である場合、行/列に沿った単位長さ当たりの抵抗性は、低域フィルターを形成するために単位長さ当たりの静電容量と組み合わさり:一端に適用される任意の高周波信号は、不良導体に沿って伝搬するにつれて十分に減じられる。

0045

視覚的に透明な導体は、市販で入手可能である(例えばインジウムスズ酸化物またはITO)が、透明度と伝導性の間の釣り合いは、本明細書に記載される低レイテンシタッチセンサーの幾つかの実施形態には望ましい場合がある周波数にて問題となる。ITOが特定の長さにわたって特定の望ましい周波数を支援するほどの十分な厚みであれば、ITOは、幾つかの用途には不十分に透明な場合もある。一実施形態において、行および/または列は、非常に伝導性であり且つ光学的に透明である、グラフェンおよび/またはカーボンナノチューブから、完全に、または少なくとも部分的に形成され得る。

0046

一実施形態において、行および/または列は、それらの後ろにある些細な量のディスプレイ遮断する、1以上の細いワイヤーから形成され得る。一実施形態において、細いワイヤーは小さすぎると確認することができず、または少なくとも小さすぎると、その後ろのディスプレイを見る際に視覚的な妨げを提示することができない。一実施形態において、透明なガラスまたはプラスチック上に付けられる(patterned)細い銀のワイヤーは、行および/または列を作り上げるために使用され得る。そのような細いワイヤーは、行/列に沿った優れた導体を作り出すほど十分な断面を有する必要があるが、そのようなワイヤーは、十分に細く、且つ、用途に適切であるように僅かな根本的なディスプレイを遮断するほど十分に拡散することが(後部ディスプレイには)望ましい。一実施形態において、細いワイヤーの太さは、根本的なディスプレイのピクセルサイズおよび/またはピッチに基づいて選択される。

0047

一例として、新規のApple Retinaディスプレイは、1インチ当たり約300ピクセルを含み、それは、1つの側で約80ミクロンのピクセルサイズをもたらす。一実施形態において、約10オームの抵抗性を有している、長さ20センチメートル(iPadディスプレイの長さ)の20ミクロンの直径の銀のワイヤーは、行および/または列として、および/または、本明細書に記載されるような低レイテンシタッチセンサーにおける行および/または列の一部として、使用される。そのような20ミクロンの直径の銀のワイヤーは、しかしながら、網膜ディスプレイにわたって引き伸ばされる場合、ピクセルの全体のラインの25%までを遮断し得る。従って、一実施形態において、複数の更に細い直径の銀のワイヤーは、列または行として使用され得、それは、適切な抵抗性を維持し、且つ、無線周波数浸透厚さの問題に関して許容可能な応答を提供することができる。そのような複数の更に細い直径の銀のワイヤーは、直線ではなく、むしろ幾らか不揃いのパターンで置くことができる。更に細いワイヤーのランダムまたは凹凸のパターンは恐らく、あまり視覚的に侵入的なものではない。一実施形態において、細いワイヤーのメッシュが使用される。メッシュの使用は、製造に対するパターニング欠陥を含む、ロバスト性を改善させる。一実施形態において、更に細いワイヤーが、適正値の抵抗性、および、無線周波数の浸透厚さの問題に対する許容可能な応答を維持するほど十分に伝導性であると仮定して、1つの更に細い直径のワイヤーは、列または行として使用され得る。

0048

図2は、ダイヤモンド形状の行/列メッシュを有する行/列のタッチ表面の実施形態を示す。
このメッシュパターンは行と列に対して最大かつ等しい表面積を提供しつつ、それらの間の重複を最小限に抑えるように設計されている。

0049

ダイヤモンドの1つよりも大きな面積によるタッチ事象は、1つの行と1つの列の少なくとも一部を覆い、これにより、1行の信号が結合して重複した列になることが可能となる。一実施形態において、ダイヤモンドはタッチ用道具(指、針など)よりも小さくなるような大きさにする。一実施形態では、行と列の間が0.5cmの間隔でヒトの指に好適に機能する。

0050

一実施形態において、ワイヤーの単純なグリッドは行と列として使用される。こうしたグリッドにより行と列に与えられる表面積は小さくなるが、無線周波数信号には十分で有り得、受信機によって検出することができる十分な無視できない結合を提供することができる。

0051

一実施形態において、行と列の「ダイヤモンドパターン」は、図2に示されるように、示された形状の空間を満たす細いワイヤーのランダムに接続されたメッシュを使用することで、あるいはワイヤーメッシュとITOなどの別の透明な導体を組み合わせることで作り出すことができる。一実施形態において、細いワイヤーは長い伝導性範囲、例えばスクリーン全体にわたって使用されることもあり、ITOは、ダイヤモンド形の領域など伝導性の局所的な領域に使用されることもある。

0052

(光学的な実施形態)
記載された高速マルチタッチ技術を実施する無線周波数および電気的な方法が上で議論されてきたが、他の媒体も同様に使用することができる。例えば、信号は、導波路または行と列向けの他の手段を有する光学信号(すなわち光)であり得る。一実施形態では、光学信号に使用される光は、可視領域、赤外線、および/または、紫外線内であってもよい。

0053

一実施形態において、無線周波数信号を運ぶ導電性の行と列の代わりに、行と列は、直交信号を生成し、光カプラーによって導波路に結合される1つ以上の光源から供給される光ファイバーなどの光導波路を含み得る。例えば、光の異なる別の波長を各行のファイバー注入することができる。ヒトの指がある行のファイバーに触れると、その中の光のいくらか内部全反射の失敗により指に漏れる(すなわち、結合する)であろう。指からの光はその後、相互のプロセスにより列のファイバーの1つに入り、ファイバーの端部で検出器に伝わることもある。

0054

一実施形態において、光信号は異なる波長のLEDで、または光学フィルタを用いることによって生成されることもある。一実施形態では、カスタム干渉フィルタが使用される。一実施形態では、ファイバーの列に存在する光の異なる波長は、光フィルタバンクを使用して検出することができる。一実施形態では、こうした光フィルタバンクはカスタム干渉フィルタを使用して実施されることもある。一実施形態では、可視スペクトル(例えば、赤外線および/または紫外線光)の外側の光の波長は、ディスプレイに余分な可視光線を加えないようにするために使用されることもある。

0055

一実施形態において、行と列のファイバーは、指がそれらに同時に触れることができるように一緒に織られることもある。一実施形態では、織られた構築物はディスプレイをらせないようにするために必要に応じて視覚的に透明にされることもある。

0056

(高速マルチタッチ後処理)
各列の各行からの信号強度が例えば、上記の手順を用いて計算された後、結果として生じた2Dの「ヒートマップ」を使用可能なタッチ事象に変換するために後処理が行なわれる。一実施形態では、こうした後処理は、以下の4つの手順:フィールド平坦化、タッチ点検出、補間、およびフレーム間のタッチ点の一致、の少なくともいくつかを含んでいる。フィールド平坦化手順は、行と列の間のクロストークを取り除くためにオフセット値を引き、減衰による特定の行/列の組み合わせの振幅の差を補う。タッチ点検出手順は、平坦化した信号内の極大値を見つけることによって目の粗いタッチ点を計算する。補間手順は、目の粗いタッチ点に関連するデータを放物面にフィットさせることによってきめの細かいタッチ点を計算する。フレーム整合手順は、フレーム全体で互いに対して計算されたタッチ点を一致させる。以下に、4つの手順の各々について順に記載している。同様に、それぞれの処理工程に関する実施、起こりうる故障モード、および結果の例を開示している。レイテンシが非常に低いことが要求されるため、処理工程は最適化かつ並列化されなければならない。

0057

まずフィールド平坦化手順について記載する。タッチ表面とセンサー電子機器の設計ゆえの体系的な問題により、各列の受信した信号の強度にアーチファクトが生じることもある。このアーチファクトを以下のように以下のように取り除くことができる。まず、行と列の間にクロストークが生じることから、各行/列の組み合わせの受信した信号の強度はオフセット値を経験するであろう。良い近似値に近づくと、このオフセット値は一定になり、控除することができる。

0058

次に、所定の行および列の交点における較正されたタッチによりある行で受信される信号の振幅は、ほとんどは信号が行と列に沿って伝わる際の信号の減衰によって、その特定の行と列に依存するであろう。信号が遠くに移動すればするほど、より多くの減衰が生じることになるため、送信機から遠く離れた列と受信機から遠く離れた行は、それらの同等物よりも「ヒートマップ」における信号の強度が低くなるであろう。行と列のRF減衰が低い場合、信号強度の差は無視できることもあれば、補償がほとんど必要ないかまったく必要ないこともある。減衰が高い場合、補正が必要とされることもあれば、タッチ検出の感度または質を向上させることもある。一般に、受信機で測定された信号強度は、列に送信される信号の量に対して直線的であることが予想される。したがって、一実施形態では、補償は、ヒートマップ内のそれぞれの場所に、その特定の行/列の組み合わせに関する較正定数を掛けることを含む。一実施形態では、測定または評価を用いてヒートマップ補償テーブルを決定することもあり、こうしたテーブルを使用することで乗算による補償を同じように与えることができる。一実施形態では、較正演算を用いて、ヒートマップ補償テーブルを作る。本明細書で使用されるような「ヒートマップ」との用語は、実際のヒートマップを必要とするわけではなく、こうした用語はむしろ位置に対応するデータの任意のアレイを意味し得る。

0059

典型的な実施形態では、全体的なフィールド平坦化手順は以下のとおりである。何も表面にタッチしない状態では、まず各行の受信機で各列の信号の信号強度を測定する。接触がないため、受信した信号のほぼすべてがクロストークによるものである。測定された値(例えば、各列で見られる各行の信号の量)は、ヒートマップ中のその位置から減じられる必要のあるオフセット値である。その後、一定のオフセットが減じられると、各行/列の交点に較正された接触物体を置いて、その列の受信機でその行の信号の信号強度を測定する。信号プロセッサーはタッチ表面上の1つの場所の値に対してタッチ事象を正規化するように構成されることもある。我々は、最も強い信号を有している可能性が高い場所(減衰を経験したことが最も少ないため)、すなわち、送信機と受信機に最も近い行/列の交点を任意に選ぶことができる。この場所での較正されたタッチ信号の強度がSNであり、各行および列の較正されたタッチ信号の強度がSR,Cであれば、ここで我々がヒートマップ中の各場所に(SN/SR,C)をかけると、すべてのタッチ値は正規化される。較正されたタッチに関して、ヒートマップ中の任意の行/列の正規化された信号強度は1に等しくなる。

