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技術 クロルフェニラミン又はその塩の安定化方法

出願人 千寿製薬株式会社
発明者 根本夫規子
出願日 2018年11月1日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2018-206779
公開日 2019年2月14日 (1年10ヶ月経過) 公開番号 2019-023231
状態 特許登録済
技術分野 化合物または医薬の治療活性 医薬品製剤 医療品保存・内服装置 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬
主要キーワード 壁面領域 保存開始前 合成樹脂成形物 参考試験 容量百分率 容器部材 洗眼容器 容器本体外
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この項目の情報は公開日時点(2019年2月14日)のものです。
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図面 (6)

課題

本発明の目的は、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含有し、pHが7.0以上である液剤において、クロルフェニラミン及び/又はその塩が容器吸着するのを抑制して安定に維持できる技術を提供することである。

解決手段

クロルフェニラミン及び/又はその塩を含有し、pHが7.0以上である液剤について、収容する容器として、その内壁面注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面等)を構成する樹脂として、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂を採用することにより、当該内壁面へのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着を抑制して、液剤中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量を安定に保持できる。

概要

背景

クロルフェニラミン又はその塩は、抗ヒスタミン作用があることが知られており、点眼剤点鼻剤皮膚外用剤内服剤等の医薬に使用されている。従来、クロルフェニラミン又はその塩を利用した製剤技術については多くの報告がなされている。例えば、眼粘膜または鼻粘膜局所用水性液剤においてクロルフェニラミン又はその塩とプラノプロフェン又はその塩を併用することによって、優れた抗炎症作用及び鎮痒作用を備えさせ得ること(特許文献1)、外用剤組成物においてアダパレンマレイン酸クロルフェニラミンを併用することによって、アダパレンの角質や皮膚への浸透性を向上させ得ること(特許文献2)、感冒組成物において、クロルフェニラミンとプソイドエフェドリンを併用することによって、優れた粘膜炎症症状鼻閉など)の軽減・除去作用を備えさせ得ること(特許文献3)等が報告されている。

一方、医薬を収容する容器は、薬理成分や添加剤を経時的に安定に維持させることが求められる。とりわけ、医薬を液剤として提供する場合には、医薬に含まれる薬理成分や添加剤が容器の内壁と常に接触する状態になるため、医薬に含まれる薬理成分や添加剤が容器に吸着され難くなるように設計することが重要になる。

これまでに、プラスチック製容器に薬理成分が吸着し難くなるような製剤技術が種々検討されている。例えば、特許文献4には、合成樹脂成形物に吸着しやすい薬物を含有する水性液剤有機アミンを配合することによって、水性液剤中の当該薬物の合成樹脂成形物への吸着を抑制できることが報告されている。また、特許文献5には、ラタノプラストを含む点眼液組成物非イオン性界面活性剤を配合することによって、ラタノプラストのプラスチック容器への吸着を防止できることが報告されている。更に、特許文献6には、1回の使用で使い捨てるタイプのプラスチックス製容器充填する眼科用液剤組成物であって、抗ヒスタミン剤血管収縮剤および消炎収斂剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬理成分を含有し、かつ防腐剤を含有せず、更にpHをp5〜6に設定することによって、プラスチックス製容器に当該薬理成分が吸着し難くなることが報告されている。

しかしながら、中性からアルカリ性を示す液剤中でのクロルフェニラミン及び/又はその塩が示すプラスチック容器への吸着特性については報告されておらず、従来技術では、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含み、且つ中性からアルカリ性を示す液剤において、クロルフェニラミン及び/又はその塩をプラスチック容器内で安定に維持させるための技術については確立できていないのが現状である。

概要

本発明の目的は、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含有し、pHが7.0以上である液剤において、クロルフェニラミン及び/又はその塩が容器に吸着するのを抑制して安定に維持できる技術を提供することである。 クロルフェニラミン及び/又はその塩を含有し、pHが7.0以上である液剤について、収容する容器として、その内壁面注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面等)を構成する樹脂として、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂を採用することにより、当該内壁面へのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着を抑制して、液剤中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量を安定に保持できる。なし

目的

本発明は、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含有し、pHが7.0以上である液剤において、クロルフェニラミン及び/又はその塩が容器に吸着するのを抑制して安定に維持できる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩を含有し、pHが7.0以上である液剤が、容器に収容されてなるクロルフェニラミン類含有製品であって、前記容器が、前記液剤を収容する容器本体と、前記容器本体に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていることを特徴とする、クロルフェニラミン類含有製品。

請求項2

前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項1に記載のクロルフェニラミン類含有製品。

請求項3

前記容器本体が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項1又は2に記載のクロルフェニラミン類含有製品。

請求項4

前記液剤のpHが7.5〜9.0である、請求項1〜3のいずれかに記載のクロルフェニラミン類含有製品。

請求項5

前記液剤に、クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩が0.0006〜0.2w/v%含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載のクロルフェニラミン類含有製品。

請求項6

前記液剤が点眼剤である、請求項1〜5のいずれかに記載のクロルフェニラミン類含有製品。

請求項7

クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩を含有し、pHが7.0以上である液剤の安定化方法であって、容器の内壁を構成する領域の少なくとも一部分が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂によって構成されている容器に、クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩を含有する液剤を収容することを特徴とする、安定化方法。

