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技術 心筋梗塞処置用制御装置、及び心筋梗塞処置用制御方法

出願人 株式会社ニューロシューティカルズ
発明者 砂川賢二三池信也朔啓太
出願日 2017年9月14日 (3年3ヶ月経過) 出願番号 2017-177048
公開日 2019年4月4日 (1年9ヶ月経過) 公開番号 2019-051021
状態 未査定
技術分野 電気治療装置
主要キーワード 心臓交感神経 補助制御装置 処理ステップ間 モデュレーション 刺激制御 心拍計測 刺激用電極 電気的パルス
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年4月4日)のものです。
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図面 (6)

課題

梗塞への処置を好適に行うことのできる心筋梗塞処置用制御装置、及び心筋梗塞処置用制御方法を提供する。

解決手段

患者迷走神経刺激するために、前記迷走神経の近傍を走行する血管に挿入される刺激用電極に対し、心筋仕事量を低下させるための刺激信号を出力する刺激制御部143と、前記患者の第1生体情報111及び第2生体情報113を検出する検出部110と、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の正常範囲を定める閾値情報を設定する設定部130と、検出された前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が、前記閾値情報で定められた前記正常範囲内にあるか否かを判定する判定部120とを備え、前記刺激制御部143は、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が前記正常範囲内であり、前記第2生体情報の値が前記刺激の前よりも所定割合以上低下するように、前記刺激信号の強度を調整する。

概要

背景

心筋梗塞への処置に対しては、閉塞した血管を再び開通させる再灌流療法が普及している。この結果、近年、心筋梗塞による死亡率は長期的にやや低下傾向にある。しかしながら、たとえ血流再開したとしても心筋壊死が残存するために,遠隔期に心不全発症して死亡する割合が極めて高い。例えば、慢性心不全患者の5年生存率は、約4割程度に過ぎないとの調査もある。

急性心不全への処置の1つとして、血管内に電極を入れる手法が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、急性心不全症候群治療(Treating Acute Heart Failure Syndromes)のためのニューロモデュレーションステム(Neuromodulation Systems)において、静脈内に位置する電極アレイを用いて、副交感神経(parasympathetic nerves)及び/又は心臓交感神経(sympathetic cardiac nerves)に電気的パルス刺激を与えること等が記載されている。

概要

梗塞への処置を好適に行うことのできる心筋梗塞処置用制御装置、及び心筋梗塞処置用制御方法を提供する。患者の迷走神経を刺激するために、前記迷走神経の近傍を走行する血管に挿入される刺激用電極に対し、心筋の仕事量を低下させるための刺激信号を出力する刺激制御部143と、前記患者の第1生体情報111及び第2生体情報113を検出する検出部110と、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の正常範囲を定める閾値情報を設定する設定部130と、検出された前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が、前記閾値情報で定められた前記正常範囲内にあるか否かを判定する判定部120とを備え、前記刺激制御部143は、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が前記正常範囲内であり、前記第2生体情報の値が前記刺激の前よりも所定割合以上低下するように、前記刺激信号の強度を調整する。

目的

本発明のいくつかの態様は前述の課題に鑑みてなされたものであり、心筋梗塞への処置を好適に行うことのできる心筋梗塞処置用制御装置、及び心筋梗塞処置用制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

患者迷走神経刺激するために、前記迷走神経の近傍を走行する血管に挿入される刺激用電極に対し、心筋仕事量を低下させるための刺激信号を出力する刺激制御部と、前記患者の第1生体情報及び第2生体情報を検出する検出部と、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の正常範囲を定める閾値情報を設定する設定部と、検出された前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が、前記閾値情報で定められた前記正常範囲内にあるか否かを判定する判定部とを備え、前記刺激制御部は、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が前記正常範囲内であり、前記第2生体情報の値が前記刺激の前よりも所定割合以上低下するように、前記刺激信号の強度を調整する、心筋梗塞処置用制御装置

