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技術 1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン(HCFC−132)の製造方法、1−クロロ−1,2−ジフルオロエチレン(HCFO−1122a)の製造方法、及びHCFC−132の分離方法

出願人 ダイキン工業株式会社
発明者 臼井隆加留部大輔
出願日 2017年7月31日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2017-148433
公開日 2019年2月21日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2019-026601
状態 特許登録済
技術分野 触媒を使用する低分子有機合成反応 熱効果発生材料 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 無機ラジカル 大気圧条件下 白金ブラック 水易溶性 mol当量 ギ酸カリウム ハイドロクロリド 回収操作
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重要な関連分野

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課題

還元剤を使用するHCFC-132の製造方法、及び当該製造方法により得られたHCFC-132を原料化合物とするHCFO-1122aの製造方法であって、HCFC-132及びHCFO-1122aの選択率が高い製造方法を提供する。

解決手段

一般式(1):CFClX-CFClX(式中、Xは、各々独立してCl、Br、I又はHである。ただし、Xのうち少なくとも一つは、Cl、Br又はIである。)で表されるハロゲン化エタンを、還元剤の存在下で還元して1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-132)を生成させる工程を含むことを特徴とする、HCFC-132の製造方法、並びに、前記製造方法によってHCFC-132を含む混合物を得た後、前記混合物から前記HCFC-132を分離する工程、及び分離したHCFC-132を塩基性水溶液と接触させて、脱塩酸反応を生じさせる工程を含む、1-クロロ-1,2−ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)の製造方法。

概要

背景

従来、1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132)と塩素とを反応させて、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-132)を生成し、HCFC-132を脱塩酸反応させることにより1-クロロ-1,2−ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1)。

しかしながら、上記製造方法は、HCFC-132を製造する際に、取り扱いが困難なハロゲンである塩素を使用し、溶媒として毒性の高い四塩化炭素を使用しており、HCFO-1122aを簡便に、且つ、効率よく製造するために改善の余地がある。

概要

還元剤を使用するHCFC-132の製造方法、及び当該製造方法により得られたHCFC-132を原料化合物とするHCFO-1122aの製造方法であって、HCFC-132及びHCFO-1122aの選択率が高い製造方法を提供する。一般式(1):CFClX-CFClX(式中、Xは、各々独立してCl、Br、I又はHである。ただし、Xのうち少なくとも一つは、Cl、Br又はIである。)で表されるハロゲン化エタンを、還元剤の存在下で還元して1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-132)を生成させる工程を含むことを特徴とする、HCFC-132の製造方法、並びに、前記製造方法によってHCFC-132を含む混合物を得た後、前記混合物から前記HCFC-132を分離する工程、及び分離したHCFC-132を塩基性水溶液と接触させて、脱塩酸反応を生じさせる工程を含む、1-クロロ-1,2−ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)の製造方法。なし

目的

本発明は、還元剤を使用するHCFC-132の製造方法、及び当該製造方法により得られたHCFC-132を原料化合物とするHCFO-1122aの製造方法であって、HCFC-132及びHCFO-1122aの選択率が高い製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

一般式(1):CFClX-CFClX(式中、Xは、各々独立してCl、Br、I又はHである。ただし、Xのうち少なくとも一つは、Cl、Br又はIである。)で表されるハロゲン化エタンを、還元剤の存在下で還元して1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-132)を生成させる工程を含むことを特徴とする、HCFC-132の製造方法。

請求項2

前記還元剤が、ギ酸塩である、請求項1に記載の製造方法。

請求項3

前記還元する工程を、20℃〜100℃の範囲で行う、請求項1又は2に記載の製造方法。

請求項4

前記一般式(1)で表されるハロゲン化エタンが、1,1,2,2-テトラクロロ-1,2-ジフルオロエタン(CFC-112)である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。

