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技術 遠心回転機械

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 佐野岳志浅原大輝
出願日 2017年8月16日 (3年4ヶ月経過) 出願番号 2017-157052
公開日 2019年3月7日 (1年9ヶ月経過) 公開番号 2019-035374
状態 特許登録済
技術分野 非容積形ポンプの構造
主要キーワード 大径円板 円板表面 円板摩擦 オープンインペラ 漏洩損失 インペラ背面 回転遠心 全損失
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年3月7日)のものです。
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図面 (7)

課題

複雑な構造を有することなく、回転円板と回転円板周囲の流体との速度差を減少させることができる遠心回転機械を提供すること。

解決手段

軸線O回りに回転することで軸線Oに沿って流入する流体を径方向外側に圧送するインペラ2と、該インペラ2を収容し、インペラ2に軸線O方向から対向する対向面32,34を有するケーシング3と、を備え、対向面32,34に、インペラ2に相対的に近接して径方向に延びる凸部61とインペラ2に相対的に離間して径方向に延びる凹部とが、周方向に交互に連続して形成されている。

概要

背景

遠心回転機械インペラでは、インペラ背面間隙流体漏れることによる漏洩損失が生じるほか、円板が水中で回転することによる摩擦損失円板摩擦損失)が生じる。低圧ポンプでは円板摩擦損失は小さいため、円板摩擦損失の影響は無視できる。しかしながら、石油ガス化学プラント等においてニーズが高い高圧ポンプインジェクションポンプESP(Electric Submersible Pump)及び給水ポンプ等)では、インペラの外径が大きくなりやすく、円板摩擦損失が全損失に対して占める割合が大きくなり、効率悪化の主要因となっている。一般的に、多段ポンプでは、ポンプ段数を増大させることによってポンプ一段当りが受け持つ圧力を減少させて、それぞれのポンプのインペラの外径を小さくすることが行われている。しかしながら、この場合、軸が長くなってしまう。従って、軸振動制約上、ポンプ段数には制限がある。

円板摩擦損失は、流体中で大径円板が回転することにより生じる。これを低減するためには、インペラ背面の間隙を流れる流体と円板との速度差を小さくするか、又は円板表面境界層速度分布)を適切な形態に保持する必要がある。特許文献1には、円板摩擦損失を低減するための1つの方法が開示されている。

概要

複雑な構造を有することなく、回転円板と回転円板周囲の流体との速度差を減少させることができる遠心回転機械を提供すること。軸線O回りに回転することで軸線Oに沿って流入する流体を径方向外側に圧送するインペラ2と、該インペラ2を収容し、インペラ2に軸線O方向から対向する対向面32,34を有するケーシング3と、を備え、対向面32,34に、インペラ2に相対的に近接して径方向に延びる凸部61とインペラ2に相対的に離間して径方向に延びる凹部とが、周方向に交互に連続して形成されている。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、複雑な構造を有することなく、回転円板と回転円板周囲の流体との速度差を減少させることができる遠心回転機械を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

軸線回りに回転することで前記軸線に沿って流入する流体径方向外側に圧送するインペラと、該インペラを収容し、前記インペラに前記軸線方向から対向する対向面を有するケーシングと、を備え、前記対向面に、前記インペラに相対的に近接して前記径方向に延びる凸部と前記インペラに相対的に離間して前記径方向に延びる凹部とが、周方向に交互に連続して形成されている遠心回転機械

請求項2

前記インペラが、前記インペラを回転させるためのシャフトに固定されたディスクと、前記ディスクに設けられた複数のブレードと、前記ブレードを覆うカバーと、を備え、前記対向面が、前記ケーシングにおける前記ディスクに軸方向で対向する面と、前記ケーシングにおける前記カバーに軸方向で対向する面と、を有することを特徴とする請求項1に記載の遠心回転機械。

請求項3

前記凸部及び前記凹部が、前記対向面における前記ディスクに対向する部分の全領域と、前記対向面における前記カバーに対向する部分の全領域と、に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の遠心回転機械。

