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技術 レーダ装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 甲斐幸一
出願日 2017年9月5日 (3年3ヶ月経過) 出願番号 2017-169986
公開日 2019年3月22日 (1年9ヶ月経過) 公開番号 2019-045365
状態 特許登録済
技術分野 レーダ方式及びその細部 交通制御システム
主要キーワード デジタル電圧データ 測定周期毎 原理式 折り返し回数 相対速度範囲 距離速度 変調周波数幅 受波用
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

高価な回路などを必要とせず、チャープ波繰り返し周期制約で発生する相対速度の折り返しにより、周辺物体である停止物および先行車の2次元FFT結果のピークが重ならないようにするレーダ装置を得る。

解決手段

制御演算器11では、自車速から路側停止物の相対速度を推定し、折り返した周波数が先行車の周波数と重ならないよう、送信器12からの送信波の繰り返し周期を変更する。

概要

背景

従来から特許文献1に示すような自車両周辺物体を検知するため、電波を送信し物体からの反射波を受信することで物体との距離、速度、方向の情報を得るレーダ装置があり、自車が前方の障害物衝突した際の被害を軽減する衝突被害軽減ブレーキシステムや、前方の車両に追従するアダプティブクルーズコントロールシステムに利用されている。

レーダ装置の距離、速度の計測方法には様々な種類があるが、周波数を連続的に増加、または減少させるチャープ波を繰り返し送信するFCM(Fast Chirp Modulation)方式が知られている。
FCM方式では各チャープ波の送信波受信波周波数差から物体との距離を算出する。また算出した距離の周波数の位相を繰り返し送信されるチャープ波毎に計測し、位相の回転速度、すなわち周波数をもとめることで相対速度が得られる。
実際には各チャープ波の送信波と受信波をミキシングし、バンドパスフィルタを通過したビート信号を第1の高速フーリエ変換(以下、FFT表記)処理により周波数変換し、さらに各チャープ波の第1のFFT結果を周波数毎に並べ、これを各周波数毎に第2のFFT処理を行う。2度のFFT処理により、図7のように距離Rに対応した第一の周波数軸と、相対速度Vに対応した第二の周波数軸の2次元FFT結果が得られる。この2次元FFT結果のピーク位置が物体の距離R、速度Vに対応することになる。

相対速度の計測範囲はチャープ波の繰り返し周期で決まり、この繰り返し周期が小さいほど、相対速度の計測範囲は広くなる。
チャープ波の繰り返し周期が十分短くない場合、相対速度の計測範囲は所望の計測範囲より狭い範囲となる場合があり、計測範囲を超える相対速度を持つ物体については、計測範囲で折り返した周波数が得られることになる。すなわち、2次元FFTで得られる相対速度は所望の計測範囲における折り返した周波数による相対速度か否かの判断はつかず、相対速度の曖昧さを持つことになる。

特許文献1ではサンプリング高速化し、車両が走行する通常の速度範囲では相対速度の折り返しが発生しないようにしている。
特許文献2、3では相対速度の折り返しは許容し、相対速度に対応する曖昧さを解決するため、測定周期毎にチャープ波の繰り返し周期を切り替え、1つ前の測定周期もしくはそれ以上前の測定周期の相対速度の測定結果と照合することで、相対速度の曖昧さを解決している。

概要

高価な回路などを必要とせず、チャープ波の繰り返し周期の制約で発生する相対速度の折り返しにより、周辺の物体である停止物および先行車の2次元FFT結果のピークが重ならないようにするレーダ装置を得る。制御演算器11では、自車速から路側停止物の相対速度を推定し、折り返した周波数が先行車の周波数と重ならないよう、送信器12からの送信波の繰り返し周期を変更する。

目的

この発明は上記のような問題点を解決するためのもので、高価な回路などを必要とせず、チャープ波の繰り返し周期の制約で発生する相対速度の折り返しにより、停止物および先行車の2次元FFT結果のピークが重ならないようにするレーダ装置を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

