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技術 電力系統の負荷周波数制御装置及び方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 辻井佑樹古川俊行渡辺雅浩
出願日 2017年8月23日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2017-160124
公開日 2019年3月14日 (1年11ヶ月経過) 公開番号 2019-041457
状態 特許登録済
技術分野 交流の給配電
主要キーワード 出力総和 最大変動幅 出力予測値 負荷変動量 系統容量 定周波数制御 調整力 周波数バイアス
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図面 (12)

課題

負荷周波数制御(以下LFCという)対象発電機確保のために地域要求量を用いるフィードバック制御のため、急激に変動が大きくなった場合等にも、LFC調整力を確保する。

解決手段

新エネルギー発電設備を備える電力系統負荷周波数制御装置10は、電力系統における新エネルギー発電設備の出力と、新エネルギー発電設備の理論的最大出力から電力系統の上げ側と下げ側のLFC調整力を決定するLFC調整力決定部11と、電力系統の系統周波数偏差連系線潮流偏差から地域要求量を算出し、上げ側と下げ側のLFC調整力を制限範囲とする地域要求量を出力する地域要求量計算部14と、地域要求量計算部からの地域要求量を入力としてLFC対象発電機への出力指令値を配分する指令値配分部15と、を備える。

概要

背景

電力系統において負荷変動等により需給アンバランスが発生すると、周波数変動が発生する。負荷周波数制御(以下LFCという)では、数分〜20分程度の負荷変動(新エネルギー変動を含む)に対して、中央給電指令所で変動量を計算し、これに追従する量を各発電機指令することで、系統周波数許容範囲に抑制する。この負荷変動量地域要求量ARと定義し、この地域要求量ARを満たすように発電機に対し出力指令することで、需給平衡を保つことができる。出力指令は全ての発電機に出されるわけでなく、短周期で出力を変更できる発電機(以下LFC対象発電機という)に対して出される。なお、通常の運用では数分〜20分程度の負荷変動の調整力(以下LFC調整力という)は系統容量の1〜2%程度を確保するよう運用している。

連系された各電力系統では、主に次の2つのLFC方式が採用される。

1つ目の方式は、定周波数制御方式(以下FFC方式という)である。FFC方式では、系統周波数偏差Δfを検出し、系統周波数偏差Δfを低減すべくLFC対象発電機に対して発電機出力指令を送ることで、周波数規定値に保つ。

2つ目の方式は、周波数バイアス連系線潮流制御方式(以下TBC方式という)である。TBC方式では、系統周波数偏差Δfと連系線潮流偏ΔPtを検出し、系統周波数偏差Δfと連系線潮流偏ΔPtで定まる値を低減すべくLFC対象発電機に対して発電機出力指令を送ることで、自エリア内を規定値に保つ。TBC方式における地域要求量ARは以下の(1)式で算出される。(1)式においてKは系統定数である。なおFFC方式ではTBC方式の(1)式から周波数偏差Δfを省略することで算出される。
[数1]
AR=−K×Δf+ΔPt・・・(1)
ここで、電力系統に新エネルギー(太陽光発電風力発電)が大量に導入され、それに伴う変動が大きくなると、系統容量の1〜2%程度のLFC調整力では不足であり、周波数変動を防止できない恐れがある。一方で、LFC調整力を大量に確保すると、新エネルギーの出力が小さい時間帯において、過剰なLFC対象発電機を確保することになり、経済的でない運用に繋がる。

本技術分野において、特許文献1の方式が知られている。特許文献1によると、新エネルギーと負荷変動を切り分けて地域要求量ARを算出し、地域要求量ARの大きさによりLFC対象発電機及びLFC対象除外発電機を切替えることで、需給制御性能を向上させることが可能と記載されている。

