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技術 冷延鋼板の製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 武田玄太郎高橋秀行日野善道土本和明松崎晃
出願日 2017年8月30日 (3年4ヶ月経過) 出願番号 2017-165406
公開日 2019年3月22日 (1年9ヶ月経過) 公開番号 2019-044211
状態 特許登録済
技術分野 電気分解または電気泳動による被覆 電気メッキ方法,物品
主要キーワード 水平セル スリット式 通電面 付着面積率 機械的活性化 水平フロー 平均付着量 付着量分布
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

均一でごく薄い亜鉛めっきを施すことを可能とする、高効率でかつプレス成型までの耐食性が良好な冷延鋼板の製造方法を提供する。

解決手段

冷延鋼板に対して、連続焼鈍工程、鋼板形状矯正工程、必要に応じて表面活性化工程、水平セル方式の電気めっきセルを用いアノード電極長手方向長さが500mm以下である電気亜鉛めっき処理工程を、同一ライン内で順次行い、冷延鋼板表面に片面あたりの付着量が300〜3000mg/m2の亜鉛めっきを付着させる。電気亜鉛めっき処理工程では、鋼板通板速度V(m/s)に対して、1.5×V以上の噴射速度めっき液を供給する。

概要

背景

一般的な冷延鋼板は、0.2〜3.5mm程度まで冷間圧延された後、図5に示す連続焼鈍ラインにて加熱帯均熱帯冷却帯からなる焼鈍工程を通板させて焼鈍することで、著しく硬化した鋼組織再結晶させて延性をもたせ、製品機械特性を所望の性能に整えられる。引き続き調質圧延機で軽圧下することにより、ストレッチャーストレインの発生を防止するとともに鋼板形状を改善し、同時に表面粗さも調整される。次に、防錆油塗油し、コイル状に巻かれて出荷される。出荷された冷延鋼板は、部品プレス加工され、その後スポット溶接などで組み立てられた後、塗装される。プレス工程では、プレス油が用いられるため防錆油が置き換わるが、防錆油の除去あるいは結露による水濡れなどにより、塗装処理される前に錆が発生すると当該箇所を除去して使用せざるを得ないため、歩留りが低下する。

プレス工程から塗装工程までに、防錆油以外で鋼板防錆する方法として、亜鉛めっきによる防錆が考えられる。防錆鋼板としては、冷延鋼板に亜鉛、あるいは亜鉛を主体とした亜鉛合金がめっきされた電気亜鉛めっき鋼板溶融亜鉛めっき鋼板がある。

電気亜鉛めっき鋼板は、連続焼鈍ラインで焼鈍された後、連続焼鈍ラインとは別の電気亜鉛めっきラインで製造される。コイル状の冷延鋼板を電気亜鉛めっきラインに搬送し、連続焼鈍ラインから亜鉛めっきラインに搬送するまでの防錆目的で塗油された防錆油を除去する脱脂工程、表面酸化皮膜を除去して表面を活性にする酸洗工程(表面活性化工程)に続いて、電気亜鉛めっき工程にて片面5〜60g/m2の亜鉛あるいは亜鉛合金を鋼板表面に付着させる。その後、耐食性塗装性を向上されるための各種化皮膜をつける化成処理工程を経て、電気亜鉛めっき鋼板として出荷される。

一般的な鋼板の電気めっき方法として、電気めっきセルとして水平セルを用いる方式が知られている。水平セル方式とは、図3のように鋼板12を水平方向に走行させ、鋼板12とアノード電極13の間のギャップめっき液15を供給し、カソードである鋼板12の表裏面とアノード電極13との間で通電して電気めっきする方式である。この方式は、鋼板表裏面を同時にめっきできるという利点がある。上記の電気めっきセルは、通常5〜15セル程度を連接させ、鋼板を通板させながら連続的にめっき処理をする。1セルあたりのめっき付着量は1〜2g/m2と薄く、これを積層させるめっき法であり、ライン速度や板幅に応じて電流を制御すればいいので、幅方向長手方向の付着量分布は0.5〜1g/m2で均一にでき、かつ美麗な外観を得られる。

