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※この項目の情報は公開日時点(2019年3月22日)のものです。
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課題
解決手段
概要
背景
セラミックの導体プレート上に施与されたアクティブ型およびパッシブ型電気部品は、通常、軟はんだを用いて導体プレート上にはんだ付けまたは溶接される。このために、これらの部品および導体プレートは、例えば通常の軟はんだ、殊にSnAgCu合金と化合する、はんだ付け可能および溶接可能な金属を有さなければならない。
パッシブ型電気素子、例えばコイルボディ(Spulenkoerper)は、セラミック製の絶縁体(コア)を含み、それは多くの場合は銅製の伝導性の金属ワイヤで巻かれている。コイルの、つまり、伝導性のコイルワイヤの電気的な接続は、セラミックの絶縁体上に施与される金属被覆を介して行われる。その際、金属被覆は、コイルワイヤの電気的な接続だけでなく、コイルボディ上でのコイルワイヤの固定にも役立つ。コイルワイヤは一般に、摩擦溶接を用いて、セラミック上に施与された金属被覆と結合される。同じ金属被覆を介して、電気部品の例えば導体プレートにおける電気的結合も行うことができる。
従って、電気部品における、および導体プレート上への金属被覆は、はんだ付け可能および/または溶接可能な伝導性金属、例えば銅、ニッケル、金または銀を含有しなければならない。
しかしながら、上記の金属、殊に良好な伝導性および良好なはんだ付け性および/または良好な溶接性の金属、例えば銅またはニッケルは、セラミック基材上に充分に付着しないか、またははんだ付け可能または溶接可能な表面を形成しない。例えば、ニッケル/ガラスの金属被覆が比較的低温で焼き付けられる場合、セラミックと金属被覆との間の付着が充分ではない。ニッケル/ガラスの金属被覆がより高い温度で焼き付けられる場合、金属被覆が「過焼結」する。この「過焼結」は、不規則な金属網をもたらし、これは充分にはんだ付けまたは溶接され得ない。
良好なはんだ付け性または溶接性を得るために、閉じたシート状の表面の金属被覆が求められている。現在のところ、かかる金属被覆を、上記の金属で直接的に、つまり、製造が煩雑な異なる金属の積層を用いずに達成することはできない。
現在普及している金属被覆は、例えばタングステン/ガラス、ニッケル、パラジウムおよび金による、または銀・パラジウムによる積層を有する。
タングステン/ガラスのベース金属被覆は、セラミック上への金属被覆のしっかり付着した結合に役立つ。このために、例えば金属被覆用ペースト中に浸漬することによって、またはスクリーン印刷によって、金属・ガラスのペーストをセラミック上に塗布する。このペーストを、1000℃を上回る温度で焼き付けなければならない。
ただし、タングステンは良好な導電体ではなく、且つ、望み通りにはんだ付けされ得ない。従って、次の段階においてはんだ付け可能および溶接可能である化学的または無電解ニッケル層が施与される。タングステン層上のニッケルは、化学めっきによって直接的には堆積されないので、タングステン層をニッケル堆積の前に触媒としてのパラジウムでシード形成しなければならない。
該ニッケル層は、それが充分な厚さになれば、はんだ付けまたは溶接可能である。しかしながら、比較的細い銅ワイヤ、アルミニウムワイヤまたは金ワイヤがコイルワイヤとして、または金属被覆上への電子部品に対する結合として施与されるべき場合、またはボンディングを用いた電気的接続が行われるべき場合、金属被覆上にさらなる金コーティングが施与されなければならない。金とニッケルとが合金を形成するので、ニッケル層と金層との間にさらなるパラジウム層が分離層として備えられることがある。該パラジウム層は防食にも役立つ。
パラジウム層も金層も、通常、電気化学的めっきによって、または無電解作業浴から堆積される。
この態様から、金属被覆を用いたセラミック基材上への電気的接続は、多くの異なる作業段階、多くの異なる方法、および高価な材料、殊にパラジウム、銀および金と結びついていることが明らかである。
概要