請求項4

前記凸部及び前記凹部が、前記対向面における前記ディスクに対向する部分の径方向外側の一部の領域と、前記対向面における前記カバーに対向する部分の径方向外側の一部の領域と、のみに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の遠心回転機械。

請求項5

前記インペラの回転方向での前記凹部の底端から前記凸部の突端への傾きが、前記インペラの回転方向での前記凸部の突端から前記凹部の底端への傾きよりも大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の遠心回転機械。

技術分野

0001

本発明は、遠心回転機械に関する。

背景技術

0002

遠心回転機械のインペラでは、インペラ背面間隙流体漏れることによる漏洩損失が生じるほか、円板が水中で回転することによる摩擦損失円板摩擦損失)が生じる。低圧ポンプでは円板摩擦損失は小さいため、円板摩擦損失の影響は無視できる。しかしながら、石油ガス化学プラント等においてニーズが高い高圧ポンプインジェクションポンプESP(Electric Submersible Pump)及び給水ポンプ等)では、インペラの外径が大きくなりやすく、円板摩擦損失が全損失に対して占める割合が大きくなり、効率悪化の主要因となっている。一般的に、多段ポンプでは、ポンプ段数を増大させることによってポンプ一段当りが受け持つ圧力を減少させて、それぞれのポンプのインペラの外径を小さくすることが行われている。しかしながら、この場合、軸が長くなってしまう。従って、軸振動制約上、ポンプ段数には制限がある。

0003

円板摩擦損失は、流体中で大径円板が回転することにより生じる。これを低減するためには、インペラ背面の間隙を流れる流体と円板との速度差を小さくするか、又は円板表面境界層速度分布)を適切な形態に保持する必要がある。特許文献1には、円板摩擦損失を低減するための1つの方法が開示されている。

先行技術

0004

特開平3−11198号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1では、インペラ背面を複数の空間に分割してインペラ背面の隙間の速度分布をコントロールすることを提案している。しかしながら、特許文献1に開示される構成は、寸法上狭い部分が形成されるので、寸法管理が難しく、複雑な構成が必要となり、ひいては製造コストアップにつながる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、複雑な構造を有することなく、回転円板と回転円板周囲の流体との速度差を減少させることができる遠心回転機械を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明の一態様に係る回転遠心機械は、軸線回りに回転することで前記軸線に沿って流入する流体を径方向外側に圧送するインペラと、該インペラを収容し、前記インペラに前記軸線方向から対向する対向面を有するケーシングと、を備え、前記対向面に、前記インペラに相対的に近接して前記径方向に延びる凸部と前記インペラに相対的に離間して前記径方向に延びる凹部とが、周方向に交互に連続して形成されていることを特徴とする。

0007

この構成によれば、凸部及び凹部が周方向に交互に連続して形成されているので、インペラとケーシングとの間の距離を変化させることができる。

0008

上記の回転遠心機械は、前記インペラが、前記インペラを回転させるためのシャフトに固定されたディスクと、前記ディスクに設けられた複数のブレードと、前記ブレードを覆うカバーと、を備え、前記対向面が、前記ケーシングにおける前記ディスクに軸方向で対向する面と、前記ケーシングにおける前記カバーに軸方向で対向する面と、を有してもよい。

0009

この構成によれば、インペラにおける軸方向の前後でカバー及びディスクとケーシングとの間の距離を変化させることができる。

0010

上記の回転遠心機械は、前記凸部及び前記凹部が、前記対向面における前記ディスクに対向する部分の全領域と、前記対向面における前記カバーに対向する部分の全領域と、に形成されていてもよい。

0011

この構成によれば、より広い範囲で、インペラとケーシングとの間の距離を変化させることができる。

0012

上記の回転遠心機械は、前記凸部及び前記凹部が、前記対向面における前記ディスクに対向する部分の径方向外側の一部の領域と、前記対向面における前記カバーに対向する部分の径方向外側の一部の領域と、のみに形成されていてもよい。

0013

この構成によれば、波形部の形成範囲を小さくするとともに、インペラと、インペラとケーシングとの間に位置する流体と、の速度差が大きくなりやすい領域でインペラとケーシングとの間の距離を変化させることができる。

