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課題

本開示は、2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物およびそれらのヒドロクロリド塩の製造のための方法に関する。

解決手段

とくに、本開示は、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニルエチル)−1,3−プロパンジオールおよびそのヒドロクロリド塩である2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドを夫々合成するための方法に関する。前記方法は、安全であり、大規模合成のために商業上実現可能であり、かつ改善された有効性のほか多くの他の利点を有する。本開示はまた、2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物およびそのヒドロクロリド塩の新規多形体にも関し、ここで、2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物は2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールであり、かつそのヒドロクロリド塩は2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドである。

概要

背景

本開示の背景技術および従来技術
2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物は有用な医薬品であり、免疫抑制剤としてとくに用いられる。2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニルエチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドは、フィンゴリモドヒドロクロリドという一般名称を伴う化合物と同じ分類に属する。2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド(フィンゴリモドヒドロクロリド)は、USFDAより2010年9月に承認された多発性硬化症(MS)の処置のための免疫調節剤である。フィンゴリモドヒドロクロリドは、Gilenya(登録商標)という商品名で販売される。化学的にGilenya(登録商標)は、分子量:380.44および分子式C19H34NO2Clを有する2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド(式1)である。

米国特許第5,604,229号は、2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物の医薬品、とくに免疫抑制剤としての使用を開示する。前記文書は、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド(フィンゴリモドヒドロクロリド)の種々の方法による合成およびまた免疫抑制剤としてのその使用を開示する。しかしながら、開示されたフィンゴリモドヒドロクロリドの製造のための合成経路は、冗長カラムクロマトグラフィ精製にくわえ、安全性を伴う商業規模で扱うには困難な高反応性試薬および反応を含む。

米国公報第2002/0072635 A1号は、対応する置換フェノンを対応する置換ベンジルアルコール還元し、その後、該置換ベンジルアルコールを冗長な水素化反応により還元的脱酸素することを含む、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドの製造のための方法を開示する。

WO 2010/055027は、タータラートラクタートベンゾアートスクシナート、マロナート、アセタートプロピオナート塩およびそれらの対応する多型形態などの、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(フィンゴリモド)の種々の塩を開示する。

WO 2010/055028 A2は、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドの水和物および結晶多形体、すなわち、形態I、形態II、形態IIIを開示する。

WO 2011/009634 A2は、アスコルバート、スクシナート、オキサラートホスファートマンデラートアジパート塩およびそれらの対応する多型形態などの、フィンゴリモドの医薬的に受容可能な塩の方法を開示し、該塩の製造には凍結乾燥技術が含まれる。

したがって、当該技術分野には、堅固で商業上実行可能なフィンゴリモドおよび/またはそのヒドロクロリド塩の製造のための方法に到達することへの需要が存在し、ここで該方法は、安全であり、有効的であり、かつ、如何なるクロマトグラフィ精製も含まないものである。
本開示は、従来技術が有する前述の欠点を克服することを目標としている。

概要

本開示は、2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物およびそれらのヒドロクロリド塩の製造のための方法に関する。 とくに、本開示は、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールおよびそのヒドロクロリド塩である2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドを夫々合成するための方法に関する。前記方法は、安全であり、大規模合成のために商業上実現可能であり、かつ改善された有効性のほか多くの他の利点を有する。本開示はまた、2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物およびそのヒドロクロリド塩の新規多形体にも関し、ここで、2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物は2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールであり、かつそのヒドロクロリド塩は2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドである。なし

目的

したがって、フィンゴリモドおよびそのヒドロクロリド塩の大規模合成のための改善された方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニルエチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を製造する方法であって、以下の行為:a.式3で表される化合物ジエチルアセトアミドマロナート(式2)と反応させて2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)を得ること;およびb.工程(a)で得られた2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステルを転換させて2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を得ること;またはc.工程(a)で得られた2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステルをN−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)へ転換させ、続いて、N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミドの加水分解により2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を得ること;またはd.工程(a)で得られた2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステルをN−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)へ転換させ、続いて、N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)を2−アセトアミド−2−(4−オクチフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート(式5a)へ転換させ、続いて、アセトアミド−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート(式5a)の加水分解により2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を得ることを含む、前記方法。

請求項2

工程(a)の反応が、トルエンキシレンヘプタンヘキサンジエチルエーテルメチル第三ブチルエーテルおよびテトラヒドロフランまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される溶媒の存在下で行われ;かつ、アルカリ金属カーボナートおよびアルカリ土類金属カーボナートまたはそれらの組合せを含む群から選択される試薬を添加することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

溶媒の体積が約1〜約30体積の範囲にあり;かつ、アルカリ金属カーボナートおよびアルカリ土類金属カーボナートが、リチウムカーボナート、ナトリウムカーボナート、カリウムカーボナート、セシウムカーボナートマグネシウムカーボナート、カルシウムカーボナートおよびバリウムカーボナートを含む群から選択される、請求項2に記載の方法。

請求項4

工程(a)が、約10℃〜約160℃の範囲にある温度で、約3時間〜約24時間の範囲にある時間行われる、請求項1に記載の方法。

請求項5

請求項1に記載の方法であって、ここで工程(b)または工程(c)または工程(d)の転換が、溶媒中で試薬の存在下で行われ、ここで溶媒が、C1〜C4低級鎖アルコールであり、かつ、ここで試薬が、アルカリ土類金属ボロハイドライドおよびアルカリ土類金属アルコキシボロハイドライドまたはそれらの組合せを含む群から選択される、前記方法。

請求項6

請求項5に記載の方法であって、ここで、C1〜C4低級鎖アルコールが、約2〜約30体積の範囲にある体積を有するメタノールエタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノール2−ブタノール、第三ブタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、水、ジエチルエーテル、メチル第三ブチルエーテルまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択され;ここで、アルカリ土類金属ボロハイドライドが、マグネシウムボロハイドライド、カルシウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライドおよびバリウムボロハイドライドを含む群から選択され;かつ、ここで、アルカリ土類金属アルコキシボロハイドライドが、マグネシウムトリアセトキシボロハイドライド、カルシウムトリアセトキシボロハイドライドおよびバリウムトリアセトキシボロハイドライドを含む群から選択される、前記方法。

請求項7

試薬が、アルカリ金属ボロハイドライドと、バリウムスルファート、バリウムクロリド、マグネシウムスルファート、カルシウムアセタート、カルシウムクロリド、マグネシウムクロリドおよびマグネシウムアセタートまたはそれらの塩の任意の混合物を含む群から選択される塩との組合せである、請求項5に記載の方法。

