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技術 非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物及びその製造方法、並びに医薬組成物

出願人 エルメッドエーザイ株式会社
発明者 菅原智森田豊杉浦大介谷垣浩晃
出願日 2018年7月11日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-131584
公開日 2019年2月28日 (1年10ヶ月経過) 公開番号 2019-031479
状態 未査定
技術分野 化合物または医薬の治療活性 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 医薬品製剤
主要キーワード スリット条件 特定ピーク 本立て 終了角度 スキャン軸 各混合粉末 固定スリット バイアルびん
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図面 (20)

課題

製造時及び保存時における非晶質体ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化を抑制し、かつ優れた安定性及び流動性を有する非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物、及び前記組成物を簡便に製造することができる組成物の製造方法、前記組成物を含む医薬組成物、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制剤及び抑制方法、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化剤及び安定化方法、並びに非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上剤及び流動性向上方法を提供する。

解決手段

非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含む組成物である。

概要

背景

ソリフェナシンは、化学名が1−Azabicyclo[2.2.2]oct−3−yl(1R)−1−phenyl−3,4−dihydroisoquinoline−2(1H)−carboxylateと記される化合物である(下記構造式(1)参照)。ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む一連キヌクリジン誘導体は、ムスカリンM3受容体に対する優れた選択的拮抗作用をもって、神経性頻尿、神経因膀胱夜尿症、不安定膀胱、膀胱痙縮慢性膀胱炎などの泌尿器疾患慢性閉塞性肺疾患慢性気管支炎喘息鼻炎などの呼吸器疾患の予防又は治療剤として有用であると報告されている。

一般に、結晶状態と比較して非晶質状態原薬は、分解しやすく安定性が悪くなる特性を持っていることが知られている。そこで、非晶質体の割合を一定量以下とすることで、経時的な分解を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、結晶状態とした場合には、非晶質状態と比べて、溶解度が低く、や腸での吸収の速さが劣るという欠点を有する。

一方、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、安定化剤としてラクトースとを含む無定形粉末も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
前記提案によれば、保存時におけるソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化は促進されず、非晶質状態を維持することができるものの、安定性の点で十分とは言えず、更なる安定性の向上が求められている。

また、製剤化の観点からは、粉末状の組成物では、含量均一性などの品質面や製造時の作業性の点で、優れた流動性も求められる。

したがって、製造時及び保存時における非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化を抑制し、かつ優れた安定性及び流動性を有する非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物は未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。

概要

製造時及び保存時における非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化を抑制し、かつ優れた安定性及び流動性を有する非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物、及び前記組成物を簡便に製造することができる組成物の製造方法、前記組成物を含む医薬組成物、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制剤及び抑制方法、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化剤及び安定化方法、並びに非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上剤及び流動性向上方法を提供する。非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含む組成物である。なし

目的

本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

非晶質体ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含むことを特徴とする組成物

請求項2

非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の割合が、結晶体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩との合計の80質量%以上である請求項1に記載の組成物。

請求項3

ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の含有量が、1質量%〜30質量%である請求項1から2のいずれかに記載の組成物。

請求項4

ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩1質量部に対する合成ヒドロタルサイトの量が、1質量部〜50質量部である請求項1から3のいずれかに記載の組成物。

請求項5

固形製剤用である請求項1から4のいずれかに記載の組成物。

請求項6

更にカラギーナンを含む請求項1から5のいずれかに記載の組成物。

請求項7

非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含む組成物の製造方法であって、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する調製工程と、前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる接触工程と、前記接触工程で得られた物を乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とする製造方法。

請求項8

請求項1から6のいずれかに記載の組成物を含むことを特徴とする医薬組成物

請求項9

固形製剤である請求項8に記載の医薬組成物。

請求項10

非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物に用いられ、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含むことを特徴とする非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制剤

請求項11

非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶抑制方法であって、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する調製工程と、前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる接触工程と、前記接触工程で得られた物を乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とする方法。

請求項12

非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物に用いられ、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含むことを特徴とする非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化剤

請求項13

非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化方法であって、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する調製工程と、前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる接触工程と、前記接触工程で得られた物を乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とする方法。

請求項14

非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物に用いられ、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含むことを特徴とする非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上剤

請求項15

非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上方法であって、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する調製工程と、前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる接触工程と、前記接触工程で得られた物を乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とする方法。

技術分野

0001

本発明は、非晶質体ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物及びその製造方法、前記組成物を含む医薬組成物、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制剤及び抑制方法、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化剤及び安定化方法、並びに非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上剤及び流動性向上方法に関する。

背景技術

0002

ソリフェナシンは、化学名が1−Azabicyclo[2.2.2]oct−3−yl(1R)−1−phenyl−3,4−dihydroisoquinoline−2(1H)−carboxylateと記される化合物である(下記構造式(1)参照)。ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む一連キヌクリジン誘導体は、ムスカリンM3受容体に対する優れた選択的拮抗作用をもって、神経性頻尿、神経因膀胱夜尿症、不安定膀胱、膀胱痙縮慢性膀胱炎などの泌尿器疾患慢性閉塞性肺疾患慢性気管支炎喘息鼻炎などの呼吸器疾患の予防又は治療剤として有用であると報告されている。

0003

一般に、結晶状態と比較して非晶質状態原薬は、分解しやすく安定性が悪くなる特性を持っていることが知られている。そこで、非晶質体の割合を一定量以下とすることで、経時的な分解を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、結晶状態とした場合には、非晶質状態と比べて、溶解度が低く、や腸での吸収の速さが劣るという欠点を有する。

0004

一方、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、安定化剤としてラクトースとを含む無定形粉末も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
前記提案によれば、保存時におけるソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化は促進されず、非晶質状態を維持することができるものの、安定性の点で十分とは言えず、更なる安定性の向上が求められている。

0005

また、製剤化の観点からは、粉末状の組成物では、含量均一性などの品質面や製造時の作業性の点で、優れた流動性も求められる。

0006

したがって、製造時及び保存時における非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化を抑制し、かつ優れた安定性及び流動性を有する非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物は未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。