0014

上記の回転遠心機械は、前記インペラの回転方向での前記凹部の底端から前記凸部の突端への傾きが、前記インペラの回転方向での前記凸部の突端から前記凹部の底端への傾きよりも大きくてもよい。

0015

この構成によれば、インペラとケーシングとの間の流体の速度を上げるときにはインペラとケーシングとの間の距離を急速に減少させるとともに、インペラとケーシングとの間の流体の速度を遅くするときにはインペラとケーシングとの間の距離を緩やかに減少させることができる。

発明の効果

0016

本発明の回転遠心機械によれば、ケーシングに設けられた凸部及び凹部によりインペラとケーシングとの間の距離を変化させることができるので、インペラと、インペラとケーシングとの間の流体と、の速度差を低減し、簡素な構成で円板摩擦損失を低減することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の第1実施形態の遠心回転機械の軸方向断面図である。
本発明の第1実施形態のケーシングの後方部分の斜視図である。
図2の線III−IIIの断面図及びディスクを示す図である。
波形部を有する構成の効果を示す図である。
第2実施形態における波形部の配置を示す遠心回転機械の軸方向断面図である。
本発明の第3実施形態の波形部とインペラとの関係を示す図である。

実施例

0018

以下、添付の図面を参照し、本発明の遠心回転機械を多段式のポンプとして構成した場合の第1実施形態について説明する。

0019

図1に示すように、遠心回転機械1は、軸線Oを有するシャフト100と、シャフト100とともに回転可能にシャフト100に固定されたインペラ2と、吸入口31が設けられ、インペラ2を収容するケーシング3と、を備えている。なお、本明細書では、インペラ2の軸方向においてインペラ2に対してケーシング3の吸入口31に向かう方向を前方とし、インペラ2の軸方向においてインペラ2に対してケーシング3の吸入口31の反対側に向かう方向を後方とする。

0020

インペラ2は、軸方向で見ると略円盤状をなすディスク21と、ディスク21に設けられた複数のブレード22と、ブレード22を覆うカバー23と、を備えている。このように、本実施形態のインペラ2は、クローズドインペラである。インペラ2は、軸線O周りに回転することで、軸線O方向においてケーシング3の吸入口31を介して流入した流体を径方向外側に圧送する。ディスク21は、シャフト100が貫通して固定される貫通孔24を備えている。ブレード22は、軸方向においてディスク21の前方に向かう面から延在している。カバー23は、ブレード22におけるディスク21から離間する側に取り付けられている。ディスク21は、軸方向において後方を向く後面25を有する一方で、カバー23は、軸方向において前方を向く前面26を有する。

0021

ケーシング3は、軸方向においてカバー23の前面26に対向する後面32を有する前方部分33と、軸方向においてディスク21の後面25に対向する前面34を有する後方部分35と、を備えている。後方部分35には、シャフト100とケーシング3が接触しないための隙間36が形成されている。図1に示すように、カバー23の前面26と前方部分33の後面32との間には、軸方向においてインペラ2の前方に位置する前方間隙4が形成されており、ディスク21の後面25と後方部分35の前面34との間には、インペラ2の軸方向においてインペラ2の後方に位置する後方間隙5が形成されている。前方間隙4及び後方間隙5には、回転機械の動作中に、インペラ2から漏出した流体が流入する。図1には、前方間隙4内では径方向内向きに流体が流れ、後方間隙5内では径方向外向きに流体が流れることが図示されている。後面32及び前面34双方には、図1から図3に示すように、周方向に沿って波形部6が形成されている。後面32及び前面34に形成された波形部6は同一であるので、以下では、後方部分35の前面34に形成された波形部6についてのみ述べる。

