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技術 光導波路部品、コアの調芯方法、および光素子の実装方法

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 倉田優生相馬俊一綱島聡大野哲一郎田野辺博正
出願日 2017年9月7日 (3年3ヶ月経過) 出願番号 2017-172212
公開日 2019年3月22日 (1年9ヶ月経過) 公開番号 2019-045832
状態 特許登録済
技術分野 ライトガイドの光学的結合 半導体レーザ 光集積回路
主要キーワード 十字マーカ 作成誤差 観察エリア エッチングシフト テーパー構造 赤外顕微鏡 顕微鏡カメラ 平行出し
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図面 (11)

課題

光素子の搭載実装において、光素子とのアライメントを行う際に、高精度に実装を行うための構造を備えた光導波路部品を提供する。

解決手段

基板4上に、アンダークラッドと、コアと、オーバークラッドとが積層されて形成された光導波路を備え、コアを調芯した状態で光素子との間で信号光入出力を行う光導波路部品1であって、光導波路は、光信号用導波路10と、調芯用の光を入力する調芯用入力導波路11aと、調芯用の光を出力する調芯用出力導波路11bと、調芯用入力導波路に入力された光を調芯用出力導波路へ伝搬する折り返し導波路11cとを含み、光信号用導波路の一端部と、調芯用入力導波路と、調芯用出力導波路とが光導波路部品の光導波路端部の同じ面内に形成されている。

概要

背景

近年、光ファイバ伝送の普及に伴い、多数の光機能素子を高密度集積する技術が求められており、その一つとして、石英平面光波回路(以下、PLC)が知られている。PLCは低損失高信頼性、高い設計自由度といった優れた特徴を有する導波路型光デバイスであり、実際に光通信伝送端における伝送装置には合分波器分岐結合器等の機能を集積したPLCが搭載されている。伝送装置内にはPLC以外の光デバイスとして、光と電気の信号を変換するフォトダイオード(以下PD)や、レーザーダイオード(LD)などの光素子も搭載されている。

また、さらなる通信容量の拡大に向けて、光信号処理を行うPLC等の光導波路光電変換を行うPD等の光デバイスを集積した高機能な光電子集積型デバイスが求められている。このような集積型光デバイスプラットフォームとしてPLCは有望であり、PDチップPLCチップハイブリッドに集積した光電子集積型デバイスが提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載されている例では、PLC導波路の一部の領域に45度ミラーを設け、その導波路上にPDを実装することで、光導波路を伝搬する光をミラーで垂直に光路変換し、PDとの光結合を行う方法が採用されている。このようなPLC上に光結合用光路変換ミラー、およびPD等の光素子を実装するデバイス構造は、デバイスの小型化、および光回路の設計自由度の面で利点がある。

さらに近年では、数十GHz程度の高速な光素子とPLCを低損失に光結合するために、光素子を高精度に実装することが求められている。

そこで光素子上およびPLC上に設けられた位置基準マーカーに対し、それらを顕微鏡などで確認しながら設計位置に実装することが行われている。例えば、PLCの導波路を基準にして、光素子の十字マーカーをアライメントする場合、顕微鏡カメラで得られた画像で導波路中心を認識し、同様に光素子の十字マーカー中心を認識し、導波路に対して十字マーカーが設計位置になるようにして搭載する。また、PLCの位置基準となる導波路と、光素子の十字マーカーの位置が重なるように設計されている場合には、赤外線顕微鏡で光素子を透過観察しながらアライメントすることも可能である。PLC側の位置基準を導波路とすることで、コアクラッド製造誤差があったとしても、信号光導波路と同じ面に同時に形成されているため、信号光導波路と位置基準となる導波路の相対的な位置誤差が生じにくいというメリットがある。

