図面 (/)

技術 トランスミッション

出願人 株式会社イケヤフォ-ミュラ
発明者 池谷信二寺岡正夫
出願日 2018年10月19日 (1年6ヶ月経過) 出願番号 2018-197830
公開日 2019年2月28日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2019-032083
状態 未査定
技術分野 機械的に作動されるクラッチ 変速機構成
主要キーワード 螺旋切り 内周突起 ドラム溝 平面カム 外周突起 駆動斜面 摩擦伝達力 スラスト分力
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年2月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

駆動力が途切れず、変速ショック加速遅れを抑制し、重量軽減を図ることができ、且つ構造を簡単にすることを可能としたトランスミッションを提供する。

解決手段

駆動力伝達軸に支持された複数段変速ギヤ29と、変速ギヤが2速以上はなれて両サイドにそれぞれ配置され両サイドの変速ギヤに選択的な噛み合いが可能なクラッチリング63と、クラッチ・リング63を選択的に操作する変速操作部とを備え、変速操作部の動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リング63が同時噛合いした時に変速下段と変速上段とのクラッチ・リング63に噛合い解除方向の軸力を生じさせて変速を行うトランスミッション1であって、クラッチ・リング63及び変速ギヤ29は、回転方向に噛合うクラッチ歯51b、29aを備え、クラッチ歯51b、29aは、コースティングトルクにより斜面の作用で噛合い解除方向のスラスト力を発生させるガイド面51baを備えたことを特徴とする。

概要

背景

一般に、シングルクラッチを使用した車両用トランスミッションは、変速時に駆動力が途切れ変速ショック加速遅れ等が避けられなかった。また大きな走行抵抗を有し速度エネルギーが小さい建機農機等にあっては変速時、駆動力が途切れると即停止してしまい変速が困難な場合も生じる。

これに対し、ツイン・クラッチのトランスミッションは、駆動力が途切れず、変速ショックや加速遅れを抑制できるものとして知られている。

しかし、ツイン・クラッチのトランスミッションは、構造が複雑で重量が大きいという問題がある。

一方、シームレスシフト・トランスミッションは、重量増を抑制できるものとして注目されている。

以下に、シームレスシフト・トランスミッションの動作を説明する。ここでは、説明を簡単にするため、1速、2速間の変速を説明する。

このシームレスシフト・トランスミッションでは、1速ギヤ、2速ギヤ間に入力軸係合した3個の第1ビュレット、3個の第2ビュレットを備え、シフト操作に応じて移動する構成となっている。1速ギヤ及び2速ギヤには、噛合い歯が形成され、第1ビュレット及び第2ビュレットの両端部には、回転方向前後で異なった複雑なフェースが形成されている。

第1ビュレット及び第2ビュレットは、セレクトフォークの動作に対しスプリングを介して1速ギヤ又は2速ギヤ側へ移動する構成である。

このような構成により、例えば1速ギヤへの変速時は、3個の第1ビュレットが1速ギヤの噛合い歯に噛み合ってから残りの3個の第2ビュレットが噛合い歯に噛み合う。

2速への変速時は、3個の第2ビュレットが2速ギヤの噛合い歯に噛み合ってから残りの3個の第1ビュレットが噛合い歯に噛み合う。

このような複雑なフェースを備えた第1ビュレット及び第2ビュレットとスプリングを介したセレクト動作とにより、駆動力が途切れず、変速ショックや加速遅れを抑制し、且つ重量軽減を図ることができる。

しかし、第1ビュレット及び第2ビュレット等を備えた構造が複雑であり、部品点数も増大するという問題がある。

これに対し、駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、重量軽減を図ることができ、且つ構造を簡単にすることを可能としたトランスミッションを提案した。(特許文献1)
このトランスミッションは、基本的な所期の目的を達成したが、本願出願人は、これを変速ショックの観点においてさらに改良した。

概要

駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、重量軽減をることができ、且つ構造を簡単にすることを可能としたトランスミッションを提供する。駆動力伝達軸に支持された複数段変速ギヤ29と、変速ギヤが2速以上はなれて両サイドにそれぞれ配置され両サイドの変速ギヤに選択的な噛み合いが可能なクラッチ・リング63と、クラッチ・リング63を選択的に操作する変速操作部とを備え、変速操作部の動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リング63が同時噛合いした時に変速下段と変速上段とのクラッチ・リング63に噛合い解除方向の軸力を生じさせて変速を行うトランスミッション1であって、クラッチ・リング63及び変速ギヤ29は、回転方向に噛合うクラッチ歯51b、29aを備え、クラッチ歯51b、29aは、コースティングトルクにより斜面の作用で噛合い解除方向のスラスト力を発生させるガイド面51baを備えたことを特徴とする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

駆動力伝達軸相対回転可能に支持された複数段変速ギヤと、前記変速ギヤを前記駆動力伝達軸に選択的に結合して変速出力するために複数備えられ前記変速ギヤに選択的な噛み合いが可能なクラッチリングと、このクラッチ・リングを選択的に操作する変速操作部とを備え、前記変速操作部のシフトアップ動作又はシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リングが同時噛合いした時に前記変速下段又は変速上段のクラッチ・リングにコースティングトルクにより噛合い解除方向の軸力を生じさせて変速を行うトランスミッションであって、前記クラッチ・リング及び変速ギヤは、回転方向に噛合うクラッチ歯を備え、前駆クラッチ歯は、コースティング・トルクにより斜面の作用で噛合い解除方向のスラスト力を発生させるガイド面を備えた、ことを特徴とするトランスミッション。

請求項2

請求項1記載のトランスミッションであって、前記クラッチ歯は、軸方向にほぼ平行に設定されてドライブ・トルクにより噛合うドライブ噛合い面を備えた、ことを特徴とするトランスミッション。

請求項3

駆動力伝達軸に相対回転可能に支持された複数段の変速ギヤと、前記変速ギヤを前記駆動力伝達軸に選択的に結合して変速出力するために複数備えられ前記変速ギヤが2速以上はなれて両サイドにそれぞれ配置され両サイドの変速ギヤに選択的な噛み合いが可能なクラッチ・リングと、このクラッチ・リングを選択的に操作する変速操作部とを備え、前記変速操作部のシフト・アップ動作又はシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リングが同時噛合いした時に前記変速下段及び変速上段のクラッチ・リング相互間にコースティング・トルクにより噛合い解除方向と噛合い方向との異なる方向の軸力を各別に生じさせて変速を行うトランスミッションであって、前記クラッチ・リング及び変速ギヤは、回転方向に噛合うクラッチ歯を備え、前駆クラッチ歯は、コースティング・トルクにより斜面の作用で噛合い解除方向のスラスト力を発生させるガイド面を備えた、ことを特徴とするトランスミッション。

請求項4

請求項3記載のトランスミッションであって、前記クラッチ歯は、ドライブ・トルクにより噛合いを深める方向のスラスト力を発生させるように傾斜したドライブ噛合い面を備えた、ことを特徴とするトランスミッション。

技術分野

0001

本発明は、自動車建機農業車両等の変速を行わせるトランスミッションに関する。

背景技術

0002

一般に、シングルクラッチを使用した車両用のトランスミッションは、変速時に駆動力が途切れ変速ショック加速遅れ等が避けられなかった。また大きな走行抵抗を有し速度エネルギーが小さい建機、農機等にあっては変速時、駆動力が途切れると即停止してしまい変速が困難な場合も生じる。

0003

これに対し、ツイン・クラッチのトランスミッションは、駆動力が途切れず、変速ショックや加速遅れを抑制できるものとして知られている。

0004

しかし、ツイン・クラッチのトランスミッションは、構造が複雑で重量が大きいという問題がある。

0005

一方、シームレスシフト・トランスミッションは、重量増を抑制できるものとして注目されている。

0006

以下に、シームレスシフト・トランスミッションの動作を説明する。ここでは、説明を簡単にするため、1速、2速間の変速を説明する。

0007

このシームレスシフト・トランスミッションでは、1速ギヤ、2速ギヤ間に入力軸係合した3個の第1ビュレット、3個の第2ビュレットを備え、シフト操作に応じて移動する構成となっている。1速ギヤ及び2速ギヤには、噛合い歯が形成され、第1ビュレット及び第2ビュレットの両端部には、回転方向前後で異なった複雑なフェースが形成されている。

