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課題

非小細胞肺癌細胞での上皮成長因子受容体に様々現れる遺伝子変異に対して耐性を有したときに、効果のある代替抗癌剤を選択するため、低侵襲乃至非侵襲画像診断可能な放射標識された代替抗癌剤の遺伝子変異治療効果予測剤を提供する。

解決手段

代替抗癌剤の治療効果予測剤は、薬剤耐性に対し選択すべき代替抗癌剤が放射性同位体で標識されたものであり、また被代替抗癌剤の薬剤耐性に対し選択すべき前記代替抗癌剤が放射性同位体で標識されたものであることが好ましい。代替抗癌剤の治療効果予測剤は、前記抗癌剤と前記代替抗癌剤とが夫々、上皮成長因子受容体の遺伝子変異による薬剤耐性に対する、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であるというものである。

概要

背景

上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor:EGFR)は種々の癌細胞発現しており、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR Tyrosine Kinase: EGFR−TK)の活性化は細胞増殖関与している。

上皮成長因子受容体は、細胞膜上に存在しており、外部からの刺激で、癌細胞が増殖するのに必要な信号を細胞内に伝達するものである。

癌の増殖等に関与する特定分子攻撃するいわゆる分子標的薬の一つとして、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼを阻害する抗癌剤が、用いられている。

上皮成長因子受容体に上皮成長因子(Epidermal Growth Factor: EGF)が結合すると、受容体が活性化する。活性化した受容体は細胞膜上を移動し、他の受容体に結合して二量体を形成する。二量体を形成すると、細胞内領域にあるチロシンキナーゼ部位は、ATPを利用して、受容体細胞内領域にある特定のチロシン残基リン酸化する。そのチロシン残基がリン酸化されると、細胞内のさまざまなタンパク質次々と活性化するシグナル伝達を起こし、遺伝子増幅や遺伝子異変を惹き起こしたり細胞の機能や構造を惹き起こしたりする。その結果、発癌、癌の増殖、血管新生浸潤転移アポトーシス抑制が起こる。

このとき、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤投与すると、上皮成長因子のチロシンキナーゼのATP結合部位にATPと競合的に結合して、上皮成長因子自己リン酸化を阻害し、シグナル伝達を遮断し、癌を治療することができる。

非小細胞肺癌患者には、上皮成長因子受容体の遺伝子の一部のチロシンキナーゼ部位に変異が認められる相当数の患者がいる。上皮成長因子受容体遺伝子変異は、日本人を含めアジア人種の方が欧米人より多く、男性よりも女性の方が多く、喫煙者より非喫煙者の方が多く、非小細胞肺癌患者の中でも腺癌患者に多く、喫煙者でも腺癌患者の方が多くに、認められる。

上皮成長因子受容体のチロシンキナーゼ阻害剤として、手術不能または再発した非小細胞肺癌(Non-Small Cell Lung Cancer: NSCLC)に対する治療薬であるゲフィチニブ(Gefitinib)、オシメルチニブ(Osimertinib: AZD9291)、エルロチニブ(Erlotinib)、アファチニブ(Afatinib)、ロシレチニブ(Rociletinib)などが、知られている。

例えば、上皮成長因子受容体をコードする遺伝子のうち、エクソン19にコードされるDNA15塩基アミノ酸5残基)が欠損した変異、L858Rの変異、エクソン20にコードされる719番目グリシンセリンアラニンあるいはシステイン置換されたもの(G719X)の三つの変異、特に前者二つの変異が存在すると、上皮成長因子受容体のチロシンキナーゼ阻害剤(例えばゲフィチニブ)は、腫瘍縮小効果を示す。この変異上皮成長因子受容体は、上皮成長因子受容体のATP結合部位に構造変化を起こす結果、リガンドの刺激がなくても恒常的に活性化するようになり、細胞の悪性化に関わる一方、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤への親和性も高まり、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤により癌細胞がアポトーシスを起こし、腫瘍縮小効果を示す。

この型の変異上皮成長因子受容体は、非小細胞肺癌の10%程度に存在し、また非喫煙者、女性、腺癌、東洋人に多く存在する。またこれら上皮成長因子受容体のATP結合部位の変異の内訳をみると、エクソン19の欠失変異が44%、L858Rが41%を占め、その他G719Xや稀な変異が15%程度を占める。

上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブは、上皮成長因子受容体の標的部位でL858R遺伝子変異が起きている非小細胞肺癌患者に対して、L858R変異型受容体に結合して高い治療効果を示す。

しかし、ゲフィチニブが奏効した症例に於いても、数ヶ月から5年程度、通常6〜12箇月程度で、ほぼ例外なく癌細胞が薬剤耐性を獲得し、再発する。薬剤耐性を獲得すると最早ゲフィチニブが効かなくなる。その高頻度耐性獲得因子は、T790M二次的遺伝子変異であり、近年T790M二次的遺伝子変異をターゲットとした上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であるオシメルチニブが承認された。これら上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤は遺伝子変異によって治療効果が大きく変わるため、治療方針を決定する上で遺伝子変異の検査が必須となる。

特許文献1に、Her2又は/及びEGFRの発現又は活性を検出するための検査により被検対象のHer2又は/及びEGFRの発現又は活性を診断し、その結果、Her2又は/及びEGFRが過剰発現又は活性化していると判断された被検対象に対して投与するためのHer2又は/及びEGFR阻害剤が、記載されている。

特許文献2に、被験者から採取された血液サンプル中に、KRAS遺伝子由来核酸又はそのタンパク質が存在するか否か、及び当該血液サンプル中の前記KRAS遺伝子由来核酸又はそのタンパク質が、野生型か変異型かを決定する工程を有するEGFR阻害剤感受性予測方法が、記載されている。

また、特許文献3に、i)上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の増幅のレベル、ii)EGFR遺伝子多染色体性のレベル、iii)チロシンキナーゼ受容体型受容体(HER2)遺伝子の増幅のレベル、およびiv)HER2遺伝子の多染色体性のレベルからなる群から選択される生物マーカーのレベルを患者からの腫瘍細胞サンプルで検出する工程を有するEGFR阻害薬治療的投与が有効である、または有効でないことが予測される癌患者を選択する方法が記載されている。

