図面 (/)
課題
解決手段
副走査方向に沿って延在する複数の第1延在部を有し、絶縁基板上に主走査方向に沿って形成される共通電極と、2つの前記第1延在部の間に位置し前記副走査方向に沿って延在する第2延在部が一端に設けられ、第1パッドが他端に設けられる、前記絶縁基板上に前記主走査方向に沿って形成される複数の個別電極と、前記複数の第1延在部および複数の前記第2延在部の上層に帯状に形成される発熱体と、前記共通電極のうち少なくとも複数の第1延在部を含む第1領域と、前記複数の個別電極のうち少なくとも前記複数の第2延在部を含み複数の前記第1パッドを除く第2領域を被覆する保護膜とを備え、前記共通電極のうち少なくとも前記複数の第1延在部および前記複数の個別電極は、少なくとも前記保護膜に被覆される箇所が銀を含む材料による単一層で構成されるサーマルヘッド。
概要
背景
概要
配線の形成に必要な工程を簡略化したサーマルヘッドを提供する。副走査方向に沿って延在する複数の第1延在部を有し、絶縁基板上に主走査方向に沿って形成される共通電極と、2つの前記第1延在部の間に位置し前記副走査方向に沿って延在する第2延在部が一端に設けられ、第1パッドが他端に設けられる、前記絶縁基板上に前記主走査方向に沿って形成される複数の個別電極と、前記複数の第1延在部および複数の前記第2延在部の上層に帯状に形成される発熱体と、前記共通電極のうち少なくとも複数の第1延在部を含む第1領域と、前記複数の個別電極のうち少なくとも前記複数の第2延在部を含み複数の前記第1パッドを除く第2領域を被覆する保護膜とを備え、前記共通電極のうち少なくとも前記複数の第1延在部および前記複数の個別電極は、少なくとも前記保護膜に被覆される箇所が銀を含む材料による単一層で構成されるサーマルヘッド。
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請求項1
副走査方向に沿って延在する複数の第1延在部を有し、絶縁基板上に主走査方向に沿って形成される共通電極と、2つの前記第1延在部の間に位置し前記副走査方向に沿って延在する第2延在部が一端に設けられ、第1パッドが他端に設けられる、前記絶縁基板上に前記主走査方向に沿って形成される複数の個別電極と、前記複数の第1延在部および複数の前記第2延在部の上層に帯状に形成される発熱体と、前記共通電極のうち少なくとも複数の第1延在部を含む第1領域と、前記複数の個別電極のうち少なくとも前記複数の第2延在部を含み複数の前記第1パッドを除く第2領域を被覆する保護膜とを備え、前記共通電極のうち少なくとも前記複数の第1延在部および前記複数の個別電極は、少なくとも前記保護膜に被覆される箇所が銀を含む材料による単一層で構成されるサーマルヘッド。
請求項2
主走査方向に延在する共通電極基部と、前記共通電極基部から副走査方向に沿って延在する複数の第1延在部を有する共通電極と、2つの前記第1延在部の間に位置し前記副走査方向に沿って延在する第2延在部と、前記第2延在部から前記副走査方向に延在する接続部と、前記接続部の他端に設けられた第1パッドと、を各々が有する複数の個別電極と、前記複数の第1延在部および複数の前記第2延在部の上層に、主走査方向に沿って帯状に形成される発熱体とを備え、前記複数の第1延在部、前記複数の第2延在部、および複数の前記接続部は、銀を含む材料による単一層で構成されるサーマルヘッド。
請求項3
請求項1または請求項2に記載のサーマルヘッドにおいて、前記主走査方向における前記第1延在部および前記第2延在部の配列ピッチは、前記主走査方向における複数の前記第1パッドの配列ピッチよりも大きいサーマルヘッド。
請求項4
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のサーマルヘッドにおいて、前記主走査方向における前記第1延在部および前記第2延在部の配列ピッチは125μmであり、前記主走査方向における前記複数の第1パッドの配列ピッチは63μmであるサーマルヘッド。
請求項5
請求項6
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のサーマルヘッドにおいて、前記単一層は、液状の銀ペーストにより形成されるサーマルヘッド。
請求項7
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のサーマルヘッドにおいて、前記単一層の厚みは2.0μm以下であるサーマルヘッド。
請求項8