概要

光素子の搭載実装において、光素子とのアライメントを行う際に、高精度に実装を行うための構造を備えた光導波路部品を提供する。基板4上に、アンダークラッドと、コアと、オーバークラッドとが積層されて形成された光導波路を備え、コアを調芯した状態で光素子との間で信号光入出力を行う光導波路部品1であって、光導波路は、光信号用導波路10と、調芯用の光を入力する調芯用入力導波路11aと、調芯用の光を出力する調芯用出力導波路11bと、調芯用入力導波路に入力された光を調芯用出力導波路へ伝搬する折り返し導波路11cとを含み、光信号用導波路の一端部と、調芯用入力導波路と、調芯用出力導波路とが光導波路部品の光導波路端部の同じ面内に形成されている。

目的

本発明はこのような問題を鑑みてなされたもので、本発明の課題は、光素子の搭載実装において、光素子とのアライメントを行う際に、高精度に実装を行うための構造を備えた光導波路部品を提供する

効果

実績

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請求項1

基板上に、アンダークラッドと、コアと、オーバークラッドとが積層されて形成された光導波路を備え、前記コアを調芯した状態で光素子との間で信号光入出力を行う光導波路部品であって、前記光導波路は、光信号用導波路と、調芯用の光を入力する調芯用入力導波路と、調芯用の光を出力する調芯用出力導波路と、調芯用入力導波路に入力された光を調芯用出力導波路へ伝搬する折り返し導波路とを含み、前記光信号用導波路の一端部と、前記調芯用入力導波路と、前記調芯用出力導波路とが前記光導波路部品の光導波路端部の同じ面内に形成されていることを特徴とする光導波路部品。

請求項2

調芯用の光を入力する調芯用入力導波路は、前記光導波路端部に向けて幅広となるテーパー構造であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路部品。

請求項3

前記調芯用入力導波路と、前記調芯用出力導波路と、該調芯用入力導波路および調芯用出力導波路に対応した折り返し導波路との組み合わせが2つ以上設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路部品。

請求項4

前記折り返し導波路は、前記調芯用入力導波路から入力された光を、前記光信号用導波路に光結合する光カプラ回路が形成され、該光カプラ回路が形成された光信号用導波路は前記調芯用出力導波路を兼ねていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光導波路部品。

請求項5

前記光導波路部品の光導波路端部は、ミラーを有する傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光導波路部品。

請求項6

請求項3に記載の光導波路部品におけるコアの調芯方法であって、同軸落射型顕微鏡からの照射光を、前記光導波路部品の端面に向けて照射するステップと、前記同軸落射型顕微鏡の視野を、前記調芯用入力導波路と前記調芯用出力導波路との両方が入るように調整しながら前記同軸落射型顕微鏡の対物レンズフォーカスを前記光導波路部品の端面に合わせるステップと、前記同軸落射型顕微鏡の対物レンズを介して前記光導波路部品の端面の画像を取得しながら、前記対物レンズに対する前記前記光導波路部品の回転角度を調整するステップと、2つの調芯用出力導波路のコアの明るさが最も明るくなった位置に、前記対物レンズに対する前記光導波路部品の回転角度を固定するステップと、を含むことを特徴とするコアの調芯方法。

請求項7

ミラーを有する傾斜面に形成された光導波路端部を有する請求項3に記載の光導波路部品においてコアを調芯して光素子を固定する光素子の実装方法であって、同軸落射型顕微鏡からの照射光を、前記光導波路部品の前記基板と反対側の表面である第1の面に向けて照射するステップと、前記同軸落射型顕微鏡の視野を、前記調芯用入力導波路と前記調芯用出力導波路との両方が入るように調整しながら前記同軸落射型顕微鏡の対物レンズのフォーカスを前記光導波路部品の前記第1の面に合わせるステップと、前記同軸落射型顕微鏡の対物レンズを介して前記光導波路部品の前記表面の画像を取得しながら、前記対物レンズに対する前記前記光導波路部品の前記第1の面の回転角度を調整するステップと、2つの調芯用出力導波路のコアの明るさが最も明るくなった位置に、前記対物レンズに対する前記光導波路部品の第1の面の回転角度を固定し、かつ前記対物レンズに対する前記光導波路部品の第1の面の回転角度を特定するステップと、前記特定した回転角度と、コア、クラッド、空気のそれぞれの屈折率とをスネルの法則に当てはめることで、実際のミラーの角度を算出するステップと、前記算出したミラー角度に基づいて、設計値のミラー角度に対するミラーの角度誤差を算出するステップと、前記調芯用出力導波路のコア中心を前記光導波路部品の基準位置に設定して、ミラーの角度誤差調整後の設計位置に光素子を配置することにより、光素子をアライメントするステップと、前記光素子をアライメントした位置で前記光導波路部品を固定するステップと、を含むことを特徴とする光素子の実装方法。

