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技術 変位判定装置

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 石川幹雄高澤和幸立沢雅博
出願日 2017年8月7日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2017-152106
公開日 2019年2月28日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2019-032189
状態 未査定
技術分野 光学的手段による測長装置
主要キーワード 略円筒状体 浮遊位置 変位量計測装置 傾斜変位 UVカット層 判定対象物 変位量計 厚膜領域
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

安価に、かつ簡易対象物変位モニタリングすることのできる変位判定装置及び変位量計測システムを提供する。

解決手段

変位判定装置1は、透明な略円筒状体31と、略円筒状体31の内周面に設けられてなる偏光板32と、偏光板上に設けられ、偏光板を透過した光の偏光状態を互いに異なる状態に制御する略長方形状の第1領域及び第2領域が、第1領域及び第2領域の短辺方向に沿って交互に繰り返し配列されてなる位相差板と、を備え、偏光板の偏光軸の向きは、略円筒状体31の軸方向に対して略直交しており、第1領域及び第2領域の長辺の向きは、偏光板の偏光軸の向きに略一致しており、偏光板及び位相差板の作用により略円筒状体31内に表示される変位判定パターンの形態に基づいて、対象物の基準位置に対する変位を判定する。

概要

背景

トンネル橋梁等のコンクリート構造物鋼構造物、法面等の自然構造物等において、老朽化塩害腐食等によって、また荷重地盤変位等によって構造物にズレ、傾斜等の変位が生じることがある。これらの構造物に生じたズレ、傾斜等の挙動が安定しているのか、変動しているのかをモニタリングし、的確に判定することが、当該構造物に生じたズレ、傾斜等を補修するにあたり重要となる。

従来、上記構造物等の計測対象物に生じたズレ、傾斜等の変位をモニタリングする装置として、当該ひび割れ、亀裂等を跨ぐようにして計測対象物に光ファイバーを固定し、当該計測対象物の変位に伴う光ファイバーの伸縮に基づき、BOTDR(Brillouin Optical-Fiber time Domain Reflectometer)法により変位量を求める変位量計測装置が知られている(特許文献1参照)。

概要

安価に、かつ簡易対象物の変位をモニタリングすることのできる変位判定装置及び変位量計測システムを提供する。変位判定装置1は、透明な略円筒状体31と、略円筒状体31の内周面に設けられてなる偏光板32と、偏光板上に設けられ、偏光板を透過した光の偏光状態を互いに異なる状態に制御する略長方形状の第1領域及び第2領域が、第1領域及び第2領域の短辺方向に沿って交互に繰り返し配列されてなる位相差板と、を備え、偏光板の偏光軸の向きは、略円筒状体31の軸方向に対して略直交しており、第1領域及び第2領域の長辺の向きは、偏光板の偏光軸の向きに略一致しており、偏光板及び位相差板の作用により略円筒状体31内に表示される変位判定パターンの形態に基づいて、対象物の基準位置に対する変位を判定する。

目的

本発明は、安価に、かつ簡易に対象物の変位をモニタリングすることのできる変位判定装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

対象物に設置され、当該対象物の基準位置に対する変位を判定する変位判定装置であって、透明な略円筒状体と、前記略円筒状体の内周面に設けられてなる偏光板と、前記偏光板上に設けられ、前記偏光板を透過した光の偏光状態を互いに異なる状態に制御する略長方形状の第1領域及び第2領域が、該第1領域及び該第2領域の短辺方向に沿って交互に繰り返し配列されてなる位相差板と、を備え、前記偏光板の偏光軸の向きは、前記略円筒状体の軸方向に対して略直交しており、前記第1領域及び前記第2領域の長辺の向きは、前記偏光板の偏光軸の向きに略一致しており、前記偏光板及び前記位相差板の作用により前記略円筒状体内に表示される変位判定パターンの形態に基づいて、前記対象物の基準位置に対する変位を判定する変位判定装置。

請求項2

前記変位判定パターンは、前記略円筒状体の軸方向に沿って所定の間隔で前記略円筒状体内に並列するようにして表示される複数の略円盤形状遮光パターンである請求項1に記載の変位判定装置。

請求項3

前記対象物の基準位置に対する変位に応じて前記変位判定パターンの形態を変化させ得るように前記略円筒状体を保持する保持部をさらに備える請求項1または請求項2に記載の変位判定装置。

請求項4

前記保持部は、前記略円筒状体を収容可能な大きさであり、収容された前記略円筒状体を外部から視認可能な程度に透明部分を少なくとも一部に含む容器により構成され、前記略円筒状体は、前記容器内に充填されている流体中に浮遊するようにして保持される請求項3に記載の変位判定装置。

請求項5

前記容器は、前記略円筒状体の形状と相似形である請求項4に記載の変位判定装置。

請求項6

前記容器は、前記容器内に充填されている前記流体としての気体中に浮遊させるように前記略円筒状体を吊り下げ可能に保持する吊り下げ部を有する請求項4または請求項5に記載の変位判定装置。