請求項8

前記容器が、前記液剤を収容する容器本体と、前記容器本体に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項7に記載の安定化方法。

請求項9

前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項7又は8に記載の安定化方法。

請求項10

前記容器本体が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項7〜9のいずれかに記載の安定化方法。

請求項11

前記液剤のpHが7.5〜9.0である、請求項7〜10のいずれかに記載の安定化方法。

請求項12

前記液剤に、クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩が0.0006〜0.2w/v%含まれる、請求項7〜11のいずれかに記載の安定化方法。

請求項13

前記液剤が点眼剤である、請求項7〜12のいずれかに記載の安定化方法。

技術分野

0001

本発明は、クロルフェニラミン又はその塩を含有し、pHが7.0以上の液剤を安定に維持できる製品に関する。更に、本発明は、クロルフェニラミン又はその塩を含有し、pHが7.0以上の液剤の安定化方法に関する。

背景技術

0002

クロルフェニラミン又はその塩は、抗ヒスタミン作用があることが知られており、点眼剤点鼻剤皮膚外用剤内服剤等の医薬に使用されている。従来、クロルフェニラミン又はその塩を利用した製剤技術については多くの報告がなされている。例えば、眼粘膜または鼻粘膜局所用水性液剤においてクロルフェニラミン又はその塩とプラノプロフェン又はその塩を併用することによって、優れた抗炎症作用及び鎮痒作用を備えさせ得ること(特許文献1)、外用剤組成物においてアダパレンマレイン酸クロルフェニラミンを併用することによって、アダパレンの角質や皮膚への浸透性を向上させ得ること(特許文献2)、感冒組成物において、クロルフェニラミンとプソイドエフェドリンを併用することによって、優れた粘膜炎症症状鼻閉など)の軽減・除去作用を備えさせ得ること(特許文献3)等が報告されている。

0003

一方、医薬を収容する容器は、薬理成分や添加剤を経時的に安定に維持させることが求められる。とりわけ、医薬を液剤として提供する場合には、医薬に含まれる薬理成分や添加剤が容器の内壁と常に接触する状態になるため、医薬に含まれる薬理成分や添加剤が容器に吸着され難くなるように設計することが重要になる。

0004

これまでに、プラスチック製容器に薬理成分が吸着し難くなるような製剤技術が種々検討されている。例えば、特許文献4には、合成樹脂成形物に吸着しやすい薬物を含有する水性液剤有機アミンを配合することによって、水性液剤中の当該薬物の合成樹脂成形物への吸着を抑制できることが報告されている。また、特許文献5には、ラタノプラストを含む点眼液組成物非イオン性界面活性剤を配合することによって、ラタノプラストのプラスチック容器への吸着を防止できることが報告されている。更に、特許文献6には、1回の使用で使い捨てるタイプのプラスチックス製容器充填する眼科用液剤組成物であって、抗ヒスタミン剤血管収縮剤および消炎収斂剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬理成分を含有し、かつ防腐剤を含有せず、更にpHをp5〜6に設定することによって、プラスチックス製容器に当該薬理成分が吸着し難くなることが報告されている。

0005

しかしながら、中性からアルカリ性を示す液剤中でのクロルフェニラミン及び/又はその塩が示すプラスチック容器への吸着特性については報告されておらず、従来技術では、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含み、且つ中性からアルカリ性を示す液剤において、クロルフェニラミン及び/又はその塩をプラスチック容器内で安定に維持させるための技術については確立できていないのが現状である。

先行技術

0006

特開2002−193805号公報
特開2008−137936号公報
特開2002−332229号公報
特開2007−119422号公報
国際公開第2008/96804号パンフレット
特開2002−249445号公報

発明が解決しようとする課題

0007

医薬分野において、液剤を収容する容器として、ポリエチレンノズルが装着されたプラスチック製容器が一般的に使用されている。そこで、本発明者は、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含む液剤のpHを種々変えて、従来一般的に使用されているプラスチック製容器に収容し、クロルフェニラミン及び/又はその塩の安定性について評価したところ、pHを7.0以上に設定した液剤では、クロルフェニラミン及び/又はその塩が、ポリエチレン製ノズルに吸着し、液剤中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量が低下するという特有の課題に直面した。特に、点眼剤では、クロルフェニラミン及び/又はその塩は比較的低含有量に設定されているため、その含有量の低下は、クロルフェニラミン又はその塩に基づく薬理作用の低下を顕著にする傾向があり、前記課題の解決は点眼剤の分野ではとりわけ重要といえる。

0008

そこで、本発明は、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含有し、pHが7.0以上である液剤において、クロルフェニラミン及び/又はその塩が容器に吸着するのを抑制して安定に維持できる技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意検討を行ったところ、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含有し、pHが7.0以上である液剤について、収容する容器として、その内壁面注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面等)を構成する樹脂として、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂を採用することにより、当該内壁面へのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着を抑制して、液剤中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量を安定に保持できることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成したものである。