0008

第1ビュレット及び第2ビュレットは、セレクトフォークの動作に対しスプリングを介して1速ギヤ又は2速ギヤ側へ移動する構成である。

0009

このような構成により、例えば1速ギヤへの変速時は、3個の第1ビュレットが1速ギヤの噛合い歯に噛み合ってから残りの3個の第2ビュレットが噛合い歯に噛み合う。

0010

2速への変速時は、3個の第2ビュレットが2速ギヤの噛合い歯に噛み合ってから残りの3個の第1ビュレットが噛合い歯に噛み合う。

0011

このような複雑なフェースを備えた第1ビュレット及び第2ビュレットとスプリングを介したセレクト動作とにより、駆動力が途切れず、変速ショックや加速遅れを抑制し、且つ重量軽減を図ることができる。

0012

しかし、第1ビュレット及び第2ビュレット等を備えた構造が複雑であり、部品点数も増大するという問題がある。

0013

これに対し、駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、重量軽減を図ることができ、且つ構造を簡単にすることを可能としたトランスミッションを提案した。(特許文献1)
このトランスミッションは、基本的な所期の目的を達成したが、本願出願人は、これを変速ショックの観点においてさらに改良した。

0014

特開2012−127471号公報

先行技術

0015

June 2005 Racecar Engineering(www. racecar・engineering.com)

発明が解決しようとする課題

0016

解決しようとする問題点は、駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、且つ重量軽減を図ることはできるが、構造が複雑であった点である。

課題を解決するための手段

0017

本発明は、駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、重量軽減を図ることができ、且つ構造を簡単にすることを可能とするため、駆動力伝達軸相対回転可能に支持された複数段変速ギヤと、前記変速ギヤを前記駆動力伝達軸に選択的に結合して変速出力するために複数備えられ前記変速ギヤに選択的な噛み合いが可能なクラッチ・リングと、このクラッチ・リングを選択的に操作する変速操作部とを備え、前記変速操作部のシフト・アップ動作又はシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リングが同時噛合いした時に前記変速下段又は変速上段のクラッチ・リングにコースティングトルクにより噛合い解除方向の軸力を生じさせて変速を行うトランスミッションであって、前記クラッチ・リング及び変速ギヤは、回転方向に噛合うクラッチ歯を備え、前駆クラッチ歯は、コースティング・トルクにより斜面の作用で噛合い解除方向のスラスト力を発生させるガイド面を備えたことを特徴とする。

発明の効果

0018

本発明は、上記手段としたため、駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、且つ重量軽減を図ることができ、且つ構造を簡単にすることができる。

0019

図面の簡単な説明

0020

トランスミッションをフロントデファレンシャル装置と共に示す概略断面図である。(参考例1)
トランスミッションの要部拡大断面図である。(参考例1)
カム溝及びカム突部を示す展開図である。(参考例1)
カム溝及びカム突部を示す展開図である。(参考例1)
クラッチ・カム・リング及びクラッチ・リングの関係を示す斜視図である。(参考例1)
クラッチ・カム・リング及びクラッチ・リングの関係を示す斜視図である(参考例1)
クラッチ・カム・リングを示す斜視図である。(参考例1)
クラッチ・リングを示す斜視図である。(参考例1)
シフト・フォーク、チェック部、及び噛み合いクラッチとの関係を示す概略図である。(参考例1)
シフト・フォーク、チェック部、及び噛み合いクラッチとの関係を示す概略図である。(参考例1)
クラッチ・リングの要部展開図である。(参考例1)
噛合いクラッチの噛み合いを示し、(a)は、コースト噛み合い位置、(b)は、待機噛み合い位置を示す要部展開図である。(参考例1)
シフト・アップ時トランスミッションの4速ギヤ噛み合いを示す概略図である。(参考例1)
シフト・アップ時トランスミッションの4速クラッチ・リングの離脱待機の位置を示す概略図である。(参考例1)
5速に変速終了時の概略図である。(参考例1)
シフト・ダウン時、4速5速がニュートラルであることを示す概略図である。(参考例1)
シフト・アップ、シフト・ダウンのときのドラム溝の作動説明である。(参考例1)
トランスミッションをフロント・デファレンシャル装置と共に示す概略断面図である。(参考例1)
結合部周辺の拡大断面図である。(参考例1)
(A)は、結合伝達部のアウタープレートの拡大正面図、(B)は、結合伝達部のインナー・プレートの拡大正面図である。(参考例1)
トランスミッションをフロント・デファレンシャル装置と共に示す概略断面図である。(参考例2)
トランスミッションをフロント・デファレンシャル装置と共に示す概略断面図である。(参考例3)
(A)は、図22のXXIIIA−XXIIIA矢視におけるプレーシャー・リングの係合を示す概略断面図、(B)は、センター・リングの断面図、(C)は、センター・リングの正面図、(D)は、プレッシャー・リングの正面図、(E)は、プレッシャー・リングの断面図である。(参考例3)
ERベースのトランスミッションへの適用を示す概略断面図である。(参考例4)
噛合いクラッチの要部に係りドライブ噛み合い位置を示す断面図である。(実施例1)
変形例に係る噛合いクラッチの要部に係り、ドライブ噛み合い位置を示す断面図である。(実施例2)
比較例に係る噛合いクラッチの歯先摩耗を説明し、(A)は、噛合い歯及び被噛合い歯の噛合いの一つをクラッチ・リングの接線方向から見た概略断面図、(B)は、(A)のXXVIIB−XXVIIB矢視断面図である。
噛合いクラッチの歯先の摩耗を説明し、(A)は、噛合い歯及び被噛合い歯の噛み合いの一つをクラッチ・リングの接線方向から見た概略断面図、(B)は、噛合い歯及び被噛合い歯の噛み合い離脱状態をクラッチ・リングの接線方向から見た概略断面図、(C)は、(A)のXXIIXC−XXIIXC矢視断面図である。

0021

駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、重量軽減を図ることができ、且つ構造を簡単にすることを可能とするという目的を、クラッチ・リング及び変速ギヤは、回転方向に噛合うクラッチ歯を備え、クラッチ歯は、コースティング・トルクにより斜面の作用で噛合い解除方向のスラスト力を発生させるガイド面を備えたことで実現した。

0022

本発明実施例1は、クラッチ歯が、コースティング・トルクにより斜面の作用で噛合い解除方向のスラスト力を発生させるガイド面を備えたことを特徴とするが、この弾性部及び減衰部を採用した構造の前に、理解を容易とする目的で図1図24の参考例により本発明実施例1の前提となるトランスミッションの構造、作用を全体的に説明し、その後、実施例1の要部を説明する。

0023

図1は、本発明実施例1の参考例1に係るトランスミッションをフロント・デファレンシャル装置と共に示す概略断面図、図2は、同トランスミッションの要部拡大断面図である。

0024

図1図2のように、トランスミッション1は、駆動力伝達軸として中実メインシャフト3及びカウンター・シャフト5、アイドラー・シャフト7を備えている。これらメイン・シャフト3及びカウンター・シャフト5は、軸受9,11,13,15等によりミッションケース17に回転自在に支持されている。アイドラー・シャフト7は、ミッションケース17側に固定されている。

0025

メイン・シャフト3とカウンター・シャフト5とには、複数段の変速ギヤとして1速ギヤ19、2速ギヤ21、3速ギヤ23、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29が相対回転可能に支持されている。

0026

カウンター・シャフト5上の1速ギヤ19、3速ギヤ23は、メイン・シャフト3の出力ギヤ31,33に噛合い、メイン・シャフト3上の2速ギヤ21、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29は、カウンター・シャフト5の入力ギヤ35,37,39,41にそれぞれ噛合っている。

0027

アイドラー・シャフト7上のリバース・アイドラー43は、軸方向移動によりメイン・シャフト3上の出力ギヤ44及びカウンター・シャフト5上の入力ギヤ45に噛合い可能に配置されている。

0028

1速ギヤ19、3速ギヤ23は、第1の噛合いクラッチ47によりカウンター・シャフト5に選択的に結合され、2速ギヤ21、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29は、第2、第3の噛合いクラッチ49,51によりメイン・シャフト3に選択的に結合される。この選択的な結合によりメイン・シャフト3からカウンター・シャフト5に変速出力可能となっている。