電磁波を送信する送信器と、周辺物体による反射波を受信する受信器と、前記受信器の受信データを周波数解析して距離・相対速度を算出し、相対速度に対応する周波数解析の解析範囲外の周波数となる相対速度を持つ物体については、折り返した周波数から相対速度を算出する制御演算器とを備え、前記制御演算器は、折り返しが発生する相対速度の物体による第1の周波数と、折り返しが発生しない相対速度の物体の第2の周波数が重なるか否かを判定し、前記第1の周波数と前記第2の周波数が重なる場合には、折り返しが発生する相対速度の物体の折り返した周波数を折り返しが発生しない物体の周波数と重ならないよう、前記送信器の送信周期を変更することを特徴とするレーダ装置

請求項2

前記制御演算器は、自車両の自車速から停止物の相対速度を推定し、停止物の相対速度に対応する周波数が折り返すか否かを判定し、折り返す場合には折り返した周波数を推定し、自車両が追従している先行車の相対速度に対応する周波数に、前記折り返した周波数が重ならないよう、前記送信器の送信周期を変更することを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。

請求項3

前記制御演算器は、過去に検出した周辺の物体の距離・相対速度から、現在の周辺の物体の距離・相対速度を推定し、推定した距離・相対速度に対応する周波数に、停止物で折り返した周波数が重ならないよう、前記送信器の送信周期を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーダ装置。

請求項4

前記制御演算器は、過去に検出した周辺の物体の距離・相対速度から、現在の周辺の物体の距離・相対速度を推定し、周辺の物体の相対速度が折り返す場合には、折り返した周波数に、相対速度が折り返さない他の周辺の物体の周波数が重ならないよう、前記送信器の送信周期を変更することを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。

技術分野

0001

この発明は、レーダ装置に関するものである。

背景技術

0002

従来から特許文献1に示すような自車両周辺物体を検知するため、電波を送信し物体からの反射波を受信することで物体との距離、速度、方向の情報を得るレーダ装置があり、自車が前方の障害物衝突した際の被害を軽減する衝突被害軽減ブレーキシステムや、前方の車両に追従するアダプティブクルーズコントロールシステムに利用されている。

0003

レーダ装置の距離、速度の計測方法には様々な種類があるが、周波数を連続的に増加、または減少させるチャープ波を繰り返し送信するFCM(Fast Chirp Modulation)方式が知られている。
FCM方式では各チャープ波の送信波受信波周波数差から物体との距離を算出する。また算出した距離の周波数の位相を繰り返し送信されるチャープ波毎に計測し、位相の回転速度、すなわち周波数をもとめることで相対速度が得られる。
実際には各チャープ波の送信波と受信波をミキシングし、バンドパスフィルタを通過したビート信号を第1の高速フーリエ変換(以下、FFT表記)処理により周波数変換し、さらに各チャープ波の第1のFFT結果を周波数毎に並べ、これを各周波数毎に第2のFFT処理を行う。2度のFFT処理により、図7のように距離Rに対応した第一の周波数軸と、相対速度Vに対応した第二の周波数軸の2次元FFT結果が得られる。この2次元FFT結果のピーク位置が物体の距離R、速度Vに対応することになる。

0004

相対速度の計測範囲はチャープ波の繰り返し周期で決まり、この繰り返し周期が小さいほど、相対速度の計測範囲は広くなる。
チャープ波の繰り返し周期が十分短くない場合、相対速度の計測範囲は所望の計測範囲より狭い範囲となる場合があり、計測範囲を超える相対速度を持つ物体については、計測範囲で折り返した周波数が得られることになる。すなわち、2次元FFTで得られる相対速度は所望の計測範囲における折り返した周波数による相対速度か否かの判断はつかず、相対速度の曖昧さを持つことになる。

0005

特許文献1ではサンプリング高速化し、車両が走行する通常の速度範囲では相対速度の折り返しが発生しないようにしている。
特許文献2、3では相対速度の折り返しは許容し、相対速度に対応する曖昧さを解決するため、測定周期毎にチャープ波の繰り返し周期を切り替え、1つ前の測定周期もしくはそれ以上前の測定周期の相対速度の測定結果と照合することで、相対速度の曖昧さを解決している。