0022

本実施形態では、波形部6は、前面34におけるディスク21の後面25に対向する部分の全領域に形成されている。波形部6は、後面25に相対的に近接して径方向に延びている複数の凸部61と、後面25と相対的に離間して径方向に延びている複数の凹部62と、を有している。凸部61は、軸方向において最も前方に位置する突端63を有し、凹部62は、軸方向において最も後方に位置する底端64を有する。本実施形態では、突端63及び底端64は、周方向において、それぞれ点状に形成されている。凸部61及び凹部62は、周方向において滑らかにつながるように周方向において交互に連続して形成されている。これは、凸部61及び凹部62に段差があり、従って凸部61及び凹部62に直角部分が形成されている場合、流体が凸部61及び凹部62を越えて移動する際に流体に渦が生じてしまうためである。本実施形態では、凸部61及び凹部62は、径方向で見ると曲線状に形成されている。波形部6の各波は左右対称に形成されており、すなわち各波は、突端63又は底端64を通る、軸線Oと平行な線に対して対称に形成されている。また、本実施形態では、波形部6の内周端は、図1の断面図では角を有するように形成されている。波の数は、最低でも4つであり、本実施形態では、例示的に8つの波を示してある。また、突端63から底端64までの距離は、すべての波に関して径方向に沿って略全長で一定である。

0023

図3は、図2の線III−IIIの断面図である。図3では、ディスク21も示してある。図3では、符号7がディスク21の回転方向を表している。従って、後方間隙5内に位置する流体も回転方向7に沿って流れる。凸部61が後面25に相対的に近接し、凹部62が後面25と相対的に離間しているので、突端63と後面25との間の距離と、底端64と後面25との間の距離と、は、異なっており、底端64と後面25との間の距離は突端63と後面25との間の距離よりも大きい。なお、突端63と後面25との間の距離は、例示的に、底端64と後面25との間の距離の30%〜80%であり、本実施形態では50%である。

0024

円板摩擦損失を低減するためには、インペラ2とケーシング3との間(前方間隙4及び後方間隙5内)の流体に径方向内向きの旋回速度又は径方向外向きの旋回速度を与えることが有利であることが分かっている。なお、この点に関し、インペラ2とケーシング3との間では、径方向外向きよりも径方向内向きの旋回速度を与えた方が円板摩擦損失の低減に大きく寄与することが分かっており、すなわち、前方間隙4側の方が、一般的には摩擦損失低減効果が得られやすい。インペラ2とケーシング3との間の流体の速度を上げるためには、通常、インペラ2等により流れを加速する必要があるが、そのためのエネルギーが必要となる。本実施形態では、突端63と後面25との間の距離が底端64と後面25との間の距離よりも短いので、凸部61と後面25との間を通る流体の速度は、凹部62と後面25との間を通る流体の速度よりも高くなる。このように、凸部61と後面25との間を通る流体の速度が高いので、凸部61が形成されている箇所では、ディスク21と後方間隙5に位置する流体との速度差は小さくなる。従って、後面25と前面34との間の距離が大きい領域(凹部62が形成される領域)Aでは、インペラ2の回転エネルギーは、通常通り、後方間隙5内に位置する流体を回転方向に加速することに費やされる一方で、当該流体が、後面25と前面34との間の距離が小さい領域(凸部61が形成された領域)Bに流入すると、流体は自然に加速され、ディスク21と後方間隙5内に位置する流体との速度差が減少するので、ディスク21が後方間隙5内の流体の加速に費やすエネルギーが減少し、結果として円板摩擦動力が低減する。

0025

上記のとおり、後面32及び前面34に形成された波形部6は同一であるので、後面32に形成された波形部6とカバー23の前面26との間でも同様の作用を提供することができる。

0026

なお、凹部62を設けることなく、周方向全体において、後面32と前面26との間の距離及び前面34と後面25との間の距離をそれぞれ小さくすることが考えられるが、後面32と前面26との間の距離及び前面34と後面25との間の距離が小さすぎると、後面32及び前面26双方の境界層が干渉し合い且つ前面34及び後面25双方の境界層がそれぞれ干渉し合い、むしろ損失が大きくなってしまう。従って、周方向全体において、後面32と前面26との間の距離及び前面34と後面25との間の距離を小さくすることはできない。