先行技術

0007

国際公開第2005/092889号
特開2017−2044号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、製造時及び保存時における非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化を抑制し、かつ優れた安定性及び流動性を有する非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物、及び前記組成物を簡便に製造することができる組成物の製造方法、前記組成物を含む医薬組成物、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制剤及び抑制方法、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化剤及び安定化方法、並びに非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上剤及び流動性向上方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1>非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、
合成ヒドロタルサイトと、
糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含むことを特徴とする組成物である。
<2> 非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の割合が、結晶体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩との合計の80質量%以上である前記<1>に記載の組成物である。
<3> ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の含有量が、1質量%〜30質量%である前記<1>から<2>のいずれかに記載の組成物である。
<4> ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩1質量部に対する合成ヒドロタルサイトの量が、1質量部〜50質量部である前記<1>から<3>のいずれかに記載の組成物である。
<5>固形製剤用である前記<1>から<4>のいずれかに記載の組成物である。
<6> 更にカラギーナンを含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の組成物である。
<7> 非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含む組成物の製造方法であって、
非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する調製工程と、
前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる接触工程と、
前記接触工程で得られた物を乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とする製造方法である。
<8> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の組成物を含むことを特徴とする医薬組成物である。
<9> 固形製剤である前記<8>に記載の医薬組成物である。
<10> 非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物に用いられ、
合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含むことを特徴とする非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制剤である。
<11> 非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制方法であって、
非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する調製工程と、
前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる接触工程と、
前記接触工程で得られた物を乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とする方法である。
<12> 非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物に用いられ、
合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含むことを特徴とする非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化剤である。
<13> 非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化方法であって、
非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する調製工程と、
前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる接触工程と、
前記接触工程で得られた物を乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とする方法である。
<14> 非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物に用いられ、
合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含むことを特徴とする非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上剤である。
<15> 非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上方法であって、
非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する調製工程と、
前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる接触工程と、
前記接触工程で得られた物を乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とする方法である。

発明の効果

0010

本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、製造時及び保存時における非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化を抑制し、かつ優れた安定性及び流動性を有する非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物、及び前記組成物を簡便に製造することができる組成物の製造方法、前記組成物を含む医薬組成物、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制剤及び抑制方法、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化剤及び安定化方法、並びに非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上剤及び流動性向上方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、ソリフェナシンコハク酸塩結晶性原薬について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図2は、合成ヒドロタルサイトについて、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図3は、ソリフェナシンコハク酸塩の結晶性原薬0.75gと、合成ヒドロタルサイト9.25gとを乳鉢で混合したものについて、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図4Aは、実施例5で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図4Bは、実施例5で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図5Aは、実施例6で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図5Bは、実施例6で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図6Aは、実施例7で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図6Bは、実施例7で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図7Aは、実施例8で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図7Bは、実施例8で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図8Aは、実施例9で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図8Bは、実施例9で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図9Aは、実施例10で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図9Bは、実施例10で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図10Aは、実施例11で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図10Bは、実施例11で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図11Aは、実施例12で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図11Bは、実施例12で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図12Aは、比較例1で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図12Bは、比較例1で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図13Aは、実施例1で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図13Bは、実施例1で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図13Cは、実施例1の組成からソリフェナシンコハク酸塩を除いた試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図14Aは、実施例3で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図14Bは、実施例3で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図14Cは、実施例3の組成からソリフェナシンコハク酸塩を除いた試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図15Aは、比較例2で得られた粉末を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図15Bは、比較例2で得られた粉末を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図15Cは、比較例2の組成からソリフェナシンコハク酸塩を除いた試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図16Aは、比較例4で得られた粉末を常温で1週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図16Bは、比較例4の組成からソリフェナシンコハク酸塩を除いた試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図17Aは、比較例5で得られた粉末を常温で1週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図17Bは、比較例5の組成からソリフェナシンコハク酸塩を除いた試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図18Aは、比較例6で得られた粉末を常温で1週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図18Bは、比較例6の組成からソリフェナシンコハク酸塩を除いた試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図19Aは、実施例18における参考例1の粉末について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図19Bは、実施例18における参考例2の粉末について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図19Cは、実施例18で得られた錠剤を(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。
図19Dは、実施例18で得られた錠剤を(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を示す図である。

0012

(組成物及び組成物の製造方法)
本発明の組成物は、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明の組成物の製造方法により好適に製造することができる。
以下、本発明の組成物の製造方法の説明と併せて、本発明の組成物についても説明する。

0013

<組成物の製造方法>
本発明の組成物の製造方法は、調製工程と、接触工程と、乾燥工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。

0014

<<調製工程>>
前記調製工程は、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する工程である。

0015

溶解液又は懸濁液−
前記溶解液又は懸濁液は、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。

0016

−−ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩−−
ソリフェナシンは、化学名が1−Azabicyclo[2.2.2]oct−3−yl(1R)−1−phenyl−3,4−dihydroisoquinoline−2(1H)−carboxylateと記される化合物である(下記構造式(1)参照)。

0017

前記ソリフェナシンの薬学的に許容される塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機酸又は有機酸との酸付加塩第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
前記無機酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸臭化水素酸ヨウ化水素酸硫酸硝酸リン酸などが挙げられる。
前記有機酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ギ酸酢酸プロピオン酸シュウ酸マロン酸コハク酸フマル酸マレイン酸乳酸リンゴ酸クエン酸酒石酸炭酸ピクリン酸メタンスルホン酸エタンスルホン酸グルタミン酸などが挙げられる。
これらの中でも、コハク酸塩が、医薬品として提供するうえで好ましい。

0018

前記ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。

0019

前記溶解液又は懸濁液におけるソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒1質量部に対して、0.1質量部〜1質量部などが挙げられる。

0020

−−糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれか−−
前記糖アルコール及び前記酸性物質は、いずれか一方を単独で使用してもよいし、両方を併用してもよい。

0021

前記糖アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、D−マンニトールエリスリトールキシリトールマルチトールイソマルトラクチトールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エリスリトール、キシリトールが、保存時における安定性がより優れる点で、好ましい。

0022

前記糖アルコールの使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩1質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.5質量部〜3質量部が特に好ましい。前記好ましい範囲内であると、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定性をより向上させることができる点で有利である。

0023

前記酸性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、酢酸、乳酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保存時における安定性がより優れる点で、クエン酸、リンゴ酸が好ましく、リンゴ酸がより好ましい。
なお、前記クエン酸は、無水物であってもよいし、水和物であってもよい。

