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図面 (20)

課題

核酸インビボ送達に有利な標的化脂質およびこれらの脂質を含む脂質粒子、ならびにインビボでの治療的使用に好適な核酸−脂質粒子組成物を提供する。

解決手段

構造L100−リンカー−L100(式中、L100は、脂質、親油性物質アルキルアルケニル、またはアルキニルであり、L101は、リガンドまたは−CH2CH2(OCH2CH2)pO(CH2)qCH2−リガンドであり、pは、1〜1000であり、かつqは、1〜20である。)の標的化脂質を提供する。さらに、本発明は、治療剤細胞に送達するための組成物および方法を提供する。特に、これらは、核酸を効率的に封入し、封入された核酸をインビボで細胞に効率的に送達する新規の脂質および核酸−脂質粒子を含む。

概要

背景

オリゴヌクレオチド化合物は、医学において重要な治療用途を有する。特定の疾患の原因となる遺伝子をサイレンシングするためにオリゴヌクレオチドを用いることができる。遺伝子サイレンシングは、翻訳阻害することによってタンパク質の生成を妨げる。重要なことに、遺伝子サイレンシング剤は、疾患と関連するタンパク質の機能を阻害する従来型の小有機化合物に取って代わるものとして有望視されている。siRNA、アンチセンスRNA、およびマイクロRNAは、遺伝子サイレンシングによってタンパク質の生成を妨げるオリゴヌクレオチドである。

RNA干渉、すなわち「RNAi」は、線虫に導入されたときに、二本鎖RNAdsRNA)が遺伝子発現を阻止することができるという観察を説明するために、Fireおよび同僚らが最初に作り出した用語である(非特許文献1)。短いdsRNAは、脊椎動物を含む、多くの生物において遺伝子特異的な転写後サイレンシングを導くものであり、遺伝子機能を研究するための新しいツールを提供している。RNAiは、サイレンシングトリガー相同メッセンジャーRNAを壊す配列特異的な多成分ヌクレアーゼである、RNA誘導サイレンシング複合体RISC)によって仲介される。RISCは、二本鎖RNAトリガーに由来する短いRNA(約22ヌクレオチド)を含有することが知られているが、この活性タンパク質成分はまだ分かっていない。

siRNA化合物は、種々の診断目的および治療目的に有望な薬剤である。siRNA化合物は、遺伝子の機能を同定するために用いることができる。さらに、siRNA化合物は、疾患を引き起こす遺伝子をサイレンシングすることによって作用する新しいタイプの医薬品として大きな可能性を提供する。中枢神経系疾患炎症性疾患代謝障害腫瘍感染性疾患、および眼疾患を含む多くの疾患を治療するための干渉RNA治療剤を開発する研究が現在進行中である。

siRNAは、潜在的な抗ウイルス治療薬として極めて有効であることが示されており、最近多くの例が公表されている。ウイルスゲノム中の標的に対して向けられるsiRNA分子は、インフルエンザ(非特許文献2〜4)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)(非特許文献5)、B型肝炎ウイルスHBV)(非特許文献6)、C型肝炎ウイルス(非特許文献7〜8)、およびSARSコロナウイルス(非特許文献9)の動物モデルにおいて、ウイルス力価を数桁、飛躍的に低下させる。

アンチセンス法とは、mRNAまたはDNAのような細胞核酸の正常な必須機能(例えば、タンパク質合成)が妨げられるような、比較的短いオリゴヌクレオチドのmRNAまたはDNAへの相補的ハイブリダイゼーションのことである。ハイブリダイゼーションは、ワトソンクリック塩基対を介したRNAまたは一本鎖DNAに対するオリゴヌクレオチドの配列特異的な水素結合である。このような塩基対を互いに相補的であると言う。

Cohen(非特許文献10)によって論じられている、標的配列発現レベルを変化させる天然に存在する事象には、2つの種類があると考えられる。第一の、ハイブリダイゼーション停止は、オリゴヌクレオチド阻害剤が、標的核酸に結合し、その結果、単なる立体障害によって、必須タンパク質(ほとんどの場合、リボソーム)の核酸への結合が妨げられる終結事象を説明するものである。

アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的配列の発現レベルを変化させるもう1つの手段は、標的mRNAへのハイブリダイゼーションと、それに続く細胞内RNアーゼHによる標的RNAの酵素的切断によるものである。2'−デオキシリボフラノシルオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド類似体が標的RNAとハイブリダイズし、この二重鎖がRNアーゼH酵素を活性化して、RNA鎖を切断し、それによって、このRNAの正常な機能を破壊する。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、この種のアンチセンス終結事象によって作用するアンチセンス薬剤の最も著明な例である。

これらのおよび他の核酸をベースにした治療を使用する機会は大いに有望であり、現在の伝統的な医学では対処できない医学的問題の解決策を提供する。増々多くの疾患関連遺伝子の場所と配列が同定されつつあり、種々の疾患についての核酸をベースにした治療法臨床試験が、現在進行中である。

オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド類似体の治療薬としての適用の進歩にも関わらず、改善された薬理学的特性を有するオリゴヌクレオチドが必要とされている。核酸およびオリゴヌクレオチドの膜貫通送達の改善に向けた努力において、タンパク質担体、抗体担体リポソーム性送達系、エレクトロポレーション、直接注射、細胞融合ウイルスベクター、およびリン酸カルシウムを介する形質転換が利用されている。しかしながら、これらの技術の多くは、膜貫通輸送が可能な細胞の種類と、このような輸送を達成するのに必要な条件とによって限定される。

効果の改善を試みようとして、研究者らは、化学修飾された治療的核酸または未修飾の治療的核酸を送達するために、脂質をベースにした担体系も利用している。非特許文献11において、著者らは、アニオン性(従来型)のリポソーム、pH感受性リポソーム、免疫リポソーム融合性リポソーム、およびカチオン性脂質/アンチセンス凝集体の使用に言及している。同様に、siRNAは、カチオン性リポソーム中で全身投与されており、これらの核酸−脂質粒子がヒト以外の霊長類を含む哺乳類における標的タンパク質下方調節を改善することが報告されている(非特許文献12)。

こうした進歩にもかかわらず、一般的な治療的使用に好適な改善された脂質−治療的核酸組成物当技術分野で依然として必要とされている。これらの組成物は、高効率で核酸を封入し、高い薬物:脂質比を有し、封入された核酸を血清中の分解とクリアランスから保護し、全身送達に好適であり、封入された核酸の細胞内送達を提供することが好ましいであろう。さらに、これらの脂質−核酸粒子は、核酸の有効用量での患者治療が重大な毒性および/または患者へのリスクを伴わないように、良好な忍容性があり、かつ十分な治療指数を提供するべきである。本発明は、このような組成物、これらの組成物を作製する方法、および疾患の治療の目的を含めて、これらの組成物を用いて核酸を細胞に導入する方法を提供する。

概要

核酸のインビボ送達に有利な標的化脂質およびこれらの脂質を含む脂質粒子、ならびにインビボでの治療的使用に好適な核酸−脂質粒子組成物を提供する。構造L100−リンカー−L100(式中、L100は、脂質、親油性物質アルキルアルケニル、またはアルキニルであり、L101は、リガンドまたは−CH2CH2(OCH2CH2)pO(CH2)qCH2−リガンドであり、pは、1〜1000であり、かつqは、1〜20である。)の標的化脂質を提供する。さらに、本発明は、治療剤を細胞に送達するための組成物および方法を提供する。特に、これらは、核酸を効率的に封入し、封入された核酸をインビボで細胞に効率的に送達する新規の脂質および核酸−脂質粒子を含む。なし

目的

本発明は、核酸のインビボ送達に有利な標的化脂質およびこれらの脂質を含む脂質粒子、ならびにインビボでの治療的使用に好適な核酸−脂質粒子組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

下記式(I)に示される構造を有する標的化脂質:式中、LAは、マンノースガラクトース、またはN−アセチルガラクトサミンであるか、あるいは下記式II、III、IVまたはVに示す構造を有し:q2A、q2B、q3A、q3B、q4A、q4B、q5A、q5Bおよびq5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、0〜20であり;P2A、P2B、P3A、P3B、P4A、P4B、P5A、P5B、P5C、T2A、T2B、T3A、T3B、T4A、T4B、T5A、T5BおよびT5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、NR’、O、S、C(O)、OC(O)、C(O)O、NHC(O)、C(O)NH、NHCH2、CH2、CH2NHもしくはCH2O、NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、CO、CH=N−O、CH2S、尿素ヘテロ環ヘテロアリール、であり;Q2A、Q2B、Q3A、Q3B、Q4A、Q4B、Q5A、Q5BおよびQ5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、−(CH2)n−、−C(R’)(R’’)(CH2)n−、−(CH2)mC(R’)(R’’)−、−(CH2CH2O)pCH2CH2−、または−(CH2CH2O)pCH2CH2NH−であり;R2A、R2B、R3A、R3B、R4A、R4B、R5A、R5BおよびR5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、CO、NH、NR’、O、S、C(O)、OC(O)、C(O)O、NHC(O)、C(O)NH、NHCH2、CH2、CH2NHもしくはCH2O、NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、CO、CH=N−O、であり;L2A、L2B、L3A、L3B、L4A、L4B、L5A、L5BおよびL5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、マンノース、ガラクトース、またはN−アセチル−ガラクトサミンであり;qは0〜20であり;Pは、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、NR’、O、S、C(O)、OC(O)、C(O)O、NHC(O)、C(O)NH、NHCH2、CH2、CH2NHもしくはCH2O、NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、CO、CH=N−O、CH2S、尿素、ヘテロ環、ヘテロアリール、であり;Qは、それぞれ存在ごとに独立して、−(CH2)n−、−C(R’)(R”)(CH2)n−、−(CH2)mC(R’)(R”)−、−(CH2CH2O)pCH2CH2−、または−(CH2CH2O)pCH2CH2NH−であり;Rは、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、CO、NH、NR’、O、S、C(O)、OC(O)、C(O)O、NHC(O)、C(O)NH、NHCH2、CH2、CH2NHもしくはCH2O、NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、CO、CH=N−O、であり;TはCH2NHであり;LBは、の構造を有し;R’およびR”は、それぞれ独立して、H、CH3、OH、SH、NH2、NR10R20、アルキルアルケニル、またはアルキニルであり;Raは、Hまたはアミノ酸側鎖であり;R10およびR20は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり;mは、それぞれ存在ごとに独立して、0〜50であり;nは、それぞれ存在ごとに独立して、1〜20であり;かつpは、それぞれ存在ごとに独立して、0〜50である。

請求項2

前記標的化脂質が下記のものである、請求項1記載の標的化脂質。

請求項3

(i)請求項1または2記載の標的化脂質;(ii)カチオン性脂質;(iii)DSPC、POPC、DOPE、およびSMから選択される中性脂質;(iv)コレステロール;ならびに(v)PEG−DMGまたはPEG−DMAを含み、これらの構成要素が、標的化脂質約0.5〜50%:カチオン性脂質20〜60%:中性脂質5〜25%:コレステロール25〜55%:PEG−DMGまたはPEG−DMA0.5〜15%というモル比である、医薬製剤

請求項4

治療剤をさらに含む、請求項3記載の医薬製剤。

請求項5

前記治療剤がオリゴヌクレオチドである、請求項4記載の医薬製剤。

請求項6

前記オリゴヌクレオチドが一本鎖である、請求項5記載の医薬製剤。

請求項7

前記オリゴヌクレオチドが二本鎖である、請求項5記載の医薬製剤。

請求項8

前記オリゴヌクレオチドがiRNA剤である、請求項5記載の医薬製剤。

請求項9

前記オリゴヌクレオチドが分解に耐えるように修飾されている、請求項5記載の医薬製剤。

請求項10

前記オリゴヌクレオチドが、コンジュゲートされたリガンドを含む、請求項5記載の医薬製剤。

関連出願の相互参照

0001

本出願は、米国仮特許出願第60/992,309号(2007年12月4日出願);米国仮特許出願第61/013,597号(2007年12月13日出願);米国仮特許出願第61/127,751号(2008年5月14日出願);米国仮特許出願第61/091,093号(2008年8月22日出願);および米国仮特許出願第61/097,261号(2008年9月16日出願)に対する優先権の利益を主張する。これらの先行出願の全ての内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。

政府援助に関する記載

0002

本明細書に記載される研究は、少なくとも一部は、国立アレルギー感染病研究所/国立衛生研究所/保健社会福祉省(NIAID/NIH/DHHS)から与えられた契約番号HHSN266200600012C、ならびに国防総省および防衛威嚇緩和機関DOD/DTRA)から与えられた契約番号HDTRA−1−07−C−0082の下での米国政府資金を用いてなされたものである。したがって、政府は本発明における一定の権利を有し得る。

技術分野

0003

本発明は、脂質粒子を用いた治療剤送達の分野に関する。特に、本発明は、核酸インビボ送達に有利な標的化脂質およびこれらの脂質を含む脂質粒子、ならびにインビボでの治療的使用に好適な核酸−脂質粒子組成物を提供する。さらに、本発明は、これらの組成物を作製する方法、および例えば、さまざまな疾患状態の治療のために、これらの組成物を用いて核酸を細胞に導入する方法を提供する。

背景技術

0004

オリゴヌクレオチド化合物は、医学において重要な治療用途を有する。特定の疾患の原因となる遺伝子をサイレンシングするためにオリゴヌクレオチドを用いることができる。遺伝子サイレンシングは、翻訳阻害することによってタンパク質の生成を妨げる。重要なことに、遺伝子サイレンシング剤は、疾患と関連するタンパク質の機能を阻害する従来型の小有機化合物に取って代わるものとして有望視されている。siRNA、アンチセンスRNA、およびマイクロRNAは、遺伝子サイレンシングによってタンパク質の生成を妨げるオリゴヌクレオチドである。

0005

RNA干渉、すなわち「RNAi」は、線虫に導入されたときに、二本鎖RNAdsRNA)が遺伝子発現を阻止することができるという観察を説明するために、Fireおよび同僚らが最初に作り出した用語である(非特許文献1)。短いdsRNAは、脊椎動物を含む、多くの生物において遺伝子特異的な転写後サイレンシングを導くものであり、遺伝子機能を研究するための新しいツールを提供している。RNAiは、サイレンシングトリガー相同メッセンジャーRNAを壊す配列特異的な多成分ヌクレアーゼである、RNA誘導サイレンシング複合体RISC)によって仲介される。RISCは、二本鎖RNAトリガーに由来する短いRNA(約22ヌクレオチド)を含有することが知られているが、この活性タンパク質成分はまだ分かっていない。

0006

siRNA化合物は、種々の診断目的および治療目的に有望な薬剤である。siRNA化合物は、遺伝子の機能を同定するために用いることができる。さらに、siRNA化合物は、疾患を引き起こす遺伝子をサイレンシングすることによって作用する新しいタイプの医薬品として大きな可能性を提供する。中枢神経系疾患炎症性疾患代謝障害腫瘍感染性疾患、および眼疾患を含む多くの疾患を治療するための干渉RNA治療剤を開発する研究が現在進行中である。

0007

siRNAは、潜在的な抗ウイルス治療薬として極めて有効であることが示されており、最近多くの例が公表されている。ウイルスゲノム中の標的に対して向けられるsiRNA分子は、インフルエンザ(非特許文献2〜4)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)(非特許文献5)、B型肝炎ウイルスHBV)(非特許文献6)、C型肝炎ウイルス(非特許文献7〜8)、およびSARSコロナウイルス(非特許文献9)の動物モデルにおいて、ウイルス力価を数桁、飛躍的に低下させる。

0008

アンチセンス法とは、mRNAまたはDNAのような細胞内核酸の正常な必須機能(例えば、タンパク質合成)が妨げられるような、比較的短いオリゴヌクレオチドのmRNAまたはDNAへの相補的ハイブリダイゼーションのことである。ハイブリダイゼーションは、ワトソンクリック塩基対を介したRNAまたは一本鎖DNAに対するオリゴヌクレオチドの配列特異的な水素結合である。このような塩基対を互いに相補的であると言う。

0009

Cohen(非特許文献10)によって論じられている、標的配列発現レベルを変化させる天然に存在する事象には、2つの種類があると考えられる。第一の、ハイブリダイゼーション停止は、オリゴヌクレオチド阻害剤が、標的核酸に結合し、その結果、単なる立体障害によって、必須タンパク質(ほとんどの場合、リボソーム)の核酸への結合が妨げられる終結事象を説明するものである。