さらに、特許文献4に、タンパク質受容体リガンド機能的置換物(模倣体)としての小分子有用性を決定する方法が記載されており、多剤耐性(MDR)は癌の有効な治療に対する主な障害であることも記載されている。

非小細胞肺癌細胞には、上皮成長因子受容体に様々な遺伝子変異が現れることから、既に投与されて耐性を生じてしまった被代替抗癌剤に代えて、効果のある代替抗癌剤を選択するための遺伝子変異の検査を行うには、生検が用いられる。生検は採取した組織についてしか情報を得られない。効果のある代替抗癌剤を選択するために複数回生検して調べなければならなかった。生検は侵襲性が高いために、繰り返し再生検することは患者の負担が大きい。

これらの特許文献の方法とは異なり、ポジトロン断層撮影法(Positron emission tomography: PET)や単一光子放射断層撮影法(Single photon emission computed tomography:SPECT)のような画像診断で遺伝子変異が検査できれば、一度に全身を検査することができ、非侵襲的であるため、患者の負担が小さい。また、繰り返し検査することも容易であるため、有用性が高い。従来、これらの画像診断で遺伝子変異を検査し、代替抗癌剤を選択して、その治療効果を予測する方法は、知られていない。

そこで、患者に負担がかかる侵襲的な生検に代わって標識薬剤で低侵襲乃至非侵襲に代替抗癌剤を選択できる治療効果予測剤が求められていた。

概要

非小細胞肺癌細胞での上皮成長因子受容体に様々現れる遺伝子変異に対して耐性を有したときに、効果のある代替抗癌剤を選択するため、低侵襲乃至非侵襲で画像診断可能な放射標識された代替抗癌剤の遺伝子変異治療効果予測剤を提供する。代替抗癌剤の治療効果予測剤は、薬剤耐性に対し選択すべき代替抗癌剤が放射性同位体で標識されたものであり、また被代替抗癌剤の薬剤耐性に対し選択すべき前記代替抗癌剤が放射性同位体で標識されたものであることが好ましい。代替抗癌剤の治療効果予測剤は、前記抗癌剤と前記代替抗癌剤とが夫々、上皮成長因子受容体の遺伝子変異による薬剤耐性に対する、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であるというものである。なし

目的

本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、非小細胞肺癌細胞での上皮成長因子受容体に様々現れる遺伝子変異に対して耐性を有したときに、効果のある代替抗癌剤を選択するため、低侵襲乃至非侵襲で画像診断可能な放射標識された代替抗癌剤の治療効果予測剤を提供する

効果

実績

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請求項1

薬剤耐性に対し選択すべき代替抗癌剤放射性同位体で標識されたものであることを特徴とする代替抗癌剤の治療効果予測剤。

請求項2

被代替抗癌剤の薬剤耐性に対し選択すべき前記代替抗癌剤が放射性同位体で標識されたものであることを特徴とする請求項1に記載の代替抗癌剤の治療効果予測剤。

請求項3

前記被代替抗癌剤と前記代替抗癌剤とが夫々、上皮成長因子受容体遺伝子変異による薬剤耐性に対する、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であることを特徴とする請求項2に記載の代替抗癌剤の治療効果予測剤。

請求項4

前記被代替抗癌剤がゲフィチニブであり、前記代替抗癌剤がオシメルチニブエルロチニブ、アファチニブ、又はロシレチニブであることを特徴とする請求項2〜3の何れかに記載の代替抗癌剤の治療効果予測剤。

請求項5

前記代替抗癌剤の芳香環又は複素芳香環にて前記放射性同位体で置換されて標識されたものであり、若しくは前記放射性同位体で置換されて標識された保護基で保護されたものであることを特徴とする請求項4に記載の代替抗癌剤の治療効果予測剤。

請求項6

前記放射性同位体が、放射性ヨウ素放射性臭素放射性フッ素放射性テクネチウム、放射性タリウム放射性ガリウム、放射性インジウム放射性キセノン、及び放射性炭素から選ばれる何れかの放射性核種を含んでいることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の代替抗癌剤の治療効果予測剤。

請求項7

前記代替抗癌剤がオシメルチニブであり、下記化学式(I)(式(I)中、Xは前記放射性同位体であって123I、124I、125I、131I、76Br、77Br、及び18Fから選ばれる何れかの放射性核種を含んでいる)で表わされるものであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の代替抗癌剤の治療効果予測剤。

請求項8

画像診断薬であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の代替抗癌剤の治療効果予測剤。

請求項9

経口投与剤、又は注射剤であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の代替抗癌剤の治療効果予測剤。

技術分野

0001

本発明は、抗癌剤投与により、遺伝子変異を生じて癌細胞薬剤耐性を獲得したときに、その遺伝子変異に応じて次に使用可能な代替抗癌剤の治療効果予測する薬剤に関するものである。

背景技術

0002

上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor:EGFR)は種々の癌細胞で発現しており、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR Tyrosine Kinase: EGFR−TK)の活性化は細胞増殖関与している。

0003

上皮成長因子受容体は、細胞膜上に存在しており、外部からの刺激で、癌細胞が増殖するのに必要な信号を細胞内に伝達するものである。

0004

癌の増殖等に関与する特定分子攻撃するいわゆる分子標的薬の一つとして、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼを阻害する抗癌剤が、用いられている。

0005

上皮成長因子受容体に上皮成長因子(Epidermal Growth Factor: EGF)が結合すると、受容体が活性化する。活性化した受容体は細胞膜上を移動し、他の受容体に結合して二量体を形成する。二量体を形成すると、細胞内領域にあるチロシンキナーゼ部位は、ATPを利用して、受容体細胞内領域にある特定のチロシン残基リン酸化する。そのチロシン残基がリン酸化されると、細胞内のさまざまなタンパク質次々と活性化するシグナル伝達を起こし、遺伝子増幅や遺伝子異変を惹き起こしたり細胞の機能や構造を惹き起こしたりする。その結果、発癌、癌の増殖、血管新生浸潤転移アポトーシス抑制が起こる。