0010

即ち、本発明は、下記に掲げる態様のクロルフェニラミン又はその塩含有製品、及び安定化方法を提供する。
項1. クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩を含有し、pHが7.0以上である液剤が、容器に収容されてなるクロルフェニラミン類含有製品であって、
前記容器が、前記液剤を収容する容器本体と、前記容器本体に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、
前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていることを特徴とする、
クロルフェニラミン類含有製品。
項2. 前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項1に記載のクロルフェニラミン類含有製品。
項3. 前記容器本体が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項1又は2に記載のクロルフェニラミン類含有製品。
項4. 前記液剤のpHが7.5〜9.0である、項1〜3のいずれかに記載のクロルフェニラミン類含有製品。
項5. 前記液剤に、クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩が0.0006〜0.2w/v%含まれる、項1〜4のいずれかに記載のクロルフェニラミン類含有製品。
項6. 前記液剤が点眼剤である、項1〜5のいずれかに記載のクロルフェニラミン類含有製品。
項7. クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩を含有し、pHが7.0以上である液剤の安定化方法であって、
容器の内壁を構成する領域の少なくとも一部分が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂によって構成されている容器に、クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩を含有する液剤を収容することを特徴とする、
安定化方法。
項8. 前記容器が、前記液剤を収容する容器本体と、前記容器本体に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、
前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項7に記載の安定化方法。
項9. 前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項7又は8に記載の安定化方法。
項10. 前記容器本体が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項7〜9のいずれかに記載の安定化方法。
項11. 前記液剤のpHが7.5〜9.0である、項7〜10のいずれかに記載の安定化方法。
項12. 前記液剤に、クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩が0.0006〜0.2w/v%含まれる、項7〜11のいずれかに記載の安定化方法。
項13. 前記液剤が点眼剤である、項7〜12のいずれかに記載の安定化方法。

発明の効果

0011

本発明によれば、クロルフェニラミン及び/又はその塩をpH7.0以上の液剤に含んでいながら、収容する容器にクロルフェニラミン及び/又はその塩が吸着するのを抑制して経時的に安定に保持することができる。

0012

また、従来技術を駆使しても、pHが7.0以上である液剤では、収容する容器の内壁にクロルフェニラミン及び/又はその塩が吸着して、その含有量の低下を避けることができず、特に、クロルフェニラミン及び/又はその塩が比較的低含量に設定されている点眼剤や点鼻剤等では、保存によって薬理作用の低減が不可避であった。これに対して、本発明によれば、このような従来技術の欠点を克服できており、点眼剤や点鼻剤等として提供しても、クロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量の低下を抑制し、その薬理作用を安定に維持した状態で保存することができる。

図面の簡単な説明

0013

図1には、本発明で使用される点眼容器の一態様例について、その断面図を示す。
図2には、図1に示す点眼容器の部分拡大断面図を示す。
図3には、本発明で使用される点眼容器の一態様例について、その断面図を示す。
図4には、本発明で使用される点眼容器の一態様例について、その断面図を示す。
図5には、図4に示す点眼容器の部分拡大断面図を示す。
図6には、本発明で使用される洗眼容器の一態様例について、その断面図を示す。

0014

本明細書において、クロルフェニラミン及び/又はその塩の「安定化」又は「安定性」とは、液剤中のクロルフェニラミン又はその塩の含有量が経時的に低下するのを抑制し、当該含有量を安定に保持させること、又はその特性を意味する。また、本明細書において、「クロルフェニラミン類含有製品」は、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含有する液剤が容器に収容された状態にあるものを意味する。また、本明細書において、単位「w/v%」とは、質量対容量百分率を指し、g/100mLと同義であり、単位「w/w%」とは、質量百分率のことを指し、重量%と同義である。

0015

1.クロルフェニラミン類含有製品
本発明のクロルフェニラミン類含有製品は、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含有し、pHが7.0以上である液剤が、注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面がポリブチレンテレフタレートで構成された容器に収容されていることを特徴とする。以下、本発明のクロルフェニラミン類含有製品について、詳述する。

0016

液剤
本発明のクロルフェニラミン類含有製品において、容器に収容する液剤は、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含有する。クロルフェニラミンは、3−(4−クロロフェニル)−N,N−ジメチル3−ピリジン−2−イルプロパン−1−アミンとも称され、抗ヒスタミン剤として公知の化合物である。

0017

クロルフェニラミンの塩としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、マレイン酸塩フマル酸塩等の有機酸塩塩酸塩硫酸塩等の無機酸塩等が挙げられる。これらのクロルフェニラミンの塩の中でも、好ましくはマレイン酸塩が挙げられる。

0018

また、クロルフェニラミン及び/又はその塩は、水和物等の溶媒和物の形態であってもよく、またd体、dl体のいずれであってもよい。

0019

本発明に使用される液剤において、クロルフェニラミン及びその塩の内、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。クロルフェニラミン及びその塩の中でも、好ましくはクロルフェニラミンの塩、更に好ましくはクロルフェニラミンマレイン酸塩が挙げられる。

0020

本発明に使用される液剤におけるクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量については、特に制限されず、当該液剤の用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.0006〜0.2w/v%、好ましくは0.001〜0.1w/v%、より好ましくは0.001〜0.03w/v%、更に好ましくは0.006〜0.03w/v%が挙げられる。

