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技術 板バネおよびその製造方法、ならびに鉄道車両用台車

出願人 川崎重工業株式会社
発明者 津村洋祐稲村文秀松原剛道上雅史川島勝之
出願日 2017年7月25日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2017-143880
公開日 2019年2月21日 (1年10ヶ月経過) 公開番号 2019-025944
状態 未査定
技術分野 鉄道車両懸架装置、車輪装置 ばね
主要キーワード 下方荷重 アラミド繊維強化樹脂 炭素繊維強化樹脂層 対向層 長手方向中央側 応力ピーク 長手方向先端 レジンインジェクション成形
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

耐久性の向上とバネ特性の維持とを両立した板バネを提供する。

解決手段

板バネ20は、車体を支持するための横梁と、上端部にバネ座10を有する軸箱とを備えた鉄道車両用台車に適用可能である。板バネは、繊維強化樹脂製板バネ本体と、板厚増加部材30とを備える。板バネ本体21は、車両長手方向に延び、その中央部が横梁の車幅方向端部を下方から支持し、その両端部がバネ座に支持され、上下方向となる厚さ方向に複数のブロックを積層してなる。板厚増加部材は、板バネ本体のうちバネ座の端縁の上方に位置する領域の上面または下面の少なくとも一方に部分的に設けられる。

概要

背景

鉄道車両用台車のなかには、台車枠から一対の側梁を省略した一方で、この側梁の機能を一次サスペンションの機能と共に備えた一対の板バネを搭載したものがある(例えば、特許文献1を参照)。板バネは、繊維強化樹脂製であり、複数のブロックを積層してなる。板バネの中央部は、横梁車幅方向端部を下方から支持する。板バネの両端部は、軸箱に設けられたバネ座に支持される。

概要

耐久性の向上とバネ特性の維持とを両立した板バネを提供する。板バネ20は、車体を支持するための横梁と、上端部にバネ座10を有する軸箱とを備えた鉄道車両用台車に適用可能である。板バネは、繊維強化樹脂製の板バネ本体と、板厚増加部材30とを備える。板バネ本体21は、車両長手方向に延び、その中央部が横梁の車幅方向端部を下方から支持し、その両端部がバネ座に支持され、上下方向となる厚さ方向に複数のブロックを積層してなる。板厚増加部材は、板バネ本体のうちバネ座の端縁の上方に位置する領域の上面または下面の少なくとも一方に部分的に設けられる。

目的

本発明は、耐久性の向上とバネ特性の維持とを両立した板バネを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

鉄道車両の車体を支持するための横梁と、上端部にバネ座を有する軸箱とを備えた鉄道車両用台車に適用可能な板バネであって、車両長手方向に延び、その中央部が前記横梁の車幅方向端部を下方から支持し、その両端部が前記バネ座に支持され、上下方向となる厚さ方向に複数のブロックを積層してなる、繊維強化樹脂製板バネ本体と、前記板バネ本体のうち前記バネ座の端縁の上方に位置する領域の上面または下面の少なくとも一方に部分的に設けられた板厚増加部材と、を備える板バネ。

請求項2

前記板厚増加部材の厚さは、前記板バネ本体の長手方向中央部に向かうにつれて小さくなる、請求項1に記載の板バネ。

請求項3

前記板バネ本体の下面は、両端部が直線状に形成され、中央部が弧状に形成され、前記板バネ本体の前記両端部の厚さは、前記中央部の厚さよりも薄い、請求項1または2に記載の板バネ。

請求項4

前記板バネ本体の前記中央部の前記厚さが、前記板バネ本体の長手方向中心に向かって増加しており、前記板厚増加部材のうち長手方向中央側端部位置が、前記板バネ本体の前記厚さが前記板バネ本体の最大厚さに対して35〜45パーセントとなる箇所に位置付けられる、請求項3に記載の板バネ。

請求項5

前記板厚増加部材は、前記板バネ本体の幅方向全体にわたって設けられている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の板バネ。

請求項6

前記板厚増加部材の厚さは、5〜20mmである、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の板バネ。

請求項7

前記板バネ本体は、前記横梁に対して上下方向に相対変位可能なように前記横梁に固定せずに前記横梁を下方から支持する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の板バネ。

請求項8

前記板厚増加部材が、繊維強化樹脂で形成されている、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の板バネ。

