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技術 (4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの製造方法

出願人 信越化学工業株式会社
発明者 三宅裕樹金生剛長江祐輔
出願日 2017年9月7日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2017-172211
公開日 2019年3月22日 (11ヶ月経過) 公開番号 2019-043925
状態 未査定
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード フェロモン物質 ホウ化ニッケル ポリエチレンイミンポリマー 副反応抑制 反応工程数 ホモカップリング 黒ずみ 保護体
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

保護基を用いること無く、短工程かつ高収率で(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イルアセテートを製造する方法を提供する。

解決手段

下記一般式(1)で表される10−ハロ−3,6−デカイン還元反応させて、下記一般式(2)で表される(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンを得る工程と、前記(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンから、前記(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンのハロゲン原子に代えてアセトキシ基を有する下記式(4)で表される(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートを得る工程とを少なくとも含む(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの製造方法が提供される。

化1】

概要

背景

Lesser date moth(Batrachedra amydraula)は、中東及びフリカにおけるナツメヤシの重要害虫である。本害虫の幼虫は、ナツメヤシの果実及び柔らかい未成熟種をとするため、果実のヘタ近くに穴をあけ、果肉内に侵入することにより、果実を加害する。加害後約4週間で果実は黒ずみ、房の成長が止まるため、果実は乾燥して地面に落下してしまい収穫量の低下につながる。また、本害虫の幼虫は、果肉内に侵入するため殺虫剤による防除が困難である。そのため、生物学的防除方法が注目されつつあり、その一つとして性フェロモン物質の利用が期待されている。

Lesser date mothの性フェロモンは、(5Z)−5−デセン−1−イルアセテート、(5Z)−5−デセン−1−オール及び(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの2:2:1の混合物であることが同定されている(非特許文献1)。

Lesser date mothの性フェロモン物質の一つである(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの製造方法として、例えば、1−(テトラヒドロピラニルオキシ)−4−ペンチン脱プロトン化後、臭化銅ジメチルスルフィド錯体存在下、2−ペンチニルトシレートカップリング反応を行い1−(テトラヒドロピラニルオキシ)−4,7−デカインとし、ヒドロホウ素化とそれに続くプロトン化により1−(テトラヒドロピラニルオキシ)−(4Z,7Z)−4,7−デカジエンとし、テトラヒドロピラニル基(以下、「THP基」ともいう。)の脱保護と同時にアセチル化を行う製造方法が報告されている(非特許文献2)。

概要

保護基を用いること無く、短工程かつ高収率で(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートを製造する方法を提供する。下記一般式(1)で表される10−ハロ−3,6−デカジインを還元反応させて、下記一般式(2)で表される(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンを得る工程と、前記(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンから、前記(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンのハロゲン原子に代えてアセトキシ基を有する下記式(4)で表される(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートを得る工程とを少なくとも含む(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの製造方法が提供される。なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

下記一般式(1)(式中、X1はハロゲン原子を表す。)で表される10−ハロ−3,6−デカイン還元反応させて、下記一般式(2)で表される(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンを得る工程と、前記(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンから、前記(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンのハロゲン原子に代えてアセトキシ基を有する下記式(4)で表される(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イルアセテートを得る工程とを少なくとも含む(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの製造方法。

請求項2

前記一般式(1)で表される10−ハロ−3,6−デカジインを得るために、下記一般式(5)で表される5−ハロ−1−ペンチンを下記一般式(6)(式中、Rは炭素数1〜18の一価炭化水素基を表し、X2はハロゲン原子を表す。)で表されるグリニャール試薬と反応させ脱プロトン化して、下記一般式(7)で表される5−ハロ−1−ペンチニルマグネシウムハライドに変換する工程と、前記5−ハロ−1−ペンチニルマグネシウム=ハライドを、銅触媒存在下、下記一般式(8)(式中、X3はハロゲン原子を表す。)で表される1−ハロ−2−ペンチンとカップリング反応させて、前記一般式(1)で表される10−ハロ−3,6−デカジインを得る工程とを更に含む請求項1に記載の(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの製造方法。

請求項3

前記還元反応が、接触還元反応アルコール溶媒中で亜鉛を用いた還元反応、又はジアルキルボランを用いたヒドロホウ素化とそれに続くプロトン化による還元反応である請求項1又は請求項2に記載の(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの製造方法。