請求項2

前記刺激制御部は、前記第1生体情報の値が前記正常範囲から外れた場合に、前記刺激信号の出力を停止する、請求項1記載の心筋梗塞処置用制御装置。

請求項3

複数の刺激用電極のうち、前記心筋の仕事量の低下のために使用する前記刺激用電極の組み合わせを決める電極探索部を更に備え、前記電極探索部は、前記複数の刺激用電極の一部の組み合わせに対して前記刺激信号を順次出力し、前記複数の刺激用電極の組み合わせの各々に出力した際の前記第2生体情報の変化のうち、最も前記第2生体情報の変化の大きい刺激用電極の組み合わせを、前記心筋の仕事量を低下させるために使用する前記刺激用電極の組み合わせとする、請求項1又は請求項2記載の心筋梗塞処置用制御装置。

請求項4

前記第1生体情報及び前記第2生体情報は、それぞれ血圧及び心拍数である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の心筋梗塞処置用制御装置。

請求項5

前記患者の左心室の活動を補助することにより、前記心筋の仕事量の低下を促す補助装置を制御する補助装置制御部を更に備える、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の心筋梗塞処置用制御装置。

請求項6

前記補助装置制御部は、前記第1生体情報の値が前記正常範囲内となるように前記補助装置を制御する、請求項5記載の心筋梗塞処置用制御装置。

請求項7

患者の迷走神経を刺激するために、前記迷走神経の近傍を走行する血管に挿入される刺激用電極に対し、心筋の仕事量を低下させるための刺激信号を出力する刺激制御ステップと、前記患者の第1生体情報及び第2生体情報を検出するステップと、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の正常範囲を定める閾値情報を設定するステップと、検出された前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が、前記閾値情報で定められた前記正常範囲内にあるか否かを判定するステップと、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が前記正常範囲内であり、前記第2生体情報の値が前記刺激の前よりも所定割合以上低下するように、前記刺激信号の強度を調整するステップとを心筋梗塞処置用制御装置が行う、心筋梗塞処置用制御方法

技術分野

0001

本発明に係るいくつかの態様は、心筋梗塞処置用制御装置、及び心筋梗塞処置用制御方法に関する。

背景技術

0002

心筋梗塞への処置に対しては、閉塞した血管を再び開通させる再灌流療法が普及している。この結果、近年、心筋梗塞による死亡率は長期的にやや低下傾向にある。しかしながら、たとえ血流再開したとしても心筋壊死が残存するために,遠隔期に心不全発症して死亡する割合が極めて高い。例えば、慢性心不全患者の5年生存率は、約4割程度に過ぎないとの調査もある。

0003

急性心不全への処置の1つとして、血管内に電極を入れる手法が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、急性心不全症候群治療(Treating Acute Heart Failure Syndromes)のためのニューロモデュレーションステム(Neuromodulation Systems)において、静脈内に位置する電極アレイを用いて、副交感神経(parasympathetic nerves)及び/又は心臓交感神経(sympathetic cardiac nerves)に電気的パルス刺激を与えること等が記載されている。

先行技術

0004

米国特許出願公開第2014/0142590号明細書

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1記載の手法では、心不全への治療については言及されているものの、心筋梗塞への対処については何ら考慮されていない。上述のとおり、心筋梗塞を発症すると心不全の罹患率が極めて高いことから、心筋梗塞時の処置を適切に行うことが、結果的に心不全での死亡率の低下にも結びつくと考えられる。

0006

本発明のいくつかの態様は前述の課題に鑑みてなされたものであり、心筋梗塞への処置を好適に行うことのできる心筋梗塞処置用制御装置、及び心筋梗塞処置用制御方法を提供することを目的の1つとする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一態様に係る心筋梗塞処置用制御装置は、患者の迷走神経を刺激するために、前記迷走神経の近傍を走行する血管に挿入される刺激用電極に対し、心筋の仕事量を低下させるための刺激信号を出力する刺激制御部と、前記患者の第1生体情報及び第2生体情報を検出する検出部と、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の正常範囲を定める閾値情報を設定する設定部と、検出された前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が、前記閾値情報で定められた前記正常範囲内にあるか否かを判定する判定部とを備え、前記刺激制御部は、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が前記正常範囲内であり、前記第2生体情報の値が前記刺激の前よりも所定割合以上低下するように、前記刺激信号の強度を調整する。

