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技術 ポリアリーレンスルフィド樹脂、及び成形品

出願人 エスケーケミカルズカンパニーリミテッド
発明者 イセホキムスンギ
出願日 2018年11月19日 (1年7ヶ月経過) 出願番号 2018-216728
公開日 2019年3月14日 (1年3ヶ月経過) 公開番号 2019-039015
状態 未査定
技術分野 硫黄,リン,金属系主鎖ポリマー
主要キーワード 初期反応物 屈曲強度 ヨードアリール化合物 ジヨード化合物 ブチルベンゾチアゾール ポリブタジエン系エラストマ 進行程度 腐食性環境
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課題

他の高分子素材充填材などとのより向上した相溶性を示すポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide)の提供。

解決手段

ジヨード芳香族化合物硫黄元素を含む反応物重合反応させる過程で、カルボキシ基またはアミノ基を有する化合物を反応させたポリアリーレンスルフィドであり、主鎖末端の少なくとも一部にカルボキシ基(−COOH)またはアミノ基(−NH2)のような反応性基が導入されることにより、他の高分子素材や、充填材などとの相溶性が向上する。

概要

背景

現在、ポリアリーレンスルフィドは、代表的なエンジニアリングプラスチック(Engineering Plastic)で、高い耐熱性耐薬品性耐燃性(flame resistance)、電気絶縁性などによって、高温および腐食性環境で使用される各種製品電子製品に使用される用途に需要が増大している。

このようなポリアリーレンスルフィドのうち、商業的に販売されるのは、現在、ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide;以下、「PPS」)が唯一である。現在まで主に適用されるPPSの商業的生産工程は、パラ−ジクロロベンゼン(p−dichlorobenzene;以下、「pDCB」)と硫化ナトリウム(sodium sulfide)を原料として、N−メチルピロリドン(N−methyl pyrrolidone)などの極性有機溶媒溶液重合反応させる方法である。この方法は、マッカラム工程(Macallum process)として知られている。

しかし、このようなマッカラム工程で製造したポリアリーレンスルフィドの場合、硫化ナトリウムなどを用いた溶液重合工程によって塩形態副産物が発生することがあり、このような塩形態の副産物または残留有機溶媒の除去のために洗浄または乾燥工程などが必要になる欠点がある。また、このようなマッカラム工程で製造されたポリアリーレンスルフィドが粉末形態を有することにより、後加工が容易でなく、作業性が低下することがある。

これによって、ジヨード芳香族化合物硫黄元素を含む反応物溶融重合する方法で前記PPSなどのポリアリーレンスルフィドを製造する方法が提案された。このように製造されたポリアリーレンスルフィドは、製造過程中に塩形態の副産物などが発生せず、有機溶媒の使用が要求されないため、これらの除去のための別途の工程が要求されない。また、最終製造されたポリアリーレンスルフィドがペレットpellet)形態を有することにより、後加工がより容易になり、作業性が良い利点がある。

しかし、前記溶融重合方式で製造されたポリアリーレンスルフィドの場合、その主鎖末端ヨードと大部分のアリール基(代表的に、ベンゼン)とからなっている。このようなポリアリーレンスルフィドの場合、主鎖構造の特性上、他の高分子素材またはガラス繊維などの各種強化材充填材との相溶性が低下する欠点がある。

これによって、前記溶融重合方式で製造されたポリアリーレンスルフィドの場合、多様な用途に適した最適化した物性を示すようにするために他の高分子素材または充填材などとコンパウンディングすることが難しく、コンパウンディングしても所望の最適化した物性を示しにくい欠点があった。

概要

他の高分子素材や充填材などとのより向上した相溶性を示すポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide)の提供。ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を重合反応させる過程で、カルボキシ基またはアミノ基を有する化合物を反応させたポリアリーレンスルフィドであり、主鎖末端の少なくとも一部にカルボキシ基(−COOH)またはアミノ基(−NH2)のような反応性基が導入されることにより、他の高分子素材や、充填材などとの相溶性が向上する。なし

目的

本発明は、他の高分子素材や充填材などとのより向上した相溶性を示すポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide)を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリアリーレンスルフィドであって、ジヨード芳香族化合物及び硫黄を含む反応物溶融重合させる過程で、カルボキシ基を有する化合物を反応させたものであり、前記ポリアリーレンスルフィドの主鎖の末端基(EndGroup)の少なくとも一部が、カルボキシ基(−COOH)であり、残りの末端基はヨードと非置換されたアリール基である、ことを特徴とする、ポリアリーレンスルフィド。

請求項2

FT−IRスペクトル上で、1600〜1800cm−1のピークを示すことを特徴とする、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。

請求項3

FT−IRスペクトル上で、1400〜1600cm−1で現れるRingstretchピークの高さ強度を100%とした時、前記1600〜1800cm−1のピークの相対的高さ強度は0.001〜10%であることを特徴とする、請求項2に記載のポリアリーレンスルフィド。

請求項4

融点が265〜290℃であることを特徴とする、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。

請求項5

数平均分子量が5,000〜50,000であることを特徴とする、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。

請求項6

回転円板粘度計によって300℃で測定した溶融粘度が10〜50,000poiseであることを特徴とする、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。

請求項7

ASTMD638により測定した引張強度値が100〜900kgf/cm2であることを特徴とする、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。