0021

本発明に使用される液剤は、pHが7.0以上に設定される。従来の技術では、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含む液剤においてpHを7.0以上に設定すると、従来汎用されている容器の壁面に対してクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着作用発現するが、本発明では、pHを7.0以上に設定しても、クロルフェニラミン及び/又はその塩の容器の壁面への吸着を抑制して、その含有量を安定に保持させることができる。

0022

また、クロルフェニラミン及び/又はその塩を含む液剤において、pHが高くなる程、従来使用されている容器の壁面に対してクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着作用が顕著になる傾向が認められる。これに対して、本発明によれば、液剤のpHを好ましくは7.5以上、更に好ましくは8.0以上に設定しても、クロルフェニラミン及び/又はその塩の容器の壁面への吸着を十分に抑制し、クロルフェニラミン及び/又はその塩を安定に維持させることが可能になっている。このような本発明の効果に鑑みれば、本発明で使用される液剤のpHの具体的範囲として、7.0〜9.0、更に好ましくは7.5〜9.0、特に好ましくは8.0〜9.0が挙げられる。

0023

本発明に使用される液剤を前記pHに調整するには、例えば、pH調整剤を添加することにより行えばよい。pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウム等のアルカリ酢酸クエン酸塩酸リン酸酒石酸等の酸が挙げられる。これらのpH調整剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0024

本発明に使用される液剤は、前記成分の他に、その用途等に応じて、他の薬理成分を含有することができる。使用される薬理成分については、特に制限されないが、例えば、抗炎症薬消炎鎮痛薬化学療法薬抗菌薬抗ウイルス薬ホルモン薬ビタミン薬、抗白内障薬、血管新生抑制薬、免疫抑制薬プロテアーゼ阻害薬アルドース還元酵素阻害薬、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、不安薬、抗精神薬抗生物質抗腫瘍薬抗高脂血症薬鎮咳去痰薬筋弛緩薬抗てんかん薬抗潰瘍薬抗うつ薬強心薬不整脈治療薬血管拡張薬高圧利尿薬糖尿病治療薬抗結核薬麻酔拮抗薬皮膚疾患用薬、歯科口腔用薬、診断用薬公衆衛生用薬等の従来公知の薬理成分から適宜選択して用いることができる。

0025

これらの薬理成分の中でも、点眼剤、洗眼剤、点鼻剤、点耳剤等の眼科又は耳鼻科分野で使用される液剤である場合の具体例としては、プラノプロフェン、グリチルリチン酸二カリウムアラントインイプシロンアミノカプロン酸ブロムフェナクケトロラクトロメタミンネパフェナクベルベリン塩化物硫酸ベルベリンアズレンスルホン酸ナトリウム硫酸亜鉛乳酸亜鉛リゾチーム塩酸塩等の消炎剤ジフェンヒドラミン塩酸塩等の抗ヒスタミン剤;クロモグリク酸ナトリウムケトチフェンフマル酸塩アシタザノラストアンレキサノクスペミロラストカリウムトラニラストイブジラストレボカバスチン塩酸塩、オロパタジン塩酸塩等の抗アレルギー剤;ノルフロキサシンオフロキサシンロメフロキサシンレボフロキサシンゲンタマイシンガチフロキサシン等の抗菌剤アスコルビン酸フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウムシアノコバラミンピリドキシン塩酸塩トコフェロール酢酸エステルレチノール酢酸エステルレチノールパルミチン酸エステルパンテノールパントテン酸カルシウムパントテン酸ナトリウム等のビタミン類アスパラギン酸タウリンコンドロイチン硫酸ナトリウム等のアミノ酸類ネオスチグミンメチル硫酸塩等の抗コリンエステラーゼ剤ナファゾリンテトラヒドロゾリンエピネフリンエフェドリンフェニレフリン、dl−メチルエフェドリン等の血管収縮剤;ヒアルロン酸ナトリウム等の角結膜上皮障害治療薬;スルファメトキサゾールスルファジアジンスルフイソキサゾールスルフイソミジンスルファジメトキシンスルファメトキシピリダジンスルファエチドールスルファメトジンスルファフェナゾールスルファグアニジンフタリルスルファチアゾールスクシニルスルファチアゾール等のサルファ剤等が挙げられる。ここで例示する化合物は、薬学的に許容されることを限度として、塩の形態であってもよく、また他の塩の形態であってもよい。これらの薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0026

これらの薬理成分の含有量については、薬理成分の種類や液剤の用途等に応じて適宜設定される。

0027

また、本発明で使用される液剤には、前記成分の他に、必要に応じて、緩衝剤等張化剤溶解補助剤粘性基剤キレート剤清涼化剤、防腐剤、安定化剤界面活性剤等の添加剤を含有してもよい。

0028

緩衝剤としては、例えば、リン酸緩衝剤ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、Tris緩衝剤、アミノ酸等が挙げられる。これらの緩衝剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0029

等張化剤としては、ソルビトールグルコースマンニトール等の糖類;グリセリンプロピレングリコール等の多価アルコール類塩化ナトリウム等の塩類ホウ酸等が挙げられる。これらの等張化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0030

溶解補助剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートポリオキシエチレン硬化ヒマシ油チロキサポールプルロニック等の非イオン性界面活性剤;グリセリン、マクロゴール等の多価アルコール等が挙げられる。これらの溶解補助剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0031