請求項8

請求項1に記載の方法であって、ここで、工程(b)または工程(c)または工程(d)の転換が、約−5℃〜約110℃の範囲にある温度;約1〜約14の範囲にあるpHで行われ;かつ、ここで、該pH範囲が、酸性溶液塩基性溶液またはそれらの組合せから選択される溶液を用いて達成される、前記方法。

請求項9

請求項8に記載の方法であって、ここで、酸性溶液が、塩酸および酢酸またはそれらの組合せを含む群から選択され;かつ、ここで、塩基性溶液が、リチウムヒドロキシド、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシド、カルシウムヒドロキシドおよびバリウムヒドロキシドまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される、前記方法。

請求項10

工程(a)、(b)、(c)および(d)の反応が、任意に相間移動触媒を含む、請求項1に記載の方法。

請求項11

請求項10に記載の方法であって、ここで、相間移動触媒が、テトラアルキルアンモニウムハライドであり;かつ、ここで、該テトラアルキルアンモニウムハライドが、テトラメチルアンモニウムブロミドテトラエチルアンモニウムブロミドテトラブチルアンモニウムブロミドおよびテトラブチルアンモニウムヨージドまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される、前記方法。

請求項12

加水分解が、a.無機塩基性溶液;またはb.塩酸、続いて、ナトリウムヒドロキシド、リチウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシドを含む群から選択される塩基でのpH調整のいずれかの存在下で行われる、請求項1に記載の方法。

請求項13

無機塩基が、リチウムヒドロキシド、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシド、カルシウムヒドロキシドおよびバリウムヒドロキシドまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される、請求項12に記載の方法。

請求項14

無機塩基性溶液または塩酸の添加の後に、約0.5時間〜約24時間の範囲の時間で還流が続く、請求項12に記載の方法。

請求項15

2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステルの2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールへの転換およびN−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミドの2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールへの加水分解が、溶媒の添加、攪拌濾過および乾燥の任意の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項16

得られた2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールが、天然状態では結晶であり、多形体Aと表される、請求項1に記載の方法。

請求項17

2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド(式1)へ転換させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項18

転換が、溶媒の存在下で約−25℃〜約45℃の範囲にある温度で、塩酸を2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールへ添加することにより行われる、請求項17に記載の方法。

請求項19

請求項18に記載の方法であって、ここで、塩酸がイソプロパノール中へ添加され;ここで、溶媒が、トルエン、メチルアセタート、エチルアセタートイソプロピルアセタート、ブチルアセタート、アセトニトリルメチルイソブチルケトンおよびメチルエチルケトンまたはそれらの組合せを含む群から選択され;かつ、ここで、溶媒の体積が約2体積〜約25体積の範囲にある、前記方法。

請求項20

得られた2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドが、天然状態では結晶であり、多形体Yと表される、請求項17に記載の方法。

請求項21

請求項1または17に記載の方法であって、ここで、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールまたは2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドが、任意に精製および乾燥され;かつ、ここで、精製が、トルエン、メチルアセタート、エチルアセタート、イソプロピルアセタート、ブチルアセタート、アセトニトリル、メチルイソブチルケトンおよびメチルエチルケトンまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される溶媒の存在下での再結晶により行われる、前記方法。

請求項22

請求項21に記載の方法であって、ここで、溶媒の体積が、約2〜約30体積の範囲にあり;ここで、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールの精製のための温度が、約10℃〜約110℃の範囲にあり;かつ、ここで、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドの精製のための温度が、約−25℃〜約50℃の範囲にある、前記方法。

請求項23

乾燥が、約20℃〜約75℃の範囲にある温度で真空下で行われる、請求項21に記載の方法。

請求項24

式3で表される化合物が:で表される、請求項1に記載の方法。

請求項25

式3で表される化合物が、1−(2−ヨードエチル)−4−オクチルベンゼン、1−(2−ブロモエチル)−4−オクチルベンゼン、1−(2−クロロエチル)−4−オクチルベンゼン、1−(2−エチルメシラート)−4−オクチルベンゼン、1−(2−エチルトシラート)−4−オクチルベンゼンおよび1−(2−エチルトリフラート)−4−オクチルベンゼンまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される、請求項24に記載の方法。

請求項26

3.876、5.744、7.739、11.65、14.886、15.356、16.774、17.65、18.008、18.963、19.473、20.845、21.626、23.431、24.643、27.389、27.894、30.566、31.421、34.267、35.01、35.5、38.756、42.214、43.767、46.201、48.026、50.269 および52.314のXRPD 2θ値を有する、請求項1に記載の方法により得られた2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)の多型形態A。

請求項27

3.549、5.185、5.832、7.052、8.62、9.305、10.625、12.149、12.82、14.163、14.713、15.174、15.61、16.374、17.329、17.749、18.254、18.698、19.255、19.948、20.879、21.389、22.248、22.578、22.838、23.527、24.449、24.953、25.847、26.139、27.127、28.094、28.604、29.47、29.697、31.786、32.24、33.147、36.955および44.474のXRPD 2θ値を有する、請求項1に記載の方法により得られた2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド(式1)の多型形態Y。

技術分野

0001

技術分野
本開示は、医薬品の分野にある。本開示は、2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物およびそれらのヒドロクロリド塩の製造のための方法に関する。とくに本開示は、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニルエチル)−1,3−プロパンジオールおよびそのヒドロクロリド塩である2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドの夫々の合成のための方法に関する。前記方法は、安全であり、大規模合成のために商業上実現可能であり、かつ、改善された有効性のほか多くの他の利点を有する。

背景技術

0002

本開示の背景技術および従来技術
2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物は有用な医薬品であり、免疫抑制剤としてとくに用いられる。2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドは、フィンゴリモドヒドロクロリドという一般名称を伴う化合物と同じ分類に属する。2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド(フィンゴリモドヒドロクロリド)は、USFDAより2010年9月に承認された多発性硬化症(MS)の処置のための免疫調節剤である。フィンゴリモドヒドロクロリドは、Gilenya(登録商標)という商品名で販売される。化学的にGilenya(登録商標)は、分子量:380.44および分子式C19H34NO2Clを有する2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド(式1)である。

0003

米国特許第5,604,229号は、2−アミノ−1,3−プロパンジオール化合物の医薬品、とくに免疫抑制剤としての使用を開示する。前記文書は、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド(フィンゴリモドヒドロクロリド)の種々の方法による合成およびまた免疫抑制剤としてのその使用を開示する。しかしながら、開示されたフィンゴリモドヒドロクロリドの製造のための合成経路は、冗長カラムクロマトグラフィ精製にくわえ、安全性を伴う商業規模で扱うには困難な高反応性試薬および反応を含む。