0008

本発明の一態様に係る心筋梗塞処置用制御方法は、患者の迷走神経を刺激するために、前記迷走神経の近傍を走行する血管に挿入される刺激用電極に対し、心筋の仕事量を低下させるための刺激信号を出力する刺激制御ステップと、前記患者の第1生体情報及び第2生体情報を検出するステップと、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の正常範囲を定める閾値情報を設定するステップと、検出された前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が、前記閾値情報で定められた前記正常範囲内にあるか否かを判定するステップと、前記第1生体情報及び前記第2生体情報の値が前記正常範囲内であり、前記第2生体情報の値が前記刺激の前よりも所定割合以上低下するように、前記刺激信号の強度を調整するステップとを心筋梗塞処置用制御装置が行う。

0009

なお、本発明において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。

図面の簡単な説明

0010

実施形態に係る迷走神経の刺激方法の具体例を説明するための図である。
実施形態に係る心筋梗塞処置用制御装置の機能構成を示す図である。
図2に示した心筋梗塞処置用制御装置が、迷走神経の刺激に用いる刺激用電極の組み合わせを決める処理の流れを示すフローチャートである。
図2に示した心筋梗塞処置用制御装置が、心筋梗塞に対する処置をおこなうための処理の流れを示すフローチャートである。
図2に示した心筋梗塞処置用制御装置の具体例を示す図である。

実施例

0011

以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。

0012

[1.概要
心筋梗塞は、血管内に血栓ができることにより、心筋に血液が十分に流れなくなる症状である。心筋に血液が十分に流れなくなると、心筋への酸素の供給が心筋での酸素の需要に満たなくなることから虚血状態となる。よって、心筋梗塞への処置としては、閉塞した血管を再び開通させる再灌流療法が一般的に用いられる。

0013

しかしながら、心筋梗塞の発症後、再灌流療法で血管を開通させるまでの間、心筋虚血状態が続くことから、その間に一定割合の心筋が壊死する。このような壊死により、たとえ心筋梗塞の発症から回復したとしても、一定期間の経過後に、心筋梗塞時の心筋壊死に起因する心不全を発症することにより多くの患者が死亡している。
そこで、心筋梗塞の発症時に、心筋の壊死を抑制することができると、その後の心不全発症の抑制にもつながると考えられる。

0014

ここで、心筋の虚血状態は、心筋への酸素の供給が心筋での酸素の需要に満たなくなるために引き起こされる。先述の再灌流療法は、心筋への酸素の供給を増やすものであるが、これと併せて、心筋での酸素の需要を抑制する処置も行えば、心筋の壊死を抑制することができる。

0015

本実施形態に係る心筋梗塞処置用制御装置では、迷走神経に対して電気刺激を与えることにより、心拍数を低下させる、すなわち心筋の仕事量を下げる。これにより心筋での酸素の需要量が抑えられることから、上述の再灌流療法と併せて用いることにより、虚血状態の発生が抑制され、この結果、心筋の壊死する割合を低く抑えることができる。

0016

一方で、いたずらに迷走神経に刺激を与えると、嘔吐反射徐脈に伴う血行動態悪化等の副作用のために、患者が回復できない等の深刻な事態を招く場合がある。医師手動刺激量を調整することも考えられるが、このような調整を長時間継続する負担は重い。迷走神経の適切な刺激量の調整に手間取ると、医師は再灌流療法への十分な対応が行えず、結果的に心筋の壊死拡大を招きかねない。

0017

また、電気刺激を与える際に、多数の迷走神経刺激用の電極の中から、好適な迷走神経刺激用の電極の組み合わせを選択する必要がある場合には、医師が人手でこの選択を行うとすると、好適な電極選択に時間がかかるため、その間にも心筋の壊死が拡大しかねない。