請求項4

下記一般式(5)(式中、X1はハロゲン原子を表す。)で表される5−ハロ−1−ペンチンを下記一般式(6)(式中、Rは炭素数1〜18の一価の炭化水素基を表し、X2はハロゲン原子を表す。)で表されるグリニャール試薬と反応させ脱プロトン化して、下記一般式(7)で表される5−ハロ−1−ペンチニルマグネシウム=ハライドに変換する工程と、前記5−ハロ−1−ペンチニルマグネシウム=ハライドを、銅触媒存在下、下記一般式(8)(式中、X3はハロゲン原子を表す。)で表される1−ハロ−2−ペンチンとカップリング反応させて、下記一般式(1)で表される10−ハロ−3,6−デカジインを得る工程とを少なくとも含む10−ハロ−3,6−デカジインの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ナツメヤシの重要害虫であるLesser date mothの性フェロモン物質である(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イルアセテートの製造方法に関する。

背景技術

0002

Lesser date moth(Batrachedra amydraula)は、中東及びフリカにおけるナツメヤシの重要害虫である。本害虫の幼虫は、ナツメヤシの果実及び柔らかい未成熟種をとするため、果実のヘタ近くに穴をあけ、果肉内に侵入することにより、果実を加害する。加害後約4週間で果実は黒ずみ、房の成長が止まるため、果実は乾燥して地面に落下してしまい収穫量の低下につながる。また、本害虫の幼虫は、果肉内に侵入するため殺虫剤による防除が困難である。そのため、生物学的防除方法が注目されつつあり、その一つとして性フェロモン物質の利用が期待されている。

0003

Lesser date mothの性フェロモンは、(5Z)−5−デセン−1−イル=アセテート、(5Z)−5−デセン−1−オール及び(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの2:2:1の混合物であることが同定されている(非特許文献1)。

0004

Lesser date mothの性フェロモン物質の一つである(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの製造方法として、例えば、1−(テトラヒドロピラニルオキシ)−4−ペンチン脱プロトン化後、臭化銅ジメチルスルフィド錯体存在下、2−ペンチニルトシレートカップリング反応を行い1−(テトラヒドロピラニルオキシ)−4,7−デカインとし、ヒドロホウ素化とそれに続くプロトン化により1−(テトラヒドロピラニルオキシ)−(4Z,7Z)−4,7−デカジエンとし、テトラヒドロピラニル基(以下、「THP基」ともいう。)の脱保護と同時にアセチル化を行う製造方法が報告されている(非特許文献2)。

先行技術

0005

natLevi−Zada et al. 2013,Chemoecology,23:13−20.
Anat Levi−Zada et al. 2011,Tetrahedron Letters,52:4550−4553.

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、非特許文献2に記載の製造方法では1−(テトラヒドロピラニルオキシ)−4−ペンチンからの総収率が30%と極めて低い。また、THP基の脱保護及びアセチル化において、高価な固形酸触媒であるアンバーリスト−15を用いているため経済的でない。更に、大量のアンバーリスト−15をろ過して除去する必要があるため、一般的な製造設備での実施が困難である。加えて、THP基のような保護基を用いることは、水酸基の保護工程と脱保護工程という2工程が必要となり、全反応工程数が多くなることから工業化においては望ましくない。更に、THP基等のようなエーテル系保護基の脱保護は平衡反応であるため、脱保護時に保護体が残存してしまうことにより、収率の低下につながる場合がある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、10−ハロ−3,6−デカジインを還元反応させて、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンを得る工程と、前記(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンを酢酸塩アセトキシ化反応させて(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートを得る工程を少なくとも含む製造方法により、全ての工程で保護基を用いること無く、(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートを短工程で収率良く製造できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の一つの態様によれば、下記一般式(1)



(式中、X1はハロゲン原子を表す。)
で表される10−ハロ−3,6−デカジインを還元反応させて、下記一般式(2)



で表される(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンを得る工程と、
前記(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンから、前記(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンのハロゲン原子に代えてアセトキシ基を有する下記式(4)



で表される(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートを得る工程と
を少なくとも含む(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの製造方法が提供される。
一般式(1)で表される10−ハロ−3,6−デカジインの製造方法の好ましい実施形態の1つとして、例えば、下記一般式(5)



(式中、X1はハロゲン原子を表す。)
で表される5−ハロ−1−ペンチンを下記一般式(6)



(式中、Rは炭素数1〜18の一価炭化水素基を表し、X2はハロゲン原子を表す。)
で表されるグリニャール試薬と反応させ脱プロトン化して、下記一般式(7)



で表される5−ハロ−1−ペンチニルマグネシウムハライドに変換する工程と、
前記5−ハロ−1−ペンチニルマグネシウム=ハライドを、銅触媒存在下、下記一般式(8)