0004

米国公報第2002/0072635 A1号は、対応する置換フェノンを対応する置換ベンジルアルコール還元し、その後、該置換ベンジルアルコールを冗長な水素化反応により還元的脱酸素することを含む、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドの製造のための方法を開示する。

0005

WO 2010/055027は、タータラートラクタートベンゾアートスクシナート、マロナート、アセタートプロピオナート塩およびそれらの対応する多型形態などの、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(フィンゴリモド)の種々の塩を開示する。

0006

WO 2010/055028 A2は、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドの水和物および結晶多形体、すなわち、形態I、形態II、形態IIIを開示する。

0007

WO 2011/009634 A2は、アスコルバート、スクシナート、オキサラートホスファートマンデラートアジパート塩およびそれらの対応する多型形態などの、フィンゴリモドの医薬的に受容可能な塩の方法を開示し、該塩の製造には凍結乾燥技術が含まれる。

0008

したがって、当該技術分野には、堅固で商業上実行可能なフィンゴリモドおよび/またはそのヒドロクロリド塩の製造のための方法に到達することへの需要が存在し、ここで該方法は、安全であり、有効的であり、かつ、如何なるクロマトグラフィ精製も含まないものである。
本開示は、従来技術が有する前述の欠点を克服することを目標としている。

0009

本開示の声明
よって、本開示は、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を製造する方法に関し、該方法は、以下の行為を含む:
a.式3で表される化合物をジエチルアセトアミドマロナート(式2)と反応させて2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)を得ること;



および

0010

b.工程(a)で得られた2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステルを転換させて2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を得ること;



または

0011

c.工程(a)で得られた2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステルをN−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)へ転換させ、続いて、N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミドの加水分解により2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を得ること;



または

0012

d.工程(a)で得られた2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステルをN−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)へ転換させ、続いて、N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)を2−アセトアミド−2−(4−オクチフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート(式5a)へ転換させ、続いて、アセトアミド−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート(式5a)の加水分解により2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を得ること。

0013

3.876、5.744、7.739、11.65、14.886、15.356、16.774、17.65、18.008、18.963、19.473、20.845、21.626、23.431、24.643、27.389、27.894、30.566、31.421、34.267、35.01、35.5、38.756、42.214、43.767、46.201、48.026、50.269および52.314のXRPD 2θ値を有する、上記方法により得られた2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)の多型形態A;ならびに3.549、5.185、5.832、7.052、8.62、9.305、10.625、12.149、12.82、14.163、14.713、15.174、15.61、16.374、17.329、17.749、18.254、18.698、19.255、19.948、20.879、21.389、22.248、22.578、22.838、23.527、24.449、24.953、25.847、26.139、27.127、28.094、28.604、29.47、29.697、31.786、32.24、33.147、36.955および44.474のXRPD 2θ値を有する、上記方法により得られた2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド(式1)の多型形態Y。

図面の簡単な説明

0014

次に、本開示が容易に理解され得、実用的な効果に利用され得るために、添付の図面を参照しながら図示された例示的態様について参照していく。図面は以下の詳細な説明とともに取り込まれ本願明細書の一部を形成し、さらには、本開示に従って、態様を図示するとともに種々の指針および利点を説明する。ここで:

0015

図1は、本開示のフィンゴリモドヒドロクロリド[2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド]を合成する態様の一つを描写する。

0016

図2は、本開示のフィンゴリモドヒドロクロリド[2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド]を合成する別の態様を描写する。

0017

図3は、フィンゴリモド多型形態AのX線回折パターン(PXRD)を描写する。

0018

図4は、フィンゴリモドヒドロクロリド多型形態YのPXRDを描写する。

0019

本開示の詳細な説明
本開示は、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を製造する方法に関し、該方法は以下の行為を含む:
a.式3で表される化合物をジエチルアセトアミドマロナート(式2)と反応させて2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)を得ること;



および

0020

b.工程(a)で得られた2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステルを転換させて2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を得ること;



または

0021

c.工程(a)で得られた2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステルをN−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)へ転換させ、続いて、N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミドの加水分解により2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を得ること;



または

0022

d.工程(a)で得られた2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステルをN−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)へ転換させ、続いて、N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)を2−アセトアミド−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート(式5a)へ転換させ、続いて、アセトアミド−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート(式5a)の加水分解により2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を得ること。

0023

本開示の一態様において、上述の方法の工程(a)の反応は、トルエンキシレンヘプタンヘキサンジエチルエーテルメチル第三ブチルエーテルおよびテトラヒドロフランまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される溶媒の存在下で行われ;かつ、アルカリ金属カーボナートおよびアルカリ土類金属カーボナートまたはそれらの組合せを含む群から選択される試薬を添加することをさらに含む。

0024

本開示の別の態様において、溶媒の体積は、約1〜約30体積の範囲にあり;かつ、アルカリ金属カーボナートおよびアルカリ土類金属カーボナートは、リチウムカーボナート、ナトリウムカーボナート、カリウムカーボナート、セシウムカーボナートマグネシウムカーボナート、カルシウムカーボナートおよびバリウムカーボナートを含む群から選択される。

0025

本開示のなお別の態様において、上述の方法の工程(a)は、約10℃〜約160℃の範囲にある温度で、約3時間〜約24時間の範囲にある時間で行われる。

0026

本開示のまた別の態様において、上述の方法の工程(b)または工程(c)または工程(d)の転換が、溶媒中で試薬の存在下で行われ、ここで溶媒は、C1〜C4低級鎖アルコールであり、かつ、ここで、試薬が、アルカリ土類金属ボロハイドライドおよびアルカリ土類金属アルコキシボロハイドライドまたはそれらの組合せを含む群から選択される。

0027

本開示のまた別の態様において、C1〜C4低級鎖アルコールは、約2〜約30体積の範囲にある体積を有するメタノールエタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノール2−ブタノール、第三ブタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、水、ジエチルエーテル、メチル第三ブチルエーテルまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択され;ここで、アルカリ土類金属ボロハイドライドは、マグネシウムボロハイドライド、カルシウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライドおよびバリウムボロハイドライドを含む群から選択され;かつ、ここで、アルカリ土類金属アルコキシボロハイドライドは、マグネシウムトリアセトキシボロハイドライド、カルシウムトリアセトキシボロハイドライドおよびバリウムトリアセトキシボロハイドライドを含む群から選択される。

0028

本開示のまた別の態様において、試薬は、アルカリ金属ボロハイドライドと、バリウムスルファート、バリウムクロリド、マグネシウムスルファート、カルシウムアセタート、カルシウムクロリド、マグネシウムクロリドおよびマグネシウムアセタートまたはそれらの塩の任意の混合物を含む群から選択される塩との組合せである。