0018

そこで本実施形態に係る心筋梗塞処置用制御装置は、医師が迷走神経刺激用カテーテルを適切に挿入さえすれば、手動で迷走神経刺激用の電極を選択したり刺激量を調整したりせずとも、患者の状態に応じて好適に迷走神経を刺激することを可能とする。

0019

以下、図1を参照しながら、迷走神経に電気刺激を与える方法の具体例を説明する。図1は、心筋梗塞への処置のために迷走神経10に電気刺激を与える手法を説明するための図である。

0020

迷走神経10は、脳から頸部を通過して胸部へと至る、基幹の副交感神経である。迷走神経10は、上大静脈20に沿って走行している。よって、例えば、迷走神経刺激用カテーテル200を頸静脈から上大静脈20に挿入すれば、当該迷走神経刺激用カテーテル200が有する刺激用電極223から、上大静脈20の血管壁を介して迷走神経10に電気的に刺激を与えることができる。

0021

先述の通り、迷走神経10は副交感神経であるため、電気刺激により得られる副交感神経の興奮は、心拍数の減少や血圧低下等を引き起こす。よって、好適な範囲で迷走神経10を刺激すれば、心臓30の活動を低下させることにより、心臓30を構成する心筋での酸素消費量を低減することができる。この結果、血管の閉塞状態下であっても、心筋の壊死の拡大が抑制される。

0022

以下簡単に、迷走神経10を刺激するために上大静脈20に挿入される迷走神経刺激用カテーテル200の構成を説明する。迷走神経刺激用カテーテル200は、大きく分けると、管部210と、バスケット部220とから構成される。

0023

管部210は、バスケット部220と心筋梗塞処置用制御装置とを接続する管状の部位である。バスケット部220が有する刺激用電極223への電気信号の伝達等は、管部210を介して行われる。

0024

バスケット部220は、迷走神経刺激用カテーテル200の先端に設けられる部位であり、複数のフレーム部221と、各々のフレーム部221に複数取り付けられる刺激用電極223とを含む。

0025

バスケット部220の骨組みとなる複数のフレーム部221は、管部210との接続部分及びその反対側の先端部で各々接続されており、開閉可能に設けられる。すなわち、バスケット部220の断面方向の太さが、フレーム部221の開閉に応じて変化する。迷走神経刺激用カテーテル200の上大静脈20への挿入動作時にはバスケット部220を閉じた状態、すなわち細い状態とすることで、医師は迷走神経刺激用カテーテル200を好適な位置まで挿入しやすくなる。一方、迷走神経刺激用カテーテル200のバスケット部220が好適な位置、例えば上大静脈内第3肋骨付近まで挿入されると、医師は、各々のフレーム部221を開いて血管の内壁密着させることにより、バスケット部220の位置を固定する。またこれにより、迷走神経10と、当該迷走神経10に最も近い刺激用電極223との距離が短くなり、また当該距離が一定となる。処置が終わった後は、再度バスケット部220を閉じることで、医師は迷走神経刺激用カテーテル200を容易に抜去することができる。

0026

複数のフレーム部221には、各々、複数の刺激用電極223が配置される。心筋梗塞処置用制御装置は、例えば、刺激用電極223の組み合わせから迷走神経10に電気刺激を与え、それにより引き起こされる生体反応を観察する。例えば、1番目のフレーム部221に配置された2つの刺激用電極223から電気刺激を与え、次に2番目のフレーム部221に配置された2つの刺激用電極223から電気刺激を与え、その次に3番目のフレーム部221に配置された2つの刺激用電極223から電気刺激を与える、といった処理を順番に行い、それぞれの刺激を与えた結果得られる生体反応(例えば心拍数)を記録する。その中で、刺激に対する反応が最も大きかった(例えば心拍数の低下が大きかった)刺激用電極223の組み合わせが配置されたフレーム部221が迷走神経10に最も近いと考えられるため、心筋梗塞処置用制御装置は、当該フレーム部221に配置された刺激用電極223を迷走神経10への刺激に使用する。

