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図面 (14)

課題

デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療における抗−FLT−1抗体の提供。

解決手段

本発明は、特に、筋ジストロフィー、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療のための方法及び組成物を提供する。ある実施形態においては、本発明の方法は、激しさ重症度又は頻度においてDMDの症状又は特徴の少なくとも1種を減少させ、又は発症遅延させるように、DMDを患っているか、DMDに感受性の高い個体に、有効量の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメント投与することを含む。

概要

背景

デュシェンヌ型筋ジストロフィーDMD)は、3,600人の児に約1人を襲うX連鎖性の劣性筋ジストロフィーであり、これは筋変性及び最終的な死をもたらす。この疾患は、細胞膜ジストログリカン複合体(DGC)の構造的定性を付与する、筋組織内の重要な構造的成分であるタンパク質ジストロフィンをコードする、ヒトX染色体上に位置するジストロフィン遺伝子の変異により起こる。ジストロフィンは、細胞質内アクチンフィラメントネットワーク細胞外マトリクスとを連結させ、筋線維物理的強度を付与する。したがって、ジストロフィンの変化又は欠如は、筋線維膜機能の異常をもたらす。男とも、前記変異を保有し得るが、女の子は、男の子に見られるような疾患の典型的な臨床徴候を示すことはまれである。

現在までに、DMDの治療法は知られていない。遺伝子治療及び副腎皮質ホルモン剤投与等のいくつかの治療手段が研究されてきた。これらの治療法の一部は、特定の症状を遅らせる可能性があるが、DMD患者に対する満足な治療選択肢は現在のところ存在しない。

概要

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療における抗−FLT−1抗体の提供。本発明は、特に、筋ジストロフィー、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療のための方法及び組成物を提供する。ある実施形態においては、本発明の方法は、激しさ重症度又は頻度においてDMDの症状又は特徴の少なくとも1種を減少させ、又は発症遅延させるように、DMDを患っているか、DMDに感受性の高い個体に、有効量の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントを投与することを含む。なし

目的

本発明は、筋ジストロフィー、特に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)および/またはベッカー型筋ジストロフィーを治療するための改善された方法および組成物を特に提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

本明細書に記載の発明。

技術分野

0001

関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2013年1月28に出願された米国仮出願第61/757,571号の利益を主張し、その内容全体を引用により本明細書に組み込む。

背景技術

0002

デュシェンヌ型筋ジストロフィーDMD)は、3,600人の児に約1人を襲うX連鎖性の劣性筋ジストロフィーであり、これは筋変性及び最終的な死をもたらす。この疾患は、細胞膜ジストログリカン複合体(DGC)の構造的定性を付与する、筋組織内の重要な構造的成分であるタンパク質ジストロフィンをコードする、ヒトX染色体上に位置するジストロフィン遺伝子の変異により起こる。ジストロフィンは、細胞質内アクチンフィラメントネットワーク細胞外マトリクスとを連結させ、筋線維物理的強度を付与する。したがって、ジストロフィンの変化又は欠如は、筋線維膜機能の異常をもたらす。男とも、前記変異を保有し得るが、女の子は、男の子に見られるような疾患の典型的な臨床徴候を示すことはまれである。

0003

現在までに、DMDの治療法は知られていない。遺伝子治療及び副腎皮質ホルモン剤投与等のいくつかの治療手段が研究されてきた。これらの治療法の一部は、特定の症状を遅らせる可能性があるが、DMD患者に対する満足な治療選択肢は現在のところ存在しない。

課題を解決するための手段

0004

本発明は、筋ジストロフィー、特に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)および/またはベッカー型筋ジストロフィーを治療するための改善された方法および組成物を特に提供する。以下の実施例に記載するように、本発明は、部分的には、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、VEGF及び他のリガンドがFlt−1受容体と結合するのを阻害し、それによってVEGF受容体に結合するのに利用されるVEGF及び/又は他のリガンドの量を増大させ得るという発見に基づく。DMDの症状における構造的及び機能的改善が増大する。実際に、実施例に示すように、本発明者らは、抗−Flt−1抗体の投与により、DMDの動物モデルにおいて、筋肉病理、並びに筋肉の機能の程度が向上することを証明した。したがって、本発明は、安全かつ効果的な、DMDを治療するための抗体をベースとする治療法を提供する。

0005

ある実施形態においては、本発明は、激しさ重症度又は頻度においてデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の症状又は特徴の少なくとも1種を減少させ、又は発症遅延させるように、DMDを患っているか、DMDに感受性の高い個体に、有効量の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントを投与することを含む、DMDの治療方法を提供する。

0006

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは非経口的に投与される。ある実施形態においては、非経口投与は、静脈内、皮内、くも膜下吸入経皮局所)、眼内、筋肉内、皮下、及び/又は経粘膜投与から選択される。

0007

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは経口的に投与される。

0008

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、横紋筋(例えば、骨格筋心筋)から選択される1種以上の標的組織送達される。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは心臓に送達される。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは骨格筋に送達される。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは表1から選択される1種以上の骨格筋に送達される。ある実施形態においては、横紋筋(例えば、骨格筋)は、三頭筋前頸骨筋ヒラメ筋腓腹筋二頭筋僧帽筋三角筋四頭筋横隔膜からなる群から選択される。

0009

ある実施形態においては、三頭筋、前頸骨筋、ヒラメ筋、腓腹筋、二頭筋、僧帽筋、三角筋、四頭筋、横隔膜からなる群から選択される。

0010

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、2ヶ月に1回、1ヶ月に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、毎日又は不定の間隔で投与される。

0011

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントの投与は、筋再生線維化の減少、筋力の増大、安定性の増大、柔軟性の増大、可動範囲の増大、体力の増大、疲労の減少、血流量の増大、認識力の向上、肺機能の改善、及び/又は炎症の阻害をもたらす。

0012

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントの投与は、DMDの症状の少なくとも1種の激しさ、重症度、又は頻度を減少させ、又は発症を遅延させる。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントの投与は、筋消耗、筋力低下、筋肉の脆弱性、筋肉肥大、筋の仮性肥大、関節性拘縮骨格奇形心筋症嚥下障害大腸及び膀胱機能障害、筋虚血認知障害行動機能障害、社会化障害脊柱側弯症、及び呼吸機能障害からなる群から選択される少なくとも1種のDMDの症状の激しさ、重症度又は頻度を減少させ、又は発症を遅延させる。

0013

ある実施形態においては、本発明は、VEGFのFlt−1受容体への結合を阻害する能力によって特徴づけられる抗体又はその抗原結合フラグメントを提供する。

0014

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、表面プラズモン共鳴(例えば、BIACORE)結合アッセイにおいて、10−9Mより大きい、10−10Mより大きい、0.5×10−10Mより大きい、10−11Mより大きい、0.5×10−11Mより大きい、10−12Mより大きい、0.5×10−12Mより大きい親和力でヒトFlt−1と結合する能力により特徴づけられる。

0015

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトFlt−1との競合アッセイにおいて、100pM未満、10pM未満、又は1pM未満のIC50により特徴づけられる。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、競合アッセイにおいて、ヒトFlt−1に対するVEGFの結合阻害に対し、100pM未満、10pM未満、又は1pM未満のIC50で特徴づけられる。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、競合アッセイにおいて、ヒトFlt−1に対するPLGFの結合阻害に対し、100pM未満、10pM未満、又は1pM未満のIC50で特徴づけられる。

0016

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、VEGFR2(Flk−1)及び/又はVEGFR3(Flt−4)と結合しない。

0017

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、マウス又はサルのFlt−1と結合する。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、マウス又はサルのFlt−1と結合しない。

0018

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、IgG、F(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab、ScFvs、二重特異性抗体三重特異性抗体、及び四重特異性抗体からなる群から選択される。

0019

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントはIgGである。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントはIgG1である。

0020

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントはモノクローナル抗体であり、特定の実施形態においてはヒト化モノクローナル抗体である。ある実施形態においては、ヒト化モノクローナル抗体はヒトFc領域を含む。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、抗体のインビボにおける半減期を長くするように、Fc領域とFcRn受容体との結合親和性を向上させる1以上の変異を含む。ある実施形態においては、Fc領域は、ヒトIgG1のThr250、Met252、Ser254、Thr256、Thr307、Glu380、Met428、His433、及び/又はAsn434に対応する1以上の位置で1以上の変異を含む。

0021

ある実施形態においては、本発明は、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。

0022

本明細書で用いられる場合、「約」及び「おおよそ」という用語は、同様のものとして用いられる。約/おおよそとともに、又はなしで本明細書において使用されるあらゆる数字は、関連技術分野における当業者によって認識される、あらゆる正常な変動を包含することを意味する。