(式中、X3はハロゲン原子を表す。)
で表される1−ハロ−2−ペンチンとカップリング反応させて、一般式(1)で表される10−ハロ−3,6−デカジインを得る工程と
を少なくとも含む10−ハロ−3,6−デカジインの製造方法を提供できる。

発明の効果

0008

本発明によれば、全ての工程で保護基を用いること無く、短工程かつ高収率で(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートを製造することができる。

0009

本明細書では、反応前後において化合物が同じ符号の置換基を有するときは、各反応の性質上、同じ置換基であることを意味する。例えば、X1はハロゲン原子を表すが、式(1)おいてX1として塩素原子を選択したときは、式(2)、後述する式(5)と(7)においても、各反応の性質上、塩素原子となる。一方、例えばX1とX2のように異なる符号の置換基は、独立して同じでも異なってもよい置換基であることを意味する。
初めに、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)の製造方法について説明する。
まず、5−ハロ−1−ペンチン(5)をグリニャール試薬(Grignard試薬)(6)と反応させ脱プロトン化して、5−ハロ−1−ペンチニルマグネシウム=ハライド(7)に変換する。

0010

0011

上記一般式(5)で表される5−ハロ−1−ペンチンにおけるX1は、ハロゲン原子を表し、塩素原子、臭素原子ヨウ素原子が挙げられ、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)におけるX1と共通である。
5−ハロ−1−ペンチン(5)としては、5−クロロ−1−ペンチン、5−ブロモ−1−ペンチン、5−ヨード−1−ペンチンが挙げられるが、反応性又は後述する10−ハロ−3,6−デカジイン(1)の収率の観点から、5−クロロ−1−ペンチン及び5−ブロモ−1−ペンチンが好ましく、5−クロロ−1−ペンチンがより好ましい。
5−ハロ−1−ペンチン(5)は市販品を用いることもできるし、市販の4−ペンチン−1−オールをハロゲン化することで調製することもできる。

0012

上記一般式(6)で表されるグリニャール試薬におけるRは、炭素数1〜18、好ましくは1〜6の一価の炭化水素基を表す。
Rに対応する一価の炭化水素基としては、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基n−ブチル基、n−ペンチル基n−ヘキシル基、n−ヘプチル基n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖状飽和炭化水素基イソプロピル基イソブチル基イソペンチル基等の分岐状の飽和炭化水素基、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基等の直鎖状の不飽和炭化水素基イソプロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基等の分岐状の不飽和炭化水素基、シクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の環状炭化水素基等が挙げられ、これらと異性体の関係にある炭化水素基でも良い。また、これらの炭化水素基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていても良い。
また、X2は、ハロゲン原子を表し、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。

0013

グリニャール試薬(6)としては、メチルマグネシウム=クロライドエチルマグネシウム=クロライド、n−プロピルマグネシウム=クロライド、n−ブチルマグネシウム=クロライド、メチルマグネシウム=ブロマイド、エチルマグネシウム=ブロマイド、n−プロピルマグネシウム=ブロマイド、n−ブチルマグネシウム=ブロマイド、メチルマグネシウム=ヨージド、エチルマグネシウム=ヨージド、n−プロピルマグネシウム=ヨージド、n−ブチルマグネシウム=ヨージド等の直鎖状の炭化水素基を有するグリニャール試薬、イソプロピルマグネシウム=クロライド、イソプロピルマグネシウム=ブロマイド、イソプロピルマグネシウム=ヨージド等の分岐状の炭化水素基を有するグリニャール試薬等が挙げられるが、脱ハロゲン化反応抑制の観点から、メチルマグネシウム=クロライド、エチルマグネシウム=クロライド、メチルマグネシウム=ブロマイド、エチルマグネシウム=ブロマイド、メチルマグネシウム=ヨージド、エチルマグネシウム=ヨージド等の直鎖上の炭化水素基を有するグリニャール試薬が好ましい。

0014

グリニャール試薬(6)の使用量は、反応性の観点から、5−ハロ−1−ペンチン(5)1molに対して、好ましくは1.0〜1.5molである。

0015

脱プロトン化に用いる溶媒は、例えばトルエンキシレンヘキサン等の炭化水素系溶媒テトラヒドロフラン、4−メチルテトラヒドロピランジエチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられ、反応性の観点から、テトラヒドロフランが好ましい。
溶媒の使用量は、収率の観点から、5−ハロ−1−ペンチン(5)1molに対して、好ましくは100〜1500gである。