0060

フィールド平坦化手順は十分に並列処理される。いったんオフセットと正規化のパラメータが測定され保存されると—1度だけ行うべきものである(あるいは、場合によってはメンテナンス間隔でもう一度実行される可能性がある)—、各信号の強度が測定されるとすぐに修正を施すことができる。図3はフィールド平坦化手順の実施形態を示す。

0061

一実施形態では、各行/列の交点の較正は通常のまたは選択されたメンテナンス間隔で必要とされることもある。一実施形態では、各行/列の交点の較正はユニット当たりに一度必要とされることもある。一実施形態では、各行/列の交点の較正は設計当たりに一度必要とされることもある。一実施形態では、とりわけ、例えば、行と列のRF減衰が低い場合に、各行/列の交点の較正はまったく必要とされないこともある。さらに、行と列に沿った信号の減衰をかなり予測することが可能な実施形態では、ほんのわずかな交差を測定することで表面全体を較正することが可能なこともある。

0062

タッチ表面が多くの減衰を経ると、フィールド平坦化手順は、少なくともある程度、測定値を正規化するが、いくつかの副作用があることもある。例えば、各測定時の雑音はその正規化定数が大きくなるほどとともに大きくなっていく。低信号強度と高減衰に関しては、これがタッチ点の検出と補間プロセスにおけるエラーや不安定さを引き起こし得ることは当業者には明らかであろう。これに応じて、一実施形態では、最大の減衰(例えば、最も遠く離れた行/列の交差)に十分な信号強度を提供するために注意が払われる。

0063

ここでタッチ点の検出に着目する。いったんヒートマップが生成され、フィールドが平坦化されると、1以上の粗いタッチ点を識別することができる。1以上の粗いタッチ点の識別は、正規化された(すなわち、平坦化された)信号強度中の極大値を見つけることにより行われる。1以上のタッチ点を見つけるための迅速かつ並列化可能な方法は、正規化されたヒートマップの各要素をその近傍と比較して、それが他のすべてよりも真に大きい場合に極大値と分類することを含む。一実施形態では、ある点がその近傍のすべてよりも真に大きく、かつ所定の閾値よりも大きい場合に、極大値と識別される。

0064

様々な方法で近傍のセットを定義することは本開示の範囲内である。一実施形態では、最も近い近傍はフォンノイマンの近傍によって定義される。一実施形態では、最も近い近傍はムーアの近傍によって定義される。フォン・ノイマンの近傍は、中心の要素に垂直かつ水平に隣接している4つの要素(すなわち、その、東、および西にある要素)からなる。これは「4つの連結した(four‐connected)」近傍とも呼ばれる。さらに複雑な(すなわち、さらに大きな)フォン・ノイマンの近傍も利用可能であり、使用されることもある。ムーアの近傍は、中心の要素に垂直、水平、および斜めに隣接している8つの要素(すなわち、その北、南、東、西、北東、北西、南東、および南西にある要素)からなる。これは「8つの連結した(eight‐connected)」近傍とも呼ばれる。

0065

選ばれた近傍は、目の細かいタッチ点を計算するために使用される補間スキームに依存するであろう。これは以下にさらに詳細に示している。

0066

所定の近傍の比較において、要素の正規化された信号強度がその近傍の1つ以上と等しいか、あるいはノイズレベル許容する許容範囲内にあるといった特殊なケースが存在することもある。一実施形態では、こうした対のいかなる点も、閾値よりも高い値を有していても、タッチ点であるとはみなされない。一実施形態では、こうした対の両方の点がタッチ点であるとみなされる。一実施形態では、2つ以上の近傍の点がほぼ同じ値を有している領域は、ワンタッチ事象として処理される。一実施形態では、2つ以上の近傍の点がほぼ同じ値を有している領域は、1つの極大値が見られる領域からの異なるタイプのタッチ事象(例えば、誰かが手首をタッチ表面に接触させている可能性がある)として処理される。

0067

ここで、補間手順に目を向ける。いったん粗いタッチ点が決定される(つまり、識別される)と、補間を使用して細かいタッチ点を計算することができる。一実施形態では、分配されたタッチの容量接触は最大値を有するモデル関数にフィットしている。一実施形態では、モデル関数は2次元以上の二次関数である。一実施形態では、二次関数は放物面である。一実施形態では、放物面モデルは、指かスタイラスなどのタッチ表面にタッチするために使用され得る様々な物体に関する許容可能な近似値である。さらに、以下に議論するように、放物面モデルは計算上、比較的膨大ではない(Non−intensive)。一実施形態では、より複雑な、または計算がより膨大なモデルを用いて、平坦化したヒートマップからタッチをより正確に評価し得る。以下の議論のために、放物面は実例として用いられるが、当業者には明白であるように、さらに複雑なまたは複雑ではないモデルを含む他のモデルを補間の目的で使用することもある。

0068

図4は、典型的な極大値のまわりのフォン・ノイマンの近傍を例証している。こうした4つの連結した、またはフォン・ノイマンの近傍のため、適切な点は示された点に似ているようにみえることになり、中心の要素は極大値であり、下付き文字はそれに関連する特別の要素の座標である。5つの要素の位置と信号強度により、放物面を定義する次の方程式にこれらをフィットさせることができる。

0069

このとき、xとyはある要素の位置であり、zはその要素の信号強度であり、A、C、D、E、およびFは二次多項式係数である。中心点に対して、要素x、yの位置はすべて一定である。z値は各要素での測定された信号強度であり、したがって公知のものである。一実施形態では、5つの連立方程式を用いて5つの未知多項式係数解くことができる。それぞれの方程式は、中心点とその4つの近傍を含む5つの点の1つを表す。

0070

一実施形態では、ヴァンデルモンドのような行列を用いて、以下のように多項式係数を解くことができる。

0071

要素の位置を求めるために値に代入して以下を得る:

0072

その後、定数ヴァンデルモンド行列の逆行列を求めることによって多項式係数を解く:

0073

これにより以下が得られる:

0074

0075

一実施形態では、多項式係数は信号強度の一次結合であり、否定を含む簡単な掛け算のみと単一のシフトがこれらを計算するために必要とされる。したがって、これらを効率的にFPGAまたはASICで計算することができる。

0076

最高放物面では、両方の偏導関数は0である。

0077

0078

これは点xf、yfで生じる。このとき:

0079

0080

近傍データが放物面にフィットした一実施形態では、放物面は1つの最大値を有しているため、最大値は細かいタッチ点の位置として使用される。4つの連結した近傍を用いる一実施形態では、値xfとyfは互いに独立したものであり、xfは、中心点の左右の要素の信号強度にのみ依存し、yfは中心点の上下の要素の信号強度にのみ依存する。

0081

図5はムーアの近傍または極大値のまわりの8つの連結した近傍を例証している。こうした8つの連結したまたはムーアの近傍に関して、適切な点は示したように現れ、中心要素は極大値であり、下付き文字はそれに対する特別な要素の座標である。9つの要素の位置と信号強度は放物面の方程式にフィットさせることができる。この例では先に記載した例よりも多くの入力データを利用することが可能であることから、放物面に関する幾分複雑な方程式を使用することができる:

0082

0083

この方程式は、追加されたxy交差項と、モデルがxまたはy以外の方向への伸びを補償することを可能にする新しいB係数とを有する。再度、中心点に対して、要素x、yの位置はすべて一定であり、z値は既知のものである。9つの連立方程式(1つの要素当たり1つ)を用いて、6つの未知の多項式係数を決定する(つまり、複数の要因によって決定づける)ことができる。
最小二乗手法を用いて6つの未知の多項式係数を解くこともある。

0084

ヴァンデルモンドのような行列を用いて、多項式にフィットさせることもある。上に記載された実施形態とは異なり、行列は9行と6列の非正方形である。

0085

0086

ヴァンデルモンドのような行列内の全体はすべて定数であり、z値は知られているため、一定の値を代入することで以下を得る。

0087

0088

ヴァンデルモンドのような行列は非正方形であるため、その逆行列を求めて多項式係数を解くことはできない。しかしながら、そのムーア=ペンローズの偽の逆行列を使用して、多項式係数にフィットした最小二乗を行うことで、解くことができる。一実施形態では、偽の逆行列は以下のように定義される:

0089

0090

これにより、以下が得られる。

0091

0092

多項式係数は信号強度の一次結合である。その乗法はわずかながらより複雑であるが、被乗数の多くは因数分解して、計算の最後のほうで、単一回で利用することができる。この工程の目的は最大放物面を見つけることである。ゆえに、スケール係数(scale factors)全体は無関係であり、関数最大化する相対的な値と独立変数焦点を合わせる必要がある。一実施形態では、演算の多くを相殺することもあり、実行の効率は改善される。

0093

上記のように、細かいタッチ点は最大放物面で推定され、このとき両方の偏導関数が0である:

0094

0095

これは点xf、yfで生じる。このとき:

0096

0097

8つの連結した近傍について、値xfとyfは互いに独立してはいない。双方とも8つのすべての近傍の信号強度に依存する。したがって、この手法では、計算上の負担が増え、信号強度の特定の組み合わせが細かいタッチ点に対する特異値を生成する可能性が高まるかもしれない。8つのムーアの近傍で最小二乗アプローチを使用する一実施形態では、上記のように実行することは騒々しい信号強度値に対してはよりロバストである。言い換えれば、一実施形態では、1つの信号強度における小さな誤差は、計算で使用されるデータの増加とそのデータの首尾一貫性によって補われるであろう。

0098

さらに、8つの連結された近傍は、ユーザ・インターフェースの一部として有用であると分かるかもしれないB係数−追加の情報−を供給する。xy交差項のB係数を用いて、タッチが生じている角度をソフトウェアに決定させることを可能にするAとCの係数に固有縦横比情報と共に、フィットした放物面中の非対称性特徴づけることができる。