0023

本発明の他の特徴、目的及び利点は、以下の詳細な説明において明らかである。しかし、本発明の実施形態を示す詳細な説明は単に例示であり、限定的でないことを理解すべきである。本発明の範囲内の様々な変形及び修飾は、詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
激しさ、重症度又は頻度においてデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の症状又は特徴の少なくとも1種を減少させ、又は発症を遅延させるように、DMDを患っているか、DMDに感受性の高い個体に、有効量の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントを投与することを含む、DMDの治療方法。
(項目2)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、表面プラズモン共鳴結合アッセイにおいて10−9Mより大きい親和力でヒトFlt−1と結合する能力で特徴づけられる、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、表面プラズモン共鳴結合アッセイにおいてヒトFlt−1に対して10−10Mより大きい結合親和性を有する、項目1又は2に記載の方法。
(項目4)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、表面プラズモン共鳴結合アッセイにおいてヒトFlt−1に対して10−12Mより大きい結合親和性を有する、項目1〜3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、ヒトFlt−1との競合アッセイにおいて、100pM未満のIC50で特徴づけられる、項目1〜4のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、ヒトFlt−1との競合アッセイにおいて、10pM未満のIC50で特徴づけられる、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、ヒトFlt−1との競合アッセイにおいて、1pM未満のIC50で特徴づけられる、項目1〜6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
上記競合アッセイが、ヒトFlt−1に対するVEGFの結合の阻害である、項目5〜7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
上記競合アッセイが、ヒトFlt−1に対するPLGFの結合の阻害である、項目5〜7のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、VEGFR2及び/又はVEGFR3と結合しない、項目1〜9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、マウス又はサルのFlt−1と結合しない、項目1〜10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、マウス及び/又はサルのFlt−1と結合する、項目1〜10のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、IgG、F(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab、ScFvs、二重特異性抗体、三重特異性抗体、及び四重特異性抗体からなる群から選択される、項目1〜12のいずれか1項に記載の方法。(項目14)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントがIgGである、項目13に記載の方法。
(項目15)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントがIgG1である、項目14に記載の方法。
(項目16)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントがモノクローナル抗体である、項目14又は15に記載の方法。
(項目17)
上記モノクローナル抗体がヒト化モノクローナル抗体である、項目16に記載の方法。
(項目18)
上記ヒト化モノクローナル抗体が、ヒトFc領域を含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
上記Fc領域が、上記抗体のインビボにおける半減期を長くするように、Fc領域とFcRn受容体との結合親和性を向上させる1以上の変異を含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
上記Fc領域が、ヒトIgG1のThr250、Met252、Ser254、Thr256、Thr307、Glu380、Met428、His433、及び/又はAsn434に対応する1以上の位置で1以上の変異を含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが非経口的に投与される、項目1〜20のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
上記非経口投与が、静脈内、皮内、くも膜下、吸入、経皮(局所)、眼内、筋肉内、皮下、及び/又は経粘膜投与から選択される、項目21に記載の方法。
(項目23)
上記非経口投与が静脈内投与である、項目22に記載の方法。
(項目24)
上記非経口投与が皮下投与である、項目22に記載の方法。
(項目25)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが経口的に投与される、項目1〜20のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、2ヶ月に1回、1ヶ月に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、毎日又は不定の間隔で投与される、項目1〜25のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、表1から選択される1種以上の骨格筋に送達される、項目1〜26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、横隔膜、三頭筋、ヒラメ筋、前頸骨筋、腓腹筋、長指伸筋腹直筋、及び/又は四頭筋から選択される1種以上の標的組織に送達される、項目1〜27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが横隔膜に送達される、項目1〜28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが心臓に送達される、項目1〜29のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントの投与が、筋再生、線維化の減少、安定性の増大、筋力の増大、柔軟性の増大、可動範囲の増大、体力の増大、疲労の減少、血流量の増大、認識力の向上、肺機能の改善、及び/又は炎症の阻害をもたらす、項目1〜30のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
上記DMDの少なくとも1種の症状又は特徴が、筋消耗、筋力低下、筋肉の脆弱性、筋肉肥大、筋の仮性肥大、関節性拘縮、骨格奇形、心筋症、嚥下障害、大腸及び膀胱の機能障害、筋虚血、認知障害、行動機能障害、社会化障害、脊柱側弯症、及び呼吸機能障害からなる群から選択される、項目1〜31のいずれか1項に記載の方法。
(項目33)
表面プラズモン共鳴結合アッセイにおいて、ヒトFlt−1に対して10−9Mより大きい結合親和性を有する、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメント。
(項目34)
表面プラズモン共鳴結合アッセイにおいて、ヒトFlt−1に対して10−10Mより大きい結合親和性を有する、項目33に記載の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメント。
(項目35)
表面プラズモン共鳴結合アッセイにおいて、ヒトFlt−1に対して10−12Mより大きい結合親和性を有する、項目33に記載の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメント。
(項目36)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、競合アッセイにおいて、ヒトFlt−1に対するVEGF及び/又はPLGFの結合阻害に対し、100pM未満のIC50で更に特徴づけられる、項目33〜35のいずれか1項に記載の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメント。
(項目37)
IC50が10pM未満である、項目36に記載の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメント。
(項目38)
IC50が1pM未満である、項目36に記載の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメント。
(項目39)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントがVEGFR2及び/又はVEGFR3と結合しない、項目33〜38のいずれか1項に記載の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメント。
(項目40)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、マウス又はサルのFlt−1と結合しない、項目33〜39のいずれか1項に記載の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメント。
(項目41)
上記抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが、マウス及び/又はサルのFlt−1と結合する、項目33〜39のいずれか1項に記載の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメント。
(項目42)
項目33〜41のいずれか1項に記載の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。

図面の簡単な説明

0024

図1は、可溶性ヒトFlt−1抗原で免疫したマウスの抗−可溶性ヒトFlt−1抗血清力価を示す例示的な結果を示す。抗−sFlt−1血清力価は、5つの別々のBalb/cマウスの投与20日後から示されている。
図2は、ELISAにおける、ヒト可溶性Flt−1とのモノクローナル抗体の競合的結合を示す例示的結果を示す。ヒトFlt−1に結合するVEGFについてのハイブリドーマ上清の競合ELISAを示す。陰性コントロール(精製ポリクローナルマウスIgG)は、ヒトFlt−1とはなんら競合を示さないが、融合産物01A04及び陽性コントロールの市販の抗体Abcam56300は競合的なバインダーである。
図3は、可溶性ヒトFlt−1と結合する例示的なモノクローナル抗体を示す。ヒトsFlt−1抗原に対するハイブリドーマクローン01A04−02B10サブクローン由来の精製IgGの直接結合ELISAを示す。読み取った吸光度及び顕微鏡的形態に基づき、サブクローン01A04−02B10−02G07を、更なるスケールアップ及び特徴づけのために選択した。
図4は、表面プラズモン共鳴(BIACORE)アッセイによる、可溶性ヒトFlt−1に結合するモノクローナル抗体を示す例示的な結果を示す。固定化されたヒトsFlt−1抗原と結合するハイブリドーマクローン01A04(サブクローン02B10−02G07)IgGについての表面プラズモン共鳴センソグラムを示す。
図5は、イヌ(サル)のFlt−1と結合するモノクローナル抗体の交差反応性を示す例示的な結果を示す。ヒト及びカニクイザルのFlt−1を過剰発現する株化細胞に対する、ハイブリドーマクローン01A04(サブクローン02B10−02G07)由来の精製IgGの結合を示す。暗色のヒストグラムアイソタイプコントロール抗体を示す。明るいヒストグラムは、モノクローナル抗体01A04−02B10−02G7を示す。
図6は、ELISAにおける、ヒト可溶性Flt−1とのモノクローナル抗体の競合的結合を示す例示的な結果を示す。市販の標準品に対するモノクローナル抗体01A04(サブクローン02B10−02G07)のVEGF:sFlt−1 IC50の測定を示す。値は、ヒトFlt−1において結合しているVEGFに対するそれぞれのIgGの競合ELISAを実施することにより得た。陰性コントロール(精製ポリクローナルマウスIgG)は、ヒトFlt−1に対してなんら競合を示さないが、モノクローナル抗体01A04、及びAbcamから市販されている抗−sFlt−1抗体(カタログ番号56300)は、VEGF結合部位に対して競合する。モノクローナル抗体01A04は、市販の標準品よりも、より強力なアンタゴニストである。01A04に対するIC50は2.3pMであった。ABcam56300に対するIC50は65pMであった。
図7は、細胞を用いたアッセイにおける、sFlt−1に対するVEGF結合の抗−Flt−1モノクローナル抗体による阻害を示す例示的な結果を示す。一次HUVECを、組換型ヒト可溶性Flt−1(15倍モル当量、36nM)及びモノクローナル抗体01A04(サブクローン02B10−02G07)の存在下又は非存在下に、組換え型ヒトVEGF(100ng/mL、2.4nM)で処理した。VEGF R2の細胞質側末端リン酸化により測定する通り、01A04の添加により、VEGFがHUVECの活性化を誘導するのが回避される。モノクローナル抗体01A04単独では受容体リン酸化に影響を及ぼさないが、コントロールのIgGは、VEGF及び可溶性Flt−1の存在下にシグナル伝達を回避することができない。
図8は、抗−Flt−1抗体の投与により、筋肉の病理組織が改善することを示す例示的な顕微鏡写真である。抗−sFlt−1モノクローナル抗体による処置後のmdxマウスにおける筋肉の病理の改善が示されている。動物を、sFlt−1に対する市販のモノクローナル抗体(Angio Proteomie、クローンAP−MAB0702)、又はコントロールとしてのPBSで処理した。上の列は、横隔膜筋肉のエバンスブルー染色を示す。2番目の列は、血管を定量化するための横隔膜筋のCD31染色を示す。3番目の列は、横隔膜筋のH+E染色を示す。1番下の列は、線維症を定量化するための横隔膜筋のワンギーソン染色を示す。
図9は、マウスに抗Flt−1抗体を投与することにより、筋肉組織が改善することを示す組織病理学的マーカーの定量を示す例示的結果を示す。図8に示す組織病理の定量データを示す。エバンスブルー陽性線維(上のパネル)、CD31+血管(2番目のパネル)、及び中心に位置する核(3番目のパネル)の数を、4倍及び10倍の倍率により手動で数えた。線維化された部分の全面積は、画像解析ソフトウェアを用いて定量した(一番下のパネル)。対応のないスチューデントt−検定により、*=p<0.05。
図10は、マウスに抗Flt−1抗体を投与することにより、筋肉組織が改善することを示す組織病理学的マーカーの定量を示す例示的結果を示す。図8に示す組織病理の定量データを示す。上のパネル:上のパネル:抗−Flt1モノクローナル抗体による処置後の、横隔膜内の中心に位置する核(CLN)を有する線維の減少。CLNを有する線維は、4倍及び10倍の倍率により手動で数えた。下のパネル:抗−Flt1モノクローナル抗体による処置後に、横隔膜内の線維の大きさがわずかに大きく変わった。線維の直径は、4倍及び10倍の倍率により手動で測定した。対応のないスチューデントt−検定により、*=p<0.05。
図11は、筋機能におけるFlt−1抗体のインビボでの効力を示す例示的な結果を示す。Flt−1抗体をmdxマウスに投与することにより、PBSを投与したコントロールのmdxマウスと比較し、グリップ試験(上のパネル)及びトレッドミル試験(下のパネル)における性能が改善された。動物の握力は、各試験を30分離し、動物あたり3回無関係に測定した。全トレッドミル距離は、動物あたり3回測定した。
図12は、血清中遊離型可溶性Flt1のインビボでの減少を示す例示的な結果を示す。Flt−1抗体をmdxマウスに投与することにより、コントロールのアイソタイプ抗体に比較し、血中の可溶性Flt1の濃度の非常に顕著な減少が引き起こされた。動物は、4週齢で開始し、20mg/kgで週に2回、4週間投与された。剖検において、バイオマーカー分析のために血液を集めた。アイソタイプに対し、***p<0.001。
図13は、血清中のVEGF濃度のインビボにおける上昇を示す例示的な結果を示す。Flt−1抗体をmdxマウスに投与することにより、コントロールのアイソタイプ抗体に比較し、血中の遊離のVEGFの濃度の非常に顕著な上昇が引き起こされた。動物は、4週齢で開始し、20mg/kgで週に2回、4週間投与された。剖検において、バイオマーカーの分析のために血液を集めた。アイソタイプに対し、***p=0.0063。
図14は、横隔膜筋における、インビボでの血管形成の増加を示す例示的な結果を示す。Flt−1抗体をmdxマウスに投与することにより、コントロールのアイソタイプ抗体と比較し、横隔膜筋における、CD31染色によって例証されるように、内皮細胞増殖の顕著な増加が引き起こされた。動物は、4週齢で開始し、20mg/kgで週に2回、4週間投与された。剖検において、組織病理検査のために組織を保存した。内皮細胞マーカーのCD31の染色が示されている。抗−Flt−1モノクローナル抗体による処置後に、内皮細胞数の統計的に有意な上昇があった(p<0.05)。データは、自動化定量画像処理ソフトウェアを用いて解析した。試料は、調査者に知らされていなかった。