請求項5

(i)一般式(1):CFClX-CFClX(式中、Xは、各々独立してCl、Br、I又はHである。ただし、Xのうち少なくとも一つは、Cl、Br又はIである。)で表されるハロゲン化エタンを、還元剤の存在下で還元してHCFC-132を含む混合物を生成させる工程、及び、(ii)前記工程(i)で生成された混合物中のHCFC-132を、塩基存在下で、脱塩酸反応させて、1-クロロ-1,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)を生成させる工程を含む、HCFO-1122aの製造方法。

請求項6

前記工程(i)と前記工程(ii)との間に、前記混合物からHCFC-132を分離する工程を更に含み、当該HCFC-132を前記工程(ii)に供する、請求項5に記載のHCFO-1122aの製造方法。

請求項7

HCFC-132及び沸点-10℃以下の混合物を、加圧下で分離する、HCFC-132の分離方法

請求項8

加圧する圧力が、0.01〜2.0MPaである、請求項7に記載の分離方法。

請求項9

前記沸点-10℃以下の混合物が、CO2、N2、HCFO-1122a及び2-クロロ-1,1-ジフルオロエチレン(HCFC-1122)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項7又は8に記載の分離方法。

請求項10

HCFC-132と、1,1,2-トリクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-122a)、1,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエタン(HCFC-132b)及び1,1-ジクロロ-2,2-ジフルオロエタン(HCFC-132a)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とを含む組成物

請求項11

HCFO-1122aと、HCFC-132、HCFC-1122及び1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(CFC-1112)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とを含む組成物。

請求項12

冷媒組成物である、請求項11に記載の組成物。

技術分野

0001

本発明は、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-132)の製造方法、1-クロロ-1,2−ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)の製造方法、及びHCFC-132の分離方法に関する。

背景技術

0002

従来、1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132)と塩素とを反応させて、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-132)を生成し、HCFC-132を脱塩酸反応させることにより1-クロロ-1,2−ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1)。

0003

しかしながら、上記製造方法は、HCFC-132を製造する際に、取り扱いが困難なハロゲンである塩素を使用し、溶媒として毒性の高い四塩化炭素を使用しており、HCFO-1122aを簡便に、且つ、効率よく製造するために改善の余地がある。

先行技術

0004

特開2015-120670号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、還元剤を使用するHCFC-132の製造方法、及び当該製造方法により得られたHCFC-132を原料化合物とするHCFO-1122aの製造方法であって、HCFC-132及びHCFO-1122aの選択率が高い製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、HCFC-132の分離方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、原料化合物である特定のハロゲン化エタンを還元剤で還元させる場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0007

即ち、本発明は、下記のHCFC-132の製造方法、HCFO-1122aの製造方法、及びHCFC-132の分離方法に関する。
1.一般式(1):CFClX-CFClX(式中、Xは、各々独立してCl、Br、I又はHである。ただし、Xのうち少なくとも一つは、Cl、Br又はIである。)で表されるハロゲン化エタンを、還元剤の存在下で還元して1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-132)を生成させる工程を含むことを特徴とする、HCFC-132の製造方法。
2.前記還元剤が、ギ酸塩である、項1に記載の製造方法。
3.前記還元する工程を、20℃〜100℃の範囲で行う、項1又は2に記載の製造方法。
4.前記一般式(1)で表されるハロゲン化エタンが、1,1,2,2-テトラクロロ-1,2-ジフルオロエタン(CFC-112)である、項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.(i)一般式(1):CFClX-CFClX(式中、Xは、各々独立してCl、Br、I又はHである。ただし、Xのうち少なくとも一つは、Cl、Br又はIである。)で表されるハロゲン化エタンを、還元剤の存在下で還元してHCFC-132を含む混合物を生成させる工程、及び、
(ii)前記工程(i)で生成された混合物中のHCFC-132を、塩基存在下で、脱塩酸反応させて、1-クロロ-1,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)を生成させる工程
を含む、HCFO-1122aの製造方法。
6.前記工程(i)と前記工程(ii)との間に、前記混合物からHCFC-132を分離する工程を更に含み、当該HCFC-132を前記工程(ii)に供する、項5に記載のHCFO-1122aの製造方法。
7.HCFC-132及び沸点-10℃以下の混合物を、加圧下で分離する、HCFC-132の分離方法。
8.加圧する圧力が、0.01〜2.0MPaである、項7に記載の分離方法。
9.前記沸点-10℃以下の混合物が、CO2、N2、HCFO-1122a及び2-クロロ-1,1-ジフルオロエチレン(HCFC-1122)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、項7又は8に記載の分離方法。
10.HCFC-132と、1,1,2-トリクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-122a)、1,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエタン(HCFC-132b)及び1,1-ジクロロ-2,2-ジフルオロエタン(HCFC-132a)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とを含む組成物
11.HCFO-1122aと、HCFC-132、HCFC-1122及び1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(CFC-1112)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とを含む組成物。
12.冷媒組成物である、項11に記載の組成物。