0029

第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51は、複数段の変速ギヤの変速上段への変速を、複数の第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51を変更して行なうようになっている。

0030

すなわち、複数段の変速ギヤである1速ギヤ19、2速ギヤ21、3速ギヤ23、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29は、第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51を変更して変速を行うように配列されている。

0031

例えば1速ギヤ19から2速ギヤ21への変速は、複数の第1、第2の噛合いクラッチ47,49を変更して行なう。

0032

第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51は、基本的には同一構造であり、クラッチ・カム・リング53,55,57、クラッチ・リング59,61,63、クラッチ・リング59,61,63及び1速ギヤ19〜6速ギヤ29の各対向面に形成されたクラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b、19a,21a,23a,25a,27a,29aを備えている。

0033

したがって、クラッチ・リング59,61,63は、メイン・シャフト3、カウンター・シャフト5の軸方向へ噛合い移動してクラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b、19a,21a,23a,25a,27a,29aの選択的な噛合いにより変速出力のための結合を行わせる。

0034

第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51のクラッチ・カム・リング53,55,57には、略V字状のカム溝65,67,69が形成されている。第1の噛合いクラッチ47のクラッチ・カム・リング53は、カウンター・シャフト5にスプライン嵌合などにより結合され、一体回転可能となっている。第2,第3の噛合いクラッチ49,51のクラッチ・カム・リング55,57は、メイン・シャフト3にスプライン嵌合などにより結合され、一体回転可能となっている。

0035

第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51のクラッチ・リング59,61,63は、クラッチ・カム・リング53,55,57の外周に嵌合配置され、軸方向へ移動可能となっている。このクラッチ・リング61,63は、変速ギヤである2速ギヤ21、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29を前記駆動力伝達軸であるメイン・シャフト3に選択的に結合して変速出力するために複数備えら、クラッチ・リング59は、変速ギヤである1速ギヤ19、3速ギヤ23を前記駆動力伝達軸であるカウンター・シャフト5に選択的に結合して変速出力するために複数備えられている。クラッチ・リング59,61,63の内周には、突部として断面円形のカム突部71,73,75が形成され、カム溝65,67,69に嵌合しガイドされるようになっている。

0036

クラッチ・リング59及びリバース・アイドラー43には、後述するシフト・フォーク77,79が嵌合する周凹条81,83が形成されている。クラッチ・リング59の外周には、さらに前記入力ギヤ45が形成されている。クラッチ・リング61,63には、後述するシフト・フォーク85,87が嵌合する周凸条89,91が形成されている。クラッチ・リング59,61,63の両サイドには、1速ギヤ19、2速ギヤ21、3速ギヤ23、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29を選択して各両サイドに2速以上はなして配置し、それぞれ両サイドの変速ギヤに選択的な噛み合いが可能となっている。つまり、クラッチ・リング59の両サイドには1速ギヤ19、3速ギヤ23が配置され、クラッチ・リング61の両サイドには2速ギヤ21、5速ギヤ27が配置され、クラッチ・リング63の両サイドには4速ギヤ25、6速ギヤ29が配置されている。

0037

第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51は、変速操作部93により選択的に操作されるようになっている。リバース・アイドラー43も、変速操作部93により操作されるようになっている。

0038

変速操作部93は、ミッションケース17内に備えられ、複数のシフト・フォーク77,79,85,87と複数のシフト・ロッド103,105,107,109とシフト・アーム111,113,115,117とシフト・ドラム119とを備えている。

0039

シフト・フォーク77,79,85,87は、第1〜第3の各噛合いクラッチ47,49,51毎及びリバース・アイドラー43に備えられ、各噛合いクラッチ47,49,51、リバース・アイドラー43を連動させるものである。

0040

シフト・ロッド103,105,107,109は、各シフト・フォーク77,79,85,87を支持している。

0041

シフト・アーム111,113,115,117は、各シフト・ロッド103,105,107,109に結合されている。

0042

シフト・ドラム119は、シフト溝120,121,123,125を備え、このシフト溝120,121,123,125に各シフト・アーム111,113,115,117の先端突部を係合させている。

0043

シフト・フォーク85,87側とミッションケース17側との間には、凹凸部127,129及びチェック部131,133が設けられている。シフト・フォーク99側とミッションケース17側との間にも、同一構造の、凹凸部及びチェック部が設けられているが、図示は省略する。

0044

凹凸部127,129は、シフト・フォーク95,97に形成され、山形位置決め凹部127a,127b,127c、129a,129b,129cを備えている。位置決め凹部127a,129aは、ニュートラル位置に対応し、位置決め凹部127b,127c、129b,129cは、コースト噛み合い位置に対応している。

0045

チェック部131,133は、ミッションケース17側に支持され、チェック・ボール131a,133aをチェック・スプリング131b,133bにより付勢し、凹凸部127,129に弾性力を持って係合させている。この係合により第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51をニュートラル位置とコースト噛合い位置とへ位置決めることができる。

0046

トランスミッション1の出力は、カウンター・シャフト5の出力ギヤ135に噛合うフロント・デファレンシャル装置137から行う。

0047

すなわち、シフト・レバーのマニュアル操作信号に基づき、或いはアクセルペダルの操作によるアクセル開度及び車速信号等に基づき、シフト・モータ(図示せず)によりシフト・ドラム119が回転駆動されると、シフト溝120,121,123,125のガイドにより何れかのシフト・アーム111,113,115,117を介してシフト・ロッド103,105,107,109が軸方向へ選択駆動される。

0048

このシフト・ロッド103,105,107,109の選択駆動によりシフト・フォーク77,79,85,87の何れかを介して第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51、或いはリバース・アイドラー43が選択操作される。この選択操作により、1速ギヤ19〜6速ギヤ29、リバース・アイドラー43が選択的に動作し、シフト・アップ、シフト・ダウン、リバースのチェンジを行わせることができる。

0049

[ガイド部]
前記変速操作部93及び第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51に、前記変速操作部93の動作により変速下段と変速上段の噛合いクラッチが同時噛合いした時、エンジン出力トルクに係らず、機構上必然的に発生する内部循環トルクにより変速上段のクラッチ・リングにはドライブ方向のトルクが働いてより深く噛み合う方向の軸力を生じさせ、変速下段のクラッチ・リングにはコースティング・トルクによりクラッチをニュートラル方向へ移動させて噛合いを解除する方向の軸力を各別に生じさせるガイド部Gを各段に設けている。

0050

ガイド部Gは、前記のようにカム溝65,67,69及びカム突部71,73,75を第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51に備え、クラッチ・リング59,61,63と駆動力伝達軸であるメイン・シャフト3との間に設けた構成となっている。カム溝65,67,69及びカム突部71,73,75により、第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51のコースト噛合い位置で駆動トルク及びコースティング・トルクを前記1速ギヤ19、2速ギヤ21、3速ギヤ23、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29に伝達し、コースト噛合い位置よりも噛合い離脱側へ移動した離脱待機の位置でのみコースティング方向トルクにより前記噛合いをニュートラル方向へガイドすることができる。

0051

また、ガイド部Gは、移動力伝達機構Mを変速操作部93に備え、後述する駆動斜面Fを第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51の正の駆動トルク伝達側のみに備えている。

0052

駆動斜面Fは、ドライブ・トルクにより第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51のクラッチ・リング59,61,63を離脱待機の位置へ移動させる移動力を発生させることができる。尚斜面Fは歯車側のクラッチ歯に設けても良く同様の機能を得ることが出来る。

0053

クラッチ・リング59,61,63の深い噛合い状態は、第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51の第1の噛合い位置での噛合い状態となる。これに対し、前記離脱待機の位置は、第1の噛合い位置よりも噛合いを浅くする第2の噛み合い位置で第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51が噛合う状態である。

0054

すなわち、本参考例では、クラッチ・リング59,61,63を、第2の噛み合い位置で第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51が噛合う状態にする機構は、駆動斜面Fが構成する。

0055

駆動斜面Fは、後述のように、クラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b及びクラッチ歯19a,21a,23a,25a,27a,29aの一方の回転方向一側の歯元に形成され駆動力伝達時にクラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b、クラッチ歯19a,21a,23a,25a,27a,29aの他方の先端部をガイドしてクラッチ・リング59,61,63を第1の噛合い位置から第2の噛み合い位置へ移動させるものである。