0025

本発明を、より容易に理解するため、最初に特定の用語を以下に定義する。以下の用語及び他の用語の更なる定義は、明細書全体にわたって記載されている。

0026

動物:本明細書で用いられる場合、「動物」という用語は、動物界のあらゆるメンバーを意味する。ある実施形態においては、「動物」は、あらゆる成長段階のヒトを意味する。ある実施形態においては、「動物」は、あらゆる成長段階のヒト以外の動物を意味する。特定の実施形態においては、ヒト以外の動物はほ乳動物(例えば、げっ歯類、マウス、ラットウサギ、サル、イヌ、ネコヒツジウシ霊長類、及び/又はブタ)である。ある実施形態においては、動物としては、ほ乳動物、鳥類は虫類両生類魚類昆虫、及び/又は寄生虫が挙げられる。ある実施形態においては、動物は形質転換動物遺伝子操作された動物、及び/又はクローンであってもよい。

0027

抗体:本明細書で用いられる場合、「抗体」という用語は、天然であるか、全て若しくは一部が合成的に製造される、あらゆる免疫グロブリンを意味する。特異的結合能力を維持しているそれらの全ての誘導体も、この用語に含まれる。この用語は、免疫グロブリン結合ドメインに対して同種又はほとんど同種である結合ドメインを有するあらゆるタンパク質を包含する。このようなタンパク質は天然源であっても、一部又は全てが合成して製造されていてもよい。抗体は、モノクローナル又はポリクローナルであってもよい。抗体は、ヒトのクラスのいずれか、すなわち、IgG、IgMIgAIgD及びIgEを含む、あらゆるクラスの免疫グロブリンのメンバーであってもよい。特定の実施形態にお
いては、抗体はIgG免疫グロブリンクラスのメンバーであってもよい。本明細書で用いられる場合、「抗体断片」又は「抗体の特徴的部分」という用語は互換的に使用され、全長よりも短い抗体のあらゆる誘導体を意味する。通常は、抗体フラグメントは、全長の抗体の特異的結合能力の少なくとも重要な部分を保持している。抗体フラグメントの例としては、限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、Fv、dsFv二重特異性抗体、及びFdフラグメントが挙げられる。抗体フラグメントは任意の方法により製造することができる。例えば、抗体フラグメントは、完全な抗体の断片化によって酵素的又は化学的に製造することができ、及び/又は抗体の一部分の配列をコードする遺伝子から組換えにより製造することができる。代わりに、又は追加的に、抗体フラグメントは、全体的に又は部分的に合成的に製造することができる。抗体フラグメントは、単鎖抗体フラグメントを含んでいてもよい。代わりに、又は追加的に、抗体フラグメントは、例えばジスルフィド結合によってお互いに連結している多数の鎖を含んでいてもよい。抗体フラグメントは、多分子性複合体を含んでいてもよい。機能的抗体フラグメントは、通常、少なくとも約50個のアミノ酸を含み、より通常は少なくとも約200個のアミノ酸を含む。ある実施形態においては、抗体はヒトの抗体であってもよい。ある実施形態においては、抗体はヒト化抗体であってもよい。

0028

抗原結合フラグメント:本明細書で用いられる場合、「抗原結合フラグメント」という用語は、抗原と接触して結合する免疫グロブリン分子の部分(すなわち、Flt−1)を意味する。

0029

おおよそ又は約:本明細書で用いられる場合、興味のある1以上の値に適用される「おおよそ」又は「約」という用語は、抗原結合フラグメント」という用語は、基準値と類似する値を意味する。特定の実施形態においては、「おおよそ」又は「約」という用語は、特に示さない限り、又は文脈から明らかでない限り、示された基準値の一方の方向に25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%の範囲内(それより大きいか、それ未満)に入る値の範囲を意味する(このような数が、可能な値の100%を超えない限り)。

0030

生物学的活性:本明細書で用いられる場合、「生物学的活性」という表現は、生体系、特に生物において活性を有するあらゆる薬剤の特徴を意味する。例えば、生物に投与された時、その生物において生物学的効果を有する薬剤は、生物学的活性であると考えられる。特定の実施形態においては、ペプチドが生物学的活性である場合、ペプチドの少なくとも1種の生物学的活性を有するペプチドの部分は、通常、「生物学的活性」部分と呼ばれる。特定の実施形態においては、ペプチドは本質的に生物的活性を有しないが、1種以上のVEGFリガンドの結合を阻害するペプチドは生物学的活性であると考えられる。

0031

担体又は賦形剤:本明細書で用いられる場合、「担体」及び「賦形剤」という用語は、医薬製剤の調製に有用な、薬学的に許容される(例えば、ヒトに対する投与に対して安全かつ非毒性)担体又は賦形剤物質を意味する。例示的な賦形剤としては、滅菌水注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝食塩水)、滅菌食塩水リンゲル液、又はブドウ糖溶液が挙げられる。

0032

剤形:本明細書で用いられる場合、「剤形」及び「単位剤形」という用語は、治療すべき患者に対する治療用タンパク質(例えば、抗体)の物理的に別々の単位を意味する。各単位は、所望の治療効果を生ずるために計算された所定量の活性物質を含む。しかし、組成物の全用量は、健全医学的判断の範囲で担当医によって決定されるであろう。

0033

機能的等価物又は誘導体:本明細書で用いられる場合、「機能的等価物」又は「機能的誘
導体」は、アミノ酸配列機能的誘導体との関連で、最初の配列の生物学的活性と実質的に同様の生物学的活性(機能的又は構造的)を保持する分子を意味する。機能的誘導体又は等価物は、天然の誘導体であってもよく、又は合成して調製してもよい。例示的な機能的誘導体としては、タンパク質の生物学的活性を保存しているという条件で、1以上のアミノ酸の置換欠失又は負荷を有するアミノ酸配列が含まれる。置換されたアミノ酸の物理化学的性質と類似する物理化学的性質を有する置換アミノ酸が好ましい。好ましい類似の物理化学的性質としては、電荷かさ高さ、疎水性親水性等が挙げられる。

0034

融合タンパク質:本明細書で用いられる場合、「融合タンパク質」又は「キメラタンパク質」という用語は、2種以上の元の別々のタンパク質又はその一部を結合することによって作製されたタンパク質を意味する。ある実施形態においては、各タンパク質間リンカー又はスペーサーが存在する。