発明の効果

0008

本発明は、特定のハロゲン化エタンを還元剤で水素化させてHCFC-132を製造する方法であり、且つ、当該製造方法によって得られたHCFC-132を原料化合物としてHCFO-1122aの製造する方法であるため、塩素及び毒性の高い四塩化炭素を使用しない点で、従来法に比して取り扱いが容易であり、HCFC-132及びHCFO-1122aの選択率が高い。

0009

以下、本発明のHCFC-132の製造方法、HCFO-1122aの製造方法、及びHCFC-132の分離方法について詳細に説明する。

0010

1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-132)の製造方法
本発明の1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-132)の製造方法は、一般式(1):CFClX-CFClX(式中、Xは、各々独立してCl、Br、I又はHである。ただし、Xのうち少なくとも一つは、Cl、Br又はIである。)で表されるハロゲン化エタンを、還元剤の存在下で還元してHCFC-132を生成させる工程を含むことを特徴とする。

0011

一般式(1)のハロゲン化エタンをHCFC-132に変換させる反応は、還元剤の存在下、好適な溶媒中で一般式(1)のハロゲン化エタンを水素化することによって行うことができる。

0013

これらの還元剤の中でも、HCFC-132を高収率で得る観点から、ギ酸塩が好ましい。ギ酸塩としては、ギ酸ナトリウムギ酸カリウムギ酸アンモニウムを用いることができ、水易溶性、取り扱い容易性の点で、ギ酸ナトリウム、ギ酸アンモニウムが好ましい。

0014

還元反応では、HCFC-132を高収率で得る観点から、パラジウムブラック、パラジウム/炭素酸化白金白金ブラックラネーニッケル等の触媒を用いることができる。

0015

還元剤を用いて還元反応を行う際の反応温度は、HCFC-132を高い選択率で得る観点から、20℃〜100℃が好ましく、20℃〜80℃がより好ましく、30℃〜70℃がさらに好ましい。還元反応は通常、大気圧下〜2.0MPaで行うことが好ましく、大気圧下〜1.5MPaで行うことがより好ましい。

0016

還元反応は、反応開始から1〜20時間で完了する。

0017

還元剤の量は、一般式(1)の還元に必要なハロゲンの1molに対し、1mol当量〜10mol当量が好ましく、1.5mol当量〜8mol当量がより好ましく、1.5mol当量〜5mol当量がさらに好ましい。

0018

還元反応に不利に影響しない限りは、溶媒は限定されない。かかる溶媒の例としては、水、エーテル類アミド類ニトリル類及びアルコール類からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒、又はその溶媒をその他の溶媒と混合したうえで用いることができる。エーテル類としては、特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテルテトラヒドロフランジフェニルエーテルアニソール及びジメトキシベンゼン等が挙げられる。アミド類としては、特に限定されないが、例えば、N,N-ジメチルホルムアミドDMF)及びN,N-ジメチルアセトアミドDMAC)等が挙げられる。ニトリル類としては、特に限定されないが、例えば、アセトニトリルプロピオニトリル及びベンゾニトリル等が挙げられる。アルコール類としては、特に限定されないが、例えば、メタノールエタノールプロパノールイソプロパノールn-ブチルアルコールt-ブチルアルコール及びイソアミルアルコール等が挙げられる。

