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技術 移載装置および判定方法

出願人 株式会社東芝
発明者 田中淳也小川昭人園浦隆史衛藤春菜
出願日 2017年7月25日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2017-143390
公開日 2019年2月21日 (5ヶ月経過) 公開番号 2019-026392
状態 未査定
技術分野 特殊移送3 物品の積降し
主要キーワード ターゲットエリア内 空気圧ポンプ マテリアルハンドリング 荷物保持 吸着判定 吸着部内 動作指令情報 物流施設
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図面 (20)

課題

物品を安定的に保持できる移載装置を提供する。

解決手段

移載装置は、第1負圧発生源と、前記第1負圧発生源にそれぞれ接続され、前記第1負圧発生源から導入された負圧によって物品を吸着可能な複数の第1吸着部と、前記第1吸着部それぞれの前記負圧に対応する複数の測定値を取得するセンサ部と、前記複数の測定値により第1閾値を設定し、前記第1閾値と前記測定値に基づいて前記測定値に対応する前記第1吸着部の吸着状態を判定する第1判定回路と、を備える。

概要

背景

吸着パッド等を用いてワークを移載する移載装置がある。この種の移載装置は、吸着パッドを用いてワークを吸着把持することで、寸法の異なる複数種類のワークを移載することができる。

概要

物品を安定的に保持できる移載装置を提供する。 移載装置は、第1負圧発生源と、前記第1負圧発生源にそれぞれ接続され、前記第1負圧発生源から導入された負圧によって物品を吸着可能な複数の第1吸着部と、前記第1吸着部それぞれの前記負圧に対応する複数の測定値を取得するセンサ部と、前記複数の測定値により第1閾値を設定し、前記第1閾値と前記測定値に基づいて前記測定値に対応する前記第1吸着部の吸着状態を判定する第1判定回路と、を備える。

目的

本発明が解決しようとする課題は、物品を安定的に保持できる移載装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

第1負圧発生源と、前記第1負圧発生源にそれぞれ接続され、前記第1負圧発生源から導入された負圧によって物品吸着可能な複数の第1吸着部と、前記第1吸着部それぞれの前記負圧に対応する複数の測定値を取得するセンサ部と、前記複数の測定値により第1閾値を設定し、前記第1閾値と前記測定値に基づいて前記測定値に対応する前記第1吸着部の吸着状態を判定する第1判定回路と、を備える移載装置

請求項2

前記第1判定回路は、前記複数の測定値から得られた平均値を前記第1閾値として設定し、前記第1閾値と前記複数の測定値とを比較して、前記第1閾値よりも前記測定値が小さい場合に当該測定値に対応する前記第1吸着部が前記物品に吸着している吸着状態にあると判定し、前記第1閾値よりも前記測定値が大きい場合に当該測定値に対応する前記第1吸着部が前記物品に吸着していない非吸着状態にあると判定する請求項1に記載の移載装置。

請求項3

前記複数の測定値には、最大値および最小値が含まれ、前記平均値は、前記複数の測定値のうち、前記最大値寄りの前記測定値の重みを大とし、前記最小値寄りの前記測定値の重みを小とした加重平均値である請求項2に記載の移載装置。

請求項4

負圧を発生する第1負圧発生源と、前記第1負圧発生源に接続された内部空間を有し、前記第1負圧発生源から前記内部空間に導入された前記負圧によって物品を吸着する複数の第1吸着部と、前記複数の内部空間の前記負圧に対応する複数の測定値を取得するセンサ部と、前記複数の測定値をその最小値からその最大値まで順番に並べ、隣接する2個の前記測定値の絶対値同士で差をとり、当該差が最大となる区間内に第1閾値を設定し、前記第1閾値と前記複数の測定値とを比較して、前記第1閾値よりも前記測定値が小さい場合に当該測定値に対応する前記第1吸着部を吸着状態と判定し、前記第1閾値よりも前記測定値が大きい場合に当該測定値に対応する前記第1吸着部を非吸着状態と判定する第1判定回路と、を備える移載装置。

請求項5

前記複数の測定値から得られたばらつきの指標が予め定められた第2閾値よりも小さいときに、前記複数の第1吸着部の全てを前記吸着状態又は前記非吸着状態にあると判定する第2判定回路を備える請求項2又は請求項4に記載の移載装置。

請求項6

前記複数の測定値の全てが予め定められた第3閾値よりも大きいときに、前記複数の第1吸着部の全てが前記非吸着状態にある全非吸着状態であると判定する第3判定回路を備える請求項5に記載の移載装置。

請求項7

前記複数の測定値の全てが予め定められた第4閾値よりも小さいときに、前記複数の第1吸着部の全てが前記吸着状態にある全吸着状態であると判定する第4判定回路を備える請求項6に記載の移載装置。

請求項8

制御部を備え、前記制御部は、前記非吸着状態にある前記複数の内部空間に対応する前記複数の測定値を複数の基準値として前記センサ部を介して予め取得し、前記吸着状態にある前記複数の内部空間に対応する複数の実測値を前記センサ部を介して取得し、前記複数の実測値のそれぞれからこれに対応する前記複数の基準値のそれぞれを減算することで前記複数の測定値を得る請求項2に記載の移載装置。

請求項9

負圧を発生する複数の第2負圧発生源と、前記複数の第2負圧発生源に接続された複数の第2吸着部であって、前記複数の第2吸着部のそれぞれは、第2内部空間を有し、前記第2負圧発生源から前記第2内部空間に導入された前記負圧によって前記物品を吸着可能な、複数の第2吸着部と、前記複数の第1吸着部および前記複数の第2吸着部が設けられるとともに、前記複数の第1吸着部および前記複数の第2吸着部を介して前記物品を保持することが可能な保持部と、前記保持部を前記物品に対向する第1位置から移動先の第2位置まで移動可能な移動機構と、前記物品を視覚的に認識可能な認識部と、前記保持部を所定の位置に位置させる制御部であって、前記物品が前記負圧を受けうる前記第1負圧発生源の数と前記物品が前記負圧を受けうる前記第2負圧発生源の数とを合計した数が所定の数である第1状態と、前記物品が前記負圧を受けうる前記第1負圧発生源の数と前記物品が前記負圧を受けうる前記第2負圧発生源の数とを合計した数が前記所定の数よりも大きい第2状態と、があったときに、前記認識部からの情報に基づき前記第1状態から前記第2状態になるように前記移動機構を介して前記保持部を移動させる制御部と、を備える請求項2又は請求項4に記載の移載装置。

請求項10

前記複数の内部空間と前記負圧発生源とを接続した複数の流路の途中に設けられ前記複数の流路を開閉可能な弁部と、前記第1判定回路により前記吸着状態と判定された前記第1吸着部に対応する前記弁部を開とし、前記第1判定回路により前記非吸着状態と判定された前記第1吸着部に対応する前記弁部を閉とする制御部と、を備える請求項2又は請求項4に記載の移載装置。

請求項11

前記複数の第1吸着部が設けられるとともに、前記複数の第1吸着部を介して前記物品を保持することが可能な保持部と、前記保持部を移動可能な移動機構と、前記物品の重さを取得可能な第2センサ部と、前記第2センサ部で取得した前記物品の重さと、前記物品に吸着している前記第1吸着部の総数から得られる総吸着力と、を比較し、前記総吸着力に占める前記重さの割合が所定の第5閾値を下回るときに前記保持部を所定の時間をかけて前記第1位置から前記第2位置まで移動させ、前記総吸着力に占める前記重さの割合が所定の第5閾値以上であるときに前記保持部を前記所定の時間よりも長い時間をかけて前記第1位置から前記第2位置まで移動させる制御部と、を備える請求項2又は請求項4に記載の移載装置。

請求項12

前記複数の測定値は、前記物品に対応するターゲットエリア内に位置する前記複数の第1吸着部から取得する請求項2、請求項4、請求項8のうちいずれか1項に記載の移載装置。

請求項13

複数の第1吸着部の内部空間の負圧に対応する複数の測定値から得られた平均値を第1閾値として設定し、前記第1閾値と前記複数の測定値とを比較して、前記第1閾値よりも前記測定値が小さい場合に当該測定値に対応する前記第1吸着部が物品に吸着した吸着状態にあると判定し、前記第1閾値よりも前記測定値が大きい場合に当該測定値に対応する前記第1吸着部が前記物品に吸着していない非吸着状態にあると判定する判定方法

請求項14

複数の測定値には、最大値および最小値が含まれ、前記平均値は、前記複数の測定値のうち、前記最大値寄りの前記測定値の重みを大とし、前記最小値寄りの前記測定値の重みを小とした加重平均値である請求項13に記載の判定方法。

請求項15

前記複数の測定値から得られたばらつきの指標が予め定められた第2閾値よりも小さいときに、前記複数の第1吸着部の全てを前記吸着状態又は前記非吸着状態にあると判定する請求項13に記載の判定方法。

請求項16

前記複数の測定値の全てが予め定められた第3閾値よりも大きいときに、前記複数の第1吸着部の全てが前記非吸着状態にある全非吸着状態であると判定する請求項15に記載の判定方法。

請求項17

前記複数の測定値の全てが予め定められた第4閾値よりも小さいときに、前記複数の第1吸着部の全てが前記吸着状態にある全吸着状態であると判定する請求項16に記載の判定方法。

請求項18

前記非吸着状態にある前記複数の第1吸着部の内部空間に対応する前記複数の測定値を複数の基準値として予め取得し、前記吸着状態にある前記複数の第1吸着部の内部空間に対応する複数の実測値のそれぞれからこれに対応する前記複数の基準値のそれぞれを減算することで前記複数の測定値を得る請求項13に記載の判定方法。

請求項19

前記複数の測定値は、前記物品に対応するターゲットエリア内に位置する前記複数の第1吸着部から取得する請求項13又は請求項18に記載の判定方法。

請求項20

前記複数の測定値から得られたばらつきの指標が予め定められた第2閾値よりも小さいときに、前記複数の第1吸着部の全てを前記吸着状態又は前記非吸着状態にあると判定するステップは、前記複数の第1吸着部の内部空間の負圧に対応する複数の測定値から得られた平均値を第1閾値として設定し、前記第1閾値と前記複数の測定値とを比較して、前記第1閾値よりも前記測定値が小さい場合に当該測定値に対応する前記第1吸着部が前記物品に吸着した吸着状態にあると判定し、前記第1閾値よりも前記測定値が大きい場合に当該測定値に対応する前記第1吸着部が前記物品に吸着していない非吸着状態にあると判定するステップよりも前に行われる請求項15に記載の判定方法。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、物品目的地点まで移載することが可能な移載装置およびそれに用いられる判定方法に関する。