0027

なお、上記の説明の例では、各々のフレーム部221に配置された2つの刺激用電極223の組み合わせの中で、1つのフレーム部221に配置された2つの刺激用電極223を最適な組み合わせを選択するものとして説明したが、刺激用電極223の選択方法はこれに限られるものではない。例えば、1つのフレーム部221が有する1つの刺激用電極223と、その隣のフレーム部221が有する1つの刺激用電極223とからなる組み合わせを、迷走神経10への刺激に用いることも考えられる。この場合には、考えられる刺激用電極223の組み合わせの各々を用いて順番に迷走神経10に刺激を与えた上で、それらの組み合わせの中で、刺激に対する反応が最も大きかったものを選択すれば良い。

0028

[2.機能構成]
以下、図2を参照しながら、心筋梗塞処置用制御装置100の機能構成を説明する。図2に示すように、心筋梗塞処置用制御装置100は、生体情報検出部110、生体情報判定部120、閾値設定部130、閾値情報131、電極制御部140、補助装置制御部150、及び出力部160を含むことができる。

0029

生体情報検出部110は、人体から心拍数や心拍の大きさ、血圧呼吸等様々な生体情報を検出する。図2において、生体情報検出部110は、血圧を測定する血圧計測部111と、心拍を検出する心拍計測部113とを含む。

0030

迷走神経10の刺激に用いる刺激用電極223の組み合わせを決めるための探索処理において、後述の刺激電極探索部141は、刺激用電極223の組み合わせを用いて順番に迷走神経10を刺激する。この際、生体情報判定部120は、刺激によって生じた生体反応の大きさ(例えば心拍数の低下幅)を判定する。刺激電極探索部141は、この結果、最も生体情報の変化が大きい刺激用電極223の組み合わせを、迷走神経10の刺激に用いるものとして選択することができる。

0031

また、心筋の仕事量を低下させるための迷走神経10の刺激に用いる刺激用電極223の組み合わせが決まった後は、生体情報判定部120は、生体情報検出部110が検出した生体情報の値が、閾値情報131で設定される適切な範囲に収まっているか否かを判定する。例えば、生体情報判定部120は、生体情報である心拍数や心拍の振幅、血圧、呼吸等が閾値情報131で設定された下限値以上であるか否かを判定すれば良い。生体情報判定部120は、その判定結果を、電極制御部140の刺激強度制御部143へと出力する。

0032

閾値設定部130は、迷走神経刺激用カテーテル200で迷走神経10を刺激する際に、維持すべき生体情報の値の範囲(例えば血圧や心拍の下限値など)を、閾値情報131として設定する。閾値情報131の設定方法としては、例えば医師が、患者の日常的な血圧や持病等に応じて、キーボードタッチパネル等の入力インタフェースから閾値を入力し、閾値設定部130が当該入力に応じて閾値情報131を任意の記憶媒体に格納することが考えられる。

0033

電極制御部140は、複数の刺激用電極223を有する迷走神経刺激用カテーテル200に対する各種制御を行う。例えば電極制御部140は、迷走神経10の刺激に用いる刺激用電極223の組み合わせの探索、及び迷走神経10の刺激に用いる刺激信号の強度の調整を行う。そのために電極制御部140は、刺激電極探索部141及び刺激強度制御部143を有する。

0034

刺激電極探索部141は、迷走神経刺激用カテーテル200が有する複数の刺激用電極223の中から、いずれの刺激用電極223の組み合わせを用いて迷走神経10を刺激するかを決める探索処理を行う。より具体的には、刺激電極探索部141は、複数の刺激用電極223の中から選択された刺激用電極223の組み合わせに対し、所定強度の刺激信号を順番に与える。その結果、迷走神経10に刺激が与えられるが、当該刺激に対する反射に応じて生じる生体情報の変化を生体情報判定部120が判定する。その結果、最も生体情報の値の変化の大きかった刺激用電極223を、刺激電極探索部141は迷走神経10の刺激に用いるものとして決定する。