請求項7

前記略円筒状体は、前記容器内に充填されている前記流体としての液体中に浮遊するようにして保持される請求項4または請求項5に記載の変位判定装置。

請求項8

前記略円筒状体に、前記流体としての液体中にて浮遊可能とする浮力調整部材が設けられている請求項7に記載の変位判定装置。

請求項9

前記容器の外周面に、前記容器内に保持されている前記略円筒状体の前記変位判定パターンの形態の変化を判定する基準マークが形成されている請求項4〜8のいずれか1項に記載の変位判定装置。

技術分野

0001

本開示は、変位判定装置に関する。

背景技術

0002

トンネル橋梁等のコンクリート構造物鋼構造物、法面等の自然構造物等において、老朽化塩害腐食等によって、また荷重地盤の変位等によって構造物にズレ、傾斜等の変位が生じることがある。これらの構造物に生じたズレ、傾斜等の挙動が安定しているのか、変動しているのかをモニタリングし、的確に判定することが、当該構造物に生じたズレ、傾斜等を補修するにあたり重要となる。

0003

従来、上記構造物等の計測対象物に生じたズレ、傾斜等の変位をモニタリングする装置として、当該ひび割れ、亀裂等を跨ぐようにして計測対象物に光ファイバーを固定し、当該計測対象物の変位に伴う光ファイバーの伸縮に基づき、BOTDR(Brillouin Optical-Fiber time Domain Reflectometer)法により変位量を求める変位量計測装置が知られている(特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開2003−254723号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記特許文献1に記載の変位量計測装置においては、計測対象物に生じる歪みに伴って光ファイバーが伸縮し、当該光ファイバーの伸縮による歪みによって生じる光ファイバー内のブリルアン散乱光の特性の変化を検出することで、計測対象物の変位量を求めることができる。

0006

しかし、光ファイバー内のブリルアン散乱光の特性変化を検出するための検出装置が必要となり、変位判定装置の導入にかかるコストが高価にならざるを得ないという問題がある。

0007

また、光ファイバー内のブリルアン散乱光を検出し、BOTDR法のような複雑な計算を要する解析方法を用いて変位量を求めるなど、変位量の計測が煩雑である。そのため、安価で導入することができ、かつ簡易対象物の変位をモニタリング可能な新たな装置の提案が切望されている。

0008

上記課題に鑑みて、本発明は、安価に、かつ簡易に対象物の変位をモニタリングすることのできる変位判定装置を提供することを一目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために、本発明の一実施形態として、対象物に設置され、当該対象物の基準位置に対する変位を判定する変位判定装置であって、透明な略円筒状体と、前記略円筒状体の内周面に設けられてなる偏光板と、前記偏光板上に設けられ、前記偏光板を透過した光の偏光状態を互いに異なる状態に制御する略長方形状の第1領域及び第2領域が、該第1領域及び該第2領域の短辺方向に沿って交互に繰り返し配列されてなる位相差板と、を備え、前記偏光板の偏光軸の向きは、前記略円筒状体の軸方向に対して略直交しており、前記第1領域及び前記第2領域の長辺の向きは、前記偏光板の偏光軸の向きに略一致しており、前記偏光板及び前記位相差板の作用により前記略円筒状体内に表示される変位判定パターンの形態に基づいて、前記対象物の基準位置に対する変位を判定する変位判定装置が提供される。前記変位判定パターンを、前記略円筒状体の軸方向に沿って所定の間隔で前記略円筒状体内に並列するようにして表示される複数の略円盤形状遮光パターンとすることができる。

0010

上記一実施形態の変位判定装置は、前記対象物の基準位置に対する変位に応じて前記変位判定パターンの形態を変化させ得るように前記略円筒状体を保持する保持部をさらに備えるのが好ましく、前記保持部は、前記略円筒状体を収容可能な大きさであり、収容された前記略円筒状体を外部から視認可能な程度に透明部分を少なくとも一部に含む容器により構成されるのが好ましく、前記略円筒状体は、前記容器内に充填されている流体中に浮遊するようにして保持されるのが好ましい。

0011

また、前記容器は、前記略円筒状体の形状と相似形であってもよく、前記容器内に充填されている前記流体としての気体中に浮遊させるように前記略円筒状体を吊り下げ可能に保持する吊り下げ部を有していてもよい。また、前記略円筒状体は、前記容器内に充填されている前記流体としての液体中に浮遊するようにして保持されていてもよく、この場合、前記略円筒状体に、前記流体としての液体中にて浮遊可能とする浮力調整部材が設けられているのが好ましい。

0012

前記容器の外周面に、前記容器内に保持されている前記略円筒状体の前記変位判定パターンの形態の変化を判定する基準マークが形成されていてもよい。

発明の効果

0013

本発明によれば、安価に、かつ簡易に対象物の変位をモニタリングすることのできる変位判定装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