0029

本開示のまた別の態様において、上述の方法の工程(b)または工程(c)または工程(d)の転換は、約−5℃〜約110℃の範囲にある温度;約1〜約14の範囲にあるpHで行われ;かつ、ここで、該pHは、酸性溶液塩基性溶液またはそれらの組合せから選択される溶液を用いて達成される。

0030

本開示のまた別の態様において、酸性溶液は、塩酸および酢酸またはそれらの組合せを含む群から選択され;かつ、ここで、塩基性溶液は、リチウムヒドロキシド、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシド、カルシウムヒドロキシドおよびバリウムヒドロキシドまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される。

0031

本開示のまた別の態様において、上述の方法の工程(a)、(b)、(c)および(d)の反応は、任意に相間移動触媒を含む。

0032

本開示のまた別の態様において、相間移動触媒は、テトラアルキルアンモニウムハライドであり;かつ、ここで、該テトラアルキルアンモニウムハライドは、テトラメチルアンモニウムブロミドテトラエチルアンモニウムブロミドテトラブチルアンモニウムブロミドおよびテトラブチルアンモニウムヨージドまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される。

0033

本開示のまた別の態様において、加水分解は、
a.無機塩基性溶液;または
b.塩酸、続いて、ナトリウムヒドロキシド、リチウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシドを含む群から選択される塩基でのpH調整
のいずれかの存在下で行われる。

0034

本開示のまた別の態様において、無機塩基は、リチウムヒドロキシド、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシド、カルシウムヒドロキシドおよびバリウムヒドロキシドまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される。

0035

本開示のまた別の態様において、無機塩基性溶液または塩酸の添加の後に、約0.5時間〜約24時間の範囲にある時間の還流が続く。

0036

本開示のまた別の態様において、2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステルの2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールへの転換およびN−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミドの2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールへの加水分解は、溶媒の添加、攪拌濾過および乾燥の任意の工程をさらに含む。

0037

本開示のまた別の態様において、得られた2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールは天然状態では結晶であり、多形体Aと表される。

0038

本開示のまた別の態様において、上述の方法は、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)を2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド(式1)へ転換させることをさらに含む。

0039

本開示のまた別の態様において、転換は、溶媒の存在下で約−25℃〜約45℃の範囲にある温度で、塩酸を2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールへ添加することにより行われる。

0040

本開示のまた別の態様において、塩酸がイソプロパノール中へ添加され;ここで、溶媒は、トルエン、メチルアセタート、エチルアセタートイソプロピルアセタート、ブチルアセタート、アセトニトリルメチルイソブチルケトンおよびメチルエチルケトンまたはそれらの組合せを含む群から選択され;かつ、ここで、溶媒の体積が、約2体積〜約25体積の範囲にある。

0041

本開示のまた別の態様において、得られた2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドは天然状態では結晶であり、多形体Yと表される。

0042

本開示のまた別の態様において、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールまたは2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドは、任意に精製および乾燥され;かつ、ここで、精製は、トルエン、メチルアセタート、エチルアセタート、イソプロピルアセタート、ブチルアセタート、アセトニトリル、メチルイソブチルケトンおよびメチルエチルケトンまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される溶媒の存在下での再結晶により行われる。

0043

本開示のまた別の態様において、溶媒の体積は、約2〜約30体積の範囲にあり;ここで、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールの精製のための温度は、約10℃〜約110℃の範囲にあり;かつ、ここで、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリドの精製のための温度は、約−25℃〜約50℃の範囲にある。

0044

本開示のまた別の態様において、乾燥が、約20℃〜約75℃の範囲にある温度で真空下で行われる。

0045

本開示のまた別の態様において、式3で表される化合物は:



で表される。

0046

本開示のまた別の態様において、式3で表される化合物は、1−(2−ヨードエチル)−4−オクチルベンゼン、1−(2−ブロモエチル)−4−オクチルベンゼン、1−(2−クロロエチル)−4−オクチルベンゼン、1−(2−エチルメシラート)−4−オクチルベンゼン、1−(2−エチルトシラート)−4−オクチルベンゼンおよび1−(2−エチルトリフラート)−4−オクチルベンゼンまたはそれらの任意の組合せを含む群から選択される。

0047

本開示は、3.876、5.744、7.739、11.65、14.886、15.356、16.774、17.65、18.008、18.963、19.473、20.845、21.626、23.431、24.643、27.389、27.894、30.566、31.421、34.267、35.01、35.5、38.756、42.214、43.767、46.201、48.026、50.269 および52.314のXRPD 2θ値を有する、上記方法により得られた2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)の多型形態Aにさらに関する。

0048

本開示は、3.549、5.185、5.832、7.052、8.62、9.305、10.625、12.149、12.82、14.163、14.713、15.174、15.61、16.374、17.329、17.749、18.254、18.698、19.255、19.948、20.879、21.389、22.248、22.578、22.838、23.527、24.449、24.953、25.847、26.139、27.127、28.094、28.604、29.47、29.697、31.786、32.24、33.147、36.955および44.474のXRPD 2θ値を有する、上記方法により得られた2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド(式1)の多型形態Yにさらに関する。

0049

本開示は、従来技術の制限を克服し、フィンゴリモドおよびそのヒドロクロリド塩を合成するための堅固な方法を提供し、ここで該方法は、安全であり、商業上実行可能であり、有効的であり、かつ、如何なるクロマトグラフィ精製も含まないものである。したがって、フィンゴリモドおよびそのヒドロクロリド塩の大規模合成のための改善された方法を提供することが本開示の目的である。

0050

本開示の一態様において、本明細書で開示する種々の化学化合物および中間体は以下のとおりである:

0051

0052

0053

0054

0055

本開示の第一の態様において、(以下に表されるとおりのスキーム1)、フィンゴリモドヒドロクロリド[2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド]は、以下の工程からなる方法により合成される:
i.1−(2−ヨードエチル)−4−オクチルベンゼン(式3)を、適切条件下でジエチルアセトアミドマロナート(式2)と反応させて、対応するカップリング生成物:2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)を得ること;
ii.2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)を、好適試薬の存在下の好適条件で2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)(フィンゴリモド遊離塩基)へ転換させること;
iii.任意に、フィンゴリモド遊離塩基(式6)を精製し、かつ、精製後の乾燥工程を実施すること;
iv.2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)(フィンゴリモド遊離塩基)をヒドロクロリド塩(すなわち、フィンゴリモドヒドロクロリド塩)(式1)へ転換させること;ならびに
v.任意に、フィンゴリモド塩を精製し、かつ、精製後の乾燥工程を実施すること。

0056

0057

一態様において、図1は上記合成手順を表し、これは以下に詳述される:

0058

(A)1−(2−ヨードエチル)−4−オクチルベンゼン[式3]とジエチルアセトアミドマロナート[式2]との反応:
1−(2−ヨードエチル)−4−オクチルベンゼン(式3)を、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ジエチルエーテル、メチル第三ブチルエーテルおよびテトラヒドロフランまたはそれらの該溶媒の任意の混合物を含む群から選択される有機溶媒中、適切な温度で、好適な試薬の存在下で、ジエチルアセトアミドマロナート(式2)とカップリングさせ、2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)を得る。溶媒の体積はジエチルアセトアミドマロナート(式2)に対して約1〜30体積であり、温度範囲は約10℃〜160℃の温度である。

0059

用いられる試薬は、リチウムカーボナート、ナトリウムカーボナート、カリウムカーボナート、セシウムカーボナート、マグネシウムカーボナート、カルシウムカーボナートおよびバリウムカーボナートなどの、アルカリ金属カーボナートおよびアルカリ土類金属カーボナートを含む群から選択される。任意に、相間移動触媒もまた、反応性を促進するために用いられる。前記相移動触媒は、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミドおよびテトラブチルアンモニウムヨージドなどの、テトラアルキルアンモニウムハライドである。

0060

(B)2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル[式4]の2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール[式6](フィンゴリモド遊離塩基)への転換:
2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)を、好適溶媒(単数または複数)中で適切な温度で好適試薬の存在下で反応させることによって、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(式6)(フィンゴリモド遊離塩基)へ転換させる。溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、第三ブタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、水、ジエチルエーテル、メチル第三ブチルエーテルまたはそれらの混合物などの、C1〜C4低級鎖アルコールである。溶媒の体積は約2〜30体積の範囲にあり、反応の温度は約−5℃〜110℃の温度の範囲にある。

0061

用いられる試薬は、マグネシウムボロハイドライド、カルシウムボロハイドライド、バリウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライド、マグネシウムトリアセトキシボロハイドライド、カルシウムトリアセトキシボロハイドライドおよびバリウムトリアセトキシボロハイドライドまたはそれらの混合物などの、アルカリ土類金属ボロハイドライドおよびアルカリ土類金属アルコキシボロハイドライドを含む群から選択される。本開示の別の側面において、アルカリ金属ボロハイドライドと、バリウムスルファート、バリウムクロリド、マグネシウムスルファート、カルシウムアセタート、カルシウムクロリド、マグネシウムクロリドおよびマグネシウムアセタートまたはそれらの塩の任意の混合物を含む群から選択される塩との組合せもまた、転換のための代替的な試薬として用いられる。

0062

本開示の別の側面において、反応混合物のpHは、塩酸および酢酸またはそれらの混合物から選択される酸性溶液を添加することにより酸性に調整される。

0063

本開示のなお別の側面において、反応混合物のpHは、リチウムヒドロキシド、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシド、カルシウムヒドロキシドおよびバリウムヒドロキシドまたはそれらの任意の混合物から選択される塩基性溶液を添加することによって塩基性再調整され、遊離塩基を生じる。

0064

別の態様において、有機溶媒を添加し、かつ、反応混合物を沈殿のために攪拌するという任意の工程が行われる。固体形態でのフィンゴリモド遊離塩基を含む沈殿物を濾過によって単離し、さらに、任意に乾燥する。追加的に、フィンゴリモド遊離塩基を、トルエン、メチルアセタート、エチルアセタート、イソプロピルアセタート、ブチルアセタート、アセトニトリル、メチルイソブチルケトンおよびメチルエチルケトンまたはそれらの混合物を含む群から選択される好適溶媒中での再結晶化によって精製するという別の精製工程が実施される。溶媒の体積は約2〜25体積の範囲にあり、温度範囲は約10℃〜還流温度である。

0065

本開示のなお別の側面において、フィンゴリモド遊離塩基(式6)は、天然状態では結晶であり、かつ、以下のXRPD 2θ値を有する多形体Aと表される:3.876, 5.744, 7.739, 11.65, 14.886, 15.356, 16.774, 17.65, 18.008, 18.963, 19.473, 20.845, 21.626, 23.431, 24.643, 27.389, 27.894, 30.566, 31.421, 34.267, 35.01, 35.5, 38.756, 42.214, 43.767, 46.201, 48.026, 50.269, 52.314 (図3)。

0066

(C)2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール[式6](フィンゴリモド遊離塩基)の2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド[式1]への転換:
フィンゴリモド遊離塩基(式6)を、トルエン、メチルアセタート、エチルアセタート、イソプロピルアセタート、ブチルアセタート、アセトニトリル、メチルイソブチルケトンおよびメチルエチルケトンまたはそれらの任意の混合物を含む群から選択される好適溶媒の存在下、約−25℃〜45℃の範囲にある温度で、イソプロパノール中の塩酸をフィンゴモリド(式6)へ添加することにより、そのヒドロクロリド塩(式1)へ転換させる。好ましい態様において、温度は、約−20℃〜25℃、より好ましくは、約−10℃〜15℃、および最も好ましくは、約−5℃〜10℃の範囲にある。用いられた溶媒の体積は、約2〜25体積の範囲にある。さらには、反応完了後に得られた沈殿物質を単離し、かつ、任意に真空下、約25℃〜75℃の範囲にある温度で乾燥する。

0067

本開示のなお別の側面において、フィンゴリモドヒドロクロリド(式1)は、天然状態では結晶であり、かつ、2θでXRPDの以下のピークを有する多形体Yと表される:3.549, 5.185, 5.832, 7.052, 8.62, 9.305, 10.625, 12.149, 12.82, 14.163, 14.713, 15.174, 15.61, 16.374, 17.329, 17.749, 18.254, 18.698, 19.255, 19.948, 20.879, 21.389, 22.248, 22.578, 22.838, 23.527, 24.449, 24.953, 25.847, 26.139, 27.127, 28.094, 28.604, 29.47, 29.697, 31.786, 32.24, 33.147, 36.955, 44.474 (図4)。

0068

本開示のなお別の側面において、得られたフィンゴリモドヒドロクロリドを、約−25℃〜50℃の温度範囲で、トルエン、アセトニトリル、メチルアセタート、エチルアセタート、イソプロピルアセタート、ブチルアセタート、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールまたはそれらの任意の混合物を含む群から選択される好適溶媒中での再結晶化によって精製するという任意の精製工程が行われる。任意の精製工程の後さらに、精製フィンゴリモドヒドロクロリドを真空下、約20℃〜75℃の温度範囲で乾燥させる。