0006

このとき、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤を投与すると、上皮成長因子のチロシンキナーゼのATP結合部位にATPと競合的に結合して、上皮成長因子自己リン酸化を阻害し、シグナル伝達を遮断し、癌を治療することができる。

0007

非小細胞肺癌患者には、上皮成長因子受容体の遺伝子の一部のチロシンキナーゼ部位に変異が認められる相当数の患者がいる。上皮成長因子受容体遺伝子変異は、日本人を含めアジア人種の方が欧米人より多く、男性よりも女性の方が多く、喫煙者より非喫煙者の方が多く、非小細胞肺癌患者の中でも腺癌患者に多く、喫煙者でも腺癌患者の方が多くに、認められる。

0008

上皮成長因子受容体のチロシンキナーゼ阻害剤として、手術不能または再発した非小細胞肺癌(Non-Small Cell Lung Cancer: NSCLC)に対する治療薬であるゲフィチニブ(Gefitinib)、オシメルチニブ(Osimertinib: AZD9291)、エルロチニブ(Erlotinib)、アファチニブ(Afatinib)、ロシレチニブ(Rociletinib)などが、知られている。

0009

例えば、上皮成長因子受容体をコードする遺伝子のうち、エクソン19にコードされるDNA15塩基アミノ酸5残基)が欠損した変異、L858Rの変異、エクソン20にコードされる719番目グリシンセリンアラニンあるいはシステイン置換されたもの(G719X)の三つの変異、特に前者二つの変異が存在すると、上皮成長因子受容体のチロシンキナーゼ阻害剤(例えばゲフィチニブ)は、腫瘍縮小効果を示す。この変異上皮成長因子受容体は、上皮成長因子受容体のATP結合部位に構造変化を起こす結果、リガンドの刺激がなくても恒常的に活性化するようになり、細胞の悪性化に関わる一方、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤への親和性も高まり、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤により癌細胞がアポトーシスを起こし、腫瘍縮小効果を示す。

0010

この型の変異上皮成長因子受容体は、非小細胞肺癌の10%程度に存在し、また非喫煙者、女性、腺癌、東洋人に多く存在する。またこれら上皮成長因子受容体のATP結合部位の変異の内訳をみると、エクソン19の欠失変異が44%、L858Rが41%を占め、その他G719Xや稀な変異が15%程度を占める。

0011

上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブは、上皮成長因子受容体の標的部位でL858R遺伝子変異が起きている非小細胞肺癌患者に対して、L858R変異型受容体に結合して高い治療効果を示す。

0012

しかし、ゲフィチニブが奏効した症例に於いても、数ヶ月から5年程度、通常6〜12箇月程度で、ほぼ例外なく癌細胞が薬剤耐性を獲得し、再発する。薬剤耐性を獲得すると最早ゲフィチニブが効かなくなる。その高頻度耐性獲得因子は、T790M二次的遺伝子変異であり、近年T790M二次的遺伝子変異をターゲットとした上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であるオシメルチニブが承認された。これら上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤は遺伝子変異によって治療効果が大きく変わるため、治療方針を決定する上で遺伝子変異の検査が必須となる。

0013

特許文献1に、Her2又は/及びEGFRの発現又は活性を検出するための検査により被検対象のHer2又は/及びEGFRの発現又は活性を診断し、その結果、Her2又は/及びEGFRが過剰発現又は活性化していると判断された被検対象に対して投与するためのHer2又は/及びEGFR阻害剤が、記載されている。

0014

特許文献2に、被験者から採取された血液サンプル中に、KRAS遺伝子由来核酸又はそのタンパク質が存在するか否か、及び当該血液サンプル中の前記KRAS遺伝子由来核酸又はそのタンパク質が、野生型か変異型かを決定する工程を有するEGFR阻害剤感受性予測方法が、記載されている。

0015

また、特許文献3に、i)上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の増幅のレベル、ii)EGFR遺伝子多染色体性のレベル、iii)チロシンキナーゼ受容体型受容体(HER2)遺伝子の増幅のレベル、およびiv)HER2遺伝子の多染色体性のレベルからなる群から選択される生物マーカーのレベルを患者からの腫瘍細胞サンプルで検出する工程を有するEGFR阻害薬治療的投与が有効である、または有効でないことが予測される癌患者を選択する方法が記載されている。

0016

さらに、特許文献4に、タンパク質受容体リガンド機能的置換物(模倣体)としての小分子有用性を決定する方法が記載されており、多剤耐性(MDR)は癌の有効な治療に対する主な障害であることも記載されている。

0017

非小細胞肺癌細胞には、上皮成長因子受容体に様々な遺伝子変異が現れることから、既に投与されて耐性を生じてしまった被代替抗癌剤に代えて、効果のある代替抗癌剤を選択するための遺伝子変異の検査を行うには、生検が用いられる。生検は採取した組織についてしか情報を得られない。効果のある代替抗癌剤を選択するために複数回生検して調べなければならなかった。生検は侵襲性が高いために、繰り返し再生検することは患者の負担が大きい。

0018

これらの特許文献の方法とは異なり、ポジトロン断層撮影法(Positron emission tomography: PET)や単一光子放射断層撮影法(Single photon emission computed tomography:SPECT)のような画像診断で遺伝子変異が検査できれば、一度に全身を検査することができ、非侵襲的であるため、患者の負担が小さい。また、繰り返し検査することも容易であるため、有用性が高い。従来、これらの画像診断で遺伝子変異を検査し、代替抗癌剤を選択して、その治療効果を予測する方法は、知られていない。

0019

そこで、患者に負担がかかる侵襲的な生検に代わって標識薬剤で低侵襲乃至非侵襲に代替抗癌剤を選択できる治療効果予測剤が求められていた。

先行技術

0020

国際公開第2003/101491号
国際公開第2014/148557号
特開2013−5800号公報
特表2010−508836号公報

発明が解決しようとする課題

0021

本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、非小細胞肺癌細胞での上皮成長因子受容体に様々現れる遺伝子変異に対して耐性を有したときに、効果のある代替抗癌剤を選択するため、低侵襲乃至非侵襲で画像診断可能な放射標識された代替抗癌剤の治療効果予測剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0022