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のサーマルヘッドにおいて、前記主走査方向に沿って前記複数の第1パッドと同一の配列ピッチで形成され前記複数の第1パッドの各々に電気的に接続される複数の第2パッドを有し、前記複数の第2パッドの各々に流れる電流を個別に制御するドライバICが設けられた回路基板を更に備えるサーマルヘッド。
請求項9
請求項8に記載のサーマルヘッドにおいて、前記回路基板は、複数の前記ドライバICを有するサーマルヘッド。
請求項10
請求項8または請求項9に記載のサーマルヘッドにおいて、1つの前記ドライバICは、192個の前記第2パッドに流れる電流を個別に制御するサーマルヘッド。
技術分野
0001
本発明は、サーマルヘッドに関する。
背景技術
0002
各々が銀を含む層を2つ重ねて形成した配線パターンを有するサーマルヘッドが知られている(例えば、特許文献1)。
先行技術
0003
特許5952089号公報
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
0005
本発明の第1の態様によると、サーマルヘッドは、副走査方向に沿って延在する複数の第1延在部を有し、絶縁基板上に主走査方向に沿って形成される共通電極と、2つの前記第1延在部の間に位置し前記副走査方向に沿って延在する第2延在部が一端に設けられ、第1パッドが他端に設けられる、前記絶縁基板上に前記主走査方向に沿って形成される複数の個別電極と、前記複数の第1延在部および複数の前記第2延在部の上層に帯状に形成される発熱体と、前記共通電極のうち少なくとも複数の第1延在部を含む第1領域と、前記複数の個別電極のうち少なくとも前記複数の第2延在部を含み複数の前記第1パッドを除く第2領域を被覆する保護膜とを備え、前記共通電極のうち少なくとも第1延在部および前記複数の個別電極は、少なくとも前記保護膜に被覆される箇所が銀を含む材料による単一層で構成される。
本発明の第2の態様によると、サーマルヘッドは、主走査方向に延在する共通電極基部と、前記共通電極基部から副走査方向に沿って延在する複数の第1延在部を有する共通電極と、2つの前記第1延在部の間に位置し前記副走査方向に沿って延在する第2延在部と、前記第2延在部から前記副走査方向に延在する接続部と、前記接続部の他端に設けられた第1パッドと、を各々が有する複数の個別電極と、前記複数の第1延在部および複数の前記第2延在部の上層に、主走査方向に沿って帯状に形成される発熱体とを備え、前記複数の第1延在部、前記複数の第2延在部、および複数の前記接続部は、銀を含む材料による単一層で構成される。
発明の効果
0006
本発明によれば、配線の形成に必要な工程を簡略化することができる。
図面の簡単な説明
0007
第1の実施の形態に係るサーマルヘッドの構成を示す平面図
第1の実施の形態に係るサーマルヘッドの構成を示す断面図
図1の一部箇所を拡大した平面図
変形例に係る個別電極を示す平面図
実施例
0008
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るサーマルヘッドの構成を示す平面図である。図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す図である。図3は、図1のうち破線40で示す箇所を拡大した平面図である。サーマルヘッド100は、支持板5上に固定された絶縁基板4およびプリント配線板9を備える。絶縁基板4および回路基板9は、粘着層11によって支持板5上に固定される。
0009
絶縁基板4は、セラミックなどの絶縁体によって形成される。絶縁基板4上には、共通電極2と複数の個別電極3とが形成される。共通電極2および複数の個別電極3の上層には、例えば厚膜印刷により、帯状の発熱体1が形成される。個別電極3の一部および共通電極2は、保護膜12により被覆される。保護膜12は、例えばガラス等により構成される。
0010
プリント配線板9上には、2つのドライバIC6と、印字制御等を行う外部機器にサーマルヘッド100を接続するためのコネクタ10が設けられている。各々の個別電極3の一端は、いずれかのドライバIC6に金線7で接続される。金線7およびドライバIC6は、封止樹脂8によりモールドされている。
0011
共通電極2は、共通電極基部21および複数の第1延在部20を有する。共通電極基部21は、矩形の絶縁基板4が有する4辺のうち、プリント配線板9に面した1辺を除く3つの辺に沿って形成される。複数の第1延在部20は、共通電極基部21副走査方向42(図1の紙面上下方向)に沿って延在する。