0027

図4は、ケーシング3に波形部6を形成したことによる効果を表す図であり、波形部6が形成された後方部分35を軸方向で見た図である。点線8は、従来のケーシングを用いた場合の前方間隙及び後方間隙を通る流体の流れを表したものであり、実線9は、本発明のケーシング3を用いた場合の後方間隙5を通る流体の流れを表している。図4から、本発明のケーシング3を用いることにより、後方間隙5を通る流体が径方向外側に達しやすくなっていることが分かる。前方間隙4を通る流体に対しても同様の作用が得られる。

0028

また、本実施形態では、ケーシング3とインペラ2との間の距離を変更するためにケーシング3に波形部6を形成すればよいので、従来のインペラ2の構成を変更する必要がない。さらに、カバー23及びディスク21双方に対向するように波形部6を形成したので、圧力分布の変化を相殺することも可能になる。その上、後面32及び前面34における前面26及び後面25に対向する部分全体に波形部6を設けたので、前方間隙4及び後方間隙5に入った流体は、即座に凸部61又は凹部62とディスク21及びカバー23との間に達することができる。

0029

従って、上記の実施形態によれば、ケーシング3に、凸部61及び凹部62を有する波形部6を形成することで、余計なエネルギーを付与することなく円板摩擦損失を低減することができる。また、ケーシング3に波形部6を形成すればよいので、シンプルなインペラ2を使用することが可能であるから、簡素な構造でインペラ2の円板摩擦損失を低減することができるという効果を奏する。さらに、ディスク21及びカバー23双方に対向するように波形部6を形成して、圧力分布の変化を相殺することで、スラストを防止することも可能である。その上、前方間隙4及び後方間隙5に入った流体が即座に凸部61又は凹部62とディスク21及びカバー23との間に達することができるので、素早く前方間隙4及び後方間隙5内の流体の速度を上げることが可能なる。

0030

続いて、本発明の第2実施形態について、図5を参照して説明する。なお、以下では、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明し、第1実施形態と同一の構成要素については説明を省略する。なお、第2実施形態における第1実施形態と同じ構成要素には、第1実施形態と同じ参照符号を付してある。
図5は、第2実施形態における波形部の配置を示す遠心回転機械101の軸方向断面図である。

0031

第1実施形態では、後面32及び前面34における前面26及び後面25にそれぞれ対向する部分の全領域に波形部6を有するように構成したが、第2実施形態では、波形部106は、後面132及び前面134における前面26及び後面25にそれぞれ対向する部分の径方向外側の一部の領域のみに形成されている。また、第1実施形態では、波形部6の内周端は、角を有するように形成されていたが、第2実施形態では、波形部106の内周端は、滑らかに凹凸がなくなる形状とされている。

0032

第2実施形態では、径方向外側でのみ、後面132と前面26との間の距離及び前面134と後面25との間の距離が異なるように構成されているので、径方向外側に達した流体のみが凸部161による加速を受ける。インペラ2は、径方向内側から径方向外側に向かって回転速度が大きくなるので、カバー23と前方間隙4内に位置する流体との速度差及びディスク21と後方間隙5内に位置する流体との速度差は、径方向外側にいくほど大きくなる。従って、速度差が大きい領域において速度差を低減することができるので、径方向外側の一部の領域のみにおいて後面132と前面26との間の距離及び前面134と後面25との間の距離を小さくすることは有利である。また、波形部106の内周端を滑らかに凹凸がなくなる形状としていることで、後方間隙5内部の流体の乱れを極力小さくすることができる。

0033

続いて、本発明の第3実施形態について、図6を参照して説明する。なお、以下では、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明し、第1実施形態と同一の構成要素については説明を省略する。なお、第3実施形態における第1実施形態と同じ構成要素には、第1実施形態と同じ参照符号を付してある。
図6は、第3実施形態における波形部206の構成を示す図であり、第1実施形態の図3に対応する図である。