0035

半減期:本明細書で用いられる場合、「半減期」という用語は、ある期間の最初に測定した値の半分にまで、タンパク質濃度又は活性等の量が低下するのに必要な時間である。

0036

肥大:本明細書で用いられる場合、「肥大」という用語は、その構成細胞の拡大のために、器官又は組織の用量が増大することを意味する。

0037

改善、増大又は減少:本明細書で用いられる場合、「改善」、「増大」又は「減少」という用語又は文法上の同義語は、本明細書に記載された治療の開始前の同一個体における測定、本明細書に記載された治療なしのコントロール対象(又は複数のコントロール対象)における測定のような、ベースライン値と比較した値を示す。「コントロール対象」は、対象が治療されているのと同様の病型で苦しんでおり、対象が治療されているのと同様の年齢の対象である。

0038

インビトロ:本明細書で用いられる場合、「インビトロ」という用語は、多細胞生物内よりも、人工環境、例えば、試験管又は反応容器内、細胞培養において発生する現象を意味する。

0039

インビボ:本明細書で用いられる場合、「インビボ」という用語は、ヒト及びヒト以外の動物のような多細胞生物内で発生する現象を意味する。細胞を用いたシステムとの関連で、この用語は、生細胞(例えば、インビトロシステムと対照的に)内で発生する現象を意味するものとして使用される場合がある。

0040

リンカー:本明細書で用いられる場合、「リンカー」という用語は、融合タンパク質において、天然タンパク質中の特定位置に出現するもの以外のアミノ酸配列を意味し、一般的に、柔軟性であるよう、又は2つのタンパク質部分の間の構造物、例えばα−ヘリックスを間に置くよう意図される。リンカーは、スペーサーとも呼ばれる。リンカー又はスペーサーは、通常、それ自体で生物学的機能を有しない。

0041

薬学的に許容:本明細書で用いられる場合、「薬学的に許容」という用語は、物質が、健全な医学的判断の範囲で、過剰の毒性、刺激アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症なしで、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適しており、合理的な利益/危険比にふさわしいことを意味する。

0042

ポリペプチド:本明細書で用いられる場合、「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合により互いに結合したアミノ酸の配列鎖を意味する。この用語は、任意の長さのアミノ酸鎖を意味するために使用されるが、当業者は、この用語が長い鎖に限定されず、ペプチド結合によって互いに結合した2個のアミノ酸を含む最小の鎖をも意味し得ることを理解
するであろう。当業者に公知なように、ポリペプチドは、加工及び/又は修飾することができる。

0043

予防:本明細書で用いられる場合、「予防する」又は「予防」という用語は、疾患、障害及び/又は病態の発生と関連し、疾患、障害及び/又は病態の発症の危険性を低下させることを意味する。「危険性」の定義を参照されたい。

0044

タンパク質:本明細書で用いられる場合、「タンパク質」という用語は、別々の単位として機能する1以上のポリペプチドを意味する。単一のポリペプチドが別々の機能単位であり、別々の機能単位を形成するために他のポリペプチドとの永続的又は一時的な物理的結合を必要としないなら、「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は互換的に使用することができる。別々の機能単位が、お互いに物理的に結合する2以上のポリペプチドからなる場合、「タンパク質」という用語は、物理的に連結し、別々の単位として一緒に機能する複数のポリペプチドを意味する。

0045

危険性:文脈から理解されるように、疾患、障害、及び/又は病態の「危険性」は、特定の個体が、疾患、障害、及び/又は病態(たとえば、DMD)を発症する可能性を含む。ある実施態様においては、危険性は割合として表される。ある実施態様においては、危険性は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90〜100%である。ある実施態様においては、危険性は、参考試料又は参考試料群と関連する危険性に対する危険性として表される(たとえば、DMD)。ある実施態様においては、参考試料または参考試料群は、特定の個体と比較できる個体由来である。ある実施態様においては、参考試料または参考試料群は、特定の個体と比較できる個体由来である。ある実施態様においては、相対的危険性は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上である。

0046

横紋筋:本明細書で用いられる場合、「横紋筋」という用語は、顕微鏡を用い、随意調節すると、横紋外観をもたらす細胞内収縮単位の規則的配列を有する多核筋組織を意味する。通常は、横紋筋は、心筋、骨格筋及び鰓弓筋であり得る。

0047

平滑筋:本明細書で用いられる場合、「平滑筋」という用語は、単一及び複数の単位の筋肉等を含む、無意識に制御される横紋筋以外の筋肉を意味する。

0048

対象:本明細書で用いられる場合、「対象」という用語は、ヒト又ヒト以外のあらゆる動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ又は霊長類)を意味する。ヒトには、出生前及び出生後の形態が含まれる。多くの実施態様においては、対象はヒトである。対象は、疾患の診断又は治療のための医療提供者提示されるヒトを意味する患者であってもよい。本明細書で用いられる「対象」という用語は、「個体」又は「患者」と互換的に使用される。対象は、疾患又は障害に苦しんでいるか、感受性があるが、疾患又は障害の症状を示していても、示していなくてもよい。

0049

実質的に:本明細書で用いられる場合、「実質的に」という用語は、目的の特質又は性質の全体又はほぼ全体の範囲又は程度を示す定性的状態を意味する。絶対的な結果を生物学的現象及び化学的現象が、完了に至る及び/又は完全な状態まで進行若しくは絶対的な結果が実現若しくは回避されることは、あるとしてもめったにない点を、生物学分野の当業者であれば理解できるであろう。したがって、本明細書で用いられる「実質的に」という用語は、多くの生物学的現象及び化学的現象に固有完全性欠く可能性について用いるものである。

0050

実質的な相同:本明細書で用いられる場合、「実質的な相同」という表現は、アミノ酸又
核酸配列同士の間の比較を意味する。当業者によって理解されるように、2つの配列は一般に、これらが、対応する位置において相同残基を含有する場合、「実質的に相同」であると考えられる。相同残基は同一残基である場合がある。又は、相同残基は、適切に同様の構造的及び/又は機能的特性を有する非同一残基である場合がある。例えば、当業者に周知であるように、ある特定のアミノ酸は、典型的には、「疎水性」若しくは「親水性」アミノ酸、及び/又は「極性」若しくは「非極性」側鎖を有すると分類される。1つのアミノ酸を同じ型の別のアミノ酸に置換することは、多くの場合「相同」置換と考えられる。

0051

当技術分野で周知であるように、アミノ酸又は核酸配列は、市販のコンピュータープログラムにおいて利用可能なもの、例えば、ヌクレオチド配列用のBLASTN、並びにアミノ酸配列用のBLASTP、ギャップドBLAST、及びPSI−BLAST等を含む様々なアルゴリズムのいずれかを使用して比較することができる。例示的なそのようなプログラムは、Altschulら,basiclocal alignment search tool,J.Mol.Biol.,215(3):403−410,1990;Altschulら,Methodsin Enzymology;Altschulら,”Gapped BLAST and PSI−BLAST:a new generation of protein database search programs”,Nucleic Acids Res.25:3389−3402,1997;Baxevanisら,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;並びにMisenerら,(編集),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999に記載されている。相同配列を同定することに加えて、前記プログラムは、典型的には、相同の程度の目安を提供する。ある実施形態においては、2つの配列は、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上のこれらの対応する残基が、残基の関連したストレッチにわたって相同である場合、実質的に相同であると考えられる。ある実施形態においては、関連したストレッチは完全な配列である。ある実施形態においては、関連したストレッチは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、又はそれ以上の残基である。

0052

実質的な同一性:本明細書で用いられる場合、「実質的な同一性」という表現は、アミノ酸又は核酸配列同士の間の比較を意味する。当業者によって理解されるように、2つの配列は一般に、これらが、対応する位置において同一の残基を含有する場合、「実質的に同一」であると考えられる。当技術分野で周知であるように、アミノ酸又は核酸配列は、市販のコンピュータープログラムにおいて利用可能なもの、例えば、ヌクレオチド配列用のBLASTN、並びにアミノ酸配列用のBLASTP、ギャップドBLAST、およびPSI−BLASTなどを含めた様々なアルゴリズムのいずれかを使用して比較することができる。例示的なそのようなプログラムは、Altschulら,Basic local alignment search tool,J.Mol.Biol.,215(3):403−410,1990;Altschulら,Methodsin Enzymology;Altschulら,Nucleic Acids Res.25:3389−3402,1997;Baxevanisら,Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;並びにMisenerら,(
編集),Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1999に記載されている。同一配列を同定することに加えて、上述したプログラムは、典型的には、同一性の程度の目安を提供する。ある実施形態においては、2つの配列は、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のこれらの対応する残基が、残基の関連したストレッチにわたって同一である場合、実質的に同一であるとみなされる。ある実施形態においては、関連したストレッチは完全な配列である。ある実施形態では、関連したストレッチは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、又はそれ以上の残基である。