請求項9

前記板厚増加部材において、繊維が長手方向に対して45度傾斜する方向に配向されている、請求項8に記載の板バネ。

請求項10

鉄道車両の車体を支持するための横梁と、上端部にバネ座を有する軸箱と、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の板バネと、を備える、鉄道車両用台車。

請求項11

鉄道車両の車体を支持するための横梁と、上端部にバネ座を有する軸箱とを備えた鉄道車両用台車に適用可能な板バネの製造方法であって、車両長手方向に延び、その中央部が前記横梁の車幅方向端部を下方から支持し、その両端部が前記バネ座に支持され、上下方向となる厚さ方向に複数のブロックを積層してなる板バネ本体を、繊維強化樹脂で準備する工程と、前記板バネ本体のうち前記バネ座の端縁の上方に位置する領域の上面または下面の少なくとも一方に、板厚増加部材を部分的に設ける工程と、を備える板バネの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、鉄道車両用台車に適用可能な板バネおよびその製造方法、ならびに、板バネを備える鉄道車両用台車に関する。

背景技術

0002

鉄道車両用台車のなかには、台車枠から一対の側梁を省略した一方で、この側梁の機能を一次サスペンションの機能と共に備えた一対の板バネを搭載したものがある(例えば、特許文献1を参照)。板バネは、繊維強化樹脂製であり、複数のブロックを積層してなる。板バネの中央部は、横梁車幅方向端部を下方から支持する。板バネの両端部は、軸箱に設けられたバネ座に支持される。

先行技術

0003

国際公開第2013/038673号

発明が解決しようとする課題

0004

板バネにおいては、ブロック間に大きな応力が発生するため、耐久性の更なる向上が望まれる。しかし、耐久性を向上しようとすると、バネ定数が上昇して、一次サスペンションとして機能するために必要なバネ特性を得にくくなるおそれがある。

0005

本発明は、耐久性の向上とバネ特性の維持とを両立した板バネを提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、上記目的を達成すべく板バネを開発する過程で、板バネのうちバネ座の端縁と接触する部位において、他の部位に比べて、大きな応力が発生するとの知見を得た。本発明は、この知見を下になされたものである。

0007

本発明の一形態に係る板バネは、鉄道車両の車体を支持するための横梁と、上端部にバネ座を有する軸箱とを備えた鉄道車両用台車に適用可能な板バネであって、車両長手方向に延び、その中央部が前記横梁の車幅方向端部を下方から支持し、その両端部が前記バネ座に支持され、上下方向となる厚さ方向に複数のブロックを積層してなる、繊維強化樹脂製の板バネ本体と、前記板バネ本体のうち前記バネ座の端縁の上方に位置する領域の上面または下面の少なくとも一方に部分的に設けられた板厚増加部材と、を備える。

0008

前記構成によれば、板厚増加部材の付与により、板バネ本体の板厚がバネ座の端縁の上方で増加する。それにより、板バネ本体のうちバネ座の端縁の上方に位置する領域に発生する応力ピークが低減する。当該領域は、板バネのなかでも大きな応力が発生する領域であり、当該領域の応力ピークが低減することで、板バネの全体としての耐久性を向上させることができる。板厚増加部材は、板バネ本体の上面または下面の少なくとも一方に、車両長手方向に対して部分的に付与される。このため、板バネ本体のバネ特性への影響(バネ定数の上昇)を抑えることができる。このように、板バネの耐久性向上とバネ特性維持とを両立できる。

0009

本発明の一形態に係る鉄道車両用台車は、鉄道車両の車体を支持するための横梁と、上端部にバネ座を有する軸箱と、上述したような板バネと、を備える。

0010

本発明の一形態に係る板バネの製造方法は、鉄道車両の車体を支持するための横梁と、上端部にバネ座を有する軸箱とを備えた鉄道車両用台車に適用可能な板バネの製造方法であって、車両長手方向に延び、その中央部が前記横梁の車幅方向端部を下方から支持し、その両端部が前記バネ座に支持され、上下方向となる厚さ方向に複数のブロックを積層してなる板バネ本体を、繊維強化樹脂で準備する工程と、前記板バネ本体のうち前記バネ座の端縁の上方に位置する領域の上面または下面の少なくとも一方に、板厚増加部材を部分的に設ける工程と、を備える。