粘性基剤としては、例えば、ポリビニルピロリドンポリエチレングリコールポリビニルアルコールカルボキシビニルポリマーキサンタンガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等の水溶性高分子ヒプロメロースヒドロキシエチルセルロースメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース類等が挙げられる。これらの粘性基剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0032

キレート剤としては、例えば、エデト酸、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、トリヒドロキシメチルアミノメタンニトリロトリ酢酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸ポリリン酸メタリン酸ヘキサメタリン酸、これらの薬学的に許容される等が挙げられる。これらのキレート剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0033

清涼化剤としては、例えば、l−メントールボルネオールカンフルユーカリ油等が挙げられる。これらの清涼化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0034

防腐剤としては、例えば、ソルビン酸又はその塩、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチルパラオキシ安息香酸エチルパラオキシ安息香酸プロピルクロロブタノールクロヘキシジングルコン酸塩、ホウ酸、デヒドロ酢酸又はその塩、塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウムベンジルアルコール塩化亜鉛パラクロルメタキシレノール、クロルクレゾールフェネチルアルコール塩化ポリドロニウム、チメロサールジブチルヒドロキシトルエン塩酸ポリヘキサニド等が挙げられる。これらの防腐剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0035

安定化剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、亜硫酸塩モノエタノールアミン、グリセリン、プロピレングリコール、シクロデキストリンデキストラン、アスコルビン酸、エデト酸塩、タウリン、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。これらの安定化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0037

これらの添加剤の濃度については、添加剤の種類や液剤の用途等に応じて適宜設定される。

0038

本発明で使用される液剤の形態としては、水を基剤として含むものであればよく、例えば、水溶液状、懸濁液状、乳液状等のいずれであってもよいが、好ましくは水溶液状が挙げられる。

0039

本発明で使用される液剤の用途についても、特に制限されず、例えば、医薬、コンタクトレンズケア用品等が挙げられる。医薬としては、具体的には、点眼剤(コンタクトレンズ装用時でも点眼可能なコンタクトレンズ用点眼剤を含む)、洗眼剤等の眼科用液剤;点鼻剤、点耳剤等の耳鼻科用液剤;内服剤、注射剤外用剤等が挙げられる。また、コンタクトレンズケア用品としては、具体的には、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用マルチパーパスソリューション等が挙げられる。

0040

これらの液剤の用途の中でも、眼科用液剤、耳鼻科用液剤、及びコンタクトレンズケア用品は、特に点眼剤では、クロルフェニラミン及び/又はその塩が比較的低含量に設定されることが多く、クロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量が僅かに低下しても、その薬理作用に大きく影響するという特有の問題点がある。これに対して、本発明によれば、クロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量を安定に維持させる効果に優れており、クロルフェニラミン及び/又はその塩が比較的低含有量に設定されている液剤であっても、その薬理作用を経時的に安定に維持させることができる。このような本発明の効果に鑑みれば、本発明に使用される液剤の好適な一例として、眼科用液剤、耳鼻科用液剤、及びコンタクトレンズケア用品、特に好ましくは点眼剤が挙げられる。

0041

また、本発明で使用される液剤は、複数回分の使用量が充填され、繰返し使用されるマルチドーズ型であってもよく、また単回分の使用量が充填され、1回で使い終わるユニットドーズ型であってもよい。

0042

本発明で使用される液剤は、その形態や用途等に応じて、自体公知調製法に従って製造すればよく、例えば、医薬である場合には、第十六改正日本薬局方製剤総則に記載された方法を用いて製造することができる。

0043

容器
本発明のクロルフェニラミン類含有製品では、前記液剤を収容するために、容器本体と注出部と蓋部とを備え、前記注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている容器が使用される。

0044

<容器の構造>
前記容器を構成する容器本体とは、前記液剤を収容する部位である。当該容器本体の形状、大きさについては、特に制限されず、収容する液剤の種類に応じて適宜設定される。

0045

前記容器を構成する注出部とは、容器本体と容器本体の外部との間を連通する内部空間を有し、容器本体に収容された液剤を注出する注出口を備えており、前記注出口が容器本体の開口部と連通するように設けられ、当該容器本体に収容された液剤を、当該内部空間を介して当該注出口から容器外部に注出(排出)する部位である。当該注出部は、容器本体に収容された液剤を注出口から容器本体外に注出できるように構成されている限り、その構造については、特に制限されず、例えば、液剤が液滴状で注出されるように構成されていてもよく、また液剤が非液滴状で流出されるように構成されていてもよい。本発明の効果を一層有効に奏させるという観点から、前記注出部は、液剤が液滴状で注出されるように構成されているノズルであることが好ましい。また、当該注出部には、例えば、中栓ノズルや穴あき中栓のように中栓が設けられていてもよい。

0046

前記注出部の一部又は全部が、容器本体と一体成型されたものであってもよい。また、前記注出部は、容器本体の開口部の内腔に挿入又は外側に装着させて取り付けられたものであってもよい。