0069

本開示の別の例示的態様(以下に表されるとおりのスキーム2)において、フィンゴリモドヒドロクロリドは、以下の工程を含む方法により合成される:
i.1−(2−ヨードエチル)−4−オクチルベンゼン(式3)を、適切条件下でジエチルアセトアミドマロナート(式2)と反応させて、対応するカップリング生成物:2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)を得ること;
ii.2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)を、好適条件下かつ好適試薬の存在下でN−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)へ転換させること;
iii.任意に、N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)を、ヒドロキシル基を保護することにより式5aへ転換させること;
iv.N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)(または)式5aを、塩基の存在下で、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(フィンゴリモド遊離塩基)(式6)へ加水分解させること;
v.任意に、フィンゴリモド遊離塩基(式6)を精製し、かつ、精製後の乾燥工程を実施すること;
iv.2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(フィンゴリモド遊離塩基)(式6)をそのヒドロクロリド塩(すなわち、フィンゴリモドヒドロクロリド塩)(式1)へ転換させること;ならびに
v.任意に、フィンゴリモドヒドロクロリド塩を精製し、かつ、精製後の乾燥工程を実施すること。

0070

0071

一態様において、図2は上記合成手順を表し、これは以下に詳述される:

0072

(A)1−(2−ヨードエチル)−4−オクチルベンゼン[式3]とジエチルアセトアミドマロナート[式2]との反応:
1−(2−ヨードエチル)−4−オクチルベンゼン(式3)を、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ジエチルエーテル、メチル第三ブチルエーテルおよびテトラヒドロフランまたはそれらの該溶媒の任意の混合物を含む群から選択される有機溶媒中、適切な温度で、ジエチルアセトアミドマロナート(式2)とカップリングさせる。反応を、好適な試薬の存在下で行い、2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)を得る。用いられる有機溶媒の体積は約1〜30体積の範囲にあり、温度は約10℃〜160℃の温度の範囲にある。

0073

用いられる試薬は、リチウムカーボナート、ナトリウムカーボナート、カリウムカーボナート、セシウムカーボナート、マグネシウムカーボナート、カルシウムカーボナートおよびバリウムカーボナートなどの、アルカリ金属カーボナートおよびアルカリ土類金属カーボナートを含む群から選択される。任意に、相間移動触媒もまた、反応性を促進するために用いられる。前記相間移動触媒は、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミドおよびテトラブチルアンモニウムヨージドなどの、テトラアルキルアンモニウムハライドである。

0074

(B)2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル[式4]のN−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド[式5]への転換:
2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)を、好適試薬を伴って好適溶媒中で反応させることによって、N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)へ転換させ、ここで、溶媒は、適切温度のメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、第三ブタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、水、ジエチルエーテル、メチル第三ブチルエーテルまたはそれらの任意の混合物などの、C1〜C4低級鎖アルコールから選択される。溶媒の体積は約2〜30体積の範囲にあり、反応の温度は約−5℃〜110℃の温度の範囲にある。

0075

一態様において、用いられる試薬は、マグネシウムボロハイドライド、カルシウムボロハイドライド、バリウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライド、マグネシウムトリアセトキシボロハイドライド、カルシウムトリアセトキシボロハイドライドおよびバリウムトリアセトキシボロハイドライドまたはそれらの任意の混合物などの、アルカリ土類金属ボロハイドライドおよびアルカリ土類金属アルコキシボロハイドライドを含む群から選択される。興味深いことに、本工程における相間移動触媒の使用は、望まれない副生成物の生成を制御する。前記相間移動触媒は、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムヨージドおよびテトラブチルアンモニウムヨージドなどの、テトラアルキルアンモニウムハライドから選択される。

0076

本開示の別の側面において、アルカリ金属ボロハイドライドと、バリウムスルファート、バリウムクロリド、マグネシウムスルファート、カルシウムアセタート、カルシウムクロリド、マグネシウムクロリドおよびマグネシウムアセタートまたはそれらの塩の任意の混合物を含む群から選択される塩との組合せもまた、転換のための代替的な試薬として用いられる。

0077

本開示の別の側面において、反応混合物のpHは、塩酸、酢酸またはそれらの混合物から選択される酸性溶液で、酸性に調整される。

0078

本開示のなお別の側面において、反応混合物のpHは、任意に、リチウムヒドロキシド、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシド、カルシウムヒドロキシドおよびバリウムヒドロキシドまたはそれらの任意の混合物から選択される塩基性溶液を添加することによって塩基性に再調整され、遊離塩基を生じる。

0079

(C)N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド[式5]の2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(フィンゴリモド遊離塩基)[式6]への加水分解:
N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)を、リチウムヒドロキシド、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシド、カルシウムヒドロキシドおよびバリウムヒドロキシドを含む群から選択される無機塩基性溶液を用いて、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(フィンゴリモド遊離塩基)(式6)へ加水分解させる。任意に、有機溶媒もまた添加し、反応混合物を攪拌し、沈殿物を得る。固体形態の物質を含む沈殿物を濾過によって単離し、その後任意に乾燥し、フィンゴリモド遊離塩基を得る。なお別の側面において、フィンゴリモド遊離塩基を、トルエン、メチルアセタート、エチルアセタート、イソプロピルアセタート、ブチルアセタート、アセトニトリル、メチルイソブチルケトンおよびメチルエチルケトンまたはそれらの任意の混合物を含む群から選択される好適溶媒中での再結晶化によって、任意に精製する。用いられた溶媒の体積は約2〜25体積の範囲にあり、かつ、温度範囲は約10℃〜還流温度である。

0080

本開示の別の代替的な態様において、N−(1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(式5)を、塩酸に続いて、ナトリウムヒドロキシドでのpH調整を用いて、2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール(フィンゴリモド遊離塩基)(式6)へ加水分解させる。

0081

本開示のなお別の態様において、式5を、式5a(2−アセトアミド−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート)で表される完全に保護された化合物へ転換させ、その次に式5aで表される化合物を、好適条件下でワンポット加水分解により、フィンゴリモド遊離塩基(式6)へ転換させる。式5aにおいて、Rはヒドロキシル保護基から選択され、ここでRは、C1〜C4アルキルアリール、例えば、アセチルベンゾイルおよび置換芳香族部分である。

0082

本開示のなお別の態様において、フィンゴリモド遊離塩基(式6)は天然状態では結晶であり、かつ、XRPDの以下の2θ値を有する多形体Aと表される:3.876, 5.744, 7.739, 11.65, 14.886, 15.356, 16.774, 17.65, 18.008, 18.963, 19.473, 20.845, 21.626, 23.431, 24.643, 27.389, 27.894, 30.566, 31.421, 34.267, 35.01, 35.5, 38.756, 42.214, 43.767, 46.201, 48.026, 50.269, 52.314(図3)。