前記の目的を達成するためになされた代替抗癌剤の治療効果予測剤は、薬剤耐性に対し選択すべき代替抗癌剤が放射性同位体で標識されたものである。

0023

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、被代替抗癌剤の薬剤耐性に対し選択すべき前記代替抗癌剤が放射性同位体で標識されたものであることが好ましい。

0024

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、前記被代替抗癌剤と前記代替抗癌剤とが夫々、上皮成長因子受容体の遺伝子変異による薬剤耐性に対する、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であるというものである。

0025

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、前記被代替抗癌剤がゲフィチニブであり、前記代替抗癌剤がオシメルチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、又はロシレチニブであることが好ましい。

0026

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、例えば、前記代替抗癌剤の芳香環又は複素芳香環にて前記放射性同位体で置換されて標識されたものであり、若しくは前記放射性同位体で置換されて標識された保護基で保護されたものである。

0027

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、前記放射性同位体が、例えば放射性ヨウ素放射性臭素放射性フッ素放射性テクネチウム、放射性タリウム放射性ガリウム、放射性インジウム放射性キセノン、及び放射性炭素から選ばれる何れかの放射性核種を含んでいるというものである。

0028

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、例えば、前記代替抗癌剤がオシメルチニブであり、下記化学式(I)



(式(I)中、Xは前記放射性同位体であって123I、124I、125I、131I、76Br、77Br、及び18Fから選ばれる何れかの放射性核種を含んでいる)で表わされるものである。

0029

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、画像診断薬として用いられる。

0030

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、例えば経口投与剤、又は注射剤として投与される。

発明の効果

0031

本発明の代替抗癌剤の治療効果予測剤は、抗癌剤の使用によって獲得した薬剤耐性、とりわけ上皮成長因子受容体に様々な遺伝子変異が現れてゲフィチニブのような上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤の使用によって獲得した薬剤耐性に対し、遺伝子変異の検査をして、如何なる遺伝子変異が起こっており如何なる治療が効果的かを予測することができる。また、この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、遺伝子変異に対し、さらに次に選択すべきオシメルチニブのような代替抗癌剤の有効性を、信頼性高く、確実かつ短時間で正確に予測することができる。

0032

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、被代替抗癌剤の使用に対して耐性を生じた患者に投与して、代替抗癌剤の放射標識された治療効果予測剤中の放射性同位体をポジトロン断層撮影法や単一光子放射断層撮影法などの放射線検出器で検出して画像化し、局所部位乃至全身を検査して、画像に基づいて診断するイメージングプローブとして用いることができる。そのためこの代替抗癌剤の治療効果予測剤を用いれば、腫瘍組織、例えば腫瘍の癌原発巣の癌細胞、転移しつつある微小癌転移組織又は転移してしまった転移組織、腫瘍による新生血管で、代替抗癌剤の有効性を視覚的に確認できる。

0033

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、次に選択する代替抗癌剤の本来の薬効作用メカニズムを害することなく放射性同位体で標識したものであるから、代替抗癌剤の薬効作用、例えば腫瘍組織上の上皮成長因子のチロシンキナーゼのATP結合部位にATPと競合的に結合して上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害作用を有したまま、放射性同位体により有効性の予測を行うことができる。

0034

この治療効果予測剤によれば、代替抗癌剤である薬剤を直接、放射性同位体で標識して有効性を予測できるので、Her2又は/及びEGFRの発現又は活性を診断したり、KRAS遺伝子由来核酸又はそのタンパク質の存在を調べたり、EGFR遺伝子の増幅のレベル等を測定したりする従来の面倒な工程を必要としない。

0035

この治療効果予測剤によれば、抵侵襲性乃至非侵襲性で生検無しに、全身について代替抗癌剤の治療の有効性を予測でき、癌患者の負担が極めて少なく、しかも安全であり必要に応じて繰返し検査することも可能であって、有用性が高い。

0036

以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。

0037

本発明の代替抗癌剤の治療効果予測剤は、被代替抗癌剤の薬剤耐性に対し次に選択すべき代替抗癌剤が放射性同位体、例えば放射性ヨウ素(123I,124I,125I,131I)、放射性臭素(76Br,77Br)、放射性フッ素(18F)、放射性テクネチウム(99mTc)、放射性タリウム(201Tl)、放射性ガリウム(67Ga)、放射性インジウム(111In)、放射性キセノン(133Xe)、又は放射性炭素(11C)の放射性核種を含んで標識されたものである。

0038

中でも、放射性同位体として、123Iは半減期が13.2時間でSPECT用核種であり、76Brは半減期が16.2時間でPET用核種である。それらの代用核種として、半減期が長く取扱が容易な125Iは半減期が59.4日、77Brは半減期が57.0時間の核種である。

0039

代替抗癌剤の治療効果予測剤は、被代替抗癌剤が上皮成長因子受容体の遺伝子変異による薬剤耐性を起こした上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であり、その薬剤耐性に対する代替抗癌剤が次に選択すべき別な上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤の候補である。特に、下記化学式で示すように、被代替抗癌剤がゲフィチニブ(I)であり、代替抗癌剤がオシメルチニブ(II)、エルロチニブ(III)、アファチニブ(IV)、又はロシレチニブ(V)、中でもオシメルチニブ(II)であることが好ましい。

0040

0041

代替抗癌剤の治療効果予測剤は、代替抗癌剤自体をリード化合物として、その親和性を保つために、基本骨格化学構造を大きく変えず、かつ簡易かつ迅速に放射性ハロゲンのような放射性同位体を導入したものである。

0042

代替抗癌剤の治療効果予測剤は、例えば代替抗癌剤がオシメルチニブの場合、インドール環の4〜7位好ましくは5位に放射性ハロゲンのような放射性同位体を導入したものであると、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害の薬効を維持しつつ、放射線放出能を確保できる。

0043

代替抗癌剤の治療効果予測剤は、オシメルチニブ以外の代替抗癌剤の場合でも、芳香環や複素環に放射性ハロゲンのような放射性同位体を導入して標識したり、フッ素塩素のようなハロゲンを放射性ハロゲンのような放射性同位体に置換して標識したりして、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害の薬効を維持しつつ、放射線放出能を確保できる。