請求項8

ASTMD638により測定した伸び率が1〜10%であることを特徴とする、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。

請求項9

ASTMD790により測定した屈曲強度値が100〜2000kgf/cm2であることを特徴とする、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。

請求項10

ASTMD256により測定した衝撃強度値が1〜100J/mであることを特徴とする、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。

請求項11

請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリアリーレンスルフィドを含むことを特徴とする、成形品

請求項12

フィルムシート、または繊維形態であることを特徴とする、請求項11に記載の成形品。

技術分野

0001

本発明は、他の高分子素材充填材などとのより向上した相溶性を示すポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide)に関するものである。

背景技術

0002

現在、ポリアリーレンスルフィドは、代表的なエンジニアリングプラスチック(Engineering Plastic)で、高い耐熱性耐薬品性耐燃性(flame resistance)、電気絶縁性などによって、高温および腐食性環境で使用される各種製品電子製品に使用される用途に需要が増大している。

0003

このようなポリアリーレンスルフィドのうち、商業的に販売されるのは、現在、ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide;以下、「PPS」)が唯一である。現在まで主に適用されるPPSの商業的生産工程は、パラ−ジクロロベンゼン(p−dichlorobenzene;以下、「pDCB」)と硫化ナトリウム(sodium sulfide)を原料として、N−メチルピロリドン(N−methyl pyrrolidone)などの極性有機溶媒溶液重合反応させる方法である。この方法は、マッカラム工程(Macallum process)として知られている。

0004

しかし、このようなマッカラム工程で製造したポリアリーレンスルフィドの場合、硫化ナトリウムなどを用いた溶液重合工程によって塩形態副産物が発生することがあり、このような塩形態の副産物または残留有機溶媒の除去のために洗浄または乾燥工程などが必要になる欠点がある。また、このようなマッカラム工程で製造されたポリアリーレンスルフィドが粉末形態を有することにより、後加工が容易でなく、作業性が低下することがある。

0005

これによって、ジヨード芳香族化合物硫黄元素を含む反応物溶融重合する方法で前記PPSなどのポリアリーレンスルフィドを製造する方法が提案された。このように製造されたポリアリーレンスルフィドは、製造過程中に塩形態の副産物などが発生せず、有機溶媒の使用が要求されないため、これらの除去のための別途の工程が要求されない。また、最終製造されたポリアリーレンスルフィドがペレットpellet)形態を有することにより、後加工がより容易になり、作業性が良い利点がある。

0006

しかし、前記溶融重合方式で製造されたポリアリーレンスルフィドの場合、その主鎖末端ヨードと大部分のアリール基(代表的に、ベンゼン)とからなっている。このようなポリアリーレンスルフィドの場合、主鎖構造の特性上、他の高分子素材またはガラス繊維などの各種強化材や充填材との相溶性が低下する欠点がある。

0007

これによって、前記溶融重合方式で製造されたポリアリーレンスルフィドの場合、多様な用途に適した最適化した物性を示すようにするために他の高分子素材または充填材などとコンパウンディングすることが難しく、コンパウンディングしても所望の最適化した物性を示しにくい欠点があった。

発明が解決しようとする課題

0008

そこで、本発明は、他の高分子素材や充填材などとのより向上した相溶性を示すポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide)を提供する。

0009

また、本発明は、前記ポリアリーレンスルフィドを含む成形品を提供する。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、ポリアリーレンスルフィド主鎖の末端基(End Group)の少なくとも一部が、カルボキシ基(−COOH)またはアミノ基(−NH2)であるポリアリーレンスルフィドを提供する。

0011

また、本発明は、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を重合反応させる段階と、前記重合反応段階を進行させながら、カルボキシ基またはアミノ基を有する化合物を追加的に添加する段階とを含む前記ポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供する。

0012

本発明はさらに、前記ポリアリーレンスルフィドを含む成形品を提供する。

0013

以下、発明の具体的な実施形態にかかるポリアリーレンスルフィド、その製造方法、およびこれを含む成形品について説明する。ただし、これは、発明の一例として提示されるもので、これによって発明の権利範囲が限定されるものではなく、発明の権利範囲内で実施形態に対する多様な変形が可能であることは当業者に自明である。

0014

本明細書全体において、特別な言及がない限り、「含む」または「含有する」とは、ある構成要素(または構成成分)を特別な制限なく含むことを称し、他の構成要素(または構成成分)の付加を除くと解釈されない。

0015

発明の一実施形態によれば、ポリアリーレンスルフィド主鎖の末端基(End Group)の少なくとも一部が、カルボキシ基(−COOH)またはアミノ基(−NH2)であるポリアリーレンスルフィドが提供される。

0016

本発明者らは、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を溶融重合してポリアリーレンスルフィドを製造する過程で、他の高分子素材や充填材などとのより優れた相溶性を示し、多様な素材とのコンパウンディングおよびこれによる各用途に合った最適化した物性の実現を可能にするポリアリーレンスルフィドを製造できる方法を研究している間に、本発明を完成した。

0017

本発明者らの研究結果、従来溶融重合方式で製造されたポリアリーレンスルフィドの場合、その主鎖末端がヨードと大部分のアリール基(代表的に、ベンゼン)とからなっているため、主鎖末端に反応性基が実質的に存在せず、その結果、前記ポリアリーレンスルフィドが他の高分子素材またはガラス繊維などの各種強化材や充填材との相溶性が低下する欠点を示すことが確認された。