図1は、本発明の一実施形態における変位判定装置を示す概略斜視図である。
図2(A)は、図1に示される変位判定装置を構成する略円筒状体、偏光板、及び位相差板の概略構成を示す、略円筒状体の径方向に沿って切断した断面図であり、図2(B)は、図2(A)において矢印Lで示される光の進行方向における略円筒状体、偏光板、及び位相差板の配置構成を示す模式図である。
図3は、図2(A)に示されるA−A線切断端面図である。
図4(A)〜(D)は、略円筒状体内に表示される変位判定パターンの形態が、対象物の基準位置に対する変位に応じて変化する態様を示す図である。
図5は、保持部としての容器の一実施形態を示す概略斜視図である。
図6は、保持部としての容器の一実施形態を示す概略斜視図である。
図7は、本発明の他の実施形態における変位判定装置を示す概略斜視図である。

実施例

0015

本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本明細書に添付した図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりしている場合がある。

0016

本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。

0017

図1は、本実施形態における変位判定装置を示す概略斜視図であり、図2(A)は、図1に示される変位判定装置を構成する略円筒状体、偏光板、及び位相差板の概略構成を示す、略円筒状体の径方向に沿って切断した断面図であり、図2(B)は、図2(A)において矢印Lで示される光の進行方向における略円筒状体、偏光板、及び位相差板の配置構成を示す模式図である。

0018

図1図2(A)及び図2(B)に示すように、本実施形態に係る変位判定装置1は、透明な略円筒状体31と、略円筒状体31の内周面に設けられてなる偏光板32と、偏光板32上に設けられてなる位相差板33と、略円筒状体31、偏光板32及び位相差板33を一体として収容する容器2と、を備える。変位判定装置1は、例えば山の斜面や道路脇の法面等の変位判定対象物に設置され得る。なお、本実施形態において「透明」とは、波長400nm〜800nmにおける全光線透過率が70%以上であることを意味する。

0019

本実施形態に係る変位判定装置1において、略円筒状体31の径方向に沿って見ると、略円筒状体31、偏光板32、2つの位相差板33、偏光板32、略円筒状体31がこの順に配置されている(図2(B)参照)。また、2つの位相差板33の間には空間が存在している。

0020

容器2は、略円筒状体31を収容可能な大きさであるとともに透明であって、略円筒状体31を保持する保持部として機能する。本実施形態における容器2は、略円筒状体31を収容可能な有底略円筒状の容器本体と、容器本体の開口を蓋する蓋部とを有する(図1参照)。なお、容器本体の形状は、有底略円筒状に限定されるものではなく、後述する変位判定パターン30が視認され、変位判定装置1が設置された変位判定対象物の変位を判定し得るように略円筒状体31を収容可能であればよく、特に制限されるものではない。

0021

本実施形態における変位判定パターン30は、後述する偏光板32及び位相差板33の作用により略円筒状体31内に表示され得る。また、変位判定パターン30は、黒味を帯びた暗色状態で表示される略円盤形状の遮光パターン30a、30b、30cで構成されており、遮光パターン30a、30b、30cは、略円筒状体31の軸方向に沿って所定の間隔で略円筒状体31内に並列するようにして表示され得る(図1参照)。本実施形態においては、変位判定パターン30の形態に基づいて、変位判定対象物の基準位置に対する変位が判定され得る。なお、図1に示す変位判定パターン30は、3つの遮光パターン30a、30b、30cにより構成されるが、変位判定対象物の基準位置に対する変位を判定するのに十分な数の遮光パターンにより構成されていればよく、例えば、2つ以下の遮光パターンにより構成されていてもよいし、4つ以上の遮光パターンにより構成されていてもよい。

0022

本実施形態における略円筒状体31は、略円形状の上面部31t及び底面板31b、並びに側面部31sで構成される有底略円筒状体である。ただし、略円筒状体31は、上記の構成に限定されるものではなく、例えば上面部31t及び/又は底面部31bを有していなくてもよい。略円筒状体31は、内周面に偏光板32及び位相差板33を支持可能な程度に所望の剛性を有する透明基材により構成され得る。略円筒状体31として剛性を有する透明基材を用いることで、偏光板32及び位相差板33の作用により表示される変位判定パターン30(遮光パターン30a、30b、30c)が歪むのを防止することができる。略円筒状体315を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンポリプロピレンポリスチレンポリエチレンテレフタレートポリカーボネートポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデン等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。略円筒状体31をなす上面部31t、側面部31s及び底面部31bの厚さは、特に限定されるものではなく、例えば50μm〜500μmの範囲内で適宜設定され得る。

0023

偏光板32は、一方の直線偏光成分の光を高い透過率で透過させるとともに、一方の直線偏光成分と直交する方向に振動する他方の直線偏光成分の光を吸収する機能を有している。本実施形態において、偏光板32の偏光軸の向き(x軸方向)が、略円筒状体31の軸方向(y軸方向)に対して略直交している(図2(B)参照)。本実施形態において、偏光板32は、略円筒状体31の軸方向(y軸方向)に対して偏光軸の向き(x軸方向)が略直交するように、略円筒状体31の内周面に設けられ、偏光板32のうち入光側LINに位置する部分の偏光軸と、出光側LOUTに位置する部分の偏光軸とが略平行になっている(図2(B)参照)なお、偏光板32として、ポリビニルアルコールヨウ素や二色性色素吸着させてなる広く普及した偏光板を用いることができる。