0053

患っている:疾患、障害及び/又は病態に「患っている」個体は、その疾患、障害及び/又は病態と診断されており、その疾患、障害及び/又は病態の1つ以上の症状を示す。

0054

感受性が高い:疾患、障害及び/又は病態に「感受性が高い」個体は、その疾患、障害及び/又は病態と診断されていない。ある実施形態においては、疾患、障害及び/又は病態に感受性の高い個体は、その疾患、障害及び/又は病態の症状を示さないことがある。ある実施形態においては、疾患、障害、病態又は事象(例えば、DMD)に感受性が高い個体は、以下の1以上によって特徴づけられる:(1)疾患、障害、及び/又は病態の発症と関連する遺伝子の変異;(2)疾患、障害、及び/又は病態の発症と関連する遺伝子多型;(3)疾患、障害、及び/又は病態と関連するタンパク質の発現及び/又は活性の上昇又は低下;(4)疾患、障害、病態、及び/又は事象の発症と関連する習慣及び/又は生活様式、(5)移植の経験、計画又は必要性。ある実施形態においては、疾患、障害、及び/又は病態に感受性が高い個体は、その疾患、障害、及び/又は病態を発症するであろう。ある実施形態においては、疾患、障害、及び/又は病態に感受性が高い個体は、その疾患、障害及び/又は病態を発症しないであろう。

0055

標的組織:本明細書で用いられる場合、「標的組織」という用語は、DMD等の治療すべき疾患に影響を及ぼされるあらゆる組織を意味する。ある実施形態においては、標的組織としては、疾患関連病理、症状又は特徴を示す組織が挙げられ、特徴としては、筋消耗、骨格奇形、心筋症、筋虚血、認知障害、及び呼吸機能障害が挙げられるが、これらに限定されない。

0056

治療的有効量:本明細書で用いられる場合、治療薬の「治療的有効量」という用語は、疾患、障害、及び/又は病態を患っているか、感受性の高い対象に投与した場合に、その疾患、障害、及び/又は病態の治療、診断、予防、及び/又は発症の治験に十分な量を意味する。治療的有効量は、通常は少なくとも1つの単位用量を含む投与計画によって投与されることが当業者に認識されるであろう。

0057

治療すること:本明細書で用いられる場合、「治療する」、「治療」又は「治療すること」という用語は、特定の疾患、障害、及び/又は病態の1以上の症状又は特徴を、部分的又は完全に軽減、改善、緩和、抑制、予防し、発症を遅延し、重症度を低下、及び/又は発生率を低下させることを意味する。治療は、疾患の徴候を示さない対象、及び/又は疾患の初期徴候のみを示す対象に、その疾患に関連する病理が発症する危険性を低下させるために投与することもできる。

0058

(発明を実施するための形態)
本発明は、特に、治療として抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントをベースとする、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)及び/又はベッカー型筋ジストロフィーを含む筋ジストロフィーの治療のための方法及び組成物を提供する。ある実施形態においては、本発明は、激しさ、重症度又は頻度においてデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の症状又は特徴の少なくとも1種を減少させ、又は発症を遅延させるように、DMDを患っているか、DMDに感受性の高い個体に、有効量の抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントを投与することを含む、DMDの治療方法を提供する。

0059

本発明の種々の態様は以下の項で詳細に説明する。項の使用は、本発明を限定することを意図しない。各項は、本発明のあらゆる態様に適用することができる。本出願において、「又は」の使用は、特に明記しない限り、「及び/又は」を意味する。

0060

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)
DMDは、全身の筋肉の進行性劣化及び喪失を特徴とする疾患である。本発明は、種々の筋組織において、筋肉の劣化を遅らせ、遅延し、又は予防し、筋肉を再生し、線維形成、炎症、並びにDMD及び他の筋ジストロフィーと関連する他の症状又は特徴を逆転し、排除し、遅延し、予防し、又は最小化するための方法及び組成物を提供することを意図する。

0061

筋組織
動物には、主に2種の筋組織の型、すなわち横紋筋及び平滑筋がある。本明細書で用いられる場合、「横紋筋」という用語は、筋節の繰り返しを含む筋組織を意味する。横紋筋は、随意制御され、骨格筋に付着する傾向がある。横紋筋は、身体の自発的な動きを可能にし、四頭筋、腓腹筋、二頭筋、三頭筋、僧帽筋及び他の多くの筋肉を含む主要な筋肉群を含む。横紋筋が非常に長くなる傾向にあると、多数の横紋筋は独立して機能することができる。しかし、一部の横紋筋は、口、肛門、心臓及び食道上部を含む、骨格筋に付着していない。

0062

一方、平滑筋は非常に異なる構造を有している。個々の骨格が付着した一連の長い筋肉よりも、平滑筋は、平滑筋間の機械的連結を有する連続シート組織化される傾向にある。平滑筋は、管腔器官の壁の中に位置する場合があり、通常は随意制御されていない。特定の器官に結合した平滑筋は、同じ加重支えると同時に収縮しなければならない。平滑筋は、少なくとも部分的に、移動、及び/又は姿勢若しくは圧力の変化によって起こる管腔器官の負荷の変化を処理する機能を有している。この二重の役割は、平滑筋だけでなく、それが荷重持続に対する器官の大きさを維持するために持続的に収縮しなければならないことは、横紋筋のように収縮することがあってはならないことを意味する。平滑筋の例は、血管、細気管支、膀胱、及び直腸のような消化管に連結しているものである。

0063

筋肉の強さは、筋肉細胞の数及び大きさ並びにそれらの解剖学上の配列に依存する。新たな筋腹線維の合成(肥厚)、及び/又はより多くの筋肉細胞の形成(過形成)のいずれかによって筋線維の太さを太くすると筋肉の力の発生能力が増大する。

0064

筋肉は、部位又は機能によっても分類することができる。ある実施形態においては、Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、顔の1以上の筋肉、咀嚼のための1以上の筋肉、及び首の1以上の筋肉、胸部の1以上の筋肉、胸帯及び腕の1以上の筋肉、腕及び肩の1以上の筋肉、1以上の腹部及び背部前腕筋、手の1以上の筋肉、脊柱起立筋の1以上の筋肉、腰帯及び脚の1以上の筋肉、及び/又は前脚及び足の1以上の筋肉を標的とする。

0065

ある実施形態においては、顔の筋肉としては、毛様体筋虹彩拡張筋、虹彩括約筋等の眼
内筋肉;耳介筋、側頭頭頂筋あぶみ骨筋鼓膜張筋等のの筋肉;鼻根筋鼻筋鼻孔拡張筋、鼻中隔舌制筋、上唇鼻翼挙筋等のの筋肉;口角挙筋口角下制筋口輪筋頬筋大頬骨筋及び小頬骨筋広頸筋上唇挙筋下唇下制筋笑筋オトガイ筋、及び/又は皺眉筋等の口の筋肉が挙げられるが、これらに限定されない。

0066

ある実施形態においては、咀嚼筋としては、咬筋側頭筋内側翼突筋外側翼突筋が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態においては、舌及び首の筋肉としては、頤舌筋茎突舌筋口蓋舌筋、舌滑舌筋二腹筋茎突舌骨筋顎舌骨筋オトガイ舌筋肩甲舌骨筋胸骨舌骨筋胸骨甲状筋甲状舌骨筋胸鎖乳突筋前斜角筋中斜角筋、及び/又は後斜角筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0067

ある実施形態においては、胸部、及び腕の筋肉としては、鎖骨下筋大胸筋小胸筋、腹直筋、外腹斜筋内腹斜筋腹横筋、横隔膜、外肋間筋内肋間筋前鋸筋、僧帽筋、肩甲挙筋大菱形筋小菱形筋広背筋、三角筋、肩甲下筋棘上筋棘下筋大円筋小円筋、及び/又は鳥口腕筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0068

ある実施形態においては、腕及び肩の筋肉としては、上腕二頭筋長頭、上腕二頭筋短頭上腕三頭筋外側頭、上腕三頭筋内側頭肘筋円回内筋回外筋、及び/又は上腕筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0069

ある実施形態においては、腹部及び背部前腕の筋肉としては、腕橈骨筋橈側手根屈筋尺側手根屈筋長掌筋尺側手根伸筋長橈側手根伸筋短橈側手根伸筋、長指伸筋、小指伸筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0070

ある実施形態においては、手の筋肉としては、母指球短母指外転筋短母指屈筋母指対立筋小指球小指外転筋短小指屈筋小指対立筋掌側骨間筋、背側骨間筋、及び/又は虫様筋等の手の内在筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0071

ある実施形態においては、脊柱起立筋の筋肉としては、頸部筋、頭棘筋最長筋、及び/又は腸肋筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0072

ある実施形態においては、腰帯及び脚の筋肉としては、大腰筋腸骨筋大腿方形筋長内転筋短内転筋大内転筋薄筋縫工筋大腿直筋外側広筋内側広筋中間広筋、腓腹筋、腓骨腓骨筋)長筋、ひらめ筋、大殿筋中殿筋小殿筋ハムストリング筋等の大腿四頭筋大腿二頭筋;長頭筋、ハムストリング筋;大腿二頭筋;短頭筋、ハムストリング筋;半腱様筋、ハムストリング筋;半膜様筋大腿筋膜張筋恥骨筋、及び/又は前脛骨筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0073

ある実施形態においては、前脚及び足の筋肉としては、長指伸筋、長母趾伸筋短腓骨筋足底筋後脛骨筋、長母趾屈筋、短伸筋、短母趾伸筋、母趾外転筋、短母趾屈筋、小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋、短趾伸筋、足の虫様筋、足底方形筋、又は屈筋補助器官、短趾屈筋、背側骨間筋、及び/又は底側骨間筋が挙げられるが、これらに限定されない。