本発明は、電気的コンタクトのためのセラミック基材上のはんだ付け可能および溶接可能な金属被覆の製造方法並びに前記金属被覆を有するセラミック基材に関する。セラミック基材上への導電性金属被覆の製造方法であって、前記金属被覆はセラミック基材と直接的に接触し且つはんだ付け可能および/または溶接可能であり、以下の段階、 a) 少なくとも1つの導電性のはんだ付け可能および/または溶接可能な金属を含む金属被覆用ペーストを製造する段階、 b) 前記金属被覆用ペーストをセラミック基材上に塗布する段階、 c) 前記金属被覆用ペーストを焼き付ける段階を含む前記方法。なし
目的
効果
実績
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請求項1
セラミック基材上への導電性金属被覆の製造方法であって、前記金属被覆はセラミック基材と直接的に接触し且つはんだ付け可能および/または溶接可能であり、以下の段階、a)少なくとも1つの導電性のはんだ付け可能および/または溶接可能な金属を含む金属被覆用ペーストを製造する段階、b)前記金属被覆用ペーストをセラミック基材上に塗布する段階、c)前記金属被覆用ペーストを焼き付ける段階を含む前記方法。
請求項2
請求項3
導電性材料の溶融物、または導電性材料と任意の添加剤との溶融物が、1.4N/m未満、好ましくは1.2N/m未満、および特に好ましくは1.0N/m未満または0.9N/m未満の表面エネルギーを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
請求項4
請求項5
前記少なくとも1つの添加剤として、IVB族、VB族、VIB族の遷移元素、殊にTi、Zr、Wおよび/またはAlおよび/またはその化合物、例えば結晶性またはガラス状酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物および/または混合アニオンを有する化合物、例えば炭窒化物が含まれることを特徴とする、請求項2から4までのいずれか1項に記載の方法。
請求項6
前記金属被覆用ペーストがさらに、付着助剤、殊にガラス、特に好ましくはSiO2、Bi2O3、ZnO、TiO2、MnO、希土類金属酸化物または第III主族の酸化物、またこれらの化合物の混合物を含むガラスを含むことを特徴とする、請求項2から5までのいずれか1項に記載の方法。
請求項7
ペースト化剤として、テキサノールまたはブチルカルビトールと共にテルピネオールまたはポリビニルブチラールまたはポリアクリレート中の5〜25質量%のエチルセルロースの溶液が含まれることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
請求項8
段階b)のセラミック基材上への金属被覆用ペーストの塗布が、金属被覆用ペースト中に基材を浸漬することによるもの、またはスクリーン印刷法またはタンポ印刷法を用いた、または噴霧を用いた金属被覆用ペーストの塗布によるものを含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
請求項9
段階c)の焼き付けを、温度800〜900℃、好ましくは830〜870℃で行うことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
請求項10
請求項11
導電性金属被覆上に、さらなる層、殊にNi、AgまたはAuの層を施与することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
請求項12
導電性金属被覆を有するセラミック基材であって、前記金属被覆がはんだ付け可能および/または溶接可能であり、前記はんだ付け可能および/または溶接可能な金属被覆がセラミック基材と直接接触していることを特徴とする、前記導電性金属被覆を有するセラミック基材。
請求項13
前記金属被覆が、VIIIB族の遷移元素から選択される少なくとも1つの導電性金属、殊にFe、Co、Niおよび/またはCuを含むことを特徴とする、請求項12に記載のセラミック基材。
請求項14
前記金属被覆がさらに、IVB族、VB族、VIB族の遷移元素、殊にTi、Zr、Wおよび/またはAlおよび/またはそれらの化合物、例えば結晶性またはガラス状酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物および/または混合アニオンを有する化合物、例えば炭窒化物から選択される少なくとも1つの添加剤を含むことを特徴とする、請求項12または13に記載のセラミック基材。