0024

偏光板32の厚みは、所望の光透過性を有するものであれば特に限定されないが、20μm〜100μmであることが好ましく、特に20μm〜40μmであることが好ましい。

0025

位相差板33は、略長方形状の第1領域33a及び第2領域33bが、各々の短辺方向(y軸方向)に沿って交互に繰り返し配列されてなる。第1領域33a及び第2領域33bの長辺の向きは、偏光板32の偏光軸の向き(x軸方向)に略一致している。第1領域33a及び第2領域33bは、偏光板32を透過した光の偏光状態を互いに異なる状態に制御する。すなわち、位相差板33は、第1領域33a及び第2領域33bとの間で、異なる位相変調透過光に生じさせる。

0026

位相差板33は、低リタデーション透光性基材と、当該基材上に形成された配向膜と、当該配向膜上に形成された位相差層と、をそれぞれ有する。位相差板33の配向膜及び位相差層は、第1領域33a及び第2領域33bに対応した二つの領域に区分けされる。配向膜は、二つの領域間で、異なる方向に配向規制力を有する。位相差層は、例えば配向膜の配向規制力によって二つの領域間で異なる方向に向いた液晶分子を有し、二つの領域間で、異なる位相変調を透過光に生じさせる。

0027

位相差層は、上述のとおり配向層上に形成され、遅相軸の方向および位相差の少なくとも一方が異なる2以上の位相差領域が一定の間隔をおいて一定の形状に形成されている。すなわち、2以上の上記位相差領域が一定の間隔をおいて一定の形状に形成されている。なお、本実施形態においては、上記位相差層は位相差領域ごとに配向が固定されている。

0028

位相差領域は、遅相軸の方向および位相差の少なくとも一方が異なるものである。位相差領域の遅相軸の方向が異なる場合、及び位相差領域の位相差が異なる場合について以下に説明する。

0029

[位相差領域の遅相軸の方向が異なる場合]
位相差層において、「位相差領域の遅相軸の方向が異なる」とは、例えば、同一の面内レターデーション値Re値)を示す位相差領域が一定の幅および一定の形状を有して連続して形成されており、隣り合う位相差領域の一方の面内遅相軸の方向と他方の面内遅相軸の方向とが直交することをいう。

0030

なお、面内レターデーション値(Re値)とは、屈折率方体の面内方向における複屈折性の程度を示す指標であり、面内方向において屈折率が最も大きい遅相軸方向の屈折率をNx、遅相軸方向に直交する進相軸方向の屈折率をNy、屈折率異方体の面内方向に垂直な方向の厚さをdとした場合に、
Re[nm]=(Nx−Ny)×d[nm]
で表わされる値である。面内レターデーション値(Re値)は、例えば、王子計測機器株式会社製 KOBRA−WRを用い、平行ニコル回転法により測定することができる。また、微小領域の面内レターデーション値はAXOMETRICS社(米国)製のAxoScanでミューラーマトリクスを使って測定することも出来る。また、本実施形態においては特に別段の記載をしない限り、面内レターデーション値(Re値)は波長589nmにおける値を意味するものとする。

0031

遅相軸の方向が異なる場合の位相差領域の面内レターデーション値(Re値)は、位相差層を構成する材料、パターン等に応じて適宜設定され得る。面内レターデーション値(Re値)は、例えば100nm〜160nmの範囲内、中でも110nm〜150nmの範囲内、特に120nm〜140nmの範囲内であることが好ましい。

0032

[位相差領域の位相差が異なる場合]
位相差層において、「位相差領域の位相差が異なる」とは、例えば、同一の面内における遅相軸の方向を示す位相差領域が一定の幅および一定の形状を有して連続して形成されており、位相差領域ごとに厚さが異なることにより、膜厚差に相当する分の位相差値(Re値)を示すことをいう。
なお、厚さの大きい位相差領域を厚膜領域、小さい位相差領域を薄膜領域と称する場合がある。位相差領域の位相差が異なる場合、厚膜領域と薄膜領域との厚さの差は、位相差層の材料や位相差領域のパターン等に応じて適宜決定され得る。

0033

具体的には、第1領域33a及び第2領域33bは、共に、リタデーションがλ/4の位相差フィルムからなり、ただし、当該位相差フィルムは、遅相軸が互いに直交するようにして配置されている。したがって、位相差板33は、第1領域33aを透過する光に対して「λ/4」の位相変調を引き起こし、第2領域33bを透過する光に対して「−λ/4」の位相変調を引き起こす。

0034

位相差板33の第1領域33a及び第2領域33bは、y軸方向に交互に隙間なく配置され、y軸方向に沿って同一な幅Wを有している。したがって、第1領域33a及び第2領域33bは、各領域の幅の二倍「W×2」となる一定ピッチでそれぞれX軸方向に配列されている。