0024

前記酸性物質の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩1質量部に対して、0.01質量部〜1質量部が好ましく、0.1質量部〜0.2質量部が特に好ましい。前記好ましい範囲内であると、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定性をより向上させることができる点で有利である。

0025

前記糖アルコール及び酸性物質は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。

0026

前記糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかの合計使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩1質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.5質量部〜3質量部が特に好ましい。前記好ましい範囲内であると、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定性をより向上させることができる点で有利である。

0027

−−その他の成分−−
前記溶解液又は懸濁液におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する(医薬組成物)の<その他の成分>の項目に記載したものなどが挙げられる。

0028

前記溶解液又は懸濁液におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0029

−−溶解又は懸濁−−
前記溶解又は懸濁液を調製する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、前記糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを共に溶媒に溶解又は懸濁させてもよいし、両者を別々に溶媒に溶解又は懸濁させてもよい。前記別々に溶媒に溶解又は懸濁させる場合の順序としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を先に溶媒に溶解又は懸濁させてもよいし、後に溶媒に溶解又は懸濁させてもよい。
また、前記溶解又は懸濁における条件としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0030

前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水又は水と有機溶媒との混合溶媒などが挙げられる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールプロパノールイソプロパノールなどの製薬上許容される水溶性有機溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記混合溶媒における有機溶媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0031

<<接触工程>>
前記接触工程は、前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる工程である。本工程により、前記非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、前記糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかと、必要に応じて前記その他の成分とを合成ヒドロタルサイトに吸着させる。

0032

−合成ヒドロタルサイト−
前記合成ヒドロタルサイトは、粘土鉱物一種であり、Mg6Al2(OH)16CO2・4H2Oで表される複水酸化物である。
前記合成ヒドロタルサイトは、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、アルカマック協和化学工業株式会社製)、合成ヒドロタルサイト(富田製薬株式会社製)などが挙げられる。

0033

前記合成ヒドロタルサイトの量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩1質量部に対して、1質量部〜50質量部が好ましく、2質量部〜30質量部がより好ましく、3質量部〜15質量部が特に好ましい。前記好ましい範囲内であると、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化をより抑制することができ、また、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定性をより向上させることができる点で有利である。

0034

−接触−
前記接触の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記溶解又は懸濁液と前記合成ヒドロタルサイトとを混合する方法、前記溶解又は懸濁液を前記合成ヒドロタルサイトに噴霧又は塗布する方法、前記溶解又は懸濁液に前記合成ヒドロタルサイトを浸漬する方法などが挙げられる。
前記混合、噴霧、塗布、又は浸漬の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記混合、噴霧、塗布、又は浸漬における条件としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0035

<<乾燥工程>>
前記乾燥工程は、前記接触工程で得られた物を乾燥する工程である。

0036

−乾燥−
前記乾燥の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、送風乾燥機を用いる方法などが挙げられる。
また、前記乾燥における条件としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50℃で12時間乾燥するなどが挙げられる。

0037

<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含有する溶液を調製する工程などが挙げられる。

0038

−非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含有する溶液を調製する工程−
前記非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含有する溶液は、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含有する溶液を調製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を、溶媒に溶解させる方法などが挙げられる。

0039

本発明の組成物の製造方法によれば、製造時及び保存時におけるソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化を抑制し、かつ優れた安定性及び流動性を有する非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物を簡便に製造することができる。

0040

<組成物>
前記組成物における非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩との合計の80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、99質量%以上が特に好ましい。前記好ましい範囲内であると、前記組成物の溶解度がより高く、生体利用率がより良好な点で、有利である。

0041

前記組成物における非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の割合を算出する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末X線回折法DSC測定法、固体NMR測定法、近赤外分光法などが挙げられる。

0042

例えば、粉末X線回折法により前記組成物における非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の割合を算出する場合は、例えば、後述する実施例の欄の(評価−2)の項目に記載されているように、試料と、標準(ソリフェナシン又はその塩の結晶体)とについて、MiniFlex600(株式会社リガク)を用い、以下の条件で、粉末X線回折を行い、ソリフェナシン又はその塩と添加物由来するピークが重ならない特定ピークの高さを求めることにより、算出することができる。
[条件]
X線: 40kV−1.5mA
スリット条件可変固定スリットステム
スキャン軸: 2θ/θ
開始角度: 2°
終了角度: 40°
テップ: 0.02°
スキャンスピード: 10°/分

0043

前記組成物におけるソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜30質量%が好ましい。前記好ましい範囲内であると、錠剤とした場合に、大き過ぎず、また小さ過ぎず錠剤の服用や取り扱いの点で有利である。
なお、前記ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の含有量におけるソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩とは、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、結晶体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩との合計量をいう。

0044

前記組成物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末などが挙げられる。また、例えば、後述する医薬組成物のその他の成分の項目に記載されているようなその他の添加物を加えて成形し錠剤とすることや、カプセルに入れることも可能である。

0045

−用途−
前記組成物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形製剤用が好ましい。
前記固形製剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、素錠口腔内崩壊錠チュアブル錠フィルムコーティング錠等の錠剤や細粒顆粒ドライシロップなどが挙げられる。

0046

前記組成物は、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定性への影響を及ぼさずに、優れた苦味マスキング効果が得られる点で、カラギーナンを含むことが好ましい。前記カラギーナンの種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ι−カラギーナン、κ−カラギーナン、λ−カラギーナンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カラギーナンの使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩1質量部に対して、0.2質量部〜20質量部が好ましく、1質量部〜10質量部がより好ましい。
前記カラギーナンの使用態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記<<調製工程>>の溶解液又は懸濁液に含有させる態様、前記<<接触工程>>において添加する態様などが挙げられる。これらの中でも、前記<<接触工程>>において添加する態様が好ましい。

0047

(医薬組成物)
本発明の医薬組成物は、本発明の組成物を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。

0048

<組成物>
前記組成物は、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の項目に記載したものである。

0049

前記医薬組成物における組成物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記医薬組成物は、前記組成物のみからなるものであってもよい。

0050

<その他の成分>
前記医薬組成物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、製剤分野において通常使用される添加剤を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、崩壊剤賦形剤基剤甘味剤滑沢剤結合剤界面活性剤矯味剤香料流動化剤着色剤、安定化剤、pH調整剤コーティング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0051