0044

このような被代替抗癌剤も代替抗癌剤も、遺伝子変異により上皮成長因子受容体のチロシンキナーゼのATP結合部位にATPと競合的に結合するものである。上皮成長因子受容体の遺伝子変異の種類によって治療効果が大きく変わるため治療方針を決定する上で遺伝子変異の検査が必須となるが、代替抗癌剤の治療効果予測剤を用いれば、その代替抗癌剤が効くような遺伝子変異例えばT790M二次的遺伝子変異となっているかの状態を間接的に検知して、適切な代替抗癌剤、例えばT790M二次的遺伝子変異に対応可能なオシメルチニブを選択する最適な治療方針を決定することも可能である。

0045

代替抗癌剤の治療効果予測剤は、例えば代替抗癌剤がオシメルチニブであり代替抗癌剤の治療効果予測剤がそれの放射性ハロゲン置換体である場合、始発原料として5位に非放射性ハロゲンで置換したインドールを用い、非放射性ハロゲン置換オシメルチニブを合成し、ハロゲン基有機スズで置換しN-クロロスクシンイミド(NCS)存在下で放射性ヨウ素イオン(123I−又は125I−)若しくは放射性臭素イオン(76Br−又は77Br−)で置換するというものである。代替抗癌剤が他のものであっても、同様に始発原料として非放射性ハロゲン置換体を用い、ハロゲン置換代替抗癌剤を合成し、最後にハロゲン基を放射性同位体に置換することにより、標識した代替抗癌剤として合成することができる。始発原料として、放射性同位体で置換してある原料化合物を用いて、放射性同位体を導入し標識した代替抗癌剤を合成してもよく、中間体の段階で放射性同位体に置換又は導入してから標識した代替抗癌剤を合成してもよい。

0046

代替抗癌剤の治療効果予測剤が、オシメルチニブの放射性ハロゲン置換体である場合、例えば、以下のようにして標識した代替抗癌剤を合成できる。5-フルオロ-2-ニトロフェノールを原料とし、そのフェノール性水酸基メチル化した後、ニトロ基アミノ基に還元し、4位をニトロ化し、アミノ基をBoc基で保護し、フッ素基をN,N,N’−トリメチルエチレンジアミンでN置換し、ニトロ基をアミノ基に還元しそのアミノ基を塩化アクイルアミド化し、Bocを脱保護して、第一の中間体とする。5-ハロゲノインドール(例えば5-ヨードインドール又は5-ブロモインドール)をN-メチル化し、2,4-ジクロロピリミジンで2-クロピリミジン-6-イル化し、第二の中間体とする。この第二の中間体のクロロ基に、第一の中間体の1級アミノ基を反応させ、インドール環のハロゲノ基ビス(トリブチルスズ)と反応させスズ化合物とし、最後に放射性ハロゲンイオン(例えば123I−,125I−,76Br−又は77Br−)と反応させスズ−放射性ハロゲン交換させて、標識した代替抗癌剤を合成して、代替抗癌剤の治療効果予測剤を得る。

0047

代替抗癌剤の治療効果予測剤は、画像診断薬の用途に用いることができ、経口投与剤、又は注射剤として、投与される。

0048

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、放射性同位体で置換されて標識された代替抗癌剤を有効成分として含有し、必要に応じ、非毒性で不活性の薬学的に許容しうる賦形剤、例えば固体状半固体状もしくは液状の希釈剤分散剤充填剤及び担体と混合することにより、製剤化されている。さらに安定剤、保存剤pH調整剤結合剤崩壊剤界面活性剤滑沢剤流動性促進剤、矯味剤着色剤香料防腐剤媒質生理食塩水、別な薬効を有する薬剤が添加剤として含まれていてもよい。

0049

この代替抗癌剤の治療効果予測剤の剤形は、例えばエリキシル剤カプセル剤顆粒剤丸剤軟膏懸濁剤液剤、腸溶剤乳剤硬膏剤坐剤散剤錠剤シロップ剤、注射剤、トローチ剤軟膏剤ハップ剤リニメント剤リモナーデ剤ローション剤が挙げられる。液状媒体に溶解させてもよく懸濁させてもよく、固体状媒体に分散させたものであってもよい。

0050

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、経口で投与してもよく、静脈注射点滴で投与してもよく、腫瘍組織近傍に直接注入してもよい。

0051

この代替抗癌剤の治療効果予測剤中、放射性同位体で置換されて標識された代替抗癌剤は、トレーサ量という薬理作用を示さないごく微量の化学量で標識し、精製後、投与するというものである。

0052

この代替抗癌剤の治療効果予測剤の投与量、用量は、放射性同位体で置換されて標識された代替抗癌剤である有効成分の有効性、投与の形態・経路、癌の進行ステージ、患者の体型・体重・年齢、併用する他の疾患の治療薬の種類や量に応じ、適宜選択される。

0053

この代替抗癌剤の治療効果予測剤は、以下のように使用される。癌患者は、一次選択薬である抗癌剤等の薬剤が投与されている。例えば、手術不能または再発した非小細胞肺癌患者に、上皮成長因子受容体のATP結合部位に構造変化を起こして上皮成長因子受容体遺伝子のL858R変異陽性局所進行または転移を有した非小細胞肺癌を対象とする一次選択薬としてゲフィチニブが投与される。ゲフィチニブは分子標的薬としてL858R変異型受容体に結合して、癌細胞を増殖するシグナル伝達を抑え、高い治療効果を示すので、安全性が高く、抗癌作用に優れている。しかし、ゲフィチニブの使用によって、上皮成長因子受容体のATP結合部位に更なる構造変化が起こり、例えばT790M二次的遺伝子変異を起こして、数ヶ月〜5年程度(通常、1年〜1年半)で耐性を獲得するようになり、ゲフィチニブが効かなくなる。T790M二次的遺伝子変異を起こしていれば、代替抗癌剤である二次選択薬としてオシメルチニブが使用できる。なお、他の二次的遺伝子変異を起こしていれば、二次選択薬として、エルロチニブ、アファチニブ、又はロシレチニブを使用できる。

