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技術 超音波検査装置および静電容量型超音波トランスデューサ

出願人 株式会社日立製作所
発明者 森田祐介町田俊太郎長谷川浩章竹崎泰一龍崎大介
出願日 2017年8月25日 (3年4ヶ月経過) 出願番号 2017-162606
公開日 2019年3月14日 (1年9ヶ月経過) 公開番号 2019-041275
状態 未査定
技術分野 超音波による材料の調査、分析 マイクロマシン 超音波変換器
主要キーワード 最低面 超音波送受信センサ プローブケース 容量検出型 振動幅 音響媒質 医療用診断装置 上端同士
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

電極間に空洞部を有し、メンブレン振動させる容量検出型超音波センサを含む超音波検査装置の性能を向上させる。

解決手段

1つの空洞部5を共有するチャネル6のそれぞれのメンブレン7のうち、互いに隣り合うメンブレン7同士の間に、それらのメンブレン7同士の対向する側面を接続し、空洞部5内の支柱12により支えられている接続部11を形成する。接続部11は、メンブレン7に比べてヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい。

概要

背景

超音波センサは、例えば医療用超音波エコー診断装置または非破壊検査超音波探傷装置などの様々な超音波検査装置に実用化されている。

これまでの超音波センサは、圧電体振動を利用したものが主流であるが、近年のMEMS技術の進歩により、MEMS技術を用いた静電容量型超音波トランスデューサ(CMUT:Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducer)の開発が進められている。

静電容量型超音波トランスデューサは、互いに対向する電極間に空洞部を持つ振動子半導体基板上に形成したものである。当該静電容量型超音波トランスデューサでは、各電極直流および交流電圧重畳印加してメンブレン(可撓性膜)を共振周波数付近で振動させ、これにより超音波を発生させる。

このような静電容量型超音波トランスデューサに係る技術については、例えば特許文献1(米国特許第7,800,189号明細書)に記載があり、1つの空洞部を共有する複数のチャネルのそれぞれのメンブレンのうち、互いに接続された隣り合うメンブレン同士の中間に、メンブレンを支える柱を複数配置した静電容量型超音波トランスデューサが開示されている。

概要

電極間に空洞部を有し、メンブレンを振動させる容量検出型の超音波センサを含む超音波検査装置の性能を向上させる。1つの空洞部5を共有するチャネル6のそれぞれのメンブレン7のうち、互いに隣り合うメンブレン7同士の間に、それらのメンブレン7同士の対向する側面を接続し、空洞部5内の支柱12により支えられている接続部11を形成する。接続部11は、メンブレン7に比べてヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい。

目的

本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサの主な特徴は、上下の電極間の空洞部5を複数のチャネル6が共有する場合に、隣り合うメンブレン7同士の間に、メンブレン7よりも柔らかい構造を有する接続部11を形成することにある

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

静電容量型超音波トランスデューサを備えた超音波検査装置であって、前記静電容量型超音波トランスデューサは、複数の可撓性膜と、前記複数の可撓性膜のうち、隣り合う前記可撓性膜同士の相互間に接続された、前記複数の可撓性膜のそれぞれよりも音響インピーダンスが低い接続部と、前記接続部を支え支柱と、前記複数の可撓性膜の直下に形成された第1電極と、前記複数の可撓性膜のそれぞれの直上に形成された第2電極と、前記複数の可撓性膜と前記第1電極との間に形成された空洞部と、を有する、超音波検査装置。

請求項2

請求項1記載の超音波検査装置において、前記接続部を構成する第1膜の膜厚は、前記複数の可撓性膜のそれぞれの膜厚よりも小さい、超音波検査装置。

請求項3

請求項1記載の超音波検査装置において、前記接続部は、前記複数の可撓性膜が互いに隣り合う方向に延在する蛇腹状の第2膜により構成されている、超音波検査装置。

請求項4

請求項1記載の超音波検査装置において、前記接続部は、互いに隣り合う前記複数の可撓性膜同士の間の貫通孔内に埋め込まれた第2膜を含んでおり、前記第2膜は、前記複数の可撓性膜のそれぞれよりも音響インピーダンスが低い、超音波検査装置。

請求項5

請求項1記載の超音波検査装置において、前記接続部は、互いに隣り合う前記複数の可撓性膜同士の対向する第1側面および第2側面の間において、前記第1側面から前記第2側面側に延在する複数の第1突出部と、前記第2側面から前記第1側面側に延在する複数の第2突出部とを含んでおり、前記複数の第1突出部と前記複数の第2突出部とは、縦方向に交互に重ねられており、前記複数の第1突出部および前記第1側面と前記複数の第2突出部および前記第2側面とは、互いに離間している、超音波検査装置。

請求項6

複数の可撓性膜と、前記複数の可撓性膜のうち、隣り合う前記可撓性膜同士の相互間に接続された、前記複数の可撓性膜のそれぞれよりも音響インピーダンスが低い接続部と、前記接続部を支える支柱と、前記複数の可撓性膜の直下に形成された第1電極と、前記複数の可撓性膜のそれぞれの直上に形成された第2電極と、前記複数の可撓性膜と前記第1電極との間に形成された空洞部と、を有する、静電容量型超音波トランスデューサ。

請求項7

請求項6記載の静電容量型超音波トランスデューサにおいて、前記接続部を構成する第1膜の膜厚は、前記複数の可撓性膜のそれぞれの膜厚よりも小さい、静電容量型超音波トランスデューサ。

請求項8

請求項6記載の静電容量型超音波トランスデューサにおいて、前記接続部は、前記複数の可撓性膜が互いに隣り合う方向に延在する蛇腹状の第2膜により構成されている、静電容量型超音波トランスデューサ。

請求項9

請求項6記載の静電容量型超音波トランスデューサにおいて、前記接続部は、互いに隣り合う前記複数の可撓性膜同士の間の貫通孔内に埋め込まれた第2膜を含んでおり、前記第2膜は、前記複数の可撓性膜のそれぞれよりも音響インピーダンスが低い、静電容量型超音波トランスデューサ。

請求項10

請求項6記載の静電容量型超音波トランスデューサにおいて、前記接続部は、互いに隣り合う前記複数の可撓性膜同士の対向する第1側面および第2側面の間において、前記第1側面から前記第2側面側に延在する複数の第1突出部と、前記第2側面から前記第1側面側に延在する複数の第2突出部とを含んでおり、前記複数の第1突出部と前記複数の第2突出部とは、縦方向に交互に重ねられており、前記複数の第1突出部および前記第1側面と前記複数の第2突出部および前記第2側面とは、互いに離間している、静電容量型超音波トランスデューサ。

請求項11

静電容量型超音波トランスデューサを備えた超音波検査装置であって、前記静電容量型超音波トランスデューサは、複数の可撓性膜と、前記複数の可撓性膜のうち、隣り合う前記可撓性膜同士の相互間に接続された、前記複数の可撓性膜のそれぞれよりもヤング率が低い接続部と、前記接続部を支える支柱と、前記複数の可撓性膜の直下に形成された第1電極と、前記複数の可撓性膜のそれぞれの直上に形成された第2電極と、前記複数の可撓性膜と前記第1電極との間に形成された空洞部と、を有する、超音波検査装置。

請求項12

請求項11記載の超音波検査装置において、前記接続部を構成する第1膜の膜厚は、前記複数の可撓性膜のそれぞれの膜厚よりも小さい、超音波検査装置。

請求項13

請求項11記載の超音波検査装置において、前記接続部は、前記複数の可撓性膜が互いに隣り合う方向に延在する蛇腹状の第2膜により構成されている、超音波検査装置。

請求項14

請求項11記載の超音波検査装置において、前記接続部は、互いに隣り合う前記複数の可撓性膜同士の間の貫通孔内に埋め込まれた第2膜を含んでおり、前記第2膜は、前記複数の可撓性膜のそれぞれよりもヤング率が低い、超音波検査装置。

請求項15

請求項11記載の超音波検査装置において、前記接続部は、互いに隣り合う前記複数の可撓性膜同士の対向する第1側面および第2側面の間において、前記第1側面から前記第2側面側に延在する複数の第1突出部と、前記第2側面から前記第1側面側に延在する複数の第2突出部とを含んでおり、前記複数の第1突出部と前記複数の第2突出部とは、縦方向に交互に重ねられており、前記複数の第1突出部および前記第1側面と前記複数の第2突出部および前記第2側面とは、互いに離間している、超音波検査装置。

技術分野

0001

本発明は、超音波検査装置および静電容量型超音波トランスデューサに関し、特に、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術により製造される静電容量型超音波トランスデューサおよび当該静電容量型超音波トランスデューサを用いた超音波検査装置に適用して有効な技術に関する。

背景技術

0002

超音波センサは、例えば医療用超音波エコー診断装置または非破壊検査超音波探傷装置などの様々な超音波検査装置に実用化されている。

0003

これまでの超音波センサは、圧電体振動を利用したものが主流であるが、近年のMEMS技術の進歩により、MEMS技術を用いた静電容量型超音波トランスデューサ(CMUT:Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducer)の開発が進められている。