溶融亜鉛めっき鋼板は、連続焼鈍直後に、鋼板を、スナウト内を通過させ、めっき槽内に溶融金属が満たされているめっき浴に浸漬させ、シンクロール方向転換した後、該鋼板を鉛直上方に引き上げる。次いで、鋼帯表面に付着した溶融金属が板幅方向および板長手方向に均一かつ所定のめっき厚になるように、この鋼板を挟んで対向して設けた鋼帯幅方向に延在するワイピングノズルから加圧気体鋼帯上に噴出させて、余剰な溶融金属を絞り取り、溶融金属の付着量(めっき付着量)を制御することで製造される。溶融亜鉛めっき鋼板は、焼鈍と亜鉛めっきを同一ライン内で行えることで合理的なコストで亜鉛めっき鋼板を製造できる利点があるが、ガスワイピングの性能上亜鉛付着量は片面25g/m2以下に薄くめっきすることができない欠点がある。

電気亜鉛めっき鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板は、長期の防錆を確保する観点から、通常は片面あたり10g/m2〜250g/m2の亜鉛あるいは亜鉛主体の合金めっきを施す。しかし、冷延鋼板が出荷されて次工程のプレス加工までの防錆を目的とするのであれば、亜鉛付着量はより少量でかまわない。

特許文献1には、鋼板表面に付着量が10〜2000 mg/m2の亜鉛めっき皮膜を有し、かつ所定の結晶配向性を持たせることで、耐型かじり性と化成処理性両立する技術が開示されている。

特許文献2には、冷延鋼板表面にZnの付着量が100〜5000mg/m2となるように電気Znめっきを施し、水洗後、Pを含有し、前記Pの濃度が0.001〜2g/Lであり、温度が30〜60℃の範囲である水溶液に前記冷延鋼板を接触させ、化成処理性および塗装後耐食性に優れた冷延鋼板を製造する方法が開示されている。

特許文献3には、水平フローセルで安定的にめっき処理するために、前後一対の通電ロ−ルの中間位置に,中間サポートロールを設けてめっきする方法が開示されている。

特許文献4には、複数の貫通孔を備えた電極の貫通孔同士の間に、鋼板−電極間噴射されためっき液を排出するための、電極を貫通しためっき液排出孔を備えた電気めっき装置が開示されている。

概要

均一でごく薄い亜鉛めっきを施すことを可能とする、高効率でかつプレス成型までの耐食性が良好な冷延鋼板の製造方法を提供する。 冷延鋼板に対して、連続焼鈍工程、鋼板形状矯正工程、必要に応じて表面活性化工程、水平セル方式の電気めっきセルを用いアノード電極長手方向長さが500mm以下である電気亜鉛めっき処理工程を、同一ライン内で順次行い、冷延鋼板表面に片面あたりの付着量が300〜3000mg/m2の亜鉛めっきを付着させる。電気亜鉛めっき処理工程では、鋼板通板速度V(m/s)に対して、1.5×V以上の噴射速度でめっき液を供給する。なし

目的

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、均一でごく薄い亜鉛めっきを施すことを可能とする、高効率でかつプレス成型までの耐食性が良好な冷延鋼板の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

冷延鋼板に対して、連続焼鈍工程、鋼板形状矯正工程、水平セル方式の電気めっきセルを用いアノード電極長手方向長さが500mm以下である電気亜鉛めっき処理工程を、同一ライン内で順次行い、冷延鋼板表面に片面あたりの付着量が300〜3000mg/m2の亜鉛めっきを付着させることを特徴とする冷延鋼板の製造方法。

請求項2

冷延鋼板に対して、前記鋼板形状矯正工程後前記電気亜鉛めっき処理工程前に表面活性化工程を、前記電気亜鉛めっき処理工程後に化成処理工程を、それぞれ行うことを特徴とする請求項1に記載の冷延鋼板の製造方法。

請求項3

前記電気亜鉛めっき処理工程では、鋼板通板速度V(m/s)に対して、1.5×V以上の噴射速度めっき液を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の冷延鋼板の製造方法。

請求項4

前記連続焼鈍工程終了から、前記電気亜鉛めっき処理工程に入るまでの鋼板の通板長さが100m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷延鋼板の製造方法。

請求項5

前記電気亜鉛めっき処理工程では、鋼板に対向して配置され1以上の貫通孔を設けられた不溶性電極板と、鋼板に対してめっき液を供給する複数の円管ノズルとを有する電気めっき装置を用い、前記不溶性電極板をアノード、前記鋼板をカソードとして通電し、前記鋼板に電気亜鉛めっき処理を施すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷延鋼板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、高効率でかつプレス成型までの耐食性が良好な冷延鋼板の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