概要

負荷周波数制御(以下LFCという)対象発電機確保のために地域要求量を用いるフィードバック制御のため、急激に変動が大きくなった場合等にも、LFC調整力を確保する。新エネルギー発電設備を備える電力系統の負荷周波数制御装置10は、電力系統における新エネルギー発電設備の出力と、新エネルギー発電設備の理論的最大出力から電力系統の上げ側と下げ側のLFC調整力を決定するLFC調整力決定部11と、電力系統の系統周波数偏差と連系線潮流偏差から地域要求量を算出し、上げ側と下げ側のLFC調整力を制限範囲とする地域要求量を出力する地域要求量計算部14と、地域要求量計算部からの地域要求量を入力としてLFC対象発電機への出力指令値を配分する指令値配分部15と、を備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

新エネルギー発電設備を備える電力系統負荷周波数制御装置であって、電力系統における新エネルギー発電設備の出力と、新エネルギー発電設備の理論的最大出力から電力系統の上げ側と下げ側のLF調整力を決定するLFC調整力決定部と、電力系統の系統周波数偏差連系線潮流偏差から地域要求量を算出し、前記上げ側と下げ側のLFC調整力を制限範囲とする前記地域要求量を出力する地域要求量計算部と、該地域要求量計算部からの地域要求量を入力としてLFC対象発電機への出力指令値を配分する指令値配分部とを備えることを特徴とする電力系統の負荷周波数制御装置。

請求項2

請求項1に記載の電力系統の負荷周波数制御装置であって、前記LFC調整力決定部は、新エネルギー発電設備の理論的最大出力と新エネルギー発電設備の出力の差を下げ側のLFC調整力とし、新エネルギー発電設備の出力を上げ側のLFC調整力として決定することを特徴とする電力系統の負荷周波数制御装置。

請求項3

請求項1に記載の電力系統の負荷周波数制御装置であって、新エネルギー発電設備の理論的最大出力に対する新エネルギー発電設備の出力の大きさの出力変動統計解析結果を解析により求め記憶する出力変動統計解析部を備え、前記LFC調整力決定部は前記出力変動統計解析部からの解析結果を用いて電力系統の上げ側と下げ側のLFC調整力を決定することを特徴とする電力系統の負荷周波数制御装置。

請求項4

請求項1に記載の電力系統の負荷周波数制御装置であって、前記LFC調整力決定部は、電力系統における新エネルギー発電設備の出力の予測値と、新エネルギー発電設備の理論的最大出力の予測値から電力系統の上げ側と下げ側のLFC調整力を決定することを特徴とする電力系統の負荷周波数制御装置。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力系統の負荷周波数制御装置であって、時間断面毎のLFC調整力に対して、新エネルギー発電設備の出力、理論的最大出力、LFC調整力の算出方法等を紐付け、LFC調整力決定根拠として出力するLFC調整力決定根拠出力部を備えることを特徴とする電力系統の負荷周波数制御装置。

請求項6

新エネルギー発電設備を備える電力系統の負荷周波数制御方法であって、電力系統における新エネルギー発電設備の出力と、新エネルギー発電設備の理論的最大出力から電力系統の上げ側と下げ側のLFC調整力を決定し、電力系統の系統周波数偏差と連系線潮流偏差から地域要求量を算出し、前記上げ側と下げ側のLFC調整力を制限範囲とする前記地域要求量に基づいて、LFC対象発電機への出力指令値を配分することを特徴とする電力系統の負荷周波数制御方法。

請求項7

請求項6に記載の電力系統の負荷周波数制御方法であって、新エネルギー発電設備の理論的最大出力と新エネルギー発電設備の出力の差を下げ側のLFC調整力とし、新エネルギー発電設備の出力を上げ側のLFC調整力とすることを特徴とする電力系統の負荷周波数制御方法。

請求項8

請求項6に記載の電力系統の負荷周波数制御方法であって、新エネルギー発電設備の理論的最大出力に対する新エネルギー発電設備の出力の大きさの出力変動統計解析結果を求め、解析結果を用いて電力系統の上げ側と下げ側のLFC調整力を決定することを特徴とする電力系統の負荷周波数制御方法。

請求項9

請求項6に記載の電力系統の負荷周波数制御方法であって、電力系統における新エネルギー発電設備の出力の予測値と、新エネルギー発電設備の理論的最大出力の予測値から電力系統の上げ側と下げ側のLFC調整力を決定することを特徴とする電力系統の負荷周波数制御方法。