背景技術

0002

吸着パッド等を用いてワークを移載する移載装置がある。この種の移載装置は、吸着パッドを用いてワークを吸着把持することで、寸法の異なる複数種類のワークを移載することができる。

先行技術

0003

特開2015−40130号公報
特開2013−154457号公報

発明が解決しようとする課題

0004

吸着パッドの吸着・非吸着を判定する精度を向上すれば、ワークを安定的に保持できるようになる。ワークを安定的に保持できれば、ワークを保持できないといったエラー発生回数を低減でき、作業効率の向上につながる。

0005

本発明が解決しようとする課題は、物品を安定的に保持できる移載装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

実施形態の移載装置は、第1負圧発生源と、前記第1負圧発生源にそれぞれ接続され、前記第1負圧発生源から導入された負圧によって物品を吸着可能な複数の第1吸着部と、前記第1吸着部それぞれの前記負圧に対応する複数の測定値を取得するセンサ部と、前記複数の測定値により第1閾値を設定し、前記第1閾値と前記測定値に基づいて前記測定値に対応する前記第1吸着部の吸着状態を判定する第1判定回路と、を備える。

図面の簡単な説明

0007

図1は、第1実施形態の移載装置を示した模式図である。
図2は、図1に示す移載装置の流体制御装置および制御部を示した模式図である。
図3は、図1に示す移載装置のマニピュレータ本体、保持部、第1〜第4吸着部、高さが異なる2つの物品を示す斜視図である。
図4は、図1に示す移載装置の第1〜第4流体制御装置、保持部、および第1〜第4吸着部を示した模式図である。
図5は、図1に示す移載装置の制御部本体の構成を示したブロック図である。
図6は、第1実施形態の移載装置の動作を示すフローチャートである。
図7は、図6に示すフローチャートのステップS15の処理の詳細を示したフローチャートである。
図8は、図1に示す移載装置において、12個の吸着部に負圧を作用させ、それらのすべてが吸着に失敗した状態で各吸着パッドの圧力の測定値と第3閾値とを示したグラフである。
図9は、図1に示す移載装置において、12個の吸着部に負圧を作用させ、それらのすべてが吸着に失敗した状態で各吸着パッドの圧力の測定値の標準偏差と第2閾値とを示したグラフである。
図10は、図1に示す移載装置において、12個の吸着部に負圧を作用させ、それらのすべてが吸着に成功した状態で各吸着パッドの圧力の測定値と第4閾値とを示したグラフである。
図11は、図1に示す移載装置において、12個の吸着部に負圧を作用させ、それらのすべてが吸着に成功した状態で各吸着パッドの圧力の測定値の標準偏差と第2閾値とを示したグラフである。
図12は、図1に示す移載装置において、12個の吸着部に負圧を作用させ、それらのうち8個が吸着に成功した状態で各吸着パッドの圧力の測定値と第1閾値とを示したグラフである。
図13図1に示す移載装置において、12個の吸着部に負圧を作用させ、それらのうち8個が吸着に成功した状態で各吸着パッドの圧力の測定値の標準偏差を示したグラフである。
図14は、第1実施形態のターゲットエリア内の第1〜第4吸着部の数が12個である場合で、吸着・非吸着の誤検出数時間変化を示したグラフである。
図15は、第1実施形態のターゲットエリア内の第1〜第4吸着部の数が4個である場合に、吸着・非吸着の誤検出数の時間変化を示したグラフである。
図16は、第1実施形態の第1変形例の移載装置において、2つの吸着パッド群に物品(ターゲットエリア)が跨った第1状態を示した平面図である。
図17は、第1実施形態の第1変形例の移載装置において、3つの吸着パッド群に物品(ターゲットエリア)が跨った第2状態を示した平面図である。
図18は、第2実施形態の移載装置の保持部、第1〜第4吸着部、ターゲットエリアを示し、ターゲットエリア内において第1〜第4吸着部の吸引ユニットに対する接続を開とし、ターゲットエリア外において第1〜第4吸着部の吸引ユニットに対する接続を閉とした状態を示した模式図である。
図19は、図18に示す移載装置において、ターゲットエリア内において吸着状態にある第1〜第4吸着部と、非吸着状態にある第1〜第4吸着部と、を示した模式図である。
図20は、図18に示す移載装置において、ターゲットエリア内において吸着状態にある第1〜第4吸着部の吸引ユニットに対する接続を開とし、非吸着状態にある第1〜第4吸着部の吸引ユニットに対する接続を閉とした状態を示した模式図である。
図21は、第2実施形態において吸引ユニットから1個の第1吸着部に対してのみ負圧を作用させ、吸引ユニットに対する他の吸着部(第1〜第4吸着部)の接続を閉とした場合に、物品に吸着した第1吸着部内の圧力の応答波形を示すグラフである。
図22は、第2実施形態において吸引ユニットから12個の吸着部(第1〜第4吸着部)に対してのみ負圧を作用させ、そのうち1個のみが物品に吸着し他の11個の吸着部(第1〜第4吸着部)が吸着に失敗した状態で、各吸着部内の圧力の応答波形を示すグラフである。
図23は、第3実施形態の移載装置のマニピュレータ部および第2センサ部を示した模式図である。
図24は、第3実施形態の移載装置の動作を示すフローチャートである。

実施例

0008

近年、流通物流分野では、通信販売の拡大による物品(物体荷物、ワーク)の取扱量増加傾向にある。一方、日本国内においては少子高齢化背景とした労働力不足が懸念され、物流現場の省人化・自動化ニーズは急速に高まっている。先進的物流センターでは従来、保管入出庫作業や搬送・仕分け作業などはマテリアルハンドリング機器活用により自動化が進展してきている。しかし、荷降ろしやピッキングといった作業は多種多様な荷物を高速かつ安定的に取り扱う必要があり、依然として人手に頼った作業となっている。宅配運送会社では、運搬作業並びに移載作業の効率化のため、通称かご台車」が多く利用される。かご台車は、外周の3面がで囲まれ1面が開口している。物流施設の自動化要望作業の一つに、かご台車に積載された数kgから数十kgの多種多様な荷物を、搬送用コンベアに順次投入する荷降ろし作業がある。この荷降ろし作業は、長時間にわたり作業従事者の一定の処理能力維持が要求されるため、肉体的・精神的負担が大きい。荷降ろし作業を自動化する自動化機器には、作業従事者と同等以上の高速性と安定性を兼ね備える荷物ハンドリング技術が要求される。

0009

このように、段ボール箱等の箱状荷物の荷降ろし作業を行う自動化機器では、産業用ロボットなどの多関節マニピュレータの先端部に物体を保持するための保持機構を配置した構成が多い。配置した保持機構で、複数列複数段荷積みされた荷物を保持し、上層から順次運搬することで、荷降ろし作業を実現する。荷物を保持しながら移動させる移載装置の保持機構としては、複数の指部で物体を挟み込むグリッパ方式と真空吸着パッドを利用した真空吸着方式が広く採用される。グリッパ方式では、互いの指部が接離して動作する複数の指部を備え、指部の相互間隔縮小することによって物体と指部が接触し、複数の指部で物体を挟みこむことで物体を保持する。グリッパ方式では摩擦力で物体を挟持するため、保持可能な物体種類が多い。一方、真空吸着方式では、荷物と真空吸着パッドとの接触内部空間の空気を排出することで内部空間の圧力を下げ大気圧との差圧荷物保持するため、保持機構寸法よりも大きな荷物でも保持可能である。上記理由により、荷物の大きさが未知な環境では、保持機構としては主に、真空吸着パッドを利用した真空吸着方式が広く採用される。保持機構としては、荷物上面を吸着保持することを想定し、平板の底面に真空吸着パッドを複数配置した形態が採用される。

0010

以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。本実施形態の移載装置では、上記したもののうち真空吸着方式を採用した。全図を通して同一の構成要素に同一の参照符号を付して、重ねての説明を省略する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部の大きさは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。

0011

[第1実施形態]
第1の実施形態について図1から図15を参照して説明する。以下では、水平面方向にX軸方向、Y軸方向を定義し、鉛直方向にZ軸方向を定義して説明する。

0012

図1図4に示すように、移載装置11は、マニピュレータ部12と、制御部13と、認識部14と、移載前の物品が載置される載置部15と、載置部15に載置された物品16と、物品16の移載先となる搬送部17と、制御部13に対して並列的に接続された第1〜第4流体制御装置18A〜18Dと、を備える。物品16は、段ボール箱等に入れられた製品や、パッケージされた製品、或いは製品そのものを含む。

0013

図1に示すように、搬送部17は、マニピュレータ部12に保持された物品16を載置して搬送する箇所である。搬送部17は、例えば、ベルトコンベア21と、ベルトコンベア21に接続されベルトコンベア21の動作を制御する搬送制御部22と、を備える。ベルトコンベア21は、所定の方向に並んだ複数のローラ23と、ローラ23の周囲に巻かれたベルト24と、を有する。ベルトコンベア21は、複数のローラ23を所定の方向に回転することによりベルト24を駆動し、物品16を搬送できる。搬送部17は、ベルトコンベア21に限定されず、ローラコンベアやその他のソータ等を含んでいてもよい。

0014

搬送制御部22は、ベルトコンベア21の駆動、例えば搬送速度や搬送方向を制御する。搬送制御部22は、制御部13と接続されて信号のやりとりをすることができる。搬送制御部22は、例えばCPU、ROM、RAM、メモリ補助記憶部、ハードディスクドライブを備えたコンピュータである。搬送制御部22には、予めプログラムインストールされる。搬送制御部22は、当該プログラムにより搬送部17を自動化機器として制御できる。搬送部17は、作業者が搬送制御部22を介して手動で操作することにより制御しても良い。搬送制御部22は、制御部13に含まれても良い。

0015

載置部15は、物品16が積載あるいは載置される箇所である。載置部15は、、かご台車、スチール台車、ボックスパレットパレット等で良い。載置部15は、移動可能であっても良い。

0016

図1に示すように、認識部14は、第1〜第3画像センサ25A〜25Cと、第1〜第3画像センサ25A〜25Cそれぞれと繋がる計算機26と、を備える。認識部14は、載置部15に載置された複数の物品16を認識する。計算機26は、制御部13と接続されており制御部13との間で各種の信号をやりとりできる。