0035

位相差層の材料としては、屈折率異方性を有する棒状化合物が好ましい。規則的に配向させることができ、位相差層が所望の位相差性を有するからである。中でも液晶性を示す液晶性材料であることが好ましい。液晶性材料としては、例えば、ネマチック相スメクチック相等の液晶性を示す材料を挙げることができる。

0036

配向膜の材料としては、その配向領域を所望の形状で所望のパターンに形成できるものであれば特に限定されるものではない。このような構成材料としては、例えば、熱又は紫外線電子線等の電離放射線照射により硬化する硬化性樹脂が挙げられる。硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂熱硬化性樹脂電子線硬化性樹脂等を挙げることができるが、中でも紫外線硬化性樹脂が好ましい。

0037

紫外線硬化性樹脂の具体例としては、例えば、ウレタンアクリレートエポキシアクリレートポリエステルアクリレートポリエーテルアクリレートメラミンアクリレート等のアクリロイル基をもつ重合性オリゴマー又はモノマーと、アクリル酸アクリルアミドアクリロニトリルスチレン重合性ビニル基をもつ重合性オリゴマー又はモノマー等の単体あるいは配合したものに、光重合開始剤及び任意の添加剤を加えたもの等を挙げることができる。

0038

透光性基材の材料としては、高い透過性を有する樹脂が好ましい。具体的には、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂アクリル系樹脂ポリウレタン系樹脂ポリエーテルサルホン、ポリカーボネート、ポリスルホンポリエーテルポリエーテルケトン、(メタアクニトリルシクロオレフィンポリマーシクロオレフィンコポリマー等の樹脂が挙げられる。中でも、透明フィルム基材の面内レターデーションをゼロに近付けやすいことからアセチルセルロース系樹脂、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。

0039

位相差板33の厚みは、上述したような透光性基材に用いられる材料、又は位相差領域の態様、例えば位相差領域の遅相軸の方向や位相差領域の位相差などに応じて適宜設定され得る。

0040

[本実施形態における位相差板の作用について]
上述した本実施形態における位相差板33の作用について、図3を参照してさらに詳細に説明する。図3は、図2(A)に示されるA−A線切断端面図である。図3に示されるように、位相差板33のうち、入光側LINに位置する部分及び出光側LOUTに位置する部分の第1領域33a同士、第2領域33b同士がそれぞれ対向している。図3において、矢印LHは、位相差板33のうちの入光側LINに位置する第2領域33bと出光側LOUTに位置する第2領域33bとを透過する透過光の方向(図の左右方向)を示したものである。また、矢印LE及び矢印LDは、それぞれ、位相差板33のうちの入光側LINに位置する第2領域33bと出光側LOUTに位置する第1領域33aとを透過する透過光の方向を示したものであり、矢印LEは図の左上から右下方向へ傾斜し、矢印LDは図の左上から右下方向へ傾斜している。

0041

上記を踏まえ、第1領域33a及び第2領域33bのそれぞれの作用についてさらに詳細に説明する。本実施形態では、第1領域33aの遅相軸S1と第2領域33bの遅相軸S2とが互いに直交しており、具体的には、第1領域33aの遅相軸S1はy軸に対して45°で傾斜し、第2領域33bの遅相軸S2はy軸に対して135°で傾斜している。なお、製造誤差や組み付け精度等を考慮すると、第1領域33aの遅相軸S1は、y軸に対して42°〜48°の範囲で傾斜している場合に「y軸に対して45°で傾斜している」とみなすことができ、第2領域33bの遅相軸S2は、y軸に対して132°〜138°の範囲で傾斜している場合に「y軸に対して135°で傾斜している」とみなすことができる。なお、第1領域33aは、位相差板33の面内を延びるy軸に対して30°〜60°の範囲で傾斜した遅相軸S1を有していればよく、第2領域33bは、位相差板33の面内を延びるy軸に対して120°〜150°の範囲で傾斜した遅相軸S2を有していればよい(図3参照)。

0042

図3において、矢印LHで示される透過光の向きにおいては、位相差板33のうちの入光側LINの第2領域33bと出光側LOUTの第2領域33bとが対向している。上述した偏光板32及び位相差板33の作用により、入光側LINから略円筒状体31に入射した光のうち偏光板32の入光側LIN部分を透過したx軸に平行な偏光成分の光は、入光側LIN及び出光側LOUTの各第2領域33bを透過した後に、振動方向をy軸に向けて回転させられる。したがって、各第2領域33bを透過した光は、x軸方向の偏光成分とは振動方向が直交するy軸方向の偏光成分の光を多く含んでおり、その多くが偏光板32の出光側LOUT部分にて遮光される。これにより、略円筒状体31の出光側LOUTにおいて、上述した変位判定パターン30(遮光パターン30a、30b、及び30c)が略円筒状体31内に表示される態様が視認され得る。