0054

従来、その代替抗癌剤に効果があるか否かは、生検で組織を採取して確認しなければならなかったが、本発明の代替抗癌剤の治療効果予測剤によれば、生検を行う必要がなく、画像診断で、代替抗癌剤に効果があるか否かを確認できる。その診断方法は、以下の通りである。代替抗癌剤の有効性を検査すべき非小細胞肺癌患者に、代替抗癌剤の治療効果予測剤を静脈注射、経口投与、腫瘍組織への直接投与、中でも好ましくは静脈注射で投与する。すると、治療効果予測剤である放射性同位体で標識されたオシメルチニブが、速やかに血液を介して全身に分布され、腫瘍組織、例えば腫瘍の癌原発巣の癌細胞、転移しつつある微小癌転移組織又は転移してしまった転移組織、腫瘍による新生血管の上皮成長因子受容体上のT790M二次的遺伝子変異に特異的に結合する。このとき、放射性同位体の放射能をポジトロン断層撮影法:PETや単一光子放射断層撮影法SPECTで画像化すると、腫瘍組織に治療効果予測剤が集積しているか否か、即ち代替抗癌剤が治療効果を発現するか否かを、可視的に診断することができる。

0055

以下に、本発明の代替抗癌剤の治療効果予測剤を調製し、その有用性について、実証した例を示す。

0056

先ず、一次選択薬の被代替抗癌剤のゲフィチニブに対する二次選択薬となるオシメルチニブと、リード化合物となる代替抗癌剤とし、代替抗癌剤の治療効果予測剤として放射性同位体で標識した代替抗癌剤を、以下のようにして合成した。

0057

代替抗癌剤の治療効果予測剤は、代替抗癌剤オシメルチニブ自体をリード化合物として、その親和性を保つために、化学構造の基本骨格を変えず、かつ簡易かつ迅速に放射性同位体を置換して導入して、放射性同位体で標識した代替抗癌剤としたものである。放射性同位体として、123I(SPECT用核種)、76Br(PET用核種)を用いることが好ましいが、123I、76Brの代替核種として半減期が長く、取扱が容易な125I、77Brを用いて合成を行った。

0058

代替抗癌剤の治療効果予測剤として放射性同位体で標識した代替抗癌剤の合成は、下記化学反応式[1]〜[2]に示す方法で行った。また得られた治療効果予測剤は、有効性試験に用いた。その合成の詳細は以下の通りである。

0059

0060

0061

(実施例1)
(化合物(1):4-Fluoro-2-methoxy-1-nitrobenzene (1)の合成)
5-フルオロ-2-ニトロフェノール(5-fluoro-2-nitrophenol)(3.00 g, 19.1 mmol)をアセトン(42.0 mL)に溶解させ、氷冷下で撹拌しながらヨウ化メチル(2.37 mL, 38.2 mmol)を滴下し、炭酸カリウム(5.30 g, 38.2 mmol)を加えた。室温で50時間撹拌させた後、溶媒減圧留去し、酢酸エチルに溶解させ、蒸留水洗浄した。有機層飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することで3.00 gの化合物(1)を得た(収率94%)。

0062

(化合物(2):4-Fluoro-2-methoxyaniline (2)の合成)
化合物(1) (1.10 g, 6.43 mmol)をメタノール(30.0 mL)に溶解させ、10% Pd/C (55.0 mg)を加えた。水素雰囲気下、室温で22時間撹拌させた後、セライト濾過し、濾液を減圧留去することで877 mgの化合物(2)を得た(収率97%)。

0063

(化合物(3):4-Fluoro-2-methoxy-5-nitroaniline (3)の合成)
化合物(2) (551 mg, 3.90 mmol)をジクロロメタン(39.0 mL)に溶解させ、氷冷下で撹拌しながら濃硫酸(1.85 mL)を滴下した後、濃硝酸(267 μL, 5.85 mmol)を滴下した。氷冷下で3時間撹拌させた後、飽和重曹水をpH8になるまで加えた。飽和重曹水で洗浄した後、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧留去することで675 mgの化合物(3)を得た(収率93%)。

0064

(化合物(4):tert-Butyl (4-fluoro-2-methoxy-5-nitrophenyl)carbamate (4)の合成)
中国特許出願公開第104817541号明細書に従い、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(N,N-dimetyl-4-aminopyridine)存在下、化合物(3)と(Boc)2Oとを反応させ、化合物(4)を合成した。

0065

(化合物(5): tert-Butyl(4-((2-(dimethylamino)ethyl)(methyl)amino)-2-methoxy-5-nitrophenyl)carbamate (5)の合成)
中国特許出願公開第104817541号明細書に従い、K2CO3存在下、化合物(4)とN,N,N'-トリメチルエチレンジアミン(N,N,N'-trimethylethylenediamine)とを反応させ、化合物(5)を合成した。

0066

(化合物(6): tert-Butyl (5-amino-4-((2-(dimethylamino)ethyl)(methyl)amino)-2-methoxyphenyl)carbamate (6)の合成)
中国特許出願公開第104817541号明細書に従い、Pd/C存在下、化合物(5)をH2で接触還元し、化合物(6)を合成した。

0067

(化合物(7):tert-Butyl (5-acrylamido-4-((2-(dimethylamino)ethyl)(methyl)amino)-2-methoxyphenyl)carbamate (7)の合成)
中国特許出願公開第104817541号明細書に従い、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(N,N-diisopropylethylamine)存在下、化合物(6)と塩化アクリロイルとを反応させ、化合物(7)を合成した。

0068

(化合物(8):N-(5-Amino-2-((2-(dimethylamino)ethyl)(methyl)amino)-4-methoxyphenyl)acrylamide (8)の合成)
中国特許出願公開第104817541号明細書に準じ、トリフルオロ酢酸存在下で加水分解して、化合物(8)を合成した。

0069

(化合物(9):5-Iodo-1-methyl-indole (9)の合成)
粉末状の水酸化カリウム(1.85 g, 32.9 mmol)をジメチルスルホキシド(DMSO) (26.9 mL)に溶解させ、撹拌しながら5-ヨードインドール(5-Iodoindole) (2.00 g, 8.23 mmol)を加えた。窒素雰囲気下、室温で30分間撹拌した。撹拌しながらヨウ化メチル(1.03 mL, 16.5 mmol)を滴下した後、室温で2時間撹拌した。蒸留水を10.0 mL加え、1時間撹拌した。ジエチルエーテルで抽出した後、蒸留水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧留去することで2.20 gの橙色の固体を得た(1H NMRから化合物9:水 = 1:0.51、収率100%)。