一般的な冷延鋼板は、0.2〜3.5mm程度まで冷間圧延された後、図5に示す連続焼鈍ラインにて加熱帯均熱帯冷却帯からなる焼鈍工程を通板させて焼鈍することで、著しく硬化した鋼組織再結晶させて延性をもたせ、製品機械特性を所望の性能に整えられる。引き続き調質圧延機で軽圧下することにより、ストレッチャーストレインの発生を防止するとともに鋼板形状を改善し、同時に表面粗さも調整される。次に、防錆油塗油し、コイル状に巻かれて出荷される。出荷された冷延鋼板は、部品プレス加工され、その後スポット溶接などで組み立てられた後、塗装される。プレス工程では、プレス油が用いられるため防錆油が置き換わるが、防錆油の除去あるいは結露による水濡れなどにより、塗装処理される前に錆が発生すると当該箇所を除去して使用せざるを得ないため、歩留りが低下する。

0003

プレス工程から塗装工程までに、防錆油以外で鋼板防錆する方法として、亜鉛めっきによる防錆が考えられる。防錆鋼板としては、冷延鋼板に亜鉛、あるいは亜鉛を主体とした亜鉛合金がめっきされた電気亜鉛めっき鋼板溶融亜鉛めっき鋼板がある。

0004

電気亜鉛めっき鋼板は、連続焼鈍ラインで焼鈍された後、連続焼鈍ラインとは別の電気亜鉛めっきラインで製造される。コイル状の冷延鋼板を電気亜鉛めっきラインに搬送し、連続焼鈍ラインから亜鉛めっきラインに搬送するまでの防錆目的で塗油された防錆油を除去する脱脂工程、表面酸化皮膜を除去して表面を活性にする酸洗工程(表面活性化工程)に続いて、電気亜鉛めっき工程にて片面5〜60g/m2の亜鉛あるいは亜鉛合金を鋼板表面に付着させる。その後、耐食性や塗装性を向上されるための各種化皮膜をつける化成処理工程を経て、電気亜鉛めっき鋼板として出荷される。

0005

一般的な鋼板の電気めっき方法として、電気めっきセルとして水平セルを用いる方式が知られている。水平セル方式とは、図3のように鋼板12を水平方向に走行させ、鋼板12とアノード電極13の間のギャップめっき液15を供給し、カソードである鋼板12の表裏面とアノード電極13との間で通電して電気めっきする方式である。この方式は、鋼板表裏面を同時にめっきできるという利点がある。上記の電気めっきセルは、通常5〜15セル程度を連接させ、鋼板を通板させながら連続的にめっき処理をする。1セルあたりのめっき付着量は1〜2g/m2と薄く、これを積層させるめっき法であり、ライン速度や板幅に応じて電流を制御すればいいので、幅方向長手方向の付着量分布は0.5〜1g/m2で均一にでき、かつ美麗な外観を得られる。

0006

溶融亜鉛めっき鋼板は、連続焼鈍直後に、鋼板を、スナウト内を通過させ、めっき槽内に溶融金属が満たされているめっき浴に浸漬させ、シンクロール方向転換した後、該鋼板を鉛直上方に引き上げる。次いで、鋼帯表面に付着した溶融金属が板幅方向および板長手方向に均一かつ所定のめっき厚になるように、この鋼板を挟んで対向して設けた鋼帯幅方向に延在するワイピングノズルから加圧気体鋼帯上に噴出させて、余剰な溶融金属を絞り取り、溶融金属の付着量(めっき付着量)を制御することで製造される。溶融亜鉛めっき鋼板は、焼鈍と亜鉛めっきを同一ライン内で行えることで合理的なコストで亜鉛めっき鋼板を製造できる利点があるが、ガスワイピングの性能上亜鉛付着量は片面25g/m2以下に薄くめっきすることができない欠点がある。

0007

電気亜鉛めっき鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板は、長期の防錆を確保する観点から、通常は片面あたり10g/m2〜250g/m2の亜鉛あるいは亜鉛主体の合金めっきを施す。しかし、冷延鋼板が出荷されて次工程のプレス加工までの防錆を目的とするのであれば、亜鉛付着量はより少量でかまわない。

0008

特許文献1には、鋼板表面に付着量が10〜2000 mg/m2の亜鉛めっき皮膜を有し、かつ所定の結晶配向性を持たせることで、耐型かじり性と化成処理性両立する技術が開示されている。