先行技術

0006

特表2011−526370号公報
特表2013−513093号公報
特開2017−58291号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1においては、サンプリングを高速化するためには高価なAD(Analogto Digital)コンバータを使用する必要があるという問題があった。
特許文献2、3では、相対速度の曖昧さは解決できるが、相対速度の折り返し自体は発生するため、等距離で異なる2つの相対速度の物体が存在する場合、折り返しの発生しない相対速度を持つ物体によるピークと、折り返しの発生する相対速度を持つ物体によるピークが重なってしまい1つのピークとなってしまう問題がある。

0008

例えば、図5に示すように、曖昧さなく計測可能な相対速度範囲が+60km/h〜−60km/hのレーダ装置を搭載した自車両500が、図5のような道路を自車速120km/hで先行車501に追従走行する場合、周辺の物体である路側の停止物502の相対速度は−120km/hとなる。このような場合、相対速度が−60km/h以下のため、相対速度の折り返しが発生し、ちょうど相対速度0km/hのピークと同じ位置にピークが現れる。また、追従中の先行車501の相対速度はほぼ0km/hとなる。停止物502と先行車501の距離がほぼ一致する時(t=T)、図8に示すように2次元FFT結果のピークは同じ位置となるため、2つのピークが合成された1つのピークとなってしまう。停止物502が単独で存在している場合、2つのピークが重なるのは一時的なものであるため、大きな問題にはならないが、図6のように路側にガードレールが存在している、すなわちガードレールの柱が路側の停止物502として連続して存在している場合、2次元FFT結果は図9のように、次々に停止物502によるピークと先行車501によるピークが重なることになる。特に先行車501が二輪車などレーダ反射断面積(以下、RCSと表記)が小さく、停止物のRCSのほうが大きい場合、先行車501によるピークが停止物502によるピークに埋もれてしまい、先行車501が検知できなくなる場合や、検知できたとしても、ピークの振幅や位相をもとに算出する測角処理の精度が悪化する場合がある。

0009

この発明は上記のような問題点を解決するためのもので、高価な回路などを必要とせず、チャープ波の繰り返し周期の制約で発生する相対速度の折り返しにより、停止物および先行車の2次元FFT結果のピークが重ならないようにするレーダ装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

この発明に係るレーダ装置においては、電磁波を送信する送信器と、周辺の物体による反射波を受信する受信器と、受信器の受信データを周波数解析して周辺の物体との距離と相対速度を算出し、相対速度に対応する周波数解析の解析範囲外の周波数となる相対速度を持もつ物体については、折り返した周波数から相対速度を算出する制御演算器とを備えたものにおいて、制御演算器は、折り返しが発生する相対速度の物体による第1の周波数と、折り返しが発生しない相対速度の物体の第2の周波数が重なるか否かを判定し、第1の周波数と第2の周波数が重なる恐れがある場合には、折り返しが発生する相対速度の物体の折り返した周波数を折り返しが発生しない物体の周波数と重ならないよう、送信器の送信周期を変更するものである。

発明の効果

0011

この発明のレーダ装置によれば、折り返しが発生する相対速度の物体による第1の周波数と、折り返しが発生しない相対速度の物体の第2の周波数が重なるか否かを判定し、第1の周波数と第2の周波数が重なる恐れがある場合には、折り返しが発生する相対速度の物体の折り返した周波数を折り返しが発生しない物体の周波数と重ならないよう送信周期を変更するものであるので、自車速に応じてチャープの繰り返し周期を変更することで、停止物によるピークと先行車によるピークが重ならないようにすることができ、先行車を正確に検知することが可能となる。

図面の簡単な説明

0012

この発明の実施の形態1であるレーダ装置を示すブロック図である。
この発明の実施の形態1であるレーダ装置内の制御演算器の構成を示すブロック図である。
FCM方式の変調パターン受信信号から観測信号デジタル電圧データ)、および2次元FFT結果のデータの流れを示す図である。
この発明の実施の形態1であるレーダ装置の制御演算器における、チャープの繰り返し周期選択処理を説明するためのフローチャートである。
自車両が先行車に追従し、路肩に1つの停止物がある状態を示す図である。
自車両が先行車に追従し、路肩に連続した複数の停止物がある状態を示す図である。
相対速度が0の検知物体が1つ存在する場合の2次元FFT結果の例を示す図である。
相対速度が0の検知物体が1つと、相対速度が大きく、折り返している物体が1つ存在し、2次元FFT結果のピークが時刻t=Tで重なる例を示す図である。
相対速度が0の検知物体が1つと、相対速度が大きく、折り返している物体が連続して複数存在している例を示す図である。
真の相対速度と観測される相対速度の関係を示す図である。