0010

アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的配列の発現レベルを変化させるもう1つの手段は、標的mRNAへのハイブリダイゼーションと、それに続く細胞内RNアーゼHによる標的RNAの酵素的切断によるものである。2'−デオキシリボフラノシルオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド類似体が標的RNAとハイブリダイズし、この二重鎖がRNアーゼH酵素を活性化して、RNA鎖を切断し、それによって、このRNAの正常な機能を破壊する。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、この種のアンチセンス終結事象によって作用するアンチセンス薬剤の最も著明な例である。

0011

これらのおよび他の核酸をベースにした治療を使用する機会は大いに有望であり、現在の伝統的な医学では対処できない医学的問題の解決策を提供する。増々多くの疾患関連遺伝子の場所と配列が同定されつつあり、種々の疾患についての核酸をベースにした治療法臨床試験が、現在進行中である。

0012

オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド類似体の治療薬としての適用の進歩にも関わらず、改善された薬理学的特性を有するオリゴヌクレオチドが必要とされている。核酸およびオリゴヌクレオチドの膜貫通送達の改善に向けた努力において、タンパク質担体、抗体担体リポソーム性送達系、エレクトロポレーション、直接注射、細胞融合ウイルスベクター、およびリン酸カルシウムを介する形質転換が利用されている。しかしながら、これらの技術の多くは、膜貫通輸送が可能な細胞の種類と、このような輸送を達成するのに必要な条件とによって限定される。

0013

効果の改善を試みようとして、研究者らは、化学修飾された治療的核酸または未修飾の治療的核酸を送達するために、脂質をベースにした担体系も利用している。非特許文献11において、著者らは、アニオン性(従来型)のリポソーム、pH感受性リポソーム、免疫リポソーム融合性リポソーム、およびカチオン性脂質/アンチセンス凝集体の使用に言及している。同様に、siRNAは、カチオン性リポソーム中で全身投与されており、これらの核酸−脂質粒子がヒト以外の霊長類を含む哺乳類における標的タンパク質下方調節を改善することが報告されている(非特許文献12)。

0014

こうした進歩にもかかわらず、一般的な治療的使用に好適な改善された脂質−治療的核酸組成物が当技術分野で依然として必要とされている。これらの組成物は、高効率で核酸を封入し、高い薬物:脂質比を有し、封入された核酸を血清中の分解とクリアランスから保護し、全身送達に好適であり、封入された核酸の細胞内送達を提供することが好ましいであろう。さらに、これらの脂質−核酸粒子は、核酸の有効用量での患者治療が重大な毒性および/または患者へのリスクを伴わないように、良好な忍容性があり、かつ十分な治療指数を提供するべきである。本発明は、このような組成物、これらの組成物を作製する方法、および疾患の治療の目的を含めて、これらの組成物を用いて核酸を細胞に導入する方法を提供する。

先行技術

0015

Fireら(1998) Nature 391,806−811
2〜Geら,Proc.Natl.Acd.Sci.USA,101:8676−8681(2004)
Tompkinsら,Proc.Natl.Acd.Sci.USA,101:8682−8686(2004)
Thomasら,Expert Opin.Biol.Ther.5:495−505(2005)
Bitkoら,Nat.Med.11:50−55(2005)
Morrisseyら,Nat.Biotechnol.23:1002−1007(2005)
Kapadia,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,100:2014−2018(2003)
Wilsonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,100:2783−2788(2003)
Liら,Nat.Med.11:944−951(2005)
Oligonucleotides:Antisense Inhibitors of Gene Expression,CRCPress,Inc.,1989,Boca Raton,Fla.
Zelphati,OおよびSzoka,F.C.,J.Contr.Rel.41:99−119(1996)
Zimmermannら,Nature 441:111−114(2006)

発明が解決しようとする課題

0016

本発明は、核酸のインビボ送達に有利な標的化脂質およびこれらの脂質を含む脂質粒子、ならびにインビボでの治療的使用に好適な核酸−脂質粒子組成物を提供する。

課題を解決するための手段

0017

本発明は、下記式(I)に示す構造を有する標的化脂質を提供する:



式中、
LAは、糖質グルコースマンノースガラクトース、N−アセチルガラクトサミンフコースグルコサミンラクトースマルトース葉酸ペプチドから選択されるリガンドであるか、または下記式II〜V:



に示す構造を有し;
q、q2A、q2B、q3A、q3B、q4A、q4B、q5A、q5B、およびq5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、0〜20であり;
P、P2A、P2B、P3A、P3B、P4A、P4B、P5A、P5B、P5C、T、T2A、T2B、T3A、T3B、T4A、T4B、T5A、T5B、およびT5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、NR’、O、S、C(O)、OC(O)、C(O)O、NHC(O)、C(O)NH、NHCH2、CH2、CH2NHもしくはCH2O、NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、CO、CH=N−O、CH2S、尿素ヘテロ環ヘテロアリール



であり;
Q、Q2A、Q2B、Q3A、Q3B、Q4A、Q4B、Q5A、Q5B、およびQ5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、−(CH2)n−、−C(R’)(R’’)(CH2)n−、−(CH2)mC(R’)(R’’)−、−(CH2CH2O)pCH2CH2−、または−(CH2CH2O)pCH2CH2NH−であり;
LBは、親油性物質ステロイド(例えば、ウバオール、ヘシゲニンジオスゲニン)、テルペン(例えば、トリテルペン、例えば、サルササポゲニンフリーリンエピフリーデラノル誘導体リトコール酸)、ビタミン(例えば、葉酸、ビタミンAビオチンピリドキサール)、セラミドからなる群から選択されるリガンドであるか、または下記式(VI):



の構造を有し;
R、R2、R2A、R2B、R3A、R3B、R4A、R4B、R5A、R5B、R5C、R6、R6A、およびR6Bは、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、CO、NH、NR’、O、S、C(O)、OC(O)、C(O)O、NHC(O)、C(O)NH、NHCH2、CH2、CH2NHもしくはCH2O、NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、CO、CH=N−O、



であり;
L2A、L2B、L3A、L3B、L4A、L4B、L5A、L5B、およびL5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、糖質、グルコース、マンノース、ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、フコース、グルコサミン、ラクトース、マルトース、葉酸、またはペプチドであり;
R’およびR’’は、それぞれ独立して、H、CH3、OH、SH、NH2、NR10R20、アルキルアルケニル、またはアルキニルであるか;あるいは、R’およびR’’は、それぞれ独立にハロゲンであり;
Raは、Hまたはアミノ酸側鎖であり;
R10およびR20は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり;
L6AおよびL6Bは、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、これらは各々、随意的に1つ以上の置換基置換されており;
mは、それぞれ存在ごとに独立して、0〜50であり;
nは、それぞれ存在ごとに独立して、1〜20であり;かつ
pは、それぞれ存在ごとに独立して、0〜50である。
q、q2A、q2B、q3A、q3B、q4A、q4B、q5A、q5B、およびq5Cのいずれかが1よりも大きいとき、繰り返し単位は、互いに同じであることも、または異なることもあり、例えば、qが3であるとき、単位−[P−Q−R]q−は、−[P−Q−R]−[P−Q−R]−[P−Q−R]−に拡大され、この−[P−Q−R]−単位の全てが、同じであることも、互いに全く異なることも、またはこれらの混合であることもある。

0018

本発明はさらに、脂質粒子および薬学的組成物を調製する方法、ならびにこれらの脂質粒子および薬学的組成物を調製する際に有用なキットを含む。本方法は、薬剤、例えば、選択された標的遺伝子(例えば、肝臓発現する遺伝子)を標的とするオリゴヌクレオチドをベースにしたコンストラクトと標的化脂質とを含む組成物を提供する工程;および組成物を被検対象(例えば、動物)に投与する工程;それによって、標的遺伝子の発現を評価することにより、薬剤と標的化脂質を評価する工程を含む。

図面の簡単な説明

0019

標的化リガンドを用いた標的送達の概略図。
コンジュゲートされた治療剤とともに標的化リガンドを用いる標的送達の概略図。
テザーで隔てられた1つ以上の標的化部分Rを用いるポリマー薬物送達系の模式図。XとYは、スキャフォールド/テザーとテザー/リガンド間の化学的結合を示す。R’および/またはR’’は、標的化基、融合基、エンドソーム放出基疎水性親水性バランサー(例えば、さまざまな長さの飽和アルキルもしくは不飽和アルキル)、またはさまざまな長さのPEG、またはPEGのような循環促進剤、PK調節因子のいずれかである。
テザーと結合Z(生体切断可能であるかまたは安定である)を介してポリマー骨格にコンジュゲートされた治療剤コンジュゲートを用いるポリマー薬物送達系の概略図。
標的化部分を有するpH感受性脂質。
カチオン性脂質−葉酸コンジュゲート。
脂質−葉酸コンジュゲート。
標的送達のための葉酸コンジュゲート脂質、PEG−脂質、および送達系。
標的送達のための葉酸コンジュゲート脂質、PEG−脂質、および送達系。
葉酸コンジュゲートの合成。
本発明のPEG−脂質の模式図。
本発明のPEG−脂質の模式図。
本発明のPEG−脂質の模式図。
本発明のPEG−脂質の模式図。
本発明のPEG−脂質の模式図。
本発明のPEG−脂質の模式図。
本発明のPEG−脂質の模式図。
本発明のPEG−脂質の模式図。
本発明のPEG−脂質の模式図。
本発明のPEG−脂質の模式図。

0020

一態様では、本発明は、下記式(CI)に示す構造を有する標的化脂質モノマーを提供する。



式中、
L100は、それぞれ存在ごとに独立して、脂質、親油性物質、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、これらは各々、随意的に、1つ以上の置換基で置換されており;
L101は、それぞれ存在ごとに独立して、リガンドまたは−CH2CH2(OCH2CH2)pO(CH2)qCH2−リガンドであり;
pは、1〜1000であり;かつ
qは、1〜20である。

0021

一実施形態では、標的化脂質モノマーは、下記式(CII)に示す構造を有する。



式中、
Aは、O、NH、NCH3、S、CH2、S−S、−C(CH3)2−S−S−、−CH(CH3)−S−S−、−O−N=C−、−C(O)−N(H)−N=C−、−C=N−O−、−C=N−N(H)−C(O)−、−C(O)N(Me)−N=C−、−C=N−N(Me)−C(O)−、−O−C(O)−O−、−O−C(O)−NH−、−NH−C(O)−O−、−NH−C(O)−NH−、−N(Me)−C(O)−N(Me)−、−N(H)−C(O)−N(Me)−、−N(Me)−C(O)−N(H)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(H)−、−C(O)−N(Me)−、−O−C(O)−、−NH−C(O)−、−N(Me)−C(O)−、−C=N−、−N=C−、



ヘテロ環、またはヘテロアリールであり;
L100は、それぞれ存在ごとに独立して、脂質、親油性物質、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、これらは各々、随意的に、1つ以上の置換基で置換されており;
L101は、それぞれ存在ごとに独立して、リガンドまたは−CH2CH2(OCH2CH2)pO(CH2)qCH2−リガンドであり;
pは、1〜1000であり;かつ
qは、1〜20である。

0022

一実施形態では、標的化脂質モノマーは、下記式(CIII)に示す構造を有する。



式中、
L100は、L112、



であり;
R100は、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、CO、NH、O、S、S−S、−C(CH3)2−S−S−、−CH(CH3)−S−S−、C(O)、OC(O)、C(O)O、NHC(O)、C(O)NH、NHCH2、CH2、CH2NH、CH2O、CH=N−O、ヘテロアリール、ヘテロ環、



であり;
L111は、L113、L114、



であり;
L112は、それぞれ存在ごとに独立して、脂質、親油性物質、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、これらは各々、随意的に、1つ以上の置換基で置換されており;
L113は、それぞれ存在ごとに独立して、−CH2CH2(OCH2CH2)pO(CH2)qCH2−L114であり;
L114は、それぞれ存在ごとに独立して、リガンド、−C(O)−リガンド、−O−C(O)−リガンド、−N(H)−リガンド、−O−C(O)−N(H)−リガンド、−O−C(O)−O−リガンド、−NH−C(O)−N(H)−リガンド、−NH−C(O)−O−リガンド、−S−S−リガンド、−O−N=C−リガンド、−NH−N=C−リガンド、−C=N−O−リガンド、−C=N−N(H)−リガンド、ヘテロ環−リガンド、ヘテロアリール−リガンド、



であり;
pは、1〜1000であり;かつ
qは、1〜20である。

0023

一実施形態では、L110は、



からなる群から選択される。

0024

一実施形態では、L111は、



からなる群から選択される。

0025

一実施形態では、L112は、アルキル、例えば、C5−C31アルキル、例えば、C10−C18アルキル、例えば、C14アルキル、C15アルキル、C16アルキル、C17アルキル、C18アルキルである。

0026

一実施形態では、L112は、アルケニル、例えば、C5−C31アルケニル、例えば、C10−C18アルケニル、例えば、C14アルケニル、C15アルケニル、C16アルケニル、C17アルケニル、C18アルケニルである。一実施形態では、L112は、少なくとも1つの二重結合を含む。

0027

一実施形態では、L112は、アルキニル、例えば、C5−C31アルキニル、例えば、C10−C18アルキニル、例えば、C14アルキニル、C15アルキニル、C16アルキニル、C17アルキニル、C18アルキニルである。一実施形態では、L112は、少なくとも1つの三重結合を含む。一実施形態では、L112は、少なくとも1つの二重結合と少なくとも1つの三重結合とを含む。

0028

一実施形態では、L112は、少なくとも1つの二重結合、例えば、E配置またはZ配置の二重結合を含む。

0029

一実施形態では、L112は、2つの二重結合を含む。一実施形態では、少なくとも1つの二重結合がZ配置を有する。一実施形態では、両方の二重結合がZ配置を有する。一実施形態では、少なくとも1つの二重結合がE配置を有する。一実施形態では、両方の二重結合がE配置を有する。

0030

一実施形態では、L112は、3つの二重結合を含む。一実施形態では、少なくとも1つの二重結合がZ配置を有する。一実施形態では、2つの二重結合がZ配置を有する。一実施形態では、3つ全ての二重結合がZ配置を有する。一実施形態では、少なくとも1つの二重結合がE配置を有する。一実施形態では、2つの二重結合がE配置を有する。一実施形態では、3つ全ての二重結合がE配置を有する。

0031

一実施形態では、L112は、コレステロールである。

0032

一実施形態では、L112は、



である。

0033

一実施形態では、L114は、標的化リガンド、例えば、葉酸、糖質である。

0034

一実施形態では、L114は、式(II)〜(V)に示す構造を有する。

0035

一実施形態では、L114は、図8に示す群から選択される。

0036

一実施形態では、L114は、



からなる群から選択される。

0037

一実施形態では、L110が、



からなる群から選択されるとき、L110はラセミ混合物である。

0038

一実施形態では、L110が、



からなる群から選択されるとき、L110は、R異性体のエナンチオマー過剰(例えば、少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%)である。一実施形態では、L110は、エナンチオマー的に純粋な「R」異性体である。

0039

一実施形態では、L110が、



からなる群から選択されるとき、L110は、S異性体のエナンチオマー過剰(例えば、少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%)である。一実施形態では、L110は、エナンチオマー的に純粋な「S」異性体である。

0040

一実施形態では、L111が、



からなる群から選択されるとき、L111はラセミ混合物である。

0041

一実施形態では、L111が、



からなる群から選択されるとき、L111は、R異性体のエナンチオマー過剰(例えば、少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%)である。一実施形態では、L111は、エナンチオマー的に純粋な「R」異性体である。

0042

一実施形態では、L111が、



からなる群から選択されるとき、L111は、S異性体のエナンチオマー過剰(例えば、少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%)である。一実施形態では、L111は、エナンチオマー的に純粋な「S」異性体である。

0043

一態様では、本発明は、下記式(CIV)で示す構造を有する脂質モノマーである



式中、
L210は、L212、



であり;
R200は、それぞれ存在しないか、CO、NH、O、S、S−S、−C(CH3)2−S−S−、−CH(CH3)−S−S−、C(O)、OC(O)、C(O)O、NHC(O)、C(O)NH、NHCH2、CH2、CH2NH、CH2O、CH=N−O、ヘテロアリール、ヘテロ環、



