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課題
解決手段
概要
背景
概要
硬度の高い被削材を加工する際でも刃先の欠損を抑制できる切削インサートを提供する。切削インサート1は、複数の角部を有し、互いに対向する2つの端面10、11と、2つの端面10、11の間に延在する周側面12と、2つの端面10、11の少なくとも一方と周側面12との間の交差稜線に形成された切れ刃13と、を備えている。切れ刃13は、第1のコーナー刃50と、第2のコーナー刃51と、主切れ刃52、底刃53と、を少なくとも有する。端面10側から見て、底刃53は外側に凸の円弧状に形成されている。底刃53の幅w1は、切削インサートの幅Wの15%以上50%以下である。底刃53の円弧半径R1は、切削インサート1の幅Wの1/3以上1/1以下である。
目的
本出願はかかる点に鑑みてなされたものであり、硬度の高い被削材を加工する際でも刃先の欠損を抑制できる切削インサート及び切削工具を提供する
効果
実績
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請求項1
複数の角部を有し、互いに対向する2つの端面と、前記2つの端面の間に延在する周側面と、前記2つの端面の少なくとも一方と前記周側面との間の交差稜線に形成された切れ刃と、を備え、前記切れ刃は、第1の角部に形成された第1のコーナー刃と、前記第1の角部に隣り合う第2の角部に形成された第2のコーナー刃と、その第1のコーナー刃と第2のコーナー刃との間に配置され、互いに接続された主切れ刃及び底刃と、を少なくとも有し、端面側から見て、前記底刃は外側に凸の円弧状に形成され、前記底刃の幅は、前記第1のコーナー刃の外側端と前記第2のコーナー刃の外側端を結ぶ方向の切削インサートの幅の15%以上50%以下であり、前記底刃の円弧半径は、前記切削インサートの幅の1/3以上1/1以下である、切削インサート。
請求項2
周側面側から見て、前記底刃は、切削インサートの幅方向の中心を通りその幅方向に垂直の方向に延びる中心線を跨いでおり、前記底刃の主切れ刃側の第1の端が、前記底刃の主切れ刃と反対側の第2の端より高い位置にある、請求項1に記載の切削インサート。
請求項3
周側面側から見て、前記底刃は、上に凸の第1の曲線と下に凸の第2の曲線とを含んで構成され、前記第1の曲線は前記主切れ刃に接続され、前記底刃の両端を結んだ直線と切削インサートの前記中心線に直交する線とがなす角度が0°より大きく20°より小さい、請求項2に記載の切削インサート
請求項4
前記底刃は、前記第1の曲線と、前記第2の曲線と、前記第1の曲線と前記第2の曲線の間に設けられ、前記第1の曲線と前記第2の曲線に連続的に接続された直線と、を有する、請求項3に記載の切削インサート。
請求項5
前記切れ刃は、前記底刃と前記第2のコーナー刃との間に副切れ刃を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の切削インサート。
請求項6
前記端面から見て、前記第1のコーナー刃の外側端と前記底刃の円弧状の最も外側に突出した点を結んだ線と、前記第2のコーナー刃の外側端と前記底刃の円弧状の最も外側に突出した点を結んだ線とがなす角度が150°以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の切削インサート。
請求項7
請求項8
前記切削インサートは、工具本体の先端部側から見て、前記切削インサートの底刃の両端を結んだ線が、前記切削インサートの底刃と主切れ刃との接点と切削工具の回転軸とを結んだ線に対して、回転方向に−10°以上6°以下の範囲の角度になるように装着される、請求項7に記載の切削工具。
請求項9
前記角度範囲が、−10°以上2°以下である、請求項8に記載の切削工具。
技術分野
背景技術
0002
金型等の切削加工において、切削工具として例えば刃先交換式のエンドミルが用いられている。この種の切削工具は、略円柱状の工具本体と、工具本体の軸方向の先端部に装着される切削インサートを備えている。
0003