0004

静電容量型超音波トランスデューサは、互いに対向する電極間に空洞部を持つ振動子半導体基板上に形成したものである。当該静電容量型超音波トランスデューサでは、各電極直流および交流電圧重畳印加してメンブレン(可撓性膜)を共振周波数付近で振動させ、これにより超音波を発生させる。

0005

このような静電容量型超音波トランスデューサに係る技術については、例えば特許文献1(米国特許第7,800,189号明細書)に記載があり、1つの空洞部を共有する複数のチャネルのそれぞれのメンブレンのうち、互いに接続された隣り合うメンブレン同士の中間に、メンブレンを支える柱を複数配置した静電容量型超音波トランスデューサが開示されている。

先行技術

0006

米国特許第7,800,189号明細書

発明が解決しようとする課題

0007

メンブレンの上下の電極間の容量を検出する静電容量型超音波トランスデューサでは、送信効率および受信感度を向上させる観点から、半導体チップ面積に対し、上部電極を振動させて振動子として使用できるチャネルの面積が占める割合(フィルファクタ)を増大させることが重要となる。特に、送受信する音波の周波数が高くなるとチャネルの幅が小さくなるため、チャネル同士の間のリム部が占める面積が大きくなるため、フィルファクタの減少が問題となる。

0008

複数のチャネルが1つの空洞部を共有する場合、チャネル同士の間の隔壁占有面積を低減することができるため、リム部が占める面積の増大を抑え、かつ、静電容量型超音波トランスデューサを微細化することが可能となる。しかし、特許文献1のように、1つの空洞部を共有する複数のチャネルのそれぞれのメンブレンが互いに直接接続されていると、各メンブレンが個別に振動することが困難となり、チャネル間の音響分離ができなくなる問題がある。その対策として、メンブレン同士の間に切れ目を設けてメンブレン同士を完全に分離すると、空洞部内真空状態が保持できず、空洞部内に外部からガスまたは音響媒質ゴミ)が浸入し、装置の信頼性が低下する虞がある。

0009

本発明の前記の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。

課題を解決するための手段

0010

本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。

0011

一実施の形態である超音波検査装置は、複数の可撓性膜と、前記複数の可撓性膜のうち、隣り合う前記可撓性膜同士の相互間に接続された、前記複数の可撓性膜のそれぞれよりも音響インピーダンスが低い接続部と、前記接続部を支える支柱とを有する静電容量型超音波トランスデューサを備えたものである。

0012

また、他の一実施の形態である静電容量型超音波トランスデューサは、複数の可撓性膜と、前記複数の可撓性膜のうち、隣り合う前記可撓性膜同士の相互間に接続された、前記複数の可撓性膜のそれぞれよりも音響インピーダンスが低い接続部と、前記接続部を支える支柱とを有するものである。

発明の効果

0013

本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。

0014

本発明によれば、超音波検査装置の性能を向上させることができる。

0015

また、本発明によれば、静電容量型超音波トランスデューサの性能を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施の形態1である静電容量型超音波トランスデューサを示す平面図である。
本発明の実施の形態1である静電容量型超音波トランスデューサの要部を示す平面図である。
図2のA−A線における断面図である。
図2のB−B線における断面図である。
図2のC−C線における断面図である。
本発明の実施の形態1の変形例1である静電容量型超音波トランスデューサを示す平面図である。
本発明の実施の形態1の変形例2である静電容量型超音波トランスデューサを示す平面図である。
本発明の実施の形態1の変形例3である静電容量型超音波トランスデューサの要部を示す平面図である。
図8のA−A線における断面図である。
図8のB−B線における断面図である。
本発明の実施の形態2である静電容量型超音波トランスデューサの要部を示す平面図である。
図11のA−A線における断面図である。
図11のB−B線における断面図である。
本発明の実施の形態2の変形例である静電容量型超音波トランスデューサの要部を示す平面図である。
図14のA−A線における断面図である。
図14のB−B線における断面図である。
本発明の実施の形態3である静電容量型超音波トランスデューサの要部を示す平面図である。
図17のA−A線における断面図である。
図17のB−B線における断面図である。
本発明の実施の形態4である超音波検査装置を示す斜視図である。
本発明の実施の形態4である超音波検査装置の構成を示すブロック図である。
比較例1である静電容量型超音波トランスデューサの要部を示す断面図である。
比較例2である静電容量型超音波トランスデューサの要部を示す断面図である。
比較例2である静電容量型超音波トランスデューサの要部を示す断面図である。
比較例1である静電容量型超音波トランスデューサを構成するメンブレンの動きを説明する断面図である。
本発明の実施の形態1である静電容量型超音波トランスデューサを構成するメンブレンの動きを説明する断面図である。

実施例

0017

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。

0018

本願における半導体基板とは、半導体集積回路の製造に用いるシリコンその他の半導体単結晶基板石英基板サファイア基板ガラス基板、その他の絶縁基板、または半導体基板など、並びにそれらの複合基板を指す。

0019

(実施の形態1)
本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサは、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて製造された超音波送受信センサである。

0020

<静電容量型超音波トランスデューサの構造>
以下に、図1図5を用いて、本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサの構造について説明する。図1および図2は、本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサを示す平面図である。図2では、図1の要部を拡大して示している。図3図5は、本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサを示す断面図である。図3図2のA−A線における断面図であり、図4図2のB−B線における断面図であり、図5図2のC−C線における断面図である。

0021

図1は、本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサである半導体チップ1の全体を示す平面図である。半導体チップ1は、厚さ方向に沿って互いに反対側に位置する主面(上面、表面)および裏面(下面)を有しており、図1では、半導体チップ1の主面側の平面図(上面図)を示している。

0022

図1に示すように、半導体チップ1の平面形状は、例えば長方形、つまり矩形である。ここでは、半導体チップ1はX方向に延在している。半導体チップ1の主面には、X方向に並ぶ複数のセル2と、複数のボンディングパッド(以下、パッドという)3、4とが配置されている。図1では、半導体チップ1の主面に3つのセル2を示しているが、セルの数は3つより少なくても多くてもよい。パッド3、4のそれぞれは、各セル2とY方向において隣り合って配置されている。X方向とY方向とは、平面視で互いに直交する方向であり、いずれも半導体チップ1の主面に沿う方向である。平面視において、X方向は半導体チップ1の長手方向であり、Y方向は半導体チップ1の短手方向である。パッド3、4は、半導体チップ1の入出力用端子であり、パッド3、4には、ボンディングワイヤなどが電気的に接続される。

0023

各セル2は1つの空洞部5を有している。空洞部5の平面視での形状は、例えば矩形である。各セル2は、空洞部5と平面視で重なる領域に、X方向に並ぶ3つのチャネル6を備えている。また、チャネル6は、空洞部5上にメンブレン(可撓性膜)7を有している。チャネル6のそれぞれは、超音波を発生させ、超音波を送信することが可能であり、かつ、超音波を受信することが可能な最小単位の振動子である。当該振動子は、例えば静電型可変容量可変容量センサ)を構成している。各チャネル6は、メンブレン7上に配置された上部電極8と、空洞部5の下に配置された下部電極9(図3参照)を有している。すなわち、下部電極9、空洞部5および上部電極8は、平面視で重なっている。各チャネル6は、メンブレン7および上部電極8を1つずつ備えており、セル2内の全てのチャネル6が1つの下部電極(裏面電極)9を共有している。また、1つの下部電極9を複数のセル2が共有していてもよい。

0024

各上部電極8のY方向の端部から配線が引き出されており、当該配線の端部の上面にパッド3が形成されている。つまり、パッド3は上部電極8に電気的に接続されている。また、Y方向において空洞部5と隣り合う領域であって、パッド3とは反対側の領域には、下部電極9に電気的に接続されたパッド4が配置されている。このように、平面視において、パッド3とパッド4の間に空洞部5が配置されており、空洞部5の内側に3つのメンブレン7と3つの上部電極8とが配置されている。言い換えれば、平面視でメンブレン7および上部電極8は空洞部5の内側に位置している。平面視での空洞部5の端部(側面)とメンブレン7および上部電極8とは互いに離間しており、隣り合うメンブレン7同士も互いに離間しており、隣り合う上部電極8も互いに離間している。

0025

半導体チップ1を構成する部分のうち、平面視で空洞部5と隣り合う部分である枠部(リム部)10は、例えば絶縁膜から成る。枠部10の一部は空洞部5の側面を構成している。枠部10は、後述する接続部11を介して間接的にメンブレン7を支える役割と、互いに隣り合う空洞部5同士の間の隔壁としての役割とを有する。

0026

図2には、上記半導体チップ1の要部であって、1つのセル2の平面図を拡大して示している。図2に示すように、チャネル6、メンブレン7および上部電極8のそれぞれは、Y方向に延在する長方形のレイアウトを有している。平面視において、メンブレン7と枠部10との間、および、セル2内で隣り合うメンブレン7同士の間は、薄い絶縁膜を含む接続部(低ヤング率部、低音インピーダンス部)11により接続されている。