0099

図6は、特定のz値で放物面の上部を切ることによって得られる楕円形状の横断面を備えたタッチ点の一例を示す。aとbの値は多項式のAとCの係数から得ることができ、こうした値は表面に触れる物体の縦横比に関する情報を提供する。例えば、指またはスタイラスは必ずしも環状に対称である必要はなくなり、bに対するaの比はその形状に関する情報を提供することができる。

0100

角度Φについての知識により楕円の方向に関する情報が得られ、例えば、指またはスタイラスが指している方角を示すこともある。Φは以下から与えられる2×2行列Mの固有値固有ベクトル(eignevectors)から計算することができる:

0101

0102

この行列は2つの固有値と2つの固有ベクトルを有する。最大の固有値に関連した固有ベクトルは、楕円の長軸の方向を指すであろう。別の固有ベクトルは短軸の方向を指すであろう。固有値、λ1とλ2は以下のように計算することができる:

0103

0104

tr(M)は行列Mの跡であり、これはACと等しく、det(M)は行列Mの行列式であり、これはAC−B2/4と等しい。

0105

いったん固有値が得られると、ケイリー・ハミルトン定理を用いて、固有ベクトルを計算することができる。λ1に関連する固有ベクトルは、行列M−λ2Iの行のいずれかであり、λ2に関連する固有ベクトルは行列Mλ1Iのカラムのいずれかである。固有値の添え字の反転に留意する。楕円の長軸が我々の座標系のx軸に対して作る角度Φは、固有ベクトルの傾斜のアークタンジェントである。固有ベクトルの傾斜は単にΔy/Δxである。

0106

上に議論されるように、補間工程は、例えば、平坦化したヒートマップから獲得したデータを使用して、細かなタッチ点を決定することを要求するが、上に議論された実例的な放物面モデルに限定されない。細かなタッチ点を決定する目的は、後処理装置がタッチ点のすぐれた粒状度を与えることができるようにすること、とりわけ、センサーの交点を超える粒状度を与えることができるようにすることである。別の方法を記載すると、モデル化され補間された細かなタッチ点は直接、行/列の交差位置に、または交差位置の間の任意の場所に降りることができる。モデルの精度とその計算上の要件との間にはトレードオフがあることもある。同様に、モデルの精度と、実際のタッチに一致する補間された細かなタッチ点を提供するその能力との間にトレードオフがあることもある。したがって、一実施形態では、モデルは最小の計算負荷を要求しつつ、補間されたタッチ点と実際のタッチとの間で十分な一致を提供するように選択される。一実施形態では、モデルは、補間されたタッチ点と実際のタッチとの間に十分な一致を要求するように選択され、処理ハードウェアはモデルの計算負荷を与えるように選択される。一実施形態では、あらかじめ選択されたハードウェアおよび/またはタッチインタフェースを操作する他のソフトウェアの計算能力を超えないモデルが選択される。フレーム整合手順に目を向けると、時間とともにタッチ表面を移動する物体を適切に追跡するために、計算されたタッチ点をフレーム境界全体で互いに整合させることが、したがって、例えば、物体が移動している際にタッチ表面を移動する物体を追跡することが重要である。別の方法を記載すると、1つのフレーム中の計算されたタッチ点は、次のフレーム中で識別されなければならず、あるいは次のフレームで別の傾向を有して(例えば、除去される)いなければならない。これは一般的な場合では解決不可能なこともある基本的に難問であるが、一実施形態は幾何学と物理的法則の双方を駆使して実施可能であり得る。タッチ表面に接したアイテムはサイズに限りがあり、特定の物理的原則に従って移動するため、妥当な範囲外の特別なケースは無視することができる。さらに、一実施形態では、フレーム率は、合理的な確実性をもって物体の追跡(すなわち、フレームからフレームへのタッチ点の追跡)を可能にするほど十分なものでなければならない。したがって、例えば、追跡される物体がタッチ表面全体において最大率で移動することが知られているか、あるいは、追跡が最大率で物体のみを追跡するよう設計されている場合、合理的な確実性を備えた追跡を可能にするフレーム率を選択することができる。例えば、タッチ表面の行または列を通る移動の最大速度が例えば、毎秒1000の行または列である場合、1000Hzのフレーム率は、せいぜい1フレーム当たり1行または1列の物体の動きを「見る」ことになる。一実施形態では、タッチ点の補間(上に議論されたような)は、タッチ点位置のより正確な測定値を与えることができるため、行内および列内の位置は本明細書で十分に記載されるように容易に識別可能である。

0107

指やスタイラスは最小限の大きさであり、曖昧なケースが生じるほど互いに近接して近づくことはない。これらは人間の腕やその一部(例えば、手首、、指など)の動作に特徴的な速度で動くが、このことが問題を制限する。目下開示されているセンサーのタッチ表面は比較的高い更新速度(一実施形態では、約1キロヘルツ以上であることもある)を備えているため、表面に触れる指やスタイラスは、1つのフレームから次のフレームへの更新期間中にあまり遠くにまたは極端な角度で移動することができない。距離と角度が制限されるため、追跡は本開示に従ってある程度簡略化され得る。

0108

一実施形態では、経時的にタッチ表面を移動する物体の追跡は、1つのフレーム乃至1つ以上の過去のフレームからのデータを比較することによって行われる。一実施形態では、過去のフレーム(例えば、ヒートマップ)に関するデータは一時的なバッファ中で維持されることもある。一実施形態では、過去のフレーム(例えば、フィールド平坦化したヒートマップやフィットした多項式係数)に関する処理済みデータは、一時的なバッファ中で維持されることもある。一実施形態では、一時的なバッファ中で維持される過去のフレームに関するデータは、以前のフレーム中の個々の細かなタッチ点に関する補間された細かなタッチ点の座標と、こうした座標が存在する程度で上記のような細かなタッチ点の以前の動作に関するベクトルとを含む、またはこれらからなることもある。一時的なバッファは、1つ以上の過去のフレームに関するデータを保持することもあり、データが後の計算にもはや関連しない場合にはデータを保持することをやめてもよい。

0109

一実施形態では、フレーム整合プロセスは、現在のフレームi中のタッチ点がそれに幾何学的に近い以前のフレーム(つまり、i−1)中のタッチ点であると最初は推定する。

0110

一実施形態では、タッチ点の動きに関するデータ(例えば、速度と方向)は、1つ以上のフレームに関連して決定および保存される。一実施形態では、タッチ点の動きに関するデータは、次のフレーム中のそのタッチ点の見込みのある位置を予測するために使用される。タッチ点の動きに関するデータは、例えば、速度または位置の変化を含むこともあり、1つ以上の以前のフレームからもたらされるものであってもよい。一実施形態では、あるフレーム中の見込みのある位置の予測は、2つのフレーム間での動きを考慮することによってなされ、フレームごとの変位とその方向が得られる。一実施形態では、フレーム中の見込みのある位置の予測は3つ以上のフレーム中の運動を考慮することで行われる。フレームごとの変位と方向に加えて、加速方向転換を考慮に入れることができるため、3つ以上のフレームからの細かなタッチ点の位置情報を用いてより正確な予測がなされ得る。一実施形態では、古いフレームデータよりも最近のフレームデータの方により多くの重みが置かれる。フレーム整合プロセスは、最新のフレームi中のタッチ点が、最新のフレーム中のタッチ点にもっとも近い見込みがあると予測された位置に関連する以前のフレーム(つまりi−1)中のタッチ点に一致する可能性が高いということを最初に推定することもある。

0111

一実施形態では、タッチ点の大きさ(規模)に関するデータ(例えば、放物面のAとCの係数)は、1つ以上のフレームに関連して決定および保存される。フレーム整合プロセスは、最新のフレームi中の所定の物体のサイズが以前のフレーム(つまり、i−1)中のその物体のサイズに一致する可能性が高いと最初は推定することもある。

0112

一実施形態では、経時的なタッチ点のサイズ(規模)の変化に関するデータは、1つ以上のフレームに関連して決定および保存される。一実施形態では、フレーム中の(例えば、最後のフレーム以降の、あるいは複数のフレーム上の)タッチ点のサイズの変化に関するデータは、次のフレーム中のそのタッチ点のありそうなサイズを予測するために使用される。フレーム整合プロセスは、最新のフレームi中の物体が最新のフレーム中のタッチ点のサイズに最も近い予測されたありそうなサイズに関連した以前のフレーム(つまりi−1)中の物体に一致する可能性が高いと最初は推定することもある。

0113

一実施形態では、経時的なタッチ点の回転方向の変化に関するデータ(例えば放物面のB係数)は、1つ以上のフレームに関連して決定され保存される。一実施形態では、フレーム中の(例えば、最後のフレーム以降の、あるいは複数のフレーム上の)タッチ点の回転方向に関するデータは、次のフレーム中のそのタッチ点の回転方向を予測するために使用される。フレーム整合プロセスは、最新のフレームi中の物体が最新のフレーム中のタッチ点の回転方向に最も近い予測されたありそうな回転方向に関連した以前のフレーム(つまりi−1)中の物体に一致する可能性が高いと最初は推定することもある。
一実施形態では、タッチ点の回転方向によって、回転の単一のタッチ点制御(例えば、一本指での制御)が可能となり、したがって、例えば、スクリーン上での1本の指を回転させることで、例えば、従来ではタッチ表面との2つの接点を必要とする機能である、視界を回転させるための十分な情報が提供可能である。経時的な回転方向を記載するデータを使用して、回転速度を計算することができる。同様に、回転方向または回転速度に関するデータを用いて、回転加速度を計算することができる。したがって、回転速度と回転加速度は両方とも回転方向を利用する。タッチ点に関して回転方向、回転速度および/または回転加速度を計算して、フレーム整合プロセスで出力または使用することもある。

0114

一実施形態では、フレーム整合のためのヒューリスティックスは、タッチ点の距離と速度ベクトルの変化を含んでいる。一実施形態では、フレーム整合のためのヒューリスティックスは以下の1つ以上を含んでいる:
a.フレームi+1中の物体のタッチ点はそれに幾何学的に最も近いフレームi中のタッチ点である可能性が高い;
b.フレームi+1中の物体のタッチ点は、物体の速度の変遷を与えられると予測される点に最も近いフレームi中のタッチ点である可能性が高い;および、
c.フレームi+1中の物体のタッチ点はフレームi中のそのタッチ点に似たサイズになるであろう。