技術分野

0001

本発明は、光通信システムに応用可能な光導波路部品に関し、フォトダイオードレーザーダイオードなどの光素子実装する際に用いる光導波路部品に関する。

背景技術

0002

近年、光ファイバ伝送の普及に伴い、多数の光機能素子を高密度集積する技術が求められており、その一つとして、石英平面光波回路(以下、PLC)が知られている。PLCは低損失高信頼性、高い設計自由度といった優れた特徴を有する導波路型光デバイスであり、実際に光通信伝送端における伝送装置には合分波器分岐結合器等の機能を集積したPLCが搭載されている。伝送装置内にはPLC以外の光デバイスとして、光と電気の信号を変換するフォトダイオード(以下PD)や、レーザーダイオード(LD)などの光素子も搭載されている。

0003

また、さらなる通信容量の拡大に向けて、光信号処理を行うPLC等の光導波路光電変換を行うPD等の光デバイスを集積した高機能な光電子集積型デバイスが求められている。このような集積型光デバイスプラットフォームとしてPLCは有望であり、PDチップPLCチップハイブリッドに集積した光電子集積型デバイスが提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載されている例では、PLC導波路の一部の領域に45度ミラーを設け、その導波路上にPDを実装することで、光導波路を伝搬する光をミラーで垂直に光路変換し、PDとの光結合を行う方法が採用されている。このようなPLC上に光結合用光路変換ミラー、およびPD等の光素子を実装するデバイス構造は、デバイスの小型化、および光回路の設計自由度の面で利点がある。

0004

さらに近年では、数十GHz程度の高速な光素子とPLCを低損失に光結合するために、光素子を高精度に実装することが求められている。

0005

そこで光素子上およびPLC上に設けられた位置基準マーカーに対し、それらを顕微鏡などで確認しながら設計位置に実装することが行われている。例えば、PLCの導波路を基準にして、光素子の十字マーカーをアライメントする場合、顕微鏡カメラで得られた画像で導波路中心を認識し、同様に光素子の十字マーカー中心を認識し、導波路に対して十字マーカーが設計位置になるようにして搭載する。また、PLCの位置基準となる導波路と、光素子の十字マーカーの位置が重なるように設計されている場合には、赤外線顕微鏡で光素子を透過観察しながらアライメントすることも可能である。PLC側の位置基準を導波路とすることで、コアクラッド製造誤差があったとしても、信号光導波路と同じ面に同時に形成されているため、信号光導波路と位置基準となる導波路の相対的な位置誤差が生じにくいというメリットがある。

先行技術

0006

特開2005−070365号公報
特願2010−181030号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、シングルモード導波路のようなコア・クラッド間屈折率差が小さい導波路の場合、コアとクラッドの境界見えにくくなり、正確な位置合わせの基準とすることが困難になっている。光素子を高精度に実装するため、PLC側の位置基準となる導波路コア識別しやすくすることが求められている。