0027

セル2内において、X方向で隣り合うメンブレン7同士の間の領域の直下の空洞部内には、支柱12が形成されている。支柱12は、半導体チップ1の主面に対して垂直な方向(垂直方向縦方向)において空洞部5を貫通する柱状の絶縁膜により構成されている。X方向で隣り合うメンブレン7同士の間でY方向に延在する接続部11の直下において、支柱12はY方向に一定の間隔で並んで複数配置されている。すなわち、支柱12は接続部11を支えることで、間接的にメンブレン7およびメンブレン7上の上部電極8を支える役割を有している。図2では、支柱12の輪郭破線で示している。

0028

図3および図4には、半導体チップ1(図1参照)が有する1つのセル2を示す断面であって、X方向に沿う断面を示している。また、図5には、半導体チップ1が有する1つのセル2を示す断面であって、Y方向に沿う断面を示している。図3および図5では、支柱12を含む断面を示し、図4では、支柱12を含まない断面を示している。

0029

図3図5に示すように、半導体チップ1は、基板13と、基板13上に順に積層された絶縁膜14、下部電極(裏面電極)9および絶縁膜15を有している。基板13は、上側の主面と、当該主面の反対側の裏面とを有している。基板13は、例えばシリコン(Si)単結晶から成る。絶縁膜14は、例えば酸化シリコン(SiO2等)などから成る。ここでは、絶縁膜14はTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate、テトラエトキシシラン)膜から成る。下部電極9は、例えばタングステン(W)膜または窒化チタン(TiN)膜などの導体膜から成る。また、下部電極9はタングステン膜または窒化チタン膜を含む複数の導体膜から成る積層構造を有していてもよい。絶縁膜15は、例えば酸化シリコン、窒化シリコン(Si3N4等)、炭化シリコン(SiC)または炭窒化シリコン(SiCN)から成る。なお、絶縁膜15は、不純物が導入されていない真性半導体であるアモルファス(非晶質)シリコンにより構成されていてもよい。

0030

絶縁膜15上には、セル2の周辺部に形成された枠部10と、基板13の主面に沿う方向(横方向)において枠部10に囲まれた空洞部5と、空洞部5の直上に形成された複数のメンブレン7と、複数のメンブレン7のそれぞれの直上に形成された上部電極8とが形成されている。また、空洞部5上には、互いに隣り合うメンブレン7の間を接続する接続部11と、互いに隣り合う枠部10とメンブレン7との間を接続する接続部11とが形成されている。下部電極9および絶縁膜15とメンブレン7との間には空洞部5が存在しており、下部電極9および絶縁膜15とメンブレン7とは互いに離間している。空洞部5の底面は絶縁膜15により構成され、空洞部5の側面は枠部10により構成され、空洞部5の上面は接続部11およびメンブレン7により構成されている。

0031

図3図5では、接続部11を破線で囲んでいる。図3および図5に示すように、X方向に隣り合うメンブレン7同士の間の接続部11の直下には、支柱12が形成されている。支柱12の上面は接続部11の下面に接し、支柱12の底面は絶縁膜15の上面に接している。支柱12の側面は空洞部5の側面を構成している。つまり、支柱12は平面視において空洞部5に囲まれており、支柱12は接続部11を支えている。すなわち、支柱12は、接続部11に接続されたメンブレン7および上部電極8を支えている。

0032

図3図5では、枠部10およびメンブレン7のそれぞれを1つの膜で示しているが、枠部10およびメンブレン7のそれぞれは、例えば、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜などの複数の絶縁膜を積層した構造を有している。また、支柱12は複数の絶縁膜を積層した構造を有していてもよい。支柱12は、例えば、酸化シリコン膜若しくは窒化シリコン膜またはそれらの絶縁膜を積層した積層膜から成る。

0033

接続部11は、複数のメンブレン7を含む積層絶縁膜の上面の一部をエッチング工程により後退させ、これにより溝16を形成することで形成されている。溝16は、メンブレン7の隣に形成され、溝16の底面は、メンブレン7の底面の高さに達していない。言い換えれば、溝16の底面は、当該積層絶縁膜の途中深さに位置している。つまり、当該エッチング工程で形成する溝16は、当該積層絶縁膜を貫通していない。溝16の底部には、当該積層絶縁膜の上面が後退した結果残った薄膜17が形成されており、接続部11は主に薄膜17により構成されている。ただし、本実施の形態の接続部11は、薄膜17上の溝16内の空間も含むものとする。薄膜17は、メンブレン7よりも膜厚が小さい絶縁膜または積層絶縁膜である。薄膜17は、例えば、酸化シリコン膜若しくは窒化シリコン膜またはそれらの絶縁膜を積層した積層膜から成る。

0034

例えば、薄膜17は、メンブレン7および枠部10のそれぞれの一部と一体になっている。つまり、薄膜17を構成する絶縁膜は、メンブレン7および枠部10のそれぞれを構成する積層膜のうちの一部の絶縁膜と同一の膜である。言い換えれば、メンブレン7、枠部10および薄膜17のそれぞれは、1つの絶縁膜を共有している。また、支柱12は、メンブレン7または薄膜17と共に同一の絶縁膜を共有していてもよい。

0035

図3では、溝16および薄膜17を、支柱12と同等の幅で示しているが、横方向における溝16および薄膜17のそれぞれの幅は、支柱12の幅よりも大きいことが好ましい。つまり、横方向において、溝16の両側の側面は、支柱12の側面よりも外側に位置していることが好ましい。言い換えれば、平面視において、支柱12の全体が溝16の内側に位置していることが望ましい。これは、図26を用いて後述するように、メンブレン7および上部電極8を撓むことなく振動させるためには、メンブレン7と支柱12との間に、ヤング率が低くばね定数が小さい接続部11を設けることが重要だからである。

0036

ここでいうメンブレンとは、振動子の動作時に振動する部分のことであり、図3では、各チャネル6において空洞部5の直上に位置する積層絶縁膜を指す。ここでは、メンブレン7と上部電極8とをそれぞれ別々の部分として説明するが、メンブレンの概念には上部電極8が含まれる場合がある。

0037

図3図5に示すように、支柱12は、X方向で隣り合うメンブレン7同士の間の接続部11の直下の全体に連続して延在しているのではなく、柱状のパターンを有しており、Y方向に並んで接続部11の下面の一部を複数の箇所で支えている。セル2内でX方向に並ぶチャネル6のそれぞれのメンブレン7の直下の空洞部5は互いに繋がっており、空洞部5は、絶縁膜15、枠部10、メンブレン7および接続部11により周囲を完全に囲まれ、密閉されている。したがって、空洞部5にガスまたはゴミが浸入することを防ぐことができる。

0038

上部電極8は、例えばタングステン(W)膜または窒化チタン(TiN)膜などの導体膜から成る。また、上部電極8はタングステン膜または窒化チタン膜を含む複数の導体膜から成る積層構造を有していてもよい。下部電極9と上部電極8との間隔は例えば500nm程度である。上部電極8は、接続部11および支柱12のそれぞれの直上には形成されていない。

0039

図1図5に示す本実施の形態の半導体チップ(静電容量型超音波トランスデューサ)1は、複数の振動子を有する装置である。静電容量型超音波トランスデューサを用いて超音波を発生させる動作(送信動作)では、下部電極9および上部電極8に直流および交流の電圧を重畳印加することにより、下部電極9と上部電極8との間に静電気力が働き、各振動子のメンブレン7が、メンブレン7のばねの力との釣り合いにより、共振周波数付近で垂直方向に振動する(図26参照)。このとき、上部電極8と下部電極9との間の最大の電位差は例えば300Vである。これにより、振動子から数MHzの超音波(超音波パルス)が発生する。

0040

また、静電容量型超音波トランスデューサによる受信動作では、各振動子のメンブレン7に到達した超音波の圧力によりメンブレン7が振動し、下部電極9と上部電極8との間の静電容量が変化することで、超音波を検出することができる。すなわち、反射波による下部電極9と上部電極8との間隔の変位を静電容量(各振動子の静電容量)の変化として検出する。このように静電容量型超音波トランスデューサを用いて超音波の送受信を行うことにより、例えば生体組織断層像撮像することができる。

0041

本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサの主な特徴は、上下の電極間の空洞部5を複数のチャネル6が共有する場合に、隣り合うメンブレン7同士の間に、メンブレン7よりも柔らかい構造を有する接続部11を形成することにある。本実施の形態では、隣り合うメンブレン7同士の間に溝16を形成し、接続部11を溝16内の空間と溝16の底部の薄膜17とにより構成することにより、メンブレン7の一部と同じ材料を含む接続部11のヤング率および音響インピーダンスを、メンブレン7のヤング率および音響インピーダンスよりも、それぞれ低くしている。薄膜17は、メンブレン7よりも膜厚が小さいため、薄膜17のばね定数はメンブレン7のばね定数よりも小さい。なお、仮にメンブレンが上部電極を含むものである場合でも、接続部11のヤング率および音響インピーダンスは、メンブレン7のヤング率および音響インピーダンスよりも低く、接続部11のばね定数は、メンブレン7のばね定数より小さい。