0115

過去のデータの他の組み合わせを本開示の範囲から逸脱することなく使用してもよい。一実施形態では、以前の位置と速度のヒューリスティックスの両方を、ヒューリスティックなフレーム整合プロセスで使用してもよい。一実施形態では、以前の位置、速度のヒューリスティックス、および大きさのヒューリスティックスを、ヒューリスティックなフレーム整合プロセスで使用してもよい。一実施形態では、以前の位置と他の過去の情報を、ヒューリスティックなフレーム整合プロセスで使用してもよい。一実施形態では、複数のフレームに関する過去の情報をヒューリスティックなフレーム整合プロセスで使用する。他の組み合わせは前述の開示を考慮して当業者には明らかとなるであろう。

0116

高速マルチタッチノイズ低減
一実施形態では、ノイズが高速マルチタッチ(FMT)センサーとの干渉、またはそれにおけるファントムタッチ(phantom touches)を引き起こす特定の状態を克服するための方法およびシステムが提供される。上に記載されるセンサーの実施形態では、行はその上に送信された信号を有し、送信された信号は、タッチ(複数可)に近接する列に結合され、その時に、センサーの表面にまたはその近くにタッチ(複数可)が適用される(幾つかの場合では、タッチ(複数可)が、列における行信号の低減を引き起こし得る)。タッチの位置は、列から信号を読み取り、それらが生成された行を決定することによって決定される。

0117

上に記載されるようなセンサーが、特定の条件(例えば、電磁ノイズ)の存在下で使用されるとき、行は,別のソースからの信号を受け取ることが可能である、即ち、装置の行の1つによって生成された既知の信号と混同され(confused)得る。そのような場合、装置は、列で受け取られた信号が、行から来ることを決定する(実際にはそうではない)、ファントムタッチを報告し(report)得る。本実施形態は、そのようなファントムタッチの発生を減少させるまたは排除するための方法および装置を提供する。

0118

したがって、センサーの実施形態では、装置の行および列の両方は、特有の信号を送信する、および装置の列または行から信号をそれぞれ受け取るように構成されている。一実施形態では、与えられた列における行Nからの検出された信号は、もしその列の送信された信号が行Nにおいて同時に検出された場合にタッチと考えられ得る。言いかえれば、行および列の両方は、装置が行および列の交点でタッチを報告するために、他の送信された信号を受け取らなければならない。この方法で整合されない行または列のいずれかで受け取られる信号は、例えば、外部ソースからのノイズとして拒絶され得る。代替的な実施形態では、与えられた列における行Nからの検出された信号、および行Nにおける与えられた列からの検出された信号の両方は、各々、整合が見られるかどうかにかかわらず、タッチと考えられ得る。この構成は、上に記載される整合の利点を提供しないかもしれないが、センサーに感度の増加を提供し得る。

0119

一実施形態では、特有の信号は、すべての行および列上に送信され得る。一実施形態では、特有の信号は、行の1つ以上のサブセットにおける各行上に送信され得る。一実施形態では、特有の信号は、列の1つ以上のサブセットにおける各列上で送信され得る。一実施形態では、すべての行および列は、特有の信号を検出するように構成されている。一実施形態では、行の1つ以上のサブセットにおける各行は、特有の信号を検出するように構成されている。一実施形態では、列の1つ以上のサブセットにおける各列は、特有の信号を検出するように構成されている。

0120

図7は、タッチセンサーの実施形態に従う、高速マルチタッチセンサー700の原則を示す。送信機および受信機702は各行に付けられ、送信機および受信機703は各列に付けられている。702で示される送信機は、703で示される送信機とは異なるか、または同じ要素の一部であり得る。同様に、702で示される受信機は、703で示される受信機とは異なるか、または同じ要素の一部であり得る。702および703での送信機自体は、異なる要素であり得るか、または信号発生器などの信号のソースに対する接続部を単に含み得るか、あるいは信号発生器の一部であり得る。同様に、702および703で示される受信機は、異なる要素であり得るか、または信号プロセッサーに対する接続部を単に含み得るか、あるいは信号プロセッサーの一部であり得る。参照符号704は、送信された行信号および受信された行信号の両方を表わし、参照符号705は、送信された列信号および受信された列信号の両方を表わす。送信された行信号の少なくとも1つのサブセットは、直交するように設計され、即ち、互いに分離可能且つ識別可能である。同様に、送信された列信号の少なくとも1つのサブセットは、互いに直交するように設計されている。受信機は、送信された信号のいずれか、またはそれらの恣意的な組み合わせを受信するように設計され、一方で信号プロセッサーは、列または行上に存在する直交信号の少なくとも幾つかの量を個別に測定するように構成されている。一実施形態では、行上で送信された直交信号の各々は、列に対する受信機/信号プロセッサーによって受信および測定され得、列上で送信された直交信号の各々は、行に対する受信機/信号プロセッサーによって受信および測定され得る。上に議論されるように、リーダーにとって便宜なもの(convenience)として図中で示される受信機と信号プロセッサーとの差異は、信号発生器とトランスミッターとの差異である。例えば、行または列は、信号プロセッサーに直接接続されてもよく、したがって、信号プロセッサーも受信機として作用し、同様に、行または列は、信号発生器に接続されてもよく、したがって、信号発生器は送信機として作用するだろう。一実施形態では、信号発生器および受信機/信号プロセッサーのすべては、同じ混合信号ASIC内で一体化され得る。

0121

一般に、本発明のセンサーでは、行と列との間で結合された信号は、それらがタッチ事象にさらされるときに対して、さらされないときに変化する。一実施形態では、行および列は、タッチ事象にさらされないときに、より少量のまたは取るに足りない量の信号がそれらの間で結合されるように構成されるが、一方で、それらがタッチ事象にさらされるときに、より多くの量のまたは無視できない量の信号がそれらの間で結合される。一実施形態では、行および列は、タッチ事象にさらされるときに、より少量のまたは無視できる量の信号がそれらの間で結合されるように構成されるが、一方で、それらがタッチ事象にさらされないときに、より多くの量のまたは無視できない量の信号がそれらの間で結合される。一実施形態では、行と列との間で結合された信号は、それらがタッチ事象にさらされるときに対して、さらされないときに変化する。上に議論されるように、単語「タッチ(touch)」、または句「タッチ事象(touch event)」は、物理的タッチングを必要としないが、むしろ、肉体的、感動的、しかし(むしろ)、センサーに影響する事象(例えば、ノイズではないが)および結合された信号のレベルに影響する事象を必要とする。
この点で、ホバリングはタッチ事象と考えられる。さらに、本明細書で使用されるような信号の「レベル(level)」または「量(amount)」は、別々の予め決められたレベルだけでなく、信号の相対量、信号の量の範囲、間隔を空けてまたはタッチ事象の決定がなされるときに動的に決定される信号の量、あるいはそれらの任意の組み合わせも含む。したがって、一実施形態では、本発明のセンサーおよび構成は、1つ以上の行と1つ以上の列との間で結合された信号の変化から結果として生じるタッチ事象を識別することができる。

0122

以下に使用されるように、記載の便宜上、送信導体および受信導体という用語が使用される。送信導体は、例えば信号発生器から信号を運ぶ行または列であり得る。この点で、本明細書で使用されるような「導体」は、電気導体だけでなく、信号が流れ他の経路も含む。受信導体は、タッチ事象が受信導体の近位で生じるときにタッチ事象の結合から結果として生じる信号を運ぶ、およびタッチ事象が受信導体の近位で生じないときにタッチ事象の結合から結果として生じる信号を運ばない、行または列であり得る。一実施形態では、受信機/信号プロセッサーは、信号がタッチ事象の結合から結果として生じた受信導体上の直交の送信された信号の各々の量を測定する。量の測定は、タッチ事象の識別を可能にする。受信機/信号プロセッサーは、DSP、フィルターバンク、またはその組み合わせを含み得る。一実施形態では、受信機/信号プロセッサーは、直交信号に対応するバンドを提供する櫛形フィルターである。

0123

行−列の交点に近接する任意のタッチ事象が、列上に存在する行信号および行上で存在する列信号の両方を変更し得るため、一実施形態では、対応する行または列の同等物を有さない列または行上の任意の信号は拒絶され得る。一実施形態では、列の受信機/信号プロセッサーで受信された行信号は、対応する列信号が対応する行の受信機/信号プロセッサーで受信される場合にタッチ事象を見つけるまたは識別することに使用される。例えば、列Cにおける行Rからの検出された信号は、列Cの送信された信号も行Rで検出される場合にタッチ事象によって引き起こされると考えられるだけである。一実施形態では、列Cおよび行Rは、他の行および列の信号に直交する信号、および互いに直交する信号を同時に送信する。一実施形態では、列Cおよび行Rは、信号を同時に送信しないが、むしろ、各々が、割り当てられたタイムスライスでその信号を送信する。そのような実施形態では、信号は、同じタイムスライスで送信された他の信号からの直交性を必要とするだけである。

0124

示されるように、一実施形態では、行および列の両方のための直交信号を生成するために、単一の信号発生器が使用され得、行および列の両方から受信された信号を処理するために、単一の信号プロセッサーが使用され得る。一実施形態では、1つの信号発生器は、行信号の生成に向けられ、別の信号発生器は、列信号の生成に向けられる。一実施形態では、複数の信号発生器は、行信号の生成に向けられ、同じまたは別の複数の信号発生器は、列信号の生成に向けられる。同様に、一実施形態では、1つの信号プロセッサーは、行信号の処理に向けられ、別の信号プロセッサーは、列信号の処理に向けられる。一実施形態では、複数の信号プロセッサーは、行信号の処理に向けられ、同じまたは別の複数の信号プロセッサーは、列信号の処理に向けられる。