技術分野

0001

本発明は、電力系統負荷周波数制御装置及び方法に関する。

背景技術

0002

電力系統において負荷変動等により需給アンバランスが発生すると、周波数変動が発生する。負荷周波数制御(以下LFCという)では、数分〜20分程度の負荷変動(新エネルギー変動を含む)に対して、中央給電指令所で変動量を計算し、これに追従する量を各発電機指令することで、系統周波数許容範囲に抑制する。この負荷変動量地域要求量ARと定義し、この地域要求量ARを満たすように発電機に対し出力指令することで、需給平衡を保つことができる。出力指令は全ての発電機に出されるわけでなく、短周期で出力を変更できる発電機(以下LFC対象発電機という)に対して出される。なお、通常の運用では数分〜20分程度の負荷変動の調整力(以下LFC調整力という)は系統容量の1〜2%程度を確保するよう運用している。

0003

連系された各電力系統では、主に次の2つのLFC方式が採用される。

0004

1つ目の方式は、定周波数制御方式(以下FFC方式という)である。FFC方式では、系統周波数偏差Δfを検出し、系統周波数偏差Δfを低減すべくLFC対象発電機に対して発電機出力指令を送ることで、周波数規定値に保つ。

0005

2つ目の方式は、周波数バイアス連系線潮流制御方式(以下TBC方式という)である。TBC方式では、系統周波数偏差Δfと連系線潮流偏ΔPtを検出し、系統周波数偏差Δfと連系線潮流偏ΔPtで定まる値を低減すべくLFC対象発電機に対して発電機出力指令を送ることで、自エリア内を規定値に保つ。TBC方式における地域要求量ARは以下の(1)式で算出される。(1)式においてKは系統定数である。なおFFC方式ではTBC方式の(1)式から周波数偏差Δfを省略することで算出される。
[数1]
AR=−K×Δf+ΔPt・・・(1)
ここで、電力系統に新エネルギー(太陽光発電風力発電)が大量に導入され、それに伴う変動が大きくなると、系統容量の1〜2%程度のLFC調整力では不足であり、周波数変動を防止できない恐れがある。一方で、LFC調整力を大量に確保すると、新エネルギーの出力が小さい時間帯において、過剰なLFC対象発電機を確保することになり、経済的でない運用に繋がる。

0006

本技術分野において、特許文献1の方式が知られている。特許文献1によると、新エネルギーと負荷変動を切り分けて地域要求量ARを算出し、地域要求量ARの大きさによりLFC対象発電機及びLFC対象除外発電機を切替えることで、需給制御性能を向上させることが可能と記載されている。

先行技術

0007

特開2014−204577号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、特許文献1の電力系統の需給制御システム及び需給制御装置では、LFC対象発電機確保のために地域要求量ARを用いるフィードバック制御のため、急激に変動が大きくなった場合等にLFC調整力を確保できない可能性がある。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決する為に本発明は、「新エネルギー発電設備を備える電力系統の負荷周波数制御装置であって、電力系統における新エネルギー発電設備の出力と、新エネルギー発電設備の理論的最大出力から電力系統の上げ側と下げ側のLFC調整力を決定するLFC調整力決定部と、電力系統の系統周波数偏差と連系線潮流偏差から地域要求量を算出し、上げ側と下げ側のLFC調整力を制限範囲とする地域要求量を出力する地域要求量計算部と、地域要求量計算部からの地域要求量を入力としてLFC対象発電機への出力指令値を配分する指令値配分部とを備えることを特徴とする電力系統の負荷周波数制御装置。」としたものである。

0010

また本発明は、「新エネルギー発電設備を備える電力系統の負荷周波数制御方法であって、電力系統における新エネルギー発電設備の出力と、新エネルギー発電設備の理論的最大出力から電力系統の上げ側と下げ側のLFC調整力を決定し、電力系統の系統周波数偏差と連系線潮流偏差から地域要求量を算出し、上げ側と下げ側のLFC調整力を制限範囲とする地域要求量に基づいて、LFC対象発電機への出力指令値を配分することを特徴とする電力系統の負荷周波数制御方法。」としたものである。