発明の効果

0011

本発明によれば、耐久性の向上とバネ特性の維持とを両立した板バネを提供できる。

図面の簡単な説明

0012

実施形態に係る鉄道車両用台車の側面図である。
第1実施形態に係る板バネの斜視図である。
図2に示す板バネの半部を示す側面図である。
バネ座端縁の上方領域周辺における板バネの断面図である。
図4中のV-V線に沿って示す断面図である。
第2実施形態に係る板バネの半部を示す側面図である。
第3実施形態に係る板バネの半部を示す側面図である。
第4実施形態に係る板バネの半部を示す側面図である。

実施例

0013

以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。全図を通じて同一のまたは対応する要素には同一の符号を付して詳細説明重複を省略する。本書では、板バネの説明において方向を示すにあたって、板バネが鉄道車両用台車(以下、単に「台車」という)に搭載された状態での方向(例えば、車両長手方向や前後方向、車幅方向や左右方向、あるいは車高方向や上下方向)を用いる場合もある。

0014

[第1実施形態]
図1に示すように、台車1は、二次サスペンションとなる空気バネ2を介して車体50を支持する横梁4を備えている。横梁4は、車幅方向に延び、空気バネ2は、横梁4の上面に設置されている。台車1は一対の側梁を備えていない。代わりに、台車1は、左右一対の板バネ20を備えており(片方のみを図示)、この板バネ20が、一次サスペンションの機能と、従来の台車に備わる側梁の機能とを兼ねている。

0015

台車1は、横梁4の前方および後方で車幅方向に沿って配置された前後一対車軸5,5を備え、左右一対の車輪6(片側のみ図示)が、各車軸5の車幅方向両側に固定されている。各車軸5は、左右一対の軸受7(片側のみ図示)で回転自在に支持されている。各軸受7は、車輪6よりも車幅方向外側に配置された軸箱8に収容されている。各軸箱8は、その上端部に、板バネ20を支持するバネ座10を有している。

0016

台車1は、合計4つの軸箱8、およびこれに対応した合計4つのバネ座10を備えている。図示のとおり、2つの軸箱8,8および2つのバネ座10,10が車幅方向一方側で車両長手方向に分かれて配置されており、図示略するが、別の2つの軸箱および2つのバネ座が車幅方向他方側で車両長手方向に分かれて配置されている。以降では、車幅方向一方側の構成について説明するが、車幅方向他方側も同様に構成されている。

0017

横梁4の車幅方向一端部は、前後一対の連結機構9,9により、前後一対の軸箱8,8に連結されている。連結機構9は、一例として軸梁式の軸箱支持装置を備えた連結機構である。台車1の車幅方向一方側では、1つの板バネ20が、車両長手方向に延び、前後一対の軸箱8,8の間に架け渡されている。

0018

板バネ20は、図示のとおり、側面視において鉛直方向に延びる板バネ20の長手方向中心線Cを対称軸として線対称に形成される。板バネ20は、長尺の板バネ本体21と、板バネ本体21に設けられた前後一対の板厚増加部材30とを備えている。板バネ20は、板バネ本体21の長手方向を車両長手方向に向け、板バネ本体21の厚さ方向を上下方向に向け、かつ、板バネ本体21の幅方向を車幅方向に向けた姿勢で、台車1に適用されている。以降の板バネ20の説明において、長手方向における板バネ20の先端に近づく側を「長手方向先端側」とし、長手方向において長手方向中心線Cに近づく側を「長手方向中央側」とする。

0019

板バネ本体21の長手方向中央部22は、横梁4の車幅方向端部を下方から支持する。更に言えば、板バネ本体21は、横梁4に対して上下方向に相対変位可能なように、横梁4に固定せずに、横梁4を下方から支持する。横梁4の車幅方向端部の下部には、円弧状の下面を有する当接部材11が設けられている。当接部材11は、板バネ本体21を上下方向に固定しない状態で、横梁4からの重力による下方荷重によって板バネ本体21の上面に接触している。当接部材11の下面と板バネ本体21の上面との間に、ゴムシート等の介在物が存在してもよい。

0020

板バネ本体21の長手方向両端部23,23は、前後一対のバネ座10,10に支持されている、あるいは、一対のバネ座10,10を介して前後一対の軸箱8,8に支持されている。板バネ20の長手方向両端部23,23は、一対のバネ座10,10に上方から載せられている。