0018

これに対し、一実施形態のポリアリーレンスルフィドの場合、主鎖末端の少なくとも一部にカルボキシ基(−COOH)またはアミノ基(−NH2)のような反応性基が導入されることにより、他の高分子素材や、充填材などとの優れた相溶性を示すことが確認された。その結果、一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、様々な高分子素材または充填材などと好ましくコンパウンディングでき、多様な用途に適した最適化した物性を示す樹脂組成物および成形品の提供を可能にする。これと同時に、前記ポリアリーレンスルフィドは、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた耐熱性、耐薬品性および優れた機械的物性を示すことができる。

0019

前記一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、FT−IR分光法分析した時、FT−IRスペクトルにおいて、前記主鎖末端のカルボキシ基由来の約1600〜1800cm−1のピークまたはアミノ基由来の約3300〜3500cm−1のピークを示すことができる。この時、前記1600〜1800cm−1または3300〜3500cm−1のピークの強度は、主鎖末端基に結合されたカルボキシ基またはアミノ基の含有量に対応することができる。

0020

一例によれば、前記一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、FT−IRスペクトル上で、約1400〜1600cm−1で現れるRing stretchピークの高さ強度を100%とした時、前記約1600〜1800cm−1または約3300〜3500cm−1のピークの相対的高さ強度が約0.001〜10%、あるいは約0.01〜7%、あるいは約0.1〜4%、あるいは約0.5〜3.5%となってよい。この時、前記1400〜1600cm−1で現れるRing stretchピークは、ポリアリーレンスルフィドの主鎖中に含まれているフェニレンなどのアリーレン基由来のものとなってよい。前記カルボキシ基由来の約1600〜1800cm−1のピークまたはアミノ基由来の約3300〜3500cm−1のピークが、アリーレン基(例えば、フェニレン基)由来のピークの高さ強度に対して、約0.001〜10%、あるいは約0.01〜7%、あるいは約0.1〜4%、あるいは約0.5〜3%の高さ強度を示すことにより、一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、他の高分子素材または充填材などとのより優れた相溶性を示しながらも、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた物性を維持することができる。

0021

一方、一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、融点が約265〜290℃、あるいは約270〜285℃、あるいは約275〜283℃となってよい。このような融点範囲を有することにより、カルボキシ基またはアミノ基が導入され、溶融重合方式で得られた一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、優れた耐熱性および難燃性を示すことができる。

0022

また、前記ポリアリーレンスルフィドは、数平均分子量が約5,000〜50,000、あるいは約8,000〜40,000、あるいは約10,000〜30,000となってよい。そして、前記ポリアリーレンスルフィドは、数平均分子量に対する重量平均分子量で定義される分散度が約2.0〜4.5、あるいは約2.0〜4.0、あるいは約2.0〜3.5となってよい。一実施形態のポリアリーレンスルフィドが上述した範囲の分散度および分子量を有することにより、優れた機械的物性および加工性などを示すことができ、より多様な用途に使用可能な様々な成形品に加工できる。

0023

そして、上述した一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、回転円板粘度計によって300℃で測定した溶融粘度が約10〜50,000poise、あるいは約100〜20,000、あるいは約300〜10,000となってよい。このような溶融粘度を示す一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、優れた加工性と共に、優れた機械的物性などを示すことができる。

0024

例えば、一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、ASTMD638により測定した引張強度値が約100〜900kgf/cm2、あるいは約200〜800kgf/cm2、あるいは約300〜700kgf/cm2であってよく、ASTM D638により測定した伸び率が約1〜10%、あるいは約1〜8%、あるいは約1〜6%となってよい。また、前記ポリアリーレンスルフィドは、ASTM D790により測定した屈曲強度値が約100〜2000kgf/cm2、あるいは約500〜2000kgf/cm2、あるいは約1000〜2000kgf/cm2となってよく、ASTM D256により測定した衝撃強度が約1〜100J/m、あるいは約5〜50J/m、あるいは約10〜20J/mとなってよい。このように、一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、他の高分子素材または充填材などとの優れた相溶性を示しながらも、優れた機械的物性などの諸物性を示すことができる。

0025

上述した一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、ポリビニルアルコール系樹脂塩化ビニル系樹脂ポリアミド系樹脂ポリオレフィン系樹脂、またはポリエステル系樹脂などの多様な熱可塑性樹脂ポリ塩化ビニルエラストマーポリオレフィン系エラストマーポリウレタン系エラストマーポリエステル系エラストマーポリアミド系エラストマー、またはポリブタジエン系エラストマーなどの多様な熱可塑性エラストマー;またはガラス繊維、炭素繊維ホウ素繊維、ガラスビーズガラスフレークタルク、または炭酸カルシウムなどの多様な強化材/充填材と優れた相溶性を示すことができる。したがって、前記一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、これら多様な他の高分子素材や充填材などとコンパウンディングされて優れた相乗効果を示すことができ、多様な用途に合った最適化した物性の実現が可能になる。