0008

導波路コアを識別しやすくする方法として、以下の方法が挙げられる。1つ目の方法では、図1に示すように、ファイバブロック104をPLC101の調芯入力導波路111aに接続し、そこに光を伝搬させて、調芯用出力導波路111bから光出力する。調芯用出力導波路111bから光出力されるため、PDを挟んで顕微鏡103などで観察するとコアが明るく見えて、コア・クラッド間のコントラストが増加し、コアの識別が容易にできるようになる。しかしながらこの方法では、ファイバブロック104を調芯用入力導波路111aに接続するという追加の工程が入るため、実装工程が煩雑になるというデメリットがあり、高スループットな工程を実現するためには不向きである。

0009

2つ目の方法では、図2に示すように、PLC101の調芯用入力導波路111aに照明光105を照射し、導波路に結合する一部の光を調芯用出力導波路111bへ伝搬させ出力する。PLC101側の位置基準となる調芯用入力導波路111aが設けられたPLC101の端面に照明を当てることで一部の光が伝搬し、調芯用出力導波路111bから光出力されコアが明るく見えるようになり、識別が容易になる。しかしながら、この方法では照明光105を調芯用入力導波路111aに光結合させるために照明を当てる角度や距離を精密に微調整する必要があり煩雑な工程となってしまう。また照明光105は広がってPLC101端面に照射されるため、導波路に結合する光はわずかであり、コアを識別するだけの十分な光量が得られないことがある。

0010

このようにPLCをプラットフォームとした光素子とのハイブリッド集積において、光素子の高精度な実装を実現する上で、コア・クラッド間のコントラストを上げて、PLC側の位置基準となる導波路コアを識別しやすくするための簡便な手法が必要とされている。

0011

本発明はこのような問題を鑑みてなされたもので、本発明の課題は、光素子の搭載実装において、光素子とのアライメントを行う際に、高精度に実装を行うための構造を備えた光導波路部品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記の課題を解決するために、一実施形態に記載の発明は、基板上に、アンダークラッドと、コアと、オーバークラッドとが積層されて形成された光導波路を備え、前記コアを調芯した状態で光素子との間で信号光入出力を行う光導波路部品であって、前記光導波路は、光信号用導波路と、調芯用の光を入力する調芯用入力導波路と、調芯用の光を出力する調芯用出力導波路と、調芯用入力導波路に入力された光を調芯用出力導波路へ伝搬する折り返し導波路とを含み、前記光信号用導波路の一端部と、前記調芯用入力導波路と、前記調芯用出力導波路とが前記光導波路部品の光導波路端部の同じ面内に形成されていることを特徴とする光導波路部品である。

図面の簡単な説明

0013

光ファイバブロックを用いた接続方法を説明する図である。
照明光を用いた接続方法を説明する図である。
第1の実施形態の光導波路部品の接続を説明する図である。
第1の実施形態の光導波路部品の部分拡大図である。
平行出し工程の処理フローを示す図である。
第2の実施形態の光導波路部品の部分拡大図を示す図である。
第3の実施形態の光導波路部品の部分拡大図を示す図である。
第4の実施形態の光導波路部品の接続を説明する図である。
第4の実施形態の光導波路部品の部分拡大図を示す図である。
光素子実装工程の処理フローを示す図である。

実施例

0014

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。

0015

(第1の実施形態)
図3は第1の実施形態の光導波路部品の接続を説明する図であり、図4は第1の実施形態の光導波路部品の部分拡大図である。図4(a)は調芯用入出力導波路および信号用導波路を示し、図4(b)は光導波路部品の端面を示している。

0016

本実施形態の光導波路部品1は、図3に示すように、内部に、アンダークラッドと、コアと、オーバークラッドとが積層されて形成された光導波路が形成されたPLCであり、PDやLDなどの光素子2との間で、光信号導波して入出力する光信号用導波路10の一端部と、調心用の光を入出力する調芯用導波路11の入出力部(調芯用入力導波路11a、調芯用出力導波路11b)が、図4(b)に示すように同じ面に形成されている。すなわち、本実施形態の光導波路部品1は、光信号を入出力する光回路を構成する光信号用導波路10に加えて、調心用の入力導波路11aおよび出力導波路11bを設けており、光素子2との間で光信号を入出力する光信号用導波路10の一端部と、調心用の入力導波路11aおよび出力導波路11bが同じ端面に形成されている。調心用導波路11は、折り返し導波路11cを介して調心用入力導波路11aと調心用出力導波路11bとが互いに接続された構成である。