0009

特許文献2には、冷延鋼板表面にZnの付着量が100〜5000mg/m2となるように電気Znめっきを施し、水洗後、Pを含有し、前記Pの濃度が0.001〜2g/Lであり、温度が30〜60℃の範囲である水溶液に前記冷延鋼板を接触させ、化成処理性および塗装後耐食性に優れた冷延鋼板を製造する方法が開示されている。

0010

特許文献3には、水平フローセルで安定的にめっき処理するために、前後一対の通電ロ−ルの中間位置に,中間サポートロールを設けてめっきする方法が開示されている。

0011

特許文献4には、複数の貫通孔を備えた電極の貫通孔同士の間に、鋼板−電極間噴射されためっき液を排出するための、電極を貫通しためっき液排出孔を備えた電気めっき装置が開示されている。

先行技術

0012

特開2006−299351号公報
特開2012−167362号公報
特開昭60−149795号公報
特開2005−272999号公報

発明が解決しようとする課題

0013

特許文献1〜2に記載の方法では、冷延鋼板上に極薄い亜鉛めっきを施す方法が示されているが、具体的な電気めっき方法については明示されておらず、通常のめっきセルで生産することは困難である。電気亜鉛めっきラインでは、1セルあたり1〜2g/m2の亜鉛を付着させることができるものの、通常は1セル内のアノード電極長は1m程度で、鋼板形状による電極間距離変化によってわずかな付着量分布が発生し、極薄めっきの場合には致命的な偏差となって現れる。このような薄い電気めっきでは、亜鉛めっきの付着面積率が100%未満であるが、電気亜鉛めっきラインの脱脂工程でわずかに油分が残ると、その部分には亜鉛が付着しないため不均一なめっき分布となってしまい、プレス工程までの防錆としても不十分である。また、そもそもこのような薄い亜鉛めっきをつけるためだけに、長大な電気亜鉛めっきラインを通板させること自体、非常に大きなコストアップとなる。

0014

特許文献3に開示された中間サポートロールを使用しても、従来のめっきセルのままでは特許文献1、2と同様の問題が残る。

0015

特許文献4に開始された方法では、めっきセル内の鋼板全域健全なめっき液が供給され、多孔噴流によるクッション効果で鋼板が電極間を安定して通板できるようになり、極薄めっきでも付着量分布が改善できる。しかし、やはり電極長が1mと長いまま電極を近接化すると、鋼板形状変形がわずかでも鋼板と電極間距離の変動が相対的に大きくなり、電流密度バラつきが発生し、結果として付着量ムラが発生する。

0016

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、均一でごく薄い亜鉛めっきを施すことを可能とする、高効率でかつプレス成型までの耐食性が良好な冷延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0017

本発明の特徴は以下の通りである。
[1]冷延鋼板に対して、連続焼鈍工程、鋼板形状矯正工程、水平セル方式の電気めっきセルを用いアノード電極長手方向長さが500mm以下である電気亜鉛めっき処理工程を、同一ライン内で順次行い、冷延鋼板表面に片面あたりの付着量が300〜3000mg/m2の亜鉛めっきを付着させることを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
[2]冷延鋼板に対して、前記鋼板形状矯正工程後前記電気亜鉛めっき処理工程前に表面活性化工程を、前記電気亜鉛めっき処理工程後に化成処理工程を、それぞれ行うことを特徴とする上記[1]に記載の冷延鋼板の製造方法。
「3」前記電気亜鉛めっき処理工程では、鋼板通板速度V(m/s)に対して、1.5×V以上の噴射速度でめっき液を供給することを特徴とする上記[1]または[2]に記載の冷延鋼板の製造方法。
[4]前記連続焼鈍工程終了から、前記電気亜鉛めっき処理工程に入るまでの鋼板の通板長さが100m以下であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の冷延鋼板の製造方法。
[5]前記電気亜鉛めっき処理工程では、鋼板に対向して配置され1以上の貫通孔を設けられた不溶性電極板と、鋼板に対してめっき液を供給する複数の円管ノズルとを有する電気めっき装置を用い、前記不溶性電極板をアノード、前記鋼板をカソードとして通電し、前記鋼板に電気亜鉛めっき処理を施すことを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の冷延鋼板の製造方法。