であり;
L211は、L213、



であり;
L212は、それぞれ存在ごとに独立して、脂質、親油性物質、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、これらは各々、随意的に、1つ以上の置換基で置換されており;
L213は、それぞれ存在ごとに独立して、−CH2CH2(OCH2CH2)pO(CH2)qCH2−L214であり;
L214は、それぞれ存在ごとに独立して、H、−OH、−OCH3、−NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、−SH、−SCH3、−N3、−COOH、−C(O)NH2、−C(O)NHNH2、−CH=CH2、−C≡CH、または



であり;
pは、1〜1000であり;かつ
qは、1〜20である。

0044

一実施形態では、L210は、



からなる群から選択される。

0045

一実施形態では、L211は、



からなる群から選択される。

0046

一態様では、本発明は、下記式(I)に示す構造を有する標的化脂質を提供する:



式中、
LAは、糖質、グルコース、マンノース、ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、フコース、グルコサミン、ラクトース、マルトース、葉酸、ペプチドから選択されるリガンドであるか、または下記式II〜V:



に示す構造を有し;
q、q2A、q2B、q3A、q3B、q4A、q4B、q5A、q5B、およびq5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、0〜20であり;
P、P2A、P2B、P3A、P3B、P4A、P4B、P5A、P5B、P5C、T、T2A、T2B、T3A、T3B、T4A、T4B、T5A、T5B、およびT5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、NR’、O、S、C(O)、OC(O)、C(O)O、NHC(O)、C(O)NH、NHCH2、CH2、CH2NHもしくはCH2O、NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、CO、CH=N−O、CH2S、尿素、ヘテロ環、ヘテロアリール、



であり;
Q、Q2A、Q2B、Q3A、Q3B、Q4A、Q4B、Q5A、Q5B、およびQ5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、−(CH2)n−、−C(R’)(R’’)(CH2)n−、−(CH2)mC(R’)(R’’)−、−(CH2CH2O)pCH2CH2−、または−(CH2CH2O)pCH2CH2NH−であり;
LBは、親油性物質、ステロイド(例えば、ウバオール、ヘシゲニン、ジオスゲニン)、テルペン(例えば、トリテルペン、例えば、サルササポゲニン、フリーデリン、エピフリーデラノール誘導体化リトコール酸)、ビタミン(例えば、葉酸、ビタミンA、ビオチン、ピリドキサール)、セラミドからなる群から選択されるリガンドであるか、または下記式(VI):



の構造を有し;
R、R2、R2A、R2B、R3A、R3B、R4A、R4B、R5A、R5B、R5C、R6、R6A、およびR6Bは、それぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、CO、NH、NR’、O、S、C(O)、OC(O)、C(O)O、NHC(O)、C(O)NH、NHCH2、CH2、CH2NHもしくはCH2O、NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、CO、CH=N−O、



であり;
L2A、L2B、L3A、L3B、L4A、L4B、L5A、L5B、およびL5Cは、それぞれ存在ごとに独立して、糖質、グルコース、マンノース、ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、フコース、グルコサミン、ラクトース、マルトース、葉酸、またはペプチドであり;
R’およびR’’は、それぞれ独立して、H、CH3、OH、SH、NH2、NR10R20、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり;
Raは、Hまたはアミノ酸側鎖であり;
R10およびR20は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり;
L6AおよびL6Bは、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、これらは各々、随意的に1つ以上の置換基で置換されており;
mは、それぞれ存在ごとに独立して、0〜50であり;
nは、それぞれ存在ごとに独立して、1〜20であり;かつ
pは、それぞれ存在ごとに独立して、0〜50である。

0047

q、q2A、q2B、q3A、q3B、q4A、q4B、q5A、q5B、およびq5Cのいずれかが1よりも大きいとき、反復単位は、互いに同じであることも、または異なることもあり、例えば、qが3であるとき、単位−[P−Q−R]q−は、−[P−Q−R]−[P−Q−R]−[P−Q−R]−に拡大され、この−[P−Q−R]−単位の全てが、同じであることも、互いに全く異なることも、またはこれらの混合であることもある。

0048

親油性部分は、例えば、脂質、コレステロール、オレイル残基、リノレオイル基ラウロイル残基、ドコニル残基、ステアロイル残基、レチニル残基、コレステリル残基、コール酸アダマンタン酢酸、1−ピレン酪酸ジヒドロテストステロン、1,3−ビス−O(ヘキサデシルグリセロールゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオールメントール、1,3−プロパンジオールヘプタデシル基パルミチン酸ミリスチン酸、O3−(オレオイル)リトコール酸、O3−(オレオイル)コレン酸、ジメトキシトリチルフェノキサジン、または胆汁酸からなる群から選択することができる。好ましい親油性部分はコレステロールである。

0049

一実施形態では、LAは、マンノース、ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミンであるか、または式Vに示す構造を有する。好ましい実施形態では、LAは、マンノースである。一実施形態では、LAは、式Vに示す構造を有する。

0050

一実施形態では、LAは、



である。

0051

一実施形態では、LAは、



である。

0052

一実施形態では、L2AとL2Bは両方とも同じである。

0053

一実施形態では、L2AとL2Bは両方とも異なっている。

0054

一実施形態では、L3AとL3Bは両方とも同じである。

0055

一実施形態では、L3AとL3Bは両方とも異なっている。

0056

一実施形態では、L4AとL4Bは両方とも同じである。

0057

一実施形態では、L4AとL4Bは両方とも異なっている。

0058

一実施形態では、L5AとL5BとL5Cは全て同じである。

0059

一実施形態では、L5AとL5BとL5Cのうちの2つが同じである。

0060

一実施形態では、L5AとL5Bが同じで、L5Cが異なっている。

0061

一実施形態では、L5AとL5Cが同じで、L5Bが異なっている。

0062

一実施形態では、L5BとL5Cが同じで、L5Aが異なっている。

0063

一実施形態では、L6AとL6Bは両方とも同じである。

0064

一実施形態では、L6AとL6Bは両方とも異なっている。

0065

一実施形態では、R6AとR6Bは各々、O、C(O)、NH、またはNR’である。

0066

一実施形態では、L6AとL6Bは各々、独立して、アルキル、例えば、C6−C28アルキル、例えば、C10−C18アルキル、例えば、C14アルキルである。一実施形態では、L6AとL6Bは両方とも、アルキル、例えば、同じ長さを有する直鎖アルキル、例えば、C6−C28アルキル、例えば、C10−C18アルキル、例えば、C14アルキルまたはC16アルキルである。一実施形態では、L6AとL6Bは両方ともC14アルキルである。

0067

一実施形態では、式VIは、ラセミ混合物を表す。

0068

一実施形態では、式VIの化合物は、R異性体のエナンチオマー過剰(例えば、少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%)である。一実施形態では、式VIは、エナンチオマー的に純粋な「R」異性体を表す。

0069

一実施形態では、式VIの化合物は、S異性体のエナンチオマー過剰(例えば、少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%)である。一実施形態では、式VIは、エナンチオマー的に純粋な「S」異性体を表す。

0070

一実施形態では、L6AとL6Bは各々、独立して、アルケニルであり、例えば、L6AとL6Bは各々、独立して、C6−C30アルケニルであるか、またはL6AとL6Bは各々、同じアルケニル部分である。一実施形態では、L6AとL6Bは各々、1つの二重結合、例えば、E配置またはZ配置の二重結合を含む。

0071

一実施形態では、L6AとL6Bは各々、2つの二重結合部分を含む。一実施形態では、これらの二重結合のうちの少なくとも1つがZ配置を有する。一実施形態では、これらの二重結合が両方ともZ配置を有する。一実施形態では、L6AとL6Bのうちの少なくとも1つは、下記式(VII)で示される。



式中、
xは1〜8の整数であり;かつ
yは1〜10の整数である。

0072

一実施形態では、L6AとL6Bは両方とも、式(VII)のものである。一実施形態では、これらの二重結合のうちの少なくとも1つがE配置を有し、例えば、これらの二重結合が両方ともE配置を有する。一実施形態では、L6AとL6Bのうちの少なくとも1つは、下記式(VIII)で示される。



式中、
xは1〜8の整数であり;かつ
yは1〜10の整数である。

0073

一実施形態では、L6AとL6Bは各々、3つの二重結合部分を含む。一実施形態では、これらの二重結合のうちの少なくとも1つがZ配置を有する。一実施形態では、これらの二重結合のうちの少なくとも2つがZ配置を有する。一実施形態では、これらの二重結合が全て、Z配置を有する。一実施形態では、L6AとL6Bのうちの少なくとも1つは、下記式(IX)で示される。



式中、
xは1〜8の整数であり;かつ
yは1〜10の整数である。

0074

一実施形態では、L6AとL6Bは両方とも、式(IX)で示されるものである。一実施形態では、これらの二重結合のうちの少なくとも1つはE配置を有する。一実施形態では、これらの二重結合のうちの少なくとも2つはE配置を有する。一実施形態では、これらの二重結合は全てE配置を有する。一実施形態ではL6AとL6Bのうちの少なくとも1つは、下記式(X)で示される。



式中、
xは1〜8の整数であり;かつ
yは1〜10の整数である。

0075

一実施形態では、LBは、



である。

0076

一実施形態では、LBは、ジアシルグリセロール、ジステアリルグリセロール、ジパルミトイルグリセロール、ジミリストイルグリセロール、ジオレオイルグリセロール、または他のジアシルステリル疎水性基からなる群から選択される。

0077

一実施形態では、LBは、



である。

0078

好ましい一実施形態では、LBは、



である。

0079

別の好ましい実施形態では、LBは、



である。

0080

好ましい一実施形態では、式Iは、構造



を有する。

0081

別の好ましい実施形態では、式Iは、構造



を有する。

0082

好ましい一実施形態では、式Iは、構造



を有する。

0083

別の好ましい実施形態では、式Iは、構造



を有する。

0084

好ましい一実施形態では、式Iは、構造



を有する。

0085

別の好ましい実施形態では、式Iは、構造



を有する。

0086

好ましい一実施形態では、式Iは、構造



を有する。

0087

別の好ましい実施形態では、式Iは、構造



を有する。

0088

一態様では、本発明は、下記式(VII)で示す構造を有する標的化脂質モノマーを特色とする。



式中、R300はリガンドである。

0089

一態様では、本発明は、下記式(VIII)〜(XV)の標的化脂質を特色とする。






式中、R300はリガンドであり;nは0〜20であり;かつ
xは、エーテル結合チオエーテル結合カルバメート結合ウレタン結合、生体切断可能なリンカー(例えば、ジスルフィドエステルアミド)、pH感受性リンカー(例えば、ヒドラゾンオキシムアセタールケタールオルトエステル、CDM(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2007,104(32),12982−12987)参照)ペプチダーゼ感受性ペプチド、ホスフェートアジドおよびアルキン由来のトリアゾール結合、ならびに/またはこれらの組合せである。

0090

一実施形態では、Rは、式(II)〜(V)に示す構造を有する。

0091

一実施形態では、Rは、図8に示す群から選択される。

0092

一実施形態では、Rは、



式中、xは、エーテル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、ウレタン結合、生体切断可能なリンカー(例えば、ジスルフィド、エステル、アミド)、pH感受性リンカー(例えば、ヒドラゾン、オキシム、アセタール/ケタール、オルトエステル、CDM(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2007,104(32),12982−12987)参照)、ペプチダーゼ感受性ペプチド、ホスフェート、アジドおよびアルキン由来のトリアゾール結合、ならびに/またはこれらの組合せである。)からなる群から選択される。

0093

いくつかの実施形態では、本発明は、表1の化合物を提供する。

0094

一態様では、本発明は、標的化リガンドとコンジュゲートした薬物送達系を提供する。

0095

薬物送達系(本明細書では「薬物送達スキャフォールド」とも呼ばれる)は、ポリマー性のスキャフォールドをベースにすることができる。ポリマー性の送達系は、エンドソーム放出剤を含むかまたはこれを含まない、水溶性生体適合性生物分解性、pH感受性、カチオン性、アニオン性、中性、親水性、疎水性で、線状または分岐状のポリマー、デンドリマーを含む。ポリマーは、ポリアニオン性もしくはポリカチオン性のポリマーのpH感受性マスキング、ペプチド、多糖単糖ポリグリシドールも含む。ポリマーと標的化部分の間のテザーおよび結合は、本明細書に記載される脂質−リガンドコンジュゲートのテザーおよび結合と同一または同様である。

0096

一実施形態では、薬物送達系は、この送達系のPK特性を調節することができる部分とコンジュゲートまたは会合している。

0097

一実施形態では、薬物送達系は、エンドソーム放出剤とコンジュゲートまたは会合している。

0098

一実施形態では、薬物送達系は、エンドソーム放出剤およびこの送達系のPK特性を調節することができる部分とコンジュゲートまたは会合している。

0099

一実施形態では、薬物送達系を標的化部分に結合するテザー/リンカーは、エンドソーム放出剤とコンジュゲートまたは会合している。

0100

エンドソーム放出剤としては、イミダゾールポリイミダゾールもしくはオリゴイミダゾール、PEI、ペプチド、融合性ペプチドポリカルボキシレートポリカチオン、マスキングされたオリゴカチオンもしくはマスキングされたポリカチオン、もしくはマスキングされたオリゴアニオンもしくはマスキングされたポリアニオン、アセタール、ポリアセタール、ケタール/ポリケタール、および/またはオルトエステルが挙げられる。

0101

一態様では、薬物送達系は、リポソーム製剤サーファクタント製剤、ミセル製剤膜性製剤、ナノ粒子エマルジョンナノエマルジョンおよびマイクロエマルジョンイントラリピッド大豆をベースにした製剤、大豆脂肪油、脂肪油をベースにしたもの、魚油オメガ−3)、抗体、リピドイド(lipidoid)、ならびに乾燥粉末製剤に基づく。

0102

好ましい実施形態では、リポソームは、カチオン性、アニオン性、または中性である。

0103

好ましい実施形態では、サーファクタントは、カチオン性、アニオン性、または中性である。

0104

腎臓は、近位尿細管細胞に集中した高親和性の葉酸結合タンパク質(FBP)を含有する(Int.Rev.Cytol.180.237−284,1998))。それゆえに、核酸治療剤(例えば、siRNAまたはアンタゴmir)を、本発明の標的送達アプローチを用いた核酸治療薬の標的送達によって、腎臓に標的することができる。

0105

本発明における薬物は、核酸治療薬またはiRNA剤(例えば、siRNA、アンタゴmir、マイクロRNA、アンチセンス、アプタマープラスミドデコイRNA、免疫刺激性オリゴヌクレオチド、アンチセンスマイクロRNA、スプライス調節オリゴヌクレオチド、RNA活性化オリゴヌクレオチドなど)である。薬物は、送達系とコンジュゲートしているかまたは送達系ととともに製剤化されているかのどちらかである。いくつかの実施形態では、薬物は、標的化部分を送達系に結合させるテザー/リンカーとコンジュゲートしている。

0106

さらなる態様では、本発明は、標的遺伝子の発現を調節する方法を提供し、この方法は、本明細書で記載される薬物送達系とともに製剤化されているかまたは本明細書で記載される薬物送達系とコンジュゲートしている、本明細書で定義される薬物を投与する工程を含む。

0107

一態様では、本発明は、本明細書に記載される薬物送達系とともに製剤化されているかまたは本明細書に記載される薬物送達系とコンジュゲートしている核酸および薬学的に許容される担体を有する薬学的組成物を特色とする。

0108

さらなる関連実施形態では、本発明は、1つ以上の上記の本発明の脂質を含む脂質粒子を含む。ある実施形態では、粒子は、本明細書で記載される標的化脂質、カチオン性脂質、中性脂質、および粒子の凝集を低下させることができる脂質をさらに含む。特定の一実施形態では、脂質粒子は、標的化脂質約0.5〜50%:カチオン性脂質20〜60%:中性脂質5〜25%:コレステロール25〜55%:PEG−DMGまたはPEG−DMA0.5〜15%というモル比の(i)標的化脂質、(ii)アミノ脂質、(iii)DSPC、POPC、DOPE、およびSMから選択される中性脂質;(iv)コレステロール;ならびに(v)PEG−DMG、PEG−C−DOMG、またはPEG−DMAから本質的になる。