0017

第1画像センサ25Aは、例えば、載置部15に載置された複数の物品16に対して斜め上かつ前方に位置する。第2画像センサ25Bは、例えば、載置部15に載置された複数の物品16に対して上方に位置する。第3画像センサ25Cは、例えば、載置部15に載置された複数の物品16に対して斜め下かつ後方に位置する。第1〜第3画像センサ25A〜25Cのそれぞれは、移動可能であっても良い。第1〜第3画像センサ25A〜25Cは、距離画像センサ又は赤外線ドットパターン投影方式カメラなどの三次元位置計測可能なカメラで構成されうる。赤外線ドットパターン投影方式カメラは、赤外線のドットパターンを物品16に投影し、その状態で載置部15に載置された物品16の赤外線画像撮影する。計算機26は、第1〜第3画像センサ25A〜25Cから得た赤外線画像を解析することで、物品16の3次元情報を得ることが可能である。赤外線ドットパターン投影方式カメラは、カラー画像又はモノクロ画像を撮影可能であっても良い。また、赤外線ドットパターン投影方式カメラの他に、カラー画像又はモノクロ画像を取得するカメラなどの光学センサを含んでいても良い。画像は、例えば、jpg、gif、pngやbmp等の一般的に用いられている画像データでも良い。本実施形態において、画像センサの数は、3個に限定されるものではなく、少なくとも1つ以上であれば良く、2つ以上の複数であっても良い。

0018

計算機26は、第1〜第3画像センサ25A〜25Cから出力されるデータに基づいて物品16の位置情報導出する。物品16の3次元位置情報は、制御部13へ出力される。計算機26は、一般的なコンピュータで構成され、例えばCPUやメモリや補助記憶部などを備え、プログラム等を実行する。なお、計算機26の全て又は一部は、ASICPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。また、計算機26は、制御部13に含まれていても良い。制御部13は、物品16の位置情報に基づいてマニピュレータ部12を制御する。

0019

図4に示すように、本実施形態では、第1〜第4流体制御装置18A〜18Dは、1個の制御部13に並列的に接続されているが、第1〜第4流体制御装置18A〜18Dがそれぞれ制御部13を有していてもよい。図2に示すように、第1流体制御装置18Aは、吸引ユニット27と、加圧ユニット28と、方向制御弁31と、第1流体制御装置18Aに対応する第1吸着部32Aに接続される複数(例えば、12個)のチューブ33と、複数(例えば、12個)のセンサ部34と、を有する。第2〜第4流体制御装置18B〜18Dのそれぞれは、第1流体制御装置18Aと同様の構成を有する。第2流体制御装置18Bに関し、複数(例えば、12個)のチューブ33は、第2流体制御装置18Bに対応する第2吸着部32Bに接続される。第3流体制御装置18Cに関し、複数(例えば、12個)のチューブ33は、第3流体制御装置18Cに対応する第3吸着部32Cに接続される。第4流体制御装置18Dに関し、複数(例えば、12個)のチューブ33は、第4流体制御装置18Dに対応する第4吸着部32Dに接続される。

0020

吸引ユニット27は、一般的な真空ポンプで構成される。第1〜第4流体制御装置18A〜18Dのそれぞれの吸引ユニット27は、後述する第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれに対して負圧を供給できる。吸引ユニット27は、真空ポンプ以外に、加圧ユニット28と真空発生器とを組み合わせて負圧を発生させてもよい。第1流体制御装置18Aの吸引ユニット27は、第1負圧発生源に対応し、ただし、第2流体制御装置18Bの吸引ユニット27は第2負圧発生源に対応し、第3流体制御装置18Cの吸引ユニット27は第3負圧発生源に対応し、第4流体制御装置18Dの吸引ユニット27は第4負圧発生源に対応し、第1〜第4負圧発生源は独立である。本明細書では、便宜上、第2〜第4負圧発生源をまとめて第2負圧発生源と記載している。

0021

加圧ユニット28は、一般的なコンプレッサ空気圧ポンプエアーポンプ)などで構成される。加圧ユニット28は、後述する第1吸着部32Aおよび第2吸着部32Bに対して真空破壊のための空気圧正圧)を供給できる。加圧ユニット28は、コンプレッサや空気圧ポンプ以外にも工場内の空気パイプ代用してもよく、当該空気パイプから高圧の空気を得てもよい。チューブ33は、弾性材料によって円筒形に形成される。チューブ33は、真空にも耐えうる十分な剛性を有する。チューブ33は、フレキシブルチューブであることが望ましい。

0022

複数のセンサ部34のそれぞれは、複数のチューブ33のそれぞれの途中に介在されている。センサ部34は、一般的な圧力センサで構成され、チューブ33の内部の負圧
(負圧を含む圧力)を計測することができる。センサ部34は、圧力センサの代わりに流量センサを用いてもよいし、圧力センサと流量センサとの両方を備えていても良い。

0023

図2に示すように、方向制御弁31は、全体としてマニホールド形をなした電磁弁であり、内部に枝分かれした複数の流路35と、流路35の途中に設けられた複数の弁部36と、を有する。このため、方向制御弁31は、例えば、1個の吸引ユニット27からの負圧を複数のチューブ33に対して供給することができる。そして制御部13の制御下において、電磁弁の機能によって弁部36を開閉動作させて、1個のチューブ33に対する負圧の供給・非供給を切り替えることができる。同様に、方向制御弁31は、例えば、1個の加圧ユニット28からの空気圧(正圧)を複数のチューブ33に供給することができる。そして制御部13の制御下において、電磁弁の機能によって1個のチューブ33に対する空気圧の供給・非供給を切り替えることができる。なお、方向制御弁31は、電磁弁に限られず、空気圧や油圧によって動作するものであってもよい。方向制御弁31の一端側には、加圧ユニット28および吸引ユニット27が接続される。方向制御弁31は、加圧ユニット28に接続された状態と、吸引ユニット27に接続された状態と、を切り替えることができる。そして、方向制御弁31の他端側は、チューブ33を介して、第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの内部空間38に連通されている。

0024

図1に示すようにマニピュレータ部12は、基台部41と、基台部41に取り付けられたマニピュレータ本体42と、マニピュレータ本体42の先端に配置され物品16を保持可能な保持部43と、を備える。マニピュレータ本体42は、複数(例えば、少なくとも2つ)のロッド状のリンク44と、リンク44の端部同士を接続する複数の関節部45と、を備える。本実施形態において、関節部45は、1個の回転軸方向に回転可能になっているが、関節部45の回転方向は1個の回転軸方向に限定されるものではない。関節部45は、多軸方向に回転可能であってもよい。また関節部45は、回転に限定されず直動可能であっても良い。マニピュレータ本体42は、保持部43を物品16(載置部15)に対向する第1位置から移動先(搬送部17)の第2位置まで移動可能な移動機構の一例である。

0025

関節部45は、例えば、回転軸と、回転軸と同軸上に配置されたモータと、モータの駆動状態を検出する計測センサ(検出部)と、モータの回転速度を減速するとともにトルクを増大させる減速機と、をその内部に有する。マニピュレータ本体42は、モータの駆動により各リンク44をそれぞれ回転可能である。これにより、先端に配置された保持部43を移動する。マニピュレータ本体42は、いわゆる垂直多関節型ロボットである。また、マニピュレータ本体42は、上記構成の他に、3軸(XYZ軸)方向の直動機構で構成されても良いし、両構成の組み合わせでも良い。

0026

計測センサ(検出部)は、例えば、モータの回転角(モータの回転変位量)、回転数、モータの速度、モータの負荷等を計測するロータリーエンコーダポテンショメータで構成され、モータの駆動状態を計測できる。検出部は、ロータリーエンコーダやポテンショメータ以外にも、モータの駆動状態が判れば他のセンサであってもよい。計測センサ(検出部)は、例えば、変位センサ超音波センサ可変抵抗静電容量センサパルスコーダファイバセンサレーザ変位センサ電流センサ等であってもよい。計測センサ(検出部)は、その他、基準点からの距離や角度に応じて電圧又は電流を出力するセンサであっても良い。これらのセンサにより計測された情報は、制御部13に送信される。減速機は、モータの回転速度を減速し、関節部45の回転速度を定める。減速比は、モータの回転数や生成トルク等により適宜調整される。回転速度やトルク生成をモータ側で調整する場合、減速機は、必須の構成ではない。

0027

図1に示すように、基台部41は、マニピュレータ本体42の端部を固定するとともにマニピュレータ本体42をZ軸回りに回転可能に支持する。基台部41は、例えば床面や地面に固定的に設置される。或いは基台部41は、移動可能な台車等で構成されていてもよく、基台部41が床面上を移動することによってマニピュレータ部12が移動可能であっても良い。

0028

図1図3に示すように、保持部43は、マニピュレータ本体42が移動することにより物品16の方向に移動可能である。保持部43は、方形の平板状の平板部46と、平板部46に取り付けられた複数の第1吸着部32Aと、平板部46に取り付けられた複数の第2吸着部32Bと、平板部46に取り付けられた複数の第3吸着部32Cと、平板部46に取り付けられた複数の第4吸着部32Dと、を有する。保持部43には、複数の貫通孔47が格子点状に設けられている。一つの貫通孔47の内側には一つの第1吸着部32Aの第1シャフト48Aが通され、他の一つの貫通孔47の内側には一つの第2吸着部32Bの第2シャフト48Bが通され、他の一つの貫通孔47の内側には一つの第3吸着部32Cの第3シャフト48Cが通され、他の一つの貫通孔47の内側には一つの第4吸着部32Dの第4シャフト48Dが通されている。第2〜第4吸着部32Dのすべては、請求項にいう第2吸着部に対応する。

0029

複数の第1吸着部32A、複数の第2吸着部32B、複数の第3吸着部32C、複数の第4吸着部32Dは、貫通孔47および第1シャフト48A(第2シャフト48B、第3シャフト48C、第4シャフト48D)を介して、平板部46の平面の法線方向に沿って進退移動することができる。第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれは、少なくとも1つ以上設けられている。ここで、複数の第1吸着部32Aは第1吸着部群32Aを構成し、以下同様に、複数の第2吸着部32Bは第2吸着部群32Bを構成し、複数の第3吸着部32Cは第3吸着部群32Cを構成し、複数の第4吸着部32Dは第4吸着部群32Dを構成する。

0030

図2図3に示すように、第1吸着部32Aは、内側に内部空間38を有するように碗状になった第1吸着パッド37Aと、第1吸着パッド37Aに連なる円筒形の第1シャフト48Aと、第1シャフト48Aの下端近傍と保持部43の下面との間に介在されたサスペンション(ばね)と、を有する。第2吸着部32Bは、内側に内部空間38(第2内部空間)を有するように碗状になった第2吸着パッド37Bと、第2吸着パッド37Bに連なる円筒形の第2シャフト48Bと、第2シャフト48Bの下端近傍と保持部43の下面との間に介在された第2サスペンション(ばね)と、を有する。第3吸着部32Cは、内側に内部空間38(第3内部空間)を有するように碗状になった第3吸着パッド37Cと、第3吸着パッド37Cに連なる円筒形の第3シャフト48Cと、第3シャフト48Cの下端近傍と保持部43の下面との間に介在された第3サスペンション(ばね)と、を有する。第4吸着部32Dは、内側に内部空間38(第4内部空間)を有するように碗状になった第4吸着パッド37Dと、第4吸着パッド37Dに連なる円筒形の第4シャフト48Dと、第4シャフト48Dの下端近傍と保持部43の下面との間に介在された第4サスペンション(ばね)と、を有する。第1〜第4吸着パッド37A〜37Dのそれぞれは、ゴム状の弾性体によって形成される。