発明の効果

0018

本発明によれば、冷延鋼板上に均一でごく薄い亜鉛めっきを施すことが可能となり、プレス成型までの防錆機能を確保した冷延鋼板を製造することが可能となる。
また、連続焼鈍と同一ライン内で電気めっきを施すことで、高効率でかつプレス成型までの耐食性が良好な冷延鋼板の製造を可能とする。

図面の簡単な説明

0019

図1は、本発明の冷延鋼板の製造方法に係る設備の一実施形態を示す図である。
図2は、本発明の冷延鋼板の製造方法に係る設備の他の実施形態を示す図である。
図3は、本発明の実施形態に係る水平セル方式の電気めっき装置を側面側から見た概略図である。
図4は、本発明の実施形態に係る円管噴流式の電気めっき装置を側面側から見た概略図である。
図5は、連続焼鈍ラインの設備配置を示す図である。

0020

以下、本発明について具体的に説明する。
図1〜4を参照して、本発明を説明する。
図1は、本発明の冷延鋼板の製造方法に係る設備の一実施形態を示す図である。図1製造設備は、鋼板を払い出すペイオフリール1、先行鋼板尾端部と後行鋼板の先端部を接合する溶接設備2、鋼板の表面に付着している油分を取り除くための脱脂設備3、鋼板の速度を調整するための入側ルーパー4、鋼板の熱処理を行う連続焼鈍設備5、鋼板の形状を修正するための調質圧延設備形状矯正設備)6、鋼板表面に電気亜鉛めっきを施す電気亜鉛めっき設備8、鋼板の速度を調整するための出側ルーパー10、鋼板を巻き取るためのコイラー11からなり、これらの設備にて各処理を順次行い冷延鋼板を製造する。

0021

図2は、図1の製造設備における電気亜鉛めっき設備8の前に、鋼板の表面を活性化させる表面活性化設備7を、電気亜鉛めっき設備8の後ろに、電気亜鉛めっき鋼板の表面に耐食性・塗装性向上等の機能を付与する化成処理設備9設けた製造設備であり、他の設備は図1と同様である。

0022

なお、図1、2には図示していないが、溶接設備2には溶接作業の前処理として鋼板12の先端部あるいは尾端部を切断するシャーや、コイラー11による巻き取り工程の前処理として鋼板12の溶接部を切断するシャー等を具備する。その他、鋼帯の幅端を切断するためのトリマー、そして表面性状を検査するための検査工程を適宜、適所に配置することが可能である。

0023

調質圧延設備(形状矯正設備)6では、一般的な性能を有するテンションレベラーや調質圧延機などを使用することができる。

0024

表面活性化設備7では、酸洗による化学的活性化や研磨ブラシによる機械的活性化を用いることができる。電気亜鉛めっき設備が連続焼鈍設備に近接して設けられ、かつ、電気亜鉛めっき設備で用いられるめっき液がpH2.0以下の酸性液である場合は、通電前の浸漬域酸洗効果があるので、表面活性化工程は省略しても構わない。

0025

本発明では、図1の製造設備を用いて、冷延鋼板に対して、連続焼鈍工程、鋼板形状矯正工程、電気亜鉛めっき処理工程を、同一ライン内で順次行い、冷延鋼板表面に亜鉛めっきを付着させる。または、図2の製造設備を用いて、冷延鋼板に対して、連続焼鈍工程、鋼板形状矯正工程、表面活性化工程、電気亜鉛めっき処理工程を、同一ライン内で順次行い、冷延鋼板表面に亜鉛めっきを付着させる。

0026

本発明では、電気亜鉛めっき処理工程において、片面あたりの亜鉛めっき付着量は、300〜3000mg/m2とする。防錆の観点から300mg/m2以上とする。一方、冷延鋼板としての外観、化成処理性確保の観点から3000 mg/m2以下とする。3000 mg/m2超えでは、表面が白色化し光沢度が低下し、次工程での塗装・化成処理性にも影響する。

0027

図3は、本発明の実施形態に係る水平セル方式の電気めっきセルを用いた電気めっき装置を側面側から見た概略図である。図3では、鋼板12を水平方向に走行させ、鋼板12とアノード電極13の間のギャップにめっき液14を供給し、カソードである鋼板12のめっき面とアノード電極13との間で通電して鋼板に対して電気亜鉛めっき処理を行う。本発明では、この水平セル方式の電気めっきセルを用いた電気めっき装置を、調質圧延設備(形状矯正設備)6、必要に応じて表面活性化装置7に続いて同一ライン内に設置する。同一ライン内に設置することで、連続焼鈍処理後に鋼板表面に塗油する必要がなくなる。その結果、電気亜鉛めっき工程前の脱脂が不要になり、脱脂ムラが発生しないので、従来に比べて薄めっきが均一に形成することが可能となる。