0109

葉酸
本明細書で使用される場合、「葉酸」という用語は、葉酸、ならびにプテロイン酸誘導体およびプテロイン酸類似体を含む、葉酸誘導体を指すことを意味する。本発明で使用するのに好適な葉酸の類似体および誘導体としては、葉酸拮抗薬ジヒドロ葉酸テトラヒドロ葉酸テトラヒドロプテリンフォリン酸、プテロポリグルタミン酸、1−デザ(deza)葉酸、3−デアザ葉酸、5−デアザ葉酸、8−デアザ葉酸、10−デアザ葉酸、1,5−デアザ葉酸、5,10−ジデアザ葉酸、8,10−ジデアザ葉酸、および5,8−ジデアザ葉酸、葉酸拮抗薬、ならびにプテロイン酸誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる葉酸類似体は、公開されている米国公開US第2004/0,242,582号(2004年12月2日公開)に記載されている。

0110

脂質/親油性物質
「脂質」および「親油性物質」という用語は、任意の脂溶性分子(例えば、脂肪、油、ワックス、テルペン、ステロール脂溶性ビタミン(例えば、A、D、E、およびK)、モノグリセリドジグリセリドトリグリセリド脂肪酸、ホパノイド、およびリン脂質)を指す。例示的な親油性分子としては、コレステロール、プロゲステロンテストステロンエストラジオールノルエチンフロン(norethindfrone)、コルチゾン、コール酸、O3−(オレオイル)リトコール酸、コレン酸、O3−(オレオイル)コレン酸、ケノデオキシコール酸グリココール酸タウロコール酸デオキシコール酸、アダマンタン酢酸、1−ピレン酪酸、ジヒドロテストステロン、1,3−ビス−O(ヘキサデシル)グリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオール、メントール、1,3−プロパンジオール、ヘプタデシル基、パルミチン酸、ミリスチン酸、ジメトキシトリチル、フェノキサジン、多環芳香族炭化水素(例えば、フェナジンジヒドロフェナジン)、ラウリン酸ステアリン酸アラキジン酸パルミトレイン酸オレイン酸リノール酸リノレン酸アルキドン酸(archidonic acid)、ロイコトリエンA、ミルセンゲラニオールカルボン酸、ネペタラクトン、メントフラン、α−ピネンカンファーファルネソールフムレン、ナギオン(nagione)、カリオフィレンアビエチン酸ラノステロール、およびスクワレンカンペステロールシトステロールスティグマステロールエルゴステロールブラッシンステロール(brassinsterol)、ジステアリル−リトコールアミド、ボルネオール、メントール、ヘプタデシル基、ジアルキルグリセリドジアシルグリセリド、ならびに胆汁酸が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、遊離酸(例えば、遊離脂肪酸、例えば、パルミチン酸)などの親油性部分を説明する用語は、ラジカルを表す用語(例えば、パルミトイル)と互換的に使用される。

0111

糖質
本明細書で使用される場合、「糖質」とは、少なくとも6個の炭素原子を有する1つ以上の単糖単位(線状、分岐状、もしくは環状であり得る)から構成され、各々の炭素原子に酸素原子窒素原子、もしくは硫黄原子が結合しているそれ自体が糖質である化合物か、または各々が少なくとも6個の炭素原子を有する1つ以上の単糖単位(線状、分岐状、もしくは環状であり得る)から構成され、各々の炭素原子に酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子が結合している糖質部分をその一部として有する化合物のいずれかを指す。代表的な糖質には、糖類(単糖、二糖三糖、および約4〜9個の単糖単位を含有するオリゴ糖)、ならびに多糖類(例えば、デンプングリコーゲンセルロース、および多糖ゴム)が含まれる。具体的な単糖には、C5以上(好ましくはC5〜C8)の糖;二糖および三糖には、2つまたは3つの単糖単位(好ましくはC5〜C8)を有する糖が含まれる。

0112

「単糖」という用語は、アロースアルトース、アラビノースクラジノースエリトロース、エリスルロース、フルクトース、D−フシトール、L−フシトール、フコサミン、フコース、フクロース、ガラクトサミン、D−ガラクトミニトール、N−アセチル−ガラクトサミン、ガラクトース、グルコサミン、N−アセチル−グルコサミン、グルコサミニトール、グルコース、グルコース−6−リン酸グロースグリセルアルデヒド、L−グリセロ−D−マンノス−ヘプトース、グリセロール、グリセロン、グロース、イドースリキソースマンノサミン、マンノース、マンノース−6−リン酸、プシコースキノボースキノボサミン、ラムニトール、ラムノサミン、ラムノースリボースリブロースセドヘプツロースソルボースタガトースタロース酒石酸トレオースキシロース、およびキシルロースの基を含む。単糖は、D体またはL体であることができる。単糖はさらに、デオキシ糖アルコールヒドロキシ基水素に置換したもの)、アミノ糖(アルコールヒドロキシ基をアミノ基に置換したもの)、チオ糖(アルコールヒドロキシ基をチオールに置換したもの、またはC=OをC=Sに置換したもの、または環状形態の環酸素硫黄に置換したもの)、セレノ糖、テルロ糖、アザ糖(環炭素窒素に置換したもの)、イミノ糖(環酸素を窒素に置換したもの)、ホスファノ糖(環酸素をリンに置換したもの)、ホスファ糖(環炭素をリンに置換したもの)、C−置換単糖(非末端炭素原子の水素を炭素で置換したもの)、不飽和単糖アルジトールカルボニル基をCHOH基で置換したもの)、アルドン酸アルデヒド基カルボキシ基に置換したもの)、ケトアルドン酸、ウロン酸アルダル酸などであってもよい。アミノ糖としては、アミノ単糖、好ましくは、ガラクトサミン、グルコサミン、マンノサミン、フコサミン、キノボサミン、ノイラミン酸ムラミン酸、ラクトースジアミンアコサミン、バシロサミン、ダウノサミン、デソサミンフォロサミン、ガロサミン、カノサミン、カンソサミン(kansosamine)、ミカミノース、ミコサミン、ペロサミン、プノイモサミン、プルプロサミン(purpurosamine)、ロドサミンが挙げられる。単糖などは、さらに置換することができるということが理解される。

0113

「二糖」、「三糖」、および「多糖」という用語は、アベクオース、アクラボース、アミセトース、アミロペクチンアミロースアピオースアルカノース、アスカリロース、アスコルビン酸、ボイビノース、セロビオースセロトリオース、セルロース、カコトリオース、カルコース、キチンコリトースシクロデキストリンシマロースデキストリン、2−デオキシリボース、2−デオキシグルコースジギノースジギタロースジギトキソースエバロース、エベミトロース(evemitrose)、フルクトオリゴ糖ガルトオリゴ糖(galto−oligosaccharide)、ゲンチアノース、ゲンチオビオースグルカン、グルコーゲン、グリコーゲン、ハマメロース、ヘパリンイヌリンイソレボグルコセノンイソマルトースイソマルトトリオース、イソパノースコジビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクトースジアミン、ラミナラビオース、レボグルコサン、レボグルコセノン、β−マルトース、マルトリオース、マンナン−オリゴ糖、マンニノトリオース、メレチトースメリビオース、ムラミン酸、ミカロース、ミシノース、ノイラミン酸、ニゲロース、ノジリミシンノビオース、オレアンドロース、パノース、パラトース、プランテオースプリベロース、ラフィノース、ロジノース、ルチノースサルメントース、セドヘプツロース、セドヘプツロサン、ソラトリオース、ソホローススタキオースストレプトーススクロース、α,α−トレハローストラハロサミン、ツラノースチベロースキシロビオースウンベリフェロースなどの基を含む。さらに、「二糖」、「三糖」、および「多糖」などは、さらに置換することができるということが理解される。二糖には、アミノ糖およびその誘導体、特に、C−4'位で誘導体化されたミカミノースまたはC−6'位で誘導体化された4デオキシ−3−アミノグルコースも含まれる。

0114

リガンド
多種多様実体を、本発明によるコンジュゲーションのためのリガンドとして使用することができる。好ましい部分は、介在テザーを介して直接的にかまたは間接的にかのいずれかで、好ましくは共有結合的に連結されるリガンドである。

0115

好ましい実施形態では、リガンドは、それが組み込まれる分子の分布、標的化、または寿命改変する。好ましい実施形態では、リガンドは、例えば、このようなリガンドがない種と比較して、選択された標的(例えば、分子、細胞、もしくは細胞型区画(例えば、細胞区画もしくは器官区画)、組織、器官、または身体領域)に対する親和性を増強する。選択された標的に対する親和性を増強するリガンドは、標的化リガンドとも呼ばれる。

0116

いくつかのリガンドは、エンドソーム溶解特性を有することができる。エンドソーム溶解リガンドは、エンドソームの溶解および/または本発明の組成物、もしくはその成分のエンドソームから細胞の細胞質への輸送を促進する。エンドソーム溶解リガンドは、pH依存的な膜活性および融合性を示すポリアニオン性のペプチドまたはペプチド模倣体であり得る。ある実施形態では、エンドソーム溶解リガンドは、エンドソームpHで活性のある立体構造をとる。「活性のある」立体構造とは、エンドソーム溶解リガンドが、エンドソームの溶解および/または本発明の組成物、もしくはその成分のエンドソームから細胞の細胞質への輸送を促進する立体構造のことである。例示的なエンドソーム溶解リガンドには、GALAペプチド(Subbaraoら,Biochemistry,1987,26:2964−2972)、EALAペプチド(Vogelら,J.Am.Chem.Soc.,1996,118:1581−1586)、およびこれらの誘導体(Turkら,Biochem.Biophys.Acta,2002,1559:56−68)が含まれる。ある実施形態では、エンドソーム溶解成分は、pHの変化に応答して電荷またはプロトン化が変化することになる化学基(例えば、アミノ酸)を含有してもよい。エンドソーム溶解成分は、線状であってもまたは分岐状であってもよい。ペプチドをベースにしたエンドソーム溶解リガンドの例示的な一次配列を表2に示す。

0117

リガンドは、輸送特性、ハイブリダイゼーション特性、および特異性特性を改善することができ、結果として得られる天然オリゴリボヌクレオチドもしくは修飾オリゴリボヌクレオチド、または本明細書に記載されるモノマーおよび/もしくは天然リボヌクレオチドもしくは修飾リボヌクレオチドの任意の組合せを含むポリマー分子ヌクレアーゼ耐性を改善することもある。

0118

一般的に、リガンドは、例えば、取込みを増強するための、治療的修飾物質;例えば、分布をモニターするための、診断的化合物またはレポーター基架橋剤;およびヌクレアーゼ耐性を付与する部分を含むことができる。一般例として、脂質、ステロイド、ビタミン、糖、タンパク質、ペプチド、ポリアミン、およびペプチド模倣物が挙げられる。

0119

リガンドとしては、天然に存在する物質、例えば、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミンHSA)、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質HDL)、もしくはグロブリン);糖質(例えば、デキストランプルラン、キチン、キトサン、イヌリン、シクロデキストリン、もしくはヒアルロン酸);または脂質を挙げることができる。リガンドは、組換え分子または合成分子、例えば、合成ポリマー(例えば、合成ポリアミノ酸)、オリゴヌクレオチド(例えば、アプタマー)であってもよい。ポリアミノ酸の例としては、ポリリジンPLL)、ポリL−アスパラギン酸、ポリL−グルタミン酸スチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコライドコポリマージビニルエーテル無水マレイン酸コポリマー、N−(2−ヒドロキシプロピルメトアクリルアミドコポリマーHMPA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコールPVA)、ポリウレタン、ポリ(2−エチルアクリル酸)、N−イソプロピルアクリルアミドポリマー、またはポリホスファジンであるポリアミノ酸が挙げられる。ポリアミンの例としては、ポリエチレンイミン、ポリリジン(PLL)、スペルミンスペルミジン、ポリアミン、シュードペプチド−ポリアミン、ペプチド模倣体ポリアミン、デンドリマーポリアミン、アルギニンアミジンプロタミン、カチオン性脂質、カチオン性ポルフィリン、ポリアミンの四級塩、またはアルファリックスペプチドが挙げられる。

0120

リガンドとしては、標的化基、例えば、細胞標的化剤または組織標的化剤(例えば、レクチン糖タンパク質、脂質、またはタンパク質(例えば、腎臓細胞などの特定の細胞型に結合する抗体))を挙げることもできる。標的化基は、チロトロピンメラトロピン、レクチン、糖タンパク質、サーファクタントプロテインA、ムチン糖質、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、N−アセチル−グルコサミン、多価マンノース、多価フコース、グリコシル化されたポリアミノ酸、多価ガラクトース、トランスフェリンビスホスホネートポリグルタメートポリアスパルテート、脂質、コレステロール、ステロイド、胆汁酸、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、RSGペプチド、RSGペプチド模倣体、またはアプタマーであることができる。表3に、標的化リガンドとその関連受容体のいくつかの例を示す。

0121

リガンドの他の例としては、色素インターカレート剤(例えば、アクリジン)、架橋剤(例えば、プソラレンマイトマイシンC)、ポルフィリン(TPPC4、テキサフィリン、サッフィリン)、多環芳香族炭化水素(例えば、フェナジン、ジヒドロフェナジン)、人工エンドヌクレアーゼ(例えば、EDTA)、親油性分子(例えば、コレステロール、コール酸、アダマンタン酢酸、1−ピレン酪酸、ジヒドロテストステロン、1,3−ビス−O(ヘキサデシル)グリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオール、メントール、1,3−プロパンジオール、ヘプタデシル基、パルミチン酸、ミリスチン酸、O3−(オレオイル)リトコール酸、O3−(オレオイル)コレン酸、ジメトキシトリチル、もしくはフェノキサジン)、およびペプチドコンジュゲート(例えば、アンテナペディアペプチド、Tatペプチド)、アルキル化剤、ホスフェート、アミノ、メルカプト、PEG(例えば、PEG−40K)、MPEG、[MPEG]2、ポリアミノ、アルキル、置換アルキル放射性標識マーカー、酵素、ハプテン(例えば、ビオチン)、輸送/吸収促進物質(例えば、アスピリンビタミンE、葉酸)、合成リボヌクレアーゼ(例えば、イミダゾール、ビスイミダゾールヒスタミン、イミダゾールクラスター、アクリジン−イミダゾールコンジュゲート、テトラアザマクロ環のEu3+錯体)、ジニトロフェニル、HRP、またはAPが挙げられる。

0122

リガンドは、タンパク質(例えば、糖タンパク質)、またはペプチド(例えば、共リガンドに対する特異的な親和性を有する分子)、または抗体(例えば、癌細胞内皮細胞、もしくは骨細胞などの特定の細胞型に結合する抗体)であることができる。リガンドには、ホルモンおよびホルモン受容体も含まれ得る。リガンドには、脂質、レクチン、糖質、ビタミン、コファクター、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、N−アセチル−グルコサミン、多価マンノース、多価フコース、またはアプタマーなどの非ペプチド種も含まれ得る。リガンドは、例えば、リポ多糖、p38MAPキナーゼアクチベーター、またはNF−κBのアクチベーターであることができる。

0123

リガンドは、例えば、細胞の細胞骨格を破壊することによって(例えば、細胞の微小管微小フィラメント、および/または中間径フィラメントを破壊することによって)、コンジュゲートの細胞内への取込みを増大させる物質、例えば、薬物であることができる。薬物は、例えば、タキソン(taxon)、ビンクリスチンビンブラスチンサイトカラシン、ノコダゾール、ジャプラキノリド(japlakinolide)、ラトランクリンA、ファロイジン、スウィンホリドA、インダノシン、またはミオセルビンであることができる。

0124

リガンドは、例えば、炎症性応答を活性化することによって、コンジュゲートの細胞内への取込みを増大させることができる。このような効果を有すると考えられる例示的なリガンドとしては、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターロイキン−1β、またはγインターフェロンが挙げられる。

0125

一態様では、リガンドは、脂質または脂質をベースにした分子である。このような脂質または脂質をベースにした分子は、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)に結合することが好ましい。HSA結合リガンドは、コンジュゲートが標的組織(例えば、身体の腎臓以外の標的組織)に分布するのを可能にする。例えば、標的組織は、肝臓の実質細胞を含む肝臓であることができる。HSAに結合することができる他の分子もリガンドとして使用することができる。例えば、ネプロキシンまたはアスピリンを使用することができる。脂質または脂質をベースにしたリガンドは、(a)コンジュゲートの分解に対する抵抗性を増大させ、(b)標的細胞または細胞膜への標的化または輸送を増大させることができ、かつ/または(c)血清タンパク質、例えば、HSAへの結合を調節するために使用することができる。

0126

脂質をベースにしたリガンドは、標的組織に対するコンジュゲートの結合を調節(例えば、制御)するために使用することができる。例えば、HSAにより強く結合する脂質または脂質をベースにしたリガンドは、腎臓に標的される可能性が低く、したがって、身体から排出される可能性が低い。HSAにあまり強く結合しない脂質または脂質をベースにしたリガンドは、コンジュゲートを腎臓に標的するために使用することができる。