請求項15
前記金属被覆がさらに、付着助剤、殊にガラス、特に好ましくはSiO2、Bi2O3、ZnO、TiO2、MnO、希土類金属酸化物または第III主族の酸化物、またはこれらの化合物の混合物を含むガラスを含むことを特徴とする、請求項12から14までのいずれか1項に記載のセラミック基材。
技術分野
0001
本発明は、電気的コンタクトのためのセラミック基材上の金属被覆の製造方法並びに金属被覆を有するセラミック基材に関する。殊に、本発明は、セラミック基材上の溶接可能およびはんだ付け可能な金属被覆の製造に関する。
背景技術
0002
セラミックの導体プレート上に施与されたアクティブ型およびパッシブ型電気部品は、通常、軟はんだを用いて導体プレート上にはんだ付けまたは溶接される。このために、これらの部品および導体プレートは、例えば通常の軟はんだ、殊にSnAgCu合金と化合する、はんだ付け可能および溶接可能な金属を有さなければならない。
0003
パッシブ型電気素子、例えばコイルボディ(Spulenkoerper)は、セラミック製の絶縁体(コア)を含み、それは多くの場合は銅製の伝導性の金属ワイヤで巻かれている。コイルの、つまり、伝導性のコイルワイヤの電気的な接続は、セラミックの絶縁体上に施与される金属被覆を介して行われる。その際、金属被覆は、コイルワイヤの電気的な接続だけでなく、コイルボディ上でのコイルワイヤの固定にも役立つ。コイルワイヤは一般に、摩擦溶接を用いて、セラミック上に施与された金属被覆と結合される。同じ金属被覆を介して、電気部品の例えば導体プレートにおける電気的結合も行うことができる。
0005
しかしながら、上記の金属、殊に良好な伝導性および良好なはんだ付け性および/または良好な溶接性の金属、例えば銅またはニッケルは、セラミック基材上に充分に付着しないか、またははんだ付け可能または溶接可能な表面を形成しない。例えば、ニッケル/ガラスの金属被覆が比較的低温で焼き付けられる場合、セラミックと金属被覆との間の付着が充分ではない。ニッケル/ガラスの金属被覆がより高い温度で焼き付けられる場合、金属被覆が「過焼結」する。この「過焼結」は、不規則な金属網をもたらし、これは充分にはんだ付けまたは溶接され得ない。
0006
良好なはんだ付け性または溶接性を得るために、閉じたシート状の表面の金属被覆が求められている。現在のところ、かかる金属被覆を、上記の金属で直接的に、つまり、製造が煩雑な異なる金属の積層を用いずに達成することはできない。
0008
タングステン/ガラスのベース金属被覆は、セラミック上への金属被覆のしっかり付着した結合に役立つ。このために、例えば金属被覆用ペースト中に浸漬することによって、またはスクリーン印刷によって、金属・ガラスのペーストをセラミック上に塗布する。このペーストを、1000℃を上回る温度で焼き付けなければならない。
0009
ただし、タングステンは良好な導電体ではなく、且つ、望み通りにはんだ付けされ得ない。従って、次の段階においてはんだ付け可能および溶接可能である化学的または無電解ニッケル層が施与される。タングステン層上のニッケルは、化学めっきによって直接的には堆積されないので、タングステン層をニッケル堆積の前に触媒としてのパラジウムでシード形成しなければならない。
0010
該ニッケル層は、それが充分な厚さになれば、はんだ付けまたは溶接可能である。しかしながら、比較的細い銅ワイヤ、アルミニウムワイヤまたは金ワイヤがコイルワイヤとして、または金属被覆上への電子部品に対する結合として施与されるべき場合、またはボンディングを用いた電気的接続が行われるべき場合、金属被覆上にさらなる金コーティングが施与されなければならない。金とニッケルとが合金を形成するので、ニッケル層と金層との間にさらなるパラジウム層が分離層として備えられることがある。該パラジウム層は防食にも役立つ。
0012
この態様から、金属被覆を用いたセラミック基材上への電気的接続は、多くの異なる作業段階、多くの異なる方法、および高価な材料、殊にパラジウム、銀および金と結びついていることが明らかである。
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
0014