発明の効果

0011

本発明によれば、新エネルギーの理論的最大出力に対する出力の大きさを用いて、出力変動を見込んだLFC調整力を確保することで、周波数変動を抑制できる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施例1に係る電力系統の周波数制御装置10の機能構成例を示す図。
典型的な電力系統と、本発明の実施例1に係る電力系統の周波数制御装置の構成例を示す図。
本発明の実施例1に係るLFC調整力決定の処理を示すフローチャート
新エネルギーの出力のイメージ例を示す図。
地域要求量AR計算部14の処理の一例を示すフローチャート。
本発明の実施例2に係る電力系統の周波数制御装置10の機能構成例を示す図。
本発明の実施例2に係るLFC調整力決定の処理を示すフローチャート。
算出した出力変動統計解析結果のイメージ例を示したテーブルを示す図。
本発明の実施例3に係る電力系統の周波数制御装置10の機能構成例を示す図。
本発明の実施例4に係る電力系統の周波数制御装置10の機能構成例を示す図。
LFC調整力決定根拠出力部の出力イメージ例を示すテーブルを示す図。

0013

以下、本発明の実施に好適な実施例について説明する。尚、下記はあくまでも実施例に過ぎず、下記具体的内容に発明自体が限定されることを意図するものではない。

0014

図1は、本発明の実施例1に係る電力系統の周波数制御装置10の機能構成例を示す図である。電力系統の周波数制御装置10は、新エネルギー出力データベースDB1、新エネルギー理論的最大出力データベースDB2、出力指令値データベースDB3、LFC調整力決定部11、周波数検出部12、連系線潮流検出部13、地域要求量AR計算部14、指令値配分部15を備える。

0015

新エネルギー出力データベースDB1には、電力系統に接続されている新エネルギーの出力が格納されている。新エネルギーの出力は、測定値が得られない場合には設備容量、設置位置、気象データ等から算出した推定値でもよい。

0016

新エネルギー理論的最大出力データベースDB2には、新エネルギーの理論的最大出力が格納されている。新エネルギーの理論的最大出力は、新エネルギーの設備容量、設置位置、気象データ等から算出した値とする。

0017

出力指令値データベースDB3には、電力系統に接続されている発電機のうち、LFC対象とされた発電機(LFC対象発電機)への出力指令値が格納されている。

0018

LFC調整力決定部11では、新エネルギーの出力と新エネルギーの理論的最大出力を入力としてLFC調整力を決定する。

0019

周波数検出部12では、系統周波数偏差Δfを検出する。

0020

連系線潮流検出部13では、連系線潮流偏ΔPtを検出する。

0021

地域要求量AR計算部14では、LFC調整力と、系統周波数偏差Δfと、連系線潮流偏ΔPtを入力として地域要求量ARを計算する。

0022

指令値配分部15では、地域要求量ARを入力としてLFC対象発電機の各発電機への出力指令値を配分する。

0023

出力指令値データベースDB3には、配分後のLFC対象発電機の各発電機への出力指令値が記録される。

0024

図2は、複数の計測データが通信ネットワークを介してデータベースに格納される電力系統と、本発明の実施例1に係る電力系統の周波数制御装置の構成例図を表している。

0025

図2の上側に例示した電力系統は、複数の発電機G及び負荷LdがノードBus、変圧器Tr、送電線路L等を介して相互に連系されたシステムである。ノードBusには、電力系統の保護、制御、監視の目的で各種の計測器が適宜設置されており、計測器で検知した信号は通信ネットワーク300を介して電力系統の負荷周波数制御装置10の通信部23に送られる。なお図2では、ノードBusに対して図示したノード番号を適宜付与して示している。

0026

図2の下側に例示した電力系統の周波数制御装置10は計算機システムで構成されており、ディスプレイ装置等の表示部21、キーボードマウス等の入力部22、通信部23、CPU24、メモリ25、および各種データベースDBがバス線26に接続されている。