0125

一実施形態では、各導体は、その受信機および信号プロセッサーとして作用するフィルターバンクに関係し、フィルターバンクは、複数の直交信号を識別するように適合されている。一実施形態では、受信導体の行に関係するフィルターバンクは、その受信導体の行に関係するタッチ事象から結果として生じ得るすべての直交信号を識別するように適合され、同様に、受信導体の列に関係するフィルターバンクは、その受信導体の列に関係するタッチ事象から結果として生じ得るすべての直交信号を識別するように適合されている。

0126

一実施形態では、各行および各列は、信号に関係し得、各行または列に関係する信号は、特有のものであり、他のすべての行または列のための信号に対して直交している。そのような実施形態では、すべての行および列の信号を同時に「送信する」ことが可能であり得る。設計または他の制約が必要とされる場合、または1つの行および列当たり1つ未満の信号を使用することが望ましい場合、時分割多重化が利用され得る。

0127

図8は、3行および4列を有する伝送方式の簡素化した例を示す。この例証された実施形態では、各行および各列は、信号に関係し得、各行または列に関係する信号は、特有のものであり、他のすべての行または列のための信号に対して直交している。具体的には、信号A、BおよびCは、行1、2および3に関係し、一方で信号D、E、FおよびGは、列1、2、3および4に関係している。本実施形態では、すべての行および列の信号を同時に「送信する」ことが可能であり得、各行および列は、送信導体として作用し、および各行および列を受信導体として同時に作用させることができ、それ故、タッチ事象から結果的に生じ得る信号をすべて同時に処理することができる。

0128

図9は、3行および4列を有する別の伝送方式の簡素化した例を示す。この例証された実施形態では、各行は、信号に関係し得、各行に関係する信号は、特有のものであり、他のすべての行のための信号に対して直交し、および各列は、信号に関係し得、各列に関係する信号は、特有のものであり、他のすべての列のための信号に対して直交している。しかしながら、例証された実施形態では、行に関係する信号は、列に関係する信号とすべてが直交しているわけではなく、例えば、信号Aは、行および列の両方に使用される。ここで、信号は、第1のタイムスライスT1の間に、行上で送信される、および列上で受信され、および第2のタイムスライスT2の間に、列上で送信される、および行上で受信される。この方法では、7つよりもむしろ4つのみの直交信号がその実施のために必要とされる。

0129

図10は、3行および4列を有するさらに別の伝送方式の簡素化した例を示す。この例証された実施形態では、各行および各列は、信号に関係し得、各行または列に関係する信号は、特有のものであり、他のすべての行または列のための信号に対して直交している。例証された実施形態では、たとえ行に関係する信号が列に関係する信号とすべてが直交しているとしても、制約または他の設計の配慮に、信号の送信を時分割多重化することが所望されている。ここでまた、信号は、第1のタイムスライスT1の間に、行上で送信される、および列上で受信され、および第2のタイムスライスT2の間に、列上で送信される、および行上で受信される。そのような実施形態は、例えば、送信に利用可能な周波数の範囲が限定され得る、および分離が受信に重要である場合に、有用であり得る。したがって、以下のように割り当てられ得、これによって、同時に送信された信号のためのより優れた分離が可能となる:

0130

0131

図11は、3行および8列を有する伝送方式の簡素化した例を示す。この例証された実施形態では、各行は、信号に関係し得、各行に関係する信号は、特有のものであり、他のすべての行のための信号に対して直交しているが、列は、例証されるように行信号と重なる特有の直交信号を共有する。例証された実施形態では、特有の直交信号のみが同時に送信されることを確かなものとするために、3つのタイムスライスが利用され、それ故、フィルターバンクまたは他の信号プロセッサーは、これらの教示に従ってタッチ事象を見つけるができる。

0132

図12Aは、4行および8列を有するセンサーにおいて一連の列およびまた一連の行内に適用された時分割多重化の例を示す。本例において、タイムスライスT1の間に、直交周波数AおよびBは、第1セットの行上で送信され、直交周波数CおよびDは、第1セットの列上で送信される。タイムスライスT2の間に、直交周波数AおよびBは、第2セットの行上で送信され、直交周波数CおよびDは、第2セットの列上で送信される。続くタイムスライスT4の間に、直交周波数CおよびDは、第3セットの列上で送信され、直交周波数CおよびDは、第4セットの行上で送信される。随意に、直交周波数AおよびBは、タイムスライスT3および/またはT4の間に、第1または第2セットの行上で送信され得、例えば、時間内にタッチ事象のより大きな解像度(resolution)をもたらす。

0133

図12Bは、4行および8列を有する別の伝送方式の簡素化した例を示す。この例証された実施形態では、2の直交信号AおよびBのみが使用される。例証された実施形態では、2つの特有の直交信号が同時に送信され得るが、それらは1つを超える送信導体上で一度に送信することができないことを確かなものとするために、6つのタイムスライスが利用される。例証されるように、AおよびBは、第1のタイムスライスの間に行1および2上で送信され、第2のタイムスライスの間に列1および2上で送信され、第3のタイムスライスの間に列3および4で送信される。

0134

直交信号の生成および伝送方式の選択に影響する因子は、例えば、制限なしで、センサーにおける行および列の数、センサーの所望の解像度、行および列の質(material)および寸法、利用可能な信号処理能力、およびシステムの最小許容可能なレイテンシを含む。多数の他の変更がなされ得、本開示および添付の請求項の範囲および精神内でなされ得る。例えば、与えられたタッチ検出システムによって利用された特有の直交信号の数とタイムスライスの数との間の選択において様々なトレードオフがなされ得るが、それが但し、多重信号が同じタイムスライスで送信され、それらの多重信号の各々が、そのタイムスライスで送信された他の信号のすべてから直交していることを前提としていることは、当業者に明白となろう。

0135

上に留意されるように、特定の列上の列の受信機Rxは、行の導体の1つ以上の上で送信された直交信号を受信し得、タッチ事象の結合に要因である行の導体を決定するために、信号が信号プロセッサーによって使用され、それにより、行−列の座標がもたらされる。1つ以上の行上で送信された直交信号に加えて、列の受信機Rxは、列の送信機Txから生じる信号を「確認する(see)」かもしれず、その振幅は、かなり大きくなり得、それ故、行および列の一部を横切った(traversed)より低い振幅信号の処理を干渉し得る。一実施形態では、本明細書で開示されたシステムおよび方法は、列の受信機Rxによって処理された信号からの列の送信機Txの信号の除去を提供する。したがって一実施形態では、列の送信機Txによって送られた直交信号は、列の受信機Rxで受信された信号から減算され得る。そのような減算は、列の送信機Txによって送信された信号の逆数が、列の受信機Rxによって受信された信号に加えられるように構成されたインバーターを含む回路によって電気的に提供され得、それにより、受信された列信号から送信された列信号を減算する。そのような減算機能は、信号プロセッサーにおいて代替的に提供され得る(図7)。

0136

生じ得るチャネルの動的割当
コンピューターシステムにおけるタッチセンサーの認識された品質は、高い信号対ノイズ比に依存し、ここでユーザー入力信号は、周囲の電磁ノイズと適切に区別される。そのような電磁ノイズは、タッチセンサーが一部(例えば、LCD情報表示)であるコンピューターシステム内の他の構成要素から、またはユーザーの外部環境における人工または天然の信号(例えば、装置の外部のACパワー充電器からの望まれない信号)から生じ得る。これらの望まれない電磁気信号は、ユーザー入力としてタッチセンサーによって誤って検出され得、その結果、誤ったまたはノイズの多いユーザーコマンドをもたらす。

0137

一実施形態では、システムおよび方法によって、タッチセンサーはこうした誤ったまたはノイズの多い読み取りを減少または排除し、高い信号対ノイズ比を維持することができ、これはたとえ、他のコンピューターシステムの構成要素または望まれない外部信号からの干渉する電磁ノイズに近似であってもそうである。この方法はまた、並列性、レイテンシ、サンプルレート、ダイナミックレンジ、センシング粒度(sensing granularity)などの点でセンサーの全体的な性能を最適化しながら、センサーの総パワー消費量を減少させるために、時間内の与えられた時点で、タッチセンサーの選択部分または全表面領域を管理する信号変調方式を動的に再構成するように使用され得る。

0138

本発明のシステムおよび方法の実施形態は、性能が電磁気信号の正確な読み取りに依存する容量式タッチセンサー、特に、スキャンレートを増加させ、コンピューターシステムに対する報告されたタッチ入力事象のレイテンシを減少させるために周波数分割多重化(FDM)を利用する容量式タッチセンサー、に適用されるときに特に利点を有する。この点で、本発明の実施形態は、発明の名称「Low−Latency Touch Sensitive Device」である、2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/841,436号、および発明の名称「Fast Multi−Touch Post Processing」である、2013年11月1日に出願された米国特許出願第14/069,609号において開示されるセンサーなどに適用され得、これらは、一実施形態として容量式の周波数分割多重化タッチセンサーを熟慮している。

0139

動的割当プロセスの実施形態
工程1:タッチ信号とノイズを合理的に識別する
タッチセンサーは、ユーザーがセンサーに触れていないことが知られているときに、または実際のタッチ信号が合理的に知られている場合(即ち、タッチ表面の幾つかの部分が触れられている一方で、他の部分が触れられていないことが知られている場合)に、受信する信号をすべて分析することができる。

0140

タッチセンサーが触れられているかどうか、またはどこ触れられているかのそのような決定は、センサー自体、加速度センサーのような他の一般的なコンピューター入力センサー、コンピューターシステムのパワーステータス(例えば、コンピューターが「スリープモード」などにされる場合)、コンピューターシステム上で現在実行しているソフトウェアアプリケーションからの事象ストリームからの読み取りの組み合わせを分析することによって形成し且つ強化され得る。コンピューターシステムにおいて1つを超えるセンサーからのデータに依存して、システムステータスシステム構成要素ステータス、またはユーザーのステータスについての結論を導き出すこの分析的なプロセスは、当該技術分野において「センサーフュージョン」と一般に呼ばれる。

0141

既知の手元の(in−hand)タッチについての分析判断を用いることで、タッチセンサーの受信された信号はすべて、その後、これらの既知のタッチのために受信された信号と比較され得る。センサーが測定した信号間の結果として生じる差、および(最新または以前のタッチ事象について知られているものを考慮して)測定されるべきだったものは、その後、ノイズおよび干渉を軽減するために用いられ得る。