0035

刺激強度制御部143は、迷走神経10を刺激するための刺激信号の強度を調整する。より具体的には、刺激強度制御部143は、まず、迷走神経刺激用カテーテル200の刺激用電極223の組み合わせに対し、所定強度の刺激信号を与えることにより迷走神経10を刺激させる。当該刺激に対する反射に応じて得られる生体情報の変化を、生体情報判定部120が判定する。例えば、迷走神経10への刺激の反射として心拍数の低下を判定する場合には、もし、刺激により得られた心拍数の低下の割合が、所定割合(例えば数%乃至十数%)よりも小さく、かつ、閾値情報131で与えられる心拍数の下限値よりも、得られた心拍数の方が高い場合には、刺激強度制御部143は刺激信号の強度を大きくすれば良い。一方、閾値情報131で与えられる心拍数の下限値よりも、得られた心拍数の方が低い場合には、刺激強度制御部143は刺激信号の強度を小さくすれば良い。このような制御により、心筋梗塞処置用制御装置100は、生命維持に影響を与えない範囲で(例えば心拍数が下限値を下回らない範囲で)心臓30の活動を低下させる。またこの際、刺激強度制御部143は、血圧についても判断し、例えば血圧の値が、閾値情報131で与えられる下限値よりも低い場合には、刺激信号の出力を停止すれば良い。

0036

補助装置制御部150は、左室補助装置300に対する制御を行う。ここで、左室補助装置300は、例えば患者の大腿部等からカテーテルとして心臓30の左室内部に挿入され、血液の循環補助するためのポンプである。左室補助装置300が血液の循環を補助すると、迷走神経刺激による徐脈や心臓30のポンプ失調に起因した血圧の低下等を抑制しつつも心筋の仕事量が低下するため、心筋での酸素の消費量が減り、結果として心筋の壊死拡大がさらに抑制される。補助装置制御部150は、生体情報の値が適正に保たれているか否かの生体情報判定部120での判定結果に応じて、左室補助装置300の動作、例えばポンプによる血液送出補助の強度等を制御しても良い。

0037

出力部160は、生体情報、及びそれらに対する判定結果を、医師や患者に報知する。報知方法としては、例えばディスプレイ装置への表示や音声出力等が考えられる。

0038

[3.処理の流れ]
以下、図3及び図4を参照しながら、心筋梗塞処置用制御装置100の処理の流れを説明する。図3及び図4は、心筋梗塞処置用制御装置100の処理の流れを示すフローチャートである。

0039

なお、後述の各処理ステップは、処理内容矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができ、また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。更に、便宜上1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することもでき、便宜上複数に分けて記載されているステップを1ステップとして実行することもできる。

0040

[3.1迷走神経10の刺激に用いる刺激用電極223の決定処理
まず、図3を参照しながら、医師が迷走神経刺激用カテーテル200を上大静脈20に挿入してバスケット部220を広げた後の、心筋梗塞処置用制御装置100による、迷走神経10の刺激に用いる刺激用電極223の決定処理の流れを説明する。図3は、迷走神経10の刺激に用いる刺激用電極223の決定処理の流れの具体例を示すフローチャートである。

0041

上大静脈20に迷走神経刺激用カテーテル200が挿入され、迷走神経刺激用カテーテル200のバスケット部220が広がって各々のフレーム部221が血管の内壁に押し当てられると、刺激電極探索部141は、多数の刺激用電極223のうち、任意の刺激用電極223の組み合わせに刺激信号を送信することにより迷走神経10を刺激する(S301)。生体情報検出部110は、迷走神経10の刺激後に得られる生体情報の変化、例えば、血圧、心電図、脈波等から得られる脈拍の変化を計測し、記録する(S303)。この際、生体情報判定部120は、生体情報である血圧等の値が、事前に設定された範囲を超えて低下したか否かを判断する(S305)。もし事前に設定された値を超えて血圧等が低下した場合には(S305のYes)、心筋梗塞処置用制御装置100は処理を終了する。なお、処理の終了条件は、血圧の低下に限られず、例えば体動の検出や患者からの痛みの訴えがあった場合、呼吸異常が検出された場合にも、同様に心筋梗塞処置用制御装置100は処理を終了することができる。