0083

(D)2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオール[式6]の2−アミノ−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)−1,3−プロパンジオールヒドロクロリド[式1]への転換:
フィンゴリモド遊離塩基(式6)を、トルエン、メチルアセタート、エチルアセタート、イソプロピルアセタート、ブチルアセタート、アセトニトリル、メチルイソブチルケトンおよびメチルエチルケトンまたはそれらの任意の混合物を含む群から選択される好適溶媒の存在下、約−25℃〜45℃の範囲にある温度で、イソプロパノール中の塩酸をフィンゴモリド(式6)へ添加することにより、そのヒドロクロリド塩(式1)へ転換させる。好ましい態様において、温度は約−20℃〜25℃、より好ましくは、約−10℃〜15℃、および最も好ましくは、約−5℃〜10℃の範囲にある。用いられた溶媒の体積は、約2〜25体積の範囲にある。さらには、反応後に形成された沈殿物質(式6)を単離し、かつ、任意に真空下、約25℃〜75℃の範囲にある温度で乾燥させる。

0084

本開示の一態様において、上記手順により得られたフィンゴリモドヒドロクロリド(式1)物質は、天然状態では結晶であり、かつ、2θでXRPDの以下のピークを有する多形体Yと表される:3.549, 5.185, 5.832, 7.052, 8.62, 9.305, 10.625, 12.149, 12.82, 14.163, 14.713, 15.174, 15.61, 16.374, 17.329, 17.749, 18.254, 18.698, 19.255, 19.948, 20.879, 21.389, 22.248, 22.578, 22.838, 23.527, 24.449, 24.953, 25.847, 26.139, 27.127, 28.094, 28.604, 29.47, 29.697, 31.786, 32.24, 33.147, 36.955, 44.474 (図4)。

0085

本開示のなお別の側面において、フィンゴリモドヒドロクロリドを、約−25℃〜50℃の温度範囲で、好適溶媒中での再結晶化によって、任意に精製する。溶媒は、トルエン、アセトニトリル、メチルアセタート、エチルアセタート、イソプロピルアセタート、ブチルアセタート、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールまたはそれらの任意の混合物を含む群から選択される。さらには、任意の精製の後に、真空下、約20℃〜75℃の温度範囲での乾燥が続く。

0086

本開示の技術は、下記の例の補助によりさらに詳述される。しかしながら、例は本開示の範囲を限定するために解釈されるべきではない。

0087

例:
例1
2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)の製造
トルエン(300mL)中のジエチルアセトアミドマロナート(DEAM)[式2](28.39g)およびセシウムカーボナート(189.13g)の懸濁液に、トルエン(50mL)中のテトラブチルアンモニウムブロミド(0.468g)および1−(2−ヨードエチル)−4−オクチルベンゼン[式3](50g)を窒素雰囲気下で添加する。内容物を加熱して還流させ、約3時間〜10時間の時間維持する。反応完了後に、得られた量を約30℃まで冷却し、この後、水(300mL)の添加および形成層の分離が続く。有機層を水、続いてブライン洗浄し、ナトリウムスルファート上で乾燥させる。溶媒を減圧下で蒸発させ、式4で表される粗化合物(59g)を得る。

0088

例2
N−[1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)プロピル]アセトアミド(式5)の製造
50%水溶性IPA(イソプロピルアルコール)(600mL)中の2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)(58g)へ、テトラブチルアンモニウムブロミド(4.31g)およびナトリウムボロハイドライド(25.41g)を添加し、反応量を、約20℃〜35℃の温度で約8時間〜24時間攪拌する。反応完了後に、6N塩酸水溶液を用いてpHを約6.0±0.5に調整する。反応量を、ブーフナー漏斗を通じて濾過して固体を除去し、濾過物を減圧下で濃縮してシロップを得る。生じたシロップに水を添加し(116mL)、化合物をエチルアセタート(2x174mL)へ抽出する。有機層を水に続きブライン溶液で洗浄し、続いて、ナトリウムスルファート上で乾燥させ、その後、減圧下で蒸発させる。生成物石油(pet)エーテルを用いて結晶化し、式5で表される標題の化合物(27g)を得る。

0089

例3
N−[1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)プロピル]アセトアミド(式5)の製造
IPA(928mL)中の2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(式4)(58g)にカルシウムアセタート(63.47g)を添加し、反応混合物を、約10℃〜15℃の温度で約30分間攪拌する。この後、ナトリウムボロハイドライド(25.41g)を添加し、反応量を、約10℃〜15℃の温度で約8時間〜12時間の時間攪拌する。反応完了を、TLC薄層クロマトグラフィ)によりモニタリングする。反応量を1.5NのHCl溶液クエンチして中性pHを達成する。反応量を濾過して固体を除去し、濾過物を真空下での蒸発に供す。この後、水(116mL)を添加し、化合物をエチルアセタート(2x174mL)へ抽出する。有機相を水(2x174mL)で洗浄する。有機相をブライン溶液(58mL)で洗浄し、ナトリウムスルファート上で乾燥させる。得られたものを濾過し、減圧下で蒸発させてシロップを形成させ、ここで、シロップは、式5で表される標題化合物(38g)を表す。

0090

例4
N−[1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)プロピル]アセトアミド(式5)の製造
IPA(3.2mL)および水(0.8mL)中の2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(0.196g)[式4]にBaCl2.2H2O(0.332g)を添加し、反応混合物を10〜15分間攪拌する。反応量を、氷浴を用いて約0℃〜5℃まで冷却する。NaBH4(0.085g)を少量ずつに添加し、続いて、約10℃〜15℃で約12時間〜16時間攪拌する。反応完了を、TLCによりモニタリングする。反応量のpHを、1.5NのHCl溶液を用いて中性に調整する。固体を濾過し、濾過物を減圧下での蒸発に供す。これに水(5mL)を添加し、化合物をエチルアセタート(3X10mL)へ抽出する。有機層をブライン(2x5mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濾過および蒸発させて、式5で表される化合物をオフホワイト色の固体として得る(0.13g)。

0091

例5
N−[1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)プロピル]アセトアミド(式5)の製造
リチウムブロミド(72.02g)およびNaBH4(25.41g)を、約10℃〜15℃の温度範囲で、IPA(928mL)および水(232mL)に添加する。内容物を、前記温度で約2時間攪拌する。上記混合物に、2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(58g)[式4]を添加し、反応混合物を、約10℃〜15℃の温度範囲で約24時間攪拌する。反応完了を、TLCによりモニタリングする。反応量のpHを、1.5NのHCl溶液を用いることにより中性に調整する。反応の完了後に得られた固体を濾過し、濾過物を蒸発に供す。濾過物に水を添加し、化合物をエチルアセタート(2x174mL)へ抽出する。有機層を、水で洗浄する。有機層をブライン溶液で洗浄し、ナトリウムスルファート上で乾燥させ、続いて、減圧下で濾過および蒸発させて標題化合物(式5で表されるもの)を含有するシロップを、シロップ粗(36g)として得る。得られた式5で表される化合物を、さらなる精製なしに用いる。