0031

第1シャフト48A、第2シャフト48B、第3シャフト48C、および第4シャフト48Dは、それぞれ対応するチューブ33に接続される。このとき、第1吸着部32Aは、第1流体制御装置18Aの吸引ユニット27および加圧ユニット28から負圧および空気圧(正圧)の供給を受ける。第2吸着部32Bは、第2流体制御装置18Bの吸引ユニット27および加圧ユニット28から負圧および空気圧(正圧)の供給を受ける。第3吸着部32Cは、第3流体制御装置18Cの吸引ユニット27および加圧ユニット28から負圧および空気圧(正圧)の供給を受ける。第4吸着部32Dは、第4流体制御装置18Dの吸引ユニット27および加圧ユニット28から負圧および空気圧(正圧)の供給を受ける。このため、第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれに対して、負圧および空気圧(正圧)を供給する供給源は、互いに独立(別系統)となっている。

0032

図4では保持部43が有する複数の吸着パッド群を示す。保持部43は、第1〜第4吸着パッド群51A〜51Dを有する。第1吸着パッド群51Aは、複数(例えば、12個)の第1吸着パッド37Aを有する。第2吸着パッド群51Bは、複数(例えば、12個)の第2吸着パッド37Bを有する。第3吸着パッド群51Cは、複数(例えば、12個)の第3吸着パッド37Cを有する。第4吸着パッド群51Dは、複数(例えば、12個)の第4吸着パッド37Dを有する。なお、本実施形態の第2吸着パッド37B、第3吸着パッド37C、および第4吸着パッド37Dは、請求項にいう第2吸着パッドに対応する。なお、吸着パッド群の数および各吸着パッド群に含まれる吸着パッドの数は任意であり、用途に応じて適宜に変更できる。

0033

図4に示すように、第1吸着パッド群51Aに含まれる第1吸着パッド37Aは、第1流体制御装置18A(方向制御弁31)にチューブ33を介して接続される。第2吸着パッド群51Bに含まれる第2吸着パッド37Bは、第2流体制御装置18B(方向制御弁31)にチューブ33を介して接続される。第3吸着パッド群51Cに含まれる第3吸着パッド37Cは、第3流体制御装置C(方向制御弁31)にチューブ33を介して接続される。第4吸着パッド群51Dに含まれる第4吸着パッド37Dは、第4流体制御装置18D(方向制御弁31)にチューブ33を介して接続される。なお、保持部43の構成は、この限りではなく例えば1つの第1吸着パッド群51Aから構成されていてもよい。

0034

図3に示すように、第1〜第4シャフト48A〜48Dおよび第1〜第4サスペンションは、高さが異なる2以上の物品16を吸着保持する際に、物品16同士の高さ違いを吸収できる。すなわち、物品16の高さが小さいときは、第1〜第4シャフト48A〜48Dが保持部43から大きく突出するとともに、第1〜第4サスペンションの作用によってその突出状態が維持される。逆に物品16の高さが大きいときは、第1〜第4シャフト48A〜48Dの突出量が小さくなるとともに、第1〜第4サスペンションの作用によってその突出状態が維持される。このような構造によって、物品16同士の高さの違いを吸収して、高さの異なる複数の物品16を同時に吸着・保持できる。なお、第1〜第4サスペンションを備えることは吸着部の必須の構成ではない。第1〜第4サスペンションを備えていない場合に、物品16同士の高さ違いを吸収するのは吸着パッドのゴム状の弾性体の変形量のみに依存することとなる。

0035

図1図2に示すように、制御部13は、マニピュレータ部12と、第1〜第4流体制御装置18A〜18Dの方向制御弁31と、加圧ユニット28、吸引ユニット27と、にそれぞれ接続されるとともに、これらを制御する。

0036

図5に示すように、制御部13は、入力部52と、表示部53と、制御部本体54と、を有する。制御部本体54は、一般的なコンピュータで構成される。すなわち、制御部本体54は、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、各種のドライバと、これらを実装するとともにこれらを互いに電気的に接続するプリント配線板と、を有するが、これ以外に例えばハードディスクドライブ等の記憶装置を含んでいてもよい。なお、制御部本体54の全部又は一部は、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。

0037

記憶装置として、磁気テープカセットテープ等のテープ系、CD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカードメモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROMEPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いてもよい。制御部本体54は、機能的には、コマンド生成部55と、目標指令値を生成する目標値生成部56と、駆動制御部57と、信号処理部58と、判定部61と、を備える。制御部本体54の備える各機能的部分は、ハードディスクドライブ等にインストールされたソフトウェアによって実現されてもよいし、或いは、上記プリント配線板上に実装された各種のIC等のチップ部品、CPU、ROM、RAM、およびハードディスクドライブや、その他回路によってハードウェア的に実現されてもよい。

0038

入力部52は、例えばタッチパネルとして表示部53と一体的に構成され、作業者(ユーザ)からの指示を受け付けることができる。入力部52は、表示部53とは別に設けられたキーボードで実現されてもよい。入力部52は、制御部13から物理的に分離して設けられていてもよく、無線有線によって離れた場所から入力可能なリモコンとして実現されても良い。また入力部52は、マイクで構成されていてもよく、この場合に作業者の音声により指示を入力することもできる。入力部52には、マニピュレータ部12に対する動作指令情報が入力される。入力部52は、動作指令情報をコマンド生成部55に送信する。なお、入力部52は、移載装置11が認識部14によって自動で物品16を認識して駆動する場合は、必ずしも必要な構成では無い。

0039

制御部本体54が無線を介して外部と通信をする場合には、入力部52は通信部として機能する。入力部52は、外部コンピュータサーバからの動作指令情報を受信する。入力部52は、無線通信装置で構成されることが好ましいが、それ以外にも、入力部52が通信ネットワークと接続されていても良い。通信ネットワークとしては、例えば、インターネットイントラネットエキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網仮想専用網(virtual private network)、電話回線網移動体通信網衛星通信網等が利用可能である。通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送ケーブルTV回線電話線ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR携帯電話網衛星回線地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。

0040

コマンド生成部55は、動作指令情報、認識部14での物品16の認識結果に基づいて各動作プロセスで必要となる動作手順動作コマンドとして生成する。コマンド生成部55は、実行される動作コマンドに応じた各動作モード情報を生成する。動作コマンドは、マニピュレータ部12の一連の動作に関するコマンドであり、例えばプログラムとしての情報である。動作モード情報は、個別の動作に関する情報であり、例えば、保持部43を「上昇させる」や「下降させる」といった動作に関する情報である。コマンド生成部55は、動作モード情報等をRAMや記憶装置に記憶させる。なお、記憶装置には、保持する対象となる物品16の形状、重量や柔軟性等の属性データも予め記憶されていても良い。

0041

コマンド生成部55は、動作コマンドを目標値生成部56へ出力する。また、コマンド生成部55は、動作コマンドの各動作モードと記憶装置に記憶されている実際の動作情報紐付けて判定部61に出力する。

0042

目標値生成部56は、コマンド生成部55からマニピュレータ本体42および保持部43に対する動作コマンドが入力される。目標値生成部56は、マニピュレータ本体42および保持部43の目標指令値を生成する。目標指令値は、駆動制御部57に出力される。

0043

駆動制御部57は、目標値生成部56からマニピュレータ本体42および保持部43の目標指令値が入力され、目標指令値に応じてマニピュレータ本体42および保持部43を駆動するための駆動指令情報を生成する。駆動指令情報は、ドライバ62へ出力される。

0044

ドライバ62は、駆動制御部57からマニピュレータ本体42および保持部43の駆動指令情報が入力され、駆動出力を生成する。マニピュレータ本体42および保持部43は、ドライバ62から駆動出力を受信し、方向制御弁31やモータ等を動作させて駆動量を調整する。

0045

信号処理部58は、マニピュレータ本体42および保持部43の駆動による各種センサ(センサ部や加圧ユニット・吸引ユニットに取り付けられたセンサ等)の信号を受信し、その信号に対して信号増幅処理やアナログデジタル変換処理等を行う。

0046

判定部61は、信号処理部58で変換されたセンサ信号が入力される。判定部61は、センサ信号に応じて保持部43の駆動量の調整、載置環境の傾斜の有無、物品の姿勢、物品16の保持状態等を判定する。判定部61は、後述する第1〜第4判定回路63A〜63Dを有する。判定部61は、コマンド生成部55から動作コマンドに対応するマニピュレータ本体42および保持部43の動作情報を受信する。判定部61は、この動作情報とセンサ信号による情報を比較する。判定部61は、この比較結果に基づいてマニピュレータ本体42および保持部43の駆動の停止や物品状態に応じたマニピュレータ本体42の姿勢補正等の動作コマンドを生成する。判定部61は、コマンド生成部55に対して動作コマンドを修正する戻り値コマンドを出力する。戻り値コマンドによりコマンド生成部55は、動作コマンドを補正し入力部で入力された動作指令情報に適した処理動作を実行できる。判定部61は、受信した動作情報およびセンサ信号が目標値に合致或いはほぼ合致したときに、駆動停止制御信号を駆動制御部57に出力する。これらの制御により保持部43の動作の信頼性および確実性が向上される。