上述のような切削工具では、高送りの加工を実現するため、刃先の強度を向上することが重要な課題の一つとなっている。特許文献1には、切削インサートの主切れ刃の厚みを切削インサートの中央の平坦面の厚みよりも厚くすることにより、切削インサートの主切れ刃の剛性を向上することが提案されている。
先行技術
発明が解決しようとする課題
0005
しかしながら、上述の切削工具では、近年増加しつつある、硬度が50HRCを超えるような硬い被削材を加工する場合には刃先の強度が不十分であり、加工中に刃先の欠損が生じる可能性があり切削インサートの短寿命化や能率低下が問題となっている。
0006
本出願はかかる点に鑑みてなされたものであり、硬度の高い被削材を加工する際でも刃先の欠損を抑制できる切削インサート及び切削工具を提供することをその目的とする。
課題を解決するための手段
0007
本発明の一態様に係る切削インサートは、複数の角部を有し、互いに対向する2つの端面と、前記2つの端面の間に延在する周側面と、前記2つの端面の少なくとも一方と前記周側面との間の交差稜線に形成された切れ刃と、を備え、前記切れ刃は、第1の角部に形成された第1のコーナー刃と、前記第1の角部に隣り合う第2の角部に形成された第2のコーナー刃と、その第1のコーナー刃と第2のコーナー刃との間に配置され、互いに接続された主切れ刃及び底刃と、を少なくとも有し、端面側から見て、前記底刃は外側に凸の円弧状に形成され、前記底刃の幅は、前記第1のコーナー刃の外側端と前記第2のコーナー刃の外側端を結ぶ方向の切削インサートの幅の15%以上50%以下であり、前記底刃の円弧半径は、前記切削インサートの幅の1/3以上1/1以下である。
0008
この態様によれば、上述のように底刃の幅と底刃の円弧半径を規定することにより、底刃の強度が向上し、切削時の切れ刃の欠損を抑制することができる。
0009
周側面側から見て、前記底刃は、切削インサートの幅方向の中心を通りその幅方向に垂直の方向に延びる中心線を跨いでおり、前記底刃の主切れ刃側の第1の端が、前記底刃の主切れ刃と反対側の第2の端より高い位置にあってもよい。
0010
周側面側から見て、前記底刃は、上に凸の第1の曲線と下に凸の第2の曲線とを含んで構成され、前記第1の曲線は前記主切れ刃に接続され、前記底刃の両端を結んだ直線と切削インサートの前記中心線に直交する線とがなす角度が0°より大きく20°より小さくてもよい。
0011
前記底刃は、前記第1の曲線と、前記第2の曲線と、前記第1の曲線と前記第2の曲線の間に設けられ、前記第1の曲線と前記第2の曲線に連続的に接続された直線と、を有するものであってもよい。
0012
切削インサートが、前記底刃と前記第2のコーナー刃との間に副切れ刃を有していてもよい。
0013
前記端面から見て、前記第1のコーナー刃の外側端と前記底刃の円弧状の最も外側に突出した点を結んだ線と、前記第2のコーナー刃の外側端と前記底刃の円弧状の最も外側に突出した点を結んだ線とがなす角度が150°以下であってもよい。
0014
本発明の他の態様に係る切削工具は、工具本体と、前記工具本体の先端部に装着される、上述の切削インサートと、を備え、前記切削インサートは、工具本体の回転軸周りに端面を回転方向に向けて装着される。
0015
切削インサートは、工具本体の先端部側から見て、前記切削インサートの底刃の両端を結んだ線が、前記切削インサートの底刃と主切れ刃との接点と切削工具の回転軸とを結んだ線に対して、回転方向に−10°以上+6°以下の範囲の角度になるように装着されてもよい。
0016
前記角度範囲が、−10°以上2°以下であってもよい。
図面の簡単な説明
0017
切削インサートの斜視図である。
切削インサートの端面側から見た正面図である。
切削インサートの周側面側から見た側面図である。
切削インサートの第1の端面の拡大図である。
角度α3を示す切削インサートの第1の端面の拡大図である。
切削工具の斜視図である。
切削工具を先端部側から見た図である。
底刃の他の形状を示す模式図である。
底刃の他の形状を示す模式図である。
0018