0026

一例において、前記主鎖の末端基にカルボキシ基が導入された一実施形態のポリアリーレンスルフィドの約90重量%と、熱可塑性エラストマーの約10重量%とをコンパウンディングすることにより、伸び率が約2.2%から約25.2%に約10倍向上することが確認され、衝撃強度が約17J/mから約54J/mに約3倍向上することが確認された。また、主鎖の末端基にアミノ基が導入された一実施形態のポリアリーレンスルフィドの約60重量%と、ガラス繊維の約40重量%とをコンパウンディングすることにより、引張強度が約602kgf/cm2から約1750kgf/cm2に大きく向上することが確認された。このようなコンパウンディングによる物性の向上から、一実施形態のポリアリーレンスルフィドが多様な他の高分子素材や充填材などと優れた相溶性を示し、これによる優れた相乗効果を示し得ることが確認される。

0027

ただし、このような他の高分子素材または充填材などと一実施形態のポリアリーレンスルフィドとをコンパウンディングするにあたり、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた物性を維持するために、前記ポリアリーレンスルフィドの約10〜99重量%、あるいは約50〜90重量%と、前記熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、および充填材からなる群より選択された1種以上の約1〜90重量%、あるいは約10〜50重量%とを混合することが好ましい。このような混合物二軸押出などの方法で成形し、多様な用途に好ましく適用可能な優れた物性を有する成形品を製造することができる。

0028

一方、発明の他の実施形態により、上述したポリアリーレンスルフィドの製造方法が提供される。このような他の実施形態の製造方法は、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を重合反応させる段階と、前記重合反応段階を進行させながら、カルボキシ基またはアミノ基を有する化合物を追加的に添加する段階とを含むことができる。

0029

このような他の実施形態の製造方法において、前記カルボキシ基またはアミノ基を有する化合物は、目標粘度に対する現在粘度の割合で重合反応の進行程度を測定した時、前記ジヨード芳香族化合物と硫黄元素との間の重合反応が約90%以上、あるいは約90%以上100%未満で進行した時(例えば、重合反応後期に)添加されてよい。前記重合反応の進行程度は、得ようとするポリアリーレンスルフィドの分子量およびこれに応じた重合産物の目標粘度を設定し、重合反応の進行程度に応じた現在粘度を測定して、前記目標粘度に対する現在粘度の割合として測定することができる。この時、現在粘度を測定する方法は、反応器スケールに応じて当業者に自明な方法で決定することができる。例えば、相対的に小型重合反応器で重合を進行させる場合、反応器で重合反応が進行中のサンプルを採取して粘度計で測定することができる。これとは異なり、大型の連続重合反応器で重合を進行させる場合、反応器自体に設けられた粘度計で連続的、リアルタイムに現在粘度が自動測定できる。

0030

このように、前記ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を重合反応させる過程で、重合反応後期にカルボキシ基またはアミノ基を有する化合物を添加して反応させることにより、ポリアリーレンスルフィド主鎖の末端基(End Group)の少なくとも一部に、カルボキシ基(−COOH)またはアミノ基(−NH2)が導入された一実施形態のポリアリーレンスルフィドを製造することができる。特に、前記重合反応後期にカルボキシ基またはアミノ基を有する化合物を追加的に添加して、主鎖末端基に適切な含有量のカルボキシ基またはアミノ基が導入され、他の高分子素材または充填材などとの優れた相溶性を示しながらも、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた物性を有する一実施形態のポリアリーレンスルフィドが効果的に製造できる。

0031

一方、前記他の実施形態の製造方法において、前記カルボキシ基またはアミノ基を有する化合物としては、カルボキシ基またはアミノ基を有する任意のモノマー単分子)形態の化合物を使用することができる。このようなカルボキシ基またはアミノ基を有する化合物のより具体的な例としては、2−ヨード安息香酸(2−Iodobenzoic acid)、3−ヨード安息香酸(3−Iodobenzoic acid)、4−ヨード安息香酸(4−Iodobenzoic acid)、2,2’−ジチオ安息香酸(2,2’−Dithiobenzoic acid)、2−ヨードアニリン(2−Iodoaniline)、3−ヨードアニリン(3−Iodoaniline)、4−ヨードアニリン(4−Iodoaniline)、2,2’−ジチオアニリン(2,2’−Dithiodianiline)、または4,4’−ジチオアニリン(4,4’−Dithiodianiline)などが挙げられ、その他にも、多様なカルボキシ基またはアミノ基を有する化合物を使用することができる。

0032

また、前記カルボキシ基またはアミノ基を有する化合物は、ジヨード芳香族化合物の約100重量部に対して、約0.0001〜5重量部、あるいは約0.001〜3重量部、あるいは約0.01〜2重量部で添加されてよい。このような含有量でカルボキシ基またはアミノ基を有する化合物を添加して、主鎖末端基に適切な含有量のカルボキシ基またはアミノ基を導入することができ、その結果、他の高分子素材または充填材などとの優れた相溶性を示しながらも、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた物性を有する一実施形態のポリアリーレンスルフィドが効果的に製造できる。

0033

一方、他の実施形態の製造方法では、基本的にジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を重合反応させる方法でポリアリーレンスルフィドを製造し、これによって、従来のマッカラム工程に比べて、より優れた機械的物性などを有するポリアリーレンスルフィドを製造できる。