実施例

0013

実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置1を示す構成図である。
レーダ装置1は、図1に示すように、制御演算器11、送信器12、受信器13、アナログデジタル変換器14、メモリ15で構成される。

0014

制御演算器11は、レーダ装置1の各部を制御し、また、後述するメモリ15に記憶されたデジタルデータを用いて対象物体までの距離と速度を算出するものである。
この制御演算器11は、例えばCPU(Central Processing Unit)機能を有するワンチップマイコン、あるいはFPGA(Field−Programmable Gate Array)の様なPLD(Programmable Logic Device)で構成される。この制御演算器11の詳細については後述する。

0015

送信器12は、後述する制御演算器11(図2参照)の制御部111が制御するタイミングで、所望の電圧波形を生成する電圧生成回路121、電圧制御発振器122、分配回路123、増幅回路124、送波用アンテナ125で構成される。

0016

受信器13は、受波用アンテナ131、混合器132、増幅回路133、フィルタ回路134で構成される。

0017

アナログデジタル変換器14は、後述する制御演算器11の制御部111(図2参照)が制御するタイミングで、受信器13から観測信号電圧を入力してデジタル電圧データに変換する変換器であり、変換したデジタル電圧データをメモリ15に出力する。

0018

メモリ15は、後述する制御演算器11の制御部111(図2参照)が制御するタイミングで、アナログデジタル変換器14が出力するデジタル電圧データや、制御演算器11が出力するスペクトルピークデータ車両側ECU(Engine Control Unit)20からの自車両の自車速データを記憶する回路であり、データの書き込みと読み出しが可能なRAM(Random Access Memory)である。

0019

次に、制御演算器11の詳細について、制御演算器11の機能構成図である図2によって説明する。
制御演算器11は、図2に示すように、制御部111、第1の距離方向周波数分析部112a、第2の距離方向周波数分析部112b、第1の速度方向周波数分析部113a、第2の速度方向周波数分析部113b、第1のピーク検出部114a、第2のピーク検出部114b、第1のピークデータ生成部115a、第2のピークデータ生成部115b、第1の距離・仮速度算出部116a、第2の距離・仮速度算出部116b、距離速度算出部117を含み、それぞれが、例えば、ワンチップマイコンで動作するプログラムあるいはFPGA上のロジック回路などで構成される。

0020

制御部111は、送信器12の電圧生成回路121、アナログデジタル変換器14、メモリ15、並びに制御演算器11における第1の距離方向周波数分析部112a、第2の距離方向周波数分析部112b、第1の速度方向周波数分析部113a、第2の速度方向周波数分析部113b、第1のピーク検出部114a、第2のピーク検出部114b、第1のピークデータ生成部115a、第2のピークデータ生成部115b、第1の距離・仮速度算出部116a、第2の距離・仮速度算出部116b、距離速度算出部117の動作タイミングなど制御し、また、メモリ15に記憶された自車速データから電圧生成回路121のチャープ繰り返しタイミングを決定するものである。

0021

第1の距離方向周波数分析部112aと、第2の距離方向周波数分析部112bは、それぞれ制御部111が制御するタイミングで、メモリ15が記憶したデジタル電圧データを読み出し、第一のFFTを行い、メモリ15に出力するものである。

0022

第1の速度方向周波数分析部113aと、第2の速度方向周波数分析部113bは、それぞれ制御部111が制御するタイミングで、メモリ15が記憶した1の距離方向周波数分析部112aと、第2の距離方向周波数分析部112bの出力である距離方向に対応する第一のFFT結果を読み出し、第二のFFTを行い、距離方向と速度方向に対応する2次元FFT結果を、メモリ15に出力するものである。