0016

脱プロトン化の反応温度は、反応速度の観点から、好ましくは40〜70℃である。
脱プロトン化の反応時間は、反応スケールにより異なるが、収率の観点から、好ましくは1〜10時間である。

0017

上記一般式(7)で表される5−ハロ−1−ペンチニルマグネシウム=ハライドにおけるX1の具体例は、前述の通りである。
5−ハロ−1−ペンチニルマグネシウム=クロライド(7)としては、5−クロロ−1−ペンチニルマグネシウム=クロライド、5−ブロモ−1−ペンチニルマグネシウム=クロライド、5−ヨード−1−ペンチニルマグネシウム=クロライド、5−クロロ−1−ペンチニルマグネシウム=ブロマイド、5−ブロモ−1−ペンチニルマグネシウム=ブロマイド、5−ヨード−1−ペンチニルマグネシウム=ブロマイド、5−クロロ−1−ペンチニルマグネシウム=ヨージド、5−ブロモ−1−ペンチニルマグネシウム=ヨージド、5−ヨード−1−ペンチニルマグネシウム=ヨージドが挙げられる。
例えば、X1が塩素原子であるときを添字Aで表すと、5−クロロ−1−ペンチン(5A)を脱プロトンしてグリニャール試薬(7A)に誘導する際には、未反応の5−クロロ−1−ペンチン(5A)と5−クロロ−1−ペンチニルマグネシウム=ハライド(7A)とのクロスカップリングや5−クロロ−1−ペンチニルマグネシウム=ハライド(7A)同士のホモカップリングが進行することも予測されたが、塩素原子の低い脱離能のため、当該反応はほとんど進行せず、10−クロロ−3,6−デカジイン(1A)を高収率にて製造することに寄与したと考えられる。

0018

次に、5−ハロ−1−ペンチニルマグネシウム=ハライド(7)を、銅触媒存在下、1−ハロ−2−ペンチン(8)とカップリング反応させることにより、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)を製造する。

0019

0020

上記一般式(8)で表される1−ハロ−2−ペンチンにおけるX3は、ハロゲン原子を表し、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
1−ハロ−2−ペンチン(8)としては、1−クロロ−2−ペンチン、1−ブロモ−2−ペンチン、1−ヨード−2−ペンチンが挙げられ、反応性の観点から、1−ブロモ−2−ペンチン及び1−ヨード−2−ペンチンが好ましく、1−ブロモ−2−ペンチンがより好ましい。
カップリング反応における1−ハロ−2−ペンチン(8)の使用量は、副反応抑制の観点から、5−ハロ−1−ペンチン(5)1molに対して、好ましくは0.90〜1.30molである。

0021

カップリング反応に用いる銅触媒としては、例えば塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅等の一価のハロゲン化銅塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅等の二価のハロゲン化銅が挙げられ、反応性の観点から、一価のハロゲン化銅が好ましく、塩化第一銅がより好ましい。
カップリング反応における銅触媒の使用量は、反応速度及び後処理の観点から、5−ハロ−1−ペンチン(5)1molに対して、好ましくは0.003〜0.300molである。

0022

カップリング反応に用いる溶媒の種類及び使用量は、脱プロトン化における溶媒の種類及び使用量と同じである。
また、カップリング反応は、脱プロトン化に続いて同一反応系内で行っても、異なる反応系内で行ってもよい。

0023

プロパルギル位におけるカップリング反応は、SN2反応とSN2’反応が競合するため、SN2’反応が進行してアレン構造を有する副生成物が生成することにより、収率の低下を招く場合がある。銅やマグネシウムと相互作用を生じやすい酸素原子を含む化合物では、金属原子との相互作用により反応点周り立体的に嵩高くなる可能性がある。しかしながら、本発明においては、銅やマグネシウムと相互作用を有する酸素原子を持たない5−ハロ−1−ペンチン(5)を原料として用いたため、相互作用により反応点周りが立体的に嵩高くなることがなく、また、銅触媒を使用することで適度な求核性を有する有機銅試薬へ変換した結果、プロパルギル位におけるSN2反応を選択的に進行させることができ、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)を高収率にて製造することができたものと考えられる。

0024

カップリング反応の反応温度は、反応速度の観点から、好ましくは50〜80℃である。
カップリング反応の反応時間は、スケールにより異なるが、収率の観点から、好ましくは1〜50時間である。