0074

例示的な筋肉の標的を表1に要約する。

0075

筋ジストロフィーは、筋肉の変性を起こし、衰弱及び運動障害をもたらす一群遺伝性疾患である。筋ジストロフィーの主要な特徴は、それが本来進行性であることである。筋ジストロフィーとしては、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー、エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー顔面肩甲、上腕筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、先天性筋緊張性ジストロフィー1型を含む筋ジストロフィー1型及び2型が挙げられるが、これらに限定されない。一部又は全ての筋肉が影響を受けるかにより、筋ジストロフィーの型により症状は変化し得る。筋ジストロフィーの具体的な症状としては、筋肉の運動技能発達の遅延、1以上の筋肉群の使用の困難、嚥下会話または食事の困難、流涎眼瞼下垂、頻繁な落下、成人における筋肉または筋肉群
の強度の喪失、筋肉の大きさの減少、身体運動の衰弱または変化による歩行の問題、及び/又は認知障害若しくは行動障害知的障害が挙げられる。

0076

筋ジストロフィーの治療法は知られていないが、対症療法及び病態修飾療法の両者を含む、いくつかの支持療法が用いられている。副腎皮質ホルモン剤、ACE阻害剤アンギオテンシン受容体遮断薬物理療法矯正装置車いす、又はADL及び肺機能用の他の援助医療機器が、筋ジストロフィーにおいて通常に使用されている。筋緊張性ジストロフィーにおける心不整脈により突然死を予防するために心臓ペースメーカーが使用されている。筋緊張(筋肉が弛緩できないこと)の症状を改善する抗緊張薬はメキシレチンを含み、あるケースにおいてはフェニトインプロカインアミド及びキニーネを含む。

0077

デュシェンヌ型筋ジストロフィー
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、X連鎖性の劣性の筋ジストロフィーであり、これは筋変性及び最終的な死をもたらす。DMDは、近位筋の脆弱性、歩行異常、腓腹筋(ふくらはぎ)の肥大、及びクレアチニンキナーゼの上昇で特徴づけられる。多くのDMDの患者は、症状/徴候が通常明らかになる5くらいに診断される。疾患に冒された個体は通常、10〜13歳で歩行停止し、心肺機能障害のために、20代前半から後半に死亡する。

0078

障害DMDは、細胞膜のジストログリカン複合体(DGC)の構造的安定性を付与する、筋組織内の重要な構造的成分であるタンパク質、ジストロフィンをコードする、ヒトX染色体上に位置するジストロフィン遺伝子の変異により起こる。ジストロフィンは、細胞質内アクチンフィラメントネットワークと細胞外マトリクスとを連結させ、筋線維に物理的強度を付与する。したがって、ジストロフィンの変化又は欠如は、筋線維膜機能の異常をもたらす。男女とも、前記変異を保有し得るが、女の子は、疾患の典型的な臨床徴候を示すことはまれである。

0079

DMDの主な症状は、通常は、最初に特に骨盤領域大腿部、肩及びふくらはぎの筋肉に影響を及ぼし、自発的な筋肉の筋消耗に関連する筋力低下である。筋力低下は、腕、首及びその他の領域にも起こる。ふくらはぎが肥大する場合がある。徴候及び症状は、通常は6歳までに現れ、乳児期と同じくらい早く現れることがある。他の身体症状としては、自立方向能力の遅延、歩行、足踏み又はランニング進行的な困難、並びに歩行能力の最終的な喪失(通常は12歳まで);頻繁な落下;疲労;運動技能(ランニング、跳躍ジャンプ)の困難;腰椎前彎の増大;股関節屈筋の短縮;アキレス腱及びハムストリング筋の機能障害;脂肪及び結合組織による筋組織の置換によって起こる舌及びふくらはぎ筋の仮性肥大(肥大);神経行動学上の異常(例えば、ADHD)の危険性の増大;学習障害失読症);特定の認知機能(特に、短期間の言語記憶)の非進行的脆弱性;骨格変形(ある場合には脊柱側湾症を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。

0080

Flt−1受容体
血管内皮増殖因子受容体1としても知られているFlt−1受容体は、FLT1遺伝子によりコードされる受容体である。シグナル伝達糖タンパク質の血管内皮増殖因子(VEGF)ファミリーは、胚形成及び生後成長の際に脈管形成の強力なプロモータとして機能する。特に、VEGF−AリガンドのVEGF受容体との結合は、血管透過性を促進し、内皮細胞遊走、増殖及び生存をもたらし、新たに形成された内皮細胞は新たな脈管構造の基本的構造をもたらすことがわかっている。脈管形成のための主要なVEGFシグナル伝達分子、VEGF−Aは、VEGF受容体−1(Flt−1としても知られているVEGFR−1)及びVEGF受容体−2(Flk−1としても知られているVEGFR−2)を介したシグナル伝達を介在する。可溶型のFlt−1(sFlt−1)も存在するが、細胞内シグナル伝達ドメインを欠如しており、そのため、VEGF−A又はそれに結合す
る他のリガンドを捕捉することにより、制御能力のみを果たすと考えられている。細胞内シグナル伝達経路と関連していない、sFlt−1及びFlt−1を含む他の分子は、「おとり受容体」と呼ばれる。Flt−1及びFlk−1受容体は、細胞外VEGF−A結合ドメイン及び細胞内チロシンキナーゼドメインを含み、両者は、血管芽細胞及び内皮細胞系における発生段階及び組織再生の際に発現することがわかっている。Flt−1は、Flk−1と比較し、VEGF−Aに対し、約10倍高い結合親和性(Kd、約2〜10pM)を有しているが、チロシンキナーゼドメインに対しては親和性が小さく、これは、Flt−1に対するVEGF−Aの結合に続く脈管形成シグナル伝達が、Flk−1シグナル伝達よりも比較的弱いことを示している。このように、同型接合体Flt−1遺伝子ノックアウトマウスは、内細胞の過剰生産及び血管破壊のため、胎生期に死亡する。反対に、同種接合体Flk−1遺伝子ノックアウトマウスは、胚形成の際のyolk−sac血島形成の欠如のため、組織化された血管発生の欠如によって死亡する。Flt−1及びFlk−1受容体は、いずれも正常な発生に必要であるが、VEGF−A濃縮における選択的増大は、Flk−1受容体に対する強固な結合を可能にし、毛細血管密度を増大し、筋再形成を促進し、線維形成及び炎症を減少し、種々の筋組織におけるDMD及び他の筋ジストロフィーと関連する症状及び特徴を軽減するプロ血管形成効果を誘導する。

0081

本明細書で用いられる場合、「Flt−1受容体」という用語は、可溶性及び膜関連Flt−1受容体、又はその機能性フラグメントを意味する。

0082

抗−Flt−1抗体
本明細書で用いられる場合、「抗−Flt−1抗体」という用語は、Flt−1受容体(例えば、可溶性又は膜関連Flt−1受容体)と結合する、あらゆる抗体又は抗原結合フラグメントを意味する。ある実施形態においては、Flt−1受容体と高い親和性で結合する抗Flt−1抗体が産生される。理論に拘束されるものではないが、Flt−1受容体と結合する抗−Flt−1抗体は、1以上の内生リガンドがFlt−1と結合するのを阻害し、それによって、Flk−1受容体等の他のVEGF受容体と関連する多くのリガンドが利用可能になる。ある実施形態においては、Flt−1受容体と結合する抗体は、他のVEGF受容体と結合し得るVEGFの量を増大させる。ある実施形態においては、Flt−1受容体と結合する抗体は、他のVEGF受容体と結合し得る胎盤成長因子(PLGF)の量を増大させる。

0083

ある実施形態においては、抗Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、約10−9Mより大きい、約10−10Mより大きい、約0.5×10−10Mより大きい、約10−11Mより大きい、約0.5×10−11Mより大きい、約10−12Mより大きい、または約0.5×10−12Mより大きい親和力で、ヒトFlt−1と結合する。Flt−1抗体の親和力は、例えば表面プラズモン共鳴アッセイ、例えば、BIACOREアッセイで測定することができる。

0084

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトFlt−1との競合アッセイにおいて、100pM未満、10pM未満、又は1pM未満のIC50により特徴づけられる。

0085

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、Flt−1受容体において、VEGFの結合及び/又は活性を阻害する。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、競合アッセイにおいて、ヒトFlt−1に対するVEGFの結合阻害に対し、100pM未満、10pM未満、又は1pM未満のIC50で特徴づけられる。

0086

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、Flt
−1受容体において、PLGFの結合及び/又は活性を阻害する。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、競合アッセイにおいて、ヒトFlt−1に対するPLGFの結合阻害に対し、100pM未満、10pM未満、又は1pM未満のIC50で特徴づけられる。

0087

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、Flt−1と選択的に結合し、他のVEGF受容体とは最小の結合を示し、又は認識できるほど結合しない。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、VEGFR2(Flk−1)及び/又はVEGFR3(Flt−4)とは最小の結合を示し、又は認識できるほど結合しない。

0088

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトFlt−1と選択的に結合し、他のほ乳動物のFlt−1受容体とは最小の結合を示し、又は認識できるほどに結合しない(例えば、10−7M又は10−6M未満の結合親和力)。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトFlt−1と選択的に結合し、サルのFlt−1とは結合しない。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトFlt−1と選択的に結合し、マウスのFlt−1とは結合しない。

0089

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトFlt−1及びサルのFlt−1と結合する。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトFlt−1及びマウスのFlt−1と結合する。