0047

また、前記容器を構成する蓋部は、前記注出口をふさぐ部位である。当該蓋部は、容器本体及び/又は注出口と嵌合された構造を備えていればよい。より具体的には、本発明のクロルフェニラミン類含有製品がマルチドーズ型である場合には、容器本体及び/又は注出口と着脱可能に嵌合される構造であればよく、また本発明のクロルフェニラミン類含有製品がユニットドーズ型である場合には、容器本体及び/又は注出口から脱離可能に嵌合された構造であればよい。容器本体及び/又は注出口と着脱可能に嵌合される構造の好適な一例として、容器本体及び/又は注出部に対して、ネジ嵌合により着脱可能に取り付けられる蓋部が挙げられる。ネジ嵌合により、蓋部と容器本体及び/又は注出部とを着脱可能に取り付ける場合、蓋部には、容器本体及び/又は注出部のネジ部と螺合するネジ部が設けられていればよい。

0048

前記容器の形状は、収容するクロルフェニラミン類含有製品の用途に応じて適宜設定される。具体的には、点眼容器、洗眼容器、点鼻容器等が挙げられる。

0049

本発明で使用される容器の具体的態様の例を図1〜6に示す。

0050

図1は、点眼容器の一態様の断面図であり、図2は、図1に示す点眼容器の部分拡大断面図である。図1に示す点眼容器では、容器本体1の開口部の内腔に、前記液剤を液滴状で注出可能な注出部2が挿入されており、更に蓋部3が、容器本体1にネジ嵌合により着脱可能に取り付けられ、注出部2の注出口がふさがれている。当該点眼容器では、容器本体1に収容された液剤は、注出部2の内部空間4を介して注出口から容器外に注出される。図1に示す点眼容器は、ユニットドーズ型の液剤の収容に使用してもよいが、マルチドーズ型の液剤の収容に好適に使用される。

0051

図3は、点眼容器の一態様の断面図である。図3に示す点眼容器では、容器本体1と注出部2が、接着機械的接合によらず、同一素材で一体となって形成されており、注出部2の内部空間4を介して注出口から容器外に前記液剤を液滴状で注出可能になっている。図3では、蓋部を省略しており、便宜上、仮想線点線)を挿入している。図3に示す点眼容器では、仮想線よりも下部の容器部材が容器本体1に該当し、仮想線よりも上部の容器部材が注出部2に該当する。図3に示す点眼容器は、ユニットドーズ型の液剤の収容に使用してもよいが、マルチドーズ型の液剤の収容に好適に使用される。

0052

図4は、点眼容器の一態様の断面図であり、図5は、図4に示す点眼容器の部分拡大断面図である。図4に示す点眼剤では、容器本体1、注出部2、及び蓋部3が一体成型されている。注出部2と蓋部3は連結した状態になっているが、用時にこれらを切り離すことにより、容器本体1に収容された前記液剤は、注出部2の内部空間4を介して注出口から容器外に注出可能になる。図4及び5には、便宜上、仮想線(点線)を挿入している。図4及び5において、2つの仮想線の間の容器部材が注出部2に該当し、2つの仮想線の間の空間が注出部2の内部空間4に該当する。図4に示す点眼容器は、ユニットドーズ型の液剤の収容に好適に使用される。

0053

図6は、洗眼容器の断面図である。図6に示す洗眼容器では、容器本体1と注出部2の一部が一体成形されている。当該洗眼容器では、容器本体1に収容された前記液剤は、注出部2の内部空間4を介して注出口から容器外に注出される。図6には、便宜上、仮想線(点線)を挿入している。

0054

図1〜6には、点眼容器及び洗眼容器の具体的態様を挙げたが、本発明では、これらの構造や形状に限定されるものではなく、また、点眼容器及び洗眼容器以外の容器でも所定の特徴を備える限り使用できる。

0055

<容器の構成素材
前記容器は、前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む樹脂によって構成される。ここで、「蓋部において前記注出口と対向する壁面」とは、蓋部を容器本体及び/又は注出部に取りつけた際に注出口を覆う蓋部の内壁部分に該当する。具体的には、図2、5、及び6を例に挙げると、符号5で示した面部分が「注出部の内部空間の壁面」に該当し、符号6で示した面部分が「蓋部において前記注出口と対向する壁面」に相当する。

0056

このようにポリブチレンテレフタレートを含む樹脂によって、注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面を構成することにより、クロルフェニラミン及び/又はその塩の当該注出部及び/又は蓋部への吸着、蓄積を効果的に抑制し、液剤中のクロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量を安定に保持させることが可能になる。

0057

前記注出部の内部空間の壁面及び/又は前記蓋部において注出部の注出口と対向する壁面を構成する樹脂は、ポリブチレンテレフタレート単独からなるものであってもよく、またポリブチレンテレフタレートと他のポリマーとのブレンドポリマーからなるものであってもよい。前記注出部の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面を構成する樹脂として、ポリブチレンテレフタレートと他のポリマーとのブレンドポリマーを使用する場合、本発明の効果を奏することを限度として、これらの混合比については特に制限されないが、当該ブレンドポリマーの総量当たり、ポリブチレンテレフタレートが50w/w%以上、好ましくは70w/w%以上、更に好ましくは90w/w%以上を占めていることが望ましい。