0028

従来の電気亜鉛めっきラインでは、片側20〜60g/m2の付着量をつけるために、1つのアノード電極長は、短くても1m程度であり、その前後のロール間隔は2m程度であった。しかし、上述の通り、薄めっき時には鋼板形状によって電極-鋼板間距離が1〜5mm程度変化し、めっき付着量にバラつきが発生することがわかった。そこで、本発明では、検討の結果、電気亜鉛めっき処理工程に先立って鋼板形状矯正工程を設けて鋼板形状を平坦化した上で、アノード電極長手方向長さを500mm以下とすることを必須とする。アノード電極長手方向長さを500mm以下とすることで、電極前後のロール拘束効果で鋼板変形が抑制され、鋼板とアノード電極間距離のバラつきを0.5mm以下に低減できる。鋼板とアノード電極間距離のバラつきを0.5mm以下に低減することで、薄めっき時においてもめっき付着量にバラつきが発生せず均一にめっき処理することができる。また、電極-鋼板間距離を従来の10〜15mmから5mm以下に低減することができ、電力削減も可能になる。なお、アノード電極長手方向における長手方向とは、鋼板の長手方向であり、ライン進行方向である。

0029

図4は、本発明の実施形態に係る円管噴流式の電気めっき装置を側面側から見た概略図である。図4では、各電極板20の背面(電極板の鋼板12とは反対側)には、(不溶性)電極板20と離間してノズルヘッダー26が配置され、ノズルヘッダー26の電極板20に対向する部分は電極板20に略平行で複数の円管状ノズル24が延びている。各電極板20には、該電極板20をその主面に対して垂直に貫通する円形の貫通孔22が複数設けられている。そして、貫通孔22の各々に1つの円管状ノズル24が通るように、複数の円管状ノズル24が配置されている。本実施形態では、貫通孔22及びこれと対応する円管状ノズル24は、図4において矢印で示す鋼板12の走行方向に沿った複数の位置に、それぞれ複数に分けて配置されている。めっき液はノズルヘッダー26から円管状ノズル24に供給され、円管状ノズル24の先端の噴出口から噴射される。そして、カソードである鋼板12のめっき面と電極板20との間で通電し、円管状ノズルの噴出口からめっき液を供給して鋼板に対して電気亜鉛めっき処理を行う。本発明では、この円管噴流式の電気めっき装置を調質圧延設備(形状矯正設備)6、必要に応じて表面活性化装置7に続いて同一ライン内に設置する。同一ライン内に設置することで、連続焼鈍処理後に鋼板表面に塗油する必要がなくなる。その結果、電気亜鉛めっき工程前の脱脂が不要になり、脱脂ムラが発生しないので、従来に比べて薄めっきが均一に形成することが可能となる。

0030

また、電気絵亜鉛めっき工程後には、製造する製品に応じて化成処理装置9を設置し、化成処理を施すことができる。化成処理装置では、リン酸塩処理液を鋼板に噴射してリン酸塩皮膜を形成し、続けて水洗・乾燥する。これによって、プレス工程までの防錆とともに、その後の塗装性能も有する冷延鋼板を製造することができる。

0031

通常の電気亜鉛めっき処理ラインの最大通板速度は3m/s程度である。これに対し、連続焼鈍ラインは3〜5m/sと通板速度が速い。通板速度が速いと鋼板随伴流が強いために鋼板に対向する流れが形成されない。この点から、図4に示す円管噴流式の電気めっき装置を用いるのが好ましい。円管噴流式の電気めっき装置を用いることで、鋼板に対向する流れを形成することができる。

0032

鋼板通板速度V(m/s)に対して、1.5×V以上の噴射速度でめっき液を供給することが好ましい。1.5×V以上の噴射速度でめっき液を供給することで、鋼板表面に随伴するめっき液境界層破壊し、新鮮なめっき液を鋼板表面に直接供給することが可能となる。特に、通板速度Vが3m/s以上になる場合は、鋼板随伴流による鋼板-電極間距離15mm以内に近接化して、めっき液噴射速度を1.5V以上としてめっき液を供給することが好ましい。