複数の個別電極3はそれぞれ、接続部32、第2延在部30、および第1パッド31を有する。第2延在部30は、2つの第1延在部20の間に位置し副走査方向42に沿って延在する。接続部32は、第2延在部30から副走査方向42に延在する。第1パッド31は、接続部32の他端、すなわち第2延在部30とは反対側の接続部32の端部に設けられる。つまり、接続部32の一端には第2延在部30が設けられ、他端には第1パッド31が設けられる。換言すると、個別電極3は一端に第2延在部30を、他端に第1パッド31を有する。
0012
複数の第1延在部20と複数の第2延在部30は、交互に対向してかみ合うように形成される。発熱体1は、複数の第1延在部20と複数の第2延在部30に跨がって形成され、第1延在部20と第2延在部30の配列方向である主走査方向41(図1の紙面左右方向)に延設されている。
0013
共通電極2の少なくとも第1延在部20および複数の個別電極3は、銀粒子を溶媒に分散させた液状のレジネートペーストを用いて、例えばフォトリソグラフィにより単一層で形成される。また、共通電極基部21は更に銀ペーストを積層して形成してもよい。液状の銀のレジネートペーストを用いることで、共通電極2および複数の個別電極3を、銀粉末とガラスフリットを含んだいわゆるフリットタイプの銀ペーストを用いる場合に比べて、薄く形成することができる。本実施の形態における共通電極2の延在部20および複数の個別電極3の厚みは、例えば1.5μmであり、銀(Ag)が80重量パーセント程度の割合で形成されている。前記形成には焼成プロセスを経るために、使用する液状の銀のレジネートペーストには、銀以外に、例えば樹脂や溶剤等が含まれてもよく、この場合、銀(Ag)の含有量は前記80重量パーセントから前記樹脂や前記溶剤等が含まれる分、低下することになる。
例えばフリットタイプの銀ペーストを用いて共通電極2および複数の個別電極3を形成した場合、共通電極2および複数の個別電極3の厚みは、例えば3μmになる。また、共通電極2の少なくとも第1延在部20および複数の個別電極3を複数の層により形成した場合、共通電極2の少なくとも第1延在部20および複数の個別電極3の厚みは、より厚くなる。
0014
複数の第1パッド31は、絶縁基板4のプリント配線板9側の縁部4a(図1,図2)に沿って、すなわち主走査方向41に沿って、一列に配列される。ドライバIC6には、絶縁基板4に対向する縁部6a(図1,図2)に沿って、すなわち主走査方向41に沿って、第2パッド60が形成される。複数の第1パッド31は、複数の第2パッド60と同一のピッチで配列される。1つの第2パッド60には、1つの第1パッド31が対応する。各々の第1パッド31は、金線7によって、対応する第2パッド60と電気的に接続される。金線7は電気的な接合をとるためのものであり、金以外の金属線、たとえば、銅や銀を主材料とする金属線であってもよい。
0015
絶縁基板4の一部領域は、図2および図3に一点鎖線で示す保護膜12により被覆される。保護膜12により保護される領域には、発熱体1と、共通電極2の少なくとも第1延在部20を含む大部分と、個別電極3のうち第1パッド31を除く部分(すなわち第2延在部30および接続部32の大部分)と、が含まれる。
0016
2つのドライバIC6は、共通電極2から発熱体1を介して各々の個別電極3に電流を流す。これにより、第1延在部20と第2延在部30とが交互に対向してかみ合う様に形成された部分の間にある発熱体1部分に電流が流れ、その部分が発熱する。この熱を感熱紙などの印字媒体に与えることで印字が行われる。
0017
2つのドライバIC6は、印字を行いたい部分に対応する第2パッド60の電位を、共通電極2の電位よりも低くする。これにより、共通電極2、印字を行いたい発熱体1部分、個別電極3、金線7、第2パッド60の経路で電流が流れる。すなわち2つのドライバIC6は、複数の個別電極3に流れる電流のONとOFFを個別に制御する。
0018
印字の濃さは、発熱体1部分の発熱量に応じて変化する。発熱体1部分の発熱量は、その部分に流れる電流と抵抗値に応じて変化する。優れた印字結果を得るためには、印字を行いたい発熱体1の各部分における発熱量を均一にすることが望ましい。つまり、優れた印字結果を得るためには、印字を行いたい発熱体1の各抵抗値と各部分に流れる電流を均一にすることが望ましい。
0019
本実施の形態に係るサーマルヘッド100の主走査方向41における印刷解像度は、例えば約203dpiである。この場合、主走査方向41における、印字されるドットの幅は125μmになる。すなわち、主走査方向41における第1延在部20の配列ピッチ44(図3)および第2延在部30の配列ピッチ45(図3)は、125μmである。