0070

(化合物(10):5-Bromo-1-methyl-indole (10)の合成)
化合物(10)の合成は、化合物(9)の合成における5-Iodoindoleを5-ブロモインドール(5-Bromoindole)に代えたこと以外は同様な方法で行った(収率96%)。

0071

(化合物(11):3-(2-Chloropyrimidin-4-yl)-5-iodo-1-methyl-indole (11)の合成)
2,4-Dichloropyrimidine (1.47 g, 9.88 mmol)をエチレングリコールジメチルエーテル(7.60 mL)に溶解させ、粉末状の塩化アルミニウム(659 mg, 4.94 mmol)を加え、室温で15分間撹拌した。化合物(9) (1.27 g, 4.94 mmol)を加え、80 ℃で4時間撹拌した。室温まで冷ました後に、撹拌しながら蒸留水を3.00 mL滴下した。酢酸エチルで抽出し、蒸留水と飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧留去し、少量のジクロロメタンで再溶解させ、ジエチルエーテルを徐々に加え、生じた結晶回収し、1.00 gの化合物(11)を得た(収率55%)。

0072

(化合物(12):5-Bromo-3-(2-chloropyrimidin-4-yl)-1-methyl-indole (12)の合成)
化合物(12)の合成は、化合物(11)の合成における化合物(9)を化合物(10)に代えたこと以外は同様な方法で行った(収率82%)。

0073

(化合物(13):N-(2-((2-(Dimethylamino)ethyl)(methyl)amino)-5-((4-(5-iodo-1-methyl-indol-3-yl)pyrimidin-2-yl)amino)-4-methoxyphenyl)acrylamide (13)の合成)
化合物(8)のトリフルオロ酢酸塩(1.20 g, 1.07 mmol)を1-ブタノール(10.0 mL)に溶解させ、化合物11 (395 mg, 1.07 mmol)とp-トルエンスルホン酸一水和物(407 mg, 2.14 mmol)を加えた。100 ℃で4時間撹拌した。室温まで冷まし、pH8になるまで飽和重曹水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧留去した。その後、ジクロロメタン:メタノール(10:1)を溶出溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーに付し、196 mgの化合物(13)を得た(収率29%)。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 2.12-2.41 (m, 8 H), 2.71 (s, 3 H), 2.82-2.99 (m, 2 H), 3.89 (s, 3 H), 3.98 (s, 3 H), 5.65-5.76 (m, 1H), 6.22-6.55 (m, 2 H), 6.80 (s, 1H), 7.12 (d, J = 5.6 Hz, 1 H), 7.17 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 7.53 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.74 (s, 1 H), 8.37 (s, 1 H), 8.40 (d, J = 5.2 Hz, 1 H), 9.10 (s, 1 H), 9.82 (s, 1 H), 10.17 (s, 1 H).
MS (ESI+) (calcd for C28H33IN7O2 [M+H]+): m/z = 626.2 found: 626.3.

0074

(化合物(13): N-(5-((4-(5-Bromo-1-methyl-indol-3-yl)pyrimidin-2-yl)amino)-2-((2-(dimethylamino)ethyl)(methyl)amino)-4-methoxyphenyl)acrylamide (14)の合成)
化合物(8) (20.0 mg, 68.0 μmol)を1-ブタノール(680 μL)に溶解させ、化合物(12) (22.0 mg, 68.0 μmol)とp-トルエンスルホン酸一水和物(25.9 mg, 136 μmol)を加えた。100 ℃で4時間撹拌した。室温まで冷まし、pH8になるまで飽和重曹水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧留去した。その後、ジクロロメタン:メタノール(10:1)を溶出溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーに付し、19.7 mgの化合物(13)を得た(収率50%)。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 2.27 (s, 6 H), 2.30 (t, J = 5.6 Hz, 2 H), 2.70 (s, 3 H), 2.90 (t, J = 5.6 Hz, 2 H), 3.89 (s, 3 H), 3.97 (s, 3 H), 5.70 (dd, J = 8.4, 2.8 Hz, 1H), 6.34-6.50 (m, 2 H), 6.80 (s, 1H), 7.11 (d, J = 4.8 Hz, 1 H), 7.24 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 7.35 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 7.74 (s, 1 H), 8.17 (s, 1 H), 8.39 (d, J = 4.8 Hz, 1 H), 9.08 (s, 1 H), 9.81 (s, 1 H), 10.15 (s, 1 H).
MS (ESI+) (calcd for C28H33BrN7O2 [M+H]+): 578.2, 580.2 found: m/z = 578.3, 580.3.

0075

(化合物(15):
N-(2-((2-(Dimethylamino)ethyl)(methyl)amino)-4-methoxy-5-((4-(1-methyl-5-(tributylstannyl)-indol-3-yl)pyrimidin-2-yl)amino)phenyl)acrylamide (15)の合成
化合物13 (89.4 mg, 143 μmol)を無水ジオキサン(7.15 mL)に溶解させ、ビス(トリブチルスズ) (182 mg, 314 μmol)とビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(20.1 mg, 28.6 μmol)を加えた。窒素雰囲気下、60 ℃で6時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、メタノールに再溶解させ、逆相HPLCにて精製することにより、7.20 mgの化合物(15)を得た(収率6.4%)。逆相HPLCは、Cosmosil 5C18-MS (20 × 250 mm)カラムを用いて、0.05%のトリエチルアミンを含有するメタノール:水=95:5から20分で100:0へ変換するグラジエント法にて、流速18 mL/minの条件で行った。
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 0.90 (t, J = 7.2 Hz, 9 H), 1.12 (t, J = 8.4 Hz, 6 H), 1.31-1.43 (m, 6 H), 1.52-1.66 (m, 6 H), 2.23-2.30 (m, 8 H), 2.71 (s, 3 H), 2.89 (t, J = 6.0 Hz, 2 H), 3.89 (s, 3 H), 3.99 (s, 3 H), 5.70 (dd, J = 9.6, 1.6 Hz, 1H), 6.31-6.51 (m, 2 H), 6.80 (s, 1H), 7.20 (d, J = 5.6 Hz, 1 H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.73 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 8.40 (d, J = 5.2 Hz, 1 H), 9.09 (s, 1 H), 9.86 (s, 1 H), 10.18 (s, 1 H).
MS (ESI+) (calcd for C40H59N7O2Sn [M+H]+): m/z = 790.4 found: 790.5.