この課題は、独立請求項の特徴による方法および製品によって解決される。それに応じて、金属被覆がセラミック基材と直接的に接触し且つはんだ付け可能および/または溶接可能である、セラミック基材上への導電性金属被覆の製造方法は、以下の段階、
a) 少なくとも1つの導電性のはんだ付け可能および/または溶接可能な金属を含む金属被覆用ペーストを製造する段階、
b) 前記金属被覆用ペーストをセラミック基材上に塗布する段階、
c) 前記金属被覆用ペーストを焼き付ける段階
を含む。
0015
この方法は、従来技術から公知の方法に対し、導電性の、はんだ付け可能および/または溶接可能な金属被覆をセラミック基材上に直接的に施与できるという利点を有する。従来技術から公知の方法によれば、まず、大抵はタングステン製の付着補助層をセラミック基材上に施与しなければならず、なぜなら、導電性の、はんだ付け可能および/または溶接可能な金属は過焼結されやすいか、またはセラミック基材上に充分に付着しないからである。このことは特に好都合な、従って頻繁に使用されるニッケルに当てはまる。
0016
さらに本発明は、はんだ付け可能および/または溶接可能である導電性金属被覆を有するセラミック基材にも関する。このセラミック基材は、金属被覆がセラミック基材と直接接触しており、且つ例えばタングステン製のベースの金属被覆上に施与されていない点で、従来技術から公知の金属被覆基材とは区別される。
0017
セラミック基材として、殊に、酸化物セラミック、例えばAl2O3、Al2O3−ZrO2、Al2O3−SiO2、さらに誘電体または磁性体材料が考慮に入れられる。基本的に、全ての通常のセラミック基材を使用できる。
0018
特に好ましくは、本発明による金属被覆用ペーストは、導電性材料の溶融物、または導電性材料と添加剤との溶融物が1.4N/m未満、好ましくは1.2N/m未満、および特に好ましくは1.0N/m未満もしくは0.9N/m未満の表面張力を有するように構成されている。
0019
その際、類似して本発明は、溶融物が高い表面エネルギー、例えば0.9N/mを上回る、好ましくは1.0N/mより上、特に好ましくは1.2N/mより上、および殊に1.4N/mより上を有する伝導性金属が使用されるべき場合に、特に有利である。この高い表面エネルギーが低下して、金属がより良好にセラミック、および場合により付着力を高めるために付与されたガラスを濡らすことができる。このことにより、金属被覆をセラミック基材上に直接的に焼き付けることが可能になる。
0022
この基準が守られていれば、金属被覆をセラミック上に直接的に焼結でき、なぜなら、導電性材料の「過焼結」の問題が生じないからである。本発明者らは、過焼結の現象が、本質的に導電性材料の溶融物の表面エネルギーと関連していることを見出した。この表面エネルギーが高いと、例えば頻繁に使用されるニッケル(溶融物の表面エネルギー: 1.77N/m)の場合、焼結される導電性材料は、エネルギー的に最も有利な状態として、強い表面収縮傾向を有する。この傾向の結果、この材料の溶融温度より実際に低い温度で材料が既に過焼結する。
0023
材料の表面エネルギーはその濡れ特性を決定する。表面エネルギーが高い場合、濡れ性は粗悪であり、且つその逆もまた同様である。この理由から、施与されるべき金属の表面エネルギーを下げることにより、過焼結を回避できる。
0024
本発明の特に好ましい実施態様によれば、金属被覆用ペーストは導電性金属、およびペースト化のために必須の添加剤、つまりペースト化剤のみを含む。該ペースト化剤は、例えば5〜25質量%のエチルセルロースのテルピネオール中の溶液を含むことができる。しかし、この結合剤・溶剤系は、例えばポリビニルブチラールまたはポリアクリレートと、テキサノール、ブチルカルビトールとの、とりわけ好ましくは5〜25質量%の割合での、他の(通常の)成分からなってもよい。
0025
本発明の実施態様は、例えば純粋な銅の金属被覆について可能である。銅溶融物は、例えば、ニッケル溶融物と比較して、1.36N/mである低い表面エネルギーを有する。従って、表面エネルギーはさらなる添加物を用いなくても、銅粉末を相応の添加剤のみでペースト化し且つ施与できるぐらい低い。
0026
これは、ニッケルの場合は異なる。ニッケル溶融物の表面エネルギーは1.77N/mであり、つまり、高すぎて、さらなる添加剤なしで直接的にセラミック基材上にはんだ付け可能および/または溶接可能な層を形成できない。従って、ニッケル溶融物の比較的高い表面エネルギーを低下させるために添加剤を添加することが必須である。