0027

電力系統の周波数制御装置10のデータベースDBとしては、新エネルギーデータベースDB1、新エネルギー理論的最大出力データベースDB2、出力指令値データベースDB3を備える。

0028

表示部21は、例えば、ディスプレイ装置に代えて、またはディスプレイ装置と共に、プリンタ装置または音声出力装置等を用いる構成でもよい。

0029

入力部22は、例えば、キーボードスイッチ、マウス等のポインティング装置タッチパネル音声指示装置等の少なくともいずれか一つを備えて構成できる。

0030

通信部23、通信ネットワークに接続するための回路及び通信プロトコルを備える。

0031

CPU24は、計算プログラムを実行して表示すべき画像データの指示や、各種データベース内のデータの検索等を行う。一つまたは複数の半導体チップとして構成してもよいし、または、計算サーバのようなコンピュータ装置として構成してもよい。

0032

メモリ25は、例えば、RAMとして構成され、コンピュータプログラムを記憶したり、各処理に必要な計算結果データ及び画像データ等を記憶したりする。メモリ25に格納された画面データは、表示部21に送られて表示される。

0033

図3は、LFC調整力決定の処理を示すフローチャートを表している。

0034

処理ステップS1では、電力系統に接続されている新エネルギーの出力の総和PAを求める。なお、新エネルギーの出力の総和PAを求めるに際し、通信を介して新エネルギーの出力を入手可能である場合には測定値を用い、通信がないなどの理由により測定値が得られない新エネルギーである場合には、設備容量、設置位置、気象データ等から新エネルギーの出力の推定値を算出して用いる。あるいは通信はあるが通信周期計測周期が十分でない場合については、適宜時間的補間処理などにより推定して、最終的に新エネルギーの出力の総和PAを求める。ここでは新エネルギーの出力の総和PAが時間情報と共に時系列的情報として得られる。

0035

図4は新エネルギーの出力のイメージ例である。図4は、横軸に時間、縦軸に新エネルギーとして太陽光を想定したときの太陽光発電量を示しており、新エネルギーの出力総和の推定値PAは、日照のある例えば6時から夕方6時までの間で、天候を反映した出力変動を示している。

0036

処理ステップS2では、設備容量、設置位置、気象データ等から算出した新エネルギーの理論的最大出力を求め、これを例えばPBとする。図4において、新エネルギーの理論的最大出力は天候の影響を排除した特性(全時間帯で快晴を想定した特性)であり、正弦状の変化を示す特性のものである。

0037

この図で例えば時刻tにおける新エネルギーの理論的最大出力はPBtであり、実際には日照の関係で太陽光発電量としてはPAtを計測していることを示している。なお図示の例では、tは11時30分であり、太陽光発電量PAtは新エネルギーの理論的最大出力PBtの60%であるとする。

0038

この時刻tの状態から、近未来において晴天移行したとする。このときに、太陽光発電量PAtは40%増加して、新エネルギーの理論的最大出力PBtとなるが、このことを電力系統側から評価すると、新エネルギー出力が急増したとき、電力系統は、供給電力>負荷となり、系統周波数が高くなる傾向であることから、系統周波数上昇を抑制するために必要なLFC対象発電機によるLFC調整力は、40%相当分、低下させる必要があることを意味している。

0039

逆に時刻tの状態から、近未来において曇天に移行したとする。このときに、太陽光発電量PAtは60%減少して、0となるが、このことを電力系統側から評価すると、新エネルギー出力が急減したとき、電力系統は、供給電力<負荷となり、系統周波数が低くなる傾向であることから、系統周波数低下を回復するに必要なLFC対象発電機によるLFC調整力は、60%相当分、増加させる必要があることを意味している。

0040

このように晴れ方向(太陽光としては出力増大方向)であれば、LFC対象発電機としては下げ方向発電量とし、曇天方向(太陽光としては出力減少方向)であれば、LFC対象発電機としては上げ方向の発電量とするという関係にある。