0019

これらの溶媒の中でも、水、エーテル類、アミド類及びアルコール類からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、HCFC-132を高い選択率で得る観点から、DMFがより好ましい。

0020

溶媒の量は、本発明の効果が著しく損なわれない限り特に限定されないが、例えば、一般式(1)のハロゲン化エタン1質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましく、2〜10質量部がさらに好ましい。

0021

一般式(1)で表されるハロゲン化エタンとしては、例えば、1,1,2,2-テトラクロロ-1,2-ジフルオロエタン(CFC-112)、1,2-ジブロモ-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロ-1,2-ジヨードエタン、1-ブロモ-1,2,2-トリクロロ-1,2-ジフオロエタン、1,1,2-トリクロロ-1,2-ジフルオロ-2-ヨードエタン、1-ブロモ-1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロ-2-ヨードエタン、1,1,2-トリクロロ-1,2-ジフルオロエタン、1-ブロモ-1,2,-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン、1.2-ジクロロ-1,2-ジフルオロ-1-ヨードエタン等が挙げられる。

0022

これらのハロゲン化エタンの中でも、本発明では、HCFC-132及びHCFO-1122aを高い選択率で得る観点から、CFC-112が好ましい。

0023

一般式(1)で表されるハロゲン化エタンの純度は、ハロゲン化エタンの転化率を向上させ、且つ、目的物であるHCFC-132の選択率を向上させる観点から、60mol%〜99.99mol%が好ましく、80mol%〜99.99mol%がより好ましく、90mol%〜99.99mol%がさらに好ましい。

0024

還元反応を行う際には、ラジカル発生剤を使用することができる。ラジカル発生剤としては、アゾ化合物有機過酸化物等の有機ラジカル開始剤過硫酸塩セリウム塩過酸化水素等の無機ラジカル開始剤が挙げられる。

0025

アゾ化合物としては、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロリド、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、4,4’-アゾビス(4−シア吉草酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’-アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、α,α’-アゾジイソブチルアミジンジハイドロクロリド等が例示される。

0026

有機過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオキサイドシクロヘキサノンパーオキサイドアセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン等が例示される。

0027

過硫酸塩としては、過硫酸アンモニウム過硫酸ナトリウム過硫酸カリウムが例示される。

0028

セリウム塩としては、セリウム(IV)アンモニウムイトレイト、セリウム(IV)サルフェイト、セリウム(IV)アンモニウムサルフェイト、水酸化セリウム(IV)、酸化セリウム(IV)等が例示される。

0029

これらのラジカル発生剤の中でも、HCFC-132を高収率で得る観点から、過硫酸アンモニウム(APS)等の過硫酸塩、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロリド、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)等のアゾ化合物が好ましい。

0030

ラジカル発生剤の配合量は、一般式(1)で表されるハロゲン化エタンに対して触媒量であればよく、反応速度を上昇させる点及び副生成物の生成を抑制する点から、一般式(1)で表されるハロゲン化エタン1molに対し、0.01mol〜5molが好ましく、0.05mol〜1molがより好ましく、0.1mol〜0.5molがさらに好ましい。

0031

本発明の組成物は、本発明の製造方法によって得られたHCFC-132と、1,1,2-トリクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-122a)、1,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエタン(HCFC-132b)及び1,1-ジクロロ-2,2-ジフルオロエタン(HCFC-132a)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とを含む。

0032

1-クロロ-1,2−ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)の製造方法
本発明の1-クロロ-1,2−ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)の製造方法は、
(i)一般式(1):CFClX-CFClX(式中、Xは、各々独立してCl、Br、I又はHである。ただし、Xのうち少なくとも一つは、Cl、Br又はIである。)で表されるハロゲン化エタンを、還元剤の存在下で還元してHCFC-132を含む混合物を生成させる工程、及び、
(ii)当該工程(i)で生成された混合物中のHCFC-132を、塩基存在下で、脱塩酸反応させて、HCFO-1122aを生成させる工程
を含むことを特徴とする。