0142

この方法の一実施形態では、干渉信号のこの測定の幾つかが、設計時に予測可能となる少なくともその干渉の部分のために、設計時に生じ得る。この方法の別の実施形態では、測定の幾つかが、製造または試験時間に生じ得る。別の実施形態では、測定の幾つかが、ユーザーがタッチセンサーに触れていないことが合理的に知られているときの使用前の期間に生じ得る。別の実施形態では、測定の幾つかが、ユーザーが既知の位置でセンサーに触れているときに生じ得る。別の実施形態では、測定の幾つかが、ユーザーがタッチ表面に触れていないことが他のセンサーによってまたはアルゴリズム的に予測されるときにユーザータッチ間で時々生じ得る。

0143

別の実施形態では、測定の幾つかが、統計パターンおよびユーザーのタッチの可能性を測ることができるソフトウェアによって統計的に生じ得る。例えば、ユーザーインターフェース(UI)は、タッチ表面上の特定の位置のみに置かれるボタンを有し得、その結果、これらは、ユーザーが与えられた時間に触れそうな唯一の場所である。これらの既知の位置の1つで触れたときに、タッチ状態/タッチのない状態間の差は、ノイズの存在下においてさえも非常に明白となり得る。一実施形態では、UIは、ボタンが特定の定義された期間押されていなければならないように設計され得(もしかするとディスプレイによって示される)、それによって、予め決められた期間がもたらされ、その期間にわたって、タッチがノイズの存在下においてさえも検出され得る。別の実施形態では、これらのUI制御には、ユーザーがUIによって前もって知られている、またはセンサーフュージョンを介して装置上の他のセンサーによって(ある程度まで)動的に測定され得る、恣意的な経路に従うことが要求されるために、スライダーまたは二次元「ポインター」が、ボタンの代わりに使用され得る。一実施形態では、このようなUIスライダーは、限定されないが、IOS、Android、他のLinux(登録商標)変数、またはWindows(登録商標)のような、タッチしやすい(touch−friendly)オペレーティングシステムの「ロックスクリーン」上で共通して見られる、単一の「スライドオープン式(slide−to−open)」のスライダー制御(slider control)であり得る。関連する実施形態では、任意のそのようなロック解除するジェスチャー制御を使用することができる。一実施形態では、単語の文字が、隣接する文字を見ることによって容易且つ正確に予測され得るために、仮想キーボードは既知のタッチ位置を提供する。

0144

一実施形態では、そのような分析は、タッチセンサーの別々のタッチコントローラー上で行われ得る。別の実施形態では、そのような分析は、限定されないが、ASIC、MCU、FPGA、CPU、GPU、またはSoCなどの他のコンピューターシステム構成要素上で行われ得る。

0145

工程2:干渉を回避する
一度、ノイズの多い読み取りが、工程1で詳述されるように既知のタッチ信号に基づいておよび/または統計的推論を介して「干渉」と特定されると、電磁干渉のそのような知識は、そのようなノイズがタッチセンサーによって感知され得るまたは恐らく感知される、周波数、時間、またはコードの空間の特定の部分間の衝突を回避するために使用され得る。既知のタッチ信号と特定された電磁干渉との間の衝突は、限定されないが、様々な技術または技術の組み合わせによって回避可能である。

0146

干渉がないまたはほとんどない信号周波数が特定される場合、タッチセンサーは、それらを使用するように構成されるべきである。干渉がほとんどないまたはないタイムスロットがある場合、タッチセンサーは、それらを使用するように構成されるべきである。干渉がほとんどないまたはないコードがある場合、タッチセンサーは、それらを使用するように構成されるべきである。干渉がほとんどないまたはない、周波数、時間およびコードの組み合わせがある場合、タッチセンサーは、それらを使用するように構成されるべきである。

0147

周波数分割多重化(FDM)を利用するタッチセンサーに関して、タッチセンサーが利用する信号周波数は、隣接する必要はない。周波数バンドの幾つかの部分が干渉によって占められる場合、タッチセンサーは、それらの周波数を回避するように構成され得る。周波数バンドの幾つかの部分が、特定の既知の時間に干渉によって占められる場合、タッチセンサーは、それらの既知の時間にそれらの信号周波数を使用することを回避するように構成され得る。周波数バンドの幾つかの部分が、特定の既知の時間に比較的静的な干渉によって占められる場合、タッチセンサーによって送信された信号は、復調が既知の干渉を取り消すまたは排除する様式で、それらの時間に変調され得る。例えば、この変調技術の実施形態では、干渉が幾つかの対象の周波数で安定したシヌソイドである場合、タッチセンサーによって放出された周波数を変調させるために、2位相偏移変調(BPSK)が使用されるべきであり、その結果、結果として生じる合計のタッチセンサーから受信された信号および干渉信号を復調させるために、反対のBPSKが使用されるときに、干渉の等しい部分が正相で乗算される且つ等しい部分が逆相で乗算され、その結果、信号が総受信期間にわたって積分される(integrated)ときに、干渉信号は無視できるもの(something negligible)に集約される(summed up)。同様の効果のある変調の他の形態も可能である。

0148

FDMを使用するタッチセンサーが、周波数分析を行うための高速フーリエ変換、または周波数ビンの数がアルゴリズムまたはアルゴリズムの本質によって抑制される、類似した高速アルゴリズムを利用する場合、センサーは、追加の潜在的な受信周波数があるように、多数のビンを用いて、より大きな変換を使用することができる(恐らく次の評価(size up))。タッチセンサーは、これらの周波数のいずれかで送信する能力を用いて製造する前に構成され得る。この方法で、周波数ビンの幾つかが干渉を包含する場合、これらは、干渉がほとんどないまたはない周波数のために回避され得る。

0149

工程3:望まれないホットスポットを回避する
前述の技術の使用によって完全には排除され得ない電磁干渉の幾つかでは、タッチセンサーは、そのようなノイズがセンサーの表面積にわたって均一に広げられて、残りの干渉によってもたらされた操作上の問題を最小化することを確かなものとするように構成され得る。

0150

一実施形態では、タッチセンサーは、優れたユーザー体験保証に対してよりノイズ耐性のあるUI要素が、よりノイズのあるタッチ表面の部分に置かれ、精密制御の必要性が原因で近くのノイズのない入力コマンドを必要とするUIの部分が、干渉がほとんどないまたはないことに影響されないタッチセンサーの表面の部分に関係している、こと確かなものとするように構成され得る且つカスタムアプリケーションプログラムインターフェイスAPI)と対にされ得る。他の実施形態では、本質的に、この概念逆転も利用される。即ち、ディベロッパーAPIは、UI要素にフラグをつけるために使用され得、該UI要素は、その後、タッチ表面上の高性能変調方式の配置を命令する(dictate)。

0151

別の実施形態では、望まれない電磁ノイズは、タッチセンサー信号に割り当てられた、タイミング、周波数およびコードを再マッピングすることによって軽減され得る。タッチセンサーの行および列に関係するこれらの信号の分割は、固定された関係を有する必要はなく、必要に応じて動的に再マッピングされ得る。例えば、一実施形態では、FDMを利用するタッチセンサーは、与えられた行のための特定の周波数のシヌソイドを常に送信し得るか、または動的に送信する周波数を再マッピングし得る。例えば、タッチセンサーの送信機および受信機が、「n」の異なる周波数で動作することができる場合、およびこれらの周波数の「M」が、十分少量の干渉を包含するように決定され、タッチセンサーの行(同時に送信された周波数)の数が、「r」である場合(「ここで「n」は「m」以上であり、「m」は「r」以上である)、タッチセンサーは、「m」のセットから「r」の周波数を選ぶことができ、劣化(degradation)をユーザー体験に最小化するように設計された方法で、それらを行にマッピングする(map)ことができる。別の実施形態では、動作周波数のセンサーの選択したセットは、かなりの時間にわたって、タッチ表面の異なる部分間にノイズ統計の無視できる相関性があるようにランダムまたは疑似ランダムの様式で、フレームごとに、動的に再マッピングされ得る。より具体的には、タッチセンサーは、「r」の周波数を、最小のノイズを有する場合に「m」−可能性(possible)から選ぶことができるか、または、かなりの時間にわたって、タッチ表面の異なる部分間のノイズ統計の相関性を最小化するように設計された方法で動的またはランダムに(または疑似ランダムに)、それらの中から選び得る。タイムスロット、コードまたは他の変調方式、あるいはそれらの組み合わせに、同様の方法が使用され得る。

0152

別の実施形態では、主としてFDMを利用するタッチセンサーについて、十分少量の干渉を包含するように決定された「m」の周波数が、各センサーの行上で特有の周波数を同時に送信することが必要とされる「r」周波数の数以上である場合、タッチセンサーは、UI制御の既知のレイアウトおよび要件に基づいて、タッチセンサーの表面積の特定な部分のレイテンシおよびサンプルレート性能を最適化する動的なFDM変調方式を利用することができる。ここで、高精度な、低レイテンシのユーザー入力を要求するUI制御の時間内の与えられた時点での既知の位置は、タッチセンサーの表面積の対応する部分上にマッピングされ、それにより、信号変調方式は、高性能のために時間内の与えられた時点で最適化された。コンピューターシステムのソフトウェア定義されたUI制御の位置および性能要件と、タッチセンサーの表面積の位置および性能要件との間のそのような動的マッピングは、ランタイム前にアプリケーション開発者によって明確に定義され得るか、またはUI制御のランタイム時にオペレーティングシステムのロジックおよび分析によって定義され得、アプリケーション、オペレーティングシステム、およびタッチ表面の間の通信は、アプリケーションプログラムインターフェース(API)によって定義される。同時に、これらの高性能領域と並んで、同じ表面積の他の隣接する領域は、より低い性能周波数、時間またはコード変調方式を利用し得る。並列性、レイテンシ、サンプルレート、ダイナミックレンジ、センシング粒度などの点で高性能のために最適化された変調方式を用いるタッチセンサーの表面積の選択領域のみを実行することには、ユーザー入力を感知且つ処理するためにタッチセンサーによって消費された全エネルギーを潜在的に低下させる更なる効果があり、なぜなら、センサーの特定の領域のみが、要求される性能レベルで操作されるためであり、これにより、表面積の残りを、性能よりも省エネルギーを最適化する変調方式で操作することができる。そのような動的な変調方式は、センサー入力のあらゆる新しいフレームと同様、速くアップデート且つ最適化することができる。