0041

このことから処理ステップS3では、新エネルギーの出力増加方向の最大変動幅を想定し、下げ側のLFC調整力を例えば(PBt−PAt)とする。これは現在曇天であるが、快晴に転じた状態を想定したときに、新エネルギーの出力の増大量(PBt−PAt)を、下げ側のLFC調整力としたものである。

0042

処理ステップS4では、新エネルギーの出力減少方向の最大変動幅を想定し、上げ側のLFC調整力をPAとする。これは現在曇天であるが、暗天に転じた状態を想定したときに、新エネルギーの出力の減少量PAtを、上げ側のLFC調整力としたものである。

0043

図1戻り、地域要求量AR計算部14では、上げ、下げ方向のLFC調整力と、系統周波数偏差Δfと、連系線潮流偏差ΔPtを入力として地域要求量ARを計算する。ここでの処理は、具体的には例えば図5処理フローにより実施される。

0044

図5の最初の処理ステップS11では、地域要求量AR計算部14で使用する情報を入手する。これらは、下げ側のLFC調整力(PBt−PAt)と、上げ側のLFC調整力PAtと、系統周波数偏差Δfと、連系線潮流偏差ΔPtである。処理ステップS12では、(1)式を実行し、地域要求量AR1を算出する。ここで求めた地域要求量AR1は、現在時点からの変動量として算出されている。

0045

処理ステップS20では、上げ、及び下げ側のLFC調整力の範囲内に(1)式から求めた地域要求量AR1を調整し、地域要求量ARとして出力する。具体的には上記の例でいうと、上げ側のLFC調整力PAtとして定まる60%と、下げ側のLFC調整力(PBt−PAt)として定まる−40%の範囲内に(1)式から求めた地域要求量AR1を制限する出力を与える。例えば地域要求量AR1が60%以上増大するものである場合に、出力値は60%を上限として制限される。逆に地域要求量AR1が40%以上減少するものである場合に、出力値は−40%を下限として制限される。

0046

図5の処理ステップS20内の処理ステップS13では、下げ側のLFC調整力(PBt−PAt)と(1)式から求めた地域要求量AR1を絶対値で大小比較し、処理ステップS14では、上げ側のLFC調整力PAtと(1)式から求めた地域要求量AR1を絶対値で大小比較している。

0047

処理ステップS13の処理で、下げ側のLFC調整力(PBt−PAt)が(1)式から求めた地域要求量AR1よりも大きいと判定された場合、処理ステップS16に移り、(1)式から求めた地域要求量AR1を地域要求量ARとして出力する。

0048

処理ステップS13の処理で、下げ側のLFC調整力(PBt−PAt)が(1)式から求めた地域要求量AR1よりも小さいと判定された場合、処理ステップS16に移り、下げ側のLFC調整力(PBt−PAt)を地域要求量ARとして出力する。

0049

処理ステップS14の処理で、上げ側のLFC調整力PAtが(1)式から求めた地域要求量AR1よりも大きいと判定された場合、処理ステップS17に移り、(1)式から求めた地域要求量AR1を地域要求量ARとして出力する。

0050

処理ステップS14の処理で、上げ側のLFC調整力PAtが(1)式から求めた地域要求量AR1よりも小さいと判定された場合、処理ステップS18に移り、上げ側のLFC調整力PAt地域要求量ARとして出力する。

0051

指令値配分部15では、上げ、及び下げ側のLFC調整力と(1)式から求めた地域要求量AR1から定めた地域要求量ARを受け、LFC対象発電機に対する指令値の配分を決定する。本発明では、配分の手法を限定しない
出力指令値データベースDB3には、再定義され、或は配分後のLFC対象発電機の各発電機への出力指令値が記録される。