0033

本発明の製造方法は、当該工程(i)と当該工程(ii)との間に、当該工程(i)で生成された混合物からHCFC-132を分離する工程を更に含み、当該HCFC-132を当該工程(ii)に供することが好ましい。

0034

本発明の製造方法の工程(i)で生成された混合物からHCFC-132を分離する方法は特に限定されないが、反応器内で、加圧下でHCFC-132を分離することが好ましい。

0035

加圧する圧力は、HCFC-132の回収率と純度の観点から、ゲージ圧で0.01〜2.0MPaが好ましく、0.1〜1.5MPaがより好ましく、0.5〜1.0MPaがさらに好ましい。

0036

本発明の製造方法の工程(i)で得られるHCFC-132を含む混合物には、HCFC-132以外に1,1,2-トリクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-122a)、1,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエタン(HCFC-132b)、1,1-ジクロロ-2,2-ジフルオロエタン(HCFC-132a)、二酸化炭素窒素等が含まれている。

0037

当該混合物中における分離前のHCFC-132の純度は、60mol%〜99.99mol%が好ましく、80mol%〜99.99mol%がより好ましく、90mol%〜99.99mol%がさらに好ましい。

0038

本発明の製造方法の工程(i)で得られるHCFC-132を含む混合物は、HCFC-132の回収率と純度の観点から、沸点-10℃以下の化合物を含むことが好ましく、沸点-30℃以下の化合物を含むことがより好ましく、沸点-50℃以下の化合物を含むことがさらに好ましい。

0039

本発明において、当該工程(i)で生成された混合物中のHCFC-132を、塩基存在下で、脱塩酸反応させることにより、HCFO-1122aを製造することができる。具体的には、当該工程(i)で生成された混合物中のHCFC-132を、塩基性水溶液と接触させて、脱塩酸反応を生じさせることにより、HCFO-1122aを製造することができる。

0040

塩基性水溶液としては、上記脱塩酸反応が実行可能な塩基性化合物水溶液であれば、特に限定されない。具体的には、水酸化リチウム水溶液水酸化カリウム水溶液水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ金属水酸化物水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物等の無機の塩基性化合物や、アミン等の有機の塩基性化合物、アルカリ金属アルコキサイド等の水溶液が挙げられる。

0041

これらの塩基性水溶液の中でも、反応活性、HCFO-1122aの選択率向上の観点から、水酸化カリウム水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の水溶液を用いることが好ましく、水酸化カリウムの水溶液を用いることがより好ましい。

0042

上記脱塩酸反応に用いる塩基性水溶液の濃度は、上記脱塩酸反応が促進される観点から、1〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、20〜30質量%がさらに好ましい。また、上記脱塩酸反応に用いる塩基性水溶液の量は、分離したHCFC-132の量に対して、1〜10mol当量のアルカリ量となるように調整されることが好ましく、1.5〜5mol当量のアルカリ量がより好ましく、2〜5mol当量のアルカリ量がさらに好ましい。

0043

分離したHCFC-132を脱塩酸させる際には、当該HCFC-132を相間移動触媒の存在下で塩基性水溶液と接触させることにより脱塩酸させることができる。

0044

相間移動触媒としては特に限定されないが、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイドトリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(TOMAC)等の第四級アンモニウム塩塩化テトラブチルホスホニウムクロライド(TBPC)等のホスホニウム塩;15-クラウン5、18-クラウン6などのクラウンエーテル類等の他、アルキルアンモニウム塩カルボン酸塩アルキルスルホン酸塩等の公知の物質を使用することができる。その中で第4級アンモニウム塩が好ましく、例えば、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド、Aliquat336等を好適に用いることができる。

0045

これらの相間移動触媒の中でも、経済性、安全性の観点からAliquat336が好ましい。

0046

記相移動触媒の量は、分離したHCFC-132の100質量部に対して、0.1〜40質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましく、10〜20質量部がさらに好ましい。