0127

好ましい実施形態では、脂質をベースにしたリガンドはHSAに結合する。コンジュゲートが好ましくは腎臓以外の組織に分布するような十分な親和性で、脂質をベースにしたリガンドがHSAに結合することが好ましい。しかしながら、この親和性はHSAリガンドの結合を取り消すことができないほど強力ではないことが好ましい。

0128

別の好ましい実施形態では、脂質をベースにしたリガンドは、コンジュゲートが好ましくは腎臓に分布するように、HSAに弱く結合するかまたは全く結合しない。腎細胞を標的とする他の部分を、脂質をベースにしたリガンドの代わりにまたは脂質をベースにしたリガンドに加えて、使用することもできる。

0129

別の態様では、リガンドは、標的細胞(例えば、増殖細胞)によって取り込まれる部分(例えば、ビタミン)である。これらは、例えば、悪性型または非悪性型(例えば、癌細胞)の望ましくない細胞増殖を特徴とする障害を治療するために特に有用である。例示的なビタミンには、ビタミンA、EおよびKが含まれる。他の例示的なビタミンには、ビタミンB(例えば、葉酸、B12、リボフラビン、ビオチン、ピリドキサール)、または癌細胞によって取り込まれる他のビタミンもしくは栄養素が含まれる。HAS、低密度リポタンパク質(LDL)、および高密度リポタンパク質(HDL)も含まれる。

0130

別の態様では、リガンドは、細胞透過剤、好ましくはヘリックス細胞透過剤である。この薬剤は両親媒性であることが好ましい。例示的な薬剤は、tatまたはアンテナペディアなどのペプチドである。この薬剤がペプチドの場合、修飾可能であり、ペプチジル模倣体反転異性体(invertomer)、非ペプチド結合またはペプチド結合が含まれ、D−アミノ酸を使用することもできる。ヘリックス剤は、好ましくは親油性相と疎油性相とを有するアルファヘリックス剤であることが好ましい。

0131

リガンドは、ペプチドまたはペプチド模倣体であることができる。ペプチド模倣体(本明細書ではオリゴペプチド模倣体とも呼ばれる)は、天然ペプチドと同様の明確な3次元構造に折り畳むことができる分子である。ペプチド部分またはペプチド模倣体部分の長さは、約5〜50アミノ酸、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸であることができる(例えば、表4参照)。

0132

ペプチドまたはペプチド模倣体は、例えば、細胞透過ペプチドカチオン性ペプチド両親媒性ペプチド、または(例えば、主にTyr、Trp、もしくはPheからなる)疎水性ペプチドであることができる。ペプチド部分は、デンドリマーペプチド、拘束されたペプチド、または架橋されたペプチドであることができる。別の代替において、ペプチド部分は、疎水性の膜転位配列(MTS)を含むことができる。例示的な疎水性MTS含有ペプチドは、アミノ酸配列AAVALLPAVLLALLAPを有するRFGFである。RFGF類似体(例えば、アミノ酸配列AALLPVLLAAP)を含有する疎水性MTSも標的化部分であることができる。ペプチド部分は、細胞膜を横断して、ペプチド、オリゴヌクレオチド、およびタンパク質を含む大きな極性分子運ぶことができる、「送達」ペプチドであることができる。例えば、HIVTatタンパク質(GRKKRRRRRPPQ)およびショウジョウバエのアンテナペディアタンパク質(RQKIWFQNRRMKWKK)に由来する配列は、送達ペプチドとして機能することができることが分かっている。ペプチドまたはペプチド模倣体は、ファージディスプレイライブラリー、または1ビーズ1化合物(OBOC)コンビナトリアルライブラリーから同定されたペプチドなどの、DNAのランダムな配列によってコードされることができる(Lamら,Nature,354:82−84,1991)。組み込まれたモノマー単位を介してiRNA剤に連結されたペプチドまたはペプチド模倣体は、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)ペプチド、またはRGD模倣物などの細胞標的化ペプチドであることが好ましい。ペプチド部分の長さは、約5アミノ酸〜約40アミノ酸の範囲であることができる。ペプチド部分は、例えば、安定性または直接的な立体構造特性を増大させるための、構造的修飾を有することができる。下記の任意の構造的修飾を利用することができる。

0133

RGDペプチド部分は、内皮腫瘍細胞または乳癌腫瘍細胞などの腫瘍細胞を標的とするために使用することができる(Zitzmannら,Cancer Res.,62:5139−43,2002)。RGDペプチドは、、腎臓、脾臓、または肝臓を含む、種々の他の組織の腫瘍へのiRNA剤の標的化を促進することができる(Aokiら,Cancer Gene Therapy 8:783−787,2001)。RGDペプチドは、iRNA剤の腎臓への標的化を促進することが好ましい。RGDペプチドは、線状または環状であることができ、かつ修飾する(例えば、特定の組織への標的化を促進するためにグリコシル化またはメチル化する)ことができる。例えば、グリコシル化されたRGDペプチドは、αvβ3を発現する腫瘍細胞にiRNAを送達することができる(Haubnerら,Jour.Nucl.Med.,42:326−336,2001)。

0134

増殖細胞に濃縮されているマーカーを標的とするペプチドを使用することができる。例えば、RGDを含有するペプチドおよびペプチド模倣体は、癌細胞、特に、IvJ3インテグリン提示する細胞を標的とすることができる。このように、RGDペプチド、RGDを含有する環状ペプチド、D−アミノ酸を含むRGDペプチド、および合成RGD模倣体を使用することができる。RGDに加えて、Iv−J3インテグリンリガンドを標的とする他の部分を使用することができる。一般に、このようなリガンドは、増殖細胞および血管新生を制御するために使用することができる。PECAM−1、VEGF、または他の癌遺伝子(例えば、本明細書に記載される癌遺伝子)を標的とするリガンドであるこの種のリガンドの好ましいコンジュゲート。

0135

「細胞透過ペプチド」は、細胞、例えば、微生物細胞(例えば、細菌細胞または真菌細胞)、または哺乳類細胞(例えば、ヒト細胞)を透過することができる。微生物細胞透過性ペプチドは、例えば、α−ヘリックス線状ペプチド(例えば、LL−37もしくはセロピンP1)、ジスルフィド結合含有ペプチド(例えば、α−ディフェンシン、β−ディフェンシン、もしくはバクテネシン)、またはわずか1種または2種のアミノ酸を主に含有するペプチド(例えば、PR−39もしくはインドリシジン)であることができる。細胞透過ペプチドは、核局在化シグナルNLS)を含むこともできる。例えば、細胞透過ペプチドは、HIV−1 gp41の融合ペプチドドメインSV40ラージT抗原のNLSとに由来するMPGなどの、2つの部分からなる両親媒性ペプチドであることができる(Simeoniら,Nucl.AcidsRes.31:2717−2724,2003))。

0136

一実施形態では、標的化ペプチドは、両親媒性αヘリックスペプチドであることができる。例示的な両親媒性α−ヘリックスペプチドとしては、セクロピン、ライトキシン、パラダキシン、ブフォリン、CPF、ボンビニン様ペプチドBLP)、カテリシディンセラトトキシン、エボヤ(S.clava)のペプチド、メクラウナギ腸管抗菌性ペプチド(HFIAP)、マガイニンブレビニン−2、ダーマセプチンメリチンプレウロシディン、H2Aペプチド、アフリカツメガエルのペプチド、エスカレンチン−1、およびカエリンが挙げられるが、これらに限定されない。ヘリックスの安定性を完全に維持するために、多くの要因を考慮することが好ましいであろう。例えば、ヘリックス安定化残基を最大数利用し(例えばleu、ala、またはlys)、ヘリックス不安定化残基を最小数利用する(例えばプロリン、または環状モノマー単位)。キャッピング残基も考慮される(例えば、Glyは、例示的なN−キャッピング残基であり、かつ/またはヘリックスを安定化するための余分なH結合を与えるために、C末端アミド化を用いることができる)。i±3位、またはi±4位離れた、正反対の電荷を有する残基間の塩架橋の形成によって、安定化をもたらすこともできる。例えば、リジン、アルギニン、ホモ−アルギニン、オルニチン、またはヒスチジンなどのカチオン性残基は、アニオン性残基である、グルタミン酸またはアスパラギン酸と、塩架橋を形成することができる。

0137

ペプチドリガンドおよびペプチド模倣体リガンドには、天然ペプチドもしくは修飾ペプチド、例えば、DペプチドもしくはLペプチド;αペプチド、βペプチド、もしくはγペプチド;N−メチルペプチド;アザペプチド;1つ以上の尿素結合チオ尿素結合、カルバメート結合、もしくはスルホニル尿素結合で置換された1つ以上のアミド(すなわち、ペプチド)結合を有するペプチド;または環状ペプチドを有するリガンドが含まれる。

0138

標的化リガンドは、特異的な受容体を標的とすることができる任意のリガンドであることができる。例としては、葉酸、GalNAc、ガラクトース、マンノース、マンノース−6P、糖のクラスター(例えば、GalNAcクラスター、マンノースクラスター、ガラクトースクラスター)、またはアプタマーがある。クラスターは、2つ以上の糖単位の組合せである。標的化リガンドには、インテグリン受容体リガンド、ケモカイン受容体リガンド、トランスフェリン、ビオチン、セロトニン受容体リガンド、PSMA、エンドセリンGCPII、ソマトスタチン、LDLリガンド、およびHDLリガンドも含まれる。リガンドは、核酸をベースにしたもの、例えば、アプタマーであることもできる。アプタマーは、未修飾であることができ、または本明細書で開示される修飾の任意の組合せを有することができる。

0139

エンドソーム放出剤には、イミダゾール、ポリイミダゾールもしくはオリゴイミダゾール、PEI、ペプチド、融合性ペプチド、ポリカルボキシレート、ポリカチオン、マスキングされたオリゴカチオンもしくはマスキングされたポリカチオン、またはマスキングされたオリゴアニオンもしくはマスキングされたポリアニオン、アセタール、ポリアセタール、ケタール/ポリケタール、オルトエステル、マスキングされているかもしくはマスキングされていないカチオン性電荷もしくはアニオン性電荷を有するポリマー、マスキングされているかもしくはマスキングされていないカチオン性電荷もしくはアニオン性電荷を有するデンドリマーが含まれる。

0140

PK調節物質とは、薬物動態調節物質を意味する。PK調節物質には、親油性物質、胆汁酸、ステロイド、リン脂質類似体、ペプチド、タンパク質結合剤、PEG、ビタミンなどが含まれる。例示的なPK調節物質としては、コレステロール、脂肪酸、コール酸、リトコール酸、ジアルキルグリセリド、ジアシルグリセリド、リン脂質、スフィンゴ脂質ナプロキセンイブプロフェン、ビタミンE、ビオチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかのホスホロチオエート結合を含むオリゴヌクレオチドも、血清タンパク質に結合することが知られており、このため、骨格に複数のホスホロチオエート結合を含む短いオリゴヌクレオチド(例えば、約5塩基、10塩基、15塩基、または20塩基のオリゴヌクレオチド)も、リガンド(例えば、PK調節リガンド)として本発明に適している。

0141

さらに、血清成分(例えば、血清タンパク質)に結合するアプタマーも、PK調節リガンドとして本発明に適している。

0142

本発明に適している他のリガンドは、同時係属出願である米国特許出願第10/916,185号(2004年8月10日出願);同第10/946,873号(2004年9月21日出願);同第10/833,934号(2007年8月3日出願);同第11/115,989号(2005年4月27日出願)および;同第11/944,227号(2007年11月21日出願)の各明細書に記載されており、これらは、全ての目的のために、その全体が参照により組み入れられる。

0143

2つ以上のリガンドが存在する場合、リガンドは、全てが同じ特性を有することも、全てが異なる特性を有することも、またはあるリガンドが同じ特性を有すると同時に、他のリガンドが異なる特性を有することもある。例えば、リガンドは、標的化特性を有することも、エンドソーム溶解活性を有することも、またはPK調節特性を有することもある。好ましい実施形態では、リガンドが全て、異なる特性を有する。
リンカー/テザー

0144

「リンカー」および「テザー」という用語は、化合物の2つの部分を接続する有機部分である。リンカーは、典型的には、直接的な結合、または原子、例えば、酸素もしくは窒素、単位、例えば、NR1、C(O)、C(O)NH、SO、SO2、SO2NH、または原子鎖、例えば、置換アルキルもしくは非置換アルキル置換アルケニルもしくは非置換アルケニル、置換アルキニルもしくは非置換アルキニル、アリールアルキルアリールアルケニルアリールアルキニルヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリルアルキルヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキルシクロアルケニルアルキルアリールアルキル、アルキルアリールアルケニル、アルキルアリールアルキニル、アルケニルアリールアルキル、アルケニルアリールアルケニル、アルケニルアリールアルキニル、アルキニルアリールアルキル、アルキニルアリールアルケニル、アルキニルアリールアルキニル、アルキルヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリールアルケニル、アルキルヘテロアリールアルキニル、アルケニルヘテロアリールアルキル、アルケニルヘテロアリールアルケニル、アルケニルヘテロアリールアルキニル、アルキニルヘテロアリールアルキル、アルキニルヘテロアリールアルケニル、アルキニルヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロシクリルアルキル、アルキルヘテロシクリルアルケニル、アルキルヘテロシクリルアルキニル、アルケニルヘテロシクリルアルキル、アルケニルヘテロシクリルアルケニル、アルケニルヘテロシクリルアルキニル、アルキニルヘテロシクリルアルキル、アルキニルヘテロシクリルアルケニル、アルキニルヘテロシクリルアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、アルキニルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルヘテロアリール、アルキニルヘテロアリールを含み、この場合、1つ以上のメチレンは、O、S、S(O)、SO2、N(R1)2、C(O)、切断可能な結合基置換アリールまたは非置換アリール置換ヘテロアリールまたは非置換ヘテロアリール置換複素環または非置換複素環によって中断または終結され得る(式中、R1は、水素、アシル、脂肪族、または置換脂肪族である)。

0145

一実施形態では、リンカー/テザー(下線)には、−(CH2)nNH−;−C(O)(CH2)nNH−;−NR’’’’(CH2)nNH−、−C(O)−(CH2)n−C(O)−;−C(O)−(CH2)n−C(O)O−;−C(O)−O−;−C(O)−(CH2)n−NH−C(O)−;−C(O)−(CH2)n−;−C(O)−NH−;−C(O)−;−(CH2)n−C(O)−;−(CH2)n−C(O)O−;−(CH2)n−;−(CH2)n−NH−C(O)−;−C(O)−(CH2)n−NH−C(O)−(CH2)nCH(R’’’)NH−;−C(O)−(CH2)n−NH−C(O)−(CH2)nC(R’)(R’’)−SS−(CH2)n−NH−C(O)−(CH2)nCH(R’’’)NH−;−C(O)−(CH2)n−NH−C(O)−(CH2)n−SS−(CH2)n−CH(R’’’)−NH−C(O)−(CH2)nCH(R’’’)NH−;−(CH2)n−NH−C(O)−(CH2) nC(R’)(R’’)−SS−(CH2)n−が含まれる(式中、各nは、独立して、1〜20(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)であり、R’およびR’’は、それぞれ独立して、H、CH3、OH、SH、NH2、NH(アルキル=Me、Et、Pr、イソPr、Bu、Bn)またはN(ジアルキル=Me2、Et2、Bn2)であり;R’’’は、H、COOH、CONH2、CONHMe、CONMe2、CONH(CH2)jNH2、CONH(CH2)jOH、CONH(CH2)jCOOH、CONH(CH2)jSH、CONH(CH2)jCONH2、CONH(CH2)jCONHMe、CONH(CH2)jCONH(CH2CH2O)kH、CONH(CH2)jCONH(CH2CH2O)kNH2、CONH(CH2)jCONH(CH2CH2O)kCH3、CONH(CH2)jCONH(CH2CH2O)kCOOH、またはCONH(CH2)jCONH(CH2CH2O)kSHであり;かつR’’’’は、C1−C6アルキルであり、jおよびkは、それぞれ独立して、0〜20である)。好ましくは、nは、2、5、6、または11である。他の実施形態では、窒素は、末端オキシアミノ基(例えば、−ONH2)、またはヒドラジノ基(−NHNH2)の一部を形成し得る。リンカー/テザーは、随意的に、例えば、ヒドロキシアルコキシパーハロアルキルで置換されていてもよく、かつ/または随意的に、1つ以上の追加のヘテロ原子、例えば、N、O、もしくはSが挿入されていてもよい。