0056

図3図4は、カム溝及びカム突部を示す展開図、図5図6は、クラッチ・カム・リング及びクラッチ・リングの関係を示す斜視図、図7は、クラッチ・カム・リングを示す斜視図、図8は、クラッチ・リングを示す斜視図である。

0057

図3図7のように、カム溝65,67,69は、クラッチ・カム・リング53,55,57の外周面周方向等間隔で複数形成されている。このカム溝65,67,69は、ニュートラルに対応する部分を含めて軸方向の中央部にV形状部65a,67a,69aが形成され、その両側に平坦部65b,67b,69bが形成されたものである。

0058

このため、噛み合いクラッチ47,49,51が非待機位置に位置する場合、該平坦部65b,67b,69bにカム突部71,73,75が位置するため、コースティング・トルクが作用しても、ニュートラル方向へのスラストは生ぜず、噛み合いを保つ。

0059

カム突部71,73,75は、クラッチ・リング59,61,63の内周に周方向一定間隔径方向突設され、前記カム溝65,67,69にそれぞれ嵌入し、ガイドされるようになっている。

0060

したがって、第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51のコースト噛合い位置では、カム突部71,73,75が平坦部65b,67b,69bに位置して駆動トルク及びコースティング・トルクを前記1速ギヤ19、2速ギヤ21、3速ギヤ23、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29に伝達することができる。

0061

第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51の離脱待機の位置では、カム突部71,73,75がV形状部65a,67a,69aに位置するから、図4のようにコースティング方向トルクにより噛合いをニュートラル方向へガイドすることができる。

0062

図9図10は、シフト・フォーク、チェック部、及び噛合いクラッチとの関係を示す概略図、図11は、クラッチ・リングの要部展開図、図12は、噛合いクラッチの噛合いを示し、(a)は、コースト噛合い位置、(b)は、待機噛合い位置を示す要部展開図である。図9図12は、第3の噛合いクラッチについて説明する。第1、第2の噛合いクラッチについても同様であり、重複説明は省略する。

0063

図1図9図12のように、第3の噛合いクラッチ51は、クラッチ・リング63のクラッチ歯51a、51bと4速ギヤ25、6速ギヤ29のクラッチ歯25a、29aとが、周方向の配置において、歯幅よりも大きな相互間隔を有している。各クラッチ歯51a、51b、25a、29aの周方向噛合い面は、歯の根元が若干細くなるように傾斜形成されている。

0064

クラッチ・リング63のクラッチ歯51a、51bの根元には、駆動トルクを受ける噛合い面に前記駆動斜面Fがそれぞれ形成されている。

0065

したがって、第3の噛合いクラッチ51を、例えば6速ギヤ29に噛合い結合させ、駆動トルクが働くと、図12(b)のように駆動斜面Fによってクラッチ・リング63が移動する。このとき図10に示すシフト・フォーク87の凹部129bがボール133aを押しのけ、スプリング133bは加圧されエネルギーを蓄える。この移動を許すのはシフト・アーム117のガイドに対しシフト溝125に適宜軸方向の遊びを設けているからである。この移動によりクラッチ・リング63は、図9図12(a)のコースト噛合い位置よりも噛合い離脱側へ移動した図10図12(b)の離脱待機の位置となる。次に駆動トルクがコースト方向に変化すると、歯は反対側に押し付けられ、図9図12に示す斜面Fから離脱する。このため上記スプリング133bのエネルギーにより凹部129b、ボール133aの作用で図9図12(a)に示す深い噛み合い状態となる。この状態においては、図2に示すカム突部75がカム溝69の軸方向端部側の平坦部69bに位置するため、クラッチ・リング63にスラストは発生しない。

0066

このように、本参考例では、シフト・フォーク87の凹部129b、ボール133a、スプリング133bが、変速下段のクラッチ・リング(59、61、63)のみが噛合いを行った駆動力伝達時に該クラッチ・リング(59、61、63)を第2の噛み合い位置から第1の噛合い位置へ復帰させるためのエネルギーを蓄積させる機構を構成し、この機構を変速操作部93側に備えた構成となる。

0067

クラッチ・リング61についてもシフト・フォーク85の凹部127b、ボール131a、スプリング131bが、同様のエネルギーを蓄積させる機構を構成する。

0068

すなわち、変速操作部93側に、変速下段又は変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)の一方のみが噛合いを行った駆動力伝達時に該クラッチ・リング(59、61、63)を第2の噛み合い位置から第1の噛合い位置へ復帰させるためのエネルギーを蓄積させる機構を備えた構成となる。

0069

一方変速上段への変速が開始された場合、図1に示すシフト・ドラム119が回転しているので変速下段のシフト溝125の形状によりシフト・アーム117のガイドに対する上記遊びをなくし、シフト・ロッド109、シフト・フォーク87を介してクラッチ・リング63の軸方向の動き規制され、コースト・トルクが作用しも離脱待機位置を保持する。このときカム突部75はカム溝69の平坦部69bから斜面部へ移動しているため上段ギヤの噛合いにより、下段ギヤにコースティング・トルクが負荷されると、カム溝69の斜面によりニュートラル方向へ移動するスラスト分力を得ることができる。具体的な変速アクションについては後記する。

0070

したがって、シフト・ドラム119、シフト溝125(120、123)、シフト・アーム117(111、115)、シフト・フォーク87(77、85)、クラッチ・リング63(59、61)の連携構成により、変速下段及び変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)が同時噛合いしたコースティング・トルク時に、クラッチ・リング(59、61、63)を第2の噛み合い位置から第1の噛合い位置へ復帰させるためのエネルギーに抗して第2の噛み合い位置を維持させる機構を備えた構成となる。

0071

[シフト・アップ4速→5速]
図13は、シフト・アップ時トランスミッションの4速ギヤ噛み合いを示す概略図、図14は、シフト・アップ時トランスミッションの4速クラッチ・リングの離脱待機
の位置を示す概略図、図15は、5速に変速終了時の概略図、図16は、シフト・ダウン時、4速5速がニュートラルであることを示す概略図である。
ここでは、説明を簡単にするため、4速(変速下段)から5速(変速上段)へのシフト・アップのみ説明する。他の段のシフト・アップも同様である。

0072

図13図15にシフト・アップ時の動きを、図16にシフト・ダウン完了を示す。図13の4速のクラッチ歯25aにはドライブ・トルクが付加されているため前記したようにクラッチ・リング63は斜面Fの作用により、図14のように離脱待機位置となる。つまり4速位置にあるクラッチ・リング63のカム突部75はカム溝69の斜面に位置することとなる。このときシフト・ドラム119の回転により5速へのシフト・アップ操作が行われると、シフト溝123が働き、シフト・アーム115、シフト・ロッド107、シフト・フォーク85を介してクラッチ・リング61が操作される。この操作によりクラッチ・リング61が5速ギヤ27に噛み合い、4速ギヤ25及び5速ギヤ27が同時噛合いとなる。

0073

このときエンジン出力トルクの如何に係らず同時噛み合いによる機構的必然による内部循環トルクにより4速側にはコースティング・トルク、5速側にはドライブ・トルクが発生する。このトルクがカム溝69、67の斜面の作用で4速位置にあるクラッチ・リング63には図右側ニュートラル方向、5速位置のクラッチ・リング61には図右側噛み合いを深める方向のスラストが発生し、それぞれのクラッチ・リング63、61を所定の位置に移動し、図15に示すように5速へのシフト・アップを終了させる。

0074

本発明参考例の特徴は、クラッチ・リング59、61、63が軸方向へ移動するとき、カム溝65、67、69の斜面の作用で、メイン・シャフト3またはカウンター・シャフト5と同回転するカム・リング53、55、57に対して相対的に変速下段側のクラッチ・リング59、61、63は回転が遅れ、変速上段側のクラッチ・リング59、61、63は回転が先行する。このような状況で回転する変速下段と変速上段との歯車のクラッチ歯19a、21a、23a、25a、27a、29aとの相対速度をなくしダブル噛み合いを許容すると共に、シンクロ作用を発生し変速ショックを緩和する。