前記医薬組成物におけるその他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。

0052

前記医薬組成物におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0053

−崩壊剤−
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースクロスポビドンカルボキシメチルスターチナトリウムトウモロコシデンプンデンプングリコール酸ナトリウムカルメロースカルシウムクロスカルメロースナトリウムメチルセルロースカルメロース部分α化デンプンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における崩壊剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0054

−賦形剤−
前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マンニトール(以下、「D−マンニトール」と称することがある)、トウモロコシデンプン、コムギデンプン結晶セルロース乳糖(無水物であってもよいし、水和物であってもよい)、白糖タルク精製ゼラチンヒドロキシプロピルスターチポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における賦形剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0055

−基剤−
前記基剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ι−カラギーナン、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン等のカラギーナン、カンテンゼラチンマクロゴール400グリセリンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における基剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0056

−甘味剤−
前記甘味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセスルファムカリウムサッカリンナトリウムステビアスクラロースソーマチンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における甘味剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0057

−滑沢剤−
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸マグネシウムステアリン酸カルシウム、タルク、硬化油サラシミツロウカルナウバロウポリエチレングリコール6000、フマル酸ステアリルナトリウムステアリン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における滑沢剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0058

−結合剤−
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール−アクリル酸メタクリル酸メチル共重合体ヒドロキシプロピルセルロースヒプロメロースヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における結合剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0059

−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸ポリオキシル40ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ラウリル硫酸ナトリウムショ糖脂肪酸エステル、グリセリン、マクロゴールラウロマクロゴールポリソルベート、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0060

−矯味剤−
前記矯味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における矯味剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0061

−香料−
前記香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、l−メントールバニリンオレンジ油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における香料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0062

−流動化剤−
前記流動化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、軟質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素メタケイ酸アルミン酸マグネシウム水酸化アルミナマグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における流動化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0063

−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黄色三二酸化鉄、褐色三二酸化鉄、三二酸化鉄、酸化チタン食用黄色4号食用黄色5号などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0064

−安定化剤−
前記安定化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、亜硫酸塩トコフェロールジブチルヒドロキシトルエンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物における安定化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0065

−pH調整剤−
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機酸、無機塩基酸性アミノ酸塩基性アミノ酸アミノ糖などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物におけるpH調整剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0066

−コーティング剤−
前記コーティング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酸化チタン、ポリエチレングリコール、セラックエチルセルロース魚鱗箔などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬組成物におけるコーティング剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0067

前記医薬組成物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形製剤が好ましい。
前記固形製剤としては、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<組成物>の−用途−の項目に記載したものと同様のものが挙げられる。前記固形製剤の形状、構造、大きさ、重さ、硬度などは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0068

前記医薬組成物の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができる。

0069

(非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制剤)
本発明の非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制剤(以下、「結晶化抑制剤」と称することがある。)は、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記結晶化抑制剤は、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物に用いられる。

0070

<合成ヒドロタルサイト>
前記合成ヒドロタルサイトは、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<接触工程>>の−合成ヒドロタルサイト−の項目に記載したものと同様である。

0071

前記結晶化抑制剤における合成ヒドロタルサイトの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0072

<糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれか>
前記糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかは、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<調製工程>>の−−糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれか−−の項目に記載したものと同様である。

0073

前記結晶化抑制剤における糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかの合計量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0074

<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(医薬組成物)の<その他の成分>の項目に記載したものなどが挙げられる。

0075

前記結晶化抑制剤におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0076

前記合成ヒドロタルサイトと、前記糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかと、前記その他の成分とは、同一の容器に入れられていてもよいし、個別の容器に入れられていてもよい。

0077

前記結晶化抑制剤は、後述する本発明の非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制方法に好適に用いることができる。

0078

(非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制方法)
本発明の非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化抑制方法(以下、「結晶化抑制方法」と称することがある。)は、調製工程と、接触工程と、乾燥工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。

0079

<調製工程>
前記調製工程は、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する工程であり、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<調製工程>>の項目に記載したものと同様である。

0080

<接触工程>
前記接触工程は、前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる工程であり、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<接触工程>>の項目に記載したものと同様である。

0081

<乾燥工程>
前記乾燥工程は、前記接触工程で得られた物を乾燥する工程であり、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<乾燥工程>>の項目に記載したものと同様である。

0082

<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<その他の工程>>の項目に記載したものと同様のものなどが挙げられる。

0083

本発明の結晶化抑制方法によれば、製造時及び保存時における非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化を抑制することができる。

0084

(非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化剤)
本発明の非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化剤(以下、「安定化剤」と称することがある。)は、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記安定化剤は、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物に用いられる。

0085

<合成ヒドロタルサイト>
前記合成ヒドロタルサイトは、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<接触工程>>の−合成ヒドロタルサイト−の項目に記載したものと同様である。

0086

前記安定化剤における合成ヒドロタルサイトの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0087

<糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれか>
前記糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかは、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<調製工程>>の−−糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれか−−の項目に記載したものと同様である。

0088

前記安定化剤における糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかの合計量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0089

<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(医薬組成物)の<その他の成分>の項目に記載したものなどが挙げられる。

0090

前記安定化剤におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0091

前記合成ヒドロタルサイトと、前記糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかと、前記その他の成分とは、同一の容器に入れられていてもよいし、個別の容器に入れられていてもよい。

0092

前記安定化剤は、後述する本発明の非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化方法に好適に用いることができる。

0093

(非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化方法)
本発明の非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定化方法(以下、「安定化方法」と称することがある。)は、調製工程と、接触工程と、乾燥工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。

0094

<調製工程>
前記調製工程は、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する工程であり、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<調製工程>>の項目に記載したものと同様である。

0095

<接触工程>
前記接触工程は、前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる工程であり、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<接触工程>>の項目に記載したものと同様である。

0096

<乾燥工程>
前記乾燥工程は、前記接触工程で得られた物を乾燥する工程であり、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<乾燥工程>>の項目に記載したものと同様である。

0097

<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<その他の工程>>の項目に記載したものと同様のものなどが挙げられる。

0098

本発明の安定化方法によれば、保存時、特に高温下における非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の類縁物質の量の増加を抑制し、優れた安定性をもたらすことができる。