0025

上記一般式(1)で表される10−ハロ−3,6−デカジインにおけるX1の具体例は、前述の通りである。
10−ハロ−3,6−デカジイン(1)としては、10−クロロ−3,6−デカジイン、10−ブロモ−3,6−デカジイン、10−ヨード−3,6−デカジインが挙げられるが、安定性の観点から、10−クロロ−3,6−デカジインが好ましい。

0026

次に、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)の製造方法について説明する。
(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)は、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)を還元反応させることにより製造できる。

0027

0028

還元反応としては、接触還元(catalytic hydrogenation)反応、アルコール溶媒中で亜鉛を用いた還元反応、ジアルキルボランを用いたヒドロホウ素化とそれに続くプロトン化による還元反応、酢酸パラジウム等のパラジウム触媒存在下、水酸化カリウムとN,N−ジメチルホルムアミドDMF)を用いる還元反応、ヒドロシリル化を行いビニルシランを得た後に、脱シリル化する還元反応等が挙げられ、選択性及び生産性の観点から、接触還元反応、アルコール溶媒中で亜鉛を用いた還元反応、ジアルキルボランを用いたヒドロホウ素化とそれに続くプロトン化による還元反応が好ましく、接触還元反応がより好ましい。

0029

接触還元反応は、金属触媒存在下、水素ガスを添加して行う。
接触還元反応に用いる金属触媒としては、例えば、Lindlar触媒、P−2ホウ化ニッケル触媒(Thomas J. Caggiano et al. Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis:3694−3699.)(以下、「P−2Ni触媒」ともいう。)等のニッケル触媒パラジウム炭素及びパラジウム炭素をポリエチレンイミンポリマー(PEI)で被毒したPd—PEI等のパラジウム触媒等が挙げられるが、経済性の観点から、Lindlar触媒及びニッケル触媒が好ましい。
金属触媒の使用量は、用いる触媒によって異なるが、反応性の観点から、Lindlar触媒等のように触媒が固体である場合は10−ハロ−3,6−デカジイン(1)1molに対して、0.01〜50gが好ましい。また、P−2Ni触媒は、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)1molに対して、ニッケル化合物としての換算量が0.001〜0.50molとなるように使用することが好ましい。
なお、固体の触媒は、溶媒に分散させて用いてもよい。

0030

金属触媒の活性が高い場合には、必要に応じて触媒毒を使用してもよい。
接触還元反応に用いる触媒毒としては、ピリジンキノリン及びエチレンジアミン等のアミン化合物ベンゼンチオールジフェニルスルフィドジメチル=スルフィド及びジメチル=スルホキシド等の硫黄化合物等が挙げられる。
触媒毒の使用量は、用いる触媒毒により大きく異なるが、反応速度と幾何選択性の観点から、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)1molに対して、好ましくは0.0001〜10.0gである。

0031

接触還元反応に用いる溶媒としては、例えば、アセトニトリル酢酸エチル酢酸メチル等の極性溶媒、トルエン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンシクロヘキサンシクロヘキセン等の炭化水素系溶媒、メタノールエタノールプロパノールブタノールペンタノールヘキサノール2−プロパノール2−ブタノールシクロヘキサノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても複数の溶媒を混合して用いてもよい。

0032

Lindlar触媒を用いる場合は、反応性の観点から、ヘキサン等の炭化水素系溶媒が好ましく、ニッケル触媒を用いる場合は、反応性の観点から、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒が好ましく、パラジウム炭素等のパラジウム触媒を用いる場合は、反応性の観点から、酢酸メチル、酢酸エチル等の極性溶媒が好ましい。
溶媒の使用量は、用いる触媒や溶媒により異なるが、反応性の観点から、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)1molに対して、好ましくは0〜1000gである。

0033

接触還元反応の反応温度は、用いる触媒や溶媒の種類により異なるが、幾何選択性の観点から、好ましくは40〜160℃である。
接触還元反応の反応時間は、収率の観点から、好ましくは1〜50時間である。

0034

アルコール溶媒中で亜鉛を用いた還元反応は、アルコール溶媒中、亜鉛を用いて行う。
溶媒に用いるアルコールの炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。溶媒に用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノールオクタノールノナノ−ル、デカノール等の直鎖状のアルコール化合物、2−プロパノール、2−ブタノール等の分岐状のアルコール化合物、シクロヘキサノール等の環状のアルコール化合物等が挙げられるが、反応性の観点から、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、2−プロパノール等の炭素数1〜5のアルコール化合物が好ましい。アルコールの使用量は、反応性の観点から、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)1molに対して、好ましくは46〜1000gである。
亜鉛とは、金属亜鉛又は後述する活性化された亜鉛のことをいう。亜鉛の使用量は、反応性の観点から、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)1molに対して、好ましくは1.0〜20.0molである。