0058

前記容器において、注出部の内部空間の壁面と、蓋部において注出部の注出口と対向する壁面のいずれか少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを含んでいればよい。例えば、液剤が液滴状で注出される注出部(例えば、液剤が液滴状で滴下されるように構成されているノズル)を採用する場合には、クロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量低下を効果的に抑制するという観点から、少なくとも、注出部の内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていることが好ましく、注出部の内部空間の壁面と、蓋部において注出部の注出口と対向する壁面の双方がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されることが更に好ましい。また、例えば、液剤が非液滴状で流出される注出部を採用する場合には、クロルフェニラミン及び/又はその塩の含有量低下を効果的に抑制するという観点から、少なくとも、蓋部において注出部の注出口と対向する壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていることが好ましく、注出部の内部空間の壁面と蓋部において注出部の注出口と対向する壁面の双方がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂から構成されることが更に好ましい。

0059

注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂によって構成されている限り、これらの壁面以外の部位の構成素材については特に制限されない。例えば、これらの壁面以外の部位は、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていてもよく、またポリブチレンテレフタレート以外の素材で構成されていてもよい。

0060

前記容器が、容器本体と注出部と一体成型されている場合には、容器本体は、注出部と同じ樹脂により構成される。

0061

また、前記容器が、前記容器本体の開口部の内腔に前記注出部を挿入して取り付けている場合には、容器本体は、ガラス製又はプラスチック製のいずれであってもよいが、好ましくはプラスチック製が挙げられる。かかる態様の容器において、容器本体をプラスチック製にする場合には、容器本体を形成する樹脂の種類については、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレンアクリロニトリルブタジエンスチレン等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートは、優れた成形性を備えつつ、クロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着を抑制することができるので、容器本体を形成する樹脂として好適に使用される。

0062

2.安定化方法
本発明の安定化方法は、クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩を含有し、pHが7.0以上である液剤の安定化方法であり、当該液剤を、容器の内壁を構成する領域の少なくとも一部分がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成された容器に収容することを特徴とするものである。

0063

本発明の安定化方法において使用される「クロルフェニラミン及び/又はその塩を含有し、pHが7.0以上である液剤」については、前記クロルフェニラミン類含有製品において使用される液剤と同様である。

0064

また、本発明の安定化方法で使用される容器は、容器の内壁を構成する領域の少なくとも一部分が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂によって構成されている容器である。容器の内壁を構成する領域とは、液剤を収容する容器の内部空間を形成する壁面領域であり、具体的には、容器本体の内壁面、注出部の内壁面、及び蓋部の内壁面によって形成される。即ち、本発明の安定化方法で使用される容器は、容器本体の内壁面、注出部の内壁面、及び蓋部の内壁面の中の少なくとも一部分が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていればよい。注出部の内壁面とは、注出部の内部空間の壁面部分である。また、蓋部の内壁面とは、前記注出部の注出口と対向する蓋部の壁面領域である。容器本体、注出部、及び蓋部の構造上の構成については、前記「1.クロルフェニラミン類含有製品」の「容器」の欄に記載の通りである。

0065

本発明の安定化方法で使用される容器は、容器の内壁を構成する領域の少なくとも一部分が前記ポリマーを含む樹脂で構成されていればよいが、好ましくは前記クロルフェニラミン類含有製品において用いられる容器が挙げられる。

0066

本発明の安定化方法は、クロルフェニラミン及び/又はその薬学的に許容される塩を含有し、pHが7.0以上である液剤において、クロルフェニラミン及び/又はその塩の含量低下を効果的に抑制して、クロルフェニラミン及び/又はその塩の保存安定性を向上させることができるので、当該液剤の保存方法として実施することもできる。

0067

以下に、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、以下の試験例において、クロルフェニラミンマレイン酸塩は、日局マレイン酸クロルフェニラミン(金剛化学株式会社製)を使用した。

0068

試験例1:クロルフェニラミンマレイン酸塩の吸着性の評価(pHが及ぼす影響の検討)
表2及び3に示す液剤を調製して各種容器に収容して保存した際のクロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量の経時変化を測定した。具体的には、表2及び3に示す液剤を常法に従って調製して、表1に示す各容器に収容し、密封状態にして50℃の温度条件にて8週間静置することにより保存した。その際、容器1及び3の場合には液剤の収容量は10mLにし、容器2の場合には液剤の収容量は5mLにした。また、容器1及び3の場合には、保存中は、蓋部分が下面、容器本体の底部が上面となるように、容器を倒立させた状態で静置した。保存開始前、保存開始から2週間後及び8週間後に、容器中の液剤をサンプリングし、液剤中のクロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量をHPLCにて測定することにより、保存後のクロルフェニラミンマレイン酸塩の残存率(%)を算出した。なお、容器3は従来汎用されている点眼容器の例である。また、ガラスは一般に薬物の吸着が認められないことが知られており、容器2はクロルフェニラミンマレイン酸塩が吸着し難い容器の例である。

0069

0070

得られた結果を表2及び3に示す。この結果から、ポリエチレン製ノズルを装着した容器3に収容した液剤では、pHが6.5以下では、クロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量を低下が認められず安定に保持できていたが、pHが7.0以上になると、クロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量が低下しており、特にpH8.0以上の場合に、その含有量の低下が顕著になった。これに対して、ポリブチレンテレフタレート製ノズルを装着した容器1に収容した液剤では、pHが7.0以上であっても、クロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量の低下を十分に抑制できていた。また、ガラス製アンプルである容器2ではpHが7.0以上でもクロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量の低下が認められなかったことから、容器3に収容した液剤におけるクロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量の低下は、ポリエチレン製ノズルへの吸着に起因していることが明らかとなった。