0042

また、メンブレン7よりも膜厚が小さい薄膜17を含む接続部11の音響インピーダンスは、メンブレン7の音響インピーダンスよりも低い。音響インピーダンスとは、音が媒質内伝播する際の抵抗値を表すものであり、音波が伝搬する媒質密度音速との積により求められる。本実施の形態では、接続部11は薄膜17と薄膜17の直上の溝16内の空間とにより構成されているため、接続部11の密度はメンブレン7よりも小さい。また、空洞部5または溝16内の空間のように、膜が形成されていない領域、つまり、真空領域または空気などのガスが存在する領域の音響インピーダンスは、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜などの膜の音響インピーダンスよりも低い。したがって、接続部11の音響インピーダンスは、メンブレン7の音響インピーダンスよりも低い。

0043

<静電容量型超音波トランスデューサの効果>
以下に、本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサの効果について、図26と、比較例を示す図22図25とを用いて説明する。図22は、比較例1である静電容量型超音波トランスデューサの要部を示す断面図である。図23および図24は、比較例2である静電容量型超音波トランスデューサの要部を示す断面図である。図22および図23は、図3に対応する箇所の断面、つまり支柱を含む断面であり、図24は、図4に対応する箇所の断面、つまり支柱を含まない断面である。図25は、比較例1の静電容量型超音波トランスデューサを構成するメンブレンの動きを説明する断面図である。図26は、本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサを構成するメンブレンの動きを説明する断面図である。図25および図26では、一部の上部電極について、ハッチングを省略している。

0044

静電容量型超音波トランスデューサ(CMUT:Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducer)は、送受信可能な超音波の周波数を高めることで、適用領域を拡大することができる。カテーテルまたは顕微鏡などに静電容量型超音波トランスデューサを応用する場合には、医療向けに使用される静電容量型超音波トランスデューサが送受信する超音波の周波数(1〜10MHz)よりも高い周波数(20MHz以上)の超音波を送受信する必要がある。

0045

静電容量型超音波トランスデューサの送受信可能な周波数が高くなると、その波長に依存して静電容量型超音波トランスデューサのチャネルの幅が狭くなり、結果的にデバイス領域センサ領域)に対するチャネル間のリム部の面積の占める割合が大きくなる。このことは、静電容量型超音波トランスデューサである半導体チップの面積に対し、超音波を送信(発生)、受信する領域(チャネル)が占める面積が減少すること、つまりフィルファクタの減少を意味する。フィルファクタが減少すると、静電容量型超音波トランスデューサの送信効率および受信感度が低下する問題が生じる。送信効率および受信感度などの静電容量型超音波トランスデューサの特性が低下することを避けるために、半導体チップの面積を増大させ、これにより超音波を送信受信する領域の面積を拡げることが考えられるが、この場合、静電容量型超音波トランスデューサの微細化が困難となる問題が生じる。

0046

これに対し、静電容量型超音波トランスデューサの面積の増大を防ぎつつ、半導体チップ上で、音の送受信に寄与しない領域を低減することを目的として、図22に示すような比較例1の構造を有する静電容量型超音波トランスデューサを形成することが考えられる。すなわち、全てのチャネル6の1つ1つを、枠部10により囲むのではなく、図22に示すように、互いに隣り合うチャネル6のそれぞれの空洞部5を連結させ、1つの空洞部5を複数のチャネル6が共有することで、チャネル6同士の間隔の増大を防ぐことができる。ここでは、互いに隣り合うメンブレン7同士の間の接続部111を支柱12で部分的に支えている。

0047

比較例1の静電容量型超音波トランスデューサは、互いに隣り合うメンブレン7同士の間、および、メンブレン7と枠部10との間のそれぞれに設けられた接続部111が、メンブレン7と同じ構造を有し、同じ膜厚を有しており、この点で本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサと異なる。つまり、接続部111の音響インピーダンスはメンブレン7の音響インピーダンスと同じ値であり、接続部111のヤング率はメンブレン7のヤング率と同じ値である。また、接続部111のばね定数はメンブレン7のばね定数と同じ値である。このため、所定のチャネル6で音の送受信を行う際、当該チャネル6のメンブレン7の振動の影響を受け、当該メンブレン7に接続された接続部および他のメンブレン7も振動する。すなわち、1つのメンブレン7が振動する際に、他のメンブレン7が振動することを防ぐことができない。このことは、同一の空洞部5を共有するチャネル6同士の間で音響的な分離ができないことを意味する。

0048

静電容量型超音波トランスデューサのセルをアレイ化して音響的なフォーカスを行う場合、アレイ内の複数のチャネル6のそれぞれは異なったタイミングで送受信を行う。このため、隣接するチャネル同士は音響的に分離する必要がある。しかし、比較例1のように、複数のチャネル6が空洞部5を共有し、かつ、メンブレン7同士の間の接続部111がメンブレン7と同じ構造を有している場合、チャネル6同士の間で音響分離をすることができない。その結果、静電容量型超音波トランスデューサの隣り合うチャネル6同士の間における音響的な分解能が低下する問題が生じる。

0049

音響的な分離ができない場合、次のような問題が生じる。すなわち、静電容量型超音波トランスデューサを用いて送受信する音および信号においてノイズが発生する問題、および、送信時に上部電極8および下部電極9に電圧を印加した際、メンブレン7が動き難い問題が生じる。つまり、隣り合うチャネル6のそれぞれを構成する振動子を個別に動作させて送受信を行うことが困難となる。

0050

これに対し、図23および図24に示す比較例2の静電容量型超音波トランスデューサのように、チャネル6同士を音響的に分離するために、互いに隣り合うメンブレン7同士の間に、メンブレン7を貫通する切れ込み(貫通孔24)を入れることが考えられる。すなわち、比較例2の静電容量型超音波トランスデューサは、空洞部5の直上において、互いに隣り合うメンブレン7同士の間に接続部を有しておらず、隣り合うメンブレン7同士は互いに分離している。支柱12はメンブレン7の端部の下面を支えており、図24に示すように、支柱12がない箇所では、空洞部5が露出している。この場合、静電容量型超音波トランスデューサの外部から、互いに隣り合うメンブレン7同士の間の貫通孔24を介してガスまたは音響媒質などが空洞部5内に浸入する。当該ガスまたは音響媒質は、半導体チップの製造工程および半導体チップの完成後に空洞部5内に浸入することが考えられる。その結果、空洞部5内の真空を保持できないため、上部電極8と下部電極9との間に電圧を印加した際、それらの電極間で放電が起こり易くなり、静電容量型超音波トランスデューサの信頼性が低下する。

0051

また、図22に示す比較例1のように、メンブレン7と接続部111とが、同じ構造、同じ膜厚、同じヤング率、同じばね定数、同じ音響インピーダンスを有している場合、支柱12の直上において固定されている接続部111の近傍のメンブレン7は、送受信の動作時に殆ど上下に動かない。つまり、図25に示すように、メンブレン7の中央部は垂直方向に大きく振動するが、メンブレン7の端部は垂直方向の振動幅が小さい。このため、メンブレン7は振動時に大きく湾曲する。この場合、1つのチャネル6内において、メンブレン7の振動時に下部電極9と上部電極8との間隔が変動する領域、つまり、静電容量の変化を検出することができる領域が、メンブレン7の中央部近傍のみに限られるため、静電容量型超音波トランスデューサの実効的なフィルファクタが減少する。

0052

なお、図25では1つのメンブレン7の動作態様のみを示しているが、図22を用いて説明したように、比較例1の静電容量型超音波トランスデューサでは隣り合うチャネル6同士の間の音響的分離が不十分であるため、所定のメンブレン7が振動する際に、当該メンブレン7と隣り合う他のメンブレン7も振動することが考えられる。

0053

そこで、本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサでは、隣り合うメンブレン7同士の間、および、メンブレン7と枠部10との間に、メンブレン7よりもヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい接続部11を設けている。ここでは、1つのセル2内において、複数のチャネル6が空洞部5を共有し、それらのチャネル6同士の間の領域を枠部10ではなく支柱12で支えることで、セル2内のチャネル6同士の間の幅を縮小している。これにより、半導体チップの面積に対し振動子が占める面積の割合を高めることができるため、静電容量型超音波トランスデューサの特性(送信効率および受信感度)を向上させることができる。

0054

また、本実施の形態では、支柱12の直上のみでなく、他の領域においてもメンブレン7同士の間を接続部11により接続することで、図23および図24に示した比較例2と異なり、空洞部5を密閉することができる。したがって、空洞部5内の真空を保持することができるため、上部電極8と下部電極9との間に電圧を印加した際、それらの電極間で放電が起こることを防ぎ、これにより、静電容量型超音波トランスデューサの信頼性を高めることができる。