0035

アルコール溶媒中で亜鉛を用いた還元反応は、亜鉛の低い反応性により、反応時間が長くなることがあるため、必要に応じて亜鉛を活性化させる活性化剤を添加しても良いし、予め調製した活性化された亜鉛を用いても良い。
活性化剤としては、1,2−ジブロモエタン塩化銅第一、臭化銅第一、ヨウ化銅第一、臭化リチウムヨウ素、クロロトリメチルシラン等があげられる。これらの活性化剤は単独で用いても複数の活性化剤を併用して用いてもよい。活性化剤の使用量は、反応性の観点から、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)1molに対して、好ましくは0.01〜10.0molである。
活性化された亜鉛は、例えば、塩酸等の酸で金属亜鉛を処理したり、塩化亜鉛をテトラヒドロフラン中、金属リチウム還元すること等により調製することができる。

0036

アルコール溶媒中で亜鉛を用いた還元反応の反応温度は、用いる溶媒により異なるが、反応性の観点から、好ましくは20〜120℃である。
アルコール溶媒中で亜鉛を用いた還元反応の反応時間は、反応完結の観点から、好ましくは1〜150時間反応することが好ましい。

0037

ジアルキルボランを用いたヒドロホウ素化とそれに続くプロトン化による還元反応では、ヒドロホウ素化は、溶媒中、ジアルキルボランを用いて行う。
ヒドロホウ素化に用いるジアルキルボランの炭素数は、好ましくは4〜12、より好ましくは6〜12である。ジアルキルボランとしては、ジシクロヘキシルボランジイソアミルボラン、ジシアミルボラン及び9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)、ジイソピノカンフェイルボラン、カテコールボラン、ピナコールボラン等が挙げられ、反応性の観点から、ジシクロヘキシルボラン及びジイソアミルボランが好ましい。ジアルキルボランの使用量は、反応性の観点から、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)1molに対して、好ましくは2.0〜4.0molである。

0038

ヒドロホウ素化に用いる溶媒は、例えばトルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、4−メチルテトラヒドロピラン、ジエチル=エーテル、ジエチレングリコール=ジメチル=エーテル等のエーテル系溶媒が挙げられ、反応性の観点から、テトラヒドロフラン及びジエチレングリコール=ジメチル=エーテルが好ましい。これらの溶媒は単独で用いても複数の溶媒を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は、反応性の観点から、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)1molに対して、好ましくは100〜3000gである。
ヒドロホウ素化の反応温度は、幾何選択性の観点から、好ましくは−20℃〜30℃である。ヒドロホウ素化の反応時間は、反応温度や反応のスケールによって変動するが、反応性の観点から、好ましくは1〜20時間である。

0039

ヒドロホウ素化に続くプロトン化は、溶媒中、酸を用いて行う。
ヒドロホウ素化に続くプロトン化に用いる酸は、酢酸プロピオン酸酪酸ペンタン酸ピバル酸ヘプタン酸トリフルオロ酢酸クロロ酢酸ギ酸シュウ酸等のカルボン酸p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸硫酸、塩酸、硝酸リン酸等の鉱酸を用いて行うことができ、反応性の観点から、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸が好ましい。酸の使用量は、反応性の観点から、10−ハロ−3,6−デカジイン(1)1molに対して、好ましくは2.0〜20.0molである。
プロトン化に用いる溶媒及びその使用量は、プロトン化はヒドロホウ素化に続いて同一反応系内行われるため、前述の通りである。
プロトン化の反応温度は、用いる試薬により異なるが、反応速度の観点から、好ましくは0℃〜150℃である。プロトン化の反応時間は、反応温度や反応のスケールによって変動するが、反応性の観点から、好ましくは1〜20時間である。

0040

酢酸パラジウム等のパラジウム触媒存在下、水酸化カリウムとN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いる還元反応では、100〜180℃にて6〜100時間反応することが好ましい。

0041

ヒドロシリル化を行いビニルシランを得た後に、脱シリル化する還元反応において、ヒドロシリル化は、ウィルキンソン(Wilkinson)触媒及びトロスト(Trost)触媒等の金属触媒とトリアルキルシランを用いて行う。
ヒドロシリル化は、5〜100℃にて1〜20時間反応することが好ましい。
ヒドロシリル化後の脱シリル化は、ヨウ化水素塩化アセチル、硫酸、塩酸等の酸、四塩化チタン又はヨウ素等を用いて5℃〜80℃にて、1〜20時間反応することが好ましい。