0075

エンジンブレーキが働いているときのシフト・アップ]
エンジンブレーキが作用しているときシフト・アップすると、4速位置にあるクラッチ・リング63は待機位置に位置しない状態で変速が行われる。このときシフト・アップ操作によりクラッチ・リング61が5速ギヤ27に噛み合い、4速に更なるコースティング・トルクが働くが、4速位置のクラッチ・リング63は離脱待機位置に無いため、ニュートラル方向へのスラスト分力は発生しない。

0076

しかし、エンジンブレーキ時のコースティング・トルクは加速時のトルクに比べ絶対値が小さく、噛み合いクラッチに働く摩擦力は小さい。5速位置のクラッチ・リング61にはカム溝67の斜面作用で強力なスラスト分力が発生する。

0077

このスラストが5速位置のシフト・フォーク85、シフト・ロッド107、シフト・アーム115、シフト・ドラム119のシフト溝123及びシフト溝125を経て、4速位置のシフト・ロッド109、シフト・フォーク87へと伝達され、4速位置のクラッチ・リング63を図右側のニュートラル方向の離脱待機位置側に移動する。従って、このような場合でもシフト・アップへの支障は生じない。
シフト溝123及びシフト溝125は、このような連携動作を行わせるように溝が切られており、シフト・アーム115側からのスラスト力でシフト溝123を介しシフト・ドラム119が僅かに回転し、シフト溝125を介してシフト・アーム117にスラスト力が伝達されることになる。

0078

したがって、クラッチ・リング59、61、63を、第2の噛み合い位置で第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51が噛合う状態にする機構は、変速下段及び変速上段の各クラッチ・リング59、61、63のシフト・フォーク77、85、87、シフト・ロッド103、107、109、シフト・ドラム119の各シフト溝120、123、125、及びシフト・アーム111、115、117と前記シフト・ドラム119とを備えた構成となる。

0079

またドライブ・トルクが働いている場合であっても、斜面Fがない場合、クラッチ・リング63は離脱待機位置に位置しない。しかし、この場合であっても、上記5速位置のシフト機構からの力の伝達により、強制的にニュートラル方向へクラッチ・リング63を移動できる。

0080

このため斜面Fは本発明に必須のものではなく、変速をより円滑にするためのものである。

0081

また、本参考例はシフト・ドラム119のシフト溝120、121、123、125(円筒カム)によりシフト操作するが、平面カム、または各シフト・ロッドを制御された油圧電動モーター空気圧等で駆動しても本発明は成立する。
[シフト・ダウン5速→4速]
減速時は加速時のような、シームレス・シフトの必要性は無い。減速は主にブレーキにより受け持たれ、エンジンからの出力は基本的に関係しないから、エンジンからの駆動トルクやエンジンブレーキトルクが途切れても問題ないためである。このため通常のマニアルトランスミッションと同じように、まず変速上段の5速位置にあるクラッチ・リング61を図16に示すニュートラルに移動させ動力遮断し、次にクラッチ・リング63を4速ギヤ25に噛み合わせることでシフト・ダウンする。

0082

以上で、図13の噛み合い状態となる。

0083

このように本参考例はシフト・アップとシフト・ダウンで、噛み合い移行の形態が異なることを特徴とする。これは、変速上段と変速下段のシフト・リング61、63が独立しているためと円筒カム119のシフト溝125、123の連携形状による。

0084

以下このようにシフト・アップとシフト・ダウンとで変速形態を異ならせる機構について図17により説明する。図17は、シフト・アップ、シフト・ダウンのときのドラム溝の作動説明である。

0085

[シフト・アップ4速→5速]
図13に示す4速時、シフト・アーム117および5速位置のシフト・アーム115は、図17に示す位置115aおよび位置117aにある。シフト・ドラム119がシフト・アップのため図手前側へ回転すると、シフト溝123の斜面123aによりシフト・アーム115が位置115b1から、位置115b2、115cへと移動する。このときダブル噛み合いが生じシフト・アーム117は、位置117b1からカム・リング57のカム溝69の斜面の働きで、位置117b2に自動的に移動しニュートラルとなる。更にシフト・ドラム119の回転で位置117C に移行する。以上で4速から5速へのシフト・アップは終了する。

0086

[シフト・ダウン5速→4速]
5速でクラッチが噛み合っているとき、シフト・フォーク87はチェック部133により図1に示すようにニュートラル位置に保持されている。シフト・ドラム119が回転し、シフト溝125がシフト・アーム117に対し、図17の位置117b2にあって軸方向の遊びがあっても、上記チェック部133によりシフト・アーム117は位置117b2においてニュートラルに保持される。

0087

一方、シフト・アーム115は位置115cから、位置115b1に移行し4速、5速とも図16に示すようにニュートラルとなる。

0088

更にシフト・ドラム119が回転するとシフト・フォーク87は、位置117b2から位置117aに移行しクラッチ・リング63が4速ギヤ25のクラッチ歯25aと噛み合い、シフト・ダウンにより図13の状態で完了する。

0089

前記トランスミッション1は、変速操作部93のシフト・アップ動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)が同時噛合いした時に変速下段のクラッチ・リング(59、61、63)に噛合い解除方向の軸力を生じさせて変速を行う構成であり、より具体的には、変速操作部93のシフト・アップ動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)が同時噛合いした時に変速下段と変速上段とのクラッチ・リング(59、61、63)に噛合い解除方向と噛合い方向との異なる方向の軸力を各別に生じさせて変速を行う構成である。

0090

これに対し、トランスミッション1を、変速操作部93のシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)が同時噛合いした時に変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)に噛合い解除方向の軸力を生じさせて変速を行う構成とし、より具体的には、変速操作部93のシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)が同時噛合いした時に変速下段と変速上段とのクラッチ・リング(59、61、63)に噛合い方向と噛合い解除方向との異なる方向の軸力を各別に生じさせて変速を行う構成にすることもできる。

0091

これは、建機、農機、大型トラック等が低速時の、泥濘地走行または坂道等、速度エネルギーが小さく走行抵抗が大きい場合、より大きな駆動力を得るため、シフト・ダウンが必要となる。このような場面で、通常の噛み合い変速機によりシフト・ダウンする場合、駆動力が短時間であっても途切れると、車両は停止してしまい、登坂が困難となる等の問題が発生する。当発明によれば、駆動力が途切れず変速可能となるため、容易にシフト・ダウンが可能で走行を維持できる。

0092

前記トランスミッション1のガイド部Gによる変速ガイドは、変速操作部93のシフト・アップ動作及びシフト・ダウン動作の双方で行わせる構成にすることもできる。

0093

[弾性部及び減衰部]
図18図20は、参考例1に係り、図18は、トランスミッションをフロント・デファレンシャル装置と共に示す概略断面図、図19は、結合部周辺の拡大断面図、図20(A)は、結合伝達部のアウター・プレートの拡大正面図、(B)は、結合伝達部のインナー・プレートの拡大正面図である。この参考例のトランスミッションの全体的な基本構成は、図1図17の参考例1と同一であり、図18図20では、図1図17と同一構成部分同符号を付し、特徴部分についてさらに説明する。

0094

図18図19のように、参考例のトランスミッション1は、上記同様にメイン・シャフト3が駆動力伝達軸として駆動入力を行う構成である。このメイン・シャフト3は、中空のアウター・シャフト201と、弾性部としてのトーション・バー202とを備えている。トーション・バー202は、ガイド部Gが機能する変速時に発生する変速ショックをねじり弾性力により吸収するものである。

0095

中空のアウター・シャフト201は、変速ギヤ21、25、27、29及びクラッチ・リング61、63を外周部に配置し、軸芯部に貫通孔205が形成されている。中空のアウター・シャフト201の両端には、貫通孔205に対してニードルベアリング207a、207bが設けられている。中空のアウター・シャフト201の一端は、軸受9外に突出し、スプライン201aが形成されている。

0096

トーション・バー202は、トーション部203の一端部に入力結合部209を備え、他端部に減衰部としての摩擦結合伝達部211を結合する結合軸部213が形成されている。摩擦結合伝達部211は、弾性部であるトーション・バー202の振動を減衰し、またトルク・リミッター的機能も奏する。

0097

トーション部203は、ねじり反力を発生する部分であり、貫通孔205に対し僅かに小径に形成され、相対回転可能に嵌合配置されている。このトーション部203は、貫通孔205内で両端部がニードル・ベアリング207a、207bにより相対回転自在に支持されている。