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
0020
切削インサート1は、例えば高送り加工に適したエンドミル用である。図1及び図2に示すように切削インサート1は、略直方体形状を有している。切削インサート1は、互いに対向する第1の端面10及び第2の端面11と、第1の端面10と第2の端面11の間に延在する周側面12と、2つの端面10、11と周側面12との間の一部の交差稜線に形成された切れ刃13を備えている。切削インサート1の中央には、第1の端面10から第2の端面11に向かう端面方向A(図3の上下方向)に貫通する固定用穴14が形成されている。
0021
端面10、11側から見て、第1の端面10及び第2の端面11は、略長方形状を有している。例えば図2に示すように第1の端面10は、互いに対向する一対の短辺20、21と、互いに対向する一対の長辺22、23と、4つの角部24、25、26、27を備えている。第1の端面10には、切れ刃13(短辺20、21)に沿ってチップブレーカー(溝)28が設けられている。第2の端面11は、第1の端面10と同様の構成を有している。
0022
周側面12は、端面10、11の長方形状の各辺に対応する4つの周側面部30、31、32、33を有している。例えば周側面部30、32は、短辺20、21に対応し、端面10側から見て概ね外側に凸に湾曲している。周側面部31、33は、長辺22、23に対応し、端面10側から見て直線状に平行に形成されている。
0024
図2に示すように例えば周側面部30と端面10の間の切れ刃13は、第1の角部24に形成された第1のコーナー刃50と、第2の角部25に形成された第2のコーナー刃51と、その第1のコーナー刃50と第2のコーナー刃51との間に配置され、互いに接続された主切れ刃52、底刃53及び副切れ刃54を有している。すなわち切れ刃13は、第1の角部24から第2の角部25に向けて、第1のコーナー刃50、主切れ刃52、底刃53、副切れ刃54及び第2のコーナー刃51をこの順で連続的に備えている。
0025
図4に示すように底刃53は、端面10側から見て外側に凸の円弧状に形成されている。底刃53の円弧半径R1は、切削インサート1の横幅Wの1/3以上1/1以下である。端面10側から見た底刃53の幅(底刃53と主切れ刃52との接点P1から底刃53と副切れ刃54との接点P2までの距離)w1は、切削インサート1の短辺方向B(第1のコーナー刃50の外側端と第2のコーナー刃51の外側端を結ぶ方向)の横幅Wの15%以上50%以下であり、好ましくは17%以上44%以下である。
0026
底刃53は、切削インサート1の短辺方向Bの中心を通る長手方向Sの中心仮想平面(中心線)Cを跨ぐように配置されている。主切れ刃52は、底刃53と第1のコーナー刃50とを接続し(この接続部分を接続点P3とする)、端面10側から見て例えば直線的である。副切れ刃54は、底刃53と第2のコーナー刃51とを接続し(この接続部分を接続点P4とする)、端面10側から見て例えば直線的である。第1のコーナー刃50と第2のコーナー刃51は、角部24、25の形状に沿って湾曲している。なお、主切れ刃52、副切れ刃54、第1のコーナー刃50及び第2のコーナー刃51の幅(長さ)は、底刃53の幅w1に応じて適宜設定される。
0027
図3に示すように周側面部30側から見て、端面10側の底刃53は、切削インサート1の短辺方向Bの中心を通る端面方向Aの中心仮想平面(中心線)Cを跨いでおり、主切れ刃52側の第1の端(接点P1)が、副切れ刃54側の第2の端(接点P2)よりも端面方向Aに高い位置にある。
0028
端面10側の底刃53は、周側面部30側から見て、例えば互いに連続する上に凸の第1の曲線53aと下に凸の第2の曲線53bから構成されている。主切れ刃52は、上に凸に湾曲し、第1の曲線53aに滑らかに接続されている。副切れ刃54は、下に凸に湾曲し、第2の曲線53bに滑らかに接続されている。
0029