0021

本実施形態では、板厚増加部材30が、板バネ本体21の上面に設けられている一方、板バネ本体21の下面には設けられていない。よって、板バネ本体21の下面が、一対のバネ座10,10に上方から載せられ、板バネ20からの下方荷重によって板バネ本体21の下面が一対のバネ座10,10の上面に自由接触している。バネ座10が軸箱8に取り付けられている状態において、バネ座10の上面は、車両長手方向の外側に向かうにつれて高くなるように、水平面に対して傾斜している。板バネ本体21の長手方向両端部23,23の下面も、バネ座10の上面と同様にして、水平面に対して傾斜している。

0022

図2および図3に示すように、板バネ20は、側面視で全体として下方に凸となる弓形状に形成されている。板バネ本体21(板バネ20)の延在部24,24は、長手方向中央部22と長手方向両端部23,23との間の部分であり、側面視で長手方向中央部22に向けて下方に傾斜している。長手方向中央部22は、長手方向両端部23,23よりも下方に位置している。板バネ本体21の下面は、長手方向両端部23,23において直線状に形成され、長手方向中央部22において弧状に形成されている。

0023

板バネ20は、長手方向両端部23,23から長手方向中央部22に向けて徐々に厚さが大きくなるように形成されている。長手方向両端部23,23の厚さは、長手方向中央部22の厚さよりも小さい。長手方向中央部22だけをとって見ても、その厚さは、板バネ本体21の長手方向中心線Cに向かって大きくなっている。

0024

図4は、バネ座10の長手方向中央側の端縁10aの上方に位置する領域(以下、単に「上方領域」という)25の周辺における板バネ20の断面図である。図4に示すように、板バネ本体21は、厚さ方向(台車1への適用時に概略上下方向と一致)に複数の層を積層してなる。本実施形態では、板バネ本体21は、上ブロック121、中間ブロック122および下ブロック123を有する。これら3ブロック121〜123は、繊維強化樹脂(以下、「FRP」と略称する)で形成されている。換言すれば、板バネ本体21はFRP製である。FRPの好適例として、炭素繊維強化樹脂(以下、「CFRP」と略称する)、ガラス繊維強化樹脂(以下、「GFRP」と略称する)、あるいは、アラミド繊維強化樹脂を挙げることができる。

0025

上ブロック121は中間ブロック122と異なるFRPで形成されている。下ブロック123は中間ブロック122と異なるFRPで形成されている。一例として、上ブロック121および下ブロック123は、CFRPで形成されている。上ブロック121および下ブロック123は、炭素繊維シート樹脂含浸したプリプレグを積層し、このようにして得られた積層体加圧および加熱することによって形成される。上ブロック121および下ブロック123におけるプリプレグの積層方向は、板バネ本体21の厚さ方向と一致する。上ブロック121においても下ブロック123においても、中間ブロック122と対向する対向層121a,123aのみ、織物炭素繊維強化樹脂で形成されており、その他の層は、一方向炭素繊維強化樹脂で形成されている。一方向炭素繊維強化樹脂では、繊維が、板バネ本体21の長手方向に配向されていてもよい。また、各層の繊維方向が交差するように積層されていてもよい。

0026

中間ブロック122は、GFRPで形成されている。中間ブロック122は、ガラス繊維シートに樹脂を含浸したプリプレグを積層し、このようにして得られた積層体を加圧および加熱することによって形成される。中間ブロック122におけるプリプレグの積層方向は、板バネ本体21の幅方向と一致する。

0027

なお、FRPの製造は、プリプレグの積層に限定されず、レジントランスファ成形法真空アシストレジントランスファ成形法などの、レジンインジェクション成形法を用いてもよい。

0028

中間ブロック122の上面は、上ブロック121の下面(対向層121aの下面)と接着される。中間ブロック122の下面は、下ブロック123の上面(対向層123aの上面)と接着される。接着の手段は特に限定されず、一例として、接着フィルム124が上ブロック121と中間ブロック122との間に介装され、接着フィルム125が中間ブロック122と下ブロック123との間に介装される。