0098

入力結合部209は、トーション部203よりも大径に形成され、この入力結合部209は、基端はアウター・シャフト201の外径と同一に形成され、アウター・シャフト201に端面相互の突き合わせが行われている。入力結合部209の先端側は若干小径に形成され、この先端側に入力結合用のスプライン209aが形成されている。入力結合部209の基端とスプライン209aとの間は、テーパー形状等に形成されている。

0099

結合軸部213は、アウター・シャフト201の端部から突出し、スプライン213aとネジ部213bとが形成されている。

0100

図19図20のように、摩擦結合伝達部211は、ケース215と押圧プレート217と多板のアウター・プレート219及びインナー・プレート221を備え、ナット223により締結されている。

0101

ケース215は、側壁及び周壁の内周にそれぞれインナー・スプライン215a、215bが形成されている。側壁のインナー・スプライン215aは、アウター・シャフト201のスプライン201aに嵌合している。周壁のインナー・スプライン215bには、アウター・プレート219の外周突起219aが係合し、結合軸部213のスプライン213aにインナー・プレート221の内周突起221aが係合している。

0102

アウター・プレート219及びインナー・プレート221は交互に配置され、外端のインナー・プレート221に対面して押圧プレート217が配置されている。押圧プレート217の内周には、インナー・スプライン217aが形成され、結合軸部213のスプライン213aに係合している。

0103

押圧プレート217の軸方向での外面は、結合軸部213のネジ部213bに螺合するナット223により締結されている。アウター・プレート219及びインナー・プレート221間の摩擦伝達力はナット223の締結力で調整することができる。

0104

なお、摩擦結合伝達部211は、前記機能を奏するものであればその機構は特に限定されず、磁性流体を用いたクラッチ、シリコーンオイルとアウター・プレート及びインナー・プレートを用いたカップリング電磁石と多板のパイロット・クラッチ及びパイロット・クラッチの締結力で動作するカムを介して締結されるメイン・クラッチとでなる電磁クラッチ等を適宜採用することができる。

0105

かかる構造により、エンジンからトーション・バー202の入力結合部209に駆動入力があると、トーション部203、結合軸部213、摩擦結合伝達部211を介してアウター・シャフト201に入力が行われ、上記トランスミッション1の作用効果を奏することができる。

0106

トランスミッション1は、変速ショックを著しく低減したものであるが、僅かに残る変速ショックも、トーション・バー202のねじり弾性力で吸収することができる。

0107

さらに述べると、上記変速時に変速ショックがアウター・シャフト201に入力されるとスプライン201a及びインナー・スプライン215aを介してケース215に入力される。

0108

ケース215への入力は、インナー・スプライン215bからアウター・プレート219に伝達され、アウター・プレート219及びインナー・プレート221間の摩擦伝達力を介してスプライン213aから結合軸部213に入力される。

0109

結合軸部213への入力は、エンジンからの入力を受ける入力結合部209との間でトーション部203が受け、トーション部203のじれ弾性力で吸収される。

0110

さらに、トーション部203の捻じれが戻り振動するようなときは、摩擦結合伝達部211がダンピング機能を奏し、振動を減衰することができる。

0111

メイン・シャフト3に対し急激な駆動入力があったときは、アウター・プレート219及びインナー・プレート221間が滑ることで摩擦結合伝達部211がトルク・リミッター的機能を発揮することができる。

0112

これらのため、変速音の発生を低減し、機能部品の保護を図ることができる。

0113

なお、トーション・バー202のトーション部203の径の変更によりねじり弾性特性を容易に変更することができる。

0114

ナット223によるアウター・プレート219及びインナー・プレート221間の締結力調整により摩擦結合伝達部211の減衰特性、トルク・リミッター的特性を外部調整により変更することができる。

0115

前記トーション・バー202のトーション部203をマシーンドスプリング登録商標「三木プーリ株式会社」)に代えることもできる。マシーンドスプリングは、切削加工により螺旋切り込みを入れたコイルスプリング状のものであり、一定以上のねじりトルクでの巻締りによりねじりトルクを確定することができ、確実なトルク伝達を行わせることができる。また、マシーンドスプリングの場合は、アウター・シャフト201と入力結合部209との外周両者間に嵌合するように結合することもできる。

0116

この参考例1では、弾性部としてのトーション・バー202と減衰部としての摩擦結合伝達部211とを、メイン・シャフト3側に設けたが、弾性部及び減衰部の構造を、カウンター・シャフト5側に設けることもできる。

0117

この場合、カウンター・シャフト5を出力ギヤ135側の出力部と1速ギヤ19側の主体部とに分離し、主体部を中空に形成してアウター・シャフトとし、出力部の出力ギヤ135に一体結合したトーション・バーのトーション部を主体部のアウター・シャフトの軸芯部に貫通配置させ、トーション部の端部とアウター・シャフトとの間に多板の摩擦結合伝達部を結合する。
[参考例2]

0118

図21は、参考例2に係り、トランスミッションをフロント・デファレンシャル装置と共に示す概略断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号、対応する構成部分には、同符号にAを付して説明し、重複した説明は省略する。

0119

本参考例のトランスミッション1Aは、入力結合部209とアウター・シャフト201Aとの間に、減衰部としての摩擦結合伝達部211Aを設けたものである。すなわち、入力結合部209とアウター・シャフト201Aとが突き合う端部側外周に双方に亘るスプラインが形成され、このスプラインに摩擦結合伝達部211Aを係合させている。

0120

つまり、摩擦結合伝達部211Aのケース215Aは、アウター・シャフト201Aのスプラインに係合し、アウター・プレートがケース215Aにスプライン係合している。摩擦結合伝達部211Aのインナー・プレートは、入力結合部209のスプラインに係合し、ナット223Aが入力結合部209の外周に螺合又は圧入固定されているアウター・シャフト201Aには、軸受9外で結合部材210がスプライン嵌合し、この結合部材210は、トーション・バー202Aの結合軸部213Aにナット212により締結固定されている。

0121

したがって、本参考例では、トーション・バー202Aからアウター・シャフト201Aに結合部材210を介してトルク伝達を行うことができ、変速ショックをトーション・バー202Aのねじり弾性により吸収することができる。また、変速ショック吸収時のアウター・シャフト201Aに対するトーション・バー202Aのねじり振動を、摩擦結合伝達部211Aにより的確に減衰することができる。

0122

その他、参考例1と同様な作用効果を奏することができる。

0123

なお、この参考例でも、弾性部及び減衰部の構造を、上記と同様にしてカウンター・シャフト5側に設けることもできる。
[参考例3]

0124

図22図23は、参考例3に係り、図22は、トランスミッションをフロント・デファレンシャル装置と共に示す概略断面図、図23(A)は、図22のXXIIIA−XXIIIA矢視におけるプレーシャー・リングの係合を示す概略断面図、(B)は、センター・リングの断面図、(C)は、センター・リングの正面図、(D)は、プレッシャー・リングの正面図、(E)は、プレッシャー・リングの断面図である。なお、基本的な構成は参考例1と同様であり、同一構成部分には同符号、対応する構成部分には、同符号にBを付して説明し、重複した説明は省略する。

0125

本参考例のトランスミッション1Bは、図22図23のように、デファレンシャル装置としてのフロント・デファレンシャル装置137Bに弾性部としての弾性部材である皿ばね225と減衰部としての減衰カム機構227とを設けたものである。

0126

具体的には、フロント・デファレンシャル装置137Bは、デフ・ケース229内にピニオン・ギヤ231と一対のサイド・ギヤ233とを備える他、センター・リング235、プレッシャー・リング237、前記皿ばね225、減衰カム機構227を備えている。

0127

センター・リング235は、ピニオン・シャフト238を介してピニオン・ギヤ231を支持しデフ・ケース229の軸回りに相対回転可能に支持されている。

0128

プレッシャー・リング237は、デフ・ケース229の軸回りに相対回転不能且つ軸方向移動可能に支持されている。軸回りに相対回転不能の支持は、デフ・ケース229内面の溝とプレッシャー・リング237外周面の凹部との間に配置されたピン239により行われ、プレッシャー・リング237は、ピン239に沿ってデフ・ケース229に対し軸方向移動可能に構成されている。