0027
従って、本発明の特に好ましい実施態様は、少なくとも1つの導電性金属と添加剤との混合物による溶融物が、導電性金属のみからなる溶融物よりも低い表面エネルギーを有するように、前記添加剤が選択されることが想定される。
0028
さらに好ましい実施態様は、添加剤として、IVB族、VB族、VIB族の遷移元素の少なくとも1つの元素、殊にTi、Zr、Wおよび/またはAlおよび/またはその化合物、例えば結晶性またはガラス状酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物または混合アニオンを有する化合物、例えば炭窒化物が想定される。
0029
特に好ましくは、この添加剤は金属であり、殊に単数または複数の導電性金属合金と化合する金属であってよい。特に好ましくは、該金属はCu、Fe、Ti、Zr、Wおよび/またはAlから選択される。該合金は、単数または複数の添加剤が、高い表面エネルギーの原因である導電性材料の溶融物の内部構造を崩すことによって表面エネルギーを下げることができる。溶融物中の凝集力は低下される。バトラーの式によって、表面エネルギーと合金との間の関連を見積もることができる。
0030
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、添加剤として、導電性金属の溶融物中で溶解するかまたは少なくとも微細に分散される、結晶性またはガラス状の酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物または炭窒化物も使用できる。
0031
例えば金属の酸化または窒化は有利には、特定の雰囲気下、例えばN2ガス下または加湿空気で焼き付けることによって、焼き付けの間に行うこともできる。従って、まず導電性金属と合金化され、ひいては表面エネルギーの低下に貢献する金属を使用できる。酸化または窒化が進むと、金属酸化物または金属窒化物は、添加剤としての金属の役割を受け継ぎ、ここで相乗作用が達成される。
0032
かかる化合物についての例は、上記の一般性を制限することなく、TiN、ZrN、ZrC、ZrB2、TiCNである。化合物が導電性金属についての良好な濡れ性を有し、その濡れによって溶融物の凝集が克服できることが重要である。
0033
本発明のさらに好ましい実施態様は、金属被覆用ペーストへの付着助剤の添加を想定している。ガラスが使用される場合、これは一方ではセラミックに対する付着を改善するので付着助剤としてのその機能を果たし、他方では導電性金属の溶融物の表面エネルギーの低下のためにも寄与することができる。これは、殊に酸化物ガラス、例えばSiO2、Bi2O3、ZnO、希土類金属酸化物または主群IIIの酸化物またはこれらの化合物の混合物について当てはまる。
0034
金属被覆用ペーストを、種々の方法を介してセラミック基材上に施与することができる。例えばU字型コイルボディの終端のためには、金属被覆用ペースト中への浸漬が好ましい。スクリーン印刷法もしくはタンポ印刷法、噴霧または類似の方法が、導体プレートまたは他の任意の成形された、殊に面状のセラミック基材上に金属被覆を塗布するためにさらに適している。
0035
ここで先述の金属被覆用ペーストの大きな利点は、通常のタングステンのベース金属被覆の焼き付け温度と比較して低い焼き付け温度でもある。好ましくは、これは、800〜900℃、および特に好ましくは830〜870℃である。
0036
金属被覆用ペーストの焼き付けに引き続き、導電性金属被覆を介して、さらなる層を施与することができる。例えば、良好な溶接性である特に厚いニッケル層が存在すべき場合、引き続きさらに無電解ニッケル層を施与することができる。焼き付けられた金属被覆が既に導電性金属としてのニッケルからなる場合、従来技術とは対照的に、触媒としてのパラジウムを用いた予めのシード形成は必須ではなく、なぜなら無電解ニッケルをニッケル含有層上に直接的に堆積できるからである。これは、一方では高価な原料であるPdを回避し、且つ他方ではPd塩溶液中への浸漬の工程段階を回避する。
0037
該金属被覆上に、適宜、問題なく銀または金をめっき堆積できる。
0038