0034

この時、前記重合反応に使用可能なジヨード芳香族化合物としては、ジヨード化ベンゼン(diiodobenzene;DIB)、ジヨード化ナフタレン(diiodonaphthalene)、ジヨード化ビフェニル(diiodobiphenyl)、ジヨード化ビスフェノール(diiodobisphenol)、およびジヨード化ベンゾフェノン(diiodobenzophenone)からなる群より選択される1種以上が挙げられるが、これに限定されず、これらの化合物にアルキル原子団(alkyl group)やスルホン原子団(sulfone group)などが置換基で結合されていたり、芳香族基酸素窒素などの原子が含まれている形態のジヨード芳香族化合物も使用できる。また、前記ジヨード芳香族化合物には、ヨード原子のついた位置に応じて様々なジヨード化合物異性体(isomer)があるが、なかでも、パラ−ジヨードベンゼン(pDIB)、2,6−ジヨードナフタレン、またはp,p’−ジヨードビフェニルのように、パラ位にヨードの結合された化合物がより好適に使用できる。

0035

そして、前記ジヨード芳香族化合物と反応する硫黄元素の形態には特別な制限がない。通常、硫黄元素は、常温で原子8個が連結された環形態(cyclooctasulfur;S8)で存在するが、このような形態でなくても、商業的に使用可能な固体または液体状態硫黄であれば特別な限定なくすべて使用することができる。

0036

また、前記反応物には、重合開始剤、安定剤、またはこれらの混合物を追加的に含むことができるが、具体的に使用可能な重合開始剤としては、1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼンメルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオベンゾチアゾールシクロヘキシルベンゾチアゾールスルフェンアミド、およびブチルベンゾチアゾールスルフェンアミドからなる群より選択される1種以上を使用することができるが、上述した例に限定されない。

0037

そして、前記安定剤としては、通常、樹脂の重合反応に使用される安定剤であれば、その構成の限定はない。

0038

一方、このような重合反応途中、重合がある程度行われた時点で重合中止剤を添加することができる。この時、使用可能な重合中止剤は、重合される高分子に含まれるヨードグループを除去して重合を中止させられる化合物であれば、その構成の限定はない。具体的には、ジフェニルスルフィド(diphenyl suldife)、ジフェニルエーテル(diphenyl ether)、ジフェニル(diphenyl)、ベンゾフェノン(benzophenone)、ジベンゾチアゾールジスルフィド(dibenzothiazole disulfide)、モノヨードアリール化合物(monoiodoaryl compound)、ベンゾチアゾール類(benzothiazole)類、ベンゾチアゾールスルフェンアミド(benzothiazolesulfenamide)類、チウラム(thiuram)類、ジチオカルバメート(dithiocarbamate)類、およびジフェニルジスルフィドからなる群より選択される1種以上であってよい。

0039

より好ましくは、前記重合中止剤は、ヨードビフェニル(iodobiphenyl)、ヨードフェノール(iodophenol)、ヨードアニリン(iodoaniline)、ヨードベンゾフェノン(iodobenzophenone)、2−メルカプトベンゾチアゾール(2−mercaptobenzothiazole)、2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)、N−シクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(N−cyclohexylbenzothiazole−2−sulfenamide)、2−モルホリノチオベンゾチアゾール(2−morpholinothiobenzothiazole)、N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(N,N−dicyclohexylbenzothiazole−2−sulfenamide)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(tetramethylthiuram monosulfide)、テトラメチルチウラムジスルフィド(tetramethylthiuram disulfide)、亜鉛ジメチルジチオカルバメート(Zinc dimethyldithiocarbamate)、亜鉛ジエチルジチオカルバメート(Zinc diethyldithiocarbamate)、およびジフェニルジスルフィド(diphenyl disulfide)からなる群より選択される1種以上であってよい。

0040

一方、重合中止剤の投与時点は、最終重合させようとするポリアリーレンスルフィドの分子量を考慮して、その時期を決定することができる。例えば、初期反応物内に含まれているジヨード芳香族化合物が約70〜100重量%反応して消耗した時点で投与することができる。

0041

そして、このような重合反応は、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物の重合が開示できる条件であれば、いずれの条件でも進行できる。例えば、前記重合反応は、昇温減圧反応条件で進行できるが、この場合、温度約180〜250℃および圧力約50〜450torrの初期反応条件で温度上昇および圧力降下を行って、最終反応条件の温度約270〜350℃および圧力約0.001〜20torrに変化させ、約1〜30時間進行させることができる。より具体的な例として、最終反応条件を温度約280〜300℃および圧力約0.1〜0.5torrとして、重合反応を進行させることができる。

0042

一方、上述した他の実施形態にかかるポリアリーレンスルフィドの製造方法は、前記重合反応前に、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を溶融混合する段階を追加的に含むことができる。このような溶融混合は、上述した反応物がすべて溶融混合できる条件であれば、その構成の限定はないが、例えば、約130℃〜200℃、あるいは約160℃〜190℃の温度で進行させることができる。

0043

このように重合反応前に溶融混合段階を進行させて、後に行われる重合反応をより容易に進行させることができる。

0044

そして、上述した他の実施形態にかかるポリアリーレンスルフィドの製造方法において、重合反応は、ニトロベンゼン系触媒の存在下で進行できる。また、上述のように、重合反応前に溶融混合段階を経る場合、前記触媒は、溶融混合段階で追加されてよい。ニトロベンゼン系触媒の種類としては、1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン、または1−ヨード−4−ニトロベンゼンなどが挙げられるが、上述した例に限定されるものではない。