0055

また、本実施の形態では、メンブレン7同士の間の接続部11のヤング率および音響インピーダンスが、それぞれメンブレン7のヤング率および音響インピーダンスよりも低い。このため、所定のチャネル6のメンブレン7が振動した際に、当該メンブレン7と隣り合う他のメンブレン7が影響を受け、意図せず振動することを防ぐことができる。また、音の送受信を行うために所定のメンブレン7を振動する際、当該メンブレン7が他のメンブレン7に接続されていることに起因して、振動し難くなることを防ぐことができる。よって、図22に示す比較例1に比べ、空洞部5を共有するチャネル6同士を音響的に分離することができる。つまり、互いに隣り合うチャネル6同士は、それらの相互間の支柱12の直上の接続部11を介して音響的に分離されている。また、静電容量型超音波トランスデューサの特性(送信効率および受信感度)を向上させることができる。

0056

また、接続部11のヤング率およびばね定数はメンブレン7のヤング率およびばね定数よりも小さく、接続部11はメンブレン7よりも柔らかく、剛性が低く、曲がりやすい部分である。よって、図26に示すように、メンブレン7が振動する際には接続部11が大きく変形し易い。このため、メンブレン7の振動時にメンブレン7およびメンブレン7上の上部電極8が撓むことを防ぐことができる。したがって、メンブレン7の振動時には、メンブレン7および上部電極8が殆ど湾曲しない状態で上下に動き、上部電極8の全体と下部電極9との間の垂直方向における距離が一様に変動する。これは、上部電極8の全体が、静電容量の変化を検出することができる領域として機能することを意味する。

0057

このように、上部電極8と下部電極9とが並行平板としての位置関係を保ったまま、上部電極8が振動するため、図25に示す比較例1に比べ、静電容量の変化を検出することができる領域の減少を防ぐことができ、静電容量型超音波トランスデューサの実効的なフィルファクタを向上させることができる。このとき、メンブレン7および上部電極8を撓むことなく振動させるためには、平面視でメンブレン7と支柱12との間に、ヤング率が低い接続部11を設けることが重要である。したがって、横方向において、溝16および薄膜17の幅、すなわち接続部11の幅は、支柱12の幅よりも大きいことが望ましい。

0058

以上に説明したように、メンブレン7よりもヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい接続部11を設けることで、メンブレン7同士の間の振動の伝播を防ぎ、隣り合うチャネル6同士の間の音響的分離を実現し、空洞部5を密閉して真空状態を保ち、かつ、メンブレン7の振動時に上部電極8が撓むことを防ぐことができる。また、フィルファクタが減少することを防ぎつつ、チャネルの幅を縮小することができるため、送受信する音波の周波数を高めることができる。よって、静電容量型超音波トランスデューサで検査可能な周波数帯域を拡げることができる。

0059

なお、図1図5では、メンブレン7と枠部10との間の領域に接続部11が形成されている場合について説明したが、当該領域に接続部11を形成せず、メンブレン7と枠部10とを直接接続してもよい。その場合、当該領域に接続部11を形成する場合に比べ、上部電極8と下部電極9との並行な位置関係を保ったまま上部電極8が振動させる効果は得難くなるが、メンブレン7同士を音響的に分離する効果は得られる。

0060

<変形例1>
図6に、本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサの変形例1を示す。図6は、本実施の形態の変形例1である静電容量型超音波トランスデューサを示す平面図である。

0061

図1では、1つの空洞部5が3つのチャネル6を有する場合について説明したが、図6に示すように、1つ空洞部5は、X方向に並ぶチャネル6を4つ以上有していてもよい。この場合においても、1つの空洞部5を共有する複数のチャネル6のそれぞれのメンブレン7は、隣り合う他のメンブレン7との間に接続部11を有しており、接続部11の直下には、Y方向に並ぶ複数の支柱12が配置されている。このように、空洞部5を共有するチャネル6の数を増やすことで、枠部10の面積を低減することができるため、静電容量型超音波トランスデューサのフィルファクタを向上させることができる。

0062

<変形例2>
図7に、本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサの変形例2を示す。図7は、本実施の形態の変形例2である静電容量型超音波トランスデューサを示す平面図である。図7では、下部電極9の輪郭を破線で示している。

0063

図1では、セル2がX方向にのみ並んで配置された場合の静電容量型超音波トランスデューサを示したが、セル2はX方向に加えてY方向に複数並んでいてもよい。つまり、セル2がアレイ状に並んでいてもよい。この場合、例えばY方向に並ぶ複数のチャネル6のそれぞれの上部電極8は互いに接続され、Y方向に並ぶ複数の上部電極8に接続された配線は、それらの複数の上部電極8に対し、Y方向の外側の一方に引き出され、当該配線の端部にパッド3が形成される。また、例えばX方向に並ぶ複数のチャネル6のそれぞれの下部電極9は互いに接続され、X方向に並ぶ複数のセル2のそれぞれの下部電極9に接続された配線は、それらの複数のセル2に対し、X方向の外側の一方に引き出され、当該配線の端部にパッド4が形成される。

0064

すなわち、ここでは所定のパッド3に接続された配線と、所定のパッド4に接続された配線の交点に1つのセル2を配置している。ここでは、1つのセル2内の3つの上部電極8に別々の電位を供給するため、それらの上部電極8のそれぞれに対し別々に接続されたパッド3を形成している。

0065

<変形例3>
図1図5では、メンブレン同士の間に、メンブレンと同じ構造を有する絶縁膜を薄膜化することで形成された接続部を設けることについて説明したが、以下では、図8図10を用いて、メンブレン7同士の間に横向きの蛇腹構造を有する接続部を設けることについて説明する。図8は、本実施の形態の変形例3である静電容量型超音波トランスデューサの平面図である。図9および図10は、それぞれ、図8のA−A線における断面図、および、図8のB−B線における断面図である。

0066

図8図10に示すように、本変形例の静電容量型超音波トランスデューサの構造は、図1図5を用いて説明した静電容量型超音波トランスデューサと比べ、互いに隣り合うメンブレン7同士の間の接続部(低ヤング率部、低音響インピーダンス部)21の断面構造蛇腹状である点で異なっており、他の構造は図1図5を用いて説明した静電容量型超音波トランスデューサと同様である。すなわち、接続部21は、X方向において互いに隣り合うメンブレン7同士の間、および、X方向において互いに隣り合うメンブレン7と枠部10との間のそれぞれに連続的に形成されている。また、ここでは、Y方向において互いに隣り合うメンブレン7と枠部10との間に、図1図5を用いて説明した接続部11が形成されている。空洞部5は、絶縁膜15、枠部10、接続部21およびメンブレン7により密封されている。

0067

接続部21は、メンブレン7および枠部10を構成する複数の絶縁膜のうちの一部の絶縁膜から成る。つまり、接続部21は、メンブレン7および枠部10のそれぞれの側面に接続されており、メンブレン7および枠部10のそれぞれと一体になっている。

0068

接続部21は、横方向に延在する蛇腹状(波状)の断面構造、つまり、ジグザグな断面構造を有している。例えば、X方向に互いに隣り合うメンブレン7同士の間、および、X方向に互いに隣り合うメンブレン7と枠部10との間のそれぞれにおいて、接続部21は、X方向に延在する蛇腹状(波状)の断面構造を有している。すなわち、接続部21は、メンブレン7が隣り合う方向に延在する蛇腹状の断面構造を有している。

0069

ここでは、Y方向で隣り合うメンブレン7と枠部10との間には、図1図5を用いて説明した接続部11が形成されているが、当該接続部11に代えて接続部21が形成されていてもよい。その場合、Y方向に互いに隣り合うメンブレン7と枠部10との間において、接続部21は、Y方向に延在する蛇腹状(波状)の断面構造を有している。

0070

接続部21の最低面の位置とメンブレン7の最低面の位置とは、互いに同じ高さにある。また、接続部21の最高面の位置とメンブレン7の最高面の位置とは、互いに同じ高さにある。すなわち、接続部21の全体の厚さと、メンブレン7の厚さとは、互いに同じである。複数のメンブレン7のうち、X方向に互いに隣り合う第1のメンブレン7と第2のメンブレン7との間の接続部21は、横方向に延在する第1膜と、横方向に延在し、第1膜に対して離間し、第1膜上に位置する第2膜と、縦方向に延在する第3膜とをそれぞれ複数有している。第3膜は、第1膜の第1のメンブレン7側の端部と、第2膜の第2のメンブレン7側の端部とを互いに接続し、または、第1膜の第2のメンブレン7側の端部と、第2膜の第1のメンブレン7側の端部とを互いに接続する絶縁膜である。