0017

この光導波路部品(PLC)1の端面に光素子2を実装するにあたっては、光導波路部品1の端面に対して同軸落射照明をする機能を有するカメラや顕微鏡(同軸落射型顕微鏡3という)などを用いて観察すると、調心用入力導波路11aに照明光が入射され、入射された照明光は折り返し導波路11cを介して伝搬して調心用出力導波路11bから出射される。同軸落射照明で対物レンズを介して観察することで照明光が観察エリア集光されるため、単に照明光を照射するよりも効率的に光導波路に照明光を結合でき、光導波路から出射される光も明るくなり、導波路のコントラストが改善する。このように光導波路部品1の調心用の入出力導波路11a、11bが折り返し導波路11cで接続されて同じ面にあることで、同軸落射照明型顕微鏡3で両導波路が入る視野で観察するだけでコントラストのはっきりしたコア形状を識別し、位置基準とすることができる。このような構成により、調心用導波路のコントラストが改善し、調心用導波路11を位置基準とした実装を正確に行うことが可能になる。また従来必要であったファイバブロック接続や照明光の精密な調整が不要となる。

0018

因みに、従来の一般的なPLCの断面構造は、SiやSiO2の基板上に、SiO2の薄膜が、アンダークラッドとして約20μm、コアとして3〜10μm、オーバークラッドとして約20μm堆積されている。このような従来の構成では、コア・クラッド間の屈折率差が数%の小型のコアに対し、単純に照明光を照射するだけでははっきりしたコア形状のコントラストを得ることは難しかった。

0019

本実施形態の光導波路部品1はまた、光信号用導波路10の一端部と調心用の入出力導波路11a、11bが同じ面にあることで、作成誤差などが生じたとしても、それぞれの導波路の相対位置は変わらないため、光導波路部品の表面に位置基準となるマーカーを備えるよりも精度の高い位置合わせが可能となる。

0020

調心用の入力導波路11aおよび出力導波路11bは互いに近接している方が、精度よく位置を確認するために高倍率で観察した際の視野に入るものの、あまりに近接すると光が結合してしまい、コア形状のコントラストが劣化するため、少なくともコアサイズの2倍の間隔を確保した導波路レイアウトとすることが望ましい。

0021

また調心用の入力導波路11aおよび出力導波路11bの組み合わせを2つ以上設けて位置基準を増やすことが望ましい。調心用の入出力導波路11a、11bを設けることでPLCの位置基準は得られるものの、1つだけでは光素子2との光結合面の、面に垂直な軸まわりの回転方向におけるアライメントが困難であるからである。2つ以上の調心用の入出力導波路の組合せによれば、明るさをモニタしながら最も明るくなるようにPLC1の設置角度を調整することで、光素子2を搭載する際のPLC1の平行度を調整でき、精度よく実装することが可能となる。

0022

以上の構成の光導波路部品は、フォトダイオードやレーザーダイオード等の光素子の表面実装に適用可能で、光路変換により光素子との間での光信号入出力を行う際に、低損失な光結合を簡便な工程で実現することができる。

0023

次に、光導波路部品においてコアを調芯する方法を説明する。この方法では、上記と同様の構成の光導波路部品を用い、光導波路部品の調心用出力導波路を位置基準として識別して実装を行った例を挙げて説明する。

0024

光導波路部品として用いるPLCは、図3、4に示すように、4つの光信号用導波路10、2組の調心用の入出力導波路11a、11b、2組の調心用の入出力導波路11a、11bにそれぞれ対応する2つの折り返し導波路11cで構成された光導波路が形成されている。またこの光導波路部品1に実装するPD2は、図3に示すように、4つの出力ポート受光部)21と2つの調心用基準マーカー22で構成されている。この光導波路部品の2つの調心用出力導波路11bをPLC1側の基準とし、PD2の2つの調心用基準マーカー22をPD側の基準として、それぞれの位置を識別して設計した位置へ実装することで集積型デバイスが実現できる。