0029

上ブロック121および下ブロック123の厚さは、板バネ本体21の長手方向全体にわたって一定とされる。一方、中間ブロック122の厚さは板バネ本体21の長手方向において変化し、それにより、板バネ本体21の厚さを前述のとおりに長手方向において変化させている。詳細図示を省略するが、中間ブロック122の長手方向両端部の厚さは、中間ブロック122の長手方向中央部の厚さよりも薄い。

0030

上ブロック121は、下ブロック123よりも厚い。詳細には、上ブロック121の厚さは下ブロック123の厚さの2倍程度である。上ブロック121は主として圧縮荷重分担し、下ブロック123は主として引張荷重を分担する。上方領域25の周辺において、中間ブロック122の厚さは、下ブロック123の厚さと同程度(上ブロック121の厚さの半分程度)であり、中間ブロック122は主として剪断荷重を分担する。このため、上方領域25の周辺では、上ブロック121と中間ブロック122との間の界面が、板バネ本体21の厚さ方向中央部に位置付けられる。

0031

図3戻り、上方領域25は、板バネ本体21のうち、板バネ20全体としての下面の法線nが通過する領域であり、当該法線nとは、板バネ20全体としての下面のうち、バネ座10の端縁10aと接触する部位における法線である。本実施形態では、板バネ本体21の下面が、板バネ20全体としての下面として、バネ座10の上面に接触している。法線nは、概略的にいって、板バネ本体21の厚さ方向に延在する。本実施形態では、端縁10aが、車幅方向と平行に直線状に延びており、端縁10aの車両長手方向の位置が車幅方向において一定である。このため、図3に示すように、法線nは側面視において直線で表される。

0032

本実施形態では、板厚増加部材30が、板バネ本体21の上面における上方領域25に設けられている(下面に設けられていない)。板厚増加部材30はFRPで形成されている。本実施形態では、板厚増加部材30が、板バネ本体21の上面(上ブロック121の上面)に設けられており、この上ブロック121と同じ材料であるCFRPで形成されている。

0033

板厚増加部材30がCFRPで形成される場合、板厚増加部材30は、炭素繊維シートに樹脂を含浸したプリプレグを積層し、このようにして得られた積層体を加圧および加熱することによって形成されてもよい。板厚増加部材30におけるプリプレグの積層方向は、板バネ本体21の厚さ方向と一致する。板厚増加部材30を構成する各層は、織物炭素繊維強化樹脂でも一方向炭素繊維強化樹脂でもよい。板バネ本体21と接着される層について、織物炭素繊維強化樹脂とし、その他の層を一方向炭素繊維強化樹脂としてもよい。織物炭素繊維強化樹脂は、経糸および緯糸が、長手方向に対して±45度傾斜する方向に配向されていることが好ましい。一方向炭素繊維強化樹脂は、長手方向に対して45度または−45度傾斜する方向に配向されていることが好ましい。複数の一方向炭素繊維強化樹脂層を用いる場合、繊維が45度傾斜する方向に配向されている層と、−45度傾斜する方向に配向されている層とが交互に並ぶようにして積層されていてもよい。

0034

板厚増加部材30は、基部31と、基部31から連続して厚さを徐々に減少させるテーパ部32とを含む。基部31は、テーパ部32に対して長手方向先端側に位置付けられている。本実施形態では、基部31の厚さは長手方向においても幅方向においても一定である。例えば、基部31の厚さは、5〜20mmである。

0035

テーパ部32の厚さは、長手方向中央側に向かうにつれて徐々に小さくなっていく。前述した法線nは、基部31を通過している。換言すれば、厚さを減少させる開始点(基部31とテーパ部32との境界部)は、法線nよりも長手方向中央寄りに位置付けられている。テーパ部32の上面と板バネ本体21の上面とが成す角θは、2.5〜15.0度が好ましい。

0036

板厚増加部材30のうち長手方向先端側の端部位置は、板バネ本体21の長手方向先端に位置付けられている。板バネ本体21の長手方向先端から板厚増加部材30の長手方向中央側の端部位置までの距離L1は、板バネ本体21の長手方向先端から長手方向中心Cまでの距離Lcの15〜30パーセントである。板厚増加部材30のうち長手方向中央側の端部位置は、板バネ本体21の厚さd1が板バネ本体21の最大厚さdmaxに対して35〜45パーセントなる箇所に位置付けられている。なお、最大厚さdmaxは、板バネ本体21の長手方向中心Cにおける厚さである。