周側面部30側から見て、端面10側の第1のコーナー刃50は、例えば上に凸に湾曲し、主切れ刃52に滑らかに接続されている。第1のコーナー刃50と主切れ刃52の接続点P3付近が最高点となり、第1のコーナー刃50の外側端はわずかに下降している。第2のコーナー刃51は、例えば下に凸に湾曲し、副切れ刃54に滑らかに接続されている。第2のコーナー刃51と副切れ刃54の接続点P4付近が最低点となり、第2のコーナー刃51の外側端はわずかに上昇している。
0030
周側面部30側から見て、底刃53の両端(接続点P1、P2)を結んだ直線L1と、切削インサート1の中心線Cに直交する線(面)L2とがなす角度α1が、0°より大きく20°より小さい。
0031
周側面部30と端面11との間の稜線の切れ刃13は、図3に示すように端面10側の切れ刃13を周側面部30側から見た切削インサート1の中心軸D周りに180°回転した回転対称となり、上述の端面10側の切れ刃13と同様の構成を有している。すなわち周側面部30と端面11との間の切れ刃13は、第2の角部25から第1の角部24に向かって第1のコーナー刃50、主切れ刃52、底刃53、副切れ刃54及び第2のコーナー刃51をこの順で連続的に備えている。
0032
周側面部32と端面10との間の稜線の切れ刃13と、周側面部32と端面11との間の稜線の切れ刃13は、周側面部30側の切れ刃13を端面10側から見た切削インサート1の中心軸E(図2に示す)周りに180°回転した回転対称となり、図3に示すように上述の周側面部30側の切れ刃13と同様の構成を有している。
0033
本実施の形態における切削インサート1は、送り速度が速い高送り加工に適したものである。例えば切削インサート1は、図5に示すように、端面10から見て、第1のコーナー刃50の外側端J1と底刃53の円弧状の最も外側に突出した点J2を結んだ線K1と、第2のコーナー刃51の外側端J3と底刃53の円弧状の最も外側に突出した点J2を結んだ線K2とがなす角度α3が150°以下であり、好ましくは120°〜140°である。
0034
切削インサート1の大きさは、例えば切削インサート1の短辺方向Bの横幅Wが6mm程度であり、切削インサート1の長手方向Sの縦幅が12mm程度である。切削インサート1の厚み(端面10、11間の幅)は、例えば3.5mm程度である。
0035
切削インサート1の材質は、特に限定されるものではないが、例えば超硬合金、サーメット、セラミックスおよび立方晶窒化ほう素を含む焼結体等の硬質材料又はこれら硬質材料の表面にPVD又はCVDコーティング膜を被膜したもの、又は単結晶ダイヤモンド或いはダイヤモンドを含む焼結体の中から選ばれる。
0036
次に、上記切削インサート1が装着される切削工具60について説明する。図6に示す切削工具60は、刃先交換式のエンドミルである。切削工具60は、工具本体70と切削インサート1を備えている。工具本体70は、円柱状に形成され、その中心軸が回転軸Fとなる。切削インサート1は、工具本体70の先端部の回転軸F周りに複数、例えば4つ等間隔で装着されている。なお、この工具本体70に装着される切削インサート1の数は、4つに限られない。図7に示すように切削インサート1は、第1の端面10又は第2の端面11を回転方向Gに向け、周側面部30又は周側面部32を切削工具60の先端側に向けた状態で装着されている。
0037
このとき、切削インサート1は、工具本体70の先端部側から見て、切削インサート1の底刃53の両端P1、P2を結んだ線L1が、切削インサート1の底刃53と主切れ刃52との接点P1と切削工具60の回転軸Fとを結んだ線L3に対して、回転方向Gに−10°以上+6°以下(正の値は回転方向G側であり、負の値は回転方向Gの逆側である)の範囲、好ましくは、-10°以上+2°以下の範囲の角度α2になるように装着されている。
0038
本実施の形態によれば、切れ刃13が、端面10、11側から見て外側に凸の円弧状の底刃53を有し、底刃53の幅w1が、切削インサート1の横幅Wの15%以上50%以下であり、さらに底刃53の円弧半径R1は、切削インサート1の横幅Wの1/3以上1/1以下である。これにより、底刃53の幅w1が十分広く、円弧も緩やかになるので、底刃53の強度が向上し、切削時の切れ刃13の欠損を抑制することができる。
0039