0043

一方で、矢印LEに沿って進行する光は、入光側LINの第2領域33bと出光側LOUTの第1領域33aとを透過する。よって、偏光板32の入光側LIN部分を透過したx軸に平行な偏光成分の光は、入光側LINの第2領域33b及び出光側LOUTの第1領域33aを透過した後に、これらを透過する前の振動方向を維持する。したがって、入光側LINの第2領域33b及び出光側LOUTの第1領域33aを透過した光は、x軸方向の偏光成分の光を多く含み、偏光板32の出光側LOUT部分で吸収されずに透過する(図3参照)。矢印LDで示される透過光についても、矢印LEで示される透過光と同様である。すなわち、入光側LINの第2領域33b及び出光側LOUTの第1領域33aを透過した光は、x軸方向の偏光成分の光を多く含み、偏光板32の出光側LOUT部分で吸収されずに透過する(図3参照)。上記の場合、略円筒状体31の出光側LOUTにおいて、実質的に略円筒状体31の入光側LINの背景色が視認され得る。

0044

本実施形態においては、これら偏光板32及び位相差板33による偏光作用に加え、略円筒状体31の内周面に偏光板32及び位相差板33が設けられ、これらがx軸方向に湾曲していること、湾曲した偏光板32R及び位相差板33R同士が対向して配置されていること、さらに位相差板33同士の間に空間が存在していることから、所望の角度で見たときの遮光パターン30a、30b、30cが略円盤形状に視認され得る。そして、本実施形態においては、変位判定パターン30(遮光パターン30a、30b、30c)の形態の変化を利用することにより、変位判定対象物の変位が的確に判定され得る。

0045

[変位判定パターンによる変位判定の態様について]
変位判定パターン30(遮光パターン30a、30b、30c)の形態の変化を利用した、変位判定対象物の基準位置に対する変位を判定するための各種態様について以下に説明する。図4(A)〜(D)は、略円筒状体31内に表示される変位判定パターン30の形態が、変位判定対象物の基準位置に対する変位に応じて変化する態様を示す図である。本実施形態において「基準位置」とは、変位判定対象物に変位が発生したことを判定するための基準となる位置を意味する。具体的には、例えば法面等の変位判定対象物において、現在は傾斜等の変位が発生していないが、経年変化等により変位が起こり得る、変位判定の対象として選定され得る位置であって、変位判定装置1を最初に設ける位置が基準位置として設定され得る。この場合、基準位置における変位判定装置1の法面等に対する設置角度及び変位判定パターン30の表示形態が適宜設定され得る。なお、図4(A)〜(D)は、観察側から視認される変位判定装置1の態様を示しており、略円筒状体31における出光側LOUTが観察側に位置している。

0046

図4(A)は、変位判定対象物が基準位置にあるときの変位判定パターンの形態を示す図である。図4(A)においては、変位判定パターン30である遮光パターン30a、30b、30cが上下方向の厚みのない形態で観察側に視認され得る形態が表されている。ここでは、例えば水平面に対して30°の角度で傾斜する法面を変位判定対象物とし、略円筒状体31の軸方向が水平面に直交するように変位判定装置1が法面に設置されているものとする。このような変位判定装置1の設置状態において、観察側に向かう光のほとんどが、入光側LINの第2領域33b及び出光側LOUT(観察側)の第1領域33aを透過した光と、入光側LINの第1領域33a及び出光側LOUT(観察側)の第2領域33bを透過した光であるため、遮光パターン30a、30b、30cはそれぞれ厚みのない形態で表示される。遮光パターン30a、30b、30cがこの形態であるとき、対象物は基準位置に対して変位していないものとする。

0047

図4(B)は、変位判定対象物が基準位置に対して傾斜変位したときの変位判定パターンの形態を示す図である。本図においては、上述した法面の傾斜角度が30°を超過するような傾斜変位が発生し、それによって変位判定装置1の略円筒状体31の軸方向が観察側に向かって傾倒した状態が示されている。この状態において、観察側に向かう光の多くが、入光側LINの第2領域33b及び出光側LOUT(観察側)の第2領域33bを透過した光と、入光側LINの第1領域33a及び出光側LOUT(観察側)の第1領域33aを透過した光であり、遮光パターン30a、30b、30cの順に徐々に厚みが増していくような形態で表示される。これにより、変位判定対象物の基準位置に対する変位が観察側において的確に判定され得る。

0048

図4(C)は、変位判定対象物が基準位置に対して傾斜変位したときの変位判定パターンの形態を示す図である。本図においては、上述した法面の傾斜角度が30°未満になるような傾斜変位が発生し、それによって変位判定装置1の略円筒状体31の軸方向が観察側から見たときに奥方に向かって傾倒した状態が示されている。この状態において、観察側に向かう光の多くが、入光側LINの第2領域33b及び出光側LOUT(観察側)の第2領域33bを透過した光と、入光側LINの第1領域33a及び出光側LOUT(観察側)の第1領域33aを透過した光であり、遮光パターン30a、30b、30cの順に徐々に厚みがなくなっていくような形態で表示され得る。これにより、変位判定対象物の基準位置に対する変位が観察側において的確に判定され得る。