0023

第1のピーク検出部114aと、第2のピーク検出部114bは、それぞれ制御部111が制御するタイミングで、メモリ15が記憶した第1の速度方向周波数分析部113aと、第2の速度方向周波数分析部113bの出力である距離方向と速度方向に対応する2次元FFT結果を読み出し、2次元FFT結果のパワーから逐次算出した検出用しきい値、あるいは予め設定された検出用しきい値と2次元FFT結果のパワーを比較して、検出用しきい値より大きくかつ極大なスペクトルをピークとして検出し、そのピークの距離方向周波数と速度方向周波数を第1のピークデータ生成部115aと、第2のピークデータ生成部115bに出力するものである。

0024

第1のピークデータ生成部115aと、第2のピークデータ生成部115bは、それぞれ制御部111が制御するタイミングで、第1のピーク検出部114aと、第2のピーク検出部114bで検出されたピークの距離方向周波数と速度方向周波数を入力し、距離方向周波数から距離を算出し、この距離と速度方向周波数から成るピークデータとしてメモリ15に出力するものである。

0025

第1の距離・仮速度算出部116aと、第2の距離・仮速度算出部116bは、制御部111で制御するタイミングで、それぞれメモリ15が記憶した第1のピークデータ生成部115aと、第2のピークデータ生成部115bの出力であるピークデータを読み出し、距離方向の周波数に所定の係数を乗ずることで距離を算出し、また速度方向周波数に所定係数を乗じて仮速度を算出し、メモリ15に出力するものである。
ここで速度を仮速度としている理由は、折り返しの曖昧さが解決していないためである。

0026

距離速度算出部117は、メモリ15が記憶した第1の距離・仮速度算出部116aと、第2の距離・仮速度算出部116bの出力である距離・仮速度を読み出し、制御部111が制御するタイミングで、距離と曖昧さを排除した速度を算出する。

0027

次に、上記のように構成されたレーダ装置1の動作について図1図2図3によって説明する。

0028

レーダ装置1において、まず、制御演算器11の制御部111はメモリ15に記憶された自車両の自車速Vsから停止物の相対速度を−Vsと推定し、停止物の相対速度−Vsから、後で述べる第1および第2のチャープの繰り返し周期の選択を行う。

0029

次に、制御演算器11の制御部111が制御するタイミングで、電圧生成回路121では既定の第1の送信信号変調電圧が上記の選択されたチャープの繰り返し周期で生成され、電圧制御発振器122へ出力される。

0030

電圧制御発振器122は、第1の送信信号用変調電圧に応じて周波数が変化する送信信号(第1の送信信号のチャープ波)301a〜301cを、分配回路123へ出力する。
分配回路123は、電圧制御発振器122から入力した送信信号を、増幅回路124と混合器132へ分配出力する。
増幅回路124は、分配回路123から入力した送信信号を増幅して送波用アンテナへ125出力し、送波用アンテナ125は、増幅回路124から入力した増幅された送信信号を電波として空間へ放射する。

0031

次いで、送信器12から空間に放射された電波が、レーダ装置1の周辺に存在する電波を反射する物体で反射、散乱する。
レーダ装置1の周辺に存在する電波を反射する物体で反射、散乱した電波のうちレーダ装置1に戻ってきた電波は、受波用アンテナ131で受信信号302a〜302cとなり、混合器132へ出力される。
混合器132は、受波用アンテナ131からの受信信号302a〜302cと、送信器12の分配回路123からの送信信号301a〜301cとを混合(ミキシング)して混合信号を生成し、増幅回路133へ出力する。
増幅回路133は、混合器132から入力した混合信号を増幅してフィルタ回路134へ出力し、フィルタ回路134は、増幅回路133から入力した増幅された混合信号から不要な周波数成分を抑圧して、観測信号とし、アナログデジタル変換器14へ出力する。

0032

次いで、アナログデジタル変換器14では、制御部111が制御するタイミングで、受信器13から入力した観測信号をデジタル電圧データ303a〜303cに変換し、メモリ15へ出力し、メモリ15は、制御部111が制御するタイミングで、アナログデジタル変換器14から入力した観測信号(デジタル電圧データ)303a〜303cを記憶する。