0025

PLC1は、サイズが縦10mm、横15mmで、コア径3.5μm×3.5μm、オーバークラッド膜厚16.5μm、アンダークラッド膜厚20μm、コアとクラッドの屈折率2.5%の導波路がシリコン基板4上に形成された石英系PLCを用いた。また、図4に示すように、PLC1端面には、光信号用導波路10の一端部と調心用の入出力導波路11a、11bが並んで形成されている。光信号用導波路10の一端部は50μmピッチ間隔、調心用の入出力導波路11a、11bは光信号用導波路10の一端部から100μmの間隔をあけて、50μピッチでそれぞれレイアウトされている。

0026

図5は平行出し工程の処理フローを示す図である。まず、図5に示す工程によりPLC1の入出力光の平行出しをおこなう。平行出しは、図3に示すように対物レンズ付きの同軸落射型顕微鏡3で、実装するPLC1の端面(光信号用導波路10の一端部側の面)を観察して行う。ハロゲン光源とする同軸落射型顕微鏡3からの照明光をPLC1の端面に向けて照射する(S1)。このとき照明光は、顕微鏡3の光学系を経て対物レンズで集光され顕微鏡の視野の範囲に照射される。さらに、顕微鏡の視野を調心用の入力導波路11aおよび出力導波路11bの両方が入るように調整しながら顕微鏡の対物レンズのフォーカスをPLC1の端面に合わせる(S2)。フォーカスがPLC1の端面に合うにことで、調心用の出力導波路のコアがクラッドより明るくなり、位置基準のコアが認識できる。

0027

フォーカスが合った後、対物レンズを介して、顕微鏡3に接続するカメラで画像取得しながら、PLC1の回転角度を調整する(S3)。回転角度の調整は、同軸落射型顕微鏡3の対物レンズに対するPLC1の端面のあおりを調整することによって行う。具体的には例えば、PLC1の端面の面内における直交する2軸まわりにPLC1を回転させることによりあおりの調整ができる。このとき、コア部の明るさが最も明るくなるように同軸落射型顕微鏡3の対物レンズに対する端面の回転角度を調整することで端面の平行を得る(S4)。S4では2つの調芯用出力導波路に対して最も明るくなる(S4:Yes)ように平行度調整を行なう。S4では2つの調芯用出力導波路11bに対して最も明るくなる点が一致しない場合には、両者の中間の平行度に設定する。

0028

平行出しが完了した状態で調芯用出力導波路11bのコア中心をPLC1の基準位置に設定する。この基準位置に対してPD2を設計位置にアライメントする。この際、同軸落射型顕微鏡3として赤外顕微鏡を用いて行うことで、PD2を透過してアライメントを確認することができる。

0029

図3のようにPD2の外側に調心用入力導波路11aがあるようにレイアウトしたため照明光がそのまま入射し、調心用出力導波路11bから出射された光をPD2越しに確認することができる。このとき、実装の設計位置は、PD2の調心用基準マーカー22と調心用出力導波路11bのコアが重なる位置としているため、赤外顕微鏡により一致していることを確認できる。その後UV硬化接着剤を用いてPD2を固定することでPD2をPLC1に搭載する。

0030

実際にPLC1の光信号用導波路10へ光入力して受光感度を確認したところ、PD2の4つの受光部21で0.90±0.01A/Wを確認でき、低損失で均一な光結合が出来ていることを確認した。この光信号用導波路10からの出力を測定すると、位置ずれによる過剰損失は0.3dB以下であり、低損失な光結合が出来ていることが分かった。このように本実施形態の光導波路部品を用いることで、簡便に高効率の光結合が出来る実装が可能となり、集積デバイスの高スループットな実装を実現することができるといえる。