0052

実施例1によれば、新エネルギーの理論的最大出力に対する出力の大きさを用いて、出力変動を見込んだLFC調整力を確保することで、周波数変動を抑制できる。

0053

本発明の実施例2について、以下に説明する。なお、実施例1で説明した内容と重複する説明については省略する。

0054

図6に示す実施例2の電力系統の負荷周波数制御装置は、実施例1の構成に出力変動統計解析部16、出力変動統計解析結果データベースDB4を追加したものである。

0055

出力変動統計解析部16では、新エネルギーの理論的最大出力PBに対する出力の大きさPAの統計解析結果を算出する。

0056

出力変動統計解析結果データベースDB4には、新エネルギーの理論的最大出力PAに対する出力の大きさPBの統計解析結果が格納されている。

0057

図7は、実施例2に係るLFC調整力決定の処理を示すフローチャートを表している。なお、図3のフローチャートの処理と同じ処理内容のものについては、同一符号を付与している。

0058

図7の最初の処理ステップS1では、電力系統に接続されている新エネルギーの出力の総和PAを求める。なお、新エネルギーの出力の総和PAを求めるに際し、通信を介して新エネルギーの出力を入手可能である場合には測定値を用い、通信がないなどの理由により測定値が得られない新エネルギーである場合には、設備容量、設置位置、気象データ等から新エネルギーの出力の推定値を算出して用いる。あるいは通信はあるが通信周期、計測周期が十分でない場合については、適宜時間的補間処理により推定して、最終的に新エネルギーの出力の総和PAを求める。ここでは新エネルギーの出力の総和PAが時間情報と共に時系列的情報として得られる。

0059

処理ステップS2では、設備容量、設置位置、気象データ等から算出した新エネルギーの理論的最大出力を求め、これを例えばPBとする。図4において、新エネルギーの理論的最大出力は天候の影響を排除した特性(全時間帯で快晴を想定した特性)であり、正弦状の変化を示す特性のものである。この図で例えば時刻tにおける新エネルギーの理論的最大出力はPBtであり、実際には日照の関係で太陽光発電量としてはPAtを計測していることを示している。

0060

処理ステップS5では、新エネルギー理論的最大出力PBに対する新エネルギー出力PAの大きさZをZ=PA/PBとする。処理ステップS6では、新エネルギーの理論的最大出力PBに対する出力PAの大きさCの統計解析結果を算出する。なお処理ステップS5および処理ステップS6の処理は、図7の出力変動統計解析部16において実行される。

0061

図8は、算出した出力変動統計解析結果のイメージ例を示したテーブルである。図8のテーブルでは縦軸側に太陽光発電量の上げ側と下げ側を示し、横軸側に新エネルギーの理論的最大出力PBに対する出力PAの大きさCの値を出力帯ごとに区分して示している。具体的には、大きさCの値を1から0の範囲で規定化して示し、これを0.1幅で区分した出力帯を横軸に定義している。また太陽光発電量の上げ側(:PB−PA)についての単位時間x当たりの出力変動ΔZをΔZ=Z(t+x)—Z(t)として定めて、標準偏差σについてσ、2σ、3σの時の変動幅の値を算出し、下げ側(:PA)についての単位時間x当たりの出力変動ΔZをΔZ=Z(t)—Z(t+x)として定めて、標準偏差σについてσ、2σ、3σの時の変動幅の値を算出している。なお、tは現在時刻、xはtの10分後と設定する等、xは任意の時刻を設定できるものとする。

0062

図8のテーブルによる出力変動統計解析結果によれば、出力帯が例えば0.1以下である時に、上げ側の上げ幅が標準偏差σである時の、x時間後の出力変動ΔZは3.2%であり、上げ側の上げ幅が標準偏差2σである時の、x時間後の出力変動ΔZは6.4%であり、上げ側の上げ幅が標準偏差3σである時の、x時間後の出力変動ΔZは9.6%である。同様に、出力帯が例えば0.1以下である時に、下げ側の上げ幅が標準偏差σである時の、x時間後の出力変動ΔZは1.2%であり、下げ側の上げ幅が標準偏差2σである時の、x時間後の出力変動ΔZは2.4%であり、下げ側の上げ幅が標準偏差3σである時の、x時間後の出力変動ΔZは3.6%である。

0063

このテーブルによれば、同一出力帯であれば、上げまたは下げ側の出力変動ΔZは標準偏差σの倍数で増加する。また同一出力帯であれば、変動幅の大きい側での出力変動ΔZが大きな数値となる。例えば出力帯が0.1以下である時に、上げ側の上げ幅は大きいが、下げ幅は小さいことから、下げ側の出力変動ΔZが小さな値を示す。