0099

(非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上剤)
本発明の非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上剤(以下、「流動性向上剤」と称することがある。)は、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記流動性向上剤は、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物に用いられる。

0100

<合成ヒドロタルサイト>
前記合成ヒドロタルサイトは、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<接触工程>>の−合成ヒドロタルサイト−の項目に記載したものと同様である。

0101

前記流動性向上における合成ヒドロタルサイトの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0102

<糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれか>
前記糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかは、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<調製工程>>の−−糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれか−−の項目に記載したものと同様である。

0103

前記流動性向上剤における糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかの合計量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0104

<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(医薬組成物)の<その他の成分>の項目に記載したものなどが挙げられる。

0105

前記流動性向上剤におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0106

前記合成ヒドロタルサイトと、前記糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかと、前記その他の成分とは、同一の容器に入れられていてもよいし、個別の容器に入れられていてもよい。

0107

前記流動性向上剤は、後述する本発明の非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上方法に好適に用いることができる。

0108

(非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上方法)
本発明の非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性向上方法(以下、「流動性向上方法」と称することがある。)は、調製工程と、接触工程と、乾燥工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。

0109

<調製工程>
前記調製工程は、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する工程であり、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<調製工程>>の項目に記載したものと同様である。

0110

<接触工程>
前記接触工程は、前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる工程であり、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<接触工程>>の項目に記載したものと同様である。

0111

<乾燥工程>
前記乾燥工程は、前記接触工程で得られた物を乾燥する工程であり、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<乾燥工程>>の項目に記載したものと同様である。

0112

<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(組成物及び組成物の製造方法)の<<その他の工程>>の項目に記載したものと同様のものなどが挙げられる。

0113

本発明の流動性向上方法によれば、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物に優れた流動性をもたらすことができる。

0114

本発明によれば、製造時及び保存時における非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化の抑制と、安定性の向上と、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の流動性の向上とを達成することができる。したがって、本発明は、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を含む組成物に用いられ、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化を抑制し、安定性を向上させ、かつ、前記組成物の流動性を向上する剤であって、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを含む剤、並びに、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の結晶化を抑制し、安定性を向上させ、かつ、前記組成物の流動性を向上する方法であって、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを溶媒に溶解又は懸濁させ、溶解又は懸濁液を調製する工程と、前記溶解又は懸濁液と、合成ヒドロタルサイトとを接触させる接触工程と、前記接触工程で得られた物を乾燥する乾燥工程とを含む方法にも関する。

0115

以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0116

(実施例1〜12)
下記表1−1〜1−2に示す組成のソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を以下に示す方法により製造した。
ソリフェナシンコハク酸塩(結晶体(100質量%))2.0gを精製水3.0mLに溶解させ、ソリフェナシンコハク酸塩含有液を得た。
下記表1−1〜1−2に示す組成となるように、前記ソリフェナシンコハク酸塩含有液に、下記表1−1〜1−2に示す糖アルコール又は酸性物質を溶解又は懸濁し、溶解又は懸濁液を得た。
その後、乳鉢にて、下記表1−1〜1−2に示す組成となるように、合成ヒドロタルサイト(アルカマックSH、協和化学工業株式会社)に前記溶解又は懸濁液を添加して混合し、混合物を得た。
前記混合物をプラスチックトレーに移し、送風乾燥機を用い、50℃で12時間乾燥し、実施例1〜12のソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を得た。

0117

なお、使用した糖アルコール又は酸性物質は、以下のとおりである。
−糖アルコール−
・ D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社)
・エリスリトール(エリスリトール、三菱ケミカルフーズ株式会社)
・キシリトール(キシリトール、三菱ケミカルフーズ株式会社)
−酸性物質−
・クエン酸(無水)(クエン酸、和光純薬工業株式会社)
・リンゴ酸(DL−リンゴ酸、和光純薬工業株式会社)
・酒石酸(L(+)−酒石酸、和光純薬工業株式会社)

0118

0119

0120

(比較例1〜3)
下記表2−1に示す組成のソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を以下に示す方法により製造した。

0121

<比較例1>
ソリフェナシンコハク酸塩(結晶体(100質量%))2.0gを精製水3.0mLに溶解させ、ソリフェナシンコハク酸塩含有液を得た。
その後、乳鉢にて、合成ヒドロタルサイト(アルカマックSH、協和化学工業株式会社)8.0gに、前記ソリフェナシンコハク酸塩含有液を添加して混合し、混合物を得た。
前記混合物をプラスチックトレーに移し、送風式乾燥機を用い、50℃で12時間乾燥し、比較例1のソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を得た。

0122

<比較例2>
ソリフェナシンコハク酸塩(結晶体(100質量%))2.0gを精製水3.0mLに溶解させ、乳糖(乳糖200M、DFE Pharma)1.0gを添加して混合し、ソリフェナシンコハク酸塩及び乳糖含有液を得た。
その後、乳鉢にて、合成ヒドロタルサイト(アルカマックSH、協和化学工業株式会社)7.0gに、前記ソリフェナシンコハク酸塩及び乳糖含有液を添加して混合し、混合物を得た。
前記混合物をプラスチックトレーに移し、送風式乾燥機を用い、50℃で12時間乾燥し、比較例2のソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を得た。

0123

<比較例3>
ソリフェナシンコハク酸塩(結晶体(100質量%))2.0gを精製水3.0mLに溶解させ、乳糖(乳糖200M、DFE Pharma)2.0gを添加して混合し、ソリフェナシンコハク酸塩及び乳糖含有液を得た。
その後、乳鉢にて、合成ヒドロタルサイト(アルカマックSH、協和化学工業株式会社)6.0gに、前記ソリフェナシンコハク酸塩及び乳糖含有液を添加して混合し、混合物を得た。
前記混合物をプラスチックトレーに移し、送風式乾燥機を用い、50℃で12時間乾燥し、比較例3のソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を得た。

0124

0125

(比較例4〜9)
下記表2−2に示す組成のソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を以下に示す方法により製造した。
ソリフェナシンコハク酸塩(結晶体(100質量%))2.0gを精製水3.0mLに溶解させ、ソリフェナシンコハク酸塩含有液を得た。
下記表2−2に示す組成となるように、前記ソリフェナシンコハク酸塩含有液に、下記表2−2に示す糖アルコール又は酸性物質を溶解又は懸濁し、溶解又は懸濁液を得た。
前記溶解又は懸濁液をプラスチックトレーに移し、送風式乾燥機を用い、50℃で12時間乾燥し、比較例4〜9のソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を得た。