0090

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、IgG、F(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab、ScFvs、二重特異性抗体、三重特異性抗体、及び四重特異性抗体からなる群から選択される。

0091

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントはIgGである。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントはIgG1である。

0092

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントはFcRn受容体と結合する。非限定的例としては、適切なFc領域は、IgG等の免疫グロブリンサブクラスに由来する。ある実施形態においては、適切なFc領域は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4に由来する。特に適切なFc領域としては、ヒト又はヒト化抗体に由来するものが挙げられる。

0093

FcドメインとFcRn受容体との結合の向上は、血清半減期延長をもたらす。したがって、ある実施形態においては、適切なFc領域は、FcRnとの結合を向上させる1以上のアミノ酸変異を含む。Fc領域内でFcRnとの結合を向上させる効果を有する種々の変異は当該技術分野で公知であり、本発明を実施するために適用することができる。ある実施形態においては、適切なFc領域は、ヒトIgG1のThr250、Met252、Ser254、Thr256、Thr307、Glu380、Met428、His433、及び/又はAsn434に対応する1以上の位置で1以上の変異を含む。

0094

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、スペーサーを含み、及び/又は他の物と連結している。ある実施形態において、リンカー又はスペーサーは、GAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP(配列番号1)(GAGリンカー)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75
%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%)同一である。ある実施形態においては、リンカー又はスペーサーは、GAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP(配列番号2)(GAG2リンカー)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%)同一である。ある実施形態においては、リンカー又はスペーサーは、GAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAPGGGGGAAAAAGGGGGGAP(配列番号3)(GAG3リンカー)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%)同一である。

0095

抗−Flt−1抗体及びその抗原結合フラグメントの産生
本発明にとって適切な、組換え型抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、任意の利用可能な手段によって産生することができる。例えば、組換え型抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする核酸を発現するように遺伝子操作された宿主細胞系を利用することによって組換えにより産生することができる。

0096

抗体を組換えにより産生する場合、任意の発現系を使用することができる。いくつかの例として記載するが、公知の発現系、例えば、バキュロウイルス、植物、酵母又はほ乳動物細胞が挙げられる。

0097

ある実施形態においては、本発明にとって適切な組換え型抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、ほ乳動物細胞内で産生される。本発明で使用することができるほ乳動物細胞の非限定的な例としては、BALB/cマウス骨髄腫細胞(NSO/l、ECACCNo:85110503);ヒト網膜芽腫(PER.C6,CruCell,Leiden,The Netherlands);SV40により形質転換されたサル腎臓株化細胞CV1(COS−7、ATCCCRL 1651)が挙げられる。

0098

ある実施形態においては、本発明は、ヒト細胞から産生された、組換え型抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが提供される。ある実施形態においては、本発明は、CHO細胞から産生される抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントが提供される。

0099

医薬組成物及び投与
本発明は、更に、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントと、薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。

0100

適切な薬学的に許容される担体としては、水、塩溶液(例えば、NaCl)、生理食塩水食塩緩衝液アルコール類グリセロールエタノールアラビアゴム植物油ベンジルアルコールポリエチレングリコールゼラチン乳糖アミロース又はデンプン等の炭水化物マンニトールショ糖又はその他の糖類、デキストロースステアリン酸マグネシウムタルクケイ酸粘着性パラフィン香油脂肪酸エステルヒドロキシメチルセルロースポリビニルピロリドン等、並びにそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。医薬製剤は、所望であれば、活性化合物有毒な反応をせず、それらの活性を妨げない助剤(例えば、滑沢剤防腐剤安定化剤湿潤剤乳化剤浸透圧に影響を与える塩、緩衝液、着色剤香料及び/又は芳香剤等)と混合してもよい。好ましい実施形態においては、静脈投与に適した水溶性担体が使用される。

0101

適切な医薬組成物又は薬剤は、所望であれば、微量の湿潤剤若しくは乳化剤、又はpH緩
衝剤を含んでいてもよい。組成物は液剤懸濁剤エマルション錠剤丸剤カプセル剤持続性製剤又は粉末であってもよい。組成物は、トリグリセリド等の従来のバインダー又は担体を用いて座剤として製剤化することができる。経口用製剤は、医薬品グレードのマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、サッカリンナトリウムセルロース炭酸マグネシウム等の標準的な担体を含んでいてもよい。

0102

医薬組成物又は薬剤は、ヒトへの投与に適合する医薬組成物としての通常の手段に従って製造することができる。例えば、ある実施形態においては、静脈投与用組成物は、通常は、無菌等張水性緩衝液中の溶液である。必要であれば、組成物は、注射部位において痛みを緩和するために溶解補助剤及び局所麻酔剤を含んでいてもよい。一般的に、成分は、例えば、活性剤の量を示すアンプル又はサシェ等の密封容器内に、凍結乾燥粉末又は無水濃縮物として、単位投与形態別個に又は一緒に供給される。点滴により組成物が投与される場合、組成物は、無菌の医薬品グレードの水、食塩水、又はブドウ糖/水を含む点滴ボトルを用いて分注することができる。注射により組成物が投与される場合、投与前に成分を混合するように注射用無菌水又は食塩水のアンプルを提供することができる。

0103

投与経路
本明細書に記載される抗Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメント(又は本明細書に記載される抗Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントを含む組成物又は薬剤)は、任意の適切な経路で投与される。ある実施形態においては、抗Flt−1抗体、又はその抗原結合フラグメント、又はそれらを含む医薬組成物は非経口的に投与される。非経口投与は、静脈内、皮内、くも膜下、吸入、経皮(局所)、眼内、筋肉内、皮下、筋肉内及び/又は経粘膜投与であってもよい。ある実施形態においては、抗Flt−1抗体、又はその抗原結合フラグメント、又はそれらを含む医薬組成物は皮下投与される。本明細書で用いられる場合、「皮下組織」という用語は、皮膚の真下のゆるい、不規則な結合組織の層として定義される。例えば、皮下投与は、大腿部、腹腔部、臀部、又は肩甲骨が挙げられるが、これらに限定されない領域に組成物を投与することによって実施することができる。ある実施形態においては、抗Flt−1抗体、又はその抗原結合フラグメント、又はそれらを含む医薬組成物は静脈投与される。ある実施形態においては、抗Flt−1抗体、又はその抗原結合フラグメント、又はそれらを含む医薬組成物は、経口投与される。所望であれば、複数の経路を同時に使用することができる。

0104

ある実施形態においては、投与は個体において局所的効果のみをもたらすが、他の実施形態においては、投与は個体の複数の部分にわたる効果、例えば全身効果をもたらす。一般的に、投与は、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、腎臓、肝臓、脳、脊髄腸管、眼、脾臓、心臓、横紋筋及び平滑筋が挙げられるが、これらに限定されない1以上の標的組織への送達をもたらす。

0105

ある実施形態においては、横紋筋は、三頭筋、前脛骨筋、ひらめ筋、腓腹筋、及び横隔膜からなる群から選択される。

0106

ある実施形態においては、平滑筋は、からなる群から選択される。

0107

剤形及び投与計画
ある実施形態においては、組成物は、治療的有効量で、及び/又は特定の所望の結果(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー等の筋ジストロフィーを治療し、又は危険性を低下させる)と相関する投与計画に従って投与される。

0108

特定の用量又は量は、本発明に従って、例えば、所望の結果の性質及び/又は程度、特に
投与経路及び/又は投与のタイミング、及び/又は1以上の特徴(例えば、体重、年齢、個体の業歴、遺伝的特徴ライフスタイルパラメータ、心臓欠陥の重症度及び/又は心臓欠陥の危険性のレベル等、又はそれらの組み合わせ)に依存して変化し得る。このような用量又は量は、当業者によって決定することができる。ある実施形態においては、適切な用量又は量は、標準的な臨床技術に従って決定される。代わりに、又は追加的に、ある実施形態においては、適切な用量又は量は、投与すべき所望又は最適な用量範囲又は量を確認するのに役立つ、1以上のインビトロ又はインビボアッセイの使用により決定される。

0109

種々の実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、治療的有効量で投与される。一般的に、治療的有効量は、対象に有意義な利益(例えば、原因となる疾患又は病態の治療、調節、治癒、予防及び/又は改善)を達成するのに十分である。特定のある実施形態においては、投与すべき適切な用量又は量は、インビトロ又は動物モデル試験系から得られる用量反応曲線から推定される。

0110

ある実施形態においては、提供される組成物は医薬製剤として提供される。ある実施形態においては、医薬組成物は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー等の筋ジストロフィーの発生又は危険性の低下の達成と関連する投与計画に従った投与のための単位用量であるか、それを含む。

0111

ある実施形態においては、本明細書に記載される抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントを含む製剤は単一用量で投与される。ある実施形態においては、本明細書に記載される抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントを含む製剤は、一定の間隔で投与される。本明細書で用いられる場合、「間隔」での投与は、治療的有効量が定期的に投与されることを示す(1回投与と区別される)。間隔は、標準的な臨床技術により決定することができる。ある実施態様においては、本明細書に記載される抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントを含む製剤は、2ヶ月に1回、1ヶ月に1回、1ヶ月に2回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1日1回、1日に2回、又は6時間毎に投与される。単一の個体についての投与間隔は一定の間隔である必要はなく、個々のニーズに応じて経時的に変えることができる。