0047

次に、図6から図13を参照して、本実施形態にかかる移載装置11の動作の一例について説明する。

0048

移載装置11の電源オンされると、制御部本体54は、第1〜第4流体制御装置18A〜18Dの吸引ユニット27のそれぞれと、加圧ユニット28のそれぞれとを起動する。これにより、吸引ユニット27のそれぞれは負圧を発生させ、加圧ユニット28のそれぞれは空気圧(正圧)を発生させる。また、吸引ユニット27と加圧ユニット28の起動は、移載装置11の起動と連動する必要は必ずしもなく、例えば個別に吸引ユニット27または加圧ユニット28を手動で起動してもよい。制御部13は、方向制御弁31を制御して、第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれと吸引ユニット27のそれぞれが接続する方向に内部の流路35を切り替える。これによって、第1〜第4流体制御装置18A〜18Dの吸引ユニット27から供給された負圧が第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれに作用する。さらに、センサ部34は、第1〜第4吸着部32A〜32Dが物品16に吸着していない状態で(空吸引状態で)複数の第1〜第4吸着部32A〜32Dのすべてについて圧力の測定値(基準値)を取得する。またこのとき、例えば第1吸着部32Aに属する吸着部が12個であった場合、12個の空吸引状態の圧力の測定値(基準値)を取得するだけではなく、吸着部が11個〜1個までの空吸引状態の圧力の測定値(基準値)を取得してもよい。以降に詳細を述べるが、例えばターゲットエリア64内の第1吸着部32Aに属する吸着部が8個の場合は、空吸引状態の圧力の測定値(基準値)は8個の時に取得した測定値(基準値)を利用して、較正処理キャリブレーション)を実施すれば、さらに吸着・非吸着の判定精度は向上する。基準値は、一定時間測定することで得られた測定値のうちの一つであってもよいし、一定時間測定することで得られた複数の測定値を平均した平均値であってもよい。センサ部34は、取得した基準値を記憶装置に記憶させる。なお、基準値はセンサ部34の内部に記憶されてもよい。これによって、事前の準備が完了する。

0049

制御部本体54は、認識部14の第1〜第3画像センサ25A〜25Cによって載置部15に載置された複数の物品16の3次元位置情報を認識する(図6のステップS11)。制御部本体54は、3次元位置情報から移載対象となる物品16を選定する(ステップS12)。この選定は、例えば、最も高い位置にある物品16を優先して選定する。これによって、高さの低い物品16を先に取りに行こうとして、保持部43によって高い位置にある物品16を押しつぶしてしまう危険を排除する。これと同時に、制御部本体54は、3次元位置情報から、移載対象として選定した物品16の頂面に対応するターゲットエリア64を設定し、このターゲットエリア64内に配置可能な第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの数を算出する。

0050

制御部本体54は、物品16の位置に応じてマニピュレータ本体42を駆動し、保持部43を物品16の位置まで移動させる(ステップS13)。移動は、例えば、X方向Y方向の保持部43の移動を先に行い、物品16の真上に保持部43が位置した状態で、Z方向に保持部43を移動させる。第1〜第4吸着部32A〜32Dの第1〜第4吸着パッド37A〜37Dが物品16に当接した状態で、所定時間経過後に第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの内部空間38の圧力が所定の圧力以下になると、第1〜第4吸着部32A〜32Dに物品16が吸着された状態となる。これによって、保持部43で物品16を保持できる(ステップS14)。なお、マニピュレータ部12は、同時に複数の物品16を保持・移載することもできる。

0051

続いて、判定部61の第1〜第4判定回路63A〜63Dによって保持が成功しているか否かが判断される(ステップS15)。このステップS15の詳細を図7に示す。

0052

基準値の測定は、上記した事前の準備によって物品16に第1〜第4吸着部32A〜32Dを吸着させる前に行われている。制御部本体54は、事前の準備で測定された基準値を、例えば記憶装置から取得する(図7、ステップS21)。続いて、ステップS22の事前処理では、(1)較正処理(キャリブレーション)と、(2)標準偏差の取得と、(3)第1閾値の設定と、を行う。なお、図2の構成が本実施例の最小構成であることから、図4の構成は本実施例の最小構成が4組含まれるという捉え方をしても良い。そのため下記で述べる、(1)較正処理、(2)標準偏差の取得、(3)第1閾値の設定の処理においては、第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの領域において独立して判定処理される。

0053

(1)較正処理では、制御部本体54は、ターゲットエリア64内に位置する複数の第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれについて、内部空間38の圧力の実測値計測値)をセンサ部34を介して取得する。そして、制御部13は、ターゲットエリア64内に位置する複数の第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれにおいて、実測値(計測値)から基準値(較正値)を減算して、較正された測定値を得る。例えば、ターゲットエリア64内に位置する吸着部の数が12個であった場合には、較正された12個の測定値を得る。これによって、空吸引状態で吸着部ごとに生じる圧力値の大きさの違い(吸着部の位置による圧力値のばらつき)や、センサ部34ごとの検出感度のばらつきの影響を低減できる。上記のようにして取得された、それぞれの内部空間38の較正された測定値の一例を図8中に示す。

0054

(2)では、制御部本体54は、(1)で得られたターゲットエリア64内に位置する複数の第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの測定値から、標準偏差を算出する。制御部本体54によって算出される標準偏差は、複数の測定値のばらつきの指標の一例である。制御部本体54(第2判定回路63B)は、複数の測定値のばらつきの指標の他の例として、分散やその他指標(正規分布)等を用いてもよい。

0055

(3)では、制御部本体54は、(1)で得られたターゲットエリア64内に位置する第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの測定値の平均値から、第1閾値を設定する。このとき、平均値の算出方法としては、特定の数値重みづけを行った加重平均を採用することが好ましい。本実施形態では、制御部本体54は、最大値寄りの測定値の重みを大とし、最小値寄りの測定値の重みを小とした加重平均値を用いる。

0056

加重平均は、例えば、ターゲットエリア64内に位置する第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれに対応する測定値(例えば、ターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれにおいて、ターゲットエリア64内に位置する吸着部の数が12個であった場合には第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの吸着部の数は12個となる。ターゲットエリア64の範囲によっては、例えば第1吸着部32Aの吸着部の数は4個、第2吸着部32Bの吸着部の数は8個、第3吸着部32Cの吸着部の数は8個、第4吸着部32Dの吸着部の数は4個といった状況も発生しうる。)の測定値のうち、最大値および最小値を認定し、
(加重平均値)=(2×(最大値)+(最小値))/3 ・・・式1
の式1で加重平均値を得る。この加重平均値によって、算術平均値よりも最大値側に寄った位置に閾値を設定することができる。制御部本体54は、この加重平均値を第1閾値として記憶装置に記憶する。加重平均値の算出は、測定開始から所定時間(例えば、230ミリ秒)経過後で、第2の所定時間(例えば、数秒)が経過する前のタイミングで行うことが望ましい。なお、平均値の算出方法は、加重平均に限られるものではなく、算術平均相加平均)であってもよい。測定値から最大値および最小値を算出する方法は、選択アルゴリズムとしてバブルソートや選択ソートなどを用いてもよい。

0057

制御部本体54は、ステップS23において、ターゲットエリア64内に位置する第1〜第4吸着部32A〜32Dのうち、それぞれの第1〜第4吸着部32A〜32Dにおいてすべてが非吸着となっている非吸着状態を検出する。その際、制御部本体54の判定部61の第2判定回路63Bは、上記標準偏差が予め設定した第2閾値よりも小さいという条件1を充たすか否かを判定する。ステップS23において、第2閾値は、固定閾値であり、その一例として、0.7kPaである。この場合の算出された標準偏差と第2閾値との関係を図9に示す。さらに、制御部本体54の判定部61の第3判定回路63Cは、ターゲットエリア64内に位置する第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの測定値の全てが予め設定した第3閾値よりも大きいという条件2を充たすか否かを判定する。第3閾値は、固定閾値であり、例えば−20kPaである。この場合の第3閾値と測定値との関係の一例を図8に示す。これらの条件1および条件2を充たすか否かの判定は、測定開始から所定時間(例えば、230ミリ秒)経過後で、第2の所定時間(例えば、数秒)が経過する前のタイミングで行うことが望ましい。制御部本体54は、条件1、条件2を両方充たすと判定したときに、ターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dの対応する吸着部においてすべてが非吸着となった全非吸着状態であると判定する。全非吸着状態であると判断された場合には、ステップS26、ステップS28に進んで、制御部本体54は、保持成功可否の判定をする。全非吸着状態と判定されたケースでは、制御部本体54は、物品16の保持が成功しないと判定する。例えば、「ターゲットエリア64内の第1吸着部32Aの吸着部は非吸着であるが、ターゲットエリア64内の第2吸着部32B〜第4吸着部32Dの吸着部は非吸着ではない」と検出された場合は、制御部本体54は、物品16の保持が成功していると判定し、下記で説明する処理に移行する。

0058

ステップS23において、条件1および条件2の少なくとも一方を充たさないと判定されたとき、制御部本体54は、ステップS23から次のステップS24に進む。制御部本体54は、ステップS24において、ターゲットエリア64内に位置する第1〜第4吸着部32A〜32Dのすべてが物品16に吸着した全吸着状態を検出する。その際、制御部本体54の判定部61の第2判定回路63Bは、上記標準偏差が予め設定した第2閾値よりも小さいという条件3を充たすか否かを判定する。ステップS24において、第2閾値は、その一例として1.0kPaであるが、ステップS23の第2閾値と同様に0.7kPaであってもよい。この場合の算出された標準偏差と第2閾値との関係を図11に示す。さらに、制御部本体54の判定部61の第4判定回路63Dは、ターゲットエリア64内に位置する第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの測定値の全てが予め設定した第4閾値よりも小さいという条件4を充たすか否かを判定する。第4閾値は、固定閾値であり、例えば−30kPaである。この場合の第4閾値と測定値との関係の一例を図10に示す。これらの条件3および条件4を充たすか否かの判定は、測定開始から所定時間(例えば、230ミリ秒)経過後で、第2の所定時間(例えば、数秒)が経過する前のタイミングで行うことが望ましい。制御部本体54は、条件3、条件4を両方充たすと判定したときに、ターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dのすべてが物品16に吸着した全吸着状態であると判定する。全吸着状態であると判断された場合には、ステップS27、ステップS28に進んで、制御部本体54は、保持成功可否の判定をする。全吸着状態と判定されたケースでは、制御部本体54は、物品16の保持が成功すると判定される。

0059

ステップS24において、条件3および条件4の少なくとも一方を充たさないと判定されたとき、制御部本体54は、ステップS24から次のステップS25に進む。このステップでは、ターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれについて、吸着状態にあるか非吸着状態にあるかが判定される。