0020
本実施の形態に係るサーマルヘッド100が有するドライバIC6は、1つあたり192個の個別電極3を、各々独立して流れる電流に対して制御する。
なお、図2および図3では、作図の都合上、個別電極3を実際よりも少なく簡略化して図示している。そのため、第1延在部20の個数、第2延在部30の個数、第1パッド31の個数、第2パッド60の個数なども、実際よりも少なく図示している。
0021
本実施の形態に係るサーマルヘッド100の、主走査方向41における第1パッド31の配列ピッチ46(図3)および第2パッド60の配列ピッチ47(図3)は、例えば63μmである。すなわち、主走査方向41における第1延在部20および第2延在部30の配列ピッチ44,45は、主走査方向41における第1パッド31および第2パッド60の配列ピッチ46,47よりも大きい。
0022
配列ピッチに差があることから、複数の個別電極3は、ドライバIC6との相対的な位置関係に応じて、異なる形状を有している。例えばドライバIC6の中央に近い個別電極3a(図3)は、一端に設けられた第2延在部30から、他端に設けられた第1パッド31まで、直線的な形状を有している。一方、ドライバIC6の端に近い個別電極3b(図3)は、一端に設けられた第2延在部30から、他端に設けられた第1パッド31まで、非直線的な形状を有している。具体的には、1つのドライバIC6に対応する複数の個別電極3は、発熱体1側からドライバIC6に向かって、全体として細くすぼまっている。従って、個別電極3bの一端から他端までの距離、すなわち個別電極3bを流れる電流の経路長は、個別電極3aのそれよりも長い。例えば、個別電極3aの一端から他端までの距離が2.3mmであるとき、個別電極3bの一端から他端までの距離は、それよりも長い6.8mmになる。
0023
このように、個別電極3の配線長には個別電極3ごとに差異があるため、個別電極3の抵抗値にも、個別電極3ごとに差異が生じる。例えば、個別電極3aの抵抗値は3.0Ωであり、個別電極3bの抵抗値は9.5Ωである。つまり、最短の個別電極3aと最長の個別電極3bとの間には、6.5Ωの抵抗値の差が存在する。サーマルヘッド100の完成抵抗値が176Ω以下である場合、個別電極3aと個別電極3bの抵抗値の相対的な差は、6.5/176=3.7%である。
なお、金をベースにした材料で個別電極3を形成した場合、個別電極3aの抵抗値は4.0Ωになり、個別電極3bの抵抗値は18.7Ωになる。つまり、金をベースにした材料で個別電極3を形成した場合、最短の個別電極3aと最長の個別電極3bとの間には、14.7Ωの抵抗値の差が存在する。サーマルヘッド100の完成抵抗値が176Ω以下である場合、個別電極3aと個別電極3bの抵抗値の相対的な差は、14.7/176=8.3%である。
0024
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)共通電極2の少なくとも第1延在部20および複数の個別電極3は、銀を含む材料による単一層で構成される。このようにしたので、従来よりも配線の形成に必要な工程を簡略化することができる。また、銀を用いることで、金などを用いる場合に比べて共通電極2および複数の個別電極3の抵抗値を低くすることができ、従って、個別電極3ごとに接続された発熱体1に流れる電流のロスの削減と相対的な抵抗値の差を小さくすることができる。
0025
(2)主走査方向41における第1延在部20および第2延在部30の配列ピッチ44,45は125μmであり、主走査方向41における複数の第1パッド31の配列ピッチ46である63μmよりも大きい。このようにしたので、ドライバIC6自体を小さくし更には実装面積を小さくすることができる。
0026
(3)共通電極2の少なくとも第1延在部20および複数の個別電極3は、80重量パーセント以上のAg粒子を含む。このようにしたので、例えば金(Au)等の材料を用いる場合に比べて、共通電極2および複数の個別電極3の抵抗値を低くすることができ、従って、個別電極3ごとの相対的な抵抗値の差を小さくすることができる。
0027
(4)共通電極2および複数の個別電極3は、液状の銀のレジネートペーストにより形成される。このようにしたので、ガラスフリットが含まれる銀ペーストを用いる場合に比べて、共通電極2および複数の個別電極3を薄くすることができる。
0028
(5)ドライバIC6には、主走査方向41に沿って複数の第1パッド31と同一の配列ピッチ47で形成され、複数の第1パッド31の各々に電気的に接続される複数の第2パッド60が設けられる。このようにしたので、金線7の長さを統一し、個別電極3ごとの抵抗値のバラツキを小さくすることができる。