0037

図2に戻り、板厚増加部材30は、板バネ本体21の幅方向全体にわたって設けられている。

0038

図4および図5は、上方領域25周辺での板バネ20の断面図であり、図4の左右方向は長手方向と一致し、図5の左右方向は幅方向と一致する。板厚増加部材30を設けていない板バネを比較例とする。換言すると、本実施形態に係る板バネ本体21のみで構成された板バネを比較例とする。

0039

上方領域25では、板バネ本体21の厚さが小さく、また、板バネ20とバネ座10の端縁10aとの接触によって、他の部位と比べて大きな応力が発生する。応力は、厚さ方向において中央部で最大となる(図4を参照)、また、幅方向において端部で最大となる(図5を参照)。比較例に係る板バネでは、上方領域25周辺に発生する応力が、上ブロック121と中間ブロック122との間の界面が位置付けられている中央部で大きくなる。そのために、上ブロック121と中間ブロック122との間の界面には高い接着強度が必要とされる。

0040

これを鑑みて、本実施形態では、上方領域25の上面を部分的に覆う板厚増加部材30を設けている。それにより、上方領域25の周辺において板バネ20全体としての厚さを部分的に増加させている。これにより、上方領域25の周辺において、板バネ本体21に発生する全体の応力および応力ピーク値が減少する。更に、応力ピーク値が現れる箇所を、厚さ方向に変えることができる。本実施形態では、板厚増加部材30が板バネ本体21の上面に設けられているので、これに付随して応力ピーク値の発生個所が上方に移動し、応力が上ブロック121内で最大となるようにしている。より詳細には、応力ピーク値の発生箇所が、上ブロック121と中間ブロック122との間の界面から遠ざかるように、上方に移動する。上ブロック121自体も複数のプリプレグを積層することによって形成されるが、ブロック内のFRPの自己界面は、上記のブロック間の界面での接着強度よりも大きな強度を得やすい。応力ピーク値が減少することも相まって、比較例と比べて、上方領域25の耐久性が向上する。つまり、板バネ20の耐久性が向上する。

0041

また、幅方向でも同様であり、板厚増加部材30を設けることにより、上方領域25の周辺において、板バネ本体21に発生する全体の応力および応力ピーク値が減少する。特に、幅方向端部においても応力は大きくなるが、本実施形態では、板厚増加部材30を幅方向全体にわたって設けられているので、幅方向端部で発生する応力も板厚増加部材30で負担でき、上方領域25の耐久性が向上する。つまり、板バネ20の耐久性が向上する。

0042

板厚増加部材30の厚さは、板バネ本体の長手方向中央部に向かうにつれて小さくなっている。そのため、板厚増加部材30を設けても、その端縁での応力集中を緩和できる。

0043

板厚増加部材30はCFRPで形成され、その厚さが5〜20mmである。5mmの板厚増加により、10%程度の強度向上が見られる。厚さを20mm以上とすると、更なる強度向上に寄与するが、台車1への適用時に台車1の構成要素との干渉が生じる可能性がある。また、板厚増加部材30と板バネ本体21との界面に応力ピークが発生し、その界面で高い強度の確保を要する可能性がある。厚さが上記のとおりに設定されることで、必要な強度を確保でき、また、台車搭載時の干渉や板厚増加部材30と板バネ本体21との界面の強度を殊更高くする必要がなくなる。

0044

板厚増加部材30のうち長手方向中央側の端部位置が、板バネ本体21の厚さd1が板バネ本体21の最大厚さdmaxに対して35〜45パーセントとなる箇所に位置付けられている。板厚増加部材30が長手方向中央寄りに張り出すのを抑えることができ、板バネ20のバネ特性への影響を抑えることができる。

0045

この板バネ20は、(1)板バネ本体21を準備する工程と、(2)板バネ本体21に板厚増加部材30を設ける工程と、を含む製造方法を用いて製造されることができる。工程(1)では、前述のとおり上ブロック121、中間ブロック122および下ブロック123がそれぞれ製造され、上ブロック121が中間ブロック122と接着され、また、下ブロック123が中間ブロック122と接着される。「準備」とは、工程(2)の実施者が、このようにして板バネ本体21を製造することを含む。また、工程(2)の実施者が、板バネ本体21を製造せず、別の製造者から取得することを含む。