0042

上記一般式(2)で表される(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエンにおけるX1の具体例は、前述の通りである。
(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)としては、(3Z,6Z)−10−クロロ−3,6−デカジエン、(3Z,6Z)−10−ブロモ−3,6−デカジエン、(3Z,6Z)−10−ヨード−3,6−デカジエンが挙げられ、安定性の観点から、(3Z,6Z)−10−クロロ−3,6−デカジエンが好ましい。

0043

次に、(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテート(4)の製造方法について説明する。
(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテート(4)は、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)のハロゲン原子を直接的にアセトキシ基に変換することにより、又は当該ハロゲン原子を水酸基等の他の置換基に変換後間接的にアセトキシ基に変換することにより製造できる。
ハロゲン原子をアセトキシ基に変換する方法としては、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)を酢酸塩とアセトキシ化反応させる方法、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)をアルカリ金属水酸化物と反応させて(3Z,6Z)−3,6−デカジエン−10−オールとした後、アセチル化反応させる方法、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)を金属アルコキシドと反応させた後、強酸によるエーテルの開裂反応を行い、(3Z,6Z)−3,6−デカジエン−10−オールとした後、アセチル化反応させる方法等が挙げられるが、工程数の観点から、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)を酢酸塩とアセトキシ化反応させる方法が好ましい。

0044

まず、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)を下記一般式(3)で表される酢酸塩とアセトキシ化反応させる方法について説明する。

0045

0046

酢酸塩におけるMは、金属原子を表し、リチウムナトリウムカリウム等のアルカリ金属原子が挙げられる。
酢酸塩(3)としては、酢酸リチウム酢酸ナトリウム酢酸カリウムが挙げられ、反応性の観点から、酢酸ナトリウムが好ましい。
アセトキシ化反応に用いる酢酸塩(3)の使用量は、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは1.0〜2.0molである。

0047

アセトキシ化反応に用いる溶媒は、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、4−メチルテトラヒドロピラン、ジエチル=エーテル等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチル=スルホキシド等の極性溶媒が挙げられ、反応性の観点から、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒が好ましい。これらの溶媒は単独で用いても複数の溶媒を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は、反応性の観点から、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)1molに対して、好ましくは20〜2000gである。
アセトキシ化反応における反応温度は、用いる溶媒により異なるが、反応速度の観点から、好ましくは64〜189℃である。アセトキシ化反応における反応時間は、用いる溶媒や反応スケールにより異なるが、収率の観点から、好ましくは1〜35時間である。

0048

(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテート(4)は、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)をアルカリ金属水酸化物と反応させて(3Z,6Z)−3,6−デカジエン−10−オールとした後、アセチル化反応させる方法によっても製造できる。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。アセチル化反応は、常法に従って行うことができる。

0049

また、(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテート(4)は、(3Z,6Z)−10−ハロ−3,6−デカジエン(2)を金属アルコキシドと反応させた後、強酸によるエーテルの開裂反応を行い、(3Z,6Z)−3,6−デカジエン−10−オールとした後、アセチル化反応させる方法によっても製造できる。金属アルコキシドとしては、ナトリウム=tert−ブトキシド、カリウム=tert−ブトキシド等が挙げられる。強酸によるエーテルの開裂反応及びアセチル化反応は、常法に従って行うことができる。

0050

以上のようにして、例えばナツメヤシの重要害虫であるLesser date mothの性フェロモン物質である(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテート(4)を製造することができる。

0051

以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1
<X1がClである10−クロロ−3,6−デカジイン(1A)の製造>
反応器にメチルマグネシウム=クロライド(352.38g、4.73mol)、テトラヒドロフラン(1476g)を入れ、50〜60℃で20分間撹拌した。撹拌後、5−クロロ−1−ペンチン(461.52g、4.50mol)を50〜65℃にて滴下し、滴下終了後60〜65℃にて3時間熟成した。熟成後、内温を55〜60℃として塩化第一銅(4.46g、0.045mol)を添加した後、1−ブロモ−2−ペンチン(628.47g、4.28mol)を50〜60℃で滴下した。滴下終了後、60〜65℃で2時間熟成して、30℃に冷却後3.1重量%塩酸(1927g)を添加することにより反応を停止した。有機層を12重量%塩酸、4重量%アンモニア水溶液洗浄し、減圧下濃縮して残渣を減圧蒸留することにより、10−クロロ−3,6−デカジイン(1A)(bp:96.9〜97.7℃[3mmHg]、662.67g、3.93mol)が収率91.9%で得られた。