0129

皿ばね225は、両プレッシャー・リング237とデフ・ケース229との間に配置されている。

0130

減衰カム機構227は、センター・リング235に形成された山形のカム凸部227aがプレッシャー・リング237に形成された対応する形状のカム凹部227bに嵌合することで構成されている。

0131

したがって、フロント・デファレンシャル装置137に変速ショックが入るとデフ・ケース229からピン239を介してプレッシャー・リング237に入力される。

0132

このとき、センター・リング235は、ピニオン・シャフト238、ピニオン・ギヤ231、ピニオン・ギヤ231に噛合うサイド・ギヤ233を介して後輪側から抵抗を受けるため、プレッシャー・リング237が変速ショックによりセンター・リング235に対して相対回転する。

0133

この相対回転により減衰カム機構227が作用し、プレッシャー・リング237が軸方向の外側へ移動し、この移動が各皿ばね225の弾性力により吸収されることになる。

0134

このときの各皿ばね225の振動は、カム凸部227a及びカム凹部227b間の摩擦力により減衰される。

0135

こうして本参考例でも、変速ショックの吸収と減衰とを行わせることができる。

0136

その他、参考例1と同様な作用効果を奏することができる。

0137

なお、この参考例でも、弾性部及び減衰部の構造を、上記と同様にしてカウンター・シャフト5側に設けることもできる。
[参考例4]

0138

図24は、参考例4に係り、ERベースのトランスミッションへの適用を示す概略断面図である。なお、発明としての基本的な構成は参考例1と同様である。

0139

本参考例のトランスミッション1Cは、図24のようにフロントエンジンリヤドライブ(FR)の自動車に適用する構成である。

0140

トランスミッション1Cの各変速段には、参考例1同様にガイド部Gが設けられ、前記変速操作部93、移動力伝達機構M、カム溝及びカム突部を介してシームレスな変速操作ができるようになっている。

0141

一方このトランスミッション1Cでは、カウンター・シャフト241が、中空のアウター・シャフト201Cとこのアウター・シャフト201Cに嵌合するトーション・バー202Cとを備えている。

0142

トーション・バー202Cのトーション部203Cは、入力ギヤ243に一体に形成され、アウター・シャフト201Cに対するトーション部203Cの結合は参考例2と同様に行われている。つまり、アウター・シャフト201Cに、軸受245外で結合部材210Cがスプライン嵌合し、この結合部材210Cは、トーション・バー202Cの結合軸部213Cにナット212Cにより締結固定されている。

0143

アウター・シャフト201Cと入力ギヤ243との間には、アウター・プレート及びインナー・プレートからなる摩擦結合伝達部211Cが設けられ、アウター・プレートがアウター・シャフト201Cにスプライン係合し、インナー・プレートがトーション部203Cにスプライン係合している。このアウター・プレート及びインナー・プレートの締結は、ナット212Cによりアウター・シャフト201C及び入力ギヤ243間で行われている。

0144

したがって、本参考例では、トーション・バー202Cからアウター・シャフト201Cに結合部材210Cを介してトルク伝達を行うことができ、変速ショックをトーション・バー202Cのねじり弾性により吸収することができる。また、変速ショック吸収時のアウター・シャフト201Cに対するトーション・バー202Cのねじり振動を、摩擦結合伝達部211Aにより的確に減衰することができる。

0145

その他、参考例1と同様な作用効果を奏することができる。

0146

なお、参考例3のフロント・デファレンシャル装置137Bの構造は、FR車のリヤ・デファレンシャル装置にも適用することができる。

0147

[クラッチ歯]
図25は、本実施例の噛合いクラッチの要部に係り、ドライブ噛み合い位置を示す断面図である。本実施例のクラッチ歯は、図1図24の何れにも適用できる。

0148

図25の噛合いクラッチは、図1図24の例で採用したガイド部Gと同様の機能を奏するため、本トランスミッションは、第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51を変更し、ガイド部Gのカム溝65,67,69及びカム突部71,73,75を無くした。クラッチ・リング59は、カウンター・シャフト5にスプラインや平行溝等により軸方向移動可能に結合され、クラッチ・リング61、63は、メイン・シャフト3にスプラインや平行溝等により軸方向移動可能に結合される。

0149

すなわち、駆動力伝達軸であるメイン・シャフト3又はカウンター・シャフト5に相対回転可能に支持された複数段の変速ギヤである1速ギヤ19、2速ギヤ21、3速ギヤ23、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29と、変速ギヤをメイン・シャフト3又はカウンター・シャフト5に選択的に結合して変速出力するために複数備えられ変速ギヤが2速以上はなれて両サイドにそれぞれ配置され両サイドの変速ギヤに噛合いクラッチにより選択的な噛み合いが可能なクラッチ・リング59、61、63と、このクラッチ・リングを選択的に操作する変速操作部93とを備えた構成となっている。

0150

図9図10での説明のように、クラッチ・リング59、61、63は、変速ギヤ1速ギヤ19、3速ギヤ23、2速ギヤ21、5速ギヤ27、4速ギヤ25、6速ギヤ29に対し軸方向の第1の噛合い位置で第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51が噛合う状態と第1の噛合い位置よりも噛合いを浅くする第2の噛み合い位置で第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51が噛合う状態とに移動可能である。

0151

図12と同様に第3の噛合いクラッチ51を代表して説明すると、図25のようにガイド面51baを備えている。このガイド面51baは、回転方向に傾斜設定されており、前記変速操作部93の動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リング63、61が同時噛合いした時に変速下段のクラッチ・リング63に第2の噛み合い位置で噛合い解除方向の軸力を生じさせるものである。

0152

つまり、第3の噛合いクラッチ51は、変速ギヤである6速ギヤ29側のクラッチ歯29aとクラッチ・リング63側のクラッチ歯51bとを有し、ガイド面51baは、クラッチ歯51b、29aの一方51bに設けられ、コースティング・トルク時にクラッチ歯51b、29aの他方29aの先端部29aaの相対的なガイドによりクラッチ・リング63に噛合い解除方向の軸力を生じさせるものである。

0153

ガイド面51baは、歯先側に向かってドライブ方向に傾斜形成されている。クラッチ歯51bの回転方向の歯元には、コースト噛合い面51bbが形成され、ガイド面51baに滑らかに連続している。

0154

コースト噛合い面51bbに対応してクラッチ歯51b、29aの他方29aの先端部29aaに連続するコースト噛合い面29abが形成されている。コースト噛合い面29abに連続して逃げ面29acが形成されている。

0155

クラッチ・リング63は、前記第2の噛み合い位置で第3の噛合いクラッチ51が噛合う状態にする機構として、駆動斜面Fを備えている。

0156

駆動斜面Fは、クラッチ歯51b、29aの何れか一方51bの回転方向他側の歯元に形成され、駆動力伝達時にクラッチ歯51b、29aの他方29aの先端部29adとの間の相対的なガイドによりクラッチ・リング63を前記第1の噛合い位置から前記第2の噛み合い位置へ移動させるものである。

0157

したがって、クラッチ・リング63を、第2の噛み合い位置で第3の噛合いクラッチ51が噛合う状態にする機構は、クラッチ歯51b、29aの何れか一方51bの回転方向一側の歯元に形成され駆動力伝達時にクラッチ歯51b、29aの他方29aの先端部29aaとの間の相対的なガイドによりクラッチ・リング63を第1の噛合い位置から第2の噛み合い位置へ移動させる駆動斜面Fである。クラッチ・リング59、61について第1、2の噛合いクラッチ47、49も同様である。

0158

クラッチ歯51bの回転方向他側には、駆動斜面Fに連続するドライブ噛合い面51bcが形成されている。ドライブ噛合い面51bcは、歯先側に向かってドライブ方向に傾斜形成されている。

0159

ドライブ噛合い面51bcに対応してクラッチ歯51b、29aの他方29aの先端部29adに連続するドライブ噛合い面29aeが傾斜形成されている。

0160

なお、ガイド面51ba、駆動斜面Fは、変速ギヤである6速ギヤ29側に形成することもできる。

0161

かかるクラッチ歯51b、29aの構造は、第1、第2の噛合いクラッチ47、49についても同様である。

0162

[ドライブ]
第3の噛合いクラッチ51を、例えば6速ギヤ29に噛合い結合させ、駆動トルクが働くと、図25のように駆動斜面Fによってクラッチ・リング63が移動する。このとき図10に示すシフト・フォーク87の凹部129bがボール133aを押しのけ、スプリング133bは加圧されエネルギーを蓄える。この移動を許すのはシフト・アーム117のガイドに対しシフト溝125に適宜軸方向の遊びを設けているからである。