0146

ある実施形態では、リンカーは、分岐状リンカーである。分岐状リンカーの分岐点は、少なくとも三価であり得るが、四価五価、もしくは六価の原子、またはこのような複数の原子価を示す基であってもよい。ある実施形態では、分岐点は、−C、−CH、−C(CH2−)(CH2−)CH2−、−C(H)(CH2−)CH2−、−N、−N(Q)−C、−O−C、−S−C、−SS−C、−C(O)N(Q)−C、−OC(O)N(Q)−C、−N(Q)C(O)−C、または−N(Q)C(O)O−Cである(式中、Qはそれぞれ存在ごとに独立して、Hまたは随意的に置換アルキルである)。他の実施形態では、分岐点は、グリセロールまたはグリセロール誘導体である。

0147

脂質粒子
本発明は、上記の1つ以上の標的化脂質を含む脂質粒子も提供する。脂質粒子には、リポソームが含まれるが、これに限定されない。本明細書で使用される場合、リポソームとは、水性内部を包む脂質含有膜を有する構造体のことである。リポソームは、1つ以上の脂質膜を有し得る。本発明は、一層のリポソーム(単層と呼ぶ)と重層化されたリポソーム(多層と呼ぶ)の両方を企図する。核酸と複合体を形成した場合、脂質粒子は、例えば、Felgner,Scientific Americanに記載されているような、DNA層の間に挟まったカチオン性脂質二重層から構成される、リポプレックス(lipoplex)となり得る。

0148

本発明の脂質粒子は、1つ以上の追加の脂質および/または他の成分(例えば、コレステロール)をさらに含んでもよい。他の脂質は、種々の目的のために、例えば、脂質の酸化を防ぐために、またはリガンドをリポソーム表面に付着させるために、本発明のリポソーム組成物に含めてもよい。本発明のリポソームの中に、両親媒性脂質、中性脂質、カチオン性脂質、およびアニオン性脂質を含む、多くの脂質のうちのどれが存在してもよい。このような脂質は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。存在し得る追加の脂質成分の具体的な例は、以下に記載されている。

0149

本発明の脂質粒子中に存在し得る追加の成分には、ポリアミドオリゴマー(例えば、米国特許第6,320,017号明細書参照)、ペプチド、タンパク質、界面活性剤脂質誘導体、例えば、ホスファチジルエタノールアミンに共役したPEGおよびセラミドにコンジュゲートしたPEG(米国特許第5,885,613号明細書参照)などの、二重層安定化成分が含まれる。

0150

特定の実施形態では、脂質粒子には、アミノ脂質またはカチオン性脂質、中性脂質、ステロール、および生成中の脂質粒子の凝集を低下させるために選択される脂質のうち1つ以上が含まれる。生成中の脂質粒子の凝集の低下は、生成中の電荷誘導による凝集を防ぐ、粒子の立体安定化によって生じ得る。

0151

生成中に粒子が凝集するのを低下させる脂質の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)修飾脂質モノシアロガングリオシドGm1、およびポリアミドオリゴマー(「PAO」)(例えば、米国特許第6,320,017号明細書に記載されているもの)が挙げられる。PEG、Gm1、またはATTAのような、生成中に凝集するのを防ぐ、荷電していない親水性の立体障害部分を有する他の化合物を、本発明の方法および組成物などで使用するために、脂質に共役させることもできる。ATTA−脂質は、例えば、米国特許第6,320,017号明細書に記載されており、PEG−脂質コンジュゲートは、例えば、米国特許第5,820,873号、同第5,534,499号、および同第5,885,613号の各明細書に記載されている。典型的には、凝集を低下させるために選択される脂質成分の濃度は、(脂質のモルパーセントで)約1〜15%である。

0152

本発明で有用なPEG修飾脂質(または脂質−ポリオキシエチレンコンジュゲート)の特定の例は、PEG部分脂質小胞の表面に固定するための種々の「アンカリング脂質部分を有することがある。好適なPEG修飾脂質の例としては、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミンおよびPEG修飾ホスファチジン酸、参照により本明細書に組み入れられる同時係属の米国特許出願第08/486,214号明細書に記載されているPEG−セラミドコンジュゲート(例えば、PEG−CerC14またはPEG−CerC20)、PEG修飾ジアルキルアミン、ならびにPEG修飾1,2−ジアシルオキシプロパン−3−アミンが挙げられる。特に好ましいのは、PEG修飾ジアシルグリセロールおよびPEG修飾ジアルキルグリセロールである。

0153

PEGまたはATTAなどの立体的に大きい部分を脂質アンカーにコンジュゲートする実施形態では、脂質アンカーの選択は、コンジュゲートが脂質粒子とどのように会合することになるかということによって決まる。mePEG(mw2000)−ジアステアロイルホスファチジルエタノールアミン(PEG−DSPE)は、この粒子が循環から排除されるまで、おそらく数日間は、リポソームと会合したままであるということがよく知られている。PEG−CerC20などの他のコンジュゲートは、同様の滞留能を有する。しかしながら、PEG−CerC14は、血清に曝されると、速やかに製剤から放出され、いくつかのアッセイでは、T1/2が60分未満である。米国特許出願第08/486,214号明細書で例説されているように、少なくとも3つの特性、すなわち、アシル鎖の長さ、アシル鎖の飽和状態、および立体障害頭部基の大きさが、放出速度に影響を与える。これらの特色について好適なバリエーションがある化合物が、本発明に有用であり得る。いくつかの治療用途については、PEG修飾脂質が、インビボで核酸−脂質粒子から速やかに失われることが好ましい場合があり、したがって、PEG修飾脂質が比較的短い脂質アンカーを有することになる。他の治療用途では、核酸−脂質粒子がより長い血漿循環寿命を示すことが好ましい場合があり、したがって、PEG修飾脂質が比較的長い脂質アンカーを有することになる。

0154

他の例示的なPEG−脂質には、例えば、国際公開第05/026372号に記載されているようなジアルキルオキシプロピルに共役したPEG(PEG−DAA)、例えば、米国特許公開第20030077829号および同第2005008689号に記載されているようなジアシルグリセロールに共役したPEG(PEG−DAG)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)に共役したPEG(PEG−PE)、もしくはセラミドにコンジュゲートしたPEG、またはこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されるわけではない(米国特許第5,885,613号参照)。

0155

凝集防止化合物が適切に機能するために、脂質コンジュゲーションが必ずしも必要というわけではないということに留意すべきである。溶液中の遊離のPEGまたは遊離のATTAが、凝集を防ぐのに十分であることがある。生成後に粒子が安定である場合は、対象に投与する前に、PEGまたはATTAを透析で取り除くことができる。

0156

脂質粒子中に存在する場合、中性脂質は、生理的pHで非荷電または中性のいずれかの両性イオン形態で存在する多くの脂質種のうちのどれであってもよい。このような脂質には、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリンジヒドロスフィンゴミエリン、セファリン、およびセレブロシドが含まれる。本明細書に記載される粒子中で使用される中性脂質の選択は、一般に、例えば、リポソームの大きさおよび血流中でのリポソームの安定性を考慮することで判断される。中性脂質成分は、2つのアシル基(すなわち、ジアシルホスファチジルコリンおよびジアシルホスファチジルエタノールアミン)を有する脂質であることが好ましい。さまざまな鎖長および飽和度の種々のアシル鎖基を有する脂質は、入手可能であるか、または周知の技術で単離もしくは合成され得る。一群の実施形態では、炭素鎖長がC10〜C20の飽和脂肪酸を含有する脂質が好ましい。別の群の実施形態では、炭素鎖長がC10〜C20の単不飽和脂肪酸または二不飽和脂肪酸を有する脂質が使用される。さらに、飽和脂肪酸鎖と不飽和脂肪酸鎖の混合物を有する脂質を使用することができる。本発明で使用される中性脂質は、DOPE、DSPC、POPC、または任意の関連ホスファチジルコリンであることが好ましい。本発明で使用される中性脂質は、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、または他の頭部基(例えば、セリンおよびイノシトール)を有するリン脂質から構成されていてもよい。

0157

存在する場合、脂質混合物ステロール成分は、リポソーム、脂質小胞、または脂質粒子の調製の分野で従来から使用されているステロールのうちのどれであってもよい。好ましいステロールは、コレステロールである。

0158

本発明の脂質粒子中で使用するのに好適なカチオン性脂質としては、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(「DODAC」);N−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(「DOTMA」);N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(「DDAB」);N−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(「DOTAP」);1,2−ジオレイルオキシ−3−トリメチルアミノプロパンクロリド塩(「DOTAP.Cl」);3β−(N−(N',N'−ジメチルアミノエタン)−カルバモイル)コレステロール(「DC−Chol」)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N−2−(スペルミンカルボキシアミド)エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムトリフルオロ酢酸(「DOSPA」)、ジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(「DOGS」)、1,2−ジレオイル−sn−3−ホスホエタノールアミン(「DOPE」)、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウムプロパン(「DODAP」)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(「DODMA」)、およびN−(1,2−ジミリスチルオキシプロパ−3−イル)−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(「DMRIE」)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、例えば、LIPOFECTIN(DOTMAとDOPEとを含む、GIBCO/BRLから入手可能)、ならびにLIPOFECTAMINE(DOSPAおよびDOPEを含む、GIBCO/BRLから入手可能)などの、カチオン性脂質の多くの市販調製品を使用することができる。特定の実施形態では、カチオン性脂質はアミノ脂質である。

0159

本発明に適した他のカチオン性脂質は、国際出願第PCT/US2007/080331号(2007年10月3日出願)に開示されている。

0160

本発明の脂質粒子中で使用するのに好適なアニオン性脂質としては、ホスファチジルグリセロールカルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N−ドデカノイルホスファチジルエタノールアミン、N−スクシニルホスファチジルエタノールアミン、N−グルタリルホスファチジルエタノールアミン、リシルホスファチジルグリセロール、および中性脂質に結合した他のアニオン性修飾基が挙げられるが、これらに限定されない。

0161

多くの実施形態では、両親媒性脂質が本発明の脂質粒子中に含められる。「両親媒性脂質」とは、脂質材料の疎水性部分が疎水性相の方向に向いている一方で、親水性部分が水性相の方向に向いている、任意の好適な材料を指す。このような化合物としては、リン脂質、アミノ脂質、およびスフィンゴ脂質が挙げられるが、これらに限定されない。代表的なリン脂質としては、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、リソホスファチジルコリン、リソホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、またはジリノレオイルホスファチジルコリンが挙げられる。スフィンゴ脂質、グリコスフィンゴ脂質ファミリー、ジアシルグリセロール、およびβ−アシルオキシ酸などの、リンを欠く他の化合物も使用することができる。さらに、このような両親媒性脂質は、トリグリセリドおよびステロールなどの、他の脂質と容易に混合することができる。

0162

プログラム可能な融合脂質も、本発明の脂質粒子中に含めるのに好適である。このような脂質粒子は、細胞膜と融合する傾向がほとんどなく、所与シグナル事象が生じるまで積載物を送達する。これによって、脂質粒子は、生物に注射された後でより均一に分布すること、または細胞と融合し始める前に疾患部位に分布することが可能となる。シグナル事象は、例えば、pH、温度、イオン環境、または時間の変化であり得る。時間の変化の場合、融合遅延成分または融合「遮蔽(cloaking)」成分(例えば、ATTA−脂質コンジュゲートまたはPEG−脂質コンジュゲート)は、単に時間をかけて脂質粒子膜から放出することができる。脂質粒子は、体内で好適に分布する時までに、融合性であるのに十分な遮蔽剤を失っている。他のシグナル事象に関しては、炎症部位での温度上昇などの、疾患部位または標的細胞と関連するシグナルを選択することが望ましい。

0163

例示的な一実施形態では、脂質粒子は、本発明の標的化脂質、カチオン性脂質、中性脂質(アミノ脂質以外)、ステロール(例えば、コレステロール)、およびPEG修飾脂質(例えば、PEG−DMG、PEG−C−DOMG、またはPEG−DMA)の混合物を含む。ある実施形態では、脂質混合物は、本発明の標的化脂質、カチオン性脂質、中性脂質、コレステロール、およびPEG修飾脂質からなるか、または本発明の標的化脂質、カチオン性脂質、中性脂質、コレステロール、およびPEG修飾脂質から本質的になる。さらに好ましい実施形態では、脂質粒子は、標的化脂質約20〜50%:カチオン性脂質20〜70%:中性脂質5〜45%:コレステロール20〜55%:PEG修飾脂質0.5〜15%というモル比の上記の脂質混合物からなるかまたは標的化脂質約20〜50%:カチオン性脂質20〜70%:中性脂質5〜45%:コレステロール20〜55%:PEG修飾脂質0.5〜15%というモル比の上記の脂質混合物から本質的になる。

0164

好ましい実施形態では、脂質粒子の全ての成分は光学的に純粋である。

0165

治療剤−脂質粒子の組成物および製剤
本発明は、本発明の脂質粒子および活性剤を含み、活性剤が脂質粒子と会合している組成物を含む。特定の実施形態では、活性剤は治療剤である。特定の実施形態では、活性剤は、脂質粒子の水性内部に封入されている。他の実施形態では、活性剤は、脂質粒子の1つ以上の脂質層の内側に存在する。他の実施形態では、活性剤は、脂質粒子の外側または内側の脂質表面に結合している。

0166

本明細書で使用される「完全に封入された」とは、粒子中の核酸が、遊離のDNAを著しく分解する血清またはヌクレアーゼアッセイに曝された後にそれほど分解されないことを意味する。完全に封入された系では、通常は遊離の核酸の100%を分解する処置において、粒子核酸の25%未満が分解されることが好ましく、粒子核酸の10%未満が分解されることがより好ましく、粒子核酸の5%未満が分解されることが最も好ましい。あるいは、完全に封入されていることを、Oligreen(登録商標)アッセイで決定してもよい。Oligreen(登録商標)は、溶液中のオリゴヌクレオチドおよび一本鎖DNAを定量するための超高感度蛍光核酸染色剤である(Invitrogen Corporation,Carlsbad社製(米国カリフォルニア所在)から入手可能)。完全に封入されていることにより、粒子が血清安定性であること、すなわち、インビボ投与の後、粒子が速やかにその構成部分へと分解することはないことも示唆される。

0167

本明細書で使用される活性剤には、細胞、組織、器官、または対象に対して所望の効果を発揮することができる任意の分子または化合物が含まれる。このような効果は、例えば、生物学的なもの、生理学的なもの、または美容上のものであってもよい。活性剤は、例えば、核酸、ペプチドおよびポリペプチド(例えば、抗体(例えば、ポリクローナル抗体モノクローナル抗体抗体断片ヒト化抗体組換え抗体組換えヒト抗体、および霊長類化(商標)抗体)、サイトカイン増殖因子アポトーシス因子分化誘導因子細胞表面受容体およびそのリガンド;ホルモンを含む);ならびに小分子(有機小分子または有機小化合物を含む)を含む、任意の種類の分子または化合物であってもよい。

0168

一実施形態では、活性剤は、治療的活性剤、またはその塩もしくは誘導体である。治療剤誘導体は、それ自体に治療的活性があってもよく、または治療剤誘導体は、さらに修飾されることによって活性を持つようになるプロドラッグであってもよい。したがって、一実施形態では、治療剤誘導体は、未修飾の薬剤と比較した場合に治療的活性の一部または全てを保持するが、別の実施形態では、治療剤誘導体は治療的活性を欠く。

0169

さまざまな実施形態では、治療剤には、任意の治療的に有効な薬剤または薬物、例えば、抗炎症化合物、抗鬱薬興奮剤鎮痛剤抗生物質避妊薬解熱剤血管拡張剤抗血管新生薬、細胞血管剤(cytovascular agent)、シグナル伝達阻害剤心血管薬(例えば、抗不整脈剤)、血管収縮薬、ホルモン、およびステロイドが含まれる。