0033

連続焼鈍工程に引き続いて電気亜鉛めっき処理工程で薄い電気めっき処理を施す際、鋼板表面への大気影響を最小化するために、連続焼鈍工程終了後、できるだけ早く冷延鋼板が電気亜鉛めっき処理工程に入ることが好ましい。すなわち、連続焼鈍工程出口(冷却帯出口)からできるだけ近接化させた位置に電気亜鉛めっき処理工程を設けることが好ましい。具体的には、通板速度は最低1.0m/sを想定し、連続焼鈍炉から出た後100秒以内に電気亜鉛めっき処理工程に移ることで、ムラなく薄めっきできることがわかったので、連続焼鈍工程終了から、電気亜鉛めっき処理工程に入るまでの鋼板の通板長さは100m以下が好ましい。

0034

以下に本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されない。図1〜4に示す設備、電気めっき装置を使用し、本発明の冷延鋼板を製造した。表面活性化工程がない場合は図1に示す設備を使用し、表面活性化工程がある場合は図2に示す設備を使用した。具体的な製造条件を表1に示す。また、めっき液供給方式スリット式の場合は図3に示す水平セル方式の電気めっき装置を使用し、円管噴流式の場合は図4に示す円管噴流式の電気めっき装置を使用した。円管噴流式では、円管ノズル内径10mmで、幅方向50mmピッチ、長手方向30mmピッチで、千鳥状に配置した。尚、円管噴流式の電極長さとは、円管ノズルを含んだ実電極長である。
板厚0.5mm×幅1000mmの冷延鋼板を2.03〜5.0m/sのラインスピードで走行させた。アノード電極は、チタン電極とし、通電面酸化イリジウム皮膜を施して、鋼板を概ね覆う幅を有している。めっき液にはpH1.5の硫酸亜鉛400g/Lを60℃に保って使用した。

0035

一方、比較例は、図5に示す連続焼鈍ラインにて加熱帯、均熱帯、冷却帯からなる焼鈍工程を通板させてコイルに巻きとった後、連続焼鈍ラインとは別の電気亜鉛めっきラインにコイル状の冷延鋼板を搬送し、脱脂工程、酸洗工程(表面活性化工程)に続いて、電気めっき処理を行った。

0036

以上により得られた冷延鋼板に対し、めっき付着量を測定し、平均付着量および付着量偏差を算出した。また、めっき外観およびプレス工程までの耐食性を調査した。

0037

以下に測定方法調査方法を示す。

0038

めっき付着量(平均付着量)、付着量偏差
幅方向で任意の3点を選び、各点について、付着量を長手方向に10回測定した。測定した結果をもとに、平均付着量および付着量偏差(最大−最小)を算出した。

0039

めっき外観
めっき外観は、光沢度計を用いて付着量測定と同じ箇所の光沢度(60度)で評価した。通常の冷延鋼板の光沢度(60度)は平均で70〜100の範囲であれば問題ないが、通常の亜鉛めっき鋼板になると光沢度(60度)は20〜30に低下する。また光沢度バラつき(標準偏差)は小さいほど外観がよい。本発明においては、冷延鋼板の光沢度に近い場合ほど良好とし、標準偏差が5以下を合格とした。

0040

プレス工程までの耐食性
耐食性は、電気めっき処理から8日後にコイル全長目視検査し、錆が発生していなければ合格(○)、一部でも発生していれば不合格(×)とした。

0041

以上により得られた結果を製造条件と併せて表1に示す。

0042

0043

表1より、本発明例は、均一でごく薄い亜鉛めっきが施されている。また、めっき外観およびプレス成型までの耐食性が良好である。

実施例

0044

一方、比較例No1〜3は、亜鉛めっきが不均一となりめっき外観が劣るとともに、プレス成型までの耐食性が劣っている。比較例No4は、付着量が本発明範囲外であり、プレス成型までの耐食性が劣っている。

0045

1ペイオフリール
接合設備
3脱脂設備
4入側ルーパー
5連続焼鈍設備
6調質圧延設備(形状矯正設備)
7表面活性化設備
8電気亜鉛めっき設備
9化成処理設備
10 出側ルーパー
11コイラー
12鋼板
13アノード電極
14めっき液
15 めっき液ノズルヘッダー
16通電ロール
20電極板
22貫通孔
24円管状ノズル
26 ノズルヘッダー

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