0049

図4(D)は、変位判定対象物が基準位置に対して下方に変位したときの変位判定パターンの形態を示す図である。上記の場合において、法面における変位判定装置1の設置領域が隆起する変位が発生し、それに伴って変位判定装置1が元の設置高さよりせり上がった状態である。この場合、基準位置において、容器2(略円筒状体31)の所定位置図4(A)において遮光パターン30bと30cとの間)に対応するように、容器2の外周面に設けられた基準マーク4に基づいて、設置領域が隆起する変位が判定され得る。容器2がその底面側において法面に設置されているため、法面が隆起することにより、容器2も上方へ押し上げられる。一方、略円筒状体31は容器2内に充填されている流体中に浮遊するように保持されているため、基準位置から移動することなく同じ位置に留まっている。これにより、遮光パターン30aと30bとの間に基準マーク4が位置することになるため、観察側から、変位判定装置1の設置領域が隆起する変位を判定することができる。なお、ここでは、法面の隆起についてのみ説明しているが、法面の沈下についても同様の方法で判定することができることは言うまでもない。

0050

[変位判定パターンのカラー表示について]
上述した変位判定パターン30においては、遮光パターン30a、30b、30cが黒味を帯びた暗色状態であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、黒以外の色味を帯びた遮光パターンを表示させることもできる。これは、位相差板33における第1領域33aのリタデーションR1及び第2領域33bのリタデーションR2を所望の波長に設定することにより実現することができる。

0051

第1領域33aのリタデーションR1及び第2領域33bのリタデーションR2が、波長500nmの光に対して、120nmよりも小さいか、あるいは、130nmよりも大きくなっている。第1領域33a、第2領域33bのリタデーションR1、R2として、波長500nmの光に対してλ/4となる125nmより小さい値または125nmより大きい値、好ましくは120nmより小さい値または130nmより大きい値を採用することで、後述するように、色味を帯びた遮蔽状態を実現することができる。なお、本実施の形態において、リタデーションR1及びリタデーションR2は、互いにその大きさが等しくなっている。ただし、入光側LIN及び出光側LOUTの各第1領域33a(第2領域33b)の両方を透過した光は、その波長に応じて振動方向を変化させられる程度が異なる。このため、光を完全に遮光した黒色状態とはならず、特定の波長の光を多く透過した色味を帯びた暗色状態を呈する。

0052

リタデーションR1及びR2が、波長500nmの光に対して、60nmよりも大きく且つ120nmよりも小さい場合、遮光状態において黄色味を帯びた暗色状態となることが知られている。この要因としては、一般的な液晶材料では、波長の短い光ほど入光側LIN及び出光側LOUTの各第1領域33a(第2領域33b)によって振動方向を大きく変化させられ、波長の長い光ほど入光側LIN及び出光側LOUTの各第1領域33a(第2領域33b)によって振動方向を変化させられ難いことが考えられる。すなわち、リタデーションR1及びR2として、波長500nmの光に対してλ/4となる125nmよりも幾分小さい値を採用することで、相対的に波長の短い光は出光側LOUTの偏光板32で吸収され易くなるが、相対的に波長の長い光は出光側LOUTの偏光板32で吸収され難くなる。この結果、相対的に波長の長い光を相対的に多く透過した黄色味を帯びた暗色状態を呈するものと考えられている。

0053

また、リタデーションR1及びR2が、波長500nmの光に対して、130nmよりも大きく且つ240nmよりも小さい場合、遮光状態において青色味、緑色味または青と緑の間の色味を帯びた暗色状態となることが知られている。上述のように、波長の短い光ほど入光側LIN及び出光側LOUTの各第1領域33a(第2領域33b)によって振動方向を大きく変化させられ、波長の長い光ほど入光側LIN及び出光側LOUTの各第1領域33a(第2領域33b)によって振動方向を変化させられ難いことが考えられる。すなわち、リタデーションR1及びR2として、波長500nmの光に対してλ/4となる125nmよりも幾分大きい値を採用することで、相対的に波長の短い光は出光側LOUTの偏光板32で吸収され難くなるが、相対的に波長の長い光は出光側LOUTの偏光板32で吸収され易い。この結果、相対的に波長の短い光を相対的に多く透過した青色味、緑色味または青と緑の間の色味を帯びた暗色状態を呈するものと考えられている。

0054

本態様のように特定波長の光だけを透過させて、特定波長の光に対応した色味を帯びた遮光パターン表示させ得る変位判定装置1を用いることにより、例えば変位判定装置1の設置場所となる周囲の色が白色である場合に、白色に対してコントラストのある青色等のパターンを略円筒状体31体内に表示させることができる。これにより、観察側に識別しやすいパターンを表示させることができる。

0055

保持部としての容器2は、対象物の基準位置に対する変位に応じて変位判定パターン30の形態を変化させ得るように略円筒状体31を保持する。本実施形態における容器2は、図1に示される通り、蓋部としての上面部2t、容器本体としての側面部2s及び底面部2bにより構成され得るが、この態様に限定されるものではない。例えば、容器2は、上面部2t(蓋部)を有さず、側面部2s及び底面部2b(容器本体)で構成されていてもよいし、底面部2bを有さず、側面部2s(無底略円筒状の容器本体)及び上面部2t(蓋部)で構成されていてもよい。容器2により、略円筒状体31を保持する態様としては、変位判定対象物の基準位置に対する変位を判定し得る限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば後述する図5及び図6に表される態様が挙げられる。