0170

ある実施形態では、治療剤は腫瘍学薬物であり、これは、抗腫瘍薬抗癌薬腫瘍薬抗新生物剤などと呼ばれることもある。本発明に従って使用し得る腫瘍学薬物としては、アドリアマイシン、アルケラン、アロプリノール、アルトレタミン、アミフォスチン、アナストロゾール、araC、亜ヒ酸アザチオプリンベキサロテン、biCNU、ブレオマイシン静脈ブスルファン経口用ブスルファン、カペシダビン(ゼローダ)、カルボプラチンカルムスチン、CCNU、セレコキシブクロラムブシルシスプラチンクラドリビンシクロスポリンAシタラビンシトシンアラビノシドダウノルビシンシトキサン、ダウノルビシン、デキサメサゾンデクスラゾキサンドセタキセルドキソルビシン、ドキソルビシン、DTIC、エピルビシンエストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシドおよびVP−16、エキセメスタン、FK506、フルダラビンフルオロウラシル、5−FU、ジェムシタビンジェムザール)、ゲムツズマブ−オゾガマイシン、酢酸ゴセレリンハイドレアヒドロキシウレアイダルビシンイホスファミドメシル酸イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン(カンプトスター、CPT−111)、レトロゾールロイコボリン、ロイスタチン、ロイプロリドレバミゾール、リトレチノイン(litretinoin)、メゲストロールメルファラン、L−PAM、メスナメトトレキサートメトキサレンミトラマイシンマイトマイシンミトキサントロンナイトロジェンマスタードパクリタキセルパミドロネート、ペガデマーゼ、ペントスタチンポルフィマーナトリウムプレドニソンリツキサンストレプトゾシン、STI−571、タモキシフェンタキソテール、テモゾールアミド、テニポシド、VM−26、トポテカンハイカムチン)、トレミフェン、トレチノイン、ATRA、ベルバン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、VP16、ならびにビノレルビンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に従って使用し得る腫瘍学薬物の他の例は、エリプチシンおよびエリプチシン類似体またはエリプチシン誘導体エポチロン、細胞内キナーゼ阻害剤、ならびにカンプトテシンである。

0171

核酸−脂質粒子
ある実施形態では、本発明の脂質粒子は、核酸と会合し、核酸−脂質粒子を生じる。特定の実施形態では、核酸は、脂質粒子中に完全に封入されている。本明細書で使用される場合、「核酸」という用語は、任意のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含むことを意味する。最大50ヌクレオチドまでを含有する断片を、一般に、オリゴヌクレオチドと呼び、より長い断片をポリヌクレオチドと呼ぶ。特定の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドの長さは20〜50ヌクレオチドである。

0172

本発明との関連において、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、天然に存在する塩基、糖、および糖間(骨格)結合からなるヌクレオチドモノマーもしくはヌクレオシドモノマーのポリマーまたはオリゴマーを指す。「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語には、同様に機能する天然には存在しないモノマー、またはその部分を含むポリマーまたはオリゴマーも含まれる。例えば、増強された細胞への取込みおよびヌクレアーゼの存在下での増大した安定性などの特性のために、このような修飾オリゴヌクレオチドまたは置換オリゴヌクレオチドが天然の形態よりも好ましいことが多い。

0173

オリゴヌクレオチドは、デオキシリボオリゴヌクレオチドまたはリボオリゴヌクレオチドとして分類される。デオキシリボオリゴヌクレオチドは、デオキシリボースと呼ばれる5炭素糖からなり、デオキシリボースは、この糖の5’炭素と3’炭素でホスフェートに共有結合して交互の未分岐ポリマーを形成する。リボオリゴヌクレオチドは、5炭素糖がリボースである類似の繰り返し構造からなる。

0174

本発明による脂質−核酸粒子中に存在する核酸には、任意の形態の公知の核酸が含まれる。本明細書で使用される核酸は、一本鎖DNAもしくは一本鎖RNA、または二本鎖DNAもしくは二本鎖RNA、またはDNA−RNAハイブリッドであることができる。二本鎖DNAの例としては、構造遺伝子、制御領域と終結領域とを含む遺伝子、および自己複製系(例えば、ウイルスDNAまたはプラスミドDNA)が挙げられる。二本鎖RNAの例としては、siRNAおよび他のRNA干渉試薬が挙げられる。一本鎖核酸としては、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、マイクロRNA、アンタゴmir、および三重鎖形成オリゴヌクレオチドが挙げられる。

0175

本発明の核酸は、通常は核酸の特定の形態によって、さまざまな長さであってもよい。例えば、特定の実施形態では、プラスミドまたは遺伝子の長さは、約1,000〜100,000ヌクレオチドであってもよい。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの長さは、約10〜100ヌクレオチドの範囲であってもよい。さまざまな関連する実施形態では、オリゴヌクレオチドの長さは、一本鎖二本鎖、および三本鎖ともに、約10〜約50ヌクレオチド、約20〜約50ヌクレオチド、約15〜約30ヌクレオチド、約20〜約30ヌクレオチドの範囲であってもよい。

0176

特定の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチド(またはその鎖)は、標的ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするかまたは標的ポリヌクレオチドに相補的である。「特異的にハイブリダイズ可能な」または「相補的な」は、DNA標的またはRNA標的とオリゴヌクレオチドの間で安定かつ特異的な結合が生じるような十分な程度の相補性を示すために使用される用語である。特異的にハイブリダイズ可能であるために、オリゴヌクレオチドがその標的核酸配列に100%相補的である必要はないといことが理解される。標的に対するオリゴヌクレオチドの結合が、標的分子の正常な機能を妨害して、標的分子からの効用または発現を失わせており、かつ特異的結合が所望される条件下で、すなわち、インビボアッセイもしくは治療的処置の場合には、生理的条件下で、またはインビトロアッセイの場合には、そのアッセイが行なわれる条件下で、非標的配列に対するオリゴヌクレオチドの非特異的結合を回避するために十分な程度の相補性があるとき、オリゴヌクレオチドは特異的にハイブリダイズ可能である。したがって、他の実施形態では、このオリゴヌクレオチドは、それが標的とするかまたはそれが特異的にハイブリダイズする遺伝子配列またはmRNA配列と比較して、1つ、2つ、または3つの塩基置換を含む。

0177

RNA干渉核酸
特定の実施形態では、本発明の核酸−脂質粒子は、RNA干渉(RNAi)分子と会合している。目的とする遺伝子またはポリヌクレオチドの発現を妨害するために、RNAi分子を用いるRNA干渉法を使用してもよい。これらのRNAi分子はiRNA剤とも呼ばれ、以下に説明する。

0178

iRNA剤は、標的遺伝子と十分に相同な領域を含み、かつヌクレオチドに関して、iRNA剤またはその断片が標的遺伝子の下方調節を仲介することができるほどの十分な長さであるべきである。(説明しやすくするために、本明細書では、ヌクレオチドまたはリボヌクレオチドという用語を、RNA剤の1つ以上のモノマーサブユニットに関して使用する場合がある。本明細書での「リボヌクレオチド」または「ヌクレオチド」という用語の用法は、修飾RNAまたはヌクレオチド代用物の場合、修飾ヌクレオチド、または1つ以上の位置での代用物置換部分も示すことができるということが理解されよう。)したがって、iRNA剤は、標的RNAに対して少なくとも部分的に、および一実施形態では、完全に、相補的な領域であるか、またはこのような領域を含む。iRNA剤と標的の間に完全な相補性がある必要はないが、対応性は、iRNA剤、またはその切断産物が、例えば、標的RNA(例えば、mRNA)のRNAi切断によって、配列特異的なサイレンシングを導くことが可能となる程度に十分でなければならない。相補性、すなわち、標的鎖との相同性の程度は、アンチセンス鎖において最も重要である。多くの場合、特にアンチセンス鎖における完全な相補性が所望されるものの、一実施形態は、特にアンチセンス鎖において、(標的RNAに対して)1つ以上の、または例えば、6つ、5つ、4つ、3つ、2つ、もしくはそれより少ないミスマッチを含むことができる。特にアンチセンス鎖におけるミスマッチは、末端領域で最も許容され、かつ、存在する場合は、末端領域(単数または複数)において、例えば、5’末端および/または3’末端から6、5、4、または3ヌクレオチド以内であり得る。センス鎖に要求されるのは、分子の全体的な二本鎖の性質を維持するためにアンチセンス鎖と十分に相補的であることのみである。

0179

本明細書の他の箇所で議論されるように、およびその全体が参照により組み入れられる文献において、iRNA剤は、多くの場合、修飾されているか、またはヌクレオシド代用物を含む。iRNA剤の一本鎖領域は、多くの場合、修飾されているか、またはヌクレオシド代用物を含み、例えば、不対領域またはヘアピン構造の領域(例えば、2つの相補的な領域を繋ぐ領域)は、修飾またはヌクレオシド代用物を有することができる。例えば、エキソヌクレアーゼに対して、iRNA剤の1つ以上の3'末端または5'末端を安定化する修飾またはアンチセンスsiRNA剤がRISCに入るように有利に働く修飾も想定される。修飾は、C3(またはC6、C7、C12)アミノリンカーチオールリンカーカルボキシルリンカー、非ヌクレオチドスペーサー(C3、C6、C7、C12、無塩基、トリエチレングリコールヘキサエチレングリコール)、特別なビオチン試薬またはフルオレセイン試薬(これらは、ホスホロアミダイトとして生じ、RNA合成の間に複数のカップリングが行なえるように、DMT保護ヒドロキシル基を別に有する)を含むことができる。

0180

iRNA剤としては次のようなものが挙げられる:インターフェロン応答を誘発するのに十分な長さの分子(これらは、Dicer(Bernsteinら,2001.Nature,409:363−366)によって切断され、RISC(RNA誘導サイレンシング複合体)内に入ることができる);およびインターフェロン応答を誘発しない程度に十分に短い分子(これらの分子もDicerによって切断され、かつ/またはRISC内に入ることができる)、例えば、RISC内に入ることができる大きさの分子(例えば、Dicer切断産物に類似した分子)。インターフェロン応答を誘発しない程度に十分に短い分子を、本明細書では、「siRNA剤またはより短いiRNA剤」と呼ぶ。本明細書で使用される「siRNA剤またはより短いiRNA剤」とは、例えば、ヒト細胞内で有害なインターフェロン応答を誘導しないぐらい十分に短い、例えば、60、50、40、または30ヌクレオチド対未満の二重鎖領域を有するRNA剤(例えば、二本鎖RNA剤または一本鎖剤)を指す。siRNA剤、またはその切断産物は、例えば、標的RNAに対してRNAiを誘導することによって、標的遺伝子を下方調節することができ、この場合、標的は内在性の標的RNAまたは病原体の標的RNAを含み得る。

0181

siRNA剤の各鎖の長さは、30、25、24、23、22、21、または20ヌクレオチド以下であることができる。鎖の長さは、少なくとも19であってもよい。例えば、各鎖の長さは、21〜25ヌクレオチドであることができる。siRNA剤は、17、18、19、20、21、22、23、24、または25ヌクレオチド対の二重鎖領域、および1つ以上の突出、または1つもしくは2つの、2〜3ヌクレオチドの3'突出を有してもよい。

0182

標的RNAに対する相同性および標的遺伝子を下方調節する能力に加え、iRNA剤は、以下の特性のうちの1つ以上を有してもよい。

0183

一本鎖iRNA剤は、RISC複合体に入り、RISCを介した標的mRNAの切断に関与することができるぐらい十分に長くてもよい。一本鎖iRNA剤の長さは、少なくとも14ヌクレオチド、および他の実施形態では、少なくとも15、20、25、29、35、40、または50ヌクレオチドである。ある実施形態では、一本鎖iRNA剤の長さは、200、100、または60ヌクレオチド未満である。

0184

ヘアピンiRNA剤は、17、18、19、29、20、21、22、23、24、もしくは25ヌクレオチド対に等しいか、または少なくとも17、18、19、29、20、21、22、23、24、もしくは25ヌクレオチド対の二重鎖領域を有する。二重鎖領域の長さは、200、100、または50以下である。ある実施形態では、二重鎖領域の範囲の長さは、15〜30、17〜23、19〜23、および19〜21ヌクレオチド対である。ヘアピンは、一実施形態では、3’に、また、ある実施形態では、ヘアピンのアンチセンス側に、一本鎖突出または末端不対領域を有してもよい。一実施形態では、突出の長さは、2〜3ヌクレオチドである。

0185

本明細書で使用される「二本鎖(ds)iRNA剤」とは、鎖間ハイブリダイゼーションによって二重鎖構造の領域が形成され得る、2つ以上の、場合によっては2つの、鎖を含むiRNA剤である。

0186

二本鎖iRNA剤のアンチセンス鎖の長さは、14、15、16、17、18、19、25、29、40、もしくは60ヌクレオチドに等しくてもよく、または少なくとも14、15、16、17、18、19、25、29、40、もしくは60ヌクレオチドであってもよい。二本鎖iRNA剤のアンチセンス鎖の長さは、200、100、または50ヌクレオチド以下であってもよい。範囲の長さは、17〜25、19〜23、および19〜21ヌクレオチドであってもよい。

0187

二本鎖iRNA剤のセンス鎖の長さは、14、15、16、17、18、19、25、29、40、もしくは60ヌクレオチドに等しくてもよく、または少なくとも14、15、16、17、18、19、25、29、40、もしくは60ヌクレオチドであってもよい。二本鎖iRNA剤のセンス鎖の長さは、200、100、または50ヌクレオチド以下であってもよい。範囲の長さは、17〜25、19〜23、および19〜21ヌクレオチドであってもよい。

0188

二本鎖iRNA剤の二本鎖部分の長さは、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、29、40、もしくは60ヌクレオチド対に等しくてもよく、または少なくとも14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、29、40、もしくは60ヌクレオチド対であってもよい。二本鎖iRNA剤の二本鎖部分の長さは、200、100、または50ヌクレオチド対以下であってもよい。範囲の長さは、15〜30、17〜23、19〜23、および19〜21ヌクレオチド対であってもよい。

0189

多くの実施形態では、dsiRNA剤は、内在性分子によって(例えば、Dicerによって)切断されて、より小さいds iRNA剤(例えば、siRNA剤)を産生することができるくらいに十分大きい。

0190

二本鎖iRNA剤のアンチセンス鎖とセンス鎖の一方または両方を修飾することが望ましい場合がある。センス鎖とアンチセンス鎖は、同じ修飾または同じ部類の修飾を有することもあれば、異なる修飾を有することもあり、例えば、場合によっては、センス鎖のみを修飾することが望ましい場合がある。例えば、センス鎖を不活性化するために、センス鎖のみを修飾することが望ましい場合があり、例えば、センス鎖を不活性化して、活性のあるsiRNA/タンパク質またはRISCの形成を妨げるために、センス鎖を修飾することができる。これは、センス鎖の5’−リン酸化を妨げる修飾によって(例えば、5’−O−メチルリボヌクレオチドを用いる修飾によって)遂行することができる(Nykanenら(2001)ATPrequirements and small interfering RNA structure in the RNA interference pathway.Cell 107,309−321参照)。例えば、単に5'−OHをO−MeではなくHによって置換することなどの、リン酸化を妨げる他の修飾も使用することもできる。あるいは、大きな嵩高い基を5’−ホスフェートに付加して、ホスホジエステル結合に変えてもよいが、ホスホジエステラーゼがこのような結合を切断して、機能的なsiRNAの5’−末端を放出し得るので、これはあまり望ましくない可能性がある。アンチセンス鎖修飾には、5’リン酸化、および本明細書で議論される任意の他の5’修飾、特に、一本鎖iRNA分子に関する節において上で議論された5’修飾が含まれる。

0191

dsiRNA剤が、分子の一方または両方の末端で一本鎖領域または不対領域を含むように、センス鎖とアンチセンス鎖を選択し得る。したがって、ds iRNA剤は、突出、例えば、1つもしくは2つの5’突出もしくは3’突出、または2〜3ヌクレオチドの3’突出を含有するように対形成した、センス鎖とアンチセンス鎖を含有し得る。多くの実施形態は、3’突出を有する。あるsiRNA剤は、一本鎖突出を有し、一実施形態では、各末端に1ヌクレオチドまたは2ヌクレオチドまたは3ヌクレオチドの長さの3’突出を有する。突出は、一方の鎖が他方の鎖よりも長いこと、または同じ長さの2つの鎖がジグザグ状なっていることの結果として生じ得る。5’末端はリン酸化されていてもよい。

0192

一実施形態では、二重鎖領域の長さは、例えば、上で考察されたsiRNA剤の範囲において、15〜30ヌクレオチド長、または18、19、20、21、22、および23ヌクレオチド長である。siRNA剤は、天然のDicerによって長いdsiRNAからプロセッシングされた産物と長さおよび構造が類似していることがあり得る。siRNA剤の2つの鎖が結合(例えば、共有結合)している実施形態も含まれる。ヘアピン、または所要二本鎖領域、および3’突出を与える他の一本鎖構造も本発明の範囲内にある。