0112

本明細書で用いられる場合、「2ヶ月に1回」という用語は、2ヶ月あたり1回の投与(すなわち、各2ヶ月に1回)を意味し;「1ヶ月に1回」という用語は、1ヶ月あたり1回の投与を意味し;「3週間に1回」という用語は、3週間あたり1回の投与(すなわち、各3週間に1回)を意味し;「2週間に1回」という用語は、2週間あたり1回の投与(すなわち、各2週間に1回)を意味し;「1週間に1回」という用語は、1週間あたり1回の投与を意味し;「毎日」という用語は、1日あたり1回の投与を意味する。

0113

ある実施形態においては、本明細書に記載される抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、規則的な間隔で無期限に投与される。ある実施形態においては、本明細書に記載される抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、規則的な間隔で所定期間投与される。

0114

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、少なくとも1種のDMDの徴候又は症状の激しさ、重症度又は頻度を減少させ、その発生を遅延させる。ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントの投与により、筋消耗、骨格奇形、心筋症、筋虚血、認知障害、及び呼吸機能障害からなる群から選択される少なくとも1種のDMDの徴候又は症状の激しさ、重症度、又は頻度が減少し、その発症が遅延する。

0115

ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントの投与によ
り、6分間歩行試験、定量的筋力試験、定期の運動能力試験により測定する臨床成績が改善する。Brooke及びVignos手足機能スケール、肺機能試験(努力肺活量、1秒間の強制呼気量最大呼気流量最大呼気流速及び呼気圧)、健康関連の生活の質、及びの屈筋、肘の伸筋、肩の外転、握力、仰臥位から起き上がる時間、North Start Ambulatory Assessment、定期の10メートル歩行/走行、Egen−Klassificationスケール、Gowersスコア、Hammersmith運動機能、徒手筋力計可動域関節可動域測定、高炭酸症乳幼児発達のNayleyスケール、及び/又は介護人の負担スケール。

0116

併用療法
ある実施形態においては、抗−Flt−1抗体又はその抗原結合フラグメントは、筋ジストロフィーの治療のために現在使用されている1種以上の公知の治療薬(例えば、副腎皮質ホルモン剤)を組み合わせて投与される。ある実施形態においては、公知の治療薬は、その標準的又は承認済みの投与計画及び/又はスケジュールに従って投与される。ある実施形態においては、公知の治療薬は、その標準的又は承認済みの投与計画及び/又はスケジュールと比較し、変更した投与計画に従って投与される。ある実施形態においては、1以上の単位が量で変更され(例えば、減量又は増量)、及び/又は投薬が頻度で変更されている(例えば、単位用量間の1回以上の間隔が延長され、頻度が低くなり、又は間隔が短くなり、頻度が高くなっている)。

0117

実施例1.高親和性抗−Flt−1抗体の産生及び特徴づけ
抗体01A04
抗体は、従来のマウスモノクローナル抗体の手順を用い、可溶性Flt−1に対して生成した。手短に言えば、Balb/cマウスを、組換え型ヒト可溶性Flt−1(ABCAMから購入)を用いて免疫した。免疫後20日に、ELISAにより抗−sFlt−1産生について動物の力価を測定した(図1)。1匹のマウスが高い力価の反応を有していることがわかり、次いで、この動物を抗原で追加免疫し、5日後に屠殺した。この動物由来の脾臓及びリンパ節細胞マウス骨髄腫パートナーと融合し、ハイブリドーマを産生させた。ハイブリドーマ上清を、sFlt−1抗原に対してスクリーニングし、陽性に反応するハイブリドーマを大量に産生し、ヒト及びマウス両者のsFlt−1に対する結合、並びにVEGF結合についてsFlt−1と競合する能力について再アッセイした。ヒト及びマウス両者のsFlt−1と結合し得る交差反応性のハイブリドーマはなかった。しかし、ヒトsFlt−1反応性ハイブリドーマのうち、競合ELISAによって、いくつかのsFlt−1:VEGFアンタゴニストを同定した(代表的な実験について図2を参照)。これらのうち、最も強力な融合パートナー01A04を、単一細胞クローニングの第3ラウンドに供し、モノクローナル抗体01A04を得た。sFlt−抗原(ELISA、BIACORE及びFACs)に対する結合親和性;sFlt−1:VEGF競合ELISAにおけるIC50;及び細胞を用いたアッセイにおける性能について、この抗体を更に特徴づけた。

0118

抗体01A04の特徴づけ−結合
融合パートナー親のクローニングおよびサブクローニング後、01A04親の複数のサブクローンが固定化した可溶性Flt−1に結合するのが示された(図3)。これらのサブクローンのうち、抗原結合、クローンの形態及び生存能力に基づき、大量生産及び細胞バンク用に、モノクローナル抗体01A04−02B10−02G07を選択した。Flt−1抗原に対する01A04−02B10−02G07の結合定数は、表面プラズモン共鳴法(BIOCORE、図4参照)により測定した。モノクローナル抗体01A04−02B10−02G07は、ヒトsFlt−1に対してサブナモルで結合する。

0119

抗体01A04の特徴付け−交差反応性
細胞で発現したFlt−1受容体に対する、モノクローナル抗体01A04の結合を、FACSにより試験した。3つの形質転換細胞系を、ヒト、マウス又はカニクイザルFlt−1の発現について試験した。3種全ての細胞系に対する結合は、細胞を抗体と1時間インキュベートすることによって試験を行った。その後、細胞に対する抗体の結合を、抗−マウスIgGPE抗体を用いて示した。結果を図5に示す。ELISA及びBIACOREのデータは一致し、モノクローナル抗体01A04はマウスFlt−1と結合しなかった。しかし、抗体は、細胞で発現したヒト及びカニクイザルFlt−1と結合した。

0120

抗体01A04の特徴付け−競合
抗体の能力を評価するため、ラマのFabs及びIgGをスクリーニングするために構成した競合ELISA(ヒトsFlt−1及びVEGFを使用)を用いた。10〜0.01μg/mLの濃度範囲のIgGについて試験を行った。モノクローナル抗体01A04は、陰性コントロール(精製ポリクローナルマウスIgG)及び陽性コントロール(市販の抗−sFlt−1モノクローナル抗体Abcam56300)の両者に対してアッセイした。最大阻害の半分の値(IC50)を計算した。結果を図6に示す。

0121

抗体01A04の特徴付け−細胞を用いたアッセイ
ヒト臍帯静脈内皮初代細胞(HUVECs)を可溶性Flt−1及びモノクローナル抗体01A04の存在下又は非存在下、VEGFで刺激した。VEGFが誘発する細胞の活性化は、VEGF R2受容体のリン酸化状態を判定することによりアッセイした。可溶性Flt−1の存在下、VEGFが誘発するHUVEC活性化は弱まる。モノクローナル抗体01A04の添加は、可溶性Flt−1に拮抗することによる細胞活性化を回避する(図7)。

0122

実施例2.抗−Flt−1抗体のインビボにおける効力
mdxマウスへの抗−Flt−1抗体の投与
生後21日に開始し、マウス(n=8)に抗−Flt−1抗体(0(PBS)、0.1mg、又は0.5mg、静脈内)を注射した。抗−Flt−1抗体は、販売会社(Angio Proteomie、カタログ番号AP−MAB0702)から得た。抗体は、公知のFlt−1:VEGFアンタゴニストである。3日おきに、48日目までマウスに注射した。53日目に、インビボにおける効力を評価した。第2セットの実験においては、抗体の性能は、Flt−1と結合しない、アイソタイプ適合コントロール抗体に対して試験を行った。28日目から56日目まで、週に2回、20mg/kgの固定用量をマウスに注射した。57日目に、インビボにおける効力を評価した。

0123

組織病理
0.5mg用量(静脈投与)での抗−Flt−1抗体を用いた治療は、媒体コントロールと対比し、mdxマウスにおいて筋病理を著しく改善した(図8、9及び10)。特に、横隔膜筋肉内のエバンスブルー色素蓄積が減少したので、筋線維の完全性が向上し(図8、上のパネル);横隔膜筋内のワンギーソン染色により検出されるように、線維形成が減少し(図8、下のパネル);横隔膜筋内のヘマトキシリン及びエオシン(H+E)染色により検出されるように、筋壊死が減少した(図8、上から3番目のパネル)。筋線維の中央に位置する核(CLN)は、DMDと関連する典型的な表現型である。抗体処理群ではCLNが減少しており、これは、線維の代謝回転が減少し、筋肉線維の安定性が向上したことを示す(図10)。抗体で処理された動物が横隔膜及び前脛骨筋でCD31+血管数の増加を示すので、筋肉の健康状態が向上したことは、筋肉灌流の増加によって起こると仮定される(図8、2番目のパネル;図14)。結果を、図9、10及び14に定量化する。更に、CD31+血管細胞の増殖は、内因性VEGFアンタゴニストである可溶性Flt1の中和に起因し(図12)、処理マウスの血流中の遊離VEGFの上昇をもたらす(図13)と仮定される。

0124

筋肉の機能
0.5mg用量の抗−Flt−1抗体による処理(静脈投与)は、握力試験においてマウスの筋肉の機能を著しく向上させ(図1、上のパネル)、トレッドミル試験の改善傾向を明瞭に示した(図11、下のパネル)。

実施例

0125

均等物及び範囲
当業者は、ただのありふれた実験により本明細書で開示される特定の実施形態の多くの均等物を認識または解明することができる。本発明の範囲は上記明細書に限定されることを意図しておらず、範囲は添付の特許請求の範囲に明記される。

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