0042

刺激電極探索部141は、全ての刺激用電極223の組み合わせに対する生体情報の変化が得られるまで(S307のNo)、順番に刺激用電極223の組み合わせに刺激信号を与え(S301)、生体情報を計測する(S303)。

0043

生体情報判定部120は、得られた生体情報の変化の中から、最も生体情報の変化(例えば心拍数の低下)が大きかったものを判定し、当該最も大きな生体情報の変化に対応する刺激用電極223の組み合わせを、迷走神経10の刺激に用いるのに適切なものとして決定する(S309)。

0044

[3.2迷走神経10の刺激強度の調整方法
続いて、図4を参照しながら、迷走神経刺激用カテーテル200で迷走神経10を刺激する際の刺激強度の調整方法を、図4を参照しながら説明する。なお、図4の例では、観測対象の生体情報として心拍数及び血圧を用いているが、生命維持の支障の有無を判断しうる情報であれば、呼吸等、任意の生体情報を用いることが可能である。

0045

まず、生体情報判定部120は、閾値設定部130により予め設定された閾値情報131を読み込む(S401)。閾値情報131には、例えば、維持すべき心拍数及び血圧の下限値を含むことができる。また生体情報検出部110は、心拍数及び血圧を含む生体情報の測定を開始する(S403)。また、補助装置制御部150は左室補助装置300の動作を開始させ(S405)、電極制御部140は、上述の3.1の処理で決定した刺激用電極223の組み合わせを用いた迷走神経10への刺激を開始する(S407)。

0046

生体情報判定部120は、生体情報検出部110で検出された生体情報である血圧の値が、閾値情報131で設定された範囲内に収まっているか否かを判別する(S409)。もし血圧の値が、閾値情報131で設定された下限値を下回っている場合には(S409のNo)、電極制御部140は、迷走神経10を刺激するための刺激信号の出力を停止する(S411)。

0047

一方、計測された血圧が、閾値情報131で設定された範囲内にある場合には(S409のYes)、生体情報判定部120は、生体情報検出部110で検出された生体情報である心拍数の値を判別する。より具体的には、まず、生体情報判定部120は、心拍数の値が、刺激を与える前よりも所定割合(例えば数%〜十数%)以上低下しているかを判別する(S413)。その結果、心拍数が十分に低下していないと判別される場合には(S413のNo)、刺激強度制御部143は、迷走神経10に与える刺激の強度、すなわち刺激信号の強度を上げる(S415)。この時、併せて補助装置制御部150は、左室補助装置300によるポンプの出力を上げることも考えられる。

0048

S413での判断の結果、心拍数の値が所定割合以上低下していると判断される場合には(S413のYes)、生体情報判定部120は、計測された心拍数の値が、閾値情報131で設定された範囲内にあるか(例えば下限値以上であるか)を判別する(S417)。もし心拍数が正常範囲内にある場合には、刺激強度制御部143や左室補助装置300は、刺激信号の強度やポンプの出力を変えないようにする(S419)。

0049

一方、計測された心拍数が、閾値情報131で設定された範囲外となっていた場合には(S417のNo)、生命維持に支障をきたしかねないと判断されるため、刺激強度制御部143は、例えば刺激信号の強度を下げるなど、刺激強度を調整する(S421)。S409乃至S421の処理は、心筋梗塞に対する処置が終了するまで(S423のNo)繰り返される。

0050

この際、医師の操作等に応じて閾値設定部130が閾値情報131を修正した場合には(S425のYes)、生体情報判定部120は、修正された閾値情報131を読み込んだ上で(S427)、S409乃至S421の処理を行えば良い。

0051

[4ハードウェア構成
以下、図5を参照しながら心筋梗塞処置用制御装置100を実現可能なハードウェア構成について説明する。心筋梗塞処置用制御装置100は、制御部501と、通信I/F部505と、記憶部507と、表示部511と、入力部513とを含み、各部はバスライン515を介して接続される。