周側面12側から見て、底刃53は、切削インサート1の中心線Cを跨いでおり、底刃53の主切れ刃52側の第1の端(接続点P1)が、底刃53の主切れ刃52と反対側の第2の端(接続点P2)より高い位置にある。この結果、切削時に切れ刃13が被削材に対し底刃53側から主切れ刃52側に向けて順に接していくことになるので、切削時の切れ刃13の欠損をより適切に抑制することができる。
0040
底刃53は、周側面12側から見て、互いに連続する外側に凸の第1の曲線53aと内側に凸の第2の曲線53bとで構成され、第1の曲線53aが主切れ刃52に接続されており、周側面12側から見た、底刃53の両端(接続点P1、P2)を結んだ直線L1と切削インサート1の中心線Cに直交する面L2とがなす角度α1が0°より大きく20°より小さい。この結果、底刃53が、主切れ刃52側に向けて比較的緩やかに高くなっていくので、切削時に底刃53に急激な負荷がかからないため、切れ刃13の欠損をより適切に抑制することができる。
0041
切れ刃13が、底刃53と第2のコーナー刃51との間に副切れ刃54を有するので、切削工具60を回転方向に掘り進める加工を好適に行うことができる。
0042
切削工具60において、切削インサート1は、工具本体70の先端部側から見て、切削インサート1の底刃53の両端(接続点P1、P2)を結んだ線L1が、切削インサート1の底刃53と主切れ刃52との接点P2と切削工具60の回転軸Fとを結んだ線L3に対して、回転方向Gに−10°以上+6°以下の範囲の角度α2になるように装着されている。この結果、切れ刃13の強度の確保と切り屑の排出性のバランスが良好となる。
0043
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
0044
例えば底刃53の構成は、上記実施の形態のものに限られない。例えば底刃53は、図8に示すように周側面部30から見て上に凸に湾曲する第1の曲線53aと、下に凸に湾曲する第2の曲線53bと、第1の曲線53aと第2の曲線53bの間に設けられ、第1の曲線53aと第2の曲線53bに連続的に接続された直線53cと、を有するものであってもよい。
0045
また、底刃53は、例えば図9に示すように周側面部30から見て互いに接続された複数の直線53dにより構成され、主切れ刃52から副切れ刃54に向かって下がるように傾斜していてもよい。
0046
例えば以上の実施の形態において、切れ刃13は、副切れ刃54を備えていなくてもよい。すなわち、切れ刃13は、第1のコーナー刃50、主切れ刃52、底刃53及び第2のコーナー刃51をこの順で連続的に接続した構成を備えていてもよい。切削インサート1の他の構成も上記実施の形態に限られない。例えば切削インサート1は、略長方形状に限られず、ひし形形状等であってもよい。また、切削インサート1は、三角形状、五角形状、六角形状、八角形状などであってもよい。切れ刃13の位置や数、寸法も上記実施の形態のものに限られない。切れ刃13が、切削インサート1の両端面10、11にそれぞれ設けられていたが、片方の端面にのみ設けられていてもよい。切れ刃13が、各端面10、11の2つの短辺に設けられていたが、端面の一部の辺となる1辺、3辺に設けられていてもよいし、端面のすべての辺となる4辺に設けられていてもよい。
0048
下記表1の構成の切削インサートを用いて切り刃の欠損までの時間を測定する実験を行った。実験条件は、切削速度Vc:120m/min、1刃1回転あたりに進む量(通称「1刃あたりの送り量」):fz:0.32mm、切削幅ae:50.5mm、工具径:80mm、ワークの材種:SKD61(硬度52HRC)、工具の取り付けられた切削インサートの数:1個である。実験結果は表1に示す。
実施例
0049
0050
本発明は、硬度の高い被削材を加工する際でも刃先の欠損を抑制できる切削インサートを提供する際に有用である。
0051
1切削インサート
10 第1の端面
11 第2の端面
12 周側面
13切れ刃
30〜32 周側面部
50 第1のコーナー刃
51 第2のコーナー刃
52主切れ刃
53底刃
54副切れ刃
60 切削工具