0047

上記脱塩酸反応は、具体的には、分離したHCFC-132と上記塩基性水溶液とを反応器に導入し、これらが十分に接触するように撹拌等を行うことで実行される。

0048

上記脱塩酸反応における反応温度は特に限定されないが、反応活性、HCFO-1122aの選択率向上の観点から、0〜100℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。

0049

上記脱塩酸反応は、加圧下で行うことが好ましい。

0050

加圧する圧力は、反応活性、HCFO-1122aの選択率向上の観点から、ゲージ圧で0.01〜2.0MPaが好ましく、0.1〜1.5MPaがより好ましく、0.2〜1.0MPaがさらに好ましい。上記脱塩酸反応は、反応開始から1〜50時間で完了する。

0051

本発明のHCFO-1122aにおいて、上記脱塩酸反応の進行に伴い、生成物のHCFO-1122aが生成される。生成したHCFO-1122aはガスクロマトグラフィーGC)、NMR等の既存の方法で分析を行うことができ、その後、冷却濃縮してから容器回収される。

0052

本発明の組成物は、本発明の製造方法によって得られたHCFO-1122aと、HCFC-132、2-クロロ-1,1-ジフルオロエチレン(HCFC-1122)及び1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエチレン(CFC-1112)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とを含む。また、当該組成物は、冷媒組成物であることが好ましい。

0053

1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-132)の分離方法
本発明のHCFC-132の分離方法は、HCFC-132及び沸点-10℃以下の混合物を、加圧下で分離する方法であり、反応器内で、加圧下でHCFC-132を分離することが好ましい。

0054

加圧する圧力は、HCFC-132の回収率と純度の観点から、ゲージ圧で0.01〜2.0MPaが好ましく、0.1〜1.5MPaがより好ましく、0.5〜1.0MPaがさらに好ましい。

0055

当該混合物中における分離前のHCFC-132の純度は、60mol%〜99.99mol%が好ましく、80mol%〜99.99mol%がより好ましく、90mol%〜99.99mol%がさらに好ましい。

0056

当該沸点-10℃以下の混合物は、CO2、N2、HCFO-1122a及び2-クロロ-1,1-ジフルオロエチレン(HCFC-1122)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。

0057

以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し本発明は実施例の範囲に限定されない。

0058

1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-132)の製造
(実施例1)
100mlのフラスコにCFC-112 0.05mol、ギ酸ナトリウム0.15mol、過硫酸アンモニウム(APS) 0.015mol及びDMF50mlを添加し、大気圧条件下で、40℃まで昇温してから撹拌を開始し、反応させた。反応開始後、適宜ガスクロマトグラフィーによって分析を行い、CFC-112及びHCFC-122aが消費されたことを確認した後、放冷した。その後、水を加えて攪拌し、遊離した有機相のHCFC-132を得た。

0059

(実施例2)
3LのフラスコにCFC-112 2.0molギ酸アンモニウム6mol、及びDMF800mlを添加し、大気圧条件下で、40℃まで昇温してから撹拌を開始した。APSを0.1molずつ仕込量が0.6molになるまで添加し、反応させた。反応開始後は、実施例1と同様にして、HCFC-132を得た。

0060

(実施例3)
3LオートクレーブにCFC-112 2.5mol、ギ酸アンモニウム9.6mol、APS0.75mol及びDMF500mlを添加し、40℃まで昇温してから撹拌を開始した。APSを0.1molずつ仕込量が1.1molになるまで添加した。その後、背圧弁を1.0MPaに設定し加圧条件にて反応を行った。反応後の回収操作は、気相抜出するときの圧力が0.01~1.0MPaとなるように調整した。以降は実施例1と同様にして、HCFC-132を得た。

0061

表1は、実施例1〜3の結果を示したものである。

0062

0063

実施例1では、ギ酸塩としてギ酸ナトリウムを用いて反応を行い、当該反応の経時変化をGCにて分析し追った。その結果、まずHCFC-122aが生成し、その後CFC-112が生成し、最終的に目的物とするHCFC-132が生成することがわかった。