0060

制御部本体54の判定部61の第1判定回路63Aは、ターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの測定値が第1閾値を下回るという条件5を充たすか否かを判定する。この場合のイメージ図12に示す。図12では、第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれに属する吸着部12個のうち、8個で吸着が成功した状態を示している。(ターゲットエリア64内の第1吸着部32Aの吸着部の数は12個で、このうち8個で吸着が成功した状態である。第2〜第4吸着部32B〜32Dにおいても同様の状態とする。)。また、図13にこの状態の第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの圧力の測定値の標準偏差を示す。このように、第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれにおいて、非吸着状態と吸着状態とが混在している場合には、測定値がばらついている。条件5を充たすか否かの判定は、測定開始から所定時間(例えば、230ミリ秒)経過後で、第2の所定時間(例えば、数秒)が経過する前のタイミングで行うことが望ましい。また、条件5を充たすときに、第1判定回路63Aは、判定対象の第1〜第4吸着部32A〜32Dの各吸着部が吸着状態にあると判定する(ステップS27)。条件5を充たさないときには、第1判定回路63Aは、判定対象の第1〜第4吸着部32A〜32Dの各吸着部が非吸着状態にあると判定する(ステップS26)。ターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dのすべての吸着部について判定が完了したときに、物品16の保持に成功したか否かの判定は、例えば、次のように行うことができる。判定は、チューブ33の途中に位置するセンサ部34で取得された測定値の変化量が所定の値よりも大きい場合に物品16の保持に失敗したとしてもよいし、画像を取得することで測定した第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの変形量、等に基づいていてもよい。また、第1〜第4吸着パッド37A〜37Dのいくつかに別途接触センサ近接センサを配置して、センサ出力の変化から判定してもよい。或いは、判定基準は、物品16の種類や第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの負圧の大きさ、ターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dの数、等によって適宜に設定することもできる。吸着部の吸着力は当該吸着部の到達真空度と接触有効面積に基づいて算出可能であることから、一例として、物品16の重量が標準的な場合で、例えばターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dの数が12個であったときに、例えばその80%にあたる10個の第1〜第4吸着部32A〜32Dが吸着状態にあったときに、保持成功と判定する。一方、同じ条件で吸着状態にある第1〜第4吸着部32A〜32Dが9個以下であった場合には、保持失敗と判定する。

0061

物品16の保持に失敗したと判定した場合には、図6に示すフローに従い、ステップS15からステップS13にまで戻る。このとき、吸着した状態にある第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれを後述する方法で吸着解除し、制御部本体54は、保持部43をZ軸方向に一度上昇させる。その後に、方向制御弁31を吸引ユニット27と接続した状態にして保持部43を再度降下させて、第1〜第4吸着部32A〜32Dを物品16に当接させて、再度物品16を保持することを試みる。なお、本実施形態では、保持に失敗した場合に、再度同じ物品16を保持するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、保持に失敗した場合に他の物品16を優先して保持するように保持部43を移動させてもよい。或いは、ユーザ(オペレータ)に異常を通知してもよい。

0062

制御部本体54が保持に成功したと判定した場合には、マニピュレータ本体42を制御して保持部43とともに物品16を移動先まで移動させる(ステップS16)。物品16を移動先の搬送部17上に置いたときに、制御部本体54は、方向制御弁31を切り替えて第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれと加圧ユニット28とが接続された状態にする。これによって、すべての第1〜第4吸着部32A〜32Dから空気を放出させて物品と第1〜第4吸着部32A〜32Dとの吸着状態を解除(真空破壊)できる。これによって、第1〜第4吸着部32A〜32Dと物品16とを確実に分離できる(ステップS17)。これによって、物品16の移載作業を完了する。

0063

図14図15に、本実施形態の判定方法を用いた場合の誤判定の検出数を示す。ここでは、上記と同様の手法で第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれにおいて、吸着状態又は非吸着状態とを判定した結果が、実際の吸着状態とは異なる場合の数を示す。図14には、ターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの吸着部の数が12個である場合を示す。この場合には、吸着後150ミリ秒後において誤検出がゼロになった。図15には、ターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの吸着部の数が4個である場合を示す。この場合には、吸着後230ミリ秒後において誤検出がゼロになった。したがって、本実施形態では、吸着後から所定の時間(230ミリ秒)を経過した後で、第2の所定の時間(数秒)の経過前に、各判定に用いる基準値、測定値、標準偏差を取得することとしている。本実施形態では高速に吸着判定可能であるが、条件1と条件3で標準偏差を利用した閾値判定を実施しているため、吸着ユニット27の吸引性能配管経路の影響により、吸着直後では各測定値間のばらつきが生じるため、誤判定の要因となっている。

0064

第1実施形態によれば、以下のことがいえる。移載装置11は、負圧を発生する第1負圧発生源と、前記第1負圧発生源に接続された複数の第1吸着部32Aであって、複数の第1吸着部32Aのそれぞれは、内部空間38を有し、前記第1負圧発生源から内部空間38に導入された前記負圧によって物品16を吸着可能な複数の第1吸着部32Aと、複数の内部空間38の前記負圧に対応する複数の測定値を取得するセンサ部34と、前記複数の測定値から得られた平均値を第1閾値として設定し、前記第1閾値と前記複数の測定値とを比較して、前記第1閾値よりも前記測定値が小さい場合に当該測定値に対応する第1吸着部32Aが物品16に吸着した吸着状態にあると判定し、前記第1閾値よりも前記測定値が大きい場合に当該測定値に対応する第1吸着部32Aが物品16に吸着していない非吸着状態にあると判定する第1判定回路63Aと、を備える。

0065

判定方法は、複数の第1吸着部32Aの内部空間38の負圧に対応する複数の測定値から得られた平均値を第1閾値として設定し、前記第1閾値と前記複数の測定値とを比較して、前記第1閾値よりも前記測定値が小さい場合に当該測定値に対応する第1吸着部32Aが物品16に吸着した吸着状態にあると判定し、前記第1閾値よりも前記測定値が大きい場合に当該測定値に対応する第1吸着部32Aが物品16に吸着していない非吸着状態にあると判定する。

0066

これらの構成によれば、第1判定回路63Aにより平均値を基準に吸着・非吸着の判定を簡易に行えるために、別途に第2のセンサ部を設ける必要がなくなり、移載装置11の構造を簡略化して製造コストを低減できる。特に、上記移載装置11および上記判定方向を用いて安定して物品16を自動で取り出すことができれば、大幅な省力化・省人化を図ることができる。

0067

この場合、複数の測定値には、最大値および最小値が含まれ、前記平均値は、複数の測定値のうち、前記最大値寄りの前記測定値の重みを大とし、前記最小値寄りの前記測定値の重みを小とした加重平均値である。

0068

この構成によれば、最大値寄りの前記測定値の重みを大とした加重平均値を用いているために、最大値寄りに閾値を設定することができる。これによって第1吸着部32Aの各吸着部の吸着状態と非吸着状態の分離性が良好となり、誤判定に基づくエラーの発生や物品保持運搬時の落下を防止して、物品16の移載効率を向上できる。これによって、ロバスト性の高い移載装置11を実現できる。

0069

この場合、前記複数の測定値は、物品16に対応するターゲットエリア64内に位置する複数の第1吸着部32Aの複数の吸着部から取得する。この構成によれば、ターゲットエリア64内に対応する複数の測定値のみから第1閾値を設定できるために、低コストでより高精度な判定を実現できる。これによって、誤判定に基づくエラーの発生や物品保持運搬時の落下を防止して、物品16の移載効率を向上できる。

0070

移載装置11は、前記複数の測定値から得られたばらつきの指標が予め定められた第2閾値よりも小さいときに、複数の第1吸着部32Aの全てを前記吸着状態又は前記非吸着状態にあると判定する第2判定回路63Bを備える。この構成によれば、第2判定回路63Bにより、ばらつきの指標に基づき第1吸着部32Aの複数の吸着部の全てを吸着状態又は非吸着状態にあると簡単に判定できる。これによって、全吸着状態又は全非吸着状態といった特殊なケースについて、簡単に例外的なものとして判定フローから除外することができる。これによって、判定処理時間や判定の精度を向上できるとともに、誤判定に起因するエラーの発生回数を低減できる。

0071

移載装置11は、前記複数の測定値の全てが予め定められた第3閾値よりも大きいときに、複数の第1吸着部32Aの全てが前記非吸着状態にある全非吸着状態であると判定する第3判定回路63Cを備える。この構成によれば、上記のばらつきの指標に加えて、予め定められた閾値である第3閾値を用いて判定を行えるために、さらに精度よく全非吸着状態のような特殊なケースを判定フローから除外することができる。これによって、判定の精度を向上できるとともに、誤判定に起因するエラーの発生回数を低減できる。

0072

移載装置11は、前記複数の測定値の全てが予め定められた第4閾値よりも小さいときに、複数の第1吸着部32Aの全てが前記吸着状態にある全吸着状態であると判定する第4判定回路63Dを備える。この構成によれば、上記のばらつきの指標に加えて、予め定められた閾値である第4閾値を用いて判定を行えるために、さらに精度よく全非吸着状態のような特殊なケースを判定フローから除外することができる。これによって、判定の精度を向上できるとともに、誤判定に起因するエラーの発生回数を低減できる。

0073

移載装置11は、制御部13を備え、制御部13は、前記非吸着状態にある複数の内部空間38に対応する前記複数の測定値を複数の基準値としてセンサ部34を介して予め取得し、前記吸着状態にある複数の内部空間38に対応する複数の実測値をセンサ部34を介して取得し、前記複数の実測値のそれぞれからこれに対応する前記複数の基準値のそれぞれを減算することで前記複数の測定値を得る。

0074

この構成によれば、センサ部34により得られた測定値の較正を行うことができる。これによって、例えば、第1吸着部32Aの位置による圧力値のばらつきや、センサ部34の感度のばらつき等の影響を低減できる。

0075

(第1実施形態の第1変形例)
以下、図16図17を参照して、第1実施形態の第1変形例の移載装置11について説明する。第1変形例では、制御部本体54が保持部43をより多くの吸着パッド群(第1〜第4吸着パッド群51A〜51D)に跨らせるように制御する点で、第1実施形態とは異なっている。以下では、主として上記第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については、図示および説明を省略する。

0076

制御部本体54は、認識部14から得た3次元位置情報から、移載対象として選定した物品16の頂面に対応するターゲットエリア64を設定する。制御部本体54は、第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの寸法および第1〜第4吸着パッド37A〜37D間の間隔から、ターゲットエリア64内に配置可能な第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの数を算出する。例えば、図16に示す例の場合には、ターゲットエリア64内に縦4個×横3個の合計12個の吸着パッド(第1〜第4吸着パッド37A〜37D)が配置されることが算出される。

0077

本実施形態のように、各吸着パッド群(第1〜第4吸着パッド群51A〜51D)の縦方向の配置が2行である場合で、ターゲットエリア64内で縦方向に並ぶ第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの数が偶数(2の倍数)である場合には、図16に示すように所定の数(例えば2つ)の吸着パッド群に物品16が跨った第1状態と、図17に示すように所定の数よりも大きい数(例えば3つ)の吸着パッド群に物品16が跨った第2状態と、の両方のパターンが存在する。この場合に、第1状態では2つの吸引ユニット27から吸引力(負圧)を受け、第2状態では、3つの吸引ユニット27から吸引力(負圧)を受ける。このとき、通気性のある物品を保持する場合などにおいては第2状態のほうが吸引力が強くなり、物品16の保持力が大きくなり望ましい。制御部本体54は、各吸着パッド群(第1〜第4吸着パッド群51A〜51D)の縦方向の行数、およびターゲットエリア64内で縦方向に並ぶ第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの数、等の条件に基づいて、第2状態を優先的に選択し、3つの吸引ユニット27(第1負圧発生源、第2負圧発生源)から負圧を受けるような任意の位置に保持部43を移動させる。