0045

一方、発明のさらに他の実施形態により、上述した一実施形態のポリアリーレンスルフィドを含む成形品が提供される。このような成形品は、ポリアリーレンスルフィド単独で行われたり、他の高分子素材および/または強化材/充填材などを含むことができる。前記ポリアリーレンスルフィドは、これら他の高分子素材および/または強化材/充填材などとの優れた相溶性を示すものであって、これらと混合(例えば、コンパウンディング)されて優れた物性を示す樹脂組成物または成形品の提供を可能にする。この時、前記ポリアリーレンスルフィドとコンパウンディングできる高分子素材および/または強化材/充填材などについては、すでに上述した通りである。

0046

また、このような成形品は、前記ポリアリーレンスルフィドの約10〜99重量%、あるいは約50〜90重量%と、前記熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、および充填材からなる群より選択された1種以上の約1〜90重量%、あるいは約10〜50重量%とを含むことができる。このような含有量範囲を満たす樹脂組成物を二軸押出などの方法で成形して、多様な用途に好ましく適用可能な優れた物性を有する成形品を得ることができる。

0047

そして、前記さらに他の実施形態の成形品は、フィルムシート、または繊維などの多様な形態となってよい。また、前記成形品は、射出成形品押出成形品、またはブロー成形品であってよい。射出成形する場合の金型温度は、結晶化の観点で、約50℃以上、約60℃以上、あるいは約80℃以上となってよく、試験片の変形の観点で、約190℃以下、あるいは約170℃以下、あるいは約160℃以下となってよい。

0048

そして、前記成形品がフィルムまたはシート形態となる場合、未延伸一軸延伸二軸延伸などの各種フィルムまたはシートに製造することができる。繊維としては、未延伸糸延伸糸、または超延伸糸などの各種繊維とし、織物編物、不織布(スパンボンドメルトブローステープル)、ロープ、またはネットとして用いることができる。

0049

このような成形品は、コンピュータ付属品などの電気電子部品建築部材自動車部品機械部品日用品または化学物質が接触する部分のコーティング産業用耐薬品性繊維などとして用いることができる。

0050

本発明において、前記記載された内容以外の事項は、必要に応じて加減が可能であるので、本発明では特に限定しない。

0051

本発明は、カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むことにより、他の高分子素材または強化材/充填材などと優れた相溶性を示す溶融重合型ポリアリーレンスルフィドを提供することができる。

0052

このようなポリアリーレンスルフィドは、他の高分子素材または充填材などとのコンパウンディングを通じて、各用途に最適化した優れた物性を示すことができ、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた物性を示すことができる。

0053

したがって、このようなポリアリーレンスルフィドは、コンパウンディング用を含むより多様な用途に適用され、優れた物性および効果を示すことができる。

実施例

0054

以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるのではない。

0055

実施例1:カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空かけられる真空ライン付き5L反応器に、パラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450g、反応開始剤として1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン4gを含む反応物を、180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件から始まって、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行いながら、重合反応を進行させた。前記重合反応が80%進行した時(このような重合反応の進行程度は、「(現在粘度/目標粘度)*100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対割合として測定し、現在粘度は、重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合中止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)を25g添加し、1時間反応を進行させた。次に、前記重合反応が90%進行した時、4−Iodobenzoic acid51gを添加し、10分間窒素雰囲気下で反応を進行させた後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて1時間反応を進行させた後、終了して、カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を、小型ストランドカッター機を用いてペレット形態で製造した。

0056

このような実施例1のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析して、スペクトル上で、約1600〜1800cm−1のカルボキシ基のピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400〜1600cm−1で現れるRing stretchピークの高さ強度を100%とした時、前記約1600〜1800cm−1のピークの相対的高さ強度は約3.4%であることが確認された。

0057

実施例2:カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器に、パラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450g、反応開始剤として1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼンメルカプトベンゾチアゾール4gを含む反応物を、180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件から始まって、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行いながら、重合反応を進行させた。前記重合反応が80%進行した時(このような重合反応の進行程度は、「(現在粘度/目標粘度)*100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対割合として測定し、現在粘度は、重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合中止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)を25g添加し、1時間反応を進行させた。次に、前記重合反応が90%進行した時、4−Iodoanilineを51g添加し、10分間窒素雰囲気下で反応を進行させた後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて1時間反応を進行させた後、終了して、カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を、小型ストランドカッター機を用いてペレット形態で製造した。

0058

このような実施例1のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析して、スペクトル上で、約3300〜3500cm−1のアミノ基のピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400〜1600cm−1で現れるRing stretchピークの高さ強度を100%とした時、前記約3300〜3500cm−1のピークの相対的高さ強度は約1.4%であることが確認された。

0059

実施例3:カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器に、パラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450g、反応開始剤として1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン4gを含む反応物を、180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件から始まって、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行いながら、重合反応を進行させた。前記重合反応が80%進行した時(このような重合反応の進行程度は、「(現在粘度/目標粘度)*100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対割合として測定し、現在粘度は、重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合中止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)を25g添加し、1時間反応を進行させた。次に、前記重合反応が90%進行した時、4−Iodobenzoic acid25gを添加し、10分間窒素雰囲気下で反応を進行させた後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて1時間反応を進行させた後、終了して、カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を、小型ストランドカッター機を用いてペレット形態で製造した。

0060

このような実施例1のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析して、スペクトル上で、約1600〜1800cm−1のカルボキシ基のピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400〜1600cm−1で現れるRing stretchピークの高さ強度を100%とした時、前記約1600〜1800cm−1のピークの相対的高さ強度は約2.1%であることが確認された。