0033

第1の距離方向周波数分析部112aでは、制御部111が制御するタイミングで、メモリ15が記憶した1回のチャープ波の全期間分の観測信号(デジタル電圧データ)303aや303b、303cを読み出し、FFTを行う。更に、FFT結果の離散周波数が距離に対応する複素スペクトル304aや、304b、304cを得て、メモリ15へ出力し、メモリ15は、離散周波数が距離に対応する複素スペクトル304aや、304b、304cを記憶する。

0034

第1の速度方向周波数分析部113aでは、制御部111が制御するタイミングで、メモリ15が記憶した第1の距離方向周波数分析部112aの出力である離散周波数が距離に対応する複素スペクトル304aや、304b、304cを繰り返された全てのチャープ波について読み出し、同じ距離に対応する離散周波数の複素スペクトルについてFFTを行い、離散周波数が速度に対応するパワースペクトル305aや、305b、305cを得る。
すなわち距離方向と速度方向の2次元FFT結果として、パワースペクトル305a〜305cを、メモリ15へ出力し、メモリ15は、距離方向と速度方向に対応する2次元FFT結果を記憶する。

0035

第1のピーク検出部114aでは、制御部111が制御するタイミングで、メモリ15が記憶した第1の速度方向周波数分析部113aの出力である距離方向と速度方向に対応する2次元FFT結果を読み出し、2次元FFT結果のパワーから逐次算出した検出用しきい値、あるいは予め設定された検出用しきい値と2次元FFT結果のパワーを比較して、検出用しきい値より大きくかつ極大なスペクトルをピークとして検出し、そのピークの距離方向離散周波数と速度方向離散周波数を得て、第1のピークデータ生成部115aに出力する。ここで、検出されたピークの数をN_1とする。

0036

第1のピークデータ生成部115aでは、制御部111が制御するタイミングで、検出されたピークの距離方向離散周波数F_1[k_1]{k_1=1〜N_1}からFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダ原理式に基づいて、電波の速度をC、送信信号の変調時間幅をT_1、送信信号の変調周波数幅をB_1として、次式(1)により距離Dst_1[k_1]{k_1=1〜N_1}を算出する。

0037

Dst_1[k_1]=(C×T_1×F_1[k_1])/(2×B_1){k_1=1〜N_1} ・・・(1)

0038

距離Dst_1[k_1]{k_1=1〜N_1}と速度方向離散周波数Fv_1[k_1]{k_1=1〜N_1}から成るピークデータをメモリ15に出力し、メモリ15はこのピークデータを第1のピークデータとして記憶する。

0039

図10は、真の相対速度と観測される(折り返しの発生する)相対速度の関係を示す図である。
図10に示すように、P_1はあらかじめ決定された相対速度検出範囲内での相対速度の最大折り返し回数、Vr_1は1回目の折り返しとなる相対速度とする。
第1の距離・仮速度算出部116aでは、メモリ15に記憶された第1のピークデータを読み出し、制御部111が制御するタイミングで、速度方向離散周波数Fv_1[k_1]{k_1=1〜N_1}から、次式(2)により仮速度Vt_1[k_1][m_1]{k_1=1〜N_1,m_1=−P_1〜P_1}を算出する。

0040

Vt_1[k_1][m_1]=(C×Fc_1)/(2×Fv_1[k_1])+Vr_1×m_1 ・・・(2)

0041

距離Dst_1[k_1]{k_1=1〜N_1}と仮速度Vt_1[k_1][m_1]{k_1=1〜N_1,m_1=−P_1〜P_1}からなる仮オブジェクトデータをメモリ15に出力し、メモリ15はこの仮オブジェクトデータを第1の仮オブジェクトデータ(仮速度)として記憶する。

0042

次に、制御演算器11の制御部111が制御するタイミングで、電圧生成回路121では既定の第2の送信信号用変調電圧が上記選択されたチャープの繰り返し周期で生成され、電圧制御発振器122へ出力される。
以下、第2の距離方向周波数分析部112b、第2の速度方向周波数分析部113b、第2のピーク検出部114b、第2のピークデータ生成部115bおよび第2の距離・仮速度算出部116bでは、前述した第1の距離方向周波数分析部112a、第1の速度方向周波数分析部113a、第1のピーク検出部114a、第1のピークデータ生成部115aおよび第1の距離・仮速度算出部116aに対応する各部分と同様の動作を行い、メモリ15は第2の仮オブジェクトデータ(仮速度)として記憶する。