0078

一方、本実施形態と同様に、各吸着パッド群(第1〜第4吸着パッド群51A〜51D)の縦方向の配置が2行である場合で、ターゲットエリア64内に縦方向に配置可能な第1〜第4吸着パッド37A〜37D数が奇数(2の倍数でない)である場合には、ターゲットエリア64に対してどのような配置で保持部43が移動した場合でも吸引力が変わりない(負圧を受ける吸引ユニット27の総数が変わらない)ために、上記のような制御を行わない。記憶装置には、上記の制御に関するアルゴリズム(プログラム)が記憶され、制御部本体54のCPUが当該アルゴリズムを読み出し可能である。

0079

このような制御は、各吸着パッド群(第1〜第4吸着パッド群51A〜51D)の縦方向の配置が2行以外の場合にも当然に実施できる。例えば、各吸着パッド群の縦方向の配置が3行である場合で、ターゲットエリア64内で縦方向に並ぶ第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの数が3の倍数(例えば、6つ)である場合について考える。この場合には、所定の数(例えば、2つ)の吸着パッド群(第1〜第4吸着パッド群51A〜51D)に物品16が跨った第1状態と、所定の数よりも大きい数(例えば3つ)の吸着パッド群に物品16が跨った第2状態と、の両方のパターンが存在する。この場合には、制御部本体54は、3つの吸引ユニット27(第1負圧発生源、第2負圧発生源)から負圧を受ける第2状態を優先した任意の位置に保持部43を移動させる。記憶装置には、そのようなアルゴリズム(プログラム)が記憶され、制御部本体54のCPUが当該アルゴリズムを読み出し可能である。

0080

保持部43をターゲットエリア64に移動させた後の動作については、第1実施形態と同様である。

0081

移載装置11は、負圧を発生する複数の第2負圧発生源と、前記複数の第2負圧発生源に接続された複数の第2吸着部32Bであって、複数の第2吸着部32Bのそれぞれは、第2内部空間38を有し、前記第2負圧発生源から第2内部空間38に導入された前記負圧によって物品16を吸着可能な、複数の第2吸着部32Bと、複数の第1吸着部32Aおよび複数の第2吸着部32Bが設けられるとともに、複数の第1吸着部32Aおよび複数の第2吸着部32Bを介して物品16を保持することが可能な保持部43と、保持部43を物品16に対向する第1位置から移動先の第2位置まで移動可能な移動機構と、物品16を視覚的に認識可能な認識部14と、保持部43を所定の位置に位置させる制御部13であって、物品16が前記負圧を受けうる前記第1負圧発生源の数と物品16が前記負圧を受けうる前記第2負圧発生源の数とを合計した数が所定の数である第1状態と、物品16が前記負圧を受けうる前記第1負圧発生源の数と物品16が前記負圧を受けうる前記第2負圧発生源の数とを合計した数が前記所定の数よりも大きい第2状態と、があったときに、認識部14からの情報に基づき前記第1状態から前記第2状態になるように移動機構を介して保持部43を移動させる制御部13と、を備える。

0082

この構成によれば、制御部13は、第2状態を優先して物品16を保持することができる。このため、物品16の重量が大きい場合でも大きな吸引力を発生させることができ、物品16の移載作業を安定的に行うことができる。また、物品16が段ボール箱などで構成される場合には、物品16を貫通する方向に空気が流れるいわゆる空気漏れが発生する。空気漏れがある場合は、複数の負圧発生源を使用して吸着保持した方が各吸着部の到達真空度が高く、結果的に吸着力が向上する。これによって、十分な吸着力を発生させ、物品16の移載作業を安定的に行うことができる。また、何れかの吸引ユニットに不具合が生じても他の吸引ユニットによって保持されている部分があるために、物品16が落下するリスクを低減することもできる。これによって、移載装置11の信頼性を向上できる。また、図16および図17では第1〜第4吸着パッド群51A〜51Dは整列した状態を記載しているが、この限りではなく、第1〜第4吸着パッド群51A〜51Dは平板への吸着部の配置において非整列で混在するような配置をしても良く、このときにおいてもより多くの負圧発生源を使用して吸着保持する第1実施形態の第1変形例が適用可能となる。

0083

(第1実施形態の第2変形例)
以下、第1実施形態の第2変形例の移載装置11について説明する。第2変形例では、第1閾値を加重平均値ではなく、隣接する2個の測定値の差が最大となる区間に第1閾値を設定する点で、第1実施形態とは異なっている。以下では、主として上記第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については、図示および説明を省略する。

0084

第1閾値の設定に際し、制御部本体54は、ステップS22の事前処理の(1)で得られたターゲットエリア64内に位置する第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれの測定値から、第1閾値を設定する。このとき、第1閾値の設定方法としては、制御部本体54は、第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれにおいて、複数の測定値をその最小値からその最大値まで順番に並べ、隣接する2個の測定値の絶対値同士で差をとり、当該差が最大となる区間内に第1閾値を設定する。第1閾値は、例えば、当該差が最大となる区間の中間の値を採用することができるが、第1閾値は、当該当該差が最大となる区間内であれば、どのような値でもよい。それ以外の部分は、第1実施形態と同様である。このとき、ターゲットエリア64内に位置する第1〜第4吸着部32A〜32Dの吸着部の数が異なる場合などにおいては、第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれにおいて第1閾値の値は異なる値となることがある。

0085

本変形例によれば、移載装置11は、負圧を発生する第1負圧発生源と、前記第1負圧発生源に接続された内部空間38を有し、前記第1負圧発生源から内部空間38に導入された前記負圧によって物品16を吸着する複数の第1吸着部32Aと、複数の内部空間38の前記負圧に対応する複数の測定値を取得するセンサ部34と、前記複数の測定値をその最小値からその最大値まで順番に並べ、隣接する2個の前記測定値の絶対値同士で差をとり、当該差が最大となる区間内に第1閾値を設定し、前記第1閾値と前記複数の測定値とを比較して、前記第1閾値よりも前記測定値が小さい場合に当該測定値に対応する第1吸着部32Aを吸着状態と判定し、前記第1閾値よりも前記測定値が大きい場合に当該測定値に対応する第1吸着部32Aを非吸着状態と判定する第1判定回路63Aと、を備える。

0086

この構成によれば、加重平均値以外にも、簡単に第1閾値を設定することができ、これによって、第1吸着部32Aの吸着状態および非吸着状態を精度よく判定することができる。これによって、誤判定に起因するエラーの発生回数を低減できる。

0087

[第2実施形態]
図18から図22を参照して、第2実施形態の移載装置11について説明する。第2実施形態では、ターゲットエリア64内で非吸着状態にある第1〜第4吸着部32A〜32Dに対応する流路35の弁をオフにする点で、第1実施形態とは異なっている。以下では、主として上記第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については、図示および説明を省略する。

0088

本実施形態では、制御部本体54は、ターゲットエリア64外の第1〜第4吸着部32A〜32Dに属する吸着部については、方向制御弁31をオフにする制御を行う。

0089

図18から図20を参照して、本実施形態にかかる移載装置の動作の一例について説明する。制御部本体54は、3次元位置情報から、移載対象として選定した物品16の頂面に対応するターゲットエリア64を設定し、このターゲットエリア64内に配置可能な第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの数を算出する。なお、第1実施形態の基準値の取得(事前の準備)およびステップS22の事前処理は、以下のステップS13の前に行うか、或いは、前回に実施した移載工程のデータを利用する。

0090

当初の段階では、制御部本体54は、方向制御弁31の各弁部36を閉にするように制御して、図18に示すように、すべての第1〜第4吸着部32A〜32Dに対する負圧の供給を停止した状態にする。

0091

さらに、制御部本体54は、図19に示すように、方向制御弁31を制御して、ターゲットエリア64内に位置する第1〜第4吸着部32A〜32Dの弁部36のみを開として、ターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dと各吸引ユニット27とを接続する。制御部本体54は、方向制御弁31を制御して、ターゲットエリア64外の第1〜第4吸着部32A〜32Dの弁部36を閉とする。これによってターゲットエリア64内に配置する第1〜第4吸着部32A〜32Dに対して吸引力(負圧)を集中させる。

0092

制御部本体54は、物品16の位置に応じてマニピュレータ本体42を駆動し、保持部43を物品16の位置まで移動させる。移動は、例えば、X方向Y方向の保持部43の移動を先に行い、物品16の真上に保持部43が位置した状態で、Z方向に保持部43を移動させる。

0093

第1〜第4吸着部32A〜32Dの第1〜第4吸着パッド37A〜37Dが物品16に当接した状態で、所定時間経過後に第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの内部空間38の圧力が所定の圧力以下になると、第1〜第4吸着パッド37A〜37Dに物品16が吸着された状態となる。これによって、保持部43で物品16を保持できる。一方、第1〜第4吸着パッド37A〜37Dが第1閾値よりも高い圧力になっている場合には、制御部本体54は、吸着に失敗した非吸着状態とみなされる。この状態を図19に示す。

0094

本実施形態では、制御部本体54は、図20に示すように、方向制御弁31を制御して、非吸着状態とみなされた第1〜第4吸着パッド37A〜37Dにつながる弁部36を閉とする。これによって、吸着に失敗した第1〜第4吸着パッド37A〜37Dから方向制御弁31内への空気の流入を防ぐ。