0153

別の実施形態では、主としてFDMを使用するタッチセンサーについて、最小のノイズと特定された「m」−可能性の周波数のセットが、特有の周波数をタッチセンサーの各行に割り当てることが必要とされる「r」の特有のセンサー信号の数より少ない場合、センサーは、時間、コードまたは他の変調方式を周波数分割と組み合わせるハイブリッド変調のアプローチを利用するように構成され得る。この方法の実施形態では、具体的なハイブリッド変調のアプローチが、動的に選択される且つタッチセンサーによって再評価され得、センサー入力のあらゆる新しいフレームと同様速く、センサー全体の表面積にわたって最少のレイテンシおよび最高のタッチ事象のサンプルレートを最適化する。この方法の別の実施形態では、具体的なハイブリッド変調のアプローチが、動的に選択される且つタッチセンサーによって再評価され得、UI制御の既知のレイアウトおよび要件に基づいて、タッチセンサーの表面積の具体的な部分のレイテンシおよびサンプルレート性能を最適化する。ここで、高精度な、低レイテンシのユーザー入力を要求するUI制御の時間内の与えられた時点での既知の位置は、タッチセンサーの表面積の対応する部分上にマッピングされ、それにより、信号変調方式は、並列性、レイテンシ、サンプルレート、ダイナミックレンジ、センシング粒度などの点で高性能のために時間内の与えられた時点で最適化された。コンピューターシステムのソフトウェア定義されたUI制御の位置および性能要件と、タッチセンサーの表面積の位置および性能要件との間のそのような動的マッピングは、ランタイム前にアプリケーション開発者によって明確に定義され得るか、またはUI制御のランタイム時にオペレーティングシステムのロジックおよび分析によって定義され得、アプリケーション、オペレーティングシステム、およびタッチ表面の間の通信は、アプリケーションプログラムインターフェース(API)によって定義される。同時に、これらの高性能領域と並んで、同じ表面積の他の隣接する領域は、より低い性能周波数、時間またはコード変調方式を利用し得る。並列性、レイテンシ、サンプルレート、ダイナミックレンジ、センシング粒度などの点で高性能のために最適化された変調方式を用いるタッチセンサーの表面積の選択領域のみを実行することには、ユーザー入力を感知且つ処理するためにタッチセンサーによって消費された全エネルギーを潜在的に低下させる更なる効果があり、なぜなら、センサーの特定の領域のみが、要求される性能レベルで操作されるためであり、これにより、表面積の残りを、性能よりも省エネルギーを最適化する変調方式で操作することができる。そのような動的な変調方式は、センサー入力のあらゆる新しいフレームと同様、速くアップデート且つ最適化することができる。

0154

別の実施形態では、主としてFDMを使用するタッチセンサーについて、最小のノイズと特定された「m」−可能性の周波数のセットが、特有の周波数をタッチセンサーの各行に割り当てることが必要とされる「r」の特有のセンサー信号の数より少ない場合、センサーは、与えられた期間、時分割多重化(TDM)モードに入るように構成され得、「m」における周波数の1つを選択し、TDMのアプローチにおいて典型的であるように、行および列を連続してサンプリングする。与えられた期間、主要なFDMセンサーを純なTDMモードに変換することで、センサーの読み取りのフレームレートおよびレイテンシを犠牲にして、正確な入力が確かなものとなる。

0155

別の実施形態では、主としてFDMを使用するタッチセンサーについて、最小のノイズと特定された「m」−可能性の周波数のセットが、特有の周波数をタッチセンサーの各行に割り当てることが必要とされる「r」の特有のセンサー信号の数より少ない場合、センサーは、与えられた期間、ハイブリッドのFDMおよびTDMモードに入るように構成され得、「m」における周波数の選択数を選択し、それにより、純に連続するTDMモードの性能限界以上にセンサーの読み取りのフレームレートおよびレイテンシを向上させることと平行して、複数の行および列を連続してサンプリングする。そのようなハイブリッドのFDMおよびTDMの変調方式は、センサーの並列性および性能を向上させ、同時に、周囲の電磁ノイズのリアルタイム分析、史的分析、および/または統計分析が、より干渉寄りになった「m」以外のセンサー信号の利用から生じるであろう、ノイズの多い読み取りの悪影響を軽減する。

0156

工程4:センサーの信号対ノイズ比を増大させるために感知の重複を使用する
タッチセンサーはまた、タッチセンサーにおける干渉および他のノイズの影響を減少させるために多くの技術を利用することができる。例えば、FDMを利用するタッチセンサーのための実施形態では、タッチセンサーは、1行当たり複数の周波数を使用することができ、その結果、センサーは、どの周波数ビンが干渉にさらされるかを予測することができなくても、複数の方法で各行(または列)を測定することができ、ノイズの最も少ない測定(または測定の組み合わせ)を測ることができ、その後、それらを使用することができる。

0157

測定が干渉に影響されるか否かを決定することが難しい場合に、タッチセンサーは、ボーティング方式を使用することができ、それによって、どの測定を排除するか、維持するか、および信号対ノイズ比+干渉比最大限にし、それによりユーザー体験を増強し続ける測定を統計的且つ数学的に組み合わせるのに最適な方法を決定するために、複数のボーティング測定、または同様の統計的方法が使用される。例えば、一実施形態では、干渉にさらされるFDMタッチセンサーは、各行上で3つの異なる周波数を送信し、(ここで周波数は、それらの間の干渉が統計的にありそうもないように十分に分離される)、結果を測定することができた。その後、3信号中の2信号同時(two−out−of−three)のボーティングシステムを使用すると、センサーは、干渉によりどの周波数が最も劣化されたかを決定することができ、その測定を最終的な測定において考慮から除外する、または(センサーが、干渉およびノイズの統計について先験的に「認識している(knows)」ものを考慮して)残りの2つを統計的に妥当な方法で組み合わせる、あるいは3つすべてを含み、それらを統計的に妥当な方法で組み合わせることができ、ノイズおよび干渉によるその劣化の統計的可能性によって各周波数測定の影響に重みを加える。

0158

タッチセンサーがこのように利用することができる幾つかの方法は、限定されないが、以下の工程を含む:
1.1行当たり複数の周波数を使用する工程。これらの周波数は、同時にまたは順に利用され得る。
2.(より詳細に上に議論されるように、順にまたは同時に)行から列に、および列から行に送信する工程。これも、上の複数の周波数の使用と組み合わされ得るか、または変調方式の別の組み合わせであり得る。
3.FDMに加えてCDMAを使用する、または変調方式の幾つかの組み合わせを使用する工程。ここで、CDMA信号は、FDM技術によって一般に利用されるものとは異なり、基本的に「非自然」であり、それ故、多くの場合コンピューターシステムの外部環境における様々な自然発生する信号に対してFDM変調方式よりもしばしば免疫があることに留意されたい。

0159

ユーザー認識技術>
実施形態において、高速のマルチタッチセンサーは、同じ手、同じユーザーの異なる手、同じユーザーまたは異なるユーザーからのものとして識別するための能力を備えている。実施形態において、高速のマルチタッチセンサーは、単一の物体の位置および向きを決定するのを助けるための、単一の物体上の容量性タッチポイントを介して、またはユーザーの体の一部とともに表示の別の領域も同時に接触しているユーザーに保持されるスタイラスを介して、タッチ領域リンクされた物体の部分からのものとしてタッチを識別する能力を備えている。

0160

上で最初に説明されたセンサーの基本的な実施形態において、各行は信号送信機を有する。タッチ(複数可)が表面に適用される際、信号は近くの列に結合される。これらのタッチの位置は、列からの信号を読み取り、どの行で信号が生成されたかを知ることにより決定される。

0161

ユーザーがセンサーとまたはセンサーが一体化されたデバイスと接触し、またはセンサーの特定の距離内に入るか、そうでなければ1より多い位置でタッチ事象を発生させる場合、信号が1つのタッチ位置から他の位置へユーザーの身体によって送信されると、同じユーザーによって行われたタッチにわたって、通常ある程度の結合が生じる。図13を参照すると、1回のタッチまたはタッチに近いもの(near touch)が行r1と列c1との交点にてユーザーの指1402によって適用される際、結合は行r1と列c1の間で起こる。第2の同時のタッチまたはタッチに近いものが、行r2と列c2との交点にてユーザーの第2の指1403によって適用される場合、結合は行r2と列c2の間で起こる。さらに、より弱い結合が、行r1と列c2の間並びにr2と列c1の間で起き得る。いくつかの実施形態において、より弱い結合が列間および行間で起き得る。

0162

これらのより弱く身体を介して送信された(body−transmitted)信号、そうでなければ「ノイズ」または「クロストーク」として却下され得る信号はむしろ、1人のユーザーが両方のタッチの要因であることを識別するために、信号処理装置図7)によって追加の「信号」として代わりに使用され得る。具体的には、上記の例を拡張するために、行r1と列c2との間の、並びに行r2と列c1との間の結合は通常、タッチが行r1と列c2または行r2および列c1の交点にて誤って報告されないことを確実にするために、「ノイズ」とみなされフィルター処理(または無視)されるかもしれない。より弱く身体を介して送信された結合は、正確なタッチ位置のみが報告されることを確実にするようにそれでもフィルターリングされるかもしれず、タッチが同じユーザーから来ることをシステムが識別できるように解釈されるかもしれない。センサー400は、限定されないが1403に加えて位置1404、1405、または1406を含むユーザーの手の任意の指から送信される、より弱く身体を介して送信される結合を検出するように構成され得る。信号処理装置(図7)は、同じ手、同じユーザーの異なる手、同じユーザーまたは異なるユーザーからのものとしてタッチを識別するためのこうした検知を使用するように構成され得る。