0071

第1膜の第1のメンブレン7側の端部、および、第1膜の第2のメンブレン7側の端部のそれぞれに、第3膜は接続されている。同様に、第2膜の第1のメンブレン7側の端部、および、第2膜の第2のメンブレン7側の端部のそれぞれに、第3膜は接続されている。ただし、第1膜および第2膜のそれぞれの端部のうち、いずれかのメンブレン7または枠部10に接続されている端部には、第3膜は接続されていない。なお、図8図10では、第2膜がメンブレン7および枠部10のいずれにも接続されていない場合の構造を示している。接続部21は、第1膜、第3膜、第2膜および第3膜の順に接続された連続する絶縁膜と、互いに隣り合う第3膜同士の間の空間とにより構成されている。第1膜、第2膜および第3膜のそれぞれの膜厚は、メンブレン7の厚さより小さい。

0072

X方向に互いに隣り合うメンブレン7同士の中間には第1膜が形成されており、当該第1膜の底面の一部は、支柱12により支えられている。当該第1膜を含む接続部21のうち、他の第1膜と、第2膜および第3膜とは、支柱12に接していない。すなわち、支柱12の直上の第1膜と、メンブレン7との間には、当該第1膜に接続された第3膜、第2膜および他の第1膜を含む接続部21が形成されている。

0073

なお、図8に示す接続部21のY方向の端部では、第2膜の端部と接続部11とに接続された第3膜(図示しない)が形成されているため、Y方向に延在する接続部21とX方向に延在する接続部11とによりメンブレン7を囲んでも、空洞部5の気密性を保つことができる。すなわち、空洞部5を密閉して真空状態を保つことができる。よって、空洞部5内にガスまたは音響媒質などが浸入することに起因する放電の発生を防ぎ、これにより、静電容量型超音波トランスデューサの信頼性を高めることができる。

0074

接続部21は、メンブレン7よりも膜厚が薄い膜により形成された蛇腹状の絶縁膜であるため、メンブレン7よりもヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい。つまり、接続部21はメンブレン7よりも柔らかく剛性が低いため、変形し易く、かつ、振動を伝え難い性質を有する。このため、メンブレン7同士の間の振動の伝播を防ぎ、隣り合うチャネル6同士の間の音響的分離を実現することができる。これにより、静電容量型超音波トランスデューサの性能を高めることができる。

0075

また、蛇腹状の接続部21は、図1図5を用いて説明した接続部11に比べてヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さいため、接続部11よりも変形し易い。よって、図26を用いて説明したように、メンブレン7の振動時にメンブレン7が曲がることを防ぐことができる。したがって、メンブレン7の振動時に上部電極8が撓むことを防ぐことができるため、静電容量の変化を検出することができる領域の減少を防ぐことができ、静電容量型超音波トランスデューサの実効的なフィルファクタを向上させることができる。

0076

(実施の形態2)
以下では、図11図13を用いて、隣り合うメンブレン7同士の間に、柔軟材料部を有する接続部を設けることについて説明する。図11は、本実施の形態2である静電容量型超音波トランスデューサの平面図である。図12および図13は、それぞれ、図11のA−A線における断面図、および、図11のB−B線における断面図である。

0077

図11図13に示すように、本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサの構造は、図1図5を用いて説明した静電容量型超音波トランスデューサと比べ、互いに隣り合うメンブレン7同士の間の接続部(低ヤング率部、低音響インピーダンス部)31が、メンブレン7を貫通する溝18と、溝18を埋め込んだ柔軟材料部(絶縁膜)19とにより構成されている点で異なっている。また、溝18は、互いに隣り合うメンブレン7と枠部10との間にも形成されており、当該溝18内にも柔軟材料部19が埋め込まれている。本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサのその他の構造は、図1図5を用いて説明した静電容量型超音波トランスデューサと同様である。各メンブレン7は、平面視で接続部31により囲まれている。

0078

柔軟材料部19は、メンブレン7に比べ、柔軟であり、ヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい性質を有する。すなわち、柔軟材料部19を構成する材料は、メンブレン7を構成する酸化シリコン膜および窒化シリコン膜のいずれよりもヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい。ここでは、柔軟材料部19は、例えば、メンブレン7を構成する酸化シリコン膜よりも密度が小さい酸化シリコン膜、または、インクジェット樹脂若しくはポリイミドなどの樹脂から成る。柔軟材料部19を構成する当該酸化シリコン膜は、例えばSOG(Spin on Glass)である。このような密度の低い酸化シリコン膜は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成することができる。当該酸化シリコン膜は、酸化法などで形成された酸化シリコン膜よりも誘電率が低い絶縁膜、つまり、所謂low−k膜である。

0079

柔軟材料部19は溝18内を完全に埋め込んでおり、柔軟材料部19の上部の一部は、メンブレン7の上面上に乗り上げている。つまり、柔軟材料部19の一部はメンブレン7の上面を覆っている。また、支柱12の上面は柔軟材料部19の下面に接しており、支柱12は、接続部31と、接続部31に接続されたメンブレン7とを支えている。溝18はメンブレン7を貫通しているため、支柱12がない領域では、柔軟材料部19の下面が空洞部5内で露出している。ここで、柔軟材料部19がない場合、メンブレン7を貫通する溝18が開口されているため、空洞部5内の気密性を保つことはできない。しかし、本実施の形態では溝18を柔軟材料部19により埋め込むことで、空洞部5を密閉して真空状態を保つことができる。よって、空洞部5内にガスまたは音響媒質などが浸入することに起因する放電の発生を防ぐことができ、これにより、静電容量型超音波トランスデューサの信頼性を高めることができる。

0080

ここでは、図12および図13において、互いに同じ幅を有する溝18および支柱12を示しているが、図11に示すように、X方向の溝18の幅は、X方向の支柱12の幅より大きくてもよい。また、X方向の溝18の幅は、X方向の支柱12の幅より小さくてもよい。接続部31は、メンブレン7よりもヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さいため、メンブレン7に比べて振動を伝えにくい性質を有する。また、互いに隣り合うメンブレン7同士は、溝18により分離されており、それらのメンブレン7同士の間には、メンブレン7と絶縁膜を共有する膜は形成されていない。このため、メンブレン7同士の間の振動の伝播を防ぎ、隣り合うチャネル6同士の間の音響的分離を実現することができる。これにより、静電容量型超音波トランスデューサの性能を高めることができる。

0081

また、メンブレン7に比べてヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい柔軟材料部19を接続部31に形成することで、図26を用いて説明したように、メンブレン7の振動時にメンブレン7が曲がることを防ぐことができる。したがって、メンブレン7の振動時に上部電極8が撓むことを防ぐことができるため、静電容量の変化を検出することができる領域の減少を防ぐことができ、静電容量型超音波トランスデューサの実効的なフィルファクタを向上させることができる。このようにメンブレン7の振動時に上部電極8が撓むことを防ぐ観点では、X方向の溝18の幅は、X方向の支柱12の幅より大きいことが好ましい。

0082

なお、ここではメンブレン7を貫通する溝18内に柔軟材料部19を埋め込むことについて説明したが、前記実施の形態1の接続部11(図3参照)に本実施の形態を組み合わせて、薄膜17上の溝16内に柔軟材料部19を埋め込んでもよい。この場合、接続部11の強度を向上させることができる。同様に、前記実施の形態3の蛇腹状の接続部21(図9参照)において、互いに隣り合う第3膜同士の間に柔軟材料部19を埋め込んでもよい。

0083

<変形例>
以下では、図14図16を用いて、メンブレン7同士に溝の上部の一部に柔軟材料部を埋め込むことについて説明する。図14は、本実施の形態の変形例である静電容量型超音波トランスデューサの平面図である。図15および図16は、それぞれ、図14のA−A線における断面図、および、図14のB−B線における断面図である。

0084

図14図16に示すように、本変形例の静電容量型超音波トランスデューサの構造は、図1図5を用いて説明した静電容量型超音波トランスデューサと比べ、互いに隣り合うメンブレン7同士の間の接続部(低ヤング率部、低音響インピーダンス部)41が、メンブレン7を貫通する溝20と、溝20の上部を埋め込んだ柔軟材料部25とにより構成されている点で異なっている。同様に、溝20は、互いに隣り合うメンブレン7と枠部10との間にも形成されており、当該溝20内にも柔軟材料部25が埋め込まれている。本変形例の静電容量型超音波トランスデューサのその他の構造は、図1図5を用いて説明した静電容量型超音波トランスデューサと同様である。各メンブレン7は、平面視で接続部41により囲まれている。

0085

溝20は、互いに隣り合うメンブレン7同士の間、および、互いに隣り合うメンブレン7と枠部10との間のそれぞれに開口された、メンブレン7を貫通するスリットである。溝20の短手方向の幅は、図11図13を用いて説明した溝18の短手方向の幅よりも小さく、支柱12の幅よりも小さい。このため、メンブレン7の端部の下面の一部は支柱12の上面に接しており、メンブレン7は支柱12により直接支えられている。