0126

なお、使用した糖アルコール又は酸性物質は、以下のとおりである。
−糖アルコール−
・ D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社)
・エリスリトール(エリスリトール、三菱ケミカルフーズ株式会社)
・キシリトール(キシリトール、三菱ケミカルフーズ株式会社)
−酸性物質−
・クエン酸(無水)(クエン酸、和光純薬工業株式会社)
・リンゴ酸(DL−リンゴ酸、和光純薬工業株式会社)
・酒石酸(L(+)−酒石酸、和光純薬工業株式会社)

0127

0128

(評価)
<評価−1:粉末の流動性>
実施例1〜12及び比較例1〜9で得られた各ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末をバイアルびんに入れ、バイアルびんを傾けて粉末の流動性を評価した。流動性の評価は、次の3段階で評価した。結果を下記表3に示す。
A(流動性良い):傾き角度45度までに流動を開始する。
B(流動性悪い):傾き角度45度以上で75度までに流動を開始する。
C(流動しない):傾き角度90度でも流動しない。

0129

0130

表3に示すように、合成ヒドロタルサイトを含まない比較例4〜9では流動性が悪く、特に比較例7〜9では流動せず、製造工程での取り扱いが困難であると考えられた。

0131

<評価−2:非晶質体の割合>
実施例1〜12及び比較例1〜9で得られた各ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を常温(24℃〜26℃)で1週間保存したものについて、MiniFlex600(株式会社リガク)を用い、以下の条件で、粉末X線回折を行い、ソリフェナシンコハク酸塩と各添加物の各々に由来するピークが重ならない2θが約3.7度のピーク高さを求めた。
また、ソリフェナシンコハク酸塩の結晶体を、実施例1〜12及び比較例1〜9で得られた各ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末における濃度と同様の濃度となるように各添加物と乳鉢で混合し、これを標準として、同様に2θが約3.7度のピーク高さを求めた。
[条件]
X線: 40kV−1.5mA
スリット条件:可変+固定スリットシステム
スキャン軸: 2θ/θ
開始角度: 2°
終了角度: 40°
ステップ: 0.02°
スキャンスピード: 10°/分

0132

前記標準を結晶体100%として、実施例1〜12及び比較例1〜9の各試料で測定された各ピーク高さから、それぞれの試料における結晶体の割合を求めた。結晶体以外を非晶質体として算出した。
なお、ソリフェナシンコハク酸塩の結晶体を、実施例1〜12及び比較例1〜9で得られた各ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末における濃度の20質量%濃度となるように各添加物と乳鉢で混合した場合にも、2θ約3.7度にピークを検出できることを確認した。
したがって、2θにピークを検出しない、またはピークを検出しても結晶体20%よりもピーク高さが低い場合は、非晶質体の割合を80質量%以上とした。
結果を下記表4に示す。

0133

0134

表4に示すように、ソリフェナシンコハク酸塩と糖アルコールのみである比較例4〜6は、非晶質体の割合は80%未満であり、結晶化していた。

0135

<評価−3−1>
評価−1及び2で問題がなかった実施例1〜12及び比較例1〜3で得られた各ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末をバイアルびんに入れ、以下の条件下で2週間保存した。
(1)40℃、相対湿度75%、開放条件(以下、保存後の粉末を「40℃75%RH」と称することがある。)。
(2)60℃、開放条件(以下、保存後の粉末を「60℃」と称することがある。)。
(3)4℃、密封条件(以下、保存後の粉末を「冷所」と称することがある。)。

0136

−安定性:純度試験
上記各粉末の安定性を以下の純度試験により確認した。
純度試験は、下記表5−1〜5−2に記載の条件の液体クロマトグラフィーで行った。
試料溶液は、ソリフェナシンコハク酸塩25mgを含むように各粉末を取り、これに移動相Aを約15mL加えて超音波処理を5分間行い、室温に戻した後に移動相Aで25mLにメスアップし、0.2μmのメンブレンフィルターでろ過をして試料溶液とした。

0137

0138

0139

純度試験の結果を下記表6に示す。
結果は、上記(1)40℃、相対湿度75%、開放条件、又は(2)60℃、開放条件で2週間保存した保存品(以下、「2週間保存品」と称することがある。)におけるソリフェナシンの総類縁物質量を、(3)4℃の密封条件で2週間保存した保存品(以下、「冷所保存品」と称することがある。)におけるソリフェナシンの総類縁物質量からの増減(%)として示した。

0140

0141

表6に示すように、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかを含まない比較例1〜3では、(1)40℃、相対湿度75%、開放条件の保存条件と、(2)60℃、開放条件の保存条件の一方又は両方で、1.5%を超える総類縁物質量の増加が認められた。それに対し、実施例1〜12では、前記(1)及び(2)のいずれの保存条件においても、総類縁物質量の増加は、1.23%以内に抑えられていた。
また、糖アルコールを用いた実施例1〜6の結果から、糖アルコールの中でも、エリスリトール、キシリトールが好ましいことが確認された。また、酸性物質を用いた実施例7〜12の結果から、酸性物質の中でも、リンゴ酸、クエン酸(無水)が好ましく、リンゴ酸がより好ましいことが確認された。

0142

−粉末X線回折−
MiniFlex600(株式会社リガク)を用い、以下の条件で、粉末X線回折を行った。
[条件]
X線: 40kV−1.5mA
スリット条件:可変+固定スリットシステム
スキャン軸: 2θ/θ
開始角度: 2°
終了角度: 40°
ステップ: 0.02°
スキャンスピード: 10°/分

0143

ソリフェナシンコハク酸塩の結晶性原薬について、粉末X線回折を行った結果を図1に、合成ヒドロタルサイトについて、粉末X線回折を行った結果を図2にそれぞれ示した。
また、ソリフェナシンコハク酸塩の結晶性原薬 0.75gと、合成ヒドロタルサイト 9.25gとを乳鉢で混合したものについて、粉末X線回折を行った結果を図3に示した。