0029
(7)例えば単一のドライバIC6が多数の個別電極3を制御する場合、ドライバIC6の端部近傍に位置する個別電極3bは、主走査方向41に関して第1パッド31から大きく離れてしまう。これに対して、本実施の形態では、プリント配線板9には、複数のドライバIC6が設けられるので、単一のドライバIC6を用いる場合に比べて、ドライバIC6の端部近傍に位置する個別電極3bの一端から他端までの距離を短くすることができる。
(8)ドライバIC6の複数の第2パッドの配列ピッチを縮小することができドライバIC自体の第2パッドが配列された面の面積が縮小でき、ひいてはドライバIC6の小型化が可能となる。
(9)複数の個別配線間の抵抗値の差が抑えられることで絶縁基板4の副走査方向の長さを縮小でき、ひいては絶縁基板4の小型化が可能となる。
0030
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
複数の個別電極3のうち、保護膜12により被覆されていない部分を、保護膜12により被覆されている部分と異なる材料により形成してもよい。例えば、第1パッド31を二層構造にして、金をベースにした材料で下層を形成し、銀をベースにした材料で上層を形成してもよい。このようにした場合であっても、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
0031
(変形例2)
上述の実施の形態で説明した数値は一例であり、これとは異なる数値を採用してもよい。例えば、第1延在部20および第2延在部30の配列ピッチ44,45は125μmより大きくても小さくてもよいし、第1パッド31および第2パッド60の配列ピッチ46,47は63μmより大きくても小さくてもよい。前者と後者が異なっていれば、複数の個別電極3には抵抗値の差が生じるので、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
0032
サーマルヘッド100の完成抵抗値は176Ωでなくてもよい。例えば80Ωに設定することも可能である。この場合、ドライバIC6の中央部近傍に位置する個別電極3aとドライバIC6の端部近傍に位置する個別電極3bの抵抗値の相対的な差は7.8%になり、十分な印刷品質を保つことができる。これに対して、金をベースにした材料で個別電極3を形成した場合、個別電極3aと個別電極3bの抵抗値の相対的な差は、19.7%になる。この値が10.0%を越えてしまうと、十分な印刷品質を保つことができない。つまり、銀をベースにしたい材料で個別電極3を形成することにより、サーマルヘッド100の設計の自由度が向上する。
0033
ドライバIC6の端子数は192個より多くても少なくてもよい。ドライバIC6の個数は2個でなくてもよい。例えば、ドライバIC6を1個だけにしてもよいし、ドライバIC6を3個以上用いてもよい。このようにした場合であっても、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
0034
(変形例3)
第1パッド31を主走査方向に2列以上で形成してもよい。換言すると、第1パッド31の副走査方向42における位置を各第1パッド31で異ならせてもよい。図4に、第1パッド31を2列で形成した例を示す。図4において、相対的に紙面上方向に寄せて配置された第1パッド31aは、列48に属する。図4において、相対的に紙面下方向に寄せて配置された第1パッド31bは、列49に属する。このようにした場合であっても、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なおこの場合、金線7の長さが個別電極3ごとに異なることになるので、個別電極3の抵抗値を、金線7を含めて考慮することが望ましい。
0035
(変形例4)
コネクタ10は制御側へのインターフェイスの手段であるため、その様態にはこだわらない。たとえば、リボンケーブルだけでなくFFCやFPC用のコネクタであってもいいし、コネクタを省いて回路基板にランドを設け、FFCやFPCを直接はんだ等の手段で接続してもいい。
0036
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
0037
100…サーマルヘッド、1…発熱体、2…共通電極、3…個別電極、4…絶縁基板、6…ドライバIC、7…金線、9…プリント配線板、12…保護膜、20…第1延在部、30…第2延在部、31…第1パッド、60…第2パッド