0086

溝20内の上部は、柔軟材料部25により埋め込まれている。ただし、図11図13を用いて説明した柔軟材料部19とは異なり、柔軟材料部25は溝20を完全には埋め込んでいない。つまり、柔軟材料部25は溝20の側面のうちの上部(上端)のみを覆っており、当該側面のうちの下部(下端)は柔軟材料部25から露出している。このため、溝20の一部は空洞部5を構成している。言い換えれば、互いに隣り合うメンブレン7のそれぞれの上端同士の間には柔軟材料部25が埋め込まれており、互いに隣り合うメンブレン7のそれぞれの下端同士の間には空洞が存在する。

0087

柔軟材料部25は、上記柔軟材料部19と同様の材料から成り、メンブレン7よりもヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい。柔軟材料部25の一部はメンブレン7上に位置しており、メンブレン7の上面の端部を覆っている。図15および図16に示すように、柔軟材料部25は、概ね円状の断面を有している。つまり、例えば互いに隣り合うメンブレン7同士の間において、柔軟材料部25は、Y方向に延在する倒れ円柱状の構造を有している。柔軟材料部25により全ての溝20の上部は塞がれている。よって、溝20を柔軟材料部25により埋め込むことで、空洞部5を密閉して真空状態を保つことができる。このため、空洞部5内にガスまたは音響媒質などが浸入することに起因する放電の発生を防ぐことができ、これにより、静電容量型超音波トランスデューサの信頼性を高めることができる。

0088

接続部41は、溝20と、溝20内の上部に埋め込まれた柔軟材料部25と、柔軟材料部25の下の溝20内の空洞とにより構成されている。したがって、接続部41は、メンブレン7よりもヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さいため、メンブレン7に比べて振動を伝え難い性質を有する。また、互いに隣り合うメンブレン7同士は、溝20により分離されており、それらのメンブレン7同士の間には、メンブレン7と絶縁膜を共有する膜は形成されていない。このため、メンブレン7同士の間の振動の伝播を防ぎ、隣り合うチャネル6同士の間の音響的分離を実現することができる。これにより、静電容量型超音波トランスデューサの性能を高めることができる。

0089

また、メンブレン7に比べてヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい柔軟材料部25を接続部41に形成することで、図26を用いて説明したように、メンブレン7の振動時にメンブレン7が曲がることを防ぐことができる。すなわち、図22および図25に示すように、メンブレン7と同じ構造から成る接続部111を形成する場合に比べ、本変形例の接続部41は、ヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい。したがって、メンブレン7の振動時に上部電極8が撓むことを防ぐことができるため、静電容量の変化を検出することができる領域の減少を防ぐことができ、静電容量型超音波トランスデューサの実効的なフィルファクタを向上させることができる。

0090

また、溝20内に柔軟材料部25が形成されておらず、柔軟材料部25が溝20と隣り合うメンブレン7のそれぞれの端部の上面を覆い、溝20の上部を塞いでいる場合であって、接続部41が、溝20上の柔軟材料部25と、柔軟材料部25の下の溝20内の空間とにより構成されている場合にも、上記の効果と同様の効果を得ることができる。なぜならば、この場合にも、空洞部5は密封されており、かつ、互いに隣り合うメンブレン7同士は、それらのメンブレン7のそれぞれの上面の端部に接する柔軟材料部25により互いに接続されるためである。

0091

なお、ここではメンブレン7を貫通する溝20内に柔軟材料部25を埋め込むことについて説明したが、前記実施の形態1の接続部11(図3参照)に本変形例を組み合わせて、薄膜17上の溝16内の上部に柔軟材料部25を埋め込んでもよい。この場合、接続部11の強度を向上させることができる。同様に、前記実施の形態3の蛇腹状の接続部21(図9参照)において、互いに隣り合う第3膜同士の間であって、第1膜の直上の溝の上部に柔軟材料部25を埋め込んでもよい。

0092

(実施の形態3)
以下では、図17図19を用いて、メンブレン7同士の間に縦向きの蛇腹構造を有する接続部を設けることについて説明する。図17は、本実施の形態3である静電容量型超音波トランスデューサの平面図である。図18および図19は、それぞれ、図17のA−A線における断面図、および、図17のB−B線における断面図である。

0093

図17図19に示すように、本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサの構造は、図1図5を用いて説明した静電容量型超音波トランスデューサと比べ、互いに隣り合うメンブレン7同士の間の接続部(低ヤング率部、低音響インピーダンス部)51の断面構造が縦向きの蛇腹状である点で異なっている。本実施の形態の静電容量型超音波トランスデューサのその他の構造は、図1図5を用いて説明した静電容量型超音波トランスデューサと同様である。すなわち、接続部51は、X方向において互いに隣り合うメンブレン7同士の間、および、メンブレン7と枠部10との間のそれぞれに連続的に形成されている。

0094

互いに隣り合うメンブレン7同士の間の接続部51は、それらのメンブレン7の対向する側面のうち、一方の第1側面から他方の第2側面に向かって横方向に突出する複数の第1突出部22と、第2側面から第1側面に向かって横方向に突出する複数の第2突出部23とを有している。つまり、第1突出部22は第1側面に接続されており、第2突出部は第2側面に接続されている。当該接続部51を構成する第1突出部22と第2突出部23とは、縦方向において、互いに離間して交互に配置されている。また、メンブレン7の対向する側面である第1側面および第2側面は、互いに離間している。すなわち、第1側面および第1突出部22と、第2側面および第2突出部23との間には、メンブレン7の上面から下面まで貫通する蛇腹状の空間が開口されている。つまり、当該空間はメンブレン7の上面から下面に亘って連続的に形成されており、当該空間には柔軟材料部などは埋め込まれていない。したがって、空洞部5は密封されていない。

0095

このように、互いに隣り合うメンブレン7同士の間の接続部51は、一方のメンブレン7の第1側面に縦方向に並んで複数形成された櫛歯状の第1突出部22と、他方のメンブレン7の第2側面に縦方向に並んで複数形成された櫛歯状の第2突出部23とを互い違いに組み合わせた形状を有している。つまり、接続部51は、複数の第1突出部22、複数の第2突出部23、および、第1側面と第2側面との間の空間により構成されている。これは、互いに隣り合うメンブレン7と枠部10との間の接続部51も同様である。

0096

すなわち、互いに隣り合うメンブレン7と枠部10との間の接続部51は、それらのメンブレン7と枠部10との対向する側面のうち、一方の第3側面から他方の第4側面に向かって横方向に突出する複数の第1突出部22と、第4側面から第3側面に向かって横方向に突出する複数の第2突出部23とを有している。つまり、第1突出部22は第3側面に接続されており、第2突出部は第4側面に接続されている。当該接続部51を構成する第1突出部22と第2突出部23とは、縦方向において、互いに離間して交互に配置されている。また、互いに対向する側面である第3側面および第4側面は、互いに離間している。すなわち、第3側面および第1突出部22と、第4側面および第2突出部23との間には、メンブレン7および枠部10のそれぞれの上面からメンブレン7の下面まで貫通する蛇腹状の断面を有する空間が開口されている。

0097

このように、互いに隣り合うメンブレン7と枠部10との間の接続部51は、第3側面に縦方向に並んで複数形成された櫛歯状の第1突出部22と、第4側面に縦方向に並んで複数形成された櫛歯状の第2突出部23とを互い違いに組み合わせた形状を有している。

0098

接続部51の全体の厚さと、メンブレン7の厚さとは、互いに同じである。接続部51を構成する第1突出部22および第2突出部23は、平面視で互いに重なっている。互いに隣り合うメンブレン7同士の間の接続部51を構成する第1突出部22および第2突出部23は、メンブレン7の側面に沿ってY方向に延在している。また、X方向で隣り合うメンブレン7と枠部10との間の接続部51を構成する第1突出部22および第2突出部23は、メンブレン7の側面に沿ってY方向に延在している。また、Y方向で隣り合うメンブレン7と枠部10との間の接続部51を構成する第1突出部22および第2突出部23は、メンブレン7の側面に沿ってX方向に延在している。第1突出部22および第2突出部23のそれぞれの縦方向の厚さは、メンブレン7の厚さよりも小さい。また、第1突出部22と第2突出部23との間の空間の縦方向の距離は、メンブレン7の厚さよりも小さい。

0099

互いに隣り合うメンブレン7同士の間の接続部51の下面の一部は、支柱12により支えられている。つまり、第1突出部22または第2突出部23のいずれかの下面が、支柱12の上面に接している。例えば第1突出部22の下面が支柱12の上面に接している場合には、第2突出部23は当該支柱12に接していない。支柱12の上面の一部は、支柱12に接する第1突出部22または第2突出部23と離間するメンブレン7の下面の端部に接している。つまり、支柱12は、上記空間を挟んで配置された一方のメンブレン7の下端と、他方のメンブレン7の側面に接続された第1突出部22または第2突出部23とを直接支えている。