0144

実施例5〜12及び比較例1で得られた粉末を上記(1)40℃、相対湿度75%、開放条件、又は(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を図4A〜12Bに示した。
図4A(実施例5)、5A(実施例6)、6A(実施例7)、7A(実施例8)、8A(実施例9)、9A(実施例10)、10A(実施例11)、11A(実施例12)、及び12A(比較例1)は、(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料の測定結果を示し、図4B(実施例5)、5B(実施例6)、6B(実施例7)、7B(実施例8)、8B(実施例9)、9B(実施例10)、10B(実施例11)、11B(実施例12)、及び12B(比較例1)は、(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料の測定結果を示す。

0145

図1〜12Bの結果から、実施例5〜12及び比較例1で得られた粉末を上記(1)40℃、相対湿度75%、開放条件、又は(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料では、合成ヒドロタルサイトに由来するピークのみが認められ、ソリフェナシンコハク酸塩の結晶性原薬に由来するピークは認められなかった。したがって、これらの試料におけるソリフェナシンコハク酸塩は、非晶質体であることが確認された。

0146

実施例1、3、及び比較例2で得られた粉末を上記(1)40℃、相対湿度75%、開放条件、又は(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、粉末X線回折を行った結果を図13A〜15Bに示した。
図13A(実施例1)、14A(実施例3)、及び15A(比較例2)は、(1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存した試料の測定結果を示し、図13B(実施例1)、14B(実施例3)、及び15B(比較例2)は、(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料の測定結果を示す。

0147

図13A〜15Bでは、合成ヒドロタルサイトに由来するピーク以外のピークが認められた。そこで、実施例1、3、及び比較例2の組成からソリフェナシンコハク酸塩を除いた試料を調製し、その試料の粉末X線回折測定した結果を図13C(実施例1の組成からソリフェナシンコハク酸塩を除いた試料)、14C(実施例3の組成からソリフェナシンコハク酸塩を除いた試料)、15C(比較例2の組成からソリフェナシンコハク酸塩を除いた試料)に示す。

0148

図13C、14C、及び15Cの結果から、図13A〜15Bで認められた合成ヒドロタルサイトに由来するピーク以外のピークは、各添加物に由来するピークであり、ソリフェナシンコハク酸塩の結晶性原薬に由来するピークは認められなかった。したがって、これらの試料におけるソリフェナシンコハク酸塩は、非晶質体であることが確認された。

0149

評価−3−1の結果から、非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と、合成ヒドロタルサイトと、糖アルコール及び酸性物質の少なくともいずれかとを組み合わせることにより、驚くべきことに、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を経時的にも非晶質体として維持することができ、更には、結晶体に比べて安定性が劣る非晶質体のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定性を劇的に向上させることもできることも示された。

0150

<評価−3−2>
前記評価−2において、比較例4〜6で得られた各ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を常温(24℃〜26℃)で1週間保存したものについて行った粉末X線回折の結果を図16A(比較例4)、17A(比較例5)、18A(比較例6)に示した。また、比較例4〜6の組成からソリフェナシンコハク酸塩を除いた試料を調製し、その試料の粉末X線回折測定した結果を図16B(比較例4)、17B(比較例5)、18B(比較例6)に示した。
図16A〜18Bの結果から、比較例4〜6で得られた各ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を常温で1週間保存したものでは、各添加物に由来するピークとソリフェナシンコハク酸塩の結晶性原薬に由来するピークとが認められた。

0151

(実施例13〜17)
ソリフェナシンコハク酸塩(結晶体(100質量%))2.0g及びエリスリトール(エリスリトール、三菱ケミカルフーズ株式会社)1.0gを精製水3.0mLに溶解させ、ソリフェナシンコハク酸塩及びエリスリトールの水溶液を得た。
その後、乳鉢にて、下記表7に示す量の合成ヒドロタルサイト(アルカマックSH、協和化学工業株式会社)に前記ソリフェナシンコハク酸塩及びエリスリトールの水溶液を添加して混合し、混合物を得た。
前記混合物をプラスチックトレーに移し、送風式乾燥機を用い、50℃12時間乾燥し、実施例13〜17のソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を得た。

0152

0153

<評価>
実施例13〜17で得られた各ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末の流動性を上記<評価−1:粉末の流動性>と同様にして評価したところ、いずれもA評価であった。また、実施例13〜17で得られた各ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末におけるソリフェナシンコハク酸塩の非晶質体の割合を上記<評価−2:非晶質体の割合>と同様にして調べたところ、いずれの粉末においても非晶質体の割合は、80質量%以上であった。

0154

実施例13〜17で得られた各ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末について、上記<評価−3−1>の−安定性:純度試験−と同様にして、安定性を確認した。結果を下記表8に示す。

0155

0156

表8に示すように、合成ヒドロタルサイトの添加水準を変えた実施例13〜17では、総類縁物質の増加量は、0.58%以内に抑えられており、良好な安定性を有することが確認された。

0157

(実施例18)
ステンレスビーカーに精製水60mLを入れ、攪拌しながらソリフェナシンコハク酸塩(結晶体(100質量%))20g及びエリスリトール(エリスリトール、三菱ケミカルフーズ株式会社)10gを徐々に投入して溶解させ、ソリフェナシンコハク酸塩及びエリスリトールの水溶液を得た。
攪拌混合造粒装置(VG−01、パウレック)に合成ヒドロタルサイト(アルカマックSH、協和化学工業株式会社)99.92gとイオタカラギーナン(三晶株式会社)20g、エリスリトール8g、トウモロコシデンプン16g及び黄色三二酸化鉄0.08gを投入して、主軸回転数300rpm、造粒軸回転数2,000rpmで5分間混合した。さらに同条件の回転数で混合しながら、先に溶解したソリフェナシンコハク酸塩及びエリスリトールの水溶液を徐々に投入し、空いたステンレスビーカーに精製水60mLを入れて共洗いした後に、攪拌混合造粒装置内の混合粉体に徐々に混合した。混合時間は合計で2分間とした。
その後にプラスチックトレーに移し、送風式乾燥機で50℃12時間乾燥し、ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を得た。
乾燥後に室温まで冷却し、整粒機コーミルQC−197S、パウレック)で整粒した。整粒機のスクリーンは目開き1.0mmとし、インペラ回転数は750rpmとした。
整粒後の主薬顆粒87gと、ペアトールフラッシュロケットジャパン)173.5g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD021、信越化学工業株式会社)30g、黄色三二酸化鉄0.08g及びトウモロコシデンプン7.92gを予め乳鉢で混合した粉体8gと、ステアリン酸マグネシウム1.5gとを1kgポリ袋に入れて混合し、打錠用粉体を得た。
ロータリー式打錠機(VIRG12本立て製作所)に直径7.5mmの杵及び臼を取り付け、打錠圧約6,000Nで前記打錠用粉体を打錠して錠剤とした。