0034

第1実施形態では、波形部6の各波は対称な構成を有するものとしたが、第3実施形態の各波は非対称に構成されている。第3実施形態では、図6に示すように、インペラ2が回転方向7に回転するとして、前面234に形成された波形部206の凸部261及び凹部262が、それぞれの波において、インペラ2の回転方向前方にある突端263から底端264へ緩やかな傾きを有し、インペラ2の回転方向後方にある底端264から突端263へ急な傾きを有する。すなわち、第3実施形態では、インペラ2の回転方向での底端264から突端263までの傾きが、インペラ2の回転方向での突端263から底端264までの傾きよりも大きい。図示していないが、後面232についても同様である。

0035

インペラ2の回転方向での突端263から底端264までの傾きが小さいことで、剥離を防止することが可能になる。また、インペラ2の回転方向での底端264から突端263までの傾きが大きいことで、前方間隙4及び後方間隙5の断面が急激に小さくなり、前方間隙4及び後方間隙5内に位置する流体の速度を迅速に上げることが可能になる。なお、第3実施形態の波形部206の構成は第2実施形態にも適用可能である。

0036

以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
以下で、上記の実施形態の変形例をいくつか説明する。

0037

第1実施形態では、波形部6の内周端が、角を有するように形成されていたが、第2実施形態のように、波形部6の内周端は、滑らかに凹凸がなくなる形状とされていてもよい。なお、第2実施形態のように、波形部106が径方向外側のみに形成されている場合には、波形部106の内周端が角を有していると、流体の流れに対向する波形部106の内周端(後方間隙5内に位置する内周端)において流体の乱れが生じてしまう。従って、波形部106が径方向外側のみに形成されている場合には、波形部106の内周端は滑らかに凹凸がなくなる形状とされていることが望ましい。

0038

第1実施形態から第3実施形態では、凸部61,261及び凹部62,262双方は周方向では点状に形成されているが、周方向に所定距離延びるように形成されていてもよい。これにより、インペラ2とケーシング3との間の流体の速度を上げる区間を所定距離維持することができる。また、第1実施形態から第3実施形態では、凸部61,261及び凹部62,262が径方向で見ると曲線状に形成されていたが、凸部61,261及び凹部62,262が滑らかにつながっており且つ段差を有していないのであれば、凸部及び凹部は、径方向で見ると直線形で形成されてもよい。また、第1実施形態から第3実施形態では、凹部62,262から凸部61,261までの距離が径方向に沿って略全長で一定であったが、凹部62,262から凸部61,261からまでの距離は、径方向内側から径方向外側に向かって漸次大きくなるように構成されてもよい。

0039

第1実施形態から第3実施形態の遠心回転機械1は、ポンプとしたが、他の遠心機械であってもよい。ただし、第1実施形態から第3実施形態はポンプに対して効果が高いので、ポンプとして構成することが好ましい。また、遠心回転機械1は、第1実施形態から第3実施形態では多段式のポンプとして構成しているが、単段式のポンプとして形成することも可能である。ただし、この場合、単段式のポンプ及び多段式のポンプでは、インペラ2背面側の径方向の流れが逆になる。

0040

第1実施形態から第3実施形態では、インペラは、ディスク21及びカバー23を有するクローズドインペラとして構成されたが、別の実施形態では、カバー23のないオープンインペラであってもよい。この場合、波形部6,106,206は、後面25に対向する前面34,134,234にのみ形成される。さらに、第1実施形態から第3実施形態では、ディスク21及びカバー23双方が設けられ、前面34,134,234及び後面32,132,232双方に波形部6,106,206が形成されるように構成したが、ディスク21及びカバー23双方が設けられる場合であっても、前面34,134,234及び後面32,132,232の一方のみに波形部6,106,206を形成するように構成することも可能である。ただし、前面34に波形部6,106,206を形成することが好ましい。

0041

O軸線、1,101遠心回転機械、2インペラ、21ディスク、22ブレード、23カバー、24貫通孔、25 後面、26 前面、3ケーシング、31吸入口、32,132 後面(対向面)、33 前方部分、34,134,234 前面(対向面)、35後方部分、36 隙間、4前方間隙、5後方間隙、6,106,206波形部、61,161,261 凸部、62,262 凹部、63,263突端、64,264底端、7 回転方向、8点線、9実線、A 領域、B 領域

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