0064

実施例2では、ギ酸塩としてギ酸アンモニウムを用いて反応を行ったところ、目的物とするHCFC-132を92mol%の選択率で得た。当該反応の経時変化をGCにて分析し追ったところ、まずHCFC-122aが生成し、その後CFC-112が生成し、最終的に目的物とするHCFC-132が生成することがわかった。反応終了後、有機相を回収し重量を測定したところ、得量100g(収率37mol%)となった。

0065

実施例3では、ギ酸塩としてギ酸アンモニウムを用い、オートクレーブにて加圧条件で反応を行ったところ、目的物とするHCFC-132を81mol%の選択率で得た。反応終了後、液相を氷水で冷やして脱圧し、分液後に有機相の重量を測定したところ、得量202g(収率60mol%)となり、加圧条件で分離することでHCFC-132の回収量を増やすことができた。

0066

1-クロロ-1,2−ジフルオロエチレン(HCFO-1122a)の製造
(実施例4)
500mlのオートクレーブに実施例3で得られたHCFC-132 0.38mol及び相関移動触媒である第4級アンモニウム塩(Aliquat336) 1.7gを加えて、0℃に冷却してから、20% KOH水溶液(KOH 0.56mol)を滴下した。滴下終了後、35〜40℃に加熱して撹拌を続けた。フラスコ内の有機相がなくなった時点で反応を終了し、HCFO-1122aの回収量を測定したところ、33gであった。

0067

(実施例5)
500mlのオートクレーブに実施例3で得られたHCFC-132 0.6mol及びAliquat336 10gを加えて、0℃に冷却してから、32% KOH水溶液(KOH 1.2mol)を滴下した。滴下終了後、35〜40℃に加熱して撹拌を続けた。フラスコ内の有機相がなくなった時点で反応を終了し、HCFO-1122aの回収量を測定したところ、56gであった。

0068

表2は、実施例4及び5の結果を示したものである。

0069

0070

実施例4から得られた留分をガスクロマトグラフ(GC)により分析し、GCの面積比から気相組成を算出した。結果を表3に示す。

0071

0072

実施例5から得られた留分をガスクロマトグラフ(GC)により分析し、GCの面積比から気相組成を算出した。結果を表4に示す。

0073

0074

実施例4において、132に対し、KOHを1.2 eq.加え反応を行ったところ、収率90mol%、純度95mol%で目的物である1122aが得られた。表3に示す気相組成から、1122a以外にも1122及び1112が生成されることが確認できた。1122は実施例3における反応の副生成物である132aが脱塩酸反応することで得られた化合物であり、1112は実施例3における112が脱塩酸反応することで得られた化合物であると考えられる。

0075

実施例5において、132に対し、KOHを2.0 eq.加え反応を行ったところ、収率95mol%、純度99mol%で目的物である1122aが得られた。実施例5では、実施例4と比べて、温度を上げ、KOH水溶液の添加量及びAliquat336の添加量を上げたことにより、反応時間を短縮することができた。132aについては、濃度が非常に低くかったため、traceとした。

0076

遷移金属触媒であるPd/Cを用いた1112の水素化反応による1122aの製造
(比較例1)
200mlのオートクレーブに1112 7.1g(0.054mol)、Pd/C 1.0g (3wt%Pd、Pd/1112=0.5mol%)、1N KOHaq. 50mlを加えた後、真空引きし、0.1〜0.5MPaGとなるように水素を置換した。オートクレーブの温度が0℃となるようにし、撹拌した。反応が開始してから24時間後に、H2圧力が下がらなくなったため、反応を停止した。

0077

比較例1から得られた留分をGCにより分析し、GCの面積比から気相組成を算出した。結果を表5に示す。

0078

実施例

0079

比較例1では、収率4mol%、純度20mol%で目的物である1122aが得られた。表5に示す気相組成から、実施例4及び5と比べて、1122aの濃度は非常に低い結果となった。

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