0031

(第2の実施形態)
図6は第2の実施形態の光導波路部品の部分拡大図である。図6(a)は調芯用入出力導波路および信号用導波路を示す部分であり、図6(b)は光導波路部品端面を示す部分である。本実施形態では、調心用入力導波路11a’を図6に示すようにテーパー型にしているが、その他の構成は第1の実施形態と同様である。

0032

この構成によれば、より多くの照明光を結合できるので、導波路コアのコントラストをさらに上げることができる。

0033

(第3の実施形態)
図7は第3の実施形態の光導波路部品の部分拡大図を示す図である。図7(a)は調芯用の入出力導波路および信号用導波路を示す部分であり、図7(b)は光導波路部品端面を示す部分である。本実施形態では、図7のように、折り返し導波路11cから光信号用導波路10へ光結合する光カプラを折り返し導波路11cに設ける構成としているが、その他の構成は第1の実施形態と同様である。この構成によれば、PD2の実装の際にPLC1の位置基準とすることができる調心用出力導波路11bを光信号用導波路10が兼ねることにより実現できる。

0034

このように、光導波路部品と光素子とのハイブリッド集積において、調心用の入出力導波路を、光素子の実装部に設ける工夫により、集積型デバイスの実装におけるより一層の高スループットな工程の実現に貢献する光導波路部品を提供することが可能となる。

0035

(第4の実施形態)
図8は第4の実施形態の光導波路部品の構成例を示す図であり、図9図8の光導波路部品の部分拡大図である。図9(a)は調芯用入出力導波路および信号用導波路を示す部分であり、図9(b)は光導波路部品端部における光導波路の配置関係であり、図9(c)は光導波路端部における表面を示す部分であり、図9(d)は導波路端部の断面を示す部分である。

0036

本実施形態の光導波路部品は、図8、9に示すように、光導波路10、11a、11bのコア端部が傾斜面1aに形成され、傾斜面1aにはミラーを設ける構成としている。傾斜面1aは、コア端部から出射される光が基板とは反対側(上面側)に反射する角度に形成される。この構成により、光の入出力方向を光導波路部品の上面側にすることができる。ミラーが設けられた傾斜面1aが形成されている以外は、光導波路部品は第1の実施形態と同様に構成できる。光素子であるPD2は、第1の実施形態とは、その接続位置が異なる。

0037

石英系PLCはシリコン基板上に形成され、その光導波路のコア端部には傾斜面が形成されている。傾斜面には反射膜としてアルミ蒸着されており、オーバークラッド方向との間で入射または出射されるビームの伝搬方向をコアへと光路変換するためのミラーとして機能する。このとき、基板に対する傾斜面の角度をミラー角度とする。

0038

上記の構造の光導波路部品を作製するプロセスを説明すると、まず適切な工程により作製した石英系PLCを用意し、特許文献2などの公知の方法でドライエッチングにより深さが導波路より深くなるように傾斜面を形成する。なお、傾斜面の作製方法が、発明の効果を限定するものではないが、ドライエッチングにより作製することで高精度かつ自由度の高いミラーレイアウトが可能となる。続いて傾斜面に対し、蒸着またはスパッタなどにより金やアルミ等の金属を被着させ反射膜とし、ミラーを形成する。このとき、蒸着源、またはスパッタリングターゲットに対して基板表面を傾斜させることで、傾斜面に反射膜が成膜される。ミラーの位置は、PDが設計値に実装されるように、エッチングシフト等を考慮して設定する。

0039

次に、上記のように作製した光導波路部品であるPLCに対し、PDを実装する工程について説明する。まず、図8に示すように対物レンズ付きの同軸落射型顕微鏡3で実装するPLC1の導波路端部における表面を観察する。同軸落射型顕微鏡3はハロゲンを光源とし、照明光は顕微鏡の光学系を経て対物レンズで集光され顕微鏡の視野の範囲に照射される。同軸落射型顕微鏡3の視野を調心用の入力導波路11aおよび出力導波路11bの両方が入るように調整しながらフォーカスをPLC1の光導波路端面に合わせる。フォーカスを導波路端面に合わせることで、調心用の出力導波路11bのコアがクラッドより明るくなり、位置基準のコアが認識できる。