0076

(化合物(16):
N-(2-((2-(Dimethylamino)ethyl)(methyl)amino)-4-methoxy-5-((4-(1-methyl-5-(125iodo)-indol-3-yl)pyrimidin-2-yl)amino)phenyl)acrylamide (16)の合成
化合物(15) (50.0 μg, 63.4 nmol)をアセトニトリル(5 μL)に溶解させ、1%の酢酸を含有するアセトニトリル(10 μL)を加え、[125I]NaI溶液(2 μL)を加えた後、NCS/アセトニトリル(1 mg/mL, 15 μL)を加えた。80℃で15 min撹拌した後、NaHSO3/H2O (1 mg/mL, 15 μL)を加え反応を停止した。逆相HPLCで精製することにより、125I標識の代替抗癌剤の治療効果予測剤として、放射性同位体で標識した化合物(16)を合成した。
125I置換の治療効果予測剤の逆相HPLCによる分析並びに精製として、Cosmosil 5C18-MS-II (4.6 × 150 mm)カラムを使用し、移動相は0.05%のトリエチルアミンを含有するメタノールと0.05%のトリエチルアミンを含有する水との80:20〜100:0での0〜20minのグラジエント法にて、流速1.0 mL/min、温度40℃の条件で行ったところ、放射化学的収率が43.6%で放射化学的純度が98.1%であった。また、125I標識の化合物(16)と125I非標識でI置換体の化合物(13)の逆相HPLCによる分析と比較して、同じリテンションタイムに夫々単一の溶出ピークが検出され、化合物(16)であることが確認された。

0077

なお、77Br標識の化合物(17)も同様にして合成することが可能である。

0078

安定性試験
125I標識の治療効果予測剤である化合物(16)の物性評価として、46μLの0.1Mリン酸緩衝液(pH 7.4) と4μLのエタノールを加えたエッペンチューブに125I標識の治療効果予測剤を加え、37℃でインキュベートし、24時間後に分析することで緩衝液中における安定性を評価した。24時間後に83.5±3.6%が未変化体として観察された。

0079

分配係数測定)
125I標識の治療効果予測剤である化合物(16)の物性評価として、各3mLの1-オクタノールと0.1Mリン酸緩衝液(pH 7.4)を加えた試験管に125I標識の治療効果予測剤を添加し、1分のボルテックス後、15分間室温静置する操作を3回繰り返し、1,000gで5分間遠心分離した。1-オクタノール層を2.4mL採取し、2.4mLの0.1Mリン酸緩衝液(pH 7.4)と共に試験管に加えた。 1分のボルテックス後、15分間室温で静置する操作を3回繰り返し、1,000gで5分間遠心分離した。各層から2mLずつ採取し、放射能を測定することにより分配係数を求めた。1-オクタノール/水分配係数logP値は2.64±0.11となった。その結果、本標識化合物(16)が、細胞膜透過に十分な脂溶性を有していることが分かった。

0080

6ウェルプレートにNSCLC細胞株H1975 (L858R, T790M double-mutant EGFR)を10% FBS入りDMEM/F12メディウムを用い、細胞数5 × 105/ウェルとなるようまき、CO2 5%条件下において24時間37℃で培養した。血清抜きDMEM/F12メディウムにDMSOに溶解させた化合物(16)をDMSO濃度が1%になるように加え、化合物(16)入りメディウムを調整した。細胞をPBSで洗浄後、化合物(16)入りメディウムを用いて15、30、60、120分インキュベートした。インキュベート後、メディウムを除去し、PBS/1% DMSO/0.1% Tween 80で2回洗浄し、1M NaOHで細胞を溶解させ細胞を回収し、放射能を測定した。その後、細胞溶解液に含まれるタンパク質の量をプロテインアッセイビシンコニン酸キット(nacalai tesque)で定量し、取り込み量補正を行った。%dose/μg proteinはインキュベート30 minでプラトーに達しておりその値は0.824±0.11であった。その結果、化合物(16)は速やかに細胞に取り込まれることが分かった。

実施例

0081

(癌移植マウスにおける化合物(16)の腫瘍集積)
NSCLC細胞株H3255 (L858R mutant EGFR)を10% FBS入りDMEM/F12メディウムを用いCO2 5%条件下において培養し、細胞数1 × 107/匹を4匹のヌードマウス(4週齢,雌, BALB/c Slc-nu/nu(12-17 g; Japan SLC))の右背面皮下へ移植した。13日後、NSCLC細胞株H1975 (L858R, T790M double-mutant EGFR)を細胞数5 × 106/匹を左背面皮下へ移植した。9日後、化合物(16)の10%エタノール, 1% Tween 80含有生理食塩水溶液(74 kBq, 100μL)を尾静脈投与した。投与後1時間で屠殺、各腫瘍を摘出し、それぞれの重量と放射能を測定した結果、%dose/gはH1975で3.47±0.62、 H3255で2.38±0.61であった。その結果、化合物(16)は生体内でH1975(L858R, T790M double-mutant EGFR)への集積がH3255 (L858R mutant EGFR)への集積よりも高いことが分かった。

0082

本発明の代替抗癌剤の治療効果予測剤は、ゲフィチニブの使用により非小細胞肺癌患者での腫瘍組織上の上皮成長因子受容体の遺伝子変異に応じて薬剤耐性を獲得した抗癌剤による治療に対して、次の代替治療に使用し得る代替抗癌剤の有効性を確実に予測できるものである。この代替抗癌剤の治療効果予測剤を用いれば、耐性を生じた患者への代替治療薬として効くか否かを迅速に診断して、確実な治療方針を決めることができる。

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