0158

<評価>
実施例18の製造過程で得られたソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末の流動性を上記<評価−1:粉末の流動性>と同様にして評価したところ、A評価であった。

0159

実施例18で得られた錠剤について、上記<評価−3−1>の−安定性:純度試験−と同様にして、安定性を確認した。結果を下記表9に示す。

0160

0161

表9に示すように、錠剤化した実施例18でも、良好な安定性を有することが確認された。

0162

−粉末X線回折−
実施例18の成分からソリフェナシンコハク酸塩を除いた成分を乳鉢で混合し、これを参考例1の粉末とした。
また、参考例1の粉末2.9gにソリフェナシンコハク酸塩(結晶体(100質量%))0.1gを加えた後に乳鉢で混合し、これを参考例2の粉末とした。
参考例1及び2の粉末について、上記<評価−3−1>の−粉末X線回折−と同様の条件で粉末X線回折を行った結果を図19A(参考例1)及び図19B(参考例2)に示した。

0163

また、実施例18で得られた錠剤を上記(1)40℃、相対湿度75%、開放条件、又は(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料について、上記<評価−3−1>の−粉末X線回折−と同様の条件で粉末X線回折を行った結果を図19C((1)40℃、相対湿度75%、開放条件で2週間保存)及び図19D((2)60℃、開放条件で2週間保存)に示した。

0164

図19A〜19Dの結果から、実施例18で得られた錠剤を上記(1)40℃、相対湿度75%、開放条件、又は(2)60℃、開放条件で2週間保存した試料では、参考例1に由来するピークのみが認められ、ソリフェナシンコハク酸塩の結晶性原薬に由来するピークは認められなかった。したがって、実施例18で得られた錠剤におけるソリフェナシンコハク酸塩は、非晶質体であることが確認された。

0165

試験例1−1:苦味マスキングの評価)
ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩は強い苦味を有するため、例えば、口腔内崩壊させる錠剤とする場合には、苦味のマスキングが求められる。そこで、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の安定性に影響せずに、添加するのみで苦味マスキング効果が得られる添加物の検討を以下のようにしておこなった。

0166

<ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末の製造>
<<試験例1−1−A>>
ソリフェナシンコハク酸塩(結晶体(100質量%))0.5gを精製水1.5mLに溶解させ、ソリフェナシンコハク酸塩の水溶液を得た。
その後、乳鉢にてイオタカラギーナン(三晶株式会社)5.0gと合成ヒドロタルサイト(アルカマックSH、協和化学工業株式会社)2.5gに、前記水溶液を添加して混合し、混合物を得た。
前記混合物をプラスチックトレーに移し、送風式乾燥機で50℃12時間乾燥した。乾燥後の粉末を目開き0.5mmのにて篩過し、ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末を得た。
前記ソリフェナシンコハク酸塩を含む粉末2.0gとペアリトールフラッシュ(ロケットジャパン)1.75gとを混合して試験例1−1−Aの粉末を得た。

0167

<<試験例1−1−B〜E>>
前記試験例1−1−AにおけるイオタカラギーナンをD−マンニトール(三菱商事フードテック株式会社)に置き換えたものを試験例1−1−B、アルギン酸(ISP Alginates Inc)に置き換えたものを試験例1−1−C、乳酸カルシウム水和物(昭和化工株式会社)に置き換えたものを試験例1−1−D、グリチルリチン酸ジカリウム(日本製紙ケミカル株式会社)に置き換えたものを試験例1−1−Eとして、試験例1−1−B〜Eの各粉末を得た。

0168

<評価>
試験例1−1−A〜Eの各粉末0.5gを口に含んだ後すぐに吐出し、口中を水ですすいだ後に口中に残る苦味を3名の評価者により、以下の評価基準で評価した。結果を下記表10に示す。
−評価基準−
1点 : 耐え難い苦味がある。
2点 : 苦味があるが許容できる。
3点 : 苦味をわずかに感じる。
4点 : 苦味をほとんど感じない。

0169

0170

表10に示すように、イオタカラギーナン又はアルギン酸の添加によって、ソリフェナシンコハク酸塩の苦味をマスキングできることが確認された。

0171

<試験例1−2:安定性の評価>
苦味マスキング効果が確認されたイオタカラギーナン及びアルギン酸について、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩との接触安定性を以下のようにして評価した。

0172

イオタカラギーナン又はアルギン酸2.7gと、ソリフェナシンコハク酸塩0.3gとを乳鉢で混合し、各混合粉末を得た。
各混合粉末をガラスバイアル瓶に各々3本に分け入れた(1瓶あたり0.5g)。
各混合粉末をガラスバイアル瓶に各々3本に分け入れた(各0.5g)。各粉末の入ったガラスバイアル瓶を、(i)40℃、相対湿度75%、開放条件(以下、保存後の粉末を「40℃75%RH」と称することがある。)、(ii)60℃、密封条件(以下、保存後の粉末を「60℃」と称することがある。)、(iii)4℃、密封条件(以下、保存後の粉末を「冷所保存品」と称することがある。)の各条件で1カ月間保存した。
1カ月間保存した試料について、上記<評価−3−1>の−安定性:純度試験−と同様にして試験を行い、ソリフェナシンコハク酸塩の安定性を確認した。
下記表11に示す。

0173

0174

表11に示すように、苦味マスキング効果を有し、かつソリフェナシンコハク酸塩の安定性に影響を及ぼさない添加剤は、カラギーナンであることが確認された。

実施例

0175

本発明の組成物は溶解度が高く、生体利用率(bioavailability)が良好なので、医薬組成物の有効成分として好適に用いることができる。また、前記医薬組成物は、泌尿器疾患、呼吸器疾患又は消化器疾患などの予防又は治療剤として有用に用いることができる。

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