0056

上述した容器2を構成する上面部2t、側面部2s及び底面部2bの厚みについては、これらに用いられる材料が相対的に剛性の高い材料(例えばガラス等)か剛性の低い材料(例えばアクリル樹脂塩化ビニル樹脂等)かにより、好適な範囲が適宜設定され得る。

0057

なお、例えばトンネルの中等、十分な光量を得ることが困難な環境下において、変位判定パターン30を認識するために十分な光量を得るべく、観測者側から見て奥方に位置する側面部2sに、アルミナ系酸化物等の蓄光剤が含まれていてもよいし、蓄光シート貼付されていてもよい。蓄光シートとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム又はポリ塩化ビニル(PVC)フィルム等と蓄光剤層との積層シート等を使用することができる。

0058

容器2の側面部2sには、防汚層、防眩層、反射防止層UVカット層等の機能層(図示せず)が設けられていてもよい。

0059

[液体中に浮遊させる態様]
図5は、保持部としての容器2の一実施形態を示す概略斜視図である。本実施形態においては、容器2内に流体としての液体50wが充填されており、その液体50w中に略円筒状体31が浮遊するように保持されている。液体50wは容器2内に満充填され、略円筒状体31が液体50w内に収まっているのが好ましい。これは、液体50w内外において光の屈折率が変化することから、光の屈折率が変化することにより変位判定パターン30が対象物の変位による形態変化以外の要因で変形し、それによって変位判定を誤ってしまうおそれを防止するためである。

0060

液体50w中で略円筒状体31を浮遊可能にするための浮力調整部材が略円筒状体31に設けられていてもよい。例えば、略円筒状体31の底部等に取り付けられるの重量や、略円筒状体31内に充填される空気の量を調整することにより、略円筒状体31が液体50w中に浮遊可能となる。この場合における、錘や空気等が浮力調整部材に相当する。略円筒状体31に浮力調整部材を設け、容器2内の液体50w中に浮遊可能に略円筒状体31が保持されることにより、容器2が上下しても、略円筒状体31は元の浮遊位置(基準位置)から変位することがない。これにより、容器2の外周面に設けられた基準マーク4との相対的な変位(例えば、上述した法面の隆起及び沈下等)が判定され得る。

0061

[気体中に浮遊させる態様]
図6は、保持部としての容器2の他の実施形態を示す概略斜視図である。本実施形態においては、容器2の上面部2t(蓋部)に吊り下げ部50hが設けられ、吊り下げ部50hの下端が略円筒状体31の上面に接続されている。これにより、容器2内に充填されている流体としての気体中に略円筒状体31を浮遊させるように吊り下げて保持することができる。吊り下げ部50hとしては、例えば糸やワイヤー等が挙げられる。

0062

なお、変位判定装置1の大きさは、変位判定対象物の規模に応じて適宜設定されればよいが、例えば高さ(略円筒状体31の軸方向の長さ)が100mm〜500mm程度、直径が20mm〜100mm程度であればよい。変位判定装置1を構成する略円筒状体31、偏光板32、及び位相差板33についても、設定される変位判定装置1の大きさに応じて、それぞれの大きさが適宜設定されればよい。特に、略円筒状体31及び容器2(容器本体)のそれぞれの大きさは、容器2内において当該略円筒状体31の軸方向が傾斜(傾倒)しない程度に適宜設定されればよい。また、偏光板32や位相差板33は、略円筒状体31の内周面の全域に設けられてもよく、変位判定パターン30が略円筒状体31内に表示され得る限りにおいて、略円筒状体31の内周面の一部の領域(例えば、略円筒状体31の軸方向における中央付近の所望の領域)に設けられてもよい。

0063

上述した種々の態様における変位判定装置1によれば、コンクリート構造物や自然構造物等の変位判定対象物に傾斜やズレ等が生じた場合に、変位判定装置1の変位により略円筒状体31内に表示される変位判定パターン30を観測するだけで、当該対象物に傾斜やズレ等の挙動を把握することができる。

0064

以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。

0065

上記の各実施形態においては、容器2の全体が透明な部材で構成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、容器2が透明部分を一部に含んでいる構成であってもよい。この場合の透明部分の大きさは、容器2に収容された略円筒状体31(変位判定パターン30)を外部から視認可能な程度であることを要する。具体的には、図7に示されるように、少なくとも観察側からの観察方向が容器2の透明部分以外の部分によって遮られないように、透明部分としての開口窓60f及び60bを対向させて設ければよい。

0066

1…変位判定装置
2…容器(保持部)
4…基準マーク
30…変位判定パターン
30a,30b,30c…遮光パターン
31…略円筒状体
32…偏光板
33…位相差板
33a…第1領域
33b…第2領域
50w…液体(流体)
50h…気体(流体)
60f,60b…開口窓

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