0163

この移動によりクラッチ・リング63は、コースト噛合い位置(図9図12(a)参照)よりも噛合い離脱側へ移動した図25の離脱待機の位置となる。

0164

この離脱待機の位置は、後述する第1の噛合い位置よりも噛合いを浅くする第2の噛み合い位置で第3の噛合いクラッチ51がドライブ噛合い面51bc、29aeで噛合う状態である。

0165

次に駆動トルクがコースト方向に変化すると、クラッチ歯29aはライブ噛合い面51bc、29aeが離間する。このとき上記スプリング133bのエネルギーにより凹部129b、ボール133aの作用で第1の噛合い位置で深い噛み合い状態となる(図9図12(a)参照)。この状態においては、図25に示すコースト噛合い面29abがコースト噛合い面51bbに当接するため、クラッチ・リング63にスラスト力は発生しない。

0166

[シフト・アップ4速→5速]
再度、図13図15のシフト・アップ時の動きにより図25を用いて説明する。なお、図25は、第3の噛合いクラッチ51の6速ギヤ29側での説明であるが、第1、第2の噛合いクラッチ47、49についても同様の構造であるため、対応するガイド面等の説明は、同符号を用い、図25を参照して説明する。

0167

図13の4速のクラッチ歯25aにはドライブ・トルクが付加されているため前記したようにクラッチ・リング63は駆動斜面Fの作用により、図14のように離脱待機位置となる。

0168

つまり図25と同様に、4速位置にあるクラッチ・リング63のガイド面51baは、クラッチ歯29aのドライブ噛合い面29aeに回転方向で対向することになる。

0169

このときシフト・ドラム119の回転により5速へのシフト・アップ操作が行われると、シフト溝123が働き、シフト・アーム115、シフト・ロッド107、シフト・フォーク85を介してクラッチ・リング61が操作される。この操作によりクラッチ・リング61が5速ギヤ27に噛み合い、4速ギヤ25及び5速ギヤ27が同時噛合いとなる。

0170

このとき上記のように、エンジン出力トルクの如何に係らず同時噛み合いによる機構的必然による内部循環トルクにより4速側にはコースティング・トルク、5速側にはドライブ・トルクが発生する。このトルクがガイド面51baの斜面の作用で4速位置にあるクラッチ・リング63に対し噛合い解除(ニュートラル)方向のスラスト力を発生させ、クラッチ・リング63は、4速位置から解除位置に移動する。

0171

5速位置のクラッチ・リング61は、ドライブ噛合い面51bcがドライブ噛合い面29aeの傾斜によりガイドされ噛み合いを深める方向のスラスト力を発生させ、クラッチ・リング61は、噛合い方向に移動して5速位置となる。

0172

かかる解除及び噛合いにより、図15に示すように5速へのシフト・アップが終了する。

0173

変速時には、図18図24の弾性部及び減衰部により上記同様に変速ショックを吸収又は緩和することができる。

0174

したがって、上記同様の作用効果を奏することができる。

0175

その他の変速段におけるシフト・アップも同様に行わせることができる。図26は、変形例に係る噛合いクラッチの要部に係り、ドライブ噛み合い位置を示す断面図である。

0176

図26においては、ドライブ噛合い面51bc及びドライブ噛合い面29aeが傾斜せず、軸方向にほぼ平行に設定されている。

0177

この例では、同時噛合い時にドライブ噛合い面51bc及びドライブ噛合い面29ae間でスラスト力を発生せず、変速上段側のクラッチ・リングは、変速操作部93からのシフト力でのみ移動することになる。

0178

したがって、ドライブ噛合い面51bcは、ガイド面を構成し、第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51は、変速操作部93のシフト・アップ動作又はシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)が同時噛合いした時に変速下段と変速上段とのクラッチ・リング(59、61、63)相互間に第2の噛み合い位置でコースティング・トルクにより噛合い方向と噛合い解除方向との異なる方向の軸力を各別に生じさせるガイド面(51ba、51bc)を備えた構成となる。

0179

[クラッチ歯の摩耗防止
図27は、比較例に係り、噛合いクラッチの歯先の摩耗を説明し、(A)は、噛合い歯及び被噛合い歯の噛合いの一つをクラッチ・リングの接線方向から見た概略断面図、(B)は、(A)のXXVIIB−XXVIIB矢視断面図、図28は、本実施例に係り、噛合いクラッチの歯先の摩耗を説明し、(A)は、クラッチ歯の噛み合いの一つをクラッチ・リングの接線方向から見た概略断面図、(B)は、クラッチ歯の噛み合い離脱状態をクラッチ・リングの接線方向から見た概略断面図、(C)は、(A)のXXIIXC−XXIIXC矢視断面図である。

0180

図27(A)のように、例えばクラッチ・リング63のクラッチ歯51bと6速ギヤ29のクラッチ歯29aとの噛合いをクラッチ・リング63の接線方向から側面を見て透視すると、クラッチ・リング63の径方向においてクラッチ歯51b及びクラッチ歯29aの全で噛み合っている。

0181

このような噛合いでは、噛合い及び噛合い解除の繰り返しでクラッチ歯29aの先端部29adがクラッチ歯51bに対する衝突を繰り返し、長期使用等により摩耗を招くことになる。

0182

クラッチ歯29aの先端部29adが摩耗すると、駆動斜面Fに対するクラッチ歯29aの位置が第1の噛合い位置側へ若干ずれることになり、離脱待機位置である第2の噛合い位置がずれ、離脱が円滑に行われなくなる恐れがある。

0183

これに対し、本参考例では、図28(A)、(B)のように、クラッチ歯51bに衝突回避斜面51beを設けた。

0184

この図28(A)、(B)のクラッチ歯では、衝突回避斜面51beにより噛合い始めにおいてクラッチ歯29aの先端部29adがクラッチ歯51bに衝突しない部分29adaができるため、少なくともこの部分の摩耗が無いか、大幅に減少する。

0185

このため、クラッチ歯29aの先端部29adとクラッチ歯51bの駆動斜面Fとの相対的なガイドによりクラッチ・リング63が第2の噛合い位置に移動するとき、駆動斜面Fに対して衝突しない部分29adaが相対的なガイドを受けるため、クラッチ・リング63の第2の噛合い位置への移動を正確に行わせることができる。

0186

他のクラッチ・リング59、61においても同様である。

実施例

0187

なお、クラッチ・リング59,61,63は、同時噛合い時に第2の噛み合い位置において噛合い解除方向のスラスト力が働けば良く、変速ギヤが2速以上はなれて両サイドにそれぞれ配置される必要はない。

0188

1、1A、1B、1Cトランスミッション
3メイン・シャフト(駆動力伝達軸)
5カウンター・シャフト(駆動力伝達軸)
19 1速ギヤ(変速ギヤ)
212速ギヤ(変速ギヤ)
23 3速ギヤ(変速ギヤ)
25 4速ギヤ(変速ギヤ)
27 5速ギヤ(変速ギヤ)
29 6速ギヤ(変速ギヤ)
19a、21a、23a、25a、27a、29aクラッチ歯
29aeドライブ噛合い面
65,67,69カム溝
71,73,75カム突部(突部)
77,79,85,87シフト・フォーク
103,105,107,109 シフト・ロッド
111,113,115,117 シフト・アーム
119 シフト・ドラム
120,121,123,125シフト溝
131,133チェック部
47 第1の噛合いクラッチ
49 第2の噛合いクラッチ
51 第3の噛合いクラッチ
47a,47b,49a,49b,51a,51b クラッチ歯
51baガイド面
51bc ドライブ噛合い面
59,61,63 クラッチ・リング
93変速操作部
201、201A、201Cアウター・シャフト
202、202A、202Cトーション・バー(弾性部)
209入力結合部
211、211A、211C摩擦結合伝達部(減衰部)
225皿ばね(弾性部、弾性部材)
227 減衰カム機構(減衰部)
F駆動斜面
G ガイド部
M移動力伝達機構
T 伝達面

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