0092

例6
(2−アミノ−2[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール(フィンゴリモド塩基;式6)の製造
IPA(133mL)および6MのHCl(133mL)中のN−[1,1−ビスヒドロキシメチル−3−(4−オクチルフェニル)プロピル]アセトアミド(38g)[式5]を取り、加熱して内容物を還流させ、還流を約2時間維持する。反応量を約40℃まで冷却し、IPAを減圧下で蒸発させる。そして反応量のpHを25%NaOH溶液を用いることによって約9〜10まで調整し、生成物をエチルアセタート(3x114mL)へ抽出する。有機層を水(114mL)に続いて飽和ナトリウムクロリド溶液(2x38mL)により洗浄し、ナトリウムスルファート上で乾燥させ、減圧下で濃縮させる。内容物を約0〜2℃まで冷却し、固体を約1時間攪拌し、濾過する。湿ったケーキ(cake)を、冷やしたエチルアセタート(38mL)で洗浄する。粗物質を、エチルアセタートを用いて再結晶化させて、フィンゴリモド塩基(式6)を純粋な形態で得る(21.5g)。

0093

例7
(2−アミノ−2[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール(フィンゴリモド塩基;式6)の製造
IPA(114mL)および6NのHCl(114mL)中のN−(1ヒドロキシ−2ヒドロキシルメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(38g)[式5]を、共に混ぜる。内容物を約80±5℃まで加熱し、約2時間攪拌する。反応混合物を約10±5℃まで冷却し、pHを、25%ナトリウムヒドロキシド溶液を用いることによって約9.5±0.5に調整する。5体積の水を添加し、反応混合物を約1時間攪拌する。固形物を濾過し、濾過物をエチルアセタート中で再結晶化させる。粗物質を、エチルアセタートを用いて再結晶化させて、フィンゴリモド塩基(式6)を、純度99.5%を有する純粋な形態で得る(18.2g)。

0094

例8
(2−アミノ−2[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール(フィンゴリモド塩基;式6)の製造
エタノール(8.5mL)および水(2.0mL)中の2−(アセチルアミノ)−2−(2−(4−オクチルフェニル)エチル)プロパン二酸ジエチルエステル(0.50g)[式4]にCaCl2(0.32g)を添加し、反応混合物を約10分〜15分間攪拌する。反応量を、氷浴を用いて約10℃〜15℃まで冷却する。NaBH4(0.21g)を少量ずつ添加し、反応混合物を約10〜15℃で約4時間〜20時間攪拌する。反応完了を、TLCによりモニタリングする。反応量に6MのHCl(1.5mL)を添加し、反応量を加熱して還流させる。還流を、約2時間維持する。出発物質消失の後、反応混合物を約10±5℃まで冷却し、pHを、25%ナトリウムヒドロキシド溶液を用いることによって約9.5±0.5へ調整する。5体積の水を添加し、続いて約1時間攪拌する。固体を濾過し、濾過物をエチルアセタート中で再結晶化させ、フィンゴリモド遊離塩基を得る。

0095

例9
フィンゴリモドヒドロクロリド(式1)の製造[本開示のスキーム1で提供されるもの]
エチルアセタート(63mL)中のフィンゴリモド塩基(21g)[式6]、およびIPA(15.75mL)中のHClを共に混ぜる。内容物を、約75±5℃の温度で約1時間攪拌する。内容物を次いで約25〜30℃まで冷却し、冷却を25〜30℃で約1時間維持する。懸濁液をさらに約0〜5℃まで冷却し、該冷却を約1時間維持する。冷却後に得られた固体を濾過し、冷やしたエチルアセタート(21mL)で洗浄し、減圧下で1時間干からびさせる(suck dried)。得られたものをさらに約20〜75℃の温度で約8〜10時間さらに乾燥させて、標題化合物(式1)をクロマトグラフィ純度99.7%の白色固体として得る(20g)。

0096

例10
2−アセトアミド−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート[式5a]の製造
ピリジン(129mL)中のN−(1ヒドロキシ−2ヒドロキシルメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(38g)[式5]を取り、約10〜15分間攪拌する。反応量を、氷浴を用いて約0〜5℃まで冷却する。無水酢酸(168ml)を約0〜5℃の温度範囲で添加する。反応完了を、TLCによりモニタリングする。反応量のpHを、5%HCl溶液を用いることによって中性に調整する。生成物を、エチルアセタート(135ml)へ抽出する。有機層を、約100mlの水に続いて約60mlのブライン溶液で洗浄する。この後、有機層を無水ナトリウムスルファート上で乾燥させ、次いで、溶媒を減圧下で完全に蒸留する。生成物をヘキサン中で再結晶化して、化合物2−アセトアミド−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート(式5a)を固体として得る。

0097

例11
2−アセトアミド−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート[式5a]の製造
ピリジン(6.0mL)を、MDC(12ml)中のN−(1ヒドロキシ−2ヒドロキシルメチル−3−(4−オクチルフェニル)−プロピル)−アセトアミド(2g)[式5]へ添加し、混合物を約5分間攪拌する。反応量を、氷浴を用いて約0〜5℃まで冷却する。アセチルクロリド(12ml)を、約0〜5℃の温度範囲で添加する。反応完了を、TLCによりモニタリングする。反応量のpHを、5%HCl溶液を用いることによって中性に調整する。有機層を、約10mlの水に続いて約4mlのブライン溶液で洗浄する。有機層を無水ナトリウムスルファート上で乾燥させ、溶媒を減圧下で完全に蒸留する。生成物をヘキサン中で再結晶化させ、化合物2−アセトアミド−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート(式5a)を固体として得る。

0098

例12
(2−アミノ−2[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール(フィンゴリモド塩基)[式6]の製造:
メタノール(12mL)中の2−アセトアミド−2−(4−オクチルフェネチル)プロパン−1,3−ジイルジアセタート(式5a)(4g)にLiOH溶液(12mL)を添加し、内容物を加熱して還流させ、約2時間維持する。反応量を約40℃まで冷却し、減圧下でメタノールを蒸発させる。生成物を、エチルアセタート(2x10mL)へ抽出する。有機層を水(約8mL)続いて飽和ナトリウムクロリド溶液(約4mL)で洗浄し、ナトリウムスルファート上で乾燥させ、減圧下で濃縮させる。内容物を約0〜2℃まで冷却し、固体を約1時間攪拌し、濾過する。湿ったケーキを冷やしたエチルアセタート(約2mL)で洗浄する。粗物質を、エチルアセタートを用いて再結晶化して、クロマトグラフィ純度約99.6%のフィンゴリモド塩基(式6)を得る。

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