0052

制御部501は、CPU(Central Processing Unit。図示せず)、ROM(Read Only Memory。図示せず)、RAM(Random Access Memory)503等を含む。制御部501は、記憶部507に記憶される制御プログラム509を実行することにより、図2に示した各構成に関する処理を実行可能に構成される。例えば、生体情報検出部110、生体情報判定部120、閾値設定部130、電極制御部140、補助装置制御部150、及び出力部160は、RAM503に一時記憶された上で、CPU上で動作する制御プログラム509として実現可能である。

0053

また、RAM503は、制御プログラム509に含まれるコードの他、入力又は出力される生体情報や閾値情報131等の一部又は全部を一時的に記憶する。更にRAM503は、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとしても使用される。

0054

通信I/F部505は、外部の装置、例えば迷走神経刺激用カテーテル200や左室補助装置300と通信するための装置である。例えば、迷走神経刺激用カテーテル200への刺激信号の出力、左室補助装置300への制御信号の出力等は、通信I/F部505を介して行うことが考えられる。

0055

記憶部507は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部507は、一般的なコンピュータとしての機能を実現するためのオペレーティングシステム(OS)や制御プログラム509、並びにそれらを実行するのに必要なデータ、例えば生体情報や閾値情報131を記憶する。

0056

表示部511は、心筋梗塞処置用制御装置100を扱う医師等に各種情報提示するためのディスプレイ装置である。表示部511の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ有機EL(ELectro−Luiminescence)ディスプレイ等が挙げられる。例えば生体情報検出部110で計測されている生体情報や、生体情報に対する生体情報判定部120の判定結果等を、表示部511が表示することが考えられる。

0057

入力部513は、心筋梗塞処置用制御装置100を操作する医師等から各種入力操作受け付けるためのデバイスである。入力部513の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル等を挙げることができる。例えば閾値情報131は、入力部513から入力され、当該入力に基づいて閾値設定部130が設定することができる。

0058

[5 本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係る心筋梗塞処置用制御装置100は、迷走神経刺激用カテーテル200を用いて迷走神経10を刺激し、また、必要に応じて左室補助装置300を用いて心筋の仕事量の低下を促す。これにより心筋での酸素の消費量が低下するため、これと併せて再灌流療法で血管を開通させることにより、心筋梗塞における心筋の壊死を大幅に低減させすることが可能である。これにより、心筋梗塞からの回復後の心不全の発症も低減すると見込まれる。

0059

また、迷走神経を刺激すると徐脈が引き起こされるため、血液の循環が弱まる。そこで、補助制御装置150が左室補助装置300を用いて血液の循環を補助することで、迷走神経刺激による徐脈や心臓30のポンプ失調に起因した血圧の低下等を抑制しつつも心筋の仕事量が低下するため、心筋での酸素の消費量が減り、結果として心筋の壊死拡大がさらに抑制される。

0060

さらに、迷走神経10への刺激強度が強すぎると、血圧低下等を引き起こし、生命維持に支障をきたす可能性がある。そこで心筋梗塞処置用制御装置100では、生体情報検出部110により生体情報を監視し、生体情報の値が閾値情報131で設定された範囲内に収まるように、迷走神経10への刺激強度や、左室補助装置300の動作を自動的に調整する。これにより、医師の能力などに依存することなく、また医師が長時間の処置を行うことなく、好適に迷走神経10への刺激を調整することが可能である。

0061

[6 付記]
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。

0062

100…心筋梗塞処置用制御装置、110…生体情報検出部、111…血圧計測部、113…心拍計測部、120…生体情報判定部、130…閾値設定部、131…閾値情報、140…電極制御部、141…刺激電極探索部、143…刺激強度制御部、150…補助装置制御部、160…出力部、200…迷走神経刺激用カテーテル、210…管部、220…バスケット部、221…フレーム部、223…刺激用電極、300…左室補助装置、501…制御部、503…RAM、505…通信インタフェース(I/F)部、507…記憶部、509…制御プログラム、511…表示部、513…入力部、515…バスライン

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