0046

工程(2)は、工程(1)の終了後に行われてもよい。換言すれば、板厚増加部材30は、板バネ本体21とは別個に製造し、板バネ本体21の製造後に板厚増加部材30を板バネ本体21に付与してもよい。付与の手段は特に限定されず、接着剤を用いて板厚増加部材30を板バネ本体21に接着してもよいし、接着フィルムを用いて板厚増加部材30を板バネ本体21に接着してもよい。この場合、工程(1)において、工程(2)の実施者自身が板バネ本体21を製造するか否か問わない。

0047

工程(2)は、工程(1)と同時的に行われてもよい。板厚増加部材30を板バネ本体21の上面に設ける場合において、板厚増加部材30を板バネ本体21の上ブロック121と同じ材料で形成する場合に、このような手法を採ることができる。つまり、板バネ本体21の上ブロック121が形成されるようにプリプレグを積層した後、このようにして製造された積層体に、部分的に、板厚増加部材30に相当する部分にプリプレグを積層していく。その後、加圧および加熱することで、上ブロック121と板厚増加部材30との一体物が形成される。これを中間ブロック122と接着し、なおかつ中間ブロック122を下ブロック123と接着することで、板厚増加部材30が付与された板バネ20を製造することができる。

0048

[第2〜第4実施形態]
図6は、第2実施形態に係る板バネ220の半部を示す側面図である。板厚増加部材230の長手方向先端側の端部位置は、板バネ本体21の先端と一致していない。また、本実施形態にかかる板厚増加部材230からは、第1実施形態に係るテーパ部32(図2を参照)に相当する部分が省略されている。このように、板厚増加部材230の厚さは、長手方向において均一であってもよい。

0049

図7は、第3実施形態に係る板バネ320の半部を示す側面図である。図8は、第4実施形態に係る板バネ420の半部を示す側面図である。図7に示すように、板厚増加部材330は、板バネ本体21の下面に設けられていてもよい(第3実施形態では、板厚増加部材が板バネ本体21の上面には設けられていない)。図8に示すように、板厚増加部材430が、板バネ本体21の上面と下面との両方に設けられていてもよい。換言すれば、板厚増加部材430が、板バネ本体21の上面に設けられた上板厚増加部材430aと、板バネ本体21の下面に設けられた下板厚増加部材430bとによって構成されていてもよい。

0050

このように、板厚増加部材の設置個所は、上面、下面、あるいは上面および下面の両方であるが、上面がより好ましい。上面に設けることで、バネ座との干渉を抑制でき、バネ座を含めた台車の形状および構造変更を要しない。また、板バネの撓みに影響が出にくく、バネ特性を維持しやすい。

0051

第2〜第4実施形態においても、上方領域25の周辺において板バネ本体21の強度が向上し、板バネ220,320、420の耐久性が向上する。

0052

上記各実施形態では、バネ座10の端縁10aが車幅方向と平行に直線状に延在しており、端縁10aの車両長手方向の位置が車幅方向において一定であるので、側面視において端縁10aが点で表され、法線nが直線で表される(図3を参照)。ただし、これは一例であり、バネ座の端縁は平面視で曲線状に延在していてもよい。その場合、側面視において端縁は線状に表され、端縁の幅方向位置に応じて複数本の法線を描画することができる。この場合において、上方領域は、任意の法線が通過し得る領域として定義されることができ、そのため、長手方向に拡がりを有していてもよい。板厚増加部材は、このようにして形成または定義される上方領域の上面および/または下面に設けられていればよい。

0053

板バネ本体の断面形状は、幅方向に長尺、厚さ方向に短尺長方形状に限定されない。板バネ本体の四隅面取りされてもよく、それにより、板バネ本体の上面および下面の幅方向端部に合計4つの面取りが設けられていてもよい。面取りは、傾斜平面でも湾曲面でもよい。

0054

これまで、本発明の実施形態について説明したが、上記構成は本発明の範囲内で適宜変更、追加または削除可能である。

0055

1鉄道車両用台車
4横梁
8軸箱
10バネ座
20,220,320,420板バネ
21板バネ本体
22 板バネ本体の長手方向中央部
23 板バネ本体の長手方向端
25上方領域
30,230,330,430板厚増加部材
50 車体

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