本発明を以下で実施例を用いてより詳細に説明する。
0039
原則的に、安価なガラス状または結晶性酸化物を介してベースのセラミックに結合された銅またはニッケルによる金属被覆が、伝導性および溶接性もしくははんだ付け性に関して最適であった。しかし、殊にニッケルを使用する場合、1.77N/mの高い表面エネルギーの結果である素早く且つ強い焼結の問題がある。
0040
これに対し、銅は1.36N/mの表面エネルギーしか有さず、そのために銅の金属被覆はセラミック基材上に直接的に、付着助剤を用いても用いなくても焼き付けることができる。しかしながら、金属被覆強磁性であるべき場合、相応の金属の添加が必須である。それによって、Cu溶融物の表面エネルギーが高められる。そのような金属被覆は、エネルギーを低下させる添加剤を用いないで焼き付けることはできない。
0041
殊にニッケルの、さらに強磁性体金属被覆の高い表面エネルギーを下げて、表面縮小傾向を阻まなければならない。この二元系について、バトラーの方程式により元素と合金との表面エネルギーの間の関係が表される。
0042
60質量%の銅と40質量%の鉄との二元系合金は、例えば表面エネルギー1.22N/mしか有さないが、2つの金属の表面エネルギーは明らかにこの値を上回る。銅は表面エネルギー1.36N/mを有し、さらに鉄は1.92N/mを有する。該合金の表面エネルギーを、表面エネルギー0.50N/mを有するアルミニウムの添加によってさらに低下させることができる。鉄をニッケルに添加することによってすら、その表面エネルギーを2%だけ容易に下げることができる。
0043
別途の粒子、例えばより低い表面エネルギーおよび/または乏しい濡れ性を有する金属化合物、例えば酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物の添加によっても、表面の縮小傾向(=「過焼結」)を回避できる。このために、ニッケル化合物(例えばNiO)または銅化合物(例えばCu2O、これはガラスにおいてまたは物質において銅上の付着性もセラミック上の付着性も改善する)、またはセラミックへの付着性を改善するガラス(例えばSiO2−ZnO−B2O3またはMnO−SiO2−Al2O3)が役立つことができる。
0044
さらに、さらなる金属、例えば元素の形態または化合物としてのTi、Zr、FeまたはWを、導電性金属としてのニッケルに添加することができる。セラミック上に焼結する際、CuもしくはNi、即ち導電性金属との合金の形成が生じる。
0046
U字型の酸化物セラミックのコイルボディを、Ni、Fe、Cuおよび場合によりさらなる金属並びにガラスによるペースト中に端部を浸漬させることによって金属被覆する。前記金属被覆用ペーストは、例えば以下の組成を有することができる: 50質量%のNi、0〜20質量%のFeおよび/または0〜20質量%のTiおよび/または0〜20質量%のAl、10〜20質量%のCuおよび/または0〜20質量%のCuOおよび/または0〜20質量%のCu2O、10質量%のMnO−SiO2−Al2O3ガラス。
0047
該実施例において、ペーストは、テルピネオール中、10質量%のエチルセルロース溶液中で、粘度30Pa・sでペースト化された、50%の微細なニッケル粉末(d50=5μm)、20%の鉄粉末(d50=5μm)、20%の銅粉末(d50=5μm)および10%のガラス粉末MnO(50質量%)−SiO2(40質量%)−Al2O3(10質量%、各々、ガラスの合計質量に対する)を含む。
0050
さらなる例において、Ni、W、W(VI)酸化物並びにガラスおよび先述のペースト化剤の混合物による金属被覆ペーストを製造する。70質量%のNi、15質量%のW、5質量%のW(VI)酸化物および10質量%のガラスを粉末(d50=5μm)として互いに混合し且つペースト化する。前記ガラスは50質量%のMnO、40質量%のSiO2および10質量%のAl2O3という組成を有する。金属被覆用ペーストを、30分、1100℃で、露点20℃を有する加湿水素中で焼結する。
実施例
0051
ガラス粉末として、ZnO−SiO2−B2O3−Al2O3−TiO2−ZrO2の混合物、例えば35質量%のZnO、35質量%のSiO2、20質量%のB2O3、5質量%のAl2O3、残りのTiO2およびZrO2の混合物も使用することができる。