0100

図19に示すように、支柱12(図18参照)の直上以外の領域では、接続部51を構成する上記空間はメンブレン7を貫通している。このため、当該空間を通じて空洞部5内にガスまたは音響触媒(ゴミ)が侵入し、これに起因して上下の電極間に放電が生じることが問題となるようにも思える。しかし、ここでは互いに隣り合うメンブレン7同士の間、および、互いに隣り合うメンブレン7と枠部10との間のそれぞれにおいて、複数の第1突出部と複数の第2突出部とを互いに離間した状態で交互に重ねることで、縦方向に延びる蛇腹状の空間を形成している。これにより、図23および図24に示す比較例2の貫通孔24に比べて、ガスおよびゴミが接続部51上から空洞部5内に侵入する経路を長くすることができ、かつ、当該経路を複雑にすることができる。

0101

これにより、ガスおよびゴミが空洞部5内に侵入することを防ぐことができる。また、ガスおよびゴミが空洞部5内に侵入したとしても、図23および図24に示す比較例2に比べて、ガスおよびゴミが空洞部5内に侵入する確率を低減し、ガスおよびゴミが空洞部5内に侵入するまでの所要時間を増大させることができる。したがって、静電容量型超音波トランスデューサの寿命延ばすことができるため、静電容量型超音波トランスデューサの信頼性を向上させることができる。

0102

ここで、第1突出部22および第2突出部23のそれぞれは、メンブレン7または枠部10を構成する絶縁膜と同じ絶縁膜から成る。すなわち、第1突出部22および第2突出部23のそれぞれは、例えば酸化シリコン膜または窒化シリコン膜などから成る。ただし、接続部51は、複数の第1突出部22、複数の第2突出部23、および、第1突出部22と第2突出部23との間の蛇腹状の空間とにより構成されている。このため、接続部51は、メンブレン7よりもヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい。つまり、接続部51はメンブレン7よりも変形しやすく、かつ、振動を伝え難い性質を有する。このため、メンブレン7同士の間の振動の伝播を防ぎ、隣り合うチャネル6同士の間の音響的分離を実現することができる。特に、本実施の形態では、互いに隣り合うメンブレン7同士が完全に分離しているため、チャネル6同士の間での音響的な分離性能が優れている。したがって、静電容量型超音波トランスデューサの性能を高めることができる。

0103

また、接続部51は、メンブレン7に比べてヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい。このため、図26を用いて説明したように、メンブレン7の振動時にメンブレン7が曲がることを防ぐことができる。したがって、メンブレン7の振動時に上部電極8が撓むことを防ぐことができるため、静電容量の変化を検出することができる領域の減少を防ぐことができ、静電容量型超音波トランスデューサの実効的なフィルファクタを向上させることができる。

0104

(実施の形態4)
次に、前記実施の形態1〜3のいずれかの超音トランスデューサ(半導体チップ)を、例えば超音波エコー診断装置(超音波診断装置超音波画像装置)などの超音波検査装置に適用した場合について、図20および図21を用いて説明する。図20は、本実施の形態の超音波検査装置を示す斜視図である。図21は、本実施の形態の超音波検査装置の構成を示すブロック図である。

0105

超音波画像装置は、音波の透過性を利用し、外から見ることのできない生体内部を、可聴音領域を超えた超音波を用いてリアルタイムで画像化して目視可能にした医療用診断装置である。図20に示すように、超音波画像装置30は、本体32と、本体32の上部に設置された表示部33と、本体の前面部分に取り付けられた操作部36と、静電容量型超音波トランスデューサ34を含む超音波探触子プローブ)35とを備えている。超音波探触子35からはコードが伸びており、当該コードは接続部37において本体32に接続されている。この静電容量型超音波トランスデューサ34は、例えば図1に示す半導体チップ1に相当する。

0106

図21に示すように、超音波画像装置(超音波検査装置)30は、超音波探触子35、送受信分離部40、送信部42、バイアス部43、受信部44、整相加算部45、画像処理部46、表示部33、制御部47および操作部36により構成されている。超音波探触子35は送受信分離部40に接続されており、操作部36は制御部47に接続されている。送信部42およびバイアス部43は、送受信分離部40と制御部47との間に並列に接続されている。送受信分離部40は受信部44に接続されており、受信部44は整相加算部45および表示部33に接続されており、画像処理部46は制御部47、整相加算部45および表示部33に接続されている。

0107

超音波探触子35は、被検体生体)に接触させて被検体との間で超音波を送受波する装置であり、被検体との接触面に静電容量型超音波トランスデューサ素子のアレイを備えている。この静電容量型超音波トランスデューサとして、前記実施の形態1〜3のいずれかの静電容量型超音波トランスデューサが採用されている。

0108

次に、本実施の形態の超音波検査装置である超音波画像装置30の動作について説明する。超音波画像装置30を用いて検査をする際には、超音波探触子35から超音波が被検体に送波され、被検体からの反射エコー信号が超音波探触子35により受波される。送信部42およびバイアス部43は、超音波探触子35に駆動信号を供給する装置である。

0109

受信部44は、超音波探触子35から出力される反射エコー信号を受信する装置である。受信部44は、さらに、受信した反射エコー信号に対してアナログデジタル変換などの処理を行う。送受信分離部40は、送信時には送信部42から超音波探触子35へ駆動信号を渡し、受信時には超音波探触子35から受信部44へ受信信号を渡すよう送信と受信とを切り換え、分離するものである。

0110

整相加算部45は、受信された反射エコー信号を整相加算する装置である。画像処理部46は、整相加算された反射エコー信号に基づいて診断画像(例えば、断層像または血流像など)を構成する装置である。表示部33は、画像処理された診断画像を表示する表示装置である。

0111

制御部47は、上述した各構成要素を制御する装置である。操作部36は、制御部47に指示を与える装置である。操作部36は、例えば、トラックボールキーボード若しくはマウスなどの入力機器またはそれらを組み合わせたものである。

0112

図20に示す超音波探触子35は、超音波の送受信部である。超音波探触子35を形成するプローブケースの先端面には、静電容量型超音波トランスデューサ34が、その主面(複数の振動子の形成面)を外部に向けた状態で取り付けられている。

0113

超音波診断に際しては、超音波探触子35の先端を被検体(生体)の表面に当てた後、超音波探触子35の先端が被検体の表面に当たる位置を徐々にずらしながら走査する。このとき、体表に当てた超音波探触子35から被検体内に数MHzの超音波パルスを送波し、音響インピーダンスの異なる組織境界からの反射波(反響またはエコー)を受波する。これにより、表示部33に表示された生体組織の断層像を得て、診断対象に関する情報を知ることができる。超音波を送波してから受波するまでの時間間隔によって反射体距離情報が得られる。また、反射波のレベルまたは外形から反射体の存在または質に関する情報が得られる。

0114

本実施の形態の超音波検査装置は、超音波探触子が備える静電容量型超音波トランスデューサとして、前記実施の形態1〜3で説明した静電容量型超音波トランスデューサを採用している。すなわち、当該静電容量型超音波トランスデューサは、空洞部を共有する複数のチャネルのそれぞれのメンブレン同士の間に、支柱12により支えられた接続部であって、メンブレンよりもヤング率および音響インピーダンスが低く、ばね定数が小さい接続部を有するものである。

0115

これにより、メンブレン同士の間の振動の伝播を防ぎ、隣り合うチャネル同士の間の音響的分離を実現することができるため、静電容量型超音波トランスデューサの特性(送信効率および受信感度)を向上させることができる。また、チャネルの幅を縮小しても、複数のチャネルが空洞部を共有させることで、枠部が占める面積の割合が増大することを防ぐことができる。よって、静電容量型超音波トランスデューサの主面のうち、振動子として使用できるチャネルの面積が占める割合(フィルファクタ)が減少することを防ぎつつ、静電容量型超音波トランスデューサを微細化することができる。また、フィルファクタが減少することを防ぎつつ、チャネルの幅を縮小することで、送受信する音波の周波数を高めることができるため、超音波検査装置で検査可能な周波数帯域を拡げることができる。よって、超音波検査装置の性能を向上させることができる。

0116

また、静電容量型超音波トランスデューサの空洞部の気密性を高めつつ、メンブレン同士の音響的分離を実現することができる。よって、超音波検査装置の信頼性を向上させることができる。また、メンブレンの振動時にメンブレンおよび上部電極が撓むことを防ぐことができるため、静電容量型超音波トランスデューサの主面のうち、振動子として使用できるチャネルの面積が占める割合(フィルファクタ)を向上させることができる。よって、超音波検査装置の性能を向上させることができる。

0117

以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。

0118

例えば、前記実施の形態4では、医療用診断装置に静電容量型超音波トランスデューサを用いる場合について説明したが、前記実施の形態1〜3で説明した静電容量型超音波トランスデューサは、カテーテルまたは顕微鏡などの超音波検査装置に使用することが可能である。

0119

5 空洞部
6チャネル
7メンブレン
8 上部電極
9 下部電極
10 枠部
11 接続部(低ヤング率部、低音響インピーダンス部)
12 支柱

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