0061

実施例4:カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器に、パラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450g、反応開始剤として1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン4gを含む反応物を、180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件から始まって、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行いながら、重合反応を進行させた。前記重合反応が80%進行した時(このような重合反応の進行程度は、「(現在粘度/目標粘度)*100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対割合として測定し、現在粘度は、重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合中止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)を25g添加し、1時間反応を進行させた。次に、前記重合反応が90%進行した時、4−Iodoaniline25gを添加し、10分間窒素雰囲気下で反応を進行させた後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて1時間反応を進行させた後、終了して、カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を、小型ストランドカッター機を用いてペレット形態で製造した。

0062

このような実施例1のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析して、スペクトル上で、約3300〜3500cm−1のカルボキシ基のピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400〜1600cm−1で現れるRing stretchピークの高さ強度を100%とした時、前記約3300〜3500cm−1のピークの相対的高さ強度は約1.1%であることが確認された。

0063

実施例5:カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器に、パラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450g、反応開始剤として1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン4gを含む反応物を、180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件から始まって、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行いながら、重合反応を進行させた。前記重合反応が80%進行した時(このような重合反応の進行程度は、「(現在粘度/目標粘度)*100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対割合として測定し、現在粘度は、重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合中止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)を25g添加し、1時間反応を進行させた。次に、前記重合反応が90%進行した時、2,2’−dithiodibenzoic acid51gを添加し、10分間窒素雰囲気下で反応を進行させた後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて1時間反応を進行させた後、終了して、カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を、小型ストランドカッター機を用いてペレット形態で製造した。

0064

このような実施例1のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析して、スペクトル上で、約1600〜1800cm−1のカルボキシ基のピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400〜1600cm−1で現れるRing stretchピークの高さ強度を100%とした時、前記約1600〜1800cm−1のピークの相対的高さ強度は約3.2%であることが確認された。

0065

実施例6:カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器に、パラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450g、反応開始剤として1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン4gを含む反応物を、180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件から始まって、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行いながら、重合反応を進行させた。前記重合反応が80%進行した時(このような重合反応の進行程度は、「(現在粘度/目標粘度)*100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対割合として測定し、現在粘度は、重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合中止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)を25g添加し、1時間反応を進行させた。次に、前記重合反応が90%進行した時、4,4’−dithiodianiline51gを添加し、10分間窒素雰囲気下で反応を進行させた後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて1時間反応を進行させた後、終了して、カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を、小型ストランドカッター機を用いてペレット形態で製造した。

0066

このような実施例1のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析して、スペクトル上で、約3300〜3500cm−1のカルボキシ基のピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400〜1600cm−1で現れるRing stretchピークの高さ強度を100%とした時、前記約3300〜3500cm−1のピークの相対的高さ強度は約1.3%であることが確認された。

0067

実施例7:カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器に、パラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450g、反応開始剤として1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン4gを含む反応物を、180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件から始まって、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行いながら、重合反応を進行させた。前記重合反応が80%進行した時(このような重合反応の進行程度は、「(現在粘度/目標粘度)*100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対割合として測定し、現在粘度は、重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合中止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)を25g添加し、1時間反応を進行させた。次に、前記重合反応が90%進行した時、2,2’−dithiodibenzoic acid25gを添加し、10分間窒素雰囲気下で反応を進行させた後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて1時間反応を進行させた後、終了して、カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を、小型ストランドカッター機を用いてペレット形態で製造した。

0068

このような実施例1のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析して、スペクトル上で、約1600〜1800cm−1のカルボキシ基のピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400〜1600cm−1で現れるRing stretchピークの高さ強度を100%にした時、前記約1600〜1800cm−1のピークの相対的高さ強度は約1.9%であることが確認された。

0069

実施例8:カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器に、パラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450g、反応開始剤として1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン4gを含む反応物を、180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件から始まって、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行いながら、重合反応を進行させた。前記重合反応が80%進行した時(このような重合反応の進行程度は、「(現在粘度/目標粘度)*100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対割合として測定し、現在粘度は、重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合中止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)を25g添加し、1時間反応を進行させた。次に、前記重合反応が90%進行した時、4,4’−dithiodianiline25gを添加し、10分間窒素雰囲気下で反応を進行させた後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて1時間反応を進行させた後、終了して、カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を、小型ストランドカッター機を用いてペレット形態で製造した。

0070

このような実施例1のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析して、スペクトル上で、約3300〜3500cm−1のカルボキシ基のピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400〜1600cm−1で現れるRing stretchピークの高さ強度を100%とした時、前記約3300〜3500cm−1のピークの相対的高さ強度は約1.0%であることが確認された。

0071

比較例1
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器に、パラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450g、反応開始剤として1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼンメルカプトベンゾチアゾール4gを含む反応物を、180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件から始まって、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行いながら、重合反応を進行させた。前記重合反応が80%進行した時(このような重合反応の進行程度は、「(現在粘度/目標粘度)*100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対割合として測定し、現在粘度は、重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合中止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)を25g添加し、10分間窒素雰囲気下で反応を進行させた後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて目標粘度に到達した後、反応を終了して、カルボキシ基またはアミノ基を主鎖末端に含まないポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を、小型ストランドカッター機を用いてペレット形態で製造した。