0064

処理ステップS3では、処理ステップS6の新エネルギーの出力変動統計解析結果を考慮して下げ側のLFC調整力を決定する。処理ステップS4では、処理ステップS6の新エネルギーの出力変動統計解析結果を考慮して上げ側のLFC調整力を決定する。

0065

なお処理ステップS3、S4の処理に関し、例えば出力帯が0.1以下である時に、上げ側、あるいは下げ側の標準偏差σとして、σ、2σ、3σのいずれを選択するのかについては、人為的判断で行われ、あるいは需給バランス経済性を考慮して自動的に決定される。小さい標準偏差σを選択すれば、需給バランスは悪いが経済性上は有利に働く、逆に大きい標準偏差3σを選択すれば、需給バランスは良いが経済性上は不利であることから、何らかの指針をもって、適宜の数値を選択して使用する。

0066

このようにして選択された上げ側と下げ側の出力変動ΔZの数値が、LFC調整力における上げ側と下げ側での値とされる。

0067

AR計算部14においては、図8から得られた上げ側、下げ側の出力変動ΔZの数値を、x時間後における制限値として用い、(1)式から求めた地域要求量AR1を制限値とする範囲内の地域要求量ARを出力する。

0068

実施例2によれば、新エネルギーの理論的最大出力PAに対する実出力PBの大きさCの出力変動統計解析結果を用いて、出力変動を見込んだLFC調整力を確保することで、周波数変動を抑制できる。

0069

本発明の実施例3について、以下に説明する。なお、実施例1で説明した内容と重複する説明については省略する。

0070

図9に示す実施例3の電力系統の負荷周波数制御装置10は、実施例1の負荷周波数制御装置10において、新エネルギー出力データベースDB1と新エネルギー理論的最大出力データベースDB2を、新エネルギー出力予測データベースDB5に変更したものである。

0071

新エネルギー出力予測データベースDB5には、新エネルギーの出力予測値が格納されている。新エネルギーの出力予測値は、ニューラルネットワーク等の手法を用いて、数分、数時間先の値を予測したもの等である。

0072

実施例3によれば、新エネルギーの出力予測値を使用し、出力変動を見込んだLFC調整力を確保することで、周波数変動を抑制できる。

0073

本発明の実施例4について、以下に説明する。なお、実施例1で説明した内容と重複する説明については省略する。

0074

図10に示す実施例4の電力系統の負荷周波数制御装置10は、実施例1の負荷周波数制御装置10において、LFC調整力決定根拠出力部17を追加したものである。

0075

LFC調整力決定根拠出力部17において、時間断面毎のLFC調整力に対して、新エネルギー出力、新エネルギー理論的最大出力、LFC調整力の算出方法等を紐付け一覧表等の結果を出力する。

0076

図11はLFC調整力決定根拠出力部の出力イメージ例を示すテーブルである。各時間断面における上げ側と下げ側のLFC調整力とそれに基づくLFC調整力決定根拠を記載している。

実施例

0077

実施例4によれば、時間断面毎のLFC調整力に対して、新エネルギー出力、理論的最大出力、LFC調整力の算出方法等を紐付け、LFC調整力決定根拠として出力することで、公平性・透明性を担保することができる。

0078

DB1:新エネルギー出力データベース
DB2:新エネルギー理論的最大出力データベース
DB3:出力指令値データベース
DB4:出力変動統計解析データベース
DB5:新エネルギー出力予測データベース
10:電力系統の負荷周波数制御装置
11:LFC調整力決定部
12:周波数検出部
13:連系線潮流検出部
14:AR計算部
15:指令値配分部
16:出力変動統計解析部
17:LFC調整力決定根拠出力部
21:表示部
22:入力部
23:通信部
24:CPU
25:メモリ
26:バス線
Bus:ノード
Tr:変圧器
G:発電機
140:送電線路
Ld:負荷
300:通信ネットワーク

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