0040

ここまでは、PLC端部に対する同軸落射型顕微鏡の方向が異なる(本実施形態では基板とは反対の上面側)以外は第1の実施形態のS1およびS2と同様のフローで行われる。

0041

図10は、光素子実装工程の処理フローを示す図である。本実施形態では、さらに、図10に示す工程によりミラー誤差を調整しつつPLC1とPDの位置合わせ固定をおこなう。まず第1の実施形態と同様に、同軸落射型顕微鏡3の対物レンズに対するPLC1の上面(第1の実施形態では端面)のあおりを調整することで、PLC1の回転角度を調整することで、形成したミラー角度を確認することができる。最も明るくなったときのPLC1の回転角度を特定し(S11)、この回転角度と、コア、クラッド、空気のそれぞれの屈折率とを用いて、これらをスネルの法則に当てはめることで、実際のミラーの角度を算出する(S12)。回転角度は実際のミラー角度を特定するものなので、ミラーが形成された傾斜面1aの傾斜軸と平行な軸において考えればよい。しかしながら、傾斜面1aの傾斜軸は必ずしもPLC1の短手方向の辺と平行とは限らないため、第1の実施形態と同様に、同軸落射型顕微鏡3の対物レンズに対するPLC1の上面(第1の実施形態では端面)のあおりを調整する(2軸方向の回転を調整する)ことでミラーの角度を算出することができる。

0042

このようにして求めたミラー角度と設計値のミラー角度との誤差であるミラーの角度誤差を求める(S13)。このミラーの角度誤差に合わせてPD2の実装位置(傾斜面1aに対する設計位置からミラーの角度誤差に応じたずれ)を調整することで、ミラー角度誤差が発生したとしても後から調整でき、その結果、高効率な光結合を実現することができる。

0043

次に、PLC1の回転角度を0に戻した状態で、調芯用出力導波路11bのコア中心をPLC1の基準位置に設定し、この基準位置に対してPD2を設計位置(ミラーの角度誤差がない場合)、あるいはミラーの角度誤差調整後の位置(ミラーの角度誤差がある場合)にアライメントする(S14)。ミラーの角度誤差調整は、PLC1の上面において配置するPD2の位置をずらすことによって、PLC1のコアとPD2との間の光がPLC1のコアに対して平行に接続される位置にすることによってなされる。この際、同軸落射型顕微鏡3として赤外顕微鏡を用いて行うことで、PD2を透過してアライメントを確認することができる。図8のようにPD2の外側に調心用入力導波路11aがあるようにレイアウトしたため、同軸落射型顕微鏡3からの照明光がPLC1にそのまま入射し、調心用出力導波路11bから出射された光をPD2越しに確認することができる。このとき、実装の設計位置は、PD2の調心用基準マーカー22とPLC1の調心用出力導波路コア11bが重なる位置としているため、赤外顕微鏡により一致していることを確認できる。その後UV硬化接着剤を用いてPD2をPLC1に固定する(S15)ことで搭載する。

0044

このように本実施形態の光導波路部品を用いることで、簡便に高効率の光結合が出来る実装が可能となり、集積デバイスの高スループットな実装を実現することができるといえる。

0045

1光導波路部品(PLC)
1a 傾斜面
11調心用出力導波路
10光信号用導波路
11a 調心用入力導波路
11b 調心用出力導波路
11c折り返し導波路
2光素子(PD)
21出力ポート(受光部)
22 調心用基準マーカー
3同軸落射型顕微鏡
4基板
101 PLC
111a調芯用入力導波路
111b 調芯用出力導波路
103 顕微鏡
104ファイバブロック
105 照明光

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