0072

このような比較例1のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析して、スペクトル上で、約1600〜1800cm−1または約3300〜3500cm−1のカルボキシ基またはアミノ基のピークがないことを確認した。

0073

比較例2
マッカラム工程で製造されたポリアリーレンスルフィドと、エラストマーとがコンパウンディングされたDIC社のZ200製品を入手して、比較例2とした。

0074

試験例1:ポリアリーレンスルフィドの基本物性評価
実施例1〜8および比較例1のポリアリーレンスルフィドの諸物性を、次の方法で評価した。

0075

融点(Tm)
示差走査熱量分析器(Differential Scanning Calorimeter;DSC)を用いて、30℃から320℃まで10℃/minの速度で昇温後、30℃まで冷却した後に、再び30℃から320℃まで10℃/minの速度で昇温しながら、融点を測定した。

0076

数平均分子量(Mn)および分子量分布PDI
1−chloronaphthaleneに、0.4wt%の濃度で、250℃で25分間撹拌溶解したサンプルを、高温GPC(Gel permeation chromatography)システム(210℃)で1−chloronaphthaleneを1mL/minの流速で流しながら、分子量の異なるポリアリーレンスルフィドを順次にカラム内で分離しながら、RIdetectorを用いて、分離されたポリアリーレンスルフィドの分子量別強度(Intensity)を測定し、予め分子量を知っている標準試料(Polystyrene)で検量線を作成して、測定サンプルの相対的な数平均分子量(Mn)および分子量分布(PDI)を計算した。

0077

溶融粘度(Poise)
溶融粘度(melt viscosity、以下、「MV」)は、回転円板粘度計(rotating disk viscometer)によって300℃で測定した。Frequency sweep方法で測定するにあたり、angular frequencyを0.6から500rad/sまで測定し、1.84rad/sでの粘度を溶融粘度(M.V.)として定義した。

0078

このような方法で測定された物性を、下記の表1にまとめて示した。

0079

0080

試験例2:ポリアリーレンスルフィドの機械的物性評価
実施例1〜8および比較例1のポリアリーレンスルフィドの機械的物性を、次の方法で評価した。

0081

引張強度および伸び率
ASTMD638法により、実施例1〜8および比較例1によって製造されたポリアリーレンスルフィド試験片の引張強度および伸び率を測定した。

0082

屈曲強度
ASTMD790法により、実施例1〜8および比較例1によって製造されたポリアリーレンスルフィド試験片の屈曲強度を測定した。

0083

衝撃強度(Izod)
ASTMD256法により、実施例1〜8および比較例1によって製造されたポリアリーレンスルフィド試験片の衝撃強度を測定した。

0084

このような方法で測定された機械的物性を、下記の表2にまとめて示した。

0085

0086

次の方法により、実施例1〜8、比較例1のポリアリーレンスルフィドを他の成分とコンパウンディングした試験片を製造した。

0087

ポリアリーレンスルフィドとGF(ガラス繊維)とのコンパウンディング
重合した樹脂をそれぞれ乾燥し、小型二軸押出機を用いて、押出Dieの温度330℃、Screw rpm200の条件下で、前記樹脂60重量部にGlass Fiber40重量部を添加し、コンパウンディングを実施した。

0088

ポリアリーレンスルフィドとElastomerとのコンパウンディング
押出Dieの温度300℃、Screw rpm200の条件下で、前記樹脂90重量部にエラストマーのLotader(Grade AX−8840、Arkema製)を10重量部添加し、混合押出を実施した。

0089

前記コンパウンディング試験片の機械的物性を、ポリアリーレンスルフィド試験片と同様の方法で評価して、下記の表3にまとめて示した。また、商用化されたコンパウンディング試験片に相当する比較例2の物性を、実施例および比較例1と共に比較して、下記の表3に示した。

0090

0091

前記表2および表3によれば、主鎖末端にカルボキシ基が導入された実施例1のポリアリーレンスルフィドを熱可塑性エラストマーとコンパウンディングすることにより、伸び率が約2.2%から約25.2%に約10倍向上することが確認され、衝撃強度が約17J/mから約54J/mに約3倍向上することが確認された。また、主鎖の末端基にアミノ基が導入された実施例2のポリアリーレンスルフィドをガラス繊維とコンパウンディングすることにより、引張強度が約602kgf/cm2から約1750kgf/cm2に大きく向上することが確認された。このようなコンパウンディングによる物性の向上から、実施例のポリアリーレンスルフィドが多様な他の高分子素材や充填材などと優れた相溶性を示し、これによる優れた相乗効果を示し得ることが確認された。

0092

これに対し、比較例1のポリアリーレンスルフィドは、他の高分子素材や充填材との相溶性が劣悪で、コンパウンディングによる相乗効果がそれほど大きくないことが確認された。

0093

また、比較例2のコンパウンディング試験片は、他の高分子素材などとの相溶性が比較的に優れていると知られているマッカラム工程で得られたポリアリーレンスルフィドを数%のエラストマーとコンパウンディングした、商用化された試験片である。しかし、このような比較例2のコンパウンディング試験片も、実施例に比べては、エラストマーのコンパウンディングによる伸び率の向上が十分でない上に、マッカラム工程で得られたポリアリーレンスルフィドの問題(粉末形態による加工性および作業性の低下など)をそのまま有すると見られる。

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