0071

即ち、この結果から、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含む液剤において、pH7.0以上になると、クロルフェニラミンマレイン酸塩がポリエチレン製ノズルに吸着して、液剤中のクロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量が低下するが、ポリブチレンテレフタレート製ノズルを使用すると、pH7.0以上になっても、クロルフェニラミンマレイン酸塩の当該ノズルへの吸着が抑制され、液剤中のクロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量が安定に維持されることが確認された。

0072

0073

0074

試験例2:クロルフェニラミンマレイン酸塩の吸着性の評価(他の含有成分が及ぼす影響の検討)
表4及び5に示す液剤を常法に従って調製し、前記試験例1と同様の方法で、表1に示す各容器に収容して保存した際のクロルフェニラミンマレイン酸塩の残存率を測定した。なお、本試験では、50℃での保存期間は4週間に設定した。

0075

得られた結果を表4及び5に示す。この結果から、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含み、pHが7以上の液性において、緩衝剤の種類を変えたり、キレート剤を添加したりしても、ポリブチレンテレフタレート製ノズルを装着した容器1に収容した場合には、クロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量の低下を十分に抑制できることが確認された。

0076

0077

0078

試験例3:クロルフェニラミンマレイン酸塩の吸着性の評価(他の含有成分、クロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量が及ぼす影響の検討)
表6に示す液剤を常法に従って調製し、前記試験例1と同様の方法で、表1に示す各容器に収容して保存した際のクロルフェニラミンマレイン酸塩の残存率を測定した。なお、本試験では、50℃での保存期間は4週間に設定した。

0079

得られた結果を表6に示す。この結果から、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含み、pHが7以上の液性において、プラノプロフェンを添加したり、クロルフェニラミンマレイン酸塩を低含有量から高含有量にまで変動させたりしても、ポリブチレンテレフタレート製ノズルを装着した容器1に収容した場合には、クロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量の低下を十分に抑制できることが確認された。

0080

0081

参考試験例1:クロルフェニラミンマレイン酸塩以外の薬理成分の吸着性の評価
表7に示す液剤を常法に従って調製し、前記試験例1と同様の方法で、表1に示す各容器に収容して保存し、各薬理成分(ジブカイン塩酸塩、ナファゾリン塩酸塩、ピリドキシン塩酸塩)の含有量の経時変化をHPLCにより測定し、その残存率を求めた。なお、本試験では、50℃での保存期間は2週間に設定した。

0082

得られた結果を表7に示す。ジブカイン塩酸塩を含む液剤では、pH8.5に調整すると、ジブカイン塩酸塩が溶解せずに白濁した状態になった。また、ナファゾリン塩酸塩を含む液剤では、いずれの容器に収容しても、ナファゾリン塩酸塩の残存率が著しく低下していた。一方、ピリドキシン塩酸塩を含む液剤では、いずれの容器に収容しても、ピリドキシン塩酸塩の残存率が高く維持されており、容器への吸着という課題は認められなかった。

0083

以上の結果から、pH7.0以上の液剤における薬理成分が、ポリエチレン製ノズルを装着した容器に吸着するが、ポリブチレンテレフタレート製ノズルを装着した容器には吸着しないという特性は、クロルフェニラミンマレイン酸塩において認められる特有の特性であることが確認された。

0084

0085

参考試験例2:脂溶性抗酸化剤の評価
表8に示す液剤を調製し、当該液剤と接液した状態でのポリエチレン又はポリブチレンテレフタレートに対する脂溶性抗酸化剤(ブチルヒドロキシアニソール)の吸着性について評価を行った。具体的には、6mLの液剤を収容したガラス製アンプル容器に、ポリエチレン製ノズル(低密度ポリエチレン樹脂製の点眼容器用のノズル;商品名「ノバテック登録商標)LD LJ808」、日本ポリエチレン株式会社製)又はポリブチレンテレフタレート製ノズル(点眼容器用のノズル;商品名「ノバデュラン(登録商標) 5010R5X」、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製)1個を入れて、ガラス製アンプル容器の開口部を熔封することにより密封した。液剤中にノズルが浸漬した状態で50℃の温度条件にて2週間静置した。次いで、密封したガラス製アンプル容器を開封し、液剤中の脂溶性抗酸化剤含有量をHPLCにて測定することにより、保存後の脂溶性抗酸化剤の残存率(%)を算出した。また、比較のために、ノズルを入れずに上記と同様の方法で試験を行った。

0086

結果を表8に示す。参考例4-1〜4-3の結果から明らかなように、ブチルヒドロキシアニソールは、ポリエチレン製又はポリブチレンテレフタレート製のいずれのノズルを浸漬した場合でも、液剤中の含量に変化は殆どなく、安定に維持されており、ポリエチレン製ノズルへの吸着は、クロルフェニラミンマレイン酸塩において認められる特有の問題であることが確認された。

実施例

0087

0088

1容器本体
2注出部
3 蓋部
4 抽出部の内部空間
5 抽出部の内部空間の壁面
6 蓋部において注出部の注出口と対向する壁面

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