0052

10−クロロ−3,6−デカジイン(1A)
核磁気共鳴スペクトル〕1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ1.11(3H,t,J=7.3Hz),1.93(2H,quin−like,J=6.5Hz),2.16(2H,qt,J=7.3,2.3Hz),2.34(2H,tt,J=6.9Hz),3.10(2H,quint−like,J=2.3Hz),3.63(2H,t−like,J=6.5Hz);13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ9.62,12.33,13.82,16.15,31.39,43.69,73.48,75.66,78.34,81.93
マススペクトル〕EI−マススペクトル(70eV):m/z 167(M+−1),153,140,115,105,91,77,41
赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2976,2938,2918,1435,1321,1290,727,654

0053

実施例2
<10−クロロ−3,6−デカジイン(1A)の製造>
反応器にメチルマグネシウム=クロライド(52.35g、0.70mol)、テトラヒドロフラン(218.55g)を入れ、50〜60℃で20分間撹拌した。撹拌後、5−クロロ−1−ペンチン(71.79g、0.70mol)を50〜65℃にて滴下し、滴下終了後60〜65℃にて3時間熟成した。熟成後、内温を55〜60℃として塩化銅第一(0.693g、0.007mol)を添加した後、1−ブロモ−2−ペンチン(102.91g、0.70mol)を50〜60℃で滴下した。滴下終了後、60〜65℃で2時間熟成して、30℃に冷却後3.1重量%塩酸(299.81g)を添加することにより反応を停止した。有機層を12重量%塩酸、4重量%アンモニア水溶液で洗浄し、減圧下濃縮して残渣を減圧蒸留することにより、10−クロロ−3,6−デカジイン(1A)(bp:96.9〜97.7℃[3mmHg]、109.49g、0.65mol)が収率92.7%で得られた。

0054

実施例3
<X1がClである(3Z,6Z)−10−クロロ−3,6−デカジエン(2A)の製造>
反応器に10−クロロ−3,6−デカジイン(145.92g、0.87mol)、Lindlar触媒(0.91g)、キノリン(0.31g、0.0024mol)、ヘキサン(145.92g)を入れ45〜55℃に昇温後、水素を添加した。反応後、反応器内を窒素で置換して水(75g)を添加して洗浄した。水層を分離し、有機層を減圧下濃縮して残渣を減圧蒸留することにより、(3Z,6Z)−10−クロロ−3,6−デカジエン(2A)(bp:78.9℃[3mmHg]、128.33g、0.74mol)が収率85.9%で得られた。

0055

(3Z,6Z)−10−クロロ−3,6−デカジエン(2A)
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ0.98(3H,t,J=7.6),1.84(2H,quint−like,J=7.1),2.08(2H,quint−like,J=7.2),2.23(2H,q−like,J=7.3),2.80(2H,br.t,J=6.9),3.54(2H,t,J=6.9),5.27−5.46(4H,m);13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ14.24,20.52,24.33,25.50,32.33,44.43,126.96,127.80,129.76,132.02
〔マススペクトル〕EI−マススペクトル(70eV):m/z 172(M+),157,143,130,95,81,67,55,41
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 3010,2962,2934,2873,1455,1444,726,654

0056

実施例4
<(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテート(4)の製造>
反応器に(3Z,6Z)−10−クロロ−3,6−デカジエン(127.70g、0.74mol)、酢酸ナトリウム(84.89g、1.04mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(97.61g)を入れ、120〜140℃で8時間撹拌した。その後、反応液を60℃に冷却して、水(333g)を添加し、得られた反応液を分液した。有機層を更に水で洗浄して分液した後、減圧下濃縮して残渣を減圧蒸留することにより、(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテート(4)(bp:98.2〜103.2℃[3mmHg]、130.24g、0.66mol)が収率89.7%で得られた。

実施例

0057

(4Z,7Z)−4,7−デカジエン−1−イル=アセテートの製造(4)
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ0.96(3H,t、J=7.6),1.68(2H,quint−like,J=6.9),2.03(3H,s),2.06(2H,quint−like,J=7.2),2.13(2H,q−like,J=7.1),2.76(2H,br.t,J=6.9),4.05(2H,t,J=6.9),5.24−5.42(4H,m);13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ14.20,20.48,20.91,23.49,25.40,28.42,63.88,126.98,128.36,129.18,131.91,171.08
〔マススペクトル〕EI−マススペクトル(70eV):m/z 196(M+),153,136,121,107,93,79,67,55,43
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 3011,2963,2935,1743,1366,1240,1042,720

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