0043

距離速度算出部117はメモリ15に記憶された第1の仮オブジェクトデータと第2の仮オブジェクトデータから、次の2つの式、式(3)と式(4)の条件を満たす仮オブジェクトの組を抽出する。

0044

|Dst_1[k_1][m_1]−Dst_2[k_2][m_2]|<Dth・・・(3)

0045

|Vt_1[k_1][m_1]]−Vt_2[k_2][m_2]|<Vth・・・(4)

0046

抽出された仮オブジェクトの組について、次の2つの式、式(5)と式(6)により、距離、相対速度を算出し、オブジェクトの距離D[q]、V[q]としてメモリ15に記憶する。なお、qは前記抽出された仮オブジェクトの組の数である。

0047

D[q]=(Dst_1[k_1][m_1]+Dst_2[k_2][m_2])/2・・・(5)

0048

V[q]=(Vt_1[k_1][m_1]]−Vt_2[k_2][m_2])/2・・・(6)

0049

次に、前述した制御演算器11の制御部111における、チャープの繰り返し周期選択について、図4のフローチャートを用いて説明する。

0050

まず、ステップST1でメモリ15に記憶された自車速Vsを入力する。なお、自車速は車両側ECU20から、一定周期で送信され、車両内ネットワークなどを通じてメモリ15に格納されているものとする。

0051

次に、ステップST2で、周辺の物体である停止物の相対速度−Vsと第1の距離・仮速度算出部116aにおける1回目の折り返しとなる相対速度V1の差が所定の値ΔV1より小さいか否かを判定する。YESの場合、停止物によるピークが折り返しにより、相対速度が0付近に重なってしまうため、ステップST4で第1のチャープ繰り返し周期をT1aからT1bに変更する。

0052

また、ステップST2でNOの場合は、特に問題ないため、第1のチャープ繰り返し周期は通常の値であるT1aに設定する。

0053

次に、ステップST5で、停止物の相対速度−Vsと第2の距離・仮速度算出部116bにおける1回目の折り返しとなる相対速度V2の差が所定の値ΔV2より小さいか否かを判定する。YESの場合、停止物によるピークが折り返しにより、相対速度が0付近に重なってしまうため、ステップST7で第2のチャープ繰り返し周期をT2aからT2bに変更する。

0054

また、ステップST5でNOの場合は、特に問題ないため、第2のチャープ繰り返し周期は通常の値であるT2aに設定する。

0055

上記のように、この発明では自車速に応じてチャープの繰り返し周期を変更することで、停止物によるピークと先行車によるピークが重ならないようにすることができ、先行車を正確に検知することが可能となる。即ち、制御演算器11は、折り返しが発生する相対速度の物体による周波数と、折り返しが発生しない相対速度の物体の周波数が重なるか否かを判定し、両周波数が重なる場合には、折り返しが発生する相対速度の物体の折り返した周波数を折り返しが発生しない物体の周波数と重ならないよう、送信器12の送信周期を変更する。

0056

また、実施の形態1では先行車に追従走行している想定で相対速度はほぼ0としているが、過去に検知した先行車の相対速度から現在の先行車の相対速度を推定し、先行車によるピークと停止物によるピークが重ならないように繰り返し周期を変更するようにしても良い。

0057

また、実施の形態1では先行車のピークと停止物のピークが重ならないように繰り返し周期を変更しているが、折り返しの発生しないピークを持つ周辺の物体と、折り返しが発生しているピークを持つ周辺の物体が存在する場合、この2つの周辺の物体のピークが重ならないように繰り返し周期を変更するようにしても良い。

0058

この発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その発明の範囲において、実施の形態を適宜変更することができる。

0059

1レーダ装置、11制御演算器、12送信器、13受信器、14アナログデジタル変換器、15メモリ、121電圧生成回路、125送波用アンテナ、131受波用アンテナ、111 制御部、117距離速度算出部、500 自車両、501先行車、502 停止物

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