0095

なお、マニピュレータ部12は、同時に複数の物品16を保持・移載することもできる。これ以降の工程は、第1実施形態と同様である。

0096

図21図22を参照して、本実施形態の効果について説明する。図21は、第1吸引ユニット27から1個の第1吸着部32A(吸着パッドNo.24)に対してのみ負圧を作用させ、他の吸着部(第1吸着部32Aの吸着パッドNo.25〜吸着パッドNo.35、第2〜第4吸着部32B〜32D)を閉とした場合に、物品16に吸着した第1吸着部32A内の圧力の応答波形を示す。図22は、第1吸着部32Aの吸着部12個(吸着パッドNo.24〜吸着パッドNo.35)に対してのみ負圧を作用させ、そのうち1個のみが物品16に吸着し他の11個(吸着パッドNo.25〜吸着パッドNo.35)が物品16に吸着できていない状態で、物品16に吸着した第1吸着部32Aの吸着パッドNo.24の圧力の応答波形を示す。図21図22から明らかなように、非吸着の吸着部の弁を閉じて、図21のように1個の第1吸着部32Aの吸着パッドNo.24に負圧を集中させた場合には、圧力が小さく(到達真空度が高く)なるために、吸着力が大きくなり、物品16の保持が安定する。一方、図22のように第1吸着部32Aの吸着パッドNo.24の1個ののみが物品に吸着し、他の11個(吸着パッドNo.25〜吸着パッドNo.35)が吸着に失敗している場合には、他の11個(吸着パッドNo.25〜吸着パッドNo.35)から空気が流入して方向制御弁31内に空気が流入する。このため、物品16に吸着している第1吸着部32A内の圧力が高く(到達真空度が低く)なる。したがって、図21の場合に比して、吸着力が低下することとなる。

0097

以上の検討から、本実施形態のように、方向制御弁31を制御してターゲットエリア64内の第1〜第4吸着部32A〜32Dの吸着部にのみ負圧を供給し、ターゲットエリア64外の第1〜第4吸着部32A〜32Dの吸着部につながる流路35を閉とし、さらにその後に、非吸着状態とみなした第1〜第4吸着部32A〜32Dの吸着部につながる流路35を閉とすることとした。これによって、実際に吸着に成功している第1〜第4吸着部32A〜32Dの吸着部に負圧を集中させることができ、吸着力を増大させることができる。

0098

本実施形態によれば、移載装置11は、複数の内部空間38と前記第1負圧発生源とを接続した複数の流路35の途中に設けられ前記複数の流路35を開閉可能な弁部36と、第1判定回路63Aにより前記吸着状態と判定された第1吸着部32Aに対応する弁部36を開とし、第1判定回路63Aにより前記非吸着状態と判定された第1吸着部32Aに対応する弁部36を閉とする制御部13と、を備える。

0099

この構成によれば、非吸着状態とみなされた第1吸着部32Aの吸着部に対して負圧供給を停止できるために、非吸着状態にある第1吸着部32Aの吸着部から空気が流入して吸着状態にある第1吸着部32Aの吸着部の到達真空度を下げてしまうことがない。これによって、吸着状態にある第1吸着部32Aの吸着部の吸着力を増大させることができ、物品16の移載作業を安定的に行うことができる。

0100

[第3実施形態]
図23図24を参照して、第3実施形態の移載装置11について説明する。第3実施形態では、マニピュレータ本体42と保持部43との間に物品の重量(質量)を測定可能な第2センサ部65が設けられる点で、第1実施形態とは異なっている。以下では、主として上記第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については、図示および説明を省略する。

0101

図23に示すようにマニピュレータ部12は、基台部41と、基台部41に取り付けられたマニピュレータ本体42と、マニピュレータ本体42の先端付近に配置され物品16を保持可能な保持部43と、マニピュレータ本体42と保持部43との間に介在される第2センサ部65と、を備える。マニピュレータ本体42は、複数(例えば、少なくとも2つ)のロッド状のリンク44と、リンク44の端部同士を接続する複数の関節部45と、を備える。第2センサ部65は、力センサで構成され、物品16の重量を検出できる。

0102

図23図24を参照して、本実施形態にかかる移載装置11の動作の一例について説明する。

0103

移載装置11の電源がオンされると、制御部本体54は、第1〜第4流体制御装置18A〜18DA〜Dの吸引ユニット27のそれぞれと、加圧ユニットのそれぞれとを起動する。これにより、吸引ユニット27のそれぞれは負圧を発生させ、加圧ユニット28のそれぞれは空気圧(正圧)を発生させる。また、吸引ユニット27と加圧ユニット28の起動は、移載装置11の起動と連動する必要は必ずしもなく、例えば個別に吸引ユニット27または加圧ユニット28を手動で起動してもよい。制御部13は、方向制御弁31を制御して、第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれと吸引ユニット27が接続する方向に内部の流路35を切り替える。これによって、第1〜第4流体制御装置18A〜18Dの吸引ユニット27から供給された負圧が第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれに作用する。さらに、センサ部34は、第1〜第4吸着部32A〜32Dが物品16に吸着していない状態で(空吸引状態で)複数の第1〜第4吸着部32A〜32Dのすべてについて圧力の測定値(基準値)を取得する。基準値は、一定時間測定することで得られた測定値のうちの一つであってもよいし、一定時間測定することで得られた複数の測定値を平均した平均値であってもよい。これによって、事前の準備が完了する。

0104

制御部本体54は、認識部14の第1〜第3画像センサ25A〜25Cによって載置部15に載置された複数の物品16の3次元位置情報を認識する(ステップS31)。制御部本体54は、3次元位置情報から移載対象となる物品16を選定する(ステップS32)。この選定は、例えば、最も高い位置にある物品16を優先して選定する。これによって、高さの低い物品16を先に取りに行こうとして、保持部43によって高い位置にある物品16を押しつぶしてしまう危険を排除する。これと同時に、制御部本体54は、3次元位置情報から、移載対象として選定した物品16の頂面に対応するターゲットエリア64を設定し、このターゲットエリア64内に配置可能な第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの数を算出する。

0105

制御部本体54は、物品16の位置に応じてマニピュレータ本体42を駆動し、保持部43を物品16の位置まで移動させる(ステップS33)。移動は、例えば、X方向Y方向の保持部43の移動を先に行い、物品16の真上に保持部43が位置した状態で、Z方向に保持部43を移動させる。第1〜第4吸着部32A〜32Dの第1〜第4吸着パッド37A〜37Dが物品16に当接した状態で、所定時間経過後に第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの内部空間38の圧力が所定の圧力以下になると、第1〜第4吸着部32A〜32Dに物品16が吸着された状態となる(ステップS34)。これによって、保持部43で物品16を保持できる。なお、マニピュレータ部12は、同時に複数の物品16を保持・移載することもできる。

0106

続いて、判定部61の第1〜第4判定回路63A〜63Dによって保持が成功しているか否かが判断される(ステップS35)。このステップS35については、第1実施形態のステップS15と同様であるために説明を省略する。

0107

物品16の保持に失敗したと判定した場合には、図24に示すフローに従い、ステップS35からステップS33にまで戻る。このとき、吸着した状態にある第1〜第4吸着部32A〜32Dを第1実施形態と方法で吸着解除し、制御部本体54は、保持部43をZ軸方向に一度上昇させる。その後に、方向制御弁31を吸引ユニット27と接続した状態にして保持部43を再度降下させて、第1〜第4吸着部32A〜32Dを物品16に当接させて、再度物品16を保持することを試みる。或いは、制御部本体54は、他の物品16を優先して保持するように保持部43を移動させる。或いは、ユーザ(オペレータ)に異常を通知してもよい。

0108

制御部本体54が保持に成功したと判定した場合には、制御部本体54は、第2センサ部65を介して物品16の重量を取得する。制御部本体54は、複数の第1〜第4吸着部32A〜32Dによって物品16を吸着する際の吸着力を算出し合計した総吸着力(N)の絶対値に対して、物品16の重さ(N)の絶対値が何パーセントを占めるかを算出する。この総吸着力に対する物品16の重さの占める割合が所定の第5閾値を下回る場合に、制御部本体54は、保持力が足りると判定する(ステップS36)。本実施形態では、第5閾値として、総吸着力の70〜80%の値を採用する。この場合、制御部本体54は、所定の時間(例えば、数秒から数十秒)をかけて第1位置(移動前の載置部15)から第2位置(移動後の搬送部17)までマニピュレータ部12を移動させる。一方、総吸着力に対する物品16の重さの占める割合が所定の第5閾値以上で所定の第6閾値を下回る場合には、保持力が足りると判定する(ステップS36)。本実施形態では、第6閾値として、80〜90%の値を採用する。総吸着力に対する物品16の重さの占める割合が所定の第5閾値以上で所定の第6閾値を下回る場合には、制御部本体54は、所定の時間よりも長い時間(例えば、数秒から数十秒)をかけてゆっくりと第1位置(移動前の載置部15)から第2位置(移動後の搬送部17)までマニピュレータ部12を移動させる。これによって、物品16を移動する際に大きな加速度が生じることを防ぎ、保持部43から物品16が落下する危険を防止する。さらに、総吸着力に対する物品16の重さの占める割合が第6閾値以上である場合には、物品16が落下する危険があるとして制御部本体54は保持力が足りないと判定する(ステップS36)。この場合には、図24に示すフローに従い、ステップS36からステップS33にまで戻る。このとき、吸着した状態にある第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれを第1実施形態と同様の方法で吸着解除し、制御部本体54は、保持部43をZ軸方向に一度上昇させる。その後に、方向制御弁31を吸引ユニット27と接続した状態にして保持部43を再度降下させて、第1〜第4吸着部32A〜32Dを物品16に当接させて、再度物品16を保持することを試みる。或いは、制御部本体54は、他の物品16を優先して保持するように保持部43を移動させる。或いは、ユーザ(オペレータ)に異常を通知してもよい。

0109

保持力が足りると判定された場合には、マニピュレータ本体42を制御して保持部43とともに物品16を移動先まで移動させる(ステップS37)。物品16を移動先の搬送部17上2に置いたときに、制御部本体54は、方向制御弁31を切り替えて第1〜第4吸着部32A〜32Dのそれぞれと加圧ユニット28とが接続された状態にする。これによって、すべての第1〜第4吸着部32A〜32Dから空気を放出させて物品16と第1〜第4吸着部32A〜32Dとの吸着状態を解除(真空破壊)できる。これによって、第1〜第4吸着部32A〜32Dと物品16とを確実に分離できる(ステップS38)。これによって、物品16の移載作業を完了する。

0110

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、加重平均値を閾値にしたり、圧力の測定値の絶対値同士で差が最大となる区間に閾値を設定したりして、第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの吸着状態および非吸着状態を判定しているが、判定手法としてはこれに限定されるものではない。他の判定手法として、例えば、K-mean等のクラスタリングを用いた分類によって、第1〜第4吸着パッド37A〜37Dの吸着状態および非吸着状態を判定しても良い。

0111

これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、各実施形態および変形例に記載された発明を適宜に組み合わせて一つの発明を実現することも当然にできる。

0112

11…移載装置、12…マニピュレータ部、13…制御部、14…認識部、16…物品、27…吸引ユニット、32A〜32D…第1〜第4吸着部、34…センサ部、35…流路、36…弁部、38…内部空間、42…マニピュレータ本体、43…保持部、54…制御部本体、63A〜63D…第1〜第4判定回路、64…ターゲットエリア、65…第2センサ部。

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