0193

dsiRNA剤およびsiRNA剤を含む、本明細書に記載される単離されたiRNA剤は、標的RNA、例えば、mRNA(例えば、タンパク質をコードする遺伝子の転写物)のサイレンシングを仲介することができる。便宜上、このようなmRNAを、本明細書では、サイレンシングされるmRNAとも呼ぶ。このような遺伝子を標的遺伝子とも呼ぶ。一般に、サイレンシングされるRNAは、内在性遺伝子または病原体遺伝子である。さらに、mRNA以外のRNA(例えば、tRNA)、およびウイルスRNAを標的とすることもできる。

0194

本明細書で使用される場合、「RNAiを仲介する」という語句は、配列特異的な様式で、標的RNAをサイレンシングする能力を指す。理論に束縛されることを望まないが、サイレンシングでは、RNAiの機構またはプロセスおよびガイドRNA(例えば、21〜23ヌクレオチドのsiRNA剤)が使用されると考えられている。

0195

本明細書で使用される場合、「特異的にハイブリダイズ可能な」または「相補的な」は、本発明の化合物と標的RNA分子の間で安定かつ特異的な結合が生じるような十分な程度の相補性を示すために使用される用語である。特異的結合には、特異的結合が所望される条件下で、すなわち、インビボアッセイもしくは治療的処置の場合には、生理的条件下で、またはインビトロアッセイの場合には、そのアッセイが行なわれる条件下で、非標的配列に対するオリゴマー化合物の非特異的結合を回避するために十分な程度の相補性が必要とされる。非標的配列は、典型的には、少なくとも5ヌクレオチド異なっている。

0196

一実施形態では、iRNA剤は、iRNA剤が標的mRNAによってコードされるタンパク質の産生をサイレンシングするように、標的RNA、例えば、標的mRNAに「十分に相補的」である。別の実施形態では、iRNA剤は、標的RNAに「厳密に相補的」であり、例えば、標的RNAとiRNA剤は、例えば、厳密に相補的な領域でワトソン−クリック塩基対のみからできたハイブリッドを形成するようにアニールする。「十分に相補的な」標的RNAは、標的RNAに厳密に相補的な(例えば、少なくとも10ヌクレオチドの)内部領域を含むことができる。さらに、一実施形態では、iRNA剤は、単一ヌクレオチドの相違を特異的に区別することができる。この場合、iRNA剤は、厳密な相補性が、単一ヌクレオチドの違いがある(例えば、7ヌクレオチド以内の)領域に見られる場合のみにRNAiを仲介する。

0197

本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、例えば、100、200、300、または400ヌクレオチド未満の長さの核酸分子(RNAまたはDNA)を指す。

0198

本明細書で考察されるRNA剤は、未修飾のRNA、ならびに、例えば、効力を改善するために修飾されたRNA、およびヌクレオシド代用物のポリマーを含む。未修飾のRNAとは、核酸の成分、すなわち、糖、塩基、およびリン酸の部分が、天然に存在する、例えば、ヒトの体内に天然に存在するのと同じかまたは本質的に同じである分子を指す。当技術分野では、稀であるかまたは通常とは異なるが、天然に存在するRNAを修飾RNAと呼ぶことが多く、例えば、Limbachら (1994) Summary:the modified nucleosides of RNA,Nucleic AcidsRes.22:2183−2196を参照されたい。(典型的には転写後修飾の結果であることが明白なので)修飾RNAと呼ばれることが多い、このような稀であるかまたは通常とは異なるRNAは、本明細書で使用される「未修飾のRNA」という用語の範囲内にある。修飾RNAは、1つ以上の核酸の成分、すなわち、糖、塩基、およびリン酸の部分が、天然に存在するものと異なる、例えば、ヒトの体内に存在するものと異なる分子を指す。これらは修飾「RNA」と呼ばれるが、当然、修飾されているのでRNAではない分子を含むことになる。ヌクレオシド代用物とは、リボリン酸骨格が非リボリン酸構築物で置換されている分子のことであり、この非リボリン酸構築物は、ハイブリダイゼーションが、リボリン酸骨格の場合に見られるのと実質的に同様(例えば、リボリン酸骨格の非荷電模倣物)であるように、塩基が正しい空間的関係性で提示されることを可能にする。

0199

マイクロRNA
マイクロRNA(miRNA)は、植物および動物のゲノム中のDNAから転写されるが、タンパク質に翻訳されない、高度に保存されたクラスの小さいRNA分子である。プロセッシングされたmiRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれるようになる一本鎖の約17〜25ヌクレオチド(nt)のRNA分子であり、発生、細胞増殖、アポトーシス、および分化の重要な調節因子として同定されている。プロセッシングされたmiRNAは、特異的mRNAの3’−非翻訳領域に結合することによって遺伝子発現の調節に役割を果たすと考えられている。RISCは、翻訳の阻害、転写物の切断、またはその両方によって遺伝子発現の下方調節を仲介する。RISCは、広範な真核生物の核内での転写サイレンシングにも関与している。

0200

これまでに同定されたmiRNAの数は多く、ますます増えているが、その実例となる例を、例えば、「miRBase:microRNA sequences,targets and gene nomenclature」 Griffiths−Jones S,Grocock RJ,van Dongen S,Bateman A,Enright AJ.NAR,2006,34,Database Issue,D140−D144;「The microRNA Registry」 Griffiths−Jones S.NAR,2004,32,Database Issue,D109−D111に見出すことができ、また、http://microrna.sanger.ac.uk/sequences/に見出すこともできる。

0201

アンチセンスオリゴヌクレオチド
一実施形態では、核酸は、標的ポリヌクレオチドに向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。「アンチセンスオリゴヌクレオチド」または単に「アンチセンス」という用語は、標的とされるポリヌクレオチド配列に相補的なオリゴヌクレオチドを含むことを意味する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、選択された配列に相補的な一本鎖のDNAまたはRNAである。アンチセンスRNAの場合は、それらが相補的RNA鎖に結合することによって相補的RNA鎖の翻訳を妨げる。アンチセンスDNAは、特異的で、相補的な(コードまたは非コード)RNAを標的とするために使用することができる。結合が生じた場合、このDNA/RNAハイブリッドは、RNアーゼHという酵素によって分解されることができる。特定の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、約10〜約50ヌクレオチド、より好ましくは約15〜約30ヌクレオチドを含有する。この用語は、所望の標的遺伝子に厳密に相補的でない可能性のあるアンチセンスオリゴヌクレオチドも包含する。したがって、本発明は、アンチセンスを用いて標的特異的でない活性が見られる場合、または標的配列との1つ以上のミスマッチを含有するアンチセンス配列が特定の用途に最も好ましい場合に、利用することができる。

0202

アンチセンスオリゴヌクレオチドは、効果的で、かつ標的とされるタンパク質合成の阻害剤であることが示されており、したがって、標的遺伝子によるタンパク質合成を特異的に阻害するために使用することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドがタンパク質合成を阻害する効力は十分に証明されている。例えば、ポリガラタウロナーゼ(polygalactauronase)とムスカリン2型アセチルコリン受容体の合成は、これらのそれぞれのmRNA配列に向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドによって阻害される(米国特許第5,739,119号および米国特許第5,759,829号)。さらに、アンチセンス阻害の例は、核タンパク質サイクリン多剤耐性遺伝子(MDG1)、ICAM−1、E−セレクチン、STK−1、線条体GABAA受容体、およびヒトEGFについて示されている(Jaskulskiら,Science.1988 Jun 10;240(4858):1544−6;VasanthakumarおよびAhmed,Cancer Commun.1989;1(4):225−32;Perisら,Brain Res Mol Brain Res.1998 Jun 15;57(2):310−20;米国特許第5,801,154号;米国特許第5,789,573号;米国特許第5,718,709号、および米国特許第5,610,288号)。さらに、種々の異常な細胞増殖(例えば、癌)を阻害し、これらを治療するのに使用し得るアンチセンス構築物も記載されている(米国特許第5,747,470号;米国特許第5,591,317、および米国特許第5,783,683号)。

0203

アンチセンスオリゴヌクレオチドを産生する方法は当技術分野で公知であり、任意のポリヌクレオチド配列を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを産生するように容易に適合させることができる。所与の標的配列に特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチド配列の選択は、選択された標的配列の解析ならびに二次構造、Tm、結合エネルギー、および相対的な安定性の決定に基づく。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、宿主細胞における標的mRNAへの特異的結合を低下させるかまたは邪魔することになるダイマー、ヘアピン、または他の二次構造を形成する能力が相対的にないことに基づいて選択されてもよい。極めて好ましいmRNAの標的領域には、AUG翻訳開始コドン上またはその付近にある領域、およびmRNAの5’領域に実質的に相補的な配列が含まれる。これらの二次構造解析および標的部位選択の検討は、例えば、OLIGOプライマー解析ソフトウェア(Molecular Biology Insights)のバージョン4および/またはBLASTN 2.0.5アルゴリズムソフトウェア(Altschulら,Nucleic AcidsRes.1997,25(17):3389−402)を用いて行なうことができる。

0204

リボザイム
本発明の別の実施形態によれば、核酸−脂質粒子は、リボザイムと会合している。リボザイムは、エンドヌクレアーゼ活性を持つ特異的触媒ドメインを有するRNA−タンパク質複合体である(KimおよびCech,Proc Natl Acad Sci USA.1987 Dec;84(24):8788−92;ForsterおよびSymons,Cell.1987 Apr 24;49(2):211−20)。例えば、多くのリボザイムは、高い特異性で、リン酸エステル転移反応加速させ、多くの場合、オリゴヌクレオチド基質中のいくつかのリン酸エステルのうちの1つだけを切断する(Cechら,Cell.1981 Dec;27(3 Pt 2):487−96;MichelおよびWesthof,J Mol Biol.1990 Dec 5;216(3):585−610;Reinhold−HurekおよびShub,Nature.1992 May 14;357(6374):173−6)。この特異性は、化学反応の前に、基質が特異的な塩基対形成相互作用を介してリボザイムの内部ガイド配列(「IGS」)に結合する必要があることによるものである。

0205

少なくとも6つの基本的な種類の天然に存在する酵素的RNAが現在知られている。各々が、生理的条件下でトランス形のRNAホスホジエステル結合の加水分解触媒することができる(したがって、他のRNA分子を切断することができる)。一般に、酵素的核酸は、まず標的RNAに結合することによって作用する。このような結合は、標的RNAを切断するように作用する分子の酵素的部分のごく近傍にある酵素的核酸の標的結合部分を介して起こる。したがって、酵素的核酸は、まず標的RNAを認識し、次に、相補的な塩基対形成を介して標的RNAに結合し、ひとたび正しい部位に結合すると、標的RNAを切断するように酵素的に作用する。このような標的RNAの戦略的切断によって、コードされたタンパク質を合成する標的RNAの能力が破壊されることになる。酵素的核酸がそのRNA標的に結合し、それを切断した後、酵素的核酸はそのRNAから放出されて、別の標的を探し求めて、新たな標的への結合とその切断を繰り返すことができる。

0206

酵素的核酸分子は、例えば、ハンマーヘッド型、ヘアピン、δ肝炎ウイルスグループIイントロン、またはRNアーゼP RNA(RNAガイド配列と関連している)、またはNeurospora VS RNAモチーフとなって形成され得る。ハンマーヘッド型モチーフの具体的な例は、Rossiら Nucleic AcidsRes.,Sep 11;20(17):4559−65によって記載されている。ヘアピンモチーフの例は、Hampelら(欧州特許出願公開EP第0360257号)、HampelおよびTritz,Biochemistry 1989 Jun 13;28(12):4929−33;Hampelら,Nucleic Acids Res.1990 Jan 25;18(2):299−304、および米国特許第5,631,359号によって記載されている。δ肝炎ウイルスモチーフの例は、PerrottaおよびBeen,Biochemistry.1992 Dec 1;31(47):11843−52によって記載されており、RNアーゼPモチーフの例は、Guerrier−Takadaら,Cell.1983 Dec;35(3 Pt 2):849−57によって記載されており;Neurospora VS RNAリボザイムモチーフの例は、Collins(SavilleおよびCollins,Cell.1990 May 18;61(4):685−96;SavilleおよびCollins,Proc Natl Acad Sci USA.1991 Oct 1;88(19):8826−30;CollinsおよびOlive,Biochemistry.1993 Mar 23;32(11):2795−9)によって記載されており;グループIイントロンの例は、米国特許第4,987,071号に記載されている。本発明に従って使用される酵素的核酸の重要な特徴は、これらが標的遺伝子DNAまたはRNA領域の1つ以上に相補的な特異的基質結合部位を有していること、およびこれらが、分子に対してRNA切断活性を付与するその基質結合部位の中またはその周囲のヌクレオチド配列を有していることである。したがって、リボザイム構築物が、本明細書に記載される特異的モチーフに限定される必要はない。

0207

任意のポリヌクレオチド配列に標的されるリボザイムを産生する方法は当技術分野で公知である。リボザイムを、国際公開第93/23569号および国際公開第94/02595号の各パンフレット(各々、具体的に、参照により本明細書に援用される)に記載されているように設計し、そこに記載されているように合成して、インビトロおよびインビボで試験し得る。

0208

リボザイム活性は、リボザイム結合アームの長さを変えることまたは血清リボヌクレアーゼによるそれらの分解を防ぐ修飾を有するリボザイム(例えば、国際公開第92/07065号;同第93/15187号;同第91/03162号の各パンフレット;欧州特許出願公開第92110298.4号;米国特許第5,334,711号の各明細書;および国際公開第94/13688号パンフレットを参照されたく、これらには、酵素的RNA分子の糖部分に施すことができるさまざまな化学修飾が記載されている)、細胞内でのそれらの効力を増強する修飾を有するリボザイム、ならびにRNA合成時間を短縮し、化学反応の必要性を減らすためにステムII塩基が除去されたリボザイムを化学合成することによって最適化することができる。

0209

免疫刺激性オリゴヌクレオチド
本発明の脂質粒子と会合する核酸は、免疫刺激性であってもよく、これには、対象(哺乳類の患者であっても、または他の患者であってもよい)に投与されたときに、免疫応答を誘導することができる免疫刺激性オリゴヌクレオチド(ISS;一本鎖または二本鎖)が含まれる。ISSには、例えば、ヘアピン二次構造を生じさせる特定のパリンロム(Yamamoto Sら(1992) J.Immunol.148:4072−4076参照)、またはCpGモチーフ、および他の公知のISS特徴(例えば、多重Gドメイン、国際公開第96/11266号パンフレット参照)が含まれる。

0210

免疫応答は、先天性免疫応答または適応免疫応答であり得る。免疫系は、より先天性の免疫系と、脊椎動物の後天性適応免疫系に分けられ、後者は、液性の細胞成分にさらに分けられる。特定の実施形態では、免疫応答は、粘膜によるものであってもよい。

0211

特定の実施形態では、免疫刺激性核酸は、脂質粒子と組み合わせて投与された場合にのみ免疫刺激性であり、その「遊離形態」で投与された場合には、免疫刺激性ではない。本発明によれば、このようなオリゴヌクレオチドが免疫刺激性であると考えられる。

0212

免疫刺激性核酸は、免疫応答を誘発するために標的ポリヌクレオチドに特異的に結合し、標的ポリヌクレオチドの発現を低下させる必要がない場合には、配列非特異的であると考えられる。したがって、特定の免疫刺激性核酸は、天然に存在する遺伝子またはmRNAの領域に対応する配列を含み得るが、依然として配列非特異的な免疫刺激性核酸と考えられ得る。

0213

アンタゴmir
アンタゴmirは、RNアーゼからの保護および薬理学的特性(例えば、組織および細胞への取込みの増強)のためのさまざまな修飾を有するRNA様オリゴヌクレオチドである。アンタゴmirは、例えば、糖の完全な2’−メチル化、ホスホロチオエート骨格、および例えば、3’−末端のコレステロール部分によって、普通のRNAとは異なる。アンタゴmirは、内在性miRNAを効率的にサイレンシングし、それによってmiRNA誘導性の遺伝子サイレンシングを妨害するために使用し得る。アンタゴmir介在性のmiRNAサイレンシングの例は、Krutzfeldtら,Nature,2005,438:685−689(これは、その全体が参照により本明細書に明示的に組み入れられる)に記載されているmiR−122のサイレンシングである。

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