0163

ユーザー識別を備えるタッチセンサーの他の実施形態において、信号発生器は、携帯型のユニット中、それらの椅子の下のパッド、または実際にはセンサーが一体化されるデバイスの端の上など他の場所で、ユーザーと結合し得る。こうした発生器は、上記と同様の方式で、特定のタッチを行うユーザーを識別するために使用され得る。他の実施形態において、信号発生器は、スタイラス、ペン、または他の物体に統合され得るかもしれない。

0164

以下は、同じ手、同じユーザーまたは異なるユーザーからのものとしてタッチを識別するために検出し使用することができる、より弱い結合の種類の例を示す:ユーザーの指のうち第1の指により触れられている行または列と、ユーザーの指のうち第2の指により触れられている行または列との間の結合;ユーザーの指により触れられている列または行と、ユーザーの体の他の部分(ユーザーの手のひらなど)によって触れられている行または列との間の結合;ユーザーの体の一部分(例えば、ユーザーの指またはユーザーの手のひら等)によって触れられている行または列と、ユーザーの身体に動作可能に接続された信号発生器との間の結合;および、ユーザーの体の一部分(例えば、ユーザーの指またはユーザーの手のひら等)によって触れられている行または列と、スタイラスまたはペンに一体化された信号発生器との間の結合;および、スタイラスまたは他の触れられるもの(tangible)などの導電性の中間物体を介してユーザーの身体の一部によって触れられている行または列の間の結合、および、スタイラスまたは他の触れられるものなどの導電性の中間物体をおそらく介してユーザーの身体の一部によって触れられている行または列の間の結合。本明細書で使用されるように、「タッチ」は、ユーザーと開示されたセンサーとの間の物理的な接触がある事象を含み、物理的接触はないがセンサーに近接して発生し且つセンサーによって検知されるアクションがある事象も含む。

0165

上述の弱い結合は、同じ手、同じユーザーの異なる手、同じユーザーまたは異なるユーザーからのものとしてタッチを識別するために使用され得る。例えば、比較的強い弱い結合の存在は、同じ手の2本の指(例えば、人差し指親指)または同じ手の指と手のひらのように、同じ手から2つのタッチ事象を識別するために使用され得る。別の例として、(前の例に比較して)比較的弱い、弱い結合の存在は、同じ人物の異なる手または同一人物の手と別の身体部分からの2つのタッチ事象を識別するために使用され得る。第3の例として、より弱い結合の欠如は、異なる人物からの2つのタッチ事象を識別するために使用され得る。更に、ユーザーの身体に動作可能に接続された信号発生器からの信号の存在は、特定のユーザーから来るタッチを識別するために使用することができ、こうした信号の欠如は、特定のユーザーからのものではないものとして識別するために使用され得る。

0166

<高速マルチタッチスタイラス>
高速マルチタッチセンサーの特定の実施形態において、センサーは、スタイラスの位置、および随意に、その傾き角と、その長手方向軸についての回転角を検出するように構成されている。このような実施形態は、基本的に最初に上述されたようなセンサーハードウェアで始まり、さらに先端付近の信号送信機を有するスタイラスを使用し、そこから、行または列に送信され得る直交信号と互換性を持つ(同一または類似のモジュレーション方式、類似の周波数など)が、しかし直交信号である信号が送信される。スイッチは、例えば近接検出器または圧力センサーを含む任意の種類のスイッチであるかもしれないが、スタイラスの先端において、送信機がオンまたはオフになるときに制御するために使用され得る。通常の動作条件下において、スタイラスは、高速マルチタッチセンサーの表面に近接してまたは近接内に接触しているとき、信号が送信機をオンにするように構成され得る。代替的な実施形態において、スタイラスは、常に信号を送信するように構成されており、スイッチの状態はその周波数、振幅など信号の1以上の特性を変えることができる。これは、タッチ感知式デバイスの表面と接触している場合のみならず、「ホバー」機能を提供して、わずかに上回っている場合にもスタイラスが使用されるのを可能にする。

0167

一実施形態において、スタイラスにより送信される信号は、上述のように行上に伝達され得る直交信号と類似しており、スタイラスは、追加の行として基本的に処理され得る。スタイラスによって放出される信号は近くの列にカップルされ、列上に受信された信号の量はそれらに対するペンの位置を決定するために使用される。

0168

二次元におけるスタイラスの位置を計測する能力を提供するために、受信機は、FMTセンサーの行上に、ならびに列上に配置され得る。行上の受信機は、列上のものほど複雑である必要はない。列上の受信機は、行上に送信される信号からピックアップして区別するように構成されるべきである。しかし、行の受信機は、スタイラスによって送信される、またはいくつかの実施形態においては複数のスタイラスによって送信される信号からピックアップし区別することが可能であることのみが必要となる。

0169

実施形態において、スタイラスにより送信された信号は、それらの間に混同が生じないように行上に送信されるものとは異なる。行の信号が変調されている場合、スタイラス信号は、他の受信機と互換性を持つように同様に変調されるべきである。実施形態において、このような変調は時間基準を必要とし、これをマルチタッチセンサーが通信チャネルを介してスタイラスに提供するように構成され得る。このようなチャネルは、無線リンク光リンク、音響または超音波リンク等であり得る。実施形態において、スタイラスは、他の通信チャネルの関与なしで、行信号を受信しその変調をそれらに同期させる。

0170

スタイラスがその信号を送信する際、それらは列と行の受信機によって受信される。行と列の信号強度は、行と列に対して二次元でのスタイラスの位置を決定するために使用される。より強い信号強度はスタイラスがセンサーに比較的近接していることを示し、より弱い信号強度はスタイラスが離れていることを示す。補間(Interpolation)は、行と列の物理的な粒状性よりもはるかに微細な解像度にスタイラスの位置を決定するために使用され得る。

0171

<スタイラスの傾きおよび回転>
より複雑な実施形態により、我々は、ユーザーがスタイラスを保持している時に、スタイラスの位置の測定とともにその傾きおよび回転の両方を同時に測定することが可能となる。

0172

単一の信号を発する代わりに、本実施形態でのスタイラスは複数の信号を発することができ、その各々がスタイラスの先端付近から送信されるが、その点からその周囲に広がる。こうした180度離れた2つの信号は必要な情報の一部を提供する一方、少なくとも3つの信号(理想的には120度離れている)がスタイラスの傾きと回転を明確に測定するために必要とされ、4つの信号(理想的には90度離れている)は、数学と信号処理を簡単にする。4つの信号の場合は、以下の実施例で使用されている。

0173

<スタイラスの傾きの測定>
図14および15は、その先端部1505に送信機1502を有する高速マルチタッチスタイラス1501の2つの実施形態を示す。図14の実施形態において、送信機1502は先端1505の外部にあるが、図15の実施形態において送信機1502は、先端1505の内部にある。4つの送信機1502はスタイラス1501の周囲に配置され、それぞれ高速のマルチタッチセンサー400の表面に沿って、北、東、南、西に向けられている。ペンの開始位置は、センサー平面のz軸に平行およびx軸とy軸に垂直であることを想像されたい。スタイラスが図示されるように東に向かって傾いており、センサー400の平面に対して角度αまでx軸またはy軸に沿って回転するとき、東向きの送信機1503は北と南の送信機に対して3次元空間のセンサー400の表面に近づいて移動し、西向きの送信機は、北と南の送信機に対してセンサーから離れるように移動する。これによって、東の送信機によって放たれる直交信号が近くの行および列とより密接に結合するようになり、それは高速マルチタッチセンサー内のそれらの受信機によって測定され得る。西の送信機によって発せられた直交信号は、近くの行および列とはそれほど強く結合されず、これによってその信号がそれらの近くの行および列の受信機においてより低強度で現れる。東と西の信号の相対的な強さの比較によって、我々はスタイラスの傾き角αを決定することができる。南北方向の傾きは、北と南の直交信号と同様のプロセスによって決定することができる。実施形態では、スタイラス1501の先端1505内のスイッチや圧力センサー1504は、いつ送信機がオンまたはオフであるのかを制御するために使用される。通常の動作条件下において、スタイラスは、高速マルチタッチセンサー400の表面に近接してまたは近接内に接触しているとき、スイッチ1504が送信機をオンにするように構成され得る。

0174

<スタイラスの回転の測定>
スタイラスの回転も同様に検出され得る。スタイラスの4つの送信機1502の各々のxおよびy軸位置はz軸に平行に回転されるので、ペンの上の4つの送信機はタッチ面のさまざまな行と列に対し、直線的に接近するか、または遠くなる。スタイラスの送信機のxおよびy位置の間の直線距離が、FMTのさまざまな行と列に対して異なるので、FMTの受信機によってピックアップされる信号強度は異なるようになる。スタイラスのz軸に対して平行に回転させると、これらの直線距離を変更し、ゆえに関連する信号強度が変わる。スタイラスのx軸とy軸の回転角は、信号強度のこれらの差から推定され得る。

0175

<アクティブな光スタイラス>
本発明の実施形態は、コンピューターディスプレイまたはタッチセンサーに手書き入力するために使用することができる高速で正確な低レイテンシのスタイラスおよびセンサーシステムを含む。実施形態において、スタイラスはペンまたは鉛筆の経験を模倣し、流れるような且つ自然な入力を提供する。この点で、システムの更新率は1キロヘルツ以上に上げられることができ、スタイラスの動きから、測定される位置および他のパラメータまでのレイテンシは、1ミリ秒未満に下げることができる。スタイラスの位置を測定するとともに、その傾きおよび回転を測定することができる。本明細書中に記載されるアクティブな光スタイラスは、全てのデザインのコンピューターディスプレイおよびタッチセンサーと実質的に互換性があり、上述した高速マルチタッチセンサーでの使用に限定されないことに留意されたい。

0176

開示された技術は、誘導内部反射(Induced Total Internal Reflection)(ITIR)を使用する光学的方法を含む。技術は、複数のスタイラスを入力のために同時に使用するのを可能にする。センサーシステムはコンピューターディスプレイ(LCDまたはOLEDモニター等)の上に配置され得、経時的に推定されるセンサー位置および他のパラメータは、線、曲線テキストなどをコンピューターディスプレイ上に描くのに使用され得る。

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